(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載の治療装置において、前記本体が、丸みを帯びた端部と、前記丸みを帯びた端部に対向する扁平端部とを備える卵形を有することを特徴とする、治療装置。
請求項1に記載の治療装置において、前記本体が、丸みを帯びた端部と、前記丸みを帯びた端部に対向する扁平端部とを備える卵形を有し、前記本体が、前記扁平端部に近接して少なくとも1つの切り欠き部を有することを特徴とする、治療装置。
請求項1に記載の治療装置において、さらに、前記ベースに結合されかつ前記ポンプヘッドにその動作のために動作可能に結合された対話型パネルを含むことを特徴とする、治療装置。
請求項12に記載の溶液カートリッジにおいて、さらに、前記チューブセグメントと前記液溜めとの間で前記チューブセグメントに流体的に結合されたロードセルセグメントを含むことを特徴とする、溶液カートリッジ。
請求項12または13に記載の溶液カートリッジにおいて、さらに、前記チューブセグメントと組織部位との間で前記チューブセグメントに流体的に結合された超音波検査セグメントを含むことを特徴とする、溶液カートリッジ。
【発明を実施するための形態】
【0013】
組織部位を治療する複合型溶液ポンプおよび溶液貯蔵システムを提供するための、新しくかつ有用なシステム、方法、および装置が、添付の特許請求の範囲において記載される。システム、方法、および装置を作製および使用する目的、利益、および好ましい態様は、添付図面と併せて、以下の詳細な説明を参照することにより、理解され得る。説明は、当業者が、特許請求する主題を作製および使用できるようにする情報を提供するが、当技術分野で既に周知のいくつかの詳細な情報については省略し得る。さらに、文脈によって明確に要求されない限り、「または」などの用語を使用する様々な代替例の説明は、必ずしも相互排他的である必要はない。特許請求する主題はまた、具体的に詳細には説明されない代替的な実施形態、変形形態、および均等物を含んでもよい。それゆえ、以下の詳細な説明は、限定ではなく、説明のためのものであるとみなされるべきである。
【0014】
例示的な実施形態はまた、減圧療法および点滴注入療法の適用例の関連において本明細書で説明され得るが、特徴および利点の多くは、他の環境および産業にも容易に適用可能である。様々な要素間の空間関係、または様々な要素の空間定位は、添付の図面に示すように説明され得る。概して、そのような関係または定位は、減圧療法を受ける位置にいる患者と一致するかまたは患者に対する基準系とする。しかしながら、当業者によって認識される必要があるように、この基準系は、厳密な規定ではなく、単に説明手段である。
【0015】
図1は、単純化した機能ブロック図であり、治療システム100の一部の実施形態に関連付けられ得る詳細を示す。一部の実施形態では、治療システム100は、本明細書によれば治療圧および/または点滴注入をもたらし得る。一部の実施形態では、治療システム100は、治療装置104に流体的に結合されたドレッシング102を含み得る。ドレッシング102は、ドレープ108などのドレープと、マニホールド110などの組織インターフェースとを含み得る。治療システム100はまた、容器112などの流体容器、および/またはカートリッジ114などの溶液カートリッジを含み得る。容器112は、ドレッシング102と治療装置104との間で流体的に結合され得る。カートリッジ114は、ドレッシング102に流体的に結合され、かつ治療装置104に動作的に結合され得る。
【0016】
概して、治療システム100の構成要素は、互いに直接または間接的に結合され得る。例えば、治療装置104は、容器112に直接結合され、およびドレッシング102に容器112を介して間接的に結合され得る。構成要素は互いに流体的に結合されて、構成要素間で流体(すなわち、液体および/または気体)を移送する経路を提供し得る。一部の実施形態では、構成要素は、例えば、チューブに流体的に結合され得る。本明細書では、「チューブ」は、広く、チューブ、パイプ、ホース、導管、または2つの端部間で流体を運ぶように適合された、1つ以上のルーメンを備える他の構造体を指す。一般に、チューブは、ある程度可撓性のある、細長いシリンダー状の構造体であるが、幾何学的形状および剛性は様々とし得る。それに加えてまたはその代わりに、一部の実施形態では、構成要素は、単一の構造に一体化されているかまたは同じ材料部片から形成される物理的近接によって、結合され得る。結合はまた、それぞれの状況において、機械、熱、電気、または化学結合(ケミカルボンドなど)を含み得る。
【0017】
動作中、マニホールド110などの組織インターフェースは、組織部位内に、その上を覆うように、その上に、それに当てて、または他の方法でそれに隣接して、配置され得る。例えば、マニホールド110は組織部位に当てて配置され、およびドレープ108は、マニホールド110の上を覆うように配置され得、かつ組織部位に近接して組織にシールされ得る。組織部位に近接した組織は、組織部位の周辺にある無傷の表皮であることが多い。それゆえ、ドレッシング102は、組織部位に近接して、外部環境から実質的に隔離された、密閉された治療環境を提供でき、および治療装置104は、密閉された治療環境の圧力を低下させることができる。減圧は、組織インターフェースを通して、密閉された治療環境にある組織部位にわたって分配されて、マクロ歪みおよび微小歪みを誘発でき、ならびに組織部位から滲出液および他の流体を除去でき、それらを容器112に収集して適切に廃棄できる。
【0018】
滲出液は、循環系から病変部や炎症領域へしみ出る流体を指し得る。滲出液は、水および溶解溶質を含み得る。溶解溶質は、血液、血漿タンパク質、白血球、血小板、および赤血球を含み得る。一部の実施形態では、滲出液は、血清、フィブリン、および白血球を含み得る。他の実施形態では、滲出液は、タンパク質を豊富に含む薄い液体と、死んだ白血球とを有する膿を含み得る。
【0019】
密閉された治療環境内などの別の構成要素または場所における圧力を低下させるために減圧源を使用する流体力学は、数学的に複雑となり得る。しかしながら、減圧療法に適用できる流体力学の基本原理は、一般的に当業者によく知られており、および圧力を低下させるプロセスは、例えば減圧の「送達」、「分配」、または「生成」として、本明細書で説明的に記載され得る。
【0020】
概して、滲出液および他の流体は、流体流路に沿って、より低い圧力の方へ流れる。それゆえ、減圧療法との関連では、用語「下流」は、一般に、流体流路において、減圧源の比較的近くにあるものを意味し、逆に、用語「上流」は、減圧源から比較的離れているものを意味する。同様に、そのような基準系における流体の「入口」または「出口」に関して、いくつかの特徴を説明するのが好都合であり得る。この定位は、一般的に、本明細書の減圧療法システムの様々な特徴および構成要素を説明するために利用される。しかしながら、流体流路はまた、一部の適用例では逆にされてもよく(陽圧源を減圧源の代わりにすることによってなど)、この説明の慣例は、限定的な慣例であるとみなされるべきではない。
【0021】
これに関連して、用語「組織部位」は、骨組織、脂肪組織、筋組織、神経組織、皮膚組織、脈管組織、結合組織、軟骨、腱、または靭帯を含むがこれらに限定されない組織上にあるまたはその内部の、創傷または欠損を広範に指す。創傷は、例えば、慢性の、急性の、外傷性の、亜急性の、および離開した創傷、中間層熱傷、潰瘍(例えば糖尿病潰瘍、圧迫潰瘍、または静脈不全潰瘍)、弁(flap)、およびグラフトを含み得る。用語「組織部位」はまた、必ずしも傷ついても欠損してもいない任意の組織領域を指し得るが、その代わりに、追加的な組織の成長を支援または促進することが望ましいとし得る領域である。例えば、いくつかの組織領域において減圧を使用して、追加的な組織を成長させ、それら組織を採取し、別の組織の箇所に移植してもよい。
【0022】
「減圧」は、一般的に、ドレッシング102によってもたらされた、密閉された治療環境の外側にある局所環境における周囲圧力などの局所的な周囲圧力を下回る圧力を指す。多くの場合、局所的な周囲圧力はまた、患者がいる場所の大気圧とし得る。あるいは、圧力は、組織部位における組織に関連する静水圧を下回り得る。他に指定のない限り、本明細書で述べる圧力の値はゲージ圧である。同様に、減圧の上昇の言及は、一般に絶対圧の低下を指す一方、減圧の低下は、一般に絶対圧の上昇を指す。
【0023】
治療装置104は減圧源を含み得る。減圧源は、減圧での空気の溜め部としてもよいし、または密閉された体積部の圧力を低下させ得る手動または電動の装置、例えば、真空ポンプ、吸引ポンプ、多くのヘルスケア施設で利用可能な壁面吸い込みポート、またはマイクロポンプとしてもよい。減圧源は、減圧療法をさらに容易にするセンサー、処理装置、アラームインジケータ、メモリ、データベース、ソフトウェア、表示装置、またはユーザインターフェースなどの他の構成要素内に収容され得るかまたはそれらと共に使用される。組織部位に行われる減圧の量および性質は、治療条件に従って変化し得るが、圧力は、一般に、−5mm Hg(−667Pa)〜−500mm Hg(−66.7kPa)の範囲とし得る。一般的な治療範囲は、−75mm Hg(−9.9kPa)〜−300mm Hg(−39.9kPa)である。
【0024】
