(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の前記画像形成ユニット各々に対応して設けられ、前記画像形成ユニット及び前記装着部に装着された前記現像剤収容部のいずれか一方又は両方に駆動力を供給する複数の駆動部を更に備え、
前記第2解除処理部が、前記第2検出処理部によって検出された異常が前記駆動部に供給される電流が予め定められた許容値を超える過電流異常である場合に、前記過電流異常が検出された前記画像形成ユニットに隣接する前記画像形成ユニットを少なくとも含む複数の前記画像形成ユニット各々に対応する前記現像剤収容部の前記ロック機構による着脱の規制を解除する請求項1に記載の画像形成装置。
前記第2解除処理部が、前記第2検出処理部によって検出された異常が前記過電流異常とは異なる異常である場合は、異常が検出された前記画像形成ユニット以外の前記画像形成ユニットに対応する前記現像剤収容部の前記ロック機構による着脱の規制を解除しない請求項2に記載の画像形成装置。
異常が検出された前記画像形成ユニット以外の前記画像形成ユニットに対応する前記現像剤収容部の前記ロック機構による着脱の規制が解除された場合に、着脱の規制が解除された前記現像剤収容部を報知する報知処理部を更に備える請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
前記第2検出処理部によって検出された異常が解消したと判断された場合に、前記ロック機構に前記第2解除処理部によって着脱の規制が解除された前記現像剤収容部各々の着脱を規制させる規制処理部を更に備える請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
シートを搬送するシート搬送部と、前記シート搬送部による前記シートの搬送方向に沿って並んで設けられ、現像剤を用いて前記シート搬送部によって搬送される前記シートに画像を形成する複数の画像形成ユニットと、複数の前記画像形成ユニット各々に対応して設けられ、前記画像形成ユニットに供給される前記現像剤を収容する現像剤収容部が装着される複数の装着部と、前記装着部に装着される前記現像剤収容部の着脱を規制可能な複数のロック機構と、を備える画像形成装置で実行される現像剤収容部の着脱規制の解除方法であって、
前記装着部に装着された前記現像剤収容部ごとに、前記現像剤収容部に収容されている前記現像剤の残量が予め定められた基準量未満である特定状態を検出する第1ステップと、
前記第1ステップによっていずれかの前記現像剤収容部の前記特定状態が検出された場合に、前記ロック機構に前記特定状態の前記現像剤収容部の着脱の規制を解除させる第2ステップと、
前記画像形成ユニットごとの異常を検出する第3ステップと、
前記第3ステップによっていずれかの前記画像形成ユニットの異常が検出された場合に、異常が検出された前記画像形成ユニットに隣接する前記画像形成ユニットを少なくとも含む複数の前記画像形成ユニット各々に対応する前記現像剤収容部の前記ロック機構による着脱の規制を解除可能な第4ステップと、
を含む現像剤収容部の着脱規制の解除方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
[画像形成装置10の概略構成]
まず、
図1及び
図2を参照しつつ、本発明の実施形態に係る画像形成装置10の構成について説明する。ここで、
図1は画像形成装置10の構成を示す断面模式図である。なお、以下においては、
図1における紙面上下方向を画像形成装置10の上下方向D1、紙面左右方向を画像形成装置10の前後方向D2、紙面奥行方向を画像形成装置10の左右方向D3と定義して説明を行う。
【0013】
画像形成装置10は、画像データに基づいて画像を形成するプリント機能を備えるプリンターである。また、本発明は、ファクシミリ装置、コピー機、及び複合機などの画像形成装置に適用可能である。
【0014】
図1及び
図2に示されるように、画像形成装置10は、操作表示部1、給紙部2、画像形成部3、及び制御部5を備える。
【0015】
操作表示部1は、制御部5からの制御指示に応じて各種の情報を表示する液晶ディスプレーなどの表示部、及びユーザー操作に応じて制御部5に各種の情報を入力する操作キー又はタッチパネルなどの操作部を有する。例えば、操作表示部1は、画像形成装置10の筐体の上面に設けられている。
【0016】
給紙部2は、画像形成部3によって画像が形成されるシートを搬送する。
図1に示されるように、給紙部2は、給紙カセット21、ピックアップローラー22、第1搬送路23、第1搬送ローラー24、レジストローラー25、シート搬送部26、第2搬送路27、第2搬送ローラー28、及び排紙トレイ29を備える。
【0017】
給紙カセット21には、各種サイズのシートが載置される。例えば、給紙カセット21に載置されるシートには、紙、コート紙、ハガキ、封筒、及びOHPシートなどが含まれる。ピックアップローラー22は、給紙カセット21に収容されるシートを一枚ずつ第1搬送路23へ送出する。
【0018】
第1搬送路23は、給紙カセット21から送出されたシートの移動通路である。例えば、第1搬送路23は、画像形成装置10の筐体内部に設けられた一対のガイド部材により形成される。第1搬送路23によって、給紙カセット21とシート搬送部26とが接続される。第1搬送路23には、第1搬送ローラー24及びレジストローラー25が設けられている。第1搬送ローラー24は、給紙カセット21から送出されたシートをレジストローラー25まで搬送する。レジストローラー25は、第1搬送ローラー24によって搬送されたシートを予め定められたタイミングでシート搬送部26へ送出する。
【0019】
シート搬送部26は、レジストローラー25によって送出されたシートを画像形成部3による転写位置P1〜P4(
図1参照)を経由して定着装置37へ搬送する。シート搬送部26は、搬送ベルト261、駆動ローラー262、従動ローラー263、及びテンションローラー264を備える。搬送ベルト261は、シートを搬送する無端状のベルト部材である。
図1に示されるように、駆動ローラー262及び従動ローラー263は、画像形成装置10の筐体内部において前後方向D2に離間した位置各々に配置される。搬送ベルト261は、駆動ローラー262及び従動ローラー263によって張架される。テンションローラー264は、搬送ベルト261に予め設定された張力を付与する。シート搬送部26では、モーターなどの不図示の動力源から供給される駆動力により駆動ローラー262が回転駆動される。これにより、搬送ベルト261が
図1に示される搬送方向D4に沿って移動する。そのため、レジストローラー25によって送出されて、搬送ベルト261に載置されたシートは、搬送方向D4に沿って搬送される。
【0020】
第2搬送路27は、定着装置37から送出されたシートの移動通路である。例えば、第2搬送路27は、画像形成装置10の筐体内部に設けられた一対のガイド部材により形成される。第2搬送路27によって、定着装置37と排紙トレイ29とが接続される。第2搬送路27には、第2搬送ローラー28が設けられている。第2搬送ローラー28は、定着装置37から送出されたシートを排紙トレイ29まで搬送する。排紙トレイ29には、画像形成部3によって画像が形成されたシートが排出される。
【0021】
