(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電源から天井裏のライブ線が前記スイッチ及び前記コントローラを経て前記負荷に接続される既存の配線を利用して請求項3に記載の負荷制御システムを設置する設置方法であって、
天井裏にて前記電源から延びる前記ライブ線を前記負荷に直接接続し、
前記コントローラから前記負荷に接続されていた前記ライブ線の前記負荷への接続を切断して天井裏でニュートラル線に接続することで、前記コントローラから前記負荷に接続されていた前記ライブ線を、天井裏から前記コントローラまで前記壁に沿って延びる前記ニュートラル線とする、
設置方法。
電源から天井裏のライブ線が前記スイッチ及び前記コントローラを経て前記負荷に接続される既存の配線を利用して請求項3に記載の負荷制御システムを設置する設置方法であって、
前記電源と前記負荷との間で天井裏から前記壁に沿って延びる前記ライブ線を短絡し、
前記コントローラと天井裏の前記ニュートラル線とを接続する前記ニュートラル線を新設する、
設置方法。
【背景技術】
【0002】
壁に配設されたスイッチへの手動操作に応じて天井の照明器具への電力を調整するための調光器が用いられる。この調光器は、スイッチとともに電源と照明器具との間に接続され、例えば照明強度を調整するためのスイッチの押下時間に応じて照明器具に供給する電力を調整することで、照明強度を調整する。
【0003】
しかし、上述のような調光器は、負担できる電力に上限があり、上限を超える電力がかかった場合には調光器自体に内蔵された保護機能が作動して電力供給を遮断するような構成であった。したがって、1つの調光器に接続して制御可能な照明器具の数には上限(例えば、5つ程度)があり、それより多くの照明器具を制御することはできなかった。
【0004】
これに対し、特許文献1のワイヤレス式負荷制御システムは、壁に配設されるワイヤレス送信機1と、天井に配設されて負荷Lへの給電路に挿入されるワイヤレス受信機2とを備え、ワイヤレス送信器1は、スイッチを操作されることでワイヤレス信号を出力し、ワイヤレス受信機2は、ワイヤレス送信機1からのワイヤレス信号を受けると負荷Lへの給電を制御する。
【0005】
特許文献1のワイヤレス式負荷制御システムによれば、ワイヤレス送信機1は電源と負荷との間に挿入されず、ワイヤレス送信機2がワイヤレス送信機1から負荷Lを制御するためのワイヤレス信号を送信して負荷Lを制御するので、上記のような負担可能な電力の上限の制限を受けることなく多数の負荷を制御できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1のワイヤレス式負荷制御システムでは、壁への立ち下げ配線を不要とするために、ワイヤレス送信機を電池で駆動する。そのため、ワイヤレス送信機について電池交換の手間を要する。
【0008】
本発明は、
負荷を制御するためのコントローラの保護機能の制限を受けずに負荷の数を増やすことができるとともに、
コントローラを電池駆動する必要がなく、電池交換が不要となる負荷制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、制御信号に従って制御される負荷を制御する負荷制御システムであって、前記負荷を制御するための手動操作を受けるスイッチと、前記スイッチへの手動操作に応じて前記負荷を制御するための前記制御信号を無線送信するコントローラと、電源から延びるライブ線及びニュートラル線とを備え、前記コントローラは、前記ライブ線及び前記ニュートラル線に接続されて電源を供給され、前記ライブ線及び前記ニュートラル線は、前記コントローラを経ずに前記負荷に接続されて前記負荷に電源を供給する。
【0010】
本発明では、負荷として、制御信号に従って制御される負荷が採用される。負荷は、コントローラを経ずに天井裏に配線されたライブ線とニュートラル線を通じて電源に接続されて電源を供給される。負荷は、スイッチへの手動操作に応じてコントローラが無線送信する制御信号によって制御される。そして、コントローラには電源から負荷を経ずにライブ線とニュートラル線が接続されて電源が供給される。この構成により、電源と負荷との間にコントローラが挿入されないので、コントローラの保護機能の制限を受けずに負荷の数を増やすことができる。また、コントローラにはライブ線及びニュートラル線を通じて電源から電力が供給されるので、コントローラを電池駆動する必要がなく、電池交換が不要となる。
【0011】