治療装置104はまた、流体源を含み得る。流体源は、大気圧以上の流体の溜め部としてもよいし、または、例えば密閉された治療環境などの密閉された体積部へ流体を運ぶことができるポンプなどの、手動または電動の装置としてもよい。一部の実施形態では、流体源は蠕動ポンプとし得る。蠕動ポンプは、1つ以上のローラを備えるロータを有する円形のポンプケーシングを含み得る。一部の実施形態では、ロータはまた、ポンプヘッドと称してもよく、およびローラはまた、例えば、シュー、ワイパー、またはローブと称してもよい。ローラは、ロータの周囲に取り付けられ、かつチューブのセクションに近接して位置決めされ得る。蠕動ポンプは、さらに、ロータに結合されかつロータを回転させるように構成されたモータを含み得るため、ローラは、チューブのセクションに係合する。各ローラがチューブに係合すると、チューブの一部分を圧縮し得るため、チューブの圧縮された部分を塞ぐ。ロータの回転により、チューブの圧縮された箇所が動いて、流体を、ローラの先のチューブを通って、押し動かす。さらに、ローラの通過後にチューブが開放すると、流体は、ローラの後にチューブに引き入れられ得る。このようにして、流体は、チューブに引き入れられてそこを進むようにされ得る。一般的に、蠕動ポンプのローラによって係合されるチューブは、シリコーンで形成され得る。
【0025】
流体源は、点滴注入療法をさらに容易にするセンサー、処理装置、アラームインジケータ、メモリ、データベース、ソフトウェア、表示装置、またはユーザインターフェースなどの他の構成要素内に収容されても、またはそれと共に使用されてもよい。組織部位に適用される流体の量および性質は、治療条件によって変わってもよい。治療条件は、密閉された治療環境のサイズ、流体のタイプ、および流体への任意の添加剤を含み得る。一部の実施形態では、流体は:次亜塩素酸および次亜塩素酸ナトリウムなどの次亜塩素酸ベースの溶液;硝酸銀;スルホンアミドなどの硫黄ベースの溶液;ポリヘキサニドなどのビグアニド;オクテニジン(octenidine)および塩化ベンザルコニウムなどの陽イオン溶液;および等張液を含み得る。
【0026】
治療装置104はまた、ユーザインターフェースを含み得る。ユーザインターフェースは、コントローラと治療装置104の外部の環境との間での通信を可能にするように構成された装置とし得る。一部の実施形態では、外部環境は、例えば、治療装置104とインターフェースを取るように構成されたオペレータまたはコンピュータシステムを含み得る。一部の実施形態では、ユーザインターフェースは、コントローラから信号を受信し、かつ外部環境によって理解され得るように信号を提示し得る。一部の実施形態では、ユーザインターフェースは、外部環境から信号を受信し、それに応答して、コントローラに信号を送信し得る。
【0027】
一部の実施形態では、ユーザインターフェースは、グラフィカルユーザインターフェース、タッチスクリーン、または1つ以上の動作追跡装置とし得る。ユーザインターフェースはまた、液晶ディスプレイ(「LCD」)などの1つ以上の表示画面、様々な色の発光ダイオード(「LED」)などの照明装置、オペレータに聞こえる音を発するように構成された、ホイッスルなどの音響式確認機構とし得る。ユーザインターフェースは、さらに、1つ以上の装置、例えばノブ、ボタン、キーボード、リモコン、タッチスクリーン、別の装置から離散的信号または連続信号を受信するように構成され得るポート、または他の同様の装置を含み得る;これらの装置は、外部環境がユーザインターフェースと相互作用できるように構成され得る。ユーザインターフェースは、外部環境が、治療装置104によって行われるべき治療法を選択できるようにし得る。一部の実施形態では、ユーザインターフェースは、外部環境に対して、例えば、治療法の持続期間、治療法のタイプ、供給される減圧量、提供される点滴溶液量、容器の流体レベル、またはカートリッジの流体レベルなどの情報を表示し得る。
【0028】
治療装置104はまた、1つ以上の圧力センサーを含み得る。圧力センサーは、例えば、ピエゾ抵抗歪みゲージ、静電容量センサー、電磁センサー、圧電センサー、光学センサー、または電位差測定センサーとし得る。一部の実施形態では、圧力センサーは、適用された圧力に起因する歪みを測定し得る。圧力センサーは、公知の量の歪みを、適用された公知の圧力と関連付けることによって、較正され得る。公知の関係を使用して、測定された歪みの量に基づいて、未知の適用された圧力を決定してもよい。一部の実施形態では、圧力センサーは、適用された圧力を受圧するように構成されたレセプタクルを含み得る。
【0029】
治療装置104はまた、1つ以上の弁を含み得る。一部の実施形態では、例えば、弁は、液溜めとドレッシング102との間で流体的に結合され得る。弁は、弁を通って流体が流れることを選択的に許すように構成された装置とし得る。弁は、弁を通って流体が流れることを防止するまたは許すように動作され得るボール弁、ゲート弁、バタフライ弁、または他の弁のタイプとし得る。一般的に、弁は、流路を有する弁本体と、流路に配置されかつ流路を選択的に遮断するように動作可能な弁部材と、弁部材を動作させるように構成されたアクチュエータとを含み得る。アクチュエータは、弁部材を、弁の流路を通る流体の流れを防止する閉鎖位置;弁の流体通路を通る流体の流れを許す開放位置;または選択された流量で弁の流路を通る流体の流れを許す計量位置に位置決めするように構成され得る。一部の実施形態では、アクチュエータは、オペレータによって動作されるように構成された機械的アクチュエータとし得る。一部の実施形態では、アクチュエータは、信号の入力の受信に応答して動作されるように構成された電気機械的アクチュエータとし得る。例えば、アクチュエータは、コントローラからの信号を受信するように構成された電気モータを含み得る。アクチュエータの電気モータは、信号に応答して、弁の弁部材を動かし得る。一部の実施形態では、弁は、治療装置104とドレッシング102との間の流体連通を選択的に許すように構成され得る。
【0030】
治療装置104はまた、1つ以上の流量計を含み得る。流量計は、流体の流量を測定するように構成された装置とし得る。流量計は、機械的流量計、圧力ベースの流量計、光学式流量計、開渠流量計、熱式質量流量計、渦流量計、電磁、超音波およびコリオリ流量計、ならびにレーザードップラー流量計を含み得る。流量計は、弁を通る流体の流量を決定し、かつ決定された流量に対応する信号をコントローラに送り得る。
【0031】
治療装置104はまた、治療装置104の構成要素、例えば弁、流量計、センサー、ユーザインターフェース、またはポンプなどに通信可能に結合された1つ以上のコントローラを含み、それらの動作を制御し得る。本明細書では、通信可能な結合は、構成要素間での信号の送信を可能にする、構成要素間の結合を指し得る。一部の実施形態では、信号は、離散的信号または連続信号とし得る。離散的信号は、ある期間内の特定の場合の値を表す信号とし得る。複数の離散的信号を使用して、ある期間にわたって変化する値を表し得る。連続信号は、期間の各場合の値を提供する信号とし得る。信号はまた、アナログ信号としてもまたはデジタル信号としてもよい。アナログ信号は、別の時変量を表す時変特徴を含む連続信号とし得る。デジタル信号は、一連の離散値で構成された信号とし得る。
【0032】
一部の実施形態では、コントローラと他の装置との間の通信可能な結合は、片方向通信とし得る。片方向通信では、信号は、一方向にのみ送信され得る。例えば、センサーは、コントローラに通信され得る信号を生成し得るが、コントローラは、センサーへ信号を送信できなくてもよい。一部の実施形態では、コントローラと別の装置との間の通信可能な結合は、双方向通信とし得る。双方向通信では、信号は、双方向に送信され得る。例えば、コントローラとユーザインターフェースとは通信可能に結合され得るため、コントローラは、ユーザインターフェースへ信号を送信しかつそこから受信し得る。同様に、ユーザインターフェースは、コントローラへ信号を送信しかつそこから受信し得る。一部の実施形態では、コントローラと別の装置との間の信号伝送は、装置を動作させるコントローラと呼ばれ得る。例えば、コントローラと弁との間の相互作用は、弁を動作させる;開放位置、閉鎖位置、もしくは計量位置に弁を配置する;または弁を開放する、弁を閉鎖する、もしくは弁を計量するコントローラと呼ばれ得る。
【0033】
コントローラは、例えば、プログラマブルロジックコントローラ、またはデータ処理システムなどの計算装置またはシステムとし得る。一部の実施形態では、コントローラは、1つ以上の装置、例えば、ユーザインターフェース、センサー、または流量計などからの入力を受信するように構成され得る。一部の実施形態では、コントローラは、入力、例えば電気信号などを、代替的なソースから電気ポートを通してなどで、受信し得る。
【0034】
一部の実施形態では、コントローラはデータ処理システムとし得る。プログラムコードを記憶および/または実行するのに好適なデータ処理システムは、システムバスを通して間接的にまたは直接メモリエレメントに結合された少なくとも1つのプロセッサを含み得る。メモリエレメントは、プログラムコードの実行の最中に用いられるローカルメモリと、大容量記憶装置と、実行中にコードが大容量記憶装置から検索される回数を削減するために、少なくともいくつかのプログラムコードの一時記憶を提供するキャッシュメモリとを含み得る。
【0035】
一部の実施形態では、コントローラは、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)とし得る。PLCは、1つ以上の入力を受信しかつ1つ以上の入力に応答して1つ以上の出力を送信するように構成されたデジタルコンピュータとし得る。PLCは、プログラムまたは操作命令を記憶するように構成された不揮発性メモリを含み得る。一部の実施形態では、不揮発性メモリは、バッテリバックアップに動作可能に結合され得るため、不揮発性メモリは、PLCが本来ならパワーを失う場合に、プログラムまたは操作命令を保持する。一部の実施形態では、PLCは、離散的信号および連続信号を受信しかつそれに応じて離散的信号および連続信号を生成するように構成され得る。
