特許第6423317号(P6423317)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社NTTファシリティーズの特許一覧

特許6423317太陽光発電システム、パワーコンディショナおよび遠隔表示装置
<>
  • 特許6423317-太陽光発電システム、パワーコンディショナおよび遠隔表示装置 図000002
  • 特許6423317-太陽光発電システム、パワーコンディショナおよび遠隔表示装置 図000003
  • 特許6423317-太陽光発電システム、パワーコンディショナおよび遠隔表示装置 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6423317
(24)【登録日】2018年10月26日
(45)【発行日】2018年11月14日
(54)【発明の名称】太陽光発電システム、パワーコンディショナおよび遠隔表示装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/38 20060101AFI20181105BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20181105BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20181105BHJP
【FI】
   H02J3/38 130
   H02J13/00 301J
   H02J13/00 301D
   H02M7/48 M
   H02M7/48 R
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-121999(P2015-121999)
(22)【出願日】2015年6月17日
(65)【公開番号】特開2017-11789(P2017-11789A)
(43)【公開日】2017年1月12日
【審査請求日】2017年8月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】593063161
【氏名又は名称】株式会社NTTファシリティーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】下田 大貴
(72)【発明者】
【氏名】吉本 隆行
【審査官】 宮本 秀一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−088260(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/179357(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J3/00−7/12、
7/34−7/36、
13/00
H02M7/42−7/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
日射を受けて直流電力を発電する太陽光発電部と、
前記太陽光発電部で発電された直流電力を交流電力に変換し商用系統に供給するパワーコンディショナと、
前記パワーコンディショナの故障または前記商用系統の異常が発生している第1状態、および、前記パワーコンディショナにおける前記直流電力から前記交流電力への変換が許可されていない第2状態を検出し、前記第1状態および前記第2状態の組み合わせに対応した信号を出力する検出部と、
前記検出部から出力された前記信号に基づいて表示を行う遠隔表示部と、
が設けられていることを特徴とする太陽光発電システム。
【請求項2】
前記検出部は、前記第1状態を検出する第1検出部、および、前記第2状態を検出する第2検出部を少なくとも有し、
前記第1検出部から出力される第1信号、および、前記第2検出部から出力される第2信号の組み合わせにより、前記第1状態および前記第2状態の組み合わせに対応した信号の出力が行われることを特徴とする請求項1記載の太陽光発電システム。
【請求項3】
前記第1状態および前記第2状態の組み合わせに対応した信号の出力には、少なくとも、前記第1状態および前記第2状態の両者が検出される第1組み合わせ、前記第1状態は検出されず前記第2状態のみが検出される第2組み合わせ、および、前記第1状態および前記第2状態の両者が検出されない第3組み合わせが含まれることを特徴とする請求項1または2に記載の太陽光発電システム。
【請求項4】
前記遠隔表示部は、前記第1組み合わせの信号を受信した後、前記第2組み合わせの信号を受信した場合、異常状態を知らせる通知を行い、
前記第2組み合わせの信号を受信した後、前記第3組み合わせの信号を受信した場合、前記異常状態を知らせる通知を停止することを特徴とする請求項3記載の太陽光発電システム。
【請求項5】
日射を受けて直流電力を発電する太陽光発電部で発電された直流電力を交流電力に変換し商用系統に供給するパワーコンディショナであって、
