特許第6423098号(P6423098)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6423098電気外科手術用発生器、並びに、制御装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6423098
(24)【登録日】2018年10月26日
(45)【発行日】2018年11月14日
(54)【発明の名称】電気外科手術用発生器、並びに、制御装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/12 20060101AFI20181105BHJP
   A61B 17/32 20060101ALI20181105BHJP
【FI】
   A61B18/12
   A61B17/32 510
【請求項の数】18
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-530174(P2017-530174)
(86)(22)【出願日】2015年7月16日
(65)【公表番号】特表2018-503421(P2018-503421A)
(43)【公表日】2018年2月8日
(86)【国際出願番号】EP2015066364
(87)【国際公開番号】WO2016091401
(87)【国際公開日】20160616
【審査請求日】2017年8月3日
(31)【優先権主張番号】102014225494.9
(32)【優先日】2014年12月10日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510320416
【氏名又は名称】オリンパス・ウィンター・アンド・イベ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】アスムス、イイジャ
(72)【発明者】
【氏名】新冨 雄一
(72)【発明者】
【氏名】川島 興
【審査官】 後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−223585(JP,A)
【文献】 特開2000−350732(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/042498(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/064530(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/12−18/14
A61B 17/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波変換器が超音波振動を発生させることができる励振信号を供給するための超音波発生器と、
2つの出力接点に無線周波エネルギーを供給するための無線周波発生器と、
前記無線周波発生器及び前記超音波発生器を独立して作動させるよう構成された制御ユニットと、
を備え、
前記制御ユニットは、
前記無線周波発生器の前記2つの出力接点の間のDCオフセット電圧を測定し、
前記DCオフセット電圧がDCオフセット閾値を超えているかどうかをチェックし、
前記DCオフセット電圧が前記DCオフセット閾値を超えていない場合には、前記超音波発生器を停止させる、よう構成される電気外科手術用発生器。
【請求項2】
スパーク検出ユニットをさらに備え、前記DCオフセット電圧が前記DCオフセット閾値を超えているかどうかのチェックは、前記スパーク検出ユニットによって行われる請求項1に記載の電気外科手術用発生器。
【請求項3】
前記制御ユニットは、前記DCオフセット電圧をチェックして、前記DCオフセット電圧が前記DCオフセット閾値を超えていない場合に前記超音波発生器を停止させるよりも前に、前記超音波発生器を作動させるよう構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気外科手術用発生器。
【請求項4】
前記制御ユニットは、
前記DCオフセット電圧が前記DCオフセット閾値を超えているかどうかをチェックするよりも前に、患者回路の無線周波インピーダンスがインピーダンス閾値を超えているかどうかをチェックし、
前記無線周波インピーダンスが前記インピーダンス閾値を超えている場合には、前記DCオフセット電圧にかかわらず、前記超音波発生器を作動させる、
よう構成されることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の電気外科手術用発生器。
【請求項5】
前記制御ユニットは、前記無線周波インピーダンスが前記インピーダンス閾値を超えている場合には、前記超音波発生器及び前記無線周波発生器を作動させるよう構成されることを特徴とする請求項4に記載の電気外科手術用発生器。
【請求項6】
前記制御ユニットは、前記無線周波インピーダンスが前記インピーダンス閾値を超えておらず、且つ、前記DCオフセット電圧が前記DCオフセット閾値を超えていない場合には、前記超音波発生器を停止させるよう構成されることを特徴とする請求項4又は5に記載の電気外科手術用発生器。
【請求項7】
前記制御ユニットは、
前記無線周波インピーダンスが前記インピーダンス閾値を超えているかをチェックするよりも前に、及び、前記DCオフセット電圧が前記DCオフセット閾値を超えているかどうかをチェックするよりも前に、前記超音波発生器を作動させ、
前記無線周波インピーダンスが前記インピーダンス閾値を超えておらず、且つ、前記DCオフセット電圧が前記DCオフセット閾値を超えていない場合には、前記超音波発生器を停止させる、
よう構成されることを特徴とする請求項乃至6の何れかに記載の電気外科手術用発生器。
【請求項8】
前記制御ユニットは、前記超音波発生器及び前記無線周波発生器の両方が作動されている間に、繰り返し、前記DCオフセット電圧をチェックし及び/又は前記無線周波インピーダンスをチェックするよう構成されることを特徴とする請求項乃至7の何れかに記載の電気外科手術用発生器。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れかに記載の電気外科手術用発生器を制御するための制御装置であって、