【0036】
治療装置104はまた、電源を含み得る。電源は、電気負荷に電力を供給する装置とし得る。電源は、例えばバッテリ、直流(DC)電源、交流(AC)電源、線形調整電源、またはスイッチモード電源を含み得る。電源は、例えば、コントローラ、センサー、流量計、弁、ユーザインターフェース、またはポンプに電力を供給し得る。
【0037】
マニホールド110などの組織インターフェースは、一般的に、組織部位に接触するように適合できる。組織インターフェースは、組織部位に部分的にまたは全体的に接触し得る。組織部位が創傷である場合、例えば、組織インターフェースは、創傷を部分的にまたは完全に満たすか、または創傷の上を覆って配置され得る。組織インターフェースは多くの形態をとってもよく、および様々な要因、例えば、施されている治療のタイプまたは組織部位の性質およびサイズなどに依存して、多くのサイズ、形状、または厚さを有し得る。例えば、組織インターフェースのサイズおよび形状は、深くて不規則な形状の組織部位の輪郭に適合され得る。
【0038】
一般的に、マニホールド110などのマニホールドは、例えば、組織部位にわたって流体を分配または除去するように適合された物体または構造である。マニホールドは、マニホールドの周りの組織部位に提供されかつそこから除去される流体を分配する複数の開口部を提供する流路または流れ経路を含み得る。説明に役立つ一実施形態では、流路または流れ経路は相互に接続されて、組織部位に提供されるまたはそこから除去される流体の分配の均一性を改善し得る。例えば、連続気泡発泡体、多孔性組織集合体、およびガーゼまたはフェルトのマットなどの他の多孔質材は、一般的に、流路を形成するように配置された構造要素を含む。液体、ゲル、および他の発泡体はまた、流路を含み得るか、または硬化して流路を含み得る。
【0039】
説明に役立つ一実施形態では、マニホールド110は、組織部位にわたって減圧を分配するように適合された連続気泡を有する多孔質発泡体パッドとし得る。発泡体は、疎水性または親水性の何れかとし得る。非限定的な一例では、マニホールド110は、連続気泡の網状ポリウレタン発泡体、例えばKinetic Concepts,Inc.(San Antonio、Texas)から入手可能なGranuFoam(登録商標)ドレッシングとし得る。
【0040】
マニホールド110が親水性材料から作製され得る例では、マニホールド110はまた、組織部位にわたって減圧を分配し続ける間に組織部位から流体を吸い上げ得る。マニホールド110のウィッキング特性は、毛細管流動または他のウィッキング機構によって組織部位から流体を引き出し得る。親水性発泡体の例は、ポリビニルアルコール製の連続気泡発泡体、例えばKinetic Concepts,Inc.(San Antonio、Texas)から入手可能なV.A.C.WhiteFoam(登録商標)ドレッシングである。他の親水性発泡体は、ポリエーテルから作製されたものを含み得る。親水性を示し得る他の発泡体は、親水性をもたらすように処理または被覆された疎水性発泡体を含み得る。
【0041】
組織インターフェースは、さらに、密閉された治療環境内の圧力が低下すると、組織部位における肉芽形成を促進させ得る。例えば、減圧がマニホールド110を通して適用される場合、マニホールド110の表面の何れかまたは全ては、凸凹した、粗い、またはギザギザしたプロファイルを有することがあり、組織部位において微小歪みおよび応力を誘発し得る。
【0042】
一実施形態では、組織インターフェースは、生体再吸収性材料で構成され得る。好適な生体再吸収性材料は、限定されるものではないが、ポリ乳酸(PLA)とポリグリコール酸(PGA)のポリマーブレンドを含み得る。ポリマーブレンドはまた、限定されるものではないが、ポリカーボネート、ポリフマレート、およびカプララクトン(capralactones)を含み得る。組織インターフェースは、新しい細胞増殖のための足場としての機能をさらに果たしてもよいし、または細胞増殖を促進するために組織インターフェースと足場材料が併せて使用されてもよい。足場は、一般的に、細胞増殖または組織形成を増進させるまたは促進するのに使用される生分解性または生体適合性の物体または構造体であり、例えば、細胞増殖のテンプレートを提供する三次元の多孔質構造体とし得る。足場材料の説明に役立つ例は、リン酸カルシウム、コラーゲン、PLA/PGA、コーラルヒドロキシアパタイト(coral hydroxy apatite)、カーボネート、または加工された同種移植片材料を含む。
【0043】
ドレープ108は、シール部材の例である。シール部材は、2つの構成要素間または2つの環境間、例えば治療環境と局所的な外部環境との間に流体シールをもたらし得る材料から構成され得る。シール部材は、例えば、所与の減圧源に関して減圧を組織部位において維持するのに適切なシールをもたらし得る不透過性または半透過性のエラストマー性フィルムとし得る。半透過性材料に関し、気体の透過性は、一般的に、所望の減圧が維持され得るように十分に低い必要がある。シール部材を取付面、例えば無傷の表皮、ガスケット、または別のシール部材に取り付けるために取付装置が使用され得る。取付装置は、多くの形態をとり得る。例えば、取付装置は、シール部材の周辺、一部分、または全体に延在する医学的に許容できる感圧接着剤とし得る。取付装置の他の例示的な実施形態は、両面テープ、糊、親水コロイド、ヒドロゲル、シリコーンゲル、オルガノゲル、またはアクリル接着剤を含み得る。
【0044】
容器112などの「容器」は、キャニスター、パウチ、ボトル、バイアル、または他の流体収集装置を広範に含む。容器112は、例えば、組織部位から取り出された滲出液および他の流体を管理するために使用し得る。一部の実施形態では、容器112は、容器112内の流体を管理するための物質、例えばイソライザー(isolyzers)または吸収剤などを含み得る。多くの環境では、流体を収集、貯蔵、および廃棄するためには剛性容器が好ましいとし得るかまたは必要とされ得る。他の環境では、流体は、剛性容器に貯蔵されていなくても、適切に廃棄され、かつ再使用可能な容器は、減圧療法に関連する廃棄物およびコストを削減し得る。
【0045】
カートリッジ114などの「カートリッジ」は、別の容器、キャニスター、パウチ、または他の貯蔵部品を表し、これは、組織部位に供給され得る点滴溶液などの流体を管理するために使用できる。多くの環境では、点滴溶液の送達、貯蔵、および供給には剛性容器が好ましいとし得るかまたは必要とされ得る。他の環境では、点滴溶液は、非剛性容器に提供され得る。再使用可能な容器は、点滴注入に関連する廃棄物およびコストを削減し得る。
【0046】
概して、減圧療法は、全ての重症度の創傷に有益とし得るが、減圧療法システムのコストおよび複雑さが、救急または慢性的な処置を受けている患者に存在する大きくて滲出が多い創傷、ならびに減圧を行わないと簡単には治癒しにくい他の重傷への、減圧療法の適用を制限することが多い。創傷への流体の点滴注入は、さらに、創傷の治癒を促進し得る。点滴注入は、例えば、創傷へ溶液をゆっくりと注入することを含み得る。溶液を使用して、創傷に水分を与え、創傷に暖かさまたは冷たさをもたらし、創傷に薬物を提供し、または創傷に別の物質を提供し得る。しばしば、点滴注入療法の各タイプは、所望の効果を達成するために、異なるタイプの点滴液(instillation fluid)を必要とし得る。例えば、第1のタイプの流体は、創傷に水分をもたらし得る。異なるタイプの流体は、創傷に薬物を供給し得る。創傷を治療するための異なる流体タイプを何度も必要とすることは、点滴注入療法を、実施するのに時間のかかるものとし得る。
【0047】
一部の患者では、減圧療法と点滴注入療法の双方を使用することを含む併用治療(combined treatment)によって、結果が改善され得る。組織部位の点滴注入または灌注ならびに減圧療法を提供する既存の治療システムは、使用および設定が複雑であり得る。組織部位に減圧および流体の双方を適切に適用するためには、多くの場合、複数のチューブ、クランプ、およびインターフェースが必要とされ得る。例えば、減圧療法および点滴注入療法の双方を有する治療システムを設定するために、両システムのための構成要素は、患者に近接して配置され得る。減圧療法部分は、組織部位から治療システムへ延在する少なくとも1つのチューブセットを必要とし得る。さらに、患者付近の床面積は、別個の収集容器によって取られ、この収集容器も、組織部位および/または治療装置の間に延びる別個のチューブセットを必要とし得る。
【0048】
点滴注入療法システムは、患者の近くに少なくとも1つの点滴静注用ポール(intravenous pole)が配置されることを必要とし得る。別の点滴静注用ポールは、追加的な治療装置を支持するために必要とされ得る。点滴静注用ポールから、少なくとも1つ、および多くの場合複数の点滴静注バッグ(intravenous bag)が吊るされ得る。点滴静注用ポールから吊るされた各バッグは、所望の効果を達成するように、組織部位に特定のタイプの点滴液を適用するために、異なるタイプの点滴液を入れていてもよい。各バッグは、バッグから治療装置へ通じかつ治療装置から組織部位へ通じる別個のチューブセットを必要とし得る。各バッグはまた、各チューブセットにクランプおよび弁を必要とし得る。治療システムに複数のバッグ、チューブセット、クランプ、および弁が追加されると、複雑さが増す。複雑さが増すことによって、介護者が設定にかける時間が長くなり、かつ治療法を実施する介護者が、間違った治療法を実施し得る可能性が高くなる。
