(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
太陽電池パネルと、前記太陽電池パネルの縁部を保持する嵌合部を有する枠部材とを備え、前記太陽電池パネルの前記縁部と前記嵌合部とが接着部材によって接着固定された太陽電池モジュールであって、
前記嵌合部は、前記太陽電池パネルの裏面側の縁部を保持する下壁部と、前記太陽電池パネルの受光面側である表面側の縁部を保持する上壁部と、前記太陽電池パネルの端面を保持する奥壁部とからなり、
前記下壁部と対向する前記上壁部の下面には、前記上壁部の先端縁部から前記奥壁部方向寄りの位置に、前記太陽電池パネルの表面に当接する突起部が設けられ、
前記太陽電池パネルの前記表面と前記突起部と前記上壁部の前記突起部より前記先端縁部側の下面とで形成される隙間がオプション部材を支持する支持溝部とされていることを特徴とする太陽電池モジュール。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の太陽電池モジュールを適用した太陽光発電システムを示す斜視図である。
【
図2】実施形態1に係る太陽電池モジュールを示す斜視図である。
【
図3】実施形態1に係る太陽電池モジュールの枠体を拡大して示す断面図である。
【
図4】実施形態1に係る太陽電池モジュールに適用されるオプション部材の一例である雪止め具を示す斜視図である。
【
図5】実施形態1に係る太陽電池モジュールに適用されるオプション部材の一例である雪止め具を示す側面図である。
【
図6A】雪止め具を太陽電池モジュールの枠体に取り付けるための手順を示す説明図である。
【
図6B】雪止め具を太陽電池モジュールの枠体に取り付けるための手順を示す説明図である。
【
図6C】雪止め具を太陽電池モジュールの枠体に取り付けるための手順を示す説明図である。
【
図7】実施形態2に係る太陽電池モジュールの枠体を拡大して示す断面図である。
【
図8】実施形態2に係る太陽電池モジュールにおいて、太陽電池パネルを枠体に挿入する様子を拡大して示す断面図である。
【
図9】実施形態3に係る太陽電池モジュールの枠体を拡大して示す断面図である。
【
図10】実施形態4に係る太陽電池モジュールの枠体を拡大して示す断面図である。
【
図11】実施形態4に係る太陽電池モジュールにおいて、
図2のA部分を拡大して示す平面図である。
【
図12】実施形態4に係る太陽電池モジュールにおいて、
図2のA部分の分解斜視図である。
【
図14】実施形態5に係る太陽電池モジュールの枠体に取り付けられるサポート部材の構成を示す端面図である。
【
図15】実施形態5に係る太陽電池モジュールの枠体に取り付けられるサポート部材の構成を示す斜視図である。
【
図16】サポート部材を太陽電池モジュールの裏面側に取り付ける状態を示す斜視図である。
【
図17】サポート部材を太陽電池モジュールの裏面側に取り付ける状態を一部拡大して示す斜視図である。
【
図18】サポート部材を太陽電池モジュールの裏面側に取り付けた状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の太陽電池モジュールの一実施形態を適用した太陽光発電システムを示す斜視図である。この太陽光発電システム1は、屋根2上に4本の縦桟3を離間させて相互に平行に固定配置し、各縦桟3上に、3本の横桟4を一定の間隔を開けて相互に平行に固定配置し、この3本の横桟4間に4枚の太陽電池モジュール5を架け渡して固定したものである。
【0017】
各縦桟3の長手方向が屋根2の水流れ方向Xに一致し、各横桟4の長手方向が水流れ方向Xと直交する方向に一致している。水流れ方向Xの下流側から上流側へと1列目、2列目、3列目の横桟4が並び、1列目と2列目の各横桟4間に1列目の2枚の太陽電池モジュール5が架け渡されて固定され、2列目と3列目の各横桟4間に2列目の2枚の太陽電池モジュール5が架け渡されて固定されている。また、各太陽電池モジュール5は、水流れ方向Xに沿って傾斜している。
