特許第6425909号(P6425909)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6425909
(24)【登録日】2018年11月2日
(45)【発行日】2018年11月21日
(54)【発明の名称】分流装置、分流方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   B65G 53/28 20060101AFI20181112BHJP
   B65G 53/56 20060101ALI20181112BHJP
【FI】
   B65G53/28
   B65G53/56
【請求項の数】6
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-71137(P2014-71137)
(22)【出願日】2014年3月31日
(65)【公開番号】特開2015-193425(P2015-193425A)
(43)【公開日】2015年11月5日
【審査請求日】2017年3月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】502371727
【氏名又は名称】株式会社トップ工業
(73)【特許権者】
【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
(74)【代理人】
【識別番号】100129573
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 博正
(72)【発明者】
【氏名】田畑 知三
(72)【発明者】
【氏名】加納 純也
【審査官】 中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平01−256425(JP,A)
【文献】 特公昭48−029948(JP,B1)
【文献】 特開昭57−048352(JP,A)
【文献】 実開昭57−058463(JP,U)
【文献】 特開2002−356224(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 53/00−53/28
B65G 53/32−53/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体である搬送媒体が気流として流され、前記搬送媒体により粉体が流される中空筒状の第1の搬送経路、および前記搬送媒体が気流として流され、前記搬送媒体により前記粉体が流される中空筒状の第2の搬送経路であって、前記第1の搬送経路に対して15度から165度のいずれかの角度で前記第1の搬送経路から分岐している第2の搬送経路が形成されている搬送経路形成部と、
前記第1の搬送経路の出口に設けられ、前記第1の搬送経路の出口から前記搬送媒体と前記粉体とを搬出するとき、前記第1の搬送経路の出口側で前記搬送媒体に負圧を生じさせて、前記搬送媒体と前記粉体とを、前記第1の搬送経路と前記第2の搬送経路とが分岐する位置から、前記第1の搬送経路の出口側に流して搬送する第1の搬送手段と、
前記第2の搬送経路の出口に設けられ、前記第2の搬送経路の出口から前記搬送媒体と前記粉体とを搬出するとき、前記第2の搬送経路の出口側で前記搬送媒体に負圧を生じさせて、前記搬送媒体と前記粉体とを、前記第1の搬送経路と前記第2の搬送経路とが分岐する位置から、前記第2の搬送経路の出口側に流して搬送する第2の搬送手段と
を備え、
前記第1の搬送手段および前記第2の搬送手段は、時間的に排他的に前記搬送媒体と前記粉体とを搬送する
分流装置。
【請求項2】
請求項1に記載の分流装置において、
前記搬送経路形成部に形成されている前記第2の搬送経路は、前記第1の搬送経路に対して30度から60度のいずれかの角度で前記第1の搬送経路から分岐している
分流装置。
【請求項3】
請求項1に記載の分流装置において、
前記第1の搬送手段および前記第2の搬送手段には、それぞれ、
気体を噴出する穴またはスリットが、搬送される前記搬送媒体および前記粉体が通る中空筒状の壁面に設けられ、
前記搬送媒体および前記粉体の搬送方向の軸と前記穴または前記スリットから前記気体を噴出する方向の軸とが鋭角をなす
分流装置。
【請求項4】
請求項1に記載の分流装置において、
前記第1の搬送手段は、前記第1の搬送経路の出口から前記搬送媒体と前記粉体とを搬出しないとき、前記第1の搬送経路の出口から前記搬送媒体と前記粉体とを搬出するときに生じさせる負圧の絶対値に比較して小さい絶対値の負圧を生じさせ、
前記第2の搬送手段は、前記第2の搬送経路の出口から前記搬送媒体と前記粉体とを搬出しないとき、前記第2の搬送経路の出口から前記搬送媒体と前記粉体とを搬出するときに生じさせる負圧の絶対値に比較して小さい絶対値の負圧を生じさせる
分流装置。
【請求項5】
気体である搬送媒体が気流として流され、前記搬送媒体により粉体が流される中空筒状の第1の搬送経路、および前記搬送媒体が気流として流され、前記搬送媒体により前記粉体が流される中空筒状の第2の搬送経路であって、前記第1の搬送経路に対して15度から165度のいずれかの角度で前記第1の搬送経路から分岐している第2の搬送経路が形成されている搬送経路形成部と、前記第1の搬送経路の出口に設けられ、前記第1の搬送経路の出口から前記搬送媒体と前記粉体とを搬送する第1の搬送手段と、前記第2の搬送経路の出口に設けられ、前記第2の搬送経路の出口から前記搬送媒体と前記粉体とを搬送する第2の搬送手段とを備える分流装置の分流方法において、
前記搬送媒体と前記粉体とを、前記第1の搬送経路と前記第2の搬送経路とが分岐する位置から、前記第1の搬送経路の出口側に流して搬送するとき、前記第1の搬送手段に、前記第1の搬送経路の出口側で前記搬送媒体に負圧を生じさせるとともに、前記第2の搬送手段による前記搬送媒体への負圧の発生を抑制し、
前記搬送媒体と前記粉体とを、前記第1の搬送経路と前記第2の搬送経路とが分岐する位置から、前記第2の搬送経路の出口側に流して搬送するとき、前記第2の搬送手段に、前記第2の搬送経路の出口側で前記搬送媒体に負圧を生じさせるとともに、前記第1の搬送手段による前記搬送媒体への負圧の発生を抑制する
ステップを含む分流方法。
【請求項6】
気体である搬送媒体が気流として流され、前記搬送媒体により粉体が流される中空筒状の第1の搬送経路、および前記搬送媒体が気流として流され、前記搬送媒体により前記粉体が流される中空筒状の第2の搬送経路であって、前記第1の搬送経路に対して15度から165度のいずれかの角度で前記第1の搬送経路から分岐している第2の搬送経路が形成されている搬送経路形成部と、前記第1の搬送経路の出口に設けられ、前記第1の搬送経路の出口から前記搬送媒体と前記粉体とを搬送する第1の搬送手段と、前記第2の搬送経路の出口に設けられ、前記第2の搬送経路の出口から前記搬送媒体と前記粉体とを搬送する第2の搬送手段とを備える分流装置を制御するコンピュータに、
前記搬送媒体と前記粉体とを、前記第1の搬送経路と前記第2の搬送経路とが分岐する位置から、前記第1の搬送経路の出口側に流して搬送するとき、前記第1の搬送手段に、前記第1の搬送経路の出口側で前記搬送媒体に負圧を生じさせるとともに、前記第2の搬送手段による前記搬送媒体への負圧の発生を抑制し、
