(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6423957
(24)【登録日】2018年10月26日
(45)【発行日】2018年11月14日
(54)【発明の名称】IGZO製造工程に基づくゲート電極駆動回路
(51)【国際特許分類】
H03K 19/0175 20060101AFI20181105BHJP
H03K 19/094 20060101ALI20181105BHJP
G09G 3/36 20060101ALI20181105BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20181105BHJP
【FI】
H03K19/0175 220
H03K19/094 210
G09G3/36
G09G3/20 611A
G09G3/20 622A
G09G3/20 680G
G09G3/20 622G
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-513129(P2017-513129)
(86)(22)【出願日】2014年9月19日
(65)【公表番号】特表2017-535105(P2017-535105A)
(43)【公表日】2017年11月24日
(86)【国際出願番号】CN2014086889
(87)【国際公開番号】WO2016037381
(87)【国際公開日】20160317
【審査請求日】2017年5月2日
(31)【優先権主張番号】201410457921.0
(32)【優先日】2014年9月10日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515203228
【氏名又は名称】深▲せん▼市華星光電技術有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100080252
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 征四郎
(72)【発明者】
【氏名】肖軍城
【審査官】
白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】
中国特許出願公開第103928009(CN,A)
【文献】
特開2014−007739(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2015/310819(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2014/103983(US,A1)
【文献】
中国特許出願公開第103680453(CN,A)
【文献】
特表2017−509908(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K 19/0175
G09G 3/20
G09G 3/36
H03K 19/094
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カスケード接続する複数のGOAユニットを含み、
Nを正の整数に設定し、
第N段GOAユニットが、
プルアップ制御回路と、
プルアップ回路と、
トランスファー回路と、
プルダウン回路と、
プルダウンホールディング回路と、
ブースト回路と、を含んでなる、IGZO製造工程に基づくゲート電極駆動回路であって、
該プルアップ回路は、
ゲート電極が第1ノードに電気的に接続し、ソース電極が第1クロック信号に電気的に接続し、ドレイン電極が出力端に電気的に接続する第1トランジスタを含み、
かつ該第1トランジスタは、該第1クロック信号に従って、該出力端において信号パルスを出力するのに用いられ、
該トランスファー回路は、
ゲート電極が第1ノードに電気的に接続し、ソース電極が第1クロック信号に電気的に接続し、ドレイン電極が駆動信号端に電気的に接続する第2トランジスタを含み、
かつ該第2トランジスタは、該第1クロック信号に従って、該駆動信号端において信号パルスを出力するのに用いられ、
該プルアップ制御回路は、
ゲート電極が該第N段GOAユニットの前段の第N−1段GOAユニットの駆動信号端に電気的に接続し、ソース電極が該第N段GOAユニットの前1段の第N−1段GOAユニットの出力端に電気的に接続し、ドレイン電極が第1ノードに電気的に接続する第3トランジスタを含み、
かつ該第3トランジスタは、前記第N−1段GOAユニットの該駆動信号端が出力する駆動信号に従って、該プルアップ回路をオン状態にするのに用いられ、
該プルダウンホールディング回路は、
第1プルダウンホールディング回路と第2プルダウンホールディング回路とを含み、