【0018】
本実施形態では、後述するオプション部材の一例として雪止め具6を示しており、この雪止め具6は、1列目の各太陽電池モジュール5の枠体の複数箇所に取り付けられている。これらの雪止め具6は、太陽電池モジュール5の上面(受光面)に対して垂直上方向に突出する壁部を有しており、各雪止め具6の壁部により太陽電池モジュール5上に降り積もった雪の落下を防止又は抑制する。
【0019】
なお、屋根2に対する縦桟3の固定は、周知の如何なる方法もしくは構造によってなされてもよい。例えば、屋根2の瓦を貫通して垂木に接続された金具により縦桟3を固定することができる。また、縦桟3に対する横桟4の固定も、周知の如何なる方法もしくは構造によってなすことができる。例えば、ボルト及びナットにより縦桟3と横桟4を接続固定することができる。なお、太陽電池モジュール5に対する雪止め具6の取り付け構造については後述する。
【0020】
<太陽電池モジュールの実施形態1>
図2は、実施形態1に係る太陽電池モジュール5を示す斜視図である。
【0021】
図2に示すように太陽電池モジュール5は、太陽光を光電変換する太陽電池パネル7と、この太陽電池パネル7の縁部に嵌合して保持する枠体8とで構成されている。
【0022】
太陽電池パネル7は、例えば、結晶シリコンのウエハを用いて形成された太陽電池セルを、ガラス板と裏面保護フィルムとで挟み込んで封止したものである。あるいは、2枚のガラス板の間に太陽電池セルを挟み込んで封止したものでもよい。
【0023】
図3は、実施形態1に係る太陽電池モジュール5の枠体8を拡大して示す断面図である。
【0024】
枠体8は、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金製の部材であり、押出成形により形成され、長手方向において同じ断面形状を有する長尺部材とされている。この枠体8は、断面略矩形状の本体部20と、本体部20上に一体に設けられた断面コ字状の嵌合部30とを備えている。
【0025】
本体部20は、底壁部21と、底壁部21と対向する上壁部22と、太陽電池パネル7の下面側に位置する内壁部23と、太陽電池パネル7の端面側に位置する外壁部24と、内壁部23の下部から太陽電池パネル7の下面7bと平行に延設された底板部25とを備えている。
【0026】
嵌合部30は、太陽電池パネル7の下面7b側の縁部7b1を保持する下壁部31と、太陽電池パネル7の受光面側である表面7a側の縁部7a1を保持する上壁部32と、太陽電池パネル7の端面7cを保持する奥壁部33とを備えており、下壁部31と上壁部32との間は、奥壁部33に向かう挿入溝34に形成され、この挿入溝34に太陽電池パネル7の縁部が挿入されて支持されている。挿入溝34には接着部材9が充填されており、太陽電池パネル7の縁部と、嵌合部30の下壁部31、上壁部32及び奥壁部33との間が接着部材9によって接着固定されている。なお、嵌合部30の下壁部31は、本体部20の上壁部22を兼ねている。
【0027】
また、嵌合部30の上壁部32は、奥壁部33の端部がさらに枠体8の外側に向かって延設されて係止リブ片35が形成されている。また、奥壁部33の下方には、枠体8の外側に向かって突出する略L字状の係止突起部36が形成され、係止突起部36の外側端部が上方に屈曲している。
【0028】
このような構成の枠体8において、実施形態1では、下壁部31と対向する上壁部32の下面には、上壁部32の先端縁部から奥壁部33方向寄りの位置に、太陽電池パネル7の表面7aに当接する突起部37が設けられている。そして、太陽電池パネル7の表面7aと、突起部37と、突起部37より先端縁部側の上壁部32の下面32aとで形成される隙間Sが、後述するオプション部材の一例である雪止め具6を支持する支持溝部とされている。
【0029】
