(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ブレーキマスタシリンダ(M)のシリンダボディ(8)がその後端部に有する円筒状突部(8b)を挿入するようにした挿入孔(52)を中央部に有して前記シリンダボディ(8)に結合される前部シェル半体(9)と、後部シェル半体(10)とを相互に結合して構成されるブースタシェル(11)に、負圧源(V)に連なる前側の負圧室(17)と、後側の作動室(18)とに前記ブースタシェル(11)内を区画するブースタピストン(16)が収容され、前記ブースタピストン(16)に連設されて前記後部シェル半体(10)に摺動自在に支持されつつ該後部シェル半体(10)の中央部を気密に貫通する弁筒(22)に、弁ピストン(25)と、該弁ピストン(25)に連結される入力ロッド(26)と、該入力ロッド(26)の前後動に応じて前記作動室(18)を前記負圧室(17)と大気とに連通切換えする制御弁(27)とが配設され、前記ブレーキマスタシリンダ(M)のピストンロッド(48)に前端部が連接される出力ロッド(49)の後端部が、前記弁筒(22)の前端部に設けられた凹部(46)内に嵌合されるとともに前記弁ピストン(25)の前端部を当接させ得るようにした弾性体(47)を前記弁筒(22)との間に介在させて前記凹部(46)内に挿入され、前記出力ロッド(49)の後端部が前記弁筒(22)の前記凹部(46)から離脱するのを阻止するようにして前記弁筒(22)の前端面に当接するリテーナ(50)と、前記前部シェル半体(9)との間に弁筒戻しばね(51)が縮設される負圧ブースタにおいて、前記出力ロッド(49)は、前記弁ピストン(25)の軸方向に延びる軸部(49a)と、前記ピストンロッド(48)に直接当接するようにして前記軸部(49a)の前端部に形成されるピストン当接部(49b)と、前記前部シェル半体(9)の前記挿入孔(52)への挿入を可能としつつ前記軸部(49a)の後端から半径方向外方に張り出して円板状に形成されるとともに加工による軸方向厚みの調節を可能とした厚み調節部(49c)とを一体に有するように形成され、前記リテーナ(50)が、前記弁筒(22)の前端面への該リテーナ(50)の当接状態で前記厚み調節部(49c)の前記凹部(46)への挿入を可能とするとともにその挿入後に前記厚み調節部(49c)に係合して前記弁筒(22)の前端部からの離脱を阻止し得るように形成されることを特徴とする負圧ブースタ。
前記リテーナ(50)が、前記弁筒戻しばね(51)の前記弁筒(22)側の端部を受けるようにして該弁筒(22)の前端面に当接されるとともに前記厚み調節部(49c)を挿入可能とした中央孔(53)を有してリング板状に形成されるリテーナ主部(50a)と、前記厚み調節部(49c)の前記凹部(46)への挿入時に該厚み調節部(49c)で押されて前記凹部(46)内に倒れ込む側に撓むことを可能とするとともに前記厚み調節部(49c)の通過後には前記厚み調節部(49c)に係合することを可能としつつ元の位置に復帰する弾発力を発揮するようにして前記リテーナ主部(50a)の内周縁から突出する抜け止め爪部(50b)とを一体に有するように形成されることを特徴とする請求項1に記載の負圧ブースタ。
前記抜け止め爪部(50b)が、前記凹部(46)への前記厚み調節部(49c)の挿入前に前記弁筒(22)の前端面に当接された前記リテーナ主部(50a)から前記凹部(46)内に入り込むように、後方に向けて予め曲げられて形成されることを特徴とする請求項2に記載の負圧ブースタ。
前記弁筒(22)の前端面に前記リテーナ主部(50a)を当接させた状態での前記抜け止め爪部(50b)の基部を係合させる係止凹部(56)が、前記凹部(46)の前端部内周に臨んで開口するとともに前記凹部(46)への前記厚み調節部(49c)の挿入時に前記厚み調節部(49c)で押されるのに応じて撓んだ前記抜け止め爪部(50b)を収容し得るようにして前記弁筒(22)に形成されることを特徴とする請求項3に記載の負圧ブースタ。
請求項1〜6のいずれか1項に記載の前記出力ロッド(49)を前記弁筒(22)に組み付けるようにした出力ロッドの組み付け方法であって、前記凹部(46)に前記弾性体(47)を嵌合させた状態にある前記弁筒(22)の前端面への前記リテーナ(50)の当接状態で該リテーナ(50)との間に前記弁筒戻しばね(51)を介在させた前記前部シェル半体(9)を前記後部シェル半体(10)に結合して前記ブースタシェル(11)を組み立てるブースタシェル組立工程と、前記前部シェル半体(9)の前記シリンダボディ(8)への結合面(57)および前記弾性体(47)間の長さ(L)を前記ブースタシェル(11)の組立状態で計測する計測工程と、その計測工程で計測した前記長さ(L)に応じて前記出力ロッド(49)の前記厚み調節部(49c)に加工を施して前記出力ロッド(49)の長さを調節する出力ロッド調節処理工程と、長さを調節した前記出力ロッド(49)を前記前部シェル半体(9)の挿入孔(52)から前記ブースタシェル(11)内に挿入して前記弁筒(22)の前端部の凹部(46)内に前記厚み調節部(49c)を差し込む出力ロッド挿入工程とを順次実行することを特徴とする出力ロッドの組み付け方法。