制御部5は、不図示のCPU、ROM、RAM、及びEEPROM(登録商標)などの制御機器を備える。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは揮発性の記憶部であり、前記EEPROMは不揮発性の記憶部である。前記RAM及び前記EEPROMは、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。制御部5では、前記CPUにより前記ROMに予め記憶された各種の制御プログラムが実行される。これにより、画像形成装置10が制御部5により統括的に制御される。なお、制御部5は、集積回路(ASIC)などの電子回路で構成されたものであってもよく、画像形成装置10を統括的に制御するメイン制御部とは別に設けられた制御部であってもよい。
【0022】
[画像形成部3の構成]
次に、
図1〜
図5を参照しつつ、画像形成部3の構成について説明する。ここで、
図3は画像形成ユニット31の構成を示す断面模式図である。また、
図4は
図3におけるIV−IV矢視断面図である。また、
図5は画像形成装置10の左側面の構成を示す模式図である。なお、
図4における一点鎖線は、現像部313における開口部313Mの位置を示すためのものである。また、
図4では現像部313の一部の構成の図示が省略されている。
【0023】
画像形成部3は、外部のパーソナルコンピューター等の情報処理装置から入力された画像データに基づいて電子写真方式でカラー又はモノクロの画像を形成する画像形成処理(印刷処理)を実行することが可能である。
【0024】
図1に示されるように、画像形成部3は、複数の画像形成ユニット31〜34、光走査装置35、転写ローラー361〜364、及び定着装置37を備える。
【0025】
画像形成ユニット31はY(イエロー)、画像形成ユニット32はC(シアン)、画像形成ユニット33はM(マゼンタ)、画像形成ユニット34はK(ブラック)に対応する電子写真方式の画像形成ユニットである。画像形成ユニット31〜34は、
図1に示されるように、シート搬送部26によるシートの搬送方向D4に沿って、搬送方向D4の上流側からイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの順に並んで設けられる。例えば、画像形成ユニット31〜34は、搬送方向D4に沿って等間隔に配置される。ここに、画像形成ユニット31〜34が、本発明における複数の画像形成ユニットの一例である。
【0026】
画像形成ユニット31は、トナー(本発明の現像剤の一例)を用いてシート搬送部26によって搬送されるシートに画像を形成する。
図3に示されるように、画像形成ユニット31は、感光体ドラム311、帯電ローラー312、現像部313、及びクリーニング部314を備える。また、画像形成部3には、画像形成ユニット31の感光体ドラム311及び現像部313に駆動力を供給するモーターなどの第1駆動部315(
図2参照)が設けられている。一方、画像形成ユニット32〜34各々も、画像形成ユニット31と同様の構成を備える。例えば、
図1に示されるように、画像形成ユニット32〜34は、現像部323〜343を備える。また、画像形成部3には、画像形成ユニット32〜34の感光体ドラム及び現像部323〜343に駆動力を供給する第1駆動部325〜345が設けられている。
【0027】
感光体ドラム311は、表面に静電潜像が形成される。感光体ドラム311は、第1駆動部315から不図示の動力伝達機構を介して供給される駆動力により、
図3に示される回転方向D5に沿って回転する。感光体ドラム311は、
図1に示される転写位置P1において搬送ベルト261と接触して配置される。
【0028】
帯電ローラー312は、感光体ドラム311を帯電させる。例えば、帯電ローラー312は、
図3に示されるように、感光体ドラム311と接触して設けられる。帯電ローラー312には、不図示の電源装置から電圧が印加される。これにより、帯電ローラー312と感光体ドラム311との間で放電が発生して感光体ドラム311の表面が帯電される。
【0029】
現像部313は、トナー(本発明の現像剤の一例)を用いて感光体ドラム311に形成された静電潜像を現像する。現像部313は、第1駆動部315から前記動力伝達機構を介して供給される駆動力により駆動される。現像部313については後段で詳述する。
【0030】
クリーニング部314は、感光体ドラム311の表面に残存したトナーを除去する。例えば、クリーニング部314は、ブレード状のクリーニング部材314A、及び搬送スクリュー314Bを備える。
【0031】
光走査装置35は、画像形成ユニット31〜34各々が備える感光体ドラムの表面に静電潜像を形成する。
【0032】
転写ローラー361〜364は、画像形成ユニット31〜34の感光体ドラム各々の表面に形成されたトナー像をシート搬送部26によって搬送されるシートに転写する。
図1に示されるように、転写ローラー361は、搬送ベルト261を挟んで画像形成ユニット31の感光体ドラム311と対向する位置に配置される。また、転写ローラー362は、搬送ベルト261を挟んで画像形成ユニット32の感光体ドラムと対向する位置に配置される。また、転写ローラー363は、搬送ベルト261を挟んで画像形成ユニット33の感光体ドラムと対向する位置に配置される。また、転写ローラー364は、搬送ベルト261を挟んで画像形成ユニット34の感光体ドラムと対向する位置に配置される。転写ローラー361〜364には、不図示の電源装置から電圧が印加される。これにより、転写ローラー361〜364各々と画像形成ユニット31〜34の感光体ドラム各々との間に電界が形成されて、画像形成ユニット31〜34の感光体ドラム各々の表面に形成されたトナー像がシート搬送部26によって搬送されるシートに転写される。
【0033】
定着装置37は、転写ローラー361〜364によってシートに転写されたトナー像をシートに溶融定着させる。例えば、定着装置37は、定着ローラー371及び加圧ローラー372を備える。定着ローラー371は、加圧ローラー372と接触して設けられ、シートに転写されたトナー像を加熱してシートに定着させる。加圧ローラー372は、定着ローラー371との間で形成されるニップ部を通過するシートを加圧する。
【0034】
画像形成部3では、給紙部4から供給されるシートに以下の手順でカラー画像が形成され、画像形成後のシートが排紙トレイ29に排出される。
【0035】
まず、画像形成ユニット31では、帯電ローラー312によって感光体ドラム311が所定の電位に一様に帯電される。次に、光走査装置35により感光体ドラム311の表面に画像データに基づく光が照射される。これにより、感光体ドラム311の表面に画像データに対応する静電潜像が形成される。そして、感光体ドラム311上の静電潜像は現像部313によってイエローのトナー像として現像(可視像化)される。
【0036】
続いて、感光体ドラム311に形成されたイエローのトナー像は、転写ローラー361によって転写位置P1でシート搬送部26によって搬送されるシートに転写される。一方、感光体ドラム311の表面に残存したトナーはクリーニング部314で除去される。例えば、クリーニング部314では、感光体ドラム311の表面に残存したトナーがクリーニング部材314Aにより除去される。そして、クリーニング部材314Aにより除去されたトナーは、搬送スクリュー314Bにより不図示のトナー収容容器まで搬送されて回収される。
【0037】
