特許第6425044号(P6425044)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6425044
(24)【登録日】2018年11月2日
(45)【発行日】2018年11月21日
(54)【発明の名称】印刷物作成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 5/30 20060101AFI20181112BHJP
   B41J 3/36 20060101ALI20181112BHJP
   B41J 2/325 20060101ALI20181112BHJP
   B41J 21/00 20060101ALI20181112BHJP
【FI】
   B41J5/30 B
   B41J3/36 T
   B41J2/325 C
   B41J21/00 Z
【請求項の数】4
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-65479(P2016-65479)
(22)【出願日】2016年3月29日
(65)【公開番号】特開2017-177433(P2017-177433A)
(43)【公開日】2017年10月5日
【審査請求日】2017年9月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104503
【弁理士】
【氏名又は名称】益田 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100191112
【弁理士】
【氏名又は名称】益田 弘之
(72)【発明者】
【氏名】中川 和哉
(72)【発明者】
【氏名】宇野 大
(72)【発明者】
【氏名】近藤 功一
【審査官】 上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−188778(JP,A)
【文献】 特開2002−321403(JP,A)
【文献】 特開2004−013630(JP,A)
【文献】 特開2010−016441(JP,A)
【文献】 特開2000−246939(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0062453(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 5/30
B41J 2/325
B41J 3/36
B41J 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被印字媒体を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送される前記被印字媒体に対し、第1色及び前記第1色と異なる第2色を含む複数色での発色によって印字を形成する印字手段と、
少なくとも1つのフィールドに対し少なくとも1つの文字列をそれぞれ割り当てたレコードを複数含むデータベースを記憶する第1記憶手段と、
少なくとも1つのテキストオブジェクトと少なくとも1つのバーコードオブジェクトとを含む複数の印字オブジェクトが所定の態様で割り付けられるとともに、前記データベースの各レコードにおいて前記少なくとも1つのフィールドに振り分けられた前記少なくとも1つの文字列が、前記少なくとも1つのテキストオブジェクトにそれぞれ割り当てられる、テンプレートを記憶する第2記憶手段と、
前記第1記憶手段に記憶された前記データベースに含まれる少なくとも1つの前記レコードを指定した印刷指示信号を受信したことを契機に、当該印刷指示信号により指定された前記レコードに含まれる前記少なくとも1つの文字列を、前記第2記憶手段に記憶された前記テンプレートの前記少なくとも1つのテキストオブジェクトに割り当てることで、前記指定されたレコードに対応した印刷物を作成するように、前記搬送手段及び前記印字手段を連携して制御する制御手段と、
を有する印刷物作成装置であって、
前記第2色で印字形成する特定の文字列のリストを記憶する第3記憶手段と、
受信された前記印刷指示信号が指定する前記レコードに、前記特定の文字列が含まれているか否かを判定する判定手段と、
を有し、
前記制御手段は、
前記判定手段により、前記印刷指示信号が指定する前記レコードに前記特定の文字列が含まれていると判定された場合には、当該レコードに対応した前記印刷物において、前記特定の文字列が割り当てられた特定の前記テキストオブジェクトが前記第2色での発色により形成され、前記特定のテキストオブジェクト以外の前記印字オブジェクトが前記第1色での発色により形成されるとともに、前記少なくとも1つのバーコードオブジェクトが前記第1色での発色により形成されるように、前記搬送手段及び前記印字手段を連携して制御する
ことを特徴とする印刷物作成装置。
【請求項2】
被印字媒体を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送される前記被印字媒体に対し、第1色及び前記第1色と異なる第2色を含む複数色での発色によって印字を形成する印字手段と、
少なくとも1つのフィールドに対し少なくとも1つの文字列をそれぞれ割り当てたレコードを複数含むデータベースを記憶する第1記憶手段と、
複数のテキストオブジェクトを含む複数の印字オブジェクトが所定の態様で割り付けられるとともに、前記データベースの各レコードにおいて前記少なくとも1つのフィールドに振り分けられた前記少なくとも1つの文字列が、前記複数のテキストオブジェクトにそれぞれ割り当てられる、テンプレートを記憶する第2記憶手段と、
前記第1記憶手段に記憶された前記データベースに含まれる少なくとも1つの前記レコードを指定した印刷指示信号を受信したことを契機に、当該印刷指示信号により指定された前記レコードに含まれる前記少なくとも1つの文字列を、前記第2記憶手段に記憶された前記テンプレートの前記複数のテキストオブジェクトに割り当てることで、前記指定されたレコードに対応した印刷物を作成するように、前記搬送手段及び前記印字手段を連携して制御する制御手段と、
を有する印刷物作成装置であって、
前記第2色で印字形成する特定の文字列のリストを記憶する第3記憶手段と、
受信された前記印刷指示信号が指定する前記レコードに、前記特定の文字列が含まれているか否かを判定する判定手段と、
を有し、
前記複数のテキストオブジェクトのそれぞれは、他のテキストオブジェクトと互いに発色連携を行うか行わないかを表す連携識別子が設定可能に構成され、
前記判定手段により、前記印刷指示信号が指定する前記レコードに前記特定の文字列が含まれていると判定された場合、前記制御手段は、
前記レコードに対応した前記印刷物において、前記特定の文字列が割り当てられた特定の前記テキストオブジェクトが前記第2色での発色により形成され、前記特定のテキストオブジェクト以外の前記印字オブジェクトが前記第1色での発色により形成されるように、前記搬送手段及び前記印字手段を連携して制御するとともに、
前記特定のテキストオブジェクト、及び、当該特定のテキストオブジェクトと前記発色連携を行う旨の前記連携識別子を備えた他のテキストオブジェクト、を前記第2色での発色により形成するように、前記搬送手段及び前記印字手段を連携して制御する
ことを特徴とする印刷物作成装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の印刷物作成装置において、
前記データベース及び前記リストを操作端末から取得する取得手段をさらに有し、
前記第1記憶手段は、
前記取得手段により取得された前記データベースを記憶し、
前記第3記憶手段は、
前記取得手段により取得された前記リストを記憶する
ことを特徴とする印刷物作成装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項のいずれか1項記載の印刷物作成装置において、
前記印字手段は、
受熱量に応じ前記第1色及び前記第2色を含む複数色のうちのいずれかの色に発色する前記被印字媒体に対し加熱を行う、発熱量可変の発熱素子を備えたサーマルヘッドであり、
前記制御手段は、
