特許第6425918号(P6425918)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6425918精製水製造装置の監視システム及び精製水製造装置の監視方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6425918
(24)【登録日】2018年11月2日
(45)【発行日】2018年11月21日
(54)【発明の名称】精製水製造装置の監視システム及び精製水製造装置の監視方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 15/14 20060101AFI20181112BHJP
   C02F 1/00 20060101ALI20181112BHJP
   C02F 1/44 20060101ALI20181112BHJP
   G01N 21/64 20060101ALI20181112BHJP
【FI】
   G01N15/14 Z
   C02F1/00 V
   C02F1/44 A
   C02F1/44 D
   G01N21/64 Z
   G01N15/14 C
【請求項の数】16
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-109477(P2014-109477)
(22)【出願日】2014年5月27日
(65)【公開番号】特開2015-224941(P2015-224941A)
(43)【公開日】2015年12月14日
【審査請求日】2017年3月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 信介
(72)【発明者】
【氏名】小原 太輔
(72)【発明者】
【氏名】古谷 雅
【審査官】 西岡 貴央
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−506977(JP,A)
【文献】 特開2013−148391(JP,A)
【文献】 特開2006−105349(JP,A)
【文献】 特開2001−074644(JP,A)
【文献】 特開2001−004523(JP,A)
【文献】 特開2014−006218(JP,A)
【文献】 特開2006−042677(JP,A)
【文献】 特開2007−033353(JP,A)
【文献】 特開昭62−105029(JP,A)
【文献】 特開2006−230219(JP,A)
【文献】 特開平03−214039(JP,A)
【文献】 特開2014−081230(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/047926(WO,A1)
【文献】 特開昭62−070731(JP,A)
【文献】 特開2003−210193(JP,A)
【文献】 特表2012−513031(JP,A)
【文献】 特開2008−092812(JP,A)
【文献】 特表2010−513847(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/104993(WO,A1)
【文献】 特表2007−525648(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 15/00−15/14、21/00−21/95
33/00−33/46、
C12M 1/00−1/42
C12Q 1/00−3/00
C02F 1/00−11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
精製水製造装置で製造中又は製造された水に検査光を照射し、前記検査光を照射された領域で生じる蛍光帯域の光を検出して、前記水に含まれる微生物及び非微生物粒子を検出する検出装置と、
前記検出された微生物の数の測定値、及び前記検出された非微生物粒子の数の測定値を特定する測定値特定部と、
前記微生物の数の測定値及び前記非微生物粒子の数の測定値の少なくとも一方が所定の値よりも大きい場合、前記精製水製造装置に問題が生じたと判定する状態判定部と、
を備え
前記検出装置が、前記検査光を照射された領域で生じる前記蛍光帯域の光の強度を少なくとも2つの波長で測定し、
前記少なくとも2つの波長で測定された蛍光帯域の光の強度の相対値を算出する相対値算出部と、
前記少なくとも2つの波長で測定された、前記検査光を照射された所定の微生物が発する蛍光帯域の光の強度の相対値を参考値として保存する参考値記憶装置と、
前記算出された相対値と前記参考値を比較し、前記水が前記微生物又は前記非微生物粒子を含むか否か判定する比較判定部と、
を備える、
精製水製造装置の監視システム。
【請求項2】
前記検出装置が、前記水の前記検査光を照射された領域で生じる散乱光を更に検出する、請求項1に記載の精製水製造装置の監視システム。
【請求項3】
前記検出装置が前記蛍光帯域の光を検出せず、前記散乱光を検出した場合、前記水が気泡を含むと判定する散乱光基準判定部を更に備える、請求項に記載の精製水製造装置の監視システム。
【請求項4】
前記水が製薬用水である、請求項1ないしのいずれか1項に記載の精製水製造装置の監視システム。
【請求項5】
前記検査光を照射された後の水の流路に設けられた、前記微生物を捕捉する微生物フィルタを更に備える、請求項1ないしのいずれか1項に記載の精製水製造装置の監視システム。
