(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0024】
本願では、Hot start PCRで既存の抗体を代替できる、Taqポリメラーゼに特異的に結合する非抗体タンパク質骨格(non-antibody protein scaffold)のポリペプチドの開発に成功した。
【0025】
本願に係るポリペプチドは、「リピボディ(repebody)」と称し、これはインターナリンB(Internalin B)タンパク質のN−末端、VRL(VariableLymphocyte Receptor;可変リンパ球受容体)の変形されたLRR(Leucine richrepeat)モジュール及びVRLタンパク質のC−末端が融合したポリペプチドで、構造上窪んだ地域(Concave)と膨らんだ地域(Convex)に分けられる。ここで、窪んだ地域は配列の多様性が高くタンパク質相互作用に重要な部位であり、膨らんだ地域は保存性が高い配列を基にタンパク質の全体構造を安定するように維持する役割を行う。モジュールは、複数を含み、特徴に応じてLRR1、LRRV1、LRRV2、LRRV3、LRRV4、LRRV5、及びLRRVeのように区分され、前記モジュール中一つ以上が欠如され得る。リピボディの詳細な製造方法及び構造は、大韓民国登録特許第1356076号及び大韓民国登録特許第1517196号に記載されたものを参照することができる。
【0026】
リピボディは、大きさが抗体の1/5程度で、大腸菌で大量生産され、動物実験結果、免疫原性が殆どない。また、熱及びpH安定性が非常に優秀で、ターゲットに対する結合力をpico−mole水準にまで非常に容易に増大させることができ、ターゲットに対する特異性が非常に卓越して抗体を代替できる代案として非常に有用である。
【0027】
特に、リピボディに含まれた「LRR(Leucine rich repeat)モジュール」は、ロイシンが一定の位置に繰り返される長さ20〜30個のアミノ酸で繰り返しパターンで「LxxLxxLxLxxN」を有していて、Lはアラニン、グリシン、フェニルアラニン、チロシン、ロイシン、イソロイシン、バリン及びトリプトファンのような疏水性アミノ酸を、Nはアスパラギン、グルタミン、セリン、システインまたはスレオニンを、xは任意のアミノ酸を意味する。
【0028】
本願では、
図1に示したようにリピボディ構造に基づいてLRRモジュールの特定アミノ酸に突然変異を導入して、結合力を増大させる方式で順次突然変異ライブラリー製作して、これからTaq DNAポリメラーゼに特異的に結合してこれの活性を効果的に阻害できる非抗体骨格のポリペプチドを選別した。
【0029】
本願に係るポリペプチドは、低い温度、特にPCR反応で開始変性(initial denaturation)反応が始まる前、または、非特異的プライマーアニーリングとこれによるDNA合成が可能な温度でプライマーアニーリング温度に応じて異なり得るが、例えば50〜60℃または50℃以下ではTaq DNAポリメラーゼに結合してこれの活性を阻害して、PCR変性温度では変性されながら分離して、Taq DNAポリメラーゼを再活性化させる熱的安定性を有するTaq DNAポリメラーゼ抑制剤である。
【0030】
本願では、より効率的なリピボディを発掘するために、ライブラリー構築に鋳型で使用されるリピボディの変性温度を低くしようとした。これのために、上述した参考文献に記載されたような既存のリピボディに含まれたモジュール中、特にLRRV4モジュールが除去される。リピボディは、モジュールの個数が熱的安定性に影響を及ぼし、本願の目的に合う熱的安定性を有する抑制剤の開発のために1個のモジュールが欠如したリピボディを鋳型で使用してライブラリーを製作した。リピボディの凹(concave)領域でライブラリーを生成して標的物質に特異的に結合するリピボディを選別する方式で順次的スクリーニングを介してリピボディと標的物質間のinterface(結合部位)に存在する残基の間の相互作用の最適化を介して結合力の向上を図った。
【0031】
また、本願では結合力をより向上させるために、3回にわたって順次突然変異を導入して一番目の段階で最も高い結合力をクローンを利用して二番目の段階のライブラリーを製作して、二番目の選別段階で最も高い結合力を示したクローンを利用して三番目の段階のライブラリーを製作した。
【0032】