前記サーマルヘッドの前記発熱素子への通電を制御することにより、前記特定のテキストオブジェクトを前記第2色での発色により形成するとともに、前記特定のテキストオブジェクト以外の前記印字オブジェクトを前記第1色での発色により形成する
ことを特徴とする印刷物作成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物の作成を行う印刷物作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷物の作成を行う印刷物作成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この印刷物作成装置(印刷装置)は、テンプレートにより割り付けられる文字列の内容を、データベースのレコードにより指定する、いわゆるデータベース印刷を行うことができる。データベース印刷が行われると、データベースの指定されたレコードにおいて複数のフィールドにそれぞれ割り当てられた複数の文字列がテンプレートに沿って割り付けられた印刷物が作成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−309473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記のようにしてデータベース印刷を行って次々に印刷物を作成する際に、印刷物中に特定の文字列が含まれる場合に限って、当該文字列のみ色違いにして強調したい、というニーズがあり得る。上記従来技術では、そのような点までは配慮されていなかった。
【0005】
本発明の目的は、データベース印刷の実行時に、操作者の操作負担を増加させることなく、印刷物中の特定の文字列のみ色違いにして強調できる、印刷物作成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願発明は、被印字媒体を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される前記被印字媒体に対し、第1色及び前記第1色と異なる第2色を含む複数色での発色によって印字を形成する印字手段と、少なくとも1つのフィールドに対し少なくとも1つの文字列をそれぞれ割り当てたレコードを複数含むデータベースを記憶する第1記憶手段と、少なくとも1つのテキストオブジェクトと少なくとも1つのバーコードオブジェクトとを含む複数の印字オブジェクトが所定の態様で割り付けられるとともに、前記データベースの各レコードにおいて前記少なくとも1つのフィールドに振り分けられた前記少なくとも1つの文字列が、前記少なくとも1つのテキストオブジェクトにそれぞれ割り当てられる、テンプレートを記憶する第2記憶手段と、前記第1記憶手段に記憶された前記データベースに含まれる少なくとも1つの前記レコードを指定した印刷指示信号を受信したことを契機に、当該印刷指示信号により指定された前記レコードに含まれる前記少なくとも1つの文字列を、前記第2記憶手段に記憶された前記テンプレートの前記少なくとも1つのテキストオブジェクトに割り当てることで、前記指定されたレコードに対応した印刷物を作成するように、前記搬送手段及び前記印字手段を連携して制御する制御手段と、を有する印刷物作成装置であって、前記第2色で印字形成する特定の文字列のリストを記憶する第3記憶手段と、受信された前記印刷指示信号が指定する前記レコードに、前記特定の文字列が含まれているか否かを判定する判定手段と、を有し、前記制御手段は、前記判定手段により、前記印刷指示信号が指定する前記レコードに前記特定の文字列が含まれていると判定された場合には、当該レコードに対応した前記印刷物において、前記特定の文字列が割り当てられた特定の前記テキストオブジェクトが前記第2色での発色により形成され、前記特定のテキストオブジェクト以外の前記印字オブジェクトが前記第1色での発色により形成されるとともに、前記少なくとも1つのバーコードオブジェクトが前記第1色での発色により形成されるように、前記搬送手段及び前記印字手段を連携して制御することを特徴とする。
また、本願発明は、被印字媒体を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される前記被印字媒体に対し、第1色及び前記第1色と異なる第2色を含む複数色での発色によって印字を形成する印字手段と、少なくとも1つのフィールドに対し少なくとも1つの文字列をそれぞれ割り当てたレコードを複数含むデータベースを記憶する第1記憶手段と、複数のテキストオブジェクトを含む複数の印字オブジェクトが所定の態様で割り付けられるとともに、前記データベースの各レコードにおいて前記少なくとも1つのフィールドに振り分けられた前記少なくとも1つの文字列が、前記複数のテキストオブジェクトにそれぞれ割り当てられる、テンプレートを記憶する第2記憶手段と、前記第1記憶手段に記憶された前記データベースに含まれる少なくとも1つの前記レコードを指定した印刷指示信号を受信したことを契機に、当該印刷指示信号により指定された前記レコードに含まれる前記少なくとも1つの文字列を、前記第2記憶手段に記憶された前記テンプレートの前記複数のテキストオブジェクトに割り当てることで、前記指定されたレコードに対応した印刷物を作成するように、前記搬送手段及び前記印字手段を連携して制御する制御手段と、を有する印刷物作成装置であって、前記第2色で印字形成する特定の文字列のリストを記憶する第3記憶手段と、受信された前記印刷指示信号が指定する前記レコードに、前記特定の文字列が含まれているか否かを判定する判定手段と、を有し、前記複数のテキストオブジェクトのそれぞれは、他のテキストオブジェクトと互いに発色連携を行うか行わないかを表す連携識別子が設定可能に構成され、前記判定手段により、前記印刷指示信号が指定する前記レコードに前記特定の文字列が含まれていると判定された場合、前記制御手段は、前記レコードに対応した前記印刷物において、前記特定の文字列が割り当てられた特定の前記テキストオブジェクトが前記第2色での発色により形成され、前記特定のテキストオブジェクト以外の前記印字オブジェクトが前記第1色での発色により形成されるように、前記搬送手段及び前記印字手段を連携して制御するとともに、前記特定のテキストオブジェクト、及び、当該特定のテキストオブジェクトと前記発色連携を行う旨の前記連携識別子を備えた他のテキストオブジェクト、を前記第2色での発色により形成するように、前記搬送手段及び前記印字手段を連携して制御することを特徴とする。
【0007】
本願発明の印刷物作成装置は、テンプレートのテキストオブジェクトに割り当てる文字列の内容を、データベース内のレコードにより指定する、いわゆるデータベース印刷を行うことができる。例えば操作端末から取得されたデータベースが第1記憶手段に記憶され、テンプレートが第2記憶手段に記憶されている。上記データベースに含まれる少なくとも1つのレコードを指定した印刷指示信号が受信されると、制御手段の制御に基づき、搬送手段及び印字手段により、その指定されたレコードに含まれる文字列が上記テンプレートのテキストオブジェクトに割り当てられて、対応する印刷物が作成される。
【0008】
ここで、上記のようにしてデータベース印刷を行って次々に印刷物を作成する際に、印刷物中に特定の文字列が含まれる場合に限って、当該文字列のみ色違いにして強調したい、というニーズがあり得る。一例としては、名札を作成する場合の「VIP」の肩書き表記部分や、値札を作成する場合の「Price Cut」の値引き表記部分、等である。
【0009】
そこで、本願発明においては、まず、複数色を用いた印字形成を可能としている。すなわち、印字手段は、搬送される被印字媒体に対し、第1色(強調しない通常色として用いる。例えば黒色等)及び第2色(強調色として用いる。例えば赤色)等の複数色の発色で印字形成可能に構成されている。また、第3記憶手段に、上記第2色で印字形成する特定の文字列のリストが記憶されている。
【0010】