なお、画像形成ユニット32〜34においても、画像形成ユニット31と同様の処理手順で、画像形成ユニット32〜34が備える感光体ドラム各々に各色のトナー像が形成されて、シート搬送部26により搬送されるシートにイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの順に重ねて転写される。その後、トナー像が転写されたシートは、定着装置37によりトナー像が溶融定着されることで画像が形成され、排紙トレイ29に排出される。
【0038】
次に、現像部313について詳細に説明する。なお、現像部323〜343各々の構成は、以下に説明する現像部313の構成と共通である。
【0039】
図3及び
図4に示されるように、現像部313は、筐体313A、第1搬送部材313B、第2搬送部材313C、現像ローラー313D、及びトナーセンサー313Nを備える。
【0040】
筐体313Aは、
図3に示されるように、第1搬送部材313B、第2搬送部材313C、及び現像ローラー313Dを収容する。また、筐体313Aは、トナーを収容する。具体的に、筐体313Aは、側壁及び底面313Fによって形成される内部空間においてトナーを収容する。
【0041】
図4に示されるように、筐体313Aは、トナーが搬送される第1搬送路313H及び第2搬送路313Jを有する。具体的に、筐体313Aの底面313Fには、
図3及び
図4に示されるように、隔壁313Gが設けられている。筐体313Aの側壁、底面313F、及び隔壁313Gにより、筐体313Aの内部にトナーが搬送される第1搬送路313Hが形成される。また、筐体313Aの側壁、底面313F、及び隔壁313Gにより、筐体313Aの内部にトナーが搬送される第2搬送路313Jが形成される。
【0042】
第1搬送部材313Bは、
図4に示されるように、第1搬送路313Hに設けられる。第1搬送部材313Bは、第1搬送路313Hにおいて
図4に示される搬送方向D6(左右方向D3の左方向)に沿ってトナーを搬送すると共に、トナーを帯電させる。具体的に、第1搬送部材313Bは、トナーの搬送中にトナーを攪拌して帯電させる。例えば、第1搬送部材313Bは攪拌スクリューである。例えば、第1搬送部材313Bは、第1駆動部315から前記動力伝達機構を介して供給される駆動力により回転駆動される。
【0043】
第2搬送部材313Cは、
図4に示されるように、第2搬送路313Jに設けられる。第2搬送部材313Cは、第2搬送路313Jにおいて
図4に示される搬送方向D7(左右方向D3の右方向)に沿ってトナーを搬送すると共に、トナーを帯電させる。具体的に、第2搬送部材313Cは、トナーの搬送中にトナーを撹拌して帯電させる。例えば、第2搬送部材313Cは攪拌スクリューである。例えば、第2搬送部材313Cは、第1搬送部材313Bと同様に、第1駆動部315から前記動力伝達機構を介して供給される駆動力により回転駆動される。
【0044】
隔壁313Gにおける搬送方向D6の下流側には、第1搬送路313Hと第2搬送路313Jとを接続する第1接続部313Kが設けられている。一方、隔壁313Gにおける搬送方向D7の下流側には、第1搬送路313Hと第2搬送路313Jとを接続する第2接続部313Lが設けられている。これにより、筐体313Aに収容されたトナーは、第1搬送部材313B及び第2搬送部材313Cによって第1搬送路313H及び第2搬送路313Jを循環して搬送される。
【0045】
現像ローラー313Dは、第2搬送部材313Cによって第2搬送路313Jを搬送されるトナーを用いて、感光体ドラム311の表面に形成された静電潜像を現像する。例えば、現像ローラー313Dは、第1搬送部材313B及び第2搬送部材313Cと同様に、第1駆動部315から前記動力伝達機構を介して供給される駆動力により回転駆動される。
【0046】
なお、現像部313による現像方式は、以上に述べたトナーを用いた1成分現像方式に限られない。例えば、現像部313の現像方式は、トナー及びキャリアを用いた二成分現像方式であってもよい。
【0047】
第1搬送路313Hにおける搬送方向D6の上流側には、開口部313Mが設けられている。例えば、開口部313Mは、
図3に示されるように、第1搬送路313Hの上方における筐体313Aの上面に設けられる。開口部313Mは、後述するトナーコンテナ316から供給されるトナーの第1搬送路313Hへの搬入に用いられる。具体的に、トナーコンテナ316から供給されるトナーは、開口部313Mを経由して、第1搬送路313Hの搬入位置P5(
図4参照)に搬入される。
【0048】
トナーセンサー313Nは、第1搬送路313Hにおける開口部313Mより搬送方向D6の下流側の検出位置P6(
図4参照)におけるトナーの量を検出する。例えば、トナーセンサー313Nは、
図3に示されるように、筐体313Aの底部に設けられる。例えば、トナーセンサー313Nは、筐体313A内に収容されているトナーの透磁率に応じた電気信号を出力するLC発振回路を含む透磁率センサーである。
【0049】
例えば、画像形成装置10では、第1搬送部材313Bによる搬入位置P5から検出位置P6までのトナーの搬送時間を超える検出期間中にトナーセンサー313Nによって検出される検出値各々が積算されて、現像部313内のトナーの残量が取得される。例えば、前記検出期間は、トナーが現像部313内を一巡する期間である。なお、前記検出期間は、トナーが現像部313内を一巡する期間より長くても短くてもよい。
【0050】
図1に示されるように、画像形成部3には、トナーコンテナ316〜346が装着される。トナーコンテナ316は、画像形成ユニット31に供給されるイエローのトナーを収容する。トナーコンテナ326は、画像形成ユニット32に供給されるシアンのトナーを収容する。トナーコンテナ336は、画像形成ユニット33に供給されるマゼンタのトナーを収容する。トナーコンテナ346は、画像形成ユニット34に供給されるブラックのトナーを収容する。なお、トナーコンテナ316〜346は、収容するトナーの色以外の構成は共通である。そのため、以下ではトナーコンテナ316についてのみ説明を行う。
【0051】
例えば、トナーコンテナ316は、左右方向D3に沿って長尺な略四角柱状の容器である。トナーコンテナ316は、トナーコンテナ316の内部においてトナーを搬送する搬送部材(不図示)を備える。
【0052】
また、画像形成部3は、
図1及び
図5に示されるように、装着部317〜347、及びロック機構318〜348を更に備える。装着部317〜347は、画像形成ユニット31〜34各々に対応している。なお、装着部317〜347は、装着されるトナーコンテナ以外の構成は共通である。また、ロック機構318〜348は、着脱を規制するトナーコンテナ以外の構成は共通である。そのため、以下では装着部317及びロック機構318についてのみ説明を行う。
【0053】
装着部317には、トナーコンテナ316が装着される。例えば、装着部317は、
図1及び
図5に示されるように、画像形成部3の上部において左右方向D3に長尺状に設けられる。装着部317は、
図5に示されるように、筐体カバー10Aにより覆われている。ここに、トナーコンテナ316が、本発明における現像剤収容部の一例である。また、装着部317〜347が、本発明における複数の装着部の一例である。
【0054】
筐体カバー10Aは、画像形成装置10の外装に設けられた開閉可能なカバー部材である。具体的に、筐体カバー10Aは、
