特許第6426024号(P6426024)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱重工サーマルシステムズ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6426024-輸送用冷凍ユニット 図000002
  • 特許6426024-輸送用冷凍ユニット 図000003
  • 特許6426024-輸送用冷凍ユニット 図000004
  • 特許6426024-輸送用冷凍ユニット 図000005
  • 特許6426024-輸送用冷凍ユニット 図000006
  • 特許6426024-輸送用冷凍ユニット 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6426024
(24)【登録日】2018年11月2日
(45)【発行日】2018年11月21日
(54)【発明の名称】輸送用冷凍ユニット
(51)【国際特許分類】
   F25D 21/06 20060101AFI20181112BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20181112BHJP
   F25B 47/02 20060101ALI20181112BHJP
   F25B 6/02 20060101ALI20181112BHJP
   F25B 13/00 20060101ALI20181112BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20181112BHJP
【FI】
   F25D21/06 D
   F25D11/00 101D
   F25B47/02 540G
   F25B47/02 540H
   F25B6/02 Z
   F25B13/00 J
   F25B1/00 Z
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-30709(P2015-30709)
(22)【出願日】2015年2月19日
(65)【公開番号】特開2016-151410(P2016-151410A)
(43)【公開日】2016年8月22日
【審査請求日】2017年12月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 政和
【審査官】 西山 真二
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5535510(JP,B2)
【文献】 特開2013−234784(JP,A)
【文献】 特開平3−55474(JP,A)
【文献】 特開平9−26219(JP,A)
【文献】 特開平03−236570(JP,A)
【文献】 特開昭55−023844(JP,A)
【文献】 特開2008−134025(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 11/00
F25D 21/06
F25B 1/00
F25B 5/00 − 6/04
F25B 13/00
F25B 47/02
F24F 11/00 − 11/89
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機と、
前記圧縮機の吐出側に一端側が各々高圧ガス配管および高圧開閉弁を介して接続された複数台の熱交換器と、
前記複数台の熱交換器の一端側を各々前記圧縮機の吸入側に低圧開閉弁を介して接続する低圧ガス配管と、
前記複数台の熱交換器の他端側に各々接続された開閉弁機能付き減圧手段と逆止弁との並列回路の他端側同士を互いに連通接続している液側配管と、を備え、
前記複数台の熱交換器の中の少なくとも2台の熱交換器を庫外側熱交換器として保冷庫外に並列に配設し、少なくとも1台の熱交換器を庫内側熱交換器として保冷庫内に配設するとともに、
前記庫外側熱交換器を蒸発器、前記庫内側熱交換器を凝縮器として機能させたヒートポンプ加温運転時、前記庫外側熱交換器に着霜したとき、前記庫内側熱交換器に対する冷媒の流通を停止し、複数台の前記庫外側熱交換器の少なくとも1台を凝縮器、他の1台を蒸発器としてデフロスト運転する構成としたことを特徴とする輸送用冷凍ユニット。
【請求項2】
着霜した複数台の前記庫外側熱交換器の少なくとも1台を凝縮器、他の1台を蒸発器として順次切換え、複数台の前記庫外側熱交換器を順次デフロスト運転する構成としたことを特徴とする請求項1に記載の輸送用冷凍ユニット。
【請求項3】
複数台の前記庫外側熱交換器に対する庫外側ファンを含む送風系を、それぞれ独立して設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の輸送用冷凍ユニット。
【請求項4】
デフロスト運転時、庫内温度と設定温度との差が規定値以上となったとき、前記庫内側熱交換器に接続されている前記高圧ガス配管中の前記高圧開閉弁を開として前記庫内側熱交換器に高圧ガス冷媒を流通し、加温運転する構成としたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の輸送用冷凍ユニット。
【請求項5】
前記庫外側熱交換器を凝縮器として機能させた冷却運転時、凝縮能力が過大となって高圧圧力が下がり過ぎたとき、複数台の前記庫外側熱交換器の運転台数を減らすことにより凝縮能力を調整する構成としたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の輸送用冷凍ユニット。
【請求項6】
複数台の前記庫外側熱交換器を、それぞれ異なる能力の熱交換器としたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の輸送用冷凍ユニット。
【請求項7】
圧縮機と、
前記圧縮機の吐出側に一端側が各々高圧ガス配管および高圧開閉弁を介して接続された複数台の熱交換器と、
前記複数台の熱交換器の一端側を各々前記圧縮機の吸入側に低圧開閉弁を介して接続する低圧ガス配管と、
前記複数台の熱交換器の他端側に各々接続された開閉弁機能付き減圧手段と逆止弁との並列回路の他端側同士を互いに連通接続している液側配管と、を備え、
