(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、発明の詳細な説明に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、発明の詳細な説明に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の詳細な説明中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0019】
本発明の一側面の分流装置は、第1に、
気体である搬送媒体が気流として流され、搬送媒体により粉体が流される中空筒状の第1の搬送経路(例えば、
図3の搬送経路71)、および
搬送媒体が気流として流され、搬送媒体により粉体が流される中空筒状の第2の搬送経路であって、第1の搬送経路に対して15度から165度のいずれかの角度で第1の搬送経路から分岐している第2の搬送経路(例えば、
図3の搬送経路72)が形成されている搬送経路形成部(例えば、
図2の分岐ブロック51)と、第1の搬送経路の出口に設けられ、第1の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体とを搬出するとき、第1の搬送経路の出口側で搬送媒体に負圧を生じさせて、
搬送媒体と粉体とを、第1の搬送経路と第2の搬送経路とが分岐する位置から、第1の搬送経路の出口側に流して搬送する第1の搬送手段(例えば、
図2のイジェクタ52)と、第2の搬送経路の出口に設けられ、第2の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体とを搬出するとき、第2の搬送経路の出口側で搬送媒体に負圧を生じさせて、
搬送媒体と粉体とを、第1の搬送経路と第2の搬送経路とが分岐する位置から、第2の搬送経路の出口側に流して搬送する第2の搬送手段(例えば、
図2のイジェクタ53)とを備え、第1の搬送手段および第2の搬送手段は、時間的に排他的に搬送媒体と粉体とを搬送する。
【0020】
本発明の一側面の分流装置は、第2に、第1の搬送手段および第2の搬送手段に、それぞれ、
気体を噴出する穴(例えば、
図3のエア噴出口84またはエア噴出口94)またはスリットを、搬送される搬送媒体および粉体が通る中空筒状の壁面に設け、搬送媒体および粉体の搬送方向の軸と穴またはスリットから
気体を噴出する方向の軸とが
鋭角をなすようにすることができる。
【0021】
本発明の一側面の分流方法は、
気体である搬送媒体が気流として流され、搬送媒体により粉体が流される中空筒状の第1の搬送経路(例えば、
図3の搬送経路71)、および
搬送媒体が気流として流され、搬送媒体により粉体が流される中空筒状の第2の搬送経路であって、第1の搬送経路に対して15度から165度のいずれかの角度で第1の搬送経路から分岐している第2の搬送経路(例えば、
図3の搬送経路72)が形成されている搬送経路形成部(例えば、
図2の分岐ブロック51)と、第1の搬送経路の出口に設けられ、
第1の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体とを搬送する第1の搬送手段(例えば、
図2のイジェクタ52)と、第2の搬送経路の出口に設けられ、
第2の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体とを搬送する第2の搬送手段(例えば、
図2のイジェクタ53)とを備える分流装置の分流方法であって、
搬送媒体と粉体とを、第1の搬送経路と第2の搬送経路とが分岐する位置から、第1の搬送経路の出口側に流して搬送するとき、第1の搬送手段に、第1の搬送経路の出口側で搬送媒体に負圧を生じさせるとともに、第2の搬送手段による搬送媒体への負圧の発生を抑制し(例えば、
図7のステップS12およびステップS13の手続き)、
搬送媒体と粉体とを、第1の搬送経路と第2の搬送経路とが分岐する位置から、第2の搬送経路の出口側に流して搬送するとき、第2の搬送手段に、第2の搬送経路の出口側で搬送媒体に負圧を生じさせるとともに、第1の搬送手段による搬送媒体への負圧の発生を抑制する(例えば、
図7のステップS14およびステップS15の手続き)ステップを含む。
【0022】
本発明の一側面のプログラムは、
気体である搬送媒体が気流として流され、搬送媒体により粉体が流される中空筒状の第1の搬送経路(例えば、
図3の搬送経路71)、および
搬送媒体が気流として流され、搬送媒体により粉体が流される中空筒状の第2の搬送経路であって、第1の搬送経路に対して15度から165度のいずれかの角度で第1の搬送経路から分岐している第2の搬送経路(例えば、
図3の搬送経路72)が形成されている搬送経路形成部(例えば、
図2の分岐ブロック51)と、第1の搬送経路の出口に設けられ、
第1の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体とを搬送する第1の搬送手段(例えば、
図2のイジェクタ52)と、第2の搬送経路の出口に設けられ、
第2の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体とを搬送する第2の搬送手段(例えば、
