(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6422508
(24)【登録日】2018年10月26日
(45)【発行日】2018年11月14日
(54)【発明の名称】支持部材を有する積層半導体ダイアセンブリと、関連するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H01L 25/065 20060101AFI20181105BHJP
H01L 25/07 20060101ALI20181105BHJP
H01L 25/18 20060101ALI20181105BHJP
【FI】
H01L25/08 E
【請求項の数】19
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-564565(P2016-564565)
(86)(22)【出願日】2015年4月29日
(65)【公表番号】特表2017-515306(P2017-515306A)
(43)【公表日】2017年6月8日
(86)【国際出願番号】US2015028138
(87)【国際公開番号】WO2015168206
(87)【国際公開日】20151105
【審査請求日】2016年12月13日
(31)【優先権主張番号】14/264,584
(32)【優先日】2014年4月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595168543
【氏名又は名称】マイクロン テクノロジー, インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100106851
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 泰久
(72)【発明者】
【氏名】ウン,ホン ワン
(72)【発明者】
【氏名】イエ,セン キム
【審査官】
木下 直哉
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−131557(JP,A)
【文献】
特開2013−038106(JP,A)
【文献】
特開2005−327789(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0049228(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/00−25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ダイアセンブリを製造する方法であって、
パッケージ基板に第一の半導体ダイを接着することと、
前記第一の半導体ダイの異なる側に、第一の支持部材および第二の支持部材を配置することと、
前記第一および第二の支持部材に第二の半導体ダイを接着することであって、前記第一および第二の支持部材が、前記第一の半導体ダイの上に前記第二の半導体ダイを担持するようにする、ことと、
を含み、
前記第一の支持部材および前記第二の支持部材を配置することは、
ダイアタッチ材料で半導体ウェーハを被覆することと、
そこに接着された前記ダイアタッチ材料の部分を各々有する延長半導体部材を形成するために、前記半導体ウェーハを切断することと、
前記延長半導体部材の各々に接着された前記ダイアタッチ材料の前記部分を介して、前記パッケージ基板に前記延長半導体部材を接着することと、
を含む、
方法。
【請求項2】
前記第一の半導体ダイの対応するボンドパッドに、前記パッケージ基板の第一のボンドパッドをワイヤボンドすることと、
前記第二の半導体ダイの対応するボンドパッドに、前記パッケージ基板の第二のボンドパッドをワイヤボンドすることと、
をさらに含み、
前記第一のボンドパッドは、前記第二の半導体ダイのフットプリント内にある、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第一および第二の支持部材、前記第二の半導体ダイおよび前記パッケージ基板は、前記第二の半導体ダイの下の空洞をともに画定し、前記方法は、前記空洞に封止剤を流すことをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記パッケージ基板に前記第一の半導体ダイを接着することは、ダイアタッチフィルムで前記パッケージ基板に前記第一の半導体ダイを接着することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第二の半導体ダイを前記第一および第二の支持部材に接着することは、前記第二の半導体ダイならびに前記第一および第二の支持部材の各々にダイアタッチフィルムを接着することを含むが、前記ダイアタッチフィルムを前記第一の半導体ダイには接着しない、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記パッケージ基板と前記第一の半導体ダイを電気的に結合するワイヤボンドを形成することをさらに含み、前記ワイヤボンドの一部は、前記ダイアタッチフィルムに突出する、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