本願において一番目の段階では、凹領域LRRV2及びLRRV3の配列番号1の残基を基準に91、93、94、115、117及び118番残基に突然変異を誘発して、Taqポリメラーゼに特異的に結合するポリペプチドを選別した後、これを利用して凹領域LRRV1、及びLRR1領域に順次67、69、71及び72番残基に2次、そして45、47、49及び50番に3次突然変異を誘発して、Taqポリメラーゼに対する結合力が増加するポリペプチドを選別した。
【0033】
そこで、一様態で本願は、インターナリンBタンパク質のN−末端;VLR(Variable Lymphocyte Receptor)タンパク質の変形された繰り返しモジュール;及びVLRタンパク質のC−末端が融合した、配列番号1のアミノ酸配列で表されるポリペプチドに関し、前記配列で45番残基はQ、S、R、Y、V、またはN;47番残基はI、T、K、A、またはQ;49番残基はN、H、L、MまたはI;67番残基はY、R、AまたはK;69番残基はAまたはK;72番残基はGまたはA;91番残基はI、またはS;93番残基はTまたはW;94番残基はGまたはL;115番残基はVまたはS;117番残基はVまたはH;及び118番残基はEまたはWである。
【0034】
本願で「Taq DNAポリメラーゼ(Taq DNA polymerase)」は、熱親和性バクテリアであるThermus aquaticusから由来した酵素またはこれと同等の活性を示すその誘導体または変異体を含むもので、様々な会社から市販しているものを購入することができる。本願に係るポリペプチドが結合できる限り、突然変異が誘発された様々な形態及び/または由来のTaq DNAポリメラーゼが本願に含まれる。
【0035】
上述した通り、本願に係るポリペプチドは、選別回数が増加するほど導入される突然変異の数が増加して、結合力が増加するが、各回数でTaqポリメラーゼに対する結合力を根拠に選別されるため、3回目はもちろん1次及び2次で選別された突然変異も本願の範囲に含まれるものである。
【0036】
また、順次的方式で各回次で上述した残基の位置で人為的に突然変異を誘発を試みたもので、前記いずれの位置で必ずしも突然変異が誘発されるべきではなく、各回数で選別された突然変異リピボディも本願に含まれるものである。また、結合力を有する限り前記一つ以上の位置で突然変異が発生したポリペプチドが本願に含まれる。
【0037】
本願に突然変異の位置は、当業者の自明でない努力により選別された。具体的に、一番目の段階の選別では、リピボディのLRRV2、LRRV3の残基中で凹領域の中央に該当する位置に突然変異を誘発して初期選別されたリピボディ(G6)を鋳型として次の段階の選別では、最初にライブラリーを製作した二つのモジュールの両側にモジュールを一つずつ突然変異を追加的に与えて結合力を増大させたが、C−末端部位のモジュール部位の突然変異は除いた。したがって、Taq DNAポリメラーゼに結合するリピボディはLRRV2のN−末端モジュールであるLRRV1に二番目のライブラリーを与えて結合力が増大したクローン(G6E1)を発掘して、次にLRR1に三番目のライブラリーを与えて結合力がさらに増大したクローンである(G6E1H8)を発掘した。
【0038】
特に、1回目の選別で最も結合力が優秀なポリペプチドを2回目の選別に使用して、2回目の選別で突然変異誘発に使用された残基中の一つ以上の残基で突然変異が発生されたポリペプチドが本願に含まれる。同様に2回目の選別で最も結合力が優秀なポリペプチドを3回目の選別に使用して、3回目の選別で突然変異誘発に使用された残基中の一つ以上の残基で突然変異が発生したポリペプチドが本願に含まれる。
【0039】
したがって、他の様態で本願は下記の配列を有するTaq DNAポリメラーゼに選択的に結合するポリペプチドに関し、1次スクリーニングにより選別されたポリペプチドで91番残基はS;93番残基はW;94番残基はL;115番残基はS;117番残基はH;及び118番残基はWを有し、他の位置、すなわち67番、69番、72番、45番、47番及び49番残基は上述したような一つ以上の残基を有するポリペプチドである。
【0040】
同様に、また他の様態において本願は、下記の配列を有するTaq DNAポリメラーゼに選択的に結合するポリペプチドに関し、1次スクリーニングにより選別されたポリペプチドで91番残基はS;93番残基はW;94番残基はL;115番残基はS;117番残基はH;そして118番残基はW;そしてここに2次スクリーニングにより選別された67番残基はR;69番残基はK;72番残基はAであり、他の位置、すなわち45番、47番及び49番残基は上述したような一つ以上の残基を有するポリペプチドである。
【0041】
一実現例において、本願に係るTaqポリメラーゼに対する結合力を有するポリペプチドは、配列番号3〜配列番号13で表される。
