特許第6423611号(P6423611)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6423611
(24)【登録日】2018年10月26日
(45)【発行日】2018年11月14日
(54)【発明の名称】利用認定システム
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20181105BHJP
   G06Q 50/26 20120101ALI20181105BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20181105BHJP
【FI】
   H04M11/00 302
   G06Q50/26
   H04M1/00 U
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-86542(P2014-86542)
(22)【出願日】2014年4月18日
(65)【公開番号】特開2015-207870(P2015-207870A)
(43)【公開日】2015年11月19日
【審査請求日】2017年1月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】593202025
【氏名又は名称】株式会社エイビット
(74)【代理人】
【識別番号】100077827
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 弘男
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】特許業務法人開知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】檜山 竹生
【審査官】 山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−252371(JP,A)
【文献】 特開2007−086820(JP,A)
【文献】 特開2010−102539(JP,A)
【文献】 特開2006−293793(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 15/00
19/00
21/00
21/30−21/46
G06Q 10/00−10/10
30/00−30/08
50/00−50/20
50/26−99/00
H04M 1/00
1/24− 3/00
3/16− 3/20
3/38− 3/58
7/00− 7/16
11/00−11/10
99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービス提供拠点に設けられるサービス窓口端末および認定デバイスと、
サービス会社管理サーバと、
サービス利用者の通信端末と
で構成されるシステムであって、
前記認定デバイスには、サービスメニュ、サービス拠点、サービス拠点内の認定デバイスのデバイス番号を含む特定符号を発生する手段が設けられ、前記サービス利用者の通信端末を前記認定デバイスに対峙させたとき、利用者の通信端末は該認定デバイスにより発生された特定符号を復原し、サービス利用者がサービス申込のための操作を開始し、該操作完了後サービスの申込みを行うときに利用者の通信端末と前記認定デバイスとの対峙を再確認し、対峙が再確認されたとき利用者の申込情報が利用者の通信端末から前記サービス窓口端末へ無線送信され、該サービス窓口端末は、利用者により申し込まれたサービスを前記サービス拠点にて実行し、実行に使用された認定デバイスの特定符号と共に実行状況を前記サービス会社管理サーバに報告することを特徴とする利用認定システム。
【請求項2】
