(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記接着剤が、20から55μmの厚さ、及び、100mm/分でのT剥離試験で決定して3N/cm超、特に3から15N/cmの、布地、とりわけコットン、Lycra(登録商標)、ポリアミド又はポリエステルに対する接着性を有する、請求項2又は3に記載の感熱接着剤。
前記接着剤が、55から90μmの厚さ、及び、100mm/分でのT剥離試験で決定して5N/cm超、特に5から16N/cmの、布地、とりわけコットン及びLycra(登録商標)に対する接着性を有する、請求項2又は3に記載の感熱接着剤。
【発明の概要】
【0010】
よって、次の特性:
− しなやかさ又は柔軟性、
− 耐洗濯性、
− 実施の容易さ、
を同時に有し、経時により黄変せず、よって改善された美的外観を有し、かつ、最終的には、寒冷条件下において耐性及びしなやかさの特性を有する感熱接着剤が必要とされている。
【0011】
本出願人は、アミド単位とポリエーテル単位を有するコポリアミドであって、約90から約150℃の間、特に約100から約125℃の間の融点(Tf)を有し、ISO規格178(2010)に準拠して決定して100MPa未満の曲げ弾性率を有するコポリアミドを含む組成物を提供することによって、先行技術のさまざまな問題を解決した。
【0012】
記述において、Tf又はTmは区別なく用いられ、同じことを意味する。
【0013】
本発明は、組成物であって、全体が100%に等しくなるように、重量基準で:
− 98%から100%の、少なくとも1種類のコポリアミドであって、
アミド単位とポリエーテル単位を有し、
約90から約150℃、特に約100℃から約125℃の融点(Tm)を有し、
ISO規格178(2010)に準拠して決定して100MPa未満の曲げ弾性率を有し、
●前記アミド単位は、単位(A)、単位(B)及び単位(C)の縮合から生じる、次の構造:
(A)x/(B)y/(C)
を有し、式中:
x=0又は1、y=0又は1、及びx+y=1又は2であり、
A及びBは、少なくとも1種類のアミノ酸から得られる単位及び少なくとも1種類のラクタムから得られる単位から選択される脂肪族の繰り返し単位に対応するか、又は次の重縮合:
− 直鎖状又は分岐状の脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン及び芳香族ジアミン又はこれらの混合物から選択される、少なくとも1種類のジアミンと、
− 少なくとも1種類のジカルボン酸と
の重縮合から得られる単位X.Yに対応し、ここで、前記二酸が脂肪族二酸、脂環式二酸及び芳香族二酸から選択され、前記ジアミン及び前記二酸が4から36個の炭素原子、有利には6から18個の炭素原子を含み、
(C)は、C10以上、とりわけC11及びC12の、アミノ酸、ラクタム、又は単位X.Y、もしくはこれらの混合物から得られる長鎖脂肪族の繰り返し単位を表し、
(A)及び(B)は、これらが両方とも存在するときには互いに異なっており、(A)及び(B)は、これらが単独で又は一緒に存在するときには(C)とは異なっており、
●前記ポリエーテル単位は、とりわけ少なくとも1種類のポリアルキレンエーテルポリオール又はポリアルキレンエーテルポリアミンに由来し、とりわけポリアルキレンエーテルジオール又はポリアルキレンエーテルジアミンであり、ここで、ポリアルキレンエーテルジオールがポリエチレングリコールのとき、これは少なくとも1種類の他のポリアルキレンエーテルポリオール又はポリアルキレンエーテルポリアミンと組み合わされることを条件とする、
少なくとも1種類のコポリアミドと、
− 0から2%の、安定剤及び染料又はこれらの混合物から選択される少なくとも1種類の添加剤と、
を含む、感熱接着剤、特にベール、フィルム、顆粒、フィラメント、格子、粉末又は懸濁液の製造のための組成物に関する。
【0014】
本発明の目的では、用語「ポリアミド」(ホモポリアミド又はコポリアミド)は、ラクタム、アミノ酸及び/又は二酸と、ジアミンとの縮合の生成物を意味する。
【0015】
アミド単位に関して:
それは単位(A)、単位(B)及び単位(C)の縮合から生じる。
【0016】
(A)及び(B)は、アミノカルボン酸(アミノ酸としても知られる)、ラクタム、又は式X.Yに対応する単位であって、XがCaジアミンであり、YがCb二酸であり、(Caジアミン).(Cb二酸)とも称される単位から得られうる脂肪族の繰り返し単位に対応し、ここで、aはジアミン中の炭素原子の数を表し、bは二酸中の炭素原子の数を表し、a及びbはそれぞれ4から36個、有利には6から18個の炭素原子の範囲内にある。
【0017】
脂肪族の繰り返し単位がアミノ酸に由来する単位から得られるとき、脂肪族の繰り返し単位は、9−アミノノナン酸、10−アミノデカン酸、10−アミノウンデカン酸、11−アミノウンデカン酸及び12−アミノドデカン酸、並びにこれらの誘導体から選択されて差し支えなく、特にN−ヘプチル−11−アミノウンデカン酸である。
【0018】
脂肪族の繰り返し単位がラクタムに由来する単位から得られるとき、それは、ピロリジノン、2−ピペリジノン、カプロラクタム、エナントラクタム、カプリロラクタム、ペラルゴラクタム、デカノラクタム、ウンデカノラクタム及びラウリルラクタムから選択されうる。