半導体ダイアセンブリを製造する方法であって、
パッケージ基板に複数の支持部材を接着することと、
前記パッケージ基板の一部にコントローラダイを接着することであって、前記パッケージ基板の前記一部は、前記パッケージ基板の上の前記複数の支持部材によって画定される外周内にある、ことと、
前記複数の支持部材にメモリダイを取り付けることと、
を含み、
前記パッケージ基板に前記複数の支持部材を接着することは、第一のダイアタッチ材料で前記パッケージ基板に第一の支持部材を接着することと、第二のダイアタッチ材料で前記パッケージ基板に第二の支持部材を接着することと、を含み、
前記第一および第二の支持部材ならびに前記第一および第二のダイアタッチ材料は、前記第一および第二のダイアタッチ材料の素となるダイアタッチ材料で前記第一および第二の支持部材の素となる半導体ウェーハを被覆することと、前記ダイアタッチ材料および前記半導体ウェーハを切断することとを含むことにより、形成される、
方法。
【請求項8】
前記パッケージ基板の前記部分に前記コントローラダイを接着することは、第三のダイアタッチ材料で前記パッケージ基板の前記部分に前記コントローラダイを接着することを含み、
前記複数の支持部材に前記メモリダイを搭載することは、第四のダイアタッチ材料で前記第一および第二の支持部材の双方に前記メモリダイを接着することを含む、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第一、第二、第三および第四のダイアタッチ材料は、ダイアタッチフィルムを各々含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第一、第二、第三、および第四のダイアタッチ材料は、圧力硬化ダイアタッチフィルムを各々含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記パッケージ基板に前記コントローラダイを電気的に結合するために、前記メモリダイの下にワイヤボンドを形成することをさらに含む、
請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記複数の支持部材に前記メモリダイを搭載することは、前記ワイヤボンドに接触するが、前記コントローラダイには接触しないダイアタッチ材料を形成することを含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記メモリダイは、第一のメモリダイであり、前記方法は、前記第一のメモリダイの上部に第二のメモリダイを積層することをさらに含む、
請求項7に記載の方法。
【請求項14】
前記第一のメモリダイの上部に前記第二のメモリダイを積層することは、前記第二のメモリダイが前記第一のメモリダイに対してずらされるように、前記第二のメモリダイを積層することを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記基板上の前記複数の支持部材によって画定される少なくとも外周の内にある、前記パッケージ基板の部分に回路コンポーネントを接着することをさらに含む、
請求項7に記載の方法。
【請求項16】
前記回路コンポーネントはキャパシタを含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第一および第二のメモリダイは、複数のボンドパッドをそれぞれ含み、
前記第二のメモリダイは、前記第一のメモリダイの前記複数のボンドパッドが露出されるように、前記第一のメモリダイに対してずらされて積層されている、
請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記パッケージ基板を封止剤で前記第一の支持部材、前記第二の支持部材および前記メモリダイを含んで覆うことをさらに含むことにより、前記封止剤を、前記コントローラダイ、前記第一の支持部材、前記第二の支持部材、前記メモリダイおよび前記パッケージ基板により区画される空洞に流し込む、
請求項7に記載の方法。
【請求項19】
前記パッケージ基板に前記複数の支持部材を接着することは、第三のダイアタッチ材料で前記パッケージ基板に第三の支持部材を、前記第一および第二の支持部材の間に接着することをさらに含む、