前記搬送媒体と前記粉体とを、前記第1の搬送経路と前記第2の搬送経路とが分岐する位置から、前記第2の搬送経路の出口側に流して搬送するとき、前記第2の搬送手段に、前記第2の搬送経路の出口側で前記搬送媒体に負圧を生じさせるとともに、前記第1の搬送手段による前記搬送媒体への負圧の発生を抑制する
ステップを含む処理を行わせるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は分流装置、分流方法およびプログラムに関し、特に、粉体の分流に適した分流装置、分流方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
飲み薬などの医薬品、小麦粉やそば粉などの食品、塗装、金属の焼結、電池製造、印刷などの広い分野で、粉体が用いられている。
【0003】
従来、搬送経路の途中に設けた分配器により粉粒体を複数の搬送経路に分配して搬送する粉粒体の気流搬送方法において、分配器の下流側の搬送経路に、流れに対して抵抗となるように気体を吹き込み、各搬送経路に流れる粉粒体の流量バランスを調整するようにしたものもある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−29848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の分配器では、流量バランスを調整できるものの、流れを切り換える程度にまで分流させることはできない。また、粉体が搬送される搬送経路を機械的に開閉する方式の弁が搬送経路に設けることも考えられるが、その弁に粉体が詰まってしまい、搬送できなくなってしまう。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、より簡単に、詰まりをより少なくしつつ、粉体をより確実に分流できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面の分流装置は、気体である搬送媒体が気流として流され、搬送媒体により粉体が流される中空筒状の第1の搬送経路、および搬送媒体が気流として流され、搬送媒体により粉体が流される中空筒状の第2の搬送経路であって、第1の搬送経路に対して15度から165度のいずれかの角度で第1の搬送経路から分岐している第2の搬送経路が形成されている搬送経路形成部と、第1の搬送経路の出口に設けられ、第1の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体とを搬出するとき、第1の搬送経路の出口側で搬送媒体に負圧を生じさせて、搬送媒体と粉体とを、第1の搬送経路と第2の搬送経路とが分岐する位置から、第1の搬送経路の出口側に流して搬送する第1の搬送手段と、第2の搬送経路の出口に設けられ、第2の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体とを搬出するとき、第2の搬送経路の出口側で搬送媒体に負圧を生じさせて、搬送媒体と粉体とを、第1の搬送経路と第2の搬送経路とが分岐する位置から、第2の搬送経路の出口側に流して搬送する第2の搬送手段とを備え、第1の搬送手段および第2の搬送手段は、時間的に排他的に搬送媒体と粉体とを搬送する。
【0008】
搬送経路形成部に形成されている第2の搬送経路を、第1の搬送経路に対して30度から60度のいずれかの角度で第1の搬送経路から分岐させることができる。
【0009】
第1の搬送手段および第2の搬送手段には、それぞれ、気体を噴出する穴またはスリットを、搬送される搬送媒体および粉体が通る中空筒状の壁面に設け、搬送媒体および粉体の搬送方向の軸と穴またはスリットから気体を噴出する方向の軸とが鋭角をなすようにすることができる。
【0011】
第1の搬送手段には、第1の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体とを搬出しないとき、第1の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体とを搬出するときに生じさせる負圧の絶対値に比較して小さい絶対値の負圧を生じさせ、第2の搬送手段には、第2の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体とを搬出しないとき、第2の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体とを搬出するときに生じさせる負圧の絶対値に比較して小さい絶対値の負圧を生じさせることができる。
【0012】
本発明の一側面の分流方法は、気体である搬送媒体が気流として流され、搬送媒体により粉体が流される中空筒状の第1の搬送経路、および搬送媒体が気流として流され、搬送媒体により粉体が流される中空筒状の第2の搬送経路であって、第1の搬送経路に対して15度から165度のいずれかの角度で第1の搬送経路から分岐している第2の搬送経路が形成されている搬送経路形成部と、第1の搬送経路の出口に設けられ、第1の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体とを搬送する第1の搬送手段と、第2の搬送経路の出口に設けられ、第2の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体とを搬送する第2の搬送手段とを備える分流装置の分流方法であって、搬送媒体と粉体とを、第1の搬送経路と第2の搬送経路とが分岐する位置から、第1の搬送経路の出口側に流して搬送するとき、第1の搬送手段に、第1の搬送経路の出口側で搬送媒体に負圧を生じさせるとともに、第2の搬送手段による搬送媒体への負圧の発生を抑制し、搬送媒体と粉体とを、第1の搬送経路と第2の搬送経路とが分岐する位置から、第2の搬送経路の出口側に流して搬送するとき、第2の搬送手段に、第2の搬送経路の出口側で搬送媒体に負圧を生じさせるとともに、第1の搬送手段による搬送媒体への負圧の発生を抑制するステップを含む。
【0013】
本発明の一側面のプログラムは、気体である搬送媒体が気流として流され、搬送媒体により粉体が流される中空筒状の第1の搬送経路、および搬送媒体が気流として流され、搬送媒体により粉体が流される中空筒状の第2の搬送経路であって、第1の搬送経路に対して15度から165度のいずれかの角度で第1の搬送経路から分岐している第2の搬送経路が形成されている搬送経路形成部と、第1の搬送経路の出口に設けられ、第1の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体とを搬送する第1の搬送手段と、第2の搬送経路の出口に設けられ、第2の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体とを搬送する第2の搬送手段とを備える分流装置を制御するコンピュータに、搬送媒体と粉体とを、第1の搬送経路と第2の搬送経路とが分岐する位置から、第1の搬送経路の出口側に流して搬送するとき、第1の搬送手段に、第1の搬送経路の出口側で搬送媒体に負圧を生じさせるとともに、第2の搬送手段による搬送媒体への負圧の発生を抑制し、搬送媒体と粉体とを、第1の搬送経路と第2の搬送経路とが分岐する位置から、第2の搬送経路の出口側に流して搬送するとき、第2の搬送手段に、第2の搬送経路の出口側で搬送媒体に負圧を生じさせるとともに、第1の搬送手段による搬送媒体への負圧の発生を抑制するステップを含む処理を行わせる。