【請求項6】
前記検査光を照射された後の水の流路に設けられた、前記非微生物粒子を捕捉する非微生物粒子フィルタを更に備える、請求項1ないしのいずれか1項に記載の精製水製造装置の監視システム。
【請求項7】
精製水製造装置で製造中又は製造された水に検査光を照射し、前記検査光を照射された領域で生じる蛍光帯域の光を検出して、前記水に含まれる微生物及び非微生物粒子を検出することと、
前記検出された微生物の数の測定値、及び前記検出された非微生物粒子の数の測定値を特定することと、
前記微生物の数の測定値及び前記非微生物粒子の数の測定値の少なくとも一方が所定の値よりも大きい場合、前記精製水製造装置に問題が生じたと判定することと、
を含
前記検出することにおいて、前記検査光を照射された領域で生じる前記蛍光帯域の光の強度を少なくとも2つの波長で測定し、
前記少なくとも2つの波長で測定された蛍光帯域の光の強度の相対値を算出することと、
前記少なくとも2つの波長で予め測定された、前記検査光を照射された所定の微生物が発する蛍光帯域の光の強度の相対値を参考値として用意することと、
前記算出された相対値と前記参考値を比較し、前記水が前記微生物又は前記非微生物粒子を含むか否か判定することと、
を更に含む、
精製水製造装置の監視方法。
【請求項8】
前記水の前記検査光を照射された領域で生じる散乱光を検出することを更に含む、請求項に記載の精製水製造装置の監視方法。
【請求項9】
前記蛍光帯域の光を検出せず、前記散乱光を検出した場合、前記水が気泡を含むと判定することを更に含む、請求項に記載の精製水製造装置の監視方法。
【請求項10】
前記水が製薬用水である、請求項ないしのいずれか1項に記載の精製水製造装置の監視方法。
【請求項11】
前記微生物の数の測定値が所定の値よりも大きい場合、前記精製水製造装置にバイオフィルムが形成されたと判定する、請求項ないし10のいずれか1項に記載の精製水製造装置の監視方法。
【請求項12】
前記非微生物粒子の数の測定値が所定の値よりも大きい場合、前記精製水製造装置に非微生物粒子が堆積していると判定する、請求項ないし11のいずれか1項に記載の精製水製造装置の監視方法。
【請求項13】
前記検査光を照射された後の水の流路に設けられた微生物フィルタで前記微生物を捕捉することを更に含む、請求項ないし12のいずれか1項に記載の精製水製造装置の監視方法。
【請求項14】
前記微生物フィルタで捕捉された前記微生物を培養することを更に含む、請求項13に記載の精製水製造装置の監視方法。
【請求項15】
前記検査光を照射された後の水の流路に設けられた非微生物粒子フィルタで前記非微生物粒子を捕捉することを更に含む、請求項ないし14のいずれか1項に記載の精製水製造装置の監視方法。
【請求項16】
前記非微生物粒子フィルタで捕捉された前記非微生物粒子を顕微鏡観察することを更に含む、請求項15に記載の精製水製造装置の監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は品質評価技術に関し、精製水製造装置の監視システム及び精製水製造装置の監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
精製水、製薬用水、及び注射用水などの管理基準値のある水は、微生物に対する処置基準値が薬局方で定められている。これらの水は、例えば、限外ろ過法、逆浸透膜法、及び精密ろ過膜法等を用いる精製水製造装置で製造される(例えば、特許文献1ないし5参照。)。製造中、これらの水は、導電率、全有機炭素(TOC: Total Organic Carbon)量、あるいは蛍光強度が監視され、純度等の品質が管理される(例えば、特許文献6ないし10参照。)。また、これらの水は、製造された後、水の一部が抽出されて培地に接種され、所定の条件下で培養された微生物のコロニー形成数が検査される。これにより、製造された水について、微生物に対する処置基準値を下回っているか否かが検査される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−260463号公報
【特許文献2】特許2997099号公報
【特許文献3】国際公開第2008/038575号
【特許文献4】特開2012−192315号公報
【特許文献5】特開2007−093209号公報
【特許文献6】特開2008−107244号公報
【特許文献7】特開2008−111721号公報
【特許文献8】特開2001−327967号公報
【特許文献9】特開2007−252978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、不溶性の微生物や非微生物粒子が精製水製造装置のフィルタを閉塞していたり、あるいはそれらがフィルタを通過し、水が不溶性の微生物や非微生物粒子を含んでいたりしても、水の導電率は変化しない。また、微生物や非微生物粒子は容易に酸化されないものが多く、TOC計での検出も困難である。さらに、水の蛍光強度を単に測定しても、水に含まれる物質の種類は判別できない。
【0005】
加えて、濁質量、溶解性有機炭素量が検出されたり、バイオフィルムの形成が観察されたりするのは、相当量の微生物や非微生物粒子が精製水製造装置にコンタミした後である。そのため、高い純度が要求される水に微生物や非微生物粒子が混入したことを早期に発見することは困難である。さらに、水を製造後、微生物のコロニー形成数が多いことが発覚した場合、製造日をさかのぼって精製水を処分しなければならず、製造コスト及び時間ともに、無駄が生じる。
