特許第6422623号(P6422623)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6422623
(24)【登録日】2018年10月26日
(45)【発行日】2018年11月14日
(54)【発明の名称】内視鏡の湾曲部
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/008 20060101AFI20181105BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20181105BHJP
   A61B 1/005 20060101ALI20181105BHJP
【FI】
   A61B1/008 511
   A61B1/00 714
   A61B1/005 520
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-536225(P2018-536225)
(86)(22)【出願日】2017年9月15日
(86)【国際出願番号】JP2017033405
【審査請求日】2018年7月10日
(31)【優先権主張番号】特願2017-28775(P2017-28775)
(32)【優先日】2017年2月20日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進
(74)【代理人】
【識別番号】100101661
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100135932
【弁理士】
【氏名又は名称】篠浦 治
(72)【発明者】
【氏名】中路 景暁
【審査官】 牧尾 尚能
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−192562(JP,A)
【文献】 特開2008−264173(JP,A)
【文献】 特開2005−7068(JP,A)
【文献】 特開2003−126024(JP,A)
【文献】 特開2000−126118(JP,A)
【文献】 特開平3−202040(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/136115(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00− 1/32
G02B 23/24−23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入部の長手軸の方向に面する第1の当接面と第2の当接面が基端面と先端面にそれぞれ設けられると共に、前記長手軸に沿って内蔵物を挿通するための第1の挿通部が内部に設けられた複数の第1の湾曲駒からなり、互いに隣接する前記第1の湾曲駒の前記第1の当接面と前記第2の当接面とが回動自在に当接するように前記長手軸に沿って連設された湾曲駒群と、
前記挿入部の先端部を構成する枠部材に対して前記長手軸周りの捩りに抗するように連結するための連結部が先端側に設けられ、前記長手軸の方向に面する第3の当接面が基端面に設けられるとともに、前記第1の挿通部と同一の投影面上に前記内蔵物を挿通するための第2の挿通部が内部に設けられ、前記第3の当接面と前記湾曲駒群の最先端に位置する前記第1の湾曲駒の前記第2の当接面とが回動自在に当接するように前記枠部材と前記湾曲駒群との間に介装された第2の湾曲駒と、
それぞれの先端部が前記枠部材の各固定位置に固定され、前記第2の湾曲駒の内側および前記湾曲駒群の内側に挿通された複数の内蔵物と
を具備し、
前記連結部は、前記長手軸の軸直角方向に回動自在となるよう、リベットを介して前記枠部材に連結され、
前記リベットは、前記第3の当接面が設けられた方向に対して前記長手軸周りに90度ずれた位置に配置され、
前記複数の内蔵物は、前記長手軸の方向に投影したときに前記各固定位置から前記第2の湾曲駒の内側に形成された第2の挿通部の各領域によって規定される各配置に矯正されることを特徴とする内視鏡の湾曲部。
【請求項2】
前記第1の湾曲駒と前記第2の湾曲駒に挿通され、基端側を牽引することで前記第1の当接面と前記第2の当接面との間及び前記第3の当接面と前記第2の当接面との間において回動を生じさせる牽引ワイヤを具備することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡の湾曲部。
