(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の検知電圧は、メモリセルの前記グループに対応する閾値電圧を決定するために使用される、記憶済みの一連の検知電圧のうちの1つの検知電圧である、請求項1から2のいずれか1項に記載の装置。
前記第1の検知電圧は、メモリセルの前記グループを検知する検知電圧としてその後使用される記憶済みの一連の検知電圧のうちの1つの検知電圧である、請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。
前記グループの前記メモリセルのうちのどのメモリセルが前記第1の検知電圧に応答して伝導するかを決定するように更に構成される、請求項1から4のいずれか1項に記載の装置。
前記メモリセルのそれぞれが前記第1の検知電圧に応答して伝導するかを示す、前記グループの前記メモリセルのそれぞれ用の伝導のフラグを決定するように更に構成される、請求項1から5のいずれか1項に記載の装置。
前記第1の検知電圧が、前記グループの前記メモリセルの前記少なくとも1つのメモリセルを伝導させる一連の検知電圧のうちの最低検知電圧であるかどうかを判定するように更に構成される、請求項1から7のいずれか1項に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は、メモリセル用の、Vt解析、例えば、Vtの収集、決定、訂正等のための装置及び方法を含む。Vt解析のための1つまたは複数の装置は、メモリセルのアレイ、制御回路を含み、制御回路は、メモリセルのアレイに結合された、選択済みアクセスライン、例えば、ワードラインに対して、或る範囲の、例えば、一連の記憶済み検知電圧を印加するように、例えば、記憶済み検知電圧の範囲の記憶に続いて印加するように構成される。1つまたは複数の装置は、おそらくは、記憶済み検知電圧の範囲内の各電圧の印加に起因して、それぞれが伝導し始めるときに、或る数のメモリセルのそれぞれの放電を検知するように構成されるセンス回路を含み、装置は、記憶済み検知電圧の範囲内で、それぞれが伝導し始めるときにより低い電圧、例えば最低電圧を示す、或る数のメモリセルのそれぞれについての放電インジケータを記憶するように構成される。
【0010】
本開示の以下の詳細な説明において、本開示の一部を形成し、また、その中で、本開示の1つまたは複数の実施形態がどのように実施されてもよいかが例証によって示される添付図面に対して参照が行われる。これらの実施形態は、当業者が本開示の実施形態を実施することを可能にするのに十分に詳細に述べられ、また、他の実施形態が利用されてもよいこと、及び、本開示の範囲から逸脱することなく、プロセスの変更、電気的変更、及び/または構造的変更が行われてもよいことが理解される。
【0011】
本明細書で使用するとき、指定子「N」及び「M」は、特に、図面内の参照数字に関して、そのように指定される或る数の特定の特徴が本開示の1つまたは複数の実施形態によって含まれる可能性があることを示す。更に、本明細書で使用するとき、「或る数の」何かは、1つまたは複数のこうしたものを指す可能性がある。例えば、或る数のメモリデバイスは1つまたは複数のメモリデバイスを指す可能性がある。
【0012】
本明細書の図は、番号付けの慣習に従っており、番号付けの慣習において、第1のデジットは図面の図番に対応し、残りのデジットは図面内の要素または構成要素を特定する。異なる図の間の同様の要素または構成要素は、同様のデジットの使用によって特定されてもよい。例えば、111は
図1内の要素「11」を参照してもよく、同様の要素は
図2内の211として参照されてもよい。認識されるように、本明細書の種々の実施形態で示す要素は、追加されて、交換されて、かつ/または削除されて、本開示の或る数の更なる実施形態を提供する可能性がある。更に、認識されるように、図に設けられる要素の割合及び/または相対スケールは、本発明の実施形態を示すことを意図され、制限的な意味で考えられるべきではない。
【0013】
図1は、本開示の1つまたは複数の実施形態による、少なくとも1つのメモリシステム104を含むコンピューティングシステム100の形態の装置の機能ブロック線図である。メモリシステム104は、例えば、固体ドライブ(SSD)である可能性がある。
図1に示す実施形態において、メモリシステム104は、物理的ホストインタフェース106、或る数のメモリデバイス112−1、・・・、112−N(例えば、固体メモリデバイス)、並びに、物理的ホストインタフェース106及びメモリデバイス112−1、・・・、112−Nに結合されたコントローラ108(例えば、SSDコントローラ)を含む。
【0014】
物理的ホストインタフェース106は、メモリシステム104とホスト102等の別のデバイスとの間で情報を通信するために使用される可能性がある。ホスト102は、メモリアクセスデバイス(例えば、プロセッサ)を含む可能性がある。「プロセッサ(processor)」が、並列処理システム、或る数のコプロセッサ等のような或る数のプロセッサである可能性があることを当業者は認識するであろう。例示的なホストは、ラップトップコンピュータ、パーソナルコンピュータ、デジタルカメラ、デジタル記録及び再生デバイス、移動体電話、PDA、メモリカードリーダ、インタフェースハブ等を含む可能性がある。
【0015】
物理的ホストインタフェース106は、標準化された物理的インタフェースの形態である可能性がある。例えば、メモリシステム104がコンピューティングシステム100内の情報記憶のために使用されるとき、物理的ホストインタフェース106は、物理的コネクタ及び/またはインタフェースの中でもとりわけ、シリアル高度技術アタッチメント(SATA:serial advanced technology attachment)物理的インタフェース、ペリフェラル・コンポーネント・インターコネクト・エクスプレス(PCIe:peripheral component interconnect express)物理的インタフェース、またはユニバーサルシリアルバス(USB:universal serial bus)物理的インタフェースである可能性がある。しかし、一般に、物理的ホストインタフェース106は、メモリシステム104と物理的ホストインタフェース106用の互換性のあるレセプタを有するホスト(例えば、ホスト102)との間でコントロール、アドレス、情報(例えば、データ)、及び/または他の信号を渡すためのインタフェースを提供する可能性がある。
【0016】
コントローラ108は、例えば、制御回路及び/またはファームウェアを含む可能性がある。コントローラ108は、メモリデバイス112−1、・・・、112−Nの1つまたは複数と同じ物理的デバイス(例えば、ダイ)に動作可能に結合されるまたは物理的デバイス上に含まれる可能性がある。例えば、コントローラ108は、物理的ホストインタフェース106及びメモリデバイス112−1、・・・、112−Nを含むプリント回路基板に動作可能に結合された特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)である可能性がある。代替的に、コントローラ108は、メモリデバイス112−1、・・・、112−Nの1つまたは複数を含む物理的デバイス(例えば、ダイ)に通信可能に結合される別個の物理的デバイス上に含まれる可能性がある。
【0017】
コントローラ108は、メモリデバイス112−1、・・・、112−Nと通信して、動作の中でもとりわけ、情報を検知する(例えば、読取る)動作、情報をプログラムする(例えば、書込む)動作、及び/または、情報を消去する動作を指示する可能性がある。コントローラ108は、或る数の集積回路及び/または離散的構成要素であってよい回路を有する可能性がある。或る数の実施形態において、コントローラ108内の回路は、メモリデバイス112−1、・・・、112−Nにわたってアクセスを制御するための回路、及び/または、ホスト102とメモリシステム104との間に変換層を提供するための回路を含んでもよい。コントローラ108は、本明細書で述べるように、解析のための及び/または、例えば、Vtの収集、決定、訂正等のためのメモリセル用のVtの実装、及び/またはメモリセルのプログラム状態を決定するための、解析110回路及び/またはプログラミングを含む可能性がある。1つまたは複数の実施形態において、こうした解析は、製造業者−及び/または販売者−関連するテスタ及び/またはインサービステスタによって提供される、例えば、とりわけ、自動化試験プログラムによって及び/または人オペレータによって提供される、ホスト102を通る入力の結果として実施される可能性がある。
【0018】
メモリデバイス112−1、・・・、112−Nは、例えば、或る数の不揮発性メモリアレイ114、例えば、不揮発性メモリセルのアレイを含む可能性がある。例えば、メモリデバイス112−1、・・・、112−Nは、本明細書で述べる実施形態に従って動作する可能性がある、
図2に述べるアレイ220等のメモリセルのアレイを含む可能性がある。認識されるように、メモリデバイス112−1、・・・、112−Nのメモリアレイ114内のメモリセルは、NANDアーキテクチャ、NORアーキテクチャ、または幾つかの他のメモリアーキテクチャである可能性がある。
【0019】
