(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6426188
(24)【登録日】2018年11月2日
(45)【発行日】2018年11月21日
(54)【発明の名称】ガスサンプリング装置、及び、このような装置を備えている充填ステーション
(51)【国際特許分類】
G01N 1/22 20060101AFI20181112BHJP
G01N 1/00 20060101ALI20181112BHJP
F17C 13/02 20060101ALI20181112BHJP
【FI】
G01N1/22 B
G01N1/00 101T
F17C13/02 301Z
【請求項の数】14
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-542346(P2016-542346)
(86)(22)【出願日】2014年7月30日
(65)【公表番号】特表2016-536608(P2016-536608A)
(43)【公表日】2016年11月24日
(86)【国際出願番号】FR2014051982
(87)【国際公開番号】WO2015036669
(87)【国際公開日】20150319
【審査請求日】2017年3月17日
(31)【優先権主張番号】1358752
(32)【優先日】2013年9月12日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】カルトー、ダビド
(72)【発明者】
【氏名】モーベ、パトリック
【審査官】
萩田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】
中国特許出願公開第101418908(CN,A)
【文献】
米国特許第05437199(US,A)
【文献】
特開2006−215035(JP,A)
【文献】
米国特許第06827101(US,B1)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0008557(US,A1)
【文献】
特表2009−524022(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00− 1/44
F17C 13/02−13/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素タンクの充填ステーションのためのガスサンプリング装置であって、該ガスサンプリング装置は、充填ステーション(34)の出口コネクター(6)に取り外し可能に接続される入口コネクター(4)を備えた上流端部と、前記入口コネクター(4)に並列に接続されているサンプリングパイプ(2)及び充填パイプ(5)の2つのパイプ(2,5)とを有する回路(2,3,5)を具備し、
前記サンプリングパイプ(2)は、弁(9,10,11)のシステムと、第1の圧力レギュレータ(7)と、前記第1の圧力レギュレータ(7)により膨張されたガスのサンプルを収集するためのコンテナ(8)とを有し、
前記充填パイプ(5)は、充填されるタンク(13,14)の入口コネクター(35)に取り外し可能に接続されることが意図される第1の出口コネクター(12)を備えた下流端部を有し、
該ガスサンプリング装置が手動可搬型の移動可能なユニット(36)に組み込まれている、ガスサンプリング装置。
【請求項2】
前記サンプリングパイプ(2)は、前記入口コネクター(4)と第1の圧力レギュレータ(7)との間で、前記第1の圧力レギュレータ(7)の上流に位置された少なくとも1つの校正オリフィス(15,16)を有していることを特徴とする、請求項1に記載のガスサンプリング装置。
【請求項3】
前記サンプリングパイプ(2)は、前記第1の圧力レギュレータ(7)と前記収集のためのコンテナ(8)との間で、前記第1の圧力レギュレータ(7)の下流に位置された校正オリフィス(17)を有していることを特徴とする、請求項1又は2に記載のガスサンプリング装置。
【請求項4】
前記サンプリングパイプ(2)は、前記入口コネクター(4)と第1の圧力レギュレータ(7)との間に位置され、第1の圧力レギュレータ(7)の上流で互いに直列に配置された第1の校正オリフィス(15)と第2の校正オリフィス(16)とを有し、前記第1の校正オリフィス(15)は、前記第2の校正オリフィス(16)の開口のディメンションよりも大きいディメンションの開口を有していることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のガスサンプリング装置。
