【課題を解決するための手段】
【0003】
この目的は、独立請求項1の主題によって達成される。有利な実施形態および改善点は、従属請求項の主題にある。
【0004】
本開示の一態様は、ハウジングを含む薬物送達デバイス用のアセンブリに関する。ハウジングは主軸を含むことができる。アセンブリは、クリッカ部材をさらに含む。クリッカ部材は、ハウジングに対して回転方向にロックされる。クリッカ部材は、好ましくは、ある限度内でのみ、ハウジングに対して軸方向に動くことができる。主軸は、ハウジングの長手方向軸であってよい。アセンブリは、クラッチ機能を含むクラッチ部材をさらに含む。クラッチ機能は、回転可能であることが好ましい。クラッチ機能は、例えばアセンブリまたは薬物送達デバイスのさらなるクラッチ部材と相互作用するように構成される。アセンブリは、クリッカ機構を形成するようにクリッカ部材と相互作用するように構成される逆クリッカ(counter clicker)をさらに含む。
【0005】
アセンブリは、さらに、クラッチ部材が第1の位置と第1の位置とは異なる第2の位置との間でハウジングに対して軸方向に動くことができるように構成される。第1の位置は、アセンブリまたは薬物送達デバイスの使用者が薬物の用量を設定することができる、クラッチ部材の位置に関係することができる。第2の位置は、アセンブリまたは薬物送達デバイスから用量が実際に投薬されるまたは用量が投薬された後の、クラッチ部材の位置に関係することができる。クラッチ部材の第1の位置および第2の位置は、ハウジングに対するクラッチ部材の異なる軸方向位置に関係することができる。
【0006】
アセンブリは、クリッカ部材とクラッチ部材との間に配置されるばね要素をさらに含む。ばね要素は、クリッカ部材とクラッチ部材との間に保持される。ばね要素は、クラッチ部材を第1の位置の方に向かってクリッカ部材から遠ざけるように動かすように配置される。
【0007】
アセンブリは、クラッチ部材が第1の位置にあるときは、クラッチ部材がクリッカ部材に対して回転され、逆クリッカがクリッカ部材に対して回転してクリッキング動作が実施され、クラッチ部材が第2の位置にあるときは、クリッカ部材に対するクラッチ部材の回転およびそれと共にクリッカ部材に対する逆クリッカの回転が阻止されてクリッキング動作が実施されないように構成される。
【0008】
有利には、提供されるアセンブリの概念によって、例えばハウジングに対する、ばね要素の固定に関する問題を回避することができる。例えば、例えば使用者によるアセンブリまたはデバイスの不適当な操作(maloperation)中にクラッチ部材に大きな力またはトルクが加えられたとき、アセンブリの構成要素がその支承部または固定状態から引き出されることを回避することができる。したがって、特に頑強な設計を提供することが可能である。さらに、提供される設計は、薬物送達デバイスが機能するのに欠かせないクラッチの機能性に適合する(以下参照)。
【0009】
一実施形態では、クリッカ部材は、クラッチ部材が第1の位置にあるとき、クリッカ機構を形成するように逆クリッカと相互作用するように構成されるクリッカ機能を含む。
【0010】
一態様は、アセンブリを含む薬物送達デバイスに関する。
【0011】
クリッカ機構は、好ましくは、設定用クリッカ機構(setting clicker mechanism)、すなわち、例えばアセンブリおよび/または薬物送達デバイスの用量設定操作中に動作されるクリッカ機構である。
【0012】
一実施形態では、クリッカ機構は、クラッチ部材が第1の位置にあり、クラッチ部材がハウジングに対して回転されるとき、使用者に可聴的かつ/または触覚的なフィードバックを提供するように配置される。
【0013】
一実施形態では、クリッカ部材および/またはクラッチ部材は、スリーブ様に構成される。有利には、クラッチ部材およびクリッカ部材は、アセンブリのハウジング内で案内され、したがって、クリッカ機構およびクラッチ係合部が頑強に具現化される(以下参照)。
【0014】
一実施形態では、アセンブリは、さらなるクラッチ部材を含む。アセンブリは、クラッチ部材が第1の位置にあるとき、クラッチ機能とさらなるクラッチ部材との間に確立することができるクラッチ係合部が係合され、クラッチ部材が第2の位置にあるとき、クラッチ係合部が解放されるように構成される。例えば、クラッチ係合部は、クラッチ部材とさらなるクラッチ部材との間に回転ロッキングを形成するように構成される。有利には、クラッチ部材と前記構成要素との間の相対的な回転が阻止され、その一方でこの回転および/または回転阻止は、アセンブリおよび/または薬物送達デバイスの動作に欠かせない。
【0015】
一実施形態では、アセンブリは、クリッカ機構に加えて、フィードバック部材を含むフィードバック機構を含む。アセンブリは、クラッチ部材の第2の位置ではフィードバック機構が動作可能であり、それによりフィードバック部材がクラッチ部材にトルクを及ぼすように構成される。アセンブリは、好ましくは、クラッチ部材が第2の位置にあるとき、フィードバック機構が自動的に動作し、好ましくは薬物の用量の投薬中に、アセンブリおよび/または薬物送達デバイスの使用者に可聴的かつ/または触覚的なフィードバックをもたらすように構成される。フィードバック部材は、用量ダイヤルスリーブまたはあらゆる他の構成要素であってよい。
【0016】