【0019】
脂肪族の繰り返し単位が式(Caジアミン).(Cb二酸)に対応する単位に由来する単位から得られるとき、(Caジアミン)単位は、直鎖状又は分岐状の脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン及びアルキル芳香族ジアミンから選択される。
【0020】
ジアミンが式H
2N−(CH
2)a−NH
2の脂肪族かつ直鎖状のとき、(Caジアミン)モノマーは、ブタンジアミン(a=4)、ペンタンジアミン(a=5)、ヘキサンジアミン(a=6)、ヘプタンジアミン(a=7)、オクタンジアミン(a=8)、ノナンジアミン(a=9)、デカンジアミン(a=10)、ウンデカンジアミン(a=11)、ドデカンジアミン(a=12)、トリデカンジアミン(a=13)、テトラデカンジアミン(a=14)、ヘキサデカンジアミン(a=16)、オクタデカンジアミン(a=18)、オクタデセンジアミン(a=18)、エイコサンジアミン(a=20)、ドコサンジアミン(a=22)及び脂肪酸から得られるジアミンから優先的に選択される。
【0021】
ジアミンが脂肪族及び分岐状であるとき、ジアミンは、主鎖上に1つ以上のメチル又はエチル置換基を含みうる。例えば、(Caジアミン)モノマーは、有利には、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、1,3−ジアミノペンタン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン及び2−メチル−1,8−オクタンジアミンから選択されうる。
【0022】
(Caジアミン)モノマーが脂環式のとき、それは、ピペラジン、アミノアルキルピペラジン、ビス(3,5−ジアルキル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3,5−ジアルキル−4−アミノシクロヘキシル)エタン、ビス(3,5−ジアルキル−4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(3,5−ジアルキル−4−アミノシクロヘキシル)ブタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン(BMACM又はMACM)、p−ビス(アミノシクロヘキシル)メタン(PACM)及びイソプロピリデンジ(シクロヘキシルアミン)(PACP)から優先的に選択される。それはまた、次の炭素骨格:ノルボルニルメタン、シクロヘキシルメタン、ジシクロヘキシルプロパン、ジ(メチルシクロヘキシル)、ジ(メチルシクロヘキシル)プロパンを含みうる。完全に網羅しているわけではないが、これらの脂環式ジアミンのリストは、刊行物である"Cycloaliphatic Amines" (Encyclopaediaof Chemical Technology, Kirk-Othmer, 4th Edition (1992), pp. 386-405)に示されている。
【0023】
(Caジアミン)モノマーがアルキル芳香族のとき、それは1,3−キシリレンジアミン及び1,4−キシリレンジアミンから優先的に選択される。
【0024】
繰り返し単位が式(Caジアミン).(Cb二酸)に対応する単位のとき、(Cb二酸)単位は、直鎖状又は分岐状の脂肪族二酸、脂環式二酸及び芳香族二酸から選択される。
【0025】
(Cb二酸)モノマーが脂肪族かつ直鎖状であるとき、それは、コハク酸(b=4)、ペンタン二酸(b=5)、アジピン酸(b=6)、ヘプタン二酸(b=7)、オクタン二酸(b=8)、アゼライン酸(b=9)、セバシン酸(b=10)、ウンデカン二酸(b=11)、ドデカン二酸(b=12)、ブラシル酸(b=13)、テトラデカン二酸(b=14)、ヘキサデカン二酸(b=16)、オクタデカン二酸(b=18)、オクタデセン二酸(b=18)、エイコサン二酸(b=20)及びドコサン二酸(b=22)から優先的に選択される。
【0026】
上述の脂肪酸二量体は、とりわけ欧州特許第0471566号に記載されるように、炭化水素をベースとする長鎖(例えばリノール酸及びオレイン酸など)を有する不飽和一塩基性脂肪酸のオリゴマー化又は重合によって得られる二量体化脂肪酸である。
【0027】
二酸が脂環式のとき、それは次の炭素骨格:ノルボルニルメタン、シクロヘキシルメタン、ジシクロヘキシルメタン、ジシクロヘキシルプロパン、ジ(メチルシクロヘキシル)、ジ(メチルシクロヘキシル)プロパンを含みうる。
【0028】
二酸が芳香族のとき、それはテレフタル酸(Tで表す)、イソフタル酸(Iで表す)及びナフテン二酸から優先的に選択され、特にイソフタル酸である。
【0029】
各脂肪族の繰り返し単位(A)及び(B)はポリアミドを形成する。
【0030】
(A)と(B)がアミド単位とポリエーテル単位を有するコポリアミド中に同時に存在する場合、ポリアミド(A)と(B)は互いに異なっている。
【0031】
さらに特に好ましい方式では、ポリアミドは、唯一のアミノカルボン酸、唯一のラクタム又は唯一の単位X.Yから得られる。