本明細書で述べるように、1つまたは複数のメモリデバイス112−1、・・・、112−Nは、同じダイ上に形成される可能性がある。特定のメモリデバイス、例えば、メモリデバイス112−1は、ダイ上に形成されたメモリセルの1つまたは複数のアレイ114を含む可能性がある。1つまたは複数の実施形態において、本明細書で更に述べるように、同じダイは、制御回路115、センス回路116、及び/または、メモリ117を含む可能性がある。メモリ117は、制御回路115及び/またはセンス回路116の動作用の命令を記憶する、かつ/または、動作から得られる結果(例えば、データ)を記憶する。例えば、メモリ117は、ダイナミックRAM(DRAM)と比較して或る数の利点を有する可能性があるスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)である可能性がある。DRAMに対するSRAMにつてのこうした利点は、例えば、より高速なアクセスタイムを提供すること、より短いサイクルタイムを提供するためアクセスの間に休止しないこと、及び/またはメモリについてのリフレッシュ要件を持たないことを含む可能性がある。
【0020】
メモリデバイス112−1、・・・、112−Nのメモリアレイ114は、グループ化される可能性がある或る数のメモリセルを含む可能性がある。本明細書で使用するとき、グループは、ダイ、或る数のアレイの全体、ページ、ブロック、プレーンなどの上にまたはその中に形成されたメモリセル、及び/または他のグループのメモリセル等の或る数のメモリセルを含む可能性がある。例えば、幾つかのメモリセルは、メモリセルのブロックを構成するメモリセルの或る数のページを含む可能性がある。或る数のブロックは、メモリセルのプレーン内に含まれる可能性がある。メモリセルの或る数のプレーンは、ダイ上に含まれる可能性がある。一例として、128GBメモリデバイスは、ページ当たり4320バイトの情報、ブロック当たり256ページ、プレーン当たり2048ブロック、及びメモリデバイス当たり16プレーンを含む可能性がある。
【0021】
図1に示す実施形態は、本開示の実施形態を曖昧にしないように、示されない更なる回路を含む可能性がある。例えば、メモリデバイス112−1、・・・、112−Nは、I/O回路を通してI/Oコネクタを通じて提供されるアドレス信号をラッチするアドレス回路を含む可能性がある。アドレス信号は、メモリアレイ114にアクセスするため、行デコーダ及び列デコーダによって受信されデコードされる可能性がある。アドレス入力コネクタの数が、メモリデバイス112−1、・・・、112−N及び/またはメモリアレイ114の密度及び/またはアーキテクチャに依存する可能性があることが認識されるであろう。
【0022】
図2は、本開示の1つまたは複数の実施形態による、アレイ220の形態の装置の一部分の略図である。
図2の実施形態は、NANDアーキテクチャ不揮発性メモリアレイを示す。しかし、本明細書で述べる実施形態は、この例に限定されない。
図2に示すように、不揮発性メモリアレイ220は、アクセスライン、例えば、ワードライン221−1、・・・、221−N、及び、交差センスライン、例えば、ローカルビットライン222−1、・・・、222−Mを含む。デジタル環境におけるアドレス指定を容易にするため、ワードライン221−1、・・・、221−Nの数及びローカルビットライン222−1、・・・、222−Mの数は、2の累乗である可能性がある、例えば、256ワードライン×4,096ビットラインである。
【0023】
メモリアレイ220は、NANDストリング224−1、・・・、224−Mを含む。各NANDストリングは、それぞれが、各アクセスラインに通信可能に結合される、例えば、ワードライン221−1、・・・、221−Nから選択される、不揮発性メモリセル225−1、・・・、225−Nを含む。各NANDストリング及びその要素たるメモリセルは、同様に、例えば、ローカルビットライン222−1、・・・、222−Mから選択される、各センスラインに関連付けられる。各NANDストリング224−1、・・・、224−Mのメモリセル225−1、・・・、225−Nは、ソース選択ゲート(SGS:source select gate)、例えば、電界効果トランジスタ(FET:field−effect transistor)226と、ドレイン選択ゲート(SGD:drain select gate)、例えば、FET228との間で、ソースからドレインへ直列接続される。各ソース選択ゲート226は、ソース選択ライン223上の信号に応答して、各NANDストリングを共通ソース233に選択的に結合するように構成され、一方、各ドレイン選択ゲート228は、ドレイン選択ライン227上の信号に応答して、各NANDストリングを各ビットラインに選択的に結合するように構成される。
【0024】
図2に示す実施形態において示すように、ソース選択ゲート226のソースは、共通ソースライン233に接続される。ソース選択ゲート226のドレインは、対応するNANDストリング224−1のメモリセル225−1のソースに接続される。ドレイン選択ゲート228のドレインは、ドレイン接点230−1において、対応するNANDストリング224−1のビットライン222−1のソースに接続される。ドレイン選択ゲート228のソースは、対応するNANDストリング224−1の、最後のメモリセル225−N、例えば、フローティングゲートトランジスタのドレインに接続される。
【0025】
1つまたは複数の実施形態において、不揮発性メモリセル225−1、・・・、225−Nの構造は、ソース、ドレイン、フローティングゲートまたは他の電荷貯蔵構造、及び制御ゲートを含む。メモリセル225−1、・・・、225−Nは、それぞれ、ワードライン221−1、・・・、221−Nに結合されたその制御ゲートを有する。NORアレイアーキテクチャは、メモリセルのストリングが、選択ゲートの間で並列に結合されることになることを除いて同様にレイアウトされることになる。
【0026】
例えば、それぞれ、221−1、・・・、221−Nから選択され、選択済みワードラインに結合された、225−1、・・・、225−Nを含むメモリセルから選択される、メモリセルのサブセットは、グループとして共に、例えば、読取られる、プログラムされる及び/または検知される、可能性がある。共にプログラム及び/または検知されるメモリセルの数は、データのページに対応する可能性がある。プログラミング動作、例えば、書込み動作は、或る数のプログラムパルス、例えば、16V〜20Vを選択済みワードラインに印加することであって、それにより、その選択済みワードラインに結合された選択済みメモリセルのVtを、目標とするプログラム状態に対応する所望のプログラム電圧レベルまで増加させる、印加することを含む可能性がある。
【0027】
本明細書で述べるように、例えば、ソフトデータストローブを使用する読取り及び/またはVt解析動作等の検知動作は、選択済みメモリセルのプログラム状態及び/またはVtを決定するため、選択済みメモリセルに結合されたセンスライン、例えば、ビットライン上の電圧及び/または電流変化、例えば、放電を検知することを含む可能性がある。検知動作は、ビットラインを事前充電し、選択済みメモリセルが伝導し始めると放電を検知することを含む可能性がある。
【0028】
選択済みメモリセルのプログラム状態及び/またはVtを決定するために検知することは、未選択メモリセルのVtと独立の伝導状態に未選択メモリセルを置くのに十分な、或る数の電圧、例えば、読取りパス電圧を、ストリングの未選択メモリセルに結合したワードラインに提供しながら、選択済みワードラインに、或る数の検知電圧、例えば、読取り電圧を提供することを含む可能性がある。読取られる及び/または検証される選択済みメモリセルに対応するビットラインは、検知済みワードラインに印加された特定の検知電圧に応答して、選択済みメモリセルが伝導するか否かを判定するために検知される可能性がある。
【0029】
例えば、選択済みメモリセルのプログラム状態は、ビットライン電流が、特定のプログラム状態に関連する特定の基準電流に達するワードライン電圧によって決定される可能性がある。対照的に、選択済みメモリセル、例えば、メモリセル225−1のVtを決定するため、対応するワードライン、例えば、ワードライン221−1は、ワードラインが、より低い電圧、例えば、0ボルト(V)から比較的高い電圧、例えば、6Vまで、例えば、小さな電圧差増分でステップ動作するように、或る範囲の検知電圧を印加されている可能性がある。例えば、0〜6Vの範囲は、それぞれが50ミリボルト(mV)だけ増加する120ステップでカバーされる可能性がある。対応するビットライン、例えば、ビットライン222−1のセンス出力が「0」から「1」に変化する、例えば、放電する電圧は、選択済みメモリセルのVtに対応する。
【0030】
本開示の1つまたは複数の実施形態において、特に選択済みMLCの場合、決定済みVtを、そのメモリセルについての意図されるプログラム状態と比較することが有用である可能性がある。したがって、
図3に関して更に述べるように、或る数のバッファ235−1、・・・、235−Mはそれぞれ、センスラインとして役立つ各ローカルビットライン222−1、・・・、222−Mに結合される可能性がある。各バッファは、本明細書で述べるVt解析を可能にするため、例えば、SRAM及び/または別のメモリデバイス上に記憶された命令及び/またはメモリを含む可能性がある。
【0031】
図3は、本開示の1つまたは複数の実施形態による、Vt解析を実施することに関連する、例えば
図2に示すバッファ235−1に対応するバッファ335の機能ブロック図である。メモリセルの状態は、メモリセルの、電荷貯蔵構造、例えば、フローティングゲート上の貯蔵済み電荷を検知することによって決定される可能性がある。しかし、或る数のメカニズム、例えば、読取り外乱、プログラム外乱、消去、及び/または電荷喪失、例えば、電荷漏洩は、メモリセルの記憶済み電荷を変化させる可能性がある。記憶済み電荷の変化の結果として、メモリセルの状態が検知されると、エラーが発生する場合がある。例えば、メモリセルは、事前プログラム済み基準電圧がメモリセルに印加されると、ターゲット状態(例えば、メモリセルが事前プログラムされることを意図された状態と異なる状態)以外の状態にあると検知されてもよい。本明細書で述べるように、こうしたエラーは、例えば、エラーを訂正するためメモリセルのデータ状態に関連するソフトデータを利用する場合がある低密度パリティチェック(LDPC:low−density parity−check)ECCスキーム等のエラー訂正コード(ECC)によって訂正される可能性がある。こうしたエラーの低減及びその訂正は、選択済みメモリセルのその数のプログラム状態を検知するのにより適切である或る数のVtを決定することに基づく、特定のメモリセル用のVtの調整に起因する可能性がある。例えば、ECCエンジンは、ソフトデータを調節するためVt情報を使用する可能性があり、また、所与の読取り状況について最適化するため、内部ECCパラメータを利用する可能性がある。