図2のイジェクタ53)とを備える分流装置を制御するコンピュータに、
搬送媒体と粉体とを、第1の搬送経路と第2の搬送経路とが分岐する位置から、第1の搬送経路の出口側に流して搬送するとき、第1の搬送手段に、第1の搬送経路の出口側で搬送媒体に負圧を生じさせるとともに、第2の搬送手段による搬送媒体への負圧の発生を抑制し(例えば、
図7のステップS12およびステップS13の手続き)、
搬送媒体と粉体とを、第1の搬送経路と第2の搬送経路とが分岐する位置から、第2の搬送経路の出口側に流して搬送するとき、第2の搬送手段に、第2の搬送経路の出口側で搬送媒体に負圧を生じさせるとともに、第1の搬送手段による搬送媒体への負圧の発生を抑制する(例えば、
図7のステップS14およびステップS15の手続き)ステップを含む処理を行わせる。
【0023】
以下、
図1乃至
図7を参照して、本発明の一実施の形態に係る加工システム1について説明する。
【0024】
図1は、加工システム1の全体の構成を示すブロック図である。加工システム1は、粉末状の固体、すなわち粉または粒(粒子)などの集合体である粉体を分流して、加工する。例えば、粉体は、飲み薬などの医薬品、小麦粉やそば粉などの食品、塗装に用いる粉体塗料、焼結に用いるタングステンなどの金属の粉末、電池の負極の製造に用いる粉体、印刷用のインクに製造に用いる顔料、複写機に用いるトナー、セメント、磁性流体、磁性粉末などである。加工システム1が分流する粉体をなす粒子の粒径(粒度)は、10
−2mから10
−9mである。
【0025】
加工システム1は、供給タンク11、定量供給装置12、分流装置13、制御装置14、加工装置15、および回収タンク16からなる。供給タンク11は、加工装置15において加工するための粉体を格納する。流動エアが供給されると、供給タンク11に格納されている粉体が撹拌されて、供給タンク11から配管を通じて定量供給装置12に粉体が供給される。
【0026】
定量供給装置12は、例えば、スクリュー式のフィーダおよびイジェクタなどからなり、制御装置14から供給される搬送エアA
Cと共に、制御装置14から供給される供給量指示信号に応じた量の粉体を、配管を通じて分流装置13に供給する。
【0027】
分流装置13は、制御装置14から供給される作動エアA
d1および作動エアA
d2に応じて、定量供給装置12から搬送エアA
Cと共に供給された粉体を、配管を通じて加工装置15に流すか、または配管を通じて回収タンク16に流す。加工装置15は、分流装置13から供給された粉体を加工する。例えば、加工装置15は、飲み薬などの医薬品である粉体を、円筒形のゼラチン製のボディーとキャップからなるカプセルに充填して、そのカプセルを閉じる。例えば、加工装置15は、小麦粉である粉体を水でこねて、パン生地を製造する。
【0028】
なお、以下、搬送エアA
C、作動エアA
d1および作動エアA
d2として、空気を用いる実施の形態について説明するが、空気に限らず、窒素若しくはアルゴンなどの不活性ガスまたは各種の薬品などの活性ガスなどの気体を用いることもできる。
【0029】
図2は、分流装置13の構成の概要を示す図である。分流装置13は、分岐ブロック51、イジェクタ52、およびイジェクタ53からなる。分岐ブロック51は、ポリエチレンなどの樹脂、セラミックス、またはステンレス鋼などの金属で形成されている。分岐ブロック51の内部には、搬送エアA
Cおよび粉体を搬送するための中空筒状の搬送経路が形成されている。分岐ブロック51の内部に形成されている搬送経路は、イジェクタ52側に伸びるとともに、イジェクタ53側に分岐している。
【0030】
イジェクタ52は、ポリエチレンなどの樹脂、セラミックス、またはステンレス鋼などの金属で形成されている。イジェクタ52は、制御装置14から供給される作動エアA
d1が動作圧力P
dである場合、入口側に負圧を生じさせるとともに、出口側に正圧を生じさせることで、搬送エアA
Cおよび粉体を搬送する。動作圧力P
dは、搬送エアA
Cの圧力と同じ圧力か、または搬送エアA
Cの圧力より高い圧力である。すなわち、イジェクタ52は、動作圧力P
dである作動エアA
d1によって、分岐ブロック51の搬送経路のうち、イジェクタ52側に伸びる搬送経路の搬送エアA
Cに負圧を生じさせるとともに、加工装置15に通じる配管の搬送エアA
Cに正圧を生じさせることで、分岐ブロック51の搬送経路の中の搬送エアA
Cおよび粉体を加工装置15に向かって搬送する。
【0031】
イジェクタ52は、制御装置14から供給される作動エアA
d1がシール圧力P
sである場合、搬送経路の出口から搬送エアA
Cと粉体とを搬出するときに生じさせる負圧の絶対値に比較して小さい絶対値の負圧を生じさせて、搬送エアA
Cおよび粉体の逆流を防止する。シール圧力P
sは、動作圧力P
dより低い圧力であって、大気圧より高い圧力である。作動エアA
d1をシール圧力P
sとすると、搬送経路の出口から搬送エアA
Cと粉体とを搬出するときに生じさせる負圧の絶対値に比較して小さい絶対値の負圧が生じて、出口側に、搬送エアA
