【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 公開日 平成29年3月20日 集会名・開催場所 50 E Pender St.Vancouver,BCにて開催されたVancouver Fashion Weekにおいて公開 公開者 佐々木ベジ 公開された発明の内容 公開場所に記載したVancouver Fashion Weekにおいて、佐々木ベジが発明した衣服をモデルが着用して公開した。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記帯部は、第一帯紐部と、前記第一帯紐部から延びる一対の第二帯紐部とを含む帯紐部と、前記帯紐部とは別体となり、前記第一帯紐部を覆うことができる帯結び部と、を有し、
前記第一帯紐部には、第二帯紐部を通すための通過穴が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の衣服。
前記本体部の外方で巻かれ、巻方向に直交する方向で延在する複数の腰巻凹凸部を有する腰巻部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の衣服。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本実施の形態による衣服は、
図1及び
図2に示すように、上衣と、上衣の下方に設けられる下衣とを有するツーピースとなっていてもよい。但し、このような態様に限られることはなく、
図3に示すようにワンピースになっていてもよい。
【0014】
図1及び
図3に示すように、本実施の形態の衣服は、一対の襟元部10と、襟元部10の下方に位置する(着用者の腰回りに位置する)胴回り部40とを有する本体部20と、本体部20に連結された2つの振袖部30と、を有してもよい。衣服は、
図10に示すように、着用者の胴回り、つまり本体部20の胴回り部40に巻かれる帯部100を有してもよい(
図13も参照)。本実施の形態において胴回り部40とは、帯部100で覆われる部分を意味している。本体部20及び振袖部30の材料としては、ポリエステルが主たる材料として用いられてもよい。ここで主たる材料というのは、重量で50%以上を用いていることを意味している。また、本体部20及び振袖部30はポリエステルだけから構成されてもよい。
【0015】
図1及び
図3に示すように、一対の振袖部30の本体部20側の端部の各々には振袖開口部39が設けられてもよい。また、本体部20の振袖部30側の端部の各々には本体開口部29が設けられてもよい。一対の振袖部30の本体部20側の端部は、振袖部30を
図1及び
図3に示すように開いたときに上下方向に沿って延在する直線延在部31を有してもよい。
【0016】
図3、
図11及び
図12に示すように、襟元部10の一方が他方に対して交差するようにして固定されてもよい。一例としては、一方の襟元部10aが他方の襟元部10bに対して交差されるような位置で、一方の襟元部10aの端部及び他方の襟元部10bの端部の各々が本体部20の胴回り部40に縫い付けられてもよい。また、一方の襟元部10aが他方の襟元部10bに対して交差されるような位置で、一方の襟元部10aの端部が他方の襟元部10bの端部に対して縫い付けられてもよい。このように縫い付けられる箇所が連結部60になる。なお、一方の襟元部10aを他方の襟元部10bに対して交差して固定する手段(連結部60)としては、このような縫い付けではなくボタン式にしてもよいが、着る際の手軽さや取り扱いの容易さからすると、縫い付ける態様の方が有益である。
【0017】
図1に示すように、襟元部10の一方を他方に対して固定する連結部60は一つだけ設けられてもよいが、このような態様に限られることはなく、
図3に示すように、連結部60が2つ以上設けられ、連結部60が第一連結部61及び第二連結部62を有してもよい。第一連結部61は一方の襟元部10aを本体部20の胴回り部40に他方側(
図3の左側)で連結し、第二連結部62は他方の襟元部10bを第一連結部61よりも一方側(
図3の右側)で本体部20の胴回り部40に連結してもよい。
図3に示す態様では、他方の襟元部10bが一方の襟元部10aの裏側に入り込む構成となっている。
【0018】
図3に示すようなワンピースからなる態様では、連結部60が胴回り部40で設けられ、この連結部60の下方にスリット70が設けられるようにしてもよい。
【0019】
図1及び
