特許第6422667号(P6422667)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6422667
(24)【登録日】2018年10月26日
(45)【発行日】2018年11月14日
(54)【発明の名称】施設管理装置および方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20120101AFI20181105BHJP
   G06Q 50/16 20120101ALI20181105BHJP
【FI】
   G06Q10/00 300
   G06Q50/16
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-102065(P2014-102065)
(22)【出願日】2014年5月16日
(65)【公開番号】特開2015-219678(P2015-219678A)
(43)【公開日】2015年12月7日
【審査請求日】2017年3月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 仁美
【審査官】 岸 健司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−085837(JP,A)
【文献】 特開2004−127037(JP,A)
【文献】 特開2005−284405(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理対象となる設備機器の設備データを収集し、収集した設備データを時刻とともに記憶部に蓄積しておき、前記蓄積された設備データを用いて、あらかじめ定義されたグラフ設定データに応じてグラフデータを生成し、オペレータの要求により生成されたグラフの画面表示を行なう施設管理装置において、
管理対象となる設備機器の設備データをあらかじめ決められた周期で収集する設備データ収集手段と、前記設備データ収集手段で収集した設備データを収集時刻とともに記録する設備データ記憶手段と、表示されたメニューのなかからオペレータが所望のグラフ画面を選択するグラフ選択手段と、選択されたグラフに定義されている管理対象の評価期間および評価判断基準を入力する評価判断基準入力手段と、前記入力された評価判断基準に基づいて設備データの異常判定を行う異常判定手段と、前記異常判定手段により異常判定された設備データがあらかじめ決められた数となるまで評価判断基準を変更する評価判断基準変更手段と、定義されたグラフ設定データに従って、グラフ表示するグラフ表示手段とを備えることを特徴とする施設管理装置。
【請求項2】
前記評価判断基準入力手段は、あらかじめ定義されたグラフ設定データに応じて、所定の期間に複数の設備データの条件を組み合わせ、統計処理を行う処理手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の施設管理装置
【請求項3】
前記評価判断基準変更手段は、異常判定される数が少なくなる方向に評価判断基準の変更を実施することを特徴とする請求項1に記載の施設管理装置。
【請求項4】
管理対象となる設備機器の設備データを収集し、収集した設備データを時刻とともに記憶部に蓄積しておき、前記蓄積された設備データを用いて、あらかじめ定義されたグラフ設定データに応じてグラフデータを生成し、オペレータの要求により生成されたグラフの画面表示を行なう施設管理装置における管理方法であって、
前記施設管理装置は、管理対象となる設備機器の設備データをあらかじめ決められた周期で収集する設備データ収集ステップと、前記設備データ収集ステップで収集した設備データを収集時刻とともに記録する設備データ記憶ステップと、表示されたメニューのなかからオペレータが所望のグラフ画面を選択するグラフ選択ステップと、選択されたグラフに定義されている管理対象の評価期間および評価判断基準を入力する評価判断基準入力ステップと、入力された評価判断基準に基づいて表示する設備データの異常判定を行う異常判定ステップと、異常と判定された設備データがあらかじめ決められた数となるまで評価判断基準を変更する評価判断基準変更ステップと、定義されたグラフ設定データ従って、グラフを表示するグラフ表示ステップとを備えたことを特徴とする管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、テナントビル、ホテル、学校、病院などの施設において、設備情報を収集蓄積し、これら設備の異常判断を収集した設備情報のグラフを確認して行う施設管理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、施設管理装置においては、オペレータによる設備情報の履歴データの解析を行なうために、収集され蓄積されている各種機器の稼動状態(ポンプのON/OFF状況、空調機のON/OFF状況など)、その機器による環境の状態(温湿度、冷水送水温度、風量、送水圧など)、機器ごとに使用するエネルギー使用量など各種の管理ポイントが定義され、この管理ポイントのデータを定期的に収集し、蓄積している。この蓄積されたデータは、オペレータからの要求に応じ、トレンドデータやヒストグラムなどの履歴表示のグラフとして画面上に表示される。これらのグラフはエネルギー使用量の分析、温熱環境評価、空調制御解析などに用いられ、管理ポイントが多くなればなるほど様々な用途で用いられる多くのグラフが用意されている。
【0003】