Cおよび粉体を搬送するときに生じさせる正圧の絶対値に比較して小さい絶対値の正圧が生じるので、加工装置15に通じる配管からの粉体の吸い込みを防止することができる。
【0032】
イジェクタ53は、ポリエチレンなどの樹脂、セラミックス、またはステンレス鋼などの金属で形成されている。イジェクタ53は、制御装置14から供給される作動エアA
d2が動作圧力P
dである場合、入口側に負圧を生じさせるとともに、出口側に正圧を生じさせることで、搬送エアA
Cおよび粉体を搬送する。すなわち、イジェクタ53は、動作圧力P
dである作動エアA
d2によって、分岐ブロック51の搬送経路のうち、イジェクタ53側に分岐している搬送経路の搬送エアA
Cに負圧を生じさせるとともに、回収タンク16に通じる配管の搬送エアA
Cに正圧を生じさせることで、分岐ブロック51の搬送経路の中の搬送エアA
Cおよび粉体を回収タンク16に向かって搬送する。
【0033】
イジェクタ53は、制御装置14から供給される作動エアA
d2がシール圧力P
sである場合、搬送経路の出口から搬送エアA
Cと粉体とを搬出するときに生じさせる負圧の絶対値に比較して小さい絶対値の負圧を生じさせて、搬送エアA
Cおよび粉体の逆流を防止する。作動エアA
d2をシール圧力P
sとすると、搬送経路の出口から搬送エアA
Cと粉体とを搬出するときに生じさせる負圧の絶対値に比較して小さい絶対値の負圧が生じて、出口側に、搬送エアA
Cおよび粉体を搬送するときに生じさせる正圧の絶対値に比較して小さい絶対値の正圧が生じるので、回収タンク16に通じる配管からの粉体の吸い込みを防止することができる。
【0034】
次に、分岐ブロック51、イジェクタ52、およびイジェクタ53の詳細な構造を説明する。
【0035】
図3は、分流装置13の断面を示す図である。分岐ブロック51の内部には、搬送エアA
Cおよび粉体を搬送するための搬送経路71および搬送経路72が形成されている。搬送経路71は、
図3中の左側に示されている入口から、
図3中の右側に示されている出口に繋がる空洞として形成されている。例えば、搬送経路71は、入口から出口まで搬送方向に直線状に伸びる形状とすることができる。また、搬送経路71の断面形状は、入口から出口まで一定の円形とすることができる。
【0036】
搬送経路72は、搬送経路71から分岐し、搬送経路71の出口とは別の出口である、
図3中の下側に示されている出口に繋がる空洞として形成されている。例えば、搬送経路72は、搬送経路71から分岐する位置から出口まで搬送方向に直線状に伸びる形状とすることができる。また、搬送経路72の断面形状は、搬送経路71から分岐する位置から出口まで一定の円形とすることができる。搬送経路72の断面は、搬送経路71の断面に等しい形状とすることができる。
【0037】
より具体的には、搬送経路72の搬送方向を示す軸である、搬送経路72の円形の断面の中心を通る軸が、搬送経路71の搬送方向を示す軸である、円形の断面の中心を通る軸と交わるように、搬送経路72の一端は、搬送経路71の途中につながる。
【0038】
このように、搬送経路71および搬送経路72は、搬送エアA
Cおよび粉体の流れを妨げない形状に形成されている。搬送経路71および搬送経路72には、開閉する弁などの流れを規制する機構は設けられていない。
【0039】
搬送経路71から搬送経路72が分岐する位置における、搬送経路71の搬送方向を示す軸と、搬送経路72の搬送方向を示す軸とがなす角度θは、15度から165度のいずれかとすることができる。実験により、15度から165度の範囲以内で、搬送経路71から搬送経路72が分岐するようにすれば、搬送エアA
Cおよび粉体を分流することができ、加工装置15または回収タンク16のいずれか一方に搬送エアA
Cおよび粉体を流せることが確認された。
【0040】
より好ましくは、搬送経路71から搬送経路72が分岐する位置における、搬送経路71と搬送経路72とがなす角度θは、30度から60度のいずれかとすることができる。実験により、30度から60度の範囲以内で、搬送経路71から搬送経路72が分岐するようにすると、再現性が増して、さらに確実に、さらに安定して、分流できることが確認された。従って、この場合、さらに確実に、さらに安定して、加工装置15または回収タンク16のいずれか一方に搬送エアA
Cおよび粉体を流せるようになる。
【0041】
すなわち、搬送経路72は、搬送経路71に対して15度から165度のいずれかの角度で搬送経路71から分岐している。搬送経路72を、搬送経路71に対して30度から60度のいずれかの角度で搬送経路71から分岐させるのがより好ましい。
【0042】
搬送経路71の入口からは、定量供給装置12から供給される搬送エアA
Cおよび粉体が取り込まれる。搬送経路71の入口から取り込まれた搬送エアA
Cおよび粉体は、搬送経路71の出口から搬出されるか、または搬送経路72の出口から搬出される。
【0043】
このように、搬送経路71は、中空であって、筒状に形成されている。搬送経路72は、搬送経路71から分岐する、中空であって、筒状に形成されている。搬送経路71および搬送経路72は、それぞれ、入口および出口以外が閉じられて、気密性が保たれるように形成される。
