特許第6422577号(P6422577)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6422577分割型固定子、それを有するモータ、及び家電機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6422577
(24)【登録日】2018年10月26日
(45)【発行日】2018年11月14日
(54)【発明の名称】分割型固定子、それを有するモータ、及び家電機器
(51)【国際特許分類】
   H02K 17/08 20060101AFI20181105BHJP
   H02K 1/18 20060101ALI20181105BHJP
   H02K 3/18 20060101ALI20181105BHJP
【FI】
   H02K17/08 G
   H02K1/18 C
   H02K3/18 J
【請求項の数】13
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-525664(P2017-525664)
(86)(22)【出願日】2015年6月25日
(65)【公表番号】特表2017-523767(P2017-523767A)
(43)【公表日】2017年8月17日
(86)【国際出願番号】CN2015082374
(87)【国際公開番号】WO2016015532
(87)【国際公開日】20160204
【審査請求日】2017年3月27日
(31)【優先権主張番号】201410374606.1
(32)【優先日】2014年7月31日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201420430471.1
(32)【優先日】2014年7月31日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517012316
【氏名又は名称】ジーディー マイディア エンバイオメント アプライアンシーズ エムエフジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GD MIDEA ENVIRONMENT APPLIANCES MFG CO.,LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】516327192
【氏名又は名称】マイディア グループ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】MIDEA GROUP CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100163050
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 眞由美
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】ポン, インチン
(72)【発明者】
【氏名】ハン, ジャンフェイ
(72)【発明者】
【氏名】リ, ジィェンジィォン
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ヂーガン
【審査官】 津久井 道夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−017661(JP,A)
【文献】 特開2013−215023(JP,A)
【文献】 実開昭55−082083(JP,U)
【文献】 中国実用新案第203554111(CN,U)
【文献】 中国特許出願公開第102738939(CN,A)
【文献】 中国実用新案第204068450(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 3/04− 3/28
H02K17/00−17/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の主巻線及び複数の補助巻線と、複数の巻線ニードルと、結線板と、含み、