前記無線周波発生器を作動させると共に、前記超音波発生器を作動させるよう構成された制御ユニットを備え、
前記制御ユニットは、
DCオフセット電圧がDCオフセット閾値を超えているかどうかをチェックし、
前記DCオフセット電圧が前記DCオフセット閾値を超えていない場合には、前記超音波発生器を停止させるよう構成されることを特徴とする制御装置。
【請求項10】
前記制御ユニットは、前記DCオフセット電圧をチェックして、前記DCオフセット電圧が前記DCオフセット閾値を超えていない場合に前記超音波発生器を停止させるよりも前に、前記超音波発生器を作動させるよう構成されることを特徴とする請求項9に記載の制御装置。
【請求項11】
前記制御ユニットは、
前記DCオフセット電圧が前記DCオフセット閾値を超えているかどうかをチェックするよりも前に、患者回路の無線周波インピーダンスがインピーダンス閾値を超えているかどうかをチェックし、
前記無線周波インピーダンスが前記インピーダンス閾値を超えている場合には、前記DCオフセット電圧にかかわらず、前記超音波発生器を作動させる、
よう構成されることを特徴とする請求項9又は10に記載の制御装置。
【請求項12】
前記制御ユニットは、前記無線周波インピーダンスが前記インピーダンス閾値を超えている場合には、前記超音波発生器及び前記無線周波発生器を作動させるよう構成されることを特徴とする請求項11に記載の制御装置。
【請求項13】
前記制御ユニットは、前記無線周波インピーダンスが前記インピーダンス閾値を超えておらず、且つ、前記DCオフセット電圧が前記DCオフセット閾値を超えていない場合には、前記超音波発生器を停止させるよう構成されることを特徴とする請求項11又は12に記載の制御装置。
【請求項14】
前記制御ユニットは、
前記無線周波インピーダンスが前記インピーダンス閾値を超えているかをチェックするよりも前に、及び、前記DCオフセット電圧が前記DCオフセット閾値を超えているかどうかをチェックするよりも前に、前記超音波発生器を作動させ、
前記無線周波インピーダンスが前記インピーダンス閾値を超えておらず、且つ、前記DCオフセット電圧が前記DCオフセット閾値を超えていない場合には、前記超音波発生器を停止させる、
よう構成されることを特徴とする請求項11乃至13の何れかに記載の制御装置。
【請求項15】
前記制御ユニットは、前記超音波発生器及び前記無線周波発生器の両方が作動されている間に、繰り返し、前記DCオフセット電圧をチェックし及び/又は前記無線周波インピーダンスをチェックするよう構成されることを特徴とする請求項11乃至14の何れかに記載の制御装置。
【請求項16】
超音波変換器が超音波振動を発生することができる励振信号を発生するための超音波発生器を有すると共に、2つの出力接点に無線周波エネルギーを供給するための無線周波発生器を有し、更に、前記無線周波発生器及び前記超音波発生器を独立して作動させるよう構成された制御ユニットを有する、電気外科手術用発生器を動作させる方法であって、
前記制御ユニットが、前記無線周波発生器及び前記超音波発生器を作動させることと、
前記制御ユニットが、DCオフセット電圧がDCオフセット閾値を超えているかどうかをチェックすることと、
前記制御ユニットが、前記DCオフセット電圧が前記DCオフセット閾値を超えていない場合には、前記超音波発生器を停止させることと、
を備える方法。
【請求項17】
前記制御ユニットが、前記DCオフセット電圧が前記DCオフセット閾値を超えているかどうかをチェックするよりも前に、患者回路の無線周波インピーダンスがインピーダンス閾値を超えているかどうかをチェックすることと、
前記制御ユニットが、前記無線周波インピーダンスが前記インピーダンス閾値を超えていない場合に、前記DCオフセット電圧が前記DCオフセット閾値を超えているかどうかをチェックすることと、
を備える請求項16に記載の方法。
【請求項18】
機械可読命令が、コンピュータ上で実行されるとき、または、請求項1乃至15に記載の電気外科手術用発生器における前記制御ユニット上で実行されるときに、請求項16又は17に記載の方法を実行するための前記機械可読命令を備えるコンピュータプログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、好ましくは電気外科手術用処置具のソノトロードの、超音波変換器が超音波振動を発生させることができる励振信号を提供するための超音波発生器と、好ましくはその内の一つが上記電気外科手術用処置具の電極に結合されている、2つの出力接点に無線周波エネルギーを供給するための無線周波発生器と、上記無線周波発生器と上記超音波発生器とを独立して作動させるよう構成された制御ユニットと、を備える電気外科手術用発生器に関する。用語「無線周波」とは、本明細書では、無線周波数波の範囲内の電磁波を意味する。この用語は「高周波」に相当する。従って、無線周波(RF)と高周波(HF)とは、同じ意味で使用されることができる。
【0002】
本発明はさらに、そのような電気外科手術用発生器を制御するための制御装置、そのような電気外科手術用発生器を動作させる方法、及びコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0003】
電気外科手術用発生器及び電気外科手術用処置具は、例えば、DE10021529A1、US6,328,703B1、及びDE102009041329A1から公知である。これら公知のシステム及び処置具においては、超音波振動とRFエネルギーは、同時に又は逐次的に印加されることができる。そのようなシステムのための処置具としては、例えば超音波振動と無線周波エネルギーとを同時に供給することができるアプリケータが、例えば、DE10021529A1から公知である。
【発明の概要】
【0004】
既存のシステム及び処置具は、いくつかの利点を提供するが、さらなる改良が望まれている。
【0005】