【請求項5】
前記サンプリングパイプ(2)は、前記収集のためのコンテナ(8)の下流に、弁(11)と、前記収集のためのコンテナ(8)からサンプルのガスを取り出すための第2の出口コネクター(19)とを有していることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のガスサンプリング装置。
【請求項6】
前記サンプリングパイプ(2)は、前記収集のためのコンテナ(8)と第2の出口コネクター(19)との間に位置された第2の圧力レギュレータ(18)を有していることを特徴とする、請求項5に記載のガスサンプリング装置。
【請求項7】
前記回路(2,3,5)は、少なくとも1つの圧力感知リリーフ弁(20,22)を備えた通気パイプ(3)を具備し、前記通気パイプ(3)は、この装置の外に開口している下流排出端部(33)と、前記収集のためのコンテナ(8)の上流で、前記サンプリングパイプ(2)に接続された第1の上流端部(21)とを有していることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のガスサンプリング装置。
【請求項8】
前記通気パイプ(3)は、前記収集のためのコンテナ(8)の下流で、前記サンプリングパイプ(2)に接続された第2の上流端部(23)を有していることを特徴とする、請求項7に記載のガスサンプリング装置。
【請求項9】
前記通気パイプ(3)は、弁(41)と一方向チェック弁(42)とを備えた第3の上流端部(24)を有し、前記第3の上流端部(24)は、前記収集のためのコンテナ(8)の上流で、前記サンプリングパイプ(2)に接続されていることを特徴とする、請求項8に記載のガスサンプリング装置。
【請求項10】
前記通気パイプ(3)は、弁(26)と一方向チェック弁(27)とを備えた第4の上流端部(25)を有し、前記第4の上流端部(25)は、前記収集のためのコンテナ(8)の下流で、前記サンプリングパイプ(2)に接続されていることを特徴とする、請求項9に記載のガスサンプリング装置。
【請求項11】
前記弁(9,10,11)のシステムは、前記第1の圧力レギュレータ(7)の上流に配置された第1の隔離弁(9)を有していることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のガスサンプリング装置。
【請求項12】
前記弁(9,10,11)のシステムは、前記第1の圧力レギュレータ(7)と収集のためのコンテナ(8)との間に配設された第2の隔離弁(10)を有していることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか1項に記載のガスサンプリング装置。
【請求項13】
前記弁(9,10,11)のシステムは、前記収集のためのコンテナ(8)の下流に配置された第3の隔離弁(11)を有していることを特徴とする、請求項12に記載のガスサンプリング装置。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか1項に記載のガスサンプリング装置を具備する、水素タンクを充填するための充填ステーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、ガスサンプリング装置に、及び、このような装置を備えているタンク充填ステーションに関している。
【背景技術】
【0002】
水素に含まれている不純物は、車両及び他の移動装置に装着されているプロトン交換膜燃料電池(PEMFC)の動作に悪影響を及ぼす可能性がある。これの運転と寿命とを最適にするために、燃料電池に供給される水素は、国際標準で定められている厳しい品質の要求を満たすことが必要である。
【0003】
ほとんどの水素は、天然ガスの水蒸気改質(これは、最も一般的に使用されている)、又は、石炭のガス化反応のような工業的なブロセスにより、一般的に製造されている。又、水素は、バイオマスのガス化反応又は水の電気分解のような一般的なプロセスによっても、少しであるが、製造可能である。
【0004】