【0032】
しかしながら、このポリアミドを生成するためには、2種類以上のアミノカルボン酸の混合物、2種類以上のラクタムの混合物のみならず、1種、2種又はそれ以上のアミノカルボン酸と1種、2種又はそれ以上のラクタムとの混合物の使用も完全に想定されうる。
【0033】
(C)は、特にC10以上、とりわけC11及びC12の、アミノ酸、ラクタム、又は、単位X.Y、もしくはこれらの混合物から得られる、長鎖脂肪族の繰り返し単位を表す。
【0034】
各脂肪族の繰り返し単位(C)はポリアミドを形成する。
【0035】
ホモポリアミドとコポリアミドは、アミド基(−CO−NH−)と同数の窒素原子が存在することを所与として、窒素原子あたりのそれらの炭素原子の数によって区別される。
【0036】
用語「長鎖ポリアミド」とは、窒素原子あたりの炭素数が10以上であるポリアミドを意味するものと解されるべきである。
【0037】
PA−X.Y型のホモポリアミドの場合には、窒素原子あたりの炭素原子の数は、単位X内の炭素数と単位Y内の炭素数の平均である。そのため、形成されるポリアミドX.Yが10以上の平均炭素数を有するならば、単位X又はYは10未満の炭素数を有しうる。
【0038】
有利には、組成物中に存在するポリアミドは、脂肪族ポリアミド、とりわけポリアミドX.Y、特に、PA 11、PA 12、PA 10.10、PA 10.12、PA 6.14又はPA 12.12などの長鎖ポリアミドであり;特に、ポリアミドはPA11及びPA12から選択される。
【0039】
(A)及び(B)がアミド単位とポリエーテル単位を有するコポリアミド中に存在する場合には、ポリアミド(A)及び(B)の各々は(C)とも異なっている。
【0040】
よって、式(A)x/(B)y/(C)は、次の3つの式に対応しうる:
y=0のとき、(A)/(C)
x=0のとき、(B)/(C)
x及びy=1のとき、(A)/(B)/(C)。
【0041】
一実施態様では、x及びy=1のとき、式A/B/Cの構造は、次の構造(S)nのうちの1つに対応する:
L
A、L
B及びL
Cは、それぞれ、上記A、B及びCについて定義されたラクタムを意味し、
AA
A、AA
B及びAA
Cは、それぞれ、上記A、B及びCについて定義されたアミノ酸を意味し、
X.Y
A、X.Y
B及びX.Y
Cは、それぞれ、上記A、B及びCについて定義された単位X.Yを意味する。有利には、X.Y
A、X.Y
B及びX.Y
Cのうちの少なくとも1つは脂肪族ジアミンと脂肪族二酸、又はピペラジンと脂肪族二酸で構成され、有利には、X.Y
A、X.Y
B及びX.Y
Cのうちの少なくとも2つが脂肪族ジアミンと脂肪族二酸、又はピペラジンと脂肪族二酸で構成される。
【0042】
別の実施態様では、x及びy=1のとき、式A/B/Cの構造は、次の構造(S)nのうちの1つに対応する:
L
A、L
B及びL
Cは、それぞれ、上記A、B及びCについて定義されたラクタムを意味し、
AA
A、AA
B及びAA
Cは、それぞれ、上記A、B及びCについて定義されたアミノ酸を意味し、
X.Y
A、X.Y
B及びX.Y
Cは、それぞれ、上記A、B及びCについて定義された単位X.Yを意味する。
【0043】
一実施態様では、y=0のとき、式A/Cの構造は次の構造(S)nのうちの1つに対応する:
L
A及びL
Cは、それぞれ、上記A及びCについて定義されたラクタムを意味し、
AA
A及びAA
Cは、それぞれ、上記A及びCについて定義されたアミノ酸を意味し、
X.Y
A及びX.Y
Cは、それぞれ、上記A及びCについて定義された単位X.Yを意味する。有利には、X.Y
A及びX.Y
Cのうちの少なくとも1つは、脂肪族ジアミンと脂肪族二酸、又はピペラジンと脂肪族二酸で構成される。
【0044】
別の実施態様では、y=0のとき、式A/Cの構造は次の構造(S)nのうちの1つに対応する:
L
A及びL
Cは、それぞれ、上記A及びCについて定義されたラクタムを意味し、
AA
A及びAA
Cは、それぞれ、上記A及びCについて定義されたアミノ酸を意味し、
X.Y
A及びX.Y
Cは、それぞれ、上記A及びCについて定義された単位X.Yを意味する。有利には、X.Y
A及びX.Y
Cのうちの少なくとも1つは、脂肪族ジアミンと脂肪族二酸、又はピペラジンと脂肪族二酸で構成される。
【0045】
一実施態様では、x=0のとき、式A/Bの構造は次の構造(S)nのうちの1つに対応する:
L
A及びL
Bは、それぞれ、上記A及びBについて定義されたラクタムを意味し、
AA
A及びAA
Bは、それぞれ、上記A及びBについて定義されたアミノ酸を意味し、
X.YA及びX.YBは、それぞれ、上記A及びBについて定義された単位X.Yを意味する。有利には、X.Y
A及びX.Y
Bのうちの少なくとも1つは、脂肪族ジアミンと脂肪族二酸、又はピペラジンと脂肪族二酸で構成される。
【0046】
別の実施態様では、x=0のとき、式A/Bの構造は次の構造(S)nのうちの1つに対応する:
L
A及びL
Bは、それぞれ、上記A及びBについて定義されたラクタムを意味し、
AA
A及びAA
Bは、それぞれ、上記A及びBについて定義されたアミノ酸を意味し、
X.Y
A及びX.Y