従って、本発明は、既存の発生器、制御装置及び方法と比較して改良された電気外科手術用発生器、そのような発生器のための制御装置、そのような発生器の制御及び/又は動作方法並びにコンピュータプログラム製品を提供することを目的とする。特に、本発明は、それと共に使用される電気外科手術用処置具の寿命を延ばすように及び/又は動作中の安全性を向上するように構成された電気外科手術用発生器、そのような発生器のための制御装置、そのような発生器の制御及び/又は動作方法並びにコンピュータプログラム製品を提供することを目的とする。
【0006】
この目的は、制御部が、無線周波発生器の2つの出力接点間のDCオフセット電圧を測定し、このDCオフセット電圧がDCオフセット閾値を超えるかどうかをチェックし、上記DCオフセット電圧がDCオフセット閾値を超えないならば、超音波発生器を停止させるように構成された、前述したような電気外科手術用発生器によって達成される。
【0007】
本発明の上記目的のためには、用語「停止させる」とは、超音波発生器が作動させられている場合には停止を含み、及び/又は超音波発生器が作動させられていない場合には非作動を含むと解される。従って、用語「停止させる」とは、好ましくは、超音波発生器が既に作動させられている場合には、それの停止を含み、また、超音波発生器がまだ作動させられていない場合には、それの非作動を含むと解されることができる。
【0008】
本発明による電気外科手術用発生器は、比較的低エネルギーが使用されたとしても、超音波振動と無線周波エネルギーの組合せを使用する医療用処置具、特に電気外科手術用処置具は優れた凝固能力と高速カット能力とを有する、という知見に基づいている。これは、超音波エネルギーが、超音波アプリケータの周りで断続的に飽和蒸気圧を下げることによると現在考えられている。
【0009】
本発明はさらに、電気外科手術用処置具が金属鉗子やグリッパのような追加の導電性ツールと組み合わされたならば、凝固能力が著しく向上する、という知見に基づいている。好ましくは、電気外科手術用処置具は組織に接触しないが、追加ツールは組織に接触するときに、この追加ツールが使用される。追加ツールは、電気外科手術用処置具の電極と治療するべき組織、特には凝固するべき組織との間の隙間を橋絡するために、電気外科手術用処置具の電極に接触して適用される。特に、導電性の鉗子やグリッパが電気外科手術用処置具の電極に接触したとき、鉗子やグリッパの2つの脚の間に挟まれた組織が容易に凝固させられることができる。そのような動作モードは、電気外科手術用処置具を変更する必要なく、快適で簡単な方法で組織を凝固させることができるので、一部のユーザには好まれる。本明細書では、追加導電性ツールとして鉗子が参照される。しかしながら、他の導電性追加ツールを除外するものではない。
【0010】
このような関係において、超音波振動が作動している間の、電気外科手術用処置具の電極と鉗子のような追加導電性ツールとの直接的な接触は、電気外科手術用処置具の損傷、例えば超音波変換器の損傷、を導くかもしれないということが、本発明によって発見された。
【0011】
本発明はさらに、DCオフセット電圧を監視することによって、追加導電性ツールを用いたこの動作モードが検出され、制御されることができる、という知見に基づいている。鉗子との組み合わせなしに組織が処置される場合、特に無線周波エネルギーが発動されたときに、電気外科手術用処置具の電極と別の電極との間に、DCオフセット電圧(DC:直流)が発生する。しかしながら、電気外科手術用処置具が鉗子と組み合わされたときには、DCオフセット電圧は、DCオフセット閾値よりも低くなる。従って、DCオフセット電圧がDCオフセット閾値を超えたかどうかは、制御ユニットによって決定される。DCオフセット電圧がDCオフセット閾値を超えない場合には、電気外科手術用処置具が鉗子と組み合わせて使用されていると結論付けることができる。電気外科手術用処置具及び/又は超音波変換器の損傷を防止するために、DCオフセット電圧がDCオフセット閾値を下回る場合には、超音波発生器は停止され、電気外科手術用処置具が超音波振動を伴わずに動作される。
【0012】
典型的には、DCオフセット電圧は、2つの出力接点の2つの電位の間に発生し、無線周波発生器と2つの電極との間、例えば電気外科手術用処置具の電極と対向電極との間、の任意の点で測定されることができる。好ましくは、DCオフセット電圧は、無線周波発生器の2つの出力接点間で測定される。
【0013】
当該システムにおける電流及び電圧は、無線周波発生器が動作する電力、特に2つの出力接点に供給される無線周波エネルギーの電力、に依存する。また、当該システムにおいて発生するDCオフセット電圧は、無線周波エネルギーの電力に依存する。従って、制御ユニットに設定されるべきDCオフセット閾値は、2つの出力接点に供給される無線周波エネルギーに依存する。本発明による制御ユニットは、無線周波エネルギーが発動されている間、−200V乃至+200Vの範囲、好ましくは−120V乃至+120Vの範囲、のDCオフセット電圧を検出することができる。好適なDCオフセット閾値は、5V〜160Vの範囲内、例えば約10V〜20V、である。
【0014】
従って、本発明によれば、DCオフセット電圧がDCオフセット閾値を超えたならば、電気外科手術用発生器は、作動された超音波発生器と無線周波発生器の両方を用いて動作される。DCオフセット電圧がDCオフセット閾値を超えていない場合には、電気外科手術用発生器は、作動された無線周波発振器のみを用いて動作される。
【0015】
本発明は、モノポーラアプリケーションとバイポーラアプリケーションの両方に用いられることができる。しかしながら、1つの電極のみを有する電気外科手術用処置具を用いるモノポーラアプリケーションが特に好ましい。モノポーラアプリケーションにより、好ましくは、電気外科手術用処置具の電極は、無線周波エネルギーが供給される2つの出力接点のうちの一方に接続される、と解される。同時に、無線周波エネルギーが供給される2つの出力接点のうちの他方には、対向電極(患者電極とも称される)が接続される。動作の間、電気外科手術用処置具の電極は、治療されるべき組織に当てられ、対向電極は、人体の外部から、好ましくは治療ゾーンの領域に、付けられる。これは、モノポーラ配置では、電流が、電気外科手術用処置具の電極から、体の大部分を通して、一般的に四肢の1つに配置された対向電極に流れる、ということを意味している。バイポーラアプリケーションでは、電気外科手術用処置具は、2つの電極を有しており、各電極は、無線周波エネルギーが供給される2つの出力接点のうちの1つに接続される。そのようなバイポーラ用途では、電流は、電気外科手術用処置具の2つの電極の間に配置された組織を通って流れる。電気外科手術用処置具は、それぞれが1つの電極を有する2つの脚部を有しても良く、また、軸方向に互いに離間した2つの電極を有する1本のロッドから構成されても良い。