そして、印刷時には、判定手段が、対象となるレコードに、上記リストに記載された特定の文字列が含まれるか否かを判定し、含まれている場合には、制御手段の制御によって、その特定の文字列を備えたテキストオブジェクトが上記第2色(例えば赤色)で形成され、それ以外の全オブジェクトは第1色(例えば黒色)で形成される。これにより、上記の例では、上記リスト中に文字列「VIP」や文字列「Price Cut」を予め記載しておくだけで、(特にそれ以外の特別な操作や設定を行わなくても)データベース印刷の実行時に、自動的に、上記「VIP」のみ赤色表記となった名札や、上記「Price Cut」のみ赤色表記となった値札を作成することができる。すなわち、操作者にとって面倒な操作負担を増加させることなく、印刷物の表現の幅を容易に広げることができる。
この結果、操作者にとっての利便性を向上することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、データベース印刷の実行時に、操作者の操作負担を増加させることなく、印刷物中の特定の文字列のみ色違いにして強調することができる。この結果、印刷物の表現の幅を容易に広げることができ、操作者にとっての利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施の形態の印字ラベル作成装置を備えた印字ラベル作成システムの全体構成を模式的に表すシステム構成図である。
図2】操作端末及び印字ラベル作成装置の構成を模式的に表すブロック図である。
図3】データベースの一例を表す説明図である。
図4】テンプレートの一例を表す説明図である。
図5】強調文字列のリストの一例を表す説明図である。
図6】印字ラベルの作成例を表す説明図である。
図7】印字ラベル作成装置の制御回路が実行する制御手順を表すフローチャートである。
図8】ステップS200の詳細手順を表すフローチャートである。
図9】複数のオブジェクトの色を連携する変形例における、データベースの一例を表す説明図である。
図10】テンプレートの一例を表す説明図である。
図11】強調文字列のリストの一例を表す説明図である。
図12】印字ラベルの作成例を表す説明図である。
図13】印字ラベル作成装置の制御回路が実行する制御手順を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0014】
まず、図1を参照しつつ、本実施形態の印字ラベル作成装置を備えた印字ラベル作成システムの全体構成を説明する。
【0015】
図1に示すように、印字ラベル作成システム1は、操作端末2と、印字ラベル作成装置3(印刷物作成装置)とを有する。操作端末2と印字ラベル作成装置3とは、相互通信可能に接続されている。
【0016】
操作端末2としては、操作者が操作可能な端末であれば特に限定されるものではなく、例えば、汎用PCやタブレットPC、PDA、多機能携帯電話等が使用可能である。図1に示す例では、操作端末2として汎用PCを使用した場合を示している。
【0017】
印字ラベル作成装置3は、操作者による操作端末2を介した適宜の操作に基づき、所望の印字を備えた印字ラベルL(印刷物)の作成を行う。
【0018】
<構成概要>
次に、図2を参照しつつ、操作端末2及び印字ラベル作成装置3の構成を説明する。
【0019】
図2に示すように、操作端末2は、CPU12と、例えばROMやRAM等からなるメモリ13と、各種操作が可能な操作部14と、各種表示を行う表示部17と、各種情報を記憶する記憶装置16と、印字ラベル作成装置3との間での各種情報・指示信号の授受の制御を行う通信制御部15とを有する。
【0020】
CPU12は、RAMの一時記憶機能を利用しつつROM又は記憶装置16に予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことで、操作端末2全体の制御を行う。例えば、CPU12は、通信制御部15を介して印字ラベル作成装置3との間で各種情報・指示信号の送受を行う。
【0021】
印字ラベル作成装置3は、テープロールホルダ部210と、搬送装置209(搬送手段に相当)と、サーマルヘッド205(印字手段に相当)と、カッタ207と、制御回路202と、各種操作が可能な操作部206と、各種表示を行う表示部211と、各種情報を記憶する記憶装置201と、操作端末2との間での各種情報・指示信号の授受の制御を行う通信制御部208とを有する。
【0022】
テープロールホルダ部210は、テープ203(被印字媒体に相当)を巻回した(本来は渦巻き状であるが簡略化して同心円で図示する)テープロール204を着脱可能(又はテープロール204を備えたカートリッジを着脱可能)となっている。
【0023】
搬送装置209は、テープロール204に巻回されたテープ203を搬送する。
【0024】
サーマルヘッド205は、搬送装置209に対向して設けられ、搬送装置209によりテープロール204から繰り出されて搬送されるテープ203に対し所望の印字を行う。このとき、サーマルヘッド205は、テープ203に対し、複数色を用いた印字形成が可能なサーマルヘッドである。すなわち、テープ203は、複数色の発色可能に(この例では受熱量に応じて発色の色が変化するように)構成されており、例えば、比較的高温まで加熱された場合には赤色(第2色の一例に相当。赤色以外でもよい)で発色し、比較的低温にて加熱された場合には黒色(第1色の一例に相当。黒色以外でもよい)で発色する。そして、サーマルヘッド205は、備えられた発熱素子(図示省略)への通電を可変に制御される。すなわち、サーマルヘッド205の発熱素子への通電を制御することで、赤色発色による印字形成、及び、黒色発色による印字形成を選択的に実行することができる(詳細は後述)。
【0025】
カッタ207は、印字の終了したテープ203を所定の長さに切断することで、上記印字ラベルLとする。
【0026】
制御回路202は、図示しないRAMの一時記憶機能を利用しつつ図示しないROM又は記憶装置201に予め記憶されたプログラム(後述の図7図8図13のフローチャートに示す制御手順を実行する印刷処理プログラムを含む)に従って信号処理を行うことで、印字ラベル作成装置3全体の制御を行う。また、制御回路202は、通信制御部208を介して操作端末2との間で各種情報・指示信号の送受を行う。
【0027】
記憶装置201には、複数のフィールドに対し文字列(1文字も含む)をそれぞれ割り当てたレコードを少なくとも1つ含むデータベース30(後述の図3参照)が記憶される、データベース記憶部2011(第1記憶手段に相当)が設けられている。本実施形態では、操作端末2側で作成されたデータベース30が、操作端末2から通信制御部15を介して送信され、印字ラベル作成装置3において通信制御部208を介して受信されて、データベース記憶部2011に記憶されるようになっている(後述の変形例のデータベース30についても同様)。
【0028】
<データベース>
図3に、上記データベース30の一例を示す。図3に示すデータベース30では、横1行のデータ群を1つのレコードとして、各レコードに、IDを表す文字列を割り当てたIDフィールド31、名前(図中「Name」と表記)を表す文字列を割り当てた名前フィールド32、電話番号(図中「Tel」と表記)を表す文字列を割り当てた電話番号フィールド33、及び、肩書きを表記するための分類(図中「Class」と表記)を表す文字列を割り当てた分類フィールド34が含まれている。
【0029】