請求項1におけるサービス会社管理サーバは、認定デバイス提供業者のサーバと通信し、認定デバイスの利用状況を該認定デバイス提供業者のサーバに報告し、前記認定デバイス提供業者は、前記認定デバイスの管理運営を認定デバイスの特定符号構成に基づいて行えるようにしたことを特徴とする利用認定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話や、タブレット等の通信端末を用いて、銀行や行政などのサービス窓口で何らかのサービスを受けるとき、サービス利用者の通信端末が、特定のIDコードを所有するマット状のデバイスからIDコードを読取ることで、関連した操作を可能にし、サービスが利用できるようにした利用認定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信端末の小型化、高性能化が進み、インターネットを利用したオンラインバンキング等の各種のサービスが利用可能になっている。サービス提供業者からみるとオンラインですべてのサービスが完結するメニューもあれば、多額の定期預金の入金や引き出し等サービス提供業者の窓口で、対面会話を行いながらのサービスメニューもある。
【0003】
オンラインサービスにおいては、サービス利用者に特定の利用者認定コード(IDコード)を付与し、秘匿通信方式でオンライン決済を可能にしている。
【0004】
銀行決済に限らず、旅行、切符の手配等、オンラインで可能なものは、インターネットによる商取引が広く普及しているが、旧来のように、銀行や役所の窓口、ホテルのカウンタ等特定の場所でのサービス申込みも可能で、この場合所定の用紙に記入したり、会話する等の手間を必要とし、窓口業務の簡素化が需要としては潜在している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】雑誌「トランジスタ技術」2013年3月号170ページ超音波ワイヤレスアダプタ
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−083905
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
銀行窓口や役所での手続きなどは、ATMに見るように一部機械化されているが、対面会話を行いながらのサービスメニューは、窓口での用紙への記入、捺印を必要としている。
【0008】
ところが用紙への記入方式は、サービス提供会社から見ると用紙に記入した事項を社内でシステムに入力する手間を必要とし、利用者にとっては、記入行為自体に至極不便に感じる人も近年は多く、使い慣れている携帯電話等の通信端末が利用できることが、より望ましいことである。サービス提供業者と利用者の通信端末の間は、暗号通信方式を利用して、利用者にIDコードを発行し、限られたサービスメニューの範囲でオンライン取引する手段は広く普及しているが、サービス窓口では、IDコードを持った通信端末に加え、より強固な認定手段が求められる。また、他人の通信端末が使われる危険があるため、通信端末と利用者との一致を確認することも要求される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、このような課題を利用者の通信端末がサービス窓口の、とある環境下でしか利用できないようにする。なお、利用者の通信端末としては、現今の携帯電話のほとんどがマイク、QRコード(登録商標)リーダ、特定用途のためのアプリケーションソフトウエアの搭載機能を具備するので、携帯電話が利用可能である。
【0010】
とある環境とは、部屋でもよいし、机でもよいが、本発明においては、普及促進を考慮し、マウスパッドのような下敷き形状のマット(以後、「認定マット」という)を提案している。認定マットには、そこに置かれた通信端末を認定するため、マットID符号が一つ一つに付与されていて、利用者の通信端末が認定マットに置かれると、自動的に置かれたことを検出し、サービス用アプリケーションが起動する。初回の利用時には、住所、氏名などの入力、運転免許証番号等利用者の顔写真の提供で利用者登録が必要になるが、2回目以降からは、初回の利用者登録時に発行される利用者IDが自動的に利用され、サービスメニューの選択を開始できる。
【0011】
認定マットには、マットID符号を含んだ超音波信号を発生する二つのスピーカが設けられ、通信端末に具備されているマイクがこの超音波信号をキャッチする。キャッチしたマットID信号をサービス提供業者に配布されているマット番号リストと比較判定しながら、利用者がサービスメニュを利用できるようにする。
【0012】
先行技術文献1には、携帯電話を利用して、変調された超音波信号を受信できる技術として、伝送速度が2KBPS、距離が5m程度を可能にしたことが開示されている。また先行技術文献2には超音波通信手段を用い、同一室内にある機器(この文献では健康測定機器)と中継機器との通信を行う技術が示されている。
【0013】