【0032】
幾つかの例において、ソフトデータは、事前プログラム済み基準電圧にオーバラップする、例えば、基準電圧の周りに実質的に中心を置く或る範囲の検知電圧を含むソフトデータストローブの適用から得られる可能性があるため、メモリセルに対応するワードラインは、事前プログラム済み基準電圧より低い電圧から事前プログラム済み基準電圧より高い電圧まで、例えば、小さな電圧差増分でステップ動作される。
【0033】
幾つかの例において、0〜6Vの全体の範囲は、それぞれが50mVだけ増加する120ステップでカバーされる可能性がある。こうした範囲の検知電圧は、例えば、
図1に示すアレイ、例えばアレイ114と同じダイ、例えば
図1に示すメモリデバイス112−1上に記憶された、
図1に示す制御回路115によって、命令を実行することを通して、適切なワードラインに印加される可能性がある。例えば、アレイ114の選択済みワードラインに対する、制御回路115による1つまたは複数の範囲の検知電圧の自動化された適用のために、或る数の検知電圧範囲は、例えば、コントローラ108によってそうするように指令されると、ダイ上の或る数のSRAM、例えば、
図1に示すSRAM117に記憶される可能性がある。
【0034】
図1に示すセンス回路116の例は、235−1、・・・、235−Mで
図2に示すバッファ及び/または
図3に示すバッファ335に関連して以下で更に述べられる。例えば、或る数の実施形態において、バッファ335は、センス増幅器337(センスアンプ)及び或る数の他の構成要素を含む可能性があり、他の構成要素が、使用されて、ダイに対して、例えば、対応するセンスライン、例えばローカルビットラインに関連するデータに対して論理動作を実施する可能性がある。したがって、データ記憶、収集、更新、交換、及び/または比較機能は、バッファ335の外部の処理リソースによって、例えば、コントローラ108、ホスト102、及び/またはどこか他の所に位置する他の処理回路に関連する或る数のプロセッサによって実施されるのではなく及び/または実施される代わりに、バッファ335内に記憶された命令を実行することによって実施される可能性がある。
【0035】
バッファ335内のセンスアンプ337は、メモリセルの特定の列に対応する少なくとも1つの対応するローカルビットラインに結合される可能性がある。センスアンプ337は、選択済みメモリセルに記憶された、プログラム状態、例えば、論理データ値を決定するように動作する可能性がある。実施形態は、所与のセンスアンプアーキテクチャまたは型に限定されない。例えば、本明細書で述べる或る数の実施形態によるセンス回路は、とりわけ、電流モードセンスアンプ及び/またはシングルエンド型センスアンプ、例えば、1つのセンスラインに結合されたセンスアンプを含む可能性がある。本明細書で述べるように、センスアンプは、選択済みメモリセルの放電によって引起される伝導に関連する信号、例えば、選択済みメモリセルに結合したビットライン上の電圧及び/または電流変化を検知することに関連する信号を増幅し、選択済みメモリセルが伝導し始めるときを検知することによって、選択済みメモリセルのプログラム状態及び/またはVtを決定する可能性がある。1つまたは複数の実施形態において、センスアンプ337は、同様に、標準的な読取り動作中に選択済みメモリセルの伝導を検知する増幅器として使用される可能性がある。
【0036】
バッファ335は、或る数のラッチ339を含む可能性がある。ラッチ339は、例えば、アドレス回路と連携して動作して、I/O回路を通して、I/Oバス、例えば、データバスを通じて提供されるアドレス信号をラッチする可能性がある。アドレス信号は、例えば、行デコーダ及び列デコーダによって受信されデコードされて、例えば、
図1の114及び/または
図2の220に示すように、メモリセルのアレイにアクセスする可能性がある。データは、例えば、センスアンプ337を含むセンス回路116を使用して、センスライン上の電圧及び/または電流変化を検知することによってアレイから読取られる可能性がある。センス回路116は、特定のラッチ内のアレイから、データのページ、例えば、行を読取りラッチする可能性がある。
【0037】
バッファ335は、
図6に関して更に述べるように、放電フラグ340及び/または放電インジケータ341の収集、更新、交換、及び/または比較のための命令及び/またはメモリを含む可能性がある。放電フラグ340及び/または放電インジケータ341は、印加された範囲の検知電圧のどの特定の電圧で選択済みメモリセルが伝導し始めるかを検知するセンスアンプ337によって、各選択済みメモリセルについて決定される可能性がある。
【0038】
検知電圧の範囲内の特定の電圧で放電する選択済みメモリセルは、同様に、より高い検知電圧で放電すると予想される可能性がある。例えば、各選択済みメモリセル用の放電フラグは、メモリセルに割当てられるフラグ、例えば、現在の検知電圧及び/または任意のより低い電圧で放電しなかったと判定されたメモリセルの場合、「0」、また、現在の検知電圧及び/または任意のより低い電圧で放電すると判定されたメモリセルの場合、「1」である可能性がある。したがって、印加される検知電圧の範囲内のより低い電圧で放電しなかった、例えば、0の放電フラグ値を有するメモリセルの場合、センスアンプ337は、選択済みメモリセルが放電する電圧、例えば最低電圧において1の放電フラグ値を出力し、そうでなければ、放電が全く検知されない電圧について、0の放電フラグ値を出力する可能性がある。選択済みメモリセル用のメモリ及び/または放電フラグは、特定の検知電圧においてその放電を示すセンスアンプ337からの出力に応答して、1の値に更新される可能性がある。各選択済みメモリセル用の放電フラグ値は、バッファ335内に放電フラグ340として記憶される可能性がある。
【0039】
放電フラグ340内に記憶されたこうした放電フラグの解析は、例えば、
図4に示すように、複数のメモリセルについて使用される複数のプログラム状態用の適切なVtを決定するのに適切でない場合がある。したがって、
図6に関して更に述べるように、放電インジケータ341の出力は、放電したものとして既に検知された選択済みメモリセル用の放電インジケータ値について1から0への放電フラグ値に強制的にするように更新される可能性がある。幾つかの例において、放電インジケータ341は、選択済みメモリセルの最低Vtから最高Vtへの各プログラム状態の検知が、個々に終了した後、放電インジケータを強制的に0にするように更新される可能性がある。幾つかの例において、放電インジケータ341の出力は、より高い検知電圧が印加される前に放電されているものとして検知された既に選択済みの各メモリセル用の放電インジケータ値について放電フラグ値を強制的に0にする、例えば、各メモリセルが、記憶済み検知電圧の範囲内で伝導し始めるときに最低電圧を示すように更新される可能性がある。しかし、1つまたは複数の実施形態において、放電インジケータ値を更新することは、今述べたように、例えば、バッファ335内の放電フラグ340として記憶された、メモリセル用の放電フラグの既に割当て済みの値を変更しない。各選択済みメモリセル用の放電インジケータ値は、バッファ335内に放電イジケータ341として記憶される可能性がある。
【0040】
1つまたは複数の実施形態において、メモリセルを事前プログラムし、メモリセルの予想状態を記憶することは、メモリセルのVtの解析を支援する可能性がある。例えば、バッファ335は、或る数の選択済みメモリセル用の予想データ、例えば、予め規定済みの、データの入力の結果として記憶される予想状態インジケータ342を含む可能性がある。予め規定済みデータは、選択済みメモリセルに入力される、例えば、ロードされる可能性があり、それにより、選択済みメモリセルのそれぞれは、特定のプログラム状態にプログラムされると予想される可能性がある。したがって、事前プログラム済みで選択済みの各メモリセル用の予想プログラム状態は、予想状態インジケータ342として記憶される可能性がある。
【0041】
1つまたは複数の実施形態において、SLCは、単一ビット、例えば、2状態セルである可能性がある。すなわち、メモリセルは、2つのプログラム状態の一方、例えば、L0及びL1にプログラムされる可能性がある。動作時、メモリセルは、適切なVtレベルの印加によって決定されるL0またはL1に対応するプログラム状態にプログラムされるようにプログラムされる可能性がある。例えば、メモリセル用のプログラム状態L0は、予想状態インジケータ342において、バイナリ「1」等の記憶済みデータ値によって表される可能性がある。メモリセル用のプログラム状態L1は、予想状態インジケータ342において、バイナリ「0」等の記憶済みデータ値によって表される可能性がある。しかし、実施形態は、これらのデータ割当てに限定されない。例えば、予想プログラム状態L0はバイナリ「0」を表す可能性があり、予想プログラム状態L1はバイナリ「1」を表す可能性がある。
【0042】