Bは、それぞれ、上記A及びBについて定義された単位X.Yを意味する。有利には、X.Y
A及びX.Y
Bのうちの少なくとも1つは、脂肪族ジアミンと脂肪族二酸、又はピペラジンと脂肪族二酸で構成される。
【0047】
ポリエーテル単位に関して:
ポリエーテル単位は、とりわけ次のような反応性末端を有するポリエーテルブロックに対応しうる:
1)ジカルボン酸鎖末端を有するポリオキシアルキレンブロック。
2)ポリアルキレンエーテルジオール(ポリエーテルジオール)として知られるα−ωジヒドロキシル化脂肪族ポリオキシアルキレンブロックのシアノエチル化及び水素化によって得られる、ジアミン鎖末端を有するポリオキシアルキレンブロック。
3)ポリオキシアルキレンエーテルポリオール(又はポリアルキレンエーテルポリオール)、とりわけポリエーテルジオールとしても知られるポリアルキレンエーテルジオール。
【0048】
よって、アミド単位とポリエーテル単位を有するコポリアミドは、次の縮合の生成物に対応しうる:
1)ジアミン鎖末端を有するポリアミドブロックと、ジカルボン酸鎖末端を有するポリオキシアルキレンブロックとの縮合、
2)上記定義された、ジカルボン酸鎖末端を有するポリアミドブロックと、ジアミン鎖末端を有するポリオキシアルキレンブロック(又はポリアルキレンエーテルポリアミン)との縮合、
3)ジカルボン酸鎖末端を有するポリアミドブロックと、ポリエーテルジオールとの縮合。この特定の事例では、生成物はポリエーテルエステルアミドである。
【0049】
ジカルボキシル鎖末端を有するポリアミドブロックは、例えば、連鎖制限ジカルボン酸の存在下でのポリアミド前駆体の縮合に由来する。
【0050】
ジアミン鎖末端を有するポリアミドブロックは、例えば連鎖制限ジアミンの存在下でのポリアミド前駆体の縮合に由来する。
【0051】
ポリアミドブロックとポリエーテルブロックとを有するポリマーはまた、ランダムに分布した単位を含みうる。これらのポリマーは、ポリエーテル単位と、アミド単位の前駆体との並発反応によって調製されうる。
【0052】
例えば、ポリエーテルジオール、ポリアミド前駆体及び連鎖制限二酸が反応しうる。非常に可変長のポリアミドブロック及びポリエーテルブロックを本質的に有するポリマーが得られるが、ポリマー鎖に沿ってランダムに(統計学的に)分布した、ランダムに反応したさまざまな試薬もまた得られる。
【0053】
ポリエーテルジアミン、ポリアミド前駆体及び連鎖制限二酸もまた反応しうる。非常に可変長のポリアミドブロック及びポリエーテルブロックを本質的に有するポリマーが得られるが、ポリマー鎖に沿ってランダムに(統計学的に)分布した、ランダムに反応したさまざまな試薬もまた得られる。
【0054】
アミド単位とポリエーテル単位を有するコポリアミドは、次の方法:
− 第1の工程において、アミド単位を:
○(1種又は複数種の)ジアミンと;
○(1種類又は複数種の)ジカルボン酸と;
適切な場合には、ラクタム及びα−ωアミノカルボン酸から選択される(1種又は複数種の)コモノマーと;を
○ジカルボン酸から選択される連鎖制限剤の存在下で、重縮合することによって調製し;次に
− 第2の工程において、得られたアミド単位をポリエーテル単位と、触媒の存在下で反応させる、各工程を経て調製されうる。
【0055】
本発明のコポリマーを2工程で調製する一般的な方法は公知であり、例えば仏国特許発明第2846332号及び欧州特許第1482011号に記載されている。
【0056】
アミド単位を形成する反応は、通常、180から300℃の間、好ましくは200から290℃で生じ、反応槽内の圧力は5から30バールの間に設定され、約2から3時間、維持される。反応槽を大気圧下に置くことによって圧力をゆっくりと下げ、次に過剰の水を、例えば1又は2時間にわたって留去する。
【0057】
カルボン酸末端を有するポリアミドが調製されると、次にポリエーテルと触媒が添加される。ポリエーテルは1回又はそれ以上に分けて添加して差し支えなく、触媒についても同様である。有利な形態によれば、ポリエーテルが最初に添加され、ポリエーテルのOH末端基とポリアミドのCOOH末端基との反応が始まって、エステル結合が形成され、水が脱離(removal)される。可能な限り多くの水が蒸留によって反応媒体から除去され、次に、ポリアミドブロックとポリエーテルブロックとの結合を完了させるため触媒が導入される。この第2工程は、攪拌下、好ましくは少なくとも15mmHg(2000Pa)の真空下、試薬と得られたコポリマーとが溶融形態になるような温度で行われる。例として、この温度は100から400℃の間、通常は200から300℃の間でありうる。反応は、スターラー上での溶融ポリマーがもたらすトルクを測定しながら、又はスターラーの消費電力を測定しながら継続される。反応の終了は、トルク値又は目標電力値によって決定される。
【0058】
抗酸化物質として用いられる1種類以上の分子、例えば、Irganox(登録商標)1010又はIrganox(登録商標)245もまた、合成の間に、最も適切であると判断される時点で添加されうる。
【0059】
コポリアミドの調製方法は、モノマーをすべて最初に加えて、すなわち単一工程で:
− (1種又は複数種の)ジアミンと;