【0014】
本発明の一側面においては、搬送経路形成部に、気体である搬送媒体が気流として流され、搬送媒体により粉体が流される中空筒状の第1の搬送経路、および搬送媒体が気流として流され、搬送媒体により粉体が流される中空筒状の第2の搬送経路であって、第1の搬送経路に対して15度から165度のいずれかの角度で第1の搬送経路から分岐している第2の搬送経路が形成され、第1の搬送経路の出口に設けられている第1の搬送手段により、第1の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体とを搬出するとき、第1の搬送経路の出口側で搬送媒体に負圧を生じさせて、搬送媒体と粉体とが、第1の搬送経路と第2の搬送経路とが分岐する位置から、第1の搬送経路の出口側に流して搬送され、第2の搬送経路の出口に設けられている第2の搬送手段により、第2の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体とを搬出するとき、第2の搬送経路の出口側で搬送媒体に負圧を生じさせて、搬送媒体と粉体とが、第1の搬送経路と第2の搬送経路とが分岐する位置から、第2の搬送経路の出口側に流して搬送され、第1の搬送手段および第2の搬送手段において、時間的に排他的に搬送媒体と粉体とが搬送される。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明の一側面によれば、粉体を分流することができる。
【0016】
また、本発明の一側面によれば、より簡単に、詰まりをより少なくしつつ、粉体をより確実に分流できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】加工システム1の全体の構成を示すブロック図である。
図2】分流装置13の構成の概要を示す図である。
図3】分流装置13の断面を示す図である。
図4】制御装置14の構成を示すブロック図である。
図5】作動エアAd1および作動エアAd2の圧力の変化を示すタイミングチャートである。
図6】イジェクタ52側からの粉体の吐出量およびイジェクタ53側からの粉体の吐出量を示す図である。
図7】分流の制御の処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、発明の詳細な説明に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、発明の詳細な説明に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の詳細な説明中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0019】
本発明の一側面の分流装置は、第1に、気体である搬送媒体が気流として流され、搬送媒体により粉体が流される中空筒状の第1の搬送経路(例えば、図3の搬送経路71)、および搬送媒体が気流として流され、搬送媒体により粉体が流される中空筒状の第2の搬送経路であって、第1の搬送経路に対して15度から165度のいずれかの角度で第1の搬送経路から分岐している第2の搬送経路(例えば、図3の搬送経路72)が形成されている搬送経路形成部(例えば、図2の分岐ブロック51)と、第1の搬送経路の出口に設けられ、第1の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体とを搬出するとき、第1の搬送経路の出口側で搬送媒体に負圧を生じさせて、搬送媒体と粉体とを、第1の搬送経路と第2の搬送経路とが分岐する位置から、第1の搬送経路の出口側に流して搬送する第1の搬送手段(例えば、図2のイジェクタ52)と、第2の搬送経路の出口に設けられ、第2の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体とを搬出するとき、第2の搬送経路の出口側で搬送媒体に負圧を生じさせて、搬送媒体と粉体とを、第1の搬送経路と第2の搬送経路とが分岐する位置から、第2の搬送経路の出口側に流して搬送する第2の搬送手段(例えば、図2のイジェクタ53)とを備え、第1の搬送手段および第2の搬送手段は、時間的に排他的に搬送媒体と粉体とを搬送する。
【0020】
本発明の一側面の分流装置は、第2に、第1の搬送手段および第2の搬送手段に、それぞれ、気体を噴出する穴(例えば、図3のエア噴出口84またはエア噴出口94)またはスリットを、搬送される搬送媒体および粉体が通る中空筒状の壁面に設け、搬送媒体および粉体の搬送方向の軸と穴またはスリットから気体を噴出する方向の軸とが鋭角をなすようにすることができる。
【0021】
本発明の一側面の分流方法は、気体である搬送媒体が気流として流され、搬送媒体により粉体が流される中空筒状の第1の搬送経路(例えば、図3の搬送経路71)、および搬送媒体が気流として流され、搬送媒体により粉体が流される中空筒状の第2の搬送経路であって、第1の搬送経路に対して15度から165度のいずれかの角度で第1の搬送経路から分岐している第2の搬送経路(例えば、図3の搬送経路72)が形成されている搬送経路形成部(例えば、図2の分岐ブロック51)と、第1の搬送経路の出口に設けられ、第1の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体とを搬送する第1の搬送手段(例えば、図2のイジェクタ52)と、第2の搬送経路の出口に設けられ、第2の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体とを搬送する第2の搬送手段(例えば、図2のイジェクタ53)とを備える分流装置の分流方法であって、搬送媒体と粉体とを、第1の搬送経路と第2の搬送経路とが分岐する位置から、第1の搬送経路の出口側に流して搬送するとき、第1の搬送手段に、第1の搬送経路の出口側で搬送媒体に負圧を生じさせるとともに、第2の搬送手段による搬送媒体への負圧の発生を抑制し(例えば、図7のステップS12およびステップS13の手続き)、搬送媒体と粉体とを、第1の搬送経路と第2の搬送経路とが分岐する位置から、第2の搬送経路の出口側に流して搬送するとき、第2の搬送手段に、第2の搬送経路の出口側で搬送媒体に負圧を生じさせるとともに、第1の搬送手段による搬送媒体への負圧の発生を抑制する(例えば、図7のステップS14およびステップS15の手続き)ステップを含む。
【0022】
