特許第6424897号(P6424897)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6424897弾性波共振子、弾性波フィルタ、デュプレクサ及び弾性波装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6424897
(24)【登録日】2018年11月2日
(45)【発行日】2018年11月21日
(54)【発明の名称】弾性波共振子、弾性波フィルタ、デュプレクサ及び弾性波装置
(51)【国際特許分類】
   H03H 9/145 20060101AFI20181112BHJP
【FI】
   H03H9/145 C
   H03H9/145 Z
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-562371(P2016-562371)
(86)(22)【出願日】2015年11月16日
(86)【国際出願番号】JP2015082103
(87)【国際公開番号】WO2016088543
(87)【国際公開日】20160609
【審査請求日】2017年3月23日
(31)【優先権主張番号】特願2014-243184(P2014-243184)
(32)【優先日】2014年12月1日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001232
【氏名又は名称】特許業務法人 宮▲崎▼・目次特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中川 亮
【審査官】 鬼塚 由佳
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−222458(JP,A)
【文献】 特開2009−077209(JP,A)
【文献】 特開2008−235950(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/032832(WO,A1)
【文献】 Guanshui Xu,Finite element analysis of second order effects on the frequency response of a SAW device,2000 IEEE Ultrasonics Symposium,米国,IEEE,2000年10月22日,vol.1,pp.187-190
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03H 3/08
H03H 9/145
H03H 9/25
H03H 9/64
H03H 9/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電基板と、前記圧電基板上に形成されたIDT電極とを備える弾性波共振子であって、
前記IDT電極が、前記圧電基板側に配置されている第1の主面と、前記第1の主面と対向している第2の主面と、前記第1の主面及び前記第2の主面を結んでいる側面とを有し、Al又はAlを主体とする合金により構成されている第1の電極層と、前記第1の電極層と前記圧電基板との間に積層されている第2の電極層とを備え、前記第2の電極層は、前記第1の電極層の前記側面の少なくとも一部と接しており、
伝搬する弾性波としてSH波を利用しており、
前記電極指の厚さ方向の位置の変化に対する前記電極指の長さ方向の変位量の変化を歪み成分とし、前記弾性波共振子の共振周波数をfrとし、反共振周波数をfaとしたときに、下記式(1)で表される周波数fにおいて、2次元有限要素法により算出された前記第1の主面における歪みまたは前記第1の電極層の前記側面のうち前記第2の電極層と接している部分の歪みのS成分の絶対値の最小値が、1.4×10−3以下である、弾性波共振子。
f=fr+0.06×bw …式(1)
(式(1)中、bwは、fa−frである)
なお、上記2次元有限要素法は、下記の計算モデルに基づく。
下記の周期境界条件と下記の拘束条件とを前提とし、前記圧電基板の前記IDT電極が設けられている側の主面とは反対側の主面に無反射吸収層を設けたモデルであり、
前記周期境界条件は、電極指一対のモデルとして、位相差がnπであり(nは整数)、
前記拘束条件は、第1の電極層と圧電基板との境界面に+1.0Vの電位を与え、圧電基板の前記IDT電極が設けられている側の主面とは反対側の主面に0Vの電位を与え、圧電基板の前記IDT電極が設けられている側の主面とは反対側の主面において、変位ui(u=1,2または3)の拘束条件(u=0)を設けたもの。
【請求項2】