前記パワーコンディショナの故障または前記商用系統の異常が発生している第1状態、および、前記パワーコンディショナにおける前記直流電力から前記交流電力への変換が許可されていない第2状態を検出し、前記第1状態および前記第2状態の組み合わせに対応した信号を出力する検出部が設けられていることを特徴とするパワーコンディショナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電システム、パワーコンディショナおよび遠隔表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電システムにおいては、発電した直流電力をパワーコンディショナ等において交流電力に変換して商用系統に連系させる連系モードや、発電した電力を自立運転手段に供給する自立運転モードや、パワーコンディショナ等における変換を停止する運転停止モードなど、複数のモードを切り替えて運転する技術が知られている。
【0003】
これらのモード切り替えは、一般的には、太陽光発電システムの発電サイトに設置されたパワーコンディショナ等に設けられた切り替えスイッチによって行われる。その一方で、遠隔通信手段を介して制御信号の送受信が可能な遠隔地の切り替え手段によってもモード切り替えを可能とする技術も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
上述の特許文献1では、発電サイトと、遠隔地の二か所に切り替えスイッチが設けられるため、例えば、太陽光発電システムを停止させた状態で作業員が発電サイトで作業している状況において、遠隔地から運転開始操作がされる等、適切でない操作が行われることを防止する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−243862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、遠隔地から太陽光発電システムの操作を行うオペレータには、パワーコンディショナの動作状態、例えば、電力変換中や停止中などの状態を示すステータスが伝えられている。オペレータは、ディスプレイなどに表示されたステータスに基づいて、遠隔地からパワーコンディショナの操作を行っている。
【0007】
しかしながら、パワーコンディショナの動作状態を示すステータスでは、停止しているパワーコンディショナが、自動運転モードにおいて停止している(例えば、日射がなくて発電が行われていないの)か、異常により停止しているのか、遠隔地にいるオペレータには判別できないという問題があった。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、遠隔地からの運転状態の判別をより行いやすくすることができる太陽光発電システム、パワーコンディショナおよび遠隔操作装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の太陽光発電システムは、日射を受けて直流電力を発電する太陽光発電部と、前記太陽光発電部で発電された直流電力を交流電力に変換し商用系統に供給するパワーコンディショナと、前記パワーコンディショナの故障または前記商用系統の異常が発生している第1状態、および、前記パワーコンディショナにおける前記直流電力から前記交流電力への変換が許可されていない第2状態を検出し、前記第1状態および前記第2状態の組み合わせに対応した信号 を出力する検出部と、前記検出部から出力された前記信号に基づいて表示を行う遠隔表示部と、が設けられていることを特徴とする。
【0010】
本発明のパワーコンディショナは、日射を受けて直流電力を発電する太陽光発電部で発電された直流電力を交流電力に変換し商用系統に供給するパワーコンディショナであって、前記パワーコンディショナの故障または前記商用系統の異常が発生している第1状態、および、前記パワーコンディショナにおける前記直流電力から前記交流電力への変換が許可されていない第2状態を検出し、前記第1状態および前記第2状態の組み合わせに対応した信号を出力する検出部が設けられていることを特徴とする。
【0011】
本発明の遠隔表示装置は、日射を受けて直流電力を発電する太陽光発電部で発電された直流電力を交流電力に変換し商用系統に供給するパワーコンディショナの状態を少なくとも表示する遠隔表示装置であって、前記パワーコンディショナの故障または前記商用系統の異常が発生している第1状態、および、前記パワーコンディショナにおける前記直流電力から前記交流電力への変換が許可されていない第2状態を検出し、前記第1状態および前記第2状態の組み合わせに対応した信号を出力する検出部から出力された前記信号に基づいて表示を行うことを特徴とする。
【0012】
本発明の太陽光発電システム、パワーコンディショナおよび遠隔表示装置によれば、パワーコンディショナの故障または商用系統の異常が発生している第1状態と、パワーコンディショナにおける変換が許可されていない第2状態の組み合わせに対応した信号を出力することにより、遠隔表示部において、当該信号に対応した表示が行われる。
【0013】
上記発明の太陽光発電システムにおいて前記検出部は、前記第1状態を検出する第1検出部、および、前記第2状態を検出する第2検出部を少なくとも有し、前記第1検出部から出力される第1信号、および、前記第2検出部から出力される第2信号の組み合わせにより、前記第1状態および前記第2状態の組み合わせに対応した信号の出力が行われることが好ましい。
【0014】
このように、第1状態を検出して第1信号を出力する第1検出部、および、第2状態を検出して第2信号を出力する第2検出部を有することにより、第1信号および第2信号の組み合わせで、第1状態および第2状態の組み合わせに対応した信号を生成することができる。