図5に示されるように、画像形成装置10の左側面において、装着部317〜347の配置位置に対応して設けられている。例えば、筐体カバー10Aは、前後方向D2のいずれかの端部に設けられたヒンジによって開閉される。なお、筐体カバー10Aの前記ヒンジが設けられた端部の反対側の端部には、筐体カバー10Aの開閉を検知する不図示の開閉検知スイッチが設けられている。前記開閉検知スイッチは、筐体カバー10Aの開閉状態に応じた電気信号を制御部5に入力する。
【0055】
筐体カバー10Aは、トナーコンテナ316〜346のいずれかが着脱される際にユーザーによって開扉される。これにより、装着部317〜347が外部に露出される。従って、ユーザーは、着脱対象となるトナーコンテナを左右方向D3に沿って挿抜することが可能である。
【0056】
また、筐体カバー10Aは、画像形成ユニット31〜34のいずれかが取り外される際にも、ユーザーによって開扉される。例えば、画像形成ユニット31〜34各々は、画像形成装置10の内部において、画像形成装置10の筐体により左右方向D3に沿って摺動可能に支持されている。そのため、ユーザーは、筐体カバー10Aを開扉して、取り外しの対象となる画像形成ユニットを左右方向D3に沿って抜き出すことで、画像形成ユニットを取り外すことが可能である。
【0057】
ここで、画像形成装置10では、装着部317に装着されるトナーコンテナ316によって、画像形成ユニット31の左右方向D3に沿った摺動が規制される。例えば、画像形成装置10では、画像形成ユニット31の左右方向D3における右端部に上方向に突出する突出部(不図示)が設けられている。前記突出部は、画像形成ユニット31が左右方向D3に沿って摺動される際に、装着部317に装着されたトナーコンテナ316の左右方向D3における右端部と接触する。これにより、画像形成ユニット31の左右方向D3に沿った摺動が規制される。即ち、画像形成装置10では、トナーコンテナ316が先に取り外される場合を除いて、画像形成ユニット31を取り外すことができない。
【0058】
なお、筐体カバー10Aは、画像形成装置10の上面に設けられていてもよい。具体的に、筐体カバー10Aは、排紙トレイ29の一部であることが考えられる。この場合、画像形成装置10において、トナーコンテナ316〜346及び画像形成ユニット31〜34が、上下方向D1に沿って挿抜可能に設けられることが考えられる。
【0059】
図5に示されるように、装着部317における左右方向D3の右端部には、接続部317Aが設けられている。接続部317Aは、装着部317に装着されたトナーコンテナ316の備える前記搬送部材と係合する。例えば、接続部317Aはギヤである。また、画像形成部3には、接続部317Aを介して装着部317に装着されたトナーコンテナ316の前記搬送部材に駆動力を供給するモーターなどの第2駆動部317B(
図2参照)が設けられている。第2駆動部317Bから接続部317Aを介して供給される駆動力により前記搬送部材が駆動されることで、トナーコンテナ316から画像形成ユニット31へトナーが供給される。
【0060】
ロック機構318は、装着部317に装着されたトナーコンテナ316の着脱を規制する。例えば、ロック機構318は、
図2及び
図5に示されるように、係止片318A、及び係止片可動部318Bを備える。係止片318Aは、
図5に示されるように、装着部317における左右方向D3の左端部に設けられる。例えば、係止片318Aは、装着部317の左端部を封鎖する封鎖位置及び装着部317の左端部を開放する開放位置の間で上下方向D1に沿って移動可能に設けられている。係止片可動部318Bは、係止片318Aを前記封鎖位置及び前記開放位置の間で移動させる。例えば、係止片可動部318Bはソレノイドである。例えば、ロック機構318では、不図示の電源部からの係止片可動部318Bへの電力供給の有無に応じて、係止片318Aが前記封鎖位置及び前記開放位置のいずれかの位置で保持される。ここに、ロック機構318〜348が、本発明における複数のロック機構の一例である。
【0061】
画像形成装置10では、トナーコンテナ316内に収容されているトナーの残量が予め定められた第1基準量未満である第1状態(トナー切れ)が検出された場合に、ロック機構318によるトナーコンテナ316の着脱の規制が解除される。ここに、前記第1基準量が、本発明における基準量の一例である。また、前記第1状態が、本発明における特定状態の一例である。
【0062】
また、画像形成装置10では、前記第1状態が検出されてトナーコンテナ316が交換された場合に、トナーセンサー313Nによって取得される現像部313内のトナーの残量が予め定められた閾値を超えるまで、トナーコンテナ316から現像部313にトナーを供給させる供給処理が実行される。
【0063】
ところで、画像形成装置10では、シート搬送部26により搬送されるシートが詰まる紙詰まりが発生することがある。また、画像形成装置10では、前記紙詰まりが発生した場合に、画像形成ユニット31〜34を駆動させる第1駆動部315〜345のいずれかに過大な電流が流れる過電流異常などの異常が検出されることがある。例えば、シート搬送部26により搬送されるシートが前記動力伝達機構と接触して前記紙詰まりを起こした場合に、前記過電流異常が検出される。ここで、異常が検出された画像形成ユニットに対応するトナーコンテナだけが着脱規制を解除される場合には、前記紙詰まりを起こしたシートが複数の画像形成ユニットと接触している場合に、前記紙詰まりを起こしたシートを除去することができない。これに対し、本発明の実施形態に係る画像形成装置10では、以下に説明するように、交換時におけるトナーコンテナ316〜346内のトナーの残存量を低減させると共に、装置内部で前記紙詰まりを起こしたシートを除去することが可能である。
【0064】
具体的に、制御部5の前記ROMには、前記CPUに後述の異常検出処理(
図6のフローチャート参照)、第1規制制御処理(
図7のフローチャート参照)、及び第2規制制御処理(
図8のフローチャート参照)を実行させるための着脱規制制御プログラムが予め記憶されている。なお、前記着脱規制制御プログラムは、CD、DVD、フラッシュメモリーなどのコンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されており、前記記録媒体から読み取られて制御部5の前記EEPROM等の記憶部にインストールされるものであってもよい。
【0065】
そして、制御部5は、
図2に示されるように、第3検出処理部51、報知処理部52、第1検出処理部53、第1解除処理部54、第2検出処理部55、第2解除処理部56、供給処理部57、及び規制処理部58を含む。具体的に、制御部5は、前記CPUを用いて前記ROMに記憶されている前記着脱規制制御プログラムを実行する。これにより、制御部5は、第3検出処理部51、報知処理部52、第1検出処理部53、第1解除処理部54、第2検出処理部55、第2解除処理部56、供給処理部57、及び規制処理部58として機能する。
【0066】
第3検出処理部51は、装着部317〜347に装着されたトナーコンテナごとに、トナーコンテナに収容されているトナーの残量が前記第1基準量以上であって前記第1基準量より多い予め定められた第2基準量未満である第2状態を検出する。
【0067】
例えば、第3検出処理部51は、トナーセンサー313Nによって取得される現像部313内のトナーの残量に基づいて、トナーコンテナ316の前記第2状態を検出する。例えば、第3検出処理部51は、前記印刷処理の実行中にトナーコンテナ316から現像部313にトナーが供給される場合の、トナーセンサー313Nによって取得される現像部313内のトナーの残量の増加速度に基づいて、前記第2状態を検出する。