各前記主巻線及び前記補助巻線は、いずれも、ブロック鉄心と、前記ブロック鉄心に設けられたボビンとを含み、
前記主巻線及び前記補助巻線の前記ブロック鉄心が、周方向に沿って交互に分布するとともに、互いに接続してリング状に形成され、
前記主巻線及び前記補助巻線のボビンには、それぞれ主コイルと補助コイルが巻きつけられ、
前記複数の主巻線は少なくとも一つの第1主巻線と少なくとも二つの第2主巻線とを含み、
各前記第1主巻線は1の前記主コイルにより単独に巻きつけられ、少なくとも二つの前記第2主巻線は1の前記主コイルに連続して巻きつけられ、
前記補助巻線は少なくとも一つの第1補助巻線及び/又は少なくとも二つの第2補助巻線とを含み、
各前記第1補助巻線は1の前記補助コイルにより単独に巻きつけられ、少なくとも二つの前記第2補助巻線は1の前記補助コイルに連続して巻きつけられ、
前記複数の巻線ニードルは、対応する前記主コイル又は前記補助コイルのワイヤヘッドをそれぞれ引き出すように、複数の前記ボビンにそれぞれ設けられ、
前記結線板は、リング状に接続された前記複数の主巻線及び前記複数の補助巻線に取り付けられ、前記巻線ニードルの上端が、前記結線板を通過することを特徴とする分割型固定子。
【請求項2】
前記主巻線は4つであり、
前記補助巻線は4つであることを特徴とする請求項1に記載の分割型固定子。
【請求項3】
前記主巻線は、前記第1主巻線のうちの一つを含み、他はいずれも前記第2主巻線であり、
前記補助巻線は前記第1補助巻線のうちの一つを含み、他はいずれも前記第2補助巻線であることを特徴とする請求項1又は2に記載の分割型固定子。
【請求項4】
前記主巻線は前記第1主巻線のうちの一つを含み、他はいずれも前記第2主巻線であり、
前記補助巻線は複数の前記第2補助巻線のみを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の分割型固定子。
【請求項5】
前記複数の巻線ニードルは、
前記第1主巻線の前記ボビンに設けられた二つの第1巻線ニードルと、
前記第2主巻線のうち、最も遠位の二つの第2主巻線の前記ボビンにそれぞれ設けられた二つの第2巻線ニードルと、
前記第2補助巻線のうち、隣接する二つの前記第2補助巻線の前記ボビンにそれぞれ設けられた二つの第3巻線ニードルとを含むことを特徴とする請求項4に記載の分割型固定子。
【請求項6】
各前記ボビンは、上フレームと下フレームとを含み、
前記上フレームは、上外側円弧板と上内側円弧板とを含み、
該上内側円弧板は、第1接続部を介して前記上外側円弧板の径方向内側に設けられ、
前記上内側円弧板の頂部の両端には巻線柱が設けられるとともに、前記上フレームの前記上外側円弧板及び前記上内側円弧板の頂部には、中空の二つの第1配線柱がそれぞれ離間して設けられ、
前記下フレームは、下外側円弧板と下内側円弧板とを含み、
前記下内側円弧板は、第2接続部を介して前記下外側円弧板の径方向内側に設けられ、
前記下フレームの前記下外側円弧板及び前記下内側円弧板の底部には、中空の二つの第2配線柱が離間して設けられ、
前記上フレームは、前記下フレームの頂部に挿入して接続されるとともに、対応する前記ブロック鉄心が、前記上フレームと前記下フレームとの結合箇所に嵌合し、
前記二つの第1巻線ニードルは、それぞれ前記第1主巻線のボビンの前記上外側円弧板及び前記上内側円弧板の頂部の前記第1配線柱内に設けられ、
前記二つの第2巻線ニードルは、それぞれ前記第2主巻線のうち、最も遠位の二つの第2主巻線の前記ボビンの前記上内側円弧板の頂部の前記第1配線柱内に設けられ、
前記二つの第3巻線ニードルは、それぞれ前記補助巻線のうち隣接する二つの前記補助巻線の前記下フレームの前記下内側円弧板の底部の前記第2配線柱内に設けられ、
前記補助巻線と前記主巻線がそれぞれ交互に配列して接続された後、前記第1巻線ニードル、前記第2巻線ニードル、および前記第3巻線ニードルが、同一の平面に位置されるとともに、いずれも前記結線板に接続されていることを特徴とする請求項5に記載の分割型固定子。
【請求項7】
前記上外側円弧板と前記下外側円弧板とが上下方向において揃い、
