特許第6423876号(P6423876)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6423876
(24)【登録日】2018年10月26日
(45)【発行日】2018年11月14日
(54)【発明の名称】水性ポリウレタン分散液
(51)【国際特許分類】
   C08G 18/00 20060101AFI20181105BHJP
   C08G 18/42 20060101ALI20181105BHJP
   C08G 18/40 20060101ALI20181105BHJP
   C08G 18/66 20060101ALI20181105BHJP
   C08G 18/32 20060101ALI20181105BHJP
   C08G 18/76 20060101ALI20181105BHJP
   C09J 175/04 20060101ALI20181105BHJP
【FI】
   C08G18/00 C
   C08G18/42
   C08G18/40 018
   C08G18/66
   C08G18/32 025
   C08G18/76
   C09J175/04
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-531990(P2016-531990)
(86)(22)【出願日】2013年12月3日
(65)【公表番号】特表2017-501249(P2017-501249A)
(43)【公表日】2017年1月12日
(86)【国際出願番号】CN2013088390
(87)【国際公開番号】WO2015081486
(87)【国際公開日】20150611
【審査請求日】2016年11月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】特許業務法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パイ,チェンヤン
(72)【発明者】
【氏名】ク,チャオホイ
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ホンリャン
(72)【発明者】
【氏名】バッタチャリジー,デブクマー
【審査官】 小森 勇
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−302714(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 18/00
C08G 18/32
C08G 18/40
C08G 18/42
C08G 18/66
C08G 18/76
C09J 175/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のアニオン性界面活性剤を含み、かつポリウレタンを含む分散された粒子を更に含む、水性組成物であって、前記ポリウレタンが、反応物群(GR1)の反応生成物であり、GR1が、1つ以上の芳香族ポリイソシアネート及びポリオール成分を含み、前記ポリオール成分が、
(a)前記ポリオール成分の重量に基づいて、50重量%〜99重量%の1つ以上のポリエステルポリオール、
(b)前記ポリオール成分の重量に基づいて、0.1重量%〜10重量%の親水性側鎖を有する1つ以上のジオールであって、前記親水性側鎖がエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、及びこれらの組み合わせから選択される、結合された単位を含有し、及び前記親水性側鎖が前記ポリウレタンの形成の条件下でイソシアネートと反応するヒドロキシル基または他の基を含有しない、1つ以上のジオール、ならびに
(c)前記ポリオール成分の重量に基づいて、0.9重量%〜40重量%の(a)及び
(b)とは異なる1つ以上のポリオールを含む、前記組成物。
【請求項2】
(c)が、前記ポリオール成分の重量に基づいて、2重量%〜20重量%の1つ以上のポリエチレングリコールを含む、請求項1に記載の前記組成物。
【請求項3】
前記ポリエチレングリコールではなく、かつ親水性側鎖を有する前記ジオールではない、ポリエーテルポリオールの前記ポリオール成分中の総量が、前記ポリオール成分の総重量に基づく重量で、20%以下である、請求項2に記載の前記組成物。
【請求項4】
(c)が、前記ポリオール成分の重量に基づいて、0.5重量%〜5重量%の1つ以上のモノマージオールを含む、請求項1に記載の前記組成物。
【請求項5】
前記ポリエステルポリオール(a)が、1つ以上の脂肪族ポリエステルポリオールを含む、請求項1に記載の前記組成物。
【請求項6】
前記GR1が、1つ以上のポリアミンを更に含む、請求項1に記載の前記組成物。
【請求項7】
前記組成物が、1つ以上のイソシアネート架橋剤を更に含む、請求項1に記載の前記組成物。
【請求項8】
前記イソシアネート架橋剤が、モノマージイソシアネートの1つ以上の親水的に修飾されたトリマーを含む、請求項7に記載の前記組成物。
【請求項9】
ポリウレタンを含む分散された粒子を含む水性組成物であって、前記ポリウレタンが、反応物群(GR1)の反応生成物であり、GR1が、1つ以上の芳香族ポリイソシアネート及びポリオール成分を含み、前記ポリオール成分が、