【0068】
なお、第3検出処理部51は、前記印刷処理で印刷される画像データの印字率に基づいてトナーの消費量を算出して、算出されるトナーの消費量の累積値とトナーコンテナ316におけるトナーの収容量とを比較することで、前記第2状態を検出してもよい。また、第3検出処理部51は、第2駆動部317Bによる前記搬送部材の駆動時間に基づいてトナーコンテナ316からのトナーの搬出量を算出して、算出されるトナーの搬出量の累積値とトナーコンテナ316におけるトナーの収容量とを比較することで、前記第2状態を検出してもよい。
【0069】
例えば、画像形成装置10では、前記EEPROMの予め定められた記憶領域にトナーコンテナ316〜346各々の状態を示す状態情報が記憶されている。例えば、第3検出処理部51は、いずれかのトナーコンテナの前記第2状態が検出された場合に、前記第2状態が検出されたトナーコンテナに対応する前記状態情報の内容を、トナーコンテナに収容されているトナーの残量が前記第2基準量以上である第3状態であることを示す内容から、前記第2状態であることを示す内容に書き替える。
【0070】
報知処理部52は、第3検出処理部51によっていずれかのトナーコンテナの前記第2状態が検出された場合に、前記第2状態が検出されたトナーコンテナを報知する。
【0071】
第1検出処理部53は、装着部317〜347に装着されたトナーコンテナごとに、トナーコンテナに収容されているトナーの残量が前記第1基準量未満である前記第1状態を検出する。
【0072】
例えば、第1検出処理部53は、第3検出処理部51と同様に、トナーセンサー313Nによって取得される現像部313内のトナーの残量に基づいて、トナーコンテナ316の前記第1状態を検出する。例えば、第1検出処理部53は、前記印刷処理の実行中にトナーコンテナ316から現像部313にトナーが供給される場合の、トナーセンサー313Nによって取得される現像部313内のトナーの残量の増加速度に基づいて、前記第1状態を検出する。
【0073】
なお、第1検出処理部53は、前記印刷処理で印刷される画像データの印字率に基づいてトナーの消費量を算出して、算出されるトナーの消費量の累積値とトナーコンテナ316におけるトナーの収容量とを比較することで、前記第1状態を検出してもよい。また、第1検出処理部53は、第2駆動部317Bによる前記搬送部材の駆動時間に基づいてトナーコンテナ316からのトナーの搬出量を算出して、算出されるトナーの搬出量の累積値とトナーコンテナ316におけるトナーの収容量とを比較することで、前記第1状態を検出してもよい。
【0074】
例えば、第1検出処理部53は、いずれかのトナーコンテナの前記第1状態が検出された場合に、前記第1状態が検出されたトナーコンテナに対応する前記状態情報の内容を、前記第2状態であることを示す内容から、前記第1状態であることを示す内容に書き替える。
【0075】
第1解除処理部54は、第1検出処理部53によっていずれかのトナーコンテナの前記第1状態が検出された場合に、ロック機構318〜348に前記第1状態のトナーコンテナの着脱の規制を解除させる。
【0076】
例えば、第1解除処理部54は、第1検出処理部53によってトナーコンテナ316の前記第1状態が検出された場合に、前記電源部に係止片可動部318Bへの電力供給を実行させる。これにより、ロック機構318では、係止片318Aが前記封鎖位置から前記開放位置へ移動されて前記開放位置で保持される。
【0077】
第2検出処理部55は、画像形成ユニット31〜34ごとの異常を検出する。
【0078】
例えば、画像形成ユニット31の異常には、第1駆動部315又は第2駆動部317Bに供給される電流が予め定められた許容値を超える過電流異常が含まれる。ここに、第1駆動部315〜345及び第2駆動部317B〜347Bが、本発明における複数の駆動部の一例である。
【0079】
また、画像形成ユニット31の異常には、第1駆動部315又は第2駆動部317Bを駆動させることができない駆動異常が含まれる。また、画像形成ユニット31の異常には、制御部5が画像形成ユニット31に設けられた不図示のEEPROMにアクセスできないアクセス異常が含まれる。
【0080】
第2解除処理部56は、第2検出処理部55によっていずれかの画像形成ユニットの異常が検出された場合に、異常が検出された画像形成ユニットに隣接する画像形成ユニットを少なくとも含む複数の画像形成ユニット各々に対応するトナーコンテナのロック機構による着脱の規制を解除することが可能である。
【0081】
具体的に、第2解除処理部56は、第2検出処理部55によって検出された異常が前記過電流異常である場合に、前記過電流異常が検出された画像形成ユニットに隣接する画像形成ユニットを少なくとも含む複数の画像形成ユニット各々に対応するトナーコンテナのロック機構による着脱の規制を解除する。
【0082】
例えば、第2解除処理部56は、第2検出処理部55によって画像形成ユニット31の前記過電流異常が検出された場合は、トナーコンテナ316のロック機構318による着脱の規制を解除すると共に、画像形成ユニット31に隣接する画像形成ユニット32に対応するトナーコンテナ326のロック機構328による着脱の規制を解除する。
【0083】
また、第2解除処理部56は、第2検出処理部55によって画像形成ユニット32の前記過電流異常が検出された場合は、トナーコンテナ326のロック機構328による着脱の規制を解除すると共に、画像形成ユニット32に隣接する画像形成ユニット31及び画像形成ユニット33に対応するトナーコンテナ316及びトナーコンテナ336のロック機構318及びロック機構338による着脱の規制を解除する。
【0084】
なお、第2解除処理部56は、第2検出処理部55によっていずれかの画像形成ユニットの前記過電流異常が検出された場合に、全てのトナーコンテナのロック機構による着脱の規制を解除してもよい。
【0085】
また、第2解除処理部56は、シート搬送部26によって搬送されるシートの搬送方向D4における長さが、画像形成ユニット31〜34各々の配置間隔以上の予め定められた特定距離未満である場合には、異常が検出された画像形成ユニット以外の画像形成ユニットに対応するトナーコンテナのロック機構による着脱の規制を解除しない。例えば、前記特定距離は、転写位置P1と転写位置P2との間の距離L1(
図1参照)である。例えば、距離L1は、シート搬送部26によって搬送されるA4サイズのシートの搬送方向D4における長さより短い距離である。
【0086】
また、第2解除処理部56は、第2検出処理部55によって検出された異常が前記過電流異常とは異なる異常である場合は、異常が検出された画像形成ユニット以外の画像形成ユニットに対応するトナーコンテナのロック機構による着脱の規制を解除しない。
【0087】
例えば、第2解除処理部56は、第2検出処理部55によって画像形成ユニット31の前記駆動異常が検出された場合は、トナーコンテナ316のロック機構318による着脱の規制だけを解除する。また、第2解除処理部56は、第2検出処理部55によって画像形成ユニット31の前記アクセス異常が検出された場合は、トナーコンテナ316のロック機構318による着脱の規制を解除しない。
【0088】