上記の負荷制御システムにおいて、前記負荷は、照明器具であってよく、前記制御信号は、前記照明器具の調光をするための調光パラメータの情報を有していてよく、前記負荷の制御は、前記照明器具の調光制御であってよい。
【0012】
この構成によれば、コントローラからの制御信号によって負荷である照明器具の調光を行うことができる。
【0013】
上記の負荷制御システムにおいて、前記スイッチは壁に設けられていてよく、前記ライブ線及び前記ニュートラル線は、前記電源から天井裏に配線されて前記負荷に接続されるとともに、前記ライブ線は、天井裏から前記スイッチを経て前記コントローラまで壁内に配線され、かつ、前記ニュートラル線は、天井裏から前記コントローラまで前記壁に沿って延びていてよい。
【0014】
この構成によれば、天井裏の配線を利用して駆動される負荷を壁のスイッチによって、制御できる。
【0015】
電源から天井裏のライブ線が前記スイッチ及び前記コントローラを経て前記負荷に接続される既存の配線を利用して上記の負荷制御システムを設置する設置方法であって、天井裏にて前記電源から延びる前記ライブ線を前記負荷に直接接続し、前記コントローラから前記負荷に接続されていた前記ライブ線の前記負荷への接続を切断して天井裏でニュートラル線に接続することで、前記コントローラから前記負荷に接続されていた前記ライブ線を、天井裏から前記コントローラまで前記壁に沿って延びる前記ニュートラル線とする。
【0016】
この構成によれば、従来の天井裏の配線に対して切断及び接続の工事を行い、壁内については工事を行うことなく、上記の負荷制御システムの配線を実現できる。
【0017】
電源から天井裏のライブ線が前記スイッチ及び前記コントローラを経て前記負荷に接続される既存の配線を利用して上記の負荷制御システムを設置する設置方法であって、前記電源と前記負荷との間で天井裏から前記壁に沿って延びる前記ライブ線を短絡し、前記コントローラと天井裏の前記ニュートラル線とを接続する前記ニュートラル線を新設する。
【0018】
この構成によれば、天井裏については既存のニュートラル線に対して新たに壁内に立ち下げ配線するニュートラル線を接続するという簡単な工事で済み、ライブ線の短絡、及び新たなニュートラル線のコントローラへの接続等の工事は、比較的作業のしやすい壁内において行うことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、電源と負荷との間にコントローラが挿入されないので、コントローラの保護機能の制限を受けずに負荷の数を増やすことができる。また、コントローラにはライブ線及びニュートラル線を通じて電源から電力が供給されるので、コントローラを電池駆動する必要がなく、電池交換が不要となる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する場合の一例を示すものであって、本発明を以下に説明する具体的構成に限定するものではない。本発明の実施にあたっては、実施の形態に応じた具体的構成が適宜採用されてよい。以下では、負荷として、調光可能な照明器具(具体的には無線調光LED電球、以下単に「LED電球」という。)を例示しているが、負荷はこれに限定されるものではない。また、負荷制御とは、その負荷の出力を制御することを目的として、その負荷で消費する電力を制御することをいう。
【0022】
図1は、本発明の実施の形態の負荷制御システムの構成を示す図である。負荷制御システム100は、スイッチ10と、コントローラとしての調光器20、電源30と、負荷としてのLED電球40と、制御装置50と、無線ルータ60とを備えている。電源30は、定格交流電圧を供給する商用電源である。
【0023】
スイッチ10は、第1操作スイッチ11と、通信遮断スイッチ12と、第2操作スイッチ13とを備えている。第1操作スイッチ11及び第2操作スイッチ13は、常開形(a接点)の埋込押釦スイッチであり、通信遮断スイッチ12は、片切の埋込スイッチである。第1操作スイッチ11、通信遮断スイッチ12、及び第2操作スイッチ13は、それぞれ独立にユーザによって手動操作される。
【0024】
調光器20は、N端子21、S1端子22、S2端子23、NO1端子24、L端子25を含む複数の端子を備えている。N端子21は、ニュートラル入力端子であり、電源30に接続されたニュートラル線(接地側電線)Nが接続される。S1端子22及びS2端子23には、それぞれ第1操作スイッチ11及び第2操作スイッチ13が接続される。NO1端子24は、ライブ出力端子であるが、本実施の形態では用いられない。L端子25は、ライブ入力端子であり、通信遮断スイッチ12が接続される。
