特許第6423364号(P6423364)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6423364関節アームロボットの少なくとも1つのラインを案内するためのデバイス、および関節アームロボット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6423364
(24)【登録日】2018年10月26日
(45)【発行日】2018年11月14日
(54)【発明の名称】関節アームロボットの少なくとも1つのラインを案内するためのデバイス、および関節アームロボット
(51)【国際特許分類】
   B25J 19/00 20060101AFI20181105BHJP
   H02G 11/00 20060101ALI20181105BHJP
【FI】
   B25J19/00 E
   H02G11/00 030
【請求項の数】18
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-553087(P2015-553087)
(86)(22)【出願日】2014年1月17日
(65)【公表番号】特表2016-509543(P2016-509543A)
(43)【公表日】2016年3月31日
(86)【国際出願番号】EP2014050869
(87)【国際公開番号】WO2014111500
(87)【国際公開日】20140724
【審査請求日】2016年5月16日
(31)【優先権主張番号】1350467
(32)【優先日】2013年1月18日
(33)【優先権主張国】FR
(31)【優先権主張番号】61/754,214
(32)【優先日】2013年1月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513180370
【氏名又は名称】レオニ カーベル ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【弁理士】
【氏名又は名称】林 恒徳
(72)【発明者】
【氏名】クロード ビュルロ
【審査官】 貞光 大樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−161903(JP,A)
【文献】 特表2009−531189(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/025081(WO,A1)
【文献】 特表2010−504861(JP,A)
【文献】 特表2008−528305(JP,A)
【文献】 実開平3−103193(JP,U)
【文献】 特開2002−86381(JP,A)
【文献】 特開2005−254404(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 − 21/02
H02G 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
関節アームロボットの少なくとも一つのラインを案内するため、特に産業用ロボット(1)のホースパック(9)を案内するためのデバイス(10)であって、前記ラインに弾性復元力を及ぼすための復元機構(40)を有し、前記復元機構(40)が、ハウジング(16)内に収容され、前記ハウジング(16)が、長手方向(z)に延びるスロット形状の開口(22)を有し、前記開口(22)によって、前記ラインを固定するための固定要素(14、24)が、前記ハウジング(16)内に配設された前記復元機構(40)のスライダ要素(28)に接続され、
前記ハウジング(16)が、2つのスロット形状の開口(22)を有し、前記開口(22)が互いに長手方向(z)軸に対称に位置し、前記固定要素(14、24)が、2つのブラケットアーム(26)を有するブラケット(24)を備え、前記ブラケットアーム(26)が、互いに長手方向(z)軸に対称に位置し、それぞれ前記スライダ要素(28)の側方から延び且つ前記2つの開口(22)を通じて突出する側方フランジに接続されることを特徴とするデバイス(10)。
【請求項2】
前記ハウジング(16)が、基部としてのベースプレート(20)と、ハウジングカバー(18)とを有し、前記ハウジングカバー(18)が、前記ベースプレート(20)と、前記ベースプレート(20)に取り付けられた前記復元機構(40)とを覆うことを特徴とする請求項1に記載のデバイス(10)。
【請求項3】
前記固定要素(14、24)が、前記ラインを固定するための固定クランプ(14)を有し、前記固定クランプ(14)が、前記ハウジング(16)の外に配設されることを特徴とする請求項1または2に記載のデバイス(10)。
【請求項4】
前記ハウジング(16)が、基部としてのベースプレート(20)と、ハウジングカバー(18)とを有し、前記ハウジングカバー(18)が、前記ベースプレート(20)と、前記ベースプレート(20)に取り付けられた前記復元機構(40)とを覆っており、