なお、第2解除処理部56は、第2検出処理部55によって検出された異常が前記過電流異常とは異なる異常である場合にも、異常が検出された画像形成ユニットに隣接する画像形成ユニットを少なくとも含む複数の画像形成ユニット各々に対応するトナーコンテナのロック機構による着脱の規制を解除してもよい。
【0089】
また、報知処理部52は、異常が検出された画像形成ユニット以外の画像形成ユニットに対応するトナーコンテナのロック機構による着脱の規制が解除された場合に、着脱の規制が解除されたトナーコンテナを報知する。
【0090】
供給処理部57は、第1解除処理部54によって着脱の規制が解除されたトナーコンテナが交換されたと判断された場合に、交換されたトナーコンテナごとに、トナーセンサーによって検出される現像部内のトナーの残量が前記閾値を超えるまでトナーコンテナから現像部にトナーを供給させる前記供給処理を実行する。
【0091】
例えば、供給処理部57は、第1解除処理部54によっていずれかのトナーコンテナの着脱の規制が解除された場合において、前記開閉検知スイッチにより筐体カバー10Aの開扉が検知された後に筐体カバー10Aの閉鎖が検知された場合に、着脱の規制が解除されたトナーコンテナが交換されたと判断する。なお、供給処理部57は、第1解除処理部54によっていずれかのトナーコンテナの着脱の規制が解除された場合において、操作表示部1において予め定められた操作が行われた場合に、着脱の規制が解除されたトナーコンテナが交換されたと判断してもよい。
【0092】
例えば、供給処理部57は、第1解除処理部54によってトナーコンテナ316の着脱の規制が解除された場合において、トナーコンテナ316が交換されたと判断された場合に、トナーセンサー313Nによって検出される現像部313内のトナーの残量が前記閾値を超えるまでトナーコンテナ316から現像部313にトナーを供給させる前記供給処理を実行する。具体的に、供給処理部57は、第2駆動部317Bを制御してトナーコンテナ316の前記搬送部材を駆動させる。
【0093】
また、供給処理部57は、前記供給処理の実行が終了した場合に、前記供給処理の実行が終了したトナーコンテナに対応する前記状態情報の内容を、前記第1状態であることを示す内容から、前記第3状態であることを示す内容に書き替える。
【0094】
規制処理部58は、ロック機構318〜348に前記供給処理が実行されたトナーコンテナの着脱を規制させる。
【0095】
また、規制処理部58は、第2検出処理部55によって検出された異常が解消したと判断された場合に、ロック機構に第2解除処理部56によって着脱の規制が解除されたトナーコンテナ各々の着脱を規制させる。
【0096】
例えば、規制処理部58は、前記電源部に係止片可動部318Bへの電力供給を停止させる。これにより、ロック機構318では、係止片318Aが前記開放位置から前記封鎖位置へ移動されて前記封鎖位置で保持される。
【0097】
[異常検出処理]
以下、
図6を参照しつつ、画像形成装置10において制御部5により実行される異常検出処理の手順の一例について説明する。ここで、ステップS11、S12・・・は、制御部5により実行される処理手順(ステップ)の番号を表している。
【0098】
<ステップS11>
まず、ステップS11において、制御部5は、装着部317〜347に装着されたいずれかのトナーコンテナについて、トナーコンテナに収容されているトナーの残量が前記第1基準量以上であって前記第2基準量未満である前記第2状態を検出したか否かを判断する。ここで、ステップS11の処理は、制御部5の第3検出処理部51により実行される。
【0099】
例えば、制御部5は、トナーセンサー313Nによって取得される現像部313内のトナーの残量に基づいて、トナーコンテナ316の前記第2状態を検出する。例えば、制御部5は、前記印刷処理の実行中にトナーコンテナ316から現像部313にトナーが供給される場合の、トナーセンサー313Nによって取得される現像部313内のトナーの残量の増加速度に基づいて、前記第2状態を検出する。
【0100】
ここで、制御部5は、いずれかのトナーコンテナの前記第2状態を検出したと判断すると(S11のYes側)、前記第2状態が検出されたトナーコンテナに対応する前記状態情報の内容を前記第3状態であることを示す内容から前記第2状態であることを示す内容に書き替えて、処理をステップS12に移行させる。また、トナーコンテナの前記第2状態を検出していなければ(S11のNo側)、制御部5は、処理をステップS13に移行させる。
【0101】
<ステップS12>
ステップS12において、制御部5は、ステップS11で前記第2状態が検出されたトナーコンテナを報知する。ここで、ステップS12の処理は、制御部5の報知処理部52により実行される。
【0102】
例えば、制御部5は、ステップS11でトナーコンテナ316の前記第2状態が検出された場合に、トナーコンテナ316の前記第2状態が検出された旨を示すメッセージを操作表示部1に表示させる。これにより、ユーザーはトナーコンテナ316のトナーの残量が少なくなったことを認識して、トナーコンテナ316のトナーが切れる前に、新たなトナーコンテナ316を用意することが可能である。
【0103】
<ステップS13>
ステップS13において、制御部5は、前記印刷処理が実行されている場合に、いずれかの画像形成ユニットの異常が検出されたか否かを判断する。ここに、ステップS13の処理が、本発明における第3ステップの一例であって、制御部5の第2検出処理部55により実行される。
【0104】
ここで、制御部5は、いずれかの画像形成ユニットの異常が検出されたと判断すると(S13のYes側)、処理をステップS14に移行させる。また、いずれかの画像形成ユニットの異常が検出されていなければ(S13のNo側)、制御部5は、処理をステップS15に移行させる。
【0105】
<ステップS14>
ステップS14において、制御部5は、後述する第2規制制御処理を実行する。
【0106】
<ステップS15>
ステップS15において、制御部5は、装着部317〜347に装着されたいずれかのトナーコンテナについて、トナーコンテナに収容されているトナーの残量が前記第1基準量未満である前記第1状態を検出したか否かを判断する。ここに、ステップS15の処理が、本発明における第1ステップの一例であって、制御部5の第1検出処理部53により実行される。
【0107】
例えば、制御部5は、ステップS11と同様に、トナーセンサー313Nによって取得される現像部313内のトナーの残量に基づいて、トナーコンテナ316の前記第1状態を検出する。例えば、制御部5は、前記印刷処理の実行中にトナーコンテナ316から現像部313にトナーが供給される場合の、トナーセンサー313Nによって取得される現像部313内のトナーの残量の増加速度に基づいて、前記第1状態を検出する。
【0108】
ここで、制御部5は、いずれかのトナーコンテナの前記第1状態を検出したと判断すると(S15のYes側)、前記第1状態が検出されたトナーコンテナに対応する前記状態情報の内容を前記第2状態であることを示す内容から前記第1状態であることを示す内容に書き替えて、処理をステップS16に移行させる。また、トナーコンテナの前記第1状態を検出していなければ(S15のNo側)、制御部5は、処理をステップS11に移行させて、いずれかのトナーコンテナの前記第2状態若しくは前記第1状態の検出、又はいずれかの画像形成ユニットの異常の検出を待ち受ける。
【0109】
<ステップS16>