(a)前記ポリオール成分の重量に基づいて、50重量%〜99重量%の1つ以上のポリエステルポリオールであって、750以上の重量平均分子量を有するポリエステルポリオール、
(b)前記ポリオール成分の重量に基づいて、0.1重量%〜10重量%の親水性側鎖を有する1つ以上のジオールであって、前記親水性側鎖が、1つ以上のアニオン性基を含む、1つ以上のジオール、ならびに
(c)前記ポリオール成分の重量に基づいて、0.9重量%〜40重量%の(a)及び
(b)とは異なる1つ以上のポリオールであって、(c)が、
(i)構造H−[−O−CH−CH−]−O−H(式中、nは、3以上である。)を有する1つ以上のポリエチレングリコール、
(ii)構造HO−R−OHもしくは構造OH−R−O−R−OH(式中、R、R、及びRの各々は、直鎖または分岐鎖アルキル基である。)を有する1つ以上のモノマージオール、および、
(iii)(i)と(ii)の混合、
からなる群より選択される、1つ以上のポリオール、
からなる、前記組成物。
【請求項10】
金属箔をポリマーフィルムに結合させる方法であって、
(A)請求項1に記載の前記組成物の層を前記金属箔の表面に適用するステップと、
(B)前記組成物の前記層を乾燥させて、乾燥接着剤の層を生成するステップと、
(C)前記乾燥後、ポリマーフィルムの表面を前記乾燥接着剤の前記層と接触させるステップと、を含む、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
接着剤組成物の1つの重要な使用は、積層体の層を結合させることである。例えば、金属箔をポリマーフィルムに結合させることができる接着剤組成物を提供することがしばしば所望される。安全及び環境保護の理由から、接着剤組成物は水系であることが望ましい。積層体の層を結合させるために水系接着剤組成物を使用する望ましい方法は、乾燥結合積層であり、これは、水系接着剤組成物の層を1次基材に適用し、次いで、水系接着剤組成物を乾燥させるか、乾燥することを可能にし、次いで、2次基材を乾燥接着剤組成物と接触させる、方法である。
【0002】
水系接着剤組成物は、連続的な水性媒体中に分散される有機粒子の形態であることが所望される。水系接着剤組成物は安定している、例えば、それらは、保管時に沈降または相分離の兆候を示すべきではないこともまた、所望される。水系接着剤組成物は、特に、アルミニウム箔をポリマーフィルムに結合させるときに、基材への良好な接着を提供することが、更に所望される。
【0003】
米国第7,928,161号は、ポリエステルポリオール、ポリ(EO)、及び脂肪族イソシアネートから作製される、ポリウレタン分散液を含む、水性ポリウレタン分散液を説明する。米国第7,928,161号とは対照的に、ポリウレタンが芳香族イソシアネートを使用して作製される水性ポリウレタン分散液を提供することが所望される。芳香族イソシアネートは、一般的に、典型的な脂肪族または脂環式ジイソシアネートよりも有意に安価(ほぼ3倍)である。
【0004】
以下は、本発明の記載である。
【0005】
本発明の第1の態様は、1つ以上のアニオン性界面活性剤を含み、かつポリウレタンを含む分散された粒子を更に含む、水性組成物であり、前記ポリウレタンは、反応物群(GR1)の反応生成物であり、GR1は、1つ以上の芳香族ポリイソシアネート及びポリオール成分を含み、前記ポリオール成分は、
(a)前記ポリオール成分の重量に基づいて、50重量%〜99重量%の1つ以上のポリエステルポリオール、
(b)前記ポリオール成分の重量に基づいて、0.1重量%〜10重量%の親水性側鎖を有する1つ以上のジオール、ならびに
(c)前記ポリオール成分の重量に基づいて、0.9重量%〜40重量%の(a)及び(b)とは異なる1つ以上のポリオールを含む。
【0006】
本発明の第2の態様は、金属箔をポリマーフィルムに結合させる方法であり、
(A)第1の態様の組成物の層を前記金属箔の表面に適用するステップと、
(B)前記接着剤組成物の前記層を乾燥させて、乾燥接着剤の層を生成するステップと、
(C)前記乾燥後、ポリマーフィルムの表面を、前記乾燥接着剤組成物の前記層と接触させるステップと、を含む。
【0007】
本発明の第3の態様は、ポリウレタンを含む分散された粒子を含む水性組成物であり、前記ポリウレタンは、反応物群(GR1)の反応生成物であり、GR1は、1つ以上の芳香族ポリイソシアネート及びポリオール成分を含み、前記ポリオール成分は、
(a)前記ポリオール成分の重量に基づいて、50重量%〜99重量%の1つ以上のポリエステルポリオール、
(b)前記ポリオール成分の重量に基づいて、0.1重量%〜10重量%の親水性側鎖を有する1つ以上のジオールであって、前記親水性側鎖が、1つ以上のアニオン性基を含む、1つ以上のジオール、ならびに
(c)前記ポリオール成分の重量に基づいて、0.9重量%〜40重量%の(a)及び(b)とは異なる1つ以上のポリオールを含む。
【0008】
以下は、本発明の詳細な説明である。
【0009】
本明細書において使用される際、以下の用語は、別途文脈が明確に示さない限り、指定された定義を有する。
【0010】
金属箔は、各々少なくとも1cmの長さ及び幅を有し、かつ0.5mm以下の厚さを有する金属片である。ポリマーフィルムは、各々少なくとも1cmの長さ及び幅を有し、かつ0.5mm以下の厚さを有する、有機ポリマーで作製される材料片である。
【0011】