例えば、このデータベース30の1行目のレコードでは、IDフィールド31にIDを表す文字列として「1」、名前フィールド32に名前を表す文字列として「Yasuhiro Suzuki」、電話番号フィールド33に電話番号を表す文字列として「090−○○○−××××」、分類フィールド34に分類を表す文字列として一般者を意味する「General」が、それぞれ割り当てられている。同様に、2行目のレコードでは、IDフィールド31にIDを表す文字列として「2」、名前フィールド32に名前を表す文字列として「Shiro Ito」、電話番号フィールド33に電話番号を表す文字列として「080−○○○−××××」、分類フィールド34に分類を表す文字列として重要人物を意味する「VIP」が、それぞれ割り当てられている。同様に、3行目のレコードでは、IDフィールド31にIDを表す文字列として「3」、名前フィールド32に名前を表す文字列として「Sonoko Kawai」、電話番号フィールド33に電話番号を表す文字列として「090−○○○−××××」、分類フィールド34に分類を表す文字列として一般者を意味する「General」が、それぞれ割り当てられている。同様に、4行目のレコードでは、IDフィールド31にIDを表す文字列として「4」、名前フィールド32に名前を表す文字列として「Junichi Ishida」、電話番号フィールド33に電話番号を表す文字列として「090−○○○−××××」、分類フィールド34に分類を表す文字列として招待者を意味する「Gest」が、それぞれ割り当てられている。同様に、5行目のレコードでは、IDフィールド31にIDを表す文字列として「5」、名前フィールド32に名前を表す文字列として「Goro Tomomatsu」、電話番号フィールド33に電話番号を表す文字列として「090−○○○−××××」、分類フィールド34に分類を表す文字列として招待者を意味する「Gest」が、それぞれ割り当てられている。
【0030】
図2に戻り、記憶装置201には、また、上記データベース30の各レコードにおいて複数のフィールドにそれぞれ振り分けられた少なくとも1つ(上記の例では複数)の文字列を、所定の態様で割り付けるためのテンプレートT(後述の図4参照)が記憶される、テンプレート記憶部2012(第2記憶手段に相当)が設けられている。本実施形態では、例えば、予め、操作端末2から送られたテンプレートTがテンプレート記憶部2012に記憶されている。
【0031】
記憶装置201には、また、後述する強調したい特定の文字列のリスト40が記憶されるリスト記憶部2013(第3記憶手段に相当)が設けられている。本実施形態では、例えば、予め、操作端末2から送られた強調文字列のリスト40がリスト記憶部2013に記憶されている。なお、このリスト40に関しては後述する。
【0032】
<テンプレート>
図4に、上記テンプレートTの一例を示す。図4において、テンプレートTは、上記図3に示すデータベース30の各レコードにおいて4つのフィールド31〜34にそれぞれ振り分けられた4つの文字列を所定の態様で割り付けるためのテンプレートである。
【0033】
このテンプレートTでは、固定文字列「ID.」が左側上部に配置されかつ固定枠Sが中央下部に配置されると共に、4つのオブジェクトF1,F2,F3,F4(テキストオブジェクトに相当、印字オブジェクトの一例に相当)が所定の態様で割り付けられている。なお、オブジェクトは複数個に限られず、1つだけ設けられていても良い。
【0034】
オブジェクトF1は、上記図3に示すデータベース30の各レコードにおいてIDフィールド31に割り当てられたIDの文字列に対応するオブジェクトであり、上記固定文字列「ID.」の後に続くように当該固定文字列「ID.」の右側に配置されている。
【0035】
オブジェクトF2は、上記図3に示すデータベース30の各レコードにおいて名前フィールド32に割り当てられた名前を表す文字列に対応するオブジェクトであり、上記固定文字列「ID.」及びオブジェクトF1の下側に配置されている。
【0036】
オブジェクトF3は、上記図3に示すデータベース30の各レコードにおいて電話番号フィールド33に割り当てられた電話番号を表す文字列に対応するオブジェクトであり、上記オブジェクトF2の下側に配置されている。
【0037】
オブジェクトF4は、上記図3に示すデータベース30の各レコードにおいて分類フィールド34に割り当てられた分類を表す文字列に対応するオブジェクトであり、上記オブジェクトF3の下側に、上記固定枠S内となるように配置されている。
【0038】
図2に戻り、印字ラベル作成装置3は、テンプレートTの上記オブジェクトF1,F2,F3,F4に割り当てられる文字列の内容を、上記データベース30のレコードにより指定する、いわゆるデータベース印刷を行うことができる。すなわち、前述したように、予め、テンプレートTがテンプレート記憶部2012に記憶されるとともに、操作端末2側で作成されたデータベース30が、操作端末2から通信制御部15を介して送信され、印字ラベル作成装置3において通信制御部208を介して受信されて、データベース記憶部2011に記憶される。そして、操作者により操作端末2の操作部14が操作され、上記データベース30の少なくとも1つのレコードを指定する印刷指示が行われると、当該少なくとも1つのレコードを指定した印刷指示信号が、操作端末2から通信制御部15を介して送信され、印字ラベル作成装置3において通信制御部208を介して受信される。すると、搬送装置209及びサーマルヘッド205等が連携して制御され、上記受信された印刷指示信号により指定されたデータベース30の各レコードごとに、複数のフィールドにそれぞれ振り分けられた複数の文字列(後述する図6のf1〜f4)が上記テンプレートTに沿って(詳細には上記オブジェクトF1,F2,F3,F4内に)割り付けられることで、対応する1つの印字ラベルLが作成される。
【0039】
<本実施形態の特徴>
ここで、上記のようにしてデータベース印刷を行って次々に印字ラベルLを作成する際に、当該印字ラベルL中に特定の文字列が含まれる場合に限って、当該文字列のみ色違いにして強調したい、というニーズがあり得る。本実施形態の最大の特徴は、上記データベース30のレコードに、上記したような特定の文字列が含まれているレコードが存在する場合には、当該文字列のみを色違いにして強調ように変換することにある。以下、図5図8等を参照しつつ、その詳細を順を追って説明する。
【0040】
<強調文字列のリスト>
本実施形態においては、上記したように、記憶装置201のリスト記憶部2013に、強調色としての赤色で印字形成する特定の文字列(以下適宜、「強調文字列」という)のリスト40が記憶されている。リスト40の例を図5に示す。図5において、この例では、強調文字列として、上記重要人物を表す「VIP」、例えば社長を表す「Principal」、株主を表す「Shareholder」等が記載されている。
【0041】
そして、印刷時には、対象となるレコードに、上記リスト40に記載された上記強調文字列が含まれるか否かが判定され、含まれている場合には、上記サーマルヘッド205の発熱素子の通電制御によって当該強調文字列を備えた印字オブジェクト(すなわちテキストオブジェクト。上記の例ではオブジェクトF1,F2,F3,F4)が赤色で形成され、それ以外の全オブジェクト(テキストオブジェクト及びそれ以外のバーコードオブジェクト等も含む。後述の変形例参照)は黒色で形成される。これにより、上記の例では、上記リスト40中に文字列「VIP」「Principal」「Shareholder」等を予め記載しておくだけで、特にそれ以外の特別な操作や設定を行わなくても、データベース印刷の実行時に、自動的に、例えば上記「VIP」のみ赤色表記となった印字ラベルL(後述する図6参照)を作成することができる。
【0042】
<印字ラベルの作成例>
上記データベースによる印字ラベルの作成例として、例えば、印字ラベル作成装置3において通信制御部208を介して上記図3に示すデータベース30の1〜3行目のレコードを指定する印刷指示信号が受信された場合を以下に示す。
【0043】
図6(a)に、上記データベース30の1行目のレコードに対応した印字ラベルLを示す。図示のように、この印字ラベルLでは、前述のIDフィールド31に割り当てられた「1」、名前フィールド32に割り当てられた「Yasuhiro Suzuki」、電話番号フィールド33に割り当てられた「090−○○○−××××」、分類フィールド34に割り当てられた「General」、が上記テンプレートTの上記オブジェクトF1,F2,F3,F4にそれぞれ割り付けられ、「1」の文字列f1、「Yasuhiro Suzuki」の文字列f2、「090−○○○−××××」の文字列f3、「General」の文字列f4が印刷されている。このとき、前述したように、各文字列は、上記リスト40内の強調文字列に該当する場合を除き、原則、黒色で印刷される。この場合、上記文字列f1,f2,f3,f4のいずれも、上記リスト40内の強調文字列に該当しないことから、それぞれ黒色で印刷されている。
