(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下,本発明にかかる印刷装置を具体化した実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,複数の排紙トレイを備えたプリンタに本発明を適用したものである。
【0020】
[プリンタの構成]
本形態のプリンタ100は,
図1に示すように,シートに画像を印刷する画像形成部10と,印刷前のシートを収容し,シートを1枚ずつに分離して画像形成部10に給紙する給紙部11と,印刷済みのシートを収容する排紙収容部12とを備えている。さらに,プリンタ100内には,給紙部11から画像形成部10を経由して排紙収容部12へと至るシートの経路であるシート搬送路13が形成されている。
図1中でのプリンタ100によるシートの搬送方向は,概略,下から上向きである。
【0021】
画像形成部10は,電子写真方式によって画像を形成する。画像形成部10は,
図1に示すように,感光体51,帯電部52,露光部53,現像部54,転写部55,定着部56を有している。画像形成部10は,印刷部の一例である。
【0022】
画像形成時には,プリンタ100は,感光体51を,帯電部52によって感光体51の表面を帯電し,露光部53によって感光体51の表面を露光する。これにより,感光体51の表面上に印刷データに基づいた静電潜像が形成される。次に,プリンタ100は,現像部54によって静電潜像にトナーを供給し,感光体51上にトナー像を形成する。さらに,プリンタ100は,感光体51と転写部55との間を搬送されるシートに対して,転写部55によって,感光体51からトナー像を転写する。その後,プリンタ100は,シートに載ったトナー像を,定着部56によってシートに定着させる。
【0023】
給紙部11は,
図1に示すように,給紙トレイ111と分離部112とを備える。給紙部11は,給紙トレイ111上に収容されているシートを分離部112にて1枚ずつに分離し,シート搬送路13へ送出する。なお,
図1に示したプリンタ100は,1組の給紙トレイ111と分離部112とを備えているが,複数組を備えているプリンタであってもよい。
【0024】
排紙収容部12は,
図1に示すように,本体に設けられた排紙トレイである本体トレイ121と,本体に増設された排紙トレイ群で構成されるメールボックス120とを備え,画像形成部10にて印刷済みのシートを収容する。本体トレイ121は,画像形成部10の筐体の上側の外面に形成されている。メールボックス120は,画像形成部10の上部に取り付けられている。本形態のメールボックス120は,3段の排紙トレイ,すなわち,下から順に下段トレイ21と,中段トレイ22と,上段トレイ23とを有している。本体トレイ121と,下段トレイ21と,中段トレイ22と,上段トレイ23とは,いずれも,トレイの一例である。
【0025】
つまり,プリンタ100は,印刷済みのシートの排紙先となる排紙トレイを,計4箇所備えている。そして,プリンタ100は,印刷ジョブにて指定された排紙トレイ,あるいはプリンタ100が決定した排紙トレイへ,振り分けて排紙する。プリンタ100は,排紙先を振り分けて排紙するため,
図1に示すように,シート搬送路13に含まれる複数の分岐路と,シート搬送路13の各分岐点に配置される複数のフラッパとを有している。各フラッパは,分岐点における一方の経路の進入口を開放する開位置と,閉鎖する閉位置との間で,移動可能に取り付けられている。
図1中では,各フラッパについて,左側の位置が開位置であり,右側の位置が閉位置である。プリンタ100は,各フラッパの位置を制御することにより,シートを指定された収容箇所に排出する。
【0026】
具体的に,例えば,本体フラッパ24は,画像形成部10から本体トレイ121へシートを搬送する主路131と,メールボックス120へシートを搬送する副路132との分岐点に配置されている。つまり,副路132は,本体フラッパ24の位置で主路131から分岐している。本体フラッパ24を,
図1に実線で示すように,図中で左側の開位置として副路132への進入口を開放すれば,シートは,副路132へ進行する。一方,
図1に二点鎖線で示すように,本体フラッパ24を右側の閉位置として,副路132への進入口を閉鎖すれば,シートは,主路131に沿って本体トレイ121へと排出される。
【0027】
同様に,下段フラッパ25は,副路132と,下段トレイ21へ向かう分岐路133との分岐点に配置されている。つまり,分岐路133は,下段フラッパ25の位置で副路132から分岐する。また,中段フラッパ26は,副路132と中段トレイ22へ向かう分岐路134との分岐点に配置されている。つまり,分岐路134は,中段フラッパ26の位置で副路132から分岐する。そして,下段フラッパ25と中段フラッパ26とは,いずれも,副路132への進入口を開閉する。
【0028】
プリンタ100は,該当する分岐点より搬送方向について上流側のすべてのフラッパを開位置とした上で,下段トレイ21へシートを排出する場合には下段フラッパ25を閉位置とし,中段トレイ22へシートを排出する場合には中段フラッパ26を閉位置とする。なお,全フラッパを開位置とすると,シートは,副路132の終端に位置する上段トレイ23に排出される。
