(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ダイクロイックプリズムから出力される合成光を前方のスクリーンに放射するプロジェクションレンズをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のプロジェクション装置。
前記第1マイクロLEDパネルを駆動するための第1CMOSバックプレーン、前記第2マイクロLEDパネルを駆動するための第2CMOSバックプレーン、及び前記第3マイクロLEDパネルを駆動するための第3CMOSバックプレーンを含むことを特徴とする、請求項1に記載のプロジェクション装置。
前記第1乃至第3CMOSバックプレーンは、各々、前記第1または第2波長のマイクロLEDピクセルに対応する複数のCMOSセルを備えるAM(Active Matrix)回路部と、前記AM回路部の外郭に配置される共通セルとを含むことを特徴とする、請求項3に記載のプロジェクション装置。
前記第1乃至第3マイクロLEDパネルは、各々前記第1乃至第3CMOSバックプレーン上にフリップチップボンディング(flip chip bonding)によって結合されることを特徴とする、請求項3に記載のプロジェクション装置。
前記マイクロLEDピクセルは、基板上に第1導電型半導体層、活性層及び第2導電型半導体層を順次成長させた後にエッチングされて形成され、前記マイクロLEDピクセルの垂直構造は、第1導電型半導体層、活性層及び第2導電型半導体層を順に含み、前記マイクロLEDピクセルが形成されていない部分は、活性層及び第2導電型半導体層が除去されて第1導電型半導体層が露出されることを特徴とする、請求項1に記載のプロジェクション装置。
前記マイクロLEDピクセルが形成されていない部分の第1導電型半導体層上には、前記マイクロLEDピクセルから離隔するように第1導電型メタル層が形成されることを特徴とする、請求項6に記載のプロジェクション装置。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】従来のプロジェクション装置の動作方式を説明する図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるプロジェクション装置の構成図である。
【
図3】プロジェクション装置に備えられる赤色マイクロLEDパネル、緑色マイクロLEDパネル及び青色マイクロLEDパネルを説明する図である。
【
図4】データドライバーICとスキャンドライバーICを介してマイクロLEDパネルを駆動する動作を説明する図である。
【
図5】
図5(a)は本発明の一実施形態によるマイクロLEDパネルの断面図であり、
図5(b)はマイクロLEDディスプレイ装置の断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態によるマイクロLEDディスプレイ装置の製造方法を説明する図である。
【
図7】本発明の一実施形態によるマイクロLEDディスプレイ装置の製造方法を説明する図である。
【
図8】本発明の一実施形態によるマイクロLEDディスプレイ装置の製造方法を説明する図である。
【
図9】本発明の一実施形態によるマイクロLEDディスプレイ装置の製造方法を説明する図である。
【
図10】本発明の一実施形態によるマイクロLEDディスプレイ装置の製造方法を説明する図である。
【
図11】本発明の一実施形態によるマイクロLEDディスプレイ装置の製造方法を説明する図である。
【
図12】本発明の一実施形態によるマイクロLEDディスプレイ装置の製造方法を説明する図である。
【
図13】本発明の他の実施形態によるプロジェクション装置の構成図である。
【
図14】本発明の他の実施形態による赤色マイクロLEDパネルを説明する図である。
【
図15】本発明の一実施形態による量子ドットフィルムを説明する図である。
【
図16】本発明の一実施形態による量子ドットフィルムを説明する図である。
【
図17】本発明のさらに他の実施形態によるプロジェクション装置の構成図である。
【
図18】本発明の一実施形態による赤色マイクロLEDディスプレイ装置の製造方法を説明する図である。
【
図19】本発明の一実施形態による赤色マイクロLEDディスプレイ装置の製造方法を説明する図である。
【
図20】本発明の一実施形態による赤色マイクロLEDディスプレイ装置の製造方法を説明する図である。
【
図21】本発明の一実施形態による赤色マイクロLEDディスプレイ装置の製造方法を説明する図である。
【
図22】本発明の一実施形態による赤色マイクロLEDディスプレイ装置の製造方法を説明する図である。
【
図23】本発明の一実施形態による赤色マイクロLEDディスプレイ装置の製造方法を説明する図である。
【
図24】本発明の一実施形態による赤色マイクロLEDディスプレイ装置の製造方法を説明する図である。
【
図25】本発明の他の実施形態による赤色マイクロLEDディスプレイ装置の製造方法を説明する図である。
【
図26】本発明の他の実施形態による赤色マイクロLEDディスプレイ装置の製造方法を説明する図である。
【
図27】本発明の他の実施形態による赤色マイクロLEDディスプレイ装置の製造方法を説明する図である。
【
図28】本発明の他の実施形態による赤色マイクロLEDディスプレイ装置の製造方法を説明する図である。
【