この構成によれば、太陽電池モジュール5にオプション部材(雪止め具6)を取り付けるために、別途、取り付け部材を用意する必要がない。また、突起部37を設けることで、上壁部32の下面32aと太陽電池パネル7の表面7aとの間に隙間Sを作ることができるので、突起部37より奥壁部33側の隙間Sa部分に接着部材9が十分に充填されて、接着強度を向上させることができる。また、接着部材9が太陽電池パネル7の表面7aを覆って、太陽電池モジュール5の変換効率が低下すること、意匠性が低下することを防ぐことができる。
【0030】
次に、オフション部材の一例である雪止め具6について説明する。
【0031】
図4は、雪止め具6を底面側から見た斜視図、
図5は、雪止め具6の側面図である。
【0032】
この雪止め具6は、1枚の鋼板(板金)を切断及び折り曲げ加工して、メッキを施したものであり、
図4及び
図5に示すように、鋼板を折り返して二重にしてなる壁部6aと、壁部6aを形成する二重にされた鋼板の一方の下端6bで斜め略45度に谷折りされた第1主板部6cと、第1主板部6cの下端6dでさらに略45度に谷折りされた第2主板部6eと、壁部6aを形成する二重にされた鋼板の他方の下端6fで斜め略45度に谷折りされて第1主板部6cに添設された第3主板部6gと、第3主板部6gの下端6hで第1主板部6cと反対側に折り曲げられた略L字型の係合部6iと、第2主板部6eの一辺6jで折り戻されて、第2主板部6eの下面側に形成された爪部6kとを備えている。
【0033】
壁部6aは、1枚の板金を折り返して二重にしたものであり、その強度の向上が図られている。
【0034】
第2主板部6eは、その一辺6dで谷側に折り曲げられ、さらに一辺6jでV字型(山型)に折り曲げられており、一辺6jよりも先端側が爪部6kとなり、この爪部6kが第2主板部6eの下面に対峙している。また、爪部6kの内側に三角形状の係合凹所6mが形成されている。
【0035】
図4に示すように、爪部6kは、雪止め具6の長手方向に沿って3分割されており、爪部6kの間は、第2主板部6eの一辺6jから第1主板部6cの下端6dに向かって所定長さだけ切り欠かれた切欠き部6nが形成されている。また、係合部6iは、雪止め具6の長手方向の両側2箇所に設けられている。すなわち、係合部6iは、雪止め具6の長手方向の両側に2分割された形となっており、その間の第3主板部6gには係合部6iは形成されていない。また、係合部6iの横には、第3主板部6gの下端6hから壁部6aの途中まで達するスリット部(切り込み部)6pが形成されている。
【0036】
これら切欠き部6nやスリット部6pは、雪止め具6を枠体8に装着するとき、爪部6kや係合部6iが若干弾性変形して、枠体8にスムーズに装着できるように設けられている。ただし、装着後の強度は十分得られるように(すなわち、雪の重みで装着が外れないように)、その切り込み長さが決定されている。また、爪部6kに関しては、長手方向に沿って3分割されていることで、爪部6kを枠体8の支持溝部である隙間Sに係止するとき、3つ同時でなくても、例えば両端の爪部6k,6kを個別に隙間Sに係止した後、最後に真ん中の爪部6kを隙間Sに係止する、といった具合に爪部6kを順番に係止していくことができる。これにより、爪部6kの係止作業が容易となる。
【0037】
図6A〜
図6Cは、雪止め具6を太陽電池モジュール5の枠体8に取り付ける手順を示す説明図である。
【0038】
まず、
図6Aに示すように、雪止め具6の第2主板部6eの先端側を若干浮かせるようにして、係合部6iを太陽電池モジュール5の枠体8の係止リブ片35の下側に引っかけるように差し込む。すなわち、枠体8の係止リブ片35を雪止め具6の第2主板部6eと係合部6iとの間の隙間に差し込むようにして、
図6Bに示すように、雪止め具6の全体を矢印B方向に移動させる。
【0039】
この移動により、係合部6iの内奥が係止リブ片35の先端部に突き当たると、雪止め具6の爪部6kが枠体8の上壁部32の先端部上に載置された状態となる。
【0040】
この状態から、