− (1種又は複数種の)ジカルボン酸と;
− 適切な場合には、(1種又は複数種の)他のポリアミドコモノマーと;の重縮合を、
− ジカルボン酸から選択される連鎖制限剤の存在下;
− ポリエーテル単位の存在下;
− アミド単位とアミド単位との反応のための触媒の存在下で行われるように配慮されうる。
【0060】
有利には、前記ジカルボン酸は、化学量論の(1種又は複数種の)ジアミンに対して過剰に導入される、連鎖制限剤として使用される。
【0061】
有利には、使用される触媒は、チタン、ジルコニウム及びハフニウムによって形成される群から選択される金属の誘導体、又はリン酸、次亜リン酸又はホウ酸などの強酸の誘導体である。
【0062】
重縮合は、240から280℃の温度で行われうる。
【0063】
ポリエーテル単位は単独で用いられてもよいが、その場合、PEGに対応できず、あるいは、ポリエーテル単位は、1種類以上の他のポリエーテルとの混合物として用いられてもよく、その場合には、PEGが使用されうる。
【0064】
有利には、ポリエーテル単位は疎水性である。
【0065】
よって、本発明のコポリアミドは次の構造を有しうる:
y=0のとき、(A)/(C)/ポリエーテル
x=0のとき、(B)/(C)/ポリエーテル
x及びy=1のとき、(A)/(B)/(C)/ポリエーテル。
【0066】
有利には、ポリエーテルは、PPG、PTMG又はPEG−PPG混合物、主にPPG又はPTMGブロックを有するElastamine(登録商標)及びJeffamine(登録商標)から選択される。
【0067】
一実施態様では、本発明のコポリアミドは次の構造のうち1つを有する:
Sn−ポリエーテル(nは1から67である)。
【0068】
有利には、Sn−ポリエーテル構造のポリエーテルは、PPG、PTMG又はPEG−PPG混合物、主にPPG又はPTMGブロックを有するElastamine(登録商標)及びJeffamine(登録商標)から選択される。
【0069】
添加剤に関して:
添加剤は、安定剤及び染料から選択される。
【0070】
例として、安定剤は、UV安定剤、有機安定剤、又は、より一般的には、例えば、フェノール系抗酸化物質(例えばCiba−BASF社によるIrganox(登録商標)245又は1098又は1010などのタイプ)、ホスファイト系抗酸化物質(例えば、Ciba−BASF社によるIrgaphos(登録商標)126)などの有機安定剤と、さらに任意選択的に、例えばヒンダードアミン光安定剤を意味するHALS製品(例えば、Ciba−BASF社によるTinuvin(登録商標)770)、抗UV剤(例えば、Ciba社によるTinuvin(登録商標)312)、又はリン系安定剤などの他の安定剤との組合せでありうる。酸化防止剤としては、例えばCrompton社によるNaugard(登録商標)445などのアミン型、又は代替的に、例えばClariant社によるNylostab S−EED(登録商標)などの多官能性安定剤もまた使用されうる。
【0071】
この安定剤はまた、銅をベースとした安定剤などのミネラル安定剤であってもよい。このようなミネラル安定剤の例としては、ハロゲン化銅及び酢酸銅が挙げられうる。因みに、銀などの他の金属も任意選択的に考慮されうるが、それらは効果が小さいことが知られている。これらの銅をベースとした化合物は、典型的には、ハロゲン化アルカリ金属、特にハロゲン化カリウムと組み合わせられる。
【0072】
好ましくは、染料は、組成物の全重量に対して、0から1.5重量%、とりわけ0.5重量%から1重量%の割合で存在する。好ましくは、安定剤は、組成物の全重量に対して、0から2重量%、とりわけ0.5重量%から1重量%の割合で存在する。
【0073】
有利には、本発明の組成物は、可塑剤、とりわけBBSAを含まない。
【0074】
一実施態様によれば、本発明の組成物は添加剤を含まず、上記定義された本発明のコポリアミドの1つに対応する:
y=0のとき、(A)/(C)/ポリエーテル
x=0のとき、(B)/(C)/ポリエーテル
x及びy=1のとき、(A)/(B)/(C)/ポリエーテル。
【0075】
有利には、ポリエーテルは、PPG、PTMG又はPEG−PPG混合物、主にPPG又はPTMGブロックを有するElastamine(登録商標)及びJeffamine(登録商標)から選択される。
【0076】
一実施態様では、添加剤を含まない本発明の組成物中の前記コポリアミドは、次の構造のうちの1つに対応する:
Sn−ポリエーテル(nは1から67である)。
【0077】
有利には、Sn−ポリエーテル構造のポリエーテルは、PPG、PTMG又はPEG−PPG混合物、主にPPG又はPTMGブロックを有するElastamine(登録商標)及びJeffamine(登録商標)から選択される。
【0078】
一実施態様では、本発明の組成物は少なくとも1種類の添加剤を含み、前記添加剤は最大2%まで、有利には最大1.5%まで及びさらに有利には最大1%までの割合で存在する。
【0079】
次に、本発明の組成物は、上記定義された本発明のコポリアミドの1つと少なくとも1種類の添加剤を含むものに対応する:
(A)/(C)/ポリエーテル+少なくとも1種類の添加剤
(B)/(C)/ポリエーテル+少なくとも1種類の添加剤