前記周波数fにおいて、2次元有限要素法により算出された前記第1の主面または前記第1の電極層の前記側面のうち前記第2の電極層と接している部分における歪みのS成分の絶対値の最大値が、2.7×10−3以下である、請求項1に記載の弾性波共振子。
【請求項3】
圧電基板と、前記圧電基板上に形成されたIDT電極とを備える弾性波共振子であって、
前記IDT電極が、前記圧電基板側に配置されている第1の主面と、前記第1の主面と対向している第2の主面と、前記第1の主面及び前記第2の主面を結んでいる側面とを有し、Al又はAlを主体とする合金により構成されている第1の電極層と、前記第1の電極層と前記圧電基板との間に積層されている第2の電極層とを備え、前記第2の電極層は、前記第1の電極層の前記側面の少なくとも一部と接しており、
伝搬する弾性波としてSH波を利用しており、
前記電極指の厚さ方向の位置の変化に対する前記電極指の長さ方向の変位量の変化を歪み成分とし、前記弾性波共振子の共振周波数をfrとし、反共振周波数をfaとしたときに、下記式(1)で表される周波数fにおいて、2次元有限要素法により算出された前記第1の主面における歪みまたは前記第1の電極層の前記側面のうち前記第2の電極層と接している部分の歪みのS成分の絶対値の最大値が、2.7×10−3以下である、弾性波共振子。
f=fr+0.06×bw …式(1)
(式(1)中、bwは、fa−frである)
なお、上記2次元有限要素法は、下記の計算モデルに基づく。
下記の周期境界条件と下記の拘束条件とを前提とし、前記圧電基板の前記IDT電極が設けられている側の主面とは反対側の主面に無反射吸収層を設けたモデルであり、
前記周期境界条件は、電極指一対のモデルとして、位相差がnπであり(nは整数)、
前記拘束条件は、第1の電極層と圧電基板との境界面に+1.0Vの電位を与え、圧電基板の前記IDT電極が設けられている側の主面とは反対側の主面に0Vの電位を与え、圧電基板の前記IDT電極が設けられている側の主面とは反対側の主面において、変位ui(u=1,2または3)の拘束条件(u=0)を設けたもの。
【請求項4】
前記第2の電極層が、Ti、Pt、Mo、W、Au、Cu、Ag及びNiCrからなる群から選択された少なくとも1種の金属により構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の弾性波共振子。
【請求項5】
前記第1の電極層の第1,第2の主面及び側面を覆うように、前記第2の電極層が設けられており、
前記第1の電極層の第1,第2の主面及び側面の前記歪みのS成分の絶対値の最小値が、1.4×10−3以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の弾性波共振子。
【請求項6】
前記第1の電極層の第1,第2の主面及び側面を覆うように、前記第2の電極層が設けられており、
前記第1の電極層の第1,第2の主面及び側面の前記歪みのS成分の絶対値の最大値が、2.7×10−3以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の弾性波共振子。
【請求項7】
前記Alを主体とする合金が、AlとCuとの合金である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の弾性波共振子。
【請求項8】
複数の弾性波共振子を有する弾性波フィルタであって、
前記複数の弾性波共振子のうち、少なくとも1つの弾性波共振子が、請求項1〜7のいずれか1項に記載の弾性波共振子である、弾性波フィルタ。
【請求項9】
複数の弾性波共振子を有し、帯域通過型の第1のフィルタと、複数の弾性波共振子を有し、前記第1のフィルタと通過帯域が異なる第2のフィルタとを備える、デュプレクサであって、
前記第1及び第2のフィルタのうちの少なくとも一方の複数の弾性波共振子のうち、少なくとも1つの弾性波共振子が、請求項1〜7のいずれか1項に記載の弾性波共振子である、デュプレクサ。
【請求項10】
複数の送信フィルタが構成されている第1のチップ部品と、複数の受信フィルタが構成されている第2のチップ部品とを備え、前記複数の送信フィルタまたは前記複数の受信フィルタが複数の弾性波共振子を有し、該複数の弾性波共振子のうち、少なくとも1つの弾性波共振子が請求項1〜7のいずれか1項に記載の弾性波共振子である、弾性波装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電基板上にIDT電極が設けられた弾性波共振子、並びに該弾性波共振子を有する弾性波フィルタ及びデュプレクサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機などに用いられる帯域フィルタを構成する共振子として、弾性波共振子が広く用いられている。例えば、下記特許文献1には、圧電基板と、該圧電基板上に設けられたIDT電極とを備える、弾性波共振子が開示されている。特許文献1では、上記IDT電極が、Al膜により形成されることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2−295212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の弾性波共振子のように、Al膜によりIDT電極が構成される場合、信号の線形性が低下することがあった。そのため、特許文献1の弾性波共振子をデュプレクサの送信フィルタに用いた場合、送信フィルタから発生する非線形信号のレベルが大きくなって受信感度が低下することがあった。