前記固定要素(14、24)が、前記ラインを固定するための固定クランプ(14)を有し、前記固定クランプ(14)が、前記ハウジング(16)の外に配設され、
前記ブラケット(24)が、U字アームまたはC字アームの形態で前記ハウジングカバー(18)に係合し、前記固定クランプ(14)が、前記ブラケット(24)の中心に配設されることを特徴とする請求項に記載のデバイス(10)。
【請求項5】
前記復元機構(40)が、ガイドユニット(42、20)と、スライダ要素(28)とを有し、前記スライダ要素(28)が、第1の位置と第2の位置との間で変位可能であるように前記ガイドユニット(42、20)に保持され、デバイス(10)がさらに、特に弾性の復元ユニットを有し、前記復元ユニットが、前記スライダ要素(28)に対して復元力を及ぼすために、前記ガイドユニット(42、20)と前記スライダ要素(28)との間に配設され、
前記復元ユニットが、少なくとも1つの偏向要素(44)と、可撓性のストランド状の接続要素(46、64)とを有し、前記接続要素(46、64)が、前記偏向要素(44)の周りを案内され、前記スライダ要素(28)に接続されることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のデバイス(10)。
【請求項6】
前記接続要素(46)が、弾性であり、前記復元力を及ぼすことを特徴とする請求項に記載のデバイス(10)。
【請求項7】
前記偏向要素(44)が、取り付けられた偏向ローラ(44)として構成されることを特徴とする請求項5または6に記載のデバイス(10)。
【請求項8】
少なくとも1つのさらなる偏向要素(60)が提供され、前記接続要素(46、64)が、前記複数の偏向要素(44、60)の周りを案内されることを特徴とする請求項5または6に記載のデバイス(10)。
【請求項9】
2つの前記接続要素(46、64)が長手方向(z)軸に対して互いに対称に平行であるように配設されることを特徴とする請求項5〜8のいずれか一項に記載のデバイス(10)。
【請求項10】
前記ガイドユニット(42、20)がガイドレール(42)を有し、前記ガイドレール(42)に、前記スライダ要素(28)が、長手方向で変位可能であるように取り付けられることを特徴とする請求項5〜9のいずれか一項に記載のデバイス(10)。
【請求項11】
前記スライダ要素(28)が、ころ軸受ユニット(52、54)によって前記ガイドレール(42)に取り付けられることを特徴とする請求項10に記載のデバイス(10)。
【請求項12】
前記接続要素(46)が、一端で固定要素(48)に固定され、前記固定要素(48)が、偏倚負荷を調節するために再調節可能であることを特徴とする請求項5〜11のいずれか一項に記載のデバイス(10)。
【請求項13】
前記ガイドユニット(42、20)が、ベースプレート(20)を有し、前記ベースプレート(20)に前記ガイドレール(42)が特に中心に固定され、前記ベースプレート(20)が、特にロボットアーム(2)に取り付けるための取付けプレートとして構成されることを特徴とする請求項5〜12のいずれか一項に記載のデバイス(10)。
【請求項14】
ガイドクランプ(30)が、前記ガイドユニット(42、20)に定置固定され、前記取付け状態で、前記ラインが前記ガイドクランプ(30)を通して摺動変位可能であるように案内されることを特徴とする請求項5〜13のいずれか一項に記載のデバイス(10)。
【請求項15】
前記ストランド状の接続要素(64)が、弾性復元要素(66)に接続されることを特徴とする請求項5〜14のいずれか一項に記載のデバイス(10)。
【請求項16】
前記ストランド状の接続要素(64)が、非円形の、または偏心に取り付けられた回転要素(70)の周りを案内され、前記回転要素(70)に固定され、前記接続要素(64)の移動が、前記回転要素(70)の回転移動をもたらし、前記回転要素(70)の前記非円形の形態または前記偏心の取付けにより、レバーアームの変化をもたらすことを特徴とする請求項15に記載のデバイス(10)。
【請求項17】
前記ガイドユニット(42、20)が曲線状に構成されることを特徴とする請求項5〜16のいずれか一項に記載のデバイス(10)。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか一項に記載のデバイスを有する関節アームロボット(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、関節アームロボットの少なくとも1つのラインを案内するため、特に産業用ロボットのホースパックを案内するためのデバイスに関する。本発明は、さらに、そのようなデバイスを有する関節アームロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
そのようなデバイスは、例えば、特開2012−161903号公報に開示されている。
【0003】