(A)/(B)/(C)/ポリエーテル+少なくとも1種類の添加剤。
【0080】
有利には、ポリエーテルは、PPG、PTMG又はPEG PPG混合物、主にPPG又はPTMGブロックを有するElastamine(登録商標)及びJeffamine(登録商標)から選択される。
【0081】
一実施態様では、本発明の組成物は、上記定義された本発明のコポリアミドの1つに、次の構造を有する少なくとも1種類の添加剤を加えたものに対応する:
Sn−ポリエーテル+少なくとも1種類の添加剤(nは1から67である)。
【0082】
有利には、Sn−ポリエーテル構造のポリエーテルは、PPG、PTMG又はPEG−PPG混合物、主にPPG又はPTMGブロックを有するElastamine(登録商標)及びJeffamine(登録商標)から選択される。
【0083】
よって、本出願人は、少なくとも2種類のポリアミドからなるコポリアミドであって、その少なくとも1種類が長鎖ポリアミドであり、かつ、ポリエーテル単位、とりわけ疎水性のポリエーテル単位を含むコポリアミドが、Tmが約90から約150℃、特に約100℃から約125℃であり、かつ、曲げ弾性率が100Mpa未満である組成物を得ることを可能にし、よって、耐洗濯性、実施性、寒冷条件下での耐性及びしなやかさの観点から非常に良好な特性を有する、感熱接着剤であって、先行技術の製品、とりわけTPUと比較した場合に経時によって黄変せず、よって、縫い目のない布地、とりわけタイツ、ストッキング又は衣類の製造を可能にし、縫い目を有する同一の製品と比較した場合に、より着心地が良く、改善された美的外観を有する感熱接着剤の製造を可能にすることを、完全に予想の範囲を超えて見出した。
【0084】
有利には、本発明の組成物の曲げ弾性率は、約10から約80、特に約50から80MPaであり、曲げ弾性率は、とりわけ約80MPaに等しく、特に50MPaに等しい。
【0085】
有利には、本発明の組成物はまた、275℃、2.16k荷重下で、ISO規格1133−2(2011)に準拠して決定して、約5から200cm
3/10’、優先的には約10から約100cm
3/10’、とりわけ約15から約50cm
3/10’、特に約20cm
3/10’のメルトボリュームフローレート(MVR)を有する。
【0086】
有利には、前記少なくとも1種類のジアミンは直鎖状又は分岐状の脂肪族ジアミン及び脂環式ジアミン又はこれらの混合物から選択され、前記二酸は、脂肪族二酸、脂環式二酸及び芳香族二酸から選択される。
【0087】
有利には、前記少なくとも1種類のジアミンは直鎖状又は分岐状の脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン及び芳香族ジアミン又はこれらの混合物から選択され、前記二酸は脂肪族二酸及び脂環式二酸から選択される。
【0088】
有利には、前記少なくとも1種類のジアミンは直鎖状又は分岐状脂肪族ジアミン及び脂環式ジアミン又はこれらの混合物から選択され、前記二酸は脂肪族二酸及び脂環式二酸から選択される。この実施態様では、したがって、本発明の組成物は芳香族又は半芳香族ポリアミドを含まず、芳香族又は半芳香族単位を含むTPUよりも低い密度を有する組成物の提供を可能にする。有利には、本発明の組成物の密度は、ISO規格1183−1(2012)に準拠して決定して約1.04である。
【0089】
有利には、本発明の組成物の前記アミド単位中の長鎖脂肪族の繰り返し単位の重量割合は、40%から95%であり、とりわけ50%から95%、とりわけ60%から80%、特に70%から80%である。
【0090】
本明細書で示される割合は、ポリエーテル単位を除外したアミド単位のものである。
【0091】
本出願人は、驚くべきことに、耐洗濯性が、コポリアミド中のC10以上の長鎖脂肪族の繰り返し単位の可能な限り大きい割合によって与えられたことも見出した。
【0092】
有利には、本発明の組成物中のポリエーテルの重量割合は、40%超、特に50%から80%、とりわけ約50%である。
【0093】
本明細書で示される割合は、全コポリアミド中のエーテル単位のものである。
【0094】
本出願人はまた、ポリエーテル、とりわけ疎水性ポリエーテルが、コポリアミドにしなやかさを与えたことも見出した。
【0095】
それにもかかわらず、コポリアミドの全重量に対して80重量%超のポリエーテルが存在する場合には、耐洗濯性が低下する。
【0096】
そのため、他のアミド単位に対して割合の大きい長鎖脂肪族の繰り返し単位と、全コポリアミドに対する割合が大きいが80重量%未満のポリエーテル単位の存在との組み合わせは、しなやかさ及び洗濯耐性の特性を獲得可能にする。
【0097】
コポリアミドの他の特性は、これらの他の構成物質によって与えられる。
【0098】
有利には、本発明の組成物のポリアルキレンエーテルポリオールは、PPG、PTMG又はPEG−PPG混合物から選択され、ポリアルキレンエーテルポリアミンは、主にPPG又はPTMGブロックを有するElastamine(登録商標)又はJeffamine(登録商標)から選択される。用語「主に」は50%を超えることを意味すると解されるべきである。
【0099】