純化プロセスは、非常に高純度(環境に依存して99.9%の優れた純度)の水素を生成することを可能にしている。このような高純度の水素でも、製造プロセス、及び、又生成源(天然ガス、石炭、ナフサ、バイオマス、水、等)に直接依存している性質と濃度とを有する不純物を含んでいる可能性がある。特定の不純物(一酸化炭素CO、硫化水素H
2S、アンモニアNH
3)は、プロトン交換膜燃料電池の動作に可逆的、場合によっては非可逆的な影響を及ぼす。他の不純物(二酸化炭素、酸素、炭化水素、ホルムアルデヒド、等)は、燃料電池の動作にほとんど影響を及ぼさない。
【0005】
全ての不純物が、解析される種の性質と濃度とを規定しているISO規格 14687−2にリストアップされている。
【0006】
水素の質を実験室解析技術を使用してチェックするためには、水素のサンプルは、使用している地点で、即ち、充填ステーションの高圧(例えば、350bar乃至700bar)のガス出口で、採取される必要がある。
【0007】
多くの不純物は、解析することが比較的難しい。望まれた非常な低レベル(例えば、H
2Sの場合には、1ppbのオーダーであり、COの場合には約200ppbのオーダーである)の濃度
と所定の物質に対する所定の種(H
2S、NH
3)の反応性とは、特に求めているサンプリング技術を必要としている。
【0008】
上記解析に関連している技術的な制限が、多く有り、特に以下の制限がある。
・解析されるガスの圧力と流量とは、高い。
・汚染物質の吸収を制限するために、物質の化学的不活性化を行う必要がある。
・装置は、高い純度を呈することが必要である。
・使用されるハードウエアは、高圧に適応されることが必要である。
・装置は、安全性の制約(”AYEX”爆発雰囲気規格)を満たす必要がある。
【0009】
非常に少ない量(ppb = 部/10億 parts per billion)であっても、汚染物質が入るリスクが無くて、代表的な水素のサンプルを採取する可能性が、充填されるタンクに供給される燃料の質を評価することができるのを必要としているので、キイとなっている。
【0010】
水素のサンプルに関するASTM規格がある。
文献CN101418908A1は、サンプリング装置を備えている水素タンクの充填ステーションを開示している。この充填ステーションは、充填されるタンクに供給される流れを規定する規定部材の上流でサンプリングガスをサンプリングするための出口コネクターを有している。
【0011】
このような装置は、充填がなされているのと同時に、ガスのサンプリングを可能にしているが、サンプリングされた水素が、車両が充填されている状態のもとであるという補償は無い。更に、この装置は、比較的高圧で圧縮可能な成分の使用を必要とし、又、ガスの純化の目的とは反する場合がある。
【0012】
サンプリングの原理は、又、充填ステーション構築にとって比較的複雑で高コストの設備を必要としている。
【発明の概要】
【0013】
本願発明の目的は、上述された従来技術の欠点の全て又は一部を改善することである。
この目的のために、本願発明に係わるサンプリング装置は、上位概念で与えられた総括の限定に従った他の態様では、水素タンクの充填ステーションのためのガスサンプリングの装置であって、充填ステーションの出口コネクターに取り外し可能に接続される入口コネクターを備えた第1の上流端部と、前記入口コネクターに並列に接続されているサンプリングパイプ及び充填パイプの2つのパイプとを有する回路を具備し、前記サンプリングパイプは、弁のシステムと、第1の圧力レギュレータと、前記第1の圧力レギュレータにより膨張されたガスのサンプルを収集するためのコンテナとを有し、又、前記充填パイプは、充填されるタンクの入口コネクターに取り外し可能に接続される第1の出口コネクターを備えた下流端部を有することを特徴としている。
【0014】
更に、本願発明の所定の実施の形態は、以下の態様の1又は複数を有し得る。
・前記サンプリングパイプは、前記入口コネクターと第1の圧力レギュレータとの間で、前記第1の圧力レギュレータの上流に位置された少なくとも1つの校正オリフィスを有している、
・前記サンプリングパイプは、前記第1の圧力レギュレータと前記収集のためのコンテナとの間で、前記第1の圧力レギュレータの下流に位置された校正オリフィスを有している、