一実施形態では、フィードバック部材は、さらなるクラッチ部材であり、アセンブリは、クラッチ部材が第2の位置にあるとき、トルクがクリッカ部材とクラッチ部材の相対的な回転運動に影響を及ぼさないほど小さいように構成される。この実施形態の利点としては、クラッチ部材が第2の位置にあるとき、クリッカ部材とクラッチ部材をフィードバック機構によって軸方向に分けなくてもよい。
【0017】
一実施形態では、クリッカ機能および逆クリッカ機能は、クリッカ部材および逆クリッカを含む構成要素の円周周りに間隔を置いて配置される歯をそれぞれ含む、または構築する。この実施形態によれば、クリッカ部材と逆クリッカの相対的な回転が、少なくとも部分的に、クリッカ部材または逆クリッカのそれぞれの他方の構成要素に対する軸方向運動に変換されることが達成される。一般に、クリッカ機構は、このように簡単に具現化することができる。
【0018】
一実施形態では、クリッカ機構は、クラッチ部材が第1の位置にあるときだけ動作または起動されるように構成される。
【0019】
一実施形態では、アセンブリは、アセンブリのピストンロッドに連結される駆動スリーブを含む。駆動スリーブは、さらに、クラッチ部材に対して回転方向にロックされる。駆動スリーブおよび/またはピストンロッドは、薬物送達デバイスの駆動スリーブおよびピストンロッドをそれぞれ構築することができる。駆動スリーブは、さらに、クラッチ部材に対して回転方向にロックされる。アセンブリが薬物送達デバイス内に適用される場合、この実施形態が特に適当である。
【0020】
一実施形態では、駆動スリーブは、クリッカ部材およびクラッチ部材を通って延びる。薬物送達デバイスの頑強な機能性は、この実施形態に従って最も簡単に達成することができる。というのも、駆動部材は、クラッチ部材および/またはクリッカ部材の軸方向延長部の先にある、アセンブリまたは薬物送達デバイスのさらに別の構成要素との相互作用に必要とされるからである。
【0021】
一実施形態では、クリッカ部材は、ハウジングに対して回転方向に固定される。逆クリッカは、クラッチ部材が第1の位置においてクリッカ部材に対して回転されるときに、逆クリッカおよびクラッチ部材が同速度で回転するようにクラッチ部材に連結される。
【0022】
一実施形態では、逆クリッカは、駆動スリーブによってもたらされ、アセンブリは、クリッカ機能および逆クリッカ機能が互いに向かい合って配置されるように構成される。この実施形態によって、好都合には、クリッカ機構を形成するために、逆クリッカとクリッカ部材との間の相互作用が可能になる。
【0023】
一実施形態では、クリッカ部材およびクラッチ部材は、クラッチ部材が第2の位置にあるとき、クリッカ部材およびクラッチ部材を回転方向にロックするのに適した継手を介して相互作用するように構成される。クリッカ部材とクラッチ部材の回転ロッキングは、クラッチ部材が第2に位置にあるとき、フィードバック機能によってクラッチ部材に及ぼされる上述したトルクがクラッチ部材とクリッカ部材を相対的に回転させようとすることがあるので、有利であり得る。前記回転は、要するに、前記継手によって回避可能である。
【0024】
一実施形態では、アセンブリは、クリッカ機構の動作中、クリッカ部材およびクラッチ部材が制限された状態で互いに対して軸方向に動かされ、クラッチ部材が第1の位置にあるとき、クリッカ部材がクラッチ部材に対して動かされるまたはその逆による動きの軸方向距離が、クラッチ部材の第1の位置と第2の位置との間の軸方向距離よりも小さいように構成される。この実施形態によれば、好都合には、クリッカ機構の動作中における上述の継手の解放を防ぐことができる。
【0025】
一実施形態では、逆クリッカは、クラッチ部材によってもたらされ、アセンブリは、クリッカ機能および逆クリッカ機能が互いに向かい合って配置されるように構成される。この実施形態によって、好都合には、クリッカ機構を形成するために逆クリッカとクリッカ機能との間の相互作用が可能になる。
【0026】
クリッカ部材とクラッチ部材との間の上述した相対的な軸方向運動の間、ばね要素は、例えばクリッカ機能の歯と逆クリッカの歯が互いに上を動くまたは通過するときに、付勢または弛緩されることが好ましい。
【0027】
本明細書で使用する用語「薬物」は、好ましくは少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで、一実施形態において、薬学的に活性な化合物は、最大1500Daまでの分子量を有し、および/または、ペプチド、タンパク質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、酵素、抗体もしくはそのフラグメント、ホルモンもしくはオリゴヌクレオチド、または上述の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、または糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、がん、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症および/または関節リウマチの処置および/または予防に有用であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病または糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の処置および/または予防のための少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体もしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)もしくはその類似体もしくは誘導体、またはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4もしくはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4の類似体もしくは誘導体を含む。