【0044】
図6(b)に、上記データベース30の2行目のレコードに対応した印字ラベルLを示す。図示のように、この印字ラベルLでは、前述のIDフィールド31に割り当てられた「2」、名前フィールド32に割り当てられた「Shiro Ito」、電話番号フィールド33に割り当てられた「080−○○○−××××」、分類フィールド34に割り当てられた「VIP」、が上記テンプレートTの上記オブジェクトF1,F2,F3,F4にそれぞれ割り付けられ、「2」の文字列f1、「Shiro Ito」の文字列f2、「080−○○○−××××」の文字列f3、「VIP」の文字列f4が印刷されている。この場合、上記文字列f1,f2,f3,f4のうち、「VIP」の文字列f4が上記リスト40内の強調文字列に該当することから(上記原則の例外として)赤色で印刷され、それ以外の文字列f1,f2,f3はそれぞれ黒色で印刷されている。
【0045】
図6(c)に、上記データベース30の3行目のレコードに対応した印字ラベルLを示す。図示のように、この印字ラベルLでは、前述のIDフィールド31に割り当てられた「3」、名前フィールド32に割り当てられた「Sonoko Kawai」、電話番号フィールド33に割り当てられた「090−○○○−××××」、分類フィールド34に割り当てられた「General」、が上記テンプレートTの上記オブジェクトF1,F2,F3,F4にそれぞれ割り付けられ、「3」の文字列f1、「Sonoko Kawai」の文字列f2、「090−○○○−××××」の文字列f3、「General」の文字列f4が印刷されている。この場合、上記文字列f1,f2,f3,f4のいずれも、上記リスト40内の強調文字列に該当しないことから、上記原則通り、それぞれ黒色で印刷されている。
【0046】
<制御手順>
次に、上記手法を実現するために印字ラベル作成装置3の制御回路202が実行する制御手順を、図7を用いて説明する。
【0047】
図7において、このフローに示す処理は、例えば印字ラベル作成装置3の電源がオンされることにより開始される。
【0048】
まず、ステップS10で、制御回路202は、操作者により、操作部206を介し、操作端末2側で作成された上記データベース30及びリスト40を受信する操作が行われたか否かを判定する。なお、この操作は操作端末2側の操作部14から行っても良い。上記操作が行われなかった場合には、ステップS10の判定は満たされず(S10:NO)、後述のステップS30に移る。上記操作が行われた場合には、ステップS10の判定が満たされて(S10:YES)、ステップS20に移る。
【0049】
ステップS20では、制御回路202は、操作端末2から通信制御部15を介して送信されたデータベース30及びリスト40を、通信制御部208を介して受信し、記憶装置201のデータベース記憶部2011及びリスト記憶部2013それぞれに記憶させる。なお、このステップS20を実行する制御回路202が、各請求項記載の取得手段として機能する。
【0050】
その後、ステップS30で、制御回路202は、操作者により、操作部206を介し、操作端末2側で作成された上記テンプレートTを受信する操作が行われたか否かを判定する。なお、この操作は操作端末2側の操作部14から行っても良い。上記操作が行われなかった場合には、ステップS30の判定は満たされず(S30:NO)、後述のステップS70に移る。上記操作が行われた場合には、ステップS30の判定が満たされて(S30:YES)、ステップS40に移る。
【0051】
ステップS40では、制御回路202は、操作端末2から通信制御部15を介して送信されたテンプレートTを、通信制御部208を介して受信し、記憶装置201のテンプレート記憶部2012に記憶させる。その後、ステップS70に移る。
【0052】
ステップS70では、制御回路202は、操作端末2から通信制御部15を介して送信された、前述のデータベース印刷を指示する上記印刷指示信号(印刷対象となるレコードの指定とそのとき用いるテンプレートの指定とを含む)を、通信制御部208を介して受信したか否かを判定する。印刷指示信号を受信していない場合には、ステップS70の判定は満たされず(S70:NO)、上記ステップS10に戻り同様の手順を繰り返す。一方、印刷指示信号を受信した場合には、ステップS70の判定が満たされて(S70:YES)、ステップS80に移る。
【0053】
ステップS80では、制御回路202は、上記ステップS70で受信された印刷指示信号が指定する上記データベース30のレコードそれぞれに関して、上記リスト記憶部2013に記憶されたリスト40に記載の強調文字列が含まれているかを判定する。上記強調文字列が含まれていない場合は、ステップS80の判定が満たされず(S80:NO)、後述のステップS105に移る。上記強調文字列が含まれていた場合は、ステップS80の判定が満たされて(S80:YES)、ステップS90に移る。なお、このステップS80を実行する制御回路202が、判定手段として機能する。
【0054】
ステップS90では、制御回路202は、上記強調文字列が含まれているレコードにおいて、当該強調文字列を備えたテキストオブジェクト(上記の例ではオブジェクトF1,F2,F3,F4の少なくとも1つ。図中では「リスト該当領域」と表記)の印字形成色を赤色に設定し、それ以外を黒色に設定する。
【0055】
その後、ステップS100に移り、制御回路202は、印刷対象とする各レコードに含まれる文字列を、上記ステップS70で受信された印刷指示信号が指定する上記テンプレートTの各オブジェクト(この例ではオブジェクトF1〜F4)内にそれぞれ割り付けた、印字データを生成する。その後、後述のステップS200に移る。
【0056】
一方、ステップS105では、制御回路202は、すべてのレコードに関して、テキストオブジェクト(すなわち上記の例ではオブジェクトF1,F2,F3,F4のすべて図中では「全領域」と表記)の印字形成色を黒色に設定する。
【0057】
その後、ステップS110に移り、制御回路202は、上記ステップS100と同様、印刷対象とする各レコードに含まれる文字列を、上記ステップS70で受信された印刷指示信号が指定する上記テンプレートTの各オブジェクト(この例ではオブジェクトF1〜F4)内にそれぞれ割り付けた、印字データを生成する。その後、ステップS200に移る。
【0058】
ステップS200では、制御回路202は、上記ステップS100又はステップS110で生成された印字データを用いて、上記ステップS70で受信された印刷指示信号が指定する上記データベース30の各レコードごとに1つの印字ラベルLを作成するように、搬送装置209及びサーマルヘッド205等を連携して制御する、ラベル作成処理(詳細は後述)を実行する。これにより、このフローに示す処理が終了する。
【0059】
上記ステップS200のラベル作成処理の詳細手順を図8に示す。図8において、ステップS210で、制御回路202は、搬送装置209に制御信号を出力し、テープ203の搬送を開始させる。
【0060】
その後、ステップS220に移り、制御回路202は、テープ203の搬送方向位置が所定の印字開始位置に達したか否かを公知の手法で判定する。印字開始位置に達するまでは、ステップS220の判定が満たされず(S220:NO)、上記ステップS210に戻り同様の手順を繰り返す。印字開始位置に達したら、ステップS220の判定が満たされて(S220:YES)、ステップS230に移る。
【0061】
ステップS230では、制御回路202は、サーマルヘッド205に制御信号を出力し、テープ203への、上記ステップS100又はステップS110で生成された印字データを用いた印字を開始させる。
【0062】
そして、ステップS240で、制御回路202は、テープ203の搬送方向位置が所定の印字終了位置に達したか否かを公知の手法で判定する。印字終了位置に達するまでは、ステップS240の判定は満たされず(S240:NO)、ループ待機する。印字終了位置に達したら、ステップS240の判定が満たされて(S240:YES)、ステップS250に移る。
【0063】