【0029】
図1に示している状態は,下段トレイ21へ排紙させる際の各フラッパ24〜26の位置であり,本体フラッパ24は開位置,下段フラッパ25は閉位置である。つまり,シートは,本体フラッパ24から副路132に進行し,下段フラッパ25によって下段トレイ21へ向かう分岐路133へ進行し,下段トレイ21に排出される。なお,中段フラッパ26は,
図1では開位置として示しているが,閉位置であってもよい。
【0030】
また,プリンタ100は,各排紙トレイ21〜23,121に,収容されているシートの束の高さが所定の高さより高い場合と,当該所定の高さより高くない場合と,で異なる信号を出力するスタックセンサ27〜29,122が設けられている。以下では,各排紙トレイに収容されているシートの束の高さを,各排紙トレイのシート高とする。
【0031】
上述の所定の高さは,該当する排紙トレイにおける収容可能な限界高さに近く,限界高さよりも低い高さである。所定の高さは,例えば,さらに数枚のシートを排出するとシート高が限界高さに達すると推定される高さである。排紙トレイに限界高さを超えてシートを排出すると,排出済みシートの押し出し,シートの破損,排出口のジャム等の可能性が高まる。そのため,プリンタ100は,各スタックセンサ27〜29,121の出力信号に基づいて,シート高が所定の高さより高い,つまり,限界高さが近づいたと判断した場合,該当する排紙トレイへのシートの排出を制限する。所定の高さは,排紙トレイごとに異なっていてもよい。
【0032】
具体的に,プリンタ100は,下段トレイ21に設けられた下段スタックセンサ27と,中段トレイ22に設けられた中段スタックセンサ28と,上段トレイ23に設けられた上段スタックセンサ29と,本体トレイ121に設けられた本体スタックセンサ122とを有している。下段スタックセンサ27と,中段スタックセンサ28と,上段スタックセンサ29と,本体スタックセンサ122とは,それぞれ,センサの一例である。
【0033】
下段スタックセンサ27は,例えば,
図2に示すように,下段トレイ21の収容空間の上方に回転可能に取り付けられた回転片271と,回転片271の所定角度以上の回転によって光路が遮断される光透過センサ272とを備える。下段トレイ21のシート高が所定の高さに達していない場合には,下段スタックセンサ27の回転片271は,
図2中に実線で示すように,自重によって光透過センサ272の光路を遮断しない位置となる。この状態で,下段スタックセンサ27は,下段トレイ21のシート高が所定の高さより高くないことを示す信号を出力する。以下,この信号を「非スタックフル信号」とする。
【0034】
下段トレイ21にシートが収容されると,シートによって下段スタックセンサ27の回転片271の一端が押し上げられることで回転片271が回転する。そして,下段トレイ21のシート高が所定の高さより高くなり,回転片271の回転角度が所定角度より大きくなると,
図2に二点鎖線で示すように,回転片271の他端によって,光透過センサ272の光路が遮断される。この状態で,下段スタックセンサ27は,下段トレイ21のシート高が所定の高さより高いことを示す信号を出力する。以下,この信号を「スタックフル信号」とする。また,排紙トレイにおいて,対応するスタックセンサから,シートを排出するタイミング以外のタイミングでスタックフル信号が出力されている状態を「スタックフル状態」とする。
【0035】
中段スタックセンサ28,上段スタックセンサ29,および本体スタックセンサ122は,いずれも,下段スタックセンサ27と同様の構成である。各スタックセンサ27〜29,122の出力信号が変化するシート高は,対応するトレイに設定された所定の高さである。
【0036】
[プリンタの電気的構成]
続いて,プリンタ100の電気的構成について説明する。プリンタ100は,
図3に示すように,CPU31と,ROM32と,RAM33と,NVRAM(不揮発性RAM)34とを含むコントローラ30を備えている。また,プリンタ100は,画像形成部10と,搬送モータ20と,前述したフラッパ24,25,26と,前述したスタックセンサ27,28,29,122と,通信IF(インターフェース)37と,操作パネル40とを備え,これらがコントローラ30に電気的に接続されている。
【0037】
ROM32には,プリンタ100を制御するための各種制御プログラムや各種設定,初期値等が記憶されている。RAM33およびNVRAM34は,各種制御プログラムが読み出される作業領域として,あるいは,データを一時的に記憶する記憶領域として利用される。RAM33は,記憶部の一例である。
【0038】
CPU31は,ROM32から読み出した制御プログラムに従って,その処理結果をRAM33またはNVRAM34に記憶させながら,プリンタ100の各構成要素を制御する。CPU31は,制御部の一例である。コントローラ30が制御部であってもよい。なお,
図3中のコントローラ30は,CPU31等,プリンタ100の制御に利用されるハードウェアを纏めた総称であって,実際にプリンタ100に存在する単一のハードウェアを表すとは限らない。
【0039】
