(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のように、ティーチングに専用の治具を用いることにより、ティーチングのための作業者の負担が低減される。しかしながら、治具の維持管理のための作業者の負担が増加する。また、治具の購入のためのコストが増加するとともに、治具の維持管理に伴うコストが増加する。
【0006】
本発明の目的は、作業者の負担を低減しつつ低コストで搬送装置に関する教示を行うことが可能な基板処理装置および基板処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)第1の発明に係る基板処理装置は、基板に処理を行う基板処理装置であって、予め設定された基準位置を有し、基板を支持可能に構成される基板支持部と、基板を保持するように構成され
るとともに予め定められた進退基準位置と他の位置との間で直線状に前進および後退可能に設けられた第1の保持部を有し、第1の保持部を移動させることにより基板を搬送する第1の搬送装置と、第1の保持部により保持された基板と第1の保持部との位置関係を検出する位置検出部と、第1の保持部を移動させて基板支持部に基板を渡しまたは基板支持部から基板を受け取るように第1の搬送装置を制御する制御部とを備え、
位置検出部は、第1の保持部が進退基準位置と他の位置との間で前進または後退する際に第1の保持部により保持される基板の外周部の複数の部分をそれぞれ検出するように設けられた複数の検出器を含み、複数の検出器の各々による検出のタイミングに基づいて第1の保持部により保持された基板と第1の保持部との位置関係を検出し、制御部は、第1の搬送装置に関する教示動作時に、第1の保持部を基板支持部の目標位置に移動させて基板支持部の基準位置で支持された基板を受け取るように第1の搬送装置を制御し、位置検出部により検出される位置関係に基づいて目標位置と基準位置とのずれを補正情報として取得し、教示動作時または基板処理時に、取得された補正情報に基づいて目標位置が基準位置に一致するように目標位置を補正し、基板処理時に、第1の保持部を補正された目標位置に移動させるように第1の搬送装置を制御する。
【0008】
この基板処理装置においては、第1の搬送装置に関する教示動作時に、第1の搬送装置の第1の保持部が基板支持部の目標位置に移動され、基板支持部の基準位置で支持された基板が第1の保持部により受け取られる。ここで、
第1の保持部が予め定められた進退基準位置と他の位置との間で直線状に前進または後退され、第1の保持部により保持される基板の外周部の複数の部分が複数の検出器によりそれぞれ検出される。複数の検出器の各々による検出のタイミングに基づいて第1の保持部により保持された基板と第1の保持部との位置関係が検出される。検出された位置関係に基づいて目標位置と基準位置とのずれが補正情報として取得される。
【0009】
教示動作時または基板処理時に、取得された補正情報に基づいて目標位置が基準位置に一致するように目標位置が補正される。基板処理時に、第1の保持部が補正された目標位置に移動されることにより、第1の保持部により基板支持部に基板が渡され、または基板支持部から基板が受け取られる。それにより、基準位置で基板が支持されるように第1の保持部により基板を基板支持部に渡すことができ、または基準位置で支持された基板を受け取るように第1の保持部を基板支持部に移動させることができる。
【0010】
この構成によれば、基板支持部により基準位置で支持された基板を第1の搬送装置の第1の保持部が受け取ることにより、第1の搬送装置に関する教示動作が行われる。これにより、第1の搬送装置に関する教示を行うための作業者の負担が低減される。この場合、第1の搬送装置に関する教示を行うために専用の治具を用意する必要がない。そのため、治具の維持管理のための作業者の負担が発生せず、治具の購入および治具の維持管理に伴うコストも発生しない。これらの結果、作業者の負担を低減しつつ低コストで第1の搬送装置に関する教示を行うことができる。
【0011】
(2)基板支持部は、基板を基準位置に導く案内機構を含み、教示動作時に、案内機構により基板が基板支持部の基準位置に導かれてもよい。
【0012】
この場合、基板が案内機構により基準位置に導かれる。これにより、教示動作時に、作業者が基板を基準位置に位置決めする作業が不要となる。したがって、作業者の負担がより低減される。また、基板処理時においても、基板が案内機構により基板支持部の基準位置に正確に位置決めされる。
【0013】
(3)基板処理装置は、基板を収納する収納容器をさらに備え、収納容器は、基板支持部を含み、基板を案内機構により基準位置に収納するように構成され、目標位置は、収納容器内に設定され、制御部は、教示動作時に、第1の保持部を収納容器内の目標位置に移動させて収納容器内の基準位置に収納された基板を受け取るように第1の搬送装置を制御してもよい。
【0014】
この場合、基板は、案内機構により収納容器内の基準位置に収納される。これにより、教示動作時に、作業者が基板を基準位置に位置決めする作業が不要となる。したがって、作業者の負担がより低減される。
【0015】
(4)基板処理装置は、基板に処理を行う処理ユニットをさらに備え、処理ユニットは基板支持部を含み、目標位置は、処理ユニット内に設定され、制御部は、教示動作時に、第1の保持部を処理ユニット内の目標位置に移動させて処理ユニット内において案内機構により基準位置で支持された基板を受け取るように第1の搬送装置を制御してもよい。
【0016】
この場合、基板は、処理ユニット内において、案内機構により基準位置で支持される。また、作業者が基板を基準位置に位置決めする作業が不要となる。したがって、作業者の負担がより低減される。
【0017】
(5)基板処理装置は、基板支持部を含み、基板が一時的に載置される基板載置部と、基板を保持するように構成された第2の保持部を有し、第2の保持部を移動させることにより基板を搬送する第2の搬送装置とをさらに備え、目標位置は、基板載置部上に設定され、制御部は、教示動作時に、第2の保持部を基板載置部の基板支持部に移動させて基板支持部に基板を載置するように第2の搬送装置を制御し、基板支持部に載置される基板の位置を基準位置とみなし、第1の保持部を基板載置部上の目標位置に移動させて基板支持部に載置された基板を受け取るように第1の搬送装置を制御してもよい。
【0018】
この場合、基板載置部を介して第1の搬送装置の第1の保持部と第2の搬送装置の第2の保持部との間で基板が受け渡される。ここで、第2の保持部により基板載置部に載置された基板の位置が基準位置とみなされる。これにより、作業者が基板を基準位置に位置決めする作業が不要となる。したがって、作業者の負担がより低減される。
【0019】
(6)基板処理装置は、基板を保持するように構成された第2の保持部を基板支持部として有し、第2の保持部を移動させることにより基板を搬送する第2の搬送装置をさらに備え、目標位置は、第1の搬送装置と第2の搬送装置との間での基板の受け渡し時の第2の保持部に設定され、制御部は、教示動作時に、第2の保持部に保持される基板の位置を基準位置とみなし、第1の保持部を第2の保持部の目標位置に移動させて第2の保持部から基板を受け取るように第1の搬送装置を制御してもよい。
【0020】
この場合、第1の搬送装置の第1の保持部と第2の搬送装置の第2の保持部との間で基板が受け渡される。ここで、第2の保持部に保持された基板の位置が基準位置とみなされる。これにより、作業者が基板を基準位置に位置決めする作業が不要となる。したがって、作業者の負担がより低減される。
【0021】
(7)第2の発明に係る基板処理装置は、基板に処理を行う基板処理装置であって、予め設定された基準位置を有し、基板を水平姿勢で保持して基準位置の周りで回転可能に構成される基板支持部と、基板を保持するように構成され
るとともに予め定められた進退基準位置と他の位置との間で直線状に前進および後退可能に設けられた第1の保持部を有し、第1の保持部を移動させることにより基板を搬送する第1の搬送装置と、第1の保持部により保持された基板と第1の保持部との位置関係を検出する位置検出部と、第1の保持部を移動させて基板支持部に基板を渡しまたは基板支持部から基板を受け取るように第1の搬送装置を制御する制御部とを備え、
位置検出部は、第1の保持部が進退基準位置と他の位置との間で前進または後退する際に第1の保持部により保持される基板の外周部の複数の部分をそれぞれ検出するように設けられた複数の検出器を含み、複数の検出器の各々による検出のタイミングに基づいて第1の保持部により保持された基板と第1の保持部との位置関係を検出し、制御部は、第1の搬送装置に関する教示動作時に、第1の保持部を基板支持部の目標位置に移動させて基板支持部に基板を渡すように第1の搬送装置を制御し、基板支持部により支持された基板が所定の角度だけ回転されるように基板支持部を制御し、第1の保持部を基板支持部の目標位置に移動させて基板支持部により支持された基板を受け取るように第1の搬送装置を制御し、基板支持部へ基板を渡す前における第1の保持部と基板との位置関係および基板支持部から基板を受け取った後において位置検出部により検出された位置関係に基づいて目標位置と基準位置とのずれを補正情報として取得し、教示動作時または基板処理時に、取得された補正情報に基づいて目標位置が基準位置に一致するように目標位置を補正し、基板処理時に、第1の保持部を補正された目標位置に移動させるように第1の搬送装置を制御する。
【0022】
この基板処理装置においては、第1の搬送装置に関する教示動作時に、
第1の保持部が予め定められた進退基準位置と他の位置との間で直線状に前進または後退され、第1の保持部により保持される基板の外周部の複数の部分が複数の検出器によりそれぞれ検出される。複数の検出器の各々による検出のタイミングに基づいて第1の搬送装置の第1の保持部により保持された基板と第1の保持部との位置関係が検出される。第1の搬送装置の第1の保持部が基板支持部の目標位置に移動され、基板支持部に基板が渡される。基板支持部により水平姿勢で支持された基板が基準位置の周りで所定の角度だけ回転される。第1の保持部が基板支持部の目標位置に移動され、基板支持部により支持された基板が第1の保持部により受け取られて保持される。その後、
第1の保持部が進退基準位置と他の位置との間で直線状に前進または後退され、第1の保持部により保持される基板の外周部の複数の部分が複数の検出器によりそれぞれ検出される。複数の検出器の各々による検出のタイミングに基づいて第1の保持部により保持された基板と第1の保持部との位置関係が検出される。基板支持部へ基板を渡す前における第1の保持部と基板との位置関係および基板支持部から基板を受け取った後における位置関係に基づいて目標位置と基準位置とのずれが補正情報として取得される。
【0023】
教示動作時または基板処理時に、取得された補正情報に基づいて目標位置が基準位置に一致するように目標位置が補正される。基板処理時に、第1の保持部が補正された目標位置に移動されることにより、第1の保持部により基板支持部に基板が渡され、または基板支持部から基板が受け取られる。それにより、基準位置で基板が支持されるように第1の保持部により基板を基板支持部に渡すことができ、または基準位置で支持された基板を受け取るように第1の保持部を基板支持部に移動させることができる。
【0024】
この構成によれば、第1の搬送装置の第1の保持部が基板支持部に基板を渡して回転後の基板を受け取ることにより、第1の搬送装置に関する教示動作が行われる。これにより、第1の搬送装置に関する教示を行うための作業者の負担が低減される。この場合、第1の搬送装置に関する教示を行うために専用の治具を用意する必要がない。そのため、治具の維持管理のための作業者の負担が発生せず、治具の購入および治具の維持管理に伴うコストも発生しない。これらの結果、作業者の負担を低減しつつ低コストで第1の搬送装置に関する教示を行うことができる。
【0025】
(8)所定の角度は180度であってもよい。この場合、基板支持部へ基板を渡す前における第1の保持部と基板との位置関係および基板支持部から基板を受け取った後における位置関係に基づいて補正情報を容易に取得することができる。
【0026】
(9)基板処理装置は、第1の保持部が基板の下面を保持したことを検出する保持検出部をさらに備え、制御部は、教示動作時に、第1の保持部を基板支持部により基準高さで支持された基板の下方から上昇させるように第1の搬送装置を制御し、保持検出部による検出時点における第1の保持部の垂直方向の位置に基づいて垂直方向における目標高さを決定し、基板処理時における基板支持部への第1の保持部の移動の際に、第1の保持部を決定された目標高さに移動させるように第1の搬送装置を制御してもよい。
【0027】
この場合、第1の搬送装置の第1の保持部が基板支持部により支持される基板を受け取ることにより、第1の搬送装置に関する垂直方向の教示動作が行われる。これにより、第1の搬送装置に関する垂直方向の教示を行うための作業者の負担が低減される。したがって、第1の搬送装置に関する教示動作を行うために専用の治具を用意する必要がない。そのため、治具の維持管理のための作業者の負担が発生せず、治具の購入および治具の維持管理に伴うコストも発生しない。これらの結果、作業者の負担を低減しつつ低コストで第1の搬送装置に関する垂直方向の教示を行うことができる。
【0028】
(10)第1の搬送装置は、第1の保持部を複数有し、制御部は、教示動作時に、基板支持部を介して一の第1の保持部と他の第1の保持部との間で基板が搬送されるように第1の搬送装置を制御し、一の第1の保持部と基板との位置関係、他の第1の保持部と基板との位置関係および一の第1の保持部に対応する補正情報に基づいて、他の第1の保持部に対応する目標位置と基準位置とのずれを他の第1の保持部に対応する補正情報として取得し、教示動作時または基板処理時に、取得された他の第1の保持部に対応する補正情報に基づいて他の第1の保持部に対応する目標位置が基準位置に一致するように他の第1の保持部に対応する目標位置を補正し、基板処理時に、他の第1の保持部を補正された他の第1の保持部に対応する目標位置に移動させるように第1の搬送装置を制御してもよい。
【0029】
この場合、第1の搬送装置の一の第1の保持部に対応する補正情報に基づいて、他の第1の保持部に対応する補正情報を容易に取得することができる。
【0030】
(11)第3の発明に係る基板処理装置は、基板に処理を行う基板処理装置であって、基板を支持可能に構成される基板支持部と、基板を保持するように構成された保持部を有し、保持部を移動させることにより基板を搬送する搬送装置と、保持部が基板の下面を保持したことを検出する保持検出部と、
保持部の位置を常時検出するエンコーダと、保持部を移動させて基板支持部に基板を渡しまたは基板支持部から基板を受け取るように搬送装置を制御する制御部とを備え、
保持部は、基板の下面を吸着する複数の吸着部を含み、保持検出部は、複数の吸着部が基板を吸着している場合に保持部が基板の下面を保持したと判定し、複数の吸着部のいずれかが基板を吸着していない場合に保持部が基板の下面を保持していないと判定し、制御部は、搬送装置に関する教示動作時に、保持部を基板支持部により基準高さで支持された基板の下方から上昇させるように搬送装置を制御し、
エンコーダにより常時検出される位置のうち保持検出部によ
り保持部が基板の下面を保持したと判定された時点における保持部の垂直方向の位置に基づいて垂直方向における目標高さを決定し、基板処理時における基板支持部への保持部の移動の際に、保持部を決定された目標高さに移動させるように搬送装置を制御する。
【0031】