・前記サンプリングパイプは、前記入口コネクターと第1の圧力レギュレータとの間に位置され、第1の圧力レギュレータの上流で互いに直列に配置された第1の校正オリフィスと第2の校正オリフィスとを有し、前記第1の校正オリフィスは、前記第2の校正オリフィスの開口のディメンションよりも大きいディメンションの開口を有している、
・前記サンプリングパイプは、前記収集のためのコンテナの下流に、弁と、前記収集のためのコンテナからサンプルのガスを取り出すための第2の出口コネクターとを有している、
・前記サンプリングパイプは、前記収集のためのコンテナと第2の出口コネクターとの間に位置された第2の圧力レギュレータを有している、
・前記回路は、少なくとも1つの圧力感知リリーフ弁を備えた通気バイプを具備し、前記通気パイプは、この装置の外に開口している下流排出端部と、前記収集のためのコンテナの上流で、前記サンプリングパイプに接続された第1の上流端部とを有している、
・前記通気パイプは、前記収集のためのコンテナの下流で、前記サンプリングパイプに接続された第2の上流端部を有している、
・前記排気パイプは、弁と一方向チェック弁とを備えた第3の上流端部を有し、前記第3の上流端部は、前記収集のためのコンテナの上流で、前記サンプリングパイプに接続されている、
・前記通気パイプは、弁(26)と一方向チェック弁とを備えた第4の上流端部を有し、前記第4の上流端部は、前記収集のためのコンテナの上流で、前記サンプリングパイプに接続されている、
・前記弁のシステムは、前記第1の圧力レギュレータの上流に配置された第1の隔離弁を有している、
・前記弁のシステムは、前記第1の圧力レギュレータと収集のためのコンテナとの間に配設された第2の隔離弁を有している、
・前記弁のシステムは、前記収集のためのコンテナの下流に配置された第3の隔離弁を有している、
・この装置は、手動可搬型の移動可能なユニットに組み込まれる、
・前記第1のレギュレータは、10と100barとの間、例えば、15と50barとの間の所定の値にガスの圧力を低下するように設定されている、
・前記第2のレギュレータは、1.5と5barとの間、好ましくは、2と3barとの間の所定の値にガスの圧力を低下するように設定されている、
前記収集のためのコンテナは、化学的に不活性化された、即ち、反応性の成分が吸収及び/又は分解される現象を無くすか制限するようなSulfinert (登録商標)タイプの特に方法により処理された内面を有し得る、
・本願発明は、又、上記又は下記の態様のいずれか1に係わるガスサンプリングの装置を具備し、水素タンクを満たすための充填ステーションに関している。
【0015】
他の態様及び効果は、図を参照して示された以下の説明を読むことにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、水素充填ステーションと共同するサンプリングの装置の構成の一例を示す概略的な部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図に示された、水素タンクの充填ステーションのためのガスサンプリング装置は、流体回路2,3,5を有している。この流体回路は、充填ステーション34の出口コネクター6に、取外し可能に接続される入口コネクター4が設けられた第1の上流端部を有している。
【0018】
注目することは、このサンプリング装置は、タンク14又は車両13に接続されるように意図されたガス出口ノズル6の所の、充填ステーションの下流側端部に直接に取り外し可能に接続され得る、ことである。
【0019】
同様に、サンプリング装置は、オリフィスの所で、充填ステーションの下流側の出口に接続され得る。このオリフィスは、充填されるタンクに接続されるように意図された燃料充填ガン又はオリフィスに装着されているホースに一般的に接続されるように意図されている。注目することは、この充填装置は、その場で、ステーションのガス吐出ホースの上流又は下流で゛、ホースに接続され得ることである。
【0020】
このサンプリグ装置の回路は、2つのパイプ2,5を有しており、これらパイプは、夫々、サンプリングパイプ2と充填パイプ5とであり、入口コネクターに並列接続されている。
【0021】
前記充填パイプ5は、充填されるタンク13,14の入口コネクター35に取り外し可能に接続されるように意図されている。この充填パイプ5には、好ましくは、圧力レギュレータ又は調節弁(これら部材は、ステーション34の回路の上流にある)が設けられていない。ステーション34は、自身の排気回路42を、特に、有している。