請求項7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示された実施形態は、半導体ダイアセンブリおよびこのようなアセンブリ内の支持部材に関する。幾つかの実施形態においては、本技術は、コントローラダイと、コントローラダイの上に支持されたメモリダイとを含むことが出来るダイアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
メモリチップ、マイクロプロセッサチップおよびイメージャチップを含むパッケージ化された半導体ダイは、パッケージ基板上に取り付けられた半導体ダイを含むことが出来る。半導体ダイは、プラスチック保護カバー内に入れられ、各ダイは、メモリセル、プロセッサ回路およびイメージャデバイスなどの機能的フィーチャを含む。機能的フィーチャと、外部回路にダイを接続することを可能とするパッケージ基板上の端子との間に、ダイ上のボンドパッドは、電気的に接続される。
【0003】
パッケージ内のダイの密度を増加させるために、ダイは、ケーシング内で互いに積層することが出来る。しかしながら、垂直に積層されたダイの有する一つの課題は、ダイが異なるサイズまたはフットプリントを有し得ることである。例えば、メモリパッケージ内で、メモリコントローラダイは、パッケージ内のメモリダイよりも小さいフットプリントを有することがある。メモリコントローラダイは、メモリダイからずらされるために、ワイヤボンドすることがより困難であり得る。また、メモリダイは、より小さいメモリコントローラダイの上に積層されるときに時には傾斜することがある。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1A】本技術の一実施形態により構成された半導体ダイアセンブリの断面図である。
【
図1B】アセンブリから除去されたケーシングおよび半導体ダイ積層を有する、
図1Aのアセンブリの上面図である。
【
図2】本技術の一実施形態による半導体ダイアセンブリの支持部材を形成するために切断された半導体ウェーハの上面図である。
【
図3A】本技術の一実施形態による製造の様々な段階における、
図1Aの半導体ダイアセンブリを図示する断面図である。
【
図3B】本技術の一実施形態による製造の様々な段階における、
図1Aの半導体ダイアセンブリを図示する断面図である。
【
図3C】本技術の一実施形態による製造の様々な段階における、
図1Aの半導体ダイアセンブリを図示する断面図である。
【
図4】本技術の別の実施形態により構成された半導体ダイアセンブリの断面図である。
【
図5】本技術の別の実施形態により構成された半導体ダイアセンブリの上面図である。
【
図6A】本技術の幾つかの実施形態により構成された半導体ダイアセンブリを図示する上面図である。
【
図6B】本技術の幾つかの実施形態により構成された半導体ダイアセンブリを図示する上面図である。
【
図7】本技術の別の実施形態により構成された半導体ダイアセンブリを含むシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
スペーサ支持部材を有する積層半導体ダイアセンブリおよび関連するシステムと方法の幾つかの実施形態の具体的な詳細事項が以下に記述される。“半導体ダイ”という語は、集積回路もしくは集積コンポーネント、データ記憶素子、処理コンポーネントおよび/または半導体基板上に製造された他のフィーチャを有するダイを一般的に指す。例えば、半導体ダイは、集積回路メモリおよび/または論理回路を含むことが出来る。半導体ダイパッケージ内の半導体ダイおよび/または他のフィーチャは、二つの構造が熱を介してエネルギーを交換できる場合に、互いに“熱的に接触している”と言うことが出来る。本技術はさらなる実施形態を有することが出来ることと、本技術は、
図1−
図7を参照して以下に記述される実施形態の詳細のうちの幾つかがなくても実践できることを、当業者は理解するであろう。
【0006】
本明細書で用いられるように、“縦方向(vertical)”、“横方向(lateral)”、“より上(upper)”、“より下(lower)”という語は、図面内に図示される方向を考慮して、半導体ダイアセンブリ内のフィーチャの相対的な方向または位置を指すことが出来る。例えば、“より上(upper)”または“最も上(uppermost)”とは、別のフィーチャよりもページの上部により近接して配置されたフィーチャを指すことが出来る。しかしながら、これらの用語は、その側面上にひっくり返されるか、または反転されるなど、他の方向の半導体デバイスを含むように広く解釈されるべきである。
【0007】