今日一般に採用されている多軸産業用ロボットでは、最前部ロボットアーム(ロボットハンドとも呼ばれる)が、ロボットハンドに配設される溶接ツールなどのツールへの供給用の複数の個別ラインを設けられている。個別ラインは、例えば、電気供給ライン、電気制御ライン、データケーブル、および気体または流体用の媒体経路である。これらの個別ラインは、いわゆるホースパックを形成するように組み立てられ、ホース形状の保護ジャケット内に保持される。一方では、ロボットアーム同士の相対運動により、また特にしばしば過酷な環境条件(高温、反応性の高い媒体、例えば溶接滓など)により、このタイプのホースパックは大きな負担を受ける。
【0004】
ホースパックを確実に案内できるように、通常はライン案内設備が採用され、このライン案内設備は、2つのロボットアーム間での相対移動が生じた場合にホースパックの補償移動が可能にされるように構想される。産業用ロボットでのライン案内装備は、例えば独国実用新案第201 13 742 U1号明細書に開示されている。
【0005】
特開2012 161903 A号公報は、長手方向で変位可能であるようにガイドレールに保持されたスライダ要素がキャリア要素の内部に配設されたデバイスを開示する。キャリア要素の上側長手方向開口を通って突出し、ホースパックを保持するクランプが、スライダ要素に固定される。さらに、デバイス全体が、ロボットアームの周りで回転可能であるように配設され、それにより回転移動と長手方向移動との両方が可能にされる。
【0006】
さらに、欧州特許第1 848 571 B1号明細書は、ガイドユニットとスライダ要素とを有するデバイスであって、スライダ要素が、ガイドユニットに対して第1の位置と第2の位置との間で長手方向に変位可能であるようにロッドによってガイドユニットに取り付けられたデバイスを述べている。さらに、螺旋ばねとして構成され、スライダ要素に対して弾性復元力を及ぼす弾性復元ユニットが提供される。
【0007】
このタイプのデバイスでは、スペースの面で、できるだけ設置スペースを必要としない設計がしばしば望まれるが、同時に、できるだけ大きい補償長さが実現されるべきである。最初は相容れないこれらの要件を実現するために、例えば国際公開第2009/068239 A1号パンフレットまたは国際公開第2005/123350 A1号パンフレットにそれぞれ、ホースパック全体がデバイス内部で偏向されるデバイスが開示されている。
【0008】
小さな設置スペースを有するデバイスの場合、さらに、後退端部位置へのホースパックの確実な復帰を保証するために、後退端部位置でも十分に高い復元力が及ぼされなければならないという問題もある。これは、弾性復元ユニットが、後退位置での復元力を決定する比較的高い偏倚負荷を有するように調節されなければならないことを意味する。ここでは、螺旋ばねなどの弾性復元ユニットは、例えば典型的にはフックの法則に従い、したがって、復元力は、経路が増加するにつれて線形に増加する。設置長さが短く、後退位置での所要の復元力が高い場合、これは、比較的高いばね剛性が必要とされることを意味し、このため、伸張中、望ましくないほど非常に大きく力が増加する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許第1 848 571 B1号明細書
【特許文献2】独国実用新案第201 13 742 U1号明細書
【特許文献3】国際公開第2009/068239号
【特許文献4】国際公開第2005/123350号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上のことを基に、本発明は、関節アームロボットの少なくとも1つのライン、特に産業用ロボットのホースパックを案内するための改良されたデバイス、およびそのような関節アームロボット、特に産業用ロボットを提供するという目的に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、この目的は、請求項1に記載の特徴を有するデバイスによって実現される。
【0012】
このデバイスは復元機構を有し、この復元機構は、ハウジング内に収容され、ハウジングが、長手方向に延びるスロット形状の開口を有し、開口によって、少なくとも1つのライン、すなわち特にホースパックを固定するための固定要素が、ハウジング内に配設されたスライダ要素に接続される。固定要素は、このスロット形状の開口で、またはその開口の内部で変位可能である。これにより、全体として非常にコンパクトな設計が可能にされ、それと同時に復元機構が保護される。
【0013】
したがって、例えば国際公開第2009/068239 A1号明細書または独国特許出願公開第10 2004 028 577 A1号明細書に開示されるような変形実施形態とは異なり、ホースパック自体はハウジング内に案内されない。むしろ、復元機構は、ホースパックから切り離して、個別のハウジング内で保護された状態で挿入される。接続は、単にスロット形状の開口によって行われ、その開口に沿って固定要素が進む。
【0014】