本発明の一側面のプログラムは、気体である搬送媒体が気流として流され、搬送媒体により粉体が流される中空筒状の第1の搬送経路(例えば、図3の搬送経路71)、および搬送媒体が気流として流され、搬送媒体により粉体が流される中空筒状の第2の搬送経路であって、第1の搬送経路に対して15度から165度のいずれかの角度で第1の搬送経路から分岐している第2の搬送経路(例えば、図3の搬送経路72)が形成されている搬送経路形成部(例えば、図2の分岐ブロック51)と、第1の搬送経路の出口に設けられ、第1の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体とを搬送する第1の搬送手段(例えば、図2のイジェクタ52)と、第2の搬送経路の出口に設けられ、第2の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体とを搬送する第2の搬送手段(例えば、図2のイジェクタ53)とを備える分流装置を制御するコンピュータに、搬送媒体と粉体とを、第1の搬送経路と第2の搬送経路とが分岐する位置から、第1の搬送経路の出口側に流して搬送するとき、第1の搬送手段に、第1の搬送経路の出口側で搬送媒体に負圧を生じさせるとともに、第2の搬送手段による搬送媒体への負圧の発生を抑制し(例えば、図7のステップS12およびステップS13の手続き)、搬送媒体と粉体とを、第1の搬送経路と第2の搬送経路とが分岐する位置から、第2の搬送経路の出口側に流して搬送するとき、第2の搬送手段に、第2の搬送経路の出口側で搬送媒体に負圧を生じさせるとともに、第1の搬送手段による搬送媒体への負圧の発生を抑制する(例えば、図7のステップS14およびステップS15の手続き)ステップを含む処理を行わせる。
【0023】
以下、図1乃至図7を参照して、本発明の一実施の形態に係る加工システム1について説明する。
【0024】
図1は、加工システム1の全体の構成を示すブロック図である。加工システム1は、粉末状の固体、すなわち粉または粒(粒子)などの集合体である粉体を分流して、加工する。例えば、粉体は、飲み薬などの医薬品、小麦粉やそば粉などの食品、塗装に用いる粉体塗料、焼結に用いるタングステンなどの金属の粉末、電池の負極の製造に用いる粉体、印刷用のインクに製造に用いる顔料、複写機に用いるトナー、セメント、磁性流体、磁性粉末などである。加工システム1が分流する粉体をなす粒子の粒径(粒度)は、10−2mから10−9mである。
【0025】
加工システム1は、供給タンク11、定量供給装置12、分流装置13、制御装置14、加工装置15、および回収タンク16からなる。供給タンク11は、加工装置15において加工するための粉体を格納する。流動エアが供給されると、供給タンク11に格納されている粉体が撹拌されて、供給タンク11から配管を通じて定量供給装置12に粉体が供給される。
【0026】
定量供給装置12は、例えば、スクリュー式のフィーダおよびイジェクタなどからなり、制御装置14から供給される搬送エアACと共に、制御装置14から供給される供給量指示信号に応じた量の粉体を、配管を通じて分流装置13に供給する。
【0027】
分流装置13は、制御装置14から供給される作動エアAd1および作動エアAd2に応じて、定量供給装置12から搬送エアACと共に供給された粉体を、配管を通じて加工装置15に流すか、または配管を通じて回収タンク16に流す。加工装置15は、分流装置13から供給された粉体を加工する。例えば、加工装置15は、飲み薬などの医薬品である粉体を、円筒形のゼラチン製のボディーとキャップからなるカプセルに充填して、そのカプセルを閉じる。例えば、加工装置15は、小麦粉である粉体を水でこねて、パン生地を製造する。
【0028】
なお、以下、搬送エアAC、作動エアAd1および作動エアAd2として、空気を用いる実施の形態について説明するが、空気に限らず、窒素若しくはアルゴンなどの不活性ガスまたは各種の薬品などの活性ガスなどの気体を用いることもできる。
【0029】
図2は、分流装置13の構成の概要を示す図である。分流装置13は、分岐ブロック51、イジェクタ52、およびイジェクタ53からなる。分岐ブロック51は、ポリエチレンなどの樹脂、セラミックス、またはステンレス鋼などの金属で形成されている。分岐ブロック51の内部には、搬送エアACおよび粉体を搬送するための中空筒状の搬送経路が形成されている。分岐ブロック51の内部に形成されている搬送経路は、イジェクタ52側に伸びるとともに、イジェクタ53側に分岐している。
【0030】
イジェクタ52は、ポリエチレンなどの樹脂、セラミックス、またはステンレス鋼などの金属で形成されている。イジェクタ52は、制御装置14から供給される作動エアAd1が動作圧力Pdである場合、入口側に負圧を生じさせるとともに、出口側に正圧を生じさせることで、搬送エアACおよび粉体を搬送する。動作圧力Pdは、搬送エアACの圧力と同じ圧力か、または搬送エアACの圧力より高い圧力である。すなわち、イジェクタ52は、動作圧力Pdである作動エアAd1によって、分岐ブロック51の搬送経路のうち、イジェクタ52側に伸びる搬送経路の搬送エアACに負圧を生じさせるとともに、加工装置15に通じる配管の搬送エアACに正圧を生じさせることで、分岐ブロック51の搬送経路の中の搬送エアACおよび粉体を加工装置15に向かって搬送する。
【0031】
イジェクタ52は、制御装置14から供給される作動エアAd1がシール圧力Psである場合、搬送経路の出口から搬送エアACと粉体とを搬出するときに生じさせる負圧の絶対値に比較して小さい絶対値の負圧を生じさせて、搬送エアACおよび粉体の逆流を防止する。シール圧力Psは、動作圧力Pdより低い圧力であって、大気圧より高い圧力である。作動エアAd1をシール圧力Psとすると、搬送経路の出口から搬送エアACと粉体とを搬出するときに生じさせる負圧の絶対値に比較して小さい絶対値の負圧が生じて、出口側に、搬送エアACおよび粉体を搬送するときに生じさせる正圧の絶対値に比較して小さい絶対値の正圧が生じるので、加工装置15に通じる配管からの粉体の吸い込みを防止することができる。
【0032】
イジェクタ53は、ポリエチレンなどの樹脂、セラミックス、またはステンレス鋼などの金属で形成されている。イジェクタ53は、制御装置14から供給される作動エアAd2が動作圧力Pdである場合、入口側に負圧を生じさせるとともに、出口側に正圧を生じさせることで、搬送エアACおよび粉体を搬送する。すなわち、イジェクタ53は、動作圧力Pdである作動エアAd2によって、分岐ブロック51の搬送経路のうち、イジェクタ53側に分岐している搬送経路の搬送エアACに負圧を生じさせるとともに、回収タンク16に通じる配管の搬送エアACに正圧を生じさせることで、分岐ブロック51の搬送経路の中の搬送エアACおよび粉体を回収タンク16に向かって搬送する。
【0033】
イジェクタ53は、制御装置14から供給される作動エアAd2がシール圧力Psである場合、搬送経路の出口から搬送エアACと粉体とを搬出するときに生じさせる負圧の絶対値に比較して小さい絶対値の負圧を生じさせて、搬送エアACおよび粉体の逆流を防止する。作動エアAd2をシール圧力Psとすると、搬送経路の出口から搬送エアACと粉体とを搬出するときに生じさせる負圧の絶対値に比較して小さい絶対値の負圧が生じて、出口側に、搬送エアACおよび粉体を搬送するときに生じさせる正圧の絶対値に比較して小さい絶対値の正圧が生じるので、回収タンク16に通じる配管からの粉体の吸い込みを防止することができる。
【0034】
次に、分岐ブロック51、イジェクタ52、およびイジェクタ53の詳細な構造を説明する。
【0035】
図3は、分流装置13の断面を示す図である。分岐ブロック51の内部には、搬送エアACおよび粉体を搬送するための搬送経路71および搬送経路72が形成されている。搬送経路71は、図3中の左側に示されている入口から、図3中の右側に示されている出口に繋がる空洞として形成されている。例えば、搬送経路71は、入口から出口まで搬送方向に直線状に伸びる形状とすることができる。また、搬送経路71の断面形状は、入口から出口まで一定の円形とすることができる。