【請求項3】
前記湾曲駒群と、前記第1の湾曲駒の外周を直接的に被覆する外皮を有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡の湾曲部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の湾曲駒が長手方向に沿って連設された内視鏡の湾曲部に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、内視鏡は、医療分野及び工業分野において広く利用されている。このような内視鏡において、細長な挿入部の最先端には、硬質な先端部が設けられている。先端部には、観察部位を撮像するための撮像ユニットや、観察部位に対して照明光を照射するための照明光学系等が設けられている。
【0003】
また、挿入部における先端部の基端側には、当該先端部の方向を任意な方向に変更するための湾曲部が設けられている。一般に、湾曲部は、湾曲駒組を有して構成されている。湾曲駒組は、挿入部の長手方向に沿って配設された複数の湾曲駒を有し、隣り合う各湾曲駒間がリベット等によって連結されることよって主要部が構成されている。
【0004】
一方、特に細径化が要求される種類の内視鏡では、上述の湾曲駒に代えて、例えば、日本国特開2005−7068号公報に開示されているように、複数の湾曲駒(節輪)を長手軸方向に沿って直列に積み重ねたリベットレスの湾曲駒群(節輪群)を湾曲部に採用した技術が知られている。この日本国特開2005−7068号公報の技術では、各節輪の一端側の第1端面に隆起部を設け、他端側の第2端面に、隣り合った他の節輪の隆起部を当接させる受け部を設けるとともに、隣り合う節輪が軸回り方向に回転されることを制限する制限部を受け部に設けることにより、湾曲部の捩れ等を抑制する技術が開示されている。さらに、日本国特開2005−7068号公報の技術では、湾曲駒群の外周に、極細のステンレス線材からなる網管状のブレードを被覆することにより、湾曲管の捩れをより的確に防止するよう構成されている。
【0005】
ところで、上述のような湾曲駒群を備えた内視鏡の湾曲部においては、さらなる細径化や構造の簡素化等を目的として、湾曲駒群の外周部を被覆するブレードを省略することが検討されている。
【0006】
しかしながら、湾曲駒群の外周部からブレードを除去した場合、湾曲部の捩れを十分に抑制することが困難となる虞がある。すなわち、内視鏡の先端部には比較的大型の撮像ユニット等を効率よく配置する必要があるため、先端部において固定される各種内蔵物の配置が、湾曲部内を挿通される各種内蔵物の配置と相違する場合がある。このような場合、湾曲駒群は各種内蔵物から捩れ方向の応力を受けることとなるが、湾曲駒群の外周部からブレードを除去した場合、各種内蔵物から受ける応力に対して湾曲部の捩れを十分に抑制することが困難となる虞がある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、簡単な構成により、リベットによって連結されていない湾曲駒間における捩れの発生を的確に抑制することができる内視鏡の湾曲部を提供することを目的とする。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様による内視鏡の湾曲部は、挿入部の長手軸の方向に面する第1の当接面と第2の当接面が基端面と先端面にそれぞれ設けられると共に、前記長手軸に沿って内蔵物を挿通するための第1の挿通部が内部に設けられた複数の第1の湾曲駒からなり、互いに隣接する前記第1の湾曲駒の前記第1の当接面と前記第2の当接面とが回動自在に当接するように前記長手軸に沿って連設された湾曲駒群と、前記挿入部の先端部を構成する枠部材に対して前記長手軸周りの捩りに抗するように連結するための連結部が先端側に設けられ、前記長手軸の方向に面する第3の当接面が基端面に設けられるとともに、前記第1の挿通部と同一の投影面上に前記内蔵物を挿通するための第2の挿通部が内部に設けられ、前記第3の当接面と前記湾曲駒群の最先端に位置する前記第1の湾曲駒の前記第2の当接面とが回動自在に当接するように前記枠部材と前記湾曲駒群との間に介装された第2の湾曲駒と、それぞれの先端部が前記枠部材の各固定位置に固定され、前記第2の湾曲駒の内側および前記湾曲駒群の内側に挿通された複数の内蔵物と、を具備し、前記連結部は、前記長手軸の軸直角方向に回動自在となるよう、リベットを介して前記枠部材に連結され、前記リベットは、前記第3の当接面が設けられた方向に対して前記長手軸周りに90度ずれた位置に配置され、前記複数の内蔵物は、前記長手軸の方向に投影したときに前記各固定位置から前記第2の湾曲駒の内側に形成された第2の挿通部の各領域によって規定される各配置に矯正されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】内視鏡の外観を示す斜視図