【0015】
上記発明の太陽光発電システムにおいて、前記第1状態および前記第2状態の組み合わせに対応した信号の出力には、少なくとも、前記第1状態および前記第2状態の両者が検出される第1組み合わせ、前記第1状態は検出されず前記第2状態のみが検出される第2組み合わせ、および、前記第1状態および前記第2状態の両者が検出されない第3組み合わせが含まれることが好ましい。
【0016】
このように第1組み合わせ、第2組み合わせ、第3組み合わせに対応した信号を用いることにより、遠隔表示部において当該信号に対応した表示を行った際に、状態の把握を行いやすくなる。
【0017】
上記発明の太陽光発電システムにおいて前記遠隔表示部は、前記第1組み合わせの信号を受信した後、前記第2組み合わせの信号を受信した場合、異常状態を知らせる通知を行い、前記第2組み合わせの信号を受信した後、前記第3組み合わせの信号を受信した場合、前記異常状態を知らせる通知を停止することが好ましい。
【0018】
このように第1組み合わせの信号受信から、第2組み合わせの信号を受信した場合に異常状態を知らせる通知を行い、さらに第3組み合わせの信号を受信した場合に異常状態を知らせる通知を停止することにより、パワーコンディショナの状態把握を更に行いやすくなる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の太陽光発電システム、パワーコンディショナおよび遠隔表示装置によれば、パワーコンディショナの故障または商用系統の異常が発生している第1状態と、パワーコンディショナにおける変換が許可されていない第2状態の組み合わせに対応した信号を出力することにより、遠隔地からの運転状態の判別をより行いやすくなるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の太陽光発電システムの一実施形態を説明する摸式図である。
図2図1の太陽光発電システムの構成を説明するブロック図である。
図3図2の表示部における表示内容を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
この発明の一実施形態に係る太陽光発電システム1について、図1から図3を参照しながら説明する。本実施形態では太陽光発電システム1を、図1に示すように、発電を行い商用系統5に発電電力を供給する太陽光発電所2の監視・制御を遠隔地に設置された遠隔拠点3から行う例に適用して説明する。
【0022】
太陽光発電システム1は、発電電力を商用系統5に供給する太陽光発電所2と、太陽光発電所2を遠隔地から監視・制御する遠隔拠点3と、から主に構成されている。太陽光発電所2には、図1および図2に示すように、太陽光発電部11と、パワーコンディショナ12(以下「PCS12」とも表記する。)と、受電装置13と、制御部15と、が主に設けられている。
【0023】
太陽光発電部11は、太陽の日射を受けて直流電力を発電するものである。太陽光発電部11としては公知の太陽電池パネルを用いることができ、その構造や形式や設置方法などを限定するものではない。
【0024】
パワーコンディショナ12は、太陽光発電部11により発電された直流電力を、商用系統5に供給可能な交流電力に変換するものである。変換された交流電力は商用系統5に供給される。パワーコンディショナ12における電力の変換回路や変換方法としては、公知の回路や方法を用いることができ、特に限定するものではない。
【0025】
パワーコンディショナ12には、太陽光発電部11から入力される直流電流に応じて電力変換を行う自動運転モードと、商用系統5に異常が発生した場合に電力の変換を停止する異常停止モードと、が設けられている。自動運転モード、異常停止モードの切り替えは、予めインストールされたプログラム等に従って後述する制御部15により行われる。
【0026】
パワーコンディショナ12が自動運転モードで運転されている場合には、例えば、夜間や雨天などのように日射がない、または、少ない状況で太陽光発電部11において発電された直流電力の入力がない、または、ないと見なすことができるときには、電力の変換が行われない(言い換えると停止する。)。晴天などのように日射がある状況で太陽光発電部11において発電された直流電力の入力があるときには、入力された直流電力に応じた電力変換が行われる。
【0027】
パワーコンディショナ12の運転状態が異常停止モードである場合には、電力の変換は行われないとともに、異常停止モードを解除しない限り上述の自動運転モードへのモード切り替えが許可されないようになっている。つまり、異常停止モードから自動運転モードへの切り替えは、異常停止モード→異常停止モードの解除→自動運転モードの順で行われる。
【0028】
制御部15は、パワーコンディショナ12の運転状態を取得するとともに、パワーコンディショナ12の運転状態を制御するものである。制御部15には、さらに、第1検出部(検出部)16および第2検出部(検出部)17が少なくとも設けられている。
【0029】