【0036】
搬送経路72は、搬送経路71から分岐し、搬送経路71の出口とは別の出口である、図3中の下側に示されている出口に繋がる空洞として形成されている。例えば、搬送経路72は、搬送経路71から分岐する位置から出口まで搬送方向に直線状に伸びる形状とすることができる。また、搬送経路72の断面形状は、搬送経路71から分岐する位置から出口まで一定の円形とすることができる。搬送経路72の断面は、搬送経路71の断面に等しい形状とすることができる。
【0037】
より具体的には、搬送経路72の搬送方向を示す軸である、搬送経路72の円形の断面の中心を通る軸が、搬送経路71の搬送方向を示す軸である、円形の断面の中心を通る軸と交わるように、搬送経路72の一端は、搬送経路71の途中につながる。
【0038】
このように、搬送経路71および搬送経路72は、搬送エアACおよび粉体の流れを妨げない形状に形成されている。搬送経路71および搬送経路72には、開閉する弁などの流れを規制する機構は設けられていない。
【0039】
搬送経路71から搬送経路72が分岐する位置における、搬送経路71の搬送方向を示す軸と、搬送経路72の搬送方向を示す軸とがなす角度θは、15度から165度のいずれかとすることができる。実験により、15度から165度の範囲以内で、搬送経路71から搬送経路72が分岐するようにすれば、搬送エアACおよび粉体を分流することができ、加工装置15または回収タンク16のいずれか一方に搬送エアACおよび粉体を流せることが確認された。
【0040】
より好ましくは、搬送経路71から搬送経路72が分岐する位置における、搬送経路71と搬送経路72とがなす角度θは、30度から60度のいずれかとすることができる。実験により、30度から60度の範囲以内で、搬送経路71から搬送経路72が分岐するようにすると、再現性が増して、さらに確実に、さらに安定して、分流できることが確認された。従って、この場合、さらに確実に、さらに安定して、加工装置15または回収タンク16のいずれか一方に搬送エアACおよび粉体を流せるようになる。
【0041】
すなわち、搬送経路72は、搬送経路71に対して15度から165度のいずれかの角度で搬送経路71から分岐している。搬送経路72を、搬送経路71に対して30度から60度のいずれかの角度で搬送経路71から分岐させるのがより好ましい。
【0042】
搬送経路71の入口からは、定量供給装置12から供給される搬送エアACおよび粉体が取り込まれる。搬送経路71の入口から取り込まれた搬送エアACおよび粉体は、搬送経路71の出口から搬出されるか、または搬送経路72の出口から搬出される。
【0043】
このように、搬送経路71は、中空であって、筒状に形成されている。搬送経路72は、搬送経路71から分岐する、中空であって、筒状に形成されている。搬送経路71および搬送経路72は、それぞれ、入口および出口以外が閉じられて、気密性が保たれるように形成される。
【0044】
搬送経路71の出口は、気密性が保たれるように、イジェクタ52の入口側に接続されている。また、搬送経路72の出口は、気密性が保たれるように、イジェクタ53の入口側に接続されている。
【0045】
イジェクタ52は、搬送経路81、作動エア導入部82、作動エア分配部83、エア噴出口84、および絞り部85を備える。搬送経路81は、イジェクタ52本体の内部に形成されている。搬送経路81は、搬送経路71の搬送方向の軸と同軸方向に伸びる空洞(中空筒状)とされている。例えば、搬送経路81は、搬送経路71の出口から直線状に伸びる空洞として形成されている。搬送経路81の入口の断面形状は、搬送経路71の出口の断面形状と同じに形成されている。このようにすることで、搬送エアACの流れの乱れおよび粉体の付着を防止することができる。
【0046】
作動エア導入部82には、作動エアAd1を導入するための配管が接続されて、作動エアAd1が供給される。作動エア導入部82に供給された作動エアAd1は、作動エア分配部83に送られる。作動エア分配部83は、搬送経路81と別に形成されている空洞であって、搬送経路81の搬送方向の軸上の点を中心として、搬送経路81の外側を1周する円環状に形成されている空洞である。
【0047】
作動エア分配部83から、搬送経路81(搬送経路71)における搬送エアACおよび粉体の搬送方向の軸に対して直角または鋭角をなす方向に、作動エアAd1を通すための管が形成されて、作動エアAd1を通すための管は、搬送経路81の壁面上にエア噴出口84として開口する。作動エアAd1を通すための管は、等間隔に複数形成され、複数のエア噴出口84は、それぞれ、搬送経路81の壁面上に等間隔に開口する。より詳細には、エア噴出口84は、搬送経路81の搬送方向の軸上の点を中心として、その軸に直交する円の周上に設けられている。
【0048】
搬送経路81の途中には、絞り部85が設けられている。絞り部85において、搬送経路81は絞り込まれている。すなわち、搬送経路81の断面積は、入口から進むにつれて絞り部85まで、徐々に小さくなり、絞り部85から出口に進むにつれて、徐々に大きくなる。エア噴出口84は、絞り部85の近傍であって、搬送経路81の出口により近い位置に配置されている。
【0049】
入口側から見て絞り部85を超えた位置に設けられたエア噴出口84から、搬送エアACおよび粉体の搬送方向の軸に対して直角または鋭角をなす方向に、動作圧力Pdである作動エアAd1が搬送エアACとして噴出されると、絞られている絞り部85において、搬送エアACおよび粉体の流速が上がり、イジェクタ52の入口側で搬送エアACに負圧が生じ、搬送経路71の出口側で搬送エアACに負圧が生じることになる。この場合、イジェクタ52の出口側で搬送エアACに、粉体を搬送するのに必要な正圧が生じる。
【0050】
また、エア噴出口84からシール圧力Psである作動エアAd1が搬送エアACとして噴出されると、イジェクタ52の出口側で搬送エアACに、逆流を防止するのに必要な正圧が生じる。
【0051】
イジェクタ53は、搬送経路91、作動エア導入部92、作動エア分配部93、エア噴出口94、および絞り部95を備える。搬送経路91は、イジェクタ53本体の内部に形成されている。搬送経路91は、搬送経路72の搬送方向の軸と同軸方向に伸びる空洞(中空筒状)とされている。例えば、搬送経路91は、搬送経路72の出口から直線状に伸びる空洞として形成されている。搬送経路91の入口の断面形状は、搬送経路72の出口の断面形状と同じに形成されている。このようにすることで、搬送エアACの流れの乱れおよび粉体の付着を防止することができる。
【0052】
作動エア導入部92には、作動エアAd2を導入するための配管が接続されて、作動エアAd2が供給される。作動エア導入部92に供給された作動エアAd2は、作動エア分配部93に送られる。作動エア分配部93は、搬送経路91と別に形成されている空洞であって、搬送経路91の搬送方向の軸上の点を中心として、搬送経路91の外側を1周する円環状に形成されている空洞である。
【0053】
