(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態、実施例、および比較例について、図面を用いて説明する。ただし、以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し繰り返しの説明を省略することがある。
【0009】
第一の実施形態に係るカメラシステムの構成について
図1Aを用いて説明する。第一の実施形態に係るカメラシステム10はレンズ1と撮像装置2Aとを備える。撮像装置2Aは、青(B)のCMOS撮像素子3Bと、緑(G)のCMOS撮像素子3Gと、赤(R)のCMOS撮像素子3Rと、CPU6と、タイミング発生回路(TG)とコマ速度変換とを含む映像信号処理回路7と、3色分解光学系8とを備える。映像信号処理回路7はFPGAとフレームメモリとで構成される。カメラシステム10はRGBの3板で撮像と同一の画素数の映像を出力する。
CMOS撮像素子3Bは、Bを出力映像コマ数の整数N倍の速度で撮像する。CMOS撮像素子3Gは、Gを出力映像コマ数の整数N+1以上の整数M倍の速度で撮像する。CMOS撮像素子3Rは、Rを出力映像コマ数の整数N+1以上の整数M倍の速度で撮像する。映像信号処理回路7のTGは、出力映像に用いるB及びG及びRの撮像コマの中心位相が概略同一垂直同期位相になるように、B及G及びRの撮像コマの垂直同期位相を偶数倍速の垂直同期周期の概略半分のオフセットした垂直同期信号を生成する。概略同一垂直同期位相のB及びG及びRの撮像コマの垂直有効映像を出力映像に用いる。
【0010】
第二の実施形態に係るカメラシステムの構成について
図1Bを用いて説明する。第二の実施形態に係るカメラシステム20はレンズ1と撮像装置2Bとを備える。撮像装置2Bは、青(B)のCMOS撮像素子3Bと、第1の緑(G1)のCMOS撮像素子3G1と、第2の緑(G2)のCMOS撮像素子3G1と、赤(R)のCMOS撮像素子3Rと、CPU6と、TGとコマ速度変換と補間処理を含む映像信号処理回路4と、4色分解光学系5とを備える。映像信号処理回路4はFPGAとフレームメモリとで構成される。カメラシステム20はRG1G2Bの4板で撮像の縦横倍の画素数の映像を出力する。
CMOS撮像素子3Bは、Bを出力映像コマ数の整数N倍の速度で撮像する。CMOS撮像素子3G1は、G1を出力映像コマ数の整数N+1以上の整数M倍の速度で撮像する。CMOS撮像素子3G2は、G2を出力映像コマ数の整数N+1以上の整数M倍の速度で撮像する。CMOS撮像素子3Rは、Rを出力映像コマ数の整数N+1以上の整数M倍の速度で撮像する。映像信号処理回路4のTGは、出力映像に用いるB及びG1及びG2及びRの撮像コマの中心位相が概略同一垂直同期位相になるように、B及G1及びG2及びRの撮像コマの垂直同期位相を偶数倍速の垂直同期周期の概略半分のオフセットした垂直同期信号を生成する。概略同一垂直同期位相のB及びG1及びG2及びRの撮像コマの垂直有効映像を出力映像に用いる。
【0011】
本実施形態の撮像方法では、色分解光学系と3ケ以上のCMOS撮像素子を有する撮像装置において、前記CMOS撮像素子はグローバルシャッタCMOS撮像素子だけでなく、フォーカルプレーンシャッタ(ローリングシャッタともいう)CMOS撮像素子でも構わなく、
(a)Bを出力映像コマ数の整数N倍の速度で撮像し、G又は(G1及びG2)を整数N+1以上の整数M倍で撮像し、Rを整数N+1以上の整数M倍で撮像し、
(b)出力映像に用いるB及びG及びR、又はB及びG1及びG2及びRの撮像コマの中心位相が概略同一垂直同期位相になるように、B及びG及びR、又はB及びG1及びG2及びRの撮像コマの垂直同期位相を偶数倍速の垂直同期周期の概略半分のオフセットし、