MLCは、複数ビットを表す3つ以上のデータ状態のうちの1つにプログラムされる可能性がある。例えば、4状態MLCにおいて、メモリセル用のプログラム状態L0は、予想状態インジケータ342において、バイナリ「11」等の記憶済みデータ値によって表される可能性があり、プログラム状態L1は、バイナリ「01」等の記憶済みデータ値によって表される可能性があり、プログラム状態L2は、バイナリ「00」等の記憶済みデータ値によって表される可能性があり、プログラム状態L3は、バイナリ「10」等の記憶済みデータ値によって表される可能性がある。この例において、メモリセルは、2ビットメモリセルであり、各メモリセルは、それぞれが異なる2ビット記憶済みビットパターン(例えば、11、01、00、及び10)を示す4つのデータ状態(例えば、L0〜L3)のうちの1つにプログラムされる。ある実施形態において、ビットパターンを記憶する2ビットのそれぞれのビットは、データの異なるページに対応する。例えば、最も右のビット、例えば、「01」内のデジット「1」はデータの第1のページ(例えば、データの下側ページ)に寄与する可能性があり、最も左のビット、例えば、「01」内のデジット「0」はデータの第2のページ(例えば、データの上側ページ)に寄与する可能性がある。したがって、メモリセルのページは、この例では、2ページのデータを記憶する可能性がある。しかし、実施形態は、2ビットのデータを記憶するMLCに限定されない。例えば、或る数の実施形態は、2ビットより多いまたはより少ないデータ及び/または分数のビットのデータを記憶するように構成されるメモリセルを含む可能性がある。同様に、実施形態は、予想状態インジケータ342に記憶するためのデータ状態L0〜L3に割当てられた特定の値に限定されない。
【0043】
バッファ335は、状態ごとのビットカウント343の表現を含む可能性がある。1つまたは複数の実施形態において、状態ごとのビットカウント343は、次の通りに、選択済みページのVt分布を収集する命令を実行することによって決定される可能性がある。Vt分布の収集は、例えば、或る範囲の検知電圧から適切なワードライン電圧を設定し、選択済みページ上で選択済みセル、例えば、全てのセルを検知することを含む可能性がある。1つまたは複数の実施形態において、例えば、センスアンプ337によって検出されるセンスデータは、例えば、放電インジケータ340内の放電フラグと比較される可能性があり、これは、選択済みメモリセルが、「1」から「0」への放電によって既に遷移したかどうかを示す。したがって、放電フラグは、Vtが既に見出されたかどうかを示す。
【0044】
メモリセル用のVtを示す現在のワードライン電圧で放電したページ上のメモリセルが特定されると、現在のワードライン電圧で放電したメモリセルの数が、ビットとして計数され、そのワードライン電圧用のビットカウントとして記憶される。予想状態インジケータ342との比較は、これらのビットのそれぞれがどのプログラム状態にあることを意図されるかを決定するために行われる可能性があり、例えば、或る分布で表される状態ごとのビットカウント343が、決定される可能性があり、その実施形態は、
図4及び
図5A〜5Cに示される。
【0045】
状態ごとのビットカウント343を決定するため、ロードされた予想データを予想状態インジケータ342に適用する命令が実行される可能性がある。例えば、検知電圧の範囲内の第1の電圧を超えるワードライン電圧の場合、ワードラインに印加されるより低い電圧で放電したメモリセルは、例えば、放電フラグを参照しフィルタリング除去されて、ビット計数機能が、現在のワードライン電圧でのそのプログラム状態用のビットの数を計数することを可能にする可能性がある。状態ごとのビットカウント343は、特定のプログラム状態及び特定のワードライン電圧におけるビットカウントの数を表すビットカウント値を、例えば、ダイ上のSRAMに記憶する可能性がある。1つまたは複数の実施形態において、次のプログラム状態のためにループバックしフィルタリングし、ビットを計数し、状態ごとのビットカウント343を記憶する命令が実行される可能性がある。こうした実行は、上限数の、例えば、全てのプログラム状態が説明されるまで反復される可能性がある。状態ごとのビットカウント343として記憶されるデータは、例えば、ワードラインまたはページ上の全てのメモリセルについて、現在のワードライン電圧での全てのプログラム状態からのビットの数を表す可能性がある。
【0046】
指定済みステップサイズ、例えば、50〜100mVの範囲内のほぼ等しい増分によってワードライン電圧を増分させ、今述べたプロセスを、検知電圧範囲及び/または指定済みVt範囲の上限電圧、例えば最高電圧に達するまで継続する命令が実行される可能性がある。1つまたは複数の実施形態において、ワードラインに対するその範囲の検知電圧の印加が終了すると、状態ごとのビットカウント343、例えば、ダイ上のSRAMは、特定のページについて、ビットカウントの分布、例えば、ヒストグラムを決定及び/または記憶する可能性がある。1つまたは複数の実施形態において、分布、例えば、ヒストグラムは、例えば、更なるVt解析のため、
図1に示すコントローラ108によって読出されるかつ/またはコントローラ108にエクスポートされる可能性がある。
【0047】
図4は、本開示の1つまたは複数の実施形態による、プログラム済みメモリセルに関連するプログラム状態に対応する或る数のVt分布を示す線
図450である。特定のメモリセルのVtを見出すため、ワードラインは、より低い、例えば、最低の電圧から、より高い、例えば、最高の電圧までステップ動作され、全てのステップでメモリセルを検知する可能性がある。センス出力が、例えば、「1」から「0」に変化するポイントは、そのメモリセルのVtである。Vtを解析するため、或る範囲の検知電圧全体にわたる或る数のメモリセルの検知済みVtを、
図4に示す4状態MLCの場合に、メモリセルのそれぞれが、例えば、11、01、00、及び10であることを意図された特定のプログラム状態と比較することは有用である可能性がある。
図4に関連するメモリセルは、
図2に関して本明細書で述べたメモリセル225−1、・・・、225−N等のメモリセルである可能性がある。
図4に関連するメモリセルは、2ビット、例えば、4状態MLCである。しかし、本開示の実施形態は、この例に限定されない。
【0048】
NANDストリング内で選択済みメモリセルに対して実施される検知動作において、ストリングの未選択メモリセルは、伝導状態になるようバイアスされる。こうした検知動作において、選択済みメモリセルのプログラム状態は、選択済みメモリセル用のVtに一致するまたはVtを超える対応するワードラインに印加される特定の検知電圧に応答してストリングに対応するビットライン上で検知される電流及び/または電圧に基づいて決定される可能性がある。例えば、選択済みメモリセルのプログラム状態は、ビットライン電流が、特定の量だけ変化するか、所与の期間内に特定のレベルに達するかに基づいて決定される可能性がある。
【0049】
図4のVt分布451、452、453、及び454は、それぞれが、4つのプログラム状態、例えば、L0、L1、L2、及びL3に対応する、例えば、11、01、00、及び10のうちの1つにプログラムされる或る数のメモリセルに対応する。1つまたは複数の実施形態において、L0及びL1の異なるプログラム状態は、例えば、組合されて、より低いレベルとして考えられる可能性があり、L2及びL3の異なるプログラム状態は、組合されて、より高いレベルとして考えられる可能性がある。代替的に、L0、L1、L2、及びL3のそれぞれは、Vt解析について別個のレベルとして考えられる可能性がある。
【0050】
図4に示すように、Vt分布451は、第1のプログラム状態、例えば、L0にプログラムされる或る数のメモリセルに対応する。少なくとも幾つかの実施形態において、メモリセルを第1のプログラム状態にプログラムすることは、単に、メモリセルが消去済み状態のままであることを可能にすることを含んでもよい。すなわち、第1のプログラム状態は、実際には、上側ページと下側ページの両方について消去済み状態であってよい。Vt分布452は、第1のプログラム状態L0と同じである可能性がある消去済み状態から、第2のプログラム状態に、例えばL1にプログラムされる或る数のメモリセルに対応する可能性がある。例えば、グラウンド状態電圧455より高い可能性がある第1の事前プログラム済み基準電圧456は、選択済みメモリセルのプログラム状態が、L0のままでない、例えば、少なくともL1であることを検証しようと試みて、例えば、検知または読取ろうと試みて、対応するワードラインを通してメモリセルに印加される可能性がある。
【0051】
しかし、Vtテイルは、例えば、原因の中でもとりわけ、再プログラムされる前にメモリセルを消去することに起因する各プログラム状態について、少なくとも幾つかのメモリセルによって記憶される電圧レベル範囲の幅広化のせいで、451で示すL0分布の上側端及び452で示す452分布の下側端から延在する可能性がある。こうしたVtの一方または両方は、第1の事前プログラム済み基準電圧456を横断し、例えば、そこを横切って延在し、それにより、こうしたテイル内にVtを有するメモリセルのプログラム状態を検証しようと試みる、例えば、検知または読取ろうと試みるときエラーを引起す可能性がある。同様のエラーは、第2の事前プログラム済み基準電圧457、第3の事前プログラム済み基準電圧458、及び/または第4の事前プログラム済み基準電圧459に対する452のL1、453のL2、及び/または454のL3について示すVt分布の下側及び/または上側テイルに起因する可能性がある。事前プログラム済み基準電圧456、457、458、及び459の位置付けは、制限としてではなく明確にするため例として示される。代替的にまたは更に、インジケータ455、456、457、458、及び459の間の間隔の電圧範囲は、予想状態インジケータ、例えば、L0、L1、L2、及びL3を規定するプログラム済み電圧範囲を表す可能性がある。したがって、事前プログラム済み基準電圧及び/または例えば
