特許第6425475号(P6425475)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6425475電源の機械式スイッチを制御可能な情報処理装置およびその制御方法、並びにプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6425475
(24)【登録日】2018年11月2日
(45)【発行日】2018年11月21日
(54)【発明の名称】電源の機械式スイッチを制御可能な情報処理装置およびその制御方法、並びにプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20181112BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20181112BHJP
   G06F 1/26 20060101ALI20181112BHJP
【FI】
   H04N1/00 127Z
   H04N1/00 885
   B41J29/38 Z
   G06F1/26 334J
   G06F1/26 334Q
   B41J29/38 D
   B41J29/38 A
【請求項の数】12
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-184278(P2014-184278)
(22)【出願日】2014年9月10日
(65)【公開番号】特開2016-58911(P2016-58911A)
(43)【公開日】2016年4月21日
【審査請求日】2017年9月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木虎 正和
(72)【発明者】
【氏名】福井 章智
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 武弘
【審査官】 粕谷 満成
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−078955(JP,A)
【文献】 特開2014−134683(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
G06F 1/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置と通信可能な情報処理装置であって、
前記外部装置と通信するネットワークコントローラと、
ユーザーによって操作可能であり、かつ、スイッチ駆動信号に応じてオンまたはオフが切り替えられる機械式スイッチと、
前記ネットワークコントローラからの信号に応じて前記スイッチ駆動信号を前記機械式スイッチに出力する制御部と、
前記機械式スイッチがオフの場合に、前記ネットワークコントローラと、前記制御部とに電力を供給する電力供給部と、
を有し、
前記機械式スイッチがオフのときに前記ネットワークコントローラが前記外部装置から電源オン指示を受信した場合、前記ネットワークコントローラは、当該電源オン指示の受信に基づいて前記信号を前記制御部に送り、かつ、前記制御部は、当該信号の前記ネットワークコントローラからの受信に基づき、前記スイッチ駆動信号を出力して前記機械式スイッチをオンにすることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記機械式スイッチは、オンの場合に前記スイッチ駆動信号が入力されるとオフに切り替わり、オフの場合に前記スイッチ駆動信号が入力されるとオンに切り替わることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報処理装置は、
CPUをさらに有し、
前記ネットワークコントローラは、前記情報処理装置をシャットダウンする信号を前記外部装置から受信すると、前記CPUを介して前記制御部に電源オフ信号を出力し、
前記制御部は、前記電源オフ信号を受信すると、前記スイッチ駆動信号を出力することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記機械式スイッチは、該機械式スイッチがオン状態であるかオフ状態であるかを示す状態信号を前記制御部に出力することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記ネットワークコントローラからの信号を受信した場合、前記状態信号を参照して前記スイッチ駆動信号を出力するか否かを判定することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記ネットワークコントローラからのリモート電源オン信号を受信した場合、前記状態信号が前記機械式スイッチがオフの状態を示す場合、前記スイッチ駆動信号を出力することを特徴とする請求項4または5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記ネットワークコントローラからのリモート電源オン信号を受信した場合、前記状態信号が前記機械式スイッチがオンの状態を示す場合、前記スイッチ駆動信号を出力しないことを特徴とする請求項4から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記ネットワークコントローラからの電源オフ信号を受信した場合、前記状態信号が前記機械式スイッチがオンの状態を示す場合、前記スイッチ駆動信号を出力することを特徴とする請求項4から7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記ネットワークコントローラからの電源オフ信号を受信した場合、前記状態信号が前記機械式スイッチがオフの状態を示す場合、前記スイッチ駆動信号を出力しないことを特徴とする請求項4から8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
