特許第6425012号(P6425012)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱自動車工業株式会社の特許一覧 ▶ 三菱自動車エンジニアリング株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6425012-車両の前部構造 図000002
  • 特許6425012-車両の前部構造 図000003
  • 特許6425012-車両の前部構造 図000004
  • 特許6425012-車両の前部構造 図000005
  • 特許6425012-車両の前部構造 図000006
  • 特許6425012-車両の前部構造 図000007
  • 特許6425012-車両の前部構造 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6425012
(24)【登録日】2018年11月2日
(45)【発行日】2018年11月21日
(54)【発明の名称】車両の前部構造
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/08 20060101AFI20181112BHJP
   B62D 25/16 20060101ALI20181112BHJP
   B60R 19/24 20060101ALI20181112BHJP
   B60Q 1/04 20060101ALI20181112BHJP
【FI】
   B62D25/08 E
   B62D25/16 A
   B60R19/24 J
   B60Q1/04 A
   B62D25/08 D
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-163924(P2014-163924)
(22)【出願日】2014年8月11日
(65)【公開番号】特開2016-37278(P2016-37278A)
(43)【公開日】2016年3月22日
【審査請求日】2017年7月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000176811
【氏名又は名称】三菱自動車エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101236
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100166914
【弁理士】
【氏名又は名称】山▲崎▼ 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】後藤 亘克
(72)【発明者】
【氏名】兼川 洋一
(72)【発明者】
【氏名】安井 正
【審査官】 中野 裕之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−056488(JP,A)
【文献】 特開2002−370574(JP,A)
【文献】 特開平11−348648(JP,A)
【文献】 特許第5228665(JP,B2)
【文献】 特開2003−276499(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0001436(US,A1)
【文献】 特開2002−326585(JP,A)
【文献】 実開平04−115950(JP,U)
【文献】 特開平07−164984(JP,A)
【文献】 特開平09−175292(JP,A)
【文献】 特開2002−220014(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 25/08
B60Q 1/04
B60R 19/24
B62D 25/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前輪の上方に配置されるフェンダパネルと、
車両の前面に装着されるフロントバンパと、
前記フェンダパネルに対して位置決めされた状態で当該フェンダパネルの外側の面に固定され、前記フロントバンパを係止して当該フロントバンパと前記フェンダパネルとを連結するバンパブラケットと、
前記フェンダパネルに対して位置決めされた状態で当該フェンダパネルの内側の面に固定される取り付け部を有するヘッドランプユニットと、を備え、
前記バンパブラケットは、前記フェンダパネルに形成された貫通孔に挿通されるとともに前記ヘッドランプユニットの前記取り付け部に嵌合されるボス部を有する一方、
前記ヘッドランプユニットは、前記取り付け部に形成され、前記バンパブラケットの前記ボス部の先端部が嵌合される嵌合部を有し、
前記バンパブラケットの前記ボス部が前記フェンダパネルの前記貫通孔に挿通されることで前記フェンダパネルに対する前記バンパブラケットが位置決めされ、前記貫通孔に挿通された前記ボス部の先端部が前記嵌合部に嵌合されることで、前記フェンダパネルに対して当該ヘッドランプユニットが位置決めされ、