図29】本発明の他の実施形態による赤色マイクロLEDディスプレイ装置の製造方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して本明細書に開示する実施形態を詳細に説明するが、図面符号に関わらず同一または類似の構成要素には同一の参照番号を付け、これに対する重複する説明は省略する。以下の説明に用いられる構成要素に対する接尾語「モジュール」及び「部」は明細書の作成の容易さだけを考慮して付与または混用されるものであって、そのものにより互いに区別される意味または役割を有するものではない。すなわち、本発明において用いられる「部」という用語はソフトウェア、FPGAまたはASICのようなハードウェア構成要素を意味し、「部」はある役割を行う。しかし、「部」はソフトウェアまたはハードウェアに限定される意味ではない。「部」はアドレッシングできる格納媒体にあるように構成されてもよく、一つまたはそれ以上のプロセッサを再生させるように構成されてもよい。よって、一例として、「部」はソフトウェア構成要素、オブジェクト指向ソフトウェア構成要素、クラス構成要素及びタスク構成要素のような構成要素と、プロセス、関数、属性、プロシージャ、サブルーチン、プログラムコードのセグメント、ドライバー、ファームウェア、マイクロコード、回路、データ、データベース、データ構造、テーブル、アレイ及び変数を含む。構成要素と「部」により提供される機能は、さらに小さい数の構成要素及び「部」により結合されるか、または追加の構成要素と「部」にさらに分離されてもよい。
【0022】
また、本発明による実施形態を説明する際、各層(膜)、領域、パターンまたは構造物が基板、各層(膜)、領域、パッドまたはパターンの「上部/上(over)」にまたは「下部/下(under)」に形成されると記載される場合、「上部/上(over)」と「下部/下(under)」は「直接(directly)」または「他の層を介在して(indirectly)」形成されることを全て含む。なお、各層の上部/上または下部/下に対する基準は図面を基準に説明する。図面における各層の厚さや大きさは説明の便宜及び明確性のために誇張または省略されるかまたは概略的に図示する。また、各構成要素の大きさは実際の大きさを反映するものではない。
【0023】
また、本明細書に開示する実施形態を説明する際、関連の公知技術に関する具体的な説明が本明細書に開示する実施形態の要旨を不明にする恐れがあると判断する場合には、その詳細な説明は省略する。なお、添付した図面は本明細書に開示する実施形態を容易に理解できるようにするためのものに過ぎず、添付した図面によって本明細書に開示する技術的思想が制限されるものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むものとして理解しなければならない。
【0024】
本発明は、赤色マイクロLEDパネル、緑色マイクロLEDパネル及び青色マイクロLEDパネルを用いて高解像度のフルカラー(full color)映像を実現するプロジェクション装置及びその製造方法を提案する。
【0025】
以下においては、本発明の様々な実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図2は、本発明の一実施形態によるプロジェクション装置の構成図である。
図2を参照すれば、本発明の一実施形態によるプロジェクション装置100は、赤色マイクロLEDパネル110、緑色マイクロLEDパネル120、青色マイクロLEDパネル130、LED駆動部140、ダイクロイックプリズム150及びプロジェクションレンズ160等を含む。
【0026】
赤色マイクロLEDパネル110は、ウェハー(wafer)上に積層された複数の発光素子(すなわち、複数のマイクロLEDピクセル)がマトリクス状に配列されたアレイ(array)構造を有するLEDパネルであって、画像表示機器の画像信号に対応する赤色光(red light)を出力する機能を果たす。この時、赤色マイクロLEDパネル110を構成する複数のマイクロLEDピクセルは赤色LED素子からなる。
【0027】
緑色マイクロLEDパネル120は、ウェハー(wafer)上に積層された複数の発光素子(すなわち、複数のマイクロLEDピクセル)がマトリクス状に配列されたアレイ構造を有するLEDパネルであって、画像表示機器の画像信号に対応する緑色光を出力する機能を果たす。この時、緑色マイクロLEDパネル120を構成する複数のマイクロLEDピクセルは緑色LED素子からなる。
【0028】
青色マイクロLEDパネル130は、ウェハー(wafer)上に積層された複数の発光素子(すなわち、複数のマイクロLEDピクセル)がマトリクス状に配列されたアレイ構造を有するLEDパネルであって、画像表示機器の画像信号に対応する青色光を出力する機能を果たす。この時、青色マイクロLEDパネル130を構成する複数のマイクロLEDピクセルは青色LED素子からなる。
【0029】
一例として、
図3に示すように、プロジェクション装置100を構成する赤色マイクロLEDパネル110、緑色マイクロLEDパネル120及び青色マイクロLEDパネル130は、720行と1280列に配列されたマイクロLEDピクセルを含む。また、赤色マイクロLEDパネル110、緑色マイクロLEDパネル120及び青色マイクロLEDパネル130を構成する複数のマイクロLEDピクセルの大きさは各々8μm×8μmの大きさにより構成する。しかし、プロジェクション装置100の用途及び種類等に応じて、赤色マイクロLEDパネル110、緑色マイクロLEDパネル120及び青色マイクロLEDパネル130のピクセル数及び大きさ等を変更して製作できることは当業者に明らかである。
【0030】
プロジェクション装置100を構成する赤色マイクロLEDパネル110、緑色マイクロLEDパネル120及び青色マイクロLEDパネル130は、互いに隣接するパネルに対して垂直方向になるように配置される。一例として、ダイクロイックプリズム150の左側領域に緑色マイクロLEDパネル120を配置し、ダイクロイックプリズム150の上部領域に赤色マイクロLEDパネル110を配置し、ダイクロイックプリズム150の下部領域に青色マイクロLEDパネル130を配置する。