搬送モータ20は,給紙部11に収容されるシートを画像形成部10を介して所定の排紙トレイに搬送する過程でシートの搬送に用いる各種のローラの駆動源である。なお,搬送ローラ20は,シートの搬送に用いる各種のローラの他,感光体51,現像部54の現像ローラ,転写部55の転写ローラ,定着部56の定着ローラ等,各種の回転体の駆動源を兼ねてもよい。
【0040】
通信IF37は,外部装置200と通信を行うためのハードウェアである。通信態様は,有線であっても無線であってもよい。有線の場合は,例えば,USBケーブル等,シリアル通信を行うためのシリアルIFであってもよいし,インターネット等,ネットワークと接続するためのネットワークIFであってもよいし,電話回線網と接続するためのモデムであってもよい。また,外部装置200は,例えば,パーソナルコンピュータ(PC)であってもよいし,スマートフォン等のモバイル装置であってもよいし,ファクシミリ装置であってもよい。
【0041】
操作パネル40は,液晶ディスプレイと,スタートキー,ストップキー,テンキー等から構成されるボタン群とを備え,ユーザに対する報知の表示と,ユーザによる指示入力の受け付けとを担う。
【0042】
[ソート印刷の概要]
続いて,本形態のプリンタ100におけるソート印刷について説明する。本形態のプリンタ100におけるソート印刷では,1ページ分の画像について,部数分の印刷を連続して行い,印刷物を排紙トレイ21〜23,121のうち部数分のトレイに振り分けて排紙する動作を,ページ数分繰り返す。すなわち,プリンタ100は,排紙トレイ21〜23,121のうち1つを排紙先としてシートの搬送を実行し,さらに次のシートの搬送前に,印刷する部数に応じた排紙順序に従って排紙先を別の排紙トレイに切り換えて,シートの搬送を実行する。なお,ソート印刷では,排紙トレイの総数よりも多い部数の設定は,エラーとする。
【0043】
図4は,プリンタ100が,3ページ分の画像を4部印刷する印刷ジョブを受信した場合の,排紙順を示している。同ページの排紙順序は,下段トレイ21,中段トレイ22,上段トレイ23,本体トレイ121,とする。この順序は,あらかじめプリンタ100のROM32に記憶されていてもよいし,ユーザが操作パネル40を介して設定してもよいし,ジョブに記憶されていてもよい。すなわち,同ページの排紙順序は,固定であってもよいし,可変であってもよい。
【0044】
この場合,プリンタ100は,先ず,印刷ジョブの実行を開始する段階で,下段トレイ21がスタックフル状態でなければ,
図4(A)に示すように,下段トレイ21を排紙先としてシートの搬送を実行し,1ページ目の印刷を行う(1)。その後,プリンタ100は,所定の排紙順序に従って,中段トレイ22がスタックフル状態でなければ,中段トレイ22を排紙先に切り換えてシートの搬送を実行し,同じく1ページ目の印刷を行う(2)。その後,プリンタ100は,所定の排紙順序に従って,上段トレイ23がスタックフル状態でなければ,上段トレイ23を排紙先に切り換えてシートの搬送を実行し,同じく1ページ目の印刷を行う(3)。その後,プリンタ100は,所定の排紙順序に従って,本体トレイ121がスタックフル状態でなければ,本体トレイ121を排紙先に切り換えてシートの搬送を実行し,同じく1ページ目の印刷を行う(4)。
【0045】
次に,プリンタ100は,
図4(B)に示すように,2ページ目の印刷として,所定の排紙順序に従って,下段トレイ21がスタックフル状態でなければ,下段トレイ21を排紙先に切り換えてシートの搬送を実行し,2ページ目の印刷を行う(5)。以後,2ページ目の残りの印刷として,中段トレイ22,上段トレイ23,本体トレイ121の順に排紙先を切り換えてシートの搬送を実行し,それぞれ2ページ目の印刷を行う(6),(7),(8)。
【0046】
次に,プリンタ100は,
図4(C)に示すように,3ページ目の印刷も同様に,所定の排紙順序に従って,下段トレイ21,中段トレイ22,上段トレイ23,本体トレイ121の順に排紙先を切り換えてシートの搬送を実行し,それぞれ3ページ目の印刷を行う(9),(10),(11),(12)。これにより,各排紙トレイ21〜23,121には,1ページ目から3ページ目までのページ順通りの印刷物の束が収容される。
【0047】
図5は,プリンタ100が,
図4と同様に3ページ分の画像を4部印刷する印刷ジョブを受信した場合であって,上段トレイ23に1ページ目の印刷物を出力したことで上段トレイ23がスタックフル状態になった場合の,排紙順を示している。
【0048】
この場合,プリンタ100は,
図5(A)に示すように,1ページ目の印刷は,
図4(A)と同様に,所定の排紙順序に従って,下段トレイ21,中段トレイ22,上段トレイ23,本体トレイ121の順に排紙先を切り換えてシートの搬送を実行し,それぞれ1ページ目の印刷を行う(1),(2),(3),(4)。
【0049】
次に,プリンタ100は,2ページ目の印刷では,
図5(B)に示すように,所定の排紙順序に従って,下段トレイ21,中段トレイ22の順に排紙先を切り換えてシートの搬送を実行し,それぞれ2ページ目の印刷を行う(5),(6)。その後,プリンタ100は,所定の排紙順序に従うと,上段トレイ23を排紙先に決定することになるが,上段トレイ23がスタックフル状態であるため,上段トレイ23に排紙できない。そのため,上段トレイ23への排紙および印刷をスキップする。すなわち,プリンタ100は,本体トレイ121を排紙先に切り換えてシートの搬送を実行し,2ページ目の印刷を行う(7)。つまり,2ページ目の排紙および印刷は,1ページ目よりも1回分少ない。