ステップS16において、制御部5は、以下に述べる第1規制制御処理を実行する。
【0110】
[第1規制制御処理]
次に、
図7を参照しつつ、前記異常検出処理のステップS16において実行される第1規制制御処理の手順の一例について説明する。
【0111】
<ステップS21>
まず、ステップS21において、制御部5は、画像形成部3による前記印刷処理の実行を制限する。
【0112】
例えば、制御部5は、前記印刷処理が実行されている場合に、実行中の前記印刷処理を中断させる。また、制御部5は、前記印刷処理が実行されていない場合には、前記印刷処理の実行を禁止する。なお、制御部5は、前記印刷処理が実行されている場合において、予め定められた枚数の印刷物の出力後に、前記印刷処理を中断させてもよい。これにより、画像形成装置10において、印字濃度が低下した印刷物が出力されることが回避される。
【0113】
<ステップS22>
ステップS22において、制御部5は、ロック機構318〜348に前記異常検出処理のステップS15で前記第1状態が検出されたトナーコンテナの着脱の規制を解除させる。ここに、ステップS22の処理が、本発明における第2ステップの一例であって、制御部5の第1解除処理部54により実行される。
【0114】
例えば、制御部5は、前記異常検出処理のステップS15でトナーコンテナ316の前記第1状態が検出された場合に、前記電源部に係止片可動部318Bへの電力供給を実行させる。これにより、ロック機構318では、係止片318Aが前記封鎖位置から前記開放位置へ移動されて前記開放位置で保持される。従って、トナーコンテナ316の交換が可能となる。
【0115】
<ステップS23>
ステップS23において、制御部5は、前記異常検出処理のステップS15で前記第1状態が検出されたトナーコンテナを報知する。ここで、ステップS23の処理は、制御部5の報知処理部52により実行される。
【0116】
例えば、制御部5は、前記異常検出処理のステップS15でトナーコンテナ316の前記第1状態が検出された場合に、トナーコンテナ316の前記第1状態が検出された旨を示すメッセージを操作表示部1に表示させる。これにより、ユーザーはトナーコンテナ316のトナーの残量が切れたことを認識して、トナーコンテナ316の交換作業を行うことが可能である。
【0117】
<ステップS24>
ステップS24において、制御部5は、ステップS22で着脱の規制が解除されたトナーコンテナが交換されたか否かを判断する。例えば、制御部5は、前記開閉検知スイッチにより筐体カバー10Aの開扉が検知された後に筐体カバー10Aの閉鎖が検知された場合に、着脱の規制が解除されたトナーコンテナが交換されたと判断する。
【0118】
ここで、制御部5は、着脱の規制が解除されたトナーコンテナが交換されたと判断すると(S24のYes側)、処理をステップS25に移行させる。また、着脱の規制が解除されたトナーコンテナが交換されていなければ(S24のNo側)、制御部5は、ステップS24で着脱の規制が解除されたトナーコンテナの交換を待ち受ける。
【0119】
<ステップS25>
ステップS25において、制御部5は、ステップS24で交換されたと判断されたトナーコンテナごとに、トナーセンサーによって検出される現像部内のトナーの残量が前記閾値を超えるまでトナーコンテナから現像部にトナーを供給させる前記供給処理を実行する。ここで、ステップS25の処理は、制御部5の供給処理部57により実行される。
【0120】
例えば、制御部5は、ステップS24でトナーコンテナ316が交換されたと判断された場合に、トナーセンサー313Nによって検出される現像部313内のトナーの残量が前記閾値を超えるまでトナーコンテナ316から現像部313にトナーを供給させる前記供給処理を実行する。具体的に、制御部5は、第2駆動部317Bを制御してトナーコンテナ316の前記搬送部材を駆動させる。
【0121】
また、制御部5は、前記供給処理の実行が終了した場合に、前記供給処理の実行が終了したトナーコンテナに対応する前記状態情報の内容を、前記第1状態であることを示す内容から、前記第3状態であることを示す内容に書き替える。そして、制御部5は、ステップS24で交換されたと判断されたトナーコンテナ各々の前記供給処理が終了した場合に、処理をステップS26に移行させる。
【0122】
<ステップS26>
ステップS26において、制御部5は、ロック機構318〜348にステップS25で前記供給処理が実行されたトナーコンテナの着脱を規制させる。ここで、ステップS26の処理は、制御部5の規制処理部58により実行される。
【0123】
例えば、制御部5は、ステップS25でトナーコンテナ316の前記供給処理が実行された場合に、前記電源部に係止片可動部318Bへの電力供給を停止させる。これにより、ロック機構318では、係止片318Aが前記開放位置から前記封鎖位置へ移動されて前記封鎖位置で保持される。従って、トナーコンテナ316の交換が禁止される。
【0124】
<ステップS27>
ステップS27において、制御部5は、ステップS21による前記印刷処理の実行の制限を解除する。例えば、制御部5は、ステップS21で実行中の前記印刷処理が中断された場合は、中断された前記印刷処理の実行を再開させる。また、制御部5は、ステップS21で前記印刷処理の実行が禁止された場合は、前記印刷処理の実行の禁止を解除する。
【0125】
[第2規制制御処理]
次に、
図8を参照しつつ、前記異常検出処理のステップS14において実行される第2規制制御処理の手順の一例について説明する。
【0126】
<ステップS31>
まず、ステップS31において、制御部5は、前記印刷処理の実行を制限する。具体的に、制御部5は、実行中の前記印刷処理を中断させる。
【0127】
<ステップS32>
ステップS32において、制御部5は、前記異常検出処理のステップS13で検出された異常が前記過電流異常であるか否かを判断する。
【0128】
ここで、制御部5は、検出された異常が前記過電流異常であると判断すると(S32のYes側)、処理をステップS33に移行させる。また、検出された異常が前記過電流異常でなければ(S32のNo側)、制御部5は、処理をステップS321に移行させる。
【0129】
なお、ステップS32の処理は省略されてもよい。この場合、制御部5は、ステップS31の処理を実行した後、ステップS34の処理を実行することが考えられる。また、ステップS32において、前記過電流異常とは異なる他の異常が検出されたか否かを判断してもよい。
【0130】
<ステップS33>
ステップS33において、制御部5は、ステップS31で中断された前記印刷処理でシート搬送部26によって搬送されたシートの搬送方向D4における長さが前記特定距離以上であったか否かを判断する。
【0131】
ここで、制御部5は、前記印刷処理でシート搬送部26によって搬送されたシートの搬送方向D4における長さが前記特定距離以上であったと判断すると(S33のYes側)、処理をステップS34に移行させる。また、前記印刷処理でシート搬送部26によって搬送されたシートの搬送方向D4における長さが前記特定距離以上でなければ(S33のNo側)、制御部5は、処理をステップS322に移行させる。
【0132】
なお、ステップS33の処理は省略されてもよい。この場合、制御部5は、ステップS32において、前記異常検出処理のステップS13で検出された異常が前記過電流異常であると判断した場合に、ステップS34の処理を実行することが考えられる。
【0133】