ここで、ハウジングは、2つのスロット形状の開口を有し、開口は互いに逆側に位置し、固定要素は、2つのブラケットアームを有するブラケットを有し、ブラケットアームは、互いに逆側に位置し、それぞれ2つの開口を通ってハウジング内に延びる。これにより、ホースパックの確実な案内が実現され、特に、傾斜モーメントが復元機構に導かれない。
【0015】
好適には、ハウジングは、基部としてのベースプレートと、ハウジングカバーとを備え、ハウジングカバーは、ベースプレートに取り付けられた復元機構をカバーする。したがって、復元機構全体がハウジングカバーによってカバーされる。
【0016】
好ましくは、ここでは、ブラケットは、例えばU字アームまたはC字アームの形態でハウジングカバーに係合し、好適には、少なくとも1つのライン、特にホースパックを固定するためのクランプが、前記ブラケットの中央に、すなわちハウジングカバーの上に配設される。
【0017】
好ましくは、復元機構は、ガイドユニットと、スライダ要素とを有し、スライダ要素は、第1の位置と第2の位置との間で変位可能であるようにガイドユニットに保持される。特に、ラインを固定するための固定要素は、スライダ要素に接続される。さらに、ガイドユニットとスライダ要素との間に効果的に配設された、すなわちスライダ要素に復元力を及ぼす特に弾性の復元ユニットが配設される。復元ユニットは、好ましくはガイドユニットに保持される偏向要素と、可撓性のストランド状の接続要素とを備え、接続要素は、偏向要素の周りを案内され、スライダ要素に接続される。弾性復元力が、可撓性のストランド状の接続要素によってスライダ要素に及ぼされる。
【0018】
可撓性のストランド状の接続要素は、偏向要素の周りで特に180°の偏向を可能にし、さらに産業用ロボットでの所要の力を伝達するのに適した全ての要素を含むものと最初は理解される。このストランド状の接続要素は、特に、ロープタイプ、テープタイプ、またはベルトタイプの要素を含む。弾性復元ユニットは、スライダ要素に弾性復元力を及ぼすユニットまたは機能群と理解される。スライダ要素は、一般に、ライン用の固定要素を所定のトラックに沿って案内し、固定要素に復元力を伝達するための復元ユニットに接続される案内または摺動要素として理解される。特に、スライダ要素は、案内されるスライダの形態で構成される。
【0019】
可撓性のストランド状の接続要素の配設およびその偏向により、復元力の適切な調節が、コンパクトな構成の設計と共に可能にされる。偏向により、弾性復元ユニットのための再調節経路が全体として増加され、したがって、ホースパックの実際の再調節移動と弾性復元要素の再調節移動との間の一種のギアリングが実施される。これにより、一方では、後退位置での十分な復元力の調節、および同時に、伸張位置での過度でない復元力が容易に可能にされる。したがって、弾性復元ユニットの適切なばね剛性を選択することができる。したがって、前記ばね剛性は、ギアリングを有さない変形実施形態に比べて全体として低い。ここでは、復元力は、用途のタイプに応じて、好ましくは40N〜250Nの範囲内であり、好ましくは再調節経路全体にわたって少なくともほぼ一定である。
【0020】
好適な改良形態では、接続要素自体が弾性であり、弾性復元力を及ぼす。したがって、接続要素全体が弾性的に伸長可能である。ここで、前記接続要素は、例えばゴムバンドの形態で構成される。特に、前記接続要素は線形の引張特性を有し、すなわち、及ぼされる復元力は、伸びに比例するように増加する。
【0021】
ここで、偏向要素は、好ましくは偏向ローラであり、偏向ローラは、接続要素を偏向させるための摩擦力をできるだけ低く保つように取り付けられる。
【0022】
好ましい改良形態では、少なくとも1つのさらなる偏向要素、特に同様に偏向ローラが配設され、接続要素が複数の偏向要素の周りを案内される。複数の偏向により、少なくとも1つのラインの再調節経路と接続要素の再調節経路との間のギアリング比はさらに増加される。
【0023】
好適には、2つ接続要素が長手方向軸に対して互いに対称に平行であるように配設される。この手段はまた、復元力の適合を改良する働きもする。スライダ要素が中央で案内される場合、好ましくは、2つの接続要素がスライダ要素の両側に配設され、それにより、一様に、モーメントを伴わずにスライダ要素に復元力を伝達することが実現される。
【0024】
好適には、スライダ要素自体が、長手方向で変位可能であるようにガイドレールに取り付けられる。ここで、ガイドレールは、ガイドユニットの一部であり、ガイドユニットに接続され、またはガイドユニットに成形される。できるだけ小さい摩擦で案内できるように、ここでは、スライダ要素は、ころ軸受ユニットによってガイドレールに取り付けられる。このために、前記ころ軸受ユニットは、好適には、ころ軸受を有するケージを有し、ケージは、ガイドレール内部に案内されて、長手方向に変位可能であり、スライダ要素は、ケージ内またはケージ上に案内されて、長手方向に変位可能である。ここで、ガイドレールは、特にガイドユニットの中央に配設され、中央のガイドレールと平行に延びる正確に2つの接続要素が配設される。ここでは、少なくとも1つの偏向ローラが、各接続要素に割り当てられる。