このため、表示されたメニューのなかからオペレータが所望のグラフ画面を選択し、選択されたグラフを指定し位置を変更する。また画面上から設定される複合条件を記憶しておき、時系列な傾向や条件によって差異があるのかなどを表示されたグラフをオペレータが確認していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−258939号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、グラフ表示された確認すべき管理ポイントは膨大であり、入力された評価判断基準が効率的に働かず、異常判定の数が多い場合、優先的に確認すべき個所が判断できない。このようなときは、評価判断基準の入力を繰り返し行い、異常判定していくこととなり手間が発生する。
【0006】
この発明は、これらの課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、オペレータが設備状況を管理するうえで、特に設備状況の正常/異常を判断するための手助けとなるようにグラフ表示を行う施設管理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するために、本発明に係る施設管理装置は、管理対象となる設備機器の設備データを収集し、収集した設備データを時刻とともに記憶部に蓄積しておき、蓄積された設備データを用いて、あらかじめ定義されたグラフ設定データに応じてグラフデータを生成し、オペレータの要求により生成されたグラフの画面表示を行なう施設管理装置において、
管理対象となる設備機器の設備データをあらかじめ決められた周期で収集する設備データ収集手段と、前記設備データ収集手段で収集した設備データを収集時刻とともに記録する設備データ記憶手段と、表示されたメニューのなかからオペレータが所望のグラフ画面を選択するグラフ選択手段と、選択されたグラフに定義されている管理対象の評価期間および評価判断基準を入力する評価判断基準入力手段と、前記入力された評価判断基準に基づいて設備データの異常判定を行う異常判定手段と、前記異常判定手段により異常判定された設備データがあらかじめ決められた数となるまで評価判断基準を変更する評価判断基準変更手段と、定義されたグラフ設定データに従って、グラフ表示するグラフ表示手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る施設管理装置は、異常を判定を判定するための評価判断基準について、あらかじめ定義されたグラフ設定データに応じて、所定の期間に複数の設備データの条件を組み合わせ、統計処理を行う処理手段を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る施設管理装置は、異常判定される数が少なくなる方向に評価判断基準の変更を実施することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、設備が正常に稼動しているかどうかについて、入力された評価判断基準により、異常判定の数が多い場合であっても、異常判定の数が少なくなるように評価判断基準を変更するようにしたことにより、異常を容易に発見できるようになる。これにより、多くのグラフの中から異常が発生しているグラフを短い時間で特定したうえで設備情報を把握することができ、問題の分析範囲を効率よく、迅速に行うことができるようになり、施設管理の業務効率を大幅に改善することができるようになる。
【0011】
また、評価判断基準を期間や範囲、複合条件などを設けて変更するようにしたことにより、柔軟でかつ迅速に確認したい対象を絞り込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態に係る施設管理装置のブロック図である。
図2】選択メニューの一例である
図3】評価グループ一覧の設定画面の一例である
図4】グラフ表示の一例である
図5】管理ポイント一覧画面の一例である
図6】実施の形態に係る施設管理方法の処理フローである
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、異なる実施の形態において、同一又は同様の作用効果を奏する箇所については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0014】
〔実施の形態1〕
図1はこの発明に係る施設管理装置100の概略構成を示すブロック図である。施設管理装置100は、CPU、RAM、ROM、インタフェース、ディスプレイ、キーボード、マウス等を備えたコンピュータであり、CPUは、RAMにアクセスしながら、ROMに格納されたプログラムにしたがって動作する。
【0015】
テナントビルには、各種の設備(たとえば、空調、熱源、エレベータ、防犯、防災、照明など)(図示しない)が設けられている。施設管理装置100は、テナントビル内の各種管理ポイントからの情報(ポンプのON/OFF状況、空調機のON/OFF状況、温湿度、冷水送水温度、風量、送水圧、インバータ回転数、弁開度など)や各種設備のエネルギー消費量などを通信回線を介して定期的に収集する設備データ収集手段1と、収集したデータをメモリ等の記憶部に収集した時刻とともに蓄積していく設備データ記憶手段2とを備えている。管理ポイントは、アドレス、計測ポイント名称、単位等が定義されたものである。一方、グラフ種類(たとえば、時系列グラフ、分布系グラフ)、グラフ上に表示する管理ポイント、グラフ表示範囲、グラフ表示開始終了時刻、グラフコメント等をあらかじめ設定定義された項目に基づきプログラムが動作して、グラフデータを生成し、記録されるグラフ生成手段3を備えている。また、設備管理に関する区分、および統括されたグループ名称などを、グラフ属性として備えている。