<ステップS34>
ステップS34において、制御部5は、前記異常検出処理のステップS13で前記過電流異常が検出された画像形成ユニットに隣接する画像形成ユニットを少なくとも含む複数の画像形成ユニット各々に対応するトナーコンテナのロック機構による着脱の規制を解除する。ここに、ステップS34の処理が、本発明における第4ステップの一例であって、制御部5の第2解除処理部56により実行される。
【0134】
例えば、制御部5は、前記異常検出処理のステップS13で画像形成ユニット31の前記過電流異常が検出された場合は、トナーコンテナ316のロック機構318による着脱の規制を解除すると共に、画像形成ユニット31に隣接する画像形成ユニット32に対応するトナーコンテナ326のロック機構328による着脱の規制を解除する。
【0135】
また、制御部5は、前記異常検出処理のステップS13で画像形成ユニット32の前記過電流異常が検出された場合は、トナーコンテナ326のロック機構328による着脱の規制を解除すると共に、画像形成ユニット32に隣接する画像形成ユニット31及び画像形成ユニット33に対応するトナーコンテナ316及びトナーコンテナ336のロック機構318及びロック機構338による着脱の規制を解除する。
【0136】
これにより、前記紙詰まりが発生して前記過電流異常が検出された場合に、前記紙詰まりを起こしたシートが複数の画像形成ユニットと接触している場合であっても、前記紙詰まりを起こしたシートを除去することが可能である。
【0137】
<ステップS321>
一方、ステップS32において、前記異常検出処理のステップS13で検出された異常が前記過電流異常ではないと判断された場合、制御部5はステップS321の処理を実行する。ステップS321において、制御部5は、前記異常検出処理のステップS13で検出された異常が前記駆動異常であるか否かを判断する。
【0138】
ここで、制御部5は、検出された異常が前記駆動異常であると判断すると(S321のYes側)、処理をステップS322に移行させる。また、検出された異常が前記駆動異常でなければ(S321のNo側)、制御部5は、処理をステップS323に移行させる。
【0139】
<ステップS322>
ステップS322において、制御部5は、前記異常検出処理のステップS13で前記過電流異常又は前記駆動異常が検出された画像形成ユニットに対応するトナーコンテナのロック機構による着脱の規制を解除する。これにより、前記紙詰まりを起こしたシートの除去とは無関係のトナーコンテナの着脱の規制が解除されることが抑制される。また、検出された異常とは無関係のトナーコンテナの着脱の規制が解除されることが抑制される。ここで、ステップS322の処理は、制御部5の第2解除処理部56により実行される。
【0140】
<ステップS35>
ステップS35において、制御部5は、前記異常検出処理のステップS13で検出された異常を報知すると共に、ステップS34又はステップS322で着脱の規制が解除されたトナーコンテナを報知する。ここで、ステップS35の処理は、制御部5の報知処理部52により実行される。
【0141】
例えば、制御部5は、前記異常検出処理のステップS13でトナーコンテナ316の前記過電流異常が検出された場合に、トナーコンテナ316の前記過電流異常が検出された旨、及びトナーコンテナ316及びトナーコンテナ326を取り外し可能である旨を示すメッセージを操作表示部1に表示させる。これにより、ユーザーは画像形成装置10で発生した異常の種類を認識することが可能であると共に、トナーコンテナ316及びトナーコンテナ326を取り外し可能であることを認識して、前記紙詰まりを起こしたシートを除去する作業を行うことが可能である。
【0142】
なお、制御部5は、ステップS35において、前記異常検出処理のステップS13で検出された異常だけを報知してもよい。
【0143】
<ステップS36>
ステップS36において、制御部5は、ステップS34又はステップS322で着脱の規制が解除されたトナーコンテナが装着されたか否かを判断する。例えば、制御部5は、前記開閉検知スイッチにより筐体カバー10Aの開扉が検知された後に筐体カバー10Aの閉鎖が検知された場合に、着脱の規制が解除されたトナーコンテナが装着されたと判断する。
【0144】
ここで、制御部5は、着脱の規制が解除されたトナーコンテナが装着されたと判断すると(S36のYes側)、処理をステップS37に移行させる。また、着脱の規制が解除されたトナーコンテナが装着されていなければ(S36のNo側)、制御部5は、ステップS36で着脱の規制が解除されたトナーコンテナの装着を待ち受ける。
【0145】
<ステップS37>
ステップS37において、制御部5は、前記異常検出処理のステップS13で検出された前記過電流異常又は前記駆動異常が解消したか否かを判断する。
【0146】
ここで、制御部5は、前記過電流異常又は前記駆動異常が解消したと判断すると(S37のYes側)、処理をステップS38に移行させる。また、前記過電流異常又は前記駆動異常が解消していなければ(S37のNo側)、制御部5は、処理をステップS36に移行させる。
【0147】
<ステップS38>
ステップS38において、制御部5は、ロック機構318〜348にステップS34又はステップS322で着脱の規制が解除されたトナーコンテナの着脱を規制させる。ここで、ステップS38の処理は、制御部5の規制処理部58により実行される。
【0148】
<ステップS39>
ステップS39において、制御部5は、ステップS31による前記印刷処理の実行の制限を解除する。具体的に、制御部5は、ステップS31で中断された前記印刷処理の実行を再開させる。
【0149】
<ステップS323>
一方、ステップS321において、前記異常検出処理のステップS13で検出された異常が前記駆動異常ではないと判断された場合、制御部5はステップS323の処理を実行する。ステップS323において、制御部5は、前記異常検出処理のステップS13で検出された異常を報知する。ここで、ステップS35の処理は、制御部5の報知処理部52により実行される。
【0150】
即ち、前記第2規制制御処理では、前記異常検出処理のステップS13で検出された異常が前記過電流異常及び前記駆動異常のいずれでもない場合に、トナーコンテナの着脱の規制が解除されない。これにより、前記アクセス異常が検出される場合のような、トナーコンテナ又は画像形成ユニットを取り外す必要がない場合にまで、ロック機構によるトナーコンテナの着脱規制が解除されることが抑制される。
【0151】
<ステップS324>
ステップS324において、制御部5は、前記異常検出処理のステップS13で検出された異常が解消したか否かを判断する。
【0152】
ここで、制御部5は、検出された異常が解消したと判断すると(S324のYes側)、処理をステップS39に移行させる。また、検出された異常が解消していなければ(S324のNo側)、制御部5は、ステップS324で異常の解消を待ち受ける。
【0153】
このように、画像形成装置10では、いずれかの画像形成ユニットの前記過電流異常が検出された場合に、前記過電流異常が検出された画像形成ユニットに隣接する画像形成ユニットを少なくとも含む複数の画像形成ユニット各々に対応するトナーコンテナのロック機構による着脱の規制が解除される。これにより、交換時におけるトナーコンテナ316〜346内のトナーの残存量を低減させると共に、装置内部で前記紙詰まりを起こしたシートを除去することが可能である。