特許第6423676号(P6423676)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

▶ アズビル株式会社の特許一覧
特許6423676バルブ開閉制御装置およびガス供給設備機器
<>
  • 特許6423676-バルブ開閉制御装置およびガス供給設備機器 図000002
  • 特許6423676-バルブ開閉制御装置およびガス供給設備機器 図000003
  • 特許6423676-バルブ開閉制御装置およびガス供給設備機器 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6423676
(24)【登録日】2018年10月26日
(45)【発行日】2018年11月14日
(54)【発明の名称】バルブ開閉制御装置およびガス供給設備機器
(51)【国際特許分類】
   F23K 5/00 20060101AFI20181105BHJP
   F16K 17/36 20060101ALI20181105BHJP
【FI】
   F23K5/00 304
   F16K17/36 Z
【請求項の数】4
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-203599(P2014-203599)
(22)【出願日】2014年10月2日
(65)【公開番号】特開2016-70642(P2016-70642A)
(43)【公開日】2016年5月9日
【審査請求日】2017年7月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】天野 祐希
(72)【発明者】
【氏名】乗藤 雄基
【審査官】 藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−205333(JP,A)
【文献】 特開2002−156259(JP,A)
【文献】 特開2001−116200(JP,A)
【文献】 特開平10−188191(JP,A)
【文献】 特開2001−243581(JP,A)
【文献】 特開2005−188925(JP,A)
【文献】 特開2008−107140(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23K 5/00
F23N 5/24
F16K 17/36
G01F 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異常発生時にガス供給を停止可能なバルブを備えたガス供給設備機器において、前記バルブの開閉を制御するバルブ開閉制御装置であって、
遠隔の指令センタから送信される操作コマンドを受信する遠隔操作コマンド受信手段と、
異常発生時にローカル機器から出力されるローカル信号を受信するローカル信号受信手段と、
前記遠隔操作コマンド受信手段からバルブ閉操作コマンドを受信するか、あるいは前記ローカル信号受信手段からローカル信号を受信したときに、前記バルブを閉状態にする閉操作手段と、
前記遠隔操作コマンド受信手段からバルブ開操作コマンドを受信したときに、前記バルブを開状態にする開操作手段と、
前記ローカル信号の受信に応じたバルブ閉操作が行われたときからの経過時間が開操作無効時間を超えている場合に、前記遠隔操作コマンド受信手段からのバルブ開操作コマンドを前記開操作手段に出力し、前記経過時間が前記開操作無効時間以下の場合に、前記遠隔操作コマンド受信手段からのバルブ開操作コマンドを前記開操作手段に出力せず、このバルブ開操作コマンドによるバルブ開操作を無効とする開操作可否判定手段とを備えることを特徴とするバルブ開閉制御装置。
【請求項2】
請求項1記載のバルブ開閉制御装置において、
さらに、外部からの指示に応じて前記開操作無効時間を設定可能な設定手段を備えることを特徴とするバルブ開閉制御装置。
【請求項3】
ガス導管の途中に設けられたバルブと、
異常発生時にローカル信号を出力するローカル機器と、
請求項1または2に記載のバルブ開閉制御装置とを備えることを特徴とするガス供給設備機器。
【請求項4】
請求項3に記載のガス供給設備機器において、
前記ローカル機器は、地震発生時またはガス漏れ発生時に前記ローカル信号を出力することを特徴とするガス供給設備機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異常発生時にガス供給を停止可能なバルブを備えたガスガバナやガスメータ等のガス供給設備機器において、バルブの開閉を制御するバルブ開閉制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ガスの圧力を調整するガスガバナや需要家宅に設けられたガスメータのバルブを自動もしくは遠隔操作で閉状態にし、ガス供給を停止するシステムが知られている。図2の例では、中圧導管100と低圧導管101との間に設けられたガスガバナ102のバルブ103を、例えば地震の発生時に自動もしくは供給指令センタ104からの遠隔操作で閉状態にし、需要家宅105に設けられたガスメータ106のバルブを自動で閉状態にするようにしている。