作動エア分配部93から、搬送経路91(搬送経路72)における搬送エアACおよび粉体の搬送方向の軸に対して直角または鋭角をなす方向に、作動エアAd2を通すための管が形成されて、作動エアAd2を通すための管は、搬送経路91の壁面上にエア噴出口94として開口する。作動エアAd2を通すための管は、等間隔に複数形成され、複数のエア噴出口94は、それぞれ、搬送経路91の壁面上に等間隔に開口する。より詳細には、エア噴出口94は、搬送経路91の搬送方向の軸上の点を中心として、その軸に直交する円の周上に設けられている。
【0054】
搬送経路91の途中には、絞り部95が設けられている。絞り部95において、搬送経路91は絞り込まれている。すなわち、搬送経路91の断面積は、入口から進むにつれて絞り部95まで、徐々に小さくなり、絞り部95から出口に進むにつれて、徐々に大きくなる。エア噴出口94は、絞り部95の近傍であって、搬送経路91の出口により近い位置に配置されている。
【0055】
入口側から見て絞り部95を超えた位置に設けられたエア噴出口94から、搬送エアACおよび粉体の搬送方向の軸に対して直角または鋭角をなす方向に、動作圧力Pdである作動エアAd2が搬送エアACとして噴出されると、絞られている絞り部95において、搬送エアACおよび粉体の流速が上がり、イジェクタ53の入口側で搬送エアACに負圧が生じ、搬送経路72の出口側で搬送エアACに負圧が生じることになる。この場合、イジェクタ53の出口側で搬送エアACに、粉体を搬送するのに必要な正圧が生じる。
【0056】
また、エア噴出口94からシール圧力Psである作動エアAd2が搬送エアACとして噴出されると、イジェクタ53の出口側で搬送エアACに、逆流を防止するのに必要な正圧が生じる。
【0057】
このように、分岐ブロック51には、搬送エアACと共に粉体が搬送される中空筒状の搬送経路71および搬送経路72が形成されている。この搬送経路72は、搬送経路71に対して15度から165度のいずれかの角度で搬送経路71から分岐している。
【0058】
イジェクタ52は、搬送経路71の出口に設けられ、搬送経路71の搬送方向の軸と同軸方向に搬送経路71から搬送エアACと粉体とを搬送する。イジェクタ52は、搬送経路71の出口から搬送エアACと粉体とを搬出するとき、搬送経路71の出口側で搬送エアACに負圧を生じさせる。
【0059】
イジェクタ53は、搬送経路72の出口に設けられ、搬送経路72の搬送方向の軸と同軸方向に搬送経路72から搬送エアACと粉体とを搬送する。イジェクタ53は、搬送経路72の出口から搬送エアACと粉体とを搬出するとき、搬送経路72の出口側で搬送エアACに負圧を生じさせる。
【0060】
次に、制御装置14の構成を説明する。図4は、制御装置14の構成を示すブロック図である。制御装置14は、コンピュータ101および電空変換部102からなる。
【0061】
コンピュータ101は、いわゆるシーケンサ(プログラマブルロジックコントローラ)などの専用の制御装置としてのコンピュータ、ファクトリコンピュータ、または汎用のパーソナルコンピュータなどであり、制御プログラムを実行することにより、定量供給装置12および分流装置13を制御する。
【0062】
電空変換部102は、電気信号により開度が制御されるエアバルブなどからなる。電空変換部102は、外部から供給されたエアを搬送エアAC、作動エアAd1または作動エアAd2に分流する。電空変換部102は、コンピュータ101から供給される電気信号に応じて、搬送エアAC、作動エアAd1および作動エアAd2の圧力および流量などを変える。
【0063】
コンピュータ101は、CPU(Central Processing Unit)121,ROM(Read Only Memory)122,RAM(Random Access Memory)123、バス124、入出力インタフェース125、入力部126、出力部127、記憶部128、通信部129、およびドライブ130を備える。
【0064】
コンピュータ101において、CPU121,ROM122,RAM123は、バス124により相互に接続されている。
【0065】
バス124には、さらに、入出力インタフェース125が接続されている。入出力インタフェース125には、指示ボタンやスイッチ、ダイヤル、または加工装置15の状態(例えば、準備、洗浄や加工などのモード、または停止、待ち受け中や加工中などのステータス)を示す信号を取得する入力基板などよりなる入力部126、ディスプレイ、スピーカ、2値または可変電圧/電流を出力する出力基板などよりなる出力部127、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記憶部128、ネットワークインタフェースや機器制御通信インタフェースなどよりなる通信部129、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア131を駆動するドライブ130が接続されている。
【0066】
より詳細には、出力部127は、電空変換部102に、搬送エアAC、作動エアAd1および作動エアAd2の圧力および流量などを制御するための電気信号を供給する。
【0067】
以上のように構成されるコンピュータ101では、CPU121が、例えば、記憶部128に記憶されている制御プログラムを、入出力インタフェース125及びバス124を介して、RAM123にロードして実行することにより、以下に説明する一連の処理が行われる。
【0068】
コンピュータ101(CPU121)が実行する制御プログラムは、例えば、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)等)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア131に記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供される。
【0069】
そして、制御プログラムは、リムーバブルメディア131をドライブ130に装着することにより、入出力インタフェース125を介して、記憶部128に記憶することで、コンピュータ101にインストールすることができる。また、制御プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部129で受信し、記憶部128に記憶することで、コンピュータ101にインストールすることができる。その他、制御プログラムは、ROM122や記憶部128にあらかじめ記憶しておくことで、コンピュータ101にあらかじめインストールしておくことができる。
【0070】
次に、作動エアAd1および作動エアAd2の圧力の制御について説明する。図5は、制御装置14から分流装置13に供給される作動エアAd1および作動エアAd2の圧力の変化を示すタイミングチャートである。図5において、横軸は、時間方向を示し、縦軸は、圧力を示す。
【0071】
時刻t1までは、加工装置15が準備モードであり粉体を加工する前なので、作動エアAd1は、シール圧力Psとされ、作動エアAd2は、動作圧力Pdとされる。このとき、定量供給装置12から分流装置13に供給された搬送エアACおよび粉体は、搬送経路72の出口側で生じた搬送エアACの負圧によって、分岐ブロック51の搬送経路72の出口側に流れて、配管を通じて回収タンク16に流れる。搬送エアACおよび粉体は、分岐ブロック51の搬送経路71の出口側には流れないので、加工装置15には供給されない。また、作動エアAd1が、シール圧力Psとされているので、加工装置15への配管から粉体やゴミが逆流することはない。