図2】先端部及び湾曲部の要部を図6のII−II線に沿って示す断面図
図3】先端部及び湾曲部の要部を図6のIII−III線に沿って示す断面図
図4】先端部の腰部を図6のIV−IV線に沿って示す断面図
図5】先端部の端面図
図6】先端部を図2のVI−VI線に沿って示す断面図
図7】先端部を図2のVII−VII線に沿って示す断面図
図8】先端部と湾曲部との連結部を図2のVIII−VIII線に沿って示す断面図
図9】湾曲部を図2のIXI−IX線に沿って示す断面図
図10】湾曲部を図2のX−X線に沿って示す断面図
図11】湾曲部を図2のXI−XI線に沿って示す断面図
図12】先端部及び湾曲部の内部構造を示す斜視図
図13】第1の湾曲駒と第2の湾曲駒の関係を示す分解斜視図
図14】変形例に係り、先端部及び湾曲部の内部構造を示す平面図
図15】同上、第1の湾曲駒と第2の湾曲駒の関係を示す分解斜視図
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の形態を説明する。図面は本発明の一実施形態に係り、図1は内視鏡の外観を示す斜視図、図2は先端部及び湾曲部の要部を図6のII−II線に沿って示す断面図、図3は先端部及び湾曲部の要部を図6のIII−III線に沿って示す断面図、図4は先端部の腰部を図6のIV−IV線に沿って示す断面図、図5は先端部の端面図、図6は先端部を図2のVI−VI線に沿って示す断面図、図7は先端部を図2のVII−VII線に沿って示す断面図、図8は先端部と湾曲部との連結部を図2のVIII−VIII線に沿って示す断面図、図9は湾曲部を図2のIXI−IX線に沿って示す断面図、図10は湾曲部を図2のX−X線に沿って示す断面図、図11は湾曲部を図2のXI−XI線に沿って示す断面図、図12は先端部及び湾曲部の内部構造を示す斜視図、図13は第1の湾曲駒と第2の湾曲駒の関係を示す分解斜視図である。
【0011】
図1に示す内視鏡1は、細長で可撓性を有する挿入部5と、挿入部5の基端側に連設された操作部6と、操作部6から延出されたユニバーサルケーブル7と、を備えて構成されている。ここで、本実施形態の内視鏡1は、例えば、腎盂・泌尿器用の内視鏡であり、従って、挿入部5の外径が数ミリ程度と極めて細径に形成されている。
【0012】
挿入部5は、例えば、硬質な先端部10と、上下左右の4方向に湾曲自在な湾曲部11と、可撓性を有する柔軟な可撓管部12と、が先端側から順に連設されて主要部が構成されている。なお、本実施形態における上下左右方向とは、後述する撮像ユニットによって撮像される内視鏡画像の上下左右方向に対応付けて定義されるものである。
【0013】
操作部6は、把持部15と、一対の湾曲操作レバー16a,16bと、処置具挿入口17と、折れ止め部18と、を有して構成されている。
【0014】
把持部15は、使用者等が把持可能な外装部材によって構成され、内部に各種の内蔵物を収容するための空間を備えている。
【0015】
湾曲操作レバー16aは、中立位置に対して予め設定された2方向に回動操作されることにより、一対の牽引ワイヤ20(図12参照)を牽引或いは弛緩させ、湾曲部11を上方向或いは下方向に湾曲動作させることが可能となっている。同様に、湾曲操作レバー16bは、中立位置に対して予め設定された2方向に回動操作されることにより、一対の牽引ワイヤ20を牽引或いは弛緩させ、湾曲部11を右方向或いは左方向に湾曲動作させることが可能となっている。
【0016】
処置具挿入口17には、挿入部5及び操作部6の内部に挿通された処置具挿通チャンネル21(図3参照)の基端側が連通されている。
【0017】
ユニバーサルケーブル7は、挿入部5及び操作部6の内部に挿通された映像信号ケーブル22(図2,3参照)やライトガイドケーブル23(図4参照)等が挿通された複合ケーブルによって構成されている。このユニバーサルケーブル7の延出端部には、図示しない光源装置に対して着脱自在に接続される光源用コネクタ8が設けられている。また、光源用コネクタ8には、図示しない信号ケーブルを介して、図示しないビデオプロセッサに着脱自在に接続するためのコネクタ部8aが設けられている。