外部装置からの制御によって前記機械式スイッチを切り替えるか否かを示す設定情報を記憶する記憶部をさらに有し、
前記制御部は、前記設定情報が前記機械式スイッチを切り替えないことを示す場合、前記スイッチ駆動信号を出力しないことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
外部装置と通信可能な情報処理装置であって、前記外部装置と通信するネットワークコントローラと、ユーザーによって操作可能であり、かつ、スイッチ駆動信号に応じてオンまたはオフが切り替えられる機械式スイッチと、前記ネットワークコントローラからの信号に応じて前記スイッチ駆動信号を前記機械式スイッチに出力する制御部と、前記機械式スイッチがオフの場合に、前記ネットワークコントローラと、前記制御部とに電力を供給する電力供給部と、を有する情報処理装置の制御方法であって、
前記機械式スイッチがオフのときに前記ネットワークコントローラが前記外部装置から電源オン指示を受信した場合、
前記ネットワークコントローラが、当該電源オン指示の受信に基づいて前記信号を前記制御部に送るステップを実行し、かつ、
前記制御部が、当該信号の前記ネットワークコントローラからの受信に基づき、前記スイッチ駆動信号を出力して前記機械式スイッチをオンにするステップを実行することを特徴とする制御方法。
【請求項12】
コンピュータを請求項1から10のいずれか一項に記載の制御部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部装置からの通信によって電源の機械式スイッチを制御可能な情報処理装置およびその制御方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、リモートで電源を制御する技術が確立されている。例えば、コンピュータ業界では、コンピュータが、管理する端末の電源をリモートで制御する技術が確立されている。また家電業界でもユーザーが外出先からタブレット端末を利用して、エアコンや空気清浄機等の家電の電源をリモートで制御する技術がある。また画像形成装置等においてもサーバ装置から取得するパケットに応じて、画像形成装置の電源をリモートでオンする技術がある(特許文献1参照)。
【0003】
画像形成装置の電源スイッチは、装置全体の電源オン/オフを行う主電源スイッチと、省電力モードへ電力状態を移行させるための節電キーとが用意されていることがほとんどである。また、画像形成装置の中には、オフ状態を維持しつつ高速に起動することができる高速起動モード状態に遷移するための副電源スイッチを用意している装置もある。この主電源スイッチや副電源スイッチのようなメインスイッチには、ロッカースイッチのように操作者がスイッチのオンオフの状態が視覚的に判別できるように可動部を持ち、外見の形状が変化する機械式スイッチが用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−208822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
機械式スイッチで構成される画像形成装置のメインスイッチをリモートでオンにする手法が存在しない。特許文献1は、画像形成装置の中の一部の電源のスイッチのオンまたはオフの制御をリモートで行なう技術を開示しているが、メインスイッチについては手動でオンまたはオフがなされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報処理装置は、外部装置と通信可能な情報処理装置であって、前記外部装置と通信するネットワークコントローラと、ユーザーによって操作可能であり、かつ、スイッチ駆動信号に応じてオンまたはオフが切り替えられる機械式スイッチと、前記ネットワークコントローラからの信号に応じて前記スイッチ駆動信号を前記機械式スイッチに出力する制御部と、前記機械式スイッチがオフの場合に、前記ネットワークコントローラと、前記制御部とに電力を供給する電力供給部と、を有し、前記機械式スイッチがオフのときに前記ネットワークコントローラが前記外部装置から電源オン指示を受信した場合、前記ネットワークコントローラは、当該電源オン指示の受信に基づいて前記信号を前記制御部に送り、かつ、前記制御部は、当該信号の前記ネットワークコントローラからの受信に基づき、前記スイッチ駆動信号を出力して前記機械式スイッチをオンにすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、機械式のメインスイッチをリモートでオンすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例に係るリモートスイッチを備えた画像形成装置10の簡略図である。
図2】実施例に係るリモートスイッチを備えた画像形成装置10の電源構成図である。
図3】実施例に係る機械式であるリモートスイッチのイメージ図である。
図4】実施例に係る画像形成装置10の電力状態を示す図である。
図5】実施例1のフローチャートである。
図6】実施例2の電源制御部410の内部ブロック図である。
図7】実施例2のフローチャートである。
図8】実施例3の電源構成図である。
図9】実施例4のフローチャートである。
図10】実施例4のハード信号のタイミングチャートである。