組成物は、本明細書において、組成物が25℃で液体であり、組成物の重量に基づく重量で、30%以上の水を含有する場合、水系であると言われる。水系組成物は、離散(discreet)液滴または粒子が任意に懸濁され得る、連続的な流体媒体を含有する。連続的な流体媒体は、連続的な流体媒体の重量に基づいて、50重量%以上の量の水を含有する。連続的な流体媒体は、本明細書において、水性媒体と呼ばれる。
【0012】
水系組成物中に含有される水以外の化合物は、本明細書において、水性媒体を通じて分配されると言われる。かかる化合物は、溶解され得るか、または分散され得るか、またはこれらの組み合わせであり得る。分散された化合物は、離散(discreet)液滴または粒子として存在し、かかる粒子は、2つ以上の物質を含有し得る。分散された液滴または粒子は、5nm以上の重量平均直径を有する。水性媒体中に溶解される化合物は、個々の分子として分配される。
【0013】
イソシアネートは、1つ以上のペンダントイソシアネート基−NCOを含有する化合物である。1分子あたり2つ以上のイソシアネート基を含有するイソシアネートは、ポリイソシアネートである。厳密に2つのイソシアネート基を含有するイソシアネートは、ジイソシアネートである。モノマージイソシアネートは、構造OCN−R−NCOを有し、式中、−R−は、イソシアネート基を全く有せず、ウレタン結合を全く有せず、かつ500未満の分子量を有する、二価の有機基である。芳香族ポリイソシアネートは、1分子あたり、芳香族環に直接結合される1つ以上の−NCO基を含有する、ポリイソシアネートである。
【0014】
ポリオールは、1分子あたり2つ以上の−OH基を有する化合物である。ジオールは、1分子あたり厳密に2つの−OH基を有する。二官能性ポリオールは、ジオールである。ポリアミンは、1分子あたり2つ以上のアミン基を有する化合物であり、アミン基は、第1級、第2級、またはこれらの混合物であり得る。ジアミンは、1分子あたり厳密に2つのアミン基を有する。二官能性ポリアミンは、ジアミンである。
【0015】
エステルは、エステル結合を含有する化合物であり、これは、以下の構造を有し、
【0016】
【化1】
【0017】
式中、開放結合の両方は、炭素原子に接続される。ポリエステルは、1分子あたり3つ以上のエステル結合を含有する化合物である。エーテルは、エーテル結合を含有する化合物であり、これは、構造−O−を有し、式中、開放結合の両方は、炭素原子に接続される。ポリエーテルは、1分子あたり3つ以上のエーテル結合を含有する化合物である。ポリエーテル及びポリオールの両方である化合物は、ポリエーテルポリオールである。ポリエステル及びポリオールの両方である化合物は、ポリエステルポリオールである。脂肪族ポリエステルポリオールは、その分子中に芳香族環を全く含有しないポリエステルポリオールである。芳香族ポリエステルポリオールは、その分子中に1つ以上の芳香族環を含有するポリエステルポリオールである。
【0018】
ウレタンは、ウレタン結合を含有する化合物であり、以下の構造を有し、
【0019】
【化2】
【0020】
式中、開放結合の両方は、炭素原子に接続される。ポリウレタンは、1分子あたり3つ以上のウレタン結合を含有する化合物である。
【0021】
尿素結合は、以下の構造を有し、
【0022】
【化3】
【0023】
式中、開放結合の両方は、炭素原子に接続される。
【0024】
水性組成物の「固体」は、組成物中に含有される不揮発性材料の量である。「不揮発性材料」というカテゴリは、25℃で純粋な形態であるときに固体である物質、及び150℃以上の沸点を有する物質を含む。また、「不揮発性材料」というカテゴリに含まれるものは、水性組成物を乾燥させるプロセス中に蒸発しない生成物を形成するように、水性組成物を乾燥させるプロセス中に、1つ以上の他の化合物と反応する化合物である。
【0025】
有機溶媒は、水ではなく、25℃で液体であり、300℃を下回る沸点を有する化合物である。
【0026】
比が、本明細書において、X:1以上であると言われるとき、比はY:1であり、ここでは、YはX以上であることが意味される。例えば、比が、3:1以上であると言われる場合、その比は、3:1または5:1または100:1であり得るが、2:1ではあり得ない。同様に、比が、本明細書において、W:1以下であると言われるとき、比はZ:1であり、ここでは、ZはW以下であることが意味される。例えば、比が、15:1以下であると言われる場合、その比は、15:1または10:1または0.1:1であり得るが、20:1ではあり得ない。
【0027】
本発明の接着剤組成物は、水性媒体を含む。好ましくは、水性媒体中の水の量は、水性媒体の重量に基づく重量で、70%以上、または80%以上、または90%以上である。
【0028】
本発明の組成物は、本明細書において、「GR1」と呼ばれる反応物群の反応生成物であるポリウレタンを含有する。
【0029】
GR1は、1つ以上の芳香族ポリイソシアネートを含む。好ましいポリイソシアネートは、300以下、より好ましくは275以下の分子量を有する、モノマージイソシアネートである。好ましいのは、MDIの1つ以上の異性体であり、より好ましいのは、4,4’−MDI、及びMDIの他の異性体との4,4’−MDIの混合物であり、より好ましいのは、2,4’−MDIとの4,4’−MDIの混合物である。2,4’−MDIとの4,4’−MDIの混合物の中で、好ましくは、4,4’−MDI対2,4’−MDIの比は、0.75:1以上、より好ましくは1:1以上、より好ましくは1.01:1以上、より好ましくは1.1:1以上である。2,4’−MDIとの4,4’−MDIの混合物の中で、好ましくは、4,4’−MDI対2,4’−MDIの比は、3:1以下、より好ましくは2:1以下、より好ましくは1.5:1以下である。