前記複数台の熱交換器の中の少なくとも2台の熱交換器を庫外側熱交換器として保冷庫外に並列に配設し、少なくとも1台の熱交換器を庫内側熱交換器として保冷庫内に配設するとともに、
庫内温度が設定温度に到達後のサーモオフ時、前記圧縮機の運転時間が規定時間以下の場合、前記庫内側熱交換器に対する冷媒の流通を停止し、複数台の前記庫外側熱交換器の1台を凝縮器、他の1台を蒸発器として前記圧縮機を運転時間が前記規定時間を超えるまで継続運転する構成としたことを特徴とする輸送用冷凍ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍車両やトレーラー等に搭載されるヒートポンプ方式の加温機能を備えた輸送用冷凍ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
輸送用冷凍ユニットにおいて、近年、ヒートポンプ方式の加温機能を備えたものが提供されており、その一例が特許文献1,2に示されている。これらは、圧縮機の吐出側に複数台の熱交換器の一端側を各々高圧ガス配管および高圧開閉弁を介して接続し、その複数台の熱交換器の一端側を各々低圧ガス配管および低圧開閉弁を介して圧縮機の吸入側に接続するとともに、各熱交換器の他端側に各々開閉弁機能付き減圧手段(開閉弁と膨張弁を直列に接続したもの、あるいは開閉弁機能を有する電動膨張弁を用いたもの等)と逆止弁との並列回路を備えた液側配管を接続し、その液側配管同士を互いに連通接続して冷媒回路を構成したものである。
【0003】
そして、複数台の熱交換器の中の1台を庫外側熱交換器として保冷庫の外部に配設するとともに、1台以上の熱交換器を庫内側熱交換器としてそれぞれ保冷庫内に配設し、高圧ガス配管に設けられた各高圧開閉弁、低圧ガス配管に設けられた各低圧開閉弁および液側配管に設けられた各開閉弁機能付き減圧手段の開閉弁機能を開閉して各熱交換器への冷媒の流れを切換え、庫外側熱交換器を凝縮器、庫内側熱交換器を蒸発器として機能させて冷却運転を行い、庫内側熱交換器を凝縮器、庫外側熱交換器を蒸発器として機能させてヒートポンプ加温運転を行うようにしている。
【0004】
一方、上記と同様の冷媒回路を採用し、冷・暖房同時運転ができるようにしたマルチ形空気調和装置、いわゆる冷・暖房フリーマルチ形空気調和装置にあって、室外側熱交換器を複数台並列に配設し、暖房運転時に室外側熱交換器が着霜したとき、室内側熱交換器にホットガス冷媒を流して暖房運転を継続しながら、室外側熱交換器の1台を蒸発器、他の1台を凝縮器として機能させ、着霜した複数台の室外側熱交換器を交互にデフロストするようにしたものが特許文献3,4に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5535510号公報
【特許文献2】特開2013−234784号公報
【特許文献3】特開平3−55474号公報
【特許文献4】特開平9−26219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、輸送用冷凍ユニットにおいて、効率のよいヒートポンプ加温方式を採用した場合、加温運転時に蒸発器として機能する庫外側熱交換器に着霜する運転条件が多々存在し、特に寒冷地においては、加温運転する機会が多くなることから庫外側熱交換器に着霜するケースが必然的に多くなる。この場合、リバースサイクル、すなわちヒートポンプ加温サイクルを冷却サイクルに切換えてデフロスト運転を行うことになるが、冷却サイクルでは、庫内側熱交換器が蒸発器として作用し、庫内空気から吸熱することから、デフロスト運転中に庫内温度が低下してしまい、積荷を損傷する虞がある等の課題を有する。
【0007】
一方、特許文献3,4に示されるように、室外側熱交換器を複数台並列に配設した構成とすることにより、暖房運転時、室外側熱交換器に着霜が発生した場合でも、ヒートポンプ暖房を継続しながら、着霜した室外側熱交換器を交互にデフロストすることができる。しかし、この場合、室内熱交換器側にホットガス冷媒を流して暖房運転を継続しながらデフロストを行うため、全冷媒をデフロスト用に供することができず、その分だけデフロスト時間が長くなってしまう等の課題があり、従って、かかる技術をそのまま輸送用冷凍ユニットに適用するのには問題がある。
【0008】
つまり、人が居る空間を空調する空気調和機の場合、デフロスト運転により暖房運転が中断することによる急激な温度変化で人に不快感を与えてしまう事態を避けるため、暖房運転を中断するよりも、デフロストに多少時間がかかっても暖房運転を継続する方を優先しているが、輸送用冷凍ユニットの場合、断熱性が高い保冷庫内の冷却、加温を行うものであるため、一時的に冷却運転または加温運転が中断しても、庫内温度が急激に変化することはなく、その間に短時間でデフロストを行い、加温運転できる状態に復帰させる方が積荷に対する温度制御性を確保する上で望ましいと云えるからである。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、デフロスト中の庫内温度の低下を防止できるとともに、短時間でデフロストでき、また冷却運転時に凝縮能力を適正に調整し、サーモオンオフ時の圧縮機の頻繁な発停を抑制して信頼性を確保することができるヒートポンプ加温方式を採用した輸送用冷凍ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した課題を解決するために、本発明の輸送用冷凍ユニットは、以下の手段を採用している。