【0016】
無線周波発生器は、好ましくは無線周波発振器を備える。無線周波エネルギーは通常、無線周波発生器の2つの出力接点に供給されるものであり、これら2つの出力接点には、電気外科手術用処置具のモノポーラ電極と対向電極が、またはバイポーラ電気外科手術用処置具が、例えば接続されることができる。無線周波発生器によって発生される無線周波交流は、0.2〜3MHzの範囲の周波数を有することができる。
【0017】
好ましくは、超音波発生器は、超音波周波発振器を備える。動作においては、超音波発生器は、約20〜50KHzの周波数を有する交流を発生することができる。この励振信号は、超音波変換器によって超音波振動に変換されることができる。このような超音波変換器は、通常、超音波発生器に接続された電気外科手術用処置具内に配置される。電気外科手術用処置具では、超音波振動はさらに、超音波振動が治療されるべき組織に導入されることができる超音波アプリケータ(ソノトロードとも称される)に伝達される。電気外科手術用処置具または電気外科手術用処置具のアプリケータは、電気外科手術用処置具のシャフトの軸方向または電気外科手術用処置具シャフトに対して実質的に垂直な方向に実質的に向けられる、あるいは、非常に小さな円弧部分上の、例えば超音波振動によって、駆動されることができる。この処置具は、例えば、超音波振動が組織表面に対して実質的に垂直(プレス移動またはプッシュ移動)、あるいは、組織表面に対して実質的に平行(スライド移動またはカット移動)で使用されるように、ユーザによって利用されることができる。
【0018】
有益な態様では、統合電気外科手術用処置具が利用され、この統合電気外科手術用処置具によって、超音波振動と共に無線周波エネルギーが組織に導入されることができる。例えば、無線周波エネルギーが出血を止めるため組織を凝固させるために使用されている間に、超音波振動が組織をカットするために使用されることができる。
【0019】
本発明による制御ユニットは、電気外科手術用発生器のハウジング内に配置されることができ、また、電気外科手術用発生器ハウジング内に配置されたユニットに接続された別個のハウジング内に配置されても良い。制御は、超音波発生器及び/又は無線周波発生器を制御するように、特に、電気外科手術用処置具で超音波振動及び/又は無線周波エネルギーを発動及び/又は停止するために超音波発生器及び/又は無線周波発生器を作動及び/又は停止させるように、構成され、配置されることができる。制御ユニットはさらに、それぞれの発生器と電気外科手術用処置具との間のスイッチを動作させることによって、超音波振動及び/又は無線周波エネルギーを発動及び停止するように構成され、配置されても良い。
【0020】
このような関係において、超音波発生器及び/又は無線周波発生器を停止させることは、超音波振動及び/又は無線周波エネルギーを完全にスイッチオフすることを含むことができる。超音波発生器及び/又は無線周波発生器を停止させることは、さらに、又はその代わりに、何ら治療効果を有さないが、共振動作を維持することを超音波発生器及び/又は無線周波発生器に許す、非常に小さい振幅にまで超音波振動及び/又は無線周波エネルギーを低下させることを含んでも良い。従って、用語「超音波振動を伴わない」とは、ここでは及び以下では、電気外科手術用処置具での超音波振動の完全なシャットダウン、及び/又は、電気外科手術用処置具に特に悪影響を与えることのない、治療効果を有さない振幅までの超音波振動の低下、を含むと解される。
【0021】
制御ユニットは、超音波変換器が超音波振動を発生させることができる励振信号が供給されるように、超音波発生器を制御するよう構成された超音波制御ユニットを有することができる。制御ユニットはさらに、無線周波発生器の2つの出力接点に無線周波エネルギーが供給されるように、無線周波発生器を制御するよう構成された無線周波制御ユニットを有することができる。超音波制御ユニット及び無線周波制御ユニットは、別々のユニットであっても良いし、一体的な1つの制御ユニットであっても良い。すなわち、制御ユニットが本明細書に記載されている場合、これは、超音波制御及び無線周波制御のための別々のユニットを有する実施形態に加えて、それらの1つの一体的なユニット、特に無線周波発生器及び超音波発生器の相互依存制御に適した1つの制御ユニットを有する実施形態を含む。
【0022】
好ましい実施形態によれば、電気外科手術用発生器は、スパーク検出ユニットを備え、DCオフセット電圧がDCオフセット閾値電圧を超えているかどうかのチェックが、スパーク検出ユニットによって行われる。スパークは、例えばバイポーラアプリケーションでは、電気外科手術用処置具の2つの電極間において、これらの2つの先端の間に生体組織が挟まれた段階であっても、発生することがある。特に、進行した凝固の後に、すなわち組織を2つの電極の間に挟んで一定時間無線周波エネルギーを印加した後に、そのようなスパークが発生することがある。いくつかの電気外科手術用処置具は、スパークに敏感であり、スパークが発生すると損傷を受ける可能性がある。従って、通常、スパークを避けるか識別することが望まれる。スパークの終結は、そのようなスパークを検出するスパーク検出ユニットからの信号によって開始されることができる。
【0023】
スパークはまた、エネルギー印加が切られる前に、エネルギーを印加された電極が組織から離されたときに、発生することがある。発明者らは、電気外科手術用処置具の電極が超音波周波数で振動しているとき、或る程度の微小スパークが連続的に発生するということを認識した。現在、超音波振動による組織の接触と解除の繰り返しが、この微小スパークの原因であると考えられている。本発明によれば、スパーク検出ユニットは、スパーク検出のためだけでなく、例えば電気外科手術用処置具の電極と対向電極の間、または電気外科手術用処置具の2つの電極間に生じるDCオフセット電圧が、DCオフセット閾値を超えているかどうかを検出するためにも利用される。これにより、電気外科手術用発生器の設計が簡単になる。