(c)概略同一垂直同期位相のB及びG及びR、又はB及びG1及びG2及びRの撮像コマの垂直有効映像を出力映像に用いる。
【0012】
また、色分解光学系と3ケ以上のフォーカルプレーンシャッタであるCMOS撮像素子を有する撮像装置では、
(a)B及びG及びR、又はB及びG1及びG2及びRの撮像コマの垂直同期位相を偶数倍速の垂直同期周期の概略半分のオフセットした垂直同期信号と奇数倍速の垂直同期周期のオフセットしない垂直同期信号とを生成し印加する手段(TG)と、
(b)偶数倍速の垂直同期周期の概略半分のオフセットした垂直同期信号に同期してBを出力映像コマ数の整数N倍の速度で撮像するCMOS撮像素子と、
(c)奇数倍速の垂直同期周期のオフセットしない垂直同期信号に同期してG又は(G1及びG2)を整数N+1以上の整数M倍で撮像するCMOS撮像素子と、
(d)奇数倍速の垂直同期周期のオフセットしない垂直同期信号に同期してRを整数N+1以上の整数M倍で撮像するCMOS撮像素子と、
(e)コマ速度度変換手段(フレームメモリ)含む映像信号処理回路と、
を有する。
【0013】
本実施の形態によれば、放送局やプロダクションハウスに広く普及している3枚用ズームレンズと色分解光学系と3枚以上のモノクロのローリングシャッタCMOS撮像素子を用いても、フォーカルプレーンシャッタ歪を少なく、ダイナミックレンジを広くすることができる。
【0014】
つまり本実施の形態によれば、ローリングシャッタCMOS撮像素子を用いてもフォーカルプレーンシャッタ歪を少なく、ダイナミックレンジを広くすることができる。そのため、高価なグローバルシャッタCMOS撮像素子だけでなく、安価で低消費電力なローリングシャッタCMOS撮像素子を用いてもフォーカルプレーンシャッタ歪を少なく、ダイナミックレンジを広くすることができる。
【実施例1】
【0015】
第一の実施例(実施例1)に係る撮像装置の構成と動作について
図3Aおよび
図2Aを用いて説明する。第一の実施例に係る撮像装置2A1は第一の実施の形態に係るカメラシステム10に用いられる撮像装置で、Rが2倍速、Gが3倍速、Bが等速で動作する。
図3Aに示すように、撮像装置2A1はTGとコマ速度変換とを含む映像信号処理回路7Aと、緑(G)の周辺回路を集積したCMOS撮像素子(GのCMOS撮像素子)3Gと、赤(R)の周辺回路を集積したCMOS撮像素子(RのCMOS撮像素子)3Rと、青(B)の周辺回路を集積したCMOS撮像素子(BのCMOS撮像素子)3Bとを備える。映像信号処理回路7AはFPGAとフレームメモリとで構成される。
CMOS撮像素子3Rは、倍速のクロック(×2CLK)と倍速の水平同期信号(×2HD)と位相をずらした倍速の垂直同期信号(Offset×2VD)とを入力し、位相をずらした倍速の映像信号(×2RVi)を出力する。CMOS撮像素子3Gは、三倍速のクロック(×3CLK)と三倍速の水平同期信号(×3HD)と三倍速の垂直同期信号(×3VD)とを入力し、三倍速の映像信号(×3GVi)を出力する。CMOS撮像素子3Bは、等速のクロック(CLK)と水平同期信号(HD)と垂直同期信号(VD)とを入力し、等速の映像信号(BVi)を出力する。映像信号処理回路7Aは、倍速の映像信号(×2RVi)を入力し映像信号(RVo)を出力し、三倍速の映像信号(×3GVi)を入力し映像信号(GVo)を出力し、等速の映像信号(BVi)を入力し映像信号(BVo)を出力する。
【0016】