図2に示すように、ツーピースからなる場合には、上衣が、一対の襟元部10を有する上衣本体部20aと、上衣本体部20aに連結された2つの振袖部30と、を有してもよい。なお、ツーピースからなる場合には、本体部20が上衣本体部20aと、下衣に含まれる下衣本体部20bとを有することになる。
【0020】
図4に示すように、振袖部30は、付け根30aから袖口30bに沿った方向(袖丈方向)に直交する方向で延在する複数の振袖凹凸部35を有してもよい。複数の振袖凹凸部35は互いに平行には延在してもよい(
図11及び
図12も参照)。
【0021】
本実施の形態において振袖部30の「付け根30aから袖口30bに沿った方向」とは、
図1に示すように振袖部30を広げた場合における、振袖部30の付け根30aから袖口30bに沿った方向を意味する。このため、振袖部30の延在方向(
図1の左右方向)に直交する方向が「上下方向」になる。また、「付け根30aから袖口30bに沿った方向に直交する方向で延在する」とは、振袖部30を広げた場合における付け根から袖口に沿った方向に完全に直交して延在する態様だけではなく、付け根から袖口に沿った方向に対して傾斜した状態で延在する態様も含んでいる。なお、本実施の形態において、「A方向で延在する」という文言には、「A方向に完全に一致して延在する」態様だけではなく、「A方向に対して傾斜して延在する」態様も含まれている。
【0022】
ツーピースとなっている態様において、上衣本体部20aは上下方向で延在する複数の上衣凹凸部25aを有してもよい(
図1、
図11及び
図12参照)。下衣本体部20bも上下方向で延在する複数の下衣凹凸部25bを有してもよい(
図2参照)。ワンピースとなっている態様では、本体部20の全体において上下方向で延在する本体凹凸部25が設けられてもよい(
図3参照)。なお、本実施の形態の「上下方向」とは、着用者が衣服を着て立ち上がった際の上下方向のことを意味している。
【0023】
図5(a)(b)では、振袖凹凸部35、上衣凹凸部25a、下衣凹凸部25b及び本体凹凸部25の形状の断面の一例を示している。これら振袖凹凸部35、上衣凹凸部25a、下衣凹凸部25b及び本体凹凸部25の断面は、
図5(a)(b)で示されるように波形状を有するプリーツとなってもよい。なお、
図5(b)は
図5(a)よりも幅(ピッチ)の狭い態様を示した図である。このようなプリーツを採用した場合には、容易な製造方法で振袖部30の形状を維持することができる点で有益である。
【0024】
振袖凹凸部35、上衣凹凸部25a、下衣凹凸部25b及び本体凹凸部25の数は適宜変更することができる。特に振袖凹凸部35に関して言えば、その数を調製することで、振袖部30の形状を維持することができる。一例として、1cmあたり3〜8つの振袖凹凸部35が設けられてもよく、振袖部30の形状を維持する観点からすると1cmあたり4つ以上の振袖凹凸部35が設けられている態様が有益である。
【0025】
振袖凹凸部35、上衣凹凸部25a、下衣凹凸部25b及び本体凹凸部25の幅(ピッチ)は実質的に同じであってもよいが、異なっていてもよい。一例としては、振袖凹凸部35の幅が上衣凹凸部25aの幅と実質的に同じであるが、振袖凹凸部35及び上衣凹凸部25aの幅は下衣凹凸部25bの幅と異なってもよい。本実施の形態において「幅」が「実質的に同じ」とは、一方の凹凸部の幅の平均値が他方の凹凸部の幅の平均値の±10%以内であることを意味し、例えば、振袖凹凸部35の幅が上衣凹凸部25aの幅と実質的に同じとは、振袖凹凸部35の幅の平均値W1と上衣凹凸部25aの幅の平均値W2とが、W2×0.9≦W1≦W2×1.1となることを意味する。
【0026】
図11及び
図12では、振袖凹凸部35及び上衣凹凸部25aの幅(ピッチ)が実質的に同じ態様が示されている。なお、
図11では、衣服の内表面にも上衣凹凸部25aが設けられているが、このような態様に限られることはなく、
図12に示すように、衣服の外表面にだけ上衣凹凸部25aが設けられ衣服の内表面に上衣凹凸部25aが設けられないようにしてもよい。同様に、振袖凹凸部35、下衣凹凸部25b及び本体凹凸部25に関しても、衣服の外表面にだけ振袖凹凸部35、下衣凹凸部25b及び/又は本体凹凸部25が設けられ衣服の内表面にこれらが設けられなくてもよい。
【0027】
図1、
図11及び
図12に示すように、襟元部10は、第一襟元生地11と、第一襟元生地11に設けられた第二襟元生地12と、第二襟元生地12に設けられた第三襟元生地13とを有してもよい。第一襟元生地11、第二襟元生地12及び第三襟元生地13には凹凸部が設けられていなくてもよい。但し、
図3に示すように、襟元部10に襟元凹凸部15が設けられてもよい。
【0028】