【0042】
しかし、本願に係るペプチドは前記のような配列に限定されず、これの生物学的均等物(biological equivalents)を含むものである。生物学的均等物とは、本願に開示されたアミノ酸配列に追加的な変形を加えたが、本願に係るポリペプチドと実質的に同じ活性を有するもので、このような変形は、例えばアミノ酸配列残基の欠失、挿入及び/または置換を含むものである。
【0043】
一実現例においては、本願に係るTaqポリメラーゼに対する結合力を有するポリペプチドに保存的アミノ酸置換が起きたものを含む。
【0044】
保存的アミノ酸置換(conservative amino acid substitution)とは、特定ポリペプチドが有する活性に実質的に影響を及ぼすか減少させない置換を意味し、例えば、1〜15個の保存的置換、1〜12個、例えば1、2、5、7、9、12、または15個の保存的アミノ酸置換を含むことができる。
【0045】
一実現例においては、本願に係る配列番号3〜配列番号13で表されるポリペプチドで保存的置換が起きたもので、特に前記ポリペプチドの91番、93番、94番、115番、117番、118番、67番、69番、72番、45番、47番及び49番残基中一つ以上に保存的置換が起きたものである。
【0046】
他の実現例においては、配列番号3〜配列番号13で表されるポリペプチドで保存的置換が起きたもので、特に前記ポリペプチドの91番、93番、94番、115番、117番、118番、67番、69番、72番、45番、47番及び49番残基に付加して、こらら以外の一つ以上の残基で保存的置換が発生したものを含む。
【0047】
また他の実現例においては、配列番号3〜配列番号13で表されるポリペプチドで保存的置換が起きたもので、特に前記ポリペプチドの91番、93番、94番、115番、117番、118番、67番、69番、72番、45番、47番及び49番残基以外の一つ以上の残基で保存的置換が発生したものを含む。
【0048】
保存的アミノ酸置換は当業界に知られたものであって、例えばBlosum(BLOcks SUbstitution Matrix)に基づいた表1に記載されたとおりであり、Creighton(1984)Proteins.W.H.Freeman and Company(Eds);及びHenikoff,S.;Henikoff,J.G.(1992).「Amino AcidSubstitution Matrices from Protein Blocks」.PNAS89(22):10915-10919.doi:10.1073/pnas.89.22.10915;WO2009012175 A1等に記載されたのを参照することができる。
【0050】
本願に係る実現例においては、配列番号3〜配列番号13で表されるアミノ酸配列及び前記配列に保存的置換が起きた配列を含むものである。
【0051】
特に、配列番号3〜13で表されるアミノ酸配列で残基中45番、47番、49番、67番、69番、72番、91番、93番、94番、115番、117番、及び118番残基中一つ以上で保存的置換が起きたものを含む。一例として、本願に係る配列番号13のアミノ酸配列で表されるポリペプチドで、保存的置換を考慮して、45番残基はS、T、A、またはN;47番残基はK、R、Q、E、またはN;48番残基はA、S、G、またはT;49番残基はI、L、V、M、またはF;67番残基はR、K、Q、またはH;69番残基はK、R、Q、E、またはN;72番残基はA、S、G、またはT;91番残基はS、T、A、またはN;93番残基はW、Y、またはF;94番残基はL、I、V、M、またはF;115番残基はS、T、A、またはN;117番残基はH,N、Q、R、またはY;及び118番残基はW、Y、または、Fであり得る。
【0052】
さらに、上述したような生物学的均等活性を有する変異を考慮すると、本願に開示されたアミノ酸配列または後述するようにこれをコードするポリヌクレオチドは、本願に開示されたのと実質的同一性を有するものも含まれる。実質的同一性とは、本願に開示された配列と任意の他の配列を最大限対応するようにアラインして、当業界で通常利用されるアルゴリズムを利用してアラインされた配列を分析した場合に、少なくとも61%の相同性、より好ましくは70%の相同性、さらに好ましくは80%の相同性、最も好ましくは90%の相同性を示す配列を意味する。配列比較のためのアラインメント法は当業界に公知されている。例えば、Smith and Waterman,Adv.Appl.Math.(1981)2:482; Needleman andWunsch,J.Mol.Bio.