【0050】
次に,プリンタ100は,
図5(C)に示すように,3ページ目の印刷は,2ページ目の印刷と同様に,上段トレイ23への排紙および印刷をスキップして,下段トレイ21,中段トレイ22,本体トレイ121の順に排紙先を切り換えてシートの搬送を実行し,それぞれ3ページ目の印刷を行う(8),(9),(10)。これにより,スタックフル状態にならなかった各排紙トレイ21,22,121には,1ページ目から3ページ目までのページ順通りの印刷物の束が収容される。その後,プリンタ100は,上段トレイ23から印刷物が取り除かれるのを待つ。
【0051】
上段トレイ23から印刷物が取り除かれ,上段トレイ23のスタックフル状態が解除されると,プリンタ100は,未印刷のページの印刷を開始する。すなわち,プリンタ100は,
図5(D)に示すように,上段トレイ23を排紙先としてシートの搬送を実行し,2ページ目の印刷を行う(11)。さらには,
図5(E)に示すように,3ページ目の印刷を行う(12)。これにより,スタックフル状態になった上段トレイ23についても,スタックフル状態になった後のページ分について,ページ順通りの印刷物の束が収容される。
【0052】
[プリンタの印刷搬送処理]
続いて,プリンタ100の,前述したソート印刷の手順を含む印刷搬送処理について,
図6のフローチャートを参照しつつ説明する。印刷搬送処理は,印刷ジョブを受け付けたことを契機に,コントローラ30のCPU31によって実行される。この印刷搬送処理の開始条件となる印刷ジョブを受け付ける処理は,受付処理の一例である。
【0053】
なお,プリンタ100は,印刷ジョブを,通信IF37を介して外部装置200から受信してもよいし,操作パネル40を介してユーザの入力操作によって受け付けてもよい。また,プリンタ100は,排紙先となる順序のデフォルト値を,下段トレイ21,中段トレイ22,上段トレイ23,本体トレイ121,とし,当該順序を,NVRAM34に記憶しているものとする。
【0054】
印刷搬送処理では,コントローラ30は先ず,ソート印刷を行うか否かを判断する(S001)。ソート印刷を行うか否かは,あらかじめ操作パネル40を介してユーザによって入力された設定をNVRAM34に記憶し,当該設定をNVRAM34から読み出して判断してもよいし,印刷ジョブに設定されている場合には,その設定に基づいて判断してもよい。
【0055】
ソート印刷を行わない場合(S001:NO),コントローラ30は,ソート印刷以外の印刷動作を行う(S011)。ソート印刷以外の印刷は,従来技術であり,説明を省略する。なお,ソート印刷以外の印刷としては,例えば,所定の排紙トレイに連続して排紙するスタック印刷,部数指定が無い印刷ジョブの印刷,が該当する。S001の後は,印刷搬送処理を終了する。
【0056】
ソート印刷を行う場合(S001:YES),コントローラ30は,フラッパ24,25,26の初期位置として,全て開状態とする(S002)。S002の後,コントローラ30は,ソート印刷を行うソート印刷処理を実行する(S004)。
【0057】
図7は,S004のソート印刷処理の手順を示している。ソート印刷処理では,コントローラ30は先ず,ソート印刷に用いる各種の情報を初期化する(S100)。例えば,コントローラ30は,排紙トレイごとのページ番号情報を記憶する領域をRAM33に確保し,各ページ番号情報に含まれるページ番号を0に初期化する。このページ番号情報は,対応する排紙トレイについて,シートの搬送が制限されているか否かの判断,さらには印刷再開時のページ番号の判断,に用いられる。また,コントローラ30は,画像データを記憶する記憶領域の解放を禁止するためのフラグである画像消去禁止フラグを記憶する領域をRAM33に確保し,当該画像消去禁止フラグをオフにする。
【0058】
S100の後,コントローラ30は,印刷ジョブに設定されている部数を取得する(S101)。S101は,部数取得処理の一例である。
【0059】
S101の後,コントローラ30は,画像データを記憶するための記憶領域をRAM33に確保する(S102)。そして,コントローラ30は,印刷対象の画像データをページ単位で取得する(S103)。例えば,印刷ジョブの開始時には,1ページ目の画像データを取得する。取得した画像データは,S102にて画像データの記憶用に確保された記憶領域に記憶される。そして,コントローラ30は,S103にて取得した画像データの画像に基づいて,S101にて取得した部数分の印刷を行い,印刷物を各排紙トレイに振り分けるページ印刷処理を実行する(S104)。
【0060】
図8は,S104のページ印刷処理の手順を示している。ページ印刷処理では,コントローラ30は先ず,排紙先となる順序に従って,排紙先の排紙トレイにシートが搬送されるように,各フラッパを切り換える(S111)。例えば,印刷ジョブの開始時には,排紙先となる順序の,最初の排紙トレイが排紙先となる。本形態では,最初の排紙トレイが下段トレイ21であることから,コントローラ30は,本体フラッパ24を開位置,下段フラッパ25を閉位置,にそれぞれ切り換える。
【0061】