【0005】
本発明の目的は、非線形信号の発生を抑制できる、弾性波共振子、並びに該弾性波共振子を有する弾性波フィルタ及びデュプレクサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る弾性波共振子は、圧電基板と、上記圧電基板上に形成されたIDT電極とを備える弾性波共振子であって、上記IDT電極が、上記圧電基板側に配置されている第1の主面と、上記第1の主面と対向している第2の主面とを有し、Al又はAlを主体とする合金により構成されている第1の電極層を備え、伝搬する弾性波としてSH波を利用しており、上記弾性波共振子の共振周波数をfrとし、反共振周波数をfaとしたときに、下記式(1)で表される周波数fにおいて、2次元有限要素法により算出された上記第1の主面における歪みのS成分の絶対値の最小値が、1.4×10−3以下である。
【0007】
f=fr+0.06×bw …式(1)
(式(1)中、bwは、fa−frである)
【0008】
本発明に係る弾性波共振子のある特定の局面では、上記周波数fにおいて、2次元有限要素法により算出された上記第1の主面における歪みのS成分の絶対値の最大値が、2.7×10−3以下である。この場合には、信号の線形性の低下をより一層抑制することができる。
【0009】
本発明に係る弾性波共振子の他の広い局面では、圧電基板と、上記圧電基板上に形成されたIDT電極とを備える弾性波共振子であって、上記IDT電極が、上記圧電基板側に配置されている第1の主面と、上記第1の主面と対向している第2の主面とを有し、Al又はAlを主体とする合金により構成されている第1の電極層を備え、伝搬する弾性波としてSH波を利用しており、上記弾性波共振子の共振周波数をfrとし、反共振周波数をfaとしたときに、下記式(1)で表される周波数fにおいて、2次元有限要素法により算出された上記第1の主面の歪みのS成分の絶対値の最大値が、2.7×10−3以下である。
【0010】
f=fr+0.06×bw …式(1)
(式(1)中、bwは、fa−frである)
【0011】
本発明に係る弾性波共振子のある特定の局面では、上記IDT電極が、上記圧電基板上に形成された第2の電極層を備え、上記第2の電極層上に、上記第1の電極層が積層されており、上記第2の電極層が、Ti、Pt、Mo、W、Au、Cu、Ag及びNiCrからなる群から選択された少なくとも1種の金属により構成されている。
【0012】
本発明に係る弾性波共振子の他の特定の局面では、上記第1の電極層が、上記第1の主面及び上記第2の主面を結んでいる側面を有し、該側面の少なくとも一部と、上記第2の電極層が接しており、上記第1の電極層の側面のうち上記第2の電極層と接している部分の上記歪みのS成分の絶対値の最小値が、1.4×10−3以下である。この場合には、信号の線形性の低下をより一層確実に抑制することができる。
【0013】
本発明に係る弾性波共振子の別の特定の局面では、上記第1の電極層が、上記第1の主面及び上記第2の主面を結んでいる側面を有し、該側面の少なくとも一部と、上記第2の電極層が接しており、上記第1の電極層の側面のうち上記第2の電極層と接している部分の上記歪みのS成分の絶対値の最大値が、2.7×10−3以下である。この場合には、信号の線形性の低下をより一層抑制することができる。
【0014】
本発明に係る弾性波共振子のさらに他の特定の局面では、上記第1の電極層の第1,第2の主面及び側面を覆うように、上記第2の電極層が設けられており、上記第1の電極層の第1,第2の主面及び側面の上記歪みのS成分の絶対値の最小値が、1.4×10−3以下である。この場合には、信号の線形性の低下をより一層確実に抑制することができる。
【0015】
本発明に係る弾性波共振子のさらに他の特定の局面では、上記第1の電極層の第1,第2の主面及び側面を覆うように、上記第2の電極層が設けられており、上記第1の電極層の第1,第2の主面及び側面の上記歪みのS成分の絶対値の最大値が、2.7×10−3以下である。この場合には、信号の線形性の低下をより一層確実に抑制することができる。