かつ該第1プルダウンホールディング回路が第4トランジスと、第5トランジスタと、第6トランジスタと、第7トランジスタと、第8トランジスタと、第9トランジスタと、第10トランジスタとを含んでなり、
該第4トランジスタは、
ゲート電極が第1クロック信号に電気的に接続し、ソース電極も第1クロック信号に電気的に接続し、ドレイン電極が第2ノードに電気的に接続し、
該第5トランジスタは、ゲート電極が駆動信号端に電気的に接続し、ソース電極が第2ノードに電気的に接続し、ドレイン電極が第2負電位に電気的に接続し、かつ該第5トランジスタが、該駆動信号端が高電位になった場合に該第2ノードの電位をプルダウンするために用いられ、
該第6トランジスタは、ゲート電極が該第N段GOAユニットの前段の第N−1段GOAユニットの駆動信号端に電気的に接続し、ソース電極が第2ノードに電気的に接続し、ドレイン電極が第2負電位に電気的に接続し、かつ該第6トランジスタは、該駆動信号端が高電位になった場合に該第2ノードの電位をプルダウンするために用いられ、
該第7トランジスタは、ゲート電極が第2クロック信号に電気的に接続し、ソース電極が第1クロック信号に電気的に接続し、ドレイン電極が第2ノードに電気的に接続し、
該第8トランジスタは、ゲート電極が第2ノードに電気的に接続し、ソース電極が出力端に電気的に接続し、ドレイン電極が第1負電位に電気的に接続し、
該第9トランジスタは、ゲート電極が第2ノードに電気的に接続し、ソース電極が第1ノードに電気的に接続し、ドレイン電極が第2負電位に電気的に接続し、
該第10トランジスタは、ゲート電極が第2ノードに電気的に接続し、ソース電極が駆動信号端に電気的に接続し、ドレイン電極が第3負電位に電気的に接続し、
該第2プルダウンホールディング回路は、
ゲート電極が該第N段GOAユニットの次の2段の第N+2段GOAユニットの駆動信号端に電気的に接続し、ソース電極が第1ノードに電気的に接続し、ドレイン電極が第2負電位に電気的に接続する第11トランジスタと、
ゲート電極が該第N段GOAユニットの次の2段の第N+2段GOAユニットの駆動信号端に電気的に接続し、ソース電極が出力端に電気的に接続し、ドレイン電極が第1負電位に電気的に接続する第12トランジスタと、を含んでなり、
該プルダウン回路は、
第13トランジスタと、第15トランジスタとを含んでなり、
該第13トランジスタは、ゲート電極が該第N段GOAユニットの次の1段の第N+1段GOAユニットの駆動信号端に電気的に接続し、ソース電極が駆動信号端に電気的に接続し、ドレイン電極が第3負電位に電気的に接続し、かつ該第13トランジスタは、オン状態時において該駆動信号端の電位をプルダウンして、該第5トランジスタと該第6トランジスタとがオフ状態時に漏電することを防ぎ、
該第15トランジスタは、ゲート電極が該第N段GOAユニットの次の1段の第N+1段GOAユニットの駆動信号端に電気的に接続し、ソース電極が第1ノードに電気的に接続し、ドレイン電極が第2負電位に電気的に接続し、かつ該第15トランジスタが、該出力端が出力を終えた後、隣り合う次の段が開始する場合に該第1ノードの電位を急速にプルダウンするために用いられ、
該ブースト回路は、
一端が第1ノードに電気的に接続し、他端が出力端に電気的に接続したコンデンサを含み、
該IGZO製造工程に基づくゲート電極駆動回路におけるそれぞれのTFTスイッチ素子の伝導チャネルが、いずれも酸化物半導体伝導チャネルであり、
前記第1負電位と該第2負電位と該第3負電位との関係が、
第3負電位<第2負電位<第1負電位である
ことを特徴とするIGZO製造工程に基づくゲート電極駆動回路。
【請求項2】
請求項1に記載のIGZO製造工程に基づくゲート電極駆動回路において、
前記ゲート電極駆動回路の第1段の接続関係において、該第3トランジスタのゲート電極とソース電極とが、いずれも回路起動信号に電気的に接続する
ことを特徴とするIGZO製造工程に基づくゲート電極駆動回路。
【請求項3】
請求項1に記載のIGZO製造工程に基づくゲート電極駆動回路において、
前記ゲート電極駆動回路の最後の1段の接続関係において、該第13トランジスタのゲート電極と該第15トランジスタのゲート電極とが、いずれも回路起動信号に電気的に接続し、かつ該第11トランジスタのゲート電極と該第12トランジスタのゲート電極とが、いずれも第2段GOAユニットの駆動信号端に電気的に接続する
ことを特徴とするIGZO製造工程に基づくゲート電極駆動回路。
【請求項4】
請求項1に記載のIGZO製造工程に基づくゲート電極駆動回路において、
前記プルダウン回路が、ゲート電極が該第N段GOAユニットの次の一段の第N+1段GOAユニットの駆動信号端に電気的に接続し、ソース電極が出力端に電気的に接続し、ドレイン電極が第1負電位に電気的に接続する第14トランジスタをさらに含む