【0018】
図2乃至図4に示すように、先端部10内には、金属製の先端硬質部25が設けられている。
【0019】
先端硬質部25には、対物光学系30a(図5参照)を備えた撮像ユニット30が保持されている。この撮像ユニット30には、対物光学系30aを通過した光学像を撮像するためのCCD,CMOS等の撮像素子(不図示)が内蔵されている。また、撮像ユニット30の基端側には、挿入部5内に挿通された内蔵物の一つである映像信号ケーブル22の先端側が接続されている。すなわち、先端硬質部25には、撮像ユニット30を介して、映像信号ケーブル22の先端側が保持されている。
【0020】
また、先端硬質部25内には、挿入部5内に挿通された内蔵物の一つであるライトガイドケーブル23の先端側が、照明光学系31と一体的に保持されている。
【0021】
また、先端硬質部25にはチャンネル孔32が開口され、このチャンネル孔32には、挿入部5内に挿通された内蔵物の一つである処置具挿通チャンネル21の先端側が保持されている。
【0022】
ここで、例えば、図2図5に示すように、映像信号ケーブル22の先端に撮像ユニット30が接続される先端部10内においては、比較的大型な撮像ユニット30を処置具挿通チャンネル21とともに効率よく配置するため、これら撮像ユニット30と処置具挿通チャンネル21とが左右の直径方向に沿って並んで配置されている。そして、これら撮像ユニット30及び処置具挿通チャンネル21よりも上方のスペースに、照明光学系31及びライトガイドケーブル23が配置されている。このように、先端部10内においては、狭隘なスペース内に各種内蔵物を効率的に保持するための所定の配置が設定されている。
【0023】
また、先端硬質部25の基端側には、湾曲部11に連結するための金属製の連結枠26が連設されている。この連結枠26には、基端側に向けて突出する一対の連結用凸部28が設けられている。これらの連結用凸部28は、挿入部5の長手軸Oの周りに180度回転した対称位置にそれぞれ配置されるものである。本実施形態において、より具体的には、各連結用凸部28は、挿入部5の左右方向に対をなして対向するように配置されている。また、各連結用凸部28には、長手軸Oの軸直角方向において互いに対向する軸孔28aがそれぞれ設けられている。
【0024】
さらに、先端硬質部25及び連結枠26の外周は、略円筒形状をなす金属製の外装管27によって被覆されている。
【0025】
なお、本実施形態において、先端硬質部25、連結枠26、及び、外装管27は、先端部10を構成する枠部材である。
【0026】
図2,3,12,13に示すように、湾曲部11は、複数の第1の湾曲駒36からなる湾曲駒群35を有して構成されている。第1の湾曲駒36は、金属製の環状部材によって構成されている。
【0027】
第1の湾曲駒36の基端面には、挿入部5の長手軸Oの方向に面する一対の第1の当接面37が設けられている。具体的に説明すると、第1の湾曲駒36の基端側には、長手軸Oの周りに180度回転した対称位置毎に、凸部36aがそれぞれ設けられている。そして、これら一対をなす凸部36aによって第1の湾曲駒36の基端面に形成された各凸面が第1の当接面37として設定されている。
【0028】
また、第1の湾曲駒36の先端面には、挿入部5の長手軸Oの方向に面する一対の第2の当接面38が設けられている。具体的に説明すると、第1の湾曲駒36の先端側には、各凸部36aに対して長手軸Oの周りに90度ずれた位置であって、且つ、長手軸Oの周りに180度回転した対称位置毎に、凹部36bがそれぞれ設けられている。そして、これら一対をなす凹部36bによって第1の湾曲駒36の先端面に形成された各凹面が第2の当接面38として設定されている。
【0029】
また、第1の湾曲駒36の内部には、挿入部5の長手軸Oの方向に貫通する貫通孔36cが設けられている。
【0030】