すなわち、本発明にかかる輸送用冷凍ユニットは、圧縮機と、前記圧縮機の吐出側に一端側が各々高圧ガス配管および高圧開閉弁を介して接続された複数台の熱交換器と、前記複数台の熱交換器の一端側を各々前記圧縮機の吸入側に低圧開閉弁を介して接続する低圧ガス配管と、前記複数台の熱交換器の他端側に各々接続された開閉弁機能付き減圧手段と逆止弁との並列回路の他端側同士を互いに連通接続している液側配管と、を備え、前記複数台の熱交換器の中の少なくとも2台の熱交換器を庫外側熱交換器として保冷庫外に並列に配設し、少なくとも1台の熱交換器を庫内側熱交換器として保冷庫内に配設するとともに、前記庫外側熱交換器を蒸発器、前記庫内側熱交換器を凝縮器として機能させたヒートポンプ加温運転時、前記庫外側熱交換器に着霜したとき、前記庫内側熱交換器に対する冷媒の流通を停止し、複数台の前記庫外側熱交換器の少なくとも1台を凝縮器、他の1台を蒸発器としてデフロスト運転する構成としたことを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、圧縮機の吐出側に一端側が各々高圧ガス配管および高圧開閉弁を介して接続された複数台の熱交換器の一端側を、各々低圧ガス配管および低圧開閉弁を介して圧縮機の吸入側に接続するとともに、その複数台の熱交換器の他端側に各々開閉弁機能付き減圧手段と逆止弁との並列回路を備えた液側配管を接続し、該液側配管の他端側同士を互いに連通接続することにより冷媒回路を構成としており、その複数台の熱交換器の中の少なくとも2台の熱交換器を庫外側熱交換器として保冷庫外に並列に配設し、少なくとも1台の熱交換器を庫内側熱交換器として保冷庫内に配設した構成としているため、庫外側の2台の庫外側熱交換器を凝縮器として機能させ、庫内側の1台の庫内側熱交換器を蒸発器として機能させることにより、庫内を冷却する冷却運転を行い、庫内側の1台の庫内側熱交換器を凝縮器として機能させ、庫外側の2台の庫外側熱交換器を蒸発器として機能させることにより、庫内を加温するヒートポンプ加温運転を行うことができる。従って、ヒートポンプ方式による高能力で効率のよい加温運転を行うことができる。一方、ヒートポンプ加温運転時、庫外側熱交換器に着霜した場合、庫内側熱交換器に対する冷媒の流通を停止し、複数台の庫外側熱交換器の少なくとも1台を凝縮器、他の1台を蒸発器としてデフロスト運転する構成としているため、圧縮機から吐出されたホットガス冷媒の全てを着霜した庫外側熱交換器の少なくとも1台に供給し、他の1台の庫外側熱交換器を蒸発器として機能させ、その蒸発器によって吸熱をしながらデフロスト運転することができる。従って、庫内空気から吸熱を行うことなく、ヒートポンプの全能力(全冷媒)を用いて庫外側熱交換器のデフロストを行うことができ、デフロスト運転時間を短縮化することができるとともに、デフロスト運転中における庫内温度の変化を小さくすることができる。
【0012】
さらに、本発明の輸送用冷凍ユニットは、上記の輸送用冷凍ユニットにおいて、着霜した複数台の前記庫外側熱交換器の少なくとも1台を凝縮器、他の1台を蒸発器として順次切換え、複数台の前記庫外側熱交換器を順次デフロスト運転する構成としたことを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、着霜した複数台の庫外側熱交換器の少なくとも1台を凝縮器、他の1台を蒸発器として順次切換え、複数台の庫外側熱交換器を順次デフロスト運転する構成としているため、各庫外側熱交換器に接続されている高圧ガス配管中の高圧開閉弁、低圧ガス配管中の低圧開閉弁および液側配管側の並列回路中の開閉弁機能付き減圧手段の開閉弁機能を開閉して、複数台の庫外側熱交換器間で冷媒の流れを切換えることにより、複数台の庫外側熱交換器を順次デフロスト運転することができる。従って、複数台の庫外側熱交換器をヒートポンプの全能力(全冷媒)を用いて交互にデフロストでき、短時間でデフロストすることができる。
【0014】
さらに、本発明の輸送用冷凍ユニットは、上述のいずれかの輸送用冷凍ユニットにおいて、複数台の前記庫外側熱交換器に対する庫外側ファンを含む送風系を、それぞれ独立して設けたことを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、複数台の庫外側熱交換器に対する庫外側ファンを含む送風系を、それぞれ独立して設けた構成としているため、デフロスト運転時、凝縮器として機能する庫外側熱交換器用の庫外側ファンを停止するとともに、蒸発器として機能する庫外側熱交換器用の庫外側ファンを運転してデフロストすることができる。従って、蒸発器として機能する庫外側熱交換器での吸熱量を増大し、その熱をデフロストする庫外側熱交換器で放熱することによって効率的に、かつ短時間でデフロストすることができる。
【0016】
さらに、本発明の輸送用冷凍ユニットは、上述のいずれかの輸送用冷凍ユニットにおいて、デフロスト運転時、庫内温度と設定温度との差が規定値以上となったとき、前記庫内側熱交換器に接続されている前記高圧ガス配管中の前記高圧開閉弁を開として前記庫内側熱交換器に高圧ガス冷媒を流通し、加温運転する構成としたことを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、デフロスト運転時、庫内温度と設定温度との差が規定値以上となったとき、庫内側熱交換器に接続されている高圧ガス配管中の高圧開閉弁を開として庫内側熱交換器に高圧ガス冷媒を流通し、加温運転する構成としているため、デフロスト運転中に何等かの原因によって庫内温度が急変し、設定温度との差が規定値を超えるようなことがあっても、高圧開閉弁を開とするだけで庫内側熱交換器に圧縮機からのホットガス冷媒の一部を導入し、デフロスト運転を継続しながら、加温運転することができる。従って、デフロスト運転中に庫内温度が規定値以下に低下することはなく、デフロスト中でも温度制御性を維持して積荷の品質を確保でき、輸送用冷凍ユニットの信頼性を向上することができる。
【0018】
さらに、本発明の輸送用冷凍ユニットは、上述のいずれかの輸送用冷凍ユニットにおいて、前記庫外側熱交換器を凝縮器として機能させた冷却運転時、凝縮能力が過大となって高圧圧力が下がり過ぎたとき、複数台の前記庫外側熱交換器の運転台数を減らすことにより凝縮能力を調整する構成としたことを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、庫外側熱交換器を凝縮器として機能させた冷却運転時、凝縮能力が過大となって高圧圧力が下がり過ぎたとき、複数台の庫外側熱交換器の運転台数を減らすことにより凝縮能力を調整する構成としているため、例えば外気温が比較的低い条件下で冷却運転を行っている場合、複数台の庫外側熱交換器を全て使用して運転すると、庫内側熱交換器の熱交換量に対して、凝縮能力が過多となって高圧側回路の圧力が低下し、高低圧の差圧が小さくなり過ぎて膨張弁の流量調整可能範囲を逸脱することにより、圧縮機の吸入圧力異常の原因となることがあるが、複数台の庫外側熱交換器の運転台数を減らすことにより凝縮能力を調整し、高低圧の差圧を適正範囲に維持することができる。従って、庫内側熱交換器での熱交換量に対応して庫外側熱交換器側の能力を適正に調整し、運転バランスを保つことにより輸送用冷凍ユニットを安定的に運転することができる。