(1970)48:443; Pearson and Lipman,Methods inMol.Biol.(1988)24:307-31; Higgins and Sharp,Gene(1988)73:237-44; Higginsand Sharp,CABIOS(1989)5:151-3; Corpet et al.,Nuc.Acids Res.(1988)16:10881-90;Huang et al.,Comp.Appl.BioSci.(1992)8:155-65及びPearsonet al.,Meth.Mol.Biol.(1994)24:307-31に開示されている。NCBIBasic Local Alignment Search Tool(BLAST)(Altschul et al.,J.Mol.Biol.(1990)215:403-10)はNBCIなどで接近可能で、blast,blastp,blasm,blastx,tblastn及びtblastxのような配列分析プログラムと連動されて利用することができる。BLSATはwww.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/で接続可能で、このプログラムを利用した配列相同性比較方法は、www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/blast_help.htmlで確認することができる。
【0053】
他の側面で本願はさらに、上述した本願に係るポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、前記ポリヌクレオチドを含む組換えベクター及び前記組換えベクターが導入された細胞に関する。
【0054】
一実現例において本願に係るポリヌクレオチドは、配列番号14〜24で表されるが、これに制限されず、アミノ酸コード配列の縮重変異(degeneracy)によって変形されたポリヌクレオチドをさらに含むものであり、上述したような実質的同一性を有するのを含むものである。
【0055】
さらに本願に係るポリヌクレオチドDNAまたはRNAを含むものである。
【0056】
本願に係るポリヌクレオチドは、様々な目的、例えば生産のために適切なベクターに導入されて使用できる。例えば、適した宿主内で目的タンパク質を発現させることができるように適した調節配列、例えば転写を開始することができるプロモーター、このような転写を調節するための任意のオペレーター配列、適したmRNAリボソーム結合部位をコードする配列、及び転写及び解読の終結を調節する配列に作動可能に連結されて使用できる。このような本願に係るポリヌクレオチドが導入できるベクターまたはプラスミドは、宿主で複製可能なものであれば特に制限されず、具体的な目的に合わせて公知された任意のベクターが使用でき、天然、または組換えプラスミド、ファージミド、コスミド、ウイルス及びバクテリオファージが挙げられる。例えば、ファージベクターまたはコスミドベクターとして、pWE15、M13、λMBL3、λMBL4、λIXII、λASHII、λAPII、λt10、λt11、Charon4A、及びCharon21A等を使用することができ、プラスミドベクターとして、pBR系、pUC系、pBluescriptII系、pGEM系、pTZ系、pCL系及びpET系ベクター、例えばpACYC177、pACYC184、pCL、pECCG117、pUC19、pBR322、pMW118、pCC1BAC、pET−21a、pET−32aベクターなどを使用することができる。
【0057】
本願に係るポリヌクレオチドを含むベクターは、適当な宿主内に導入されて使用できて、宿主ゲノムと関係なく複製されたり機能することができ、ゲノム自体に統合されることができる。
【0058】
本願に係るポリヌクレオチドまたはこれを含むベクターを含む細胞は、真核細胞及び原核細胞を含む。例えば、特にこれに制限されないが、大腸菌、ストレプトマイセス、サルモネラ・ティフィムリウム等のバクテリア細胞;酵母細胞;ピキア・パストリス等の真菌類細胞;ドロソフィラ、スポドプテラSf9細胞等の昆虫細胞;CHO、COS、NSO、293、ボウズメラノーマ細胞等の動物細胞;または植物細胞になり得る。本願に係るポリヌクレオチドは、DNA及びRNAを含み、宿主細胞内に導入されて発現のために様々な形態で導入されることができる。例えば、前記ポリヌクレオチドは、自主的に発現するのに必要な全ての要素を含む遺伝子構造体である発現カセット(Expression cassette)の形態で宿主細胞に導入されることができる。前記発現カセットは、通常前記ポリヌクレオチドに作動可能に連結されているプロモーター(promoter)、転写終結信号、リボソーム結合部位及び翻訳終結信号を含む。前記発現カセットは、自己複製が可能な発現ベクターの形態であり得る。また、前記ポリヌクレオチドは、それ自体の形態で宿主細胞に導入されて、宿主細胞で発現に必要な配列と作動可能に連結されているものであってもよい。