【0025】
第1操作スイッチ11、通信遮断スイッチ12、及び第2操作スイッチ13にはそれぞれライブ線(電源側電線)Lが接続される。これにより、S1端子22、L端子25、及びS2端子23は、それぞれ第1操作スイッチ11、通信遮断スイッチ12、及び第2操作スイッチ13を介してライブ線Lに接続される。この構成により、通信遮断スイッチ12がONになっている限り、第1操作スイッチ11及び第2操作スイッチ13に対する操作に関わらずに、調光器20に電源30から電力が供給される。換言すれば、通信遮断スイッチ12は、調光器20への給電を断つスイッチであり、通信遮断スイッチ12をOFFにすることで調光器20のすべての機能を停止することができる。
【0026】
調光器20は、さらに、制御モジュール26と、メモリ27と、通信モジュール28とを備えている。制御モジュール26は、ライブ線Lから第1操作スイッチ11及び第2操作スイッチ13を介してそれぞれS1端子22及びS2端子23に与えられる入力に応じて、負荷3を制御するための制御信号として調光レベル通知信号を生成する。第1操作スイッチ11及び第2操作スイッチ13を押下(接続)すると、それぞれS1端子22及びS2端子23にライブ線Lが接続される。制御モジュール26は、S1端子22及びS2端子23の各々について、このような接続状態を検知して、検知した接続状態に応じて調光レベル通知信号を生成する。
【0027】
メモリ27は、制御モジュール26で生成された調光レベル通知信号に従った、現在の調光パラメータ(即ち、ON/OFF、照度レベル、及び色相パラメータのレベル)を記憶する。無線通信モジュール28は、無線通信機能を有し、制御モジュール26で生成された調光レベル通知信号を無線送信する。
【0028】
LED電球40は、ライブ線L及びニュートラル線Nによって電源30に接続されている。電源30とLED電球40との間には調光器20は介在しない。すなわち、LED電球40は、調光器20の負荷としてではなく、調光器20とは独立して電源30に接続されている。換言すれば、調光器20とLED電球40とは電源30に対して並列に接続されている。また、LED電球40は、電源30とLED電球40との間にはスイッチ10も介在しておらず、スイッチ10への手動操作に関わらず、電源30に常時接続されている。
【0029】
図2は、LED電球の構成を模式的に示す図である。LED電球40は、大きく分けてグローブ部41と、制御部42とからなる。グローブ部41には、R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色の発光体であるLEDチップ43r、43g、43bが設けられている。制御部42には、LEDチップ43r、43g、43bに対応する調光器44r、44g、44bと、調光器44r、44g、44bを制御する制御部45と、無線送信された調光レベル制御信号を受信する無線通信部46と、ライブ線Lに接続される第1給電端子47と、ニュートラル線Nに接続される第2給電端子48とを備えている。
【0030】
LEDチップ43r、43g、43bの両極の一方は、それぞれ調光器44r、44g、44bを介して第1給電端子47に接続されており、他方は第2給電端子48に接続されている。制御部45は、無線通信部46で受信した調光レベル制御信号に従って、調光器44r、44g、44bをそれぞれ制御する。調光器44r、44g、44bは、それぞれ制御部45に制御されて、ライブ線LからLEDチップ43r、43g、43bに供給する電力を調節する。
【0031】
LEDチップ43r、43g、43bに供給される電力がすべて0になると、LED電球40は消灯される。なお、調光器44r、44g、44bと第1給電端子47との間にスイッチを設けて、そのスイッチを制御部45の制御によって入切することで、LED電球40を点灯/消灯してもよい。LEDチップ43r、43g、43bに供給される電力の合計値が大きくなると、LED電球40の照度(明るさ、強度ともいう)が大きくなり、逆にLEDチップ43r、43g、43bに供給される電力の合計値が小さくなると、LED電球40の照度が小さくなる。
【0032】
また、LEDチップ43r、43g、43bにそれぞれ供給される電力が同程度であって、LEDチップ43r、43g、43bの照度が同程度であると、LED電球40の発光色は白に近づき、LEDチップ43r、43g、43bにそれぞれ供給される電力のバランスが変更されると、LED電球40の発光色の色相が変化し、発光色は色味を帯びることになる。