ことを特徴とするIGZO製造工程に基づくゲート電極駆動回路。
【請求項5】
請求項4に記載のIGZO製造工程に基づくゲート電極駆動回路において、
前記ゲート電極駆動回路の最後の1段の接続関係において、該第14トランジスタが回路起動信号に電気的に接続する
ことを特徴とするIGZO製造工程に基づくゲート電極駆動回路。
【請求項6】
請求項1に記載のIGZO製造工程に基づくゲート電極駆動回路において、
前記第1負電位が該出力端の電位をプルダウンし、該第2負電位が該第1ノードと該第2ノードの電位をプルダウンし、該第3負電位が該駆動信号端の電位をプルダウンする
ことを特徴とするIGZO製造工程に基づくゲート電極駆動回路。
【請求項7】
請求項1に記載のIGZO製造工程に基づくゲート電極駆動回路において、
前記第1クロック信号と該第2クロック信号とが、位相が完全に逆である2つの高周波クロック信号源である
ことを特徴とするIGZO製造工程に基づくゲート電極駆動回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液晶表示技術に関し、特にIGZO製造工程に基づくゲート電極駆動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
GOA(Gate Drive Array)は、TFT液晶ディスプレーのアレイ製造工程を利用してゲート電極ドライバーを薄膜トランジスタのアレイ基板上に作成し、プログレッシブスキャンを達成する技術である。
【0003】
GOA回路は、主にプルアップ回路(Pull−up part)と、プルアップコントロール回路(Pull−up control part)と、トランスファー回路(Transfer Part)と、プルダウン回路(Pull−down part)と、プルダウンホールディング回路(Pull−down Holding part)と、及び電位を上げるためのブースト回路(Boost part)とによって構成される。
【0004】
プルアップ回路は入力するクロック信号を(Clock)を薄膜トランジスタ(thin film transistor、TFT)のゲート電極に出力して液晶ディスプレーの駆動信号とする。プルアップ制御回路はプルアップ回路の開放を制御するものであって、一般には前1段のGOA回路の転送する信号の作用によるものである。プルダウン回路は走査信号を出力した後、走査信号(即ち、薄膜トランジスタの電位)を急速にプルダウンして低電位とする。プルダウンホールディング回路は、走査信号とプルアップ信号(即ちQ点に印加する信号)とのオフ状態を保持する(即ち設定された負電位)ものであって、通常2つのプルダウンプルダウンホールディングが交互に作用する。ブースト回路はQ点の二次ブーストを行い、プルアップ回路のG(N)の正常な出力を確保する。
【0005】
IGZO(indium galium zinc oxide)は、インジウムと、ガリウムと、亜鉛を含む非晶質酸化物であって、キャリア移動度がアモルファスシリコンの20から30倍になることから、TFTの画素電極に対する充電、放電の速度を大幅に高めることができ、TFT−LCDにおいて超高解像率を可能にする。また、トランジスタお数量を減少させ、それぞれの画素の光透過率を高める。よって、IGZOディスプレーは更に高い機能レベルを有し、而も効率が更に高い。
【0006】
IGZOのGOA回路は、将来a−SiのTFTに取って代わる可能性を有するが、従来の技術でIGZOのGOA回路に対する開発は多くない。特に、大サイズのGOA回路については、IGZO材料自身がもたらす多くの問題を克服する必要がある。克服すべき主な課題は、次の2項目である。即ち(1)Vthがマイナス方向にドリフトするという問題。(2)SS領域が急勾配であるため、微小な電圧の変化が電流規模の変化を招き、ここからGOA回路のキーポイントTFTの漏電を招き、IGZOのGOAが効力を失う。
【0007】
図1、2は、従来のGOA回路の典型的なモジュールと、対応するそれぞれの信号のタイムシーケンス図である。係る典型的な従来のGOA回路は、ゲート電極が信号入力端Inputに電気的に接続し、ソース電極も号入力端Inputに電気的に接続し、ドレイン電極がノードQに電気的に接続する第1トランジスタT1と、ゲート電極がノードQに電気的に接続し、ソース電極がクロック信号にClockに電気的に接続し、ドレイン電極が出力端Outputに電気的に接続する第2トランジスタT2と、ゲート電極がリセット信号Resetに電気的に接続し、ソース電極が出力端Outputに電気的に接続し、ドレイン電極が負電位VSSに電気的に接続する第3トランジスタT3と、ゲート電極がリセット信号Resetに電気的に接続し、ソース電極がノードQに電気的に接続し、ドレイン電極が負電位VSSに電気的に接続する第4トランジスタT4と、一端がノードQに接続し、他端が出力端Outputに接続するコンデンサCbとを含んでなり、