図11】実施例5のフローチャートである。
図12】実施例5のハード信号のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。なお、以下の実施例において示す構成は一例にすぎず、本発明は図示された構成に限定されるものではない。
【実施例1】
【0010】
図1は、リモートスイッチ500を備えた画像形成装置10の簡略図である。画像形成装置10は、画像読取部100、操作部200、プリンタ部300、コントローラ部400、リモートスイッチ(SW)500、ACプラグ600を有する。コントローラ部400は、電源制御部410、CPU420、記憶装置430、RAM440、ROM450、ネットワークコントローラ460を有する。
【0011】
画像読取部100は原稿をスキャンして電子化し、コントローラ部へデータを送信する。操作部200は、ユーザーが画像読取部100で原稿をスキャンするときのカラー・モノクロ設定や用紙設定等を選択することができる。プリンタ部300は、画像読取部100で読取ったデータや記憶装置430に格納されるデータ、またはネットワークコントローラ460で受信したデータを印刷する。FAX部700は画像読み取り部100で読み取った画像を公衆回線にFAXデータとして送信し、公衆回線から受信したFAXデータを印刷データとしてコントローラ部400へ転送する。
【0012】
CPU420は起動時、ROM450からブートデータを読み出し、RAM440へロードする。そしてCPU420はブートデータに従って記憶装置430のデータを展開し読み込むことで起動し、ユーザインターフェースに表示する画像を操作部200へ送る。またネットワークコントローラ(物理層コントローラ)460には例えばLANケーブルが接続され、コンピュータからネットワークを介して印刷データを受信する。
【0013】
リモートスイッチ500は機械式のスイッチである。機械式スイッチが採用されるのは、画像形成装置がエンジン部などメカトロニクス的に制御される部分を有しているためである。画像処理を行なう不図示の画像処理部に関しては、高機能化してIT機器と機能的には変わらなくなってきているが、その半面で画像形成装置はメカトロ部をも持ち合わせる。ユーザーからは、IT機器のように遠隔操作を実現することと、機械的なスイッチ操作で確実にオフ状態へと遷移させることが望まれているので、このような機械式スイッチが採用されている。なお、機械式スイッチを用いた電源スイッチのオフ動作をリモートで制御する手法としては、ロッカースイッチにソレノイドコイルを内蔵させ、ソレノイドコイルに通電をすることで接点の開閉を行うスイッチが既に公知である。
【0014】
図2は、リモートスイッチを備えた画像形成装置10の電源構成図である。実線が電源線、点線が制御線を示している。ACプラグ600が電源コンセントへ接続されると第一電源部610の電源が供給される。第一電源部610は、ネットワークコントローラ460とリモートスイッチ500と、電源制御部410とに電力を供給する電力供給部である。
【0015】
ネットワークコントローラ460は、電源制御部410にリモート電源オン信号sig101を出力する。またネットワークコントローラ460は、CPU420へパケット信号sig108を出力する。CPU420はネットワークコントローラ460を介してリモートからの電源オフ命令を受け取り、リモートスイッチ500をオフ状態に駆動するため、電源制御部410にリモート電源オフ信号sig109を出力する。
【0016】
電源制御部410は、リモートスイッチ500にスイッチ駆動信号sig102を出力する。また、電源制御部410は、リモートスイッチ500からスイッチ状態信号sig103を入力する。また、電源制御部410は、ネットワークコントローラ460からリモート電源オン信号sig101を、CPU420からリモート電源オフ信号sig109を、それぞれ入力する。また、電源制御部410は、電源制御信号sig104〜107をスイッチ710〜740にそれぞれ出力する。
【0017】
リモートスイッチ500は、スイッチ510とスイッチ駆動部520とスイッチ制御部530とを含む。スイッチ駆動部520はモーターで構成される。スイッチ制御部530は、スイッチ駆動信号sig102がアサートされるとスイッチ駆動部520のモーターを駆動させ、スイッチ510の状態を反転させる。スイッチ制御部530はスイッチ510の状態によって、スイッチ状態信号sig103をHighまたはLowにする。例えば、スイッチ510がオン状態である場合、スイッチ状態信号sig103をHighに、スイッチ510がオフ状態である場合、スイッチ状態信号sig103をLowにする。スイッチ制御部530はこのようなスイッチ状態信号sig103を電源制御部410に出力する。
【0018】
リモートスイッチ500がオン状態になると第二電源部620が通電状態となる。第二電源部620はコントローラ部のCPU420の一部とFAX部700の一部とに電源を供給する。
【0019】
コントローラ部第三電源部630はコントローラ部の記憶装置430やCPU420の一部、FAX部700の一部に電源を供給する。画像読取部第三電源部640は画像読み取り部100に、操作部第三電源部650は操作部200に、プリンタ部第三電源部660はプリンタ部300に、それぞれ電源を供給する。各第三電源部630,640,650,660はスイッチ710、720、730、740とそれぞれ接続される。各スイッチ710、720、730、740は、電源制御部410の各電源制御信号sig104、sig105、sig106、sig107を入力し、この信号に応じて電源を入り切りすることができる。スイッチ710〜740は電気的な接続が切れればよいので、リレーであったり、FETであったりしてもかまわない。コントローラ部第三電源部630、画像読取部第三電源部640、操作部第三電源部650、プリンタ部第三電源部660は、それぞれコントローラ部電源部、画像読取部電源部、操作部電源部、プリンタ部電源部と呼んでもよい。