図2Aに示すように、Rの撮像コマの垂直同期位相を倍速(偶数倍速)の垂直同期周期の概略半分のオフセットした垂直同期信号をCMOS撮像素子3Rに入力しているので、出力映像に用いるB及びG及びRの撮像コマの中心位相が概略同一垂直同期位相になる。なお、映像出力垂直周期を24p(1秒間に24コマ)とすると、倍速のRの撮像垂直周期は48p、3倍速のGの撮像垂直周期は72p、等速のBの撮像垂直周期24pである。
CMOS撮像素子の実測からの換算で、G:−1dB、R:+2.8dB、B:+10dB、であるものが、Bを等速、Rを2倍速、Gを3倍速とすると、G:+8dB、R:+9dB、B:+10dBと誤差2dBでダイナミックレンジ最大である。これは、目の解像度は青が最も低く、赤が次に低く、緑が高いことを利用したものである。
【0017】
第一の実施例に係る撮像装置は、第二の実施の形態に係るカメラシステム20において、Rが2倍速、G1とG2が3倍速、Bが等速で動作するようにしてもよい。
【0018】
第一の実施例に係る撮像装置は、RのCMOS撮像素子に2倍速で中心位相を概略2倍速の半コマオフセットした垂直同期パルスを生成し送り2倍速で撮像し、G1およびG2またはGのCMOS撮像素子に3倍速で中心位相をそろえた垂直同期パルスを生成し送り3倍速で撮像し、BのCMOS撮像素子に等速で中心位相をそろえた垂直同期パルスを生成し送り等速で撮像するようにされる。
【実施例2】
【0019】
第二の実施例(実施例2)に係る撮像装置の構成と動作について
図3Bおよび
図2Bを用いて説明する。第二の実施例に係る撮像装置2B2は第二の実施の形態に係るカメラシステム20に用いられる撮像装置で、Rが2倍速、G1が2倍速、G2が2倍速、Bが等速で動作する。
図3Bに示すように、撮像装置2B2はTGとコマ速度変換と補間処理とを含む映像信号処理回路4Bと、第1の緑(G1)の周辺回路を集積したCMOS撮像素子(G1のCMOS撮像素子)3G1と、第2の緑(G2)の周辺回路を集積したCMOS撮像素子(G2のCMOS撮像素子)3G2と、RのCMOS撮像素子3Rと、BのCだいいちOS撮像素子(BのCMOS撮像素子)3Bとを備える。映像信号処理回路4BはFPGAとフレームメモリとで構成される。
CMOS撮像素子3Rは、倍速のクロック(×2CLK)と倍速の水平同期信号(×2HD)と位相をずらした倍速の垂直同期信号(Offset×2VD)とを入力し、位相をずらした倍速の映像信号(×2RVi)を出力する。CMOS撮像素子3G1は、倍速のクロック(×2CLK)と倍速の水平同期信号(×2HD)と位相をずらした倍速の垂直同期信号(Offset×2VD)とを入力し、位相をずらした倍速の映像信号(×2G1Vi)を出力する。CMOS撮像素子3G2は、倍速のクロック(×2CLK)と倍速の水平同期信号(×2HD)と位相をずらした倍速の垂直同期信号(Offset×2VD)とを入力し、位相をずらした倍速の映像信号(×2G2Vi)を出力する。CMOS撮像素子3Bは、等速のクロック(CLK)と水平同期信号(HD)と垂直同期信号(VD)とを入力し、等速の映像信号(BVi)を出力する。映像信号処理回路4Bは、倍速の映像信号(×2RVi)を入力し映像信号(RVo)を出力し、倍速の映像信号(×2G1Vi)および倍速の映像信号(×2G2Vi)を入力し映像信号(GVo)を出力し、等速の映像信号(BVi)を入力し映像信号(BVo)を出力する。
【0020】