【0033】
よって、調光レベル制御信号には、ON/OFF、照度のUP/DOWN、及び色相パラメータのUP/DOWNを含む調光パラメータの情報が含まれる。制御部45は、これらのパラメータに従って、調光器44r、44g、44bをそれぞれ制御することで、LED電球40による調光レベル制御信号に応じた発光を実現する。
【0034】
図1に戻って調光器20についてさらに説明すると、制御モジュール26は、第1操作スイッチ11に対する短押操作(即ち、S1端子22に対するライブ線Lの短時間の接続)によって、LED電球40をONする調光レベル通知信号を生成し、第2操作スイッチ13に対する短押操作(即ち、S2端子23に対するライブ線Lの短時間の接続)によって、LED電球40をOFFする調光レベル通知信号を生成する。
【0035】
また、制御モジュール26は、第1操作スイッチ11に対する長押操作(即ち、S1端子22に対するライブ線Lの長時間の接続)によって、LED電球40の照度を上げる調光レベル通知信号を生成し、第2操作スイッチ13に対する長押操作(即ち、S2端子23に対するライブ線Lの長時間の接続)によって、LED電球40の照度を下げる調光レベル通知信号を生成する。
【0036】
このとき、制御モジュール26は、LED電球40の照度を第1操作スイッチ11/第2操作スイッチ13への長押操作の時間の長さに応じて照度調節するために、長押操作がされている期間、連続的に、照度UP/DOWNの調光レベル通知信号を生成する。
【0037】
また、制御モジュール26は、第1操作スイッチ11に対する短押操作に連続する長押操作(即ち、S1端子22に対するライブ線Lの短時間の接続に続く長時間の接続)によって、LED電球40の色相を変化させる調光レベル通知信号を生成し、第2操作スイッチ13に対する短押操作に連続する長押操作(即ち、S2端子23に対するライブ線Lの短時間の接続に続く長時間の接続)によって、LED電球40の色相を変化させる調光レベル通知信号を生成する。
【0038】
色相は、1次元のパラメータによって連続的に変化するように、1次元に並べられて定義されており、1次元のパラメータ(色相パラメータ)の大小で決定される。LED電球40の色相を第1操作スイッチ11/第2操作スイッチ13への長押操作の時間の長さに応じて照度調節するために、長押操作がされている期間、連続的に、色相パラメータUP/DOWNの調光レベル通知信号を生成する。
【0039】
上述のように、無線通信モジュール28は、制御モジュール26で生成された調光レベル通知信号を無線送信する。
【0040】
制御装置50には無線信号を受信するためのドングル51が接続される。制御装置50は、調光器20から無線送信された調光レベル通知信号をドングル51で受信する。そして、制御装置50は、受信した調光レベル通知信号に従って調光レベル制御信号を生成し、無線ルータ60に送信する。制御装置50と無線ルータ60との間の通信は、有線通信であっても無線通信であってもよい。
【0041】
無線ルータ60は、制御装置50から受信した調光レベル制御信号を無線送信する。上述のLED電球40の無線通信部46は、この無線ルータ60から無線送信された調光レベル制御信号を受信する。
【0042】
調光器20と制御装置50のドングル51との間の通信には、通信方式として無線通信規格であるZ−Wave(登録商標)を採用することができる。また、無線ルータ60とLED電球40との間の通信には、通信方式として無線通信規格であるWi−Fi(登録商標)やZigbee(登録商標)等を用いることができる。
【0043】
制御装置50は、調光器20から受信した調光レベル通知信号をそのまま調光レベル制御信号として無線ルータ60に出力してもよいが、調光レベル通知信号に何らかの変更や変換を加えることで調光レベル制御信号を生成してもよい。調光レベル制御信号において、調光レベル通知信号における上述の調光パラメータの情報が維持されていればよい。このように、同じ調光パラメータの情報を有する調光レベル通知信号及び調光レベル制御信号を総称して制御信号という。
【0044】
すなわち、本実施の形態では、調光器20は、スイッチ10への手動操作に応じた制御信号を生成してこれを無線送信し、LED電球40は、調光器20にてスイッチ10への手動操作に応じて生成された制御信号を無線受信して、受信した制御信号に従って調光を行う。なお、
