特許第6424636号(P6424636)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 凸版印刷株式会社の特許一覧
<>
  • 特許6424636-収容容器 図000002
  • 特許6424636-収容容器 図000003
  • 特許6424636-収容容器 図000004
  • 特許6424636-収容容器 図000005
  • 特許6424636-収容容器 図000006
  • 特許6424636-収容容器 図000007
  • 特許6424636-収容容器 図000008
  • 特許6424636-収容容器 図000009
  • 特許6424636-収容容器 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6424636
(24)【登録日】2018年11月2日
(45)【発行日】2018年11月21日
(54)【発明の名称】収容容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 35/44 20060101AFI20181112BHJP
   B65D 47/06 20060101ALI20181112BHJP
【FI】
   B65D35/44 100
   B65D47/06
【請求項の数】6
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-3376(P2015-3376)
(22)【出願日】2015年1月9日
(65)【公開番号】特開2016-128332(P2016-128332A)
(43)【公開日】2016年7月14日
【審査請求日】2017年12月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100062225
【弁理士】
【氏名又は名称】秋元 輝雄
(74)【代理人】
【識別番号】100186060
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 大輔
(72)【発明者】
【氏名】野口 裕雄
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 慶太
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】馬場 奈三江
【審査官】 家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−523417(JP,A)
【文献】 特開2006−306414(JP,A)
【文献】 実開平7−19152(JP,U)
【文献】 実開昭55−27613(JP,U)
【文献】 特開2013−159392(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D35/44−35/54
B65D39/00−55/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
口頸部の上部に閉鎖板を配する容器本体と、前記口頸部に被せ付けられたキャップとからなり、前記キャップの天板から上方に向けてノズルが突出しているとともに、キャップの内側にはこのキャップの天板から前記口頸部の閉鎖板に向けて突出して前記ノズルと連通する突き刺し管が設けられていて、
キャップを下方に向けて押してキャップの天板を口頸部の閉鎖板に近付けるキャップの押し下げ操作と、口頸部に案内される降下を伴ないながら口頸部の外周回りにキャップを回してキャップの天板を口頸部の閉鎖板に合わせるキャップの開封方向回転操作とからなる容器開封操作で、前記突き刺し管が降下して閉鎖板を突き破り、容器本体と閉鎖板を貫通する突き刺し管とノズルとが連通して、容器本体内の収容液を注出可能にする収容容器において、
前記口頸部の外周はキャップの側壁の内側面が摺接可能に相対する円柱状面とされて、前記容器開封操作されるキャップの側壁が前記円柱状面に案内されて口頸部の上下方向と口頸部の周方向とに移動可能とされ、
前記円柱状面には、縦通路部とこの縦通路部の下部側方に繋がる斜め通路部とからなり、キャップの側壁の内側面に突設された突起を通す凹溝状の誘導路が設けられていて、
前記縦通路部は、キャップの突起が挿入できるように開放している上端から口頸部の上下方向での下方に向けて延設され、前記押し下げ操作されるキャップの突起を口頸部の上下方向での下方に案内して、前記突き刺し管が閉鎖板に非接触で近接する位置までキャップの押し下げ操作を可能にする通路であり、
前記斜め通路部は、前記縦通路部の下部側方に繋がる連続部分から口頸部の周方向に沿って下り傾斜し、前記開封方向回転操作されるキャップの突起を口頸部の周方向に沿って斜め下方に案内して、前記突き刺し管が閉鎖板を突き破ってキャップの天板が閉鎖板に接合する位置までキャップが降下するキャップの開封方向回転操作を可能にする通路であり、
縦通路部に繋がる斜め通路部の前記連続部分には、キャップの押し下げで縦通路部の下部に位置する突起との係脱可能な係合により、キャップの開封方向回転操作が可能なキャップに対する仮固定をして、突き刺し管を閉鎖板の近傍位置で非接触状態で一時停止させる第一位置決め手段が設けられ、
前記斜め通路部の終端部分には、キャップの開封方向回転操作で該終端部分に達した突起との係合により、キャップの開封方向回転操作における回転方向とは反対方向の回転を不能にして突き刺し管が貫通する閉鎖板とキャップの天板との接合状態を維持する第二位置決め手段が設けられていることを特徴とする収容容器。
【請求項2】
上記第一位置決め手段は、上記キャップの開封方向回転操作により縦通路部から斜め通路部に移動する上記突起が乗り越え可能に係止する凸部とからなる請求項1に記載の収容容器。
【請求項3】
上記第二位置決め手段は、上記キャップの開封方向回転操作により斜め通路部の終端部分に向けて移動する上記突起が乗り越え可能に係止して、且つ斜め通路部の終端部分に位置した突起に対して前記開封方向回転操作における回転方向とは反対方向への移動が不能となるように係止する凸部からなるものである請求項1または2に記載の収容容器。
【請求項4】
上記誘導路の縦通路部の上端側には、口頸部の上方から被せ付けられた上記キャップの突起がキャップの押し下げ操作により縦通路部の下部に向けて乗り越え可能に係止して、突き刺し管と口頸部の閉鎖板とを離れた状態に維持する凸部からなる第三位置決め手段が設けられている請求項1から3の何れか一項に記載の収容容器。