ステップS250では、制御回路202は、サーマルヘッド205に制御信号を出力し、テープ203への印字を終了させる。
【0064】
その後、ステップS260に移り、制御回路202は、テープ203の搬送方向位置がテープ切断位置に達したか否かを公知の手法で判定する。テープ切断位置に達するまでは、ステップS260の判定は満たされず(S260:NO)、ループ待機する。テープ切断位置に到達したら、ステップS260の判定が満たされて(S260:YES)、ステップS270に移る。
【0065】
ステップS270では、制御回路202は、搬送装置209に制御信号を出力し、テープ203の搬送を停止させる。
【0066】
そして、ステップS280で、制御回路202は、カッタ207に制御信号を出力し、印字の終了したテープ203を切断させる。これにより、上記ステップS100又はステップS110で生成した印字データに対応した印字がなされた印字ラベルLが生成される。これによって、このルーチンに示す処理が終了する。なお、上記ステップS210〜ステップS250を実行する制御回路202が、各請求項記載の制御手段として機能する。
【0067】
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、印刷時において、対象となるレコードに上記リスト40に記載された上記強調文字列が含まれている場合には、上記サーマルヘッド205の発熱素子への通電を制御することによって、その上記強調文字列を備えたテキストオブジェクト(オブジェクトF1〜F4のうち少なくとも1つ)が赤色で形成され、それ以外は黒色で形成される。これにより、上記リスト40中に強調すべき上記強調文字列を予め記載しておくだけで、(特にそれ以外の特別な操作や設定を行わなくても)自動的に上記強調文字列のみ赤色表記として強調された印字ラベルLを作成することができる。この結果、印字ラベルLの表現の幅を容易に広げることができ、操作者にとっての利便性を向上することができる。
【0068】
また、本実施形態では特に、データベース印刷を実行するためのデータベース30が操作端末2から取得されるとき、前述の強調変色(黒色→赤色)の有無を判定するための上記リスト40も、操作端末2から取得される(ステップS20参照)。このように、データベース30を外部から取得するときに併せてリスト40も取得することで、データベース印刷を実行するときの既存の操作負担に対して新たな操作負担を増加させずに上記手法を確実に実現することができる。
【0069】
また、本実施形態では特に、サーマルヘッド205により印字形成を行う構成において、受熱量に応じて発色時の色が変化するテープ203を用い、サーマルヘッド205の発熱素子への通電を可変に制御する。これにより、容易かつ確実に上記強調変色(黒色→赤色)を行うことができる。
【0070】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を説明する。
【0071】
(1)複数のオブジェクトの色を連携する場合
例えば、上記のようにデータベース印刷により作成される印字ラベルL中の複数の印字オブジェクトにおいて、外観上の観点から互いに同一色に統一したほうが好ましい場合がある。そのような場合に対応した変形例を、以下、図9図13により説明する。
【0072】
<データベース>
図9に、本変形例におけるデータベース30の一例を示す。なおこのデータベース30は、上記データベース30と同様、予め操作端末2から送信されて印字ラベル作成装置3で受信され、上記データベース記憶部2011に記憶されている。図9に示すデータベース30では、前述のデータベース30と同様、各レコードに、IDを表す文字列を割り当てたIDフィールド310、商品名(図中「Prouct Name」と表記)を表す文字列を割り当てた商品名フィールド320、値段(図中「Price」と表記)を表す文字列を割り当てた値段フィールド330、通貨単位(図中「Denomination」と表記)を表す文字列を割り当てた通貨単位フィールド340、及び注記(図中「Remark」と表記)を表す文字列を割り当てた注記フィールド350が含まれている。
【0073】
このとき、本変形例の特徴として、データベース30には、各フィールドどうしの発色について、互いに連携して同一色とする発色連携を行うか否かを表す連携識別子を記録する連携識別子表記欄360が設けられる。この例では、互いに連携を行うフィールドにはその旨(図中では模式的に「○」印で表記)が記録されており、上記連携を行わないフィールドにはその旨(図中では模式的に「×」で表記)が記録されている。なお、連携識別子自体は、テンプレートT中の各オブジェクトにデータとして組みこまれている(図示省略)。このとき、データ量を低減するために、発色連携を行うオブジェクトのみその旨の連携識別子(たとえば1ビットのフラグのようなごく小さなデータでもよい)をテンプレートT中に組みこんでおき、発色連携を行わないオブジェクトについては何も組みこまないようにしてもよい。
【0074】
例えば、このデータベース30の1行目のレコードでは、IDフィールド310にIDを表す文字列として「1」、商品名フィールド320に商品名を表す文字列として「Chocolate」、値段フィールド330に値段を表す文字列として「1.50」、通貨単位フィールド340に通貨単位を表す文字列として「$」、注記フィールド350に注記を表す文字列として通常価格であることを示す「Net Price」が、それぞれ割り当てられている。同様に、2行目のレコードでは、IDフィールド310にIDを表す文字列として「2」、商品名フィールド320に商品名を表す文字列として「Bread」、値段フィールド330に値段を表す文字列として「1.00」、通貨単位フィールド340に通貨単位を表す文字列として「$」、注記フィールド350に注記を表す文字列として通常価格であることを示す「Net Price」が、それぞれ割り当てられている。同様に、3行目のレコードでは、IDフィールド310にIDを表す文字列として「3」、商品名フィールド320に商品名を表す文字列として「Candy」、値段フィールド330に値段を表す文字列として「2.50」、通貨単位フィールド340に通貨単位を表す文字列として「$」、注記フィールド350に注記を表す文字列として値引き価格であることを示す「Price Cut」が、それぞれ割り当てられている。
【0075】
そしてこのとき、図中の「○」印で示されるように、値段フィールド330に割り当てられる値段を表す文字列と、通貨単位フィールド340に割り当てられる通貨単位を表す文字列と、注記フィールド350に割り当てられる注記を表す文字列とは発色連携がなされる。すなわち、1行目のレコードでは、値段フィールド330の文字列「1.50」、通貨単位フィールド340の文字列「$」、注記フィールド350の文字列「Net Price」が、互いに同一色で印字形成される。同様に、2行目のレコードでは、値段フィールド330の文字列「1.00」、通貨単位フィールド340の文字列「$」、注記フィールド350の文字列「Net Price」が、互いに同一色で印字形成される。また3行目のレコードでは、値段フィールド330の文字列「2.50」、通貨単位フィールド340の文字列「$」、注記フィールド350の文字列「Price Cut」が、互いに同一色で印字形成される。一方、図中の「×」印で示されるように、IDフィールド310に割り当てられるIDを表す文字列(この例では各レコードの文字列「1」「2」「3」)や、商品名フィールド320に割り当てられる商品名を表す文字列(この例では各レコードの文字列「Chocolate」、文字列「Bread」、文字列「Candy」)は、上記発色連携の対象とはならない。
【0076】
<テンプレート>
図10に、本変形例におけるテンプレートTの一例を示す。なおこのテンプレートTは、上記実施形態と同様、予め操作端末2から送信されて印字ラベル作成装置3で受信され、上記テンプレート記憶部2012に記憶されている。
【0077】
