特許第6423108号(P6423108)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ HOYA株式会社の特許一覧
特許6423108複数段押しボタンスイッチ装置及び内視鏡の複数段押しボタンスイッチ装置
<>
  • 特許6423108-複数段押しボタンスイッチ装置及び内視鏡の複数段押しボタンスイッチ装置 図000002
  • 特許6423108-複数段押しボタンスイッチ装置及び内視鏡の複数段押しボタンスイッチ装置 図000003
  • 特許6423108-複数段押しボタンスイッチ装置及び内視鏡の複数段押しボタンスイッチ装置 図000004
  • 特許6423108-複数段押しボタンスイッチ装置及び内視鏡の複数段押しボタンスイッチ装置 図000005
  • 特許6423108-複数段押しボタンスイッチ装置及び内視鏡の複数段押しボタンスイッチ装置 図000006
  • 特許6423108-複数段押しボタンスイッチ装置及び内視鏡の複数段押しボタンスイッチ装置 図000007
  • 特許6423108-複数段押しボタンスイッチ装置及び内視鏡の複数段押しボタンスイッチ装置 図000008
  • 特許6423108-複数段押しボタンスイッチ装置及び内視鏡の複数段押しボタンスイッチ装置 図000009
  • 特許6423108-複数段押しボタンスイッチ装置及び内視鏡の複数段押しボタンスイッチ装置 図000010
  • 特許6423108-複数段押しボタンスイッチ装置及び内視鏡の複数段押しボタンスイッチ装置 図000011
  • 特許6423108-複数段押しボタンスイッチ装置及び内視鏡の複数段押しボタンスイッチ装置 図000012
  • 特許6423108-複数段押しボタンスイッチ装置及び内視鏡の複数段押しボタンスイッチ装置 図000013
  • 特許6423108-複数段押しボタンスイッチ装置及び内視鏡の複数段押しボタンスイッチ装置 図000014
  • 特許6423108-複数段押しボタンスイッチ装置及び内視鏡の複数段押しボタンスイッチ装置 図000015
  • 特許6423108-複数段押しボタンスイッチ装置及び内視鏡の複数段押しボタンスイッチ装置 図000016
  • 特許6423108-複数段押しボタンスイッチ装置及び内視鏡の複数段押しボタンスイッチ装置 図000017
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6423108
(24)【登録日】2018年10月26日
(45)【発行日】2018年11月14日
(54)【発明の名称】複数段押しボタンスイッチ装置及び内視鏡の複数段押しボタンスイッチ装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/64 20060101AFI20181105BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20181105BHJP
   A61B 1/015 20060101ALI20181105BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20181105BHJP
【FI】
   H01H13/64
   A61B1/00 711
   A61B1/015
   G02B23/24 A
【請求項の数】6
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2017-550308(P2017-550308)
(86)(22)【出願日】2016年11月7日
(86)【国際出願番号】JP2016082968
(87)【国際公開番号】WO2017082204
(87)【国際公開日】20170518
【審査請求日】2018年5月7日
(31)【優先権主張番号】特願2015-223422(P2015-223422)
(32)【優先日】2015年11月13日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000113263
【氏名又は名称】HOYA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】平山 哲
【審査官】 森川 能匡
(56)【参考文献】
【文献】 特開平7−220555(JP,A)
【文献】 特開昭59−99621(JP,A)
【文献】 特開2007−188797(JP,A)
【文献】 特開2013−160691(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00− 1/32
H01H 13/00−13/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
突出方向に付勢され、付勢方向に抗して押込変位させる押しボタン部材と、
該押しボタン部材の押圧操作により押圧されてオフ状態からオン状態に切り替わるタクタイルスイッチよりなる複数の電気スイッチ部材と、を有する複数段押しボタンスイッチ装置において、
上記押しボタン部材と該押しボタン部材を付勢する付勢手段の反力を受ける反力壁との間に、n個(nは2以上の整数)の押しボタンスイッチと、少なくとも1個の負荷吸収ばねとを、同一軸線上に、かつ上記反力壁に接触する要素以外の要素を可動に配置したこと、
個の上記押しボタンスイッチそれぞれは、上記電気スイッチ部材と該電気スイッチ部材を動作させる押圧部材からなり、n個より1つ少ない(n-1)個以上の上記電気スイッチ部材と上記押圧部材との間には、上記電気スイッチ部材と上記押圧部材を離間させる中間ばね部材が配置されていること、
上記押しボタン部材を押込変位させたとき、個の上記電気スイッチ部材が該電気スイッチ部材に接近移動する上記押圧部材により押圧されることにより順番にオンすること、
上記押しボタン部材の最大押込変位位置を機械的に規制するストッパを設けたこと、
上記負荷吸収ばねは、上記押しボタン部材と該押しボタン部材に最も近い上記押しボタンスイッチの間、隣り合う上記押しボタンスイッチ同士の間、及び上記反力壁と該反力壁に最も近い上記押しボタンスイッチとの間の少なくとも1カ所に配置されていること、及び
n-1)個以上の上記中間ばね部材及び上記負荷吸収ばねは、上記押しボタン部材が上記ストッパに当接する前に、最後にオンされる上記電気スイッチ部材をオンさせるように、その強さが設定されていること、を特徴とする複数段押しボタンスイッチ装置。
【請求項2】
請求項1記載の複数段押しボタンスイッチ装置において、少なくとも1個の上記押しボタンスイッチの上記中間ばね部材の初期弾性力を定める手段がさらに備えられている複数段押しボタンスイッチ装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の複数段押しボタンスイッチ装置において、
個の上記押しボタンスイッチには、1個の上記中間ばね部材が配置されていない押しボタンスイッチと、(n-1)個の上記中間ばね部材が配置されている押しボタンスイッチが含まれている複数段押しボタンスイッチ装置。
【請求項4】
請求項1または2記載の複数段押しボタンスイッチ装置において、
個の上記押しボタンスイッチは、全て上記中間ばね部材が配置されている押しボタンスイッチである複数段押しボタンスイッチ装置。
【請求項5】
請求項3または4記載の複数段押しボタンスイッチ装置において、n=2である複数段押しボタンスイッチ装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項記載の複数段押しボタンスイッチ装置において、さらに、
数の上記電気スイッチ部材のオン/オフにより、体内挿入部先端に開口した吐出ノズルから、送気、送水及び噴霧のいずれか2つ以上の動作を実行する電磁弁を備えている内視鏡の複数段押しボタンスイッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単一の押しボタン部材の押圧操作により、複数の電気スイッチを順番に動作させる複数段押しボタンスイッチ装置に関する。本発明は特に、体内挿入部先端に開口した吐出ノズルから、送気、送水及び噴霧のいずれか2つ以上の動作を順番に実行する内視鏡に用いて好適な内視鏡の複数段押しボタンスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡は一般に、操作部から延びる挿入部の先端に、少なくとも1つの吐出ノズルが開口している。この吐出ノズルからは、空気、水、霧(空気と水の混合体)のいずれかが噴出され、対物レンズ表面の洗浄、体腔内への空気の供給等の動作が実行される。従来、この吐出ノズルに対する送気、送水及び噴霧のいずれか2つ以上の動作を実行させるため、操作部に、送気送水切換装置を配置していた(例えば特許文献1)。この送気送水切換装置は、シリンダ内に摺動自在に嵌めたピストン体の押込変位位置を変えることにより、シリンダに開口する送気送水の流路を切り替えるという基本構造を有している。