【請求項5】
上記第一、第二、第三位置決め手段のそれぞれに対して口頸部上下方向となる部分、または、第一、第二、第三位置決め手段のそれぞれに対して口頸部の周方向での側方となる部分の少なくとも何れかに、円柱状面が位置している請求項4に記載の収容容器。
【請求項6】
上記キャップの側壁の下端には、口頸部下である容器本体の上部外周面に及ぶ範囲まで側壁を延設して一部分に切り欠き状の表示窓を備えた延設部が設けられていて、前記容器本体の上部外周面における上記キャップの突起が誘導路の縦通路部に対応しているときの前記表示窓から表出する部分に、開封準備位置を示す表示手段と、キャップの突起が斜め通路部の終端部分に位置するときの前記表示窓から表出する部分に、開封完了位置を示す表示手段とが設けられている請求項1から5の何れか一項に記載の収容容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体、特に一回の注出で使い切りとなる少量の薬液等の液体を収容する容器に関するものである。
【0002】
従来から犬や猫などの体に巣食うノミを駆除するために一般の飼い主が使用する薬液にあっては、ペットの毛で覆われた皮膚などの要所(例えば、ペットが舐めて口に入ることのない頸の後ろなどの部分)に少量を滴下することで使い切りができるようにしている。
【0003】
このように少量の薬液を使い切りとする用途の容器としては、必然的に容量の小さい収容容器が採用されている。例えばシート成形された上面開放の容器本体に薬液を充填し、この容器本体の上面をアルミニウムシートや樹脂シートなどの蓋材で覆ってシールした形態の製品がある。この製品では容器本体に形成されている注出路の先端部分に成形シートを貫通しない溝状の弱化線部が予め設けられている。そして使用に際しては、前記注出路を弱化線部の位置で折って先端部分を開封し、犬、猫の毛を掻き分けて表われた皮膚に前記先端部分を近づけて薬液を滴下している。
【0004】
また、特許文献1に示されているように、薬液などの液体が充填されたボトルタイプやチューブタイプの容器であって、容器本体の口頸部の上面が薄肉部を備える閉鎖板で閉じられているとともに、口頸部に被せ付けるキャップにはその天面の下面に薄肉部を開くための破截栓を備えていて、キャップを口頸部に螺合させてキャップを下げることで破截栓が薄肉部を突き破って開封し、キャップを取り外して薄肉部を開いてなる開孔を通して収容液を注出できるようにした容器がある。
【0005】
同様に、特許文献2に示されている収容容器は、容器本体の口頸部の上面が薄肉部を備える閉鎖板で閉じられていて、口頸部に被せ付けたキャップを降下させることでそのキャップが備える突き刺し部分が薄肉部を破って開封する構成としている。この収容容器では、閉鎖板を貫通する突き刺し部分がそのキャップの天面から上方に凸のノズル部分と連通していて、容器本体から突き刺し部分とノズル部分とを通して収容液を注出できる。
【0006】
そして、上記特許文献2では、キャップの内側に保持溝を設けているとともに、キャップを被せ付ける口頸部には上部外周に張り出す押し縁を設けていて、保持溝に押し縁が係止する状態で口頸部に取り付けられて仮セットとなっているキャップを、保持溝から押し縁を外すようにして押し下げ、その押し下げ力を継続した状態でキャップを回転させ、キャップの内側に設けられているカム従動体を、口頸部の外周に形成されているリムの隙間を通してそのリムの下に回し込みさせ、続けてキャップを一方向に回転させるようにした容器も示されている。この容器では、キャップを一方向に回転させている途中において、前記隙間にカム従動体が通ることでキャップが下がり、このキャップの下がりによって突き刺し部分が薄肉部を破るようにしたものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4475495号公報
【特許文献2】特表2010−523417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、シート成形された小容器本体を蓋材で覆ってなる収容容器では注出路の部分を折って開封するものであるので、注出路の部分を折る作業をしたときに薬液が外に飛び出して、使用者の指先や犬猫の想定しない場所に薬液が付いてしまうと問題がある。また、弱化線部の折りによって切断形成される開口縁はその断面が尖った形状になり易く、その開口縁が直接犬猫の皮膚に当接することで皮膚を傷付ける可能性がある。
【0009】
上記特許文献1に示された容器においては、容器本体の口頸部の上部に筒状ストッパーを配してキャップを仮セットするようにしており、開封に際してはこの筒状ストッパーを取り外しからキャップをねじ込んだり、筒状ストッパーを押し下げながらキャップをねじ込んだりするものである。
【0010】
しかしながら、この特許文献1に示された収容容器では収容した液体を注出する場合にはキャップを取り外す必要があり、上述したような一回の使い切りで容器自体を破棄することとなる製品としては簡便さに欠けてしまう。さらに薄肉部を突き刺して形成する開孔の形状が円とはならず、収容液を注出する方向を定め難いという使い勝手の悪さが生じる。
【0011】
また、特許文献1の収容容器では、キャップを口頸部の外周に設けられている外ねじに螺合させて下がるようにしているが、容量が小さい製品ではキャップと容器本体の両方がかなり小さいものとなり、この小さなキャップを正しく回転させるようにするため、キャップを複数回回す操作の間は、どうしても容器本体を挟み込んで支える指先に不用意に力が入ってしまう。即ち、容量の小さな容器においてキャップを一回転以上回すような操作が必要な場合には、容器本体を指先で強く挟み込んでしまい、薄肉部が突き破られたときに収容液が飛び出す可能性がある。
【0012】
特許文献2では、上述したようにキャップの側壁の内側における中段辺りに位置する保持溝に口頸部の上部外周に位置する押し縁が嵌められることでキャップを仮セットした状態にし、この状態のキャップを押し下げてから、その手押しによる押し下げ力を継続した状態で回転させ、その回転操作の途中でキャップが降下して開封が行なわれるようにした点が示されている。
【0013】
しかしながら、上記収容容器にあってはキャップを単に回すという操作だけでは保持溝に押し縁が嵌り込んだ状態で空回転するだけであって、薄肉部を突き破るものとなっていない。そのため、キャップを押し下げながら回す必要がある。そして、小さなキャップに対して押し下げの力を加えながら正しく回転させる際、そのキャップを複数回まわす操作の間において容器本体を挟み込んで支える指先に力が入ってしまい、上記特許文献1での収容容器と同様に、薄肉部が突き破られたときに収容液が飛び出す可能性がある。