請求項1〜6のいずれか1項に記載の前記出力ロッド(49)を前記弁筒(22)に組み付けるようにした出力ロッドの組み付け方法であって、前記出力ロッド(49)の前記厚み調節部(49c)に加工を施すことで長さを異ならせた複数の前記出力ロッド(49)を準備する出力ロッド準備工程と、前記凹部(46)に前記弾性体(47)を嵌合させた状態にある前記弁筒(22)の前端面への前記リテーナ(50)の当接状態で該リテーナ(50)との間に前記弁筒戻しばね(51)を介在させた前記前部シェル半体(9)を前記後部シェル半体(10)に結合して前記ブースタシェル(11)を組み立てるブースタシェル組立工程と、前記前部シェル半体(9)の前記シリンダボディ(8)への結合面(57)および前記弾性体(47)間の長さ(L)を前記ブースタシェル(11)の組立状態で計測する計測工程と、その計測工程で計測した前記長さ(L)に応じて前記出力ロッド準備工程で得た複数の出力ロッド(49)から適切な出力ロッド(49)を選択する出力ロッド選択工程と、選択した前記出力ロッド(49)を前記前部シェル半体(9)の挿入孔(52)から前記ブースタシェル(11)内に挿入して前記弁筒(22)の前端部の凹部(46)内に前記厚み調節部(49c)を差し込む出力ロッド挿入工程とを順次実行することを特徴とする出力ロッドの組み付け方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが上記特許文献1で開示されたものでは、出力ロッドの前端部に調節機構が設けられることから、その調節機構を構成するためのアジャストボルト等の部品の点数が多くなり、前記調節機構を構成するための加工を前記出力ロッドの前端部に施す必要があってコスト増を招いている。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、出力ロッドの軸方向の寸法ばらつきを調節するにあたって部品点数の増大や加工工数の増加を招かないようにしてコスト低減を図り得るようにした負圧ブースタを提供することを第1の目的とし、出力ロッドを容易に組み付け得るようにした出力ロッドの組み付け方法を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記第1の目的を達成するために、本発明は、ブレーキマスタシリンダのシリンダボディがその後端部に有する円筒状突部を挿入するようにした挿入孔を中央部に有して前記シリンダボディに結合される前部シェル半体と、後部シェル半体とを相互に結合して構成されるブースタシェルに、負圧源に連なる前側の負圧室と、後側の作動室とに前記ブースタシェル内を区画するブースタピストンが収容され、前記ブースタピストンに連設されて前記後部シェル半体に摺動自在に支持されつつ該後部シェル半体の中央部を気密に貫通する弁筒に、弁ピストンと、該弁ピストンに連結される入力ロッドと、該入力ロッドの前後動に応じて前記作動室を前記負圧室と大気とに連通切換えする制御弁とが配設され、前記ブレーキマスタシリンダのピストンロッドに前端部が連接される出力ロッドの後端部が、前記弁筒の前端部に設けられた凹部内に嵌合されるとともに前記弁ピストンの前端部を当接させ得るようにした弾性体を前記弁筒との間に介在させて前記凹部内に挿入され、前記出力ロッドの後端部が前記弁筒の前記凹部から離脱するのを阻止するようにして前記弁筒の前端面に当接するリテーナと、前記前部シェル半体との間に弁筒戻しばねが縮設される負圧ブースタにおいて、前記出力ロッドは、前記弁ピストンの軸方向に延びる軸部と、前記ピストンロッドに直接当接するようにして前記軸部の前端部に形成されるピストン当接部と、前記前部シェル半体の前記挿入孔への挿入を可能としつつ前記軸部の後端から半径方向外方に張り出して円板状に形成されるとともに加工による軸方向厚みの調節を可能とした厚み調節部とを一体に有するように形成され、前記リテーナが、前記弁筒の前端面への該リテーナの当接状態で前記厚み調節部の前記凹部への挿入を可能とするとともにその挿入後に前記厚み調節部に係合して前記弁筒の前端部からの離脱を阻止し得るように形成されることを第1の特徴とする。
【0007】