【0044】
搬送経路71の出口は、気密性が保たれるように、イジェクタ52の入口側に接続されている。また、搬送経路72の出口は、気密性が保たれるように、イジェクタ53の入口側に接続されている。
【0045】
イジェクタ52は、搬送経路81、作動エア導入部82、作動エア分配部83、エア噴出口84、および絞り部85を備える。搬送経路81は、イジェクタ52本体の内部に形成されている。搬送経路81は、搬送経路71の搬送方向の軸と同軸方向に伸びる空洞(中空筒状)とされている。例えば、搬送経路81は、搬送経路71の出口から直線状に伸びる空洞として形成されている。搬送経路81の入口の断面形状は、搬送経路71の出口の断面形状と同じに形成されている。このようにすることで、搬送エアA
Cの流れの乱れおよび粉体の付着を防止することができる。
【0046】
作動エア導入部82には、作動エアA
d1を導入するための配管が接続されて、作動エアA
d1が供給される。作動エア導入部82に供給された作動エアA
d1は、作動エア分配部83に送られる。作動エア分配部83は、搬送経路81と別に形成されている空洞であって、搬送経路81の搬送方向の軸上の点を中心として、搬送経路81の外側を1周する円環状に形成されている空洞である。
【0047】
作動エア分配部83から、搬送経路81(搬送経路71)における搬送エアA
Cおよび粉体の搬送方向の軸に対して直角または鋭角をなす方向に、作動エアA
d1を通すための管が形成されて、作動エアA
d1を通すための管は、搬送経路81の壁面上にエア噴出口84として開口する。作動エアA
d1を通すための管は、等間隔に複数形成され、複数のエア噴出口84は、それぞれ、搬送経路81の壁面上に等間隔に開口する。より詳細には、エア噴出口84は、搬送経路81の搬送方向の軸上の点を中心として、その軸に直交する円の周上に設けられている。
【0048】
搬送経路81の途中には、絞り部85が設けられている。絞り部85において、搬送経路81は絞り込まれている。すなわち、搬送経路81の断面積は、入口から進むにつれて絞り部85まで、徐々に小さくなり、絞り部85から出口に進むにつれて、徐々に大きくなる。エア噴出口84は、絞り部85の近傍であって、搬送経路81の出口により近い位置に配置されている。
【0049】
入口側から見て絞り部85を超えた位置に設けられたエア噴出口84から、搬送エアA
Cおよび粉体の搬送方向の軸に対して直角または鋭角をなす方向に、動作圧力P
dである作動エアA
d1が搬送エアA
Cとして噴出されると、絞られている絞り部85において、搬送エアA
Cおよび粉体の流速が上がり、イジェクタ52の入口側で搬送エアA
Cに負圧が生じ、搬送経路71の出口側で搬送エアA
Cに負圧が生じることになる。この場合、イジェクタ52の出口側で搬送エアA
Cに、粉体を搬送するのに必要な正圧が生じる。
【0050】
また、エア噴出口84からシール圧力P
sである作動エアA
d1が搬送エアA
Cとして噴出されると、イジェクタ52の出口側で搬送エアA
Cに、逆流を防止するのに必要な正圧が生じる。
【0051】
イジェクタ53は、搬送経路91、作動エア導入部92、作動エア分配部93、エア噴出口94、および絞り部95を備える。搬送経路91は、イジェクタ53本体の内部に形成されている。搬送経路91は、搬送経路72の搬送方向の軸と同軸方向に伸びる空洞(中空筒状)とされている。例えば、搬送経路91は、搬送経路72の出口から直線状に伸びる空洞として形成されている。搬送経路91の入口の断面形状は、搬送経路72の出口の断面形状と同じに形成されている。このようにすることで、搬送エアA
Cの流れの乱れおよび粉体の付着を防止することができる。
【0052】
作動エア導入部92には、作動エアA
d2を導入するための配管が接続されて、作動エアA
d2が供給される。作動エア導入部92に供給された作動エアA
d2は、作動エア分配部93に送られる。作動エア分配部93は、搬送経路91と別に形成されている空洞であって、搬送経路91の搬送方向の軸上の点を中心として、搬送経路91の外側を1周する円環状に形成されている空洞である。
【0053】
作動エア分配部93から、搬送経路91(搬送経路72)における搬送エアA
Cおよび粉体の搬送方向の軸に対して直角または鋭角をなす方向に、作動エアA
d2を通すための管が形成されて、作動エアA
d2を通すための管は、搬送経路91の壁面上にエア噴出口94として開口する。作動エアA
d2を通すための管は、等間隔に複数形成され、複数のエア噴出口94は、それぞれ、搬送経路91の壁面上に等間隔に開口する。より詳細には、エア噴出口94は、搬送経路91の搬送方向の軸上の点を中心として、その軸に直交する円の周上に設けられている。
【0054】
搬送経路91の途中には、絞り部95が設けられている。絞り部95において、搬送経路91は絞り込まれている。すなわち、搬送経路91の断面積は、入口から進むにつれて絞り部95まで、徐々に小さくなり、絞り部95から出口に進むにつれて、徐々に大きくなる。エア噴出口94は、絞り部95の近傍であって、搬送経路91の出口により近い位置に配置されている。
【0055】
入口側から見て絞り部95を超えた位置に設けられたエア噴出口94から、搬送エアA