【0003】
一方、押しボタンの押込操作により、電磁弁を開閉制御するスイッチを動作させることで、これらの複数の動作を実行する複数段押しボタンスイッチ装置が提案されている(特許文献2、3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-225434号公報
【特許文献2】特開平11-032979号公報
【特許文献3】特開2007-188797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、操作部に特許文献1のような送気送水切換装置を設けると、操作部構造が複雑化し、組立コスト、重量がアップする。また、従来の送気送水切換装置は操作部に設けることを前提としており、事実上内視鏡を操作する術者以外が操作することができない。また、特許文献2の押しボタンスイッチ装置は、複数のスイッチを並列に並べ、単一の押しボタンによって変位する長さの異なるピストンで順番に動作させるものであるため、押しボタンの下方に大きなスペースが必要であり、小型化が難しい。また、特許文献3の押しボタンスイッチ装置は、押しボタン部材によって押圧操作される第1、第2のスイッチの機械的な位置を固定することで、リード線の変形移動やそれに起因する作動不良の防止を目的としているため、第1、第2のスイッチの固定構造が複雑化せざるを得ず、また、押しボタンに作用させる押圧力が直接スイッチに加わるため、スイッチへの負荷が大きく変化し、動作不良が生じる可能性がある。
【0006】
本発明は、押しボタンの押込操作により、電磁弁を開閉制御する電気スイッチを動作させることで、送気、送水及び噴霧のいずれか2つ以上の動作を実行するタイプの複数段押しボタンスイッチ装置において、電気スイッチへの過剰な負荷を回避することができる複数段押しボタンスイッチ装置を得ることを目的とする。
【0007】
また本発明は、内視鏡に限らず、単一の押しボタン部材の押圧操作により、複数の電気スイッチを順番に動作させることができる複数段押しボタンスイッチ装置であって、電気スイッチへの過剰な負荷を回避することができる複数段押しボタンスイッチ装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、特許文献3では、複数の電気スイッチを固定して設けることを前提としているため、却って電気スイッチ回りの支持構造が複雑化しているとの認識の下に、少なくとも1つの電気スイッチを押しボタンの押込動作に連動して移動するように支持すれば、構成の簡単な複数段押しボタンスイッチ装置を得ることができるという着眼に基づいてなされたものである。
【0009】
本発明に係る複数段押しボタンスイッチ装置は、突出方向に付勢され、付勢方向に抗して押込変位させる押しボタン部材と、該押しボタン部材の押圧操作により押圧されてオフ状態からオン状態に切り替わるタクタイルスイッチよりなる複数の電気スイッチ部材と、を有する複数段押しボタンスイッチ装置において、上記押しボタン部材と該押しボタン部材を付勢する付勢手段の反力を受ける反力壁との間に、n個(nは2以上の整数)の押しボタンスイッチと、少なくとも1個の負荷吸収ばねとを、同一軸線上に、かつ上記反力壁に接触する要素以外の要素を可動に配置したこと、個の上記押しボタンスイッチそれぞれは、上記電気スイッチ部材と該電気スイッチ部材を動作させる押圧部材からなり、n個より1つ少ない(n-1)個以上の上記電気スイッチ部材と上記押圧部材との間には、上記電気スイッチ部材と上記押圧部材を離間させる中間ばね部材が配置されていること、上記押しボタン部材を押込変位させたとき、個の上記電気スイッチ部材が該電気スイッチ部材に接近移動する上記押圧部材により押圧されることにより順番にオンすること、上記押しボタン部材の最大押込変位位置を機械的に規制するストッパを設けたこと、上記負荷吸収ばねは、上記押しボタン部材と該押しボタン部材に最も近い上記押しボタンスイッチの間、隣り合う上記押しボタンスイッチ同士の間、及び上記反力壁と該反力壁に最も近い上記押しボタンスイッチとの間の少なくとも1カ所に配置されていること、及びn-1)個以上の上記中間ばね部材及び上記負荷吸収ばねは、上記押しボタン部材が上記ストッパに当接する前に、最後にオンされる上記電気スイッチ部材をオンさせるように、その強さが設定されていること、を特徴とする。
【0010】
本発明の複数段押しボタンスイッチ装置は、少なくとも1個の上記押しボタンスイッチに、その中間ばね部材の初期弾性力を定める手段がさらに備えられていることが好ましい。
【0011】
個の上記押しボタンスイッチには、1個の上記中間ばね部材が配置されていない押しボタンスイッチと、(n-1)個の上記中間ばね部材が配置されている押しボタンスイッチが含むことができる。
【0012】
個の上記押しボタンスイッチは、全て上記中間ばね部材が配置されている押しボタンスイッチとすることができる。
【0013】
本発明の複数段押しボタンスイッチ装置は、最も簡単にはn=2とすることができる。
【0014】
本発明は、数の上記電気スイッチ部材のオン/オフにより、体内挿入部先端に開口した吐出ノズルから、送気、送水及び噴霧のいずれか2つ以上の動作を実行する電磁弁を備えている内視鏡の複数段押しボタンスイッチ装置に適用することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の複数段押しボタンスイッチ装置によれば、電気スイッチへかかる負荷を一定にでき、押しボタン部材を強く押しても負荷が増えない。従って、過剰な押圧力による破損を防ぐことができる。また、内視鏡の複数段押しボタンスイッチ装置に適用すれば、内視鏡操作部以外の場所に(も)設置することができ、術者以外の第三者による操作が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明を適用する複数段押しボタンスイッチ装置を有する内視鏡の概念図である。
図2】同内視鏡の挿入部先端の概念図である。
図3図1の内視鏡の制御系を示すブロック図である。
図4図4A図4Bは、本発明による二段押しボタンスイッチ装置による送気送水、噴霧の切換状況を示す図である。
図5図5A図5B及び図5Cは、本発明を二段押しボタンスイッチ装置に適用した第1の実施形態群を示す概念図である。
図6図5Aの二段押しボタンスイッチ装置をより具体的にした第1の実施形態を示すもので、図6Aは縦断面図、図6B図6Aの6B-6B線に沿う断面図である。
図7図6の二段押しボタンスイッチ装置の第1の実施形態の分解斜視図である。
図8】本発明による二段押しボタンスイッチ装置の第2の実施形態群の1つを示す概念図である。
図9図8の二段押しボタンスイッチ装置をより具体的にした第2の実施形態を示すもので、図9Aは縦断面図、図9B図9Aの9B-9B線に沿う断面図である。
図10図9の二段押しボタンスイッチ装置の分解斜視図である。
図11】本発明による二段押しボタンスイッチ装置をより具体的にした図9の第2の実施形態のさらに別の実施形態を示す縦断面図である。
図12】本発明による二段押しボタンスイッチ装置の第2の実施形態群の変形例を示す概念図である。
図13図12の二段押しボタンスイッチ装置をより具体的にした実施形態を示す縦断面図である。
図14】本発明による二段押しボタンスイッチ装置の第2の実施形態群の他の変形例を示す概念図である。
図15図14の二段押しボタンスイッチ装置をより具体的にした実施形態を示す縦断面図である。
図16図16A図16B、及び図16Cは、本発明の複数段押しボタンスイッチ装置を一般化した実施形態群を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明による複数段押しボタンスイッチ装置を適用する医療用内視鏡10の概念図であり、操作部11と、操作部11から前方に延びる体内挿入部12と、操作部11から後方に延びるユニバーサルチューブ13と、ユニバーサルチューブ13の後端に固定したコネクタ部14と、を備えている。体内挿入部12は、操作部11側から順に可撓性を有する可撓管と、湾曲管と、先端硬性部を有しており、操作部11に設けた湾曲操作部(図示せず)の操作により湾曲管が湾曲操作される。