この基板処理装置においては、搬送装置に関する教示動作時に、搬送装置の保持部が基板支持部により基準高さで支持された基板の下方から上昇される。
複数の吸着部が基板を吸着している場合に保持部が基板の下面を保持したことが
保持検出部により判定され、複数の吸着部のいずれかが基板を吸着していない場合には、保持部が基板の下面を保持していないと判定される。
エンコーダにより常時検出される位置のうち保持検出部により保持部が基板の下面を保持したと判定された時点における保持部の垂直方向の位置に基づいて垂直方向における目標高さが決定される。基板処理時における基板支持部への保持部の移動の際に、保持部が決定された目標高さに移動されることにより、基板支持部に基板が渡され、または基板支持部から基板が受け取られる。それにより、基準高さで基板が支持されるように保持部により基板を基板支持部に渡すことができ、または基準高さで支持された基板を受け取るように保持部を基板支持部に移動させることができる。
【0032】
この構成によれば、搬送装置の保持部が基板支持部により支持される基板を受け取ることにより、搬送装置に関する垂直方向の教示動作が行われる。これにより、搬送装置に関する垂直方向の教示を行うための作業者の負担が低減される。この場合、搬送装置に関する教示動作を行うために専用の治具を用意する必要がない。そのため、治具の維持管理のための作業者の負担が発生せず、治具の購入および治具の維持管理に伴うコストも発生しない。これらの結果、作業者の負担を低減しつつ低コストで搬送装置に関する垂直方向の教示を行うことができる。
【0035】
(
12)第4の発明に係る基板処理方法は、基板に処理を行う基板処理方法であって、第1の搬送装置に関する教示動作時に、第1の搬送装置の第1の保持部を基板支持部の目標位置に移動させて基板支持部の基準位置で支持された基板を受け取るステップと、
第1の保持部を予め定められた進退基準位置と他の位置との間で直線状に前進または後退させるステップと、第1の保持部が進退基準位置と他の位置との間で前進または後退する際に第1の保持部により保持される基板の外周部の複数の部分を複数の検出器によりそれぞれ検出するステップと、複数の検出器の各々による検出のタイミングに基づいて第1の保持部により保持された基板と第1の保持部との位置関係を検出するステップと、検出された位置関係に基づいて目標位置と基準位置とのずれを補正情報として取得するステップと、教示動作時または基板処理時に、取得された補正情報に基づいて目標位置が基準位置に一致するように目標位置を補正するステップと、基板処理時に、第1の保持部を補正された目標位置に移動させることにより、基板支持部に基板を渡しまたは基板支持部から基板を受け取るステップとを含む。
【0036】
この基板処理方法によれば、第1の搬送装置に関する教示動作時に、第1の搬送装置の第1の保持部が基板支持部の目標位置に移動され、基板支持部の基準位置で支持された基板が第1の保持部により受け取られる。ここで、
第1の保持部が予め定められた進退基準位置と他の位置との間で直線状に前進または後退され、第1の保持部により保持される基板の外周部の複数の部分が複数の検出器によりそれぞれ検出される。複数の検出器の各々による検出のタイミングに基づいて第1の保持部により保持された基板と第1の保持部との位置関係が検出される。検出された位置関係に基づいて目標位置と基準位置とのずれが補正情報として取得される。
【0037】
教示動作時または基板処理時に、取得された補正情報に基づいて目標位置が基準位置に一致するように目標位置が補正される。基板処理時に、第1の保持部が補正された目標位置に移動されることにより、第1の保持部により基板支持部に基板が渡され、または基板支持部から基板が受け取られる。それにより、基準位置で基板が支持されるように第1の保持部により基板を基板支持部に渡すことができ、または基準位置で支持された基板を受け取るように第1の保持部を基板支持部に移動させることができる。
【0038】
この構成によれば、基板支持部により基準位置で支持された基板を第1の搬送装置の第1の保持部が受け取ることにより、第1の搬送装置に関する教示動作が行われる。これにより、第1の搬送装置に関する教示を行うための作業者の負担が低減される。この場合、第1の搬送装置に関する教示を行うために専用の治具を用意する必要がない。そのため、治具の維持管理のための作業者の負担が発生せず、治具の購入および治具の維持管理に伴うコストも発生しない。これらの結果、作業者の負担を低減しつつ低コストで第1の搬送装置に関する教示を行うことができる。
【0039】
(
13)第5の発明に係る基板処理方法は、基板に処理を行う基板処理方法であって、第1の搬送装置に関する教示動作時に、
基板を保持する第1の搬送装置の第1の保持部を予め定められた進退基準位置と他の位置との間で直線状に前進または後退させるステップと、第1の保持部が進退基準位置と他の位置との間で前進または後退する際に第1の保持部により保持される基板の外周部の複数の部分を複数の検出器によりそれぞれ検出するステップと、複数の検出器の各々による検出のタイミングに基づいて第1の搬送装置の第1の保持部により保持された基板と第1の保持部との位置関係を検出するステップと、第1の保持部を基板支持部の目標位置に移動させて基板支持部に基板を渡すステップと、基板支持部により水平姿勢で支持された基板を基準位置の周りで所定の角度だけ回転させるステップと、第1の保持部を基板支持部の目標位置に移動させて基板支持部により支持された基板を受け取るステップと、基板支持部から受け取
った基板を保持する第1の保持部を進退基準位置と他の位置との間で直線状に前進または後退させるステップと、第1の保持部が進退基準位置と他の位置との間で前進または後退する際に第1の保持部により保持される基板の外周部の複数の部分を複数の検出器によりそれぞれ検出するステップと、複数の検出器の各々による検出のタイミングに基づいて第1の保持部により保持された基板と第1の保持部との位置関係を検出するステップと、基板支持部へ基板を渡す前における第1の保持部と基板との位置関係および基板支持部から基板を受け取った後における位置関係に基づいて目標位置と基準位置とのずれを補正情報として取得するステップと、教示動作時または基板処理時に、取得された補正情報に基づいて目標位置が基準位置に一致するように目標位置を補正するステップと、基板処理時に、第1の保持部を補正された目標位置に移動させることにより、基板支持部に基板を渡しまたは基板支持部から基板を受け取るステップとを含む。
【0040】
この基板処理方法によれば、第1の搬送装置に関する教示動作時に、
第1の保持部が予め定められた進退基準位置と他の位置との間で直線状に前進または後退され、第1の保持部により保持される基板の外周部の複数の部分が複数の検出器によりそれぞれ検出される。複数の検出器の各々による検出のタイミングに基づいて第1の搬送装置の第1の保持部により保持された基板と第1の保持部との位置関係が検出される。第1の搬送装置の第1の保持部が基板支持部の目標位置に移動され、基板支持部に基板が渡される。基板支持部により水平姿勢で支持された基板が基準位置の周りで所定の角度だけ回転される。第1の保持部が基板支持部の目標位置に移動され、基板支持部により支持された基板が第1の保持部により受け取られて保持される。その後、
第1の保持部が進退基準位置と他の位置との間で直線状に前進または後退され、第1の保持部により保持される基板の外周部の複数の部分が複数の検出器によりそれぞれ検出される。複数の検出器の各々による検出のタイミングに基づいて第1の保持部により保持された基板と第1の保持部との位置関係が検出される。基板支持部へ基板を渡す前における第1の保持部と基板との位置関係および基板支持部から基板を受け取った後における位置関係に基づいて目標位置と基準位置とのずれが補正情報として取得される。
【0041】
教示動作時または基板処理時に、取得された補正情報に基づいて目標位置が基準位置に一致するように目標位置が補正される。基板処理時に、第1の保持部が補正された目標位置に移動されることにより、第1の保持部により基板支持部に基板が渡され、または基板支持部から基板が受け取られる。それにより、基準位置で基板が支持されるように第1の保持部により基板を基板支持部に渡すことができ、または基準位置で支持された基板を受け取るように第1の保持部を基板支持部に移動させることができる。
【0042】
この構成によれば、第1の搬送装置の第1の保持部が基板支持部に基板を渡して回転後の基板を受け取ることにより、第1の搬送装置に関する教示動作が行われる。これにより、第1の搬送装置に関する教示を行うための作業者の負担が低減される。この場合、第1の搬送装置に関する教示を行うために専用の治具を用意する必要がない。そのため、治具の維持管理のための作業者の負担が発生せず、治具の購入および治具の維持管理に伴うコストも発生しない。これらの結果、作業者の負担を低減しつつ低コストで第1の搬送装置に関する教示を行うことができる。
【0043】
(14)第6の発明に係る基板処理方法は、基板に処理を行う基板処理方法であって、搬送装置に関する教示動作時に、搬送装置の保持部を基板支持部により基準高さで支持された基板の下方から上昇させるステップと、
保持部の位置をエンコーダにより常時検出するステップと、保持部が基板の下面を保持したことを
保持検出部により検出するステップと、
エンコーダにより常時検出される位置のうち保持検出部により保持部が基板の下面を保持したと判定された時点における保持部の垂直方向の位置に基づいて垂直方向における目標高さを決定するステップと、基板処理時における基板支持部への保持部の移動の際に、保持部を決定された目標高さに移動させることにより、基板支持部に基板を渡しまたは基板支持部から基板を受け取るステップとを含
み、保持部は、基板の下面を吸着する複数の吸着部を含み、保持検出部により検出するステップは、複数の吸着部が基板を吸着している場合に保持部が基板の下面を保持したと判定し、複数の吸着部のいずれかが基板を吸着していない場合に保持部が基板の下面を保持していないと判定することを含む。
【0044】
この基板処理方法によれば、搬送装置に関する教示動作時に、搬送装置の保持部が基板支持部により基準高さで支持された基板の下方から上昇される。
複数の吸着部が基板を吸着している場合に保持部が基板の下面を保持したことが
保持検出部により判定され、複数の吸着部のいずれかが基板を吸着していない場合には、保持部が基板の下面を保持していないと判定される。
エンコーダにより常時検出される位置のうち保持検出部により保持部が基板の下面を保持したと判定された時点における保持部の垂直方向の位置に基づいて垂直方向における目標高さが決定される。基板処理時における基板支持部への保持部の移動の際に、保持部が決定された目標高さに移動されることにより、基板支持部に基板が渡され、または基板支持部から基板が受け取られる。それにより、基準高さで基板が支持されるように保持部により基板を基板支持部に渡すことができ、または基準高さで支持された基板を受け取るように保持部を基板支持部に移動させることができる。
【0045】
この構成によれば、搬送装置の保持部が基板支持部により支持される基板を受け取ることにより、搬送装置に関する垂直方向の教示動作が行われる。これにより、搬送装置に関する垂直方向の教示を行うための作業者の負担が低減される。この場合、搬送装置に関する教示動作を行うために専用の治具を用意する必要がない。そのため、治具の維持管理のための作業者の負担が発生せず、治具の購入および治具の維持管理に伴うコストも発生しない。これらの結果、作業者の負担を低減しつつ低コストで搬送装置に関する垂直方向の教示を行うことができる。
【発明の効果】
【0046】
本発明によれば、作業者の負担を低減しつつ低コストで搬送装置に関する教示を行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、本発明の一実施の形態に係る基板処理装置および基板処理方法について図面を用いて説明する。なお、以下の説明において、基板とは、半導体基板、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板またはフォトマスク用基板等をいう。
【0049】
(1)基板処理装置の構成
図1は、本発明の一実施の形態に係る基板処理装置の模式的平面図である。
【0050】
図1および
図2以降の所定の図には、位置関係を明確にするために互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を示す矢印を付している。X方向およびY方向は水平面内で互いに直交し、Z方向は鉛直方向に相当する。
【0051】
図1に示すように、基板処理装置100は、インデクサブロック11、第1の処理ブロック12、第2の処理ブロック13、洗浄乾燥処理ブロック14Aおよび搬入搬出ブロック14Bを備える。洗浄乾燥処理ブロック14Aおよび搬入搬出ブロック14Bにより、インターフェースブロック14が構成される。搬入搬出ブロック14Bに隣接するように露光装置15が配置される。露光装置15においては、液浸法により基板Wに露光処理が行われる。
【0052】
図1に示すように、インデクサブロック11は、複数のキャリア載置部111および搬送部112を含む。各キャリア載置部111には、複数の基板Wを多段に収納するキャリア113が載置される。
【0053】
搬送部112には、制御部114および搬送機構115が設けられる。制御部114は、基板処理装置100の種々の構成要素を制御する。搬送機構115は、基板Wを保持するためのハンド116を有する。搬送機構115は、ハンド116により基板Wを保持しつつその基板Wを搬送する。
【0054】
搬送部112の側面には、メインパネルPNが設けられる。メインパネルPNは、制御部114に接続されている。使用者は、基板処理装置100における基板Wの処理状況等をメインパネルPNで確認することができる。メインパネルPNの近傍には、例えばキーボードからなる図示しない操作部が設けられている。使用者は、操作部を操作することにより基板処理装置100の動作設定等を行うことができる。
【0055】
第1の処理ブロック12は、塗布処理部121、搬送部122および熱処理部123を含む。塗布処理部121および熱処理部123は、搬送部122を挟んで対向するように設けられる。搬送部122とインデクサブロック11との間には、基板Wが載置される基板載置部PASS1および後述する基板載置部PASS2〜PASS4(
図4参照)が設けられる。搬送部122には、基板Wを搬送する搬送機構127および後述する搬送機構128(
図4参照)が設けられる。
【0056】
第2の処理ブロック13は、現像処理部131、搬送部132および熱処理部133を含む。現像処理部131および熱処理部133は、搬送部132を挟んで対向するように設けられる。搬送部132と搬送部122との間には、基板Wが載置される基板載置部PASS5および後述する基板載置部PASS6〜PASS8(
図4参照)が設けられる。搬送部132には、基板Wを搬送する搬送機構137および後述する搬送機構138(
図4参照)が設けられる。
【0057】
洗浄乾燥処理ブロック14Aは、洗浄乾燥処理部161,162および搬送部163を含む。洗浄乾燥処理部161,162は、搬送部163を挟んで対向するように設けられる。搬送部163には、搬送機構141,142が設けられる。
【0058】
搬送部163と搬送部132との間には、載置兼バッファ部P−BF1および後述の載置兼バッファ部P−BF2(
図4参照)が設けられる。載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2は、複数の基板Wを収容可能に構成される。