図1Aは、本技術の一実施形態により構成された半導体ダイアセンブリ100(“アセンブリ100”)の断面図である。図示されるように、アセンブリ100は、第一の半導体ダイまたはコントローラダイ103を担持するパッケージ基板102と、コントローラダイ103の反対側にある第一および第二の支持部材130aおよび130b(まとめて“支持部材130”)とを含む。支持部材130は、コントローラダイ103の上の積層として配置された、第一および第二の半導体ダイ、または第一および第二のメモリダイ106aおよび106b(まとめて“メモリダイ106”)を担持する。パッケージ基板102は、第一のメモリダイ106aのフットプリント内(例えば、直接下にある)複数の第一のボンドパッド108aと、第一のメモリダイ106aのフットプリント外(例えば、直接的に下にあるのではない)複数の第二のボンドパッド108bとを含む。第一のボンドパッド108aは、第一のワイヤボンド111aによってコントローラダイ103上で対応するボンドパッド109aに結合され、第二のボンドパッド108bは、第二のワイヤボンド111bによって、メモリダイ106の各々の上で対応するボンドパッド109bに結合される。パッケージ基板102は、例えば、金属トレース、ビアもしくは他の適切なコネクタなどの電気的コネクタ104(概略的に図示される)を有するプリント回路基板または他の適切な基板を含むことが出来る。電気的コネクタ104は、パッケージ基板102の反対側で、パッケージ接点113および相互接続114(例えば、バンプボンド)を介して、外部回路(図示せず)に第一のボンドパッド108aおよび/または第二のボンドパッド108bを結合することが出来る。幾つかの実施形態においては、電気的コネクタ104は、また、個々の第一のボンドパッド108aを個々の第二のボンドパッド108bと結合することも出来、メモリダイ106とコントローラダイ103を電気的に相互接続する。
【0008】
アセンブリ100は、コントローラダイ103、メモリダイ106および支持部材130を少なくとも部分的に封入する封止剤116で構成されたパッケージケーシング115をさらに含む。図示された実施形態においては、封止剤116は、また、パッケージ基板102と第一のメモリダイ106aとの間の空洞118内に延びて、コントローラダイ103および支持部材によって占有されていない第一のメモリダイ106aの下の領域を少なくとも部分的に充填する。幾つかの実施形態においては、封止剤116のうちの空洞118内の部分は、支持部材130を強化し、第一のメモリダイ106aの下のさらなる機械的支持を提供することが出来る。封止剤116は、例えば、熱硬化性材料、エポキシレジン、または、機械的支持、周辺環境から(例えば、湿度)からの遮蔽および/もしくは(例えば、ワイヤボンド間の)電気的絶縁を提供する他の適切な化合物を含むことが出来る。
【0009】
コントローラダイ103およびメモリダイ106は、シリコン、シリコン・オン・インシュレータ、化合物半導体(例えば、窒化ガリウム)などの半導体基板または他の適切な基板から各々形成することが出来る。ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)と、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)と、フラッシュメモリと、メモリ、処理回路、イメージングコンポーネントおよび/もしくは他の半導体デバイスを含む他の形式の集積回路デバイスと、など様々な集積回路コンポーネントまたは機能的フィーチャのうちの任意のものを有する半導体ダイに、半導体基板を切断またはシンギュレートすることが出来る。選択された実施形態においては、アセンブリ100は、メモリとして構成することが出来、メモリダイ106は、データストレージ(例えば、NANDダイ)を提供し、コントローラダイ103は、メモリ制御(例えば、NAND制御)を提供する。幾つかの実施形態においては、アセンブリ100は、コントローラダイ103および/またはメモリダイ106のうちの一つ以上に加えて、および/または、コントローラダイ103および/またはメモリダイ106のうちの一つ以上の代わりに、他の半導体ダイを含むことが出来る。例えば、二つのメモリダイの代わりに、アセンブリ100は、3以上のメモリダイ(例えば、4つのダイ、8つのダイなど)または唯一つのメモリダイを含むことが出来る。さらに、様々な実施形態においては、アセンブリ100のダイは、様々なサイズを有することが出来る。例えば、幾つかの実施形態においては、メモリダイ106のうちの一方またはその双方は、一つ以上の側で支持部材130を超えて延びることが出来る。
【0010】