S111の後,コントローラ30は,排紙先の排紙トレイに対応するページ番号情報を読み出し,当該ページ番号情報に含まれるページ番号が0か否かを判断する(S112)。ページ番号情報に含まれるページ番号は,初期値が0であり,排紙トレイがスタックフル状態となって印刷ができなくなった場合に,スタックフル状態となったときのページ番号が記憶される。つまり,ページ番号情報に含まれるページ番号が0であれば排紙先の排紙トレイがスタックフル状態になっていないと判断でき,0以外の番号であればスタックフル状態になったと判断できる。
【0062】
ページ番号情報に含まれるページ番号が0の場合(S112:YES),コントローラ30は,排紙先の排紙トレイがスタックフル状態か否か,すなわち排紙先の排紙トレイに対応するスタックセンサからスタックフル信号が出力されているか否かを判断する(S113)。S113は,満杯判断処理の一例である。
【0063】
排紙先となった排紙トレイがスタックフル状態でなければ(S113:NO),コントローラ30は,搬送モータ30を含む搬送系にシートの搬送の実行を指示し,シートの搬送を開始させる(S114)。さらには,コントローラ30は,S103にて取得した画像データの画像を画像形成部10に形成させ,当該画像を,搬送されて来たシートに印刷させる(S115)。印刷されたシートは,排紙先の排紙トレイに排出される。
【0064】
一方,排紙先となった排紙トレイがスタックフル状態であれば(S113:YES),コントローラ30は,現在処理中の画像データのページ番号を,現在排紙先となっている排紙トレイに対応するページ番号情報のページ番号に記憶する(S121)。S121は,記憶処理の一例である。さらに,画像消去禁止フラグをオンに設定する(S122)。
【0065】
S115の後,あるいはS122の後,あるいはページ番号情報に含まれるページ番号が0以外の場合(S112:NO),コントローラ30は,部数分の処理が完了したか否か判断する(S116)。部数分の処理が完了していない場合(S116:NO),S111に戻り,コントローラ30は,排紙先となる順序に基づいて,次に排紙先となる排紙トレイにシートが搬送されるように,各フラッパを切り換え,S112以降の処理を行う。部数分の処理が完了した場合(S116:YES),ページ印刷処理を終了する。
【0066】
つまり,ページ印刷処理では,コントローラ30は,排紙先の排紙トレイがスタックフル状態でなければ,当該排紙トレイにシートを搬送し,現在処理中のページの画像を印刷する。一方,排紙先の排紙トレイがスタックフル状態であれば,当該排紙トレイへのシートの搬送および印刷をスキップする。また,ある排紙トレイがスタックフル状態となると,当該排紙トレイに対応するページ番号情報のページ番号に0以外が記憶されることから,次ページの画像データに対するページ印刷処理でも,当該排紙トレイに対するS112ではNOになり,シートの搬送および印刷がスキップされる。すなわち,S101にて取得された部数よりも,印刷が行われる数が少なくなる。従って,S112およびS121は,変更処理の一例となる。
【0067】
なお,スタックフル状態になった後,印刷物が取り除かれてスタックフル状態が解除されても,ページ番号情報のページ番号は0以外の番号が記憶され続ける。そのため,スタックフル状態が検知された排紙トレイについては,その後の排紙トレイの状態に関係なく,少なくとも全ページ分のページ印刷処理が完了するまでは当該排紙トレイへのシートの搬送および印刷がスキップされる。すなわち,当該排紙トレイ上にページ順序が異なる印刷物が排紙されることが回避される。
【0068】
図7の説明に戻り,S104の後,コントローラ30は,S103にて取得した画像データを消去可能か否かを判断する(S131)。具体的には,ページ印刷処理中に排紙トレイの1つでもスタックフル状態となれば,S112にて画像消去禁止フラグがオンに設定される。このことから,画像消去禁止フラグがオンであれば,部数分の印刷が完了していないと推測できるため,画像の消去を不可と判断する。一方,画像消去禁止フラグがオフのままであれば,部数分の印刷が完了していると推測できることから,画像の消去を可能と判断する。そして,画像を消去可能であれば(S131:YES),コントローラ30は,S103にて取得した画像データ用の記憶領域を解放する(S132)。
【0069】
S132の後,あるいは画像を消去不可であれば(S131:NO),印刷ジョブの最終ページ分の画像データについて,S103のページ印刷処理が完了したか否かを判断する(S133)。最終ページの画像データについてS103のページ印刷処理が完了していない場合(S133:NO),コントローラ30は,S102に戻り,次のページの画像データ用の記憶領域を確保し,S103以降の処理を行う。なお,S102からS133までの処理は,ソート印刷処理の一例である。
【0070】
最終ページの画像データについてS104のページ印刷処理が完了している場合(S133:YES),コントローラ30は,搬送系にシートの搬送の中止を指示し,シートの搬送を停止させる(S141)。
【0071】