また本発明は、第1の特徴の構成に加えて、前記リテーナが、前記弁筒戻しばねの前記弁筒側の端部を受けるようにして該弁筒の前端面に当接されるとともに前記厚み調節部を挿入可能とした中央孔を有してリング板状に形成されるリテーナ主部と、前記厚み調節部の前記凹部への挿入時に該厚み調節部で押されて前記凹部内に倒れ込む側に撓むことを可能とするとともに前記厚み調節部の通過後には前記厚み調節部に係合することを可能としつつ元の位置に復帰する弾発力を発揮するようにして前記リテーナ主部の内周縁から突出する抜け止め爪部とを一体に有するように形成されることを第2の特徴とする。
【0008】
本発明は、第2の特徴の構成に加えて、前記抜け止め爪部が、前記凹部への前記厚み調節部の挿入前に前記弁筒の前端面に当接された前記リテーナ主部から前記凹部内に入り込むように、後方に向けて予め曲げられて形成されることを第3の特徴とする。
【0009】
本発明は、第2または第3の特徴の構成に加えて、前記抜け止め爪部の基部にくびれ部が形成されることを第4の特徴とする。
【0010】
本発明は、第2〜第4の特徴の構成のいずれかに加えて、前記抜け止め爪部が前記リテーナ主部よりも薄肉に形成されることを第5の特徴とする。
【0011】
本発明は、第3の特徴の構成に加えて、前記弁筒の前端面に前記リテーナ主部を当接させた状態で前記抜け止め爪部の基部を係合させる係止凹部が、前記凹部の前端部内周に臨んで開口するとともに前記凹部への前記厚み調節部の挿入時に前記厚み調節部で押されるのに応じて撓んだ前記抜け止め爪部を収容し得るようにして前記弁筒に形成されることを第6の特徴とする。
【0012】
上記第2の目的を達成するために、本発明は、第1〜第6の特徴の構成のいずれかの前記出力ロッドを前記弁筒に組み付けるようにした出力ロッドの組み付け方法であって、前記凹部に前記弾性体を嵌合させた状態にある前記弁筒の前端面への前記リテーナの当接状態で該リテーナとの間に前記弁筒戻しばねを介在させた前記前部シェル半体を前記後部シェル半体に結合して前記ブースタシェルを組み立てるブースタシェル組立工程と、前記前部シェル半体の前記シリンダボディへの結合面および前記弾性体間の長さを前記ブースタシェルの組立状態で計測する計測工程と、その計測工程で計測した前記長さに応じて前記出力ロッドの前記厚み調節部に加工を施して前記出力ロッドの長さを調節する出力ロッド調節処理工程と、長さを調節した前記出力ロッドを前記前部シェル半体の挿入孔から前記ブースタシェル内に挿入して前記弁筒の前端部の凹部内に前記厚み調節部を差し込む出力ロッド挿入工程とを順次実行することを第7の特徴とする。
【0013】
さらに上記第2の目的を達成するために、本発明は、第1〜第6の特徴の構成のいずれかの前記出力ロッドを前記弁筒に組み付けるようにした出力ロッドの組み付け方法であって、前記出力ロッドの前記厚み調節部に加工を施すことで長さを異ならせた複数の前記出力ロッドを準備する出力ロッド準備工程と、前記凹部に前記弾性体を嵌合させた状態にある前記弁筒の前端面への前記リテーナの当接状態で該リテーナとの間に前記弁筒戻しばねを介在させた前記前部シェル半体を前記後部シェル半体に結合して前記ブースタシェルを組み立てるブースタシェル組立工程と、前記前部シェル半体の前記シリンダボディへの結合面および前記弾性体間の長さを前記ブースタシェルの組立状態で計測する計測工程と、その計測工程で計測した前記長さに応じて前記出力ロッド準備工程で得た複数の出力ロッドから適切な出力ロッドを選択する出力ロッド選択工程と、選択した前記出力ロッドを前記前部シェル半体の挿入孔から前記ブースタシェル内に挿入して前記弁筒の前端部の凹部内に前記厚み調節部を差し込む出力ロッド挿入工程とを順次実行することを第8の特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の第1の特徴によれば、ピストンロッドに直接当接するピストン当接部を前端部に一体に有する出力ロッドが、加工による軸方向厚みの調節を可能とした厚み調節部を後端部に一体に有し、弁筒の前端面に当接したリテーナが、弁筒の前端部に形成された凹部への厚み調節部の挿入を可能とするとともにその挿入後に厚み調節部に係合して弁筒の前端部からの離脱を阻止することができるので、加工によって厚み調節部の軸方向厚みを調節することで必要長さとした出力ロッドを、前部シェル半体および後部シェル半体を結合した状態での前部シェル半体の挿入孔から挿入し、厚み調節部を凹部に差し込むことで出力ロッドの組み付けが完了することになり、出力ロッドの軸方向の寸法ばらつきを調節するにあたって部品点数の増大や加工工数の増加を招かないようにしてコスト低減を図ることができる。
【0015】