Cおよび粉体の搬送方向の軸に対して直角または鋭角をなす方向に、動作圧力P
dである作動エアA
d2が搬送エアA
Cとして噴出されると、絞られている絞り部95において、搬送エアA
Cおよび粉体の流速が上がり、イジェクタ53の入口側で搬送エアA
Cに負圧が生じ、搬送経路72の出口側で搬送エアA
Cに負圧が生じることになる。この場合、イジェクタ53の出口側で搬送エアA
Cに、粉体を搬送するのに必要な正圧が生じる。
【0056】
また、エア噴出口94からシール圧力P
sである作動エアA
d2が搬送エアA
Cとして噴出されると、イジェクタ53の出口側で搬送エアA
Cに、逆流を防止するのに必要な正圧が生じる。
【0057】
このように、分岐ブロック51には、搬送エアA
Cと共に粉体が搬送される中空筒状の搬送経路71および搬送経路72が形成されている。この搬送経路72は、搬送経路71に対して15度から165度のいずれかの角度で搬送経路71から分岐している。
【0058】
イジェクタ52は、搬送経路71の出口に設けられ、搬送経路71の搬送方向の軸と同軸方向に搬送経路71から搬送エアA
Cと粉体とを搬送する。イジェクタ52は、搬送経路71の出口から搬送エアA
Cと粉体とを搬出するとき、搬送経路71の出口側で搬送エアA
Cに負圧を生じさせる。
【0059】
イジェクタ53は、搬送経路72の出口に設けられ、搬送経路72の搬送方向の軸と同軸方向に搬送経路72から搬送エアA
Cと粉体とを搬送する。イジェクタ53は、搬送経路72の出口から搬送エアA
Cと粉体とを搬出するとき、搬送経路72の出口側で搬送エアA
Cに負圧を生じさせる。
【0060】
次に、制御装置14の構成を説明する。
図4は、制御装置14の構成を示すブロック図である。制御装置14は、コンピュータ101および電空変換部102からなる。
【0061】
コンピュータ101は、いわゆるシーケンサ(プログラマブルロジックコントローラ)などの専用の制御装置としてのコンピュータ、ファクトリコンピュータ、または汎用のパーソナルコンピュータなどであり、制御プログラムを実行することにより、定量供給装置12および分流装置13を制御する。
【0062】
電空変換部102は、電気信号により開度が制御されるエアバルブなどからなる。電空変換部102は、外部から供給されたエアを搬送エアA
C、作動エアA
d1または作動エアA
d2に分流する。電空変換部102は、コンピュータ101から供給される電気信号に応じて、搬送エアA
C、作動エアA
d1および作動エアA
d2の圧力および流量などを変える。
【0063】
コンピュータ101は、CPU(Central Processing Unit)121,ROM(Read Only Memory)122,RAM(Random Access Memory)123、バス124、入出力インタフェース125、入力部126、出力部127、記憶部128、通信部129、およびドライブ130を備える。
【0064】
コンピュータ101において、CPU121,ROM122,RAM123は、バス124により相互に接続されている。
【0065】
バス124には、さらに、入出力インタフェース125が接続されている。入出力インタフェース125には、指示ボタンやスイッチ、ダイヤル、または加工装置15の状態(例えば、準備、洗浄や加工などのモード、または停止、待ち受け中や加工中などのステータス)を示す信号を取得する入力基板などよりなる入力部126、ディスプレイ、スピーカ、2値または可変電圧/電流を出力する出力基板などよりなる出力部127、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記憶部128、ネットワークインタフェースや機器制御通信インタフェースなどよりなる通信部129、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア131を駆動するドライブ130が接続されている。
【0066】
より詳細には、出力部127は、電空変換部102に、搬送エアA
C、作動エアA
d1および作動エアA
d2の圧力および流量などを制御するための電気信号を供給する。
【0067】
以上のように構成されるコンピュータ101では、CPU121が、例えば、記憶部128に記憶されている制御プログラムを、入出力インタフェース125及びバス124を介して、RAM123にロードして実行することにより、以下に説明する一連の処理が行われる。
【0068】
コンピュータ101(CPU121)が実行する制御プログラムは、例えば、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)等)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア131に記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供される。
【0069】