【0059】
また、搬送機構141,142の間において、搬入搬出ブロック14Bに隣接するように、基板載置部PASS9および後述の載置兼冷却部P−CP(
図4参照)が設けられる。載置兼冷却部P−CPにおいて、基板Wが露光処理に適した温度に冷却される。
【0060】
搬入搬出ブロック14Bには、搬送機構146が設けられる。搬送機構146は、露光装置15に対する基板Wの搬入および搬出を行う。露光装置15には、基板Wを搬入するための基板搬入部15aおよび基板Wを搬出するための基板搬出部15bが設けられる。
【0061】
(2)塗布処理部および現像処理部の構成
図2は、主として
図1の塗布処理部121、現像処理部131および洗浄乾燥処理部161を示す基板処理装置100の模式的側面図である。
【0062】
図2に示すように、塗布処理部121には、塗布処理室21,22,23,24が階層的に設けられる。現像処理部131には、現像処理室31,32,33,34が階層的に設けられる。塗布処理室21〜24の各々には、塗布処理ユニット129が設けられる。現像処理室31〜34の各々には、現像処理ユニット139が設けられる。
【0063】
各塗布処理ユニット129は、基板Wを保持するスピンチャック25およびスピンチャック25の周囲を覆うように設けられるカップ27を備える。本実施の形態では、各塗布処理ユニット129に2組のスピンチャック25およびカップ27が設けられる。スピンチャック25は、図示しない駆動装置(例えば、電動モータ)により回転駆動される。また、
図1に示すように、各塗布処理ユニット129は、処理液を吐出する複数の処理液ノズル28およびそれらの処理液ノズル28を移動させるノズル搬送機構29を備える。
【0064】
塗布処理ユニット129においては、図示しない駆動装置によりスピンチャック25が回転されるとともに、複数の処理液ノズル28のうちのいずれかの処理液ノズル28がノズル搬送機構29により基板Wの上方に移動され、その処理液ノズル28から処理液が吐出される。これにより、基板W上に処理液が塗布される。また、図示しないエッジリンスノズルから、基板Wの周縁部にリンス液が吐出される。それにより、基板Wの周縁部に付着する処理液が除去される。
【0065】
塗布処理室22,24の塗布処理ユニット129においては、反射防止膜用の処理液が処理液ノズル28から基板Wに供給される。塗布処理室21,23の塗布処理ユニット129においては、レジスト膜用の処理液が処理液ノズル28から基板Wに供給される。
【0066】
現像処理ユニット139は、塗布処理ユニット129と同様に、スピンチャック35およびカップ37を備える。また、
図1に示すように、現像処理ユニット139は、現像液を吐出する2つの現像ノズル38およびその現像ノズル38をX方向に移動させる移動機構39を備える。
【0067】
現像処理ユニット139においては、図示しない駆動装置によりスピンチャック35が回転されるとともに、一方の現像ノズル38がX方向に移動しつつ各基板Wに現像液を供給し、その後、他方の現像ノズル38が移動しつつ各基板Wに現像液を供給する。この場合、基板Wに現像液が供給されることにより、基板Wの現像処理が行われる。また、本実施の形態においては、2つの現像ノズル38から互いに異なる現像液が吐出される。それにより、各基板Wに2種類の現像液を供給することができる。
【0068】
洗浄乾燥処理部161には、複数(本例では4つ)の洗浄乾燥処理ユニットSD1が設けられる。洗浄乾燥処理ユニットSD1においては、露光処理前の基板Wの洗浄および乾燥処理が行われる。
【0069】
図1および
図2に示すように、塗布処理部121において現像処理部131に隣接するように流体ボックス部50が設けられる。同様に、現像処理部131において洗浄乾燥処理ブロック14Aに隣接するように流体ボックス部60が設けられる。流体ボックス部50および流体ボックス部60内には、塗布処理ユニット129および現像処理ユニット139への薬液の供給ならびに塗布処理ユニット129および現像処理ユニット139からの廃液および排気等に関する流体関連機器が収納される。流体関連機器は、導管、継ぎ手、バルブ、流量計、レギュレータ、ポンプおよび温度調節器等を含む。
【0070】
(3)熱処理部の構成
図3は、主として
図1の熱処理部123,133および洗浄乾燥処理部162を示す基板処理装置100の模式的側面図である。
図3に示すように、熱処理部123は、上方に設けられる上段熱処理部301および下方に設けられる下段熱処理部302を有する。上段熱処理部301および下段熱処理部302には、複数の熱処理ユニットPHP、複数の密着強化処理ユニットPAHPおよび複数の冷却ユニットCPが設けられる。
【0071】
熱処理ユニットPHPにおいては、基板Wの加熱処理が行われる。密着強化処理ユニットPAHPにおいては、基板Wと反射防止膜との密着性を向上させるための密着強化処理が行われる。具体的には、密着強化処理ユニットPAHPにおいて、基板WにHMDS(ヘキサメチルジシラサン)等の密着強化剤が塗布されるとともに、基板Wに加熱処理が行われる。冷却ユニットCPにおいては、基板Wの冷却処理が行われる。
【0072】
熱処理部133は、上方に設けられる上段熱処理部303および下方に設けられる下段熱処理部304を有する。上段熱処理部303および下段熱処理部304には、冷却ユニットCP、複数の熱処理ユニットPHPおよびエッジ露光部EEWが設けられる。
【0073】
エッジ露光部EEWは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック98およびスピンチャック98上に保持された基板Wの外周縁部を露光する光出射器99を備える。エッジ露光部EEWにおいては、基板W上に形成されたレジスト膜の周縁部の一定幅の領域に露光処理(エッジ露光処理)が行われる。上段熱処理部303および下段熱処理部304において、洗浄乾燥処理ブロック14Aに隣り合うように設けられる熱処理ユニットPHPは、洗浄乾燥処理ブロック14Aからの基板Wの搬入が可能に構成される。
【0074】
洗浄乾燥処理部162には、複数(本例では5つ)の洗浄乾燥処理ユニットSD2が設けられる。洗浄乾燥処理ユニットSD2においては、露光処理後の基板Wの洗浄および乾燥処理が行われる。
【0075】
(4)搬送部の構成
図4は、主として
図1の搬送部122,132,163を示す側面図である。
図4に示すように、搬送部122は、上段搬送室125および下段搬送室126を有する。搬送部132は、上段搬送室135および下段搬送室136を有する。上段搬送室125には搬送機構127が設けられ、下段搬送室126には搬送機構128が設けられる。また、上段搬送室135には搬送機構137が設けられ、下段搬送室136には搬送機構138が設けられる。
【0076】
図4に示すように、搬送部112と上段搬送室125との間には、基板載置部PASS1,PASS2が設けられ、搬送部112と下段搬送室126との間には、基板載置部PASS3,PASS4が設けられる。上段搬送室125と上段搬送室135との間には、基板載置部PASS5,PASS6が設けられ、下段搬送室126と下段搬送室136との間には、基板載置部PASS7,PASS8が設けられる。
【0077】
上段搬送室135と搬送部163との間には、載置兼バッファ部P−BF1が設けられ、下段搬送室136と搬送部163との間には載置兼バッファ部P−BF2が設けられる。搬送部163において搬入搬出ブロック14Bと隣接するように、基板載置部PASS9および複数の載置兼冷却部P−CPが設けられる。
【0078】
搬送機構127は、基板載置部PASS1,PASS2,PASS5,PASS6、塗布処理室21,22(
図2)および上段熱処理部301(
図3)の間で基板Wを搬送可能に構成される。搬送機構128は、基板載置部PASS3,PASS4,PASS7,PASS8、塗布処理室23,24(
図2)および下段熱処理部302(
図3)の間で基板Wを搬送可能に構成される。
【0079】
搬送機構137は、基板載置部PASS5,PASS6、載置兼バッファ部P−BF1、現像処理室31,32(
図2)および上段熱処理部303(
図3)の間で基板Wを搬送可能に構成される。搬送機構138は、基板載置部PASS7,PASS8、載置兼バッファ部P−BF2、現像処理室33,34(
図2)および下段熱処理部304(
図3)の間で基板Wを搬送可能に構成される。
【0080】
搬送部112,122,132,163には、搬送機構127,128,137,138,141,142,146をそれぞれ制御する複数の制御部500が設けられる。複数の制御部500の一部または全部が
図1の制御部114により実現されてもよい。
【0081】
(5)基板処理装置の動作
図1〜
図4を参照しながら基板処理装置100の動作を説明する。インデクサブロック11のキャリア載置部111(
図1)には、未処理の基板Wが収容されたキャリア113が載置される。搬送機構115は、キャリア113から基板載置部PASS1,PASS3(
図4)に未処理の基板Wを搬送する。また、搬送機構115は、基板載置部PASS2,PASS4(
図4)に載置された処理済みの基板Wをキャリア113に搬送する。
【0082】
第1の処理ブロック12において、搬送機構127(
図4)は、基板載置部PASS1に載置された基板Wを密着強化処理ユニットPAHP(
図3)、冷却ユニットCP(
図3)および塗布処理室22(
図2)に順に搬送する。次に、搬送機構127は、塗布処理室22により反射防止膜が形成された基板Wを塗布処理室22(
図2)、熱処理ユニットPHP(
図3)、冷却ユニットCP(
図3)および塗布処理室21(
図2)に順に搬送する。続いて、搬送機構127は、塗布処理室21によりレジスト膜が形成された基板Wを、熱処理ユニットPHP(
図3)および基板載置部PASS5(
図4)に順に搬送する。
【0083】
この場合、密着強化処理ユニットPAHPにおいて、基板Wに密着強化処理が行われた後、冷却ユニットCPにおいて、反射防止膜の形成に適した温度に基板Wが冷却される。次に、塗布処理室22において、塗布処理ユニット129(
図2)により基板W上に反射防止膜が形成される。続いて、熱処理ユニットPHPにおいて、基板Wの熱処理が行われた後、冷却ユニットCPにおいて、レジスト膜の形成に適した温度に基板Wが冷却される。次に、塗布処理室21において、塗布処理ユニット129(
図2)により、基板W上にレジスト膜が形成される。その後、熱処理ユニットPHPにおいて、基板Wの熱処理が行われ、その基板Wが基板載置部PASS5に載置される。
【0084】
また、搬送機構127は、基板載置部PASS6(
図4)に載置された現像処理後の基板Wを基板載置部PASS2(
図4)に搬送する。
【0085】
搬送機構128(
図4)は、基板載置部PASS3に載置された基板Wを密着強化処理ユニットPAHP(
図3)、冷却ユニットCP(
図3)および塗布処理室24に順に搬送する。続いて、搬送機構128は、塗布処理室24により反射防止膜が形成された基板Wを熱処理ユニットPHP(
図3)、冷却ユニットCP(
図3)および塗布処理室23に順に搬送する。続いて、搬送機構128は、塗布処理室23によりレジスト膜が形成された基板Wを熱処理ユニットPHP(
図3)および基板載置部PASS7(
図4)に順に搬送する。
【0086】
また、搬送機構128(
図4)は、基板載置部PASS8(
図4)に載置された現像処理後の基板Wを基板載置部PASS4(
図4)に搬送する。塗布処理室23,24(
図2)および下段熱処理部302(
図3)における基板Wの処理内容は、上記の塗布処理室21,22(
図2)および上段熱処理部301(
図3)における基板Wの処理内容と同様である。
【0087】
第2の処理ブロック13において、搬送機構137(
図4)は、基板載置部PASS5に載置されたレジスト膜形成後の基板Wをエッジ露光部EEW(
図3)および載置兼バッファ部P−BF1(
図4)に順に搬送する。この場合、エッジ露光部EEWにおいて、基板Wにエッジ露光処理が行われる。エッジ露光処理後の基板Wが載置兼バッファ部P−BF1に載置される。
【0088】
また、搬送機構137(
図4)は、洗浄乾燥処理ブロック14Aに隣接する熱処理ユニットPHP(
図3)から露光処理後でかつ熱処理後の基板Wを取り出す。搬送機構137は、その基板Wを冷却ユニットCP(
図3)、現像処理室31,32(
図2)のいずれか一方、熱処理ユニットPHP(
図3)および基板載置部PASS6(
図4)に順に搬送する。
【0089】
この場合、冷却ユニットCPにおいて、現像処理に適した温度に基板Wが冷却された後、現像処理室31,32のいずれか一方において、現像処理ユニット139により基板Wの現像処理が行われる。その後、熱処理ユニットPHPにおいて、基板Wの熱処理が行われ、その基板Wが基板載置部PASS6に載置される。
【0090】
搬送機構138(
図4)は、基板載置部PASS7に載置されたレジスト膜形成後の基板Wをエッジ露光部EEW(
図3)および載置兼バッファ部P−BF2(
図4)に順に搬送する。
【0091】
また、搬送機構138(
図4)は、インターフェースブロック14に隣接する熱処理ユニットPHP(
図3)から露光処理後でかつ熱処理後の基板Wを取り出す。搬送機構138は、その基板Wを冷却ユニットCP(
図3)、現像処理室33,34(
図2)のいずれか一方、熱処理ユニットPHP(
図3)および基板載置部PASS8(
図4)に順に搬送する。現像処理室33,34および下段熱処理部304における基板Wの処理内容は、上記の現像処理室31,32および上段熱処理部303における基板Wの処理内容と同様である。
【0092】
洗浄乾燥処理ブロック14Aにおいて、搬送機構141(
図1)は、載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2(
図4)に載置された基板Wを洗浄乾燥処理部161の洗浄乾燥処理ユニットSD1(
図2)に搬送する。続いて、搬送機構141は、基板Wを洗浄乾燥処理ユニットSD1から載置兼冷却部P−CP(
図4)に搬送する。この場合、洗浄乾燥処理ユニットSD1において、基板Wの洗浄および乾燥処理が行われた後、載置兼冷却部P−CPにおいて、露光装置15(
図1)における露光処理に適した温度に基板Wが冷却される。
【0093】
搬送機構142(
図1)は、基板載置部PASS9(
図4)に載置された露光処理後の基板Wを洗浄乾燥処理部162の洗浄乾燥処理ユニットSD2(
図3)に搬送する。また、搬送機構142は、洗浄および乾燥処理後の基板Wを洗浄乾燥処理ユニットSD2から上段熱処理部303の熱処理ユニットPHP(
図3)または下段熱処理部304の熱処理ユニットPHP(
図3)に搬送する。この熱処理ユニットPHPにおいては、露光後ベーク(PEB)処理が行われる。
【0094】
インターフェースブロック14において、搬送機構146(
図1)は、載置兼冷却部P−CP(
図4)に載置された露光処理前の基板Wを露光装置15の基板搬入部15a(
図1)に搬送する。また、搬送機構146(
図1)は、露光装置15の基板搬出部15b(
図1)から露光処理後の基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS9(
図4)に搬送する。
【0095】
なお、露光装置15が基板Wの受け入れをできない場合、露光処理前の基板Wが載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2に一時的に収容される。また、第2の処理ブロック13の現像処理ユニット139(