【0031】
LED駆動部140は、赤色マイクロLEDパネル110、緑色マイクロLEDパネル120及び青色マイクロLEDパネル130を駆動する。すなわち、LED駆動部140は、赤色マイクロLEDパネル110を駆動するためのR−LED駆動部141、緑色マイクロLEDパネル120を駆動するためのG−LED駆動部143、及び青色マイクロLEDパネル130を駆動するためのB−LED駆動部145を含む。
【0032】
一方、本実施形態においては、説明の便宜上、R−LED駆動部141、G−LED駆動部143及びB−LED駆動部145が独立に構成される例を図示しているが、これに制限されず、赤色マイクロLEDパネル110、緑色マイクロLEDパネル120及び青色マイクロLEDパネル130と一体に形成できることは当業者に明らかなことである。すなわち、R−LED駆動部141、G−LED駆動部143及びB−LED駆動部145は、赤色マイクロLEDパネル110、緑色マイクロLEDパネル120及び青色マイクロLEDパネル130の後側方向に配置されるCMOSバックプレーン(backplane)により構成される。
【0033】
CMOSバックプレーンは、複数のマイクロLEDピクセルを個別的に駆動させるための複数のCMOSセルを備えるアクティブマトリクス(Active Matrix)回路部と、前記アクティブマトリクス回路部の外郭に配置される共通セルとを含む。
【0034】
アクティブマトリクス回路部に備えられる複数のCMOSセルの各々は、バンプを介して対応するマイクロLEDピクセルに電気的に接続される。複数のCMOSセルの各々は、対応するマイクロLEDピクセルを個別的に駆動させるための集積回路(IC)である。よって、複数のCMOSセルの各々は、2個のトランジスタと1個のキャパシタを含むピクセル駆動回路であってもよく、バンプを用いてCMOSバックプレーンにマイクロLEDパネルをフリップチップボンディングする場合、等価回路上、前記ピクセル駆動回路のトランジスタのドレイン端子と共通接地端子との間に個々のマイクロLEDピクセルが配置される形態に構成される。
【0035】
アクティブマトリクス回路部の外郭に配置される共通セルは、データドライバーIC(data driver IC)とスキャンドライバーIC(scan driver IC)とを含む。例えば、
図4に示すように、赤色マイクロLEDパネル110、緑色マイクロLEDパネル120及び青色マイクロLEDパネル130を構成する複数のマイクロLEDピクセル(図示せず)は、複数のスキャニングライン425と複数のデータライン415の交差地点に位置する。複数のマイクロLEDピクセルに入力される複数のスキャニングライン425はスキャンドライバーIC 420によって制御され、複数のデータライン415はデータドライバーIC 410によって制御される。
【0036】
このようなCMOSバックプレーンを介した赤色マイクロLEDパネル110、緑色マイクロLEDパネル120及び青色マイクロLEDパネル130の制御動作を簡単に見てみれば、スキャンドライバーIC 420は、イメージデータの提供時、複数のスキャニングライン425全てをスキャニングし、そのいずれか一つ以上にH(high)信号を入力してターンオン(turn on)させる。一方、データドライバーIC 410からイメージデータを複数のデータライン415に供給すれば、スキャニングライン425においてターンオン状態に置かれたピクセルが前記イメージデータを通過させ、該イメージデータがマイクロLEDパネルを介して表示されるようにする。このような方式により全てのスキャニングライン425が順次スキャニングされて一つのフレーム(frame)に対するディスプレイが完了する。
【0037】
ダイクロイックプリズム(Dichroic Prizm)150は、赤色マイクロLEDパネル110から出力される赤色光と、緑色マイクロLEDパネル120から出力される緑色光と、青色マイクロLEDパネル130から出力される青色光とを合成する機能を果たす。
【0038】
プロジェクションレンズ160は、ダイクロイックプリズム150から出力される合成光を拡大して前方のスクリーンに放射する機能を果たす。
【0039】
上述したように、赤色マイクロLEDパネル110、緑色マイクロLEDパネル120及び青色マイクロLEDパネル130を用いたプロジェクション装置100は、別途の光源ランプを要求しないため、器具製作の柔軟性を向上させ、光効率及び色再現性の増加によって高解像度のフルカラー(full color)映像を実現できる。
【0040】
図5(a)は本発明の一実施形態によるマイクロLEDパネルの断面図であり、
図5(b)はマイクロLEDディスプレイ装置の断面図である。ここで、マイクロLEDディスプレイ装置は、マイクロLEDパネルとCMOSバックプレーンをバンプを介してフリップチップボンディングすることによって形成される。
【0041】
図5(a)を参照すれば、本発明に係るマイクロLEDパネル500は、ウェハー上に積層された複数の発光素子(すなわち、複数のマイクロピクセル)がマトリクス状に配列されるアレイ構造を有するLEDパネルであって、画像表示機器の画像信号に対応する光(light)を出力する機能を果たす。
【0042】
このようなマイクロLEDパネル500は、基板510、基板510上に第1導電型半導体層520、第1導電型半導体層520上に活性層530、活性層530上に第2導電型半導体層540、第1及び2導電型メタル層560、550、パッシベーション層570等を含む。
【0043】
基板510は、透光性を有する材質、例えば、サファイア(Al
2O