【0030】
好ましくは、芳香族ポリイソシアネートの総量は、GR1の総重量に基づく重量で、8%以上、より好ましくは12%以上である。好ましくは、芳香族ポリイソシアネートの総量は、GR1の総重量に基づく重量で、50%以下、より好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下である。
【0031】
好ましくは、1つ以上のポリイソシアネートは、ブロック化されたポリイソシアネートをほとんどまたは全く含有しない。ブロック化ポリイソシアネートは、ブロック化化合物とのポリイソシアネートの反応生成物であり、ブロック化されたポリイソシアネートは、室温(即ち、約25℃)において、ポリオールまたは他のイソシアネート反応性化合物と反応しない。しかしながら、昇温において、ブロック化されたポリイソシアネートは、通常のポリイソシアネートが反応するであろうように、ポリオールまたは他のイソシアネート反応性化合物と反応する。好ましくは、GR1は、ブロック化されたポリイソシアネートを全く含有しないか、またはそうでなければ、GR1中の全てのポリイソシアネートの重量に基づいて、0.1%重量以下である量のブロック化されたポリイソシアネートを含有する。
【0032】
GR1はまた、ポリオール成分を含む。好ましくは、GR1中のポリオール成分の量は、GR1の総重量に基づく重量で、50%以上、より好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上である。好ましくは、GR1中のポリオール成分の量は、GR1の総重量に基づく重量で、95%以下、より好ましくは90%以下である。
【0033】
好ましくは、ポリオール成分中に含有されるポリオール以外に、ポリオールはGR1中に全く存在しない。
【0034】
ポリオール成分は、1つ以上のポリエステルポリオール(a)を含有する。ポリエステルポリオールの中で、好ましいのは、二官能性のものである。好ましいポリエステルポリオール(a)は、750以上、より好ましくは1,500以上の重量平均分子量(Mw)を有する。好ましいポリエステルポリオール(a)は、6,000以下、より好ましくは4,000以下、より好ましくは3,500以下の数平均分子量を有する。好ましくは、ポリオール成分中のポリエステルポリオール(a)の総量は、ポリオール成分の重量に基づく重量で、50%以上、より好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上である。好ましくは、ポリオール成分中のポリエステルポリオール(a)の総量は、ポリオール成分の重量に基づく重量で、99%以下、より好ましくは95%以下である。好ましくは、ポリエステルポリオール(a)は、1つ以上の脂肪族ポリエステルポリオールを含有する。より好ましくは、ポリエステルポリオール(a)は、1つ以上の脂肪族ポリエステルポリオールを含有し、芳香族ポリエステルポリオールを全く含有しない。
【0035】
ポリオール成分は、親水性側鎖を有する1つ以上のジオール(b)を含有する。側鎖は、水素以外の3個以上の原子の直鎖を含有する化学基であり、側鎖は、本発明のポリウレタンの形成の条件下でイソシアネートと反応するヒドロキシル基または他の基を全く含有しない。好ましくは、親水性側鎖を有するジオール(b)は、2つのヒドロキシル基を接続する原子の直鎖(「主鎖」)を含有し、側鎖の原子は、単一の結合によって、主鎖中の原子に付着される。側鎖は、分子が、側鎖と主鎖との間の結合を破壊し、次いで、水素原子で側鎖断片を末端処理することによって作製されたものとされ、かつその得られる分子が、水の重量に基づく重量で5%以上の25℃の水における可溶性を有した場合、親水性と見なされる。
【0036】
好ましい側鎖は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、及びこれらの組み合わせから選択される、結合された単位を含有する。単位は、直線もしくは分岐構造、またはこれらの混合物において配設され得る。単位は、ランダムに、もしくはブロックに、またはこれらの混合物において配設され得る。好ましくは、エチレンオキシド単位の数は、10以上、より好ましくは15以上である。好ましくは、エチレンオキシド単位の数は、30以下、より好ましくは25以下である。好ましくは、プロピレンオキシド単位の数は、20以下、より好ましくは10以下、より好ましくは5以下、より好ましくはゼロである。好ましくは、ブチレンオキシド単位の数は、10以下、より好ましくは5以下、より好ましくは2以下、より好ましくはゼロである。
【0037】
また、親水性側鎖を有するポリオール(b)も企図され、この側鎖は、アニオン性基を含有する。アニオン性基は、5〜10の範囲内のいくらかの範囲のpH値の水に曝露されるとき、アニオン形態で存在する基である。アニオン性基を含有する側鎖を有するポリオールの例は、1,2−ジヒドロキシ−3−プロパンスルホン酸塩(DHPA)、及びジメチロールプロピオン酸(DMPA)である。
【0038】