前記フェンダパネルの前記貫通孔は、当該貫通孔に挿通された前記バンパブラケットの前記ボス部が当該貫通孔内で回転可能な形状に形成され、前記ヘッドランプユニットの前記嵌合部は、当該ヘッドランプユニットの前記ボス部に対する上下方向および回転方向での移動を規制する
ことを特徴とする車両の前部構造。
【請求項2】
請求項に記載の車両の前部構造であって、
前記嵌合部は、多角形状に形成された穴部もしくは凹部であり、
前記ボス部は、その外周面の一部に、前記嵌合部の内周面と当接して前記ヘッドランプユニットと前記ボス部との相対回転を規制する角部を備えていることを特徴とする車両の前部構造。
【請求項3】
請求項に記載の車両の前部構造であって、
前記嵌合部は、四角形状に形成され、
前記ボス部は、断面が十字状に形成されていることを特徴とする車両の前部構造。
【請求項4】
請求項1からの何れか一項に記載の車両の前部構造であって、
前記嵌合部には、車両後方側に延設されてその後端部が開口され、前記ヘッドランプユニットを取り付ける際に前記ボス部を当該嵌合部に案内するガイド溝部が接続されていることを特徴とする車両の前部構造。
【請求項5】
請求項に記載の車両の前部構造であって、
前記嵌合部は、前記車両の前後方向で車両前方側が下方となるように所定角度で傾斜して設けられていることを特徴とする車両の前部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の前部構造に関し、特に、フェンダパネルとフロントバンパとヘッドランプユニットとを位置決めするための構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車等の車両の前部には、フェンダパネル、フロントバンパ、ヘッドランプユニット等が配置されている。フロントバンパとヘッドランプユニットとは、それぞれフェンダパネルに対して所定位置に位置決めされた状態で固定されている。またフロントバンパの固定構造は様々あるが、フロントバンパは、例えば、バンパブラケットを介してフェンダパネルに固定される。具体的には、ヘッドランプユニットのハウジングの車幅方向外側が、フェンダ側取付部に取り付けられると共に、バンパブラケット(バンパリテーナ)が、フェンダ側取付部に取り付けられ、このバンパブラケットによってフロントバンパを保持するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ここで、ヘッドランプユニットとバンパブラケット(バンパリテーナ)とは、一般的に、フェンダパネルに対してそれぞれ別々に位置決めされて固定されている。このため、ヘッドランプユニットと、バンパブラケットとを、フェンダパネルに対してそれぞれ高精度に位置決めすることができ、バンパブラケットを介してフロントバンパをフェンダパネルに対して高精度に位置決めすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許5228665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ヘッドランプユニットとフロントバンパとがフェンダパネルに対して高精度に位置決めされたとしても、例えば、ヘッドランプユニットとフロントバンパとの合わせ部では、若干の位置ずれが生じる虞はある。
【0006】
車体のデザインによっては、ヘッドランプユニットとフロントバンパとの合わせ部の位置ずれが目立ってしまうこともある。このためヘッドランプユニットとフロントバンパとは、フェンダパネルに対してだけでなく、それぞれに対して高精度に位置決めされていることが好ましい。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ヘッドランプユニットとフロントバンパとフェンダパネルとを相互に高精度に位置決めして固定することができる車両の前部構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する第1の態様は、前輪の上方に配置されるフェンダパネルと、車両の前面に装着されるフロントバンパと、前記フェンダパネルに対して位置決めされた状態で当該フェンダパネルの外側の面に固定され、前記フロントバンパを係止して当該フロントバンパと前記フェンダパネルとを連結するバンパブラケットと、前記フェンダパネルに対して位置決めされた状態で当該フェンダパネルの内側の面に固定される取り付け部を有するヘッドランプユニットと、を備え、前記バンパブラケットは、前記フェンダパネルに形成された貫通孔に挿通されるとともに前記ヘッドランプユニットの前記取り付け部に嵌合されるボス部を有する一方、前記ヘッドランプユニットは、前記取り付け部に形成され、前記バンパブラケットの前記ボス部の先端部が嵌合される嵌合部を有し、前記バンパブラケットの前記ボス部が前記フェンダパネルの前記貫通孔に挿通されることで前記フェンダパネルに対する前記バンパブラケットが位置決めされ、前記貫通孔に挿通された前記ボス部の先端部が前記嵌合部に嵌合されることで、前記フェンダパネルに対して当該ヘッドランプユニットが位置決めされ、前記フェンダパネルの前記貫通孔は、当該貫通孔に挿通された前記バンパブラケットの前記ボス部が当該貫通孔内で回転可能な形状に形成され、前記ヘッドランプユニットの前記嵌合部は、当該ヘッドランプユニットの前記ボス部に対する上下方向および回転方向での移動を規制することを特徴とする車両の前部構造にある。