3)、単結晶基板、SiC、GaAs、GaN、ZnO、AlN、Si、GaP、InP、Geのうち少なくとも一つからなるが、これらに限定されるものではない。
【0044】
第1導電型半導体層520は、n型ドーパントがドープされたIII族−V族元素の化合物半導体を含む。このような第1導電型半導体層520は、In
xAl
yGa
1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体材料、例えば、InAlGaN、GaN、AlGaN、AlInN、InGaN、AlN、InN等から選択され、Si、Ge、Sn等のn型ドーパントがドープされる。
【0045】
活性層530は、第1導電型半導体層520を介して注入される電子(または正孔)と第2導電型半導体層540を介して注入される正孔(または電子)が結合して、活性層430の形成物質に応じたエネルギーバンド(Energy Band)のバンドギャップ(Band Gap)差によって光を放出する層である。活性層530は単一量子井戸構造、多重量子井戸構造(MQW:Multi Quantum Well)、量子ドット構造または量子線構造のいずれか一つにより形成されるが、これらに限定されるものではない。活性層530は、In
xAl
yGa
1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体材料からなる。活性層530が多重量子井戸構造により形成された場合、活性層530は複数の井戸層と複数の障壁層が交互に積層されて形成される。
【0046】
第2導電型半導体層540は、p型ドーパントがドープされたIII族−V族元素の化合物半導体を含む。このような第2導電型半導体層540は、In
xAl
yGa
1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体材料、例えば、InAlGaN、GaN、AlGaN、InGaN、AlInN、AlN、InN等から選択され、Mg、Zn、Ca、Sr、Ba等のp型ドーパントがドープされる。
【0047】
第2導電型半導体層540上には第2導電型メタル層(すなわち、p電極)550が形成され、第1導電型半導体層520上には第1導電型メタル層(すなわち、n電極)560が形成される。第1導電型メタル層560及び第2導電型メタル層550は、マイクロLEDパネル500に形成された複数のマイクロLEDピクセルに電源を提供する。
【0048】
第2導電型メタル層550は、各々のマイクロLEDピクセルに対応する第2導電型半導体層540上に配置され、CMOSバックプレーン600に備えられた各々のCMOSセル620とバンプ650を介して電気的に接続される。一方、他の実施形態として、第2導電型半導体層540上にDBR(Distributed Bragg Reflector)等のような反射層(図示せず)が存在する場合、第2導電型メタル層550は反射層上に配置される。
【0049】
第1導電型メタル層560は、第1導電型半導体層520のメサエッチングされた領域上に配置され、前記複数のマイクロLEDピクセルから一定距離だけ離隔するように形成される。第1導電型メタル層560は、第1導電型半導体層520上においてマイクロLEDパネル500の外郭に沿って所定の幅を有するように形成される。第1導電型メタル層560の高さは、前記複数のマイクロLEDピクセルの高さと概して同一に形成される。第1導電型メタル層560は、バンプによってCMOSバックプレーン600の共通セル610と電気的に接続され、マイクロLEDピクセルの共通電極として機能する。例えば、第1導電型メタル層560は共通接地である。
【0050】
第1導電型半導体層520、活性層530、第2導電型半導体層540、第2導電型メタル層550及び第1導電型メタル層560の少なくとも一側面にはパッシベーション層570が形成される。パッシベーション層570は、発光構造物である第1導電型半導体層520、活性層530、第2導電型半導体層540を電気的に保護するために形成され、例えば、SiO
2、SiO
x、SiO
xN
y、Si
3N
4、Al
2O
3からなるが、これらに限定されるものではない。
【0051】
このように形成された発光素子(すなわち、複数のマイクロLEDピクセル)は、化合物半導体の組成比に応じて互いに異なる波長の光を放射する。マイクロLEDパネル500に含まれた発光素子が赤色LED素子の場合、マイクロLEDパネル500は赤色マイクロLEDパネル110であってもよい。マイクロLEDパネル500に含まれた発光素子が緑色LED素子の場合、マイクロLEDパネル500は緑色マイクロLEDパネル120であってもよい。マイクロLEDパネル500に含まれた発光素子が青色LED素子の場合、マイクロLEDパネル500は青色マイクロLEDパネル130であってもよい。
【0052】
図5(b)を参照すれば、マイクロLEDディスプレイ装置は、マイクロLEDパネル500、CMOSバックプレーン600及びバンプ650を含む。この時、CMOSバックプレーン600は、複数のCMOSセル620を含むアクティブマトリクス回路部と、前記アクティブマトリクス回路部の外郭に配置される共通セル610とを含む。
【0053】
マイクロLEDパネル500は複数のマイクロLEDピクセルを含み、CMOSバックプレーン600は複数のマイクロLEDピクセルの各々を個別的に駆動させるためにマイクロLEDピクセルの各々に対応する複数のCMOSセル620を含む。この時、マイクロLEDパネル500のピクセル領域はCMOSバックプレーン600のAM(Active Matrix)領域に対応する。
【0054】
バンプ650は、マイクロLEDピクセルとCMOSセル620が対向するように配置された状態で、マイクロLEDピクセルの各々とこれらの各々に対応するCMOSセル620が電気的に接続されるようにする。