特に、ポリアルキレンエーテルポリオールはPTMGである。
【0100】
ポリエーテルブロックの数平均分子質量は、有利には200から4000g/モルであり、好ましくは250から2500g/モル、とりわけ300から1000g/モルであり、特に1000である。
【0101】
有利には、本発明に従った組成物の前記アミド単位は、次の構造のうちの1つから選択される:
6/X.Y/(C)及びPip.Y/X.Y/(C)、
ここで、X、Y及びCは上記定義されている通りであり、Pipはピペラジンを意味する。
【0102】
有利には、コポリアミドは6/X.Y/(C)/PTMGであり、特に、それぞれアミド単位及びポリエーテル単位について1000/1000の分子質量を有するものである。
【0103】
有利には、コポリアミドはPip.10/X.Y/(C)/PTMGであり、特に、それぞれアミド単位及びポリエーテル単位について1000/1000の分子質量を有するものである。
【0104】
有利には、本発明に従った組成物のコポリアミドにおける前記アミド単位は、6/6.6/12、6/6.10/12、6/11/12及びPip.10/6.10/12から選択され、特に前記アミド単位は6/11/12である。
【0105】
有利には、コポリアミドは6/11/12/PTMGであり、特に、それぞれアミド単位及びポリエーテル単位について1000/1000の分子質量を有するものである。
【0106】
特に、アミド単位6/11/12の各構成物質の重量割合は20/10/70である。
【0107】
有利には、本発明の組成物の前記アミド単位は、次の構造のうちの1つから選択される:
(A)/(C)及びX.Y/(C)、
ここで、(A)は、少なくとも1種類のアミノ酸から得られる単位及び上記定義される少なくとも1種類のラクタムから得られる単位から選択される脂肪族の繰り返し単位に対応し、X.Yは上記定義される通りである。
【0108】
有利には、コポリアミドは(A)/(C)/PTMGであり、特に、それぞれアミド単位及びポリエーテル単位について1000/1000の分子質量を有するものである。
【0109】
有利には、コポリアミドはX.Y/(C)/PTMGであり、特に、それぞれアミド単位及びポリエーテル単位について1000/1000の分子質量を有するものである。
【0110】
有利には、本発明の組成物のコポリアミド中の前記アミド単位は6/12、11/12、6.10/12及びPip.10/12から選択され、特には6/12である。
【0111】
有利には、コポリアミドは6/12/PTMGであり、特に、それぞれアミド単位及びポリエーテル単位について1000/1000の分子質量を有するものである。
【0112】
特に、コポリアミドのアミド単位6/12の各構成物質の重量割合は25/75又は30/70である。
【0113】
別の態様によれば、本発明は、上記定義された本発明の組成物からなるHMA(ホットメルト接着)型の感熱接着剤に関する。
【0114】
HMAは、加熱によって溶融するように構成され、布地の2つのパーツに施用する場合には、冷却後、2つのパーツの末端と末端とを接着を可能にし、ひいては2つのパーツを接合するための縫い目を回避可能にする、熱可塑性接着剤である。
【0115】
有利には、上記定義された感熱接着剤は、特に、ベール、フィルム、顆粒、フィラメント、格子、粉末及び懸濁液から選択される。
【0116】
本発明に従ったフィラメント、顆粒、粉末又は懸濁液を除外する接着剤の厚さは、用いられる接着剤のタイプに応じて、5から200μm(5から200g/m
2に等しく、これは別の測定単位に対応する)、特に5から100μmであり、例えばベールの厚さは5から30μmであり、フィルムの厚さは20から100μmであり、格子の厚さは10から50μmである。
【0117】
フィラメントに関しては、重量に基づくのではなく、糸1kmあたりの重量に基づくものである。
【0118】
粉末に関しては、とりわけ次から選択される、5種類の粉末が使用されうる:
● 0超から80ミクロン
● 0超から120ミクロン
● 80から180ミクロン
● 80から200ミクロン
● 200から500ミクロン。
【0119】
懸濁液に関しては、上記粉末を、とりわけ水に、特に40%から50%の濃度まで懸濁させる。
【0120】
有利には、上記定義された、とりわけフィルムの形態の前記接着剤は、20から55μmの厚さ及び、100mm/分におけるT剥離試験によって決定して、3N/cm超、特に3から15N/cmの布地、とりわけコットン、Lycra(登録商標)、ポリアミド又はポリエステルに対する接着力(又は接着性)を有する。
【0121】
T剥離試験は、ISO規格11339:2010に記載される軟質材同士の接着部(flexible-on-flexible bonded assemblies)の使用に基づいている。
【0122】
本発明の接着剤の布地に対する接着力(又は接着性)は、例えば布地の種類、接着剤の厚さ、及びラミネート温度、すなわち接着剤が溶融して布地に接着する温度、さらには測定方法などの幾つかのパラメータに応じて決まる。
【0123】