【0016】
本発明に係る弾性波共振子のさらに他の特定の局面では、上記Alを主体とする合金が、AlとCuとの合金である。
【0017】
本発明に係る弾性波フィルタは、複数の弾性波共振子を有する弾性波フィルタであって、上記複数の弾性波共振子のうち、少なくとも1つの弾性波共振子が、上記本発明に従って構成される弾性波共振子である。
【0018】
本発明に係るデュプレクサは、複数の弾性波共振子を有し、帯域通過型の第1のフィルタと、複数の弾性波共振子を有し、上記第1のフィルタと通過帯域が異なる第2のフィルタとを備える、デュプレクサであって、上記第1及び第2のフィルタのうちの少なくとも一方の複数の弾性波共振子のうち、少なくとも1つの弾性波共振子が、上記本発明に従って構成される弾性波共振子である。
【0019】
本発明に係る弾性波装置は、複数の送信フィルタが構成されている第1のチップ部品と、複数の受信フィルタが構成されている第2のチップ部品とを備え、前記複数の送信フィルタまたは前記複数の受信フィルタが複数の弾性波共振子を有し、該複数の弾性波共振子のうち、少なくとも1つの弾性波共振子が上記本発明に従って構成される弾性波共振子である。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る弾性波共振子では、上記のようにIDT電極を構成する第1の電極層の第1の主面における歪みのS成分の絶対値の最小値又は最大値が低められている。そのため、本発明に係る弾性波共振子は、非線形信号の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係る弾性波共振子の模式的正面断面図であり、図1(b)は、その電極構造を示す模式的平面図である。
図2図2は、第1の電極層の第1の主面内の各位置における歪み成分Sの絶対値(|S|)を示す図である。
図3図3は、第1の電極層の第1の主面における歪み成分Sの絶対値(|S|)の最小値と、3次高調波のピークレベルとの関係を示す図である。
図4図4は、第1の電極層の第1の主面における歪み成分Sの絶対値(|S|)の最大値と、3次高調波のピークレベルとの関係を示す図である。
図5図5は、高調波発生周波数と3次高調波レベルとの関係を示す図である。
図6図6は、本発明の第3の実施形態に係る弾性波共振子の模式的正面断面図である。
図7図7は、本発明の第4の実施形態に係る弾性波共振子の模式的正面断面図である。
図8図8は、本発明の第5の実施形態に係る弾性波共振子の模式的正面断面図である。
図9図9は、本発明の第6の実施形態に係る弾性波共振子の模式的正面断面図である。
図10図10は、本発明の一実施形態に係るデュプレクサの概略回路図である。
図11図11は、2次元有限要素法の計算において用いられる圧電基板の厚み(h>30λ)を示す図である。
図12図12は、2次元有限要素法の計算において用いられる圧電基板の厚み(h>5λ)を示す図である。
図13図13は、本発明の他の実施形態に係るデュプレクサの模式的平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0023】
なお、本明細書に記載の各実施形態は、例示的なものであり、異なる実施形態間において、構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることを指摘しておく。
【0024】
[弾性波共振子]
(第1の実施形態)
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係る弾性波共振子の模式的正面断面図であり、図1(b)は、その電極構造を示す模式的平面図である。弾性波共振子1は、圧電基板2を有する。圧電基板2の主面上に、IDT電極3が積層されている。IDT電極3は、第1,第2の電極層4,5を有している。より詳細には、IDT電極3は、圧電基板2上に設けられた第2の電極層5と、第2の電極層5上に積層された第1の電極層4とを有している。
【0025】
第1の電極層4は、第1,第2の主面4a,4b及び第1,第2の側面4c,4dを有する。第1の電極層4の第1の主面4aは、圧電基板2側に設けられている。第1の電極層4の第1の主面4aは、第2の電極層5と接している。すなわち、第1の電極層4の第1の主面4aは、第1の電極層4及び第2の電極層5の境界面である。また、第1の電極層4の第2の主面4bは、第1の主面4aと対向している。第1,第2の側面4c,4dは、それぞれ、第1の主面4a及び第2の主面4bを結んでいる。
【0026】
圧電基板2は、LiTaOからなる基板である。もっとも、圧電基板2としては、LiNbOなどの他の圧電単結晶からなる基板を用いてもよいし、圧電セラミックスからなる基板を用いてもよい。
【0027】