図6Cに示すように、雪止め具6の全体を矢印C方向に回動させると、係合部6iが係止リブ片35によって下方に押し下げられるように(すなわち、下方に若干開くように)弾性変形し、この弾性に抗して、雪止め具6の爪部6kが枠体8の上壁部32の先端部上を摺動し、先端部を乗り越えて先端部の下面側に回り込み、隙間Sに挿入係止される。このとき、弾性変形していた係合部6iが弾性復帰し、枠体8の上壁部32の先端部と係止リブ片35とが、雪止め具6の爪部6kと係合部6iとで弾性挟持される。すなわち、雪止め具6の第2主板部6eが枠体8の上壁部32に密着した状態で保持される。これにより、雪止め具6の爪部6kと係合部6iとの間に枠体8の上壁部32が挟み込まれ、雪止め具6が太陽電池モジュール5の枠体8に係止されて取り付けられる。この状態で、雪止め具6の壁部6aが、太陽電池モジュール5の枠体8の上に突設される。
【0041】
ここで、
図6Cに示すように、雪止め具6が太陽電池モジュール5の枠体8に取り付けられた状態では、雪止め具6の爪部6kと係合部6iとの間が僅かに広がって、雪止め具6の弾性力により爪部6kと係合部6iとの間に枠体8の上壁部32が挟み込まれるようになっている。すなわち、枠体8の上壁部32を挟み込む前の爪部6kと係合部6iとの間の距離を、枠体8の上壁部32を挟み込んだ後の爪部6kと係合部6iとの間の距離よりも若干短く設定している。つまり、係合部6iの弾性変形によって、爪部6kと係合部6iとの間が若干広がり、この間に枠体8の上壁部32が挟み込まれるようになっている。これにより、
図6Cにおいて、雪止め具6の屋根の傾斜方向のがたつきが防止される。この状態では、太陽電池モジュール5の上に雪が降り積もると、雪荷重を爪部6kが受け止め、また軒方向からの風圧による荷重を係合部6iが受け止めるので、雪止め具6が安定的に支持されて固定される。
【0042】
このように雪止め具6の係合部6iを枠体8の係止リブ片35に引っ掛けて雪止め具6を移動及び回動させるだけで、雪止め具6を枠体8に簡単に、かつ、がたつき無く取り付けることができる。
【0043】
一方、枠体8に取り付けられた状態の雪止め具6を、
図6Bに示す矢印B方向に若干押し込んでから、係止リブ片35と係合部6iとの係合部分を支点として、
図6Cに示す矢印C方向とは逆方向に回動させれば、雪止め具6を太陽電池モジュール5の枠体8から簡単に取り外すことができる。
【0044】
このため、太陽電池モジュール5を設置してから、雪止め具6を後付けしたり、雪止め具6を取り外したり、あるいは雪止め具6の位置を変更したりすることができる。また、雪止め具6の着脱が容易であって後付けが可能であるため、雪止め具6を容易に増減することが可能である。
【0045】
<太陽電池モジュールの実施形態2>
図7は、実施形態2に係る太陽電池モジュールの枠体を拡大して示す断面図である。
【0046】
実施形態2では、枠体8の上壁部32に形成された突起部37の先端縁部側の面37aが、上壁部32の先端縁部に向かって上壁部32の下面32aに漸次接近する傾斜面に形成されている。
【0047】
この構成によれば、
図8に示すように、太陽電池パネル7の端部を枠体8の挿入溝34に挿入嵌合するとき、傾斜面37aが太陽電池パネル7の端部を当接して案内するガイド面となり、太陽電池パネル7の端部を挿入溝34内にスムーズに嵌め込むことができる。また、太陽電池パネル7の最表面にガラス板を用いた場合でも、ガラス板の角部に欠けが生じることを防ぐことができる。
【0048】
<太陽電池モジュールの実施形態3>
図9は、実施形態3に係る太陽電池モジュールの枠体を拡大して示す断面図である。
【0049】
実施形態3では、実施形態2に係る枠体8の構成に加え、上壁部32に対向する下壁部31の上面に、接着部材9を保持する溜まり凹部31aが設けられている。
【0050】
この構成によれば、下壁部32の上面と太陽電池パネル7の下面との間にも接着部材9を十分に充填させることができる。また、溜まり凹部31aを設けることで、嵌合部30と太陽電池パネル7の端部との接着時に、接着部材9が嵌合部30の挿入溝34からはみ出すことを防止できる。
【0051】