【0024】
さらなる実施形態では、制御ユニットは、DCオフセット電圧をチェックして、DCオフセット電圧がDCオフセット閾値を超えていない場合に超音波発生器を停止させるよりも前に、超音波発生器を作動させるよう構成される。一般に、特に処置手順の開始時には、電気外科手術用処置具は、組織をカットまたは切開するための追加ツールを用いないで動作される。従って、超音波及び無線周波発生器の両方を作動させて電気外科手術用発生器を始動させることが便利である。また、DCオフセット電圧の発生の原因となる微細スパークは、作動されている超音波発生器でのみ発生することができる、ということも考慮されなければならない。
【0025】
電気外科手術用発生器のさらなる実施形態では、制御ユニットは、DCオフセット電圧がDCオフセット閾値を超えているかどうかをチェックするよりも前に、患者回路の無線周波インピーダンスがインピーダンス閾値を超えているかどうかをチェックし、無線周波インピーダンスがインピーダンス閾値を超えていない場合には、DCオフセット電圧にかかわらず、超音波発生器を作動させる。本発明の目的のために、患者回路は、無線周波発生器、電気外科手術用処置具の電極、及び、適用可能であれば、患者戻り電極、及び、それらの電極によって接触された患者組織、によって形成される回路であると解される。電気外科手術用処置具が治療されるべき組織と接触していない場合には、患者回路に高い無線周波インピーダンスが発生する。用語「高い無線周波インピーダンス」とは、ここでは及び以下においては、インピーダンス閾値を超える無線周波インピーダンスとして解される。インピーダンス閾値は、1000Ωと10,000Ωの間、好ましくは、2000Ωと5000Ωの間であることができる。
【0026】
電気外科手術用処置具のカット動作は、通常、処置具が組織と接触していない状態で開始される。処置具に通電した後、それは意図されたカットラインで組織に沿って接触され、移動される。最適な結果のためには、処置具が最初に組織に触れるときに、超音波発生器が作動されることが望ましい、ということが判明した。同時に、処置具が組織に触れる前には、組織接触なしに微小スパークが起こり得ないので、DCオフセット電圧は発生することができない。
【0027】
電気外科手術用発生器のさらに好ましい実施形態は、無線周波インピーダンスがインピーダンス閾値を超えている場合には、制御ユニットが超音波発生器と無線周波発生器とを作動させるよう構成されることを特徴とする。前述したように、電気外科手術用処置具が処置されるべき組織に接触していない場合には、高い無線周波インピーダンスが検出される。このような状況では、ユーザは、通常、電気外科手術用処置具を鉗子と組み合わせない。しかしながら、ユーザは、組織のカットを開始することを望んでいるかもしれない。従って、ユーザは、最初は滑らかに組織をカットすることができることが重要である。これは、高い無線周波インピーダンスが検出された場合に、超音波振動に加えて無線周波エネルギーが共に開始される実施形態によって達成される。
【0028】
さらに好ましい実施形態では、制御ユニットは、無線周波インピーダンスがインピーダンス閾値を超えておらず、且つ、DCオフセット電圧がDCオフセット閾値を超えていない場合には、超音波発生器を停止させるよう構成される。好ましくは、無線周波インピーダンスが最初にチェックされ、次にDCオフセット電圧がチェックされる。否定の結果(すなわち、無線周波インピーダンスがインピーダンス閾値を超えていない)で無線周波インピーダンスをチェックした後では、電気外科手術用処置具が組織に触れているか、または組織に触れている鉗子と組み合わされていると結論付けることができる。その後、DCオフセット電圧がチェックされる。無線周波インピーダンスのチェックとDCオフセット電圧のチェックとの両方が否定の結果を返す場合には、電気外科手術用処置具が組織に触れている鉗子と組み合わされていると結論付けることができる。この場合には、超音波振動は、電気外科手術用処置具の損傷のリスクを低減するために、停止される。
【0029】
さらに好適な実施形態によれば、制御ユニットは、無線周波インピーダンスがインピーダンス閾値を超えているかどうかをチェックするよりも前に、及び、DCオフセット電圧がDCオフセット閾値を超えているかどうかをチェックするよりも前に、超音波発生器を作動させ、無線周波インピーダンスがインピーダンス閾値を超えておらず、且つ、DCオフセット電圧がDCオフセット閾値を超えていない場合には、超音波発生器を停止させるよう構成される。この実施形態は、有利且つ効率的な動作方法を提供する。特に、超音波発生器が電気外科手術用発生器を始動した直後に作動される場合、特には、通常のように直ちに治療されるべき組織をカットし始めることを望むユーザの場合には、カット性能が向上する。
【0030】
本発明のさらなる実施形態は、制御ユニットが、超音波発生器及び無線周波発生器の両方が作動されている間に、繰り返し、好ましくは所定の時間間隔が終了する毎に、DCオフセット電圧をチェックし及び/又は無線周波インピーダンスをチェックするよう構成されていることを特徴とする。これは、ここでは及び以下において、DCオフセット電圧及び無線周波インピーダンスの両方のチェックが、規則的な時間間隔の後に繰り返し発生するという方法であると理解される。時間間隔の長さは、好ましくは、ユーザによる動作の規則的な時間長よりも著しく短い。好ましくは、このような時間間隔は、0.1〜1秒の範囲である。
【0031】
本発明による電気外科手術用発生器の制御ユニットは、好ましくは、以下のように電気外科手術用発生器を動作させるように構成される。即ち、
A)例えば、ユーザの電気外科手術用発生器のスイッチ操作に応答して、電気外科手術用発生器を始動し、
B1)無線周波発生器を作動させ、
B2)超音波発生器を作動させ、
C1)無線周波インピーダンスがインピーダンス閾値を超えているかどうかをチェックし、