【0059】
他の側面で本願はさらに、本願に係る多数のポリペプチドで構成されたホモまたはヘテロダイマー、または三つのホモまたはヘテロトライマーに関する。
【0060】
本願に係るダイマーまたはトライマーは、各単位体がN−>C末端方向に、またはN末端またはC末端同士が向かい合う方向に連結されてもよいが、本願に係る効果を示す限り特定方向に制限されない。
【0061】
本願に係るポリペプチドは、リンカーを介して連結されることができる。本願に係るポリペプチドの活性に影響を及ぼさない当業界に知られた様々なリンカーが本願に使用されることができる。例えば、Chichili et al.,PROTEIN SCIENCE 2013 VOL 22:153-167の記載を参考にすることができる。一実現例においては、ポリ−グリシンまたはグリシンが豊富なアミノ酸で構成されたリンカーが使用されて、例えばGGG、GGGGG、GGSSGまたはGGSGGなどが使用できるが、これに制限しない。
【0062】
他の側面で本願はさらに(a)前記組換え細胞を培養して培養物を収得する段階;及び(b)前記培養された細胞または培養物から前記ポリペプチドを回収する段階を含むTaq DNAポリメラーゼに特異的に結合するポリペプチドの生産方法に関する。
【0063】
本発明において、前記組換え細胞を培養する段階は、特にこれに制限されないが、公知された回分培養法、連続培養法、流加培養法等によって行われることが好ましく、培養条件は特にこれに制限されないが、塩基性化合物(例:水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたはアンモニア)または酸性化合物(例:リン酸または硫酸)を使用して適正pH(pH5〜9、好ましくはpH6〜8、最も好ましくはpH6.8)を調節することができ、酸素または酸素−含有ガス混合物を培養物に導入させて好気性条件を維持することができ、培養温度は20〜45℃、好ましくは25〜40℃を維持することができ、約10〜160時間培養することが好ましい。前記培養によって生産された前記ポリペプチドは、培地中に分泌されたり細胞内に残留することができる。
【0064】
本発明で、使用される培養用培地は、炭素供給源としては糖及び炭水化物(例:グルコース、スクロース、ラクトース、フルクトース、マルトース、糖蜜、デンプン及びセルロース)、油脂及び脂肪(例:大豆油、ひまわり油、ピーナッツ油及びココナッツ油)、脂肪酸(例:パルミチン酸、ステアリン酸及びリノール酸)、アルコール(例:グリセロール及びエタノール)及び有機酸(例:酢酸)等を個別的に使用するかまたは混合して使用でき;窒素供給源としては、窒素−含有有機化合物(例:ペプトン、酵母抽出液、肉汁、麦芽抽出液、とうもろこし浸漬液、大豆粕粉及びウレア)、または無機化合物(例:硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム及び硝酸アンモニウム)等を個別的に使用するかまたは混合して使用することができ;リン供給源としてリン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、これに相応するナトリウム含有塩等を個別的に使用するかまたは混合して使用できて;その他の金属塩(例:硫酸マグネシウムまたは硫酸鉄)、アミノ酸及びビタミンといった必須成長−促進物質を含むことができる。
【0065】
本発明の前記培養段階で生産されたポリペプチドを回収する方法は、培養方法、例えば灰分式、連続式または流加培養方等に応じて当該分野に公知の適した方法を利用して培養液から目的するポリペプチドを収集することができる。
【0066】
他の側面で本願をさらに本願に係るポリペプチドまたはこれをコードする核酸(ポリヌクレオチド)の用途に関する。
【0067】
本願に係るポリペプチドは、低温で例えば4℃〜50℃でTaq DNAポリメラーゼに結合して、合成開始前まで酵素の活性を抑制して、合成の特異性を増加させる。
【0068】
したがって、本願に係るポリペプチドまたはこれをコードする核酸は、本願に係るポリペプチドが特定温度でTaq DNAポリメラーゼに結合して、これの活性の阻害が必要な様々な用途に使用されることができる。
【0069】