【0020】
図3は、機械式であるリモートスイッチ500のイメージ図である。図3(a)は、スイッチの状態がオフ状態であることを示す。図3(b)は、スイッチの状態がオン状態であることを示す。リモートスイッチ500は機械式スイッチであるため図3に示されたように、スイッチの状態で電源がオフ状態(図3(a))であるかオン状態(図3(b))であるか目視で分かるスイッチである。このリモートスイッチ500においては、スイッチ制御部530がスイッチ駆動信号sig102を受信すると、スイッチ駆動部520がスイッチ510を駆動するものとする。例えば、図3(a)に示す電源オフ状態のときにスイッチ制御部530がスイッチ駆動信号sig102を受信すると、スイッチ駆動部520がスイッチ510を駆動して図3(b)に示す電源オン状態にする。一方、図3(b)に示す電源オン状態のときにスイッチ制御部530がスイッチ駆動信号sig102を受信すると、スイッチ駆動部520がスイッチ510を駆動して図3(a)に示す電源オフ状態となる。
【0021】
次に、本実施例の画像形成装置10の電力状態について図4を用いて説明する。
電力状態401はACプラグ600が抜けた状態で画像形成装置の機能が完全に停止しているプラグオフ状態である。リモートスイッチ500のスイッチ510の状態はオフである。
【0022】
電力状態402はACプラグ600が電源コンセントに接続され、第一電源部にのみ通電されているオフモード(リモートオン待機)状態である。この電力状態でも画像形成装置10の機能は停止しているが、ネットワークコントローラ460には電源が供給されているのでリモートからの電源投入コマンドは受け付けることができる。リモートスイッチ500のスイッチ510の状態はオフである。
【0023】
電力状態403は電力状態402から手動またはリモート操作によるコマンド指示によりスイッチ510がオン状態に倒された状態であり、第二電源部620が通電される。この電力状態403を省電力モード1と呼ぶ。この電力状態ではFAXの受信やネットワーク上のPCからの画像形成装置10に対するプリントデータの出力指示が受け付けることができる。
【0024】
電力状態404は電力状態403からさらに、画像読み取り部第三電源部640、操作部第三電源部650が通電された状態である。この電力状態404を省電力モード2と呼ぶ。この電力状態では、画像読み取り部のセンサやUIに電源が供給され、操作者が画像形成装置10を用いて作業するための前段階の動作(原稿の設置や個人認証)を行えるようにする。
【0025】
電力状態405は画像形成装置10の電源が全て投入され、全ての機能が有効に働く電力状態である。電力状態405は、スタンバイ、または実動作モードと呼ぶ。
【0026】
次に、本実施例における電力制御の処理の流れをフローチャートを参照して説明する。図5は本実施例の電源制御フローの一例を示すフローチャートである。なお、初期状態においてはACプラグ600は電源コンセントから抜かれている状態であるものとする。
【0027】
ステップS501はユーザーが画像形成装置10を使用状態にする場合のステップであり、ユーザーが電源コンセントにACプラグを指す動作である。
【0028】
ステップS501でACプラグインがなされると、ステップS502に進み、第一電源部610にAC電源が投入される。このステップS502は、図4の電力状態402(リモートオン待機モード)に相当する。つまり、ステップS502の時点でネットワークコントローラ460とリモートスイッチ500と電源制御部410とに電源が供給される。
【0029】
ステップS503において電源制御部410は、リモートスイッチがどのようにしてオンにされたかを判定する。そして、電源制御部410はその判定結果に応じてその後の処理を切り替える。例えば、ステップS503で電源制御部410は、スイッチ状態信号sig103がLowからHighになったことを検知した場合、ユーザーが手動でリモートスイッチ500をオンにしたと判定する。そして、処理をステップS505へ進める。一方、リモート電源オン信号sig101がアサートされていた場合は、電源制御部410は、リモートスイッチ500をリモートオンしたと判定する。そして、処理をステップS504へ進める。なお、どちらの信号入力もない場合は、電源制御部410は、ステップS503に留まり、再度次のステップへの判定処理を行う。
【0030】
ここで、ステップS503において、リモートスイッチがユーザーによって手動でオンされたのか、リモートでオンされたのかに応じてその後の処理(投入する電源部の種類)を切り替える理由を説明する。リモートでオンされる場合とは、すなわち、遠隔操作で電源がオンにされる場合である。このような場合、画像形成装置10の近傍には人がおらず無人状態であることがある。つまり、直ちに画像形成装置10を用いて処理が行なわれない可能性が高い。そこで、リモートでオンされた場合には、最小の電源だけを投入する。これにより省電力を担保できる。一方で、ユーザーによって手動でオンされた場合には、その後、画像形成装置10を用いて何かしらの処理が行なわれる可能性が高い。そこで、ユーザーによって手動でオンされた場合には、一般的に行われる各種の初期化処理も行なうために、各種の電源を投入する。以下、具体的にフローチャートに従って説明する。