【0014】
そこで本発明は上記事情に鑑み、容量の小さな容器であって、容器本体の口頸部に被せ付けられたキャップを回すことで口頸部側の薄肉部を突き破られるようにした収容容器において、キャップを回転させるときに、キャップに対して直接的な手押しによる押し下げ力を加えること無しにそのキャップが安定的に降下して突き破りができるようにすることを課題とし、小型の収容容器であっても簡易な操作で開封が行なえるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(請求項1の発明)
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、口頸部の上部に閉鎖板を配する容器本体と、前記口頸部に被せ付けられたキャップとからなり、前記キャップの天板から上方に向けてノズルが突出しているとともに、キャップの内側にはこのキャップの天板から前記口頸部の閉鎖板に向けて突出して前記ノズルと連通する突き刺し管が設けられていて、
キャップを下方に向けて押してキャップの天板を口頸部の閉鎖板に近付けるキャップの押し下げ操作と、口頸部に案内される降下を伴ないながら口頸部の外周回りにキャップを回してキャップの天板を口頸部の閉鎖板に合わせるキャップの開封方向回転操作とからなる容器開封操作で、前記突き刺し管が降下して閉鎖板を突き破り、容器本体と閉鎖板を貫通する突き刺し管とノズルとが連通して、容器本体内の収容液を注出可能にする収容容器において、
前記口頸部の外周はキャップの側壁の内側面が摺接可能に相対する円柱状面とされて、前記容器開封操作されるキャップの側壁が前記円柱状面に案内されて口頸部の上下方向と口頸部の周方向とに移動可能とされ、
前記円柱状面には、縦通路部とこの縦通路部の下部側方に繋がる斜め通路部とからなり、キャップの側壁の内側面に突設された突起を通す凹溝状の誘導路が設けられていて、
前記縦通路部は、キャップの突起が挿入できるように開放している上端から口頸部の上下方向での下方に向けて延設され、前記押し下げ操作されるキャップの突起を口頸部の上下方向での下方に案内して、前記突き刺し管が閉鎖板に非接触で近接する位置までキャップの押し下げ操作を可能にする通路であり、
前記斜め通路部は、前記縦通路部の下部側方に繋がる連続部分から口頸部の周方向に沿って下り傾斜し、前記開封方向回転操作されるキャップの突起を口頸部の周方向に沿って斜め下方に案内して、前記突き刺し管が閉鎖板を突き破ってキャップの天板が閉鎖板に接合する位置までキャップが降下するキャップの開封方向回転操作を可能にする通路であり、
縦通路部に繋がる斜め通路部の前記連続部分には、キャップの押し下げで縦通路部の下部に位置する突起との係脱可能な係合により、キャップの開封方向回転操作が可能なキャップに対する仮固定をして、突き刺し管を閉鎖板の近傍位置で非接触状態で一時停止させる第一位置決め手段が設けられ、
前記斜め通路部の終端部分には、キャップの開封方向回転操作で該終端部分に達した突起との係合により、キャップの開封方向回転操作における回転方向とは反対方向の回転を不能にして突き刺し管が貫通する閉鎖板とキャップの天板との接合状態を維持する第二位置決め手段が設けられていることを特徴とする収容容器を提供して、上記課題を解消するものである。
【0016】
(請求項2の発明)
そして、本発明において、上記第一位置決め手段は、上記キャップの開封方向回転操作により縦通路部から斜め通路部に移動する上記突起が乗り越え可能に係止する凸部とからなることが良好である。
【0017】
(請求項3の発明)
また、本発明において、上記第二位置決め手段は、上記キャップの開封方向回転操作により斜め通路部の終端部分に向けて移動する上記突起が乗り越え可能に係止して、且つ斜め通路部の終端部分に位置した突起に対して前記開封方向回転操作における回転方向とは反対方向への移動が不能となるように係止する凸部からなることが良好である。
【0018】
(請求項4の発明)
また、本発明において、上記誘導路の縦通路部の上端側には、口頸部の上方から被せ付けられた上記キャップの突起がキャップの押し下げ操作により縦通路部の下部に向けて乗り越え可能に係止して、突き刺し管と口頸部の閉鎖板とを離れた状態に維持する凸部からなる第三位置決め手段が設けられていることが良好である。
【0019】
(請求項5の発明)
また、本発明において、上記第一、第二、第三位置決め手段のそれぞれに対して口頸部上下方向となる部分、または、第一、第二、第三位置決め手段のそれぞれに対して口頸部の周方向での側方となる部分の少なくとも何れかに、円柱状面が位置していることが良好である。
【0020】
(請求項6の発明)
また、本発明において、上記キャップの側壁の下端には、口頸部下である容器本体の上部外周面に及ぶ範囲まで側壁を延設して一部分に切り欠き状の表示窓を備えた延設部が設けられていて、前記容器本体の上部外周面における上記キャップの突起が誘導路の縦通路部に対応しているときの前記表示窓から表出する部分に、開封準備位置を示す表示手段と、キャップの突起が斜め通路部の終端部分に位置するときの前記表示窓から表出する部分に、開封完了位置を示す表示手段とが設けられていることが良好である。
【発明の効果】
【0021】
(請求項1の発明の効果)
請求項1の発明によれば、口頸部の外周に、キャップの側壁の内側面が摺接可能に相対する円柱状面が設けられ、その円柱状面に、キャップの側壁の内側面に突設された突起を容器開封操作するときの方向に案内する誘導路が設けられている。そして、その誘導路が、容器開封操作でのキャップの押し下げの方向に沿った方向に前記突起を案内する縦通路部とキャップの開封回転方向に沿った方向に案内する下り傾斜した斜め通路部とからなり、前記縦通路部に繋がる斜め通路部の連続部分に、容器開封操作での押し下げされるキャップの突き刺し管を閉鎖板の近接位置で非接触状態にして止まるようにするための第一位置決め手段が設けられ、また、斜め通路部の終端部分に、突き刺し管が閉鎖板を突き破った以降に開封方向回転操作の回転方向とは反対方向に回転しないようにするための第二位置決め手段が設けられている。
【0022】