図1(a)では略図的に示しているが、圧電基板2上には、図1(b)に示す電極構造が形成されている。すなわち、IDT電極3と、IDT電極3の弾性表面波伝搬方向両側に配置された反射器6,7が形成されている。それによって、1ポート型弾性表面波共振子が構成されている。
【0028】
IDT電極3は、第1,第2のバスバーと、複数本の第1,第2の電極指とを有する。複数本の第1の電極指と、複数本の第2の電極指とは、互いに間挿し合っている。また、複数本の第1の電極指は、第1のバスバーに接続されており、複数本の第2の電極指は、第2のバスバーに接続されている。
【0029】
IDT電極3の第1の電極層4は、Alにより構成されている。IDT電極3の第1の電極層4は、Alを主体とする合金により構成されていてもよい。Alを主体とする合金とは、Alを50%以上含む合金のことをいい、例えば、Al及びCuの合金(AlCu合金)が挙げられる。
【0030】
他方、IDT電極3の第2の電極層5は、Tiにより構成されている。第2の電極層5を構成する材料としては、Ti以外にも、Pt、Mo、W、Au、Cu、Ag、Ni、Cr又はこれらの合金を用いることができる。これらは、単層の金属膜であってもよく、2種以上の金属が積層された積層金属膜であってもよい。
【0031】
本実施形態においては、伝搬する弾性波としてSH波を利用しており、第1の電極層4の第1の主面4a、すなわち第1の電極層4と第2の電極層5との境界面における歪みのS成分の絶対値の最小値が、1.4×10−3以下である。なお、本明細書において、歪みのS成分は、周波数fにおいて、2次元有限要素法により算出した値が用いられるものとする。
【0032】
周波数fは、弾性波共振子の共振周波数をfrとし、反共振周波数をfaとしたときに、下記式(1)で表される周波数である。
【0033】
f=fr+0.06×bw …式(1)
(式(1)中、bwは、fa−frである)
【0034】
また、歪みのS成分は、結晶を座標軸(x,y,z)にあてはめたときのy軸方向に沿う変位のz微分である。より具体的には、電極指の長さ方向をy方向、厚み方向をz方向とし、電極指の長さlが、l+uに変化したときに、S=(∂u/∂z)で表される。歪みのS成分は、2次元有限要素法による計算において、以下の条件により、算出される。
【0035】
第1の電極層4及び第2の電極層5を構成する材料の弾性定数及び密度は、「化学便覧 基礎編II 改訂4版 日本化学学会編 丸善(1993)」に記載された値を用いる。例えば、Alの弾性定数は、ヤング率:6.85×1010[Pa]、ポアソン比:3.4×10−1であり、密度は、2.6989×10[kg/m]である。また、Tiの弾性定数は、ヤング率:1.157×1011[Pa]、ポアソン比:3.2×10−1であり、密度は、4.5×10[kg/m]である。
【0036】
圧電基板2のパラメータは、「弾性波素子技術ハンドブック 日本学術振興会弾性波素子技術第150委員会 オーム社,p542」に記載された値を用いる。たとえば、圧電基板2を構成しているLiTaOの弾性定数は、c11=2.298、c12=0.44、c13=0.812、c14=−0.104、c22=2.298、c23=0.812、c24=0.104、c33=2.798、c44=0.968、c55=0.968、c56=−0.104、c66=0.929、c15=c16=c25=c26=c34=c35=c36=c45=c46=0[×10Pa]、cij=cjiである。LiTaOの圧電定数は、e15=2.72、e16=−1.67、e21=−1.67、e22=1.67、e24=2.72、e31=−0.38、e32=−0.38、e33=1.09、e11=e12=e13=e14=e23=e25=e26=e34=e35=e36=0[C/m]である。LiTaOの比誘電率は、ε11=42.6、ε22=42.6、ε33=4.28、ε12=ε13=ε23=0、εijji、である。
【0037】
計算モデルは、周期境界条件(位相差条件は、2nπ)を用いた電極指一対のモデルとする。圧電基板2の厚みは、図11及び図12を参照して説明される。図11及び図12は、2次元有限要素法の計算において用いられる圧電基板の厚みを示す図である。圧電基板2の厚み(h)は、図11に示すように、h>30λとする。あるいは、図12に示すように、h>5λ以上とし、圧電基板2のIDT電極3が設けられている側とは反対側の主面に、無反射吸収層(PML)15を設ける。これによって、圧電基板2のIDT電極3が設けられている側とは反対側の主面からの波動の反射を抑制することができる。
【0038】
境界条件としては、第2の電極層5と圧電基板2の境界面に+1.0V、圧電基板2のIDT電極3が設けられている側とは反対側の主面に0Vの電位を与える。また、圧電基板2のIDT電極3が設けられている側とは反対側の主面において、変位u(i=1,2,3)の拘束条件(u=0)を設ける。