図3でインジケータ342で示す予想状態インジケータに対するVt分布の解析は、本明細書で述べるように、メモリセル用の、Vtの解析、例えば、Vtの収集、決定、訂正等を支援する、かつ/または、メモリセルのプログラム状態を決定する可能性がある。
【0052】
図5A〜5Cは、本開示の1つまたは複数の実施形態による、或る範囲の検知電圧でのメモリセル放電を表すメモリに記憶されるデータ560を示す。
図5A〜5Cに示すデータ560は、それぞれが、例えば、
図2に関して述べたセンスラインとして役立つ各ローカルビットライン222−1、・・・、222−Mに結合されたその数のバッファ235−1、・・・、235−Mのメモリに記憶される可能性がある。例えば、データ560は、例えば、
図3に関して述べた状態ごとのビットカウント343を決定するために実行される命令によって処理される可能性がある。例えば、
図5A〜5Cに示す、結果得られる状態ごとのビットカウント情報は、ダイ上の各バッファに結合された1つまたは複数のSRAMに記憶される可能性がある。1つまたは複数の実施形態において、状態ごとのビットカウント情報は、適したデータ構造の中でもとりわけ、或る数のヒストグラム形式で、或る数のヒストグラムに変換可能な形式で、及び/または表形式で記憶される可能性がある。
【0053】
図5Aに示すデータ560は、各列に含まれるデータの型を示すためデータ構造の上部にヘッダを示す。例えば、データ構造内のデータ560は、検知電圧がそこに印加されるメモリセルのブロック561を文書化する列を含む可能性がある。こうしたブロックは
図2に概略的に示される。
図5Aに示すように、データ構造は同様に、検知電圧が、対応するワードラインを通してそこに印加されるメモリセルのページ562を文書化する列を含む可能性がある。幾つかの例において、1ブロック当たり256ページ、また、1ページ当たり4320バイト、例えば34,560ビットの情報が存在する可能性がある。
【0054】
図5Aに示すように、データ構造は同様に、ページ、例えばブロック456のページ255の選択済みメモリセルのそれぞれに印加される、アナログ・デジタル変換(DAC)563によって表される検知電圧を文書化する列を含む可能性がある。DAC563列内で提示される値は、特定の検知電圧を表すために使用されるデジタルまたはバイナリ値である。例えば、ワードラインに印加される、0Vまたは別の指定される最低電圧は0のDAC値によって表される可能性がある、0.3Vは1のDAC値によって表される可能性がある、0.6Vは2のDAC値によって表される可能性がある、0.9Vは3のDAC値によって表される可能性がある、・・・、4.7Vは88のDAC値によって表される可能性がある等であり、ついには、印加される最高検知電圧は最高DAC値によって表される。DAC値は、一般に連続整数として表される。本開示の実施形態はこれらの例に限定されない。
【0055】
図5A〜5Cに示すデータ560において、検知電圧ステップは、例えば0〜6Vからステップ動作しながら、125の連続DAC値、例えば、DAC値0〜124によって表される。1つまたは複数の実施形態において、各DAC連続値は、ほぼ等しいステップサイズの検知電圧の増分変化、例えば、50〜100mVの範囲内のほぼ等しい増分を表す可能性がある。1つまたは複数の実施形態において、各DAC連続値は、或る数の事前プログラム済み基準電圧の1つまたは複数の周りに実質的に中心を持つDAC値を表す可能性があるため、選択済みメモリセルは、例えば、その数の事前プログラム済み基準電圧の特定の1つの基準電圧より低い電圧から、その数の事前プログラム済み基準電圧の特定の1つの基準電圧より高い電圧まで、小さな電圧差増分でステップ動作される。幾つかの例において、連続DAC値は、例えば、事前プログラム済み基準電圧の周りに中心を持つ値と、隣接する、例えば、次に高い事前プログラム済み基準電圧の周りに中心を持つ値との間で検知電圧が印加されない顕著なギャップを表す可能性がある。こうしたソフトデータは、エラーを訂正するため、メモリセルの予想プログラム状態に関連するソフトデータを利用する場合がある、例えば、LDPCスキーム等のECCスキームによる検出済みVtエラーの訂正に有用である場合がある。
【0056】
1つまたは複数の実施形態において、
図5Aに示すように、データ構造は同様に、選択済みメモリセルがそれにプログラムされる可能性があるその数のプログラム状態のそれぞれを文書化する別個の列を含む可能性がある。選択済みメモリセルがそれにプログラムされる可能性があるプログラム状態は、例えば、メモリセルのビットサイズに応じて、
図3に示す予想状態インジケータ342において表される異なるプログラム状態、及び/または、
図4に示すプログラム状態L0、L1、L2、及びL3に対応する可能性がある。したがって、2ビット4状態メモリセルの場合、データ構造は、L0プログラム状態用の第1の列551、L1プログラム状態用の第2の列552、L2プログラム状態用の第3の列553、及びL3プログラム状態用の第4の列554を含む可能性がある。
【0057】
検知電圧が印加される各選択済みメモリセルの場合、メモリセル伝導が、例えば、
図3に示すセンスアンプ337によって検知されるかどうかについての判定が行われる可能性がある。こうした伝導が、例えば、センスライン電流が少なくとも特定の基準電流に達することによって検知される場合、そのメモリセル用の放電インジケータは、こうした放電を或るビットとして、例えば、0から1に変更することによって記録するように更新される可能性がある。予想データをロードすることの結果として記憶される予想状態インジケータ342を参照することによって、選択済みメモリセル用の予想プログラム状態が決定される可能性がある。したがって、放電を記録するビットは、適切な列に付加される可能性がある。
【0058】
例えば、選択済みメモリセルに印加される0のDAC値を有する検知電圧がメモリセル伝導をもたらし、選択済みメモリセル用の予想プログラム状態がL0である場合、ビットは、L0列に付加される可能性がある。そのワードラインに結合した他の選択済みメモリセル、例えば、ページ255に同じ検知電圧を印加することは、選択済みメモリセルのそれぞれの選択済みメモリセル用の予想プログラム状態に応じて、適切な列内でビットのカウントを増加させる可能性がある。例えば、ページ255上のメモリセルの多くは、予想データをロードすることに起因するL3予想状態インジケータを有してもよいが、メモリセルは、列554に示すように、0のDAC値で電流を伝導させない、一方、L0予想状態インジケータを有する多くのメモリセルは、列551に示すように、0のDAC値で電流を伝導させ、そのDAC値において増大したビットカウントをもたらす。
【0059】
DAC値、例えば、検知電圧を増加させることは、例えば、より低いDAC値では伝導しなかったL0予想状態インジケータを有する徐々に小さな数のメモリセルが、初めて電流を伝導し始めることをもたらす可能性がある。しかし、0のDAC値における大きなビットカウントから延在する顕著なテイルが存在する可能性があり、メモリセルの幾つかは、L1予想状態インジケータを有する幾つかのメモリセルが伝導し始める31のDAC値に近い20〜27のDAC値範囲に達するまで伝導しない。更に、異なる予想状態インジケータを有するメモリセルが伝導し始めるDAC値は、上方に及び/または下方に延在するテイルのためにオーバラップする可能性がある。例えば、
図5A〜5B上で示す38〜52のDAC値は、L1予想状態インジケータを有するメモリセルが伝導し始める検知電圧の低から中間範囲にあるが、L2予想状態インジケータを有するメモリセルの幾つかは、同様にこの範囲で伝導し始める。同様に、L2予想状態インジケータを有するメモリセルが伝導し始めるDAC値の範囲は、L3予想状態インジケータを有するメモリセルが伝導し始めるDAC値の範囲とオーバラップする可能性がある、例えば、
図5B上のDAC値92参照。1つまたは複数の実施形態において、例えば、
図5A〜5Cに示す、かつ/または、
図3に示すバッファ335の状態ごとのビットカウント343内に記憶される、異なるプログラム状態用のビットカウントは、例えば、
図4に示すものと同様のヒストグラムとして表される可能性がある。
【0060】
したがって、本明細書で述べるVt解析のための1つまたは複数の方法は、メモリセルのグループに対応する、例えば
図3のインジケータ342で示す予想状態インジケータを記憶すること、メモリセルのグループが結合される選択済みアクセスラインに第1の検知電圧を印加すること、グループのメモリセルの少なくとも1つのメモリセルが第1の検知電圧に応答して伝導するかどうかを検知すること、メモリセルの少なくとも1つのメモリセル用の、例えば
図3のインジケータ341で示す放電インジケータが第1の検知電圧に応答して変化したかどうかを判定すること、及び、第1の検知電圧が、メモリセルの少なくとも1つのメモリセルの特定のプログラム状態用のVtであると判定することを含む。例えば、記憶済み予想状態インジケータは、メモリセルの少なくとも1つのメモリセル用の記憶済み放電インジケータと比較されて、第1の検知電圧が、メモリセルの少なくとも1つのメモリセルの特定のプログラム状態用のVtであると判定する可能性がある。
【0061】
1つまたは複数の実施形態において、方法は、第1の検知電圧を使用して、メモリセルであって、それぞれが、或る数のターゲット状態のうちの1つのターゲット状態にプログラムされ、かつ、選択済みアクセスラインに結合された、メモリセルのグループを検知することを含み、第1の検知電圧は、メモリセルのグループに対応するVtを決定するときに使用される一連の検知電圧のうちの1つの検知電圧である。例えば、第1の検知電圧は、メモリセルのグループを検知するための検知電圧としてその後使用される記憶済みの一連の検知電圧のうちの1つの検知電圧である。幾つかの例において、メモリセルのグループを検知することは、メモリセルの、ページ、例えば、完全なアクセスラインまたはワードラインに対応するページを検知することを含む可能性がある。