図1には、4本のリード線がそれぞれノードQと、クロック信号Clockと、出力端Outputと、負電位VSSとに接続するプルダウン&補償モジュールをさらに含む。第1トランジスタT1は信号入力端Inputに入力する信号の依拠とし、第2トランジスタT2をON状態にするために用いる。第2トランジスタT2はクロック信号の依拠とし、出力端から信号パルスを出力する、第3トランジスタT3と第4トランジスタT4とは、オフ状態において、それぞれノードQと出力端Outputとの電位をプルダウンするために用い、コンデンサCbはノードQの第二次ブーストに用い、出力端Outputの正常な信号の出力を確保する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明は、GOA技術を利用して液晶表示装置のコストを節減し、モジュール製造工程における実装時間を短縮するとともに、IGZOのGOA回路におけるプルダウン&補償モジュールを開発し、回路の特殊なTFTの漏電を抑制し、TFTの数量を効率よく節減し、TFTの浮遊容量を合理的に減少させて回路のパワー消耗を節減する、IGZO製造工程に基づくゲート電極駆動回路を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述する目的を実現するために この発明による、IGZO製造工程に基づくゲート電極駆動回路は、Nを正の整数に設定し、第N段GOAユニットがプルアップ制御回路と、プルアップ回路と、トランスファー回路と、プルダウン回路と、プルダウンホールディング回路と、ブースト回路とを含んでなる。
【0010】
該プルアップ回路は、ゲート電極が第1ノードに電気的に接続し、ソース電極が第1クロック信号に電気的に接続し、ドレイン電極が出力端に電気的に接続する第1トランジスタを含み、かつ該第1トランジスタが該第1クロック信号の該出力端における信号パルス出力の依拠として用いられる。
【0011】
該トランスファーモジュールは、ゲート電極が第1ノードに電気的に接続し、ソース電極が第1クロック信号に電気的に接続し、ドレイン電極が駆動信号端に電気的に接続する第2トランジスタを含み、かつ該第2トランジスタが、該第1クロック信号の該駆動信号端における信号パルス出力合の依拠として用いられる。
【0012】
該プルアップ制御回路は、ゲート電極が該第N段GOAユニットの前1段の第N−1段GOAユニットの駆動信号端に電気的に接続し、ソース電極が該第N段GOAユニットの前1段の第N−1段GOAユニットの出力端に電気的に接続し、ドレイン電極が第1ノードに電気的に接続する第3トランジスタを含み、かつ該第3トランジスタが、該駆動信号端が信号パルスを出力して該プルアップ回路オン状態にする場合の依拠として用いられる。
【0013】
該プルダウンホールディング回路は、第1プルダウンホールディング回路と第2プルダウンホールディング回路とを含み、かつ該第1プルダウンホールディング回路が第4トランジスと、第5トランジスと、第6トランジスと、第7トランジスと、第8トランジスと、第9トランジスと、第10トランジスとを含んでなり、該第4トランジスタは、ゲート電極が第1クロック信号に電気的に接続し、ソース電極も第1クロック信号に電気的に接続し、ドレイン電極が第2ノードに電気的に接続し、該第5トランジスタは、ゲート電極が駆動信号端に電気的に接続し、ソース電極が第2ノードに電気的に接続し、ドレイン電極が第2負電位に電気的に接続し、かつ該第5トランジスタが、該駆動信号端が高電位になった場合に該第2ノードの電位をプルダウンするために用いられ、該第6トランジスタは、ゲート電極が該第N段GOAユニットの前1段の第N−1段GOAユニットの駆動信号端に電気的に接続し、ソース電極が第2ノードに電気的に接続し、ドレイン電極が第2負電位に電気的に接続し、かつ該第6トランジスタが、該信号端が高電位になった場合に該第2ノードの電位をプルダウンするために用いられ、該第7トランジスタは、ゲート電極が第2クロック信号に電気的に接続し、ソース電極が第1クロック信号に電気的に接続し、ドレイン電極が第2ノードに電気的に接続し、該第8トランジスタは、ゲート電極が第2ノードに電気的に接続し、ソース電極が出力端に電気的に接続し、ドレイン電極が第1負電位に電気的に接続し、該第9トランジスタは、ゲート電極が第2ノードに電気的に接続し、ソース電極が第1ノードに電気的に接続し、ドレイン電極が第2負電位に電気的に接続し、該第10トランジスタTは、ゲート電極が第2ノードに電気的に接続し、ソース電極が駆動信号端に電気的に接続し、ドレイン電極が第3負電位に電気的に接続し、該第2ホールディング回路は、ゲート電極が該第N段GOAユニットの後ろ2段の第N+2段GOAユニットの駆動信号端に電気的に接続し、ソース電極が第1ノードに電気的に接続し、ドレイン電極が第2負電位に電気的に接続する第11トランジスと、及びゲート電極が該第N段GOAユニットの後ろ2段の第N+2段GOAユニットの駆動信号端に電気的に接続し、ソース電極が出力端に電気的に接続し、ドレイン電極が第1負電位に電気的に接続する第12トランジスと、を含んでなる。