【0055】
このようなマイクロLEDディスプレイ装置の製造工程を簡単に見てみれば、先ず、複数のバンプ650をCMOSバックプレーン600のCMOSセル620と共通セル610の上部に配置する。そして、複数のバンプ650が配置された状態のCMOSバックプレーン600とマイクロLEDパネル500を互いに対向するようにしてCMOSセル620とマイクロLEDピクセルを一対一に対応させて密着させた後に加熱する。そうすると、複数のバンプ650が溶け、それにより、CMOSセル620とそれに対応するマイクロLEDピクセルが電気的に接続され、共通セル610とそれに対応するマイクロLEDパネル500の共通電極560が電気的に接続される状態となる。
【0056】
図6乃至
図12は、本発明の一実施形態によるマイクロLEDディスプレイ装置の製造方法を説明する図である。
図6を参照すれば、基板510上に第1導電型半導体層520、活性層530及び第2導電型半導体層540を順次成長させて発光構造物である第1導電型半導体層520、活性層530及び第2導電型半導体層540を形成する。
【0057】
基板510は、透光性を有する材質、例えば、サファイア(Al
2O
3)、単結晶基板、SiC、GaAs、GaN、ZnO、AlN、Si、GaP、InP、Geのうちの少なくとも一つからなるが、これらに限定されるものではない。
【0058】
第1導電型半導体層520は、In
xAl
yGa
1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体材料、例えば、InAlGaN、GaN、AlGaN、AlInN、InGaN、AlN、InN等から選択され、Si、Ge、Sn等のn型ドーパントがドープされる。このような第1導電型半導体層520は、トリメチルガリウム(TMGa)ガス、アンモニア(NH
3)ガス、シラン(SiH
4)ガスを水素ガスと共にチャンバー(chamber)に注入して形成される。基板510と第1導電型半導体層520との間に非ドープの半導体層(図示せず)及び/又はバッファ層(図示せず)をさらに含むことができ、特に限定されるものではない。
【0059】
活性層530は、In
xAl
yGa
1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体材料からなる。このような活性層530は、トリメチルガリウム(TMGa)ガス、トリメチルインジウム(TMIn)ガス、アンモニア(NH
3)ガスを水素ガスと共にチャンバーに注入して形成される。
【0060】
第2導電型半導体層540は、In
xAl
yGa
1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体材料、例えば、InAlGaN、GaN、AlGaN、InGaN、AlInN、AlN、InN等から選択され、Mg、Zn、Ca、Sr、Ba等のp型ドーパントがドープされる。このような第2導電型半導体層540は、トリメチルガリウム(TMGa)ガス、アンモニア(NH
3)ガス、ビス(エチルシクロペンタジエニル)マグネシウム(EtCp
2Mg){Mg(C
2H
5C
5H
4)
2}ガスを水素ガスと共にチャンバーに注入して形成される。
【0061】
図7を参照すれば、発光構造物である第1導電型半導体層520、活性層530及び第2導電型半導体層540を単位ピクセル領域に応じてアイソレーションエッチング(isolation etching)工程を行って複数の発光素子を形成する。例えば、前記アイソレーションエッチングは、ICP(Inductively Coupled Plasma)のような乾式エッチング方法によって実施される。このようなアイソレーションエッチング工程によって第1導電型半導体層520の一つの上面が露出される。この時、共通電極(すなわち、n電極)560を形成するために、第1導電型半導体層520の周縁領域が所定の幅を有するようにエッチングされる。
【0062】
図8及び
図9を参照すれば、第2導電型半導体層540の一つの上面に第2導電型メタル層550を形成し、メサエッチングされた第1導電型半導体層520の一つの上面に第1導電型メタル層560を形成する。この時、第1導電型メタル層560、第2導電型メタル層550は蒸着工程またはメッキ工程によって形成され、特に限定されるものではない。
【0063】
図10を参照すれば、基板510、発光構造物である第1導電型半導体層520、活性層530及び第2導電型半導体層540と、第2導電型メタル層550と、第1導電型メタル層560上にパッシベーション層570を形成し、第1導電型メタル層560、第2導電型メタル層550の一つの上面が外部に露出するようにパッシベーション層570を選択的に除去する。
【0064】
図11及び
図12を参照すれば、CMOSバックプレーン600のCMOSセル620と共通セル610の上部に複数のバンプ650を配置する。マイクロLEDパネル500を上下反転して第1導電型メタル層560、第2導電型メタル層550が下方向に向かうようにする。複数のバンプ650が配置された状態のCMOSバックプレーン600とマイクロLEDパネル500を互いに対向するようにしてCMOSセル620とマイクロLEDピクセルを一対一に対応させて密着させた後に加熱する。そうすると、複数のバンプ650が溶け、それにより、CMOSセル620とそれに対応するマイクロLEDピクセルが電気的に接続され、CMOSバックプレーン600の共通セル610とそれに対応するマイクロLEDパネル500の共通電極が電気的に接続される状態となる。このように、複数のバンプ650を介してCMOSバックプレーン600とマイクロLEDパネル500をフリップチップボンディングしてマイクロLEDディスプレイ装置を形成する。