図1Aにさらに図示されるように、コントローラダイ103は、ダイアタッチ材料140(例えば、ダイアタッチフィルム)によってパッケージ基板102に接着される。第一の支持部材130aは、ダイアタッチ材料141aによってパッケージ基板102に接着され、第二の支持部材130bは、ダイアタッチ材料141bによってパッケージ基板102に接着される。メモリダイ106は、今度は、ダイアタッチ材料142によって、コントローラダイ103および支持部材130に接着され、フィルムオーバーワイヤ材料143(“オーバーワイヤ材料142”)によって互いに接着される。幾つかの実施形態においては、ダイアタッチ材料140、141a−bおよび142は、同一または類似の材料から形成することが出来る。幾つかの実施形態においては、オーバーワイヤ材料143は、同一または類似の材料140、141a−b、142から形成することが出来るが、オーバーワイヤ材料143は、メモリダイ106の間で第一のワイヤボンド111aのワイヤ部分112を収容するために、より大きい厚さを有することがある。選択された実施形態においては、ダイアタッチ材料140、141a−b、142およびオーバーワイヤ材料143は、エポキシベースの材料のラミネートフィルムを各々含むことが出来る。このようなラミネートフィルムは、例えば、ダイアタッチフィルムまたはダイシング・ダイアタッチフィルム(其々、“DAF”または“DDF”として当業者に既知である)を含むことが出来る。一実施形態においては、ダイアタッチ材料および/またはフィルムオーバーワイヤ材料は、中国、上海のHenkel AG&Co.によって提供されるDAFまたはDDF(例えば、Model Nos.Ablestick ATB−100,100U,100A,100U)を各々含むことが出来る。
【0011】
幾つかの従来のパッケージアセンブリにおいては、コントローラダイは、パッケージ基板とメモリダイの積層との間に配置することが出来る。この構成は、封止剤でコントローラダイを封入することによって典型的に形成され、その後、メモリダイは、封止剤の表面上に積層される。しかしながら、この段階でコントローラを封入することによる一つの課題は、それによって製造を複雑にすることである。例えば、封止剤の上の取り付け面は、平坦でないことがある。メモリダイが平坦ではない取り付け面に積層されると、それらは、保護ケーシングの外側にダイが突出するほど傾く、または傾斜することがある。また、アセンブリの反対側でワイヤボンドが異なる長さを有するため、ダイの傾斜は、ワイヤボンディングをさらに困難にし得る。別の従来の製造技術は、コントローラダイを挿入することが出来るパッケージ基板内に空洞を形成することを含む。この技術も、また、製造を複雑にし、コストを増加させ得る。なぜなら、空洞を形成するために、パッケージ基板を圧延またはエッチングする必要があるからである。
【0012】
本技術の幾つかの実施形態により構成されたダイアセンブリの実施形態は、従来のダイアセンブリのこれらの制限および他の制限に対処することが出来る。例えば、利点の一つは、メモリダイ106の下にコントローラダイ103をまず封入する必要なく、支持部材130にメモリダイ106の積層を取り付けることが出来ることである。関連する利点は、コントローラダイを封入するための高温鋳造および硬化ステップを排除することが出来ることと、それによって、熱サイクリングを減少させることが出来ることである。したがって、製造は、幾つかの製造ステップを排除することが出来るために、より複雑でないようにすることが出来る。別の利点は、支持部材130が、メモリダイ106と類似または同一の熱膨張係数(CTE)を有することが出来ることである。例えば、支持部材130は、シリコンなどの半導体材料から形成することが出来る。このようなCTEのマッチングは、動作中のパッケージ内の熱ストレスを軽減する。さらに別の利点は、メモリダイ106は、傾斜しにくいことである。なぜなら、支持部材130は、同一の高さを有することが出来、ダイアタッチ材料140、141a−bおよび142は、均一の厚さでラミネートフィルムから形成することが出来るからである。
【0013】
図1Bは、例示のために除去された
図1Aに図示されたケーシング115およびメモリダイ106を有するアセンブリ100の上面図である。図示されるように、コントローラダイ103は、パッケージ基板102上に重ねられたメモリダイ106(
図1A)の積層の外周またはフットプリント107(隠線によって図示される)内に配置される。第一および第二の支持部材130aおよび130bは、また、フットプリント107内に配置され、コントローラダイ103の第一および第二の側面105aおよび105bに沿ってそれぞれ延びる。幾つかの実施形態においては、支持部材130は、インターポーザ基板、プリント回路基板、半導体ウェーハもしくはダイ、または別の適切な支持材料から形成された延長部材を各々含むことが出来る。以下により詳細に記述される一実施形態においては、支持部材130は、“ブランク”シリコンウェーハもしくはダイなどの、半導体ウェーハまたはダイから切断され(例えば、ダイシングまたはシンギュレートされ)た半導体材料の断片とすることが出来る。
【0014】