また本発明の第2の特徴によれば、リテーナが、弁筒の前端面に当接されるリング板状のリテーナ主部と、厚み調節部の凹部への挿入時に厚み調節部で押されて撓むことを可能とするとともに厚み調節部の通過後には厚み調節部に係合するようにしてリテーナ主部の内周縁から突出する抜け止め爪部とを一体に有するものであるので、出力ロッドの厚み調節部を凹部に差し込むことで出力ロッドの組み付けが完了するようにした構造を容易に構成することができる。
【0016】
本発明の第3の特徴によれば、抜け止め爪部が、凹部内に入り込むように後方に向けて予め曲げられているので、出力ロッドの厚み調節部を凹部内に挿入し易くなるとともに、曲げの設定によって抜け止め爪部が常に同じ突出量となるため、挿入後には凹部からの離脱が確実に阻止されることになる。
【0017】
本発明の第4の特徴によれば、抜け止め爪部の基部にくびれ部が形成されるので、抜け止め爪部を撓み易くすることができるとともに、常に同じ位置で抜け止め爪部を曲げることができ、出力ロッドの厚み調節部を凹部内に挿入し易くなる。
【0018】
本発明の第5の特徴によれば、抜け止め爪部を薄肉とすることで、抜け止め爪部をより撓み易くすることができ、出力ロッドの厚み調節部を凹部内により挿入し易くすることができる。
【0019】
本発明の第6の特徴によれば、凹部の前端部内周に臨んで開口する係止凹部にリテーナの抜け止め爪部の基部を係合させることによって、弁筒に対するリテーナの相対位置を定めることができ、出力ロッドの抜け止め機能を安定して果たすことができるとともに、出力ロッドの厚み調節部を凹部に差し込む際に撓んだ抜け止め爪部を係止凹部内に収容することができるので、前記厚み調節部の前記凹部への差し込みが容易となる。
【0020】
本発明の第7の特徴によれば、凹部に弾性体を嵌合させた状態の弁筒の前端面に当接したリテーナとの間に弁筒戻しばねを介在させるようにして前部シェル半体を後部シェル半体に結合したブースタシェル組立状態で、前部シェル半体のシリンダボディへの結合面および弾性体間の長さを計測し、その計測値に応じて厚み調節部に加工を施して出力ロッドの長さを調節し、調節後の出力ロッドを前部シェル半体の挿入孔から挿入して弁筒の凹部内に厚み調節部を差し込むので、軸方向の寸法ばらつきを調節した出力ロッドを、部品点数の増大や加工工数の増加を招かないようにしてコスト低減を図りながら、弁筒に組み付けることができる。
【0021】
さらに本発明の第8の特徴によれば、出力ロッドの厚み調節部に加工を施すことによって長さを異ならせた複数の出力ロッドを予め準備しておき、凹部に弾性体を嵌合させた状態の弁筒の前端面に当接したリテーナとの間に弁筒戻しばねを介在させるようにして前部シェル半体を後部シェル半体に結合したブースタシェル組立状態で、前部シェル半体のシリンダボディへの結合面および弾性体間の長さを計測し、その計測値に応じた長さを有するとして選択した出力ロッドを前部シェル半体の挿入孔から挿入して弁筒の凹部内に厚み調節部を差し込むので、部品点数の増大や加工工数の増加を招かないようにしてコスト低減を図りながら、速やかに弁筒に組み付けることができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を、添付の
図1〜
図6を参照しながら説明すると、先ず
図1において、負圧ブースタBのブースタシェル11は、前部シェル半体9および後部シェル半体10の対向端を相互に結合して構成され、後部シェル半体10が自動車の車室前壁Dにボルト12およびナット13によって固定される。また負圧ブースタBによって倍力作動するブレーキマスタシリンダMのシリンダボディ8がその後端部に備えるフランジ部8aに、前部シェル半体9がボルト14およびナット15によって固定される。
【0024】
ブースタシェル11には、該ブースタシェル11内を、前側の負圧室17と後側の作動室18とに区画するようにして鋼板により環状に成形されるブースタピストン16が、前後動可能に収容され、このブースタピストン16の後面に重ねて結着されるダイヤフラム19の外周縁部が前記両シェル半体9,10間に挟止される。前記負圧室17は、負圧導入管20を介して負圧源V(たとえば内燃機関の吸気マニホールドの内部)に接続される。またブースタピストン16およびダイヤフラム19の中心部には合成樹脂製の弁筒22が一体的に結合される。
【0025】
図2を併せて参照して、前記弁筒22は、後部シェル半体10の中心部に突設されて後方に延びる延出筒部23の後端部に固定される支持リング24で、気密にかつ摺動自在に支持される。
【0026】
前記弁筒22内には、弁ピストン25と、該弁ピストン25に連結される入力ロッド26と、この入力ロッド26の前後動に応じて作動室18を負圧室17と大気とに連通切換えする制御弁27とが配設され、前記入力ロッド26の後端にはブレーキペダルP(
図1参照)が連結される。
【0027】