【0062】
本明細書で述べるように、1つまたは複数の実施形態において、方法は、例えば、検知電圧が印加されるメモリセルの自動化された連続的選択によって、メモリセルのどのメモリセルが第1の検知電圧に応答して伝導するかどうかを判定することを含む可能性がある。メモリセルの自動化された連続的選択は、例えば、
図1のインジケータ115で示すように、例えば、制御回路によって実施される可能性がある。例えば、
図3のインジケータ340で示し、また、例えば、0または1の値を有する放電フラグであって、メモリセルのそれぞれが第1の検知電圧に応答して伝導するかどうかを示す、放電フラグは、メモリセルのそれぞれについて決定される可能性があり、放電フラグの値は、伝導が検知される第1の検知電圧より高い検知電圧で変化しない。
放電インジケータがメモリセルの少なくとも1つのメモリセル用の第1の検知電圧に応答して変化したかどうかを判定することは、メモリセルの少なくとも1つのメモリセル用の放電フラグを参照することを含む可能性があり、放電フラグは、例えば、放電フラグが、メモリセルの少なくとも1つのメモリセルによる伝導をもたらす、先行する検知電圧及び現在の検知電圧について0の値を有することによって、第1の検知電圧が、メモリセルの少なくとも1つのメモリセルを伝導させる、例えば、一連の検知電圧のうちの最低検知電圧であることを示す可能性がある。
【0063】
1つまたは複数の実施形態において、本明細書で述べるVt解析のための方法は、或る数のプログラム済みメモリセルのそれぞれの、予想される、例えば、特定の検知電圧で読取られることを予想されるプログラム状態を示すため、ダイ上の或る数のメモリデバイス内に、例えば、
図3のインジケータ342のバッファ335内に、予想状態インジケータを記憶すること、同じダイ上のメモリセルのアレイに結合した選択済みアクセスラインに或る範囲の検知電圧を印加すること、及び、或る数のメモリセルがそれぞれ伝導し始めるときに、その範囲の検知電圧の少なくとも幾つかの検知電圧での放電を検知することを含む可能性がある。本明細書で述べるように、1つまたは複数の実施形態において、方法は、その範囲の検知電圧の少なくとも幾つかの検知電圧で放電する或る数のメモリセルを示すため、例えば、
図5A〜5Cに示すように、ダイ上の或る数のメモリデバイス内にビットカウントを記憶することを含む可能性がある。方法は、例えば、
図4においてプログラム状態451とプログラム状態452との間のインジケータ456で例として示すように、記憶済みビットカウントと比較して記憶済み状態インジケータを解析することであって、それにより、少なくとも第1のプログラム状態と第2のプログラム状態との間で、適切な検知Vtを決定する、解析することを含む可能性がある。
【0064】
幾つかの例において、ダイ上のその数のメモリセルは、例えば、より高いレベルまたはより低いレベルだけでプログラムされるSLCまたはMLCの場合、ダイ上のその数のプログラム済みメモリセルのそれぞれが、少なくとも第1のプログラム状態または第2のプログラム状態で読取られることを予想されるようにプログラムされる可能性がある。幾つかの例において、ダイ上のその数のメモリセルは、その数のプログラム済みメモリセルのそれぞれが、より低いレベルの第1のプログラム状態または第2のプログラム状態で、及び/または、より高いレベルの第3のプログラム状態または第4のプログラム状態で読取られることを予想されるようにプログラムされる可能性がある。幾つかの例において、本明細書で述べるように、その数のメモリセルをプログラムすることは、NANDアレイ内の或る数のMLCをプログラムすることを含む可能性がある。
【0065】
本明細書で述べるように、1つまたは複数の実施形態において、方法は、例えば、
図4及び/または
図5A〜5Cに示すように、その範囲の検知電圧の少なくとも幾つかの検知電圧で放電する、より低いレベルの第1のプログラム状態及び第2のプログラム状態にある或る数のメモリセル、及び/または、より高いレベルの第3のプログラム状態及び第4のプログラム状態にある或る数のメモリセルを示すためビットカウントを記憶することを含む可能性がある。1つまたは複数の実施形態において、記憶済み状態インジケータは、例えば、
図4において、プログラム状態451とプログラム状態452との間のインジケータ456で、プログラム状態452とプログラム状態453との間のインジケータ457で、及び/または、プログラム状態453とプログラム状態454との間のインジケータ458で例として示すように、記憶済みビットカウントと比較して解析されて、第1のプログラム状態と第2のプログラム状態との間、第2のプログラム状態と第3のプログラム状態との間、及び/または第3のプログラム状態と第4のプログラム状態との間のうちの少なくとも1つの間で或る数の適切な検知Vtを決定する可能性がある。
【0066】
図6は、本開示の1つまたは複数の実施形態による、Vt解析のためのプロセス670を示す機能ブロック線図である。1つまたは複数の実施形態において、プロセス670は、或る数のメモリセルに対する、予想された、例えば、予め規定された、データ671のロード、例えば、プログラミングを含む可能性がある。本明細書で述べるように、選択済みメモリセルは、NANDアーキテクチャ、NORアーキテクチャ、または幾つかの他のメモリアレイアーキテクチャのブロック内で、或る数のワードライン、例えば、ページに結合される可能性がある。各状態用の予想状態インジケータは、ロード済みの予想された、例えば、予め規定されたデータ671の場合、本明細書で述べるように、各プログラム済みメモリセルについて記憶される672である可能性がある。例えば、予想状態インジケータは、各プログラム済みメモリセルについて記憶されて、メモリセルが、L0、L1、L2、またはL3プログラム状態にプログラムされることを意図されたかどうかを示す可能性がある。
【0067】
1つまたは複数の実施形態において、本明細書で述べるように、例えば、或る範囲の検知電圧からの設定済みワードライン電圧673は、選択されるメモリセルに対応するワードラインに印加される可能性がある。選択済みメモリセルに対する設定済みワードライン電圧の印加によって、メモリセルがその特定の電圧で伝導するかどうかが、本明細書で述べるように、674で検知される可能性がある。選択済みメモリセルが伝導するより低い、例えば、最低の電圧において、選択済みメモリセルに割当てられた放電フラグを、例えば、より低い検知電圧で放電しなかったと判定されたメモリセルの場合の「0」から、現在の検知電圧で放電すると判定されたメモリセルの場合の「1」に変更する信号が、例えば、センスアンプ337によって出力される可能性がある。選択済みメモリセルが伝導する最低ワードライン電圧を示すこうした放電フラグは、例えば、
図3の340のバッファ335に記憶される可能性がある。この放電フラグは、同様に、選択済みメモリセルが伝導する最低ワードライン電圧より高いワードライン電圧で、選択済みメモリセルが伝導することを示す可能性がある。選択済みメモリセルが伝導する最低ワードライン電圧及びより高いワードライン電圧を示す、記憶済み放電フラグ、例えば、1のデジタルまたはバイナリ値は、少なくとも、最後の、例えば、最高のワードライン電圧が印加されるまで、Vt解析のためのプロセス670中に参照のために記憶される。
【0068】
選択済みメモリセル用の記憶済み放電フラグが0の値を有し、メモリセルがより低い印加済みワードライン電圧で伝導し始めなかったことを示し、メモリセル伝導が、現在印加済みワードライン電圧で検知される場合、インジケータ675で示すように、1の値が出力される可能性がある。選択済みメモリセル用の記憶済み放電フラグが0の値を有さない、すなわち、放電フラグが1の値を有し、メモリセルがより低い印加済みワードライン電圧で伝導し始めたことを示す場合、インジケータ675で同様に示すように、0の値が出力される可能性がある。
【0069】
1の値が出力され、選択済みメモリセルが、より低いワードライン電圧ではなく、現在印加済みワードライン電圧でちょうど伝導し始めたことを示すと、放電インジケータは、インジケータ676で示すように、放電フラグと対照的に、1の値に更新される可能性がある。対照的に、0の値が出力され、選択済みメモリセルが、より低いワードライン電圧で伝導し始めたことを示すと、インジケータ676で同様に示すように、放電インジケータは、0の値に更新される、または、その値に既に更新された場合、0のままである可能性がある。したがって、放電インジケータは、関連するメモリセルが伝導し始める、より低い、例えば、最低のワードライン電圧を示すため、関連するメモリセルのために1の値を有するだけである。
【0070】
例えば、
図5Aを参照すると、0のDAC563の値において、インジケータ551で示すL0予想状態インジケータを有する17,747のメモリセルが伝導し始めた。1のDAC値において、L0予想状態インジケータを有する174のメモリセルが伝導し始めたが、0のDAC値で伝導し始めたL0予想状態インジケータを有する17,747のメモリセルは、1のDAC値で伝導することを依然として予想されることになる。しかし、放電インジケータが、1のDAC値で伝導し始めたメモリセルについて1の値を有するだけであることになり、また、より低いDAC値、例えば、0のDAC値で伝導し始めたメモリセルが、0に更新された放電インジケータを有することになるため、174の新たに伝導するメモリセルだけが、L0予想状態インジケータにおいて1のDAC値についてビットを登録することになる。
【0071】