C2)無線周波インピーダンスがインピーダンス閾値を超えている場合には、無線周波インピーダンスがインピーダンス閾値を超えているかどうかを再びチェックする、すなわち所定の時間間隔後にステップC1)に戻り、
D)無線周波インピーダンスがインピーダンス閾値を超えていない場合には、DCオフセット電圧がDCオフセット閾値を超えているかどうかをチェックし、
E1)DCオフセット電圧がDCオフセット閾値を超えている場合には、無線周波インピーダンスがインピーダンス閾値を超えているかどうかをチェックする、すなわち、所定の時間間隔の後にステップC1)に戻り、
E2)DCオフセット電圧がDCオフセット閾値を超えていない場合には、開始された無線周波エネルギーを用い且つ超音波振動を伴わないで電気外科手術用処置具を動作させる。
【0032】
本発明のさらなる態様によれば、無線周波発生器を作動させると共に、超音波発生器を作動させるよう構成された制御ユニットを備え、前述したような電気外科手術用発生器を制御するための制御装置であって、制御ユニットはさらに、DCオフセット電圧がDCオフセット閾値を超えているかどうかをチェックし、DCオフセット電圧がDCオフセット閾値を超えていない場合には、超音波発生器を停止させるよう構成される、制御装置が提供される。
【0033】
好ましい実施形態によれば、制御ユニットは、スパーク検出ユニットに結合されるもので、スパーク検出ユニットは、DCオフセット電圧がDCオフセット閾値を超えているかどうかを検出するよう構成される。好ましくは、スパーク検出ユニットは、DCオフセット電圧がDCオフセット閾値を超えていることを検出した場合には、DCオフセット電圧信号を制御ユニットに送る。制御ユニットは、DCオフセット電圧がDCオフセット閾値を超えているかどうかを検出するために、この信号を処理する。
【0034】
さらに好ましい実施形態によれば、制御ユニットは、前述した制御ユニットの特徴を備える。本発明による制御装置及びその可能な改良は、それらを、本発明による電気外科手術用発生器に使用するのに特に適したものとする特徴を有している。効果、実施形態、並びに制御装置の実施形態の詳細とその改良に関しては、電気外科手術用発生器のそれぞれの特徴の説明が参照される。
【0035】
本発明の別の態様によれば、超音波変換器が超音波振動を発生することができる励振信号を発生するための超音波発生器を有すると共に、2つの出力接点に無線周波エネルギーを供給するための無線周波発生器を有する、電気外科手術用発生器を動作させる方法が提供されるもので、この方法は以下を備える。即ち、
無線周波発生器及び超音波発生器を作動させること、
DCオフセット電圧がDCオフセット閾値を超えているかどうかをチェックすること、及び
DCオフセット電圧がDCオフセット閾値を超えていない場合には、超音波発生器を停止させること。
【0036】
本方法の好ましい実施形態によれば、DCオフセット閾値を超えていることは、スパーク検出ユニットによって検出される。
【0037】
この方法のさらなる好ましい実施形態は、DCオフセット電圧をチェックすること及びDCオフセット電圧がDCオフセット閾値を超えていない場合に超音波発生器を停止させることの前に、超音波発生器を作動させることを備える。
【0038】
本方法のなおさらに好ましい実施形態は、DCオフセット電圧がDCオフセット閾値を超えている場合には、超音波発生器を作動させることを備える。
【0039】
この方法のさらなる実施形態では、DCオフセット電圧がDCオフセット閾値を超えているかどうかをチェックするよりも前に、患者回路の無線周波インピーダンスがインピーダンス閾値を超えているかどうかをチェックし、無線周波インピーダンスがインピーダンス閾値を超えていない場合には、DCオフセット電圧がDCオフセット閾値を超えているかどうかをチェックする。
【0040】
この方法のなおさらに好ましい実施形態は、無線周波インピーダンスがインピーダンス閾値を超えている場合には、共に作動されている超音波振動及び無線周波エネルギーを用いて電気外科手術用処置具を動作させることを含む。
【0041】
さらに好ましい実施形態によれば、この方法は、無線周波インピーダンスがインピーダンス閾値を超えておらず、且つ、DCオフセット電圧がDCオフセット閾値を超えていない場合には、超音波振動を停止させることを備える。
【0042】
本方法のさらに好ましい実施形態は、以下を備える。即ち、
無線周波インピーダンスがインピーダンス閾値を超えているかどうかをチェックするよりも前に、且つ、DCオフセット電圧がDCオフセット閾値を超えているかどうかをチェックするよりも前に、超音波振動を作動させること、及び
無線周波インピーダンスがインピーダンス閾値を超えておらず、且つ、DCオフセット電圧がDCオフセット閾値を超えていない場合には、超音波振動を停止させること。
【0043】
さらに好ましい実施形態では、共に作動されている超音波振動及び無線周波エネルギーを用いた電気外科手術用処置具の動作中に、繰り返し、好ましくは所定の時間間隔が終了する毎に、DCオフセット電圧がチェックされ及び/又は無線周波インピーダンスがチェックされる。
【0044】
本発明による方法及びその改良は、それらを、本発明による電気外科手術用発生器及びその改良に使用するのに特に適したものとする特徴または処理ステップを有している。本方法の効果、実施形態、並びに、実施形態の詳細とその改良に関しては、それぞれの装置特徴の前述の説明が参照される。
【0045】
本発明のさらなる態様によれば、機械可読命令がコンピュータ上で実行されるとき、または、前述した制御ユニット上で実行されるとき、前述の方法を実行するための機械可読命令でエンコードされたコンプレッサー可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品が提供される。
【0046】
本発明の好ましい実施形態が、添付図面を参照して例示的な方法で記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1図1は、電気外科手術用発生器を有するシステムの例示的な実施形態の概略図である。
図2図2は、別の動作モードにおける図1に示す実施形態を示す図である。