そして、制御プログラムは、リムーバブルメディア131をドライブ130に装着することにより、入出力インタフェース125を介して、記憶部128に記憶することで、コンピュータ101にインストールすることができる。また、制御プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部129で受信し、記憶部128に記憶することで、コンピュータ101にインストールすることができる。その他、制御プログラムは、ROM122や記憶部128にあらかじめ記憶しておくことで、コンピュータ101にあらかじめインストールしておくことができる。
【0070】
次に、作動エアA
d1および作動エアA
d2の圧力の制御について説明する。
図5は、制御装置14から分流装置13に供給される作動エアA
d1および作動エアA
d2の圧力の変化を示すタイミングチャートである。
図5において、横軸は、時間方向を示し、縦軸は、圧力を示す。
【0071】
時刻t
1までは、加工装置15が準備モードであり粉体を加工する前なので、作動エアA
d1は、シール圧力P
sとされ、作動エアA
d2は、動作圧力P
dとされる。このとき、定量供給装置12から分流装置13に供給された搬送エアA
Cおよび粉体は、搬送経路72の出口側で生じた搬送エアA
Cの負圧によって、分岐ブロック51の搬送経路72の出口側に流れて、配管を通じて回収タンク16に流れる。搬送エアA
Cおよび粉体は、分岐ブロック51の搬送経路71の出口側には流れないので、加工装置15には供給されない。また、作動エアA
d1が、シール圧力P
sとされているので、加工装置15への配管から粉体やゴミが逆流することはない。
【0072】
時刻t
1から時刻t
2までの時間において、加工モードになった加工装置15で粉体を加工するので、作動エアA
d1は、動作圧力P
dとされ、作動エアA
d2は、シール圧力P
sとされる。このとき、定量供給装置12から分流装置13に供給された搬送エアA
Cおよび粉体は、搬送経路71の出口側で生じた搬送エアA
Cの負圧によって、分岐ブロック51の搬送経路71の出口側に流れて、配管を通じて加工装置15に流れる。搬送エアA
Cおよび粉体は、分岐ブロック51の搬送経路72の出口側には流れないので、回収タンク16に流れない。また、作動エアA
d2が、シール圧力P
sとされているので、回収タンク16への配管から粉体が逆流することはない。
【0073】
時刻t
2から時刻t
3までの時間において、洗浄モードになった加工装置15が粉体の加工を停止するので、作動エアA
d1は、シール圧力P
sとされ、作動エアA
d2は、動作圧力P
dとされる。このとき、搬送エアA
Cおよび粉体は、配管を通じて回収タンク16に流れ、加工装置15には流れない。
【0074】
さらに、時刻t
3から時刻t
4までの時間において、再度加工モードになった加工装置15で粉体を加工するので、作動エアA
d1は、動作圧力P
dとされ、作動エアA
d2は、シール圧力P
sとされる。このとき、搬送エアA
Cおよび粉体は、配管を通じて加工装置15に流れ、回収タンク16に流れない。
【0075】
加工装置15での粉体の加工を終了した時刻t
4以後において、作動エアA
d1は、シール圧力P
sとされ、作動エアA
d2は、動作圧力P
dとされるので、搬送エアA
Cおよび粉体は、配管を通じて回収タンク16に流れ、加工装置15には流れない。
【0076】
このように、制御装置14は、イジェクタ52およびイジェクタ53に時間的に排他的に搬送エアA
Cと粉体とを搬送させるようにイジェクタ52およびイジェクタ53を制御する。
【0077】
ここで、実験により計測したイジェクタ52側からの粉体の吐出量(流量)およびイジェクタ53側からの粉体の吐出量(流量)について説明する。
図6は、イジェクタ52側からの粉体の吐出量(流量)およびイジェクタ53側からの粉体の吐出量(流量)を示す図である。
図6(A)には、作動エアA
d1を動作圧力P
dとし、作動エアA
d2をシール圧力P
sとした場合のイジェクタ52側からの粉体の吐出量(流量)およびイジェクタ53側からの粉体の吐出量(流量)が示されている。作動エアA
d1を動作圧力P
dとし、作動エアA
d2をシール圧力P
sとした場合、定量供給装置12から分流装置13に供給された粉体のうち、100.00%(重量)がイジェクタ52側から吐出され(流れ)、0.00%(重量)がイジェクタ53側から吐出される(流れる)。
【0078】
図6(B)には、作動エアA
d1をシール圧力P
sとし、作動エアA
d2を動作圧力P
dとした場合のイジェクタ52側からの粉体の吐出量(流量)およびイジェクタ53側からの粉体の吐出量(流量)が示されている。作動エアA
d1をシール圧力P
sとし、作動エアA
d2を動作圧力P
dとした場合、定量供給装置12から分流装置13に供給された粉体のうち、3.40%(重量)がイジェクタ52側から吐出され(流れ)、96.60%(重量)がイジェクタ53側から吐出される(流れる)。
【0079】
このように、より簡単に、より確実に、粉体を分流できる。
【0080】
また、分岐ブロック51、イジェクタ52、およびイジェクタ53には、搬送経路を塞ぐ構成がないので、詰まりをより少なくすることができる。
【0081】
次に、加工システム1における分流の制御について説明する。