図10に示すテンプレートTは、上記図9に示すデータベース30の各レコードにおいて5つのフィールド310〜350にそれぞれ振り分けられた(テキストオブジェクトとしての)5つの文字列と、それら文字列に対応する(例えばそれら文字列のうち少なくとも1つを公知の手法でバーコード変換した)バーコードオブジェクトとを、所定の態様で割り付けるためのテンプレートである。なお、バーコードオブジェクトは2つ以上であっても良い。
【0078】
このテンプレートTでは、固定文字列「ID.」が左側上部に配置されかつ固定枠Sが中央下寄りに配置されると共に、5つのオブジェクトF1,F2,F3,F4,F5(テキストオブジェクトに相当、印字オブジェクトの一例に相当)が所定の態様で割り付けられている。また、テンプレートTの最下部には、オブジェクトF6(バーコードオブジェクトに相当、印字オブジェクトの一例に相当)が割り付けられている。
【0079】
オブジェクトF1は、上記図9に示すデータベース30の各レコードにおいてIDフィールド310に割り当てられたIDの文字列に対応するオブジェクトであり、上記固定文字列「ID.」の後に続くように当該固定文字列「ID.」の右側に配置されている。
【0080】
オブジェクトF2は、上記図9に示すデータベース30の各レコードにおいて商品名フィールド320に割り当てられた商品名を表す文字列に対応するオブジェクトであり、上記固定文字列「ID.」及びオブジェクトF1の下側に配置されている。
【0081】
オブジェクトF3は、上記図9に示すデータベース30の各レコードにおいて値段フィールド330に割り当てられた値段を表す文字列に対応するオブジェクトであり、上記オブジェクトF2の下側左方に配置されている。
【0082】
オブジェクトF4は、上記図9に示すデータベース30の各レコードにおいて通貨単位フィールド340に割り当てられた通貨単位を表す文字列に対応するオブジェクトであり、上記オブジェクトF3の右側に配置されている。
【0083】
オブジェクトF5は、上記図9に示すデータベース30の各レコードにおいて注記フィールド350に割り当てられた注記を表す文字列に対応するオブジェクトであり、上記オブジェクトF3及びオブジェクトF4の下に、上記固定枠S内となるように配置されている。
【0084】
オブジェクトF6は、上記図9に示すデータベース30の各レコードに対応するバーコードオブジェクトであり、上記オブジェクトF5の下に配置されている。
【0085】
<強調文字列のリスト>
本変形例においても、上記実施形態と同様、上記記憶装置201のリスト記憶部2013に、上記強調文字列のリスト40が記憶されている。本変形例では、図11に示すように、強調文字列としては、上記値下げ価格を表す「Price Cut」、バーゲン価格を表す「Bargain」等が記載されている。
【0086】
そして、印刷時には、上記実施形態と同様、対象となるレコードに、上記リスト40に記載された上記強調文字列が含まれるか否かが判定され、含まれている場合には、上記サーマルヘッド205の発熱素子への通電制御によって当該強調文字列を備えた印字オブジェクト(すなわちテキストオブジェクト。上記の例ではオブジェクトF1,F2,F3,F4,F5)が赤色で形成され、それ以外の全オブジェクトは黒色で形成される。特に、バーコードオブジェクト(上記の例ではオブジェクトF6)は必ず黒色で形成される。これにより、上記の例では、上記実施形態と同様、上記リスト40中に文字列「Price Cut」「Bargain」等を予め記載しておくだけで、特にそれ以外の特別な操作や設定を行わなくても、データベース印刷の実行時に、自動的に、例えば上記「Price Cut」が赤色表記となった印字ラベルL(後述する図12参照)を作成することができる。また本変形例では特に、上記の発色連携が行われることから、上記のように強調文字列が赤色表記となったとき、当該強調文字列のオブジェクトと発色連携の設定がなされている他のオブジェクトについても、連携して自動的に赤色表記となる(後述する図12参照)。
【0087】
<印字ラベルの作成例>
本変形例における印字ラベルの作成例として、例えば、印字ラベル作成装置3において通信制御部208を介して上記図9に示すデータベース30の1〜3行目のレコードを指定する印刷指示信号が受信された場合を以下に示す。
【0088】
図12(a)に、上記データベース30の1行目のレコードに対応した印字ラベルLを示す。図示のように、この印字ラベルLでは、前述のIDフィールド310に割り当てられた「1」、商品名フィールド320に割り当てられた「Chocolate」、値段フィールド330に割り当てられた「1.50」、通貨単位フィールド340に割り当てられた「$」、注記フィールド350に割り当てられた「Net Price」が上記テンプレートTの上記オブジェクトF1,F2,F3,F4,F5にそれぞれ割り付けられ、「1」の文字列f1、「Chocolate」の文字列f2、「1.50」の文字列f3、「$」の文字列f4、「Net Price」の文字列f5が印刷されている。このとき、前述したように、各文字列は、上記リスト40内の強調文字列に該当する場合を除き、原則、黒色で印刷される。この場合、上記文字列f1,f2,f3,f4,f5のいずれも、上記リスト40内の上記強調文字列に該当しないことから、それぞれ黒色で印刷されている。また上記文字列に対応して生成されたバーコード画像が、上記テンプレートTのバーコードオブジェクトであるオブジェクトF6に割り付けられることで、バーコード印字f6が前述したように黒色で印刷されている。
【0089】
図12(b)に、上記データベース30の2行目のレコードに対応した印字ラベルLを示す。図示のように、この印字ラベルLでは、前述のIDフィールド310に割り当てられた「2」、商品名フィールド320に割り当てられた「Bread」、値段フィールド330に割り当てられた「1.00」、通貨単位フィールド340に割り当てられた「$」、注記フィールド350に割り当てられた「Net Price」が上記テンプレートTの上記オブジェクトF1,F2,F3,F4,F5にそれぞれ割り付けられ、「2」の文字列f1、「Bread」の文字列f2、「1.00」の文字列f3、「$」の文字列f4、「Net Price」の文字列f5が印刷されている。上記同様、文字列f1,f2,f3,f4,f5のいずれも上記リスト40内の文字列に該当せず、黒色で印刷されている。また、バーコード画像がオブジェクトF6に割り付けられて、バーコード印字f6が黒色で印刷されている。
【0090】
図12(c)に、上記データベース30の3行目のレコードに対応した印字ラベルLを示す。図示のように、この印字ラベルLでは、前述のIDフィールド310に割り当てられた「3」、商品名フィールド320に割り当てられた「Candy」、値段フィールド330に割り当てられた「2.50」、通貨単位フィールド340に割り当てられた「$」、注記フィールド350に割り当てられた「Price Cut」が上記テンプレートTの上記オブジェクトF1,F2,F3,F4,F5にそれぞれ割り付けられ、「2」の文字列f1、「Candy」の文字列f2、「2.50」の文字列f3、「$」の文字列f4、「Price Cut」の文字列f5が印刷されている。このとき、まず「Price Cut」文字列f5が上記リスト40内の強調文字列に該当することから赤色で印刷され、さらに前述のようにこの文字列f5と発色連携する設定がなされている「2.50」の文字列f3及び「$」の文字列f4についても赤色で印刷される。一方、文字列f1,f2は、いずれも上記リスト40内の文字列に該当せず、かつ上記文字列f5と発色連携する設定もなされていないため、黒色で印刷されている。また、前述同様、バーコード画像がオブジェクトF6に割り付けられて、バーコード印字f6が黒色で印刷されている。
【0091】
<制御手順>
本変形例による上記手法を実現するために印字ラベル作成装置3の制御回路202が実行する制御手順を、図13に示す。
【0092】
図13に示すフローチャートでは、上記した本実施形態の図7に示すフローにおけるステップS80とステップS90との間に新たにステップS85が設けられると共に、そのステップS85から分岐するステップS115及びステップS120が設けられている。それ以外は上記図7と同様の処理である。