図3図3は、本発明による方法の第1の例示的な実施形態を示す図である。
図4図4は、本方法の第2の例示的な実施形態を示す図である。
図5図5は、本方法の第3の例示的な実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本発明による例示的なシステムが図1に示されている。このシステムは、電気外科手術用発生器1と電気外科手術用処置具2とを備える。電気外科手術用処置具2は、ケーブル4によって発生器1に接続されている。電気外科手術用処置具2は、超音波及び無線周波処置機能を提供し、モノポーラアプリケーションで使用される。電気外科手術用処置具2は、発生器1の2つの出力接点6及び8のうちの一方に結合された電極5を有している。対向電極10は、患者12の四肢(例えば、脚)に取り付けられる。対向電極10は、ケーブル14によって発生器1に接続され、それによって、出力接点6及び8の他方に結合されている。
【0049】
電気外科手術用発生器1は、無線周波発生器20を備える。動作においては、無線周波発生器20は、2つの出力接点6及び8に供給される無線周波エネルギーを発生する。これにより、治療されるべき患者12の組織22を用いて、無線周波回路が形成される。この回路は、患者回路とも称される。
【0050】
電気外科手術用発生器1はさらに、電気外科手術用処置具2内の超音波バイブレータ(図示せず)のための励振信号を供給するための超音波発生器24を備える。電気外科手術用処置具2のバイブレータ及び/又は電極5は、既知の設計のものであり、さらには説明しない。バイブレータは、励振信号が供給されるさらなる出力接点26及び28に接続されている。
【0051】
無線周波発生器20は、好ましくは、無線周波発振器によって形成され、超音波発生器24は、好ましくは、超音波周波発振器によって形成される。無線周波発生器20及び超音波発生器24の主な動作パラメータは、記憶された動作プログラムに基づいて、及び/又はタッチスクリーン(図示せず)を含み得るグラフィカルユーザインタフェースを介したユーザ入力に基づいて、制御ユニット30によって設定される。
【0052】
発生器1はさらに、制御ユニット30に接続されると共に、超音波発生器24及び無線周波発生器20の少なくとも1つの出力ラインに接続された、検出ユニット32を備えている。検出ユニット32は、超音波発生器24及び無線周波発生器20によって出力された信号を使用して、超音波発生器24と無線周波発生器20の一方または両方が作動されているかどうかを検出する。検出ユニット32から受信した検出信号に応じて、制御ユニット30は、超音波発生器24及び/又は無線周波発生器20を作動及び/又は停止させることができる。
【0053】
発生器1はさらに、電気外科手術用処置具2の電極5と対向電極10との間に生じるDCオフセット電圧がDCオフセット閾値を超えているかどうかを検出するためのスパーク検出ユニット40を備えている。スパーク検出ユニット40は、制御ユニット30に接続されると共に、無線周波発生器20の2つの出力ライン42及び44に接続される。スパーク検出ユニット40は、出力ライン42と44の間に発生するDCオフセット電圧を測定する。スパーク検出ユニット40は、DCオフセット電圧がDCオフセット閾値を超えていることを検出した場合には、DCオフセット電圧検出信号を制御ユニット30に送信する。スパーク検出ユニット40から受信したDCオフセット検出信号に依存して、制御ユニット30は、DCオフセット電圧がDCオフセット閾値を超えているかどうかを検出することができる。
【0054】
図1に示されるような操作の間は、超音波発生器24及び無線周波発生器20は作動されている。ユーザは、組織を通して電気外科手術用処置具2の電極5をカット速度で移動させ、それによって、組織をカットし、また、組織を凝固させて止血する。
【0055】
強い出血の場合、例えば血管を切断した後には、ユーザは、カット動作を止めたり、好ましくは鉗子を用いて出血源を絞ることを含む、より強い凝固によって出血を止めたりしなければならないことがある。電気外科手術用凝固鉗子は容易に入手可能なものであるが、そのような鉗子を使用するためには、ユーザ50は、鉗子を電気外科手術用発生器1に接続しなければならず、通常は処置具2も取り外さなければならない。これは、出血が制御されないままである時間をさらに費やすことになる。従って、発生器1との接続を必要としない標準的な機械的鉗子52を使用することが便利であることが判明した。ユーザ50は、非常に短時間で鉗子52を別の手で握ることによって、処置具2を一方の手に保持することさえできる。
【0056】
図2は、ユーザ50が電気外科手術用処置具2と鉗子52とを組み合わせた動作モードを概略的に示している。ユーザ50は、鉗子52の一方の脚54を電極5に接触させることによって電気外科手術用処置具2を鉗子52と組み合わせて、鉗子52の第1の脚54と第2の脚55との間に介在する組織56の凝固を強める。
【0057】
処置具2の電極5は、超音波振動を可能にするために比較的脆い材料を含むことができ、超音波振動が作動されている間に鉗子52の脚54に接触すると、損傷を受ける可能性がある。従って、この動作モードでは、超音波発生器24は、停止されていることが望ましく、無線周波エネルギーのみが、電気外科手術用処置具2に供給される。しかしながら、この動作モードにおいて超音波発生器24が作動されている場合には、それは、DCオフセット電圧がDCオフセット閾値を超えていないことを制御ユニット30が検出した後に、制御ユニット30によって停止される。この場合、電気外科手術用発生器1は、無線周波エネルギーのみを用いて動作される。
【0058】
本発明による方法による好ましい例示的な実施形態、及び、説明されたシステム、特に電気外科手術用発生器1、を動作させるために制御ユニットに実装された制御ロジックが、図3図5を参照して以下に説明される。以下の説明においては、ここで及び以下でインピーダンス閾値を超える患者回路の無線周波インピーダンスとして解される、「高い無線周波インピーダンス」の発生または検出について参照される。さらに、以下の説明においては、ここで及び以下でDCオフセット閾値を超えるDCオフセット電圧として解される、「DCオフセット電圧」の発生または検出について参照される。