【0006】
そこで、本発明は、精製水製造装置を正確かつリアルタイムに監視可能な監視システム及び監視方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様によれば、(a)精製水製造装置で製造中又は製造された水に検査光を照射し、検査光を照射された領域で生じる光を検出して、水に含まれる微生物及び非微生物粒子を検出する検出装置と、(b)検出された微生物の数の測定値、及び検出された非微生物粒子の数の測定値を特定する測定値特定部と、(c)微生物の数の測定値及び非微生物粒子の数の測定値の少なくとも一方が所定の値よりも大きい場合、精製水製造装置に問題が生じたと判定する状態判定部と、を備える、精製水製造装置の監視システムが提供される。
【0008】
また、本発明の態様によれば、(a)精製水製造装置で製造中又は製造された水に検査光を照射し、検査光を照射された領域で生じる光を検出して、水に含まれる微生物及び非微生物粒子を検出することと、(b)検出された微生物の数の測定値、及び検出された非微生物粒子の数の測定値を算出することと、(c)微生物の数の測定値及び非微生物粒子の数の測定値の少なくとも一方が所定の値よりも大きい場合、精製水製造装置に問題が生じたと判定することと、を含む、精製水製造装置の監視方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、精製水製造装置を正確かつリアルタイムに監視可能な監視システム及び監視方法を提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る精製水製造装置の監視システムの模式図である。
図2】本発明の第1の実施の形態に係る検出装置の模式図である。
図3】本発明の第1の実施の形態に係る参考値の取得方法を示すフローチャートである。
図4】本発明の第2の実施の形態に係る精製水製造装置の監視システムの模式図である。
図5】本発明の第3の実施の形態に係る精製水製造装置の監視システムの模式図である。
図6】本発明の第4の実施の形態に係る精製水製造装置の監視システムの模式図である。
図7】本発明の第5の実施の形態に係る精製水製造装置の監視システムの模式図である。
図8】本発明の第6の実施の形態に係る精製水製造装置の監視システムの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号で表している。但し、図面は模式的なものである。したがって、具体的な寸法等は以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0012】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る精製水製造装置の監視システムは、図1に示すように、精製水製造装置100で製造中の水、あるいは精製水製造装置100で製造された水に検査光を照射し、検査光を照射された領域で生じる光を検出して、水に含まれる微生物及び非微生物粒子を検出する検出装置20と、検出された微生物の数の測定値、及び検出された非微生物粒子の数の測定値を特定する測定値特定部301と、微生物の数の測定値及び非微生物粒子の数の測定値の少なくとも一方が所定の値よりも大きい場合、精製水製造装置に問題が生じたと判定する状態判定部302と、を備える。例えば、測定値特定部301及び状態判定部302は、中央演算処理装置(CPU)300に含まれる。ここで、非生物粒子とは、無害あるいは有害な化学物質、ごみ、ちり、及び埃等のダスト等を含む。また、本開示において、「それよりも多く」あるいは「それよりも大きい」とは、「それ以上」も含む。
【0013】
精製水製造装置100は、例えば、限外ろ過膜、逆浸透膜、あるいは精密ろ過膜等を備える。精製水製造装置100で製造中の水、あるいは精製水製造装置100で製造された水は、メインパイプ1を流れている。メインパイプ1には、サンプリングポート3を介して支流パイプ2が接続されている。メインパイプ1を流れている水の一部は、支流パイプ2に流れ込む。精製水製造装置100で製造中の水、あるいは精製水製造装置100で製造された精製水は、例えば、純水、製薬用水、及び注射用水であるが、これらに限定されない。検出装置20は、支流パイプ2に設けられている。これにより、水が流れるメインパイプ1から検出装置20に水の一部が導かれる。
【0014】
検出装置20は、例えば図2に示すように、水に検査光を照射する光源10と、検査光を照射された領域で生じる蛍光帯域の光の強度を少なくとも2つの波長で測定する蛍光強度測定器102と、検査光を照射された領域で生じる散乱光を測定する散乱光測定器105と、を備える。光源10、蛍光強度測定器102及び散乱光測定器105は、CPU300に電気的に接続されている。
【0015】
CPU300は、さらに、少なくとも2つの波長で測定された蛍光帯域の光の強度の相対値を算出する相対値算出部303を含む。CPU300には、少なくとも2つの波長で測定された、検査光を照射された所定の物質が発する蛍光帯域の光の強度の相対値を参考値として保存する参考値記憶装置351が電気的に接続されている。CPU300は、またさらに、相対値算出部303が算出した相対値と、参考値記憶装置351に保存されている参考値と、を比較し、検出された粒子が微生物であるか、非微生物粒子であるか、あるいは気泡であるかを判定する比較判定部304を含む。