【0014】
該プルダウン回路は、第13トランジスタと、第15トランジスタとを含んでなり、該第13トランジスタはゲート電極が該第N段GOAユニットの後ろ1段の第N+1段GOAユニットの駆動信号端に電気的に接続し、ソース電極が駆動信号端に電気的に接続し、ドレイン電極が第3負電位に電気的に接続し、かつ該第13トランジスタは、オフ状態時において該駆動信号端の電位をプルダウンして、該第5トランジスタと該第6トランジスタとがオフ状態時に漏電することを防ぎ、該第15トランジスタは、ゲート電極が該第N段GOAユニットの後ろ1段の第N+1段GOAユニットの駆動信号端に電気的に接続し、ソース電極が第1ノードに電気的に接続し、ドレイン電極が第2負電位に電気的に接続し、かつ該第15トランジスタが、該出力端が出力を終えた後、隣り合う次の段が開始する場合に該第1ノードを急速にプルダウンするために用いられる。
【0015】
該ブースト回路は、一端が第1ノードに電気的に接続し、他端が出力端に電気的に接続し、かつ該第1ノードの電位の第2次ブーストを行うことで該プルアップ回路の出力端の正常な出力を確保するために用いる第1コンデンサを含む。
【0016】
該IGZO製造工程に基づくゲート電極駆動回路におけるそれぞれのTFTスイッチ素子の伝導チャネルが、いずれも酸化物半導体伝導チャネルである。
【0017】
該ゲート電極駆動回路の第1段の接続関係において、該第3トランジスタのゲート電極とソース電極とが、いずれも回路起動信号に電気的に接続する。
【0018】
該ゲート電極駆動回路の最後の1段の接続関係において、該第13トランジスタのゲート電極と該第15トランジスタのゲート電極とが、いずれも回路起動信号に電気的に接続し、かつ該第11トランジスタのゲート電極と該第12トランジスタのゲート電極とが、いずれも第2段GOAユニットの駆動信号端に電気的に接続する。
【0019】
該プルダウン回路が、ゲート電極が該第N段GOAユニットの次の一段の第N+1段GOAユニットの駆動信号端に電気的に接続し、ソース電極が出力端に電気的に接続し、ドレイン電極が第1負電位に電気的に接続する第14トランジスタをさらに含む。
【0020】
該ゲート電極駆動回路の最後の1段の接続関係において、該第14トランジスタが回路起動信号に電気的に接続する。
【0021】
該第1負電位と該第2負電位と該第3負電位との関係が、第3負電位<第2負電位<第1負電位である。
【0022】
該第1負電位が該出力端の電位をプルダウンし、該第2負電位が該第1ノードと該第2ノードの電位をプルダウンし、該第3負電位が該駆動信号端の電位をプルダウンする。
【0023】
該第1クロック信号と該第2クロック信号とが、位相の完全に逆な2つの高周波クロック信号源である。
【発明の効果】
【0024】
この発明によるIGZO製造工程に基づくゲート電極駆動回路は、採用する三種類の漸減する負電位が、それぞれ出力端と、第2ノードと、駆動信号端の電位とに対してプルダウン処理を行ない、IGZO製造工程に基づくゲート電極駆動回路のキーポイントTFTの漏電問題を改善する。また、駆動信号によって第2ノードの電位を処理して第1ノードの負荷の作用を減衰させて、安定した好ましい第1ノードとし、回路の出力端の安定した出力に利することができる。プルダウン回路の第15トランジスタが第2負電位に接続することで、第1ノードの電位のプルダウン速度を速め、第1ノードの遅延を減少させることができる。最後に、この発明はIGZO材料の特徴に対して、単一辺の非対称プルダウンホールディングモジュールをデザインすることで、TFTの数量を効率よく節減し、TFTの浮遊容量を合理的に減少させて回路のパワー消耗を節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図2】
図1に開示する回路図に対応するタイムシーケンス図である。
【
図3】第1の実施形態によるIGZO製造工程に基づくゲート電極駆動回路の回路図である。
【
図4】この発明のIGZO製造工程に基づくゲート電極駆動回路のそれぞれの信号とノードのタイムシーケンス図である。
【
図5】第2の実施形態によるIGZO製造工程に基づくゲート電極駆動回路の回路図である。
【
図6】第1の実施の形態における第1段GOAユニットの回路図である。