【0020】
さらに、本発明の輸送用冷凍ユニットは、上述のいずれかの輸送用冷凍ユニットにおいて、複数台の前記庫外側熱交換器を、それぞれ異なる能力の熱交換器としたことを特徴とする。
【0021】
本発明によれば、複数台の庫外側熱交換器を、それぞれ異なる能力の熱交換器としているため、庫外側熱交換器での凝縮能力を複数台の熱交換器の稼動選択により、その台数よりも多い多段階に調整することが可能となる。従って、様々な外気温度や庫内設定温度条件下において、それに対応して凝縮能力を細かく調整し、高低圧差を適正範囲に保つことによって、より安定した運転を行うことができ、輸送用冷凍ユニットの信頼性を向上することができる。
【0022】
また、本発明にかかる輸送用冷凍ユニットは、圧縮機と、前記圧縮機の吐出側に一端側が各々高圧ガス配管および高圧開閉弁を介して接続された複数台の熱交換器と、前記複数台の熱交換器の一端側を各々前記圧縮機の吸入側に低圧開閉弁を介して接続する低圧ガス配管と、前記複数台の熱交換器の他端側に各々接続された開閉弁機能付き減圧手段と逆止弁との並列回路の他端側同士を互いに連通接続している液側配管と、を備え、前記複数台の熱交換器の中の少なくとも2台の熱交換器を庫外側熱交換器として保冷庫外に並列に配設し、少なくとも1台の熱交換器を庫内側熱交換器として保冷庫内に配設するとともに、庫内温度が設定温度に到達後のサーモオフ時、前記圧縮機の運転時間が規定時間以下の場合、前記庫内側熱交換器に対する冷媒の流通を停止し、複数台の前記庫外側熱交換器の1台を凝縮器、他の1台を蒸発器として前記圧縮機を運転時間が前記規定時間を超えるまで継続運転する構成としたことを特徴とする。
【0023】
本発明によれば、圧縮機の吐出側に一端側が各々高圧ガス配管および高圧開閉弁を介して接続された複数台の熱交換器の一端側を、各々低圧ガス配管および低圧開閉弁を介して圧縮機の吸入側に接続するとともに、その複数台の熱交換器の他端側に各々開閉弁機能付き減圧手段と逆止弁との並列回路を備えた液側配管を接続し、該液側配管の他端側同士を互いに連通接続することにより冷媒回路を構成としており、その複数台の熱交換器の中の少なくとも2台の熱交換器を庫外側熱交換器として保冷庫外に並列に配設し、少なくとも1台の熱交換器を庫内側熱交換器として保冷庫内に配設した構成としているため、庫外側の2台の庫外側熱交換器を凝縮器として機能させ、庫内側の1台の庫内側熱交換器を蒸発器として機能させることにより、庫内を冷却する冷却運転を行い、庫内側の1台の庫内側熱交換器を凝縮器として機能させ、庫外側の2台の庫外側熱交換器を蒸発器として機能させることにより、庫内を加温するヒートポンプ加温運転を行うことができる。従って、ヒートポンプ方式による高能力で効率のよい加温運転を行うことができる。一方、冷却運転や加温運転により庫内温度が設定温度に到達後は、通常サーモオン/オフを繰り返す。この場合、短時間でサーモオン/オフすると、圧縮機が頻繁に発停を繰り返すため、故障や寿命低下の要因となるが、サーモオフ時、圧縮機の運転時間が規定時間以下の場合、庫内側熱交換器に対する冷媒の流通を停止し、複数台の庫外側熱交換器の1台を凝縮器、他の1台を蒸発器として圧縮機を運転時間が規定時間を超えるまで継続運転する構成としているため、例えば複数の室(庫内)間での温度干渉により短時間にサーモオン/オフを繰り返すような場合でも、サーモオフ時に、圧縮機の運転時間が規定時間を越えるまで継続運転し、複数台の庫外側熱交換器の1台を凝縮器、他の1台を蒸発器として冷凍ユニットを空運転することにより、圧縮機の頻繁な発停を防止することができる。従って、圧縮機の発停頻度を抑制し、その信頼性を確保することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によると、庫外側の2台の庫外側熱交換器を凝縮器として機能させ、庫内側の1台の庫内側熱交換器を蒸発器として機能させることにより、庫内を冷却する冷却運転を行い、庫内側の1台の庫内側熱交換器を凝縮器として機能させ、庫外側の2台の庫外側熱交換器を蒸発器として機能させることにより、庫内を加温するヒートポンプ加温運転を行うことができるため、ヒートポンプ方式による高能力で効率のよい加温運転を行うことができる一方、圧縮機から吐出されたホットガス冷媒の全てを着霜した庫外側熱交換器の少なくとも1台に供給し、他の1台の庫外側熱交換器を蒸発器として機能させ、その蒸発器によって吸熱をしながらデフロスト運転することができるため、庫内空気から吸熱を行うことなく、ヒートポンプの全能力(全冷媒)を用いて庫外側熱交換器のデフロストを行うことができ、デフロスト運転時間を短縮化することができるとともに、デフロスト運転中における庫内温度の変化を小さくすることができる。
【0025】
本発明によると、短時間にサーモオン/オフを繰り返すような場合でも、サーモオフ時に、圧縮機の運転時間が規定時間を越えるまで継続運転し、複数台の庫外側熱交換器の1台を凝縮器、他の1台を蒸発器として冷凍ユニットを空運転することにより、圧縮機の頻繁な発停を防止することができるため、圧縮機の発停頻度を抑制し、その信頼性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の第1実施形態に係る輸送用冷凍ユニットの冷媒回路図である。
図2】上記輸送用冷凍ユニットの庫外熱交換器(A)側のデフロスト運転時の冷媒回路構成図である。
図3】上記輸送用冷凍ユニットの庫外熱交換器(B)側のデフロスト運転時の冷媒回路構成図である。
図4】上記輸送用冷凍ユニットのデフロスト運転時の制御フローチャート図である。
図5】本発明の第2実施形態に係る輸送用冷凍ユニットの冷却運転時における凝縮能力調整時の冷媒回路構成図である。