【0031】
ステップS503において電源制御部410がリモートでオンされたと判定する場合は、リモート電源オン信号sig101がアサートされた場合である。このリモート電源オン信号sig101は、ネットワークコントローラ460が外部装置からマジックパケット等の特殊なパケットを受信した場合にアサートされる。つまり、ネットワークコントローラ460が外部装置から電源オン指示を受信した場合にアサートされる。例えば、ネットワークコントローラ460は外部装置から特殊なパケットを受信した場合、電源制御部410に出力するリモート電源オン信号sig101をHiにする。このリモート電源オン信号sig101がHiになったことを検知すると、電源制御部410は、リモートオンによる電源起動を実行するため、リモートスイッチ500のスイッチ部510をオン状態にする処理を行なう。具体的には、ステップS504において電源制御部410は、リモート電源オン信号sig101がアサートされたことを検知するとスイッチ駆動信号sig102をアサートし、スイッチ状態を反転させオン状態にする。このように、第一電源部で通電されるネットワークコントローラ460と、電源制御部410と、スイッチ駆動部520及びスイッチ制御部530を含むリモートスイッチ500とを用いて、リモート制御からメインスイッチのオン動作を実行することができる。
【0032】
ステップS505は、ユーザーが手動でリモートスイッチをオンした状態である。そこで一般的な初期化処理を行なうために、電源制御部410は、電源制御信号sig104〜107をHighにしてスイッチ710〜740をオンにして、全ての第三電源部に電源を投入する。このステップS505は図4の電力状態405(スタンバイ/動作モード)に相当する。
【0033】
画像形成装置10が電力状態405になると、その後ステップS506において電源制御部410は、省電力制御を行うために省電力移行の判定処理を行なう。ステップS506において電源制御部410は、省電力モードに移行か、電源オフか、そのどちらでもないかのいずれかを判定する。ステップS506においてスイッチ状態信号sig103がHighからLowになる、もしくは、リモート電源オフ信号sig109がCPU420からアサートされたことを検知すると、電源制御部410は電源offと判定し、ステップS512に進む。ステップS506において、所定の時間ユーザーからの動作指示がなかった場合は、省電力モードに移行と判定し、ステップS507に進む。ユーザーからの指示により何らかの画像形成動作が実行中であったり、前述の所定時間の経過がまだ過ぎていない場合はステップS506に留まり、再度の判定を実施する。
【0034】
ステップS507で電源制御部410は、電力状態405の状態であるスタンバイから移行する省電力モードを決定する。省電力モードの決定は、ユーザーが利便性と省エネ性を考慮して、ユーザー自身が設定できるようにしても構わないし、オプション機能の有無で自動判定するようにしてもどちらでも構わない。たとえばユーザー自身が設定するようにした場合は、電源制御部410は、コントローラ部400内の記憶装置430に記憶されているユーザー設定情報を参照する。そして、ユーザーが省エネ性を重視するモードに設定していたら、省電力モード1に移行すると決定し、ステップS508に進む。逆に利便性を重視するモードを選択していたら、省電力モード2と決定し、ステップS509に進む。
【0035】
ステップS508で電源制御部410は省電力モード1の電源設定を行う。ステップS508は、ステップS504でリモートスイッチが駆動された後、または、ステップS507で省電力モード1に移行すると判定された後に行なわれるステップである。ステップS508は省エネ性を重視するモードなので、必要最低限の部分にだけ通電する。つまり、電源制御信号sig104〜107がHighになっていれば電源制御信号sig104〜107をLowにして第三電源部を切る。従って第二電源部は通電するが、第三電源部は全てオフにする。このステップS508が行なわれた後の状態は、図4の電力状態403(省電力モード1)に相当する。
【0036】
ステップS509で電源制御部410は、省電力モード2の電源設定を行う。利便性を重視するモードなので、電源制御信号sig107をLowにしてプリンタ部第三電源部を切る。このステップS509は、図4の電力状態404(省電力モード2)に相当する。なお、利便性を重視しつつ省電力性を高めるために、ステップS509では、電源制御信号のうちコントローラ部400の電源制御信号sig104はHighのままにしておき、残りの電源制御信号sig105〜107をLowにしてもよい。この場合、コントローラ部第三電源部がオンになっているので、ネットワークから記憶装置430のデータアクセスを可能したり、スタンバイへ復帰する時の復帰シーケンスを高速化させることができる。なお、フローでは示していないが、例えばステップS509で図4の電力状態404(省電力モード2)に移行した後に次の処理を行なってもよい。すなわち、さらに所定の条件を満たした場合(例えば所定の時間が経過した場合)に、前述のようにコントローラ部の電源制御信号sig104以外の電源制御信号sig105〜107をLowにするように制御してもよい。
【0037】