さらに、第1の湾曲駒36の内部には、例えば、第1の当接面37及び第2の当接面38に対応する位置であって、且つ、90度回転した対称位置毎に、貫通孔36cの内側に突出する肉厚部36dがそれぞれ設けられている。これにより、貫通孔36cの内部には、各肉厚部36dの突端部によって囲まれた中央領域39aが画成されている。さらに、貫通孔36cの内部には、各肉厚部36dの側部によって囲まれた第1〜第4の小領域39b〜39eが、中央領域39aの周囲において90度回転した対称位置毎に画成されている。これら各領域のうち、中央領域39aは、例えば、湾曲部11内に挿通される最も太径の内蔵物である処置具挿通チャンネル21を挿通可能な領域となっている。また、第1〜第4の小領域39b〜39eは、処置具挿通チャンネル21よりも細径の内蔵物である映像信号ケーブル22或いはライトガイドケーブル23を任意に挿通可能な領域となっている。
【0031】
また、各肉厚部36dには、長手軸Oの方向に貫通するワイヤ挿通孔40がそれぞれ形成されている。
【0032】
このように構成された複数の第1の湾曲駒36は、互いに隣接する第1の湾曲駒36同士が長手軸Oの周りに90度ずれた状態にて、一列に配列されている。これにより、互いに隣接する第1の湾曲駒36,36の第1の当接面37と第2の当接面38とが長手軸Oの軸直角方向に回動自在な状態にて当接され、複数の第1の湾曲駒36が長手軸O方向に沿って連設する一連の湾曲駒群35が構成されている(図12参照)。そして、長手軸Oの周りに交互に90度ずれた位置に、第1の当接面37と第2の当接面38とが当接する回り待遇が形成されることにより、湾曲駒群35は、上下方向及び左右方向に湾曲することが可能となっている。
【0033】
この場合において、貫通孔36cに画成された各領域のうち、中央領域39aと、当該中央領域39aを介して対向する第1,第3の小領域39b,39dのペア或いは第2,第4の小領域39c,39eのペアと、の組み合わせにより、第1の湾曲駒36の内部には、各種内蔵物を長手軸Oの方向に沿って挿通可能な第1の挿通部39が構成されている(図10,11参照)。
【0034】
また、湾曲部11において、上述の湾曲駒群35の先端には、金属製の環状部材からなる第2の湾曲駒41が連設されている。
【0035】
この第2の湾曲駒41の基端面には、挿入部5の長手軸Oの方向に面する一対の第3の当接面42が設けられている。具体的に説明すると、第2の湾曲駒41の基端側には、長手軸Oの周りに180度回転した対称位置毎に、凸部41aがそれぞれ設けられている。そして、これら一対をなす凸部41aによって第2の湾曲駒41の基端面に形成された各凸面が第3の当接面42として設定されている。
【0036】
また、第2の湾曲駒41の先端側には、連結部として、先端側に向けて突出する一対の連結用凸部43が設けられている。これらの連結用凸部43は、各凸部41aに対して長手軸Oの周りに90度ずれた位置であって、且つ、挿入部5の長手軸Oの周りに180度回転した対称位置毎に配置されるものである。本実施形態において、より具体的には、各連結用凸部43は、先端部10の連結枠26に設けられた各連結用凸部28に対応するように、挿入部5の左右方向に対をなして配置されている。また、各連結用凸部43には、長手軸Oの軸直角方向において互いに対向する軸孔43aがそれぞれ設けられている。
【0037】
また、第2の湾曲駒41の内部には、挿入部5の長手軸Oの方向に貫通する貫通孔41cが設けられている。
【0038】
さらに、第2の湾曲駒41の内部には、略部分円弧状をなして貫通孔41cの内側に突出する、一対の肉厚部41dが設けられている。
【0039】
そして、これら各肉厚部41dによって、貫通孔41cの内部には、長手軸Oの方向における第1の挿通部39と同一の投影面上に、各種内蔵物を挿通するための第2の挿通部44が画成されている。すなわち、貫通孔41cの内部には、各肉厚部41dの突端部によって囲まれた中央領域44aが画成されている。さらに、貫通孔41cの内部には、各肉厚部41dの側部によって囲まれた第1,第2の小領域44b,44cが、中央領域44aの周囲において180度回転した対称位置毎に画成されている。これら各領域のうち、中央領域44aは、例えば、湾曲部11内に挿通される最も太径の内蔵物である処置具挿通チャンネル21を挿通可能な領域となっている。また、第1,第2の小領域44b,44cは、処置具挿通チャンネル21よりも細径の内蔵物である映像信号ケーブル22或いはライトガイドケーブル23を任意に挿通可能な領域となっている。
【0040】
また、各肉厚部41dには、長手軸O方向に貫通する一対のワイヤ挿通孔45がそれぞれ形成されている。
【0041】
このように構成された第2の湾曲駒41は、先端部10と湾曲駒群35との間に介装されている。