【0016】
ここで、「少なくとも2つの波長で測定された光の強度の相対値」とは、例えば、第1の波長における光の強度と、第1の波長とは異なる第2の波長における光の強度と、の比、第1の波長における光の強度と第2の波長における光の強度の差と、第1の波長における光の強度と第2の波長における光の強度の和と、の比、あるいは第1の波長における光の強度と、第2の波長における光の強度と、の差である。
【0017】
光源10と、蛍光強度測定器102と、散乱光測定器105と、は、筐体30に設けられている。光源10には、光源10に電力を供給する光源駆動電源11が接続されている。光源駆動電源11には、光源10に供給される電力を制御する電源制御装置12が接続されている。図1に示した支流パイプ2から取りこんだ、精製水製造装置100で製造中の水、あるいは精製水製造装置100で製造された水は、図2に示す透明なセル40の中を流れる。セル40を流れた水は、例えば、図1に示す排水パイプ4に排出される。
【0018】
図2に示す光源10は、セル40の中の水流に向けて、広帯域波長の検査光を照射する。光源10としては、例えば、発光ダイオード(LED)及びレーザが使用可能である。検査光の波長は、例えば250ないし550nmである。検査光は、可視光であっても、紫外光であってもよい。検査光が可視光である場合、検査光の波長は、例えば400ないし550nmの範囲内であり、例えば405nmである。検査光が紫外光である場合、検査光の波長は、例えば300ないし380nmの範囲内であり、例えば340nmである。ただし、検査光の波長は、これらに限定されない。
【0019】
セル40の中の水流に細菌等の微生物が含まれる場合、励起光としての検査光を照射された微生物に含まれるニコチンアミドアデニンジヌクレオチド及びリボフラビン等が、蛍光を発する。また、セル40の中の水流に例えば金属又は樹脂からなる非微生物粒子が含まれる場合も、検査光を照射された非微生物粒子が、蛍光、又は波長帯域が蛍光と重なる光を発する場合がある。
【0020】
例えば、精製水製造装置100で製造された水には、精製水製造装置100の材料からなる非微生物粒子が含まれる場合がある。例えば、精製水製造装置100が備えうるフィルタやハウジングからは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、オレフィン、ポリカーボネート、及びポリウレタン等から選択される少なくとも一つの材料からなる粒子が生じうる。精製水製造装置100が備えうるパッキンからは、例えば、シリコンゴム、ニトリルゴム(NBR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、フッ素ゴム、カルレッツ、及びPTFE等から選択される少なくとも一つの材料からなる粒子が生じうる。精製水製造装置100が備えうるポンプからは、バイトン、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ポリアミド、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、及びパーフロ等から選択される少なくとも一つの材料からなる粒子が生じうる。精製水製造装置100が備えうるシールからは、例えばPTFE等からなる粒子が生じうる。精製水製造装置100が備えうる配管からは、酸化ステンレス等の金属材料からなる粒子が生じうる。上記したような精製水製造装置100から生じる粒子の材料は、励起光を照射されると、蛍光、又は波長帯域が蛍光と重複する光を発する場合がある。
【0021】
蛍光強度測定器102は、微生物又は非微生物粒子が発する蛍光帯域の光を検出する。蛍光強度測定器102は、第1の波長における蛍光帯域の光を受光する第1の受光素子20Aと、第1の波長とは異なる第2の波長における蛍光帯域の光を受光する第2の受光素子20Bと、を備える。なお、第1の波長とは、帯域を有していてもよい。第2の波長についても同様である。第1の受光素子20A及び第2の受光素子20Bとしては、フォトダイオード及び光電管等が使用可能であり、光を受光すると、光エネルギーを電気エネルギーに変換する。
【0022】
第1の受光素子20Aには、第1の受光素子20Aで生じた電流を増幅する増幅器21Aが接続されている。増幅器21Aには、増幅器21Aに電力を供給する増幅器電源22Aが接続されている。また、増幅器21Aには、増幅器21Aで増幅された電流を受け取り、第1の受光素子20Aが受光した光の強度を算出する光強度算出装置23Aが接続されている。光強度算出装置23Aには、光強度算出装置23Aが算出した光の強度を保存する光強度記憶装置24Aが接続されている。
【0023】
第2の受光素子20Bには、第2の受光素子20Bで生じた電流を増幅する増幅器21Bが接続されている。増幅器21Bには、増幅器21Bに電力を供給する増幅器電源22Bが接続されている。また、増幅器21Bには、増幅器21Bで増幅された電流を受け取り、第2の受光素子20Bが受光した光の強度を算出する光強度算出装置23Bが接続されている。光強度算出装置23Bには、光強度算出装置23Bが算出した光の強度を保存する光強度記憶装置24Bが接続されている。
【0024】