図2)が露光処理後の基板Wの受け入れをできない場合、露光処理後の基板Wが載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2に一時的に収容される。
【0096】
本実施の形態においては、上段に設けられた塗布処理室21,22、現像処理室31,32および上段熱処理部301,303における基板Wの処理と、下段に設けられた塗布処理室23,24、現像処理室33,34および下段熱処理部302,304における基板Wの処理とを並行して行うことができる。それにより、フットプリントを増加させることなく、スループットを向上させることができる。
【0097】
(6)搬送機構の構成
次に、搬送機構127について説明する。
図5は、搬送機構127を示す斜視図である。搬送機構115,128,137,138,141,142,146は搬送機構127と同様の構成を有する。
図4および
図5に示すように、搬送機構127は、長尺状のガイドレール311,312を備える。
図4に示すように、ガイドレール311は、上段搬送室125内において上下方向に延びるように搬送部112側に固定される。ガイドレール312は、上段搬送室125内において上下方向に延びるように上段搬送室135側に固定される。
【0098】
図4および
図5に示すように、ガイドレール311とガイドレール312との間には、長尺状のガイドレール313が設けられる。ガイドレール313は、上下動可能にガイドレール311,312に取り付けられる。ガイドレール313に移動部材314が取り付けられる。移動部材314は、ガイドレール313の長手方向に移動可能に設けられる。
【0099】
移動部材314の上面には、長尺状の回転部材315が回転可能に設けられる。回転部材315には、基板Wを保持するためのハンドH1およびハンドH2が取り付けられる。本例においては、ハンドH1は、ハンドH2の上方に位置する。ハンドH1,H2は、回転部材315の長手方向に移動可能に設けられる。
【0100】
上記のような構成により、搬送機構127は、上段搬送室125内においてX方向およびZ方向に自在に移動することができる。また、ハンドH1,H2を用いて塗布処理室21,22(
図2)、基板載置部PASS1,PASS2,PASS5,PASS6(
図4)および上段熱処理部301(
図3)に対して基板Wの受け渡しを行うことができる。
【0101】
また、回転部材315には、センサ装置316が取り付けられる。センサ装置316は、投光部保持ケーシング316aおよび受光部保持ケーシング316bを含む。投光部保持ケーシング316aは回転部材315の上面に配置され、受光部保持ケーシング316bは投光部保持ケーシング316aの上方に配置される。
【0102】
図6(a),(b),(c)は、それぞれ搬送機構127を示す平面図、側面図および端面図である。
図6(a)に示すように、ハンドH1は、ガイド部Haおよびアーム部Hbからなる。ガイド部Haは略C字形状を有し、アーム部Hbは長方形状を有する。ガイド部Haの内周部には、ガイド部Haの内周部に沿って形成される円の中心に対して等角度間隔で、ガイド部Haの内側に向かうように複数(本例では3つ)の突出部prが形成されている。各突出部prの先端部に、吸着部smが設けられている。吸着部smは、図示しない吸気系に接続される。
【0103】
ハンドH1においては、3つの突出部prの3つの吸着部sm上に基板Wが載置される。
図6(a)〜(c)においては、ハンドH1により保持される基板Wが二点鎖線で示される。この状態で、3つの吸着部smに接続された吸気系が制御され、3つの吸着部sm上に位置する基板Wの3箇所の部分がそれぞれ3つの吸着部smにより吸着される。なお、ハンドH1は4つの吸着部smを有してもよい。この場合、4つの吸着部sm上に位置する基板Wの4箇所の部分がそれぞれ4つの吸着部smにより吸着される。
【0104】
複数の吸着部smが基板Wを吸着しているか否かを示す吸着信号が、ハンドH1から
図4の制御部500に与えられる。複数の吸着部smが基板Wを吸着している場合には吸着信号はオン状態となり、いずれかの吸着部smが基板Wを吸着していない場合には吸着信号はオフ状態となる。
【0105】
ハンドH2は、ハンドH1と同様の構成を有する。各ハンドH1,H2においては、保持される基板Wの中心が位置すべき正規の位置(以下、正規位置と呼ぶ。)が予め定められている。ハンドH1における正規位置は、例えばガイド部Haの内周部に沿って形成される円の中心位置である。ハンドH1における正規位置は、複数の吸着部smの中心位置であってもよい。
【0106】
以下、ハンドH1,H2の進退方向においてハンドH1,H2が後退可能な限界位置を進退基準位置と呼ぶ。
図6(a)〜(c)の例では、ハンドH1,H2はそれぞれ進退基準位置にある。
【0107】
回転部材315の上面における略中央部に投光部保持ケーシング316aが設けられる。投光部保持ケーシング316a内では、複数(本例では4つ)の投光部316tが保持されている。投光部保持ケーシング316aに対向するように、回転部材315の上方の位置に受光部保持ケーシング316bが設けられる。受光部保持ケーシング316b内では、投光部保持ケーシング316aにより保持される複数の投光部316tにそれぞれ対向するように複数(本例では4つ)の受光部316rが保持されている。互いに対向する投光部316tおよび受光部316rにより検出器316Dが構成される。
図6(c)に示されるように、本例では、センサ装置316は4つの検出器316Dを備える。
【0108】
4つの検出器316Dは、水平面内において、進退基準位置にあるハンドH1のガイド部Haの内側の領域に配置される。本例では、4つの検出器316Dがガイド部Haの内周部に同心の円弧ar上で一定の間隔をおいて配置される。
【0109】
4つの投光部316tから上方に向かってそれぞれ光が出射される。4つの受光部316rは、それぞれ対向する4つの投光部316tから出射される光を帰還光として受光することにより受光信号を出力する。各受光部316rから出力された受光信号は、制御部500に与えられる。
【0110】
4つの投光部316tは、ハンドH1の進退方向において、進退基準位置にあるハンドH1の複数の吸着部smのうち少なくとも1つの吸着部smよりも前方に配置されることが好ましい。この場合、搬送機構127による基板Wの搬送時に、ハンドH1により保持される基板Wの外周部の4つの部分が4つの投光部316tによりそれぞれ確実に検出される。
【0111】
図7は、搬送機構127の制御系の構成を示すブロック図である。他の搬送機構115,128,137,138,141,142,146の制御系の構成は、
図7の搬送機構127の制御系の構成と同様である。
【0112】
図7に示すように、制御部500は、CPU(中央演算処理装置)510およびメモリ520を含む。メモリ520には、後述する仮目標位置座標が記憶されるとともに、後述する補正情報が記憶される。CPU510は、搬送機構127のセンサ装置316から与えられる受光信号に基づいて種々の演算を行い、その結果をメモリ520に記憶する。また、メモリ520に記憶された情報に基づいて、搬送機構127の動作を制御する。
【0113】
(7)搬送機構に関する教示動作
搬送機構115,127,128,137,138,141,142,146のハンドH1,H2が基板支持部に移動する際の搬送機構に関する教示動作について説明する。ここで、基板支持部は、例えば、キャリア113、基板載置部PASS1〜PASS9および載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2の各々に設けられる。また、基板支持部は、例えば、冷却ユニットCP、熱処理ユニットPHP、密着強化処理ユニットPAHP、載置兼冷却部P−CPおよび洗浄乾燥処理ユニットSD1,SD2の各々に設けられる。さらに、基板支持部は、例えば、塗布処理ユニット129、現像処理ユニット139およびエッジ露光部EEWの各々に設けられる。
【0114】
教示動作としては、垂直方向の教示動作および水平方向の教示動作がある。以下の説明では、搬送機構127の教示動作を説明する。他の搬送機構115,128,137,138,141,142,146の教示動作も搬送機構127の教示動作と同様である。
【0115】
基板支持部により支持された基板Wの高さを基準高さと呼ぶ。搬送機構127のハンドH1が基板支持部に基板Wを渡し、または基板支持部から基板Wを受け取るためにハンドH1が基板支持部WSの下方に移動したときのハンドH1の高さを目標高さと呼ぶ。垂直方向の教示動作により目標高さが決定される。
【0116】
また、基板支持部により基板Wが支持されるべき位置を基準位置と呼ぶ。水平方向の教示動作の前に搬送機構127のハンドH1により基板支持部に渡された基板Wの位置を仮目標位置と呼ぶ。水平方向の教示動作により基準位置と仮目標位置とのずれを示す補正情報が取得される。補正情報に基づいて仮目標位置が基準位置と一致するように仮目標位置が補正される。補正後の仮目標位置を真目標位置と呼ぶ。
【0117】
基板支持部が塗布処理ユニット129、現像処理ユニット139またはエッジ露光部EEWのスピンチャック25,35,98である場合を除き、基板Wは、その中心が基準位置と一致するように基板支持部の案内機構により自動的に案内される。一方、基板支持部がスピンチャック25,35,98である場合、基板Wは、その中心が基準位置と一致するとは限らない。
【0118】
以下の説明では、X方向、Y方向およびZ方向の位置をそれぞれX座標、Y座標およびZ座標で表わす。
【0119】
図8は、垂直方向の教示動作を説明するための図である。
図8(a)〜(d)は、基板支持部WSおよび搬送機構127のハンドH1の略中央部の縦断面図を示す。
図8(a)〜(d)の例では、搬送機構127のハンドH1が基板支持部WSの下方に移動する場合の目標高さが決定される。
【0120】
まず、
図8(a)に示すように、基板支持部WSにより基板Wが基準高さで支持される。次に、
図8(b)に示すように、制御部500は、ハンドH1を進退基準位置から基板支持部WSの下方の位置まで水平方向に移動させる。この時点では、ハンドH1の複数の吸着部smには基板Wが吸着されていない。そのため、吸着信号はオフ状態である。搬送機構127は、エンコーダを有する。制御部500は、搬送機構127のエンコーダの出力信号に基づいてハンドH1の位置を常時検出している。
【0121】
続いて、制御部500は、ハンドH1を上方に移動させる。この場合、
図8(c)に示すように、ハンドH1が上方に所定の距離だけ移動した時点で、複数の吸着部smが基板Wを吸着する。これにより、吸着信号がオン状態になる。制御部500は、吸着信号がオン状態になった時点のハンドH1のZ座標、または当該Z座標に垂直方向の所定のオフセット量を加算した座標を目標高さのZ座標として決定する。目標高さのZ座標は、制御部500のメモリ520に記憶される。その後、
図8(d)に示すように、制御部500は、ハンドH1を基板支持部WSの上方まで移動させた後、進退基準位置まで水平方向に移動させる。
【0122】
図9は、水平方向の教示動作を説明するための図である。
図9(a)〜(c)は、基板支持部WSおよび搬送機構127のハンドH1の平面図を示す。
図9(a)〜(c)の例では、搬送機構127のハンドH1を用いて基板支持部WSについての補正情報を取得する。
【0123】
まず、
図9(a)に示すように、基板支持部WSに基板Wが支持される。ここで、基板Wは、その中心が基準位置に正確に一致する状態で支持される。一方、水平方向の教示動作の前においては、制御部500は基板支持部WSの基準位置を認識していない。そのため、仮目標位置は基準位置と一致するとは限らない。
【0124】
以下、基準位置の座標を基準位置座標と呼び、仮目標位置の座標を仮目標位置座標と呼ぶ。また、ハンドH1上での正規位置の座標を正規位置座標と呼ぶ。基準位置座標は(Xw,Yw)であり、仮目標位置座標は(Xb,Yb)であり、正規位置座標は(Xr,Yr)である。仮目標位置座標は、制御部500のメモリ520に記憶されている。
図9(a)の例では、基準位置座標(Xw,Yw)と仮目標位置座標(Xb,Yb)とは一致していない。
【0125】
図9(a)の状態で、制御部500は、図示しない複数のリフトピンを基板支持部WSの下方から上方に上昇させることにより、基板Wを基板支持部WSの上方に上昇させる。次に、ハンドH1の正規位置が仮目標位置と一致するようにハンドH1を進退基準位置から水平方向に移動させる。この時点で、ハンドH1は基板支持部WSの上方でかつ基板Wの下方に位置する。
【0126】
続いて、制御部500は、図示しない複数のリフトピン
を下降させることにより、基板Wを下降させる。これにより、
図9(b)に示すように、基板WがハンドH1の複数の吸着部smに吸着される。この場合、基板Wは、その中心が正規位置からずれた状態でハンドH1により保持される。
【0127】
その後、
図9(c)に示すように、制御部500は、ハンドH1を進退基準位置まで水平方向に移動させる。ここで、
図5および
図6の回転部材315上でハンドH1がセンサ装置316よりも前方の位置から進退基準位置まで後退することによりハンドH1に保持された基板Wの外周部の複数の部分がそれぞれ検出される。ハンドH1に保持された基板Wの外周部の検出方法についての詳細は後述する。
【0128】
制御部500は、基板Wの外周部の複数の部分の検出結果に基づいて、ハンドH1における基板Wの中心の位置(以下、検出位置と呼ぶ)を検出する。以下、検出位置の座標を検出位置座標と呼ぶ。検出位置座標は(Xwh,Ywh)である。次に、下記式(1),(2)に基づいて、X方向およびY方向における仮目標位置座標に対する基準位置座標のずれ(ΔX,ΔY)を補正情報として算出する。
【0129】
ΔX=Xr−Xwh (1)
ΔY=Yr−Ywh (2)
続いて、制御部500は、下記式(3),(4)に基づいて、真目標位置の座標(以下、真目標位置座標と呼ぶ。)を算出する。真目標位置座標は(Xrb,Yrb)である。真目標位置座標は(Xrb,Yrb)は、制御部500のメモリ520に記憶される。
【0130】
Xrb=Xb−ΔX (3)
Yrb=Yb−ΔY (4)
これにより、真目標位置座標(Xrb,Yrb)は基準位置座標(Xw,Yw)と一致する。
【0131】
基板Wの処理時には、制御部500は、ハンドH1が真目標位置に移動するように搬送機構127を制御する。その結果、基板Wの中心が基板支持部WSの基準位置と一致するようにハンドH1により基板Wが基板支持部WSに渡される。また、ハンドH1の正規位置に基板Wが保持されるようにハンドH1により基板支持部WSから基板Wが受け取られる。
【0132】
上記の例では、搬送機構127のハンドH1を用いた教示動作について説明したが、ハンドH2を用いた教示動作も、ハンドH1を用いた教示動作と同様である。また、搬送機構115,128,137,138,141,142,146は、搬送機構127と同様の構成および動作を有する。そのため、搬送機構115,128,137,138,141,142,146を用いた教示動作も、搬送機構127を用いた教示動作と同様である。
【0133】
(8)基板の外周部の検出方法
図10は、
図5および
図6のセンサ装置316による基板Wの外周部の複数の部分の検出方法を説明するための図である。
図10(a),(c),(e),(g)に、ハンドH1が進退基準位置に向かって後退する場合のハンドH1、回転部材315および複数の検出器316Dの状態の変化が平面図で示される。
図10(b),(d),(f),(h)に、