【0042】
すなわち、例えば、図2,3に示すように、第2の湾曲駒41の先端側は、連結用凸部43が連結用凸部28にリベット結合されることにより、連結枠26に連結されている。より具体的には、第2の湾曲駒41の先端側に設けられた連結用凸部43の軸孔43aと、連結枠26の基端側に設けられた連結用凸部28の軸孔28aと、がリベット45を介して連結されることにより、第2の湾曲駒41は、長手軸Oの軸直角方向に回動自在となり、且つ、長手軸O周りの捩りに抗するように、先端部10の連結枠26に連結されている。
【0043】
一方、第2の湾曲駒41の基端側は、第3の当接面42が、湾曲駒群35の最先端に位置する第1の湾曲駒36の先端側に設けられた第2の当接面38に対し、長手軸Oの軸直角方向に対して回動自在に当接されることにより、連設されている。
【0044】
そして、このように、先端部10の基端側に連設された第2の湾曲駒41及び湾曲駒群35(各第1の湾曲駒36)の第2の挿通部44及び第1の挿通部39内には、先端が先端硬質部25の所定位置に固定された処置具挿通チャンネル21、映像信号ケーブル22、及び、ライトガイドケーブル23が挿通されている。
【0045】
この場合において、例えば、図2図4、及び、図7図9に示すように、処置具挿通チャンネル21、映像信号ケーブル22、及び、ライトガイドケーブル23は、先端硬質部25から第2の湾曲駒41に至るまでの区間において、その配置が矯正されている。すなわち、第2の湾曲駒41は、連結枠26に対して捩りに抗するように固定されており、さらに、第2の挿通部44は、処置具挿通チャンネル21、映像信号ケーブル22、及び、ライトガイドケーブル23を個別に挿通するための中央領域44a、及び、第1,第2の小領域44b,44cに区画されている。このため、処置具挿通チャンネル21、映像信号ケーブル22、及び、ライトガイドケーブル23の各配置は、先端硬質部25に設定された各配置(各固定位置)から、第2の挿通部44の各領域44a〜44cによって規定される各配置に矯正される。
【0046】
そして、このように配置が矯正された処置具挿通チャンネル21、映像信号ケーブル22、及び、ライトガイドケーブル23は、湾曲駒群35(複数の第1の湾曲駒36)の内部に形成された第1の挿通部39内に挿通される。
【0047】
この場合において、第2の挿通部44と各第1の挿通部39とは同一の投影面上に形成されているため、第2の挿通部44によって配置が矯正された処置具挿通チャンネル21、映像信号ケーブル22、及び、ライトガイドケーブル23は、各第1の湾曲駒36に対して不要な応力等を与えることなく各第1の挿通部39内に挿通されている。
【0048】
また、各第1の湾曲駒36及び第2の湾曲駒41内に形成された各ワイヤ挿通孔40,45には、各牽引ワイヤ20が挿通されている。これら牽引ワイヤ20の先端は、連結枠26内に設けられたワイヤ固定部26aによって固定され(図2参照)、これにより、湾曲部11は、湾曲操作レバー16a,16bに対する回動操作に連動して湾曲動作することが可能となっている。すなわち、各牽引ワイヤ20は、湾曲操作レバー16a,16bに対する回動操作を通じて牽引或いは弛緩されることにより、第1の当接面37と第2の当接面38との間、及び、第3の当接面42と第2の当接面38との間において回転を生じさせ、湾曲部11を湾曲動作させることが可能となっている。
【0049】
さらに、第2の湾曲駒41及び湾曲駒群35(複数の第1の湾曲駒36)の外周は、外皮46によって直接的に(すなわち、ブレード等が介在することなく)被覆されている。この外皮46の先端には、糸巻接着部47が設けられ、この糸巻接着部47によって、外皮46の先端側は外装管27に対して液密に連結されている。
【0050】
このような実施形態によれば、挿入部5の長手軸Oの方向に面する第1の当接面37と第2の当接面38が基端面と先端面にそれぞれ設けられると共に、長手軸Oに沿って内蔵物を挿通するための第1の挿通部39が内部に設けられた複数の第1の湾曲駒36からなり、互いに隣接する第1の湾曲駒36の第1の当接面37と第2の当接面38とが回動自在に当接するように長手軸Oに沿って連設された湾曲駒群35と、先端部10を構成する連結枠26に対して長手軸O周りの捩りに抗するように連結するための連結用凸部43が先端側に設けられ、長手軸Oの方向に面する第3の当接面42が基端面に設けられるとともに、第1の挿通部39と同一の投影面上に内蔵物を挿通するための第2の挿通部44が内部に設けられ、第3の当接面42と湾曲駒群35の最先端に位置する第1の湾曲駒36の第2の当接面38とが回動自在に当接するように連結枠26と湾曲駒群35との間に介装された第2の湾曲駒41と、を具備して湾曲部11を構成することにより、簡単な構成により、リベット等によって連結されていない湾曲駒群35の第1の湾曲駒36間における捩れの発生を的確に抑制することができる。