【0010】
本発明の第の態様は、第の態様の車両の前部構造であって、前記嵌合部は、多角形状に形成された穴部もしくは凹部であり、前記ボス部は、その外周面の一部に、前記嵌合部の内周面と当接して前記ヘッドランプユニットと前記ボス部との相対回転を規制する角部を備えていることを特徴とする車両の前部構造にある。
【0011】
本発明の第の態様は、第の態様の車両の前部構造であって、前記嵌合部は、四角形状に形成され、前記ボス部は、断面が十字状に形成されていることを特徴とする車両の前部構造にある。
【0012】
本発明の第の態様は、第1からの何れか一つの態様の車両の前部構造であって、前記嵌合部には、車両後方側に延設されてその後端部が開口され、前記ヘッドランプユニットを取り付ける際に前記ボス部を当該嵌合部に案内するガイド溝部が接続されていることを特徴とする車両の前部構造にある。
【0013】
本発明の第の態様は、第の態様の車両の前部構造であって、前記嵌合部は、前記車両の前後方向で車両前方側が下方となるように所定角度で傾斜して設けられていることを特徴とする車両の前部構造にある。
【発明の効果】
【0014】
かかる本発明の車両の前部構造によれば、バンパブラケットがフェンダパネルに対して位置決めされる。またヘッドランプユニットが、フェンダパネルに固定されたバンパブラケットによって、フェンダパネルに対して位置決めされると共に、バンパブラケットに対しても、つまりフロントバンパに対しても位置決めされる。したがって、ヘッドランプユニットとフロントバンパとフェンダパネルとをそれぞれ高精度に位置決めして固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】車両の一例を示す模式的斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る車両の前部構造を示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る車両の前部構造を示す側面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る車両の前部構造を示す断面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る位置決め構造を示す分解斜視図である。
図6】ヘッドランプユニットの組付を説明する概略図である。
図7】本発明の一実施形態に係るボス部の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係る車両の前部構造について、図1から図6を参照して詳細に説明する。なお図1は、本発明に係る前部構造を採用する車両の一例を示す模式的斜視図であり、図2は、本発明の一実施形態に係る車両の前部構造を示す斜視図である。また図3は、本発明の一実施形態に係る車両の前部構造を示す側面図であり、図4は、図3のA−A線に対応する部分の断面図である。また図5は、ボス部による位置決め構造を説明する分解斜視図であり、図6は、ヘッドランプユニットの位置決め部の一部を示す拡大図であり、ボス部の嵌合部との嵌合状態を示す概略図である。
【0017】
図1から図3に示すように、車両1は、フード2によって開閉可能なエンジンルーム3を前部に備えている。本実施形態に係る車両1の前部構造には、フェンダパネル10と、フロントバンパ20と、ヘッドランプユニット30と、バンパブラケット40と、が含まれる。これらフェンダパネル10、フロントバンパ20及びヘッドランプユニット30は、それぞれ所望の位置に位置決めされた状態で、車体を構成するアッパーフレーム50やバンパービーム60等のフレーム部材に取り付けられている。
【0018】
フェンダパネル10は、車両1の前部側面を形成する鋼板のプレス成形品であり、左右の前輪4の上方に配置されている。フロントバンパ20は、車両1の前面に装着され、その左右両側の端部上縁21は、バンパブラケット40によってフェンダパネル10の前部下縁11に固定されている。
【0019】
ここでバンパブラケット40は、図3図5に示すように、フェンダパネル10の前部下縁11に設けられた下向フランジ12の車幅方向外側の面に固定されている。バンパブラケット40には、複数の固定部、本実施形態では、3つの固定部41a〜43cが設けられている。複数の固定部41の内、バンパブラケット40の長手方向前端側(車両前方側)の固定部41aは、バンパブラケット40を固定するためのボルト70が挿入可能に形成され、その他の2つの固定部41b,41cには、下向フランジ12側に突出する係合突起42が設けられている。
【0020】