図10(a),(c),(e),(g)のQ−Q線における模式的断面図がそれぞれ示される。なお、ハンドH2についての説明は省略する。
【0134】
初めに、ハンドH1により基板Wが受け取られるタイミングでは、ハンドH1が4つの検出器316Dよりも前方に位置する。この場合、ハンドH1は4つの投光部316tと4つの受光部316rとの間に位置しない。したがって、4つの受光部316rはそれぞれ対向する4つの投光部316tからの光を受光する。それにより、制御部500に受光信号が与えられる。
【0135】
次に、ハンドH1が後退する。この場合、
図10(a),(b)に示すように、ハンドH1が4つの投光部316tと4つの受光部316rとの間の空間に進入する。このとき、4つの投光部316tから出射される光がハンドH1により遮られるので、4つの受光部316rはそれぞれ対向する4つの投光部316tからの光を受光しない。したがって、制御部500に受光信号は与えられない。
【0136】
次に、
図10(c),(d)に示すように、ハンドH1が4つの投光部316tと4つの受光部316rとの間の空間を通過する。ハンドH1が各投光部316tとその投光部316tに対向する受光部316rとの間の空間を通過するタイミングで、各受光部316rは対向する投光部316tからの光を受光する。それにより、制御部500に受光信号が与えられる。
【0137】
次に、
図10(e),(f)に示すように、ハンドH1により保持される基板Wが4つの投光部316tと4つの受光部316rとの間の空間に進入する。ハンドH1により保持される基板Wの外周部が各投光部316tとその投光部316tに対向する受光部316rとの間の空間に進入するタイミングで、各投光部316tから出射される光が基板Wの外周部により遮られる。この場合、各受光部316rは対向する投光部316tからの光を受光しない。したがって、制御部500に受光信号は与えられない。
【0138】
次に、
図10(g),(h)に示すように、ハンドH1が進退基準位置で停止する。このとき、ハンドH1により保持される基板Wが4つの投光部316tと4つの受光部316rとの間の空間に位置する。この場合、4つの受光部316rはそれぞれ対向する4つの投光部316tからの光を受光しない。したがって、制御部500に受光信号は与えられない。
【0139】
上記のように、ハンドH1により基板Wが受け取られた後、ハンドH1が進退基準位置に移動するまでの間に、制御部500には4つの検出器316Dの4つの受光部316rからそれぞれ断続的に受光信号が与えられる。
【0140】
基板Wの外周部により4つの受光部316rの各々から受光信号が与えられなくなるタイミング(
図10(e),(f)のタイミング)に基づいて、基板Wの外周部の4つの部分が検出される。ここで、制御部500のメモリ520には、正規データが予め記憶されている。正規データは、基板Wの中心がハンドH1の正規位置にある状態で、ハンドH1がセンサ装置316の前方の位置から進退基準位置に移動したときに得られる基板Wの外周部の4つの部分の検出結果を示すデータである。
【0141】
センサ装置316は回転部材315に対して固定されている。したがって、センサ装置316の複数の検出器316Dの座標上の位置は変化しない。そこで、制御部500は、基板Wの外周部の4つの部分の検出結果と正規データの4つの部分の検出結果との差分に基づいて、ハンドH1が進退基準位置にあるときの基板Wの外周部の4つの部分の位置を示す座標を算出する。算出された4つの部分の位置の座標に基づいて、ハンドH1が進退基準位置にあるときの基板Wの中心の位置の座標が算出される。
【0142】
ハンドH1における基板Wの中心の位置の座標は、基板Wの外周部の3つの部分の座標に基づいて算出することができる。本例では、基板Wの外周部の4つの部分の座標が得られる。それにより、例えば4つの部分のうちの1つの部分が基板Wの位置決め用の切り欠き(オリエンテーションフラットまたはノッチ)部分であった場合でも、切り欠き部分の座標を除く3つの部分の座標に基づいて基板Wの中心の位置の座標を算出することができる。基板Wの外径が既知である場合には、基板Wの外周部の2つの部分の座標に基づいて基板Wの中心の位置の座標を算出することが可能である。この場合、センサ装置316は、2つまたは3つの検出器316Dにより構成されてもよい。
【0143】
(9)基板支持部の基準位置
上記のように、教示動作においては、基板支持部WSがスピンチャック25,35,98である場合を除き、基板Wは、その中心が基板支持部WSの基準位置に正確に一致する状態で支持される。基準位置は、基板支持部WSの種類によって異なる。以下、基板支持部WSの基準位置を説明する。
【0144】
(a)キャリア
図11は、基板支持部WSがキャリア113に設けられる場合における基準位置を説明するための図である。
図11の例においては、キャリア113はFOUP(front opening unified pod
)である。キャリア113は、FOUPに代えて、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッドまたは収納基板Wを外気に曝すOC(open cassette)等であってもよい。
【0145】
図11(a)〜(c)に示すように、キャリア113は、前面が開口したケーシング部113aと、ケーシング部113aの開口を開閉可能に設けられた蓋部113bにより構成される。
図11(a)は、蓋部113bが閉状態である場合のキャリア113の模式的側面図を示す。
図11(a)に示すように、蓋部113bが閉状態である場合には、複数の基板Wが、その外周部が揃った状態で縦方向に整列するようにケーシング部113a内に収納される。本例では、ケーシング部113aが基板支持部WSである。また、ケーシング部113aの側壁および蓋部113bが案内機構を構成する。
【0146】
図11(b),(c)は、蓋部113bが開状態である場合のキャリア113の模式的側面図を示す。蓋部113bが開状態である場合において、正常時には、
図11(b)に示すように、複数の基板Wの配置に変化がない。この場合、いずれか1つの基板Wの中心の初期位置が基準位置となる。
【0147】
一方、蓋部113bが開状態である場合において、異常時には、
図11(c)に示すように、一部の基板Wの配置が変化することがある。そのため、一部の基板Wが他の基板よりも前方に突出するように移動することがある。この場合、制御部500は、
図1の搬送機構115を用いて複数の基板Wをケーシング部113aから取り出すとともに、取り出した複数の基板Wの検出位置を上記の方法により取得する。取得された複数の基板Wの検出位置の平均値、最大値または最小値等から選択された位置が基準位置となる。
【0148】
(b)基板載置部
図12は、基板支持部WSが基板載置部PASS1〜PASS9に設けられる場合における基準位置を説明するための図である。
図12は、搬送機構127,137および基板載置部PASS5の模式的平面図を示す。基板載置部PASS5は3つ以上の支持ピンspを有する。
図12の例においては、基板載置部PASS5の支持ピンspが基板支持部WSである。基板載置部PASS5を介して搬送機構127から搬送機構137に基板Wが搬送されることを考える。基板載置部PASS1〜PASS4,PASS6〜PASS9における基準位置は、以下の基板載置部PASS5における基準位置と同様である。
【0149】
図12に示すように、制御部500は、搬送機構127により基板載置部PASS5の支持ピンspに基板Wを載置する。ここで、基板載置部PASS5に載置される基板Wの中心は仮目標位置である。搬送機構127に対応付けられた基板載置部PASS5における仮目標位置座標を(Xb1,Yb1)とする。この場合、仮目標位置座標(Xb1,Yb1)が、搬送機構137に対応付けられた基板載置部PASS5における基準位置座標(Xw2,Yw2)とみなされる。すなわち、搬送機構127に対応付けられた基板載置部PASS5における仮目標位置が、搬送機構137に対応付けられた基板載置部PASS5における基準位置とみなされる。
【0150】
(c)載置兼バッファ部
図4の載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2は、基板載置部PASS1〜PASS9と同様の基板載置部としての機能と、基板Wを一時的に収容するバッファ部としての機能とを有する。載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2が基板載置部として機能する場合における基準位置は、基板載置部PASS1〜PASS9における基準位置と同様である。
【0151】
一方、載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2がバッファ部として機能する場合には、同一の搬送機構(搬送機構141,142のいずれか一方)により載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2に基板Wが搬入および搬出される。そのため、載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2への基板Wの搬入前および搬出後における搬送機構141,142の図示しないハンド上の基板Wの位置は変化しない。したがって、載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2におけるいずれの位置が基準位置であってもよい。
【0152】
(d)冷却ユニット、熱処理ユニット、密着強化処理ユニットまたは載置兼冷却部
図13は、熱処理ユニットPHPの斜視図である。
図14は、
図13の熱処理ユニットPHPの平面図である。
図15は、
図13の熱処理ユニットPHPの側面図である。
図13および
図14に示すように、熱処理ユニットPHPは、冷却部410、加熱部420および搬送機構430を含む。冷却部410および加熱部420は、並ぶように配置されている。搬送機構430は、冷却部410と加熱部420との間で基板Wを搬送可能に配置される。
【0153】
冷却部410は、基板載置プレート411および昇降可能な複数(本例では3つ)の支持ピン412を含む。基板載置プレート411は、例えばクーリングプレートである。基板載置プレート411には、複数(本例では3つ)の支持ピン挿入孔が形成されている。後述する搬送機構430の搬送アーム434が基板載置プレート411の上面に接触することにより、搬送アーム434により保持される基板Wを搬送アーム434とともに冷却することができる。
【0154】
複数の支持ピン412は、上下方向に移動することにより基板載置プレート411の複数の支持ピン挿入孔にそれぞれ挿入可能に配置される。冷却部410への基板Wの搬入時および搬出時には、複数の支持ピン412の上端部がそれぞれ複数の支持ピン挿入孔を通して基板載置プレート411の上方の位置と基板載置プレート411の上面よりも下方の位置との間で移動する。
【0155】
加熱部420は、基板載置プレート421、昇降可能な複数(本例では3つ)の支持ピン422および複数(本例では6つ)のガイド部材423を含む。基板載置プレート421は、例えば基板Wに加熱処理を行うホットプレートである。基板載置プレート421には、複数(本例では3つ)の支持ピン挿入孔が形成されている。複数の支持ピン422は、複数の支持ピン412と同様の構成を有する。
【0156】
複数のガイド部材423は、基板載置プレート421の縁に沿って略等間隔で設けられる。本例では、6個のガイド部材423が略60°間隔で設けられる。
図13に示すように、各ガイド部材423は円錐台形状を有する。複数のガイド部材423により囲まれる領域に基板Wが配置される場合、ガイド部材423の傾斜した側面に沿って基板Wが下方に導かれる。これにより、基板載置プレート421の中心と基板Wの中心とが一致する。
【0157】
搬送機構430は、上下方向に延びるように設けられた2本の長尺状のガイドレール431,432を備える。ガイドレール431,432は、冷却部410および加熱部420を挟んで対向するように配置される。ガイドレール431とガイドレール
432との間には、長尺状のガイドレール433が設けられる。ガイドレール433は、上下動可能にガイドレール431,432に取り付けられる。ガイドレール433に搬送アーム434が取り付けられる。搬送アーム434は、ガイドレール433の長手方向に移動可能に設けられる。
【0158】
図13および図14に示すように、搬送アーム434には、冷却部410の複数の支持ピン412および加熱部420の複数の支持ピン422と干渉しないように切り込み(スリット)435が設けられている。また、搬送アーム434には、複数のガイド部材436が設けられる。複数のガイド部材436は、複数のガイド部材423と同様の構成を有する。基板処理時には、搬送アーム434は、冷却部410と加熱部420との間で基板Wを搬送する。本例では、搬送アーム434が基板支持部WSであり、複数のガイド部材436が案内機構である。
【0159】
図16は、基板支持部WSが熱処理ユニットPHPに設けられる場合における基準位置を説明するための図である。以下、熱処理ユニットPHPの搬送アーム434が基板支持部WSである場合における基準位置を説明する。冷却ユニットCP、密着強化処理ユニットPAHPおよび載置兼冷却部P−CPにおける基準位置は、熱処理ユニットPHPにおける基準位置と同様である。
【0160】
教示動作時には、まず、
図16(a)に示すように、冷却部410の複数の支持ピン412が上昇する。次に、
図16(b)に示すように、搬送機構127はハンドH1により基板Wを保持し、上昇した複数の支持ピン412の上端に搬送する。これにより、基板Wは、その中心が仮目標位置にある状態で、複数の支持ピン412により支持される。
【0161】
その後、
図16(c)に示すように、複数の支持ピン412が下降する。ここで、仮目標位置と基準位置とが一致していない場合、
図16(c)に矢印で示すように、搬送アーム434上の複数のガイド部材436の傾斜した側面に沿って、基板Wが下方に導かれる。これにより、搬送アーム434の中心と基板Wの中心とが一致する。
【0162】
次に、
図16(d)に示すように、複数の支持ピン412が上昇する。続いて、
図16(e)に示すように、搬送機構127はハンドH1により複数の支持ピン412から基板Wを受け取る。
図16(d)において、複数の支持ピン412により支持された基板Wの中心の位置が基準位置となる。すなわち、複数のガイド部材436により導かれた基板Wの中心の位置が基準位置となる。
【0163】
(e)洗浄乾燥処理ユニット
図17は、洗浄乾燥処理ユニットSD1の構成を示す図である。
図17(a),(b)はそれぞれ洗浄乾燥処理ユニットSD1の側面図および平面図を示す。洗浄乾燥処理ユニットSD2は、洗浄乾燥処理ユニットSD1と同様の構成を有する。
【0164】
図17(a)に示すように、洗浄乾燥処理ユニットSD1は、基板Wを水平に保持して垂直方向の回転軸611aの周りで回転させるスピンチャック610を備える。スピンチャック610は、スピンモータ611、円板状のスピンプレート612、プレート支持部材613、マグネットプレート614a,614bおよび複数のチャックピン615を含む。
【0165】
図17(a)に示すように、スピンモータ611の回転シャフトの下端部にはプレート支持部材613が取り付けられている。プレート支持部材613によりスピンプレート612が水平に支持されている。スピンモータ611によりスピンプレート612が鉛直方向の回転軸611aの周りで回転する。