前記弁ピストン25は、前記弁筒22に設けられたガイド孔28に摺動自在に嵌合される。この弁ピストン25の後端には半径方向外方に張り出すフランジ状の大気導入弁座29が一体に形成される。また前記大気導入弁座29を囲繞して同心配置される環状の負圧導入弁座30が前記弁筒22に形成される。
【0028】
前記弁ピストン25には、前記大気導入弁座29の後端面中央に開口する第1連結凹部31が設けられる。前記入力ロッド26の前端に形成されるボールジョイント26aが前記第1連結凹部31に嵌合され、前記弁ピストン25の一部が前記ボールジョイント26aに係合するようにかしめられることで、前記入力ロッド26が前記弁ピストン25に首振り可能に連結される。
【0029】
前記弁筒22には、環状の弁部32aを有する伸縮可能な筒状の弁体32が弁ホルダ33により取付けられる。この弁体32はゴム等の弾性材料によって形成されており、前記弁部32aには環状の補強板34が埋設される。
【0030】
前記弁部32aは、前記大気導入弁座29および前記負圧導入弁座30に着座可能に対向して配置される。前記弁部32aの前記補強板34と、前記入力ロッド26との間には、前記弁部32aを前記大気導入弁座29および前記負圧導入弁座30に着座させる側に付勢する弁ばね35が縮設されており、前記制御弁27は、前記大気導入弁座29、前記負圧導入弁座30、前記弁体32および前記弁ばね35で構成される。
【0031】
前記弁ホルダ33および前記入力ロッド26間には入力戻しばね36が縮設され、この入力戻しばね36が発揮するばね力で、前記入力ロッド26が後退方向に付勢されるとともに、前記弁ホルダ33が前記弁筒22内の固定位置に保持される。
【0032】
前記弁筒22には、負圧導入弁座30を囲繞する前部環状室37が形成され、この前部環状室37に前記弁部32aの前面が臨む。前記弁部32aの外周は、前記前部環状室37の後方で前記弁筒22の内周面に摺動可能に密接する。したがって前部環状室37は、前記弁部32aが負圧導入弁座30に着座したとき閉じられるようになっている。さらに前記弁体32および前記弁筒22間には、前記前部環状室37とは隔絶した後部環状室38が前記弁部32aの背面を臨ませるようにして画成される。
【0033】
前記前部環状室37は、前記弁ピストン25に形成される第1通路(図示せず)を経て前記負圧室17に連通する。また前記弁ピストン25には、前記作動室18に一端を通じさせるとともに他端が前記負圧導入弁座30および前記大気導入弁座29間に開口するように形成される第2通路(図示せず)が設けられ、その第2通路は前記後部環状室38にも連通する。
【0034】
ブースタシェル11の後部シェル半体10における前記延出筒部23に固定される前記支持リング24を前端部に一体に有する伸縮可能のブーツ39が前記弁筒22を被覆しており、このブーツ39の後端部は前記入力ロッド26に取付けられる。このブーツ39の後端部には、前記弁体32の内側に連通する大気導入口40が設けられ、該大気導入口40に流入する空気を濾過するフィルタ41が入力ロッド26の外周面と弁筒22の内周面との間に介裝され、該フィルタ41は、入力ロッド26および弁筒22の相対移動を阻害することがないように、柔軟性を有する。
【0035】
また前記弁筒22には、前記ガイド孔28の軸方向中間部で該弁筒22の直径線に沿って延びて作動室18に開口するキー取付け孔42が設けられ、前記ブースタピストン16および弁ピストン25の後退限を規定するキー43が前記キー取付け孔42に挿入される。このキー43は、前記キー取付け孔42に対応する位置で前記弁ピストン25が備える頸部25aを両側から挟むようにして二股状に形成されており、前記延出筒部23に設けられる段部23aに当接することを可能として前記弁筒22の外周から前記キー43の一部が突出される。
【0036】
そしてブースタピストン16の後退時に、前記キー43が前記段部23aに当接することでブースタピストン16の後退限が規定され、また前記弁ピストン25の前部に前記キー43が当接することで前記弁ピストン25の前記弁筒22に対する後退限が規定される。
【0037】
前記弁筒22の前端部には、前記ガイド孔28よりも大径にして該ガイド軸28に同軸に連なる円形の凹部46が形成されており、前記弁ピストン25の前端部を当接させ得るようにして円板状に形成されるゴム等の弾性体47が前記凹部46内に嵌合される。一方、前記ブレーキマスタシリンダMのピストンロッド48に前端部が連接される出力ロッド49の後端部が、前記弾性体47を前記弁筒22との間に介在させて前記凹部46内に挿入される。また前記弁筒22の前端面にはリテーナ50が当接されており、このリテーナ50と、前記前部シェル半体9との間にコイル状の弁筒戻しばね51が縮設される。