前記上内側円弧板と前記下内側円弧板とが上下方向において揃うことを特徴とする請求項6に記載の分割型固定子。
【請求項8】
各前記ブロック鉄心の両端にそれぞれ第1位置決め部と第2位置決め部とが形成され、
一つの前記主巻線の前記ブロック鉄心の前記第1位置決め部が、その一側に隣接する前記補助巻線の前記ブロック鉄心の前記第2位置決め部と相互に結合して位置決めされ、
該第2位置決め部が、その他側に隣接する前記補助巻線の前記ブロック鉄心の前記第1位置決め部と相互に結合して位置決めされていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の分割型固定子。
【請求項9】
前記第1巻線ニードル、前記第2巻線ニードル、および前記第3巻線ニードルとが周方向において前記結線板の180度の範囲内に位置することを特徴とする請求項乃至のいずれかに記載の分割型固定子。
【請求項10】
前記主巻線の前記ブロック鉄心の底端は、隣接する前記補助巻線の前記ブロック鉄心の底端に揃っていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の分割型固定子。
【請求項11】
前記結線板は半リング状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の分割型固定子。
【請求項12】
回転子軸と、前記回転子軸に設けられた回転子鉄心とを含む回転子アセンブリと、
請求項1乃至11のいずれかに記載の分割型固定子とを含み、
前記分割型固定子は、前記回転子アセンブリの外側に嵌合し、
前記回転子アセンブリが、前記分割型固定子に対して回転可能であることを特徴とするモータ。
【請求項13】
請求項12に記載のモータを含むことを特徴とする家電機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家電機器に用いられるモータ分野に関し、特に分割型固定子、前記分割型固定子を有するモータ、及び前記モータを有する家電機器に関する。
【背景技術】
【0002】
分割型モータは、主巻線と補助巻線とをそれぞれ分けて巻線し、最後に結線板で主巻線と補助巻線とを接続する。一般的に、4極モータには12個のワイヤアウトレットヘッドがあり、円形の結線板で接続されるので、ジョイントが多く、偽溶接が現れることが多くなり、溶接の品質に大きな影響を及ぼす。また、結線板の面積が大きいため、コストアップになるとともに、面積が大きいため空気の流動性に影響を与え、モータの温度が高くなり、モータの性能に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、従来技術における少なくとも一つの技術的課題を解決することである。本発明の一つの目的は、巻線のワイヤアウトレットポイントを減少させ、偽溶接となる可能性を減少させることができる分割型固定子を提供することである。
【0004】
本発明のもう一つの目的は、上記分割型固定子を有するモータを提供することである。
【0005】
本発明の更にもう一つの目的は、前記モータを有する家電機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1実施例による分割型固定子は、複数の主巻線及び複数の補助巻線と、複数の巻線ニードルと、結線板とを含み、各前記各主巻線及び補助巻線はいずれもブロック鉄心と、前記ブロック鉄心に設けられたボビンとを含み、前記主巻線及び補助巻線のブロック鉄心が周方向に沿って交互に分布するとともに、互いに接続されてリング状に形成され、前記主巻線及び前記補助巻線のボビンには、それぞれ主コイルと補助コイルが巻きつけられ、前記複数の主巻線は少なくとも一つの第1主巻線と少なくとも二つの第2主巻線とを含み、各前記第1主巻線は1本の前記主コイルとは別に巻きつけられ、少なくとも二つの第2主巻線は1本の前記主コイルにより連続して巻きつけられ、前記補助巻線は少なくとも一つの第1補助巻線及び/又は少なくとも二つの第2補助巻線とを含み、各前記第1補助巻線は1本の前記補助コイルとは別に巻きつけられ、少なくとも二つの前記第2補助巻線は1本の前記補助コイルに連続して巻きつけられ、前記複数の巻線ニードルは、対応する主コイル又は補助コイルのワイヤヘッドをそれぞれ引き出すように、複数のボビンにそれぞれ設けられ、前記結線板は、リング状に接続された前記複数の主巻線及び複数の補助巻線に取り付けられ、前記巻線ニードルの上端が前記結線板を通過している。