利用者の通信端末は、認定マット上で操作され、サービス窓口にあるサービス端末と無線通信し、サービス提供業者の管理サーバと交信する。それによりサービス提供会社の管理サーバは、利用者が、いつどの認定マットを利用し、どのようなアプリケーションで、どのような申込をしたのかを統合的に管理している。またそのサービス提供会社の管理サーバは、認定マット提供業者のサーバ(マットプロバイダサーバ)と通信を行い、認定マット提供業者は、後記するマットの符号構成によって配布したすべてのマットの設置場所、利用履歴を管理する。(後記する図3参照)
【0014】
サービスを利用するためのアプリケーションは、利用者は事前にサービス提供会社のウェブサイトから利用者の通信端末にダウンロード可能で、利用者は受けようとするサービスメニューへの事前入力は可能である。しかし、サービスの申し込みは、マットIDの上でなければできないようにしている。
【発明の効果】
【0015】
銀行や役所、あるいは旅行会社等すべての窓口業務がペーパーレスで処理され、利用者の利便性が向上するだけでなく、サービス提供業者にとっても処理システムの効率化運営が図れる。上記した窓口業務は、レストランでのメニューオーダにも利用可能で、顧客が、現に今レストランの座席にいることが確認されているので、顧客の通信端末を用いて調理場への直接注文が可能となり、さらに会計処理も、クレジットカード引き落とし業務と連携すれば省ける。このことはレストラン従業員の削減にもなり、顧客の利便性が増すだけでなく、レストランの経営の効率化をもたらす。
【0016】
同様の利用方法は、カラオケルームでの歌選択やホテルのチェックイン、チェックアウト、イベント会場での整理券配布等、人がサービス利用のために出かける場所のすべてのシーンに展開できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】認定マットの機能ブロック図である。
図2】利用者通信端末の機能ブロック図である。
図3】サービス窓口の機能ブロック図である。
図4】認定マットの物理的形状を示す図である。
図5】認定マットの第2の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下図面に基づいて本発明を説明する。
【0019】
図1において、認定マット上の電子回路は、マット特有の符号を発生する符号発生回路11、発生された符号を超音波で変調する変調回路12、変調された音波を発するスピーカ13、電池14、認定マットの所在を検知する所在センサ15、タイマ16で構成される。認定マットの設置場所によっては、電池に替え、ACアダプタから直流電源が供給されてもよい。所在センサ15はGPSセンサでもいいが、認定マットは室内に置かれるケースが多いので、認定マットの置かれる部屋やフロアに対応した電波を受信するセンサの方が望ましい。図示しないが、フロア毎にフロア番号情報を含んだ電波発信機が置かれ、所在センサ15は、その電波を受信し、認定マットが置かれるべき場所に置かれていることを確認した上で符号発生回路11からマット固有の符号を発生する。これは認定マットが間違って本来使われる場所でないところで使われることを防止するためで、同時に盗難防止策でもある。タイマ16は、認定マットの使用時間を計測するもので、認定マットの消費電力と利用回数との関係で定まる電池寿命と対応した認定マットの交換時期、例えば1年とかの目安を知るためのもので、認定マットに電池が挿入された後、あるいは挿入された電池の稼働を開始するためのビニールシートが剥がれた後にタイマは時間測定を開始する。
【0020】
図2は認定マットに置かれる携帯電話の回路機能構成を示しており、スピーカ13の音波を感知するマイク21、音波から符号発生回路11の符号を復調する復調回路22、マット辞書25と比較し、携帯電話がどの認定マットの上に置かれているのかを判定する判定回路23、判定されたマットリストにより利用可能なアプリケーションを示すアプリリスト26、携帯電話が申込用紙などを事前ロードし、申込み事項を事前に書き込んでいたりする事前ロードアプリ28、事前申し込み内容を申込み可能にするための申し込みアプリ27、申し込操作を行う申込み操作29、WiFiとか、携帯電話の通信を行う通信回路24よりなる。また申し込みを受ける窓口では、図3に示すように、サービス窓口端末40が置かれ、申込み内容の確認と、住民票の発行など申込まれたサービス事務が完了し、申込者に書類を手渡すとき、申込者の顔写真を見て本人確認を行い、書類を手渡す。サービス窓口端末40の背後にはサービス会社管理サーバ41があるが、管理サーバは窓口にある必要は特にない。窓口にあれば、無線通信手段として公衆携帯電話網を使わずWiFi無線ネットが利用できる。サービス会社管理サーバ41は、通信網42を介してマットプロバイダサーバ43に接続されている。マットプロバイダサーバ43はすべての認定マットの使用履歴を管理するもので、どの認定マットが一日に何回使用されているか等の情報の一元管理を可能としている。