【0039】
図2は、第1の電極層4の第1の主面4a内の各位置における歪み成分Sの絶対値(|S|)を示す図である。すなわち、図2は、第1の電極層4の第1の主面4aにおいて、第2の側面4d側から、第1の側面4c側へ向かって、|S|を測定する位置を変化させたときの各位置における|S|を示す図である。図2において、x軸の負側が第2の側面4d側であり、正側が第1の側面4c側である。
【0040】
図3は、第1の電極層4の第1の主面4aにおける歪み成分Sの絶対値(|S|)の最小値と、3次高調波のピークレベルとの関係を示す図である。図3において、|S|の最小値は、図2における|S|の最小値である。すなわち、第1の電極層4の第1の主面4aにおいて、第2の側面4d側から、第1の側面4c側へ向かって、|S|を測定する位置を変化させたときの各位置における|S|の最小値である。
【0041】
なお、図3には、4点の|S|の最小値が記載されているが、それぞれ、第1の電極層4および第2の電極層5の厚みを変えた際の値である。より詳細には、図3における4点の|S|は、左から、第1の電極層4および第2の電極層5の膜厚が、100nmと248nm、200nmと184nm、300nmと110nm、430nmと30nmのときの値である。また、3次高調波のピークレベルは、図5に示す3次高調波レベルがピークのことをいうものとする。
【0042】
図3より、|S|の最小値が、1.4×10−3以下であるとき、非線形信号の発生が抑制されている。
【0043】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、第1の主面4aにおける歪みのS成分の絶対値の最小値が1.4×10−3以下であった。第2の実施形態では、第1の主面4aにおける歪みのS成分の絶対値の最大値が、2.7×10−3以下である。その他の点は、第1の実施形態と同じである。以下、上記歪みのS成分の絶対値の最大値について、図4を参照してより詳細に説明する。
【0044】
図4は、第1の電極層4の第1の主面4aにおける歪み成分Sの絶対値(|S|)の最大値と、3次高調波のピークレベルとの関係を示す図である。図4において、|S|の最大値は、図における|S|の最大値である。すなわち、第1の電極層4の第1の主面4aにおいて、第2の側面4d側から、第1の側面4c側へ向かって、|S|を測定する位置を変化させたときの各位置における|S|の最大値である。
【0045】
なお、図4には、4点の|S|の最大値が記載されているが、それぞれ、第1の電極層4および第2の電極層5の厚みを変えた際の値である。また、3次高調波のピークレベルは、図5に示す3次高調波レベルがピークのことをいうものとする。
【0046】
図4より、|S|の最大値が、2.7×10−3以下であるとき、非線形信号の発生が抑制されている。
【0047】
なお、本発明においては、歪みのS成分の絶対値の最小値が1.4×10−3以下であり、かつ歪みのS成分の絶対値の最大値が、2.7×10−3以下であってもよい。この場合、非線形信号の発生をより一層抑制できる。
【0048】
(第3の実施形態)
図6は、本発明の第3の実施形態に係る弾性波共振子の模式的正面断面図である。弾性波共振子21においては、第1の電極層4の第1,第2の側面4c,4dの一部が、それぞれ第2の電極層5と接している。
【0049】
弾性波共振子21では、第1の電極層4の第1,第2の側面4c,4dの第2の電極層5と接している部分における歪みのS成分の絶対値の最小値が、1.4×10−3以下である。あるいは、第1の電極層4の第1,第2の側面4c,4dの第2の電極層5の接している部分における歪みのS成分の絶対値の最大値が、2.7×10−3以下である。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
【0050】
なお、第2の電極層5の形成方法としては、たとえば、まず、平坦な電極層を成膜等で形成する。上記平坦な電極層上に、上記平坦な電極層より一回り小さいレジスト膜を形成する。続いて、レジスト膜および上記平坦な電極層を覆うように、上記平坦な電極層と同じ材料の電極層を形成する。次に、エッチング装置を用いて異方性エッチングを行い、レジスト膜の側壁のみに電極層が残るようにする。その後、レジスト膜を除去する。これにより、第2の電極層5が形成できる。そして、第1の電極層4を積層して、IDT電極3が形成される。このようにして形成されたIDT電極3において、第1の電極層4の第2の電極層5と接している部分が、第1の電極層4の第1の主面4a及び第1,第2の側面4c,4dである。
【0051】