【0049】
本明細書で説明するように、治療システム100は、複合型溶液ポンプおよび溶液貯蔵システムを提供することによって、これらの欠点などを克服することができる。さらに、治療装置104は、流体の容量供給に関する全ての構成要素を、単一の使い捨てアセンブリに配置し得る。使い捨てアセンブリが治療装置104と係合する場合、使い捨てアセンブリは、自動的に治療装置104とインターフェースし得る。
【0050】
図2は、治療装置104の斜視図であり、一部の実施形態に関連付けられ得る詳細を示す。治療装置104は、本体116などのベース部材と、パネル118などのユーザインターフェースパネルと、支持体120などのポール支持体とを有し得る。本体116は、治療装置104の構成要素を入れるように構成されたハウジング、容器、または他の部材とし得る。一部の実施形態では、本体116は内部空間を有し、そこに、例えばポンプ、チューブ、弁、エレクトロニクス、コントローラ、調整器、計量装置、またはセンサーが入れられ得る。装置は、上述のものと同様でありかつそのように動作し、減圧療法および/または点滴注入療法を提供し得る。本体116はまた、ハンドル115を含み得る。ハンドル115は、介護者が治療装置104を把持して運ぶことができるように構成された本体116の一部分である。
【0051】
一部の実施形態では、治療装置104は、カートリッジ114および容器112を含み得る。容器112およびカートリッジ114の双方とも、治療装置104に挿入し得る。一部の実施形態では、容器112およびカートリッジ114は、治療装置104の前方部に配置され得る。
図2に示すように、治療装置104は、チューブ107および継手123を含み得る。チューブ107は、カートリッジ114に近接して、治療装置104の前面から突出し得る。継手123は、チューブ107に流体的に結合され得る。
【0052】
図3は、治療装置104の側面図であり、一部の実施形態に関連付けられ得る追加的な詳細を示す。支持体120は、支持体、点滴静注用ポール、または他の装置に治療装置104を装着するように構成された装置とし得る。一部の実施形態では、支持体120は、例えば、ポール119などの点滴静注用ポールに装着するように構成され得る。支持体120はクランプ装置121を含み得る。一部の実施形態では、クランプ装置121は、ハンドルを有するネジ付きボルトとし得る。ボルトは支持体120にネジ込まれるため、クランプ装置121のネジ付きボルトの端部がポール119に押し付けられ得る。クランプ装置121は、支持体120に対してポール119を圧迫し、支持体120、および治療装置104が、ポール119に対して動かないようにし得る。他の実施形態では、支持体120は、治療装置104をポール119に固定するための他の装置、例えば、ラッチ機構、結束機構、または溶融機構などを含み得る。
【0053】
図4は、治療装置104の斜視図であり、一部の実施形態に関連付けられ得る追加的な詳細を示す。図示の通り、カートリッジ114が治療装置104から取り外されている。一部の実施形態では、治療装置104は、カートリッジレセプタクル122を含み得る。カートリッジレセプタクル122は、治療装置104の空洞または他の窪んだ部分とし得る。カートリッジレセプタクル122は、本体116の前面から本体116内に延在し得る。一部の実施形態では、カートリッジレセプタクル122は、少なくとも底面127、後面131、および側面133を有し得る。一部の実施形態では、底面127、後面131、および側面133は、互いに垂直である。一部の実施形態では、カートリッジレセプタクル122は、カートリッジ114を受け入れるように構成され得る。例えば、カートリッジレセプタクル122は、カートリッジ114がカートリッジレセプタクル122に少なくとも部分的に収まり得るようなサイズおよび形状を有し得る。一部の実施形態では、カートリッジ114およびカートリッジレセプタクル122は、カートリッジ114がカートリッジレセプタクル122に挿入される場合に、
図2および
図3に示すように、カートリッジ114の外面が、治療装置104の外面と同一平面となり得るようなサイズにされ得る。
【0054】
図4を参照して説明すると、一部の実施形態では、カートリッジレセプタクル122内の側面133にキー124が位置決めされ得る。一部の実施形態では、キー124は、側面133の高さの中間付近に配置され得る。キー124は、側面133の長さに等しい長さを有し得るため、キー124は、治療装置104の前面から後面131まで延在する。一部の実施形態では、キー124は、カートリッジレセプタクル122の側面133から突出し得る。一部の実施形態では、キー124はまた、開口部126を含み得る。開口部126は、カートリッジ114のはめ合い部品、例えばラッチなどを受け入れるように構成され得る。他の実施形態では、はめ合い部品は、例えば、チューブ部品、通気部品、感知部品、またはポンプ部品とし得る。
【0055】
一部の実施形態では、カートリッジレセプタクル122内にポンプヘッド128が位置決めされ得る。ポンプヘッド128は、底面127とキー124との間の側面133に位置決めされ得る。一部の実施形態では、ポンプヘッド128は、1つ以上のローラ129を備えるロータを有する回転排出形ポンプヘッドとし得る。上述の通り、ローラ129は、蠕動を使用してチューブセグメントに流体を通すようにチューブセグメントと係合するように構成され得る。ポンプヘッド128は、治療装置104の本体116内に配置された動作部品に結合され得る。一部の実施形態では、動作部品は、例えば、モータ、リンク装置、または電源を含み得る。ポンプヘッド128および関連の動作部品は、治療装置104の本体116内に配置され、かつパネル118に動作可能または通信可能に結合され得る。一部の実施形態では、パネル118は、ポンプヘッド128を作動するために介護者によって操作され、側面133に対して平行な平面においてポンプヘッド128を回転させ得る。上述の通り、ポンプヘッド128の回転により、点滴溶液をカートリッジ114から組織部位へ移動させ得る。
【0056】
図5は、カートリッジ114の斜視図であり、一部の実施形態に関連付けられ得る追加的な詳細を示す。
図6は、
図5のカートリッジ114の側面図である。カートリッジ114はキー溝113を含み得る。キー溝113は、カートリッジ114の窪んだ部分とし得る。一部の実施形態では、キー溝113は、カートリッジレセプタクル122のキー124を受け入れるように構成された形状を有するスロットまたはチャンネルとし得る。一部の実施形態では、キー溝113は、キー124に適合するように五角形を有し得る。キー溝113は、カートリッジ114の前面109からカートリッジ114の背面111まで延在し得る。
【0057】
カートリッジ114はまた、チューブハウジング117を含み得る。チューブハウジング117は、カートリッジ114の背面111からカートリッジ111の前面109まで延在する、カートリッジ114の窪んだ部分とし得る。チューブハウジング117は、カートリッジ114の前面109の近くに丸みを帯びた端部を有するほぼ矩形の凹部とし得る。チューブハウジング117の丸みを帯びた端部は、チューブ107に適合するような形状にされ得る。チューブ107は、カートリッジ114の内部に流体的に結合された端部105を有し得る。チューブ107はまた、エルボー103を有し得る。一部の実施形態では、エルボー103は、U字形状のエルボーとし得る。一部の実施形態では、チューブハウジング117は、ポンプヘッド128を受け入れるようなサイズとし得る。カートリッジ114がカートリッジレセプタクル122に挿入される場合、ポンプヘッド128はチューブ107と係合し、かつチューブ107を通る流体の蠕動運動のためにチューブハウジング117に対してチューブ107を圧迫するように動作可能とし得る。
【0058】
一部の実施形態では、カートリッジ114はまた、チューブチャンネル134を含み得る。チューブチャンネル134は、カートリッジ114の別の窪んだ部分とし、チューブハウジング117とカートリッジ114の底部との間に位置決めされ得る。一部の実施形態では、チューブチャンネル134は、カートリッジ114の前面109からカートリッジ114の背面111まで延在し得る。チューブチャンネル134は、チューブ107などのチューブの少なくとも一部分を収容するように構成され得る。一部の実施形態では、エルボー103がチューブ107の向きを変え得るため、チューブ107は、チューブハウジング117からチューブチャンネル134へ向かわされ、かつカートリッジ114の前面109から突出し得る。一部の実施形態では、チューブ107は、例えば、継手123などのユニオン継手に流体的に結合され得る。継手123は、チューブ107を組織部位に流体的に結合するように構成された装置とし得る。例えば、継手123は、組織部位に流体的に結合されたチューブに流体的に結合されるように構成され得る。
【0059】
動作中、カートリッジ114は、治療装置104に挿入され得る。カートリッジ114がカートリッジレセプタクル122に挿入される場合、キー124とキー溝113は位置合わせされ得るため、キー124はキー溝113に挿入され得る。キー124とキー溝113が位置合わせすることによって、チューブハウジング117とポンプヘッド128が位置合わせし得る。カートリッジ114が治療装置104のカートリッジレセプタクル122に十分に載置される場合、ポンプヘッド128はチューブ107と係合し得る。ポンプヘッド128の動作によって、チューブ107を通る流体を、カートリッジ114の内部から継手123を通って移動させ得る。