図6】本発明の第3実施形態に係る輸送用冷凍ユニットの圧縮機発停頻度低減制御時のフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1ないし図4を用いて説明する。
図1には、本発明の第1実施形態に係る輸送用冷凍ユニットの冷媒回路図が示され、図2および3には、そのデフロスト運転時の冷媒回路構成図、図4には、デフロスト運転時の制御フローチャート図が示されている。
本実施形態においては、冷凍車両等の荷台側に搭載されているバンボディと称される保冷庫内を冷却または加温する一体型の輸送用冷凍ユニット1に適用した例について説明するが、必ずしも一体型の輸送用冷凍ユニットに限定されるものではなく、輸送用冷凍ユニット全般について広く適用できることはもちろんである。
【0028】
この輸送用冷凍ユニット1の冷媒回路2は、図1に示されるように、圧縮機3(ここでは電動圧縮機とする)と、圧縮機3の吐出配管4に接続された高圧ガスポート5と、高圧ガスポート5から分岐された複数本(本例では、3本)の高圧ガス配管6A,6B,6Cと、各高圧ガス配管6A,6B,6Cに設けられた高圧開閉弁(電磁弁)7A,7B,7Cと、各高圧ガス配管6A,6B,6Cに一端側が接続された複数台の熱交換器8A,8B,8Cとを備えている。
【0029】
この複数台の熱交換器8A,8B,8Cの中の2台の熱交換器8A,8Bは、それぞれ庫外側熱交換器(A)8Aおよび庫外側熱交換器(B)8Bとして、保冷庫の外部、すなわち庫外に配設されるものであり、他の1台は、庫内側熱交換器8Cとして保冷庫内に配設されるものである。
【0030】
また、上記庫外側熱交換器(A)8A、庫外側熱交換器(B)8Bおよび庫内側熱交換器8Cとされる複数台の熱交換器8A,8B,8Cの一端側には、さらに各高圧ガス配管6A,6B,6Cから分岐するように接続された複数本(3本)の低圧ガス配管9A,9B,9Cと、その低圧ガス配管9A,9B,9C中に設けられた低圧開閉弁(電磁弁)10A,10B,10Cと、各低圧ガス配管9A,9B,9Cが接続された低圧ガスポート11とが具備されており、低圧ガスポート11が吸入配管12を介して圧縮機3に接続された構成とされている。
【0031】
同様に庫外側熱交換器(A)8A、庫外側熱交換器(B)8Bおよび庫内側熱交換器8Cの他端側には、逆止弁14A,14B,14Cに対して各々膨張弁15A,15B,15Cおよび開閉弁(電磁弁)16A,16B,16Cの直列回路を並列に接続して構成した並列回路13A,13B,13Cの一端が接続され、その並列回路13A,13B,13Cの他端を高圧液ポート17に接続することによって、互いが連通接続される液側配管18A,18B,18Cを設けことで、閉サイクルのヒートポンプ式の冷媒回路2を構成している。
【0032】
なお、上記膨張弁15A,15B,15Cと開閉弁(電磁弁)16A,16B,16Cとの直列回路を、本発明では、開閉弁機能付き減圧手段と称している。ここでは、別々の膨張弁と開閉弁(電磁弁)とを直列に接続した構成としているが、一体構成とした弁としてもよく、あるいは開閉弁機能を有する電動膨張弁により代替してもよく、これらを包含する意味で「開閉弁機能付き減圧手段」と総称するものである。
【0033】
一方、上記一体型輸送用冷凍ユニット1では、庫内側熱交換器8Cが庫内に面するようにユニット側の庫内空気循環路中に配設され、その他の機器類が庫外に架装されるユニット本体側に配設されることになる。庫内側熱交換器8Cには、庫内側ファン19が付設されることにより、庫内空気が庫内側熱交換器8Cを通して循環可能とされ、また、庫外側熱交換器(A)8Aおよび庫外側熱交換器(B)8Bに対しては、それぞれ庫外側ファン20A,20Bが付設されることにより、庫外側熱交換器(A)8Aおよび庫外側熱交換器(B)8Bに対して外気を送風する独立した送風系が構成されている。
【0034】
また、上記冷媒回路2において、高圧ガスポート5、低圧ガスポート11および高圧液ポート17は、それぞれ吐出配管4と各高圧ガス配管6A,6B,6C、吸入配管12と各低圧ガス配管9A,9B,9C並びに各液側配管18A,18B,18C同士を直接接続とすることにより省略した構成としてもよく、また、高圧液ポート17は、レシーバによって代替してもよい。
【0035】
上記したヒートポンプ式冷媒回路2を備えた輸送用冷凍ユニット1において、冷却運転およびヒートポンプ加温運転は、以下によって行われる。
[冷却運転]
冷却運転は、庫外側熱交換器(A)8Aおよび庫外側熱交換器(B)8Bをそれぞれ凝縮器、庫内側熱交換器8Cを蒸発器として機能させて行う運転となる。この場合、高圧ガス配管6A,6B,6C中の高圧開閉弁7A,7Bが開、高圧開閉弁7Cが閉、低圧ガス配管9A,9B,9C中の低圧開閉弁10A,10Bが閉、低圧開閉弁10Cが開、液側配管18A,18B,18Cの並列回路13A,13B,13C中の開閉弁16A,16Bが閉、開閉弁16Cが開とされることになる。
【0036】
これによって、圧縮機4から吐出された高温高圧の冷媒ガスは、吐出配管4、高圧ガスポート5、高圧ガス配管6A,6Bを経て庫外側熱交換器(A)8Aおよび庫外側熱交換器(B)8Bに導かれ、凝縮液化された後、並列回路13A,13Bの逆止弁14A,14B、液側配管18A,18Bを経て高圧液ポート17に導かれる。高圧液ポート17で合流された高圧液冷媒は、液側配管18C、並列回路13C中の開閉弁16Cおよび膨張弁15Cを経て断熱膨張された後、庫内側熱交換器8Cに導かれ、庫内空気を冷却することにより蒸発し、低圧開閉弁10C、低圧ガス配管9C、低圧ガスポート11、吸入配管12を経て圧縮機3の戻るサイクル内を循環する。これによって庫内が冷却される。
【0037】
[ヒートポンプ加温運転]
ヒートポンプ加温運転は、庫内側熱交換器8Cを凝縮器、庫外側熱交換器(A)8Aおよび庫外側熱交換器(B)8Bをそれぞれ蒸発器として機能させて行う運転となる。この場合、高圧ガス配管6A,6B,6C中の高圧開閉弁7A,7Bが閉、高圧開閉弁7Cが開、低圧ガス配管9A,9B,9C中の低圧開閉弁10A,10Bが開、低圧開閉弁10Cが閉、液側配管18A,18B,18Cの並列回路13A,13B,13C中の開閉弁16A,16Bが開、開閉弁16Cが閉とされることになる。