【0025】
一般に、接続要素は、一端で固定点に、特にガイドユニットに固定される。偏倚負荷は、固定点を位置決めすることおよび/または弾性復元ユニットのばね定数を選択することによって、それぞれの用途のタイプに適するように調節することができる。ここで、固定点は、好適には、弾性復元ユニットの偏倚負荷を調節するために再調節可能である。これにより、現場で、すなわち産業用ロボットへの取付け中に、できるだけ良い調節を実現することが可能である。このために、例えば複数の個別の穴の形態や、固定要素を中で再調節可能な細長い穴の形態など、固定要素に関する様々な固定可能性がガイドユニットに好適には準備されている。
【0026】
好適には、ガイドユニットは、さらにベースプレートを有し、ベースプレートにガイドレールが固定される。好ましくは、ベースプレートは、さらに、ロボットアームに取り付けるための取付けプレートとして構成される。したがって、前記ベースプレートは、好適には穴を有し、これらの穴によって、ロボットアームで直接的にまたは間接的に固定が可能にされる。
【0027】
好適には、ガイドクランプは、スライダ要素とは異なり、特にガイドユニットに定置固定される。このガイドクランプにより、取付け状態でライン、すなわちホースパックが摺動式に変位可能であるように案内される。
【0028】
代替変形実施形態によれば、接続要素は弾性復元要素に接続され、弾性復元要素により、復元力が及ぼされる。好ましくは、復元要素は、螺旋ばねユニットである。この場合にも、接続要素の経路の延長によって、この螺旋ばねの再調節経路が適切に延長される。この場合には、接続要素自体は、伸長性を全く有さないか、またはわずかしか有さない。前記接続要素は、例えばロープとして構成される。
【0029】
好適な改良形態では、非円形の、または偏心で取り付けられた回転要素が配設され、接続要素が回転要素の周りを案内され、回転要素と固定され、したがって、接続要素の移動が回転要素の回転移動をもたらす。回転要素の非円形の形態または偏心の取付けは、接続要素の係合点と回転要素の回転中心との間のレバーアームの変化をもたらす。ここで、この変化は、スライダ要素の現在の位置とは無関係に、スライダ要素に作用する復元力が少なくとも実質的に一定であるように調節される。
【0030】
好ましい実施形態によれば、ガイドユニットはさらに、曲線状に構成される。したがって、このデバイスによって、ホースパック全体が所定の曲線運動トラックに沿って案内される。
【0031】
これは、いくつかの適用分野、例えば医療エンジニアリングで特に有利であり、ホースパックは、曲線トラックに沿って所定の様式で案内される。
【0032】
特に、このタイプの設計の場合、偏向要素は、例えば玉継手によってガイドユニットに関節式に取り付けられる。これにより、偏向要素は、その向きを接続要素のガイドのそれぞれの条件に最適に調節される。
【0033】
さらに、この目的は、このタイプのデバイスを有する関節アームロボットによって実現される。多軸産業用ロボット、特にロボットアームの場合、デバイスは、ここで、ロボットハンドの方向でいわゆる軸3に従うように、したがって好適にはロボットアームの後部領域、すなわち軸3の近くに固定される。
【0034】
本発明の例示的実施形態を、図面によって以下により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1A】ホースパックを案内するためのデバイスを有する産業用ロボットを示す概略図であって、ホースパックが後退開始位置に位置されている図である。
図1B図1aによる産業用ロボットの概略図であって、ホースパックが完全に伸張した位置に位置されている図である。
図2】第1の変形実施形態によるホースパックを案内するためのデバイスの斜視図である。
図3図2に示されるデバイスの復元機構の斜視図である。
図4図3に示される復元機構の側面図である。
図5図2に示される復元機構の平面図である。
図6】復元機構のガイドレールの平面図である。
図7】第2の変形実施形態の復元機構の斜視平面図である。
図8】復元機構のガイドレールのさらなる変形実施形態の部分図である。
図9】復元機構の第3の変形実施形態の斜視図である。
図10】復元機構の第4の変形実施形態を示す図である。
図11】復元力のプロファイルを示すためのグラフを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
同じ効果を有する部分は、図中で同一の参照符号を付されている。
【0037】