【0021】
このような構成で、一例として役所で住民票の発行を依頼するときワークフローについて説明する。
【0022】
役所の窓口には、住民票や、印鑑証明の発行、転居届の提出など各種の様式の用紙が置かれ、用紙への記入個所が何カ所か設けられている。その記入個所に、本発明による認定マットを置く。住民票を発行してもらいたい人は、役所のサイトからその人の携帯電話に住民票の様式を事前にダウンロードしておき、できれば役所窓口に行く前に、必要な事項を携帯電話上に記入しておく。
【0023】
窓口では、図4に示す認定マット50の上に利用者の携帯電話52を置くと、マット特有の符号、「これはXX区役所で住民票関連の申請を行うマットです」を表す符号が超音波変調されていて、変調信号が、例えば3秒ごとに発信されていて、認定マット50に設置されている二つのスピーカ51a、51bから音波が発生される。携帯電話52のマイクがその音を感知する。超音波の変調周波数としては、人間の耳に聞こえず、かつ携帯電話のマイクで感知可能な20KHz前後程度がよい。変調方式は、振幅変調よりは周波数変調の方が、信号対雑音比の面で好適である。
【0024】
携帯電話52のマイクが、変調波を復調し、マット符号が復元されるが、予めマット辞書25(図2参照)には、携帯電話所有者が事前にダウンロードしているアプリケーションに対応したマット番号が保存されていて、復調回路22の出力は、マット辞書25を検索しながら、携帯電話所有者が今何をしようとしているかを判定する。もし、マット辞書25との比較の結果、何もわからなければ操作はそれで終わる。前記判定結果、判定回路23の出力は、この場合は住民票関連の申し込みをしようとすることがわかるので、申込者が住民票の様式に必要な事項を記入していれば、申込アプリ27を起動し、携帯電話の画面には、住民票の発行を申し込む操作画面が現れ、画面の指示どりに操作を行うことで、申込情報を通信回路24を介して、サービス窓口端末40へ送信し、申し込みは終了する。なお、利用者が事前にアプリケーションを、利用者の通信端末にダウンロードしていないときは、後記するように、アプリケーションをサービス管理会社からロードし、申込みアプリを利用して必要な情報を書き込むことで、前記した操作が可能になる。
【0025】
利用者の通信端末が認定マットに置かれると、図示しない人感センサがそのことを検知し、超音波の発信を3秒毎に行い、利用者の通信端末は超音波信号を受信し、利用者の認定マット上の申し込み操作を可能にするが、利用者が操作を終了し認定マットから離れると、前記人感センサがそのことを検知し、超音波の発信は停止される
【0026】
申込み終了と同時に、申込み情報は通信回路24よりサービス窓口端末40へ送られ、窓口端末から受付番号が利用者の携帯電話に送信される。受付番号を受信した時点で利用者は認定マットから離れ、住民票が受け取れるのを待つ。住民票が発行されたら窓口に出向き、窓口では予め登録している本人確認の顔写真と照合し、住民票を手渡す。初めての利用の際には利用者情報に関する初期登録が必要であるが、事前ロードアプリ28で、住所、氏名等の必要とされる情報を書き込んでおき、認定マットの上で「初期登録、申込み操作」をしてサービス窓口に出向く。役所や銀行は本人確認のため本人の顔写真を撮影し、サービス窓口端末40に登録する。この顔写真情報は、サービス会社管理サーバー41に登録され、そのサービス会社のサービスであれば、次回以降は、どこの拠点のサービス窓口でも、顔写真確認ができるようになっている。
【0027】
利用者が事前ロードアプリ28をダウンロードしてないときは、マット辞書25には該当するリストがないのでアプリリスト26を探すことができない。このときは復調回路22で復元されたマット符号は通信回路24を介してサービス窓口端末40に送られ、サービス会社管理サーバ41がマット符号から候補となるアプリ―ケーションをロードし、事前ロードアプリ28と申込みアプリ27に書き込むことで、事前ロードしたときの同様の操作が可能になる。