このように誘導路が縦通路部と斜め通路部とからなるので、口頸部の閉鎖板をキャップの突き刺し管で突き破るに際し、縦通路部による案内の下でキャップを押し下げて開封準備とする操作では、キャップに対して下方のみに向けて力を加えるだけで良い。また、斜め通路部による案内の下でキャップを開封方向に回転させることでキャップが回転しながら下方に移動して突き刺し管にて閉鎖板を突き破り、その突き破り以降での開封方向回転が進まないように止めて開封完了に至る操作では、キャップに対してこれを回転させる力を加えるだけで良いものとなる。
【0023】
そして、収容容器を開封する際の操作が、誘導路の縦通路部に沿うときの下方のみに向けて力を加えるだけの操作と誘導路の斜め通路に沿うときの回転させる力を加えるだけの操作との二つの操作に明確に分けられ、これにより次の効果を奏する。
【0024】
即ち、従来の小容量の収容容器にあっては、上述したようにキャップに押し下げの力を加えながら同時に開封方向に回転させるという困難な力加減をキャップに確実に働かせるため、小さな収容容器のキャップがブレることのないように、小さな容器本体を強く挟み持つなどの必要があったが、本発明では下方のみに向けて力を加えるだけの操作の時点と回転させる力を加えるだけの操作の時点とに分けられることとなって、キャップに手押して押し下げる力を加えながら回転操作する必要がなく、小さな容器本体を強く挟み持っていたことによる従来の不具合(収容液の飛び出しなど)を生じさせない。
【0025】
キャップを誘導路の縦通路部の方向に沿って押し下げる段階は、キャップを容器本体に仮セットした状態(例えば、製品販売形態の状態)から開封準備の状態へ移行させる段階であり、そして、キャップの突起が縦通路部の下部に達してキャップのそれ以上の下方への移動を規制するので、収容容器を開封する使用者に開封準備段階に到達したことを知らせることができる。
【0026】
また、上記突起が連続部分に位置した状態のキャップから手を離した状態で、仮にそのキャップに他物がぶつかるなどして回転しかけたとしても、第一位置決め手段に突起が当接して簡単には斜め通路部へは移動せず、その開封準備段階でキャップが不用意な回転を防止できる。
【0027】
また、キャップの開封方向回転操作で斜め通路部に案内されてこの斜め通路の終端部分に位置する上記突起は、第二位置決め手段により開封方向回転操作のときの回転方向とは逆方向の移動を不能とされているので、仮に回転操作をしていないキャップに他物がぶつかってこのキャップを前記反対側に回す不用意な外力が加わったとしても、キャップがその逆方向に回転することがなく、閉鎖板を突き刺している突き刺し管がその閉鎖板から抜け出るのを確実に防止できる。
【0028】
そして、第二位置決め手段により突き刺し管が貫通している閉鎖板とキャップの天板とが接合している状態を維持するので、突き刺し管が突き刺し開封した部分からキャップ内に収容液が漏れ出るのを防止することができる。
【0029】
(請求項2の発明の効果)
請求項2の発明によれば、第一位置決め手段が、キャップを押し下げる操作を止めてキャップを開封方向に回転する操作をし始める際、キャップの突起が乗り越えることのできる凸部からなるものであるので、上述した不用意な回転を簡単な構造にて防止しつつ、手操作でキャップを開封方向に回転させるときには簡単にこのキャップを回転させることができる。よって、キャップの押し下げ操作からキャップの開封方向回転操作に操作が変わるときに、指先を一旦、キャップから離して持ち替えるなどして、押し下げ操作と開封方向回転操作とのそれぞれで使用者が行ない易い持ち方を実施できる。
【0030】
(請求項3の発明の効果)
請求項3の発明によれば、第二位置決め手段が、キャップを開封方向に回転してキャップの突起が斜め通路部の終端部分に達するときに、その突起が乗り越えることができる凸部からなるものであるので、キャップの開封方向回転操作をする使用者に対し、開封完了になることをキャップを回す際の抵抗として感じさせることができ、突起が斜め通路部を移動する全工程の間、不必要に大きな力でキャップを開封方向に回転させることを防止できる。
【0031】
(請求項4の発明の効果)
請求項4の発明によれば、縦通路部の上端側に、突き刺し管と口頸部の閉鎖板との間を離れた状態に維持する凸部からなる第三位置決め手段が設けられており、口頸部に被せ付けるキャップの突起を第三位置決め手段に当接させることで、未使用前の収容容器において口頸部に対するキャップの仮取付ができ、キャップの不必要な押し下げを防止できる。
【0032】
(請求項5の発明の効果)
請求項5の発明によれば、第一位置決め手段、第二位置決め手段それぞれに対して上方または下方となる部分には、キャップの側壁が摺接可能に相対する円柱状面が存在しており、また、前記手段それぞれに対して口頸部の周方向での側方となる部分にもキャップの側壁が摺接可能に相対する円柱状面が存在しているので、キャップを押し下げたり一方向に回転させて第一、第二位置決め手段の部分を突起が通過するときに、キャップが容器中心軸に対して傾くようなブレを生じかけても、キャップの側壁の内面が円柱状面に摺接するので、キャップの傾きが抑えられてブレを生じさせず、押し下げ操作や開封方向回転操作が適正にして無用な力を要すること無しに行なえるという効果を奏する。
【0033】
(請求項6の発明の効果)
請求項6の発明によれば、表示窓から開封準備位置を示す表示手段が表われていることを目視確認すれば、誰でも突き刺し管が貫通せずに閉鎖板の上に位置している状態であることを把握でき、また、表示窓から開封完了位置を示す表示手段が表われていることを目視確認すれば、やはり誰でもが突き刺し管が閉鎖板を貫通して収容液を注出できる状態であることも把握でき、突き刺し管による閉鎖板の非貫通および貫通を視覚的に簡単に認識できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明に係る収容容器の実施例を斜め上方から見た状態で示す説明図である。
図2】実施例を示すもので、(イ)は正面から見た状態を示す説明図、(ロ)は側方から見た状態を示す説明図である。
図3】実施例のキャップを示すもので、(イ)は上方から見た状態で示す説明図、(ロ)は側方から見た状態で示す説明図、(ハ)は縦断面を示す説明図である。
図4】実施例における未シール状態の容器本体を示すもので、(イ)は上方から見た状態で示す説明図、(ロ)は口頸部の誘導路の斜め通路部を正面に位置させて見た状態を示す説明図、(ハ)は口頸部の誘導路の縦通路部を正面に位置させて見た状態を示す説明図である。
図5】口頸部の誘導路とキャップの突起の移動とを示すもので、(イ)は口頸部の外周を展開した状態で示す説明図、(ロ)は誘導路の縦通路部を縦断面で示す説明図である。