【0038】
ところで前記ブレーキマスタシリンダMの前記シリンダボディ8は、前記フランジ部8aよりも後方に突出する円筒状突部8bを後端部に有しており、前記前部シェル半体9の中央部には、前記円筒状突部8bを挿入するようにした挿入孔52を形成する短円筒部9aが前記負圧室17内に突入するようにして一体に設けられており、前記弁筒戻しばね51の前端部は前記短円筒部9aの基部を囲むようにして前記前部シェル半体9に当接する。
【0039】
このような負圧ブースタBの休止状態では、ブースタピストン16および入力ロッド26がそれぞれの後退限に位置しており、前記弁ピストン25の後端の大気導入弁座29は弁体32の弁部32aに着座しながら、この弁部32aを押圧して負圧導入弁座30からわずかに離座させている。これによって負圧室17の負圧が作動室18に伝達され、両室17,18は同圧となるので、ブースタピストン16および弁筒22は前記弁筒戻しばね51の付勢力により後退位置に保持される。
【0040】
車両を制動すべくブレーキペダルPを普通の速度で踏込み、入力ロッド26および弁ピストン25を前進させれば、弁ピストン25は、後退位置に保持された状態の弁ピストン25を伴なって前進する。したがって弁ばね35の付勢力で、弁体32は弁部32aを負圧導入弁座30に着座させるように伸びることになり、それと同時に、大気導入弁座29が弁体32から離れることにより、大気導入口40から弁筒22内に流入した大気が大気導入弁座29を通過して作動室18に導入され、作動室18を負圧室17より高圧にするので、それらの気圧差に基づく前方推力を得てブースタピストン16は、弁筒22、弁ピストン25および出力ロッド49を伴いながら前記弁筒戻しばね51の力に抗して前進し、出力ロッド49によりブレーキマスタシリンダMのピストンロッド48が前方に押圧されるようになる。
【0041】
本発明に従えば、前記出力ロッド49は、前記弁ピストン25の軸方向に延びる軸部49aと、前記ピストンロッド48に直接当接するようにして前記軸部49aの前端部に形成されるピストン当接部49bと、前記前部シェル半体9の前記挿入孔52への挿入を可能としつつ前記軸部49aの後端から半径方向外方に張り出して円板状に形成されるとともに切削もしくは研磨等の加工による軸方向厚みの調節を可能とした厚み調節部49cとを一体に有するように形成される。前記ピストンロッド48には、その後端に開口する第2連結凹部58が同軸に設けられており、半球状に形成される前記ピストン当接部49bは、前記第2連結凹部58の閉塞端に当接される。
【0042】
前記リテーナ50は、前記弁筒22の前端面への該リテーナ50の当接状態で前記厚み調節部49cの前記凹部46への挿入を可能とするとともにその挿入後に前記厚み調節部49cに係合して前記弁筒22の前端部からの離脱を阻止し得るように形成される。
【0043】
図3を併せて参照して、前記リテーナ50は、前記弁筒戻しばね51の前記弁筒22側の端部を受けるようにして該弁筒22の前端面に当接されるとともに前記厚み調節部49cを挿入可能とした中央孔53を有してリング板状に形成されるリテーナ主部50aと、該リテーナ主部50aの内周縁から突出する抜け止め爪部50bとを一体に有するように形成され、前記抜け止め爪部50bは、前記中央孔53の周方向に間隔をあけた複数箇所たとえば周方向に等間隔をあけた3箇所に配置される。
【0044】
前記リテーナ主部50aには、前記中央孔53の周囲に等間隔をあけて配置される複数個たとえば3個の円弧状の透孔54が設けられる。また前記抜け止め爪部50bの基部には、くびれ部55が形成される。
【0045】
前記抜け止め爪部50bは、前記凹部46への前記厚み調節部49cの挿入前には、
図4(a)で示すように、前記弁筒22の前端面に当接された前記リテーナ主部50aから前記凹部46内に入り込むように後方に向けて予め曲げられて形成されており、前記厚み調節部49cの前記凹部46への挿入に伴って前記厚み調節部49cで押されることによって、
図4(b)および
図4(c)で示すように、前記凹部46内に倒れ込む側に撓むことが可能であり、さらに前記厚み調節部49cの通過後には、
図4(d)で示すように、前記厚み調節部49cに係合することを可能として元の位置に復帰する弾発力を発揮する。
【0046】
さらに前記抜け止め爪部50bの厚みd2は、前記リテーナ主部50aの厚みd1よりも小さく設定されており、前記抜け止め爪部50bは、前記リテーナ主部50aよりも薄肉に形成される。
【0047】
しかも前記弁筒22の前端面に前記リテーナ主部50aを当接させた状態で前記抜け止め爪部50bの基部を係合させる係止凹部56が、前記凹部46の前端部内周に臨んで開口するとともに前記凹部46への前記厚み調節部49cの挿入時に前記厚み調節部49cで押されるのに応じて撓んだ前記抜け止め爪部50bを、