【0007】
本発明の実施例による分割型固定子は、補助巻線を連続的に巻線し、主巻線の少なくとも一つを単独に巻線し、他を連続して巻線することにより、ワイヤアウトレット点が少なく形成されるので、結線板の面積を少なくすることができ、簡易な構造としてコストダウンすることができる。
【0008】
本発明の一部の実施例によると、前記主巻線は4つであり、前記補助巻線は4つである。
【0009】
本発明の一部の実施例によると、前記主巻線は前記第1主巻線うちの一つを含み、他はいずれも前記第2主巻線であり、前記補助巻線は第1補助巻線うちの一つを含み、他はいずれも第2補助巻線である。
【0010】
本発明の一部の実施例によると、前記主巻線は前記第1主巻線うちの一つを含み、他はいずれも前記第2主巻線であり、前記補助巻線は複数の前記第2補助巻線のみを含む。
【0011】
本発明の一部の実施例によると、前記複数の巻線ニードルは、前記第1主巻線のボビンに設けられた二つの第1巻線ニードルと、前記第2主巻線のうち最も遠位の二つの第2主巻線のボビンにそれぞれ設けられた二つの第2巻線ニードルと、前記補助巻線のうち隣接する二つ前記補助巻線のボビンにそれぞれ設けられた二つの第3巻線ニードルとを含む。
【0012】
本発明の一部の実施例によると、各前記ボビンは、上フレームと下フレームとを含み、前記上フレームは上外側円弧板と上内側円弧板とを含み、前記上内側円弧板は、第1接続部を介して前記上外側円弧板の径方向の内側に設けられ、前記上内側円弧板の頂部の両端に巻線柱が設けられるとともに、前記上フレームの上外側円弧板と上内側円弧板の頂部には、中空の二つの第1配線柱がそれぞれ離間して設けられ、前記下フレームは下外側円弧板と下内側円弧板とを含み、前記下内側円弧板は第2接続部を介して前記下外側円弧板の径方向の内側に設けられ、前記下フレームの下外側円弧板と下内側円弧板の底部には、中空の二つの第2配線柱が離間して設けられ、前記上フレームは前記下フレームの頂部に挿入して接続されるとともに、対応する前記ブロック鉄心が前記上フレームと下フレームとの結合箇所に嵌合し、前記二つの第1巻線ニードルはそれぞれ第1主巻線のボビンの上外側円弧板と上内側円弧板の頂部の第1配線柱内に設けられ、前記二つの第2巻線ニードルはそれぞれ前記第2主巻線のうち最も遠位の二つの第2主巻線のボビンの上内側円弧板の頂部の第1配線柱内に設けられ、前記二つの第3巻線ニードルは、それぞれ前記補助巻線のうち隣接する二つの前記補助巻線の下フレームの下内側円弧板の底部の第2配線柱内に設けられ、前記補助巻線と前記主巻線がそれぞれ交互に配列され接続された後、前記第1巻線ニードル、前記第2巻線ニードル、および第3巻線ニードルは、同一の平面に位置されるとともに、いずれも結線板に接続されている。
【0013】
前記上外側円弧板と前記下外側円弧板とが上下方向において揃い、前記上内側円弧板と前記下内側円弧板が上下方向において揃っていることが好ましい。
【0014】
本発明の一部の実施例によると、各前記ブロック鉄心の両端にそれぞれ第1位置決め部と第2位置決め部とが形成され、一つの主巻線のブロック鉄心の第1位置決め部が、その一側に隣接する補助巻線のブロック鉄心の第2位置決め部と相互に結合して位置決めされ、その第2位置決め部が、その他側に隣接する補助巻線のブロック鉄心の第1位置決め部と相互に結合して位置決めされる。
【0015】
本発明の一部の実施例によると、前記第1巻線ニードル、前記第2巻線ニードル、および第3巻線ニードルとが周方向において前記結線板の180度の範囲内に位置する。
【0016】
本発明の一部の実施例によると、前記主巻線の前記ブロック鉄心の頂端は、隣接する補助巻線のブロック鉄心の底端に揃っている。
【0017】