図6】容器開封操作におけるキャップの側壁と口頸部とを平断面と縦断面とで示すもので、(イ)はキャップの仮取付の状態を示す説明図、(ロ)は開封準備位置にキャップが位置した状態を示す説明図、(ハ)は斜め通路部に突起が位置している状態を示す説明図、(ニ)は開封完了位置にキャップが位置した状態を示す説明図である。
図7】口頸部より大径の胴部を有する他の実施例を斜め上方から見た状態で示す説明図である。
図8】他の実施例におけるキャップを縦断面で示す説明図である。
図9】他の実施例における未シール状態の容器本体を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
つぎに本発明を図1から図9に示す実施例に基づいて詳細に説明する。図中1は一回の注出で使い切る薬液の収容などに用いる容量が小さい小型の収容容器で、図1図3に示すように、この収容容器1はチューブタイプの容器本体2とキャップ3とを組み合わせたものである。容器本体2は、開孔を有しない閉鎖板4で閉じられた口頸部5と、この口頸部5の下部にその口頸部5の外径に外径寸法を同じにして一体に連続するチューブ状の胴部6とからなり、胴部6の下方から収容液を充填した後にその胴部6の下端縁をヒートシールして封止している。胴部6の部分は柔軟性を有していて、後述するように口頸部5側を開封してから胴部6を指先で挟み持って潰すように押すことで、収容液を口頸部5の開封された部分を通して送り出すことができる。
【0036】
(キャップ 図3
容器本体2の口頸部5に被せ付けるキャップ3は、そのキャップ3の天板7の中央から容器の中心線の方向に沿って上方に向けて突出するノズル8を有しているとともに、天板7の下面には天板7の中央から収容容器1の中心線aの方向に沿って口頸部5の閉鎖板4の中心部分に向いた突き刺し管9が突出していて、この突き刺し管9がノズル8と連通している。前記ノズル8の先端部分はその外面が略球面を呈するように形成されており、本収容容器を犬猫などの皮膚に薬液を滴下する容器として使用する場合に先端部分が皮膚に当たっても傷を付けないように、また、鋭さを無くして視覚的な安心感を使用者側が持つように図られている。さらに、突き刺し管9の下端は尖頭形状にしていて、中心線aに対して傾斜してその中心線aを中心にして対称とされた二つの刃面を有する刃部10が形成されている。
【0037】
また、キャップ3の筒状とされている側壁11の内周面12は口頸部5の外周に相対していて、後述する口頸部5の外周の面に側壁11の内側面12が摺接可能となるように、キャップ3の側壁11の部分における内径が口頸部5の外形より僅かながら大寸とされている。なお、図において、側壁11の内側面12が口頸部5の外周の面に摺接となる点を表現するために両者の間に隙間が存在する状態で示されているが、本収容容器はノズル先端から胴部下端までの寸法が50mm程度の小型容器であって、前記隙間は極めて狭いものであり、この隙間の存在によってキャップ3が口頸部5に対してガタ付きのある状態で被せ付けられるものではない。
【0038】
上記側壁11の内側面12にはキャップ径方向にして対となる突起13がキャップ中心に向けて突設している。キャップ3は、側壁11の最下部が口頸部5の外周の上部側に掛かるように被せ付ける仮取付の時でもその被せ付けした状態が安定するように設けられている。そしてその側壁11の最下部が口頸部5の外周の上部側に掛かるときに、前記突起13が口頸部5の外周の上縁部分に位置するように突起13の突設している高さ位置が設定されている。(図6イ参照)
【0039】
(容器開封操作)
本実施例の収容容器1の容器開封操作は、キャップの押し下げ操作とこのキャップの押し下げ操作の後に行なうキャップの開封方向回転操作との二操作からなるものである。キャップの押し下げ操作は、キャップ3の側壁11の最下部が口頸部5の外周の上部側に掛かるように被せ付けした上記仮セットの状態で、そのキャップ3を下方(容器高さ方向での下方)に向けて押して、キャップ3の天板7を口頸部5の閉鎖板4に近付ける操作である。このキャップの押し下げ操作では、上記突き刺し管9は閉鎖板4に近接するだけであって、閉鎖板4を貫通しないように設けられている。(図1においてキャップの押し下げ操作でのキャップ3に対する操作方向を矢印Aで示し、キャップの開封方向回転操作でのキャップ3に対する操作方向を矢印Bで示した。)(図6参照)
【0040】
また、上記キャップの開封方向回転操作は、キャップ3を口頸部5の外周回りでの一方向である開封方向に回す操作であり、後述するように口頸部5に案内される形でのキャップ3の降下を伴ないながらキャップ3を口頸部5の外周回りでの開封方向に回して、キャップ3の天板7を口頸部5の閉鎖板4が合わされる。そして、このキャップの開封方向回転操作で突き刺し管9が閉鎖板4を突き破るように設けられている。このキャップの押し下げ操作とキャップの開封方向回転操作との容器開封操作がスムーズに行なわれるように口頸部5に以下の工夫が施されている。(図6参照)
【0041】
(容器本体口頸部 図4図5
口頸部5において、この口頸部5の上部を閉じる閉鎖板4の中央には薄肉部14が設けられていて、上記突き刺し管9が前記薄肉部14を突き破って閉鎖板4を貫通することで、その突き刺し管9が容器本体の内部と連通し、充填されている収容液を突き刺し管9とノズル8を通して注出できる。なお、図4の(イ)において胴部6はヒートシールした状態が仮想線示されており、また(ロ)と(ハ)とにおける容器本体はヒートシール前の状態で示されている。
【0042】
また、口頸部5の外周は、上記閉鎖板4が位置して塞いでいる上面の高さ位置から一段下がった位置から口頸部5の下端位置に亘る範囲を、前記閉鎖板4が位置している部分より大径とされ、この部分をキャップ3の側壁11の内側面12が摺接可能にして相対する円柱状面15としていて、キャップ3が押し下げられるときや口頸部5の外周回りに回るときに、側壁11の内側面12が円柱状面15に摺接可能となる状態で、側壁11が円柱状面15に案内されながら口頸部5の上下方向や周方向に移動し、キャップ3が本収容容器の中心線a(口頸部の中心線)に対して傾くこと無しに適正に移動できるように設けられている。
【0043】
(誘導路 図4
また、上記円柱状面15には、キャップの押し下げ操作をするときにキャップ3が下方に向けて移動するように案内し、キャップの開封方向回転操作をするときには降下を伴ないながらキャップ3が開封方向に向けて回転するように案内するための誘導路16が、口頸部5の中心を間にして対にして配置されている。前記誘導路16は側壁11の突起13を通す凹溝状に設けられていて、縦通路部17とこの縦通路部17の下部側方に繋がって連続する斜め通路部18とからなるものである。