第3の実施形態においては、第1の電極層4の第1の主面4a及び第1,第2の側面4c,4dのうち、第2の電極層5と接している部分の歪みのS成分の絶対値の最小値又は最大値が低められている。すなわち、第1の電極層4及び第2の電極層5の境界面における歪みのS成分の絶対値の最小値又は最大値が低められている。そのため、第3の実施形態に係る弾性波共振子21は、非線形信号の発生を抑制できる。
【0052】
(第4の実施形態)
図7は、本発明の第4の実施形態に係る弾性波共振子の模式的正面断面図である。弾性波共振子31においては、第1の電極層4の第1,第2の側面4c,4dが、それぞれ第2の電極層5と接している。第1,第2の側面4c,4dを有する第2の電極層5は、上記第3の実施形態と同様に形成する。
【0053】
弾性波共振子31では、第1の電極層4の第1,第2の側面4c,4dにおける歪みのS成分の絶対値の最小値が、1.4×10−3以下である。あるいは、第1の電極層4の第1,第2の側面4c,4dにおける歪みのS成分の絶対値の最大値が、2.7×10−3以下である。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
【0054】
第4の実施形態においては、第1の電極層4の第1の主面4a及び第1,第2の側面4c,4dの歪みのS成分の絶対値の最小値又は最大値が低められている。すなわち、第1の電極層4及び第2の電極層5の境界面における歪みのS成分の絶対値の最小値又は最大値が低められている。そのため、第4の実施形態に係る弾性波共振子31は、非線形信号の発生を抑制できる。
【0055】
(第5の実施形態)
図8は、本発明の第5の実施形態に係る弾性波共振子の模式的正面断面図である。弾性波共振子41においては、第1の電極層4の第2の主面4b及び第1,第2の側面4c,4dが、第2の電極層5と接している。第1,第2の側面4c,4dを有する第2の電極層5は、上記第3,第4の実施形態と同様に形成する。
【0056】
弾性波共振子41では、第1の電極層4の第2の主面4b及び第1,第2の側面4c,4dにおける歪みのS成分の絶対値の最小値が、1.4×10−3以下である。あるいは、第1の電極層4の第2の主面4b及び第1,第2の側面4c,4dにおける歪みのS成分の絶対値の最大値が、2.7×10−3以下である。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
【0057】
第5の実施形態においては、第1の電極層4の第1,第2の主面4a,4b及び第1,第2の側面4c,4dの歪みのS成分の絶対値の最小値又は最大値が低められている。すなわち、第1の電極層4及び第2の電極層5の境界面における歪みのS成分の絶対値の最小値又は最大値が低められている。そのため、第5の実施形態に係る弾性波共振子41は、非線形信号の発生を抑制できる。
【0058】
(第6の実施形態)
図9は、本発明の第6の実施形態に係る弾性波共振子の模式的正面断面図である。弾性波共振子51においては、第2の電極層が設けられていない。そのため、第1の電極層4の第1の主面4aは、圧電基板2と接している。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
【0059】
第6の実施形態においては、第1の電極層4の第1の主面4a、すなわち第1の電極層4と圧電基板2の境界面の歪みのS成分の絶対値の最小値が、1.4×10−3以下である。あるいは、歪みのS成分の絶対値の最大値が、2.7×10−3以下である。従って、第6の実施形態に係る弾性波共振子51は、非線形信号の発生を抑制できる。
【0060】
[弾性波フィルタ及びデュプレクサ]
図10は、本発明の一実施形態に係るデュプレクサの概略回路図である。本実施形態に係るデュプレクサは、アンテナ8に共通に接続されている第1のフィルタ9と、第2のフィルタ10とを有する。
【0061】
第1のフィルタ9は、帯域通過型の送信フィルタである。第1のフィルタ9は、ラダー型フィルタである。第1のフィルタ9は、送信端子である入力端子12aと、出力端子12bとを有する。入力端子12aと出力端子12bとを結ぶ直列腕に、複数の直列腕共振子S1〜S4が配置されている。直列腕共振子S1及び直列腕共振子S2の間の接続点とグラウンド電位との間に並列腕共振子P1が接続されている。直列腕共振子S3及び直列腕共振子S4との間の接続点とグラウンド電位との間に並列腕共振子P2が接続されている。
【0062】
第2のフィルタ10は、第1のフィルタ9と通過帯域が異なる受信フィルタである。第2のフィルタ10は、縦結合共振子型の弾性波フィルタ14を有する。第2のフィルタ10は入力端子13aと、受信端子としての出力端子13bとを有する。入力端子13aと縦結合共振子型の弾性波フィルタ14との間に弾性波共振子11が接続されている。入力端子13aは、出力端子12bとの共通接続点を介してアンテナ8に接続されている。なお、本発明においては、第1,第2のフィルタに用いられるフィルタとして、それぞれ、ラダー型フィルタ、縦結合共振子型フィルタ、ラチス型フィルタ等を用いてもよい。