【0022】
反対に、前記充填パイプ5は、ホースが外れた場合のリークを防止する安全弁37を、好ましくは、有している。
【0023】
前記サンプリングパイプ2は、これの一部として、弁9,10,11と、第1の圧力レギュレータ7と、この第1の圧力レギュレータ7により膨張されたガスのサンプルを集めるための収集コンテナ8とのシステムを有している。
【0024】
前記サンプリングパイプ2は、前記第1の圧力レギュレータ7の上流に直列に配設された、即ち、前記入口コネクター4と第1のレギュレータ7との間に配置された、少なくとも1つ、好ましくは2つの校正オリフィスを有している。即ち、サンプリングパイプ2は、第1の校正オリフィス15と第2の校正オリフィス16とを有しており、第1の校正オリフィス15は、第2の校正オリフィス16の開口のディメンションよりも大きいディメンションの開口を有している。
【0025】
例えば、前記第1の校正オリフィス15は、0.5と2mmとの間の、好ましくは1mmのディメンションの開口を有しており、一方、前記第2の校正オリフィス16は、100μmと300μmとの間の、好ましくは、200μmのディメンションを有している。
【0026】
図示されているように、前記サンプリングパイプ2は、前記第2の校正オリフィス16と第1のレギュレータ7との間で、前記第1のレギュレータ7の上流に配設される第1の隔離弁9を有し得る。
【0027】
前記サンプリングパイプ2は、好ましくは、例えば、前記第2の校正オリフィス16と第1の隔離弁9との間で、前記第1のレギュレータ7の上流に配置された第1の圧力ゲージ38を有している。
【0028】
勿論、他の配置が可能であり、例えば、前記第1の隔離弁9は、第1の校正オリフィス15と第2の校正オリフィス16との間に配置され得る(前記第1の圧力ゲージ38も同様であり得る)。
【0029】
図示されているように、前記サンプリングパイプ2は、好ましくは、前記第1のレギュレータ7と収集コンテナ8との間に配設された第2の隔離弁10を有している。
【0030】
更に、更なる校正オリフィス17が、第1のレギュレータ7の下流に、即ち、第1のレギュレータ7と収集チャンバ8との間に、配設され得る。この校正オリフィス17は、例えば、200と900μmとの間の、例えば、500μmのディメンションの開口を有している。
【0031】
更に、第2の圧力ゲージ39が、前記第1のレギュレータ7と収集チャンバ8との間に、例えば、前記校正オリフィス17と第1のレギュレータ7との間に設けられ得る。
【0032】
図示されている例では、前記サンプリングパイプ2は、前記収集コンテナ8の下流に、第3の弁11と、第2のレギュレータ18(オプションである)と、収集コンテナ8から取り出されたガスを排出するための第2の出口コネクター19(好ましくは、自己封止型)とを有している。
【0033】
前記第2の隔離弁10と第3の隔離弁11とは、コンテナ8内のサンプルをこれの上流側のオリフィスと下流側のオリフィスとに対して隔離することを可能にしている。
【0034】
図示されているように、第3の圧力ゲージ40が、コンテナ8の下流(コンテナ8と第3の弁11との間)に設けられ得る。第4の圧力ゲージ41が、第2のレギュレータ18の下流に設けられ得る。
【0035】
最後に、この回路は、少なくとも1つの圧力感知リリーフ弁20,22を備えている通気パイプ3を有している。この通気パイプ3は、装置の外に開口している下流排出端部33を有している。この通気パイプ3は、前記収集コンテナ8上流で、第1の圧力感知リリーフ弁20を介して、前記サンプリングパイプ2に接続された第1の上流端部21を有している。
【0036】
前記通気パイプ3は、例えば、前記第2の出口コネクター19と第2の圧力レギュレータ18との間の、前記収集コンテナ8の下流で、前記サンプリングパイプ2に接続された第2の上流端部23を有している。この第2の上流端部23は、第2の圧力感知リリーフ弁22を介して前記サンプリングパイプ2に接続され得る。
【0037】
前記通気パイプ3は、バルブ41と一方向チェック弁42とを備え、例えば、前記第1のレギュレータ7と第3の校正オリフィス17との間で、収集コンテナ8の上流で前記サンプリングパイプ2に接続された第3の上流端部24を有している。前記弁41は、使用の最後に通気パイプ3を介して回路を減圧することを可能にしている。