図4(c)で示すように収容することができるようにして前記弁筒22に形成される。
【0048】
前記出力ロッド49を前記弁筒22に組み付けるにあたっては、ブースタシェル組立工程と、計測工程と、出力ロッド調節処理工程と、出力ロッド挿入工程とを、この順に順次実行する。
【0049】
前記ブースタシェル組立工程では、前記凹部46に前記弾性体47を嵌合させた状態にある前記弁筒22の前端面への前記リテーナ50の当接状態で該リテーナ50との間に前記弁筒戻しばね51を介在させた前記前部シェル半体9を前記後部シェル半体10に結合して前記ブースタシェル11を組み立てるものであり、次の計測工程では、
図5で示すように、前記前部シェル半体9の前記シリンダボディ8への結合面57すなわち前記前部シェル半体9の前記フランジ部9aへの当接面および前記弾性体47間の長さLを前記ブースタシェル11の組立状態で計測し、前記出力ロッド調節処理工程では、計測した前記長さLに応じて前記出力ロッド49の前記厚み調節部49cに切削もしくは研磨処理等の加工を施すことで
図5の鎖線で示すように前記厚み調節部49cの一部を除去するようにして前記出力ロッド49の長さを適切に調節する。
【0050】
また前記出力ロッド挿入工程では、
図6で示すように、長さを調節した前記出力ロッド49を前記前部シェル半体9の挿入孔52から前記ブースタシェル11内に挿入して前記弁筒22の前端部の凹部46内に前記厚み調節部49cを差し込む。
【0051】
次にこの実施の形態の作用について説明すると、ブレーキマスタシリンダMのピストンロッド48に前端部が連接される出力ロッド49の後端部が、弁筒22の前端部に設けられた凹部46内に嵌合されるとともに弁ピストン25の前端部を当接させ得るようにした弾性体47を前記弁筒22との間に介在させて前記凹部46内に挿入されるのであるが、前記出力ロッド49は、前記弁ピストン25の軸方向に延びる軸部49aと、前記ピストンロッド48に直接当接するようにして前記軸部49aの前端部に形成されるピストン当接部49bと、前記前部シェル半体9の前記挿入孔52への挿入を可能としつつ前記軸部49aの後端から半径方向外方に張り出して円板状に形成されるとともに切削もしくは研磨による軸方向厚みの調節を可能とした厚み調節部49cとを一体に有するように形成され、前記弁筒22の前端面に当接するリテーナ50が、前記弁筒22の前端面への該リテーナ50の当接状態で前記厚み調節部49cの前記凹部46への挿入を可能とするとともにその挿入後に前記厚み調節部49cに係合して前記弁筒の前端部からの離脱を阻止し得るように形成されるので、切削もしくは研磨等の加工によって厚み調節部49cの軸方向厚みを調節することで必要長さとした出力ロッド49を、前部シェル半体9および後部シェル半体10を結合した状態での前部シェル半体9の挿入孔52から挿入し、厚み調節部49cを凹部46に差し込むことで出力ロッド49の組み付けが完了することになり、出力ロッド49の軸方向の寸法ばらつきを調節するにあたって部品点数の増大や加工工数の増加を招かないようにしてコスト低減を図ることができる。
【0052】
また前記リテーナ50が、前記弁筒戻しばね51の前記弁筒22側の端部を受けるようにして該弁筒22の前端面に当接されるとともに前記厚み調節部49cを挿入可能とした中央孔53を有してリング板状に形成されるリテーナ主部50aと、前記厚み調節部49cの前記凹部46への挿入時に該厚み調節部49cで押されて前記凹部46内に倒れ込む側に撓むことを可能とするとともに前記厚み調節部49cの通過後には前記厚み調節部49cに係合することを可能としつつ元の位置に復帰する弾発力を発揮するようにして前記リテーナ主部50aの内周縁から突出する抜け止め爪部50bとを一体に有するように形成されるので、出力ロッド49の厚み調節部49cを凹部46に差し込むことで出力ロッド49の組み付けが完了するようにした構造を容易に構成することができる。
【0053】
また前記抜け止め爪部50bが、前記凹部46への前記厚み調節部49cの挿入前に前記弁筒22の前端面に当接された前記リテーナ主部50aから前記凹部46内に入り込むように、後方に向けて予め曲げられて形成されるので、出力ロッド49の厚み調節部49cを凹部46内に挿入し易くなるとともに、曲げの設定によって抜け止め爪部50bが常に同じ突出量となるため、挿入後には凹部46からの離脱が確実に阻止されることになる。
【0054】
また前記抜け止め爪部50bの基部にくびれ部55が形成されるので、抜け止め爪部50bを撓み易くすることができ、出力ロッド49の厚み調節部49cを凹部46内に挿入し易くなる。
【0055】