【0044】
(縦通路部)
縦通路部17は、その上端20を、口頸部5の上面高さ位置より一段下がって上記突起13を乗せ置き可能とされた段部19の位置としており、図示されているように上方に向けてテーパー状に開いて突起13が挿入できる形状とし、この開いた上端20から口頸部5の上下方向での下方に向けて延設され、下部21は突起13を受け止めるストッパーとして機能する。前記上端20の部分を後述のように押し下げ操作で通過する突起13は、その突起13の高さ寸法分で移動した後に直ぐに下部21で受け止められるようにしており、図5に示すようにこの縦通路部17の下方への長さは長くない。
【0045】
そして、この縦通路部17は、口頸部5に被せ付けられたキャップ3の突起13が上端20で停止している状態からそのキャップ3を上方から押してキャップの押し下げ操作をする際に前記突起13を下方に向けて案内して、突き刺し管9の刃部10が閉鎖板4の薄肉部14に非接触で近接する位置までキャップの押し下げ操作を可能にする通路である。即ち、キャップの押し下げ操作は開封準備をする操作であり、押し下げ操作が行なわれて突起13が縦通路部17の下部21に到達すれば、突き刺し管9が閉鎖板4の薄肉部14に接近して止まるように図られている。(図6ロ参照)
【0046】
(斜め通路)
斜め通路部18は、上記縦通路部17の下部側方に繋がる連続部分22を始端部分とするとともに、この連続部分22から口頸部5の周方向であって開封方向に沿って下り傾斜し、口頸部5の下部に近付く最下部を終端部分23としている。図示されているように斜め通路部18それぞれの終端部分23は、他方の誘導路16における縦通路部17の下方位置までには到達していない。本実施例においては、上記縦通路部17の中心から前記斜め通路18の終端部分23の中心までの角度は180度に至らないものとしている。即ち、後述するようにキャップ3を開封方向に回転させる角度は180度に至らないように設定されていて、例えば145度程度とすることが可能である。図5(イ)では突起13が縦通路部17に位置しているときを0度、突起13が斜め通路部18に入るときを25度、突起13が斜め通路部18の途中にあるときを90度、終端部分23に位置するときを145度として示しており、示された角度はキャップの回転の角度である。
【0047】
そして、この斜め通路部18は、縦通路部17の下部に突起13が位置している状態でキャップ3の開封方向に回し、前記突起13を口頸部5の周方向に沿って斜め下方にして上記終端部分23まで案内し、終端部分23に達した突起13が周方向での奥壁に当接することで、突起13の開封方向に沿った方向の移動を停止させるキャップの開封方向回転操作を可能にした通路である。
【0048】
上記斜め通路部18に突起13を案内させてキャップを回転させるキャップの開封方向回転操作では、キャップ3が口頸部5の上下方向での下方に向けての降下を伴なって回転するものであり、キャップの押し下げ操作からキャップの開封方向回転操作に操作が変わることで、上記薄肉部14に近接していた突き刺し管9が回転しながら降下して薄肉部14を突き破り、キャップ3の天板7が閉鎖板4に接合する位置までキャップ3が降下する。(図6ハ、ニ参照)
【0049】
天板7と閉鎖板4との接合は、突起13が斜め通路部18の終端部分23に入り込むようにキャップ3を回転させる段階で行なわれ、突起13が終端部分23に位置することで天板7が閉鎖板4を密に塞いで、突き刺し管9の貫通で形成された開孔から収容液が天板7と閉鎖板4との間を通って漏れ出ないように設けられている。
【0050】
本収容容器1ではキャップ3が仮取付されているときは突起13が段部19に乗っているが、キャップ3が不用意に回転して、縦通路部17の上端20の部分に突起13が位置したとしても止めされてキャップ3が降下しないように、さらに正規の押し下げ操作で縦通路部17に突起13が下りた状態のキャップ3が上方に抜け出ないように図られている。また、縦通路部17の下部21に突起13が位置するとき(開封準備の状態となるとき)に仮止めされてその突起13が斜め通路部18側に移動することとなるキャップ3の回転が不用意に行なわれないように、そして斜め通路部18の終端部分23に到達した突起13がその終端部分23から抜け出るキャップ3の逆方向の回転が生じないようにするための工夫が設けられている。
【0051】
(第一位置決め手段 図4
図示されているように縦通路部17の下部側方に繋がる連続部分22に第一位置決め手段24が設けられている。この第一位置決め手段24は連続部分22内の立面から外方に向けて突出した凸部である縦の突堤25からなり、連続部分22内で口頸部5の上下方向に亘って形成されている。そして、この第一位置決め手段24は、キャップ3を押し下げで縦通路部17の下部21に位置する突起13とで係脱可能な係合関係を形成することのできる部分である。
【0052】
上記第一位置決め手段24が縦通路部17の下部側方に繋がる前記連絡部分22に位置していて、キャップ3の開封方向の回転により縦通路部17から斜め通路部18に移動しかける突起13が乗り越え可能に係止するとともに、一旦乗り越えた場合には戻り方向への移動しかける突起13には係止して戻りの移動を不能にしており、キャップの開封方向回転操作を可能にしてキャップ3が不用意には回転しないように仮固定の状態でキャップ3を開封準備の位置として位置決めをする。
【0053】
このようにキャップ3の不用意な回転が生じないように規制されており、突き刺し管9の上記薄肉部14の近傍位置で非接触にして一時停止している状態をより一層確実にするとともに、操作者がキャップの押し下げ操作をしたのちに軽く開封方向にキャップ3を回転させようとした場合にはその回転が止められるので、開封準備の段階であること(突き刺し管が薄肉部に近接位置している段階であること)を抵抗によって把握することができる。そして、手操作によるキャップの開封方向回転操作が行なわれれば、突起13は第一位置決め手段24の突堤25を乗り越えて斜め通路部18に進む。
【0054】
(第二位置決め手段 図4