S141の後,コントローラ30は,印刷ジョブの,全ページの画像の部数分の印刷が完了したか否かを判断する(S142)。具体的に,印刷を行わずにスキップした排紙トレイがあれば,画像消去禁止フラグがオンに設定されており,当該排紙トレイに対応するページ番号情報のページ番号に0以外が記憶されている。そのため,画像消去禁止フラグがオンである,あるいは0以外のページ番号が記憶されるページ番号情報が有る場合には,印刷ジョブの印刷が完了していないと判断できる。一方,画像消去フラグがオフである,あるいは0以外のページ番号が記憶されるページ番号情報が無い場合には,印刷ジョブの印刷が完了していると判断できる。
【0072】
印刷ジョブの,全ページの画像の部数分の印刷が完了している場合(S142:YES),ソート印刷処理を終了する。印刷ジョブの,全ページの画像の部数分の印刷が完了していない場合(S142:NO),コントローラ30は,未印刷分の印刷を行う印刷再開処理を実行する(S151)。
【0073】
図9は,S151の印刷再開処理の手順を示している。印刷再開処理では,コントローラ30は先ず,排紙トレイがスタックフル状態になった旨,さらには排紙トレイから印刷物を取り除く旨,のエラーを報知する(S201)。報知方法は,例えば,操作パネル40にメッセージを表示させてもよいし,音声ガイダンスを流してもよい。また,印刷ジョブの送信元の外部装置に,エラーが発生した旨の信号を送信してもよい。
【0074】
S201の後,コントローラ30は,スタックフル状態が解消されるまでの待ち時間を計時するためのタイマーを起動する(S202)。
【0075】
S202の後,コントローラ30は,スタックフル状態が解消された排紙トレイが有るか否かを判断する(S203)。スタックフル状態になった排紙トレイは,対応するページ番号情報のページ番号に0以外が記憶されており,S203では,そのような排紙トレイについて,スタックフル状態が解消されたか否か,すなわちそのような排紙トレイに対応するスタックセンサから非スタックフル信号が出力されているか否かを判断する。S203は,解除判断処理の一例である。
【0076】
スタックフル状態が解消された排紙トレイが無い場合(S203:NO),コントローラ30は,タイムアウトか否かを判断する(S204)。具体的にS204では,タイマーの計時時間が所定時間を経過した場合に,タイムアウトと判断される。タイムアウトではない場合(S204:NO),S203に戻り,コントローラ30は,スタックフルが解消した排紙トレイの有無およびタイムアウトの判断を繰り返す。
【0077】
一方,スタックフル状態が解消された排紙トレイが有る場合(S203:YES),コントローラ30は,当該排紙トレイについて,未印刷分のページの画像の印刷を行う残印刷処理を実行する(S211)。
【0078】
図10は,S211の残印刷処理の手順を示している。残印刷処理では,コントローラ30は先ず,スタックフル状態が解消された排紙トレイに対応するページ番号情報のページ番号を取得する(S251)。さらには,スタックフル状態が解消された排紙トレイにシートが搬送されるように,各フラッパを切り換える(S252)。
【0079】
S252の後,コントローラ30は,排紙先の排紙トレイがスタックフル状態か否かを判断する(S253)。排紙先の排紙トレイがスタックフル状態でなければ(S253:NO),コントローラ30は,S251にて取得したページ番号に対応する画像データを読み出して取得する(S254)。S254は,画像取得処理の一例である。
【0080】
S254の後,コントローラ30は,搬送モータ30を含む搬送系にシートの搬送の実行を指示し,シートの搬送を開始させる(S255)。さらには,コントローラ30は,S254にて取得した画像データの画像を画像形成部10に形成させ,当該画像を,搬送されて来たシートに印刷させる(S256)。印刷されたシートは,排紙先の排紙トレイに排出される。S256は,再印刷処理の一例である。
【0081】
S256の後,コントローラ30は,排紙先の排紙トレイについて,最終ページの処理が完了したか否か判断する(S257)。最終ページの処理が完了していない場合(S257:NO),S253に戻り,コントローラ30は,現在処理中のページ番号を1つ加算し,S254にて次のページの画像データを取得し,次ページの画像の印刷を行う。すなわち,同じ排紙トレイに対して,シートの搬送を繰り返す。
【0082】
最終ページの処理が完了した場合(S257:YES),スタックフル状態が解消された排紙トレイに対応するページ番号情報を初期化し,ページ番号に0を記憶する(S271)。これにより,当該排紙トレイに対する印刷が完了したと見做される。
【0083】
一方,排紙先の排紙トレイが再びスタックフル状態となった場合(S253:YES),コントローラ30は,排紙先の排紙トレイに対応するページ番号情報のページ番号を,現在処理中の画像データのページ番号に更新する(S261)。
【0084】
S261の後,あるいはS271の後,コントローラ30は,搬送系にシートの搬送の中止を指示し,シートの搬送を停止させる(S272)。S272の後は,残印刷処理を終了する。
【0085】