下向フランジ12は、フェンダパネル10の前部下縁11から車幅方向内側に折り曲げられた内折部13の内側端から下向きに延びている。この下向フランジ12には、ボルト70が、バンパブラケット40の固定部41aを介して挿通されるボルト孔14と、バンパブラケット40に設けられた2つの係合突起42がそれぞれ係合される係合孔(図示なし)と、が設けられている。
【0021】
そしてバンパブラケット40は、各係合突起42が係合孔に係合されるとともに、固定部41aを介してボルト孔14に挿通したボルト70をヘッドランプユニット30に締結することでフェンダパネル10に固定されている。
【0022】
また各バンパブラケット40の上部には、フェンダパネル10の内折部13に沿って係合部43が形成されている。またフロントバンパ20の左右両方の端部上縁21には、内向きに形成された係止フィン22が設けられている。そして、この係止フィン22がバンパブラケット40の係合部43によって係止されることで、フロントバンパ20の左右両側の端部上縁21がフェンダパネル10に固定されるようになっている。
【0023】
ヘッドランプユニット30は、光源、反射板、レンズ等を含むヘッドランプ本体31と、ヘッドランプ本体31を支持するハウジング32とを備える。ハウジング32は、複数の取り付け部33を有しており、これらの取り付け部33がアッパーフレーム50やバンパービーム60等の車体を構成するフレーム部材に固定されている。複数の取り付け部33のうち、車幅方向の最も外側に設けられる取り付け部33aは車幅方向外側に向かって突出して設けられ、フェンダパネル10の下向フランジ12の車幅方向内側の面、すなわちバンパブラケット40とは反対側の面、に固定されている。
【0024】
そして後述するように、ヘッドランプユニット30は、この取り付け部33aによって、フェンダパネル10及びフロントバンパ20に対して所望の位置に位置決めされている。これにより、ヘッドランプユニット30と、フェンダパネル10と、フロントバンパ20とを相互に高精度に位置決めすることができる。
【0025】
なおヘッドランプユニット30は、主として、この取り付け部33aと、ハウジング32の最も上部に設けられる取り付け部33bと、で位置決めされており、取り付け部33bがいわゆる全基準となり、取り付け部33aがいわゆる第二基準となっている。
【0026】
以下、これらフェンダパネル10と、フロントバンパ20と、ヘッドランプユニット30との位置決め構造について説明する。
【0027】
図4及び図5に示すように、バンパブラケット40は、ヘッドランプユニット30の取り付け部33aに向かって突出するボス部44を有する。このボス部44は、断面が略十字状に形成され(図6参照)、本実施形態では、車両1の前方側の端部近傍に設けられている。またフェンダパネル10の下向フランジ12には、このボス部44に対向する位置に略円形の貫通孔15が形成されている。そして、この貫通孔15にボス部44を挿通させることで、バンパブラケット40が、フェンダパネル10に対して所望の位置に位置決めされる。すなわちボス部44がバンパブラケット40をフェンダパネル10に対して位置決めするための基準となる。
【0028】
なお本実施形態では、バンパブラケット40には、上述のように車両後方側の端部近傍の固定部41b,41cには係合突起42が形成されており、バンパブラケット40は、この係合突起42をフェンダパネル10の下向フランジ12に形成された略四角形の係合孔(図示なし)に係合すると共に、貫通孔15にボス部44を挿通させることで、所望の位置に位置決めされた状態となる。つまりバンパブラケット40は、ボス部44と2つの係合突起42とで、フェンダパネル10に対して位置決めされている。また本実施形態では、上記ボス部44がいわゆる全基準となっており、貫通孔15に挿通されたボス部44は、貫通孔15内で回転可能、つまりバンパブラケット40がフェンダパネル10に対してボス部44を中心に回転可能となっている。
【0029】
また、ヘッドランプユニット30の取り付け部33aの先端面(車幅方向外側面)には、ボス部44に対向する位置に、開口形状が多角形状、例えば、略四角形の穴部で構成される嵌合部34が形成されている。そして、フェンダパネル10の貫通孔15に挿通されたボス部44の先端部をこの嵌合部34に嵌合させることで、バンパブラケット40とヘッドランプユニット30とが所望の位置に位置決めされる。なお嵌合部34は、本実施形態では取り付け部33aを貫通する穴部で構成されているが、嵌合部34は穴部に限定されず、例えば、取り付け部33aを貫通することなく形成された凹部で構成されていてもよい。
【0030】
また取り付け部33aには、嵌合部34と共にねじ穴部35が形成されている。そして、このねじ穴部35にバンパブラケット40の固定部41aを介してフェンダパネル10のボルト孔14に挿通させたボルト70を締結することで、ヘッドランプユニット30の取り付け部33aと、フェンダパネル10の下向フランジ12と、バンパブラケット40とが、相互に位置決めされた状態で一体化されるようになっている。
【0031】