画像形成装置10はそれぞれの省電力モードに移行した後、復帰制御を行うために、復帰判定処理を行う。ステップS510で電源制御部410は、省電力モード1からの復帰判定を行う。ステップS510において電源制御部410はスイッチ状態信号sig103がHighからLowになったことを検知すると電源offを行なうステップS512に進む。また、ステップS510において電源制御部410はリモート電源オフ信号sig109がCPU420からアサートされたことを検知した場合もステップS512に進む。ステップS510において電源制御部410は操作部200からのスタンバイ復帰指示やネットワーク経由で画像形成動作指示が発生した場合にはステップS505に進み、全ての電源の投入処理を行う。またステップS511において電源制御部410は、省電力モード2からの復帰判定を行う。ステップS511は、ステップS510と同様の処理を行なう。
【0038】
ステップS512で電源制御部410は、電源offの処理を行う。まず、電源制御部410は、電源制御信号sig104〜107を全てLowにし、各第三電源部をオフにする。次に、電源制御部410は、スイッチ状態信号sig103を確認する。スイッチ状態信号sig103がon状態だった場合は、リモート電源オフコマンドでの電源offだと判定し、スイッチ駆動信号sig102をアサートしスイッチ510を反転させoff状態にすることで第二電源部の電源を切る。
【0039】
ステップS513ではユーザーがプラグを抜いたかどうかで、次のステップへの移行を切り替える。ユーザーがプラグを抜かず、そのまま放置した場合、もしくはリモートオフコマンドでの電源オフだった場合は、プラグインされた状態と同じ状態であるので、ステップS502に進む。なお、このときすでに第一電源部は電源が投入された状態であるので、実質的にはステップS503に進むことになる。一方、プラグが抜かれた場合はステップS514へ進む。ステップS514で第一電源部への通電が遮断され、画像形成装置10の動作が終了する。
【0040】
以上説明したように、本実施例によれば、機械式スイッチをリモートでオンすることができる。これにより、ユーザーがリモートで電源オフ/オンの制御を行う際に、スイッチ操作を伴わせることで視覚的に容易にオフ/オンの状態を識別することができる。また、機械式のメインスイッチをユーザーが手動でオンにしたのか、リモートでオンにしたのかに応じて、起動する電源部を異ならせることができる。
【実施例2】
【0041】
実施例1では第一電源部610に電源を投入すると、必ずリモート動作を受け付ける構成をとっていたが、不要なリモート動作を避けられるようにユーザー設定できるようにしても構わない。実施例2では、リモート動作を受け付けるか受け付けないかを設定する例を説明する。実施例2の画像形成装置の概要は実施例1の図1と同じである。
【0042】
図6に実施例2における電源制御部410の内部ブロック図を示す。電源制御回路611は電源制御信号sig104〜107を生成して出力する。また、電源制御回路611には、CPU420からのリモート電源オフ信号sig109が入力されており、また、CPUとのその他の信号のやり取りが可能になっている。電源制御回路611は、その入力信号に応じて電源制御信号sig104〜107のHighかLowかを切り替える。
【0043】
さらに電源制御回路611にはRAM612及びマスク回路613が接続されている。記憶部であるRAM612にはリモートオン許可情報が記憶される。リモートオン許可情報とは、リモート動作を許可するか否かを示す情報のことである。電源制御回路611はリモートオン許可情報に基づきマスク信号sig614を生成し、マスク回路613に出力する。
【0044】
マスク回路613はリモート電源オン信号sig101とマスク信号sig614とに基づき、スイッチ駆動信号sig102をアサートするかしないかを決定する。
【0045】
図7は実施例2の電源制御フローの一例を示すフローチャートである。なお、図5と同様の処理とすることができる箇所については、図5と同様の符号を付し、説明を省略することとする。
【0046】
ステップS502において第一電源部に電源を投入後、ステップS701において電源制御部410は、リモート電源オン信号sig101による電源オンを許可するか否かを示すリモートオン許可情報を参照する。具体的には、電源制御部410内の電源制御回路611はRAM610に記憶されているリモートオン許可情報を参照する。なお、RAM610には第一電源部に電源を投入時に不図示のROMから初期設定が書き込まれるものとする。本実施例では、リモートオン許可情報は工場出荷時の初期化時はHighで許可状態とする。初期化以降の許可情報は後述のステップS703でユーザーから指示される設定に基づいて決定される。
【0047】
ステップS702で電源制御回路611は、ステップS703で参照したリモートオン許可情報に基づき、マスク信号sig614の出力を決定する。リモートオン許可情報がHighであれば、マスク信号sig614もHighで出力され、リモート電源オン信号sig101の状態に基づきスイッチ駆動信号sig102がアサートされるようにする。一方、リモートオン許可情報がLowであればスイッチ駆動信号sig102はリモート電源オン信号sig101に関係なくアサートされることはない。
【0048】
ステップS703で電源制御回路611は、電源offの処理を行う前に、リモートオン許可情報の更新を行う。リモートオン許可情報は操作部200からのユーザーの指示を直接受け付けて更新しても構わないし、プリンタドライバやアプリケーションソフトからの設定情報に基づき更新しても構わない。
【0049】
以上のようにユーザーが設定するリモートオン許可情報に基づき、リモートオン動作を有効とするか無効とするかを決定できるようにすることで、不要なリモートからのオン動作を回避することができる。
【実施例3】
【0050】