【0028】
インスリン類似体は、例えば、Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3),Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28),Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;B28位におけるプロリンがAsp、Lys、Leu、Val、またはAlaで置き換えられており、B29位において、LysがProで置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、およびDes(B30)ヒトインスリンである。
【0029】
インスリン誘導体は、例えば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、およびB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0030】
エキセンジン−4は、例えば、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2配列のペプチドであるエキセンジン−4(1−39)を意味する。
【0031】
エキセンジン−4誘導体は、例えば、以下のリストの化合物:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);または
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
(ここで、基−Lys6−NH2が、エキセンジン−4誘導体のC−末端に結合していてもよい);
【0032】
または、以下の配列のエキセンジン−4誘導体:
desPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2(AVE0010)、
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desAsp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desMet(O)14,Asp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
または前述のいずれか1つのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物
から選択される。
【0033】
ホルモンは、例えば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(ソマトロピン)、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどの、Rote Liste、2008年版、50章に列挙されている脳下垂体ホルモンまたは視床下部ホルモンまたは調節性活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニストである。
【0034】
多糖類としては、例えば、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、もしくは超低分子量ヘパリン、またはそれらの誘導体、または上述の多糖類の硫酸化形態、例えば、ポリ硫酸化形態、および/または、薬学的に許容されるそれらの塩がある。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩の例としては、エノキサパリンナトリウムがある。
【0035】
抗体は、基本構造を共有する免疫グロブリンとしても知られている球状血漿タンパク質(約150kDa)である。これらは、アミノ酸残基に付加された糖鎖を有するので、糖タンパク質である。各抗体の基本的な機能単位は免疫グロブリン(Ig)単量体(1つのIg単位のみを含む)であり、分泌型抗体はまた、IgAなどの2つのIg単位を有する二量体、硬骨魚のIgMのような4つのIg単位を有する四量体、または哺乳動物のIgMのように5つのIg単位を有する五量体でもあり得る。
【0036】