【0051】
すなわち、連結枠26に対して長手軸O周りの捩れに抗するように連結した第2の湾曲駒41を先端部10と湾曲駒群35との間に介装し、各第1の挿通部39と同一の投影面上に内蔵物を挿通するように第2の挿通部44を設定することにより、先端部10内に固定された各内蔵物のレイアウトに対し、第1の挿通部39に挿通される各内蔵物のレイアウトが相違する場合にも、これらのレイアウトの相違を第2の挿通部44によって矯正した上で、各内蔵物を第1の挿通部39内に挿通させることができる。
【0052】
従って、リベット等を用いない簡単な構成の湾曲駒群35を用いて湾曲部11を構成した場合にも、内蔵物から受ける応力等に起因する捩れの発生を抑制することができ、湾曲部11を効果的に細径化等することができる。
【0053】
加えて、内蔵物から受ける応力等を抑制できるので、第1の湾曲駒36間の捩れ防止等を目的として湾曲駒群35等の外周に配設されるブレード等を省略することができ(すなわち、湾曲駒群35等の外周に直接的に外皮46を被覆することができ)、より効果的に湾曲部11の細径化等を実現することができる。
【0054】
ここで、例えば、図14,15に示すように、外装管27等に対し、第2の湾曲駒41の先端を連結部50として接着或いは溶着等によって連結することも可能である。また、同図に示すように、各第1の湾曲駒36の平坦なままの先端面をそのまま第2の当接面38として設定することも可能である。
【0055】
なお、本発明は、以上説明した実施形態等に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲内である。
【0056】
例えば、上述の実施形態においては、上下方向、及び、左右方向の4方向に湾曲可能な湾曲部の一例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、上下方向、或いは、左右方向の2方向に湾曲可能な内視鏡の湾曲部に適用することも可能である。
【0057】
また、本発明は、腎盂・泌尿器用の内視鏡のように挿入部が細径の内視鏡の湾曲部に対して特に有効であるが、例えば、気管支用の内視鏡のように他の細径の内視鏡の湾曲部に対しても適用しても良いことは勿論である。加えて、本発明は、挿入部が所定以上の直径を有する他の内視鏡の湾曲部に対して適用しても良いことは勿論である。
【0058】
本出願は、2017年2月20日に日本国に出願された特願2017−28775号を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の開示内容は、本願明細書、請求の範囲に引用されるものとする。
【要約】
湾曲部11は、第1の当接面37と第2の当接面38とが回動自在に当接するように複数の第1の湾曲駒36が長手軸Oに沿って連設された湾曲駒群35と、先端部10を構成する連結枠26に対して長手軸O周りの捩りに抗するように連結するための連結用凸部43が先端側に設けられ、長手軸Oの方向に面する第3の当接面42が基端面に設けられるとともに、第1の湾曲駒36に設けられた第1の挿通部39と同一の投影面上に内蔵物を挿通するための第2の挿通部44が内部に設けられ、第3の当接面42と湾曲駒群35の最先端に位置する第1の湾曲駒36の第2の当接面38とが回動自在に当接するように連結枠26と湾曲駒群35との間に介装された第2の湾曲駒41と、を具備する。
図1
図2
図3
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図5
図6
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図9
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図12
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図15