【0059】
図3は、図1に示された電気外科手術用発生器1を動作させる例示的な処理を概略的に示すフローチャートを示している。
【0060】
第1の処理ステップAにおいて、ユーザ50が電気機械スイッチまたはグラフィカルユーザインタフェースのボタンを操作することによって、電気外科手術用発生器1が始動される。
【0061】
第2の処理ステップBにおいて、制御ユニット30は、超音波発生器24を作動させると共に無線周波発生器20を作動させる。
【0062】
次の処理ステップCにおいて、制御ユニット30は、例えば、電気外科手術用処置具2の電極5と対向電極10との間に、高い無線周波インピーダンスが発生しているかどうかをチェックする。
【0063】
制御ユニット30によって高い無線周波インピーダンスが検出された場合には、電気外科手術用発生器1は、所定の時間待機し、その後、ステップCが繰り返される、すなわち、高い無線周波インピーダンスが発生しているかどうかがチェックされる。
【0064】
高い無線周波インピーダンスが検出されない場合には、制御ユニット30は、処理ステップDにおいて、電気外科手術用処置具2の電極5と対向電極10との間にDCオフセット電圧が発生しているかどうかをチェックする。DCオフセット電圧が検出された場合には、制御ユニット30は、ステップCに戻り、すなわち、制御ユニット30は、高い無線周波インピーダンスが発生しているかどうかをチェックする。DCオフセット電圧が検出されない場合には、制御ユニット30は、処理ステップEにおいて、超音波発生器24を停止させ、且つ、無線周波発生器20を作動状態に維持する。処理ステップEを実行した後は、制御ユニット30は、所定の時間待機してステップCに戻る。この所定の時間は、前述の制御アルゴリズムの或る程度連続的なサイクルを容易にするために、通常、かなり短く、例えば0.1秒と1秒との間にある。
【0065】
図4は、図1に示された電気外科手術用発生器1を動作させるための方法の第2の実施形態を示す第2のフローチャートを示している。図4に示された方法は、図3に示された方法と同様である。同一または同様の特徴は、同一参照符号によって示されている。
【0066】
第1の処理ステップAAにおいて、電気外科手術用発生器1が始動される。第2の処理ステップBBにおいて、制御ユニット30は、無線周波エネルギーが電気外科手術用処置具2の電極5に供給されるように、無線周波発生器20を作動させる。さらなる処理ステップDにおいて、制御ユニット30は、DCオフセット電圧が発生しているかどうかをチェックする。
【0067】
処理ステップDにおいてDCオフセット電圧が検出されない場合には、制御ユニット30は、超音波発生器24が停止状態に維持されるのに対し、無線周波発生器が作動状態に維持される、処理ステップEEに進む。このような状況では、ユーザ50は、組織の凝固のための鉗子と組み合わされた電気外科手術用処置具2を利用することができる。
【0068】
処理ステップDにおいてDCオフセット電圧が検出された場合には、制御ユニット30は、超音波発生器が作動させられる処理ステップHHに進む。さらに、制御ユニット30は、無線周波発生器20を作動状態に維持する。この状況では、ユーザ50は、組織の切開のために電気外科手術用処置具を使用することができる。
【0069】
図5は、図1に示された電気外科手術用発生器1を動作させるための方法の第3の実施形態を概略的に示すフローチャートを示している。図5に示された方法は、図2及び図3に示された方法と同様である。同一または同様の特徴は、同一参照符号によって示されている。
【0070】
電気外科手術用発生器1がユーザ50によって始動された後、制御ユニット30は、第1の処理ステップBBBにおいて、無線周波発生器20を作動させる。第2の処理ステップCCCにおいて、制御ユニット30は、高い無線周波インピーダンスが発生しているかどうかをチェックする。
【0071】
処理ステップCCCにおいて高い無線周波インピーダンスが検出された場合には、制御ユニット30は、処理ステップGにおいて、超音波発生器24を作動させる。
【0072】
処理ステップCCCにおいて制御ユニット30が高い無線周波インピーダンスを検出しない場合には、制御ユニット30は、DCオフセット電圧が発生しているかどうかをチェックする処理ステップDDDを実行する。ステップDDDにおいて、制御ユニット30がDCオフセット電圧を検出しない場合には、超音波発生器24が停止状態に維持されるのに対して、無線周波発生器20が作動状態に維持される、処理ステップEEEに進む。処理ステップDDDにおいて、制御ユニット30がDCオフセット電圧を検出した場合には、処理ステップGに進む。
【0073】
本発明及び図面に示される例示的な実施形態によれば、ユーザが、電気外科手術用処置具を単独で、または、電気外科手術用処置具と組織との間の隙間を橋絡する電気外科手術用処置具の電極と接触する追加の導電性ツールと共に、電気外科手術用発生器を操作するか否かが、自動的に検出される。超音波エネルギー及び無線周波エネルギーの供給は、電気外科手術用処置具の損傷を防ぐために追加ツールと共に使用される場合に、発生器が電気外科手術用処置具に超音波エネルギーを供給しないように、この検出の結果によって選定される。従って、ユーザは、電気外科手術用発生器の処置具または設定を積極的に変更しなければならないことなく、所望の機能を実現するために、電気外科手術用発生器に結合された電気外科手術用処置具を所望の方法で簡単に動作させることができる。
【符号の説明】
【0074】
1 電気外科手術用発生器
2 電気外科手術用処置具
4 ケーブル
5 電極
6、8 出力接点
10 対向電極
12 患者
14 ケーブル
20 無線周波発生器
22 組織
24 超音波発生器
26、28 出力接点
30 制御ユニット
32 検出ユニット
40 スパーク検出ユニット
42、44 出力ライン
50 ユーザ
52 鉗子
54、55 脚
56 組織
A〜G 処理ステップ
AA、BB、EE、HH 処理ステップ
BBB、CCC、DDD、EEE 処理ステップ
図1
図2
図3
図4
図5