【
図7】第1の実施の形態における最後の1段のGOAユニットの回路図である。
【
図8】第2の実施の形態における最後の1段のGOAユニットの回路図である。
【
図9】この発明によるIGZO製造工程に基づくゲート電極駆動回路の擬似効果図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
この発明の採用する技術方法と、その効果を説明するために、具体的な実施例を挙げ、図面を参照にして以下に詳述する。
【実施例1】
【0027】
図3、6、7に開示するように、第1の実施の形態による、IGZO製造工程に基づくゲート電極駆動回路はカスケード接続する複数のGOAユニットを含む。Nを正の整数に設定し、第N段GOAユニットは、プルアップ制御回路100と、プルアップ回路200と、トランスファー回路300と、プルダウン回路400と、プルダウンホールディング回路500と、ブースト回路600とを含んでなる。
【0028】
上述する回路の構成、及び具体的な接続方式は次のとおりである。
【0029】
プルアップ回路200は、ゲート電極が第1ノードQ(N)に電気的に接続し、ソース電極が第1クロック信号CKに電気的に接続し、ドレイン電極が出力端G(N)に電気的に接続する第1トランジスタT1を含む。第1トランジスタT1は、第1クロック信号CKが出力端G(N)において信号パルスを出力する場合の依拠として用いる。
【0030】
トランスファーモジュール300は、ゲート電極が第1ノードQ(N)に電気的に接続し、ソース電極が第1クロック信号CKに電気的に接続し、ドレイン電極が駆動信号端ST(N)に電気的に接続する第2トランジスタT2を含む。第2トランジスタT2は、第1クロック信号CKが駆動信号端ST(N)において信号パルスを出力する場合の依拠として用いる。
【0031】
プルアップ制御回路100は、ゲート電極が該第N段GOAユニットの前1段の第N−1段GOAユニットの駆動信号端ST(N−1)に電気的に接続し、ソース電極が該第N段GOAユニットの前1段の第N−1段GOAユニットの出力端G(N−1)に電気的に接続し、ドレイン電極が第1ノードQ(N)に電気的に接続する第3トランジスタT3を含む。第3トランジスタT3は、駆動信号端ST(N−1)が信号パルスを出力してプルアップ回路200をオン状態にする場合の依拠として用いる。
【0032】
プルダウンホールディング回路500は、第1プルダウンホールディング回路510と第2プルダウンホールディング回路520とを含み、第1プルダウンホールディング回路510は、第4トランジスT4と、第5トランジスT5と、第6トランジスT6と、第7トランジスT7と、第8トランジスT8と、第9トランジスT9と、第10トランジスT10とを含んでなり、第4トランジスタT4は、ゲート電極が第1クロック信号CKに電気的に接続し、ソース電極も第1クロック信号CKに電気的に接続し、ドレイン電極が第2ノードP(N)に電気的に接続する。第5トランジスタT5は、ゲート電極が駆動信号端ST(N)に電気的に接続し、ソース電極が第2ノードP(N)に電気的に接続し、ドレイン電極が第2負電位VSS2に電気的に接続する。第5トランジスタT5は駆動信号端ST(N)が高電位になった場合に第2ノードP(N)の電位をプルダウンするために用いる。第6トランジスタT6は、ゲート電極が該第N段GOAユニットの前1段の第N−1段GOAユニットの駆動信号端ST(N−1)に電気的に接続し、ソース電極が第2ノードP(N)に電気的に接続し、ドレイン電極が第2負電位VSS2に電気的に接続する。第6トランジスタT6は、信号端ST(N−1)が高電位になった場合に第2ノードP(N)の電位をプルダウンするために用いる。第7トランジスタT7は、ゲート電極が第2クロック信号XCKに電気的に接続し、ソース電極が第1クロック信号CKに電気的に接続し、ドレイン電極が第2ノードP(N)に電気的に接続する。第8トランジスタT8は、ゲート電極が第2ノードP(N)に電気的に接続し、ソース電極が出力端G(N)に電気的に接続し、ドレイン電極が第1負電位VSS1に電気的に接続する。第9トランジスタT9は、ゲート電極が第2ノードP(N)に電気的に接続し、ソース電極が第1ノードQ(N)に電気的に接続し、ドレイン電極が第2負電位VSS2に電気的に接続する。第10トランジスタT10は、ゲート電極が第2ノードP(N)に電気的に接続し、ソース電極が駆動信号端ST(N)に電気的に接続し、ドレイン電極が第3負電位VSS3に電気的に接続する。第2ホールディング回路520は、ゲート電極が該第N段GOAユニットの後ろ2段の第N+2段GOAユニットの駆動信号端ST(N+2)に電気的に接続し、ソース電極が第1ノードQ(N)に電気的に接続し、ドレイン電極が第2負電位VSS2に電気的に接続する第11トランジスT11と、及びゲート電極が該第N段GOAユニットの後ろ2段の第N+2段GOAユニットの駆動信号端ST(N+2)に電気的に接続し、ソース電極が出力端G(N)に電気的に接続し、ドレイン電極が第1負電位VSS1に電気的に接続する第12トランジスT12と、を含んでなる。