図9の説明に戻り,S211の後は,コントローラ30は,不要となったページの画像データを記憶する記憶領域を解放する(S212)。すなわち残印刷処理によって未印刷分のページの印刷が行われることから,部数分の印刷が完了するページが存在する可能性がある。そのようなページの画像データを記憶し続ける必要はないことから,当該画像データ用の記憶領域を解放する。具体的にS212では,各排紙トレイに対応するページ番号情報のページ番号のうち0以外の最小値を取得し,当該最小値よりも小さい番号のページに対応する画像データ用の記憶領域を解放する。なお,印刷ジョブの画像データ用に確保された全ての記憶領域が解放された場合には,コントローラ30は,画像消去禁止フラグをオフに設定する。
【0086】
S212の後,コントローラ30は,印刷ジョブの,全ページの画像の部数分の印刷が完了したか否かを判断する(S213)。S213の判断は,S142と同様である。印刷ジョブの,全ページの画像の部数分の印刷が完了していない場合(S213:NO),S203に戻り,コントローラ30は,スタックフルが解消した排紙トレイの有無およびタイムアウトの有無の判断を繰り返す。なお,S202まで戻り,タイマーをリセットしてからS203に移行してもよい。
【0087】
一方,タイムアウトの場合(S204:YES),コントローラ30は,未印刷分の印刷を行う必要が有るか否かを判断する(S221)。印刷の要否は,あらかじめ固定情報としてROM32に記憶させてもよいし,ユーザによって設定可能とし,その設定をNVRAM34に記憶させてもよい。また,S204にてYESとなる度に,ユーザに問い合わせてもよい。
【0088】
印刷が不要な場合(S221:NO),コントローラ30は,未印刷分の印刷を行わず,印刷ジョブの画像データ用に確保された記憶領域を全て解放する(S222)。印刷が必要な場合(S221:YES),コントローラ30は,印刷ジョブで使用されなかった排紙トレイである未使用トレイが有るか否かを判断する(S231)。S231は,トレイ判断処理の一例である。なお,スタックフル状態の排紙トレイは,印刷ジョブで使用されなかったとしても,未使用トレイに含まれない。未使用トレイが無い場合も(S231:NO),排紙先となる排紙トレイが無いことから,コントローラ30は,印刷ジョブの画像データ用に確保された記憶領域を全て解放する(S222)。一方,未使用トレイが有る場合(S231:YES),コントローラ30は,印刷ジョブの未印刷分の印刷を行って未使用トレイに排紙する全印刷処理を実行する(S232)。
【0089】
図11は,S232の全印刷処理の手順を示している。全印刷処理では,コントローラ30は先ず,未使用トレイにシートが搬送されるように,各フラッパを切り換える(S281)。そして,コントローラ30は,印刷ジョブの,全ページの画像の部数分の印刷が完了したか否かを判断する(S282)。S282の判断は,S142やS213と同様である。
【0090】
印刷ジョブの,全ページの画像の部数分の印刷が完了していない場合(S282:NO),コントローラ30は,未完了の排紙トレイの1つ,すなわち対応するページ番号情報に0以外のページ番号が記憶されている排紙トレイの1つを選択する(S290)。そして,選択された排紙トレイに対応するページ番号情報からページ番号を取得する(S291)。そして,コントローラ30は,当該ページ番号に対応する画像データを読み出して取得する(S292)。S292は,第2画像取得処理の一例である。
【0091】
S292の後,コントローラ30は,搬送モータ30を含む搬送系にシートの搬送の実行を指示し,シートの搬送を開始させる(S293)。さらには,コントローラ30は,S292にて取得した画像データの画像を画像形成部10に形成させ,当該画像を,搬送されて来たシートに印刷させる(S294)。印刷されたシートは,未使用トレイに排出される。S294は,第2再印刷処理の一例である。
【0092】
S294の後,コントローラ30は,排紙先の排紙トレイがスタックフル状態か否かを判断する(S295)。排紙先の排紙トレイがスタックフル状態でなければ(S295:NO),コントローラ30は,S290にて選択された排紙トレイについて,最終ページの印刷が完了したか否か判断する(S296)。最終ページの印刷が完了していない場合(S296:NO),現在処理中のページ番号を1つ加算し,S292に戻り,コントローラ30は,S292にて次のページの画像データを取得し,次ページの画像の印刷を行う。すなわち,未使用トレイに対して,シートの搬送を繰り返す。
【0093】
最終ページの印刷が完了している場合(S296:YES),コントローラ30は,S290にて選択された排紙トレイに対応するページ番号情報を初期化し,ページ番号に0を記憶する(S297)。これにより,当該排紙トレイに対する印刷が完了したと見做される。S297の後,S282に戻り,印刷ジョブの,全ページの画像の部数分の印刷が完了しているか否かを判断する。
【0094】
印刷ジョブの,全ページの画像の部数分の印刷が完了した場合(S282:YES),あるいは排紙先の排紙トレイがスタックフル状態となった場合(S295:YES),未使用トレイに印刷を行った旨を報知する(S283)。未使用トレイへの排紙は,ユーザの意図ではないことから,その旨をユーザに報知することで,未使用トレイへの排紙をユーザに認識させる。S283は,通知処理の一例である。S283の後,全印刷処理を終了する。
【0095】