一実現例において本願に係るポリペプチドを有効性分として含有するHot start PCR組成物に関する。本願に係る組成物は、本願に係るポリペプチド以外に、Taqポリメラーゼ、dNTP、Mg
2+またはMn
2+のような2価陽イオン、塩、緩衝液、保存剤及び/または添加剤のようなPCRに必要な成分を追加で含むことができる。前記成分の中で塩の例としては、KCl、NaCl、緩衝液の例としては、Tris−HCl、Sodium−/Potasium phosphate、保存剤の例としては、Glycerol、添加剤の例としては、DMSOが挙げられるが特にこれらに制限されない。具体的な使用目的や用途に応じてHot start PCR組成物はさらに他の活性を有する酵素と共に使用され、例えば、Reverse Transcriptase、Uracil DNA glycosylase、Pfu DNA polymerase、dUTPase、Pyrophosphataseと共に使用されてもよく、この場合該当酵素の活性を現すために必要な組成物が追加で使用されてもよく、変更されてもよい。
【0070】
他の実現例では、ポリペプチドまたはこれを含む組成物を利用したHot start PCR方法に関する。本願に係る方法は、PCR増幅に必要な成分、例えばフォワード及びリバースプライマー、及び鋳型を上述したような本願に係るポリペプチドまたはこれを含むPCR組成物と混合する段階;及び前記混合物をPCRが可能な条件で反応する段階を含む。PCRが可能な条件は、例えば95℃で約1分間反応した後、95℃で10秒間変性、60℃で15秒間ハイブリダイゼーション、72℃で20秒間合成の三段階を1サイクルにして合計45サイクルで行われるが、このような条件で限定されるのではなく、当業者なら増幅される鋳型の特徴、プライマーの特徴、緩衝液の組成等を考慮して適切な条件を選択することができる。
【0071】
他の実現例において本願はさらに、ポリペプチドまたはこれを含む組成物を利用したHot start PCR用途に関し、これについては本願に記載されたのを参照することができる。
【0072】
また他の実現例において本願はさらに、ポリペプチドまたはこれを含む組成物を利用したHot start PCR組成物の製造用途に関し、これについては本願に記載されたのを参照することができる。
【0073】
以下、本発明を下記の実施例によりさらに詳細に説明する。これらの実施例は、単に本発明をより具体的に説明するためのものであって、本発明の範囲を制限するものではない。
【実施例】
【0074】
(実施例1:無作為的なファージライブラリーを介したTaq DNAポリメラーゼと特異的に結合するポリペプチド選別)
【0075】
<実施例1−1:タンパク質構造基盤のリピボディライブラリー構築>
【0076】
リピボディは、自然界に存在するLRRタンパク質と同様に保存されたロイシン配列を有するLRR繰り返し単位体(Repeat unit)が連続的に連結されて全体タンパク質構造を維持するモジュール性と全体的な構造が曲率によって窪んだ地域(Concave region)と膨らんだ地域(Convex region)で区別される構造的特徴を有し、前者は生体分子を認識するのに重要で後者は構造維持に重要である。窪んだ地域には、抗体の相補性決定地域(complementarity determining region,CDR)のように超可変領域(Hypervariable region)が位置して、タンパク質−タンパク質相互作用を媒介する。また、膨らんだ地域は、よく保存されている配列を基にLRRの全体構造の維持するのに重要な役割をする。このようなリピボディのタンパク質構造を分析して下記のような方式で無作為的なライブラリーを設計した。
【0077】
具体的に、設計されないカルボキシ末端のループ構造(C-term loop)による立体障害(Steric hinderance)から脱するため、N末端方向に位置した連続的な二つの変異モジュール(LRRV module 2と3)の窪んだ地域に位置する六つのアミノ酸残基91、93、94、115、117、及び118番を選択した。その後、鋳型で配列番号2の配列を有するポリペプチドでモジュール(LRRV4)一つが除去されたのを使用して、前記選択した各アミノ酸をコードするコドンをNNK(N=A+G+C+T、K=G+T)同義コドン(Degenerate codon)で置き換えて、残りの膨らんだ地域の塩基配列を潜在性突然変異(Silent mutation)を含むように構成するようにライブラリーを構築するための突然変異誘発プライマー(Mutagenic primer)を合成して使用した。