【0065】
図13は、本発明の他の実施形態によるプロジェクション装置の構成図である。
図13を参照すれば、本発明の他の実施形態によるプロジェクション装置700は、赤色マイクロLEDパネル710、緑色マイクロLEDパネル720、青色マイクロLEDパネル730、LED駆動部740、ダイクロイックプリズム750及びプロジェクションレンズ760等を含む。ここで、赤色マイクロLEDパネル710を除いた残りの構成要素は、
図2に示した構成要素と同様である。よって、
図13に示した緑色マイクロLEDパネル720、青色マイクロLEDパネル730、LED駆動部740、ダイクロイックプリズム750及びプロジェクションレンズ760に関する詳しい説明は省略する。
【0066】
図2のプロジェクション装置100とは異なり、プロジェクション装置700を構成する赤色マイクロLEDパネル710は、青色マイクロLEDパネル711と色転換フィルム713により構成される。
【0067】
通常、青色LED素子及び緑色LED素子はサファイア基板上において成長し、赤色LED素子はGaAs基板上において成長するため、緑色マイクロLEDパネル及び青色マイクロLEDパネルは同一工程で製作可能であるが、赤色マイクロLEDパネルはGaAs基板を分離するための追加工程が必要である。よって、青色マイクロLEDパネル711と色転換フィルム713により赤色マイクロLEDパネル710を実現するのであれば、同一工程を利用してプロジェクション装置700の全ての赤色マイクロLEDパネル710、緑色マイクロLEDパネル720、青色マイクロLEDパネル730を製作できる。
【0068】
図14は、本発明の他の実施形態による赤色マイクロLEDパネルを説明する図である。
図14を参照すれば、本発明に係る赤色マイクロLEDパネル710は、青色マイクロLEDパネル711と青色マイクロLEDパネル711上の色転換フィルム713とを含む。
【0069】
赤色マイクロLEDパネル710を構成する青色マイクロLEDパネル711は、複数のマイクロLEDピクセルがマトリクス状に配列されたアレイ構造を有するパネルであって、画像表示機器の画像信号に対応する青色光を出力する機能を果たす。この時、青色マイクロLEDパネル711を構成する複数のマイクロLEDピクセルは青色LED素子からなる。
【0070】
色転換フィルム713は、青色マイクロLEDパネル711から放射される青色光を赤色光に変換する機能を果たす。通常、色転換フィルム713は接着剤または接着成分を含んでおり、青色光が放射される青色マイクロLEDパネル711の一面に貼り付けられる。一方、他の実施形態として、接着剤または接着成分が色転換フィルム713に含まれていない場合、青色マイクロLEDパネル711と色転換フィルム713との間には別途の接着層(adhesive lay)または接着シート(adhesive sheet)が形成される。
【0071】
このような色転換フィルム713の一例として蛍光体フィルム、量子ドットフィルム(Quantum Dots film)が用いられるが、これらに限定されるものではない。
【0072】
一方、本実施形態においては、青色マイクロLEDパネル711と色転換フィルム713を用いて赤色マイクロLEDパネルの実現を例示しているが、これに制限されず、緑色マイクロLEDパネルと色転換フィルムを用いて赤色マイクロLEDパネル710を実現できることは当業者に明らかなことである。
【0073】
また、本実施形態においては、赤色マイクロLEDパネル710がプロジェクション装置700に適用されることを例示しているが、これに制限されず、車両用ヘッド・アップ・ディスプレイ(Head−Up Display、HUD)またはヘッド・マウント・ディスプレイ(Head Mounted Display、HMD)等の様々な表示装置に適用できることは当業者に明らかなことである。
【0074】
図15及び
図16は、本発明の一実施形態による量子ドットフィルムを説明する図である。
図15を参照すれば、本発明に係る量子ドットフィルム900は、複数の量子ドット910が分散している高分子層920を含む。
【0075】
高分子層920は、プラスチックレジン(plastic resin)からなる。プラスチックレジンは、ポリマーまたはシリコン系のフィルムを形成する様々な物質を含み、物質の種類は特に限定されない。本発明の実施形態において、プラスチックレジンに必要な特性は、硬化した状態において光を透過させる特性を有すれば充分であり、光の透過率に対する制限はない。
【0076】
高分子層920には、光の波長を変化させて色再現性及び色純度を実現できる量子ドット910が分散している。量子ドット(Quantum Dot)910は、直径が数nmの半導体ナノ粒子であって、量子拘束あるいは量子閉じ込め効果(Quantum Confinement Effect)のような量子力学(Quantum Mechanics)的な特性を有している。ここで、量子閉じ込め効果とは、半導体ナノ粒子の大きさが小さくなるにつれて、バンドギャップエネルギー(band gap energy)が大きくなる(逆に波長は小さくなる)現象を意味する。
【0077】
このような量子ドット910の代表的な特性は、光が接すれば発光(Photo Luminescence、PL)するか、あるいは電気を流せば発光(Electron Luminescence、EL)することである。化学合成工程により作られる量子ドット910は、材料を変更せずに粒子大きさを調節することだけによって所望の色を実現できる。例えば、
図16に示すように、量子閉じ込め効果により、ナノ粒子の大きさが小さいほど短い波長を有する青色光を発光し、ナノ粒子の大きさが大きいほど長い波長を有する赤色光を発光する。
【0078】