【0038】
前記通気パイプ3は、弁26と一方向チェック弁27とを備え、前記第2のレギュレータ18の下流で前記サンプリングパイプ2に接続された第4の上流端部25を有している。前記弁26は、前記第2の出口コネクター19の上流で、サンプリング回路の下流部分でのバージを可能にしている。
【0039】
前記一方向チェック弁27,42は、関連した弁26,41が開成されているときの、空気による回路の汚染を防止する。
【0040】
前記レギュレータ7,18の下流に位置している安全リリーフ弁20,22は、レギュレータ7,18の故障のときに、通気パイプ3へと過度圧(overpressure)が排出されることを可能にしている。好ましくは、通気パイプ3の下流端部は、可燃性ガスを使用者から排出させるために適切な長さ(例えば、3メートル)のコレクターを形成している。
【0041】
通気回路は、充填されるタンクとの接続を与える充填パイプ5(好ましくはホース)のパージを可能にしている。
これは、タンクの汚染を防止する。サンプルが、使用し尽くされた後に車両が使用されることを可能にしている。
【0042】
かくして、前記校正オリフィス15,16は、解析のためのサンプルになるように意図されているガスの汚染が無く、レギュレータ7及びタンク8へのガスの流れの流量を制限することを可能にしている。
【0043】
更に、このような下流への流量を制限することにより、これら校正オリフィス15,16は、排気回路の圧力感知リリーフ弁20,22と、排気回路のコレクター3とのサイズを減少させることを可能にさせている。
【0044】
前記第3の校正オリフィス17は、これ自体で、収集コンテナ8が満たされる流量を制限することを可能にさせている。このことは、コンテナの充填に従ったコンテナの過度の加熱を防止することを可能にしている。
【0045】
前記コンテナ8の下流に配置されている前記第2のレギュレータ18は、例えば、解析器の技術特性と矛盾のない状態のもとで、サンプルのガスを分散させるために、圧力の更なる減少を可能にしている。
【0046】
2つのサンプリング及び充填パイプが、入口コネクター4が、充填ステーション34のガス出口6に接続されているときに、同時に動作させ得る。これら2つのラインは、高圧での車両のタンク13,14の充填と、コンテナ8への低圧でのガスのサンプルの回収とを夫々果たす。
【0047】
少量の不純物の解析のためのガスのサンプリングは、技術的なデザイン、清潔さ、表面処理、及び、表面状態の面から、適切なハードウエア(弁、レギュレータ、チューブ、シリンダー、等)の使用を含んでいる。
【0048】
前記第1のレギュレータ7の下流で得られる低圧(100bar未満の圧力)は、適切なハードウエアが容易に見つかることを意味している。
【0049】
前記第1のレギュレータ7が、制御されるタイプのものでない場合には、圧力の傾斜と、目標とする圧力とは、下流で制御され得る。これは、低圧及び低い流量でのサンプリングを可能にしている。かくして、コンテナ8に収容されている水素は、実験室で解析可能である(例えば、不純物は、燃料電池への適用のために測定され得る)。
【0050】
簡単かつ安価な構造であるけれども、提案されている解決策は、充填ステーション34の出口での水素のサンプリングのための新規なシステムを構成している。サンプリングは、タンクの充填と同様の状態の基で、同時になされ得る。
【0051】
この装置は。充填ステーション34(又は、バッファー貯蔵タンク)と、車両13との間に、ハードウエアを変更する必要が無く、上述した接続部を使用して、直接に介在され得る。
【0052】
前記圧力ゲージ38,39,40(これらはオプションである)は、回路の種々の箇所の圧力を表示する。
【0053】
かくして、このサンプリング装置は、例えば、0.1と0.3m3との間の体積と5と35kgの質量とを有する手動可搬型の移動可能なユニット(manually transportable mobile unit)3