好ましくは、ポリオール成分中の親水性側鎖を有するジオール(b)の総量は、ポリオール成分の重量に基づく重量で、0.1%以上、より好ましくは0.2%以上、より好ましくは0.4%以上である。好ましくは、ポリオール成分中の親水性側鎖を有するジオールの総量は、ポリオール成分の重量に基づく重量で、10%以下、より好ましくは5%以下である。
【0039】
ポリオール成分は、ポリオール成分の重量に基づき、0.9重量%〜25重量%の1つ以上のポリオール(c)を含有し、これらは、ポリエステルポリオール(a)、及び親水性側鎖を有するジオール(b)とは異なる。
【0040】
ポリオール(c)は、好ましくは、1つ以上のポリエチレングリコールを含有する。ポリエチレングリコールは、構造H−[−O−CH−CH−]−O−Hを有する。パラメータnは、3以上である。好ましくは、ポリエチレングリコールの重量平均分子量は、500以上、より好ましくは750以上である。好ましくは、重量平均分子量は、3,000以下、より好ましくは2,000以下、より好ましくは1,500以下である。好ましくは、ポリオール成分中のポリエチレングリコールの総量は、ポリオール成分の重量に基づく重量で、0.9%以上、より好ましくは2%以上、より好ましくは4%以上である。好ましくは、ポリオール成分中のポリエチレングリコールの総量は、ポリオール成分の重量に基づく重量で、40%以下、より好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下、より好ましくは12%以下である。
【0041】
ポリオール(c)は、好ましくは、1つ以上のモノマージオールを更に含有する。モノマージオールは、500未満の分子量を有するジオールである。好ましいモノマージオールは、400未満、より好ましくは300未満、より好ましくは200未満の分子量を有する。好ましいモノマージオールは、構造HO−R−OH、または構造OH−R−O−R−OHのいずれかを有し、式中、R、R、及びRの各々は、独立して、直鎖または分岐鎖アルキル基である。より好ましいモノマージオールは、構造OH−R−O−R−OHを有し、好ましくは、R及びRは、互いに同一である。好ましくは、Rは、3個の炭素原子を有する。
【0042】
好ましくは、ポリオール成分中のモノマージオールの総量は、ポリオール成分の重量に基づく重量で、0.5%以上、より好ましくは1%以上、より好ましくは2%以上である。好ましくは、ポリオール成分中のモノマージオールの総量は、ポリオール成分の重量に基づく重量で、10%以下、より好ましくは5%以下である。
【0043】
(a)、(b)、(c)、及び(d)の量の合計は、ポリオール成分の重量に基づく重量で、100%である。
【0044】
「他の」ポリエーテルポリオールのカテゴリを企図することが有用である。このカテゴリは、本明細書において上で説明されるポリエチレングリコールのカテゴリ、または親水性側鎖を有するジオールのカテゴリのいずれにも入らない、任意のポリエーテルポリオールを含有する。好ましくは、ポリオール成分中の他のポリエーテルポリオールの量は、ポリオール成分の重量に基づき、20重量%以下、より好ましくは10重量%以下、より好ましくは5%以下、より好ましくはゼロである。
【0045】
好ましくは、ポリオール成分は、ほとんどまたは全く脂肪ポリオールを含有しない。脂肪ポリオールは、その分子が8個以上の炭素原子の直鎖炭化水素鎖を含有する、ポリオールである。好ましくは、ポリオール成分は、脂肪ポリオールを全く含有しないか、またはそうでなければ、ポリオール成分の重量に基づき、0.1重量%以下である量の脂肪ポリオールを含有する。
【0046】
GR1は、好ましくは、1つ以上のポリアミンを更に含む。好ましいポリアミンは、ジアミンである。好ましいポリアミンは、全てのアミン基が第1級アミンである、ポリアミンである。好ましいポリアミンは、付着した2つ以上の第1級アミン基を有し、他の置換基を全く有しない、アルキル化合物である。好ましいポリアミンは、500以下、より好ましくは200以下、より好ましくは100以下の分子量を有する。好ましくは、ポリアミンの量は、GR1の総重量に基づく重量で、0.1%以上、より好ましくは0.2%以上、より好ましくは0.3%以上である。好ましくは、ポリアミンの量は、GR1の総重量に基づく重量で、5%以下、より好ましくは2.5%以下、より好ましくは1.5%以下である。
【0047】
一部の実施形態において、GR1は、ほとんどまたは全くカルボキシル官能性化合物を含有しない。好ましくは、GR1は、カルボキシル官能性化合物を全く含有しないか、またはそうでなければ、GR1の総重量に基づき、0.1重量%以下の量のカルボキシル官能性化合物を含有する。
【0048】
パーセンテージとして表される、水性組成物の総重量によって除算される、ポリウレタンの重量である、水性組成物のポリウレタン含有量を特徴付けることが有用である。好ましくは、水性組成物のポリウレタン含有量は、10%以上、より好ましくは20%以上、より好ましくは25%以上である。好ましくは、水性組成物のポリウレタン含有量は、60%以下、より好ましくは50%以下、より好ましくは45%以下である。
【0049】