【0018】
体内挿入部12、操作部11及びユニバーサルチューブ13内には、一連の送気チューブ21と、一連の送水チューブ22と、一連の吸引管路23とが挿通されている。送気チューブ21と送水チューブ22の先端部は、単一の吐出ノズル24(図2参照)に合流して体内挿入部12の先端面(先端硬性部)に開口しており、送気チューブ21の後端部は、ユニバーサルチューブ13からの突出部が送気開閉弁(電磁弁)V1を介してエアポンプ31に接続されている。また、送水チューブ22の後端部は、同様にユニバーサルチューブ13からの突出部が送水ボトル32内の水中に導かれている。送水ボトル32には、該送水ボトル32内の水面より上方の空間に、エアポンプ31からの圧縮空気が送気通路33を介して導かれ、送気通路33には送水開閉弁(電磁弁)V2が設けられている。また、送水開閉弁V2より送水ボトル32側において送気通路33から分岐した分岐通路34には、圧力開放弁(電磁弁)V3が設けられている。図1では、認識(視認)を容易にするため、送気チューブ21に粗いピッチのハッチングを施し、送水チューブ22に密なピッチのハッチングを施し、吸引管路23にはハッチングを施していない。
【0019】
吸引管路23は、その後端部がコネクタ部14近傍に開口する吸引口15に接続され、吸引口15には、吸引開閉弁(電磁弁)V4を有する吸引管路16が接続されている。吸引管路16は吸引ポンプ(図示せず)に接続されている。また、吸引管路23は、体内挿入部12内において鉗子管路25として分岐し、鉗子管路25は、操作部11の鉗子挿入部17に連なっている。
【0020】
体内挿入部12の先端部には、図2に示すように、上述の吐出ノズル24と吸引管路23が開口している。吐出ノズル24は、端部閉塞壁24aと、この端部閉塞壁24aの対物レンズ26側の一部を開口させた(除去した)開口部24bとを有している。吐出ノズル24に供給された空気、水または霧(空気と水の混合体)は対物レンズ26に向かって供給される。なお、噴霧を必要としない内視鏡では、送気チューブ21と送水チューブ22用に独立させて吐出ノズルを設けてもよい。
【0021】
体内挿入部12の先端部には、また、対物レンズ26と、対物レンズ26を挟む一対の配光レンズ27が位置している。対物レンズ26によって形成された体腔内の像は、体内挿入部12内の撮像素子(図示せず)上に結像し、その映像信号が体内挿入部12、操作部11、ユニバーサルチューブ13及びコネクタ部14を通る映像ケーブルを介してプロセッサ(図示せず)に送られる。また配光レンズ27の背面には発光素子(図示せず)が位置しており、この発光素子に対して、同プロセッサからコネクタ部14、ユニバーサルチューブ13、操作部11及び体内挿入部12を通るケーブルを介して通電されると、同発光素子が発光し、照明光が配光レンズ27から射出される。
【0022】
操作部11には、吸引開閉弁V4を制御する吸引ボタン装置40と、送気開閉弁V1、送水開閉弁V2及び圧力開放弁V3を制御する二段押しボタンスイッチ装置50とが設けられている。吸引ボタン装置40は1つの電気スイッチSW3を有し、二段押しボタンスイッチ装置50は、2つの電気スイッチSW1とSW2を有している。
【0023】
図3には、送気開閉弁V1、送水開閉弁V2、圧力開放弁V3及び吸引開閉弁V4を制御する制御系の構成が示されている。制御回路35は、電気スイッチSW1、SW2、SW3のオン/オフを受けて、送気開閉弁V1、送水開閉弁V2、圧力開放弁V3及び吸引開閉弁V4を開閉制御する。
【0024】
図4A及び図4Bは、2つの電気スイッチSW1とSW2の動作(オン/オフ、ON-OFF)状態と、送気開閉弁V1、送水開閉弁V2及び圧力開放弁V3の開閉制御例を示している。送気開閉弁V1と送水開閉弁V2は常閉弁であり、圧力開放弁V3は常開弁である。図4Aでは、二段押しボタンスイッチ装置50の押しボタンの1段押込操作により、電気スイッチSW1がオンして送気開閉弁V1が開き、2段押込操作により、電気スイッチSW1のオンを維持したまま電気スイッチSW2がオンして送気開閉弁V1が閉じ、送水開閉弁V2が開く。圧力開放弁V3は、二段押しボタンスイッチ装置50の1段押込操作では開状態を保持し、2段押込操作で(電気スイッチSW2がオンすると)、閉じる。従って、図4Aに示すように、二段押しボタンスイッチ装置50の1段押込操作で、吐出ノズル24(開口部24b)から空気が噴出し(送気され)、2段押込操作で水が噴出する(送水される)。
【0025】
図4Bは、二段押しボタンスイッチ装置50の2段押込操作によって電気スイッチSW1とSW2が共にオンしたとき、送気開閉弁V1が開状態を維持している点が図4Aと異なる。このため、二段押しボタンスイッチ装置50の1段押込操作で、吐出ノズル24(開口部24b)から空気が噴出し(送気され)、2段押込操作で霧(空気と水の混合体)が噴出する(噴霧される)。
【0026】
図5A図5B、及び図5Cは、本発明を以上の電気スイッチSW1とSW2のオン/オフ動作を実行する二段押しボタンスイッチ装置50に適用した第1の実施形態(群)を示している。最初に図5Aを説明すると、この二段押しボタンスイッチ装置50は、同一軸線O上に、図の上部から順に、押しボタン(押しボタン部材)51、負荷吸収ばね52、第1の押しボタンスイッチ(電気スイッチユニット)80、第2の押しボタンスイッチ(電気スイッチユニット)90及び反力壁(固定壁)59を備えている。第1の押しボタンスイッチ80を構成する主たる要素には同一態様のハッチングを付し、第2の押しボタンスイッチ90を構成する主たる要素には第1の押しボタンスイッチ80とは異なる同一態様のハッチングを付して、ユニットの識別を容易にした。
【0027】
第1の押しボタンスイッチ80は、第1押圧部材53と第1スイッチ(電気スイッチ、電気スイッチ部材)55を有し、第2の押しボタンスイッチ90は、第2押圧部材56、中間ばね(中間ばね部材)57及び第2スイッチ(電気スイッチ、電気スイッチ部材)58を有している。
【0028】
反力壁59上に位置する第2の押しボタンスイッチ90の第2スイッチ58を除く全ての要素は、軸線O方向に可動であり、上方に移動付勢されている。押しボタン51の突出位置は機械的ストッパ(図示せず)によって規制されており、押込位置は、ストッパフランジ51cが押込位置ストッパ60に当接する位置によって規制されている。ストッパフランジ51cと押込位置ストッパ60は、押しボタン(押しボタン部材)51の最大押込変位位置を機械的に規制するストッパを構成する。第1スイッチ55と第2スイッチ58のいずれか一方が、図4A図4Bの電気スイッチSW1を構成し、他方が電気スイッチSW2を構成する。
【0029】
第1スイッチ55と第2スイッチ58は、ともに市販のタクタイルスイッチからなるもので、常時はオフ状態に維持され、作動部55s、58sを押圧するとオンする。第1押圧部材53の下端部の押圧部53aは、第1スイッチ55の作動部55sと接触(対向)する。第2押圧部材56には、第2スイッチ58の作動部58sと接触(対向)する押圧部56aが備えられている。
【0030】
図5Aでは、初期位置(突出)状態の押しボタン51が押込位置ストッパ60に当接する迄のストロークをL、第2の押しボタンスイッチ90の第2押圧部材56が第2スイッチ58をオンする迄のストロークをL2とし、L>L2に設定している。ストロークL、L2は、厳密には、作動部55s、58sを押込変位させて第1の押しボタンスイッチ80の第1スイッチ55及び第2の押しボタンスイッチ90の第2スイッチ58をオンさせるためのストローク(図示せず)を含んでいる。ストロークL2は、例えば1mm以下とすることができる。
【0031】
以上の二段押しボタンスイッチ装置50は、押しボタン51を押込操作する(押込変位させる)ことで、負荷吸収ばね52及び第2の押しボタンスイッチ90の中間ばね57を撓ませ(圧縮し)ながら、その変位を第1の押しボタンスイッチ80の第1押圧部材53、第1スイッチ55、及び第2の押しボタンスイッチ90の第2押圧部材56に伝達し、第1スイッチ55と第2スイッチ58を順番にオンさせることができる。一つの制御例を説明すると、ユーザーの指(付勢手段)により押しボタン51に加えられた押圧力(付勢力)は負荷吸収ばね52に伝わり、指の移動量(付勢力)の増加とともに負荷吸収ばね52が圧縮されてその弾性力が増す。負荷吸収ばね52の弾性力により第1の押しボタンスイッチ80の第1押圧部材53の押圧部53aが作動部55sを押し、負荷吸収ばね52の弾性力が第1スイッチ55の作動力量を上回った時に第1スイッチ55がオンする。さらに押しボタン51を押し込むと、負荷吸収ばね52、第1の押しボタンスイッチ80の第1押圧部材53と第1スイッチ55及び第2の押しボタンスイッチ90の第2押圧部材56を介して中間ばね57が押圧され、第1押圧部材53と第1スイッチ55及び第2押圧部材56が中間ばね57を圧縮しながら移動し、押圧部56aが作動部58sに接触して押圧し、第2スイッチ58がオンする。そして、第2スイッチ58がオンした後、押しボタン51が押込位置ストッパ60に当接して押込位置が規制される。