【0166】
スピンモータ611およびプレート支持部材613には、液供給管610aが挿通されている。液供給管610aを通して、スピンチャック610により保持される基板W上に洗浄液を供給することができる。洗浄液としては、例えば純水が用いられる。
【0167】
スピンプレート612の周縁部には、4つの以上(本例では4つ)のチャックピン615が回転軸611aに関して等角度間隔で設けられている。各チャックピン615は、軸部615a、ピン支持部615b、保持部615cおよびマグネット616を含む。スピンプレート612を貫通するように軸部615aが設けられ、軸部615aの下端部に水平方向に延びるピン支持部615bが接続されている。ピン支持部615bの先端部から下方に突出するように保持部615cが設けられている。また、スピンプレート612の上面側において、軸部615aの上端部にマグネット616が取り付けられている。
【0168】
各チャックピン615は、軸部615aを中心に鉛直軸の周りで回転可能であり、保持部615cが基板Wの外周端部に当接する閉状態と、保持部615cが基板Wの外周端部から離間する開状態とに切替可能である。本例では、マグネット616のN極が内側にある場合に各チャックピン615が閉状態となり、マグネット616のS極が内側にある場合に各チャックピン615が開状態となる。
【0169】
スピンプレート612の上方には、回転軸611aを中心とする周方向に沿ってマグネットプレート614a,614bが配置される。マグネットプレート614a,614bは、外側にS極を有し、内側にN極を有する。マグネットプレート614a,615bは、マグネット昇降機構(図示せず)によりそれぞれ独立に昇降し、チャックピン615のマグネット616よりも高い上方位置とチャックピン615のマグネット616とほぼ等しい高さの下方位置との間で移動する。マグネットプレート614a,614bの昇降により、後述するように、各チャックピン615が開状態と閉状態とに切り替えられる。
【0170】
図17(a)に示すように、洗浄乾燥処理ユニットSD1の下部には、スピンチャック610により保持される基板Wの外周端部および裏面を洗浄するための洗浄ブラシ630が設けられている。洗浄ブラシ630は略円柱形状を有し、外周面には断面V字状の溝635が形成されている。洗浄ブラシ630はブラシ保持部材631により保持されている。ブラシ保持部材631がブラシ移動機構(図示せず)により駆動されることにより、洗浄ブラシ630が水平方向および鉛直方向に移動する。
【0171】
洗浄ブラシ630の近傍におけるブラシ保持部材631の部分には洗浄ノズル633が取り付けられている。洗浄ノズル633には洗浄液が供給される液供給管(図示せず)が接続されている。洗浄ノズル633の吐出口は洗浄ブラシ630周辺に向けられており、吐出口から洗浄ブラシ630周辺に向けて洗浄液が吐出される。
【0172】
図17(b)に示すように、3つ以上(本例では6つ)の基板受け渡し機構620がスピンチャック610の回転軸611aを中心として等角度間隔で配置されている。各基板受け渡し機構620は、昇降回転駆動部621、回転軸622、アーム623および保持ピン624を含む。昇降回転駆動部621から上方に延びるように回転軸622が設けられ、回転軸622の上端部から水平方向に延びるようにアーム623が連結されている。アーム623の先端部に、基板Wの外周端部を保持するための保持ピン624が設けられている。
【0173】
図17(a)に示すように、各保持ピン624の先端の内側面は傾斜部分を有する。昇降回転駆動部621により、回転軸622が昇降動作および回転動作を行う。それにより、保持ピン624が水平方向および上下方向に移動する。本例では、保持ピン624が基板支持部WSであり、保持ピン624の傾斜部分が案内機構である。
【0174】
次に、
図17および
図18を参照しながら洗浄乾燥処理ユニットSD1の動作を説明する。
図18は、洗浄乾燥処理ユニットSD1の動作を説明するための模式図である。まず、
図17(a)に示すように、複数の保持ピン624上に
図1の搬送機構141により基板Wが載置される。
【0175】
このとき、マグネットプレート614a,614bは上方位置にある。この場合、マグネットプレート614a,614bの磁力線Bは、チャックピン615のマグネット616の高さにおいて内側から外側に向かう。それにより、各チャックピン615のマグネット616のS極が内側に吸引される。したがって、各チャックピン615は開状態となる。続いて、複数の保持ピン624が基板Wを保持した状態で上昇する。これにより、基板Wが複数のチャックピン615の保持部615cの間に移動する。
【0176】
続いて、
図18(a)に示すように、マグネットプレート614a,614bが下方位置に移動する。この場合、各チャックピン615のマグネット616のN極が内側に吸引される。それにより、各チャックピン615が閉状態となり、各チャックピン615の保持部615cにより基板Wの外周端部が保持される。その後、複数の保持ピン624がガード618の外方に移動する。
【0177】
基板Wの表面洗浄処理時には、
図18(b)に示すように、スピンチャック610により基板Wが回転する状態で、液供給管610aを通して基板Wの表面に洗浄液が供給される。洗浄液は遠心力により基板Wの表面の全体に広がり、外方に飛散する。これにより、基板Wの表面に付着する塵埃等が洗い流される。また、基板W上のレジスト膜等の膜の成分の一部が洗浄液中に溶出し、洗い流される。
【0178】
基板Wの裏面洗浄処理時には、
図18(c)に示すように、スピンチャック610により基板Wが回転する状態で、洗浄ブラシ630が基板Wの下方に移動する。そして、洗浄ブラシ630の上面と基板Wの裏面とが接触する状態で、洗浄ブラシ630が基板Wの中心部下方と周縁部下方との間で移動する。基板Wと洗浄ブラシ630との接触部分には、洗浄ノズル633から洗浄液が供給される。これにより、基板Wの裏面の全体が洗浄ブラシ630により洗浄され、基板Wの裏面に付着する汚染物が取り除かれる。
【0179】
基板Wの端部洗浄処理時には、
図18(d)に示すように、マグネットプレート614aが下方位置に配置され、マグネットプレート614bが上方位置に配置される。その状態で、スピンチャック610により基板Wが回転する。
【0180】
この場合、マグネットプレート614aの外方領域R1(
図17(b)参照)においては各チャックピン615が閉状態となり、マグネットプレート614bの外方領域R2(
図17(b)参照)においては各チャックピン615が開状態となる。すなわち、各チャックピン615の保持部615cは、マグネットプレート614aの外方領域R1を通過する際に基板Wの外周端部に接触した状態で維持され、マグネットプレート614bの外方領域R2を通過する際に基板Wの外周端部から離間する。
【0181】
洗浄ブラシ630が、外方領域R2においてチャックピン615の保持部615cと基板Wの外周端部との間に移動する。そして、洗浄ブラシ630の溝635が、基板Wの外周端部に押し当てられる。洗浄ブラシ630と基板Wとの接触部分には、洗浄ノズル633(
図18(c))から洗浄液が供給される。これにより、基板Wの外周端部の全体が洗浄され、基板Wの外周端部に付着する汚染物が取り除かれる。
【0182】
上記の表面洗浄処理、裏面洗浄処理および
端部洗浄処理の後には、基板Wの乾燥処理が行われる。この場合、マグネットプレート614a,615bが下方位置に配置され、全てのチャックピン615により基板Wが保持される。その状態で、スピンチャック610により基板Wが高速で回転する。それにより、基板Wに付着する洗浄液が振り切られ、基板Wが乾燥する。
【0183】
図19は、基板支持部WSが洗浄乾燥処理ユニットSD1に設けられる場合における基準位置を説明するための図である。以下、洗浄乾燥処理ユニットSD1の保持ピン624が基板支持部WSである場合における基準位置を説明する。洗浄乾燥処理ユニットSD2における基準位置は、洗浄乾燥処理ユニットSD1における基準位置と同様である。
【0184】
教示動作時には、まず、
図19(a)に示すように、搬送機構141は、ハンドH1により基板Wを保持し、洗浄乾燥処理ユニットSD1の複数の保持ピン624の上方に搬送する。これにより、基板Wは、その中心が複数の保持ピン624の上方における仮目標位置に一致した状態でハンドH1により保持される。
【0185】
次に、
図19(b)に示すように、複数の保持ピン624が上昇する。ここで、仮目標位置と基準位置とが一致していない場合、
図19(c)に矢印で示すように、複数の保持ピン624の傾斜した側面に沿って、基板Wが複数の保持ピン624の中心に導かれる。これにより、複数の保持ピン624の中心と基板Wの中心とが一致する。
【0186】
続いて、
図19(d)に示すように、搬送機構141はハンドH1により複数の保持ピン624から基板Wを受け取る。
図19(c)において、複数の保持ピン624により支持された基板Wの中心の位置が基準位置となる。すなわち、複数の保持ピン624により導かれた基板Wの中心の位置が基準位置となる。
【0187】
(10)スピンチャックにおける教示動作
スピンチャック25,35,98が基板支持部WSである場合において、スピンチャック25,35,98の回転中心の位置が既知である場合には、回転中心の位置を基準位置として水平方向の教示動作が行われてもよい。一方で、スピンチャック25,35,98の回転中心の位置が未知である場合には、以下の手順により水平方向の教示動作が行われてもよい。
【0188】
図20は、スピンチャック25,35,98が基板支持部WSである場合における水平方向の教示動作を説明するための図である。
図20(a)〜(d)は、搬送機構127およびスピンチャック25の模式的平面図を示す。
図20の例においては、基板支持部WSはスピンチャック25である。スピンチャック35,98における教示動作は、スピンチャック25における教示動作と同様である。
【0189】
まず、
図20(a)に示すように、搬送機構127はハンドH1により正規位置に基板Wを保持する。ここで、基板Wの中心の座標を算出する。算出された基板Wの中心の座標は(X1,Y1)である。次に、
図20(b)に示すように、搬送機構127は基板Wをスピンチャック25に搬送する。スピンチャック25は、基板Wの中心が仮目標位置に一致すように基板Wを保持する。続いて、
図20(c)に示すように、スピンチャック25は、基板Wを所定の角度だけ回転させる。スピンチャック25による基板Wの回転角度は180°であることが好ましい。
【0190】
その後、
図20(d)に示すように、搬送機構127は、基板Wをスピンチャック25から受け取る。ここで、基板Wの中心の座標を算出する。算出された基板Wの中心の座標は(X2,Y2)である。次に、算出された座標(X1,Y1)および座標(X2,Y2)に基づいて、仮目標位置座標に対する基準位置座標のずれ(ΔX,ΔY)を算出する。ここで、
図20(b),(c)の処理において、基板Wの回転角度が180°であった場合には、仮目標位置座標に対する基準位置座標のずれ(ΔX,ΔY)は下記式(5),(6)により与えられる。
【0191】
ΔX=(X1+X2)/2 (5)
ΔY=(Y1+Y2)/2 (6)
続いて、真目標位置座標(Xrb,Yrb)を算出する。X方向における真目標位置Xrbは、下記式(7)で与えられる。ここで、X1<X2である場合には正号が適用され、X1>X2である場合には負号が適用される。また、Y方向における真目標位置Yrbは、下記式(8)で与えられる。ここで、Y1<Y2である場合には正号が適用され、Y1>Y2である場合には負号が適用される。算出された真目標位置座標(Xrb,Yrb)は、補正情報として制御部500のメモリ520に記憶される。
【0192】
Xrb=Xb±ΔX (7)
Yrb=Yb±ΔY (8)
上記の例では、搬送機構127のハンドH1を用いた教示動作について説明したが、ハンドH2を用いた教示動作も、ハンドH1を用いた動作と同様である。また、
搬送機構128,137,138を用いた教示動作も、搬送機構127を用いた教示動作と同様である。
【0193】
(11)搬送機構の一制御例
搬送機構127においては、センサ装置316により、ハンドH1により保持される基板Wの外周部が検出される。また、センサ装置316により、ハンドH2により保持される基板Wの外周部が検出される。
【0194】
図21および
図22は、1つのセンサ装置316により2つのハンドH1,H2に保持される2枚の基板Wの外周部を検出するための搬送機構127の一制御例を示す図である。
図21(a)〜(e)および
図22(a)〜(c)においては、ハンドH1,H2および1の検出器316Dの位置関係が縦断面図で示される。
【0195】
初期状態では、ハンドH1,H2にはそれぞれ基板Wが保持されていない。また、ハンドH1,H2は進退基準位置FBPにある。この場合、受光部316rは投光部316tから出射されかつハンドH1,H2のガイド部Ha(
図6(a),(b)参照)の内側を通過する光を受光する。
【0196】
図21(a)に示すように、まず下側のハンドH2が進退基準位置FBPから検出器316Dの前方へ前進し、所定の位置に配置された基板Wを受け取る。このとき、受光部316rは投光部316tから出射される光を受光する。
【0197】
次に、基板Wを保持するハンドH2が進退基準位置FBPに向かって後退する。この場合、
図21(b)に示すように、ハンドH2が進退基準位置FBPに移動するまでの間に、受光部316rは投光部316tから出射されかつ基板Wの外周部とハンドH2との間を通過する光を受光する。その後、ハンドH2が進退基準位置FBPに到達すると、ハンドH2により保持される基板Wが投光部316tと受光部316rとの間に位置する。それにより、
図21(c)に示すように、受光部316rは対応する投光部316tからの光を受光しない。
【0198】
上記のようにハンドH2が移動する。それにより、受光部316rから出力される受光信号に基づいてハンドH2により保持される基板Wの外周部の複数の部分が検出される。
【0199】
続いて、
図21(d)に示すように、上側のハンドH1が進退基準位置FBPから検出器316Dの前方へ前進し、所定の位置に配置された基板Wを受け取る。このとき、投光部316tから出射される光は、ハンドH2により保持される基板Wにより遮られる。したがって、受光部316rは投光部316tから出射される光を受光しない。
【0200】
次に、
図21(e)に示すように、基板Wを保持するハンドH1が進退基準位置FBPに向かって後退するとともに、基板Wを保持するハンドH2が進退基準位置FBPから前進する。その後、
図22(a)に示すように、ハンドH2が投光部316tおよび受光部316rよりも前方に移動する。このようにして、ハンドH1が進退基準位置FBPに移動するまでの間に、受光部316rは投光部316tから出射されかつ基板Wの外周部とハンドH2との間を通過する光を受光する。
【0201】
ハンドH1が進退基準位置FBPまで移動すると、ハンドH1により保持される基板Wが投光部316tと受光部316rとの間に位置する。それにより、
図22(b)に示すように、受光部316rは対応する投光部316tからの光を受光しない。
【0202】
上記のようにハンドH1,H2が移動する。それにより、受光部316rから出力される受光信号に基づいてハンドH1により保持される基板Wの外周部の複数の部分が検出される。
【0203】
その後、
図22(c)に示すように、前進するハンドH2により保持された基板Wがいずれかの基板支持部WS上に載置された後、ハンドH2が進退基準位置FBPまで後退する。