【0060】
図7は、カートリッジ214の立面図であり、一部の実施形態に関連付けられ得る詳細を示す。カートリッジ214は、治療装置、例えば治療装置204と係合するように構成され得る。一部の実施形態では、治療装置204は、治療装置104の構成要素と同様とし、かつそれらを含み得る。治療装置204は、カートリッジ214を受け入れるように構成され得る。例えば、治療装置204は、カートリッジ214を支持するように構成された棚232と、カートリッジ214の横移動を制限するように構成された1つ以上のリテーナ234とを含み得る。一部の実施形態では、カートリッジ214は、流体容器215およびキャリア216を含み得る。一般的に、流体容器215は、キャリア216とインターフェースし得る。キャリア216は、点滴注入療法を提供するために、流体容器215を治療装置204に固定するように治療装置204とインターフェースし得る。一部の実施形態では、キャリア216は、治療装置204の一体的な構成要素とし得る。他の実施形態では、キャリア216は、治療装置204の独立した構成要素とし得る。
【0061】
図8は、カートリッジ214の斜視図であり、一部の実施形態に関連付けられ得る追加的な詳細を示す。一部の実施形態では、流体容器215は、点滴液などの流体を受け入れかつ貯蔵するように構成された容器とし得る。一部の実施形態では、流体容器215は、詰め替え可能なボトルまたは他の装置とし得る。一部の実施形態では、流体容器215は、キャリア216と係合するように構成された、予め製造された流体容器とし得る。流体容器215は、開放端部と、開放端部に対向する閉鎖端部(図示せず)とを有し得る。流体容器215の開放端部は、キャップ、継手、または他の同様の装置を受け入れるように構成され得る。一部の実施形態では、流体容器215は、流体容器215の開放端部に結合されたポート218を有し得る。ポート218は、流体容器215の開放端部に結合されかつ選択的に開放されるように構成された装置とし得る。一部の実施形態では、ポート218は、シール217などのシールを含み得る。シール217は、流体容器215を別の装置または構成要素にシールするように構成された装置とし得る。シール217は、シール217を横断する流体の流れを防止するように構成されたゴムまたは他の材料などの材料で形成し得る。一部の実施形態では、シール217はOリングとし得る。一部の実施形態では、シール217は、ポート218の端部から切り離され得る。他の実施形態では、シール217は、ポート218の端部に近接し得る。
【0062】
キャリア216は、ベースハウジング220およびチューブハウジング226を含み得る。ベースハウジング220は、レセプタクル222と、レセプタクル222に配置された通気用スパイク224とを有する矩形体とし得る。レセプタクル222は、ベースハウジング220の中心に配置された凹部とし、ベースハウジング220の上部からベースハウジング220の底部の方へ延在し得る。図示の実施形態では、レセプタクル222はシリンダー状である。他の実施形態では、レセプタクル222は、他のサイズおよび形状を有し得る。一般的に、レセプタクル222は、ポート218と合うように構成されたサイズ、形状、および深さを有し得るため、ポート218はレセプタクル222に収まる。シール217は、ポート218がレセプタクル222に配置される場合、レセプタクル222にシールするように構成され得る。他の実施形態では、レセプタクル222は、キャリア216のベースハウジング220と係合するように他の流体容器の非特異的ポートがレセプタクル222に挿入され得るサイズ、形状、および深さを有し得る。
【0063】
一部の実施形態では、チューブハウジング226はベースハウジング220に結合し得る。チューブハウジング226は、ベースハウジング220の側面に結合されたC字形状のチャネル形状部片とし得る。一部の実施形態では、チューブハウジング226は、ベースハウジング220に垂直な壁を形成し、これは、レセプタクル222が形成されるベースハウジング220の表面を越えて上方に延在し得る。チューブハウジング226の内側部分は、ベースハウジング220から見て外方を向き得る。チューブハウジング226の上端部は、チャネル形状部片の2つの側壁213間にアーチ211を形成し得る。内側部分は、チャネル形状部片のアーチ211と2つの側壁213との間に配置され得る。一部の実施形態では、チューブハウジング226は、アーチ211に対向する開放端部を有し得る。
【0064】
チューブハウジング226の内側部分は、チューブ228を受け入れるように構成され得る。チューブ228は、第1の端部と、第1の端部に対向する第2の端部とを有し得る。チューブ228の端部は、チューブハウジング226の開放端部に近接し得る。一部の実施形態では、チューブ228は、チューブハウジング226のアーチ211に適合し得る。一部の実施形態では、チューブ228は、チューブ228の長さに沿って、チューブハウジング226の2つの側壁213およびアーチ211に接触し得る。チューブ228は、エルボー継手230を介してベースハウジング220に結合され得る。エルボー継手230は、レセプタクル222または通気用スパイク224および組織部位と流体連通し得る。
【0065】
図9Aは、キャリア216の断面図であり、一部の実施形態に関連付けられ得る追加的な詳細を示す。図示の通り、エルボー継手230およびチューブ228にエルボー227が流体的に結合され得る。エルボー227は、組織部位に流体的に結合され得る別のチューブ(図示せず)のための流体継手を提供し得る。治療装置204の動作に応答して流体容器215からチューブ228へ流れる流体は、エルボー継手230、エルボー227を通って、組織部位まで流れ得る。
【0066】
図9Bは、キャリア216の別の断面図であり、一部の実施形態に関連付けられ得る追加的な詳細を示す。
図9Bは、
図9Aのキャリア216の逆の断面図とし得る。ベースハウジング220は、レセプタクル222に対向する面からベースハウジング220に延在する継手空洞229を含み得る。一部の実施形態では、継手空洞229の主要寸法、例えば直径は、レセプタクル222の主要寸法よりも大きくし得る。一部の実施形態では、レセプタクル222および継手空洞229は同軸とし得る。
【0067】
一部の実施形態では、通気用スパイク224はレセプタクル222内に配置され得る。通気用スパイク224は、レセプタクル222の内表面から外側に延在し得る。一部の実施形態では、通気用スパイク224は、通気用スパイク224がレセプタクル222の表面に接合する個所に幅広部分を有し得、かつ通気用スパイク224の遠位端部にある狭小部分まで先細になる。通気用スパイク224は、流体容器215のポート218がレセプタクル222に挿入される場合に、ポート218を貫通するように構成され得る。例えば、流体容器215が逆にされてベースハウジング220のレセプタクル222に収められ、かつベースハウジング220が治療装置204に固定される場合、通気用スパイク224はポート218を破って通り得る。一部の実施形態では、通気用スパイク224は導管223を有し得る。導管223は、継手空洞229と流体連通し得る。一部の実施形態では、レセプタクル222は、エルボー233と流体連通する流体通路231を有し得る。エルボー233は継手230に流体的に結合され得るため、エルボー233はチューブ228と流体連通する。動作中、ポート218はレセプタクル222に収まり得るため、通気用スパイク224はポート218を破って通り、かつ導管223は流体容器215へ周囲大気圧が流れることを可能にし得る。通気用スパイク224は、通気用スパイク224に隣接する流体流路をポート218に形成し得る。流体は、流体容器215からポート218を通って、通気用スパイク224の周りのレセプタクル222まで流れ得る。流体は、治療装置204の動作に応答して、流体通路231を通ってエルボー233およびチューブ228まで流れ得る。周囲大気圧は、導管223を通って流体容器215まで流れ、治療装置204の動作中に流体容器215に真空を形成するのを防止し得る。
【0068】
図9Cは、キャリア216の断面図であり、他の実施形態に関連付けられ得る追加的な詳細を示す。他の実施形態では、通気用スパイク224の導管223は、エルボー225に流体的に結合され得る。エルボー225は、エルボー継手230に流体的に結合され得るため、エルボー225は、チューブ228と流体連通し得る。治療装置204の動作によって、流体を、流体容器215から通気用スパイク224の導管223を通って、エルボー225およびエルボー継手230を通って、チューブ228まで移動させ得る。さらに他の実施形態では、通気用スパイク224は複数のルーメンを含み、流体容器215の通気、および流体容器215における治療装置204までの溶液の流れの双方を可能にし得る。
【0069】
図9Dは、ポート218の平面図であり、一部の実施形態に関連付けられ得る追加的な詳細を示す。ポート218はチャンネル219を含み得る。チャンネル219は、通気用スパイク224によって破られるように構成されたポート218の領域とし得る。一部の実施形態では、チャンネル219は、引き裂き線221を含み得る。引き裂き線221は、通気用スパイク224がチャンネル219を穿刺する場合に、流体の流れのために開放するように構成されたポート218の複数の部分とし得る。一部の実施形態では、引き裂き線221は、ポート218にあるミシン目とし得る。
【0070】