図7は、制御プログラムを実行するコンピュータ101により行われる分流の制御の処理を説明するフローチャートである。ステップS11において、コンピュータ101は、現在の時刻と予め定められた時刻のシーケンスまたは加工装置15の状態などから、粉体を加工装置15に搬出するか否かを判定する。ステップS11において、粉体を加工装置15に搬出すると判定された場合、手続きはステップS12に進み、コンピュータ101は、出力部127に、作動エアA
d1を動作圧力P
dにさせる電気信号を出力させる。電空変換部102は、出力部127からの電気信号による指示に応じて、作動エアA
d1を動作圧力P
dにする。イジェクタ52は、動作圧力P
dの作動エアA
d1によって、搬送経路71の出口側で搬送エアA
Cに負圧を生じさせる。
【0082】
ステップS12の後、手続きはステップS13に進み、コンピュータ101は、出力部127に、作動エアA
d2をシール圧力P
sにさせる電気信号を出力させる。電空変換部102は、出力部127からの電気信号による指示に応じて、作動エアA
d2をシール圧力P
sにする。イジェクタ53は、シール圧力P
sの作動エアA
d2によって、搬送経路72の出口側で搬送エアA
Cに負圧を生じさせる。シール圧力P
sの作動エアA
d2によってイジェクタ53が、搬送経路72の出口側で搬送エアA
Cに生じさせる負圧の絶対値は、動作圧力P
dの作動エアA
d2によって生じさせる負圧の絶対値より小さい。言い換えれば、イジェクタ53は、逆流の防止に必要な程度の負圧を生じさせ、搬送に必要な程度の負圧を発生させない。シール圧力P
sの作動エアA
d2を供給することで、イジェクタ53による搬送エアA
Cへの負圧の発生が抑制されると言うこともできる。
【0083】
すなわち、ステップS12およびステップS13において、コンピュータ101は、イジェクタ52に、搬送経路71の出口側で搬送エアA
Cに負圧を生じさせるとともに、イジェクタ53による搬送エアA
Cへの負圧の発生を抑制し、搬送経路71の出口から搬送エアA
Cと粉体とを搬出させる。
【0084】
これにより、定量供給装置12から供給された粉体は、加工装置15に搬出される。
【0085】
一方、ステップS11において、粉体を加工装置15に搬出しないと判定された場合、手続きはステップS14に進み、コンピュータ101は、出力部127に、作動エアA
d1をシール圧力P
sにさせる電気信号を出力させる。電空変換部102は、出力部127からの電気信号による指示に応じて、作動エアA
d1をシール圧力P
sにする。イジェクタ52は、シール圧力P
sの作動エアA
d1によって、搬送経路71の出口側で搬送エアA
Cに負圧を生じさせる。シール圧力P
sの作動エアA
d1によってイジェクタ52が、搬送経路71の出口側で搬送エアA
Cに生じさせる負圧の絶対値は、動作圧力P
dの作動エアA
d1によって生じさせる負圧の絶対値より小さい。言い換えれば、イジェクタ52は、逆流の防止に必要な程度の負圧を生じさせ、搬送に必要な程度の負圧を発生させない。シール圧力P
sの作動エアA
d1を供給することで、イジェクタ52による搬送エアA
Cへの負圧の発生が抑制されると言うこともできる。
【0086】
ステップS14の後、手続きはステップS15に進み、コンピュータ101は、出力部127に、作動エアA
d2を動作圧力P
dにさせる電気信号を出力させる。電空変換部102は、出力部127からの電気信号による指示に応じて、作動エアA
d2を動作圧力P
dにする。イジェクタ53は、動作圧力P
dの作動エアA
d2によって、搬送経路72の出口側で搬送エアA
Cに負圧を生じさせる。
【0087】
すなわち、ステップS14およびステップS15において、コンピュータ101は、イジェクタ53に、搬送経路72の出口側で搬送エアA
Cに負圧を生じさせるとともに、イジェクタ52による搬送エアA
Cへの負圧の発生を抑制し、搬送経路72の出口から搬送エアA
Cと粉体とを搬出させる。
【0088】
これにより、定量供給装置12から供給された粉体は、回収タンク16に搬出される。
【0089】
ステップS13の後、およびステップS15の後、手続きはステップS11に戻り、上述した処理が繰り返される。
【0090】
粉体の加工が完了するなどして外部から分流の処理の終了が要求された場合、分流の制御の処理は、割り込みにより停止する。
【0091】
上述した一連の処理は、ソフトウエアにより実行することもできるし、ハードウエアにより実行することもできる。
【0092】
なお、コンピュータ101が実行する制御プログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0093】
このように、より簡単に、詰まりをより少なくしつつ、粉体をより確実に分流できる。
【0094】
なお、イジェクタ52が搬送エアA
Cおよび粉体を加工装置15に搬送すると説明したが、イジェクタ53が搬送エアA
Cおよび粉体を加工装置15に搬送するようにしてもよい。加工されないでイジェクタ53から搬送された粉体を供給タンク11に戻すようにしてもよい。
【0095】
また、イジェクタ52およびイジェクタ53には、それぞれ、搬送媒体である作動エアA