高分子層920に分散している量子ドット910の直径は1nm乃至10nmの範囲であってもよい。本発明の実施形態による量子ドット910は、青色光を赤色光に変換するために、5nm乃至7nmの直径を有してもよい。より好ましくは、量子ドット910は6nmの直径を有してもよい。
【0079】
量子ドット910は、II−VI族、III−V族またはIV族物質であってもよく、具体的にはCdSe、CdTe、CdS、ZnSe、ZnTe、ZnS、InP、GaP、GaInP
2、PbS、ZnO、TiO
2、AgI、AgBr、Hg12、PbSe、In
2S
3、In
2Se
3、Cd
3P
2、Cd
3As
2またはGaAsであってもよい。
【0080】
また、量子ドット910は、コア−シェル構造(core−shell)を有する。ここで、コア(core)はCdSe、CdTe、CdS、ZnSe、ZnTe、ZnS、HgTe及びHgSからなる群より選択されたいずれか一つの物質を含み、シェル(shell)はCdSe、CdTe、CdS、ZnSe、ZnTe、ZnS、HgTe及びHgSからなる群より選択されたいずれか一つの物質を含む。
【0081】
一方、図面には示していないが、量子ドットフィルム900は、高分子層920の少なくとも一面に付着されるバリア層(図示せず)をさらに含む。
【0082】
図17は、本発明のさらに他の実施形態によるプロジェクション装置の構成図である。
図17を参照すれば、本発明のまた他の実施形態によるプロジェクション装置1100は、赤色マイクロLEDパネル1110、緑色マイクロLEDパネル1120、青色マイクロLEDパネル1130、LED駆動部1140、ダイクロイックプリズム1150及びプロジェクションレンズ1160等を含む。ここで、赤色マイクロLEDパネル1110を除いた残りの構成要素は、
図2に示した構成要素と同様である。よって、
図17に示した緑色マイクロLEDパネル1120、青色マイクロLEDパネル1130、LED駆動部1140、ダイクロイックプリズム1150及びプロジェクションレンズ1160に関する詳しい説明は省略する。
【0083】
図2のプロジェクション装置100とは異なり、プロジェクション装置1100を構成する赤色マイクロLEDパネル1110は、サファイアボンディング(Sapphire Bonding)回避工程により製造される。以下においては、サファイアボンディング工程を用いた赤色マイクロLEDパネルの製造方法とサファイアボンディング工程を回避した赤色マイクロLEDパネルの製造方法を区分して説明する。
【0084】
図18乃至
図24は、本発明の一実施形態による赤色マイクロLEDディスプレイ装置の製造方法を説明する図である。
図18を参照すれば、GaAs基板1210上に第1導電型半導体層1220、活性層1230及び第2導電型半導体層1240を順次成長させて発光構造物である第1導電型半導体層1220、活性層1230及び第2導電型半導体層1240を形成する。ここで、サファイア基板の代わりに、GaAs基板を用いる理由は、赤色光を放射する発光構造物である第1導電型半導体層1220、活性層1230及び第2導電型半導体層1240と類似する格子定数(lattice Constant)を有しているためである。よって、GaAs基板1210上に発光構造物である第1導電型半導体層1220、活性層1230及び第2導電型半導体層1240を積層する場合、格子定数差によるストレイン(strain)が発生しなくなる。
【0085】
図19を参照すれば、第2導電型半導体層1240の上面に第1サファイア基板1250を結合する。この時、第2導電型半導体層1240と第1サファイア基板1250との間は接着層または接着剤によって結合される。ここで、第1サファイア基板1250は、GaAs基板1210を除去するための支持層の役割を果たす。
【0086】
図20を参照すれば、レーザリフトオフ(laser lift off、LLO)、化学的リフトオフ(chemical lift off、CLO)、電気的リフトオフ(electrical lift off、ELO)またはエッチング方法等を利用して第1導電型半導体層1220の下面に付着されたGaAs基板1210を分離する。ここで、GaAs基板1210を分離する理由は、GaAs基板1210が発光構造物である第1導電型半導体層1220、活性層1230及び第2導電型半導体層1240から放射される赤色波長を吸収する性質を有しているためである。よって、発光構造物である第1導電型半導体層1220、活性層1230及び第2導電型半導体層1240を成長させた後、GaAs基板1210をサファイア基板に交替する必要がある。この時、サファイア基板を用いる理由は、他の基板に比べて光透過性に優れ、価格競争力に優れるためである。
【0087】
図21を参照すれば、第1導電型半導体層1220の下面に第2サファイア基板1260を結合する。この時、第1導電型半導体層1220と第2サファイア基板1260との間は接着層または接着剤によって結合される。ここで、第2サファイア基板1260は、発光構造物である第1導電型半導体層1220、活性層1230及び第2導電型半導体層1240の上下位置を変える役割を果たすためのものである。
【0088】
図22を参照すれば、レーザリフトオフ(laser lift off、LLO)、化学的リフトオフ(chemical lift off、CLO)、電気的リフトオフ(electrical lift off、ELO)またはエッチング方法等を利用して第2導電型半導体層1240の上面に付着された第1サファイア基板1250を分離する。
【0089】