図1Aおよび図1Bに、関節アームロボットが2つの異なる姿勢で示されている。この関節アームロボット1は、多軸産業用ロボット、例えば特に6軸産業用ロボット、または医療用ロボットである。前記ロボットは、ベース8と、第1のセグメントとを有し、第1のセグメントは、スイングアーム4とも呼ばれ、第1の関節継手R1によってベース8に接続される。スイングアーム4は、この第1の関節継手R1の周りで水平軸の周りで枢動可能である。補完的に、スイングアーム4は通常、ベース8に対して垂直軸の周りで枢動可能である。スイングアーム4は、上に向かってほぼ垂直方向に延在する。一般にロボットアーム2と呼ばれる第2のセグメントは、いわゆる「軸3」の周りで枢動可能であるように、第2の関節継手R2でスイングアーム4に接続される。最後に、第3のセグメントとして、ロボットハンド3が、第3の関節継手R3によって第2のセグメント2に接続される。最後に、例えば溶接クランプなどの処理ツール6が、ロボットハンド3に取り付けられる。このタイプの産業用ロボット1は、合計で6つの異なる移動自由度を有する。
【0038】
処理ツール6に電気および/または流体および/またはデータ信号が供給されるように、産業用ロボット1は、供給ラインパック7を有し、供給ラインパック7は、ロボットアーム2に沿って案内され、そこからベース8に接続される。ロボットアーム2の領域内の供給ラインパック7は、保護ホース内で案内される。以下では、供給ラインパック7は、保護ホースと合わせて、ホースパック9とも呼ぶ。しばしば、第2の関節継手の領域内に供給ラインパック7のための取外し点が配設され、ホースパック9は、交換可能な摩耗品としてこの取外し点に案内される。
【0039】
図1Bから分かるように、第3の関節軸R3の周りでの回転移動中、ホースパックに牽引運動が及ぼされる。図1による開始位置への逆戻り移動中、ホースパックは、開始位置に再び引き戻されなければならない。
【0040】
このために、ホースパック9を案内するためおよび引き戻すためのデバイス10が、ロボットアーム2の第2の関節継手R2の領域内に固定される。これは、図1Aおよび図1Bには非常に簡略的にのみ示されている。固定クランプ14がこのデバイス10に属し、デバイスによって及ぼされる復元力がホースパック9に伝達されるように、ホースパック9は、固定クランプ14で特に嵌合式にしっかりと保持される。
【0041】
ホースパック9は、ロボットハンド3に向けられたその前端部で、さらなる固定クランプ15によってさらに固定され、それにより、ホースパック9は、2つの固定クランプ14、15の間で張力を受けて保持される。例示的実施形態では、ホースパック9は、これら2つの固定クランプ14、15の間に延在し、したがって固定クランプ14、15で終端する。個別のラインまたは供給ラインパック7は、これらの位置で保護ホースから出る。
【0042】
デバイス10の第1の変形実施形態が、図2図6に示されている。
【0043】
デバイス10はハウジング16を備え、ハウジング16は、ハウジングカバー18と、ベースプレート20とを有する。例示的実施形態では、ハウジング16は、2つの長手方向スロット22を有し、スロット22は、互いに逆側に位置し、デバイスの長手方向zに延在する。長手方向zは、同時にホースパック9の長手方向にも対応する。
【0044】
固定クランプ14は、ブラケット24に固定され、ブラケット24は、概してU字アームまたはC字アームとして形作られる。ブラケット24は、ここでは、ハウジングカバー18の上側に沿って延び、2つのブラケットアーム26を有し、ブラケットアーム26は、例示的実施形態では、スライダ要素28の側方に突出する側方フランジに接続される。後でさらに詳細に説明するように、ブラケット24は、固定点14と共に、長手方向スロット22に沿って変位可能であるように取り付けられる。例示的実施形態では、ブラケット24は、固定クランプ14と共に固定要素を形成し、この固定要素にホースパック9が保持される。
【0045】
両方向に概してトランペット状に広がるガイドインサート32を有するガイドクランプ30が、固定クランプ14とは逆側のデバイス10の端部に配設される。取付け状態で、ホースパック9は、このガイドインサート32内部で摺動式に変位可能であるように案内される。対照的に、ホースパック9は、固定クランプ14では特に嵌合によって定置固定される。このために、固定クランプ14は、特に内部環状溝を有するように構成され、環状溝内に、ホースパック9の対応する環状ウェブが係合する。ここではより詳細には示さない一変形形態では、固定クランプ14および/またはガイドクランプ30は、ホースパック9が長手方向23に対して傾斜移動を行うことができるように構成される。図から分かるように、どちらのクランプ14、30も2つのハーフシェルから構成され、ハーフシェルは、接続要素(ねじ)によって相互接続される。これにより、ホースパック9の簡単な交換が可能にされる。
【0046】
既述のスライダ要素28と、ガイドレール42と、第1の偏向ローラ44と、弾性ロープタイプの接続要素46とを備える復元機構40が、ハウジング16の内部に構成される。ホースパック9を案内するためのガイドユニットは、ガイドレール42とベースプレート20によって形成される。取付け状態で、このガイドユニットは、産業用ロボット1に固定、例えばねじ留めされる。接続要素46は、例えば、弾性ロープ、弾性テープ、または別の弾性可撓要素である。接続要素46の一端は、固定要素48に固定され、固定要素48は、同様に復元機構40の一部であるベースプレート20に定置保持される。接続要素46の他端は、スライダ要素28に固定される。しかし、その前に、接続要素46は、ベースプレート20の逆側の端部でベースプレート20に実質的に固定されている第1の偏向ローラ44の周りを案内される。