以上のように本実施形態では、バンパブラケット40のボス部44をフェンダパネル10の貫通孔15に挿通し、さらにボス部44の先端部をヘッドランプユニット30の取り付け部33aの嵌合部34に嵌合させることで、フェンダパネル10と、バンパブラケット40と、ヘッドランプユニット30とが位置決めされている。これにより、フェンダパネル10と、バンパブラケット40(フロントバンパ20)と、ヘッドランプユニット30とを相互に位置決めすることができる。つまり、一本のボス部44によって、フェンダパネル10、バンパブラケット40(フロントバンパ20)及びヘッドランプユニット30の3つの部材を相互に位置決めすることができる。
【0032】
したがって、従来に比べて省スペース化を図ることができるとともに、これらフェンダパネル10、バンパブラケット40(フロントバンパ20)及びヘッドランプユニット30の位置決めが容易となり、且つ位置決め精度も高めることができる。
【0033】
また、このような構成では、略十字状のボス部44が嵌合部34に嵌合されることで、ボス部44に対するヘッドランプユニット30の上下方向の移動が規制されると共に、回転方向の移動も規制される。つまりヘッドランプユニット30の前後での傾きが規制される。したがってヘッドランプユニット30のヘッドランプ本体31とつき合わせられるフェンダパネル10の端縁およびフロントバンパ20の端縁との隙間のばらつきを抑制して間隔を一定にすることができる。
【0034】
ところで、本実施形態では、嵌合部34は上述のように開口形状が略四角形に形成された穴部で構成され、さらに取り付け部33aには、この嵌合部34に連通する凹状のガイド溝部36が形成されている。このガイド溝部36は、嵌合部34から車両後方側に延設されてその後端部36aが開口するように形成され、ヘッドランプユニット30を取り付ける際にボス部44を嵌合部34に案内する。
【0035】
このようなガイド溝部36が嵌合部34に接続されていることで、ヘッドランプユニット30の組付け作業が容易となる。具体的には、図6に示すように、ヘッドランプユニット30(取り付け部33a)を図中矢印で示すように車両前方側から車両後方側(図中右側)に向かって移動させると、ボス部44がガイド溝部36に入り込みガイド溝部36に沿って相対的に移動することになる。これにより、ヘッドランプユニット30はボス部44にガイドされて所望の位置に位置決めされる。したがって、ヘッドランプユニット30の組付け性を向上することができる。またボス部44の断面が略十字状に形成されていることで、ボス部44と嵌合部34及びガイド溝部36の内面との接触面積が極めて小さくなり摩擦抵抗が抑制されるため、組付け性がさらに向上する。
【0036】
また本実施形態では、嵌合部34は、ヘッドランプ本体31のフェンダパネル10との境界となる部分の形状に合わせて車両の前後方向で車両前方側が下方となるように所定角度で傾斜して設けられている(図5図6参照)。このように嵌合部34をヘッドランプユニット30のヘッドランプ本体31の形状に合わせて傾斜させて設けることで、ヘッドランプユニット30(ヘッドランプ本体31)とフェンダパネル10及びフロントバンパ20との隙間のばらつきをより効果的に抑制することができる。なお嵌合部34の傾斜角度は、ヘッドランプユニット30(ヘッドランプ本体31)の形状等を考慮して適宜決定すればよい。
【0037】
また本実施形態では、ボス部44の断面を略十字状に形成し、その先端部に角部が形成されることで、ヘッドランプユニット30のボス部44に対する上下方向及び回転方向の移動を規制するようにしたが、ボス部44の形状はこれに限定されるものではない。例えば、図7に示すように、ボス部44の外周面の一部に平面部45を設けることで、外周面の一部に角部46が形成されるようにしてもよい。ボス部44をこのような形状としても、ボス部44を嵌合部34に嵌合することで、ヘッドランプユニット30のボス部44に対する上下方向及び回転方向の移動を規制することができる。勿論、ボス部44は、必ずしもヘッドランプユニット30の回転方向の移動を規制する形状でなくてもよく、例えば、断面が略円形であってもよい。また、この場合、嵌合部34の開口形状も略円形としてもよい。
【0038】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能なものである。
【符号の説明】
【0039】
1 車両
2 フード
3 エンジンルーム
4 前輪
10 フェンダパネル
11 前部下縁
12 下向フランジ
13 内折部
14 ボルト孔
15 貫通孔
20 フロントバンパ
21 端部上縁
22 係止フィン
30 ヘッドランプユニット
31 ヘッドランプ本体
32 ハウジング
33 取り付け部
34 嵌合部
35 ねじ穴部
36 ガイド溝部
40 バンパブラケット
41 固定部
42 係合突起
43 係合部
44 ボス部
45 平面部
46 角部
50 アッパーフレーム
60 バンパービーム
70 ボルト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7