<太陽電池モジュールの実施形態4>
図10は、実施形態4に係る太陽電池モジュールの枠体を拡大して示す断面図である。
【0052】
実施形態4では、実施形態3に係る枠体8の構成に加え、下壁部31の奥壁部33側の縁部に、奥壁部33の背面側に沿って上方に突出した凹溝部31bが設けられている。
【0053】
この構成によれば、太陽電池パネル7の一辺に嵌合される枠体8と、この一辺に直交する他辺に嵌合される枠体8との接合部に、両枠体8,8に跨がって本体部20の内部空間を塞ぐようにL字アングル41が挿入されている場合であっても、接合された両枠体8,8間が凹溝部31bで連通しているので、この部分を通じて空気が移動できる。
【0054】
図11は、
図2のA部分を拡大して示す平面図、
図12は、
図2のA部分の分解斜視図、
図13は、
図11のD−D線断面図である。ただし、
図12では、一方の枠体(設置後に縦方向(傾斜方向)となる図中右側の枠体)8は、係止突起部36が無い構造として図示している。
【0055】
図11乃至
図13に示すように、太陽電池パネル7の一辺に嵌合される枠体(例えば横枠)8と、この一辺に直交する他辺に嵌合される枠体(例えば縦枠)8との接合部81には、両枠体8,8に跨がって各本体部20,20のリブ片20b,20bより上の内部空間20a,20aを塞ぐ(繋ぐ)ようにL字アングル41の各アングル片41a,41aがそれぞれ挿入されている。このL字アングル41を挿入することで、両枠体8,8は接合部81でずれること無く安定して接合できるため、太陽電池パネル7の端部と各枠体8,8の嵌合部30との嵌合接着を容易に行うことができる。
【0056】
このL字アングル41は、
図12に示すように、本体部20の断面形状と同様、断面矩形状に形成されている。ただし、重量軽減のため内部は格子状となっている。また、がたつきを防止するため、本体部20の内部空間20aをほぼ塞ぐ形状となっている。そのため、両枠体8,8の接合部81では、特に太陽電池パネル7側の上部空間において、空気の流れが悪い構造となっている。
【0057】
従って、実施形態4に係る枠体8のように、下壁部31の奥壁部33側の縁部に、奥壁部33の背面側に沿って上方に突出した凹溝部31bを設けることで、この部分を通じて両枠体8,8の両本体部20,20間を空気が移動可能となる。さらに、実施の形態4では、下壁部31に下方に凹んだ溜まり凹部31aを設けることで、この溜まり凹部31aより先端縁部側の下壁部31の下面とL字アングル41との間にも隙間Sb(
図13参照)ができる。これにより、この隙間Sbを通じても、両本体部20,20間を空気が移動可能となる。
【0058】
従って、実施形態4に係る太陽電池モジュール5によれば、両枠体8,8の接合部81において、本体部20の内部空間、特に嵌合部30側の内部空間の空気の流れを確保することができ、この部分の換気(空気循環)を促進することができる。
【0059】
<太陽電池モジュールの実施形態5>
図14及び
図15は、実施形態5に係る太陽電池モジュール5の枠体8に取り付けられるサポート部材50の構成を示す端面図及び斜視図、
図16は、サポート部材50を太陽電池モジュール5の裏面側に取り付ける状態を示す斜視図、
図17は、サポート部材50を太陽電池モジュール5の裏面側に取り付ける状態を示す一部拡大して示す斜視図、
図18は、サポート部材50を太陽電池モジュール5の裏面側に取り付けた状態の断面図である。
図16乃至
図18は、いずれも太陽電池モジュール5の受光面側を下に向けた状態(すなわち、裏面側を上に向けた状態)で図示している。
【0060】
サポート部材50は、太陽電池パネル7の裏面側を補強するものであり、4つの枠体8のうち対向する何れか2つの枠体8,8(ここでは、
図16に示すように長辺側の枠体8,8)の間に設けられている。
【0061】
図14及び
図15に示すように、サポート部材50は、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金製の部材であり、押出成形により形成され、長手方向において同じ断面形状を有する長尺部材とされている。