【0204】
上記のように、本実施の形態では、ハンドH1,H2が互いに逆方向に進退動作することにより、1つのセンサ装置316により2つのハンドH1,H2により保持される2枚の基板Wの外周部の複数の部分を検出することが可能である。
【0205】
(12)効果
本実施の形態においては、搬送機構127等に関する水平方向の教示動作時に、ハンドH1がスピンチャック25等以外の基板支持部WSの仮目標位置に移動され、基板支持部WSの基準位置で支持された基板WがハンドH1により受け取られる。ここで、ハンドH1により保持された基板WとハンドH1との位置関係が検出される。検出された位置関係に基づいて仮目標位置と基準位置とのずれが補正情報として取得される。
【0206】
あるいは、ハンドH1がスピンチャック25等の基板支持部WSの仮目標位置に移動され、基板支持部WSに基板Wが渡される。基板支持部WSにより水平姿勢で支持された基板Wが基準位置の周りで所定の角度だけ回転される。ハンドH1が基板支持部WSの仮目標位置に移動され、基板支持部WSにより支持された基板Wが受け取られる。基板支持部WSへ基板Wを渡す前におけるハンドH1と基板Wとの位置関係および基板支持部WSから基板Wを受け取った後における位置関係に基づいて仮目標位置と基準位置とのずれが補正情報として取得される。
【0207】
教示動作時または基板処理時に、取得された補正情報に基づいて仮目標位置が基準位置に一致するように仮目標位置が真目標位置に補正される。基板処理時に、ハンドH1が真目標位置に移動されることにより、ハンドH1により基板支持部WSに基板Wが渡され、または基板支持部WSから基板Wが受け取られる。それにより、基準位置で基板Wが支持されるようにハンドH1により基板Wを基板支持部WSに渡すことができ、または基準位置で支持された基板Wを受け取るようにハンドH1を基板支持部WSに移動させることができる。
【0208】
また、搬送機構127等に関する垂直方向の教示動作時に、ハンドH1が基板支持部WSにより基準高さで支持された基板Wの下方から上昇される。ハンドH1が基板Wの下面を保持したことが検出される。検出時点におけるハンドH1の垂直方向の位置に基づいて垂直方向における目標高さが決定される。基板処理時における基板支持部WSへのハンドH1の移動の際に、ハンドH1が決定された目標高さに移動されることにより、基板支持部WSに基板Wが渡され、または基板支持部WSから基板Wが受け取られる。それにより、基準高さで基板Wが支持されるようにハンドH1により基板Wを基板支持部WSに渡すことができ、または基準高さで支持された基板Wを受け取るようにハンドH1を基板支持部WSに移動させることができる。
【0209】
この構成によれば、基板支持部WSにより基準位置で支持された基板WをハンドH1,H2が受け取ることにより、搬送機構115,127,128,137,138,141,142,146に関する教示動作が行われる。これにより、搬送機構115,127,128,137,138,141,142,146に関する教示を行うための作業者の負担が低減される。この場合、搬送機構115,127,128,137,138,141,142,146に関する教示を行うために専用の治具を用意する必要がない。そのため、治具の維持管理のための作業者の負担が発生せず、治具の購入および治具の維持管理に伴うコストも発生しない。これらの結果、作業者の負担を低減しつつ低コストで搬送機構115,127,128,137,138,141,142,146に関する教示を行うことができる。
【0210】
(13)他の実施の形態
(a)上記実施の形態において、各ハンドH1,H2についての補正情報は、上記の方法により独立に取得されるが、これに限定されない。一方のハンドについての補正情報は上記の方法により取得され、他方のハンドについての補正情報は一方のハンドについての補正情報に基づいて取得されてもよい。
【0211】
図23は、他の実施の形態における他方のハンドの補正情報の取得手順を説明するための図である。
図23(a)〜(c)は、搬送機構127および基板支持部WSの模式的平面図を示す。ハンドH1,H2は垂直方向に重なるように設けられるが、
図23の例においては、理解を容易にするために、ハンドH1,H2を水平方向に並ぶように図示している。
図23の例では、ハンドH1についての補正情報に基づいてハンドH2についての補正情報を取得することを考える。
【0212】
まず、
図23(a)に示すように、搬送機構127はハンドH1により正規位置に基板Wを保持する。ここで、ハンドH1における基板Wの中心の座標を算出する。算出されたハンドH1における基板Wの中心の座標は(X3,Y3)である。次に、
図23(b)に示すように、ハンドH1は基板Wを基板支持部WSに搬送する。基板支持部WSは、基板Wの中心が仮目標位置に一致する状態で基板Wを保持する。ここで、ハンドH1に対応付けられた基板支持部WSにおける仮目標位置座標を(Xb3,Yb3)とする。
【0213】
その後、
図23(c)に示すように、ハンドH2は基板Wを基板支持部WSから取り出す。ここで、ハンドH2に対応付けられた基板支持部WSにおける仮目標位置座標を(Xb4,Yb4)とする。ハンドH1に対応付けられた仮目標位置とハンドH2に対応付けられた仮目標位置とは異なるので、
図23(c)において、ハンドH2は、正規位置とは異なる位置に基板Wを保持することとなる。ここで、ハンドH2における基板Wの中心の座標を算出する。算出されたハンドH2における基板Wの中心の座標は(X4,Y4)である。
【0214】
制御部500は、ハンドH1における基板Wの中心の座標(X3,Y3)とハンドH2における基板Wの中心の座標(X4,Y4)とのずれを算出する。また、制御部500は、算出されたずれとハンドH1についての補正情報とに基づいて、ハンドH2についての補正情報を算出する。ハンドH2についての補正情報は、制御部500のメモリ520に記憶される。
【0215】
同様の手順により、制御部500は、ハンドH1,H2の基準高さのずれとハンドH1についての目標高さとに基づいて、ハンドH2についての目標高さを決定する。決定された目標高さのZ座標は、制御部500のメモリ520に記憶される。
【0216】
(b)上記実施の形態において、搬送機構115,127,128,137,138,141,142,146の間での基板Wの受け渡しは、基板載置部PASS1〜PASS9等を介して行われるが、これに限定されない。搬送機構115,127,128,137,138,141,142,146の間での基板Wの受け渡しは、基板載置部を介さずに直接行われてもよい。
図24は、搬送機構間で基板Wの受け渡しが直接行われる場合における基準位置を説明するための図である。
図24は、搬送機構127,137の模式的平面図を示す。搬送機構127から搬送機構137に基板Wが受け渡されることを考える。
【0217】
図24に示すように、搬送機構127は、ハンドH1により受け渡しが行われるべき領域(以下、受け渡し領域と呼ぶ)Vへ基板Wを搬送する。その後、搬送機構127は、搬送機構137に基板Wが受け渡されるまで基板Wの中心が受け渡し領域Vにおける仮目標位置に一致する状態で待機する。
【0218】
ここで、搬送機構127に対応付けられた受け渡し領域Vにおける仮目標位置座標を(Xb5,Yb5)とする。この場合、仮目標位置座標(Xb5,Yb5)が、搬送機構137に対応付けられた受け渡し領域Vにおける基準位置座標(Xw6,Yw6)とみなされる。すなわち、搬送機構127に対応付けられた受け渡し領域Vにおける仮目標位置が、搬送機構137に対応付けられた受け渡し領域Vにおける基準位置とみなされる。
【0219】
(c)上記実施の形態において、基板支持部WSが熱処理ユニットPHPに設けられる場合には、搬送機構430の複数のガイド部材436により導かれた基板Wの中心の位置が基準位置となるが、これに限定されない。熱処理ユニットPHPに搬送機構430が設けられない場合には、加熱部420の複数のガイド部材423により導かれた基板Wの中心の位置が基準位置となってもよい。
【0220】
(d)上記実施の形態において、
図20の教示動作時に基板Wがスピンチャック25により180°回転されるが、これに限定されない。
図20の教示動作時に基板Wがスピンチャック25により任意の角度だけ回転されてもよい。この場合、幾何学的な演算により、基板Wの回転前の中心の位置と基板Wの回転後の中心の位置とに基づいて、仮目標位置座標に対する基準位置座標のずれを算出することができる。
【0221】
(14)請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
【0222】
上記実施の形態では、基板Wが基板の例であり、基板処理装置100が基板処理装置の例であり、ハンドH1,H2が第1および第2の保持部の例または保持部の例である。基板支持部WS、ケーシング部113a、支持ピンsp、搬送アーム434、保持ピン624、スピンチャック25,35,98、またはハンドH1,H2が基板支持部の例である。
【0223】
搬送機構115,127,128,137,138,141,142,146が第1および第2の搬送装置の例または搬送装置の例であり、センサ装置316が位置検出部の例であり、制御部500が制御部の例である。ケーシング部113aおよび蓋部113b、ガイド部材436または保持ピン624が案内機構の例であり、キャリア113が収納容器の例であり、基板載置部PASS1〜PASS9が基板載置部の例である。吸着部smが保持検出部または吸着部の例であり、冷却ユニットCP、熱処理ユニットPHP、密着強化処理ユニットPAHP、載置兼冷却部P−CPまたは洗浄乾燥処理ユニットSD1,SD2が処理ユニットの例である。
【0224】
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
(15)参考形態
(1)第1の参考形態に係る基板処理装置は、基板に処理を行う基板処理装置であって、予め設定された基準位置を有し、基板を支持可能に構成される基板支持部と、基板を保持するように構成された第1の保持部を有し、第1の保持部を移動させることにより基板を搬送する第1の搬送装置と、第1の保持部により保持された基板と第1の保持部との位置関係を検出する位置検出部と、第1の保持部を移動させて基板支持部に基板を渡しまたは基板支持部から基板を受け取るように第1の搬送装置を制御する制御部とを備え、制御部は、第1の搬送装置に関する教示動作時に、第1の保持部を基板支持部の目標位置に移動させて基板支持部の基準位置で支持された基板を受け取るように第1の搬送装置を制御し、位置検出部により検出される位置関係に基づいて目標位置と基準位置とのずれを補正情報として取得し、教示動作時または基板処理時に、取得された補正情報に基づいて目標位置が基準位置に一致するように目標位置を補正し、基板処理時に、第1の保持部を補正された目標位置に移動させるように第1の搬送装置を制御する。
この基板処理装置においては、第1の搬送装置に関する教示動作時に、第1の搬送装置の第1の保持部が基板支持部の目標位置に移動され、基板支持部の基準位置で支持された基板が第1の保持部により受け取られる。ここで、第1の保持部により保持された基板と第1の保持部との位置関係が検出される。検出された位置関係に基づいて目標位置と基準位置とのずれが補正情報として取得される。
教示動作時または基板処理時に、取得された補正情報に基づいて目標位置が基準位置に一致するように目標位置が補正される。基板処理時に、第1の保持部が補正された目標位置に移動されることにより、第1の保持部により基板支持部に基板が渡され、または基板支持部から基板が受け取られる。それにより、基準位置で基板が支持されるように第1の保持部により基板を基板支持部に渡すことができ、または基準位置で支持された基板を受け取るように第1の保持部を基板支持部に移動させることができる。
この構成によれば、基板支持部により基準位置で支持された基板を第1の搬送装置の第1の保持部が受け取ることにより、第1の搬送装置に関する教示動作が行われる。これにより、第1の搬送装置に関する教示を行うための作業者の負担が低減される。この場合、第1の搬送装置に関する教示を行うために専用の治具を用意する必要がない。そのため、治具の維持管理のための作業者の負担が発生せず、治具の購入および治具の維持管理に伴うコストも発生しない。これらの結果、作業者の負担を低減しつつ低コストで第1の搬送装置に関する教示を行うことができる。
(2)基板支持部は、基板を基準位置に導く案内機構を含み、教示動作時に、案内機構により基板が基板支持部の基準位置に導かれてもよい。
この場合、基板が案内機構により基準位置に導かれる。これにより、教示動作時に、作業者が基板を基準位置に位置決めする作業が不要となる。したがって、作業者の負担がより低減される。また、基板処理時においても、基板が案内機構により基板支持部の基準位置に正確に位置決めされる。
(3)基板処理装置は、基板を収納する収納容器をさらに備え、収納容器は、基板支持部を含み、基板を案内機構により基準位置に収納するように構成され、目標位置は、収納容器内に設定され、制御部は、教示動作時に、第1の保持部を収納容器内の目標位置に移動させて収納容器内の基準位置に収納された基板を受け取るように第1の搬送装置を制御してもよい。
この場合、基板は、案内機構により収納容器内の基準位置に収納される。これにより、教示動作時に、作業者が基板を基準位置に位置決めする作業が不要となる。したがって、作業者の負担がより低減される。
(4)基板処理装置は、基板に処理を行う処理ユニットをさらに備え、処理ユニットは基板支持部を含み、目標位置は、処理ユニット内に設定され、制御部は、教示動作時に、第1の保持部を処理ユニット内の目標位置に移動させて処理ユニット内において案内機構により基準位置で支持された基板を受け取るように第1の搬送装置を制御してもよい。
この場合、基板は、処理ユニット内において、案内機構により基準位置で支持される。また、作業者が基板を基準位置に位置決めする作業が不要となる。したがって、作業者の負担がより低減される。
(5)基板処理装置は、基板支持部を含み、基板が一時的に載置される基板載置部と、基板を保持するように構成された第2の保持部を有し、第2の保持部を移動させることにより基板を搬送する第2の搬送装置とをさらに備え、目標位置は、基板載置部上に設定され、制御部は、教示動作時に、第2の保持部を基板載置部の基板支持部に移動させて基板支持部に基板を載置するように第2の搬送装置を制御し、基板支持部に載置される基板の位置を基準位置とみなし、第1の保持部を基板載置部上の目標位置に移動させて基板支持部に載置された基板を受け取るように第1の搬送装置を制御してもよい。
この場合、基板載置部を介して第1の搬送装置の第1の保持部と第2の搬送装置の第2の保持部との間で基板が受け渡される。ここで、第2の保持部により基板載置部に載置された基板の位置が基準位置とみなされる。これにより、作業者が基板を基準位置に位置決めする作業が不要となる。したがって、作業者の負担がより低減される。
(6)基板処理装置は、基板を保持するように構成された第2の保持部を基板支持部として有し、第2の保持部を移動させることにより基板を搬送する第2の搬送装置をさらに備え、目標位置は、第1の搬送装置と第2の搬送装置との間での基板の受け渡し時の第2の保持部に設定され、制御部は、教示動作時に、第2の保持部に保持される基板の位置を基準位置とみなし、第1の保持部を第2の保持部の目標位置に移動させて第2の保持部から基板を受け取るように第1の搬送装置を制御してもよい。