【0003】
図3はガスガバナ102のバルブ制御部分の構成を示すブロック図である。ガスガバナ102は、ガス導管に設けられたバルブ103と、供給指令センタ104と通信を行う無線端末107と、ガスガバナ102に設けられたローカル機器108と、バルブ103の開閉を制御するバルブ開閉制御装置109とを備えている。
【0004】
無線端末107は、供給指令センタ104から、バルブ103を閉状態にする遠隔操作コマンドを受信すると、この遠隔操作コマンドをバルブ開閉制御装置109に渡す。バルブ開閉制御装置109は、無線端末107からの遠隔操作コマンドを受信すると、バルブ103を閉状態にして低圧導管101へのガス供給を停止する。ローカル機器108は、例えば地震発生時等の異常発生時に、バルブ103を閉状態にするローカル信号を出力する。バルブ開閉制御装置109は、ローカル機器108からのローカル信号を受信すると、バルブ103を閉状態にする。
また、ガスメータ106は、例えば地震発生時やガス漏れ発生時にバルブを自動的に閉状態にして需要家宅105へのガス供給を停止する。
【0005】
図2に示したようなシステムにおいては、自動もしくは遠隔操作で閉状態にしたガスガバナ102やガスメータ106を遠隔操作で開状態にしたいという要請がある。例えば特許文献1に開示されたガスメータの遠隔復帰装置では、異常発生時に閉状態にしたガスメータを遠隔操作で開状態に復帰させる構成が提案されている。
図3に示したガスガバナ102の構成においても、供給指令センタ104から、バルブ103を開状態にする遠隔操作コマンドを送信すれば、バルブ開閉制御装置109を介してバルブ103を開状態にすることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−136293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
異常発生時にガス供給を停止可能なバルブを備えたガスガバナやガスメータにおいては、上記のように遠隔操作でバルブを開状態に復帰させることが技術的に可能であるが、閉状態のバルブを開状態に復帰させるために復旧(バルブ開)操作コマンドを送信してから実際にバルブが開状態になるまでの間に新たな地震が発生する可能性があった。また、ガスガバナやガスメータの状態に関する情報を通信機能で供給指令センタに送り、供給指令センタでガスガバナやガスメータの復旧可否判定を行うシステムがあるが、供給指令センタに送る情報がガスガバナやガスメータのリアルタイムな情報ではなく、最新の状況との間にずれが生じる場合があった。
【0008】
したがって、従来のシステムでは、最新の状況に応じてローカル機器がローカル信号を出力してバルブを閉状態にした後に、古い情報を基に供給指令センタから復旧(バルブ開)操作コマンドが送信される可能性があり、地震発生時などバルブを閉状態に維持すべき状況においても、遠隔操作によってバルブの開操作が行われてしまう可能性があった。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、異常発生時にガス供給を停止可能なバルブを備えたガスガバナやガスメータ等のガス供給設備機器において、バルブを閉状態に維持すべき状況において遠隔操作によってバルブの開操作が行われる可能性を低減することができるバルブ開閉制御装置およびガス供給設備機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、異常発生時にガス供給を停止可能なバルブを備えたガス供給設備機器において、前記バルブの開閉を制御するバルブ開閉制御装置であって、遠隔の指令センタから送信される操作コマンドを受信する遠隔操作コマンド受信手段と、異常発生時にローカル機器から出力されるローカル信号を受信するローカル信号受信手段と、前記遠隔操作コマンド受信手段からバルブ閉操作コマンドを受信するか、あるいは前記ローカル信号受信手段からローカル信号を受信したときに、前記バルブを閉状態にする閉操作手段と、前記遠隔操作コマンド受信手段からバルブ開操作コマンドを受信したときに、前記バルブを開状態にする開操作手段と、前記ローカル信号の受信に応じたバルブ閉操作が行われたときからの経過時間が開操作無効時間を超えている場合に、前記遠隔操作コマンド受信手段からのバルブ開操作コマンドを前記開操作手段に出力し、前記経過時間が前記開操作無効時間以下の場合に、前記遠隔操作コマンド受信手段からのバルブ開操作コマンドを前記開操作手段に出力せず、このバルブ開操作コマンドによるバルブ開操作を無効とする開操作可否判定手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明のバルブ開閉制御装置の1構成例は、さらに、外部からの指示に応じて前記開操作無効時間を設定可能な設定手段を備えることを特徴とするものである。