図2は、本技術の一実施形態によるダイアタッチ材料141で支持部材130を形成するために切断された半導体ウェーハ220の上面図である。図示された実施形態においては、支持部材130は、ダイアタッチ材料240(例えば、ダイアタッチフィルム)で半導体ウェーハ220をまず被覆し、その後、複数のダイシングライン221に沿って、ウェーハ220およびダイアタッチ材料240を同時に切断することによって形成される。切断されると、支持部材130は、ダイアタッチ材料240の其々の部分から形成されるダイアタッチ材料141を介して、パッケージ基板102(
図1A)に接着することが出来る。一実施形態においては、支持部材130は、ブランクシリコンウェーハから形成することが出来る。別の実施形態においては、支持部材は、そうでない場合には廃棄されるはずの半導体ウェーハの部分から形成することが出来る。例えば、支持部材230は、ダイのシンギュレーションの後に残された半導体ウェーハ220の端部223から形成することが出来る。追加または代替の実施形態においては、非変形性または非機能性ダイは、また、個々のスペーサ部材を形成するために複数の断片に切断することが出来る。
【0015】
図3A−
図3Cは、本技術の一実施形態による、製造の様々な段階におけるアセンブリ100を図示する断面図である。
図3Aをまず参照すると、コントローラダイ103は、ダイアタッチ材料140でパッケージ基板102に接着され、第一および第二の支持部材130a−bは、ダイアタッチ材料141a−bでパッケージ基板に其々接着される。一実施形態においては、一つ以上のダイアタッチ材料140および141a−bは、閾値レベルの圧力を超えて(例えば、パッケージ基板102と支持部材130の各々との間で)圧縮されるとき、材料を互いに接着する圧力硬化フィルムを含むことが出来る。別の実施形態においては、一つ以上のダイアタッチ材料140および141a−bは、UV放射に対する暴露によって設定されるUV硬化フィルムとすることが出来る。
【0016】
図3Bは、パッケージ基板102の第一のボンドパッド108aとコントローラダイ103の対応するボンドパッド109aとの間に、第一のワイヤボンド111aを形成した後のアセンブリ100を図示する。図示されるように、支持部材130は、コントローラダイ103の第二の厚さt
2よりも大きい第一の厚さt
1を有することが出来る。幾つかの実施形態においては、第一のメモリダイ106aが支持部材130に取り付けられるとき、第一のワイヤボンド111aの各々のワイヤ部分312が、ダイアタッチ材料142と接触しないように、第一および第二のt
1およびt
2を選択することが出来る。別の実施形態においては、厚さt
1およびt
2は、ワイヤ部分312がダイアタッチ材料142に少なくとも部分的に突出するように選択することが出来る。其々の場合に、第一のワイヤボンド111aが形成されると、第一のメモリダイ106aは、ダイアタッチ材料142を介して支持部材130に接着することが出来る。
【0017】
図3Cは、パッケージ基板102の第二のボンドパッド108bと第一のメモリダイ106aの対応するボンドパッド109bとの間に第二のワイヤボンド111bを形成した後のアセンブリ100を図示する。第二のワイヤボンド111bが形成された後、第二のメモリダイ106bは、オーバーワイヤ材料143で第一のメモリダイ106aに接着することが出来る。メモリダイ106が互いに接着されると、処理は、その後の製造段階に継続することが出来る。例えば、パッケージ基板102に第二のメモリダイ106bをワイヤボンドし、ダイ積層の上にパッケージケーシング115(
図1A)をその後鋳造することによって、処理は継続することが出来る。幾つかの実施形態においては、一つ以上の追加のメモリダイ306(隠線によって図示される)は、第二のメモリダイ106bの上に積層し、パッケージ基板102の第二のボンドパッド108bにワイヤボンドすることが出来る。
【0018】
図4は、本技術の別の実施形態により構成される半導体ダイアセンブリ400(“アセンブリ400”)の断面図である。アセンブリ400は、詳細に上述されたアセンブリ100とほぼ類似のフィーチャを含むことが出来る。例えば、アセンブリ400は、ダイアタッチ材料140および141a−bによって、パッケージ基板120に接着されたコントローラダイ103および支持部材130を含む。
図4に図示された配置においては、メモリダイ406の個々のボンドパッド409が、メモリダイ406の積層の少なくとも一端に沿って露出されるように、個々のメモリダイ406は、ずらして配列される。この実施形態の一態様においては、ワイヤボンド411は、露出されたボンドパッド409に結合することが出来、それらが、フィルムオーバーワイヤ材料(例えば、