特に、上記定義された、とりわけフィルムの形態をした接着剤、特に6/12/PTMG(1000/1000)は、コットン(コットン/ポリエステル混合物:90/10)に対し、120℃のラミネート温度及び約30μmの厚さで約14N/cmの接着力(又は接着性)、及びLycra(登録商標)に対し、120℃のラミネート温度及び約30μmの厚さで約12N/cmの接着力(又は接着性)を有する。
【0124】
特に、上記定義された、とりわけフィルムの形態をした前記接着剤、特に6/12/PTMG(1000/1000)は、コットン(コットン/ポリエステル混合物:90/10)に対し、140℃から180℃のラミネート温度及び約60μmの厚さで約11から約22N/cmの接着力(又は接着性)を有する。
【0125】
有利には、コットン(コットン/ポリエステル混合物:90/10)に対する、とりわけ60μmのフィルムの形態をした上記定義された接着剤、特に6/12/PTMG(1000/1000)の接着力(又は接着性)の、とりわけ同じ厚さのTPUフィルムの接着力(又は接着性)に対する比は、140から160℃のラミネート温度について4から8である。
【0126】
有利には、上記定義された、とりわけフィルムの形態の前記接着剤、特に6/12/PTMG(1000/1000)は、55から90μmの厚さ、及び、布地、とりわけコットン及びLycra(登録商標)に対し、100mm/分でのT剥離試験によって決定して、5N/cm超、特に5から16N/cmの接着力(又は接着性)を有する。
【0127】
有利には、前記接着力(又は接着性)は、上記定義された、とりわけフィルムの形態の感熱接着剤の120から180℃、特に140から160℃のラミネート温度で決定される。
【0128】
上記定義された前記感熱接着剤は、それがフィルムの形態の場合、単層からなっていてもよく、又は積層形態、すなわち少なくとも2つの層を含んでいてもよい。
【0129】
例として、60μmの厚さを有するフィルムの形態の前記接着剤は、60μmの単層フィルム又は30μmの2層フィルム又は20μmの3層フィルム、…、すなわちフィルムの厚さを1層の厚さで割った商と同数の層のフィルムでありうる。
【0130】
有利には、上記定義された前記感熱接着剤では、40℃で少なくとも2回の洗浄後に約2%から約18%の接着力(又は接着性)が損失する。
【0131】
接着力(又は接着性)の損失は、とりわけ、60μmのフィルム及びコットン(コットン/ポリエステル:90/10)上で測定される。
【0132】
感熱接着剤、特に60μmの6/12/PTMG(1000/1000)のフィルムの形態の感熱接着剤の140℃の温度での40℃で少なくとも2回の洗浄後の残りの接着力(又は接着性)(初期の接着力(又は接着性)値−接着力(又は接着性)の損失)の、120℃のTmを有するTPUの140℃のラミネート温度での40℃で少なくとも2回の洗浄後の残りの接着力(又は接着性)に対する比は、少なくとも1.6である。
【0133】
特に、感熱接着剤、特に60μmの6/12/PTMG(1000/1000)のフィルムの形態の感熱接着剤の160℃のラミネート温度での40℃で少なくとも2回の洗浄後の残りの接着力(又は接着性)の、150℃のTmを有するTPUの160℃のラミネート温度での40℃で少なくとも2回の洗浄後の残りの接着力(又は接着性)に対する比は、少なくとも1.9である。
【0134】
有利には、上記定義された前記感熱接着剤では、60℃で少なくとも2回の洗浄後に約2%から約30%の接着力(又は接着性)が損失する。
【0135】
接着力(又は接着性)の損失は、とりわけ、30μm又は60μmのフィルム及びコットン(コットン/ポリエステル:90/10)又はLycra(登録商標)上で測定される。
【0136】
感熱接着剤、特に30μmの6/12/PTMG(1000/1000)のフィルムの形態の感熱接着剤の120℃の温度での60℃で少なくとも2回の洗浄後の残りの接着力(又は接着性)の、100℃のTmを有するTPUの120℃のラミネート温度での60℃で少なくとも2回の洗浄後の残りの接着力(又は接着性)に対する比は、少なくとも5.3である。
【0137】
特に、感熱接着剤、特に60μmの6/12/PTMG(1000/1000)のフィルムの形態の感熱接着剤の160℃のラミネート温度での60℃で少なくとも2回の洗浄後の残りの接着力(又は接着性)の、150℃のTmを有するTPUの160℃のラミネート温度での60℃で少なくとも2回の洗浄後の残りの接着力(又は接着性)に対する比は、少なくとも3である。
【0138】
有利には、上記定義された前記感熱接着剤は、色安定性の特性及び改善された実施特性を有する。
【0139】
用語「色安定性」とは、熱処理又はUV処理の後に黄変が少ないことを意味する。
【0140】
前記特性は、とりわけTPU接着剤と比較して改善される。
【0141】
別の態様によれば、本発明は、感熱接着剤、特にベール、フィルム、顆粒、フィラメント、格子、粉末又は懸濁液の製造のための上記定義された組成物の使用に関する。
【0142】
有利には、上記定義された感熱接着剤は、例えばストッキング、タイツ又はスポーツ用衣類、とりわけ冬季スポーツ用衣類など、とりわけ縫い目のない物品の製造のために、繊維産業において用いられる。