【0032】
このため、押しボタン51にそれ以上押圧力を加えても第2スイッチ58及び第1スイッチ55への負荷が増えることはない。また、この実施形態では、ストロークL2をストロークLより小さく設定しているため、第1の押しボタンスイッチ80の第1スイッチ55の移動量は小さく、配線が破損するなどのトラブルが生じにくい。また、押しボタン51が押込位置ストッパ60に当接する迄のストロークL、及び第2の押しボタンスイッチ90の第2押圧部材56が第2スイッチ58をオンする迄のストロークL2の設定には自由度があり、シリンダ内に摺動自在に嵌めたピストン体の押込変位位置を変えることにより送気、送水(噴霧)を行う従来装置と同様の操作感を得ることができる。
【0033】
図5Aの第1の実施形態は、押しボタン51と第1の押しボタンスイッチ80(の第1スイッチ55)の間に負荷吸収ばね52を挿入した実施形態であるが、図5B図5Cは、負荷吸収ばね52の挿入位置を異ならせた第1の実施形態の変形例である。すなわち、図5Bでは、第1の押しボタンスイッチ80(の第1スイッチ55)と第2の押しボタンスイッチ90(の第2押圧部材56)との間に負荷吸収ばね52を挿入し、図5Cでは、第2の押しボタンスイッチ90(の第2スイッチ58)と反力壁59との間に負荷吸収ばね52を挿入している。図5B図5Cの実施形態でも、図5Aの実施形態と同様の作用効果を得ることができる。負荷吸収ばね52は、押しボタン51と第1の押しボタンスイッチ80(の第1押圧部材53)との間(図5A)、第1の押しボタンスイッチ80(の第1スイッチ55)と第2の押しボタンスイッチ90(の第2押圧部材56)との間(図5B)、及び第2の押しボタンスイッチ90(の第2スイッチ58)と反力壁59との間(図5C)のいずれか1カ所以上に挿入することができる。図5A及び図5Bの例では、中間ばね57は反力壁59を付勢する付勢手段を構成し、図5Cの例では、負荷吸収ばね52は反力壁59を付勢する付勢手段を構成している。
【0034】
図6A図6B、及び図7は、図5Aの実施形態をより具体的にした実施形態である。この実施形態では、固定部材として、ハウジング壁60a、ハウジング壁60aに抜止リング60bで固定した第1シリンダ60c、第1シリンダ60cにねじ込み固定した第2シリンダ60d、及び第2シリンダ60dにねじ込み固定した端部キャップ60eが備えられており、この端部キャップ60eの端部フランジ60fが図5の実施形態の反力壁59を構成し、第2シリンダ60dの上端面が押込位置ストッパ60を構成している。第2シリンダ60dは、図の上方の小径部60d1と下方の大径部60d2を有し、小径部60d1と大径部60d2の間の内方段部に、第1スイッチ55の突出位置を規制する突出位置ストッパ60d3を備えている。
【0035】
押しボタン51は、断面ハット形状のハット状ボタン51aと、ハット状ボタン51aを覆うゴム製ボタンカバー51bとからなり、ハット状ボタン51aの図の下端部のストッパフランジ51cが第1シリンダ60cの内方フランジ部60gと当接する位置で、押しボタン51の突出端が規制されている。押しボタン51の突出位置(初期位置状態)からストッパフランジ51cが押込位置ストッパ60に当接する迄の押込位置へのストロークはLである。
【0036】
第2シリンダ60dの小径部60d1には、第1の押しボタンスイッチ80の第1押圧部材53の外方フランジ53dが摺動自在に嵌まっており、大径部60d2には、第1スイッチ55を接着固定した第2押圧部材56の円筒状部56b(上端フランジ56bf)が摺動自在に嵌まっている。ハット状ボタン51aと第1押圧部材53との間には負荷吸収ばね52が圧縮状態で挿入されている。第2押圧部材56は、上端フランジ56bfの上端部のストッパ56bsが第2シリンダ60dの突出位置ストッパ60d3に当接して突出位置が規制される。第2押圧部材56の円筒状部56bの上端部には、軸部貫通孔56dが穿設されており、この軸部貫通孔56dに、第1押圧部材53の中心軸53cの下端部の押圧部53aが摺動自在に嵌まっている。押圧部53aの下端部と第1スイッチ55の作動部55sとは対向(接触)している。円筒状部56bの下端部には押圧部56aが接着固定されており、この押圧部56aには、第1スイッチ55の配線を通す配線孔56cが形成されている。
【0037】
第2の押しボタンスイッチ90の第2スイッチ58は、円筒状の第2スイッチホルダ58aに接着固定されており、第2スイッチホルダ58aには、第1スイッチ55の配線と第2スイッチ58の配線を通す配線孔58bが形成されている。中間ばね57は、円筒状部56bの上端フランジ56bfと、第2スイッチホルダ58aの外方フランジ58cとの間に、圧縮状態で挿入されている。中間ばね57は、その初期弾性力により、第2押圧部材56(第1スイッチ55)をストッパ56bsが第1突出位置ストッパ60d3に当接した突出位置(初期位置)に保持している。すなわち、第1突出位置ストッパ60d3は中間ばね57の初期弾性力を設定している。例えば、中間ばね57の初期弾性力は、1段目の第1スイッチ55が作動するときの押圧力より1N以上大きく設定することができる。第2スイッチホルダ58aは、外方フランジ58cを第2シリンダ60dの下端部に、端部キャップ60eの端部フランジ60f(反力壁59)で押えて固定されている。また、第2スイッチホルダ58aは、第2シリンダ60dにねじ止め、または接着固定することもできる。押圧部(押圧部材)56aの下端部と第2スイッチ58の作動部58sとの間には隙間(ストローク)L2が設定されている。
【0038】
図6図7の実施形態では、中間ばね57の初期弾性力及びばね定数が負荷吸収ばね52のそれらより強く、線径をその順番に太く描いている。中間ばね57の初期弾性力は、第2押圧部材56の突出方向の初期位置が規制されているので、負荷吸収ばね52より大きく設定することが可能であり、その初期弾性力は、中間ばね57のばね定数だけでなく、中間ばね57の自然長と初期圧縮長により設定することができる。
【0039】
次に、図8は、本発明を二段押しボタンスイッチ装置50に適用した第2の実施形態の概念図である。この第2の実施形態では、図5図5A図5B図5C)に示した第1の実施形態及び変形例の第1押圧部材53と第1スイッチ55の間に中間ばね(中間ばね部材)54を挿入して第1の押しボタンスイッチ80Xとしている。すなわち、第1の実施形態及びその変形例において、第1の押しボタンスイッチ80の第1押圧部材53と第1スイッチ55の間に中間ばね54を挿入して、第1押圧部材53と第1スイッチ55に離間力を作用させたものが第1の押しボタンスイッチ80Xであり、第1の押しボタンスイッチ80Xと第2の押しボタンスイッチ90の構成は実質的に同一である。第1の押しボタンスイッチ80Xを構成する主たる要素には同一態様のハッチングを付し、第2の押しボタンスイッチ90を構成する主たる要素には第1の押しボタンスイッチ80Xとは異なる同一態様のハッチングを付して、ユニットの識別を容易にした。
【0040】
この図8の二段押しボタンスイッチ装置50は、第1の押しボタンスイッチ80Xの中間ばね54により、常時は第1押圧部材53の押圧部53aと第1スイッチ55の作動部55sを隙間(ストロークL1)だけ離間させている。図示例では、初期位置(突出)状態の押しボタン51が押込位置ストッパ60に当接する迄のストロークをL、第2の押しボタンスイッチ90の第2押圧部材56が第2スイッチ58をオンする迄のストロークをL2とし、L>L1>L2に設定している。ストロークL、L1、L2は、厳密には、作動部55s、58sを押込変位させて第1の押しボタンスイッチ80Xの第1スイッチ55と、第2の押しボタンスイッチ90の第2スイッチ58をオンさせるためのストローク(図示せず)を含んでいる。以下、同様に、各ストロークL、L1、L2は第1スイッチ55及び第2スイッチ58をオンさせるためのストロークを含んでいるものとする。ストロークL2は、例えば1mm以下とすることができる。
【0041】