図1Aのオーバーワイヤ材料143)によって被覆されないようにする。このように、メモリダイ406は、フィルムオーバーワイヤ材料よりも比較的薄いダイアタッチ材料440を用いて組み立てることが出来る。また、メモリダイ406の積層は、より厚いフィルムオーバーワイヤ材料でともに接着される同一数のメモリダイの積層よりも高さを低くすることが出来る。
【0019】
図5は、本技術の別の実施形態により構成された半導体ダイアセンブリ500(“アセンブリ500”)の上面図である。アセンブリ500は、詳細に上述されたアセンブリとほぼ類似のフィーチャを含むことが出来る。例えば、アセンブリ500は、メモリダイ106(
図1A)のフットプリント107内に配置されたコントローラダイ103を含む。
図5の図示された実施形態においては、アセンブリ500は、また、フットプリント107内にあって、ボンドパッド508を介してパッケージ基板102に結合されたキャパシタ550も含むことが出来る。キャパシタ550は、例えば、モノリシック(例えば、セラミック)、集積回路または他の適切なキャパシタデバイスを含むことが出来る。幾つかの実施形態においては、キャパシタ550は、電力信号を調整し、または起動を容易にするように構成することが出来る。他の実施形態においては、アセンブリ500は、追加または代替の回路素子(例えば、インダクタ、抵抗器および/もしくはダイオード)および/または、少なくとも部分的にフットプリント107内にある別の半導体ダイなどの回路コンポーネントを含むことが出来る。
【0020】
図6Aおよび
図6Bは、本技術の幾つかの実施形態により構成される半導体ダイアセンブリ600aおよび600bを其々図示する上面図である。アセンブリ600aおよび600bは、詳細に上述されたアセンブリとほぼ類似のフィーチャを各々含むことが出来る。例えば、半導体ダイアセンブリ600aおよび600bは、パッケージ基板102と支持部材130によって形成されたメモリダイ106(
図1A)との間に空洞118を各々含むことが出来る。
【0021】
図6Aを参照すると、半導体ダイアセンブリ600aは、支持部材130の各々に対してほぼ横の方向に延びる第三の支持部材630(例えば、延長部材)を含む。この実施形態の一態様においては、第三の支持部材630は、第三の支持部材630の反対側で間隙G
1によって支持部材130から離隔することが出来、空洞118内への封止剤116の流れを促進し、ケーシング115(
図1A)を形成する。
図6Bを参照すると、半導体ダイアセンブリ600bは、コントローラダイ103の各々の側に配置された支持部材635を含むことが出来る。
図6Aに図示された第三の支持部材630に類似し、支持部材635は、間隙G
2によって支持部材から離隔することが出来、空洞118への封止剤116の流れを促進する。
【0022】
図1−
図6Bを参照して上述された積層半導体ダイアセンブリのうちの任意のものを、多数のより大きいシステムおよび/またはより複雑なシステムのうちの任意のシステムに組み込むことが出来、その代表例は、
図7に概略的に図示されたシステム790である。システム790は、半導体ダイアセンブリ700と、電源792と、ドライバ794と、プロセッサ796および/または他のサブシステムもしくはコンポーネント798を含むことが出来る。半導体ダイアセンブリ700は、上述された積層半導体ダイアセンブリのフィーチャとほぼ類似のフィーチャを含むことが出来る。その結果としてできるシステム790は、メモリストレージ、データ処理および/または他の適切な機能などの広範囲の様々な機能のうちの任意の機能を実施することが出来る。したがって、代表的システム790は、ハンドヘルドデバイス(例えば、携帯電話、タブレット、デジタルリーダ、デジタル音声プレイヤー)、コンピュータ、家電製品を含むことが出来るが、そのいずれにも限定はされない。システム790のコンポーネントは、単一ユニット内に収容されてもよく、または複数の相互接続されたユニットにわたって(例えば、通信ネットワークを通じて)分散されてもよい。システム790のコンポーネントは、また、リモートデバイスと、様々な広範囲のコンピュータ可読媒体のうちの任意の可読媒体を含むことが出来る。
【0023】
前述から、本技術の具体的な実施形態は、例示として本明細書に記述されてきたが、本開示から逸脱することなく様々な改変が行われてもよいことを理解されたい。また、具体的な実施形態の文脈で記述された新規技術のある態様は、他の実施形態で組み合わせられてもよいし、または排除されてもよい。さらに、新規技術のある実施形態と関連する利点は、その実施形態の文脈で記述されてきたが、他の実施形態もまた、このような利点を示すことが出来、本技術の範囲内にあるこのような利点を必ずしも全ての実施形態が示す必要はない。したがって、本開示および関連する技術は、本明細書に明示的に図示、または記述されていない他の実施形態を包含することが出来る。