【0038】
これによって、圧縮機4から吐出された高温高圧の冷媒ガスは、吐出配管4、高圧ガスポート5、高圧ガス配管6Cを経て庫内側熱交換器8Cに導かれ、放熱して庫内の加温に供されて凝縮液化した後、並列回路13Cの逆止弁14C、液側配管18Cを経て高圧液ポート17に導かれる。この高圧液ポート17に導入された高圧液冷媒は、液側配管18A,18B、並列回路13A,13B中の開閉弁16A,16Bおよび膨張弁15A,15Bを経て断熱膨張された後、庫外側熱交換器(A)8Aおよび庫外側熱交換器(B)8Bに導かれ、外気から吸熱して蒸発ガス化し、低圧開閉弁10A,10B、低圧ガス配管9A,9B、低圧ガスポート11、吸入配管12を経て圧縮機3の戻るサイクル内を循環する。これによって庫内が加温される。
【0039】
このヒートポンプ加温運転時、外気温が低いと、蒸発器として機能している庫外側熱交換器(A)8Aおよび庫外側熱交換器(B)8Bの表面に着霜し、能力が低下する。このため、着霜が検知されたとき、除霜(デフロスト)する必要がある。本実施形態では、庫外側熱交換器(A)8Aおよび庫外側熱交換器(B)8Bをデフロストするため、以下の構成を採用している。
【0040】
庫外側熱交換器(A)8A、庫外側熱交換器(B)8Bへの着霜が検知されたとき、
(1)高圧開閉弁7Cおよび並列回路13Cの開閉弁16Cを閉とし、庫内側熱交換器8Cへの冷媒流通を停止して加温運転を中断する。
(2)2台の庫外側熱交換器(A)8Aおよび庫外側熱交換器(B)8Bの一方を凝縮器として機能させ、他方を蒸発器として機能させることにより、順次デフロストする。
【0041】
つまり、2台の庫外側熱交換器(A)8Aおよび庫外側熱交換器(B)8Bに対し、図2に示されるように、まず高圧ガス配管6A中の高圧開閉弁7A、並列回路13B中の開閉弁16Bおよび低圧ガス配管9B中の低圧開閉弁10Bを開、高圧ガス配管6B中の高圧開閉弁7B、並列回路13A中の開閉弁16Aおよび低圧ガス配管9A中の低圧開閉弁10Aを閉とし、圧縮機3から吐出されたホットガス冷媒を庫外側熱交換器(A)8Aに導入して放熱させ、庫外側熱交換器(A)8Aの霜を溶かす。
【0042】
庫外側熱交換器(A)8Aの除霜に供されることにより凝縮液化した冷媒を、並列回路13B中の膨張弁15Bにより断熱膨張させて庫外側熱交換器(B)8Bに導入し、外気から吸熱して蒸発させた後、低圧ガス配管9A、低圧ガスポート11、吸入配管12を経て圧縮機3に吸入するサイクルを循環させる。このように、庫外に配設されている複数台の庫外側熱交換器(A)8Aおよび庫外側熱交換器(B)8Bの一方を凝縮器、他方を蒸発器として冷凍サイクルを構成し、着霜した庫外側熱交換器(A)8Aを除霜できる構成としている。この際、庫外側熱交換器(A)8A用の庫外側ファン20Aは停止、庫外側熱交換器(B)8B用の庫外側ファン20Bは運転されるようになっている。
【0043】
庫外側熱交換器(A)8Aの除霜が完了すると、図3に示されるように、高圧ガス配管6B中の高圧開閉弁7B、並列回路13A中の開閉弁16Aおよび低圧ガス配管9A中の低圧開閉弁10Aを開、高圧ガス配管6A中の高圧開閉弁7A、並列回路13B中の開閉弁16Bおよび低圧ガス配管9B中の低圧開閉弁10Bを閉とし、圧縮機3から吐出されたホットガス冷媒を庫外側熱交換器(B)8Bに導入して放熱させることにより、庫外側熱交換器(B)8Bの除霜を行う構成としている。この場合、凝縮器となる庫外側熱交換器(B)8B用の庫外側ファン20Bは停止、蒸発器となる庫外側熱交換器(A)8A用の庫外側ファン20Aは運転されることになる。
【0044】
図4は、上記したデフロスト運転時の制御フローチャートを示すものである。
制御が開始されると、ステップS1において、庫外側熱交換器(A)8Aおよび庫外側熱交換器(B)8Bがデフロスト開始条件を満たすか否かが判定される。満たしていなければ、NOと判定されて終了に移行する。一方、YESと判定されると、ステップS2に進み、ここで庫外側熱交換器(A)8Aをデフロストするための回路(サイクル)に切換えられる。この切換えは、上記(2)の切換えであり、それぞれ開閉弁(電磁弁)および庫外側ファンが上記の通り、開閉および運転停止されることになる。
【0045】
ステップS2での切換え動作が完了すると、ステップS3に進み、ここで庫内側熱交換器8Cへの冷媒供給が停止される。これは上記(1)の制御であり、庫内の加温運転が停止されることになる。ステップS3で冷媒の供給停止処理を終えると、ステップS4に移行し、庫外側熱交換器(A)8Aのデフロストが終了したか否かの判定が行われる。デフロストが終了したか否かは、庫外側熱交換器の温度を検出する等、公知の方法で判断すればよい。
【0046】
ステップS4で庫外側熱交換器(A)8Aのデフロスト終了が判定されると、ステップS5に移行し、引き続き、庫外側熱交換器(B)8Bの除霜を行うべく、ステップS2に準じた各開閉弁(電磁弁)および各庫外側ファンの開閉および運転停止の切換え動作が実行される。これによって、庫外側熱交換器(B)8Bのデフロストが開始されると、ステップS6に進み、庫外側熱交換器(B)8Bのデフロストが終了したか否かの判定が行われる。ステップS6でデフロスト終了条件が満たされていると判定されると、ステップS7に進み、庫内温度調整運転が再開されることになる。
【0047】
以上に説明した通り、本実施形態では、ヒートポンプ式の冷媒回路2において、庫外側熱交換器(A)8Aおよび庫外側熱交換器(B)8Bを複数台(2台)並列に配設した構成としており、その複数台の庫外側熱交換器(A)8Aおよび庫外側熱交換器(B)8Bを蒸発器、庫内側熱交換器8Cを凝縮器として機能させることにより、庫内をヒートポンプ加温運転することができる。従って、ヒートポンプ方式による高能力で効率のよい加温運転を行うことができる。
【0048】
一方、低外気温下でのヒートポンプ加温運転によって、庫外側熱交換器(A)8Aおよび庫外側熱交換器(B)8Bに着霜した場合、庫内側熱交換器8Cへの冷媒の供給を停止して加温運転を中断した状態で、複数台の庫外側熱交換器(A)8Aおよび庫外側熱交換器(B)8Bの一方を凝縮器、他方を蒸発器としてデフロストサイクルを構成し、一方の庫外側熱交換器(A)8Aまたは庫外側熱交換器(B)8Bで外気から吸熱しながら交互に順次デフロストすることができる。