この第2の実施形態では、第1の押しボタンスイッチ80Xの中間ばね54により押圧力やストロークを増加させることができる。また、第2の押しボタンスイッチ90の中間ばね57の初期弾性力を大きくすることで、第2スイッチ58の作動のためのストロークを負荷吸収ばね52で稼ぐことができる。なお、第2の押しボタンスイッチ90の中間ばね57の初期弾性力(ばね定数)を第1の押しボタンスイッチ80Xの中間ばね54の初期弾性力(ばね定数)より小さく設定することで、第1スイッチ55と第2スイッチ58の作動の順序を逆にすることができる。
【0042】
図9図10は、図8の第2の実施形態をより具体的にした実施形態である。この図9図10の実施形態と、図6図7の実施形態との主な差異は、第1の押しボタンスイッチ80Xの中間ばね54の有無であり、共通部分には共通の符号を付している。
【0043】
第1の押しボタンスイッチ80Xの第1押圧部材53は、外側筒部53bと、外側筒部53bの軸孔に螺合固定された中心軸53cとからなり、外側筒部53bの図の下端部に形成した外方フランジ53dとハット状ボタン51aとの間に、負荷吸収ばね52が圧縮状態で挿入されている。外方フランジ53dは、第2シリンダ60dの小径部60d1に摺動自在に嵌まっている。また、円筒状部56bの上端部には、軸部貫通孔56dが穿設されており、この軸部貫通孔56dに、第1押圧部材53の中心軸53cの下端部の押圧部53aが摺動自在に嵌まっている。押圧部53aの下端部と第1スイッチ55の作動部55sとの間には隙間(ストローク)L1が設定されている。中間ばね54は、第1押圧部材53の中心軸53cと外側筒部53bとの間の環状隙間に圧縮状態で挿入され、第2押圧部材56(第1スイッチ55)を下方に押圧付勢している。第1の押しボタンスイッチ80Xの第1押圧部材53は、負荷吸収ばね52と中間ばね54の弾性力が均衡した初期位置に保持されている。
【0044】
図9図10の実施形態では、第2の押しボタンスイッチ90の中間ばね57の初期弾性力が最も強く、負荷吸収ばね52と第1の押しボタンスイッチ80Xの中間ばね54の初期弾性力は同一であり、ばね定数は、第1の押しボタンスイッチ80Xの中間ばね54、負荷吸収ばね52及び第2の押しボタンスイッチ90の中間ばね57の順番に強く、線径をその順番に太く描いている。図9の実施形態は、負荷吸収ばね52及び中間ばね54の初期弾性力が同一なので、第1押圧部材53(中間ばね54)の移動規制は不要である。
【0045】
これに対し、図11の実施形態は、第1の押しボタンスイッチ80Xの中間ばね54の初期弾性力(初期撓み量)を大きくする場合に適した、図9Aに示した第2の実施形態の別態様の実施形態である。この実施形態は、第1の押しボタンスイッチ80Xの第1押圧部材53の形態が図9図10の実施形態の第1押圧部材53と異なる。第1押圧部材53は、図9図10の実施形態では、外側筒部53bと中心軸53cからなっていたのに対し、図11の実施形態では、外側筒部53bと、中心軸53c’と、抜止ピン53fからなっている。中心軸53c’には、軸部下端に開口する連結孔53gが穿設され、抜止ピン53fは、頭部53f1と、連結孔53gに挿入される挿入軸部53f2を備えている。第1押圧部材53の組立に当たっては、第1押圧部材53の外側筒部53bと中心軸53c’との間に、圧縮した中間ばね54を挿入し、その挿入状態で、円筒状部56bの軸部貫通孔56dから抜止ピン53fの挿入軸部53f2を挿入し、同挿入軸部53f2をさらに中心軸53c’の連結孔53gに挿入して接着(または圧入)固定する。中間ばね54は、外側筒部53bと中心軸53c’と抜止ピン53fによって伸び(初期弾性力)が規制される。すなわち、外側筒部53bと中心軸53c’と抜止ピン53fは、中間ばね54の初期弾性力を設定している。頭部53f1の下端部が押圧部53aを構成する。頭部53f1(押圧部53a)と第1スイッチ55の作動部55sとの間には隙間(ストローク)L1が形成される。この他の構成は、図9図10の実施形態と共通であり、共通部分には共通の符号を付している。
【0046】
図11の二段押しボタンスイッチ装置50は、第1の押しボタンスイッチ80Xの押しボタン51を押込操作することで、負荷吸収ばね52、第1の押しボタンスイッチ80Xの中間ばね54及び第2の押しボタンスイッチ90の中間ばね57を撓ませ(圧縮し)ながら、その変位を第1の押しボタンスイッチ80Xの第1押圧部材53、第1スイッチ55、及び第2の押しボタンスイッチ90の第2押圧部材56に伝達し、第1スイッチ55と第2スイッチ58を順番にオンさせることができる。一つの制御例を説明すると、ユーザーの指により押しボタン51に加えられた押圧力は負荷吸収ばね52に伝わり、指の移動量の増加とともに負荷吸収ばね52が圧縮されてその弾性力が増す。すると、負荷吸収ばね52の弾性力により第1の押しボタンスイッチ80Xの第1押圧部材53が押圧され、その押圧力が中間ばね54の初期弾性力を上回ると、第1押圧部材53が中間ばね54を圧縮しながら下降し、押圧部53aが作動部55sを押圧し、その押圧力が第1スイッチ55の作動力量を上回った時に第1スイッチ55がオンする。さらに押しボタン51を押し込むと、負荷吸収ばね52、第1の押しボタンスイッチ80Xの第1押圧部材53と第1スイッチ55及び第2の押しボタンスイッチ90の第2押圧部材56を介して中間ばね57が押圧され、その押圧力が中間ばね57の初期弾性力を上回ると、第1押圧部材53と第1スイッチ55及び第2押圧部材56が中間ばね57を圧縮しながら移動し、押圧部56aが作動部58sに接触して押圧し、第2スイッチ58がオンする。そして、第2スイッチ58がオンした後、押しボタン51(ストッパフランジ51c)が押込位置ストッパ60に当接して押込位置が規制される。
【0047】
図11の実施形態によれば、第1の押しボタンスイッチ80Xの中間ばね54の力が強い場合にも第1押圧部材53と第1スイッチ55の間に中間ばね54を圧縮状態で挿入支持することができる。なお、第2の押しボタンスイッチ90の中間ばね57の初期弾性力(ばね定数)を第1の押しボタンスイッチ80Xの中間ばね54の初期弾性力(ばね定数)より小さく設定することで、第1スイッチ55と第2スイッチ58の作動の順序を逆にすることができる。
【0048】
図12は、本発明による二段式押しボタンスイッチ構造の第2の実施形態(図8)の変形例の概念図を示している。この実施形態(変形例)は、第2の実施形態における負荷吸収ばね52の配置位置を、反力壁59と第2の押しボタンスイッチ90との間に変更し、押しボタン51と第1押圧部材53を一体にして押しボタン51Xに変更した実施形態に相当する。すなわち、この実施形態では、同一軸線O上に、押しボタン51X側から順に、押しボタン51Xを含む第1の押しボタンスイッチ80Y、第2の押しボタンスイッチ90及び負荷吸収ばね52が位置していて、負荷吸収ばね52の下端部が反力壁59に当接(固定)されている。第1の押しボタンスイッチ80Yは、押しボタン51X、中間ばね54及び第1スイッチ55からなり、第2の押しボタンスイッチ90は、第2押圧部材56、中間ばね57及び第2スイッチ58からなっている。第1の押しボタンスイッチ80Yを構成する主たる要素には同一態様のハッチングを付し、第2の押しボタンスイッチ90を構成する主たる要素には第1の押しボタンスイッチ80Yとは異なる同一態様のハッチングを付して、ユニットの識別を容易にした。
【0049】
この実施形態では、第1の押しボタンスイッチ80Yの第1スイッチ55と第2の押しボタンスイッチ90の第2押圧部材56が中間ばね54と中間ばね57との間に挟まれて可動なだけでなく、第2の押しボタンスイッチ90の第2スイッチ58も中間ばね57と負荷吸収ばね52との間に挟まれて可動である。
【0050】
押しボタン51Xは、押込位置ストッパ60と当接するストッパフランジ51cと、第1の押しボタンスイッチ80Yの第1スイッチ55の作動部55sに対向する押圧部53aを有している。この実施形態では、押しボタン51Xを押し込むと、第1の押しボタンスイッチ80Yの中間ばね54、第2の押しボタンスイッチ90の中間ばね57及び負荷吸収ばね52の全てのばねが撓み(圧縮され)ながら、第1スイッチ55と第2スイッチ58が順番にオンする。そして、中間ばね54、中間ばね57及び負荷吸収ばね52のばね力は、押しボタン51Xのストッパフランジ51cが押込位置ストッパ60に当接する前に、最後のスイッチ(第1スイッチ55または第2スイッチ58)がオンするように設定されている。第1スイッチ55と第2スイッチ58のいずれを先にオンさせるかは、第1の押しボタンスイッチ80Yの中間ばね54、第2の押しボタンスイッチ90の中間ばね57及び負荷吸収ばね52のばね力の設定によって決定することができる。