図1の例では、調光器20から無線送信された制御信号が制御装置50及び無線ルータ60を経てLED電球60に伝達されるが、無線ルータ60を省略して制御装置50のドングル51からLED電球60に直接制御信号を無線送信してもよい。また、制御装置50及び無線ルータ60を省略して、調光器20から無線送信された制御信号をLED電球60にて直接受信するように構成してもよい。
【0045】
図1に示すように、制御信号は制御装置50以外の機器から無線ルータ60を介してLED電球40に無線送信されてもよい。
図1の例では、無線ルータ60がインターネット等の通信ネットワーク70に接続されている。この場合には、通信ネットワーク70に接続する端末装置(例えば、スマートフォン)80から、通信ネットワーク70及び無線ルータ60を介してLED電球40に制御信号が送信されてよい。このことは、LED電球40から遠隔にある端末装置80からLED電球40を制御できること意味する。
【0046】
さらに、LED電球40は、無線通信部46から発光状態を通知する状態通知信号を無線送信してよい。そして、端末装置80において状態通知信号を受けて、それを表示してよい。これにより、端末装置80において、LED電球40の発光状態を確認できる。
【0047】
以上のように構成された負荷制御システム100によれば、LED電球40は、調光器20を介さずに電源30に接続されて電力を供給される。よって、LED電球40の数が増えたとしても、それに応じて調光器20に流れる電流が増大することがなく、調光器20の保護機能による制限を受けずに調光器20によって制御されるLED電球40の数を増やすことができる。
【0048】
また、調光器20は、スイッチ10への手動操作に応じた制御信号を生成し、LED電球40は、当該制御信号に従って調光を行うので、従来と同様に、スイッチ10への手動操作によってLED電球40の調光を行うことができる。さらに、調光器20には電源30から電力が供給されるので、調光器20を電池駆動する必要がなく、電池交換が不要となる。
【0049】
なお、本実施の形態では、負荷が天井に配設されるLED電球40であり、コントローラが調光器20である例を説明をしたが、負荷制御システム100に応用される負荷はこれに限られない。負荷は、制御信号によって制御される他の電化製品であってよく、コントローラは、そのような電化製品の消費電力を調整するための制御信号を生成して無線送信するものであってよい。負荷は、例えば、天井に配設されるシーリングファンであってよく、天井裏の配線を利用して駆動されるカーテン駆動装置であってもよい。また、負荷は、天井に配設されるものにも限らず、任意の電化製品であってよい。
【0050】
以下では、本実施の形態の負荷制御システム100を、天井に取り付けられる電球を負荷として壁面スイッチにて負荷を制御するシステムとして応用する場合の設置方法を説明する。特に、以下では、既存の配線を利用して上述の負荷制御システム100を導入する場合の設置方法を説明する。
【0051】
図3は、既存の配線を示す模式図である。なお、
図3〜5において、電源30が天井C裏(以下、「天井裏」という。)に配置されているが、電源30の位置は他の場所であってもよい。
図3において、電源30に接続されるライブ線L及びニュートラル線Nは、天井裏に配線されて天井Cに取り付けられた電球40´に接続される。壁面には適当な高さにスイッチ10が設置される。
【0052】
スイッチ10は、図示しないスイッチボックスが壁面に埋め込まれて、当該スイッチボックスに機器を収容する形で壁面に取り付けられる。その結果、第1操作スイッチ11、通信遮断スイッチ12、第2操作スイッチ13は、壁面に露出して室内から手動操作可能となる。調光器20は、スイッチボックスに収容されてスイッチ10に接続される。すなわち、調光器20は、スイッチ10の裏側であって、壁内に設置される。以下では、このスイッチボックスによって一体となったスイッチ10及び調光器20をスイッチユニット200という。
【0053】
天井裏のライブ線Lは、天井裏からスイッチユニット200まで壁内を立ち下げ配線される。具体的には、電源30から延びているライブ線Lは、壁内をスイッチユニット200まで延びており、また、スイッチユニット200を経由したライブ線Lは、天井裏まで延びて電球40´に接続されている。このように、従来の配線では、スイッチユニット200は、電源30と電球40´とを接続するライブ線Lに挿入されている。
【0054】
図4は、本発明の実施の形態の配線例を模式的に示す図である。