図23を参照すれば、発光構造物である第1導電型半導体層1220、活性層1230、第2導電型半導体層1240を単位ピクセル領域に応じてアイソレーションエッチング(isolation etching)工程を行い、メサエッチングされた発光構造物である第1導電型半導体層1220、活性層1230、第2導電型半導体層1240上に(+)電極及び(−)電極を蒸着して複数の発光素子(すなわち、複数のマイクロLEDピクセル)を形成する。その後、発光構造物である第1導電型半導体層1220、活性層1230、第2導電型半導体層1240上にパッシベーション工程を行ってマイクロLEDパネル1200を形成する。
【0090】
図24を参照すれば、CMOSバックプレーン600のCMOSセル620と共通セル610の上部に複数のバンプ650を配置する。マイクロLEDパネル1200を上下反転して第1及び第2導電型メタル層が下方向に向かうようにする。複数のバンプ650が配置された状態のCMOSバックプレーン600とマイクロLEDパネル1200を互いに対向するようにしてCMOSセル620とマイクロLEDピクセルを一対一に対応させて密着させた後に加熱する。そうすると、複数のバンプ650が溶け、それにより、CMOSセル620とそれに対応するマイクロLEDピクセルが電気的に接続され、CMOSバックプレーン600の共通セル610とそれに対応するマイクロLEDパネル1200の共通電極が電気的に接続される状態となる。このように、複数のバンプ650を介してCMOSバックプレーン600とマイクロLEDパネル1200をフリップチップボンディングしてマイクロLEDディスプレイ装置を実現する。
【0091】
しかし、上述した赤色マイクロLEDパネルの製造方法は、2回のサファイアボンディング工程を行うため、該パネルを構成するLEDチップの性能を低下させるだけでなく、マイクロLEDチップの収率を下げるという問題を引き起こす。よって、サファイアボンディング工程を必要としない赤色マイクロLEDパネルの製造方法が必要である。以下、本発明の他の実施形態においては、サファイアボンディング工程を回避した赤色マイクロLEDパネルの製造方法について説明する。
【0092】
図25乃至
図29は、本発明の他の実施形態による赤色マイクロLEDディスプレイ装置の製造方法を説明する図である。
図25を参照すれば、GaAs基板1310上に第1導電型半導体層1320、活性層1330及び第2導電型半導体層1340を順次成長させて発光構造物1320、1330、1340を形成する。この時、発光構造物である第1導電型半導体層1320、活性層1330、第2導電型半導体層1340は赤色光を放射する。
【0093】
図26を参照すれば、発光構造物である第1導電型半導体層1320、活性層1330、第2導電型半導体層1340を単位ピクセル領域に応じてアイソレーションエッチング(isolation etching)工程を行い、メサエッチングされた発光構造物である第1導電型半導体層1320、活性層1330、第2導電型半導体層1340上に(+)電極及び(−)電極を蒸着して複数の発光素子(すなわち、複数のマイクロLEDピクセル)を形成する。その後、発光構造物である第1導電型半導体層1320、活性層1330、第2導電型半導体層1340上にパッシベーション工程を行ってマイクロLEDパネルを形成する。
【0094】
図27を参照すれば、CMOSバックプレーン1350のCMOSセル1352と共通セル1351の上部に複数のバンプ1360を配置する。複数のバンプ1360が配置された状態のCMOSバックプレーン1350とマイクロLEDパネルを互いに対向するようにしてCMOSセル1352とマイクロLEDピクセルを一対一に対応させて密着させた後に加熱する。そうすると、複数のバンプ1360が溶け、それにより、CMOSセル1352とそれに対応するマイクロLEDピクセルが電気的に接続され、CMOSバックプレーン1350の共通セル1351とそれに対応するマイクロLEDパネルの共通電極が電気的に接続される状態となる。
【0095】
図28及び
図29を参照すれば、レーザリフトオフ(laser lift off、LLO)、化学的リフトオフ(chemical lift off、CLO)、電気的リフトオフ(electrical lift off、ELO)またはエッチング方法等を利用して発光構造物である第1導電型半導体層1320、活性層1330、第2導電型半導体層1340の下面に付着されたGaAs基板1310を分離する。一方、他の実施形態として、GaAs基板1310の分離工程前に、前記分離工程による発光素子の損傷を最小化するための保護工程が追加される。このような一連の過程により、サファイア工程を回避した赤色マイクロLEDパネルを実現できる。
【0096】
上述したように、本発明に係る赤色マイクロLEDパネルの製造方法は、パネルの製造工程数を画期的に減らすことができ、それによって製品収率を向上させ、製造工程上において発生する性能の低下を最小化できる。また、本発明に係る赤色マイクロLEDパネルは、青色及び緑色マイクロLEDパネルとは異なり、サファイア基板を備えていないため、光効率を改善できるだけでなく、光散乱を最小化できる。
【0097】
一方、本実施形態においては、前記赤色マイクロLEDパネルがプロジェクション装置1100に適用されることを例示しているが、これに制限されず、車両用ヘッド・アップ・ディスプレイ(Head−Up Display、HUD)またはヘッド・マウント・ディスプレイ(Head Mounted Display、HMD)等の様々な表示装置に適用できることは当業者に明らかなことである。
【0098】
以上においては本発明の具体的な実施形態について説明したが、本発明の範囲から逸脱しない範囲内において種々の変形が可能であることは勿論である。よって、本発明の範囲は説明した実施形態に限定されず、後述する特許請求の範囲だけでなく、該特許請求の範囲と均等なものによって定めなければならない。