本発明の水性組成物は、好ましくは、1つ以上のアニオン性界面活性剤を含有する。アニオン性界面活性剤は、その分子が疎水性部分、及びアニオン性である部分を有する、化合物である。好ましいアニオン性界面活性剤の分子は、6個以上の炭素原子、より好ましくは8個以上の炭素原子、より好ましくは10個以上の炭素原子を有する炭化水素基を含有する。炭化水素基は、直鎖、分岐鎖、環状脂肪族、芳香族、またはこれらの組み合わせであり得、好ましいのは、芳香族環に付着された直鎖アルキル基である。好ましいアニオン性基は、カルボキシル基、硫酸基、及びスルホン酸基の酸及び塩形態である。好ましいアニオン性基は、スルホン酸基である。アニオン性基の好ましい形態は、ナトリウム塩である。
【0050】
好ましくは、水性組成物中のアニオン性界面活性剤の量は、水性組成物の固体重量に基づく重量で、0.5%以上、より好ましくは0.8%以上、より好ましくは2%以上である。好ましくは、水性組成物中のアニオン性界面活性剤の量は、水性組成物の固体重量に基づく重量で、10%以下、より好ましくは8%以下、より好ましくは5%以下である。
【0051】
また、親水性側鎖を有するポリオール(b)が、アニオン性基を含有する側鎖を有する1つ以上のポリオールを含有する、実施形態も企図される。かかる側鎖が存在するとき、アニオン性界面活性剤の使用は任意であることが企図される。
【0052】
本発明における有機溶媒の存在は、任意である。有機溶媒が存在するとき、本発明の水性組成物中の有機溶媒の量は、好ましくはゼロまたは4%以下のいずれか、より好ましくはゼロまたは2%以下のいずれか、より好ましくはゼロまたは1%以下のいずれか、より好ましくはゼロまたは0.5%以下のいずれか、より好ましくはゼロである。
【0053】
好ましくは、本発明の水性組成物の固体含有量は、20%以上、より好ましくは30%以上である。好ましくは、本発明の水性組成物の固体含有量は、60%以下、より好ましくは50%以下である。
【0054】
好ましくは、ポリウレタンの分散された粒子の体積平均粒径は、50nm以上、より好ましくは100nm以上、より好ましくは150nmである。好ましくは、ポリウレタンの分散された粒子の体積平均粒径は、500nm以下、より好ましくは350nm以下、より好ましくは250nm以下である。
【0055】
本発明の組成物は、任意の方法によって作製され得る。好ましい方法は、以下のとおりである。
【0056】
1つ以上のポリイソシアネートをポリオール成分とともに混合し、過熱して、ポリウレタンプレポリマーを作製する。好ましくは、ポリウレタンプレポリマーは、イソシアネート官能性である。次いで、ポリウレタンプレポリマーを、好ましくは、有機溶媒と混合する。有機溶媒が使用されるとき、溶媒の量は、好ましくは、組成物の固体重量に基づく重量で、50%以下、より好ましくは30%以下である。次いで、得られる混合物を、高速撹拌下で、アニオン性界面活性剤の水性溶液と混合する。次いで、追加の水を高速撹拌下で添加し、連続相が水性であり、分散された粒子がポリウレタンプレポリマーを含有する、分散液が形成される。次いで、使用されるとき、ポリアミンを、高速撹拌下でゆっくりと添加する。ポリアミンが、ポリウレタンプレポリマー上のイソシアネート基と反応するとき、得られるポリマーは、ポリ尿素ポリウレタンと称される。ポリウレタンを作製する際に有機溶媒が使用されるとき、有機溶媒は、好ましくは、組成物から除去される。好ましくは、有機溶媒は、100℃未満の沸点を有し、次いで、有機溶媒は、好ましくは、蒸留によって組成物から除去される。
【0057】
本発明の水性組成物は、任意の目的で使用され得る。好ましい目的は、接着剤として使用である。組成物を接着剤として使用するために、組成物を基材に適用する前に、イソシアネート架橋剤が組成物に添加される。
【0058】
イソシアネート架橋剤は、2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートである。好ましいイソシアネート架橋剤は、1分子あたり3つ以上のイソシアネート基を有する。好ましいイソシアネート架橋剤は、モノマージイソシアネートのトリマーである。モノマージイソシアネートが構造OCN−R−NCO(式中、−R−は二価有機基である)を有するとき、トリマーは、以下の構造を有する。
【0059】
【化4】
【0060】
トリマーを作製する際の使用のための好ましいモノマージイソシアネートは、脂肪族ジイソシアネートである。より好ましいのは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、1−イソシアナト−3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチル−シクロヘキサン(IPDI)、4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン(H12MDI)、及びジ−イソシアナトメチル−シクロヘキサン(ADI)である。より好ましいのは、HDI及びADIであり、最も好ましいのは、HDIである。
【0061】
好ましくは、イソシアネート(isocyante)架橋剤は、水溶性または水分散性である。かかるイソシアネート架橋剤が組成物に添加されるとき、それは、水性媒体中に溶解または分散する。イソシアネート架橋剤を組成物に添加するための好ましい方法は、モノマージイソシアネートの親水的に修飾された型の1つ以上のトリマーを含有する、イソシアネート架橋剤を添加することである。親水性修飾は、トリマー上のイソシアネート基のうちの1つ以上を化合物と反応させて、親水性基をイソシアネート基の残渣に付着させるプロセスである。好ましい親水性基は、アニオン性基、及びエチレンオキシドの残渣を含有する基である。