【0047】
例示的実施形態では、合計で2つの接続要素46が配設され、これらは、それぞれ、デバイス10の中心長手方向軸に対して互いに対称であるように配設および構成され、それにより、スライダ要素28に対して力が一様に加えられる。2つの接続要素46の端部は、スライダ要素28の側方に突出するアームに係合する。ここでは、2つの接続要素46は、中心に位置されたガイドレール42の両側に延びる。
【0048】
スライダ要素28は、摩擦要素50によってガイドレール42の内部に取り付けられ、特に玉軸受によって取り付けられる。特に図6から分かるように、摩擦要素50は、ケージ52の内部に変位可能に配設され、ケージ52は、複数の転動体、特にボール54を受け取る。さらに、ケージ52自体は、ボール54と共に、ガイドレール42内部に変位可能に取り付けられる。ケージ52は、ガイドレール42の長さのほぼ半分にわたって延在する。摺動ブロックの形態で構成された摩擦要素50は、スライダ要素28の一部である。ガイドレール42の上方に、スライダ要素28がプレート状に構成される。ここでは、摩擦要素50は、好ましくは複数のねじによってこのプレートに固定される。
【0049】
特に図3から分かるように、固定プレート20はラグを有し、ラグは、側方へ下向きに角度を付けられ、ほぼ1段分の段差が付いており、ブラケット24が固定される端部ラグ56を有する。ここでは、ラグ26は、概してベースプレート20の高さまで下に延ばされ、長手方向スロット22を通して外に延ばされる。長手方向スロット22は、ベースプレート20にある窪みによって構成される。
【0050】
さらに図4から分かるように、ガイドクランプ30は、ベースプレート20の端部領域内でベースプレート20に接続され、その端部領域には固定要素48も固定される。複数の固定穴58がベースプレート20に構成され、固定穴58によって、産業用ロボット1へのデバイス10全体の固定が行われる。ここで、複数の固定穴58により、デバイス10は、異なる穴配置を有する様々な産業用ロボット1に適合させることができ、または様々な位置に配設することができる。したがって、ベースプレート20は同時に、取付けプレートを画定する。
【0051】
図7は、復元機構40の代替変形実施形態を示し、この代替変形実施形態は、基本原理に関しては第1の変形実施形態と同様である。第1の変形実施形態とは異なり、ここでは第2の偏向ローラ60がベースプレート20に固定され、それにより、2つの偏向ローラ44、60が、互いに逆側のベースプレート20の端部に配設され、弾性接続要素46が2度偏向される。ここでは、中心に位置決めするのではなく、2つの縁部ガイドレール42が構成され、それにより、ベースプレート20は、これらのガイドレール42と共に、断面で見て概してU字形のガイドユニットを形成する。スライダ要素28は、両側で2つのガイドレール42に取り付けられる。図8から分かるように、ここでは、取付けは、特に、ガイドレール42に沿って進むトラックローラ62によって行われる。ここでは、ガイドレール42は、概してC字断面となるように構成され、合計で3つのトラックローラ62が配設され、これらのトラックローラ62は、一方では上に向けて、および下に向けてC字断面に支持される。長手方向は、図に示される方向zに対応する。本明細書で述べる全ての変形実施形態の固定クランプ14は、好ましくは、方向xおよび/または方向yにわずかに傾斜可能である。
【0052】
図7による復元機構40の修正変形実施形態が、図9に示される。図7による変形実施形態とは異なり、ここでは、ベースプレート20、したがってまたガイドユニットは、曲線状に構成されたガイドレール42を有するベースプレート20によって形成され、したがって、固定クランプ14の変位は、曲線状トラックに沿って進む。ここでは、偏向ローラ44、60は、例えば関節式にベースプレート20に固定される。
【0053】
最後に、復元機構40のさらなる変形実施形態が、図10に示される。この変形実施形態もまた、トラックローラ62によって取り付けられたスライダ要素28を有する、縁部に配設されたガイドレール42を示す。前の変形実施形態では、接続要素46自体が弾性的に構成されているが、ここでは、非弾性の、伸長可能でない接続要素64として構成される。
【0054】
ここで、接続要素64の一端は、弾性復元要素66に固定される。弾性復元力が及ぼされるように、前記弾性復元要素66は、ばね要素を備え、ばね要素は、特に螺旋ばね68として構成される。補完的に、復元要素66は、回転可能に取り付けられた回転要素70をさらに備え、回転要素70は、偏心軸72の周りで回転可能である。偏心軸72は同時に、螺旋ばね68の中心軸を定義する。接続要素64は、対応する溝内で回転要素70の周りを案内され、回転要素70に固定される。