散乱光測定器105は、検査光を照射された微生物、非微生物粒子、及び気泡で生じる散乱光を検出する。散乱光測定器105は、散乱光を受光する散乱光受光素子50を備える。散乱光受光素子50としては、フォトダイオード等が使用可能であり、光を受光すると、光エネルギーを電気エネルギーに変換する。
【0025】
散乱光受光素子50には、散乱光受光素子50で生じた電流を増幅する増幅器51が接続されている。増幅器51には、増幅器51に電力を供給する増幅器電源52が接続されている。また、増幅器51には、増幅器51で増幅された電流を受け取り、散乱光受光素子50が受光した散乱光の強度を算出する光強度算出装置53が接続されている。光強度算出装置53には、光強度算出装置53が算出した散乱光の強度を保存する光強度記憶装置54が接続されている。
【0026】
次に、参考値記憶装置351に保存されている、少なくとも2つの波長で測定された、検査光を照射された所定の物質が発する蛍光帯域の光の強度の相対値を参考値として取得する方法を、図3のフローチャートを用いて説明する。なお、ここでは、検査光を照射される所定の物質が、検出装置20が検出対象とする、精製水製造装置100で生じうる所定の微生物である例を説明する。
【0027】
ステップS201で、所定の微生物を用意する。また、不純物を除去した精製水を用意し、これに微生物を含ませる。ステップS202で、図2に示した蛍光強度測定器102の電源を入れ、ステップS203で光源10から検査光を照射する。次に、ステップS204で、微生物を含む精製水の水流を検査光の焦点に向けて流す。ステップS205で、蛍光強度測定器102は、第1の受光素子20Aを用いて、第1の波長における蛍光強度を測定する。また、ステップS205と同時にステップS206で、蛍光強度測定器102は、第2の受光素子20Bを用いて、第2の波長における蛍光強度を測定する。
【0028】
ステップS207で、蛍光強度測定器102は、微生物由来の、第1の波長における蛍光強度と、第2の波長における蛍光強度と、を光強度記憶装置24A、24Bに保存する。ステップS208で、相対値算出部303は、第1の波長における蛍光強度の値と、第2の波長における蛍光強度の値と、を光強度記憶装置24A、24Bから読み出し、例えば、第1の波長における蛍光強度の値を、第2の波長における蛍光強度の値で割って、参考値を算出する。ステップS209で、相対値算出部303は、算出した参考値を参考値記憶装置351に保存する。ステップS210で、相対値算出部303は、参考値の算出を終了すべきか否かを判定する。例えば、参考値を複数回取得して平均値を求めることが要求されている場合、相対値算出部303は、平均値を求めるために必要な数の参考値を取得したか否かを判定する。平均値を求めるために必要な数の参考値を取得していない場合、ステップS204に戻る。平均値を求めるために必要な数の参考値を取得した場合、ステップS211に進む。
【0029】
ステップS211で、相対値算出部303は、参考値記憶装置351から複数の参考値を読み出し、参考値の平均値を算出する。ステップS212で、相対値算出部303は、参考値の標準偏差σを算出する。さらにステップS212で、相対値算出部303は、参考値の標準偏差σに、所定の定数Wをかけた値Wσを算出する。相対値算出部303は、参考値−Wσ/2から参考値+Wσ/2の範囲を参考値の等価範囲とし、ステップS214で参考値記憶装置351に保存する。例えば以上の方法により、参考値記憶装置351に所定の微生物の参考値ないしは参考値の等価範囲が保存される。なお、複数の微生物についての参考値ないしは参考値の等価範囲が、参考値記憶装置351に保存されてもよい。
【0030】
さらに、同様の方法により、検査光を照射された所定の非微生物粒子が発する光の強度の相対値が参考値として取得され、参考値記憶装置351に保存される。また、複数の非微生物粒子についての参考値ないしは参考値の等価範囲が、参考値記憶装置351に保存されてもよい。
【0031】
微生物及び非微生物粒子が発する蛍光帯域の光のスペクトルは、微生物及び非微生物粒子の種類によって異なる。また、一般に、微生物が発する蛍光帯域の光の強度は、非微生物粒子が発する蛍光帯域の光の強度よりも強い傾向にある。そのため、複数の波長において検出した蛍光帯域の光の強度に基づいて、水に含まれる微生物及び非微生物粒子の種類を特定することが可能となる。
【0032】
図1に示す検出装置20が精製水製造装置100で製造中の水、あるいは精製水製造装置100で製造された水の吸引を開始すると、吸引した水に対して図2に示す光源10が検査光を照射し、蛍光強度測定器102が、第1の波長における蛍光帯域の光の強度と、第2の波長における蛍光帯域の光の強度と、を測定し、光強度記憶装置24A、24Bに保存する。また、散乱光測定器105が、散乱光を測定し、散乱光の光強度を光強度記憶装置54に保存する。
【0033】
第1の実施の形態に係る検出装置20は、CPU300に、散乱光基準判定部305をさらに含む。散乱光基準判定部305は、第1の波長における蛍光帯域の光の強度の値と、第2の波長における蛍光帯域の光の強度の値と、を光強度記憶装置24A、24Bから読み出す。また、散乱光基準判定部305は、散乱光の強度を、光強度記憶装置54から読み出す。
【0034】