【0028】
今日の役所のフローでは、申請者が役所に行って申込用紙に記入して申請窓口に用紙を提出し、受付番号札を受取り、申請書類ができたら受付番号札を提示し、書類を受け取るというステップであるが、本発明では、申請が申請者の携帯電話からペーパーレスで行えることと、役所での申請手続き時間が削減されること、役所から見れば、申請窓口業務が簡素化される利点がある。
【0029】
次に本発明をレストランのメニューオーダの例で説明する。この例では、利用者が事前ロードアプリを取得していないケースで説明する。
【0030】
レストランのテーブルには、本発明による認定マットが置かれていて、認定マットの上に、携帯電話を置くと、自動的にマット符号が前記説明と同様に復調される。復調されたマット符号は、通信回路24から、レストラン内にある窓口端末(レジのようなものでもよい)に送られ、窓口端末でレストラン内にある認定マットであると判定できたら、事前ロードアプリ28と申し込みアプリ27を自動的にダウンロードし、利用者の携帯画面にレストランのメニューを表示する。利用者は、メニューを選択し申し込操作を行うことで、メニュー注文を完了する。メニューの修正や追加ももちろん可能である。
【0031】
また、クレジットカード情報を入力することで、カードによる決済も可能になる。
【0032】
このことは利用者側から見るとレストランに入って座席につくと即オーダーでき、カード決済なので出口レジに並ぶ必要がなくなるメリットがある、レストラン側から見ると店内の座席にすでに座っている人からのオーダーなので、安心して調理に入れること、注文聞きやレジ要員の削減になる。利用者は、またこの店に来たいと思えば、利用者登録を行えば、最新版の事前ロードアプリを得ることができ、店は新メニューを見込み客に配信することができる。
【0033】
次に、カラオケルームでの使用シーンを例にとって説明する。
【0034】
カラオケルームには唄いたい歌の選曲のための選曲タブレットが置かれている。カラオケルームのテーブルの上に本発明の認定マットを置けば、選曲タブレットと同じ操作画面が利用者の携帯電話の上に現れ、携帯電話からの選曲が可能になる。この場合、カラオケコマンダと呼ばれるカラオケ機器が、携帯電話と同様にブルーツース等の無線信号の送受信機能を具備している必要がある。カラオケユーザがカラオケ店舗の顧客登録をすれば、事前ロードアプリ28を携帯電話にロードすることができ、その店舗で、新曲が歌えるようになったことなどを知ることができる。またカラオケ店にいく電車の中などで、今日唄う予定の曲を10曲分とかを決め携帯電話に入力しておく。カラオケ店に到着し、認定マット上で利用者の携帯電話が認定されたら、申込みアプリ27が起動するので、先に入力した10曲分の曲をカラオケ機器に転送できるので、カラオケルームでの1曲ごとの選曲行為は不要になる。カラオケ店から見ると利用者の携帯電話が選曲タブレットの役割を果たすので、選曲タブレットの設置台数を減らすことができる利点がある。レストランやカラオケルームでは初期登録時には利用者の顔写真を撮影する必要はないだろう。
【0035】
顔写真撮影まで行うかどうかは、サービス会社の判断である。
【0036】
上記したように、認定マットの利用にはいろんなシーンが考えられるが、認定マットの符号構成としては、サービスメニュ(例:住民票申請)指定に4桁、サービス業者(例、XX区役所)指定に4桁、サービス業者のサービス拠点(例:XX本庁、YY出張所)指定に4桁、サービス拠点内のマット指定(例、マットA、マットB、、)に4桁、マットの製造番号などマットを一意に特定できるマットの管理番号に12桁程度で構成されよう。これらの符号構成によって、図3に示すように、サービス会社管理サーバ41と、通信接続されているマットプロバイダサーバ(マット提供業者のサーバ)43がマット提供業者が提供するすべてのマットの設置個所の特定と使用履歴を管理することができる。認定マットは、広義的には認定デバイスであり、マット提供業者は、認定デバイス提供業者、図3のマットプロバイダサーバ43は、認定デバイス管理サーバということができる。
【0037】