図9の説明に戻り,S232の後,コントローラ30は,印刷ジョブの画像データ用に確保された記憶領域を全て解放する(S222)。S232の全印刷処理によれば,コントローラ30は,RAM33に記憶されている画像データの記憶領域を解放する前に,未使用トレイに未印刷分の印刷を行うことで,ユーザは印刷物を混載させることなく,印刷ジョブの印刷物を確実に取得できる。なお,タイムアウトとなった場合,ユーザが印刷物を直ぐに取り除く可能性が低い。そのため,印刷物の安全性を低下させない上では,S221にて印刷不要とし,全印刷処理を実行しない方が好ましい。
【0096】
印刷ジョブの,全ページの画像の部数分の印刷が完了した場合(S213:YES),あるいはS222の後,印刷再開処理を終了する。その後は,
図7に戻り,ソート印刷処理も終了する。
【0097】
以上詳細に説明したようにプリンタ100では,ソート印刷処理の実行中,スタックフル状態の排紙トレイが検出された場合,当該排紙トレイへの排紙を制限し,さらに部数を減らすことで,当該排紙トレイへの印刷がスキップされ,他の排紙トレイのソート結果への悪影響を回避できる。さらに,プリンタ100は,スタックフル状態の排紙トレイへの排紙を制限した際のページ番号を,当該排紙トレイと対応付けて記憶する。そして,ユーザが当該排紙トレイ上の印刷物を除去した等,当該排紙トレイがスタックフル状態でなくなった場合,プリンタ100は,記憶したページ番号以降の画像データを取得し,当該画像データの画像を印刷し,当該排紙トレイに排紙することで,スキップされた分の印刷が行われる。これにより,ユーザは目的の印刷物を全て取得できる。
【0098】
また,実施の形態のプリンタ100では,排紙先の排紙トレイがスタックフル状態になった場合に,当該排紙トレイへの排紙および印刷をスキップして,他の排紙トレイへの排紙および印刷を継続する。そして,排紙トレイのスタックフル状態が解除された際に,そのスキップされた分の印刷を行って印刷ジョブを完了させる。そのため,排紙先の排紙トレイがスタックフル状態になった際に印刷ジョブの実行を中断し,スタックフル状態が解除された後に印刷ジョブを再開する場合と比較して,早期に印刷ジョブの全ての印刷を完了できる。
【0099】
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,プリンタに限らず,複写機,複合機,FAX装置等,印刷機能を備えるものであれば適用可能である。また,画像形成部10は,電子写真方式に限らず,インクジェット方式であっても適用可能である。また,画像形成部10は,モノクロ専用に限らず,カラー印刷が可能であってもよい。
【0100】
また,実施の形態のプリンタ100は,本体トレイを含めて排紙トレイを4つ備えているが,4つに限るものではなく,3つであっても5つ以上であってもよい。また,実施の形態であらかじめ規定されていた排紙先の順序は,下段トレイ21,中段トレイ22,上段トレイ23,本体トレイ121の順に限るものではない。例えば,下に位置している順から,本体トレイ121,下段トレイ21,中段トレイ22,上段トレイ23,の順であってもよい。
【0101】
また,実施の形態では,排紙先の排紙トレイがスタックフル状態となった場合に,画像データを記憶する記憶領域の解放を禁止して画像データをRAM33に記憶させたままとして,スタックフル状態の解除後,RAM33に残っていた画像データを用いて印刷を再開しているが,画像データ用の記憶領域を一旦解放してもよい。この場合,スタックフル状態の解除後,再度,画像データ用の記憶領域を確保し,印刷ジョブの送信元に対してS121にて記憶したページ番号以降の画像データの再送信を要求し,送信元から画像データを再度受信して印刷を行ってもよい。スタックフル状態となった場合に未印刷分の画像データ用の記憶領域を解放し,スタックフル状態が解除された後に未印刷分の画像データ用の記憶領域を再度確保して送信元から画像データを再取得することで,RAM33の負荷を軽減できる。一方,実施の形態のようにスタックフル状態となった場合に未印刷分の画像データ用の記憶領域を解放しないことで,スタックフル状態が解除された後に速やかに印刷を開始できる。
【0102】
また,実施の形態では,S132あるいはS212において,あるページの画像の部数分の印刷が完了した場合に,当該ページの画像データを記憶する記憶領域を速やかに解放しているが,記憶領域を解放するタイミングはこれに限らず,例えば,全ページの画像の印刷が完了したタイミングで画像データ用の記憶領域を解放してもよい。
【0103】
また,実施の形態のプリンタ100では,ソート印刷中に排紙先の排紙トレイがスタックフル状態になった場合に,当該排紙先への排紙および印刷をスキップしているが,スタックフル以外でも排紙先への排紙先が不可能になった場合に,当該排紙先への排紙および印刷をスキップするとよい。排紙先への排紙先が不可能になる場合としては,例えば,シートの後端が排紙口の直前のフラッパを通過した後のジャムが該当する。
【0104】
また,実施の形態に開示されている処理は,単一のCPU,複数のCPU,ASICなどのハードウェア,またはそれらの組み合わせで実行されてもよい。また,実施の形態に開示されている処理は,その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体,または方法等の種々の態様で実現することができる。