制御部15は、CPU(中央演算処理ユニット)、ROM、RAM、入出力インタフェース等を有するコンピュータシステムである。ROM等に記憶されている制御プログラムは、CPUを少なくともパワーコンディショナ12の運転状態を制御する処理を行うものとして機能させるものであり、入出力インタフェース等を少なくともパワーコンディショナ12の運転状態を取得したり、パワーコンディショナ12の運転状態を制御する制御信号を出力したりするものとして機能させるものである。
【0030】
第1検出部16は、パワーコンディショナ12の故障または商用系統5の異常が発生している第1状態を検出し、検出結果を第1信号として出力するものである。第2検出部17は、パワーコンディショナ12における直流電力から交流電力への変換が許可されていない第2状態を検出し、検出結果を第2信号として出力するものである。
【0031】
ここで、第1信号および第2信号が出力されている第1組み合わせは、パワーコンディショナ12の運転状態が異常停止モードであることを示すものである。第1信号は出力されず、第2信号は出力される第2組み合わせは、パワーコンディショナ12の異常停止モードが解除された後、かつ、自動運転モードになる前の状態であることを示すものである。第1信号および第2信号が出力されていない第3組み合わせは、パワーコンディショナ12の運転状態が自動運転モードに切り替えられた後を示すものであり、電力の変換が行われていない状態も含むものである。
【0032】
受電装置13は、パワーコンディショナ12と商用系統5との間に配置される電気工作物であり、商用系統5で発生した異常が太陽光発電所2に影響を及ぼすことや、太陽光発電所2で発生した異常が商用系統5に影響を及ぼすことを抑制するものである。
【0033】
遠隔拠点3は、太陽光発電所2から離れた遠隔地に設けられた太陽光発電所2の監視・制御を行う遠隔操作装置21が設置された拠点である。遠隔拠点3では、複数の太陽光発電所2の監視・制御が可能とされている。本実施形態では、説明を容易にするために、一つの太陽光発電所2を監視・制御する例に適用して説明する。
【0034】
遠隔操作装置21は、少なくともに、制御部15に対してパワーコンディショナ12の運転状態の変更を指示する制御信号を出力するものである。遠隔操作装置21は、図2に示すように、CPU(中央演算処理ユニット)、ROM、RAM、入出力インタフェース等を有するコンピュータシステムである。遠隔操作装置21には、オペレータにパワーコンディショナ12の運転状態などを通知する液晶ディスプレイなどの表示部(遠隔表示部)25や、オペレータからの指示が入力されるキーボードなどの入力部26などが、更に設けられている。
【0035】
ROM等に記憶されている制御プログラムは、CPUを少なくともパワーコンディショナ12の運転状態の変更を指示する処理を行う演算部22として機能させるものであり、入出力インタフェース等を少なくとも制御部15からパワーコンディショナ12の運転状態を取得したり、パワーコンディショナ12の運転状態の変更を指示する制御信号を制御部15へ出力したりする通信部23として機能させるものである。制御部15および遠隔操作装置21におけるパワーコンディショナ12の運転状態制御の詳細については後述する。
【0036】
次に、上記の構成からなる太陽光発電システム1における制御、特に、商用系統5の異常により停止したパワーコンディショナ12の復帰制御について図2および図3を参照しながら説明する。
【0037】
商用系統5において送電網等の不具合などが発生し、太陽光発電所2で発電した電力を商用系統5に供給できない状況(以下、「系統異常」とも表記する。)が発生すると、パワーコンディショナ12の運転状態は自動運転モードから異常停止モードに切り替えられ、電力の変換が停止される。なお、パワーコンディショナ12における自動運転モードから異常停止モードへの切り替え方法については、公知の方法を用いることができ、特に限定するものではない。
【0038】
パワーコンディショナ12の運転状態が異常停止モードに切り替わりは、第1検出部16および第2検出部17により検出される。第1検出部16は、商用系統5の異常が発生している第1状態を検出たとして第1信号を出力する。第2検出部17は、パワーコンディショナ12における直流電力から交流電力への変換が許可されていない第2状態を検出したとして第2信号を出力する。出力された第1信号および第2信号、言い換えると第1組み合わせの信号は遠隔操作装置21に入力される。
【0039】
第1組み合わせの信号が入力されると、遠隔操作装置21は、図3に示すように、表示部25にパワーコンディショナ12の運転状態が異常停止モードであることを示す表示を行う。図3では、故障内容として停電信号と表記されている例に適用して説明している。さらに、遠隔操作装置21によりパワーコンディショナ12の運転を再開させる下記の処理を可能とする。
【0040】
表示部25の表示内容を確認したオペレータは、商用系統5の運用管理を行う電力会社に系統異常が解消しているか、太陽光発電所2から商用系統5に電力を供給する系統連系を再開してもよいか確認を行う。系統連系の再開をしてもよい場合には、次に説明する制御が行われる。
【0041】
まず、図2に示すように、入力部26を介してオペレータから入力された指示に基づいて、遠隔操作装置21は、パワーコンディショナ12における異常停止モードを解除する制御信号を出力する処理を行う。遠隔操作装置21から出力された制御信号は、制御部15に入力される。
【0042】