【0016】
評価判断基準入力手段4は、グラフごとに正常/異常を判断するための条件を設定するものである。たとえば、月間合計電力量が目標値を上回ったかどうか、3ヶ月間の温湿度分布が一定割合以上目標値内にあるかどうか、1ヶ月のPMV値が所定範囲内にあるかどうか等、単に上下限警報の上限値および下限値の比較で異常を判断するのではなく、設備の複数の管理ポイントの条件により統計的に加工や比較を行うように判断基準データを設定できるようにしたものである。
【0017】
図2に示すように、画面上のメニューを選択すると、ツリー構造のグラフ選択メニューが表示される。グラフ選択メニューは、グラフ属性として定義されたグループごとに表示される。たとえば、グラフ属性として定義されているグループ一覧として、図3に示すように、1:エネルギー性能評価(熱源)、2:エネルギー性能評価(空調)、3:PMV制御一覧等が定義され、所望のグループを選択すると、そのグループに所属するグラフの評価基準一覧が表示される。ここでは、分析したい項目として、熱源や空調の異常個所を特定したい場合のグループ、室内の快適性を確認したいグループなどで分類されている。さらに、各々のグラフを選択すると、グラフに表示する管理ポイントがグラフ設定データとして定義されている。このグループの階層にグラフをツリー構造で表示している。グラフ選択手段5により、グラフを選択すると、グラフ表示手段8により画面上にグラフが表示される。
【0018】
表示履歴記録手段6は、オペレータの操作に従い、表示されたグラフを時系列に履歴データとして記録するものである。記録された表示履歴データは、表示頻度の多い順、曜日順、オペレータ別などに並べかえて表示するようにしてもよい。
【0019】
また、オペレータは記録された表示履歴から過去と同じ手順で複数のグラフを表示することで、異常の有無の再確認や不要な履歴の削除や判断に必要なグラフの追加を行うことができる。これにより、さらに分析の精度を上げることができる。
【0020】
異常判定手段7は、評価判断基準入力手段4で入力した条件に基づき、異常判定を行うものである。たとえば、「熱源機器のエネルギー性能を評価する」とする。グラフを表示するためにあらかじめ定義されている管理ポイントの名称やデータ等を時刻とあわせて表示するようにしたものである。
【0021】
ここで、異常判定となったあらかじめ定義されている管理ポイントの数が所定の数(たとえば20%)を上回ったときは、評価判断基準を変更する。たとえば、目標値を上げるまたは下げる等。評価判断基準の変更は、異常判定となる管理ポイントの数があらかじめ設定された数となるまで実行される。
【0022】
また、たとえば、3カ月の温湿度分布が所定の範囲内にあるかどうかの評価判断基準が入力され、異常判定した結果、異常となる管理ポイントの数があらかじめ設定された値(たとえば20%)以上あったときは、異常となる数が少なくなるように範囲を広げる。もしくは一方を広げ、評価判断基準を変更する。
【0023】
「グラフ表示」を選択すると、図4に示すようにグラフ表示手段8により選択されたグラフが画面に表示される。なお、グラフ属性が同じグラフを重ねて表示することも可能である。
【0024】
表示されたグラフ上の所定の範囲を選択すると、図5に示すように、管理ポイント一覧が表示される。ここでは、データ収集時刻もあわせて一覧表示されるため、いつの時点のどのデータに問題があったかを容易に見つけることができる。
【0025】
この例では、2つのデータの相関を示す散布図において、管理状態を示す領域からはみ出したプロットを選択すると、そこに含まれるデータを管理ポイントの名称とそのデータの収集時刻とともに表示するようにしたものである。
【0026】
図6は、本発明の施設管理方法の処理フローを示したものである。オペレータが、画面に表示されたメニューから「エネルギー管理」を選択すると(ST10のYes)、エネルギー管理のためにあらかじめ設定されたツリー構造のメニューが表示される(ST11)。表示されたツリー構造の項目が選択されると(ST12のYes)、評価期間、フィルターなどの評価項目を設定する(ST13)、設定された評価項目に従って、「グラフ表示」を選択すると(ST14のYes)、選択されたグラフが表示され、判定基準にしたがい、異常判定を行う(ST15)。
【0027】
異常判定した結果、異常の数が設定された値より多いときは(ST16のYes)、評価項目を変更する(ST17)。異常と判定される数があらかじめ設定された値となるまで継続する。
【0028】
本発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は、上述した実施の形態の構成に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲の設計の変更などがあっても本発明に含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0029】
1:設備データ収集手段、2:設備データ記憶手段、3:グラフデータ生成手段、4:評価判断基準入力手段、5:グラフ選択手段、6:表示履歴記録手段、7:異常判定手段、8:グラフ表示手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6