本発明の一部の実施例によると、前記結線板が半リング状に形成される。
【0018】
本発明の実施例による分割型固定子は、巻線のワイヤアウトレット点を減少させ、偽溶接する可能性を減少させる。また、コストダウンすることができ、モータの放熱面積を増加させて、温度の上昇を避けることができる。
【0019】
本発明の第2形態の実施例によるモータは、回転子軸と前記回転子軸に設けられた回転子鉄心とを含む回転子アセンブリと、本発明による第1形態の実施例の分割型固定子とを含み、前記分割型固定子は前記回転子アセンブリの外側に嵌合し、前記回転子アセンブリが、前記分割型固定子に対して回転可能である。
【0020】
本発明によるモータは、分割型固定子を採用することにより、巻線効率及び生産効率を向上させ、操作も信頼性があるので、モータの稼動信頼性を向上させることができる。
【0021】
本発明の第3形態の実施例による家電機器は、本発明の第2形態の実施例のモータを含む。
【0022】
本発明の付加的な特徴と利点は、一部が下記の説明により与えられ、一部が下記の説明により明らかになり、又は本発明の実施により理解される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明の上述および/または付加的な特徴と利点は、下記の添付図面を参照した実施例に対する説明により、明らかになり、容易に理解される。
図1】本発明の実施例による分割型固定子の補助巻線の結線模式図である。
図2図1に示す補助巻線の斜視図である。
図3】本発明の実施例による分割型固定子の主巻線の結線模式図である。
図4図3に示す主巻線の斜視図である。
図5】本発明の実施例による分割型固定子の斜視図である。
図6】本発明の実施例による分割型固定子における結線板の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。前記実施例が図面に示されるが、同一または類似する符号は、常に、相同又は類似する部品、或いは、相同又は類似する機能を有する部品を表す。以下、図面を参照しながら説明される実施例は例示的なものであり、本発明を解釈するためのみに用いられ、本発明を限定するものと理解されてはならない。
【0025】
本発明の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などの用語が示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づき、本発明を便利にまたは簡単に説明するために使用されるものであり、指定された装置又は部品が特定の方位にあり、特定の方位において構造され操作されると指示又は暗示するものではないので、本発明に対する限定と理解してはならない。なお、「第1」、「第2」の用語は目的を説明するためのみに用いられるものであり、比較的な重要性を指示又は暗示するか、或いは示された技術的特徴の数を黙示的に指示すると理解してはならない。「第1」、「第2」が限定されている特徴は、一つ又はより多くの前記特徴を含むことを明示又は暗示する。本発明の説明において、明確且つ具体的な限定がない限り、「複数」とは、二つ又は二つ以上のことを意味する。
【0026】
なお、本発明の説明において、明確な規定と限定がない限り、「取り付ける」、「互いに接続する」、「接続する」等の用語の意味は広く理解されるべきである。例えば、固定接続や、着脱可能な接続や、あるいは一体的な接続でもよい。機械的な接続や、電気的な接続も可能である。直接的に接続すること、中間媒体を介して間接的に接続すること、二つの部品の内部が連通すること等も可能である。当業者にとって、具体的な場合に応じて上記用語の本発明における具体的な意味を理解することができる。
【0027】
以下、図1を参照して、本発明の第1形態の実施例による分割型固定子を説明する。前記分割型固定子は、例えば、単相コンデンサ非同期モータに用いられることができる。
【0028】