斜め通路部18の終端部分23には、この終端部分23の奥壁に接したときの突起13の前位置となる部分にして第二位置決め手段26が設けられている。この第二位置決め手段26は斜め通路部18内の立面から外方に向けて突出した凸部である縦の突堤27からなり、終端部分23内で口頸部5の上下方向に亘って形成されている。そして、この第二位置決め手段26は、キャップの開封方向回転操作で終端部分23に達してからその終端部分23に位置する突起13とで係合関係を形成することのできる部分であって、斜め通路部18に案内されて終端部分23に向いて移動する場合の突起13が乗り越え可能とされ、逆に終端部分23に位置するときの突起13が、開封方向回転操作での回転方向とは逆方向に移動しかけた場合に係止することができる部分である。
【0055】
上記第二位置決め手段26は、図示されているように終端部分23における斜め通路部18に位置したときの突起13の前位置となる部分に位置していて、終端部分23に向けて移動する突起13が乗り越え可能に係止し、一旦乗り越えるとその先に進めることができないとともに、反対方向への移動も不能となるので、キャップ3が反対方向に回転しない状態となり、開封完了の位置として位置決めされる。
【0056】
このように開封完了の位置に回転が達したキャップ3に対して不用意な反対方向の回転が生じないように第二位置決め手段26にて規制されており、突き刺し管9が貫通して開孔が形成された状態となる閉鎖板4とキャップ3の天板7とが密に接合した状態がより一層維持されるようにする。また、キャップの開封方向回転操作で突起13が斜め通路部18を順方向に案内されて終端部分23に至る時点で、その突起13が第二位置決め手段26に達して乗り越え可能に係止する状態となることで、キャップ3を回す操作者側に開封完了の位置に近い角度までキャップ3を回転させている点を抵抗にて簡単に感じさせるようにしている。そして、手操作によるキャップの開封方向回転操作をさらに続けて行なうことで、突起13が第二位置決め手段26の縦の突堤27を乗り越えることとなり、開封完了位置へとキャップ3を移動させたことが感触にて簡単に把握できる。
【0057】
(第三位置決め手段)
上記縦通路部17の上端20の部分には第三位置決め手段28が設けられている。この第三位置決め手段28は、縦通路部17でのテーパー状に開いた上端20において狭められた部位の高さ位置にし、縦通路部17内の立面から外方に向けて突出した凸部である横の突堤29からなるものであり、口頸部5の周方向にして配置されている。そして、この第三位置決め手段28は、上述したように本実施例の収容容器1を口頸部5にキャップ3を上記仮取付(例えば、未使用製品の仮セット状態)した状態でそのキャップが不用意に回転して縦通路部17に突起13が対応位置したとしても、その突起13が縦通路部17に落ち込むような動きとならないようにする役割を有する部分であるとともに、キャップの押し下げ操作を行なって突起13が第三位置決め手段28を一旦乗り越えた後には、キャップ3が持ち上げられるなどして突起13が口頸部5の上方に向けて移動しかけても直ぐに係止してその戻りの移動を不能にしている。このように第三位置決め手段28は仮取付の時点で、仮に縦通路部17に対応位置してもその突起13が降下しないように前記上端20の部分で止まるようにしており、突き刺し管9の刃部10と上記閉鎖板4の薄肉部14とをある程度の離れた状態に維持することができる。
【0058】
(円柱状面 図5
上述したように口頸部5の外周は円柱状面15とされ、その円柱状面15においては対の上記誘導路16が口頸部5の中心線aを間にして径方向に相対する配置にされ、誘導路16の斜め通路部18それぞれも口頸部外周回りでの同方向にして斜め下方に向けて傾斜している。そのため、口頸部5の外周をその外周回りで展開した図5に示されているように、誘導路16ともう一つの誘導路16との間は口頸部外周回りに連続する円柱状面15とされている。
【0059】
また、口頸部5の上下方向において、誘導路16の縦通路部17の下方から口頸部5の下部位置までに亘って円柱状面5が位置している。さらに誘導路16の斜め通路部17の上部から誘導路16の上端となる高さの部分(即ち、円柱状面5の上縁部分)までに亘っても円柱状面15が配置されているとともに、この斜め通路部17の下部から口頸部5の下部までに亘っても連続する円柱状面15があり、斜め通路部17の終端部分23の下部から口頸部5の下部に亘っても同様に連続する円柱状面15がある。
【0060】
一方、キャップ3が口頸部5に取り付けられている何れの時点でもキャップ3の側壁11の内側面12が上記円柱状面15に対して摺接可能に相対する。まず、キャップ3の仮取付や、その仮取付後に突起13が上記第三位置決め手段28にて止まったときは、キャップ3の側壁11の下部側の内側面12(誘導路位置と重ならない部分の内側面の部分)が上記円柱状面15の上縁側となる部分に摺接可能に相対している。
【0061】
つぎに正規に突起13を縦通路部17の上端20に対応させ、そしてキャップ3を押し下げて突起13が縦通路部16を斜め通路部17の連続部分22が臨む下部まで移動させるキャップの押し下げ操作をするときも、誘導路16の位置と重ならない側壁11の内側面12が円柱状面15と摺接して、キャップ3を操作方向に案内する。
【0062】
つぎに縦通路部16の下部21に突起13が位置した開封準備の位置とされたキャップ3を開封方向に回転させるキャップの開封方向回転操作をして、上記第一位置決め手段24を突起13が乗り越え移動し、また、突起13が斜め通路部17に案内されて斜め下方に移動し、そして上記第二位置決め手段26を突起13が乗り越えて終端部分23に到達し、開封完了の位置でキャップ3の回転が止められるまでの間も、誘導路16の位置と重ならない側壁11の内側面12が円柱状面15と摺接して、キャップ3を操作方向に案内する。
【0063】
このようにキャップの押し下げ操作とキャップの開封方向回転操作との容器開封操作をしている何れの時点でも、上記円柱状面15にキャップ3の側壁11の内側面12が摺接して、側壁11も前記円柱状面15によって案内される形で操作方向に移動するので、キャップ3が口頸部5の中心線aに対して傾くようなキャップのブレを生じ難くなり、容器開封操作がスムーズになる。
【0064】
特に、口頸部5の外周を展開して表わしている図5に示されているように、上記第三位置決め手段28がある口頸部上下方向での高さ位置において、その第三位置決め手段28に対して口頸部5の周方向での側方となる部分に側壁11の内側面12が摺接する円柱状面15が位置しているとともに、上記第一位置決め手段24がある口頸部上下方向での高さ位置においては、その第一位置決め手段24に対して口頸部5の周方向での側方となる部分に円柱状面15が位置し、上記第二位置決め手段26がある口頸部上下方向での高さ位置においても、その第二位置決め手段26に対して口頸部5の周方向での側方となる部分に円柱状面15が位置しているので、突起13が各位置決め手段の突堤を乗り越えるときにキャップ3のブレを生じ易くなるのを抑制する。