図10は、治療装置204の側面図であり、一部の実施形態に関連付けられ得る追加的な詳細を示す。図示の通り、治療装置204からカートリッジ214が取り外されている。一部の実施形態では、治療装置204は、カートリッジレセプタクルおよびポンプヘッドを含み得る。カートリッジレセプタクルは、棚232およびリテーナ234によって形成され得る。棚232は、治療装置204から離れるように延在する治療装置204の一部分とし得る。棚232は、カートリッジ214が治療装置204と係合している間、カートリッジ214の少なくとも一部分を載置し得る場所を提供し得る。リテーナ234は、治療装置204の反対側から突出する治療装置204の細長い部分とし得る。リテーナ234は、カートリッジ214が治療装置204と係合する場合に、カートリッジ214の横移動を制限し得る。ポンプヘッド236は、上述のポンプヘッド128と同様の回転排出形ポンプヘッドとし得る。ポンプヘッド236は、カートリッジ214が治療装置204に係合される場合、チューブ228と係合するように構成され得るローラまたはローブ238を含み得る。ポンプヘッド236は、棚232に対して位置決めされ得るため、カートリッジ214が治療装置204に係合される場合、ポンプヘッド236およびローブ238はチューブ228と係合する。動作中、ポンプヘッド236は回転されて、流体を、通気用スパイク224またはレセプタクル222からチューブ228を通って組織部位まで流し得る。
【0071】
図11は、カートリッジ314の分解図であり、一部の実施形態に関連付けられ得る詳細を示す。カートリッジ314は、本体316および蓋318を含み得る。本体316は、図示の通り矩形を有する剛性部材とし得る。他の実施形態では、本体316は剛性でなくてもよく、および三角形、円形、または無定形など、他の形状を有してもよい。一部の実施形態では、本体316は、背面317および壁319を有し得る。本体316は、背面317および壁319によって形成された液溜め320を有し得る。蓋318は液溜め320を囲み得る。一部の実施形態では、液溜め320は、治療装置、例えば治療装置104または治療装置204と共に使用するための点滴溶液または他の流体を受け入れて貯蔵するように構成され得る。
【0072】
本体316は、本体316の壁319の1つにポート322を含み得る。一部の実施形態では、ポート322は、壁319の1つに取り付けるチューブ状体とし得る。ポート322は、壁319を通って延在する中心チャンネル323を有し得るため、チャンネル323は液溜め320と流体連通している。ポート322にキャップマウント324が結合され得る。一部の実施形態では、キャップマウント324は、ポート322に結合されたリムであり、キャップ326のための設置面を提供し得る。キャップ326はキャップマウント324に結合されて、ポート322を通した流体連通を防止し得る。キャップ326は、液溜め320の充填後にキャップマウント324に結合され得る。一部の実施形態では、キャップ326は、ネジ山が付けられても、接着剤で固定されても、または他の方法でキャップマウント324にラッチされてもよい。一部の実施形態では、キャップ326はヒートシールとし得る。ヒートシールは、液溜め320の充填後にキャップマウント324に溶接されたキャップとし得る。ポート322、キャップマウント324、およびキャップ326によって、製造者または薬剤師が液溜め320を充填してから、輸送のために液溜め320をシールできるようにし得る。
【0073】
蓋318は、液溜め320を形成するために本体316に取り付けてシールするように構成され得る。蓋318はポート328を含み得る。ポート328は、蓋318が本体316に装着される場合に液溜め320に延在するチューブ状体とし得る。ポート328は、液溜め320と流体連通するチャンネル329を含み得る。一部の実施形態では、ポート328にベントキャップ330が結合され得る。一部の実施形態では、治療装置104または治療装置204などの治療装置は、通気用スパイク332を含み得る。ベントキャップ330は、カートリッジ314が治療装置と係合するまで、ポート328を通る流体の流れを遮断し得る。
【0074】
蓋318はまた、ラッチ336を含み得る。ラッチ336は蓋318に配置され得るため、ラッチ336は、蓋318の、液溜め320とは反対側にある。ラッチ336は、治療装置上の対応する構成要素、例えば、治療装置104のキー124などとはめ合うように構成され得る。ラッチ336が、治療装置の対応する構成要素とはめ合う場合、ラッチ336はカートリッジ314を治療装置に固定する。このようにして、カートリッジ314は治療装置上にしっかりと位置決めされ得る一方で、治療装置は、液溜め320から組織部位へ点滴溶液または点滴液を点滴注入する。
【0075】
一部の実施形態では、蓋318にチューブアセンブリ338が結合され得る。チューブアセンブリ338は、第1のマウント340、第2のマウント342、およびチューブ344を含み得る。第1のマウント340は蓋318に結合され、かつ蓋318を通る流体流路を提供する1つ以上のチャンネルを含み得る。蓋318が本体316に装着される場合、これらチャンネルは液溜め320と流体連通し得る。第1のマウント340に第1のかかり348が結合され得る。第1のかかり348は、第1のマウント340のチャンネルと流体連通するチャンネルを有するチューブ状体とし得る。チューブ344は、少なくとも1つのルーメンを有する可撓性チューブとし得る。第1のかかり348は、チューブ344の第1の端部に挿入されるように構成され得るため、チューブ344は、第1のマウント340に流体的に結合され得る。チューブ344に保持カラー346が装着され得る。保持カラー346は、第1のかかり348が挿入されたチューブ344の部分の上を覆うように配置され得る。第1のかかり348がチューブ344の第1の端部に挿入される場合、チューブ344の第1の端部は膨張して、第1のかかり348に適合し得る。それゆえ、保持カラー346が、第1のかかり348が挿入されたチューブ344の部分の上を覆って配置される場合、保持カラー346はチューブ344に摩擦力を加え、チューブ344を第1のかかり348にクランプし得る。
【0076】
一部の実施形態では、第2のマウント342は蓋318に結合され、かつ蓋318を通る流体流路を提供する1つ以上のチャンネルを含み得る。蓋318が本体316に装着される場合、これらチャンネルは液溜め320と流体連通し得る。第2のマウント342に第2のかかり350が結合され得る。第2のかかり350は、第2のマウント342のチャンネルと流体連通するチャンネルを有するチューブ状体とし得る。第2のかかり350は、チューブ344の第2の端部に挿入されるように構成され得るため、チューブ344は第2のマウント342に流体的に結合され得る。チューブ344に保持カラー347が装着され得る。保持カラー347は、第2のかかり350が挿入されたチューブ344の部分の上を覆って配置され得る。第2のかかり350がチューブ344の第2の端部に挿入される場合、チューブ344の第2の端部は膨張して、第2のかかり350に適合し得る。それゆえ、保持カラー347が、第2のかかり350が挿入されたチューブ344の部分の上を覆って配置される場合、保持カラー347はチューブ344に摩擦力を加えて、チューブ344を第2のかかり350にクランプする。
【0077】
チューブ344は、第1のマウント340と第2のマウント342との間でアーチ状になり得るため、ポンプヘッド、例えば治療装置104のポンプヘッド128は、チューブ344の下側に配置されて、チューブ344と係合する。治療装置によって作動される場合、ポンプヘッド128は上述の通り蠕動式に係合し、組織部位と流体連通するために、流体を、液溜め320から第1のマウント340、チューブ344、および第2のマウント342を通って移動させる。
【0078】
第2のマウント342はまた、弁コネクタ352を含み得る。弁コネクタ352は、第2のかかり350を通して第2のマウント342およびチューブ344と流体連通し得る。弁コネクタ352は、組織部位と流体連通するチューブを受け入れるように構成され得る。一部の実施形態では、弁コネクタ352は、弁コネクタ352を通る流体の流れを選択的に遮断するように位置決め可能な弁部材を含み得る。一部の実施形態では、弁コネクタ352は逆止弁としてもよく、第2のマウント342からの流体の流れを可能にし、かつ弁コネクタ352を通って第2のマウント342までの流体の流れを遮断するように構成され得る。
【0079】
第2のマウント342はまた、第2のマウント342の外側に向く部分に結合された圧力ダイヤフラム354を含み得る。圧力ダイヤフラム354は、治療装置上の対応するセンサーと係合するように構成された装置とし得る。圧力ダイヤフラム354は、第2のマウント342の圧力を治療装置に伝え得る。一部の実施形態では、治療装置は、圧力ダイヤフラム354からの圧力信号を受信し、それに応答して、治療法を調整し得る。
【0080】
図12は、通気用スパイク332およびポート328の断面図であり、一部の実施形態に関連付けられ得る追加的な詳細を示す。通気用スパイク332は、円錐状部分333およびベース部分335を有し得る。円錐状部分333は、円錐状部分333を通って延在する中心チャンネル337を有し得る。円錐状部分333はベース部分335に結合され得る。円錐状部分333は、ベース部分335に隣接して幅広部分を有し得る。円錐状部分333は、ベース部分335から遠位端部まで先細になり得る。例えば、カートリッジ314が治療装置に係合される場合に、蓋318のベントキャップ330が通気用スパイク332に近接して配置される場合、円錐状部分333は、ベントキャップ330に貫通するように構成され得る。