また前記抜け止め爪部50bが前記リテーナ主部50aよりも薄肉に形成されるので、抜け止め爪部50bをより撓み易くすることができるとともに、常に同じ位置で抜け止め爪部50bを曲げることができ、出力ロッド49の厚み調節部49cを凹部46内により挿入し易くすることができる。
【0056】
また前記弁筒22の前端面に前記リテーナ主部50aを当接させた状態で前記抜け止め爪部50bの基部を係合させる係止凹部56が、前記凹部46の前端部内周に臨んで開口するとともに前記凹部46への前記厚み調節部49cの挿入時に前記厚み調節部49cで押されるのに応じて撓んだ前記抜け止め爪部50bを収容し得るようにして前記弁筒22に形成されるので、弁筒22に対するリテーナ50の相対位置を定めることができ、出力ロッド49の抜け止め機能を安定して果たすことができるとともに、出力ロッド49の厚み調節部49cを凹部46に差し込む際に撓んだ抜け止め爪部50bを係止凹部56内に収容することができるので、前記厚み調節部49cの前記凹部46への差し込みが容易となる。
【0057】
さらに前記出力ロッド49を前記弁筒22に組み付けるにあたっては、前記凹部46に前記弾性体47を嵌合させた状態にある前記弁筒22の前端面への前記リテーナ50の当接状態で該リテーナ50との間に前記弁筒戻しばね51を介在させた前記前部シェル半体9を前記後部シェル半体10に結合して前記ブースタシェル11を組み立てるブースタシェル組立工程と、前記前部シェル半体9の前記シリンダボディ10への結合面57および前記弾性体47間の長さLを前記ブースタシェル11の組立状態で計測する計測工程と、その計測工程で計測した前記長さLに応じて前記出力ロッド49の前記厚み調節部49cに切削もしくは研磨処理等の加工を施して前記出力ロッド49の長さを調節する出力ロッド調節処理工程と、長さを調節した前記出力ロッド49を前記前部シェル半体9の挿入孔52から前記ブースタシェル11内に挿入して前記弁筒22の前端部の凹部46内に前記厚み調節部49cを差し込む出力ロッド挿入工程とを順次実行するので、軸方向の寸法ばらつきを調節した出力ロッド49を、部品点数の増大や加工工数の増加を招かないようにしてコスト低減を図りながら、弁筒22に組み付けることができる。
【0058】
本発明の第2の実施の形態として、前記出力ロッド49を前記弁筒22に組み付けるにあたっては、出力ロッド準備工程と、ブースタシェル組立工程と、計測工程と、出力ロッド選択工程と、出力ロッド挿入工程とを、この順に順次実行するようにしてもよい。
【0059】
前記出力ロッド準備工程では、前記出力ロッド49の前記厚み調節部49cに切削や研磨等の加工を施すことで長さを異ならせた複数の出力ロッド49を準備する。また前記ブースタシェル組立工程では、前記凹部46に前記弾性体47を嵌合させた状態にある前記弁筒22の前端面への前記リテーナ50の当接状態で該リテーナ50との間に前記弁筒戻しばね51を介在させた前記前部シェル半体9を前記後部シェル半体10に結合して前記ブースタシェル11を組み立てるものであり、次の計測工程では、
図5で示したように、前記前部シェル半体9の前記シリンダボディ8への結合面57すなわち前記前部シェル半体9の前記フランジ部9aへの当接面および前記弾性体47間の長さLを前記ブースタシェル11の組立状態で計測する。
【0060】
前記出力ロッド選択工程では、前記出力ロッド準備工程で準備した複数の前記出力ロッド49のうち、前記計測工程で計測した前記長さLに応じた長さを有する適切な出力ロッド49を選択し、前記出力ロッド挿入工程では、
図6で示したように、適切な長さの前記出力ロッド49を前記前部シェル半体9の挿入孔52から前記ブースタシェル11内に挿入して前記弁筒22の前端部の凹部46内に前記厚み調節部49cを差し込む。
【0061】
この第2の実施の形態によれば、出力ロッド49の厚み調節部49cに加工を施すことによって長さを異ならせた複数の出力ロッド49を予め準備しておき、凹部46に弾性体47を嵌合させた状態の弁筒22の前端面に当接したリテーナ50との間に弁筒戻しばね51を介在させるようにして前部シェル半体9を後部シェル半体10に結合したブースタシェル組立状態で、前部シェル半体9のシリンダボディ8への結合面57および弾性体47間の長さLを計測し、その計測値に応じた長さを有するとして選択した出力ロッド49を前部シェル半体9の挿入孔52から挿入して弁筒22の凹部46内に厚み調節部49cを差し込むので、部品点数の増大や加工工数の増加を招かないようにしてコスト低減を図りながら、出力ロッド49を速やかに弁筒22に組み付けることができる。
【0062】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。