【0065】
勿論、上記第一位置決め手段24に対して口頸部5の上下方向での上方及び下方となる部分にも上述と同様に側壁11の内側面12が摺接する円柱状面15が位置し、第二位置決め手段26に対して口頸部5の上下方向での上方及び下方となる部分にも円柱状面15が位置しているので、突起13が各位置決め手段の突堤を乗り越えるときのキャップ3のブレを抑制して、容器開封操作がスムーズになる。
【0066】
(表示窓)
本実施例において、キャップ3の側壁11の下端には、容器本体2の口頸部5の下である胴部6における上部外周面の高さ位置に及ぶ範囲まで側壁11を延設してなる延設部30が一体に設けられていて、この延設部30に一部分を切り欠くことで形成された切り欠き状の表示窓31を備えている。そして、胴部6の上部外周面における上記キャップ3の突起13が誘導路16の縦通路部17に対応しているときの表示窓31から表出する部分に、開封準備位置を示す表示手段32が設けられているとともに、突起13が斜め通路部18の終端部分23に位置するときの表示窓31から表出する部分に、開封完了位置を示す表示手段33とが設けられている。図6においてbは平断面での表示手段32及び縦通路部17の位置を示している。
【0067】
なお、表示手段32と表示手段33とは、胴部6の外表面に施された状態で互いの違いが目視にて簡単に区別できるものであることが好ましい。例えば、色違いの印刷によるマークとしたり、互いに形が相違するマークとすることが良好である。
【0068】
このようにキャップ3の側壁11は表示窓31を備えていて、口頸部5にキャップ3を被せ付けて表示窓31により上記表示手段32を表示させるようにキャップ3を合わせればキャップ3が開封準備位置に向いた角度でセットされていることを簡単に理解できる。さらにキャップの開封方向回転操作をして前記表示窓31から表示手段33が表われることを目視確認することで開封完了位置にキャップ3が達したことを把握できる。よって、容器開封操作をより確実に行なえるようになるものである。
【0069】
(突き刺し管刃部)
上述したようにキャップ3の突き刺し管9の刃部10を下方に凸となる尖頭形状としていて、キャップ3の中心軸に対し傾斜した刃面を二面にして対称に配置し、下方に突き出る対の刃先を突き刺し管9の径方向に対向した位置となるようにしている。そして、本収容容器1ではキャップの開封方向回転操作においては、そのキャップ3の180度未満の回転を行なう間で、突き刺し管9が降下して刃部10が閉鎖板4の薄肉部14に当接し、その薄肉部14を刃部10の先端がこじるように回転しながら降下して、突き刺し管9が閉鎖板4を貫通し、キャップ3の天板7が閉鎖板4に重ね合わされるまでの動作が行なわれるようにしている。
【0070】
このように薄肉部14に接触してこじるようにしながら押し切る対になった刃部10の下端部分それぞれが180度未満で回転し、対の切れ込みを薄肉部14に形成することとなり、さらに対の切れ込みの間の繋がり部分の何れかが突き刺し管9の突き抜けによって破断するようになる。そのため、薄肉部14の切れ片は千切れずに閉鎖板4に付いた状態で残ることになり、その切れ片が容器本体2の胴部6内に落ちないようになる。この点は、開封後の注出に際して切れ片が突き刺し管9の刃部10を塞いで注出し難くなるのを防止する上で有用である。
【0071】
(第二の実施例)
上述した実施例の収容容器1においては、チューブ形態とされた容器本体2の口頸部5の外径と胴部6との外径とを同じにし、胴部6の下端縁でヒートシールしているが、本発明は容器本体の口頸部と胴部との外径が同じものであることに限定されるものではない。図7から図9は第二の実施例として容量が若干大きい場合の例を示している。なお、図9においては未シールの状態の容器本体が示されている。
【0072】
第二の実施例においては容器本体2の口頸部5の外径より胴部6の外径が大きく、口頸部5の下部に肩部34を介して胴部6が連続している収容容器1である。そして、容器本体2における口頸部5の構成に関しては上記例と同じであって、口頸部5の外周である円柱状面15に対の誘導路16を備えていて、上記キャップの押し下げ操作とキャップの開封方向回転操作との容器開封操作が行なえるようにしている。
【0073】
キャップ3については、先の実施例においても側壁11の下端と延設部30との間となる位置に外方に張り出るフランジ35を設けて、開封後の注出操作などで生じた液垂れが容器本体側に及び難くしているが、この実施例についてもキャップ3の側壁11の下端に外方に張り出るフランジ35を備えている。そして、キャップ3はフランジ35の部分を胴部6よりさらに大径にして肩部34を覆うようにしながら張り出しの部分を有するようにしているとともに、フランジ35の張り出しの外縁より内側に入った下面位置から胴部6の上部外周面に沿うようにして延設部30が下垂している。さらに、その延設部30には容器開封操作に際して開封準備位置を示す上記表示手段と開封完了位置を示す表示手段とが表われるようにした表示窓31も上記実施例と同様に設けられている。
【0074】
上記フランジ35については液垂れが容器本体側に至らないようにする目的の他、開封後の収容容器1を卓上などの平板面に横にして置いたときに容器本体2の胴部6とこのフランジ35とが平板面に接地する形でキャップが上向き傾斜するようになり、キャップが下向きとなってノズル8から収容液が漏れ出るのを防ぐ役割も備える。
【符号の説明】
【0075】
1…収容容器
2…容器本体
3…キャップ
4…閉鎖板
5…口頸部
6…胴部
7…天板
8…ノズル
9…突き刺し管
10…刃部
11…側壁
12…側壁の内側面
13…突起
14…薄肉部
15…円柱状面
16…誘導路
17…縦通路部
18…斜め通路部
20…縦通路部の上端
21…縦通路部の下部
22…連続部分
23…斜め通路部の終端部分
24…第一位置決め手段
26…第二位置決め手段
28…第三位置決め手段
31…表示窓
32…開封準備位置を示す表示手段
33…開封完了位置を示す表示手段
35…フランジ
a…容器の中心線
A…キャップの押し下げ操作の方向
B…キャップの開封方向回転操作の方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9