選択済みの数の、例えば、全てのメモリセルが検知され、また、現在のワードライン電圧で、伝導し始める、例えば、Vtを有するメモリセルが放電インジケータによって特定されると、
図6のインジケータ677で示すように、出力が、特定の状態のためにフィルタリングされる可能性がある。1つまたは複数の実施形態において、現在のワードライン電圧で検知された、新たに伝導するメモリセルを示す放電インジケータは、例えば、
図3のインジケータ342で示すように、その特定のメモリセル用の予想状態インジケータとそれぞれ相関付けられて、例えば、
図5A〜5Cに示すように、データ用のデータ構造、例えば、分布を形成する可能性がある。例えば、L0予想状態インジケータ、例えば、プログラム状態について、1の値、例えば、ビットを有する放電インジケータを文書化するため、出力が最初にフィルタリングされる可能性がある。
【0072】
特定の状態についてのビットは、その後、現在のワードライン電圧について、
図6のインジケータ678で示すように計数される可能性がある。第1のプログラム状態についての検知済みデータがフィルタリングされると、ビット計数動作が、例えば、状態ごとのビットカウント343がその内部にまたはバッファ335内の他の所に記憶した命令を実行することによって、実施されて、現在のワードライン電圧における第1のプログラム状態用のビットの数を計数する可能性がある。特定のプログラム状態用のビットカウントは、その後、
図6のインジケータ679で示すように記憶される可能性がある。例えば、各ワードライン電圧についての各プログラム状態用のビットカウントは、ダイ上のSRAM上に記憶される、例えば、
図3に示すバッファ335内の状態ごとのビットカウント343に結合される可能性がある。
【0073】
プロセス670は、ループバック(680)し、
図6のインジケータ677で示すように、次のプログラム状態のためにフィルタリングし、例えば、L1予想状態インジケータのためにビットを計数し、ビットカウントを記憶する可能性がある。プロセス670は、選択済みの数の、例えば、全てのプログラム状態が、フィルタリングされ、ビットを計数され記憶されるまで、このループを反復する可能性がある。記憶済みビットカウントは、現在のワードライン電圧における、例えば、
図5A〜5Cの列563内の任意のDAC値における全てのプログラム状態からのビットの数を示す可能性がある。
【0074】
プロセス670は、その後、本明細書で述べるように、指定されたステップサイズに従って、
図6のインジケータ673で示すように、ワードライン電圧を増分し、電圧が、インジケータ681で示すように、指定された検知電圧範囲の、最後の、例えば、最高のワードライン電圧に達するまで、ワードライン電圧を増分し続ける可能性がある。
【0075】
計数中に、記憶中に、及び/または終了後に、状態ごとのビットカウント情報は、例えば、適したデータ構造の中でもとりわけ、
図4及び/または
図5A〜5Cに示すデータ構造に適合する、或る数のヒストグラム形式で、或る数のヒストグラムに変換可能な形式で、及び/または表形式で記憶される可能性がある。述べるように、記憶済み状態ごとのビットカウント情報は、或る範囲の検知電圧、例えば、一連の設定済みワードライン電圧を、アレイの或る数のメモリセルに対応する、例えば、アレイ内の単一ページに対応する特定のワードラインに印加することによる結果を示す可能性がある。したがって、1つまたは複数の実施形態において、状態ごとのビットカウント情報は、指定された検知電圧範囲の、最後の、例えば、最高のワードライン電圧を印加した後に、例えば、単一ページについてSRAM内に記憶される可能性がある。
【0076】
本開示は、例えば、とりわけ、自動化試験プログラムによって及び/または人オペレータによって提供される、製造業者−及び/または販売者(seller)−関連するテスタ(tester)及び/またはインサービステスタに対するVt分布における可視性を提供することを述べる。1つまたは複数の実施形態において、本明細書で提示される方法及び装置は、例えば、NANDページによるVt分布の収集及び記憶を可能にし、Vt分布は、NANDダイ自体に対して含まれる。
【0077】
データ記憶、収集、更新、処理、及び/または比較機能が、
図2に示すバッファ235−1、・・・、235−M及び/または
図3に示すバッファ335に記憶された命令を実行することによって実施された後、状態ごとのビットカウント情報は、
図6のインジケータ682で示すように、更なるVt解析のための出力される可能性がある。例えば、単一ページについての状態ごとのビットカウント情報は、例えば、直接、例えば、
図1のインジケータ117で示す1つまたは複数のSRAMから、例えば、
図1のインジケータ108で示すコントローラに出力される、かつ/または、1つまたは複数のSRAMからコントローラによってアクセスされる可能性がある。1つまたは複数の実施形態において、1つまたは複数のSRAM上に記憶される情報は、コントローラへの出力及び/またはコントローラによるアクセス後に消去されて、更なるVt解析のためのメモリ空間を提供する可能性がある。1つまたは複数の実施形態において、コントローラは、メモリデバイス112−1、・・・、112−Nの1つまたは複数を含む物理的デバイス(例えば、ダイ)に通信可能に結合される別個の物理的デバイス上に含まれる可能性がある。
【0078】
1つまたは複数の実施形態において、解析110回路及び/または解析のためのプログラミング及び/またはファームウェア分析学の実施態様は、更なるVt解析及び/または関連する解析及び/または機能、例えば、Vtエラー訂正等のために、コントローラ108及び/またはホスト102上に含まれる可能性がある。1つまたは複数の実施形態において、本明細書で述べるように、ソフトデータは、例えば、LDPCスキーム等のECCスキームによって、検出済みVtエラーの訂正のために使用可能であってよく、LDPCスキームは、エラーを訂正するため、メモリセルのそれぞれの、予想プログラム状態に関連するソフトデータ、例えば、
図3に示す予想状態インジケータ342を利用してもよい。
【0079】
したがって、本明細書で述べるVt解析のための1つまたは複数の方法は、或る範囲の検知電圧内の第1の検知電圧を、メモリセルのアレイに結合された選択済みアクセスラインに印加すること、第1の検知電圧で伝導する選択済みの各メモリセルの伝導を検知すること、選択済みの各メモリセルが伝導する第1の検知電圧を示す放電フラグを記憶すること、検知電圧の範囲内のより高い第2の検知電圧を印加することであって、それにより、選択済みメモリセルのうちのどのメモリセルが第2の検知電圧で伝導するかを決定する、印加すること、及び、少なくとも1つの選択済みメモリセルが伝導し始める最低検知電圧を示す値の放電インジケータを出力することを含む可能性がある。
【0080】
本明細書で述べるように、1つまたは複数の実施形態において、方法は、少なくとも1つの選択済みメモリセルが第1の検知電圧で伝導しなかったことを放電フラグが示す場合、最低検知電圧、例えば、より高い第2の検知電圧を示す値の放電インジケータを出力することを含む可能性がある。放電インジケータは、少なくとも1つの選択済みメモリセルが第1の検知電圧で伝導しなかったことを放電フラグが示す場合、少なくとも1つの選択済みメモリセルによる伝導なしを示す値に強制的にされる可能性がある。
【0081】
1つまたは複数の実施形態において、本明細書で述べるVt解析のための方法は、事前プログラム済みメモリセル用の記憶済みの予想状態インジケータを、選択済みメモリセルの少なくとも1つのメモリセル用の放電インジケータと比較することによって、複数のプログラム状態のうちの第1のプログラム状態用のビットとして放電インジケータの出力をフィルタリングすることを含む。例えば、第1のプログラム状態用のビットは計数される可能性があり、また、第1のプログラム状態用のビットカウントは、少なくとも1つの選択済みメモリセルが伝導し始める最低検知電圧で放電する或る数のメモリセルを示すため、メモリデバイス内に、例えば、
図3のバッファ335内のインジケータ343において記憶される可能性がある。更に、放電インジケータの出力は、複数のプログラム状態のうちの少なくとも第2のプログラム状態用のビットとしてフィルタリングされる可能性があり、第2のプログラム状態用のビットは計数される可能性があり、第2のプログラム状態用のビットカウントはメモリデバイスに記憶される可能性がある。
【0082】
1つまたは複数の実施形態において、方法は、選択済みアクセスラインに印加される検知電圧を、検知電圧の範囲内の最高検知電圧まで増分的に増加させることを含む可能性がある。例えば、
図4及び/または
図5A〜5Cに示す、状態分布ごとのビットカウントは、メモリデバイスによって、例えば、
図3のバッファ335内のインジケータ343において決定される可能性がある。
【0083】
1つまたは複数の実施形態において、方法は、メモリデバイス、例えば、
図1のインジケータ117に示すSRAMから、例えば、
図1のインジケータ108で示す、メモリセルの少なくとも1つのアレイに結合されるコントローラに、状態分布ごとのビットカウントを出力することを含む可能性がある。コントローラは、例えば、少なくとも第1のプログラム状態と第2のプログラム状態との間で適切な検知Vtを決定するため、状態分布ごとのビットカウントを解析する可能性がある。例えば、コントローラは、本明細書で述べるように、少なくとも1つの事前プログラム済み基準電圧内のエラーを決定する、かつ/または、エラー訂正コードスキームであって、メモリセルのプログラム状態に関連するソフトデータを利用してエラーを訂正する、エラー訂正コードスキームによるエラーの訂正を指示する可能性がある。
【0084】
例えば、