第一襟元生地11、第二襟元生地12及び第三襟元生地13の各々は異なる色から構成されてもよい。例えば、第一襟元生地11は黄色からなり、第二襟元生地12は赤色からなり、第三襟元生地13は緑色からなってもよい。第一襟元生地11、第二襟元生地12及び第三襟元生地13の各々は異なる大きさとなっており、第一襟元生地11の面積>第二襟元生地12の面積>第三襟元生地13の面積となってもよい。この態様においては、
図1に示すように、第二襟元生地12が第三襟元生地13の内周縁からはみ出し、第一襟元生地11が第二襟元生地12の内周縁からはみ出すことで、第一襟元生地11、第二襟元生地12及び第三襟元生地13の各々を目視できるようにしてもよい。第一襟元生地11、第二襟元生地12及び第三襟元生地13の外周縁は同じ縫い糸で縫われてもよい。
【0029】
ツーピースとなっている態様では、
図1に示すように、上衣の下端に下衣本体部20bでの透けを防止するための下衣裏生地80が設けられてもよい。下衣裏生地80には凹凸部が設けられなくてもよい。なお、下衣裏生地80の主たる材料もポリエステルとなってもよい。
【0030】
図8に示すように、帯部100は、帯紐部110と、帯紐部110とは別体となっている帯結び部150とを有してもよい。
図6に示すように、帯紐部110は、第一帯紐部111と、第一帯紐部111よりも幅が細くなり、第一帯紐部111から延びる一対の第二帯紐部112とを有してもよい。
図7に示すように、帯結び部150は、結び開口部151を有してもよい。そして、この結び開口部151内に第一帯紐部111を位置づけることで、第一帯紐部111を帯結び部150で覆うことができるようになってもよい(
図8参照)。
【0031】
図6に示すように、第一帯紐部111の内部には、厚紙部130(例えばダンボールのような厚紙)が設けられてもよい。一例としては、帯結び部150で覆われる箇所に第一厚紙部131が設けられ、第一帯紐部111の両端部に第二厚紙部132が設けられてもよい。第一厚紙部131の左右方向(
図6の左右方向)の幅は第二厚紙部132の左右方向の幅よりも長くなってもよい。第一厚紙部131の左右方向の幅は帯結び部150の左右方向の幅よりも長くなってもよいし、第一厚紙部131の左右方向の幅は帯結び部150の左右方向の幅と実質的に同じ長さになってもよい。但し、これらに限られず、第一厚紙部131の左右方向の幅は帯結び部150の左右方向の幅よりも短くなってもよい。
【0032】
第一帯紐部111には、一対の第二帯紐部112のいずれか1つを通すための通過穴115が形成されてもよい。
図6に示す態様では、第一厚紙部131が設けられている箇所よりも右側に通過穴115が形成されており、
図6の左側の第二帯紐部112が通過穴115を通過可能になっている(
図9参照)。通過穴115は、第一帯紐部111の上下方向の中心位置にその中心位置が位置づけられるようになってもよい。
図10に示すように第一帯紐部111を胴体の周りに巻き付けることでき、一対の第一帯紐部111の結び目を、帯結び部150の結び開口部151内に位置付けられることもできる。
【0033】
《作用・効果》
次に、上述した構成からなる本実施の形態による作用・効果であって、未だ説明していないものを中心に説明する。なお、「作用・効果」で述べるあらゆる構成は、本実施の形態の構成として利用することができる。
【0034】
図1及び
図3に示すように、振袖部30及び帯部100を有しつつも、襟元部10の一方が他方に対して固定される態様を採用した場合には、見た目上和服に近い衣服としながらも(
図13も参照)、衣服の着用を容易に行うことができる。
【0035】
また、
図4、
図11及び
図12に示すように、振袖部30が付け根から袖口に沿った方向に直交する方向で延在する複数の振袖凹凸部35を有する態様を採用した場合には、振袖部30の形状を維持しやすくでき、和服に近い印象を与えることができる。つまり、振袖部30に複数の振袖凹凸部35を設けない場合には、振袖部30が柔らかなものとなって形が崩れやすくなる。他方、振袖部30が上下方向で延在する複数の振袖凹凸部35を有する態様を採用した場合には、(ワイヤ等を用いずとも)振袖部30の形状を維持することができ、大きな振袖部30を簡易に実現することができ、ひいては高いデザイン性を実現できる。このような形状を維持する観点からすると、複数の振袖凹凸部35は互いに平行には延在していることが有益である。また、このような振袖凹凸部35を設けることで、伸縮性を持たせつつ、しわが入ることを防止できる点で有益である。
【0036】