図2Bに示すように、Rの撮像コマの垂直同期位相を倍速(偶数倍速)の垂直同期周期の概略半分のオフセットした垂直同期信号をCMOS撮像素子3Rに入力し、G1の撮像コマの垂直同期位相を倍速(偶数倍速)の垂直同期周期の概略半分のオフセットした垂直同期信号をCMOS撮像素子3G1に入力し、G2の撮像コマの垂直同期位相を倍速(偶数倍速)の垂直同期周期の概略半分のオフセットした垂直同期信号をCMOS撮像素子3G2に入力しているので、出力映像に用いるB及びG1G2を含むG及びRの撮像コマの中心位相が概略同一垂直同期位相になる。なお、映像出力垂直周期を60p(1秒間に60コマ)とすると、倍速のRの撮像垂直周期は120p、倍速のG1の撮像垂直周期は120p、倍速のG2の撮像垂直周期は120p、等速のBの撮像垂直周期60pである。
CMOS撮像素子の実測値の、G1:5dB、G1:5dB、R:+2.8dB、B:+10dB、から、Bを等速、Rを2倍速、G1を2倍速、G2を2倍速とすると、G:+11dB、R:+9dB、B:+10dBと誤差2dBでダイナミックレンジ最大である。これは、目の解像度は青が最も低いことを利用したものである。
【0021】
第二の実施例に係る撮像装置は、第一の実施の形態に係るカメラシステム10において、Rが2倍速、Gが2倍速、Bが等速で動作するようにしてもよい。
【0022】
第二の実施例に係る撮像装置は、RのCMOS撮像素子に2倍速で中心位相を概略2倍速の半コマオフセットした垂直同期パルスを生成し送り2倍速で撮像し、G1及びG2又はGのCMOS撮像素子に2倍速で中心位相を概略2倍速の半コマオフセットした垂直同期パルスを生成し送り2倍速で撮像し、BのCMOS撮像素子に等速で中心位相をそろえた垂直同期パルスを生成し送り等速で撮像するようにされる。
【実施例3】
【0023】
第三の実施例(実施例3)に係る撮像装置の構成と動作について
図3Cおよび
図2Cを用いて説明する。第三の実施例に係る撮像装置2A3は第一の実施の形態に係るカメラシステム10に用いられる撮像装置で、Rが3倍速、Gが4倍速、Bが2倍速で動作する。
図3Cに示すように、撮像装置2A3はTGとコマ速度変換とを含む映像信号処理回路7Cと、GのCMOS撮像素子3Gと、RのCMOS撮像素子3Rと、BのCMOS撮像素子3Bとを備える。映像信号処理回路7CはFPGAとフレームメモリとで構成される。
CMOS撮像素子3Rは、3倍速のクロック(×3CLK)と3倍速の水平同期信号(×3HD)と3倍速の垂直同期信号(×3VD)とを入力し、3倍速の映像信号(×3RVi)を出力する。CMOS撮像素子3Gは、4倍速のクロック(×4CLK)と4倍速の水平同期信号(×4HD)と位相をずらした4倍速の垂直同期信号(Offset×4VD)とを入力し、位相をずらした4倍速の映像信号(×4GVi)を出力する。CMOS撮像素子3Bは、2倍速のクロック(×2CLK)と2倍速の水平同期信号(×2HD)と位相をずらした2倍速の垂直同期信号(Offset×2VD)とを入力し、位相をずらした2倍速の映像信号(×2BVi)を出力する。映像信号処理回路7Cは、3倍速の映像信号(×3RVi)を入力し映像信号(RVo)を出力し、4倍速の映像信号(×4GVi)を入力し映像信号(GVo)を出力し、2倍速の映像信号(×2BVi)を入力し映像信号(BVo)を出力する。
【0024】
図2Cに示すように、Gの撮像コマの垂直同期位相を4倍速(偶数倍速)の垂直同期周期の概略半分のオフセットした垂直同期信号をCMOS撮像素子3Gに入力し、Bの撮像コマの垂直同期位相を2倍速(偶数倍速)の垂直同期周期の概略半分のオフセットした垂直同期信号をCMOS撮像素子3Bに入力しているので、出力映像に用いるB及びG及びRの撮像コマの中心位相が概略同一垂直同期位相になる。なお、映像出力垂直周期を24p(1秒間に24コマ)とすると、3倍速のRの撮像垂直周期は72p、4倍速のGの撮像垂直周期は96p、2倍速のBの撮像垂直周期48pである。