【0062】
このサポート部材50は、太陽電池パネル7の裏面側を支持する上側水平板51、下側水平板52及び両水平板を支持する垂直支持板53を主な構成部材としてH型に形成されており、下側水平板52の両端部には、垂直支持板53から外れた位置にネジを通すためのネジ孔52aがそれぞれ1箇所形成されている。両端部の2つのネジ孔52a,52aは、垂直支持板53を介して反対側に設けられている。このネジ孔52aは、枠体8の底板部25に形成された雌ネジ孔25aに対応して設けられている。
【0063】
また、下側水平板52の下面には、垂直支持板53との連結部に沿って垂直補強板54が形成されており、垂直補強板54の先端部に水平補強板55が形成されている。すなわち、サポート部材50には、太陽電池パネル7の重みが垂直支持板53に集中的にかかるため、この部分に補強用のリブ片として垂直補強板54と水平補強板55とをT字状に形成することで、サポート部材50としての強度を確保している。
【0064】
上側水平板51の長手方向の長さL1は、対向する2つの枠体8,8の底板部25,25間の幅W1より若干短くなるように形成されており、下側水平板52及び垂直支持板53の長手方向の長さL2は、対向する2つの枠体8,8の底板部25,25間の幅W1より長く、かつ、対向する2つの枠体8,8の内壁部23,23間の幅W2より短くなるように形成されている。
【0065】
すなわち、主に
図18に示すように、上側水平板51の長手方向の長さL1は、下側水平板52及び垂直支持板53の長手方向の長さL2に比べ、その両端で枠体8の底板部25に設けられた切り込み部25bの長さにほぼ対応する長さ分だけ短くなっている。
【0066】
また、垂直補強板54及び水平補強板55の長手方向の長さL3は、上側水平板51の長手方向の長さL1より短くなっている。また、水平補強板55の幅も、上側水平板51や下側水平板52の幅に比べて十分小さくなっている。
【0067】
このような構成のサポート部材50は、垂直支持板53の端部53aが枠体8の底板部25に形成された切り込み部25bに挿入された状態で、下側水平板52の長手方向の端部52bが枠体8の底板部25の裏面に重ねられる。そして、この状態において、サポート部材50の下側水平板52に雄ネジ部材59を挿通し、底板部25の雌ネジ孔25aに螺合(固定)することで、サポート部材50が枠体8に接合されるようになっている。
【0068】
この場合、サポート部材50は、垂直支持板53が枠体8の底板部25に設けられた切り込み部25bに挿入された状態で支持されるため、横方向のがたつきが防止されている。そのため、ネジ固定部は、サポート部材50の各端部に1箇所のみでも、十分に強度が確保されている。
【0069】
なお、実施形態1では、オプション部材として雪止め具6を例示しているが、オプション部材はこれに限定されるものではない。例えば、太陽電池モジュール5を屋根や架台に設置するときの固定具のようなものも、本発明に係るオプション部材として例示することができる。また、このような雪止め具や固定具以外にも、太陽電池モジュールの枠体を利用して取り付けることのできる部材は全て本発明に係るオプション部材である。
【0070】
また、本発明では、太陽電池パネルの縁部と枠部材の嵌合部とが接着部材によって接着固定された構造の太陽電池モジュールを前提としているが、太陽電池モジュールの構成は必ずしもこのような構成のみに限定されるものではない。すなわち、太陽電池パネルの縁部と枠部材の嵌合部との間に止水用のゴム部材を介挿する構造の太陽電池モジュールであっても、本発明の構成を適用することが可能である。
【0071】
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲に示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。