散乱光基準判定部305は、蛍光強度測定器102が蛍光帯域の光を測定せず、散乱光測定器105が散乱光を測定した場合、検査対象の水が気泡を含むと判定する。さらに、散乱光基準判定部305は、蛍光強度測定器102が蛍光帯域の光を測定せず、散乱光測定器105が散乱光を測定した場合、検査対象の水が微生物及び非微生物粒子を含まないと判定してもよい。またさらに、散乱光基準判定部305は、蛍光強度測定器102が蛍光帯域の光を測定し、散乱光測定器105が散乱光を測定した場合、検査対象の水が微生物又は非微生物粒子を含むと判定してもよい。
【0035】
相対値算出部303は、第1の波長における光の強度の値を、第2の波長における光の強度の値と、を光強度記憶装置24A、24Bから読み出す。さらに、相対値算出部303は、第1の波長における光の強度の値を、第2の波長における光の強度の値で割って、相対値を算出する。なお、相対値の算出方法は、参考値の算出方法と同じにする。相対値算出部303は、算出した相対値をCPU300に接続されている相対値記憶装置352に保存する。
【0036】
比較判定部304は、相対値記憶装置352から算出された相対値を読み出し、参考値記憶装置351から所定の微生物の参考値の等価範囲を読み出す。次に、比較判定部304は、算出された相対値が、所定の微生物の参考値の等価範囲に含まれるか否かを判定する。算出された相対値が、所定の微生物の参考値の等価範囲に含まれる場合、比較判定部304は、水が、所定の微生物を含んでいると判定する。また、算出された相対値が、所定の微生物の参考値の等価範囲に含まれない場合、比較判定部304は、水が、所定の微生物を含んでいないと判定してもよい。
【0037】
参考値記憶装置351に複数の所定の微生物の参考値の等価範囲が保存されている場合は、比較判定部304は、算出された相対値が、複数の所定の微生物のそれぞれの参考値の等価範囲に含まれるか否かを判定する。
【0038】
さらに、比較判定部304は、参考値記憶装置351から所定の非微生物粒子の参考値の等価範囲を読み出す。次に、比較判定部304は、算出された相対値が、所定の非微生物粒子の参考値の等価範囲に含まれるか否かを判定する。算出された相対値が、所定の非微生物粒子の参考値の等価範囲に含まれる場合、比較判定部304は、水が、所定の非微生物粒子を含んでいると判定する。また、算出された相対値が、所定の微生物の参考値の等価範囲に含まれない場合、比較判定部304は、水が、所定の非微生物粒子を含んでいないと判定してもよい。
【0039】
参考値記憶装置351に複数の所定の非微生物粒子の参考値の等価範囲が保存されている場合は、比較判定部304は、算出された相対値が、複数の所定の非微生物粒子のそれぞれの参考値の等価範囲に含まれるか否かを判定する。
【0040】
測定値特定部301は、比較判定部304ないしは散乱光基準判定部305が水に含まれていると判定した微生物、非微生物粒子、及び気泡のそれぞれの数の測定値を特定する。例えば、測定値特定部301は、所定の期間における、又は水の所定の体積あたりの散乱光ないしは蛍光の検出回数に基づき、水に含まれる微生物、非微生物粒子、及び気泡のそれぞれの数の測定値を特定する。あるいは、測定値特定部301は、所定の期間における、又は水の所定の体積あたりの散乱光ないしは蛍光の検出強度の積算値に基づき、水に含まれる微生物、非微生物粒子、及び気泡のそれぞれの数の測定値を特定する。ここで、微生物、非微生物粒子、及び気泡のそれぞれの数の測定値とは、水に含まれる微生物、非微生物粒子、及び気泡のそれぞれの濃度の測定値を含む。
【0041】
例えば、支流パイプ2を流れる水の所定の体積の水に含まれる微生物、非微生物粒子、及び気泡のそれぞれの数と、メインパイプ1を流れる水の流量と支流パイプ2を流れる水の流量の流量比と、から、メインパイプ1を流れる水の所定の体積の水に含まれる微生物、非微生物粒子、及び気泡のそれぞれの数を特定することが可能である。メインパイプ1及び支流パイプ2のそれぞれを流れる水の流量は、流量計によって計測可能である。
【0042】
CPU300には、判定基準記憶装置353が接続されている。判定基準記憶装置353は、例えば、微生物について、それよりも多くの数が水に含まれていると警報を発すべき所定の基準値を保存する。なお、判定基準記憶装置353は、微生物の数に関する所定の基準値を複数保存していてもよい。例えば、精製水製造装置100に殺菌剤や溶解剤を流す程度で対処できる所定の基準値と、精製水製造装置100が備えるフィルタを交換する必要がある所定の基準値と、を、判定基準記憶装置353は保存していてもよい。
【0043】
また、判定基準記憶装置353は、例えば、非微生物粒子について、それよりも多くの数が水に含まれていると警報を発すべき所定の基準値を保存する。なお、判定基準記憶装置353は、非微生物粒子の数に関する所定の基準値を複数保存していてもよい。例えば、精製水製造装置100が備えるフィルタを洗浄する程度で対処できる所定の基準値と、精製水製造装置100が備えるフィルタを交換する必要がある所定の基準値と、を、判定基準記憶装置353は保存していてもよい。
【0044】
状態判定部302は、測定値特定部301が特定した水に含まれる微生物の数の測定値と、判定基準記憶装置353に保存されている微生物の所定の基準値と、を比較する。水に含まれる微生物の数の測定値が、所定の基準値よりも大きい場合、精製水製造装置100に問題が生じ、基準値以上の微生物が発生していると判定する。さらに、状態判定部302は、基準値以上の微生物が発生している旨、出力装置401等を介して警報を発する。この場合、例えば、精製水製造装置100が備えるフィルタに捕捉された微生物が増殖したり、バイオフィルムを形成したりして、微生物がフィルタを透過したことが考えられる。これに対しては、例えば、殺菌剤や溶解剤を精製水製造装置100に流すことで対処する(例えば、国際公開第2008/038575号参照。)。あるいは、精製水製造装置100が備えるフィルタを交換することで対処してもよい。