CMOS撮像素子の実測からの換算で、G:−1dB、R:+2.8dB、B:+10dB、であるものが、Bを2倍速、Rを3倍速、Gを4倍速とすると、ダイナミックレンジ最大である。これは、目の解像度は青が最も低く、赤が次に低く、緑が高いことを利用したものである。
【0025】
第三の実施例に係る撮像装置は、第二の実施の形態に係るカメラシステム20において、Rが3倍速、Gが4倍速、Bが2倍速で動作するようにしてもよい。
【0026】
第三の実施例に係る撮像装置は、RのCMOS撮像素子に3倍速で中心位相をそろえた垂直同期パルスを生成し送り3倍速で撮像し、G1及びG2又はGのCMOS撮像素子に4倍速で中心位相を概略4倍速の半コマオフセットした垂直同期パルスを生成し送り4倍速で撮像し、BのCMOS撮像素子に2倍速で中心位相を概略2倍速の半コマオフセットした垂直同期パルスを生成し送り2倍速で撮像するようにされる。
【実施例4】
【0027】
第四の実施例(実施例4)に係る撮像装置の構成と動作について
図3Dおよび
図2Dを用いて説明する。第四の実施例に係る撮像装置2B4は第二の実施の形態に係るカメラシステム20に用いられる撮像装置で、Rが4倍速、G1が4倍速、G2が4倍速、Bが2倍速で動作する。
図3Dに示すように、撮像装置2B4はTGとコマ速度変換と補間処理とを含む映像信号処理回路4Dと、G1のCMOS撮像素子3G1と、G2のCMOS撮像素子3G2と、RのCMOS撮像素子3Rと、BのCMOS撮像素子3Bとを備える。映像信号処理回路4DはFPGAとフレームメモリとで構成される。
CMOS撮像素子3Rは、4倍速のクロック(×4CLK)と4倍速の水平同期信号(×4HD)と位相をずらした4倍速の垂直同期信号(Offset×4VD)とを入力し、位相をずらした4倍速の映像信号(×4RVi)を出力する。CMOS撮像素子3G1は、4倍速のクロック(×4CLK)と4倍速の水平同期信号(×4HD)と位相をずらした4倍速の垂直同期信号(Offset×4VD)とを入力し、位相をずらした4倍速の映像信号(×4G1Vi)を出力する。CMOS撮像素子3G2は、4倍速のクロック(×4CLK)と倍速の水平同期信号(×4HD)と位相をずらした倍速の垂直同期信号(Offset×4VD)とを入力し、位相をずらした4倍速の映像信号(×4G2Vi)を出力する。CMOS撮像素子3Bは、2倍速のクロック(×2CLK)と2倍速の水平同期信号(×2HD)と位相をずらした2倍速の垂直同期信号(Offset×2VD)とを入力し、位相をずらした2倍速の映像信号(×2BVi)を出力する。映像信号処理回路4Dは、4倍速の映像信号(×4RVi)を入力し映像信号(RVo)を出力し、4倍速の映像信号(×4G1Vi)および4倍速の映像信号(×4G2Vi)を入力し映像信号(GVo)を出力し、2倍速の映像信号(×2BVi)を入力し映像信号(BVo)を出力する。
【0028】
図2Dに示すように、Rの撮像コマの垂直同期位相を4倍速(偶数倍速)の垂直同期周期の概略半分のオフセットした垂直同期信号をCMOS撮像素子3Rに入力し、G1の撮像コマの垂直同期位相を4倍速(偶数倍速)の垂直同期周期の概略半分のオフセットした垂直同期信号をCMOS撮像素子3G1に入力し、G2の撮像コマの垂直同期位相を4倍速(偶数倍速)の垂直同期周期の概略半分のオフセットした垂直同期信号をCMOS撮像素子3G2に入力し、Bの撮像コマの垂直同期位相を倍速(偶数倍速)の垂直同期周期の概略半分のオフセットした垂直同期信号をCMOS撮像素子3Bに入力しているので、出力映像に用いるB及びG1G2を含むG及びRの撮像コマの中心位相が概略同一垂直同期位相になる。なお、映像出力垂直周期を24p(1秒間に24コマ)とすると、4倍速のRの撮像垂直周期は96p、4倍速のG1の撮像垂直周期は96p、4倍速のG2の撮像垂直周期は95p、2倍速のBの撮像垂直周期48pである。