【0072】
時刻t1から時刻t2までの時間において、加工モードになった加工装置15で粉体を加工するので、作動エアAd1は、動作圧力Pdとされ、作動エアAd2は、シール圧力Psとされる。このとき、定量供給装置12から分流装置13に供給された搬送エアACおよび粉体は、搬送経路71の出口側で生じた搬送エアACの負圧によって、分岐ブロック51の搬送経路71の出口側に流れて、配管を通じて加工装置15に流れる。搬送エアACおよび粉体は、分岐ブロック51の搬送経路72の出口側には流れないので、回収タンク16に流れない。また、作動エアAd2が、シール圧力Psとされているので、回収タンク16への配管から粉体が逆流することはない。
【0073】
時刻t2から時刻t3までの時間において、洗浄モードになった加工装置15が粉体の加工を停止するので、作動エアAd1は、シール圧力Psとされ、作動エアAd2は、動作圧力Pdとされる。このとき、搬送エアACおよび粉体は、配管を通じて回収タンク16に流れ、加工装置15には流れない。
【0074】
さらに、時刻t3から時刻t4までの時間において、再度加工モードになった加工装置15で粉体を加工するので、作動エアAd1は、動作圧力Pdとされ、作動エアAd2は、シール圧力Psとされる。このとき、搬送エアACおよび粉体は、配管を通じて加工装置15に流れ、回収タンク16に流れない。
【0075】
加工装置15での粉体の加工を終了した時刻t4以後において、作動エアAd1は、シール圧力Psとされ、作動エアAd2は、動作圧力Pdとされるので、搬送エアACおよび粉体は、配管を通じて回収タンク16に流れ、加工装置15には流れない。
【0076】
このように、制御装置14は、イジェクタ52およびイジェクタ53に時間的に排他的に搬送エアACと粉体とを搬送させるようにイジェクタ52およびイジェクタ53を制御する。
【0077】
ここで、実験により計測したイジェクタ52側からの粉体の吐出量(流量)およびイジェクタ53側からの粉体の吐出量(流量)について説明する。図6は、イジェクタ52側からの粉体の吐出量(流量)およびイジェクタ53側からの粉体の吐出量(流量)を示す図である。図6(A)には、作動エアAd1を動作圧力Pdとし、作動エアAd2をシール圧力Psとした場合のイジェクタ52側からの粉体の吐出量(流量)およびイジェクタ53側からの粉体の吐出量(流量)が示されている。作動エアAd1を動作圧力Pdとし、作動エアAd2をシール圧力Psとした場合、定量供給装置12から分流装置13に供給された粉体のうち、100.00%(重量)がイジェクタ52側から吐出され(流れ)、0.00%(重量)がイジェクタ53側から吐出される(流れる)。
【0078】
図6(B)には、作動エアAd1をシール圧力Psとし、作動エアAd2を動作圧力Pdとした場合のイジェクタ52側からの粉体の吐出量(流量)およびイジェクタ53側からの粉体の吐出量(流量)が示されている。作動エアAd1をシール圧力Psとし、作動エアAd2を動作圧力Pdとした場合、定量供給装置12から分流装置13に供給された粉体のうち、3.40%(重量)がイジェクタ52側から吐出され(流れ)、96.60%(重量)がイジェクタ53側から吐出される(流れる)。
【0079】
このように、より簡単に、より確実に、粉体を分流できる。
【0080】
また、分岐ブロック51、イジェクタ52、およびイジェクタ53には、搬送経路を塞ぐ構成がないので、詰まりをより少なくすることができる。
【0081】
次に、加工システム1における分流の制御について説明する。図7は、制御プログラムを実行するコンピュータ101により行われる分流の制御の処理を説明するフローチャートである。ステップS11において、コンピュータ101は、現在の時刻と予め定められた時刻のシーケンスまたは加工装置15の状態などから、粉体を加工装置15に搬出するか否かを判定する。ステップS11において、粉体を加工装置15に搬出すると判定された場合、手続きはステップS12に進み、コンピュータ101は、出力部127に、作動エアAd1を動作圧力Pdにさせる電気信号を出力させる。電空変換部102は、出力部127からの電気信号による指示に応じて、作動エアAd1を動作圧力Pdにする。イジェクタ52は、動作圧力Pdの作動エアAd1によって、搬送経路71の出口側で搬送エアACに負圧を生じさせる。
【0082】
ステップS12の後、手続きはステップS13に進み、コンピュータ101は、出力部127に、作動エアAd2をシール圧力Psにさせる電気信号を出力させる。電空変換部102は、出力部127からの電気信号による指示に応じて、作動エアAd2をシール圧力Psにする。イジェクタ53は、シール圧力Psの作動エアAd2によって、搬送経路72の出口側で搬送エアACに負圧を生じさせる。シール圧力Psの作動エアAd2によってイジェクタ53が、搬送経路72の出口側で搬送エアACに生じさせる負圧の絶対値は、動作圧力Pdの作動エアAd2によって生じさせる負圧の絶対値より小さい。言い換えれば、イジェクタ53は、逆流の防止に必要な程度の負圧を生じさせ、搬送に必要な程度の負圧を発生させない。シール圧力Psの作動エアAd2を供給することで、イジェクタ53による搬送エアACへの負圧の発生が抑制されると言うこともできる。
【0083】
すなわち、ステップS12およびステップS13において、コンピュータ101は、イジェクタ52に、搬送経路71の出口側で搬送エアACに負圧を生じさせるとともに、イジェクタ53による搬送エアACへの負圧の発生を抑制し、搬送経路71の出口から搬送エアACと粉体とを搬出させる。
【0084】
これにより、定量供給装置12から供給された粉体は、加工装置15に搬出される。
【0085】
一方、ステップS11において、粉体を加工装置15に搬出しないと判定された場合、手続きはステップS14に進み、コンピュータ101は、出力部127に、作動エアAd1をシール圧力Psにさせる電気信号を出力させる。電空変換部102は、出力部127からの電気信号による指示に応じて、作動エアAd1をシール圧力Psにする。イジェクタ52は、シール圧力Psの作動エアAd1によって、搬送経路71の出口側で搬送エアACに負圧を生じさせる。シール圧力Psの作動エアAd1によってイジェクタ52が、搬送経路71の出口側で搬送エアACに生じさせる負圧の絶対値は、動作圧力Pdの作動エアAd1によって生じさせる負圧の絶対値より小さい。言い換えれば、イジェクタ52は、逆流の防止に必要な程度の負圧を生じさせ、搬送に必要な程度の負圧を発生させない。シール圧力Psの作動エアAd1を供給することで、イジェクタ52による搬送エアACへの負圧の発生が抑制されると言うこともできる。
【0086】
ステップS14の後、手続きはステップS15に進み、コンピュータ101は、出力部127に、作動エアAd2を動作圧力Pdにさせる電気信号を出力させる。電空変換部102は、出力部127からの電気信号による指示に応じて、作動エアAd2を動作圧力Pdにする。イジェクタ53は、動作圧力Pdの作動エアAd2によって、搬送経路72の出口側で搬送エアACに負圧を生じさせる。
【0087】