【0045】
また、状態判定部302は、測定値特定部301が特定した水に含まれる非微生物粒子の数の測定値と、判定基準記憶装置353に保存されている非微生物粒子の所定の基準値と、を比較する。水に含まれる非微生物粒子の数の測定値が、所定の基準値よりも大きい場合、精製水製造装置100に問題が生じ、基準値以上の非微生物粒子が発生していると判定する。さらに、状態判定部302は、基準値以上の非微生物粒子が発生している旨、出力装置401等を介して警報を発する。この場合、例えば、精製水製造装置100が備えるフィルタに非微生物粒子が堆積して、非微生物粒子がフィルタを透過したことが考えられる。これに対しては、例えば、精製水製造装置100が備えるフィルタを洗浄したり、交換したりすることで対処してもよい。
【0046】
出力装置401としては、ディスプレイ、スピーカ、及びプリンタ等が使用可能である。
【0047】
以上説明した第1の実施の形態に係る精製水製造装置の監視システムによれば、精製水製造装置100の状態をリアルタイムに監視することが可能となる。また、水に含まれる微生物及び非微生物粒子を判別することも可能となる。さらに気泡から非微生物粒子を判別することも可能となる。
【0048】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係る精製水製造装置の監視システムにおいては、図4に示すように、検査光を照射された後の水の流路である排水パイプ4が、排水パイプ4A、4Bの二手に分かれている。排水パイプ4Aには、微生物を捕捉可能な、微生物フィルタ201が設けられている。微生物フィルタ201の材料としては、例えば、セルロース混合エステル、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、及びポリエーテルサルフォン等が挙げられる。排水パイプ4Bには、非微生物粒子を捕捉可能な、非微生物粒子フィルタ202が設けられている。非微生物粒子フィルタ202の材料としては、例えば、ポリカーボネート、及び銀などの金属等が挙げられる。
【0049】
微生物フィルタ201で捕捉された微生物を培養して観察することによって、精製水製造装置の監視システムが検出した微生物の種類及び数を検証することが可能である。細菌微生物を培養する際の培地としては、トリプトソイ寒天(TSA)培地、R2A培地、及び標準寒天培地等が使用可能である。細菌微生物は、例えば、32℃で7日間培養される。真菌微生物を培養する際の培地としては、バレイショ−ブドウ糖寒天(PDA)培地、及びサブロー寒天培地等が使用可能である。真菌微生物は、例えば、25℃で7日間培養される。微生物を培養する際には、微生物を捕捉している微生物フィルタ201を培地に接触させてもよいし、微生物フィルタ201から微生物を捕集して、捕集した微生物を培地にいれてもよい。
【0050】
また、非微生物粒子フィルタ202で捕捉された非微生物粒子を観察することによって、精製水製造装置の監視システムが検出した非微生物粒子の種類及び数を検証することが可能である。非微生物粒子フィルタ202で捕捉された非微生物粒子は、光学式顕微鏡、位相差顕微鏡、蛍光顕微鏡、及び電子顕微鏡等で観察可能である。
【0051】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態に係る精製水製造装置の監視システムにおいては、図5に示すように、排水パイプ4が、排水パイプ4A、4B、4Cの三手に分かれている。排水パイプ4Aには、微生物を捕捉可能な微生物フィルタ201と、吸引ポンプ203と、が設けられている。排水パイプ4Bには、非微生物粒子を捕捉可能な非微生物粒子フィルタ202と、吸引ポンプ204と、が設けられている。例えば、吸引ポンプ203、204は、CPU300に電気的に接続されている。
【0052】
第3の実施の形態において、CPU300は、制御部306をさらに備える。比較判定部304が水に微生物が含まれていると判定すると、制御部306は、吸引ポンプ203を駆動して、検査光を照射された後の水を排水パイプ4Aに誘導する。これにより、水中の微生物が、微生物フィルタ201に捕捉される。また、比較判定部304が水に非微生物粒子が含まれていると判定すると、制御部306は、吸引ポンプ204を駆動して、検査光が照射された後の水を排水パイプ4Bに誘導する。これにより、水中の非微生物粒子が、非微生物フィルタ202に捕捉される。捕捉された微生物、及び非微生物粒子を観察することにより、精製水製造装置の監視システムが検出した微生物及び非微生物粒子の種類及び数を検証することが可能である。
【0053】
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態に係る精製水製造装置の監視システムにおいては、図6に示すように、排水パイプ4Aに、吸引ポンプ203と、廃液タンク213と、が設けられている。排水パイプ4Bには、吸引ポンプ204と、廃液タンク214と、が設けられている。
【0054】