【0081】
ベース部分335は、中心チャンネルを有するほぼチューブ状体とし、チャンネル内にフィルター334が配置され得る。フィルター334および中心チャンネル337は流体連通し得るため、流体は通気用スパイク332を通って流れ得る。ベース部分335は、第1のフランジ339および第2のフランジ341を含み得る。第1のフランジ339は、円錐状であり、通気用スパイク332から離れるように延在し得る。第1のフランジ339は、円錐状部分333のベースに隣接して通気用スパイク332に結合され得る。第2のフランジ341はベース部分335の中心に結合され得る。第2のフランジ341は、第1のフランジ339に近接して円錐面と、第1のフランジ339に対向して平面とを有し得る。
【0082】
一部の実施形態では、ポート328は、1つ以上の戻り止めを含み得る。例えば、ポート328は、第1の戻り止め343、および第2の戻り止め345を含み得る。第1の戻り止め343は、ベントキャップ330に近接してポート328の内部表面に配置された環状部材とし得る。第2の戻り止め345はまた、第1の戻り止め343と、ベントキャップ330の反対側のポート328の端部との間でポート328の内部表面に配置された環状部材とし得る。
【0083】
図13は、ポート328および通気用スパイク332の断面図であり、一部の実施形態に関連付けられ得る追加的な詳細を示す。
図13に示すように、第1のフランジ339および第2のフランジ341は、通気用スパイク332がポート328に挿入される場合、第1の戻り止め343および第2の戻り止め345と係合するように構成され得る。一部の実施形態では、円錐状部分333はベントキャップ330を刺して、通気用スパイク332を通ってベントキャップ330を横断する流体連通を可能にする。一部の実施形態では、通気用スパイク332は、液溜め320への周囲大気圧の流れの経路としての機能を果たし、治療装置の動作中の、液溜め320における真空の形成を防止し得る。
【0084】
図14は、ベントキャップ330の平面図であり、一部の実施形態に関連付けられ得る追加的な詳細を示す。ベントキャップ330はチャンネル331を含み得る。一部の実施形態では、チャンネル331は、ベントキャップ330のそれぞれの直径に平行に延在する十字を形成し得る。チャンネル331は、通気用スパイク332がポート328内に配置される場合、通気用スパイク332と位置合わせされ得る。チャンネル331は、ベントキャップ330の残りの部分よりも貫通されやすいベントキャップ330の一部分とし得る。一部の実施形態では、チャンネル331は、ベントキャップ330の残りの部分の厚さよりも厚さが薄いベントキャップ330の一部分とし得る。他の実施形態では、チャンネル331は、ベントキャップ330の残りの部分と比較して貫通されやすいチャンネル331を作製するように加工された、ベントキャップ330の一部分とし得る。
【0085】
図15は、治療装置304の側面図であり、一部の実施形態に関連付けられ得る追加的な詳細を示す。
図15に示すように、通気用スパイク332は治療装置304に結合され得る。一部の実施形態では、通気用スパイク332は治療装置304に位置決めされ得るため、カートリッジ314が治療装置304と係合される場合、通気用スパイク332はポート328と係合し得る。治療装置304はまた、ストライカー370を含み得る。治療装置304はまた、ストライカー370を取り囲む、窪んだ部分372を含み得る。一部の実施形態では、窪んだ部分372は、ラッチ336の少なくとも一部分を受け入れるように構成され得るため、ラッチ336とストライカー370は、カートリッジ314が治療装置304と係合する場合、互いに係合し得る。
【0086】
治療装置304はまた、1つ以上のローブ376を有するポンプヘッド374を含み得る。ポンプヘッド374は、ポンプヘッド128、およびポンプヘッド236に関して上述したものと同様としてもよく、かつその通り動作し得る。同様に、ローブ376は、ローラ129およびローブ238に関して上述したものと同様としてもよく、かつその通り動作し得る。一部の実施形態では、ポンプヘッド374は治療装置304に位置決めされ得るため、ポンプヘッド374は、カートリッジ314が治療装置304に係合される場合、チューブ344と係合し得る。治療装置304はまた、圧力センサー378を含み得る。圧力センサー378は、圧力ダイヤフラム354と係合して第2のマウント342の圧力を判断するように構成されたセンサーとし得る。一部の実施形態では、治療装置304はセンサー380およびセンサー382を含み得る。センサー380およびセンサー382は、カートリッジ314に含まれ得る任意選択的なセンサーと通信を行うように治療装置304に位置決めされ得る。
【0087】
図16は、蓋418の分解図であり、
図11のカートリッジ314の一部の実施形態に関連付けられ得る詳細を示す。蓋418は、蓋318と同様であり、かつその構成要素を、下記で説明するように修正して含み得る。蓋418は、ポート328と同様のポート428を含み得る。ポート428はポート328と同様に動作し得る。一部の実施形態では、上述の通り、ポート428は、通気用スパイク332を受け入れるように構成され得る。
【0088】
蓋418はまた、チューブアセンブリ438を有し得る。チューブアセンブリ438は、チューブ450および複数の継手440を含み得る。チューブ450は、蓋418に形成されたアパーチャ452を通過するように構成された第1の端部を有し得る。一部の実施形態では、アパーチャ452は、ポート428に近接した蓋418の端部に位置決めされ得る。一部の実施形態では、アパーチャ452は、蓋418の端部の窪んだ部分に配置され得る。一部の実施形態では、アパーチャ452は、チューブ450に適合する一方で、チューブ450に対してシールをもたらすようなサイズにされ得る。一部の実施形態では、チューブ450は、蓋418のアパーチャ452を通って液溜め320と流体連通し得る。チューブ450は、アパーチャ452から、アパーチャ452に対向する蓋418の端部まで延在するセグメント(図示せず)を含み得るため、チューブ450の端部は、液溜め320の底部に近接して配置され得る。チューブ450は、ポリエチレンの裏張りを有し得る。チューブ450をポリエチレンによって裏張りすることによって、液溜め320に貯蔵された流体との反応を低下させ得る。一部の実施形態では、追加的なチューブがポリエチレンによって裏張りされ得る。
【0089】
チューブアセンブリ438はまた、チューブ444、超音波検査セグメント446、ロードセルセグメント448、およびチューブ454を含み得る。一部の実施形態では、チューブ450は、継手440によってロードセルセグメント448に流体的に結合されるため、チューブ450内の流体はロードセルセグメント448に流れ得る。ロードセルセグメント448などのロードセルは、力を電気信号に変換するトランスデューサとし得る。ロードセルによって適用された力は、歪みゲージを変形させ、歪みゲージの電気抵抗を変化させ、それが、コントローラまたは他の装置によって、適用された力の量として解釈され得る。一部の実施形態では、ロードセルセグメント448は、治療装置上の対応するセンサーと通信を行うように構成され得る。例えば、一部の実施形態では、ロードセルセグメント448は、治療装置304上のセンサー380またはセンサー382と通信を行い得る。一部の実施形態では、ロードセルセグメント448は、蓋418を有するカートリッジ314が治療装置304と係合される場合、センサー380と通信を行うように構成され得る。流体がロードセルセグメント448を通って流れる場合、流体は、ロードセルセグメント448に力を加え、それにより、センサー380に、対応する信号を生成し得る。このようにして、治療装置304は、液溜め320に流体があるかどうかを判断し得る。一部の実施形態では、ロードセルセグメント448はまた、閉塞状況(遮断)を検出し得る。
【0090】
ロードセルセグメント448は、別の継手440を通してチューブ444に流体的に結合され得る。一部の実施形態では、継手440は、ロードセルセグメント448とチューブ444との間の継手440などのエルボー継手とし得る。チューブ444は、さらに別の継手440によって超音波検査セグメント446に流体的に結合され得る。チューブ444は、アーチを形成するように位置決めされ得るため、チューブ444は、治療装置304のポンプヘッド374などのポンプヘッドを受け取り得る。治療装置304によって作動される場合、上述の通り組織部位と流体連通するために、ポンプヘッド374は、蠕動式に係合して、流体を、液溜め320からチューブ444を通って移動させる。
【0091】
一部の実施形態では、超音波検査セグメント446は、液溜め320を監視するために超音波を使用するように構成された装置とし得る。超音波検査セグメント446は、治療装置304などの治療装置と通信を行うように構成され得る。例えば、蓋418を有するカートリッジ314が治療装置304と係合される場合、超音波検査セグメント446はセンサー382と通信を行い得る。超音波検査セグメント446はまた、閉塞状況(遮断)を検出し得る。
【0092】
超音波検査セグメント446は、別の継手440によって別のチューブ454に流体的に結合され得る。チューブ454は、超音波検査セグメント446に対向するチューブ454の端部に継手を有し得る。このようにして、チューブ454を使用して、蓋418を有するカートリッジ314をドレッシングおよび組織部位に流体的に結合し得る。