【0063】
通常、デュプレクサにおける送信フィルタにあって、発生する非線形信号のレベルが大きくなった場合、受信フィルタの受信感度が低下してしまう。
【0064】
これに対して、本実施形態においては、第1のフィルタ9の直列腕共振子S4が上記本発明に係る弾性波共振子である。すなわち、受信フィルタである第2のフィルタ10と接続されている直列腕共振子S4の、第1の電極層4の第1の主面4aにおける歪みのS成分の絶対値の最小値が、1.4×10−3以下である。あるいは、歪みのS成分の絶対値の最大値が、2.7×10−3以下である。そのため、直列腕共振子S4において発生する非線形信号のレベルが抑制され、従って、本実施形態に係るデュプレクサは、受信感度が低下し難い。
【0065】
もっとも、本発明においては、弾性波フィルタを構成する複数の弾性波共振子のうち少なくとも1つの弾性波共振子の第1の電極層の第1の主面の歪みのS成分の絶対値の最小値又は絶対値の最大値が上記各範囲内にあればよい。
【0066】
また、本発明に係るデュプレクサにおいては、互いに通過帯域が異なる送信フィルタ及び受信フィルタを有する場合、送信フィルタの少なくとも1つの弾性波共振子の歪みのS成分の絶対値の最小値又は最大値が上記各範囲内にあればよい。それによって、デュプレクサの受信感度の低下を抑制することができる。
【0067】
また、送信フィルタ、受信フィルタを備えた1チップのデュプレクサにおいて、送信フィルタ、受信フィルタのうちどちらか一方のフィルタだけにおいて、非線形信号のレベルを抑制する必要がある場合がある。この場合に、非線形信号のレベルを抑制したいフィルタのみに本発明の構造を適用したいが、1チップのデュプレクサでこれを製造するのは困難である。
【0068】
他方、携帯電話機等では、複数のデュプレクサが搭載されることが多い。従って、送信フィルタ及び受信フィルタのうちいずれか一方のフィルタにおいてのみ、非線形信号のレベルを抑制する必要がある場合には、図13に示す実施形態を採用することが好ましい。図13では、送信フィルタ21aと送信フィルタ21bとが第1のチップ部品21として構成されている。また、受信フィルタ22aと受信フィルタ22bとが、第2のチップ部品22とされている。ここでは、送信フィルタ21a及び送信フィルタ21bが、それぞれ、複数の弾性波共振子を有する。また、本実施形態では、送信フィルタ21a,21bにおいて、非線形信号のレベルを抑制することが求められている。この場合には、送信フィルタ21a,21bがそれぞれ有する複数の弾性波共振子のうち、少なくとも1つの弾性波共振子が、本発明に従って構成されていればよい。すなわち、上述した式(1)で表される周波数fにおいて、第1の主面における歪みのS成分の絶対値の最小値が、1.4×10−3以下であればよい。従って、送信フィルタ21a,21bにおいてのみ非線形信号のレベルを抑制する必要がある場合には、送信フィルタ21a,21bを1つの第1のチップ部品21として容易に製造することができる。他方、非線形信号のレベルを抑制する必要がない受信フィルタ22a,22bについては、第2のチップ部品22において、設計の自由度の低下を抑制することができる。
【0069】
このように、複数のデュプレクサを有する通信機器の場合には、複数の送信フィルタを第1のチップ部品とし、複数の受信フィルタを第2のチップ部品とすることが望ましい。また、複数の送信フィルタでなく、複数の受信フィルタにおいてのみ、非線形信号のレベルを抑制する必要がある場合には、受信フィルタを構成している複数の弾性波共振子のうち少なくとも1つの弾性波共振子が本発明に従って構成されていればよい。この場合においても、複数の受信フィルタを1つのチップ部品として容易に製造することができる。
【符号の説明】
【0070】
1,11,21,31,41,51…弾性波共振子
2…圧電基板
3…IDT電極
4…第1の電極層
4a,4b…第1,第2の主面
4c,4d…第1,第2の側面
5…第2の電極層
6,7…反射器
8…アンテナ
9…第1のフィルタ
10…第2のフィルタ
12a,13a…入力端子
12b,13b…出力端子
14…縦結合共振子型の弾性波フィルタ
15…無反射吸収層(PML)
21,22…第1,第2のチップ部品
21a,21b…送信フィルタ
22a,22b…受信フィルタ
S1〜S4…直列腕共振子
P1,P2…並列腕共振子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13