また、振袖部30の材料としてポリエステルが主たる材料として用いた場合には、安価で軽いという特性を有しつつ、振袖部30の形状を崩れにくくすることができる点で、非常に有益である。また、ポリエステルを主たる材料として用いた場合には、べたつき難いという特性も実現できる点で有益である。
【0037】
図1、
図3及び
図4に示すように、一対の振袖部30の本体部20側の端部(内周端部)が直線延在部31を有する態様を採用した場合には、内周側の端部において長い距離にわたり振袖凹凸部35を設けることができるので、振袖部30の形状がより崩れないようにすることができる点で有益である。
【0038】
一方の襟元部10aの端部及び他方の襟元部10bの端部の各々が本体部20の胴回り部40に縫い付けられる態様を採用した場合には胸元を大きく開くことができ、高いデザイン性を実現できる(
図1、
図11及び
図12参照)。
【0039】
図1及び
図3に示すように、一対の振袖部30の本体部20側の端部の各々に振袖開口部39が設けられる態様を採用することで、機能性を高めることができる点で有益である。また、同様に、本体部20の振袖部30側の端部の各々に本体開口部29が設けられる態様を採用することで、機能性を高めることができる点で有益である。
【0040】
図3に示すように、ワンピースからなる態様において、連結部60が胴回り部40に設けられ、胴回り部40の下方ではスリット70が設けられる態様を採用した場合には、機能性を高めつつ、デザイン性を高めることができる点で有益である。
【0041】
図3に示すように、一方の襟元部10aを本体部20の胴回り部40に連結する第一連結部61と、他方の襟元部10bを第一連結部61よりも一方側(
図3の右側)で本体部20の胴回り部40に連結する第二連結部62とを有する態様を採用する場合には、襟元部10をより立体的に公差させることができる点で有益である。
【0042】
ツーピースとなっている態様において、上下方向で延在する複数の上衣凹凸部25a及び/又は複数の下衣凹凸部25bが設けられている場合には、上衣及び/又は下衣に関してしわが入ること等を防止できる点で有益である。また、ワンピースとなっている態様において、上下方向で延在する複数の本体凹凸部25が設けられている場合には、本体部20においてしわが入ること等を防止できる点で有益である。
【0043】
振袖凹凸部35と、上衣凹凸部25a及び/又は下衣凹凸部25b、又は本体凹凸部25の幅(ピッチ)が実質的に同じである態様を採用した場合には、同じような見た目の印象を与えることができる点で有益である(
図11及び
図12参照)。
【0044】
他方、振袖凹凸部35と、上衣凹凸部25a及び/又は下衣凹凸部25b、又は本体凹凸部25の幅(ピッチ)を異ならせることで、異なる印象を与えることができる。なお、振袖凹凸部35は、振袖部30の形状を維持するための意味合いが強いことから、振袖凹凸部35の幅を細かくして、本体部20(ツーピースとなっている態様の上衣本体部20a及び下衣本体部20bも含む。)に設けられる凹凸部の幅よりも小さくするようにしてもよい。振袖部30の形状を維持する観点からは、例えば1cmあたり4つ以上の振袖凹凸部35が設けられてもよい。但し、振袖部30の形状を維持するための要素としては、生地の厚みや材料等も挙げることができるので、これらを考慮しつつ、振袖凹凸部35の幅を適宜調整するようにしてもよい。
【0045】
図1に示すように、襟元部10が、第一襟元生地11と、第一襟元生地11に設けられた第二襟元生地12と、第二襟元生地12に設けられた第三襟元生地13とを有する態様を採用した場合には、胸元を大きく空けながら、かつ胸元に視線をもっていくことができることから、高いデザイン性を実現できる。
【0046】
本体部20(ツーピースとなっている態様の上衣本体部20a及び下衣本体部20bも含む。)に凹凸部が設けられつつも、第一襟元生地11、第二襟元生地12及び第三襟元生地13には凹凸部が設けられていない態様を採用した場合には、本体部20と襟元部10とで異なる印象を与えることができる点で有益である。この観点からすると、第一襟元生地11、第二襟元生地12及び第三襟元生地13の各々が異なる色から構成されることは有益である。また、
図1、
図11及び
図12に示すように、第二襟元生地12が第三襟元生地13の内周縁からはみ出し、第一襟元生地11が第二襟元生地12の内周縁からはみ出すことで、第一襟元生地11、第二襟元生地12及び第三襟元生地13の各々を目視できるようにすることも有益である。なお、製造のし易さからすると、第一襟元生地11、第二襟元生地12及び第三襟元生地13の外周縁が同じ縫い糸で縫われることは有益である。