【0051】
図13は、図12の第2の実施形態の変形例をより具体化した実施形態である。ハウジング壁60aには、ゴム製ボタンカバー51fと第1シリンダ60cが分割リング60c1を介して固定されており、第1シリンダ60cに、外側シリンダ体70を嵌めた固定シリンダ60hが螺合固定されている。
【0052】
外側シリンダ体70は、上端部に固定シリンダ60hと摺動するフランジ70aを有する筒状体70bと、この筒状体70bの下端部に螺合固定したキャップ部材70cを有しており、この筒状体70bの下端部とキャップ部材70cとの間に、第2スイッチ58(第2スイッチホルダ58a)が固定されている。すなわち、第2スイッチ58は外側シリンダ体70と一緒に移動する。固定シリンダ60hと外側シリンダ体70の間の環状空間内に、負荷吸収ばね52が圧縮状態で挿入されている。外側シリンダ体70は、負荷吸収ばね52の弾性力により突出方向に付勢され、フランジ70aの上面のストッパ70asが第1シリンダ60cの下面のストッパ60sに当接して、突出位置が規制され、負荷吸収ばね52の初期弾性力が設定されている。
【0053】
外側シリンダ体70の筒状体70b内には、第1の押しボタンスイッチ80Yの第1スイッチ55を有する第2押圧部材56が摺動自在に嵌まっている。第2の押しボタンスイッチ90の第2押圧部材56の構成は、図8の実施形態のそれと似ており、第1スイッチ55は円筒状部56bに接着固定されており、円筒状部56bは、筒状体70bに摺動自在に支持されている。第2押圧部材56は、ストッパ56bsが外側シリンダ体70のフランジ70aの内周下面ストッパ70as1に当接して突出位置が規制されている。第2押圧部材56の円筒状部56bの下端部には押圧部(押圧部材)56aが接着固定されており、この押圧部56aには、第1スイッチ55の配線を通す配線孔56cが形成されている。また、円筒状部56bの上端部には、軸部貫通孔56dが穿設されている。第2の押しボタンスイッチ90の第2押圧部材56の上端フランジ56bfと第2スイッチホルダ58aとの間に、圧縮状態の中間ばね57が収納されている。
【0054】
押しボタン51Xは、ゴム製ボタンカバー51f内に位置するハット状ボタン51aを有し、このハット状ボタン51aと第2押圧部材56の上端面との間に、第1の押しボタンスイッチ80Yの中間ばね54が挿入されている。ハット状ボタン51aの軸部には連結ロッド51dが螺合固定されており、この連結ロッド51dの軸孔51e内に、円筒状部56b内から軸部貫通孔56dを通して挿入した抜止ピン53fの挿入軸部53f2が圧入固定されている。ハット状ボタン51aと第2押圧部材56の組立に当たっては、連結ロッド51dとハット状ボタン51aとの間に、圧縮した中間ばね54を挿入し、その挿入状態で、円筒状部56bの軸部貫通孔56dから抜止ピン53fの挿入軸部53f2を挿入し、同挿入軸部53f2をさらに軸孔51eに挿入して接着(または圧入)固定する。この抜止ピン53fの頭部53f1の下端部が押圧部53aを構成する。頭部53f1(押圧部53a)と第1スイッチ55の作動部55sとの間には隙間(ストローク)L1が形成される。第2の押しボタンスイッチ90の中間ばね57は、その初期弾性力により、第2押圧部材56(第1スイッチ55)をストッパ56bsが外側シリンダ体70のストッパ70as1に当接した突出位置(初期位置に)保持している。つまり、ストッパ70as1は、中間ばね57の初期弾性力を設定している。第1の押しボタンスイッチ80Yの中間ばね54は、ハット状ボタン51aと連結ロッド51dと抜止ピン53fによって伸び(初期弾性力)が規制される。すなわち、ハット状ボタン51aと連結ロッド51dと抜止ピン53fは、中間ばね54の初期弾性力を設定している。ハット状ボタン51aの最大突出位置は、ストッパフランジ51cが分割第1シリンダ60c1の内方フランジ部60gに当接した位置で規制される。
【0055】
従って、図13の実施形態では、ゴム製ボタンカバー51fを撓ませてハット状ボタン51aを押込変位させると、先ず第1の押しボタンスイッチ80Yの中間ばね54が初期弾性力を超えて撓み、ハット状ボタン51aと連結ロッド51dと抜止ピン53fが一体として下方に変位(押込変位、下降)し、第2の押しボタンスイッチ90の中間ばね57及び負荷吸収ばね52が初期弾性力を超えたときに撓んで第2押圧部材56と外側シリンダ体70が下方に変位(押込変位、下降)し、その過程において、第1スイッチ55と第2スイッチ58が順番にオンする。第1スイッチ55と第2スイッチ58のどちらを先にオンさせるかは、中間ばね54、中間ばね57及び負荷吸収ばね52のばね力(ばね定数及び初期弾性力)の設定によって決定することができる。そして、押しボタン51Xを最大ストローク押し込む前に、最後のスイッチ(第1スイッチ55または第2スイッチ58)がオンする。
【0056】
図14は、本発明による二段式押しボタンスイッチ構造の第2の実施形態(図8図12)のさらに別(第2)の変形例を示している。この第2の実施形態の第2の変形例は、図8図12の実施形態における負荷吸収ばね52の配置位置を、第1の押しボタンスイッチ80Y(80X)と第2の押しボタンスイッチ90との間に変更した変形例に相当する。すなわち、図14の変形例では、同一軸線O上に位置させて、押しボタン51X側から順に、押しボタン51Xを含む第1の押しボタンスイッチ80Y、負荷吸収ばね52及び第2の押しボタンスイッチ90が配置されていて、初期状態(無負荷状態)において、押しボタンスイッチ90の第2スイッチ58の下端部が反力壁59に当接(固定)されている。
【0057】
第1の押しボタンスイッチ80Yは、押しボタン51X、中間ばね54及び第1スイッチ55からなり、第2の押しボタンスイッチ90は、第2押圧部材56’、中間ばね57及び第2スイッチ58からなっている。第1の押しボタンスイッチ80Yを構成する主たる要素には同一態様のハッチングを付し、第2の押しボタンスイッチ90を構成する主たる要素には第1の押しボタンスイッチ80Yとは異なる同一態様のハッチングを付して、ユニットの識別を容易にした。
【0058】
この第2の実施形態の第2の変形例では、第1の押しボタンスイッチ80Yの第1スイッチ55は、中間ばね54と負荷吸収ばね52との間に挟まれて可動であり、第2の押しボタンスイッチ90の第2スイッチは、底部が反力壁59に当接して移動しない(固定されている)。
【0059】
この第2の実施形態の第2の変形例は、初期状態では、押しボタン51X、第1スイッチ55及び第2押圧部材56’が、中間ばね54、負荷吸収ばね52、及び中間ばね57の初期弾性力によってそれ以上上昇(突出)しないように移動規制されている。この実施形態では、中間ばね54、負荷吸収ばね52及び中間ばね57のばね定数と初期弾性力の設定により、第1スイッチ55と第2スイッチ58がオンする順番を設定することができる。
【0060】
第2スイッチ58、第1スイッチ55の順番にオンする場合の制御例について説明する。この制御例の場合、中間ばね54、負荷吸収ばね52及び中間ばね57のばね定数は、中間ばね57が最も小さく、中間ばね54、負荷吸収ばね52の順に大きく設定されている。初期弾性力は、負荷吸収ばね52が最も大きく、中間ばね57と54が同等または中間ばね57の方が小さく設定されている。
【0061】
ユーザーの指により押しボタン51Xに押込み力(付勢力)が付与され、その力が中間ばね54、57の初期弾性力を上回ると、押しボタン51Xは中間ばね54、57を圧縮しながら押込変位(下方に変位、下降)する。ばね定数は中間ばね54よりも中間ばね57の方が小さいので、第2押圧部材56’(の押圧部56a)の方が先に第2スイッチ58の作動部58sに接近して当接し、作動部58sを押圧する。押しボタン51Xの押し込みが継続し、作動部58sを押圧する力が第2スイッチ58の作動力量を上回ると、第2スイッチ58がオンする。第2スイッチ58がオンすると、第2スイッチ58は固定されているので、第2押圧部材56’は、それ以上の押込変位(下方変位、下降)が規制される。
【0062】
第2スイッチ58がオンするまでの間、押しボタン51Xの押し込みが継続しているので、押しボタン51Xは中間ばね54を圧縮しながら押込変位し、押圧部53aが作動部55sに接近するが、第2スイッチ58がオンしたとき、押圧部53aは作動部55sから離れている。第2スイッチ58がオンする前に、押圧部53aが作動部55sに当接してもよい。