CMOS撮像素子の実測値の、G1:5dB、G1:5dB、R:+2.8dB、B:+10dB、から、Bを等速、Rを2倍速、G1を2倍速、G2を2倍速とすると、ダイナミックレンジ最大である。これは、目の解像度は青が最も低いことを利用したものである。
【0029】
第四の実施例に係る撮像装置は、第一の実施の形態に係るカメラシステム10において、Rが4倍速、G1が4倍速、G2が4倍速、Bが2倍速で動作するようにしてもよい。
【0030】
第四の実施例に係る撮像装置は、RのCMOS撮像素子に4倍速で中心位相を概略4倍速の半コマオフセットした垂直同期パルスを生成し送り4倍速で撮像し、G1及びG2又はGのCMOS撮像素子とに4倍速で中心位相を概略4倍速の半コマオフセットした垂直同期パルスを生成し送り4倍速で撮像し、BのCMOS撮像素子に2倍速で中心位相を概略2倍速の半コマオフセットした垂直同期パルスを生成し送り2倍速で撮像するようにされる。
【0031】
<比較例1>
第一の比較例(比較例1)に係る撮像装置の構成と動作について
図3Eおよび
図2Eを用いて説明する。第一の比較例に係る撮像装置2AR1は第三の実施の形態に係るカメラシステム10に用いられる撮像装置で、Rが2倍速、Gが2倍速、Bが2倍速で動作する。
図3Eに示すように、撮像装置2AR1はTGとコマ速度変換とを含む映像信号処理回路7Eと、GのCMOS撮像素子3Gと、RのCMOS撮像素子3Rと、BのCMOS撮像素子3Bとを備える。映像信号処理回路7EはFPGAとフレームメモリとで構成される。
CMOS撮像素子3Rは、2倍速のクロック(×2CLK)と2倍速の水平同期信号(×2HD)と位相をずらした2倍速の垂直同期信号(Offset×2VD)とを入力し、位相をずらした2倍速の映像信号(Offset×2RVi)を出力する。CMOS撮像素子3Gは、2倍速のクロック(×2CLK)と2倍速の水平同期信号(×2HD)と位相をずらした2倍速の垂直同期信号(Offset×2VD)とを入力し、位相をずらした2倍速の映像信号(×2GVi)を出力する。CMOS撮像素子3Bは、2倍速のクロック(×2CLK)と2倍速の水平同期信号(×2HD)と位相をずらした2倍速の垂直同期信号(Offset×2VD)とを入力し、位相をずらした2倍速の映像信号(×2BVi)を出力する。映像信号処理回路7Eは、2倍速の映像信号(×2RVi)を入力し映像信号(RVo)を出力し、2倍速の映像信号(×2GVi)を入力し映像信号(GVo)を出力し、2倍速の映像信号(×2BVi)を入力し映像信号(BVo)を出力する。
【0032】
図2Eに示すように、Rの撮像コマの垂直同期位相を2倍速(偶数倍速)の垂直同期周期の概略半分のオフセットした垂直同期信号をCMOS撮像素子3Rに入力し、Gの撮像コマの垂直同期位相を2倍速(偶数倍速)の垂直同期周期の概略半分のオフセットした垂直同期信号をCMOS撮像素子3Gに入力し、Bの撮像コマの垂直同期位相を2倍速(偶数倍速)の垂直同期周期の概略半分のオフセットした垂直同期信号をCMOS撮像素子3Bに入力しているので、出力映像に用いるB及びG及びRの撮像コマの中心位相が概略同一垂直同期位相になる。なお、映像出力垂直周期を60p(1秒間に60コマ)とすると、2倍速のRの撮像垂直周期は120p、2倍速のGの撮像垂直周期は120p、2倍速のBの撮像垂直周期120pである。