【0049】
従って、庫内空気から吸熱を行うことなく、ヒートポンプの全能力(全冷媒)を用いて複数台の庫外側熱交換器(A)8Aおよび庫外側熱交換器(B)8Bのデフロストを行うことができ、デフロスト運転時間を短縮化することができるとともに、デフロスト運転中における庫内温度の変化を小さくすることができる。
なお、2台の庫外側熱交換器(A)8Aおよび庫外側熱交換器(B)8Bをデフロストする際、いずれの庫外側熱交換器を先にデフロストするかは、任意に決めればよく、複数台の庫外側熱交換器8A,8Bを順次交互にデフロストすることにより、各庫外側熱交換器8A,8Bをヒートポンプの全能力(全冷媒)を用いてデフロストでき、短時間でデフロストすることができる。
【0050】
また、本実施形態においては、複数台の庫外側熱交換器8A,8Bに対し、庫外側ファン20A,20Bを含む送風系をそれぞれ独立して設けた構成としている。このため、デフロスト運転時、凝縮器として機能する庫外側熱交換器8Aまたは8B用の庫外側ファン20Aまたは20Bを停止するとともに、蒸発器として機能する庫外側熱交換器8Aまたは8B用の庫外側ファン20Aまたは20Bを運転してデフロストすることができる。従って、蒸発器として機能する庫外側熱交換器8Aまたは8Bでの吸熱量を増大し、その熱をデフロストする庫外側熱交換器8Aまたは8Bで放熱することによって効率的に、かつ短時間でデフロストすることができる。
【0051】
なお、庫外側熱交換器(A)8Aおよび庫外側熱交換器(B)8Bを複数台(2台)並列に配設したことにより、以下のような構成とすることができる。
[変形例1]
冷却運転時、2台の庫外側熱交換器(A)8Aおよび庫外側熱交換器(B)8Bは凝縮器として運転されるが、外気温が低い場合等において、凝縮能力が過大となって高圧圧力が下がり過ぎることがある。このため、高圧圧力を監視し高圧が下がり過ぎたとき、図5に示されるように、庫外側熱交換器(A)8Aおよび庫外側熱交換器(B)8Bのいずれかを停止(図5の場合、庫外側熱交換器(B)8Bを停止)し、運転台数を減らすことにより凝縮能力を調整できるように構成してもよい。
【0052】
つまり、外気温が比較的低い条件下で冷却運転を行っている場合、複数台の庫外側熱交換器8A,8Bの全てを運転すると、庫内側熱交換器8Cの熱交換量に対して、凝縮能力が過多となって高圧側回路の圧力が低下し、高低圧の差圧が小さくなり過ぎて膨張弁15Cの流量調整可能範囲を逸脱することにより、圧縮機3の吸入圧力が異常の原因となることがある。
【0053】
この場合、図5に示されるように、庫外側熱交換器(B)8Bに接続された高圧ガス配管6B中の高圧開閉弁7Bを閉、低圧開閉弁10Bを開とするとともに、庫外側ファン20Bを停止して庫外側熱交換器(B)8Bを停止状態し、庫外側熱交換器8A,8Bの運転台数を減らして凝縮能力を調整(低下)することにより、高低圧の差圧を適正範囲に維持することができる。従って、庫内側熱交換器8Cでの熱交換量に対応して庫外側熱交換器8A,8B側の能力を適正に調整し、運転バランスを保つことにより輸送用冷凍ユニット1を安定的に運転することができる。
【0054】
また、上記変形例1を採用するに当たり、複数台の庫外側熱交換器8A,8Bを、それぞれ異なる能力の熱交換器とすることができる。このように能力の異なる熱交換器を用いて庫外側熱交換器8A,8Bを構成することにより、2台の庫外側熱交換器8A,8Bでの凝縮能力をその熱交換器の稼動選択により、その台数よりも多い3段階に調整することが可能となる。このため、様々な外気温度や庫内設定温度条件下において、それに対応して凝縮能力を細かく調整し、高低圧差を適正範囲に保ってより安定した運転を行うことができ、輸送用冷凍ユニット1の信頼性を向上することができる。
【0055】
[変形例2]
上記実施形態では、庫外側熱交換器8A,8Bのデフロスト運転時、図2図3に示されるように、庫内側熱交換器8Cに対する冷媒流通を停止するようにしているが、庫内温度と設定温度との差が規定値を超えるような場合、積荷を保護する観点から、庫内側熱交換器8Cに接続されている高圧ガス配管6C中の高圧開閉弁7Cを開として庫内側熱交換器8Cに高圧ガス冷媒を流通し、加温運転を行う構成としてもよい。
【0056】
つまり、デフロスト運転中に何等かの原因により庫内温度が急変し、設定温度との差が規定値を超えるような事態が発生すると、積荷の品質を保証できなくなる虞がある。このため、庫内温度と設定温度との差が規定値以上となったとき、庫内側熱交換器8Cに接続されている高圧ガス配管6C中の高圧開閉弁7Cを開とし、庫内側熱交換器8Cに高圧ガス冷媒の一部を供給することによって、デフロスト運転を継続しながら、加温運転することができる。従って、デフロスト運転中に庫内温度が規定値以下に低下することはなく、デフロスト中でも温度制御性を維持して積荷の品質を確保でき、輸送用冷凍ユニット1の信頼性を向上することができる。
【0057】
[変形例3]
上記した実施形態および変形例においては、2台の庫外側熱交換器8A,8Bと、1台の庫内側熱交換器8Cと、を並列に配設している実施形態について説明したが、庫外側熱交換器8A,8Bは、2台に限らず、3台以上の庫外側熱交換器を並列に配設した構成としてもよい。また、庫内側熱交換器8Cについて、複数台を並列に配設し、それぞれの庫内側熱交換器を保冷庫内の区画された複数の室に個別に配設した構成としてもよい。この場合、区画された複数の室を同時に冷却または加温できることはもちろんのこと、1つの室を冷却、他の1つの室を加温する等、冷却・加温の同時運転を行うこともできる。
【0058】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図6を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態に対して、複数台の庫外側熱交換器8A,8Bを利用して、圧縮機3の発停頻度を低減できるようにしている点が異なる。その他の点については、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態は、冷却運転または加温運転により庫内温度が設定温度に到達した後、輸送用冷凍ユニット1はサーモオン/オフ運転されることになるが、その際の圧縮機3の過度な発停を抑制しようとするものである。