図1のインジケータ106及び102でそれぞれ示す、ホストに対する物理的インタフェースは、Vt収集、解析等の実行及び/またはカスタム化に関する入力を可能にするために設けられる可能性がある。物理的ホストインタフェース106は、本明細書で述べるように、メモリセルのアレイの指定されたブロック及び/またはページにおいて、例えば、
図6に関して述べる、プロセスのコマンド始動に対するアドレス指定を有するコマンドシーケンスの入力を可能にする可能性がある。プロセスは、
図1に示す制御回路115、センス回路116、及び/またはSRAM117、並びに/または、
図3に示すバッファ335の要素337、339、340、341、及び/または343の一つまたは複数に記憶された命令の実行によって始動及び/または実施される可能性がある。物理的ホストインタフェース106は、Vt測定のカスタム化並びに実行のカスタム化を可能にする、かつ/または、結果得られる状態ごとのビットカウント情報を出力する可能性があり、結果得られる状態ごとのビットカウント情報は、形式の中でもとりわけ、或る数のヒストグラム形式で、或る数のヒストグラムに変換可能な形式で、及び/または表形式で記憶される可能性がある。物理的ホストインタフェース106は、指定された検知電圧範囲、例えば、最低の及び/または最高の設定済みワードライン電圧及び/または電圧ステップサイズ及び/またはこうしたステップ間のギャップの入力を可能にする可能性がある。更に、物理的ホストインタフェース106は、ダイ上のSRAM117に記憶された状態分布ごとのビットカウント、例えばヒストグラム、及び/または、コントローラ108によって実施されたVt解析110のホスト102への出力を可能にする可能性がある。例えば、有益なヒストグラムをもたらすように設計された、予想される、例えば、予め規定されるデータの入力は、有効なコンピューティングデバイスに固有の共通コマンドを使用して、例えば、
図3に示す予想状態インジケータ342にロードされる可能性がある。1つまたは複数の実施形態において、特別のコマンドが共通コマンドと組合されて、下側ページデータと上側ページデータの両方が所望に応じてロードされることを可能にする可能性がある。
【0085】
1つまたは複数の実施形態において、本明細書で述べるVt解析のための装置は、例えば、
図1においてイジケータ114で及び/または
図2において220で示すメモリセルのアレイ、及び、或る範囲の記憶済み検知電圧をメモリセルのアレイに結合された選択済みアクセスラインに印加するように構成される、例えば、
図1においてインジケータ115で示す制御回路を含む可能性がある。1つまたは複数の実施形態において、装置は、おそらくは、記憶済み検知電圧の範囲内の各電圧の印加に起因して、それぞれが伝導し始めるときに、或る数のメモリセルのそれぞれの放電を検知するように構成される、例えば、
図1においてインジケータ116で示す、センス回路を含む可能性がある。例えば、センス回路は、記憶済み検知電圧の範囲内の各電圧の印加に起因する、選択済みアクセスラインに結合された或る数のメモリセルのそれぞれの放電によって引起される伝導を検知するように構成される、例えば、
図3においてバッファ335内でインジケータ337で示されるセンスアンプを含む可能性がある。幾つかの例において、センスアンプ337は、選択済みアクセスライン、例えば、
図2に示すワードライン221−1、・・・、221−Nのうちの1つのワードラインに関連する、選択済みセンスライン、例えば、
図2に示すローカルビットライン222−1、・・・、222−Mに動作可能に結合される可能性がある。
【0086】
1つまたは複数の実施形態において、本明細書で述べるように、装置は、或る数の事前プログラム済みメモリセルのそれぞれの、予想される、例えば、特定の検知電圧で読取られると予想されるプログラム状態を示すため、例えば、
図3においてバッファ335内でインジケータ342で示すメモリ内に、予想状態インジケータを記憶するように構成される可能性がある。1つまたは複数の実施形態において、本明細書で述べるように、装置は、記憶済み検知電圧の範囲内で、それぞれが伝導し始めるときに最低電圧で開始する伝導を示す、或る数のメモリセルのそれぞれ用の放電フラグを、例えば、
図3においてバッファ335内でインジケータ340で示すメモリ内に記憶するように構成される可能性がある。1つまたは複数の実施形態において、本明細書で述べるように、装置は、記憶済み検知電圧の範囲内で、それぞれが伝導し始めるときに最低電圧を示す、或る数のメモリセルのそれぞれ用の放電インジケータを、例えば、
図3においてバッファ335内でインジケータ342で示すメモリ内に記憶するように構成される可能性がある。
【0087】
放電インジケータは、少なくとも1つの選択済みメモリセルが、現在印加されている検知電圧より低い印加済み検知電圧で伝導することを、放電フラグが、例えば、1の値を有することによって示す場合、伝導なしを示す値、例えば、0の値に放電インジケータを強制的にする命令を実行することによって最低電圧を示す可能性がある。装置、例えば、
図3のバッファ335内に示す1つまたは複数のメモリデバイスは、例えば、
図5A〜5Cに示すように、第1のプログラム状態用のビットとして放電インジケータを出力するように、及び/または、それぞれが最低電圧で伝導し始めるメモリセルの総数を示すビットカウントを計数し記憶するように構成される可能性がある。
【0088】
1つまたは複数の実施形態において、少なくともセンス増幅器、放電フラグを記憶するように構成されるメモリデバイス、及び放電インジケータを記憶するように構成されるメモリデバイスは、選択済みアクセスラインに関連する選択済みセンスラインに動作可能に結合された、同じバッファ、例えば、
図3に示すバッファ335内に含まれる。1つまたは複数の実施形態において、メモリデバイスのうちの少なくとも1つ、例えば、
図3に示すバッファ335の要素340、341、342、及び/または343は、メモリセルのアレイ、選択済みアクセスライン、制御回路、センス増幅器、及び選択済みセンスラインのうちの少なくとも1つと同じダイ上に形成される1つまたは複数のSRAMである。すなわち、例えば、メモリセルのアレイ、制御回路、センス回路、及びその数のメモリデバイスの少なくとも1つのメモリデバイスは、単一ダイ上に形成される可能性がある。
【0089】
1つまたは複数の実施形態において、コントローラは、例えば、
図1のインジケータ108及び112−1で示すように、ダイの外部に動作可能に結合され、また、記憶済みビットカウントと比較して記憶済みの予想状態インジケータを解析して、少なくとも第1のプログラム状態と第2のプログラム状態との間で、適切な検知閾値Vtを決定するように構成される可能性がある。幾つかの例において、装置は、メモリセルの完全なページ用のビットカウントが記憶された後、記憶済みビットカウントを解析用のコントローラに送出するように構成される可能性がある。幾つかの例において、装置は、メモリセルの、完全なストリング、例えば、
図2に示すNANDストリング224−1、・・・、224−M用のビットカウントが記憶された後、記憶済みビットカウントを解析用のコントローラに送出するように構成される可能性がある。幾つかの例において、装置、例えば、
図3のバッファ335内の、状態ごとのビットカウント343で示すメモリデバイスは、記憶済み検知電圧の範囲内の最高電圧が印加された後、ビットカウント分布を形成する、かつ/または、例えば、
図4及び/または
図5A〜5Cに示すビットカウント分布を解析用のコントローラに送出するように構成される可能性があり、結果として得られるビットカウント分布は記憶される。
【0090】
結論
本開示は、Vt解析のための装置及び方法を含む。Vt解析のための1つまたは複数の装置は、メモリセルのアレイ、及び、或る範囲、例えば、一連の記憶済み検知電圧をメモリセルのアレイに結合された、例えば、その範囲の記憶済み検知電圧の記憶に続いて印加された、選択済みアクセスライン、例えば、ワードラインに印加するように構成される制御回路を含む。1つまたは複数の装置は、おそらくは、記憶済み検知電圧の範囲内の各電圧の印加に起因して、それぞれが伝導し始めるときに、或る数のメモリセルのそれぞれの放電を検知するように構成されるセンス回路を含み、装置は、記憶済み検知電圧の範囲内で、それぞれが伝導し始めるときにより低い電圧、例えば、最低電圧を示す、或る数のメモリセルのそれぞれについての放電インジケータを記憶するように構成される。
【0091】
特定の実施形態が本明細書で示され述べられたが、同じ結果を達成するように意図される配置構成が、示す特定の実施形態と置換される可能性があることを当業者は認識するであろう。本開示は、本開示の1つまたは複数の実施形態の適合または変形をカバーすることを意図される。上記説明が制限的方式でなく例証的方式で行われたことが理解される。上記実施形態の組合せ、及び、本明細書で特に述べられない他の実施形態は、上記説明を検討すると当業者に明らかになる。本開示の1つまたは複数の実施形態の範囲は、上記構造及び方法がそこで使用される他の用途を含む。したがって、本開示の1つまたは複数の実施形態の範囲は、添付特許請求の範囲を参照して、こうした特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲と共に決定されるべきである。
【0092】
先の詳細な説明において、幾つかの特徴は、開示を効率化するため単一実施形態になるよう共にグループ化される。この開示の方法は、本開示の開示される実施形態が、各請求項において明示的に述べられるより多くの特徴を使用しなければならないという意図を反映するものとして解釈されない。むしろ、添付特許請求の範囲が反映するように、本発明の主題は、単一の開示される実施形態の全ての特徴より少ない特徴にある。したがって、添付特許請求の範囲は、詳細な説明に組込まれ、各請求項は、別個の実施形態として自立する。