CPU300の比較判定部304が水に微生物が含まれていると判定すると、制御部306は、吸引ポンプ203を駆動して、検査光を照射された後の水を排水パイプ4Aに誘導する。これにより、微生物を含む水が、廃液タンク213に貯められる。また、比較判定部304が水に非微生物粒子が含まれていると判定すると、制御部306は、吸引ポンプ204を駆動して、検査光が照射された後の水を排水パイプ4Bに誘導する。これにより、非微生物粒子を含む水が、廃液タンク214に貯められる。廃液タンク213に貯められた水中の微生物、及び廃液タンク214に貯められた水中の非微生物粒子を観察することにより、精製水製造装置の監視システムが検出した微生物及び非微生物粒子の種類及び数を検証することが可能である。
【0055】
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態に係る精製水製造装置の監視システムにおいては、図7に示すように、排水パイプ4と排水パイプ4Aとが分岐する箇所に、バルブ205が設けられている。排水パイプ4と排水パイプ4Bとが分岐する箇所には、バルブ206が設けられている。例えば、バルブ205、206は、CPU300に電気的に接続されている。排水パイプ4Aには、微生物を捕捉可能な微生物フィルタ201が設けられている。排水パイプ4Bには、非微生物粒子を捕捉可能な、非微生物粒子フィルタ202が設けられている。
【0056】
CPU300の比較判定部304が水に微生物が含まれていると判定すると、制御部306は、バルブ205を駆動して、検査光を照射された後の水を排水パイプ4Aに誘導する。これにより、水中の微生物が、微生物フィルタ201に捕捉される。また、比較判定部304が水に非微生物粒子が含まれていると判定すると、制御部306は、バルブ206を駆動して、検査光が照射された後の水を排水パイプ4Bに誘導する。これにより、水中の非微生物粒子が、非微生物フィルタ202に捕捉される。捕捉された微生物、及び非微生物粒子を観察することにより、精製水製造装置の監視システムが検出した微生物及び非微生物粒子の種類及び数を検証することが可能である。
【0057】
(第6の実施の形態)
第6の実施の形態に係る精製水製造装置の監視システムにおいては、図8に示すように、排水パイプ4Aに廃液タンク215が設けられている。排水パイプ4Bには、廃液タンク216が設けられている。
【0058】
CPU300の比較判定部304が水に微生物が含まれていると判定すると、制御部306は、バルブ205を駆動して、検査光を照射された後の水を排水パイプ4Aに誘導する。これにより、微生物を含む水が、廃液タンク215に貯められる。また、比較判定部304が水に非微生物粒子が含まれていると判定すると、制御部306は、バルブ206を駆動して、検査光が照射された後の水を排水パイプ4Bに誘導する。これにより、非微生物粒子を含む水が、廃液タンク216に貯められる。廃液タンク215に貯められた水中の微生物、及び廃液タンク216に貯められた水中の非微生物粒子を観察することにより、精製水製造装置の監視システムが検出した微生物及び非微生物粒子の種類及び数を検証することが可能である。
【0059】
(その他の実施の形態)
上記のように本発明を実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす記述及び図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかになるはずである。例えば、水に含まれる粒子が、微生物であるか、非微生物であるか、あるいは気泡であるかを判別する方法は、上記の方法に限られない。例えば、粒子による散乱光の強度は、粒子の粒径と相関する。また、微生物及び非微生物粒子の粒径は、微生物及び非微生物粒子の種類によって異なる。そのため、検出した散乱光の強度から、水に含まれる微生物及び非微生物粒子の種類を特定してもよい。その他、粒子の種類の判別方法としては、米国特許第6885440号明細書、及び米国特許第7106442号明細書が開示している方法が使用可能である。このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。
【産業上の利用可能性】
【0060】
以下に限定されないが、本発明は、医薬用精製水、食品用精製水、飲料用精製水、及び半導体装置製造用精製水の製造現場等で利用可能である。
【符号の説明】
【0061】
1 メインパイプ
2 支流パイプ
3 サンプリングポート
4、4A、4B、4C 排水パイプ
10 光源
11 光源駆動電源
12 電源制御装置
20 検出装置
20A 第1の受光素子
20B 第2の受光素子
21A、21B 増幅器
22A、22B 増幅器電源
23A、23B 光強度算出装置
24A、24B 光強度記憶装置
30 筐体
40 セル
50 散乱光受光素子
51 増幅器
52 増幅器電源
53 光強度算出装置
54 光強度記憶装置
100 精製水製造装置
102 蛍光強度測定器
105 散乱光測定器
201 微生物フィルタ
202 非微生物粒子フィルタ
203、204 吸引ポンプ
205、206 バルブ
213、214、215、216 廃液タンク
301 測定値特定部
302 状態判定部
303 相対値算出部
304 比較判定部
305 散乱光基準判定部
306 制御部
351 参考値記憶装置
352 相対値記憶装置
353 判定基準記憶装置
401 出力装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8