Ig単量体は、4つのポリペプチド鎖、すなわち、システイン残基間のジスルフィド結合によって結合された2つの同一の重鎖および2本の同一の軽鎖から構成される「Y」字型の分子である。それぞれの重鎖は約440アミノ酸長であり、それぞれの軽鎖は約220アミノ酸長である。重鎖および軽鎖はそれぞれ、これらの折り畳み構造を安定化させる鎖内ジスルフィド結合を含む。それぞれの鎖は、Igドメインと呼ばれる構造ドメインから構成される。これらのドメインは約70〜110個のアミノ酸を含み、そのサイズおよび機能に基づいて異なるカテゴリー(例えば、可変すなわちV、および定常すなわちC)に分類される。これらは、2つのβシートが、保存されたシステインと他の荷電アミノ酸との間の相互作用によって一緒に保持される「サンドイッチ」形状を作り出す特徴的な免疫グロブリン折り畳み構造を有する。
【0037】
α、δ、ε、γおよびμで表される5種類の哺乳類Ig重鎖が存在する。存在する重鎖の種類により抗体のアイソタイプが定義され、これらの鎖はそれぞれ、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgM抗体中に見出される。
【0038】
異なる重鎖はサイズおよび組成が異なり、αおよびγは約450個のアミノ酸を含み、δは約500個のアミノ酸を含み、μおよびεは約550個のアミノ酸を有する。各重鎖は、2つの領域、すなわち定常領域(C
H)と可変領域(V
H)を有する。1つの種において、定常領域は、同じアイソタイプのすべての抗体で本質的に同一であるが、異なるアイソタイプの抗体では異なる。重鎖γ、α、およびδは、3つのタンデム型のIgドメインと、可撓性を加えるためのヒンジ領域とから構成される定常領域を有し、重鎖μおよびεは、4つの免疫グロブリン・ドメインから構成される定常領域を有する。重鎖の可変領域は、異なるB細胞によって産生された抗体では異なるが、単一B細胞またはB細胞クローンによって産生された抗体すべてについては同じである。各重鎖の可変領域は、約110アミノ酸長であり、単一のIgドメインから構成される。
【0039】
哺乳類では、λおよびκで表される2種類の免疫グロブリン軽鎖がある。軽鎖は2つの連続するドメイン、すなわち1つの定常ドメイン(CL)および1つの可変ドメイン(VL)を有する。軽鎖のおおよその長さは、211〜217個のアミノ酸である。各抗体は、常に同一である2本の軽鎖を有し、哺乳類の各抗体につき、軽鎖κまたはλの1つのタイプのみが存在する。
【0040】
すべての抗体の一般的な構造は非常に類似しているが、所与の抗体の固有の特性は、上記で詳述したように、可変(V)領域によって決定される。より具体的には、各軽鎖(VL)について3つおよび重鎖(HV)に3つの可変ループが、抗原との結合、すなわちその抗原特異性に関与する。これらのループは、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる。VHドメインおよびVLドメインの両方からのCDRが抗原結合部位に寄与するので、最終的な抗原特異性を決定するのは重鎖と軽鎖の組合せであり、どちらか単独ではない。
【0041】
「抗体フラグメント」は、上記で定義した少なくとも1つの抗原結合フラグメントを含み、そのフラグメントが由来する完全抗体と本質的に同じ機能および特異性を示す。パパインによる限定的なタンパク質消化は、Igプロトタイプを3つのフラグメントに切断する。1つの完全なL鎖および約半分のH鎖をそれぞれが含む2つの同一のアミノ末端フラグメントが、抗原結合フラグメント(Fab)である。サイズが同等であるが、鎖間ジスルフィド結合を有する両方の重鎖の半分の位置でカルボキシル末端を含む第3のフラグメントは、結晶可能なフラグメント(Fc)である。Fcは、炭水化物、相補結合部位、およびFcR結合部位を含む。限定的なペプシン消化により、Fab片とH−H鎖間ジスルフィド結合を含むヒンジ領域の両方を含む単一のF(ab’)2フラグメントが得られる。F(ab’)2は、抗原結合に対して二価である。F(ab’)2のジスルフィド結合は、Fab’を得るために切断することができる。さらに、重鎖および軽鎖の可変領域は、縮合して単鎖可変フラグメント(scFv)を形成することもできる。
【0042】
薬学的に許容される塩は、例えば、酸付加塩および塩基性塩である。酸付加塩としては、例えば、HClまたはHBr塩がある。塩基性塩は、例えば、アルカリまたはアルカリ土類、例えば、Na+、またはK+、またはCa2+から選択されるカチオン、または、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)(式中、R1〜R4は互いに独立に:水素、場合により置換されたC1〜C6アルキル基、場合により置換されたC2〜C6アルケニル基、場合により置換されたC6〜C10アリール基、または場合により置換されたC6〜C10ヘテロアリール基を意味する)を有する塩である。薬学的に許容される塩のさらなる例は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」17版、Alfonso R.Gennaro(編)、Mark Publishing Company、Easton、Pa.、U.S.A.、1985およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0043】
薬学的に許容される溶媒和物は、例えば、水和物である。
【0044】
本明細書において、様々な態様または実施形態と併せて上記および以下に述べられる特徴は、やはりまた、他の態様および実施形態に適用することができる。本開示の主題のさらなる特徴および有利な実施形態は、図面と併せて以下の例示的な実施形態の説明から明らかになろう。