【0093】
蓋418は、蓋418に成形された凹部456を含む。凹部456は、チューブアセンブリ438の接続部に適合するような形状にされ得るため、チューブアセンブリ438は、蓋418の外面と同一平面となるか、または少なくとも部分的にそこから窪んでいる。凹部456の一部分は、治療装置304のポンプヘッド374などのポンプヘッドを受け入れるようなサイズにされ得るため、蓋418の外面は、カートリッジ314が治療装置304と係合される場合、治療装置と同一平面である。
【0094】
図17は、下記で説明するように修正された、治療装置104、治療装置204、または治療装置304などの治療装置と共に使用し得る、カートリッジ514の別の例示的な実施形態の立面図である。カートリッジ514は、多くの点で、カートリッジ114、カートリッジ214、およびカートリッジ314と同様とし得る。カートリッジ514は外殻516を含み得る。一部の実施形態では、外殻516は、丸みを帯びた端部と、丸みを帯びた端部に対向する扁平端部とを有する、少なくとも部分的に卵形とし得る。一部の実施形態では、丸みを帯びた端部は、治療装置の一部分と係合するように構成された下端部であり、カートリッジ514を治療装置に少なくとも部分的に固定する。外殻516はまた、切り欠き部521を含み得る。切り欠き部521は、扁平端部に近接した外殻516の一部分に形成された、成形された凹部とし得る。切り欠き部521は、治療装置に対して係合および係合解除するために、人がカートリッジ514を把持できるように構成されたハンドル部分を提供し得る。
【0095】
一部の実施形態では、外殻516は、外殻516の扁平端部を通るアパーチャ517を含み得る。アパーチャ517は、カートリッジ514の外部とカートリッジ514の内部との間に流体連通をもたらし得る。カートリッジ514はまた、ポート522を含み得る。説明に役立つ一部の実施形態では、ポート522にフィルターが配置されて、細菌、ウィルス、および他の望ましくない物質がカートリッジ514に入らないようにし得る。
【0096】
一部の実施形態では、カートリッジ514はまた、チューブアセンブリ338またはチューブアセンブリ438と同様とし得るチューブアセンブリ538を有し得る。チューブアセンブリ538は、好適なコネクタ、例えばエルボー540、およびチューブ544を有し得る。一部の実施形態では、チューブアセンブリ538は、ドレッシングへ結合するのに適し得る導管508に流体的に結合され得る。図示の通り、チューブ544は、レースウェイ546を横断して延在し得る。チューブアセンブリ538は、治療装置のポンプヘッドと係合するように構成されるため、ポンプヘッドは、上述の通り、カートリッジ514内に配置された点滴溶液を、チューブアセンブリ538および導管508を通って組織部位まで流すようにし得る。
【0097】
図18は、カートリッジ514の第2の側面の立面図であり、一部の実施形態に関連付けられ得る追加的な詳細を示す。一部の実施形態では、レースウェイ546は、回転排出形ポンプヘッドの周縁部(図示せず)を受け入れるように適合された外殻516内の空洞とし得る。一部の実施形態では、レースウェイ546は、マウント545の一部分とし得る。マウント545は、外殻516に結合されかつポンプヘッドを受け入れるようにチューブアセンブリ538を位置決めするように構成された装置とし得る。マウント545はまた、ラッチ506を含み得る。ラッチ506は、外殻516の扁平端部に隣接して位置決めされ得る。ラッチ506は、治療装置の一部分と係合してカートリッジ514を治療装置に固定するように構成され得る。
【0098】
図19は、カートリッジ514の断面図であり、一部の実施形態に関連付けられ得る追加的な詳細を示す。外殻516は、カートリッジ114の液溜め、流体容器215、および液溜め320と同様の液溜め520を形成し得る。一部の実施形態では、外殻516は、外殻516をマウント545に固定するための締結具527を受け入れるように構成された設置箇所523を含み得る。締結具527は、外殻516をシールして、設置箇所523を通る流体の漏れを防止し得る。
【0099】
カートリッジ514は、ポンプヘッドと係合しかつ相互作用するように位置決めされる。レースウェイ546は、半円形の空洞としてもよく、およびチューブ544は、空洞を横切って吊るされ得る。より特定の実施形態では、レースウェイ546は、約180度のアーチの空洞とし得る。例えば、チューブ544およびレースウェイ546は、回転排出形ポンプヘッドの周縁部と位置合わせされ、かつそれに配置され得る。それゆえ、チューブ544は、レースウェイ546とポンプヘッドの縁部との間に配置され得る。チューブ544は、ポンプヘッドによって、レースウェイ546に伸ばされて、押し付けられる。
【0100】
一部の実施形態では、ラッチ506は、治療装置のはめ合い部品と係合するように構成されたバネ仕掛けの機構とし得る。一部の実施形態では、ラッチ506は、例えば、ボタン機構、ネジ機構、クリップ機構、または摩擦係合機構を含み得る。一部の実施形態では、ラッチ506は、カートリッジ514に配置され、かつ、治療装置上の、例えばはめ合い要素、例えば切り欠き部、クリップ、またはネジ付きカップラーに係合し得る。
【0101】
図20は、治療装置504の側面図であり、一部の実施形態に関連付けられ得る詳細を示す。
図21は、治療装置504の部分的な正面図であり、一部の実施形態に関連付けられ得る追加的な詳細を示す。治療装置504は、治療装置104、治療装置204、および治療装置304と同様とし、本明細書で説明するように修正され得る。治療装置504の外のり寸法は、マウント545に近接したカートリッジ514の外のり寸法と同様とし得る。一部の実施形態では、カートリッジ514が治療装置504と係合する場合、治療装置504の縁部は、カートリッジ514の縁部と同一平面とし得る。一部の実施形態では、治療装置504は凹部505を含み得る。凹部505は、マウント545を受け入れるように構成された形状を有し得る。一部の実施形態では、凹部505は、治療装置504の扁平端部に近接して、ラッチ506に対する相手方部品を含んでもよく、この相手方部品は、ラッチ506に係合するように構成される。
【0102】
一部の実施形態では、治療装置504はまた、1つ以上のローブ509を有するポンプヘッド507を含み得る。ポンプヘッド507は、ポンプヘッド128、ポンプヘッド236、およびポンプヘッド374と同様とし得る。一部の実施形態では、ポンプヘッド507は、治療装置504の側面を含む平面に対して垂直に向けられ得る。このようにして、ポンプヘッド507は、治療装置504の凹部505から突出し得る。
【0103】
動作中、治療装置504はポンプヘッド507を回転させてもよく、およびポンプヘッド507の外周に取り付けられたローブ509は、チューブ544と循環的に係合しかつそれを圧縮し得る。ポンプヘッド507が回ると、圧縮下にあるチューブ544の部分が閉塞し、それにより、流体を、強制的にチューブ544を通るようにし得る。さらに、ローブ509の通過後にチューブ544が開放すると、流体は、液溜め520からポート522およびエルボー540を通ってチューブ544に引き入れられ得る。それゆえ、
図17〜21の説明に役立つ実施形態では、流体は、液溜め520の底部から循環的に引き入れられ、かつチューブアセンブリ538を通して導管508へ、上方へポンプでくみ上げられ得る。
【0104】
本明細書で説明したシステムおよび方法は、著しい利点を提供し、それらのいくつかについては既に説明した。例えば、治療システム100は、点滴静注用ポールに灌注バッグおよびボトルを掛けることに代えることによって、臨床医療環境での使いやすさの問題を最小限にする。システムは、溶液カートリッジを介して点滴溶液を提供し、それにより、点滴静注バッグと、装置の配置および装置の設定に関連する混乱とを最小限にする。さらに、システムは、キャニスターの設定および変更に必要な時間を短縮し得る。システムはまた、陰圧閉鎖療法装置による点滴溶液の容量供給(溶液カートリッジによる)を提供し得る。具体的には、システムは、回転排出形ポンプ(装置に配置された)が、点滴溶液を入れている使い捨てカートリッジに係合できるようにする。
【0105】
いくつかの説明に役立つ非限定的な実施形態を提示したが、添付の特許請求の範囲から逸脱せずに、様々な変更形態、代替形態、置換形態、および修正形態をなし得ることを理解されたい。何れか一つの実施形態に関連して説明された任意の特徴はまた、任意の他の実施形態にも適用可能であり得ることを理解されたい。
【0106】
上述の利益および利点は、一実施形態に関連し得ること、またはいくつかの実施形態に関連し得ることを理解されたい。「1つの(an)」品目への言及は、1つ以上のそれら品目を指すことをさらに理解されたい。
【0107】
本明細書で説明した方法のステップは、任意の好適な順序で、または適切な場合には同時に実施し得る。
【0108】
適切な場合には、上述の実施形態の何れかの特徴を、説明の任意の他の実施形態の特徴と組み合わせて、類似のまたは異なる特性を有しかつ同じまたは異なる問題に対処する別の例を形成し得る。
【0109】
好ましい実施形態の上述の説明は例示にすぎず、当業者は様々な修正形態をなし得ることを理解されたい。上述の明細書、例、およびデータは、本発明の例示的な実施形態の構造および使用の完全な説明を提供する。本発明の様々な実施形態を、ある程度詳細に、または1つ以上の個々の実施形態を参照して上記で説明したが、当業者は、特許請求の範囲から逸脱せずに、開示の実施形態に多数の修正形態をなすことができる。