6に組み込まれ得る。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 水素タンクの充填ステーションのためのガスサンプリングの装置であって、充填ステーション(34)の出口コネクター(6)に取り外し可能に接続される入口コネクター(4)を備えた第1の上流端部と、前記入口コネクター(4)に並列に接続されているサンプリングパイプ(2)及び充填パイプ(5)の2つのパイプ(2,5)とを有する回路(2,3,5)を具備し、前記サンプリングパイプ(2)は、弁(9,10,11)のシステムと、第1の圧力レギュレータ(7)と、前記第1の圧力レギュレータ(7)により膨張されたガスのサンプルを収集するためのコンテナ(8)とを有し、又、前記充填パイプ(5)は、充填されるタンク(13,14)の入口コネクター(35)に取り外し可能に接続される第1の出口コネクター(12)を備えた下流端部を有する、装置。
[2] 前記サンプリングパイプ(2)は、前記入口コネクター(4)と第1の圧力レギュレータ(7)との間で、前記第1の圧力レギュレータ(7)の上流に位置された少なくとも1つの校正オリフィス(15,16)を有していることを特徴とする[1]に記載の装置。
[3] 前記サンプリングパイプ(2)は、前記第1の圧力レギュレータ(7)と前記収集のためのコンテナ(8)との間で、前記第1の圧力レギュレータ(7)の下流に位置された校正オリフィス(17)を有していることを特徴とする[1]又は[2]に記載の装置。
[4] 前記サンプリングパイプ(2)は、前記入口コネクター(4)と第1の圧力レギュレータ(7)との間に位置され、第1の圧力レギュレータ(7)の上流で互いに直列に配置された第1の校正オリフィス(15)と第2の校正オリフィス(16)とを有し、前記第1の校正オリフィス(15)は、前記第2の校正オリフィス(16)の開口のディメンションよりも大きいディメンションの開口を有していることを特徴とする[1]乃至[3]のいずれか1項に記載の装置。
[5] 前記サンプリングパイプ(2)は、前記収集のためのコンテナ(8)の下流に、弁(11)と、前記収集のためのコンテナ(8)からサンプルのガスを取り出すための第2の出口コネクター(19)とを有していることを特徴とする[1]乃至[4]のいずれか1項に記載の装置。
[6] 前記サンプリングパイプ(2)は、前記収集のためのコンテナ(8)と第2の出口コネクター(19)との間に位置された第2の圧力レギュレータ(18)を有していることを特徴とするを特徴とする[5]に記載の装置。
[7] 前記回路(2,3,5)は、少なくとも1つの圧力感知リリーフ弁(20,22)を備えた通気バイプ(3)を具備し、前記通気パイプ(3)は、この装置の外に開口している下流排出端部(33)と、前記収集のためのコンテナ(8)の上流で、前記サンプリングパイプ(2)に接続された第1の上流端部(21)とを有していることを特徴とする[1]乃至[6]のいずれか1項に記載の装置。
[8] 前記通気パイプ(3)は、前記収集のためのコンテナ(8)の下流で、前記サンプリングパイプ(2)に接続された第2の上流端部(23)を有していることを特徴とする[7]に記載の装置。
[9] 前記排気パイプ(3)は、弁(41)と一方向チェック弁(42)とを備えた第3の上流端部(24)を有し、前記第3の上流端部(24)は、前記収集のためのコンテナ(8)の上流で、前記サンプリングパイプ(2)に接続されていることを特徴とする[8]に記載の装置。
[10] 前記通気パイプ(3)は、弁(26)と一方向チェック弁(27)とを備えた第4の上流端部(25)を有し、前記第4の上流端部(25)は、前記収集のためのコンテナ(8)の上流で、前記サンプリングパイプ(2)に接続されていることを特徴とする[9]に記載の装置。
[11] 前記弁(9,10,11)のシステムは、前記第1の圧力レギュレータ(7)の上流に配置された第1の隔離弁(9)を有していることを特徴とする[1]乃至[10]のいずれか1項に記載の装置。
[12] 前記弁(9,10,11)のシステムは、前記第1の圧力レギュレータ(7)と収集のためのコンテナ(8)との間に配設された第2の隔離弁(10)を有していることを特徴とする[1]乃至[11]のいずれか1項に記載の装置。
[13] 前記弁(9,10,11)のシステムは、前記収集のためのコンテナ(8)の下流に配置された第3の隔離弁(11)を有していることを特徴とする[12]に記載の装置。
[14] この装置は、手動可搬型の移動可能なユニット(34)に組み込まれることを特徴とする[1]乃至[13]のいずれか1項に記載の装置。
[15] [1]乃至[14]のいずれか1項に記載のガスサンプリングの装置を具備する、水素タンクを充填するための充填ステーション。