【0062】
好ましくは、イソシアネート架橋剤の量は、組成物の総重量に基づく重量で、0.5%以上、より好ましくは1%以上である。好ましくは、イソシアネート架橋剤の量は、組成物の総重量に基づく重量で、8%以下、より好ましくは4%以下である。
【0063】
本発明の組成物のための特に好ましい使用は、積層接着剤としてである。積層接着剤として組成物を使用するために、組成物は、好ましくは、1つ以上のイソシアネート架橋剤と混合されて、水系接着剤組成物を形成する。積層接着剤としての使用は、以下のとおりに説明される。
【0064】
水系接着剤組成物の層は、好ましくは、金属箔の表面に適用される。好ましくは、金属箔は、アルミニウム箔である。好ましくは、金属箔の厚さは、1μm以上、より好ましくは3μm以上である。好ましくは、金属箔の厚さは、25μm以下、より好ましくは15μm以下である。
【0065】
好ましくは、水系接着剤組成物の層は、乾燥させられるか、または乾燥することを可能にされて、乾燥接着剤組成物の層を形成する。乾燥は、例えば、時間の経過、熱の適用、及び移動空気への曝露のうちの1つ以上を含む、任意の方法によって、達成され得る。接着剤組成物の層は、接着剤組成物の層中に残存する水の量が、水系接着剤組成物の一部として適用された水の重量に基づいて、10重量%以下であるときに、乾燥していると見なされる。
【0066】
接着剤組成物の乾燥した層は、好ましくは、ポリマーフィルムの表面と接触させられる。ポリマーフィルムに対して好ましいポリマーは、有機ポリマーであり、ポリオレフィン、ポリオレフィンコポリマー、ポリカーボネート、ポリエステル、及びポリアミドがより好ましい。ポリオレフィンは、ホモポリマー、及びオレフィンモノマーのコポリマーであり、これは、1つ以上の炭素・炭素二重結合を含有する炭化水素分子である。ポリオレフィンコポリマーは、1つ以上の酢酸ビニル、アクリレートモノマー、及びメタクリレートモノマーとの1つ以上のオレフィンモノマーのコポリマーである。好ましいポリマーは、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、及びナイロンであり、ポリエチレンがより好ましい。好ましくは、ポリマーフィルムの厚さは、1μm以上、より好ましくは3μm以上である。好ましくは、ポリマーフィルムの厚さは、200μm以下、より好ましくは100μm以下である。
【0067】
ポリマーフィルムが乾燥接着剤組成物の層と接触した後、このように形成された複合物品は、積層体として知られる。積層体は、好ましくは、ポリマーフィルム及び金属箔を互いに向けて押圧するように機械力に供される。かかる機械力は、好ましくは、複合物品をローラ間に通過させることによって適用される。
【0068】
本発明の一部の実施形態において、金属箔、接着剤組成物の層、及びポリマーフィルムで作製される複合物品は、更なる層を含有するより大きい複合物品の一部である。更なる層は、1つ以上のポリマーフィルム、接着剤組成物の1つ以上の層、及び1つ以上の金属箔を含有してもよく、更なる層内に存在する任意のポリマーフィルム、接着剤組成物、または金属箔は、互いに同一もしくは異なってもよく、上で説明される複合物品に存在するポリマーフィルム、接着剤組成物、及び金属箔を形成してもよい。
【0069】
例えば、一部の実施形態において、より大きい複合物品は、以下のとおりに作製される。接着剤組成物の第1の層は、ポリエチレンテレフタレートフィルムに適用され、その第1の接着剤組成物は、金属箔の1つの表面と接触させられる。次いで、金属箔の反対表面上において、接着剤組成物の第2の層が適用され、その第2の接着剤組成物は、ポリエチレンのポリマーフィルムの表面と接触させられる。好ましくは、かかる実施形態の中でも、接着剤組成物の第1の層及び接着剤組成物の第2の層の両方は、本発明の水系接着剤組成物の層であり、好ましくは、各層は、次の基材との接触の前に乾燥される。
【0070】
以下は、本発明の実施例である。
【0071】
以下の材料を使用した。
【0072】
【表1】
【0073】
実施例1
51gのIsonate(商標)50 OPを、121gのBester(商標)121、14.4gのPEG1000、4.8gのDPG、19gのBester(商標)127、及び1gのYmer(商標)N 120の混合物に添加し、次いで、理論的NCO含有量に到達するまで、65〜90℃で4〜5時間反応させ、次いで、50gのアセトンを添加した。次いで、プレポリマーをプラスチック瓶の中へ移し、1〜3分間、高速(2000〜3000rpm)撹拌下で26.8gのRhodacal(商標)DS−4をプラスチック瓶の中へ添加し、次いで、高速撹拌下で300gの冷DI水(5℃)を添加して、均質な水中油分散液が達成されたことを確認し、次いで、9.2gのPDA水溶液(20%)を分散液の中へゆっくりと添加し、次いで、15〜30分間、1000〜1500rpmでの撹拌を保持した。次いで、アセトンを、40℃で120mbarの下、蒸留により除去した。40%の固体含有量、6.5のpH、及び200nmの平均粒径を有する水性分散液が形成される。分散液は安定していることが証明され、2か月間、室温(23℃)での調整後、沈殿物は全く観察されなかった。
【0074】
実施例2