【0093】
すなわち、上記図7と同様のステップS80において、上記ステップS70で受信された印刷指示信号が指定する上記データベース30のレコードに、上記リスト記憶部2013に記憶されたリスト40に記載の強調文字列が含まれ、判定が満たされた場合(S80:Yes)、新たに設けたステップS85に移る。
【0094】
ステップS85では、制御回路202は、上記ステップS80においてリスト40に含まれていた強調文字列(図12に示す例では「Price Cut」の文字列f5)と連携してそれと同一発色とすべき文字列(図12に示す例では「2.50」の文字列f3及び「$」の文字列f4)が存在するか否かを判定する。言い換えれば、テンプレートT中において、上記強調文字列が割り付けられるオブジェクトに対し発色連携する連携識別子が付与されたオブジェクトが含まれているか否かが判定される。連携する文字列がなかった場合は、この判定が満たされず(S85:NO)、図7と同様のステップS90に移行する。一方、連携する文字列があった場合は、この判定が満たされ(S85:YES)、ステップS115に移行する。
【0095】
ステップS115では、制御回路202は、上記強調文字列が含まれているレコードにおいて、当該強調文字列を備えたテキストオブジェクト(上記の例ではオブジェクトF5。図中では「リスト該当領域」と表記)に加え、当該テキストオブジェクトと連携するテキストオブジェクト(上記の例ではオブジェクトF3,F4。図中では「連携領域」と表記)の印字形成色を赤色に設定し、それ以外を黒色に設定する。
【0096】
その後、ステップS120に移り、制御回路202は、上記ステップS100及びステップS110と同様、印刷対象とする各レコードに含まれる文字列を、上記ステップS70で受信された印刷指示信号が指定する上記テンプレートTの各オブジェクト(この例ではオブジェクトF1〜F5)内にそれぞれ割り付け、かつ、上記文字列に基づき生成したバーコード画像を対応するバーコードオブジェクト(この例ではオブジェクトF6)に割り付けた、印字データを生成する。その後、上記図7と同様のステップS200に移る。なお、
【0097】
上記以外の各手順は図7と同様であり、説明を省略する。
【0098】
以上説明した本変形例においては、上記実施形態と同様の効果に加え、以下の効果を奏する。すなわち、上記のように例えば値札として使用される印字ラベルLの場合、上記注記を表す文字列f5のような値段の説明文となる表記部分と、対応する文字列のf3,f4のような値段の(数字)表記部分や通貨単位表記部分は、上記説明文表記部分と同一色のほうが見やすく、また印象的である。これに対応し、本変形例では、上記テンプレートTにおいて、複数のテキストオブジェクトそれぞれが、上記発色連携を行うか行わないかを表す上記連携識別子が、上記テンプレートTに設定可能である。
【0099】
上記のように同一色で表現したほうがよいテキストオブジェクトどうし(上記の例ではオブジェクトF3,F4,F5)では、「互いに発色連携を行う」旨の連携識別子が付与されている。これにより、例えば上記のようにオブジェクトF5に割り当てられる文字列「Price Cut」が赤色にて印字形成されるとき、併せて自動的にオブジェクトF3,F4に割り当てられる文字列「2.50」「$」についても赤色に強調して印字形成される。これにより、外観上統一感の取れた実効的な印字ラベルLを自動的に作成できるので、さらに操作者の利便性を向上できる。
【0100】
また、一般に、バーコードは、黒色により形成した場合が最も読み取り精度が高いのに対し、それ以外の色は、例えば色が薄くなるほど読み取り精度が低下する。そこで、本変形例においては、バーコードオブジェクト(上記の例ではオブジェクトF6)については上記のような赤色を用いた強調対象から除外し、確実に黒色とする。これにより、読み取り精度の低下を確実に防止することもできる。 なお、上記の例では、上述したバーコードの特性に鑑み、バーコードオブジェクトであるオブジェクトF6については上記連携識別子の付与対象外としたが、バーコードオブジェクトについては常に「いずれとも発色連携を行わない」旨の連携識別子を付与するようにしてもよい。
【0101】
(2)その他
上記実施形態では、印字の終了したテープ203をカッタ207で切断して印字ラベルLを生成する場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、ラベルに対応した所定の大きさに予め分離されたラベル台紙(いわゆるダイカットラベル)がロールから繰り出されるテープ上に連続配置されているような場合には、カッタ207で切断しなくてもテープが図示しない排出口から排出されてきた後にラベル台紙(対応する印字がなされたもの)のみをテープから剥がして印字ラベルLを生成してもよく、本発明はこのようなものに対しても適用できる。
【0102】
また、上記実施形態では、テープ203に印字を行う方式(貼り合わせを行わないタイプ)であったが、これに限られず、テープ203とは別の被印字媒体(例えばカバーフィルム等)に印字を行ってこれらを貼り合わせる方式に本発明を適用してもよい。
【0103】
さらに、上記実施形態では、テープ203が巻回されてテープロール204を構成し、テープロール204からテープ203が繰り出される場合を例にとって説明したが、これに限られない。例えば、長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシート(ロールに巻回されたテープを繰り出した後に適宜の長さに切断して形成したものを含む)を、所定の収納部にスタックし(例えばトレイ状のものに平積み積層し)、当該収納部から移送・搬送して印字を行うことで印刷物を作成してもよい。さらには長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシートを印字ラベル作成装置3外より1枚ずつ所定のフィーダ機構により移送し印字ラベル作成装置3内へ供給する構成も考えられ、さらには印字ラベル作成装置3側に着脱不能のいわゆる据え付け型あるいは一体型としてテープロール204を設けることも考えられる。この場合も同様の効果を得る。
【0104】
また、上記においては、受熱量に応じて複数段階に発色可能なテープ203に対し、通電制御により複数段階に発熱可能なサーマルヘッド205を用いることで、強調文字列のみ赤色とする例を説明したが、これに限られない。例えばカラー印刷可能な通常のインクジェットプリンタやレーザプリンタに上記手法を適用し、データベース印刷時においてレコード中に上記強調文字列が含まれている場合に、印刷物中の当該強調文字列を含むオブジェクトのみ、他の部分の色(上記の例では黒色。但しこれに限られない)と異なる色(上記の例では赤色。但しこれに限られない)としてもよい。この場合も同様の効果を得る。
【0105】
また、図2中に示す矢印は、信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0106】
また、図7図8及び図13に示すフローチャートは、本発明を図示する手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0107】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用してもよい。
【0108】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0109】
2 操作端末
3 印字ラベル作成装置(印刷物作成装置)
30 データベース
40 リスト
202 制御回路
203 テープ(被印字媒体)
205 サーマルヘッド(印字手段)
206 操作部(操作手段)
208 通信制御部
209 搬送装置(搬送手段)
2011 データベース記憶部(第1記憶手段)
2012 テンプレート記憶部(第2記憶手段)
2013 リスト記憶部(第3記憶手段)
L 印字ラベル(印刷物)
T テンプレート
図1
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