本発明の実施例の分割型固定子100は、複数の主巻線A及び複数の補助巻線Bと、複数の巻線ニードルと、結線板4とを含む。図1図4に示すように、各主巻線A及び補助巻線Bは、いずれもブロック鉄心1及びブロック鉄心1に設けられたボビン2を含み、主巻線A及び補助巻線Bのブロック鉄心1が周方向に沿って交互に分布され、且つお互いに接続されてリング状に形成され、複数のブロック鉄心1を固定子鉄心全体に組み合わせる。
【0029】
主巻線Aのボビン2に主コイル10aが巻きつけられ、主巻線Aは少なくとも一つの第1主巻線A1と少なくとも二つの第2主巻線A2とを含む。各第1主巻線A1は、いずれも1本の主コイル10aにより単独に巻きつけられ、少なくとも二つの第2主巻線A2は順次に1本の主コイル10aにより連続して巻きつけられている。図3図4に示すように、補助巻線Bのボビン2に補助コイル10bが巻きつけられ、補助巻線Bは少なくとも一つの第1補助巻線(図示せず)及び/又は少なくとも二つの第2補助巻線B2とを含む。各第1補助巻線はいずれも1本の補助コイル10bにより単独に巻きつけられ、少なくとも二つの第2補助巻線B2は順次に1本の補助コイル10bにより連続して巻きつけられる。
【0030】
主巻線Aのブロック鉄心1の頂端部は、隣接する補助巻線Bのブロック鉄心1の底端部に揃っている。
【0031】
複数の主巻線Aのボビン2及び補助巻線Bのボビン2は周方向に沿って交互に分布することにより、補助巻線Bと主巻線Aとが交互に配列され接続されてリング状に形成され、各主ボビン11aの頂部表面とそれに隣接する補助ボビン11bの底部表面とが同一の平面に位置する。
【0032】
対応する主コイル10a又は補助コイル10bのワイヤヘッドを引き出すように、複数の巻線ニードルが複数のボビン2にそれぞれ設けられており、結線板4は、リング状に接続された複数の主巻線Aと複数の補助巻線Bに取付けられ、巻線ニードルの上端が結線板4を通過する。
【0033】
本発明の実施例による分割型固定子100は、補助巻線を連続して巻線し、主巻線の少なくとも一つを単独に巻線するとともに、他の主巻線を連続して巻線することにより、ワイヤアウトレット点が少なく形成され、結線板の面積を少なくし、簡易な構造としてコストダウンすることもできる。
【0034】
図1図5の実施例に示すように、主巻線Aは4つであり、補助巻線Bは4つである。4つの主巻線Aと4つの補助巻線Bとが交互に設けられている。しかし、本出願の説明及び図1図5において、いずれも4つの主巻線Aと4つの補助巻線Bを示して例示的に説明する目的に用いられるが、当業者は本出願の明細書における技術案を閲覧した後、この技術案をより少ない又はより多い主巻線Aと補助巻線Bの技術案に適用することができ、これも明らかに本発明の保護範囲に属すべきである。
【0035】
一部の実施例において、主巻線Aは一つの第1主巻線A1を含み、他はいずれも第2主巻線A2である。補助巻線Bは一つの第1補助巻線を含み、他はいずれも第2補助巻線B2である(図示せず)。本発明の他の一部の実施例において、主巻線Aは一つの第1主巻線A1を含み、他はいずれも第2主巻線A2である。補助巻線は複数の第2補助巻線B2のみを含み、第1補助巻線を含まない。図1図5に示す例において、主巻線Aは、一つの第1主巻線A1と三つの第2主巻線A2とを含む。一つの第1主巻線A1は単独に巻かれ、三つの第2主巻線A2は順次に連続して巻きつけられ、補助巻線Bは連続して巻きつけられた4つの第2巻線B2を含む。以下にも、この巻き方を例として本発明の分割型固定子を説明する。
【0036】
勿論、本発明は上記の二つの場合に限定されない。他の類似の巻き方の場合、例えば、上記主巻線と補助巻線の多種の巻き方の順列組み合わせ等も、本発明の保護範囲に属すると当業者に理解されるべきである。
【0037】
本発明の一部の実施例によると、複数の巻線ニードル3は、二つの第1巻線ニードル3aと、二つの第2巻線ニードル3bと、二つの第3巻線ニードル3cとを含む。第1巻線ニードル3aは第1主巻線A1のボビン2に設けられ、二つの第2巻線ニードル3bはそれぞれ第2主巻線A2のうち最も遠位の二つの第2主巻線A2のボビン2に設けられ、二つの第3巻線ニードル3cはそれぞれ第2補助巻線B2の内隣接する二つの第2補助巻線B2のボビン2に設けられている。
【0038】