27.9gのIsonate(商標)50 OPを、107.2gのCapa(商標)2302、12gのPEG1000、3.8gのDPG、及び5gのYmer(商標)N 120の混合物に添加し、次いで、理論的NCO含有量に到達するまで、65〜90℃で4〜5時間反応させた。次いで、プレポリマーをプラスチック瓶の中へ移し、1〜3分間、高速(2000〜3000rpm)撹拌下で、19.8gのRhodacal(商標)DS−4をプラスチック瓶の中へ添加し、次いで、高速下で330gの冷DI水(5℃)を添加して、均質な水中油分散液が達成されたことを確認し、次いで、3,4gのPDA水溶液(20%)を分散液の中へゆっくりと添加し、次いで、15〜30分間、1000〜1500rpmでの撹拌を保持した。31.6%の固体含有量、6.4のpH、及び175nmの体積平均粒径(レーザ光散乱によって測定)を有する水性分散液が形成された。分散液は安定していることが証明され、2か月間、室温(23℃)での調整後、沈殿物は全く観察されなかった。
【0075】
実施例3
45.6gのIsonate(商標)50 OPを、142.2gのBester(商標)121、8.2gのPEG1000、5.1gのDPG、及び4.2gのYmer(商標)N 120の混合物に添加し、次いで、理論的NCO含有量に到達するまで、65〜90℃で4〜5時間反応させ、次いで、80gのアセトンを充填した。次いで、プレポリマーをプラスチック瓶の中へ移し、1〜3分間、高速(2000〜3000rpm)撹拌下で、25.4gのRhodacal(商標)DS−4をプラスチック瓶の中へ添加し、次いで、高速撹拌下で270gの冷DI水(5℃)を添加して、均質な水中油分散液が達成されたことを確認し、次いで、6.7gのPDA水溶液(20%)を分散液の中へゆっくりと添加し、次いで、15〜30分間、1000〜1500rpmでの撹拌を保持した。アセトンを、40℃で120mbarの下、蒸留により除去した。41.9%の固体含有量、6.1のpH、及び175nmの平均粒径を有する水性分散液が形成された。分散液は安定していることが証明され、2か月間、室温(23℃)での調整後、沈殿物は全く観察されなかった。
【0076】
実施例4(比較例)
50gのIsonate(商標)50 OPを、136.4gのBester(商標)121、8gのPEG1000、及び5.6gのDPGの混合物に添加し、次いで、理論的NCO含有量に到達するまで、65〜90℃で4〜5時間反応させ、次いで、60gのアセトンを充填した。次いで、プレポリマーをプラスチック瓶の中へ移し、1〜3分間、高速(2000〜3000rpm)撹拌下で、25.4gのRhodacal(商標)DS−4をプラスチック瓶の中へ添加し、次いで、高速撹拌下で270gの冷DI水(5℃)をプラスチック瓶の中へ添加したが、油中水から水中油相に反転させることができず、分散液は全く得られなかった。
【0077】
実施例5(比較例)
35gのIsonate(商標)50 OPを、200gのCapa(商標)2302、15gのPEG1000の混合物に添加し、次いで、理論的NCO含有量に到達するまで、65〜90℃で4〜5時間反応させた。次いで、プレポリマーをプラスチック瓶の中へ移し、1〜3分間、高速(2000〜3000rpm)撹拌下で、31.7gのRhodacal(商標)DS−4をプラスチック瓶の中へ添加し、次いで、高速撹拌下で360gの冷DI水(5℃)をプラスチック瓶の中へ添加して、均質な水中油分散液が達成されたことを確認し、次いで、6.5gのPDA水溶液(20%)を分散液の中へゆっくりと添加し、次いで、15〜30分間、1000〜1500rpmでの撹拌を保持した。分散液は、室温で4時間後に沈降を有した。
【0078】
実施例6(比較例)−−−−ポリエーテル系MDI PUD
44.7gのIsonate(商標)50 OPを、102.5gのVoranol(商標)V 9287A、89.7gのPTMEG、6.2gのPEG1000、及び5.1gのMPEG1000の混合物に添加し、次いで、理論的NCO含有量に到達するまで、65〜90℃で4〜5時間反応させた。次いで、プレポリマーをプラスチック瓶の中へ移し、1〜3分間、高速(2000〜3000rpm)撹拌下で、31.6gのRhodacal(商標)DS−4をプラスチック瓶の中へ添加し、次いで高速下で360gの冷DI水(5℃)をプラスチック瓶の中へ添加して、均質な水中油分散液が達成されたことを確認し、次いで、8.2gのPDA水溶液(20%)を分散液の中へゆっくりと添加し、次いで、15〜30分間、1000〜1500rpmでの撹拌を保持した。分散液は、室温(23℃)で安定していた。
【0079】
適用試験
上で言及されるポリウレタン分散液(PUD)は、可撓性包装のための接着剤として使用することができる。10分間、1000rpmの撹拌下で、PUDを、PUDの総重量に基づく重量で、2%の架橋剤CR3Aと混合し、次いで、K101コントロールコータを使用して、箔上を2.0〜2.3g/mコーティング重量でコーティングした。コーティングしたサンプルをオーブン内に配置して、接着剤中の水を取り除いた。次いで、ホットロールラミネータHL−101を使用して、1次基材上に2次基材を積層させた。ニップ温度は、全積層の間、約66℃(150°F)であった。積層されたフィルムを室温で7日間調整して、250mm/分の速度でInstron(商標)5943機械を使用して、T剥離結合強度試験を実行した。結果を以下に示す。結合強度は、15mm幅あたりのNewtonとして報告される。より高い結合強度は、より良好な接着を意味する。
【0080】
【表2】