CMOS撮像素子の実測からの換算で、G:−1dB、R:+2.8dB、B:+10dB、であるものが、Bを2倍速、Rを2倍速、Gを2倍速とすると、誤差11dBでダイナミックレンジは改善しない。
【0033】
<比較例2>
第二の比較例(比較例2)に係る撮像装置の構成と動作について
図3Fおよび
図2Fを用いて説明する。第四の実施例に係る撮像装置2BR2は第二の実施の形態に係るカメラシステム20に用いられる撮像装置で、Rが3倍速、G1が3倍速、G2が3倍速、Bが等速で動作する。
図3Fに示すように、撮像装置2BR2はTGとコマ速度変換と補間処理とを含む映像信号処理回路4Fと、G1のCMOS撮像素子3G1と、G2のCMOS撮像素子3G2と、RのCMOS撮像素子3Rと、BのCMOS撮像素子3Bとを備える。映像信号処理回路4FはFPGAとフレームメモリとで構成される。
CMOS撮像素子3Rは、3倍速のクロック(×3CLK)と3倍速の水平同期信号(×3HD)と3倍速の垂直同期信号(×3VD)とを入力し、3倍速の映像信号(×3RVi)を出力する。CMOS撮像素子3G1は、3倍速のクロック(×3CLK)と3倍速の水平同期信号(×3HD)と3倍速の垂直同期信号(×3VD)とを入力し、3倍速の映像信号(×3G1Vi)を出力する。CMOS撮像素子3G2は、3倍速のクロック(×3CLK)と3倍速の水平同期信号(×3HD)と3倍速の垂直同期信号(×3VD)とを入力し、3倍速の映像信号(×3G2Vi)を出力する。CMOS撮像素子3Bは、等速のクロック(CLK)と等速の水平同期信号(HD)と等速の垂直同期信号(VD)とを入力し、等速の映像信号(BVi)を出力する。映像信号処理回路4Fは、3倍速の映像信号(×3RVi)を入力し映像信号(RVo)を出力し、3倍速の映像信号(×3G1Vi)および3倍速の映像信号(×3G2Vi)を入力し映像信号(GVo)を出力し、等速の映像信号(BVi)を入力し映像信号(BVo)を出力する。
【0034】
図2Fに示すように、Rの撮像コマの垂直同期位相を3倍速(奇数倍速)の垂直同期周期の概略半分のオフセットしない垂直同期信号をCMOS撮像素子3Rに入力し、G1の撮像コマの垂直同期位相を3倍速(奇数倍速)の垂直同期周期の概略半分のオフセットしない垂直同期信号をCMOS撮像素子3G1に入力し、G2の撮像コマの垂直同期位相を3倍速(奇数倍速)の垂直同期周期の概略半分のオフセットした垂直同期信号をCMOS撮像素子3G2に入力し、Bの撮像コマの垂直同期位相を等速(奇数倍速)の垂直同期周期の概略半分のオフセットしない垂直同期信号をCMOS撮像素子3Bに入力しているので、出力映像に用いるB及びG1G2を含むG及びRの撮像コマの中心位相が概略同一垂直同期位相になる。なお、映像出力垂直周期を24p(1秒間に24コマ)とすると、3倍速のRの撮像垂直周期は72p、3倍速のG1の撮像垂直周期は72p、3倍速のG2の撮像垂直周期は72p、等速のBの撮像垂直周期24pである。
CMOS撮像素子の実測値の、G1:5dB、G1:5dB、R:+2.8dB、B:+10dB、から、Bを等速、Rを3倍速、G1を3倍速、G2を3倍速とすると、G1:+14dB、G2:+14dB、R:+13dB、B:+10dB、誤差4dBでダイナミックレンジ最大から2dB劣化であるが許容範囲である。
【0035】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態および実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態および実施例に限定されるものではなく、種々変更可能であることはいうまでもない。