【0063】
第2スイッチ58がオンした後、押しボタン51Xがさらに押し込まれると、押圧部53aが作動部55sに当接し、押圧する。押圧部53aが作動部55sを押圧する力が第1スイッチ55の作動力量を上回ると、第1スイッチ55がオンする。
【0064】
第1スイッチ55がオンした後、押しボタン51Xがさらに押し込まれると、押しボタン51X及び第1スイッチ55は一体になって負荷吸収ばね52を圧縮しながら押し下げられ、ストッパフランジ51cが押込位置ストッパ60に当接して、押しボタン51Xのそれ以上の押し込みが規制される。これにより、押しボタン51Xが強く押し込まれても、第1、第2スイッチ55、58が破損するおそれがない。
【0065】
押しボタン51Xのストッパフランジ51cが押込位置ストッパ60に当接するまでの間隔をストロークL、押圧部53aと作動部55sの間隔をストロークL1、押圧部53aと作動部55sの間隔をストロークL2とすると、この制御例では、L>L1>L2である。
【0066】
この実施形態の二段式押しボタンスイッチ構造によれば、押しボタン51Xのストロークを稼ぎつつ、第2スイッチ58は移動させないで、第1スイッチ55の移動量を小さくすることが容易である。この実施形態では、第1スイッチ55の移動量が少なくなるように、中間ばね57の初期弾性力及びばね定数を最も小さく(中間ばね54のそれより小さく)設定し、負荷吸収ばね52の初期弾性力及びばね定数を最も大きく設定している。中間ばね54のばね定数を調整することで、第1スイッチ55の移動量を変えずに、ストロークLを増やすことができる。
【0067】
この実施形態において、中間ばね54、負荷吸収ばね52及び中間ばね57の初期弾性力は、押しボタン51X、第1スイッチ55及び第2押圧部材56’の突出移動(突出位置・初期位置)を規制(可動範囲を制限)することで調整できることは、すでに説明した実施形態と同様である。
【0068】
中間ばね54のばね定数及び初期弾性力を、中間ばね57のそれらより大きく設定すれば、第2スイッチ58及び第1スイッチ55の順番でオンさせることができる。
【0069】
図15は、図14の第2の実施形態の第2の変形例をより具体化した実施形態である。ハウジング壁60aには、ゴム製ボタンカバー51f内に固定された第1シリンダ60cが抜止リング60bで固定されており、第1シリンダ60cの下端部には第2シリンダ60dが螺合固定され、第2シリンダ60dの下端部には、第2スイッチホルダ58aが端部キャップ60eにより固定されている。この端部キャップ60eの端部フランジ60fが図14の実施形態の反力壁59を構成し、第2シリンダ60dの上端面が押込位置ストッパ60を構成している。
【0070】
第2シリンダ60dは、図の上方の小径部60d1と下方の大径部60d2を有し、小径部60d1と大径部60d2の間の内方段部に、第1スイッチ55(第1スイッチホルダ55b)の突出移動(突出位置・初期位置)を規制する第1突出位置ストッパ60d3を備えている。
【0071】
第2シリンダ60dは、大径部60d2内に、第2押圧部材56’(円筒状部56b’)が摺動自在に収納され、大径部60d2の下端面と端部キャップ60eの端部フランジ60fとの間に、第2スイッチホルダ58aの外方フランジ58cが挟圧固定されている。
【0072】
第2押圧部材56’は、第2シリンダ60dの大径部60d2に摺動自在に嵌合された円筒状部56b’と、円筒状部56b’の下端部内に螺合固定された有底筒状部56fを備えている。円筒状部56b’の下端面と第2スイッチ58の外方フランジ58c上面との間には、中間ばね57が圧縮状態で挿入されている。円筒状部56b’は、中間ばね57の弾性力により、上端部の内方フランジ56e1の上面が突出位置ストッパ60d3の下面に当接して突出移動(相対突出位置・初期位置)が規制されている。内方フランジ56e1の上面と突出位置ストッパ60d3の下面の当接は、中間ばね57の初期弾性力を設定している。
【0073】
第2押圧部材56’の円筒状部56b’内には、第1スイッチホルダ55bが摺動自在に挿入され、第1スイッチホルダ55bの下端部には第1スイッチ55が嵌合固定されている。第1スイッチホルダ55bは、上端部に径方向外方に突出形成された外方ストッパ55bsが円筒状部56b’に摺動自在に嵌合されている。ストッパ55bsと有底筒状部56fの底部により形成された押圧部56aとの間に負荷吸収ばね52が圧縮状態で挿入されている。第1スイッチホルダ55bは、負荷吸収ばね52の弾性力により、ストッパ55bsの上面が円筒状部56b’の上端部の内方フランジ56e1の下面に当接して突出移動(相対突出位置・初期位置)が規制されている。ストッパ55bsの上面と内方フランジ56e1の下面の当接は、負荷吸収ばね52の初期弾性力を設定している。
【0074】
第1スイッチホルダ55bの上端部には軸部貫通孔56dが形成されていて、軸部貫通孔56dには下方から抜止ピン53f(挿入軸部53f2)が挿通されている。抜止ピン53f(挿入軸部53f2)の下端部には、第1スイッチホルダ55b内に位置し、抜け止め及び作動部55sを押圧するための頭部53f1(押圧部53a)が形成されている。抜止ピン53f(挿入軸部53f2)は、軸部貫通孔56dを貫通した上端部が連結ロッド51dの下端部の軸孔51eに圧入結合され、連結ロッド51dは、上端部がハット状ボタン51a’の天井部(上端部)の雌ねじに螺合結合されている。ハット状ボタン51a’、連結ロッド51d及び抜止ピン53fは、一体物として上下動する。
【0075】
ハット状ボタン51a’は、ゴム製ボタンカバー51fに嵌合固定されていて、ゴム製ボタンカバー51fとで押しボタン51Xを形成している。ハット状ボタン51a’は、第1シリンダ60c内に摺動自在に嵌合されていて、ストッパフランジ51cの上面が第1シリンダ60cの内方フランジ部60gの下面に当接することで突出位置が規制され、ストッパフランジ51cの下面が押込位置ストッパ60に当接することで最大押込変位位置が規制されている。ストッパフランジ51cが内方フランジ部60gと押込位置ストッパ60の間で移動可能な長さが押しボタン51XのストロークLである。
【0076】
ハット状ボタン51a’の天井部下面と第1スイッチホルダ55bのストッパ55bsの上面との間には、中間ばね54が圧縮状態で挿入されている。ハット状ボタン51a’、連結ロッド51d及び抜止ピン53fは、ストッパフランジ51cの上面が内方フランジ部60gの下面に当接して(または頭部53f1が第1スイッチホルダ55bの軸部貫通孔56dの周辺部に当接して)突出規制される。ハット状ボタン51a’は、以上のように突出移動が規制され、中間ばね54の初期弾性力を設定している。
【0077】
図15は、本第2の実施形態の第2の変形例の二段押しボタンスイッチ装置50の初期状態を示している。ばね定数は、中間ばね57が最も弱く、中間ばね54、負荷吸収ばね52の順に強く設定されている。初期弾性力は、中間ばね57と中間ばね54がほぼ同等ないし中間ばね57の方がやや弱く設定され、負荷吸収ばね52が最も強く設定されている。
【0078】
図示実施形態の二段押しボタンスイッチ装置50は、初期状態において、ストッパフランジ51cと押込位置ストッパ60の間隔をストロークL、頭部53f1と作動部55sの間隔をストロークL1、押圧部56aと作動部58sの間隔をストロークL2としたとき、L>L1>L2となるように設定されている。
【0079】
本実施形態の二段押しボタンスイッチ装置50は、ゴム製ボタンカバー51fを撓ませてハット状ボタン51a’(押しボタン51X)を押し込み変位させる押圧力(付勢力)が付与されると、ハット状ボタン51a’を押し下げる力が中間ばね57の初期弾性力を超えたときに、これを圧縮しながらハット状ボタン51a’が押込変位する。その際、第1スイッチホルダ55bと第2押圧部材56’が一体に押込変位(下降)して、第2押圧部材56’の押圧部56aが作動部58sに接近し、当接し、押圧する(押し下げる)。作動部58sを押圧する力が第2スイッチ58の作動力量を上回ると、第2スイッチ58がオンする。第2スイッチ58は固定されているので、押圧部56aによる押圧力が増大しても、押圧部56a(第2押圧部材56’)がそれ以上押込変位することはない。
【0080】
一方、ハット状ボタン51a’が中間ばね54を押圧(圧縮)する力は、ハット状ボタン51a’の押込変位に連れて増大し、第2スイッチ58がオンする前に、負荷吸収ばね52の初期弾性力を上回らない段階で、中間ばね54の初期弾性力を上回る。したがって、ハット状ボタン51a’は、中間ばね54を圧縮しながら一体の連結ロッド51d、抜止ピン53fと一緒に第1スイッチホルダ55bに対して押込変位し、頭部53f1が作動部55sに接近する。