【0033】
プルダウン回路400は、第13トランジスタT13と、第15トランジスタT15とを含んでなり、第13トランジスタT13はゲート電極が該第N段GOAユニットの後ろ1段の第N+1段GOAユニットの駆動信号端ST(N+1)に電気的に接続し、ソース電極が駆動信号端ST(N)に電気的に接続し、ドレイン電極が第3負電位VSS3に電気的に接続する。第13トランジスタT13は、オフ状態時において駆動信号端ST(N)の電位をプルダウンして、第5トランジスタT5と第6トランジスタT6とがオフ状態時に漏電することを防ぐ。第15トランジスタT15は、ゲート電極が該第N段GOAユニットの後ろ1段の第N+1段GOAユニットの駆動信号端ST(N+1)に電気的に接続し、ソース電極が第1ノードQ(N)に電気的に接続し、ドレイン電極が第2負電位VSS2に電気的に接続する。第15トランジスタT15は、出力端G(N)が出力を終えた後、隣り合う次の段が開始する場合に第1ノードQ(N)を急速にプルダウンするために用いる。
【0034】
ブースト回路600は、一端が第1ノードQ(N)に電気的に接続し、他端が出力端G(N)に電気的に接続し、第1ノードQ(N)の電位の第2次ブーストを行うことでプルアップ回路200の出力端G(N)の正常な出力を確保するために用いる第1コンデンサCbを含む。
【0035】
特筆すべきは、上述する回路に導入する3種の負電位である第1負電位VSS1と、第2負電位VSS2と、第3負電位VSS3とは、それぞれ電圧の高さが異なり、かつこれら3種負電位の関係は、第3負電位VSS3<第2負電位VSS2<第1負電位VSS1という点である。第1負電位VSS1は、出力端G(N)の電位に対するものであり、第2負電位VSS2、第1ノードQ(N)と第2ノードP(N)とに対するものであり、第3負電位VSS3は、駆動信号端ST(N)の電位に対するものである。
【0036】
図6に開示するように、この発明によるIGZO製造工程に基づくゲート電極駆動回路の第1段の接続関係において、第3トランジスタT3はゲート電極とソース電極とのいずれもが回路の起動信号STVに電気的に接続する。
【0037】
図7に開示するように、この発明によるIGZO製造工程に基づくゲート電極駆動回路の最後の1段の接続関係において、第13トランジスタT13のゲート電極と第15トランジスタT15のゲート電極とは、いずれも回路の起動信号STVに電気的に接続し、第11トランジスタT11のゲート電極と第12トランジスタT12のゲート電極とのいずれもが第2段GOAユニットの駆動信号端ST(N+2)に電気的に接続する。
【0038】
また、この発明によるIGZO製造工程に基づくゲート電極駆動回路においては、それぞれのTFTスイッチ素子の伝導チャネルが、いずれも酸化物半導体伝導チャネルである。
【0039】
第1クロック信号CKと第2クロック信号XCKとは、位相が完全に逆である2つの高周波信号源である。
【0040】
また、
図4にこの発明によるIGZO製造工程に基づくゲート電極駆動回路のそれぞれの信号ノードのタイムシーケンス図を開示する。
図3を合わせ参照にすると明らかなように、第8トランジスタT8は出力端G(N)が低レベルを維持するために用いる。第9トランジスタT9は第1ノードQ(N)が低レベルを維持するために用いる。第5トランジスタT5は駆動信号端ST(N)が高レベルの場合に第2ノードP(N)の電位をプルダウンするために用いる。第6トランジスタT6は、駆動信号端ST(N−1)が高レベルの場合に第2ノードP(N)の電位をプルダウンするために用いる。ここからオン状態にあるプルダウンホールディング回路500をオフにして、第1ノードQ(N)と出力端G(N)との出力に対する影響を抑制する。
【0041】
第2負電位VSS2の電位は第1負電位VSS1より低く、2段分圧の原理を利用して、第2ノードP(N)の電位を効率よく下げる。第2ノードP(N)がオン状態にある場合、より低くプルダウンされるほど、接続する3つのトランジスタT8、T9、T10の閉鎖が確実になり、出力端G(N)から放電して出力の異状を招く事態を防ぐことができ、同時に第1ノードQ(N)の電位をプルダウンして、2つのトランジスタT1、T2をより好ましく閉鎖する。第10トランジスタT10と第13トランジスタT13とは、駆動信号端ST(N)のプルダウン処理を行なう。第3負電位VSS3は、主に駆動信号端ST(N)の電位をプルダウンして、第5トランジスタT5と第6トランジスタT6の二つのトランジスタのオフ状態時における漏電の発生を防ぐ。第15トランジスタT15は、出力端G(N)が出力を終えた後、隣り合う次の段において第1ノードQ(N)に対するプルダウン処理を即行ない、第1ノードQ(N)が高電位から低電位に急速に下降することを保証し、かつ第15トランジスタT15のドレイン電極が接続する第2負電位VSS2が、第1ノードQ(N)が出力を終えた後、急速に低電位に至るようプルダウンする。