実施例1では第一電源部610に電源を投入すると、必ずリモート動作を受け付ける構成をとっていたが、不要なリモート動作を避けられるように、第一電源部610をオフオンできるようにもう1つスイッチを設けるような構成をとっても構わない。実施例3の画像形成装置の概要は実施例1の図1と同じである。
【0051】
図8は、リモートスイッチを備えた画像形成装置10の電源構成図である。図8は、ACプラグ600と第一電源部610との間にスイッチ800を設けている以外は図2の電源構成図と同じである。第一電源部610への電源供給は電源コンセントにACプラグ600を差し、スイッチ800をオン状態にすることにより、供給が開始される。スイッチ800をユーザーの目に触れない位置(たとえば本体裏側)に設置し、管理者もしくはサービスマンのみが操作するようにしておけば、ユーザーはリモートスイッチ500をメインスイッチとして使用することなる。そして、管理者またはサービスマンが不要なリモート操作による電源オンを避けたい場合はスイッチ800をオフ状態にしておけばよい。このように、本実施例では、リモートで操作できるスイッチの他にもう一段別のスイッチを用意し、そのスイッチ状態と組み合わせ、電源オフ/オンの制御を設定できるようにすることでよりリモート制御の利便性を高めることができる。
【実施例4】
【0052】
上記の各実施例においては、リモートスイッチ500をユーザーが手動でオンにする場合や、リモートでオンにする場合があることを説明した。ユーザーが手動でリモートスイッチ500をオンにした場合、リモートで画像形成装置10をコントロールする外部装置では、画像形成装置10の起動が完了するまでは画像形成装置がオフ状態であると判定する。従って、ユーザーが手動でリモートスイッチ500をオンにしたタイミングと、外部装置が画像形成装置の状態がオン状態になったと判定するタイミングとにズレが生じることがある。そのため、ユーザーが手動でオンにした状態であるにも関わらず、外部装置が画像形成装置10の電源起動中にリモート電源オンコマンドを発行する可能性がある。このような場合、電源制御部410がスイッチ駆動信号sig102をアサートしてしまい、その結果、手動でオンになっているリモートスイッチが、画像形成装置の起動中にオフになり、電源オフされる可能性がある。そこで、本実施例では、このような問題を生じさせない例を説明する。
【0053】
図9は、実施例4のフローチャートである。ステップS901の時点においては画像形成装置10が電源オフ状態である。画像形成装置10が電源オフ状態とはACプラグ600がコンセントと接続されており、リモートスイッチ500の状態が図3(a)の状態であることを示す。つまり、図4の電源状態402(リモートオン待機モード)である。画像形成装置10が電源オフ状態のとき、電源制御部410とネットワークコントローラ460とリモートスイッチ500とに第一電源部610から電源が供給される。
【0054】
ステップS902で電源制御部410は、リモート電源オン信号sig101をネットワークコントローラ460から受信する。すなわち、電源制御部410は、画像形成装置10が電源オフ時に外部装置から起動用のパケットをネットワークコントローラ460経由で受信する。
【0055】
ステップS902において起動用のパケットを受信すると、ステップS903において電源制御部410は、リモートスイッチ500のスイッチ510がオン状態かオフ状態かの状態をスイッチ状態信号sig103に基づいて判定する。電源制御部410は、スイッチ状態信号sig103がオフ状態を示している場合、ステップS904へ移行する。また、電源制御部410は、スイッチ状態信号sig103がオン状態を示している場合、処理を終了する。
【0056】
ステップS904において電源制御部410は、スイッチ駆動信号sig102をスイッチ制御部530へ送信する。スイッチ制御部530は、スイッチ駆動信号sig102を受信し、スイッチ駆動部520を駆動させる。スイッチ駆動部520は、スイッチ510を電源オン状態へ駆動させる。電源制御部410は、リモートスイッチ500がオン状態になったかをスイッチ状態信号sig103で確認することができる。
【0057】
このように、電源制御部410は、外部装置からのリモート電源オンの指示がされた場合に、リモートスイッチ500の状態を判定し、リモートスイッチ500がオフの場合にリモートスイッチ500へスイッチ駆動信号sig102を出力する。このような処理により、ユーザーによって手動でリモートスイッチ500がオン状態になり画像形成装置10が起動中に、外部装置からの起動パケットを受信した場合にスイッチの誤動作を防止することができる。
【0058】
図10は、実施例4のハード信号のタイミングチャートである。図10(a)は、リモート電源オン信号sig101でリモートスイッチ500が駆動する場合(つまり、ステップS903でYesの場合)のハード信号のタイミングチャートを示す。図5(b)は、リモート電源オン信号sig101でリモートスイッチ500が駆動しない場合(つまり、ステップS903でNoの場合)のハード信号のタイミングチャートを示す。
【0059】
図10(a)は、スイッチ状態信号sig103がオフ状態のときを示している。リモートスイッチ500がオフ状態であるときに、リモート電源オン信号sig101がアサートされた場合、電源制御部410はスイッチ駆動信号sig102をスイッチ制御部530へ送信する。スイッチ制御部530は、電源制御部410から受信したスイッチ駆動信号sig102がアサートされるとスイッチ駆動部520を電源オン状態へ動作させる。スイッチ駆動部520が電源オン状態になるとスイッチ状態信号sig103はオン状態になり、電源制御部410で確認することができる。