本発明の一つの具体的な実施例において、図2図4に示すように、各ボビン2は、上フレーム21と下フレーム22とを含む。上フレーム21は上外側円弧板211と上内側円弧板212とを含み、上内側円弧板212は第1接続部213を介して上外側円弧板211の径方向の内側に設けられている。本発明の説明において、径方向の「内側」とは、接続フレーム3の径方向に沿って内側に向ける側を指すのに対し、「外側」とは、接続枠3の径方向に沿って外側に向ける側を指す。上内側円弧板212の頂部の両端に巻線柱215が設けられることにより、複数の第2主巻線A2の間の渡り線5aと第2補助巻線B2の間の渡り線5bとを巻くことが便利になる。上フレーム21の上外側円弧板211と上内側円弧板212の頂部にそれぞれ二つの離間された中空の第1配線柱214が設けられている。
【0039】
下フレーム22は、下外側円弧板221と下内側円弧板222とを含み、下内側円弧板222は第2接続部(図示せず)を介して下外側円弧板221の径方向の内側に設けられ、下フレーム22の下外側円弧板221と下内側円弧板222の底部に二つの離間された中空の第2配線柱224が設けられている。上フレーム21は下フレーム22の頂部に挿して接続され、対応するブロック鉄心1は、上フレーム21と下フレーム22との結合箇所に嵌合している。
【0040】
図1図5に示すように、二つの第1巻線ニードル3аは、それぞれ第1主巻線A1のボビン2の上外側円弧板211と上内側円弧板212の頂部の第1配線柱214内に設けられている。二つの第2巻線ニードル3bは、それぞれ第2主巻線A2のうち最も遠位の二つの第2主巻線A2のボビン2の上内側円弧板212の頂部の第1配線柱214内に設けられている。二つの第3巻線ニードル3cは、それぞれ第2補助巻線Bのうち二つの隣接する第2補助巻線Bの下フレーム22の下内側円弧板222の底部の第2配線柱224内に設けられている。なお、補助巻き線Bと主巻線Aとがそれぞれ交互に配列され接続された後、第1巻線ニードル3aと、第2巻線ニードル3bと第3巻線ニードル3cとが同一の平面に位置し、いずれも結線板4に接続されている。
【0041】
すなわち、主巻線Aの第1巻線ニードル3a及び第2巻線ニードル3bは、巻線柱215と同一の方向であるが、補助巻線Bの第3巻線ニードル5cは巻線柱22と反対の方向である。本発明の分割型固定子において、主巻線Aのボビン2は補助巻線Bのボビンと反対の方向に設置されている。補助巻線Bの第3巻線ニードル5cを巻線柱215と異なる側に設ける利点は、結線板4の配線が便利になり、また補助巻線Bが複数の補助コイルにより巻かれたコイルであるため、補助巻線Bの間のブリッジ線も複数となることである。これにより、ワイヤヘッドを第3巻線ニードル5cに溶接する場合、溶解された半田がブリッジ線に落ちて、複数のブリッジ線が接続されショートすることを避けることができる。
【0042】
図1図5に示すように、上外側円弧板211と下外側円弧板221とが上下方向において揃い、上内側円弧板212と下内側円弧板222とが上下方向において揃っていることが好ましい。これにより、構造が整え、ブロック鉄心1を確実に固定することができる。
【0043】
本発明の一部の実施例によると、各ブロック鉄心1の両端には、それぞれ第1位置決め部11と第2位置決め部12が形成されている。一つの主巻線の第1位置決め部11はその一側に隣接する補助巻線の第2位置決め部12と相互に結合して位置決めされ、その第2位置決め部12はその他側に隣接する補助巻線の第1位置決め部11と相互に結合して位置決めされる。第1位置決め部11は、ブロック鉄心1の一端から外へ伸びる突出部に形成され、第2位置決め部12はブロック鉄心1の他側から内へ凹んで形成された凹部であることが好ましい。これにより、複数のブロック鉄心1が組み立てた後周方向にスムーズに転移し、他の部品の装着が便利になる。
【0044】
第1巻線ニードル3a、第2巻線ニードル3b、および第3巻線ニードル3cが、周方向において結線板4の180度の範囲内に位置することが好ましい。更に、結線板4は半リング状に形成することが好ましい。
【0045】