制御部15は、入力された制御信号に基づいて、パワーコンディショナ12における異常停止モードを解除する制御信号を生成し、パワーコンディショナ12へ出力する。この制御信号が入力されたパワーコンディショナ12では、異常停止モードが解除される。
【0043】
パワーコンディショナ12における異常停止モード解除は、第1検出部16および第2検出部17により検出される。つまり、第1検出部16からの第1信号を出力は停止され、第2検出部17からの第2信号を出力は継続される。
【0044】
第1信号は出力されず、第2信号は出力される第2組み合わせの信号は遠隔操作装置21に入力される。遠隔操作装置21は、第2組み合わせの信号に基づいて、図3に示すように、表示部25にパワーコンディショナ12における運転状態、つまり異常停止モードが解除されたことを示す表示を行う。さらに、表示部25は、異常停止モードが解除された後に自動運転モードに切り替えられていないという異常状態を知らせる通知を行う。図3では、故障内容の欄に自動運転異常の表示が行われる例に適用して説明している。
【0045】
その後、遠隔操作装置21は表示部25にパワーコンディショナ12の運転状態を自動運転モードに切り替える指示を受け付ける内容の表示を行う。この表示を確認したオペレータにより入力された指示に基づき、遠隔操作装置21は、図2に示すように、パワーコンディショナ12の運転状態を自動運転モードに切り替える制御信号を出力する処理を行う。遠隔操作装置21から出力された制御信号は、制御部15に入力される。
【0046】
制御部15は、入力された制御信号に基づいて、パワーコンディショナ12の運転状態を自動運転モードに切り替える制御信号を生成し、パワーコンディショナ12へ出力する。この制御信号が入力されたパワーコンディショナ12では、運転状態が自動運転モードに切り替わる。
【0047】
パワーコンディショナ12における自動運転モードへの切り替わりは、第1検出部16および第2検出部17により検出される。つまり、第1検出部16からの第1信号の出力、および、第2検出部17からの第2信号の出力は停止される。
【0048】
第1信号および第2信号が出力されない第3組み合わせの信号は遠隔操作装置21に入力される。遠隔操作装置21は、図3に示すように、第3組み合わせの信号に基づいて、表示部25にパワーコンディショナ12における運転状態、つまり自動運転モードに切り替えられたことを示す表示を行う。さらに、自動運転モードに切り替えられていないという異常状態を知らせる通知を停止する。図3では、故障内容の欄に運転との表示が行われる例に適用して説明している。
【0049】
その後、太陽光発電部11において直流電力の発電が行われると、発電された直流電力がパワーコンディショナ12に入力される。運転状態が自動運転モードとなっているパワーコンディショナ12では、入力された直流電力は交流電力に変換され、変換された交流電力は商用系統5に供給される。
【0050】
上記の構成の太陽光発電システム1によれば、パワーコンディショナ12の故障または商用系統5の異常が発生している第1状態と、パワーコンディショナ12における変換が許可されていない第2状態の組み合わせに対応した信号を出力することにより、表示部25において、当該信号に対応した表示が行われる。そのため、遠隔地からパワーコンディショナ12の運転状態判別をより行いやすくなる。
【0051】
第1状態を検出して第1信号を出力する第1検出部16、および、第2状態を検出して第2信号を出力する第2検出部17を有することにより、第1信号および第2信号の組み合わせで、第1状態および第2状態の組み合わせに対応した信号を生成することができる。
【0052】
第1組み合わせ、第2組み合わせ、第3組み合わせに対応した信号を用いることにより、表示部25において当該信号に対応した表示を行った際に、状態の把握を行いやすくなる。
【0053】
第1組み合わせの信号受信から、第2組み合わせの信号を受信した場合に異常状態を知らせる通知を行い、さらに第3組み合わせの信号を受信した場合に異常状態を知らせる通知を停止することにより、パワーコンディショナ12の状態把握を更に行いやすくなる。
【0054】
なお、上述の実施形態のように、パワーコンディショナ12と制御部15とが別々に設けられていてもよいし、パワーコンディショナ12と制御部15とが一体に設けられていてもよく、特に限定するものではない。
【0055】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記の実施の形態においては、パワーコンディショナ12の故障または商用系統5の異常が発生している第1状態の検出結果を表す第1信号、および、パワーコンディショナ12における直流電力から交流電力への変換が許可されていない第2状態の検出結果を表す第2信号の組み合わせにより、遠隔地からパワーコンディショナ12の運転状態判別を行う例に適用して説明したが、これら信号の組み合わせに限定されるものではなく、パワーコンディショナ12の運転状態の判別内容を直接表す信号を用いてもよく、特にその態様を限定するものではない。
【符号の説明】
【0056】
1…太陽光発電システム、5…商用系統、11…太陽光発電部、12…パワーコンディショナ、16…第1検出部(検出部)、17…第2検出部(検出部)、25…表示部(遠隔表示部)
図1
図2
図3