この場合、第1の搬送装置の第1の保持部と第2の搬送装置の第2の保持部との間で基板が受け渡される。ここで、第2の保持部に保持された基板の位置が基準位置とみなされる。これにより、作業者が基板を基準位置に位置決めする作業が不要となる。したがって、作業者の負担がより低減される。
(7)第2の参考形態に係る基板処理装置は、基板に処理を行う基板処理装置であって、予め設定された基準位置を有し、基板を水平姿勢で保持して基準位置の周りで回転可能に構成される基板支持部と、基板を保持するように構成された第1の保持部を有し、第1の保持部を移動させることにより基板を搬送する第1の搬送装置と、第1の保持部により保持された基板と第1の保持部との位置関係を検出する位置検出部と、第1の保持部を移動させて基板支持部に基板を渡しまたは基板支持部から基板を受け取るように第1の搬送装置を制御する制御部とを備え、制御部は、第1の搬送装置に関する教示動作時に、第1の保持部を基板支持部の目標位置に移動させて基板支持部に基板を渡すように第1の搬送装置を制御し、基板支持部により支持された基板が所定の角度だけ回転されるように基板支持部を制御し、第1の保持部を基板支持部の目標位置に移動させて基板支持部により支持された基板を受け取るように第1の搬送装置を制御し、基板支持部へ基板を渡す前における第1の保持部と基板との位置関係および基板支持部から基板を受け取った後において位置検出部により検出された位置関係に基づいて目標位置と基準位置とのずれを補正情報として取得し、教示動作時または基板処理時に、取得された補正情報に基づいて目標位置が基準位置に一致するように目標位置を補正し、基板処理時に、第1の保持部を補正された目標位置に移動させるように第1の搬送装置を制御する。
この基板処理装置においては、第1の搬送装置に関する教示動作時に、第1の搬送装置の第1の保持部により保持された基板と第1の保持部との位置関係が検出される。第1の搬送装置の第1の保持部が基板支持部の目標位置に移動され、基板支持部に基板が渡される。基板支持部により水平姿勢で支持された基板が基準位置の周りで所定の角度だけ回転される。第1の保持部が基板支持部の目標位置に移動され、基板支持部により支持された基板が第1の保持部により受け取られて保持される。その後、第1の保持部により保持された基板と第1の保持部との位置関係が検出される。基板支持部へ基板を渡す前における第1の保持部と基板との位置関係および基板支持部から基板を受け取った後における位置関係に基づいて目標位置と基準位置とのずれが補正情報として取得される。
教示動作時または基板処理時に、取得された補正情報に基づいて目標位置が基準位置に一致するように目標位置が補正される。基板処理時に、第1の保持部が補正された目標位置に移動されることにより、第1の保持部により基板支持部に基板が渡され、または基板支持部から基板が受け取られる。それにより、基準位置で基板が支持されるように第1の保持部により基板を基板支持部に渡すことができ、または基準位置で支持された基板を受け取るように第1の保持部を基板支持部に移動させることができる。
この構成によれば、第1の搬送装置の第1の保持部が基板支持部に基板を渡して回転後の基板を受け取ることにより、第1の搬送装置に関する教示動作が行われる。これにより、第1の搬送装置に関する教示を行うための作業者の負担が低減される。この場合、第1の搬送装置に関する教示を行うために専用の治具を用意する必要がない。そのため、治具の維持管理のための作業者の負担が発生せず、治具の購入および治具の維持管理に伴うコストも発生しない。これらの結果、作業者の負担を低減しつつ低コストで第1の搬送装置に関する教示を行うことができる。
(8)所定の角度は180度であってもよい。この場合、基板支持部へ基板を渡す前における第1の保持部と基板との位置関係および基板支持部から基板を受け取った後における位置関係に基づいて補正情報を容易に取得することができる。
(9)基板処理装置は、第1の保持部が基板の下面を保持したことを検出する保持検出部をさらに備え、制御部は、教示動作時に、第1の保持部を基板支持部により基準高さで支持された基板の下方から上昇させるように第1の搬送装置を制御し、保持検出部による検出時点における第1の保持部の垂直方向の位置に基づいて垂直方向における目標高さを決定し、基板処理時における基板支持部への第1の保持部の移動の際に、第1の保持部を決定された目標高さに移動させるように第1の搬送装置を制御してもよい。
この場合、第1の搬送装置の第1の保持部が基板支持部により支持される基板を受け取ることにより、第1の搬送装置に関する垂直方向の教示動作が行われる。これにより、第1の搬送装置に関する垂直方向の教示を行うための作業者の負担が低減される。したがって、第1の搬送装置に関する教示動作を行うために専用の治具を用意する必要がない。そのため、治具の維持管理のための作業者の負担が発生せず、治具の購入および治具の維持管理に伴うコストも発生しない。これらの結果、作業者の負担を低減しつつ低コストで第1の搬送装置に関する垂直方向の教示を行うことができる。
(10)第1の搬送装置は、第1の保持部を複数有し、制御部は、教示動作時に、基板支持部を介して一の第1の保持部と他の第1の保持部との間で基板が搬送されるように第1の搬送装置を制御し、一の第1の保持部と基板との位置関係、他の第1の保持部と基板との位置関係および一の第1の保持部に対応する補正情報に基づいて、他の第1の保持部に対応する目標位置と基準位置とのずれを他の第1の保持部に対応する補正情報として取得し、教示動作時または基板処理時に、取得された他の第1の保持部に対応する補正情報に基づいて他の第1の保持部に対応する目標位置が基準位置に一致するように他の第1の保持部に対応する目標位置を補正し、基板処理時に、他の第1の保持部を補正された他の第1の保持部に対応する目標位置に移動させるように第1の搬送装置を制御してもよい。
この場合、第1の搬送装置の一の第1の保持部に対応する補正情報に基づいて、他の第1の保持部に対応する補正情報を容易に取得することができる。
(11)第3の参考形態に係る基板処理装置は、基板に処理を行う基板処理装置であって、基板を支持可能に構成される基板支持部と、基板を保持するように構成された保持部を有し、保持部を移動させることにより基板を搬送する搬送装置と、保持部が基板の下面を保持したことを検出する保持検出部と、保持部を移動させて基板支持部に基板を渡しまたは基板支持部から基板を受け取るように搬送装置を制御する制御部とを備え、制御部は、搬送装置に関する教示動作時に、保持部を基板支持部により基準高さで支持された基板の下方から上昇させるように搬送装置を制御し、保持検出部による検出時点における保持部の垂直方向の位置に基づいて垂直方向における目標高さを決定し、基板処理時における基板支持部への保持部の移動の際に、保持部を決定された目標高さに移動させるように搬送装置を制御する。
この基板処理装置においては、搬送装置に関する教示動作時に、搬送装置の保持部が基板支持部により基準高さで支持された基板の下方から上昇される。保持部が基板の下面を保持したことが検出される。検出時点における保持部の垂直方向の位置に基づいて垂直方向における目標高さが決定される。基板処理時における基板支持部への保持部の移動の際に、保持部が決定された目標高さに移動されることにより、基板支持部に基板が渡され、または基板支持部から基板が受け取られる。それにより、基準高さで基板が支持されるように保持部により基板を基板支持部に渡すことができ、または基準高さで支持された基板を受け取るように保持部を基板支持部に移動させることができる。
この構成によれば、搬送装置の保持部が基板支持部により支持される基板を受け取ることにより、搬送装置に関する垂直方向の教示動作が行われる。これにより、搬送装置に関する垂直方向の教示を行うための作業者の負担が低減される。この場合、搬送装置に関する教示動作を行うために専用の治具を用意する必要がない。そのため、治具の維持管理のための作業者の負担が発生せず、治具の購入および治具の維持管理に伴うコストも発生しない。これらの結果、作業者の負担を低減しつつ低コストで搬送装置に関する垂直方向の教示を行うことができる。
(12)保持部は、基板の下面を吸着する吸着部を含み、保持検出部は、吸着部により基板が吸着されているか否かに基づいて保持部が基板の下面を保持したことを検出するように構成されてもよい。
この場合、簡単な構成で保持部が基板の下面を保持したことを検出することができる。また、保持部は基板を確実に保持することができる。
(13)第4の参考形態に係る基板処理方法は、基板に処理を行う基板処理方法であって、第1の搬送装置に関する教示動作時に、第1の搬送装置の第1の保持部を基板支持部の目標位置に移動させて基板支持部の基準位置で支持された基板を受け取るステップと、第1の保持部により保持された基板と第1の保持部との位置関係を検出するステップと、検出された位置関係に基づいて目標位置と基準位置とのずれを補正情報として取得するステップと、教示動作時または基板処理時に、取得された補正情報に基づいて目標位置が基準位置に一致するように目標位置を補正するステップと、基板処理時に、第1の保持部を補正された目標位置に移動させることにより、基板支持部に基板を渡しまたは基板支持部から基板を受け取るステップとを含む。
この基板処理方法によれば、第1の搬送装置に関する教示動作時に、第1の搬送装置の第1の保持部が基板支持部の目標位置に移動され、基板支持部の基準位置で支持された基板が第1の保持部により受け取られる。ここで、第1の保持部により保持された基板と第1の保持部との位置関係が検出される。検出された位置関係に基づいて目標位置と基準位置とのずれが補正情報として取得される。
教示動作時または基板処理時に、取得された補正情報に基づいて目標位置が基準位置に一致するように目標位置が補正される。基板処理時に、第1の保持部が補正された目標位置に移動されることにより、第1の保持部により基板支持部に基板が渡され、または基板支持部から基板が受け取られる。それにより、基準位置で基板が支持されるように第1の保持部により基板を基板支持部に渡すことができ、または基準位置で支持された基板を受け取るように第1の保持部を基板支持部に移動させることができる。
この構成によれば、基板支持部により基準位置で支持された基板を第1の搬送装置の第1の保持部が受け取ることにより、第1の搬送装置に関する教示動作が行われる。これにより、第1の搬送装置に関する教示を行うための作業者の負担が低減される。この場合、第1の搬送装置に関する教示を行うために専用の治具を用意する必要がない。そのため、治具の維持管理のための作業者の負担が発生せず、治具の購入および治具の維持管理に伴うコストも発生しない。これらの結果、作業者の負担を低減しつつ低コストで第1の搬送装置に関する教示を行うことができる。
(14)第5の参考形態に係る基板処理方法は、基板に処理を行う基板処理方法であって、第1の搬送装置に関する教示動作時に、第1の搬送装置の第1の保持部により保持された基板と第1の保持部との位置関係を検出するステップと、第1の保持部を基板支持部の目標位置に移動させて基板支持部に基板を渡すステップと、基板支持部により水平姿勢で支持された基板を基準位置の周りで所定の角度だけ回転させるステップと、第1の保持部を基板支持部の目標位置に移動させて基板支持部により支持された基板を受け取るステップと、基板支持部から受け取り、第1の保持部により保持された基板と第1の保持部との位置関係を検出するステップと、基板支持部へ基板を渡す前における第1の保持部と基板との位置関係および基板支持部から基板を受け取った後における位置関係に基づいて目標位置と基準位置とのずれを補正情報として取得するステップと、教示動作時または基板処理時に、取得された補正情報に基づいて目標位置が基準位置に一致するように目標位置を補正するステップと、基板処理時に、第1の保持部を補正された目標位置に移動させることにより、基板支持部に基板を渡しまたは基板支持部から基板を受け取るステップとを含む。
この基板処理方法によれば、第1の搬送装置に関する教示動作時に、第1の搬送装置の第1の保持部により保持された基板と第1の保持部との位置関係が検出される。第1の搬送装置の第1の保持部が基板支持部の目標位置に移動され、基板支持部に基板が渡される。基板支持部により水平姿勢で支持された基板が基準位置の周りで所定の角度だけ回転される。第1の保持部が基板支持部の目標位置に移動され、基板支持部により支持された基板が第1の保持部により受け取られて保持される。その後、第1の保持部により保持された基板と第1の保持部との位置関係が検出される。基板支持部へ基板を渡す前における第1の保持部と基板との位置関係および基板支持部から基板を受け取った後における位置関係に基づいて目標位置と基準位置とのずれが補正情報として取得される。
教示動作時または基板処理時に、取得された補正情報に基づいて目標位置が基準位置に一致するように目標位置が補正される。基板処理時に、第1の保持部が補正された目標位置に移動されることにより、第1の保持部により基板支持部に基板が渡され、または基板支持部から基板が受け取られる。それにより、基準位置で基板が支持されるように第1の保持部により基板を基板支持部に渡すことができ、または基準位置で支持された基板を受け取るように第1の保持部を基板支持部に移動させることができる。
この構成によれば、第1の搬送装置の第1の保持部が基板支持部に基板を渡して回転後の基板を受け取ることにより、第1の搬送装置に関する教示動作が行われる。これにより、第1の搬送装置に関する教示を行うための作業者の負担が低減される。この場合、第1の搬送装置に関する教示を行うために専用の治具を用意する必要がない。そのため、治具の維持管理のための作業者の負担が発生せず、治具の購入および治具の維持管理に伴うコストも発生しない。これらの結果、作業者の負担を低減しつつ低コストで第1の搬送装置に関する教示を行うことができる。
(15)第6の参考形態に係る基板処理方法は、基板に処理を行う基板処理方法であって、搬送装置に関する教示動作時に、搬送装置の保持部を基板支持部により基準高さで支持された基板の下方から上昇させるステップと、保持部が基板の下面を保持したことを検出するステップと、検出時点における保持部の垂直方向の位置に基づいて垂直方向における目標高さを決定するステップと、基板処理時における基板支持部への保持部の移動の際に、保持部を決定された目標高さに移動させることにより、基板支持部に基板を渡しまたは基板支持部から基板を受け取るステップとを含む。
この基板処理方法によれば、搬送装置に関する教示動作時に、搬送装置の保持部が基板支持部により基準高さで支持された基板の下方から上昇される。保持部が基板の下面を保持したことが検出される。検出時点における保持部の垂直方向の位置に基づいて垂直方向における目標高さが決定される。基板処理時における基板支持部への保持部の移動の際に、保持部が決定された目標高さに移動されることにより、基板支持部に基板が渡され、または基板支持部から基板が受け取られる。それにより、基準高さで基板が支持されるように保持部により基板を基板支持部に渡すことができ、または基準高さで支持された基板を受け取るように保持部を基板支持部に移動させることができる。
この構成によれば、搬送装置の保持部が基板支持部により支持される基板を受け取ることにより、搬送装置に関する垂直方向の教示動作が行われる。これにより、搬送装置に関する垂直方向の教示を行うための作業者の負担が低減される。この場合、搬送装置に関する教示動作を行うために専用の治具を用意する必要がない。そのため、治具の維持管理のための作業者の負担が発生せず、治具の購入および治具の維持管理に伴うコストも発生しない。これらの結果、作業者の負担を低減しつつ低コストで搬送装置に関する垂直方向の教示を行うことができる。