第2スイッチ58がオンした後、さらに押しボタン51Xを押込変位させると、ハット状ボタン51a’が中間ばね54を圧縮しながらさらに押込変位し、頭部53f1が作動部55sに当接する。そうして頭部53f1が作動部55sを押圧する力が第1スイッチ55の作動力量を超えると、第1スイッチ55がオンする。
【0081】
その後、さらに押しボタン51Xを押込変位させると、第1スイッチ55は負荷吸収ばね52を圧縮しながら押込変位し、ストッパフランジ51cが押込位置ストッパ60に当接して、押しボタン51Xの押込みが規制される。この規制位置が押しボタン51Xの最大押込変位位置である。
【0082】
本実施形態の二段押しボタンスイッチ装置50は、第2スイッチ57がオンするまでのストロークL2が短く(ストロークLとL1の差より短い)かつ作動力量を付与するまでの押込み力が小さいのに対して、第1スイッチ55がオンするまでのストロークL1が長くかつ作動力量を付与するまでの押込み力が大きいので、第2スイッチ58は比較的早期にオンさせることが可能であり、その後第1スイッチ55をオンさせるまでの押込み長が長くかつ強い押し込み力が必要なので、第2スイッチと第1スイッチ58をオン操作するときの感触を明確に区別できる。
【0083】
本実施形態の二段押しボタンスイッチ装置50は、ハット状ボタン51a’、第1スイッチホルダ55b、及び第2押圧部材56’の突出移動(突出位置)が個別に規制されているので、中間ばね54、負荷吸収ばね52及び中間ばね57の初期弾性力を個別に設定可能であり、各ストロークL、L1、L2を個別に正確に設定可能であり、設定の自由度が高く汎用性に優れる。
【0084】
本実施形態の二段押しボタンスイッチ装置50は、中間ばね54の初期弾性力及びばね定数を最も小さくし、かつストロークL1を最も小さくすれば、第1スイッチ55及び第2スイッチ58の順にオンさせることができる。
【0085】
以上の実施形態は、本発明を内視鏡の二段押しボタンスイッチ装置に適用したものであるが、本発明は、より広く、ばね手段と、ばね手段の間に支持する電気スイッチ部材をより多段に配置し、複数の電気スイッチ部材が順番に作動するように複数のばね手段の力を設定することで、三段以上の押しボタンスイッチ装置に適用することもできる。
【0086】
図16A図16B図16Cは、本発明の複数段押しボタンスイッチ装置を一般化した実施形態群を示す概念図である。図16A図16B図16Cにおいて、軸線O上には、押しボタン51と反力壁59の間に位置させて、n個(nは2以上の整数)の押しボタンスイッチ90-1、90-2、90-3、90-4・・・90-nが配置されている。n個の押しボタンスイッチ90-nのうち、押しボタン51に最も近い押しボタンスイッチ90-1は、押圧部材56-1と電気スイッチ58-1を有し、押しボタンスイッチ90-1以外の押しボタンスイッチ90-nは、押圧部材56-n、中間ばね57-n及び電気スイッチ58-nを有している。押しボタンスイッチ90-1は、図5図5A図5B図5C)の実施形態の第1の押しボタンスイッチ80に対応する。各押しボタンスイッチ90-nを構成する主たる要素に異なる態様のハッチングを付して、各押しボタンスイッチ90-nの識別を容易にした。
【0087】
負荷吸収ばね52は、図16Aの実施形態では、押しボタン51と、押しボタン51に最も近い押しボタンスイッチ90-1との間に位置し、同図16Bの実施形態では、押しボタンスイッチ90-3と90-4との間に位置し、同図16Cの実施形態では、反力壁59と、反力壁59に最も近い押しボタンスイッチ90-nとの間に位置している。図16Bの実施形態では、押しボタンスイッチ90-3と90-4の間に負荷吸収ばね52を位置させているが、負荷吸収ばね52は、隣り合う2つの押しボタンスイッチ90-nの間であれば配置位置に自由度がある。また図16Bの実施形態においては、負荷吸収ばね52を複数位置に配置してもよい。さらに、負荷吸収ばね52は、理論上、図16Aないし図16Cの位置のいずれか1つ以上に配置することができる。
【0088】
以上の図16Aないし図16Cの各実施形態では、負荷吸収ばね52と中間ばね57-nのばね力(ばね定数と初期弾性力)を適当に設定することにより、単一の押しボタン51の押込動作により、n個の電気スイッチ58-nを順番に動作させることができ、押しボタン51が押込位置ストッパ60に当接する前に、最後にオンされる電気スイッチ58-nをオンさせることができる。
【0089】
以上の実施形態では、押しボタンスイッチ90-1(80)は、中間ばねを有しないものとしているが、他の押しボタンスイッチ90-nと同様に、押圧部材56-1と電気スイッチ58-1との間に中間ばねを配置したタイプとすることができる。中間ばねを有しない押しボタンスイッチは、最上段でなく、他の位置に配置してもよい。但し、n個の押しボタンスイッチ90-nのうち、作動力量が同一のn個の電気スイッチ58-nを用いる前提では、中間ばねを持たない押しボタンスイッチ90-nは、1つ以上とすることができない。すなわち、n個より1つ少ない(n-1)個以上の押しボタンスイッチには、電気スイッチ部材と押圧部材を離間させる中間ばね部材を配置するものとする。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明による内視鏡の複数段押しボタンスイッチ装置は、吐出ノズルから、送気、送水及び噴霧のいずれか2つ以上の動作を順番に実行する内視鏡など、内視鏡一般に適用することができる。また、本発明の複数段押しボタンスイッチ装置は、押しボタン部材の押込操作によって複数の電気スイッチを順次オンさせる用途一般に適用することができる。
【符号の説明】
【0091】
10 医療用内視鏡
11 操作部
12 体内挿入部
13 ユニバーサルチューブ
14 コネクタ部
15 吸引口
16 吸引管路
17 鉗子挿入部
21 送気チューブ
22 送水チューブ
23 吸引管路
24 吐出ノズル
24a 端部閉塞壁
24b 開口部
25 鉗子管路
26 対物レンズ
27 配光レンズ
31 エアポンプ
32 送水ボトル
33 送気通路
34 分岐通路
40 吸引ボタン装置
50 二段押しボタンスイッチ装置
51 押しボタン(押しボタン部材)
51a ハット状ボタン
51b 51f ゴム製ボタンカバー
51c ストッパフランジ
51d 連結ロッド
51e 軸孔
51X 押しボタン
52 負荷吸収ばね
53 第1押圧部材
53a 押圧部
53b 外側筒部(初期弾性力を定める手段)
53c 53c’ 中心軸
53d 外方フランジ
53f 抜止ピン(初期弾性力を定める手段)
53f1 頭部
53f2 挿入軸部
53g 連結孔
54 中間ばね(中間ばね部材)
55 第1スイッチ(電気スイッチ部材)
55s 作動部
56 56’ 第2押圧部材
56-1 56-2・・・56-n 押圧部材
56a 押圧部
56b 56b’ 円筒状部
56bf 上端フランジ
56bs ストッパ
56c 配線孔
56d 軸部貫通穴
56e1 内方フランジ
57 中間ばね(中間ばね部材)
57-1 57-2・・・57-n 中間ばね(中間ばね部材)
58 第2スイッチ(電気スイッチ部材)
58-1 58-2・・・58-n 電気スイッチ(電気スイッチ部材)
58a 第2スイッチホルダ
58b 配線孔
58c 外方フランジ
58s 作動部
59 反力壁(固定壁)
60 押込位置ストッパ
60a ハウジング壁
60b 抜止リング
60c 第1シリンダ
60d 第2シリンダ
60d1 小径部
60d2 大径部
60d3 突出位置ストッパ(初期弾性力を定める手段)
60e 端部キャップ
60f 端部フランジ
60g 内方フランジ部(初期弾性力を定める手段)
60h 固定シリンダ
60s ストッパ(初期弾性力を定める手段)
70 外側シリンダ体
70a フランジ
70as 70as1 ストッパ(初期弾性力を定める手段)
70b 筒状体
70c キャップ部材
80 80X 80Y 第1の押しボタンスイッチ
90 第2の押しボタンスイッチ
90-1 90-2・・・90-n 押しボタンスイッチ
SW1 SW2 SW3 電気スイッチ(電気スイッチ部材)
V1 送気開閉弁(電磁弁)
V2 送水開閉弁(電磁弁)
V3 圧力開放弁(電磁弁)
V4 吸引開閉弁(電磁弁)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16