【0047】
図6乃至
図10に示すように、帯部100が、帯紐部110と、帯紐部110とは別体となっている帯結び部150とを有する態様を採用した場合には、本実施の形態による衣服を容易に着ることができる点で有益である。
【0048】
図6に示すように、帯紐部110が、第一帯紐部111と、第一帯紐部111よりも幅が細くなり、第一帯紐部111から延びる一対の第二帯紐部112とを有する態様を採用した場合には、和服の帯のような見た目を第一帯紐部111で実現しながら、一対の第二帯紐部112を結ぶことで帯紐部110を胴体部周りに巻き付けて固定することができ、和服のように着付けが必要なくなる点で有益である。本態様によれば、自分の腹部側において結び開口部151内で第二帯紐部112を結んだ後で、結び目、帯紐部110及び帯結び部150を回転させて背中側に持って行くことで、容易に和服のような装いにすることができる(
図13参照)。また、結び開口部151内に第二帯紐部112の結び目も位置づけることで、第二帯紐部112の結び目を目立たないようにし、見た目を良くすることができる。
【0049】
図6に示すように、第一帯紐部111の内部のうち帯結び部150で覆われる箇所に第一厚紙部131を設けることで、帯結び部150に対応する箇所の強度を安価に高めることができる点で有益である。
【0050】
また、第一帯紐部111の内部のうち第一帯紐部111の両端部に第二厚紙部132を設けることで、第一厚紙部131とも相まって、第一帯紐部111全体の形状を保つことができる点で有益である。
【0051】
第一帯紐部111に一対の第二帯紐部112のいずれか1つを通すための通過穴115が設けられる態様を採用することで、第二帯紐部112を第一帯紐部111に対して好ましい位置(特に上下方向位置)に位置決めしつつ、第二帯紐部112を結ぶことができる点で有益である。特に通過穴115の上下方向の中心位置が第一帯紐部111の上下方向の中心位置に位置づけられる態様を採用した場合には、第二帯紐部112を第一帯紐部111の上下方向の中心位置に位置付けられるようにすることができる点で有益である。また、この観点からすると、第二帯紐部112が通過穴115を通過している際に上下方向に実質的な間隙が設けられないように、第二帯紐部112及び通過穴115の上下方向の幅が設計されることが有益である。
【0052】
図14に示すように、本体部20の外方で巻かれる腰巻部160が設けられてもよい。この腰巻部160は、巻方向(
図15の左右方向)に直交する方向で延在する複数の腰巻凹凸部165を有してもよい。腰巻凹凸部165も波形状を有するプリーツとなってもよい。また、腰巻部160でも、ポリエステルが主たる材料として用いられてもよい。
【0053】
腰巻部160は、腰回り側に位置する端部(
図15の上方側端部)で取付部166を有してもよい。取付部166は複数(
図15では3つ)のボタン部166aを有してもよいし、複数のホック部を有してもよい。複数のボタン部166aや複数のホック部を設けることで、複数の位置で取り付けることができ、着用者のウェストに合致した大きさに腰巻部160の位置を調整できる。なお、
図15に示す態様では、雄型のボタン部166aが左側に3つ設けられ、雌型のボタン部166aが右側に3つ設けられる態様となっている。
【0054】
複数の腰巻凹凸部165を有する態様を採用した場合には、形状を一定程度維持することができる。このため、ウェーブ形状のタックを維持でき、着用者が移動した場合であっても、ウェーブ形状を維持できる。また、一定の形状を維持できることから、重力に負けて腰巻部160が垂れ下がることを防止でき、ワイヤ等を用いずとも一定の形状を維持できるボンディング効果も期待できる。
【0055】
上述した実施の形態の記載及び図面の開示は、特許請求の範囲に記載された発明を説明するための一例に過ぎず、上述した実施の形態の記載又は図面の開示によって特許請求の範囲に記載された発明が限定されることはない。出願当初の特許請求の範囲の記載は本件特許明細書の範囲内で適宜変更することもでき、その範囲を拡張することもできる。
衣服は、一対の襟元部(10)と、襟元部(10)の下方に位置する胴回り部(40)とを有する本体部(20)と、前記本体部(20)に連結された2つの振袖部(30)と、前記胴回り部(40)に巻かれる帯部(100)と、を有する。前記襟元部(10)の一方は他方に対して固定される。前記振袖部(30)は、前記振袖部(30)の付け根(30a)から袖口(30b)に沿った方向に直交する方向で延在する複数の振袖凹凸部(35)を有する。