【実施例2】
【0042】
図8に開示するこの発明のIGZO製造工程に基づくゲート電極駆動回路の第2の実施の形態について、
図5を参照にして説明する。
図5、
図3の開示と同様の符号で標示した部分は、同様の構成、接続関係、機能、操作の原理を有するものである。よって、詳述は割愛する。実施例2と実施例1との区別は、プルダウン回路400に第14トランジスタT14を追加した点にある。第14トランジスタT14は、ゲート電極が第N段GOAユニットの次の1段第N+1GOAユニットの駆動信号端ST(N+1)に電気的に接続し、ソース電極が出力端G(N)に電気的に接続し、ドレイン電極が第1負電位VSS1に電気的に接続する。第14トランジスタT14は非オン状態時に出力端G(N)の電位をプルダウンするために用いる。この発明のIGZO製造工程に基づくゲート電極は、対応するWが小さくなるため、浮遊容量も比較的少なくなり、相対的に回路のリップル電流も小さくなる。よって、出力端G(N)の出力に対する影響がa−Siほどひどくならない。したがって、実際の回路において第14トランジスタT14を省いて配線の空間を節約し、パワーの消耗を減少させることができる。また、
図8に開示するように、実施例2ではこの発明のIGZO製造工程に基づくゲート電極駆動回路の最後の1段の接続関係において、第14トランジスタT14のゲート電極が回路の起動信号STVに電気的に接続する。
【0043】
その他について、実施例2の実施例1と同様の部分に関しては、ここでは詳述せず割愛する。
【0044】
図9に、この発明のIGZO製造工程に基づくゲート電極駆動回路を60段回路で実施した場合の擬似効果を開示する。図面の開示から明らかなように。出力が良好で、予期する効果を達成している。
【0045】
以上をまとめると、この発明のIGZO製造工程に基づくゲート電極駆動回路は、3つの漸減する負電位が、それぞれ第1ノードと第2ノードと駆動信号端に対してプルダウン処理を行なう。よって、IGZO製造工程に基づくゲート電極駆動回路のキーポイントTFTの漏電問題を改善することができる。また、駆動信号によって第2ノードの電位を処理して第1ノードの負荷作用を減衰させることで安定した好ましい第1ノードを得る。よって、出力端の安定した出力に利することができる。プルダウン回路の第15トランジスタと第2負電位VSS2とが接続して第1ノードの電位を急速にプルダウンすることで第1ノードの遅延を減少させることができる。最後に、この発明はIGZO材の特性に合わせTFTの削減を行うことで、TFTの数量を効率よく節減し、かつTFTの浮遊容量を合理的に減少し、回路のパワー消耗を効率よく節減することができる。
【0046】
以上はこの発明の好ましい実施の形態であって、この発明の範囲を限定するものではない。よって、当業者がこの発明の精神と範囲を離れることなくなし得る各種の変更、修正などは、いずれもこの発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0047】
100 プルアップ制御回路
200 プルアップ回路
300 トランスファー回路
400 プルダウン回路
500 プルダウンホールディング回路
510 第1プルダウンホールディング回路
520 第2プルダウンホールディング回路
600 ブースト回路
Cb コンデンサ
Clock クロック信号
CK 第1クロック信号
G(N) 出力端
G(N−1) 出力端
Input 信号入力端
Output 出力端
P(N) 第2ノード
Q ノード
Q(N) 第1ノード
Reset リセット信号
ST(N) 駆動信号端
ST(N−1) 駆動信号端
ST(N+1) 駆動信号端
ST(N+2) 駆動信号端
STV 起動信号
T1 第1トランジスタ
T2 第2トランジスタ
T3 第3トランジスタ
T4 第4トランジスタ
T5 第5トランジスタ
T6 第6トランジスタ
T7 第7トランジスタ
T8 第8トランジスタ
T9 第9トランジスタ
T10 第10トランジスタ
T11 第11トランジスタ
T12 第12トランジスタ
T13 第13トランジスタ
T14 第14トランジスタ
T15 第15トランジスタ
VSS 負電位
VSS1 第1負電位
VSS2 第2負電位
VSS3 第3負電位
XCK 第2クロック信号