【0060】
図10(b)は、スイッチ状態信号sig103がオン状態のときを示している。まずネットワークコントローラ460からリモート電源オン信号sig101を電源制御部410が受信する。その後、電源制御部410は、スイッチ制御部530からのスイッチ状態信号sig103を確認する。電源制御部410は、スイッチ状態信号sig103を確認し、リモートスイッチ500の状態がオン状態であることを確認すると、スイッチ駆動信号sig102をアサートさせない。
【実施例5】
【0061】
実施例4は、リモート電源オンの指示を受けた場合、リモートスイッチ500の状態を参照して処理を行なう例を説明した。実施例5では、リモート電源オフの指示を受けた場合、リモートスイッチ500の状態を参照して処理を行なう例を説明する。
【0062】
図11は、実施例5のフローチャートである。ステップS1101の時点では、画像形成装置10がスタンバイ状態である。画像形成装置10がスタンバイ状態とは、リモートスイッチ500の状態が図3(b)の状態で各スイッチ710、720、730、740がオン状態であることを示す。
【0063】
ステップS1102で電源制御部410は、リモート電源オフ信号sig109をCPU420から受信する。すなわち、電源制御部410は外部装置からシャットダウン用のパケットをネットワークコントローラ460及びCPU420経由で受信する。
【0064】
ステップS1103で電源制御部410は、リモートスイッチ500のスイッチがオン状態かオフ状態かの状態をスイッチ状態信号sig103に基づいて判定する。電源制御部410は、スイッチ状態信号sig103がオン状態を示している場合、ステップS1104へ移行する。一方、スイッチ状態信号sig103がオフ状態を示している場合、処理を終了する。
【0065】
ステップS1104で電源制御部410は、スイッチ駆動信号sig102をスイッチ制御部530へ送信する。スイッチ制御部530は、スイッチ駆動信号sig102を受信し、スイッチ駆動部520を駆動させる。スイッチ駆動部520は、スイッチ510を電源オフ状態へ駆動させる。電源制御部410は、リモートスイッチ500がオフ状態になったかをスイッチ状態信号sig103で確認することができる。
【0066】
本実施例では、ユーザーによって手動でリモートスイッチ500がオフ状態になり画像形成装置10がシャットダウン中に、電源管理装置からシャットダウンパケットを受信した場合のスイッチの誤動作を防止することができる。
【0067】
図12は、本実施例のハード信号のタイミングチャートである。図12(a)は、リモート電源オフ信号sig109でリモートスイッチ500が駆動する場合(すなわち、ステップS1103でYesの場合)のハード信号のタイミングチャートを示す。図11(b)は、リモート電源オフ信号sig109でリモートスイッチ500が駆動しない場合(すなわち、ステップS1103でNoの場合)のハード信号のタイミングチャートを示す。
【0068】
図12(a)は、スイッチ状態信号sig103がオン状態のときを示している。リモートスイッチ500がオン状態であるときに、リモート電源オフ信号sig109がアサートされた場合、電源制御部410はスイッチ駆動信号sig102をスイッチ制御部530へ送信する。スイッチ制御部530は、電源制御部410から受信したスイッチ駆動信号sig102がアサートされるとスイッチ駆動部520を電源オフ状態へ動作させる。リモートスイッチ500が電源オフ状態になるとスイッチ状態信号sig103はオフ状態になり、電源制御部410で確認することができる。
【0069】
図12(b)は、スイッチ状態信号sig103がオフ状態のときを示している。電源制御部410は外部装置からのリモートシャットダウン信号をネットワークコントローラ460及びCPU420を経由して受信する。その後、電源制御部410は、スイッチ制御部530からのスイッチ状態信号sig103を確認する。電源制御部410は、スイッチ状態信号sig103を確認し、リモートスイッチ500の状態がオフ状態であることを確認すると、スイッチ駆動信号sig102をアサートさせない。
【0070】
なお、実施例5では、ステップS1101がスタンバイ状態の場合を例に挙げて説明したが、図4で説明した電力状態403(省電力モード1)や、電力状態404(省電力モード2)の場合でも同様の処理を行なうことができる。
【0071】
<その他の実施例>
上記の各実施例においては、リモートスイッチが画像形成装置に備えられている例について説明した。しかしながら、対象となる装置は画像形成装置に限定されない。すなわち、外部装置と通信可能な装置であり、かつ、複数の電源部とメインスイッチとして機械式スイッチとを設けており、段階的に各電源部がオンになるような構成を有する情報処理装置であれば、上記の各実施例に示すような画像形成装置でなくてもよい。
【0072】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【0073】
また、本実施形態の機能を実現するためのプログラムコードを、1つのコンピュータ(CPU、MPU)で実行する場合であってもよいし、複数のコンピュータが協働することによって実行する場合であってもよい。さらに、プログラムコードをコンピュータが実行する場合であってもよいし、プログラムコードの機能を実現するための回路等のハードウェアを設けてもよい。またはプログラムコードの一部をハードウェアで実現し、残りの部分をコンピュータが実行する場合であってもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12