以下、図1図5を参照しながら、本発明の一部の具体的な実施例による分割型固定子のワイヤアウトレット方法を説明する。
【0046】
図1図2に示すように、複数の補助巻線B2の補助コイル10bを巻線機(図示せず)により連続的に巻線し、隣接する二つの第2補助巻線B2の間の渡り線5bは巻線柱215に掛けられ、図6に示すように、ワイヤヘッドとワイヤテールとを渡り線5bの反対側にある巻線ニードル3cに巻きつけ、二つのワイヤアウトレットヘッドが形成される(三段変速モータでは、二つのタップに、ワイヤヘッドとワイヤテールとを加えて、合計4つのワイヤアウトレットヘッドであり、単一速度モータでは二つのワイヤアウトレットヘッドである)。図3図4に示すように、一つの第1主巻線A1は単独に巻線して二つのワイヤアウトレットヘッドが形成され、三つの第2主巻線A2は連続的に巻線して二つのワイヤアウトレットヘッドが形成される。三つの第2主巻線A2の渡り線5aは巻線柱215に掛けられ、主コイル10aのワイヤヘッドとワイヤテールは、渡り線5aと同一の側に位置する巻線ニードル3bに巻きつけられ、即ち、主巻線Aは4つのワイヤアウトレットヘッドを有する。図5に示すように、主巻線Aと補助巻線Bとは対向して挿された後、ワイヤアウトレットヘッドは同一の平面において溶接されて完全な固定子が形成される。その後、半リング状の結線板を用いて接続され、図6に示すように一つの分割型固定子アセンブリになる。
【0047】
これにより、本発明の実施例の分割型固定子によると、巻線のワイヤアウトレット点を減少させ、偽溶接の可能性を減少させる。また、コストダウンさせ、モータの放熱面積を向上させ、温度の上昇を避けられることができる。
【0048】
本発明の第2形態の実施例によるモータは、回転子アセンブリ(図示せず)と分割型固定子とを含む。分割型固定子は、本発明の第1形態の実施例に説明された分割型固定子である。回転子アセンブリは、回転子軸と回転子軸に設けられた固定子鉄心とを含む。分割型固定子は回転子アセンブリの外側に嵌合し、前記分割型固定子に対して回転可能である。本発明の実施例によるモータの他の構成、例えば、回転子鉄心と回転子軸等及び操作は、当業者にとって周知されているため、ここで詳しく説明しない。
【0049】
本発明のモータによると、上記実施例における分割型固定子を用いることにより、巻線効率と生産効率を向上させることに加え、操作も信頼性があるため、モータの稼動の信頼性を向上させる。
【0050】
本発明の第3形態の実施例による家電機器、例えば、変速扇風機等は、本発明の第2形態の実施例によるモータを含む。
【0051】
本発明の説明において、「一つの実施例」、「一部の実施例」、「例示的な実施例」、「示例」、「具体的な示例」、或いは「一部の示例」などの用語を参考した説明は、該実施例或いは示例に結合して説明された具体的な特徴、構成、材料或いは特徴が、本発明の少なくとも一つの実施例或いは示例に含まれる。本明細書において、上記用語に対する例示的な描写は、必ずしも同じ実施例或いは示例を示すことではない。又、説明された具体的な特徴、構成、材料或いは特徴は、いずれか一つ或いは複数の実施例又は示例において適切に結合することができる。
【0052】
本発明の実施例を示して説明したが、当業者は、本発明の原理及び主旨から逸脱することなく、これらの実施例に対して各種の変化、補正、切り替え及び変形を行うことができる。本発明の範囲は、特許請求の範囲及びその等価物により限定される。
【符号の説明】
【0053】
100 分割型固定子
A 主巻線
B 補助巻線
1 ブロック鉄心
11 第1位置決め部
12 第2位置決め部
10a 主コイル
101a 主コイルのワイヤアウトレットヘッド
10b 補助コイル
101b 補助コイルのワイヤアウトレットヘッド
2 ボビン
21 上フレーム
211 上外側円弧板
212 上内側円弧板
214 第1配線柱
215 巻線柱
22 下フレーム
221 下外側円弧板
222 下内側円弧板
224 第2配線柱
3a 第1巻線ニードル
3b 第2巻線ニードル
3c 第3巻線ニードル
4 結線板
5a 主渡り線
5b 補助渡り線
図1
図2
図3
図4
図5
図6