また、本発明のガス供給設備機器は、ガス導管の途中に設けられたバルブと、異常発生時にローカル信号を出力するローカル機器と、バルブ開閉制御装置とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明のガス供給設備機器の1構成例において、前記ローカル機器は、地震発生時またはガス漏れ発生時に前記ローカル信号を出力することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ローカル機器によるバルブの自動制御を優先し、ローカル信号によるバルブ閉操作が行われたときからの経過時間が開操作無効時間以下の場合は、バルブ開操作コマンドによるバルブ開操作を無効とするようにしたので、バルブを閉状態に維持すべき状況において遠隔操作によってバルブの開操作が行われる可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態に係るバルブ開閉制御装置の構成を示すブロック図である。
図2】従来のガス供給システムの1例を示す図である。
図3】ガスガバナのバルブ制御部分の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態に係るバルブ開閉制御装置の構成を示すブロック図である。バルブ開閉制御装置1は、遠隔操作コマンド受信部4と、ローカル信号受信部5と、閉操作部6と、開操作部7と、開操作可否判定部8と、設定部9とを備えている。
バルブ開閉制御装置1と、ガス導管(不図示)の途中に配置されるバルブ2と、ローカル機器3とは、例えばガスガバナやガスメータ等のガス供給設備機器に設けられる。
【0014】
遠隔操作コマンド受信部4は、図示しない遠隔の指令センタから送信される遠隔操作コマンドを受信する。
ローカル信号受信部5は、ローカル機器3から出力されるローカル信号を受信する。ローカル機器3としては、例えば地震センサやガス漏れセンサがある。ローカル機器3は、例えば地震発生時やガス漏れ発生時等の異常発生時に、バルブ2を閉状態にするローカル信号を出力する。
【0015】
閉操作部6は、遠隔操作コマンド受信部4からバルブ2を閉状態にするバルブ閉操作コマンドを受信するか、あるいはローカル信号受信部5からローカル信号を受信すると、バルブ2を閉状態にする。これにより、バルブ2が設けられたガス導管へのガス供給が停止する。
開操作部7は、遠隔操作コマンド受信部4から開操作可否判定部8を介してバルブ開操作コマンドを受信したときに、バルブ2を開状態にする。
【0016】
開操作可否判定部8は、遠隔操作コマンド受信部4からバルブ2を開状態にするバルブ開操作コマンドを受信すると、このバルブ開操作コマンドを開操作部7に出力するが、ローカル信号によるバルブ閉操作が行われたときからの経過時間が開操作無効時間以下の場合は、バルブ開操作コマンドによるバルブ開操作を無効とする。開操作可否判定部8には、タイマ10が設けられており、ローカル信号受信部5からローカル信号が出力されたときからの経過時間を測定できるようになっている。
【0017】
開操作可否判定部8は、ローカル信号受信部5からローカル信号が出力されていないか、あるいはローカル信号が出力されたときからの経過時間が開操作無効時間を超えている場合、遠隔操作コマンド受信部4からのバルブ開操作コマンドを開操作部7に出力し、ローカル信号が出力されたときからの経過時間が開操作無効時間以下の場合、バルブ開操作コマンドを開操作部7に出力しない。
設定部9は、開操作可否判定部8に対して、例えばオペレータの指示に応じて開操作無効時間を任意に設定できるようになっている。
【0018】
以上のように、本実施の形態では、ローカル機器3によるバルブ2の自動制御を優先し、ローカル信号によるバルブ閉操作が行われたときからの経過時間が開操作無効時間以下の場合は、バルブ開操作コマンドによるバルブ開操作を無効とするようにしたので、バルブを閉状態に維持すべき状況において遠隔操作によってバルブの開操作が行われる可能性を低減することができる。
【0019】
本実施の形態で説明したバルブ開閉制御装置1は、例えばCPU(Central Processing Unit)、記憶装置およびインタフェースを備えたコンピュータとこれらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。CPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って本実施の形態で説明した処理を実行する。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明は、ガスガバナやガスメータ等のガス供給設備機器に適用することができる。
【符号の説明】
【0021】
1…バルブ開閉制御装置、2…バルブ、3…ローカル機器、4…遠隔操作コマンド受信部、5…ローカル信号受信部、6…閉操作部、7…開操作部、8…開操作可否判定部、9…設定部、10…タイマ。
図1
図2
図3