【0059】
輸送用冷凍ユニット1は、庫内温度が設定温度に到達すると、所定のディファレンシャルを以ってオン/オフ運転(サーモオン/オフ)されるが、サーモオンされている時間が短いと、圧縮機3が頻繁に発停を繰り返し、それが故障や寿命低下の要因となり、信頼性を損ねることになる。そこで、サーモオフの条件とされたとき、庫内側熱交換器8Cに対する冷媒の流通を止め冷却運転または加温運転を停止した状態で、並列に配設されている複数台の庫外側熱交換器8A,8Bを用いて冷凍サイクルを構成し、圧縮機3を規定時間だけ継続運転した後、停止することにより頻繁な発停を防ぐようにしたものである。
【0060】
以下に、図6に示す制御フローチャート図に基づいて、その具体的構成を説明する。
制御が開始されると、ステップS11において、サーモオフ条件か否かが判定され、NOの場合、そのまま制御終了に移行し、YESの場合、ステップS12に進む。ステップS12では、圧縮機3のオン時間(運転時間)が予め設定されている規定時間を超えているか否かが判定され、YESの場合は、ステップS17に移行してそのまま圧縮機3の運転を停止し、サーモオフの状態とする。
【0061】
一方、規定時間を達しておらず、NOと判定された場合、ステップS13に進み、以下の運転回路(空運転回路)に切換え、圧縮機3を継続運転するようにしている。ここでの運転回路は、複数台(2台)の庫外側熱交換器8A,8Bの中の一方、例えば庫外側熱交換器(A)8Aを凝縮器、他方の庫外側熱交換器(B)8Bを蒸発器とし、双方の庫外側ファン20A,20Bを運転した冷凍サイクルを構成すべく、高圧開閉弁7A、開閉弁16Bおよび低圧開閉弁10Bを開とするとともに、高圧開閉弁7B、開閉弁16Aおよび低圧開閉弁10Aを閉とし、更に庫外側ファン20A,20Bをオンに切換え、圧縮機3からの冷媒を高圧ガスポート5、庫外側熱交換器(A)8A、高圧液ポート17、膨張弁16B、庫外側熱交換器(B)8B、低圧ガスポート11の順に循環する回路を構成するものである。なお、庫外側熱交換器8A,8Bの機能が逆になるように切換えてもよい。
【0062】
ステップS13で上記切換えをした後、ステップS14に移行し、高圧開閉弁7C、開閉弁16Cおよび低圧開閉弁10Cを閉とし、庫内側熱交換器8Cへの冷媒の流通を停止してサーモオフ状態とする。この際、圧縮機3は、上記冷凍サイクルを構成し、そのまま運転継続されるようになっている。この状態でステップS15に移行し、ここでサーモオンに復帰する条件を満たしているか否かが判定され、YESと判定されると、ステップS18に進み、庫内側熱交換器8Cに対する冷媒の供給開始処理を行い、ステップS19に移行する。
【0063】
ステップS19では、高圧開閉弁7Aないし7C、開閉弁16Aないし16C、低圧開閉弁10Aないし10Cの切換えを行い、冷媒回路2を元の冷却運転または加温運転サイクル、すなわち庫内側熱交換器8Cを蒸発器、庫外側熱交換器8A,8Bを凝縮器とした冷却運転サイクル、または庫内側熱交換器8Cを凝縮器、庫外側熱交換器8A,8Bを蒸発器としたヒートポンプ加温運転サイクルに切換え、サーモオン運転を行う。以下、同様の動作を繰り返すことになる。
【0064】
また、ステップS15でサーモオン復帰条件を満たしていないと判定された場合、ステップS16に進み、圧縮機3のオン時間(運転時間)が規定時間を超えているか否かが判定され、NOであれば、ステップS15に戻り、ステップS15、ステップS16の動作を繰り返す。ステップS16において、圧縮機3の運転時間が規定時間を超えていると判定(YES)されると、ステップS17に進み、ここで圧縮機3をオフとし、その運転を停止する処理を行い、以下、同様の動作を繰り返す。
【0065】
これによって、サーモオン/オフ運転下において、サーモオフ状態となっても、複数台の庫外側熱交換器8A,8Bを利用して冷凍サイクルを構成し、冷凍ユニット1を空運転することによって、圧縮機3を必ず規定時間以上運転することができ、圧縮機3が頻繁に発停するのを防止することができる。従って、圧縮機3の発停頻度を抑制し、その信頼性を確保することができる。特に、庫内が複数室に区画されている保冷庫の場合、室間の温度干渉により短時間にサーモオン/オフを繰り返すことがあるが、かかる場合でも、サーモオフ時、圧縮機の運転時間が規定時間を越えるまで継続運転することで、圧縮機の頻繁な発停を防止することができる。
【0066】
なお、本発明は、上記実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。例えば、上記実施形態では、圧縮機3に電動圧縮機を用いた一体型輸送用冷凍ユニット1に適用した例について説明したが、これに限らず、本発明は、開放型の圧縮機を車両の走行用エンジンにより電磁クラッチを介して駆動する直結タイプの輸送用冷凍ユニットあるいは冷凍ユニットを駆動する専用のサブエンジンを備えたサブエンジン方式の輸送用冷凍ユニットにも同様に適用できることは云うまでもない。
【0067】
また、一体型の輸送用冷凍ユニット1に限らず、庫内に設置される庫内ユニットと庫外に設置される庫外ユニットとを分離したタイプの分離型輸送用冷凍ユニットにも同様に適用できることはもちろんである。
【符号の説明】
【0068】
1 輸送用冷凍ユニット
2 冷媒回路
3 圧縮機
6A,6B,6C 高圧ガス配管
7A,7B,7C 高圧開閉弁
8A,8B 庫外側熱交換器(A),(B)(熱交換器)
8C 庫内側熱交換器(熱交換器)
9A,9B,9C 低圧ガス配管
10A,10B,10C 低圧開閉弁
13A,13B,13C 並列回路
14A,14B,14C 逆止弁
15A,15B,15C 膨張弁
16A,16B,16C 開閉弁
18A,18B,18C 液側配管
19 庫内側ファン
20A,20B 庫外側ファン
図1
図2
図3
図4
図5
図6