たとえば、住民票発行、レストラン利用、カラオケルーム利用はサービスメニュで指定し、横浜市役所とか、レストラン会社とか、カラオケ会社はサービス業者で指定し、都筑区役所とか、レストラン八王子店とかは、サービス拠点で指定し、認定マットが置かれるテーブル番号や、カウンタ番号は認定マット指定で行うようにする。
【0038】
認定マットの提供会社は、かかる符号構成のもと、認定マットを利用しようとするサービス業者からの要求申請を受け、提供する認定マットの符号を決定し、決定された符号を書き込んだ後、認定マットを配布する。認定マットの利用履歴がマットプロバイダサーバ43でわかるので、認定マット提供会社は、認定マットの販売価格をどうするか等のキメ細かいビジネスモデルメニューを検討できる。例えば、電池付認定マットを電池代込みでA円で販売し、電池寿命が来たら新しい認定マットを改めてA円で販売する方法、前記したタイマ16で1年間の動作を保証し、1年の使用契約で料金B円を決めて販売する方法、認定マットを無料で配布し、利用回数に応じた料金設定で、1か月ごとに使用料をいただく方法などが採れよう。
【0039】
図5は、認定マットの第2の実施例で、認定マットの内部構成として、図1の符合発生回路11、変調回路12、スピーカー13の代わりにRFID等の半導体素子を使い、符号記憶素子17として置き換えた例を示す。この場合、通信端末の内部構成としては、マイク21、復調回路22の代わりに、符号記憶素子17の符号を読み取る読取回路30が置かれる。今日「おさいふ携帯」と呼ばれる携帯電話には、この読取回路が内蔵されているので、RFIDを利用できる通信端末が広く普及すれば、認定マットの構成は、図1に示したものよりは簡潔になる。この認定マットを使用するときは、RFIDの読取は2回必要になる。1回目は、図1のケースと同様に、端末が認定マットの上に置かれアプリが起動開始されるとき、2回目は、申込み操作が完了し、通信回路に申込内容を送る寸前である。このため、1回目の読取時に、読み取った符号(認定マット特有番号)を符号メモリ31に記憶しておき、申込み操作を完了した時点で、利用者の通信端末を認定マットにかざし、読取られた符号が符号メモリ31と一致することを、一致確認回路32で確認してから申込み内容を通信回路24に送るようにしている。これは、RFID素子の読取りには、素子と読取り部は近接している必要があり、超音波認定マット使用の場合と異なり、申込み作業の途中で、認定マット上での操作を行っていることが不明になってしまうからで、申込みを最終的に行うときには、申込み行為を始めた同じ認定マット上で申込みが行われていることの確認を行うためである。
【0040】
図5の例において、RFIDのような半導体素子の代わりにQRコード(登録商標)と呼ばれる2次元バーコードのような可視化情報を認定マットに張り付けておいてもよい。RFIDを読み取れる通信端末より、QRコード(登録商標)を読み取れる通信端末の方が普及している感があるが、認定マットに、本発明のような超音波通信手段とRFID素子、QRコード(登録商標)の三つの手段を搭載することも可能であり、その場合利用者がどんな通信端末を持っていても対応可能になろう。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明による認定マットは、その技術構成から考えても低価格で販売できるものであり、サービス提供業者にとっては窓口業務の改善と、経営効率の向上をもたらす。サービス利用者にとっては、窓口での書類の記入が必要最小限なものでかつ、それが利用者が使い慣れている携帯電話などで出来るので、書込み操作の煩わしさから解放されるとともに窓口での待ち時間短縮のメリットもある。また、認定マット提供事業という新しい事業モデルが創生でき、産業振興におおいに貢献できる。
【符号の説明】
【0042】
11 符号発生回路
12 変調回路
13 スピーカ
14 電池
15 所在センサ
16 タイマ
17 符号記憶素子
21 マイク
22 復調回路
23 判定回路
24 通信回路
25 マット辞書
26 アプリリスト
27 申し込みアプリ
28 事前ロードアプリ
29 申込み操作
30 読取回路
31 符号メモリ
32 一致確認回路
41 サービス窓口端末
42 サービス会社管理サーバ
43 通信網
44 マットプロバイダサーバ
50 認定マット
51a スピーカ
51b スピーカ
52 利用者の携帯電話
図1
図2
図3
図4
図5