d1または作動エアA
d2を噴出するエア噴出口84またはエア噴出口94に代えて、作動エアA
d1または作動エアA
d2を噴出するスリットを設けるようにしてもよい。
【0096】
なお、分岐ブロック51、イジェクタ52、およびイジェクタ53を一体に形成するようにしてもよい。
【0097】
搬送経路71および搬送経路72は、直線状に限らず、曲線状に形成し、婉曲していてもよい。
【0098】
搬送経路71の断面および搬送経路72の断面は、それぞれ、円に限らず、矩形または多角形とすることができる。搬送経路72の断面形状は、搬送経路71の断面形状と同じであると説明したが、異なっていても良い。搬送経路72の断面の面積は、搬送経路71の断面の面積と同じであっても、異なっていても良い。
【0099】
以上のように、分岐ブロック51には、搬送エアA
Cと共に粉体が搬送される中空筒状の搬送経路71、および搬送エアA
Cと粉体とが搬送される中空筒状の搬送経路72であって、搬送経路71に対して15度から165度のいずれかの角度で搬送経路71から分岐している搬送経路72が形成されている。
【0100】
イジェクタ52は、搬送経路71の出口に設けられ、搬送経路71の出口から搬送エアA
Cと粉体とを搬出するとき、搬送経路71の出口側で搬送エアA
Cに負圧を生じさせて、搬送経路71の搬送方向の軸と同軸方向に搬送経路71から搬送エアA
Cと粉体とを搬送する。
【0101】
イジェクタ53は、搬送経路72の出口に設けられ、搬送経路72の出口から搬送エアA
Cと粉体とを搬出するとき、搬送経路72の出口側で搬送エアA
Cに負圧を生じさせて、搬送経路72の搬送方向の軸と同軸方向に搬送経路72から搬送エアA
Cと粉体とを搬送する。
【0102】
イジェクタ52およびイジェクタ53は、時間的に排他的に搬送エアA
Cと粉体とを搬送する。
【0103】
このようにすることで、粉体が搬送される搬送経路を機械的に開閉する機構を設ける必要がないので、より簡単に、詰まりをより少なくしつつ、粉体をより確実に分流できる。
【0104】
分岐ブロック51に形成されている搬送経路72は、搬送経路71に対して30度から60度のいずれかの角度で搬送経路71から分岐させることができる。この場合、さらに確実に、さらに安定して、粉体を分流できる。
【0105】
イジェクタ52およびイジェクタ53には、それぞれ、搬送媒体である作動エアA
d1または作動エアA
d2を噴出するエア噴出口84若しくはエア噴出口94またはスリットを、搬送される搬送エアA
Cおよび粉体が通る中空筒状の壁面に設け、搬送エアA
Cおよび粉体の搬送方向の軸とエア噴出口84若しくはエア噴出口94またはスリットから搬送媒体である作動エアA
d1または作動エアA
d2を噴出する方向の軸とが直角または鋭角をなすようにすることができる。エア噴出口84若しくはエア噴出口94またはスリットから搬送媒体である作動エアA
d1または作動エアA
d2を噴出するので、搬送される粉体を遮ることがなく、粉体による詰まりをより確実に防止することができる。
【0106】
搬送経路72の断面形状は、搬送経路71の断面形状と同じとすることができる。粉体の分流を繰り返した場合でも、搬送経路72および搬送経路71における搬送エアA
Cの気流の乱れをより少なくすることができるので、粉体による詰まりをより確実に防止することができる。
【0107】
イジェクタ52には、搬送経路71の出口から搬送エアA
Cと粉体とを搬出しないとき、搬送経路71の出口から搬送エアA
Cと粉体とを搬出するときに生じさせる負圧の絶対値に比較して小さい絶対値の負圧を生じさせ、イジェクタ53には、搬送経路72の出口から搬送エアA
Cと粉体とを搬出しないとき、搬送経路72の出口から搬送エアA
Cと粉体とを搬出するときに生じさせる負圧の絶対値に比較して小さい絶対値の負圧を生じさせることができる。このようにすることで、粉体の逆流を防止することができる。
【0108】
このように、分岐ブロック51に、搬送エアA
Cと共に粉体が搬送される中空筒状の搬送経路71、および搬送エアA
Cと粉体とが搬送される中空筒状の搬送経路72であって、搬送経路71に対して15度から165度のいずれかの角度で搬送経路71から分岐している搬送経路72を形成し、イジェクタ52が、搬送経路71の出口に設けられ、搬送経路71の出口から搬送エアA
Cと粉体とを搬出するとき、搬送経路71の出口側で搬送エアA
Cに負圧を生じさせて、搬送経路71の搬送方向の軸と同軸方向に搬送経路71から搬送エアA
Cと粉体とを搬送し、イジェクタ53が、搬送経路72の出口に設けられ、搬送経路72の出口から搬送エアA
Cと粉体とを搬出するとき、搬送経路72の出口側で搬送エアA
Cに負圧を生じさせて、搬送経路72の搬送方向の軸と同軸方向に搬送経路72から搬送エアA
Cと粉体とを搬送し、イジェクタ52およびイジェクタ53が、時間的に排他的に搬送エアA
Cと粉体とを搬送するようにした場合には、より簡単に、詰まりをより少なくしつつ、粉体をより確実に分流できる。
【0109】
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。