図4の配線例では、
図3に示した従来の配線を利用しつつ、それに修正を加えることで
図1に示した負荷制御システム100の配線を実現する。これは、
図3に示す配線が既にある状況で、本発明の実施の形態の負荷制御システム100を導入する場合を想定している。すなわち、
図4の配線例は、
図3に示す既存の配線を修正して負荷制御システム100を導入する場合に有利である。
【0055】
図4の例では、電源30から延びているライブ線Lを、天井裏でスイッチユニット200に向けて立ち下がる前の部分において、直接LED電球40に接続する。これにより、電源30から延びるライブ線Lは、コントローラ20を経ることなく天井裏でLED電球40までつながり、LED電球40は、スイッチ10への手動操作に関わらず常に電源30に接続される状態となる。
【0056】
また、従来スイッチユニット200から電球40´に接続されていたライブ線Lについては、天井裏で電球40´への接続を切断して、天井裏にてニュートラル線Nに接続する。こうすることで、既存の配線においてスイッチユニット200から電球40´に接続されていたライブ線Lは、ニュートラル線Nとしてスイッチユニット200に接続されることになる。これにより、電源30から延びるライブ線Lはスイッチユニット200に接続され、電源30から延びるニュートラル線Nもスイッチユニット200に接続され、コントローラ20は、LED電球40とは並列に電源30に接続されて電源30からの電力が供給されることになる。
【0057】
図4の例では、従来の天井裏の配線に対して切断及び接続の工事を行い、壁内及びスイッチユニット200の配線については工事を行うことなく、
図1に示した負荷制御システム100の配線を実現できる。
【0058】
図5は、本発明の実施の形態の他の配線例を模式的に示す図である。
図5の配線例でも、
図3に示した既存の配線を利用しつつ、それに修正を加えることで
図1に示した負荷制御システム100の配線を実現する。
【0059】
図5の例では、スイッチユニット200において、調光器20から電球40´に向けて延びていたライブ線Lを調光器20から外して、電源30から延びているライブ線Lに接続する。すなわち、天井裏からスイッチユニット200まで延びている2本のライブ線Lをスイッチユニット200内で短絡する。これにより、電源30から延びるライブ線Lは、スイッチユニット200を経て(ただし、コントローラ20は経由せずに)LED電球40までつながり、LED電球40は、スイッチ10への手動操作に関わらず常に電源30に接続される状態となる。
【0060】
そして、天井裏のニュートラル線Nからスイッチユニット200まで、新たにニュートラル線Nを立ち下げ配線する。この新たなニュートラル線Nは、調光器20と天井裏のニュートラル線Nとを接続するものである。これにより、電源30から延びるライブ線Lはスイッチユニット200に接続され、電源30から延びるニュートラル線Nもスイッチユニット200に接続され、コントローラ20は、LED電球40とは並列に電源30に接続されて電源30からの電力が供給されることになる。
【0061】
図5の例では、天井裏についてはニュートラル線Nに対して新たに立ち下げ配線するニュートラル線Nを接続するという簡単な工事で済み、ライブ線Lの短絡、及び新たなニュートラル線Nの調光器20への接続等の工事は、比較的作業のしやすいスイッチユニット200において行うことができる。
【0062】
以上説明したように、
図4及び
図5の配線例では、天井に取り付けられるLED電球40に対して、従来の配線を利用して必要な修正を加えることで負荷制御システム100を実現できる。
【0063】
10 スイッチ
20 調光器
30 電源
40 LED電球
50 制御装置
60 無線ルータ
70 通信ネットワーク
80 端末装置
100 負荷制御システム
200 スイッチユニット
L ライブ線
N ニュートラル線
【解決手段】制御信号に従って制御されるLED電球40を制御する負荷制御システム100は、LED電球40を制御するための手動操作を受けるスイッチ10と、スイッチ10への手動操作に応じてLED電球40を制御するための制御信号を無線送信するコントローラ20(調光器)と、電源30から延びるライブ線L及びニュートラル線Nとを備える。コントローラ20は、ライブ線L及びニュートラル線Nに接続されて電源を供給され、ライブ線L及びニュートラル線Nは、コントローラ20を経ずにLED電球40に接続されてLED電球40に電源を供給する。