すなわち、ステップS14およびステップS15において、コンピュータ101は、イジェクタ53に、搬送経路72の出口側で搬送エアACに負圧を生じさせるとともに、イジェクタ52による搬送エアACへの負圧の発生を抑制し、搬送経路72の出口から搬送エアACと粉体とを搬出させる。
【0088】
これにより、定量供給装置12から供給された粉体は、回収タンク16に搬出される。
【0089】
ステップS13の後、およびステップS15の後、手続きはステップS11に戻り、上述した処理が繰り返される。
【0090】
粉体の加工が完了するなどして外部から分流の処理の終了が要求された場合、分流の制御の処理は、割り込みにより停止する。
【0091】
上述した一連の処理は、ソフトウエアにより実行することもできるし、ハードウエアにより実行することもできる。
【0092】
なお、コンピュータ101が実行する制御プログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0093】
このように、より簡単に、詰まりをより少なくしつつ、粉体をより確実に分流できる。
【0094】
なお、イジェクタ52が搬送エアACおよび粉体を加工装置15に搬送すると説明したが、イジェクタ53が搬送エアACおよび粉体を加工装置15に搬送するようにしてもよい。加工されないでイジェクタ53から搬送された粉体を供給タンク11に戻すようにしてもよい。
【0095】
また、イジェクタ52およびイジェクタ53には、それぞれ、搬送媒体である作動エアAd1または作動エアAd2を噴出するエア噴出口84またはエア噴出口94に代えて、作動エアAd1または作動エアAd2を噴出するスリットを設けるようにしてもよい。
【0096】
なお、分岐ブロック51、イジェクタ52、およびイジェクタ53を一体に形成するようにしてもよい。
【0097】
搬送経路71および搬送経路72は、直線状に限らず、曲線状に形成し、婉曲していてもよい。
【0098】
搬送経路71の断面および搬送経路72の断面は、それぞれ、円に限らず、矩形または多角形とすることができる。搬送経路72の断面形状は、搬送経路71の断面形状と同じであると説明したが、異なっていても良い。搬送経路72の断面の面積は、搬送経路71の断面の面積と同じであっても、異なっていても良い。
【0099】
以上のように、分岐ブロック51には、搬送エアACと共に粉体が搬送される中空筒状の搬送経路71、および搬送エアACと粉体とが搬送される中空筒状の搬送経路72であって、搬送経路71に対して15度から165度のいずれかの角度で搬送経路71から分岐している搬送経路72が形成されている。
【0100】
イジェクタ52は、搬送経路71の出口に設けられ、搬送経路71の出口から搬送エアACと粉体とを搬出するとき、搬送経路71の出口側で搬送エアACに負圧を生じさせて、搬送経路71の搬送方向の軸と同軸方向に搬送経路71から搬送エアACと粉体とを搬送する。
【0101】
イジェクタ53は、搬送経路72の出口に設けられ、搬送経路72の出口から搬送エアACと粉体とを搬出するとき、搬送経路72の出口側で搬送エアACに負圧を生じさせて、搬送経路72の搬送方向の軸と同軸方向に搬送経路72から搬送エアACと粉体とを搬送する。
【0102】
イジェクタ52およびイジェクタ53は、時間的に排他的に搬送エアACと粉体とを搬送する。
【0103】
このようにすることで、粉体が搬送される搬送経路を機械的に開閉する機構を設ける必要がないので、より簡単に、詰まりをより少なくしつつ、粉体をより確実に分流できる。
【0104】
分岐ブロック51に形成されている搬送経路72は、搬送経路71に対して30度から60度のいずれかの角度で搬送経路71から分岐させることができる。この場合、さらに確実に、さらに安定して、粉体を分流できる。
【0105】
イジェクタ52およびイジェクタ53には、それぞれ、搬送媒体である作動エアAd1または作動エアAd2を噴出するエア噴出口84若しくはエア噴出口94またはスリットを、搬送される搬送エアACおよび粉体が通る中空筒状の壁面に設け、搬送エアACおよび粉体の搬送方向の軸とエア噴出口84若しくはエア噴出口94またはスリットから搬送媒体である作動エアAd1または作動エアAd2を噴出する方向の軸とが直角または鋭角をなすようにすることができる。エア噴出口84若しくはエア噴出口94またはスリットから搬送媒体である作動エアAd1または作動エアAd2を噴出するので、搬送される粉体を遮ることがなく、粉体による詰まりをより確実に防止することができる。
【0106】
搬送経路72の断面形状は、搬送経路71の断面形状と同じとすることができる。粉体の分流を繰り返した場合でも、搬送経路72および搬送経路71における搬送エアACの気流の乱れをより少なくすることができるので、粉体による詰まりをより確実に防止することができる。
【0107】
イジェクタ52には、搬送経路71の出口から搬送エアACと粉体とを搬出しないとき、搬送経路71の出口から搬送エアACと粉体とを搬出するときに生じさせる負圧の絶対値に比較して小さい絶対値の負圧を生じさせ、イジェクタ53には、搬送経路72の出口から搬送エアACと粉体とを搬出しないとき、搬送経路72の出口から搬送エアACと粉体とを搬出するときに生じさせる負圧の絶対値に比較して小さい絶対値の負圧を生じさせることができる。このようにすることで、粉体の逆流を防止することができる。
【0108】
このように、分岐ブロック51に、搬送エアACと共に粉体が搬送される中空筒状の搬送経路71、および搬送エアACと粉体とが搬送される中空筒状の搬送経路72であって、搬送経路71に対して15度から165度のいずれかの角度で搬送経路71から分岐している搬送経路72を形成し、イジェクタ52が、搬送経路71の出口に設けられ、搬送経路71の出口から搬送エアACと粉体とを搬出するとき、搬送経路71の出口側で搬送エアACに負圧を生じさせて、搬送経路71の搬送方向の軸と同軸方向に搬送経路71から搬送エアACと粉体とを搬送し、イジェクタ53が、搬送経路72の出口に設けられ、搬送経路72の出口から搬送エアACと粉体とを搬出するとき、搬送経路72の出口側で搬送エアACに負圧を生じさせて、搬送経路72の搬送方向の軸と同軸方向に搬送経路72から搬送エアACと粉体とを搬送し、イジェクタ52およびイジェクタ53が、時間的に排他的に搬送エアACと粉体とを搬送するようにした場合には、より簡単に、詰まりをより少なくしつつ、粉体をより確実に分流できる。
【0109】
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0110】
1 加工システム, 11 供給タンク, 12 定量供給装置, 13 分流装置, 14 制御装置, 15 加工装置, 16 回収タンク, 51 分岐ブロック, 52および53 イジェクタ, 71および72 搬送経路, 81 搬送経路, 82 作動エア導入部, 83 作動エア分配部, 84 エア噴出口, 85 絞り部, 91 搬送経路, 92 作動エア導入部, 93 作動エア分配部, 94 エア噴出口, 95 絞り部, 101 コンピュータ, 102 電空変換部, 121 CPU, 122 ROM, 123 RAM, 128 記憶部, 131 リムーバブルメディア

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7