【0055】
力のモーメントが接続要素64によって螺旋ばね68に伝達されるように、回転要素70での接続要素の固定点と軸72との間にレバーアームが構成される。螺旋ばね68は、その一端で軸72に固定され、その他端で回転要素70に固定される。好適には、回転要素70の設計は、スライダ要素28の変位中にスライダ要素28に及ぼされ、したがってまた固定クランプ14に及ぼされる復元力が一定であるように構成される。したがって、螺旋ばね68の弾性復元力の増加は、例えば回転要素70にわたるレバーアームの短縮によって補償される。したがって、好適には、固定クランプ14に作用する復元力は、前記固定クランプ14の再調節経路全体にわたって一定である。
【0056】
図7図10に示される2つの外側にあるガイドレール42を有する復元機構の変形実施形態においても、ハウジング16を有する図2と同様の変形実施形態が可能にされる。したがって、全ての変形実施形態の復元機構40をハウジング16内に組み込むことができる。例えば偏向要素44、60を用いずに、例えば螺旋ばねと共に、さらなる復元機構40を配設することもできる。図2の変形実施形態とは異なり、この場合の長手方向スロット22は、側方には配設されず、ハウジングカバー18の上側に配設され、それにより、固定クランプ14はハウジングカバー18の上に延びる。
【0057】
全ての変形実施形態において、復元機構40は、偏倚された復元機構であり、したがって、初期位置、すなわち位置z=0で既に復元力Fを及ぼす(図10での座標系を図11と共に参照されたい)。
【0058】
接続要素46、66、特に弾性接続要素46の偏向により、長さ、したがってまた偏倚負荷の力を容易に調節することができ、前記偏倚負荷がデバイス10の寸法によって決定されない。
【0059】
この状況が図11に示されており、この図には、長手方向zでの伸びに対する復元力Fが様々な状況に関して示されている。位置z=0(座標系の2つの軸の交点)は、ここでは、偏倚力Fを定義する。弾性復元ユニットの復元力は線形であり、したがって、長手方向zでの伸びが増加するにつれて、力Fは、弾性復元ユニットによって予め定義されるばね定数に従って線形に増加する。最大伸張長さ、すなわち後退位置と伸張位置との間の伸張長さが、図11に符号dによって示されている。伸張位置では、復元力Fが実現される。−z軸に、特に接続要素46、66に関する長さ調節の変更可能性が示されており、これは、偏向ローラ44、60と、固定要素48の再調節可能性とによって定義される。非伸張初期位置での接続要素46、66の長さは、図5に偏倚長さlとして示されている。偏倚長さl’がごく小さい場合、比較的高いばね定数、すなわち高い勾配が、所望の偏倚負荷Fを実現するために必要とされる。しかし、さらなる伸張中、すなわち長手方向zでの固定クランプ14のオフセット中、これは、復元力Fの急激な増加をもたらし、それにより、図11の例示的実施形態では、(非常に)高い復元力F1’が伸張位置で実現される。しかし、所望の復元力Fのみが実現されるようにばね定数を減少させると、後退位置での偏倚力F2’が低すぎる。
【0060】
対照的に、より長い偏倚長さlが調節される場合、同じ偏倚負荷Fが、かなり低い勾配、したがってまたより低いばね定数で既に実現され、それにより、再調節経路dにわたる力の増加ΔF=F−Fはかなり低く、最終的に所望の復元力Fが実現される。
【0061】
したがって、全体として、この手段により、すなわち偏倚長さlを調節することにより、変位経路dの端部での偏倚力Fおよび復元力Fを適切に調節することができる。同様に、偏倚力Fと復元力Fとの比、したがってまた力の増加ΔFも調節される。接続要素46、66の偏向により、デバイス10の構成長さが短い場合にも、偏倚力Fを有する所定の偏倚負荷を適切に調節することができる。接続要素46自体は、特に、復元力を及ぼすための弾性要素として構成される。
【符号の説明】
【0062】
1 産業用ロボット
2 ロボットアーム
3 ロボットハンド
4 スイングアーム
6 処理ツール
7 供給ラインパック
8 ベース
9 ホースパック
10 デバイス
14 固定クランプ
16 ハウジング
18 ハウジングカバー
20 ベースプレート
22 長手方向スロット
24 ブラケット
26 ブラケットアーム
28 スライダ要素
30 ガイドクランプ
32 ガイドインサート
40 復元機構
42 ガイドレール
44 第1の偏向ローラ
46 弾性接続要素
48 固定要素
50 摩擦要素
52 ケージ
54 ボール
56 ラグ
58 固定穴
60 第2の偏向ローラ
62 トラックローラ
64 非弾性接続要素
66 弾性復元要素
68 螺旋ばね
70 回転要素
72 偏心軸
第1の関節継手
第2の関節継手
第3の関節継手
z 長手方向
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11