【0078】
引き続き、前記プライマーを利用して二つのモジュールに対するオーバーラップポリメラーゼ連鎖反応(overlapPCR)を行ってライブラリーDNA(配列番号25)を収得して、これをファージミドpBEL118M(Sang-Chul Leeet al.,「Design of a binding scaffold based on variablelymphocyte receptors of jawless vertebrates by module engineering,」 PNAS,2012,109(9),3299-3304.)に挿入して1次ライブラリーファージミドを確保した。引き続き前記確保されたライブラリーを電気穿孔法(electroporation)で大腸菌XL1−Blueに導入して組換え微生物を収得することによって、1.0x10
8水準の合成的多様性を有するライブラリーを構築した。
【0079】
<実施例1−2:リピボディライブラリーのパニング過程を介したTaq DNAポリメラーゼと結合するポリペプチド選別>
【0080】
実施例1−1で構築したライブラリーを使用して、Taq DNAポリメラーゼに結合できるポリペプチドを選別して精製した。具体的にTaq DNAポリメラーゼと結合できる候補を選別するために、Taq DNAポリメラーゼを免疫チューブ(Immuno-tube)に100μg/mlの濃度で加えて、4℃で12時間コートした。前記コートされた免疫チューブをPBSで3回洗浄して、1%BSAと0.05% Tween 20を含むPBS溶液(TPBSA)で4℃で2時間ブロッキング(Blocking)した。その後、前記精製されたファージを10
12cfu/mlの濃度で前記コートされた免疫チューブに加えて、常温で2時間反応させた。反応が終了した後、0.05% Tween 20を含むPBS溶液(TPBS)で合計2分間5回ずつ及びPBSで2回洗浄した。最後に、1mlの0.2M Glycine−HCl(pH2.2)を前記免疫チューブに加えて、常温で13分間反応させることによって、Taq DNAポリメラーゼと結合できるリピボディ候補を表面に発現させたファージを湧出させた。前記湧出液に60ulの1.0M Tris−HCl(pH9.0)を加えて中和させて、宿主細胞である10ml大腸菌XL1−Blue溶液(OD600=0.5)に加えた後、2xYTプレートに塗抹するバイオパニング(Bio−panning)過程を同様に4回繰り返して行った。その結果、各パニング過程を介してTaq DNAポリメラーゼと特異的に結合するファージが濃縮されることを確認した。前記結果は、Taq DNAポリメラーゼと結合するライブラリーファージが特異的に増加することを意味することと分析された。
【0081】
<実施例1−3:1次選別されたリピボディのTaq DNAポリメラーゼに対する特異的な結合の有無確認及び配列分析>
【0082】
実施例1−2の方法を介して選別されたファージをTaq DNAポリメラーゼとBSAがコートされた96−ウェルプレートを利用してELISAを次の通り行った。Taq DNAポリメラーゼとBSAをコートした96−ウェルプレートをTPBSAを利用して常温で1時間blocking過程を行う。リピボディがディスプレイされたファージをウェルに入れて1時間インキュベーションした後、TPBSで3回洗浄過程を行う。次に、HRP−conjugated anti-M13 monoclonal antibody(GE healthcare)を1:5,000で希釈して常温で1時間処理して、TBSで4回washing過程を行う。信号検出のためにTMB solution(Sigma aldrich)を処理して、TMBと同量の1N H
2SO
4を処理した後に450nmでの吸光度を測定した。BSA対比Taq DNAポリメラーゼの吸光度(OD
450)が20倍以上高いリピボディ候補を選別して、塩基配列確定してこれを根拠にアミノ酸配列を導き出して、同じアミノ酸配列を有するクローンを除いた。その結果、クローンr−G6だけがTaq DNAポリメラーゼに特異的に結合することを確認した。
【0083】
r−G6は91番アミノ酸であるイソロイシンがセリンで置き換えられて、93番アミノ酸であるスレオニンがトリプトファンで置き換えられて、94番アミノ酸であるグリシンがロイシンで置き換えられて、115番アミノ酸であるバリンがセリンで置き換えられて、117番アミノ酸であるバリンがヒスチジンで置き換えられて、118番アミノ酸であるグルタミン酸がトリプトファンで置き換えられたことを確認した(配列番号3)。前記結果は、Taq DNAポリメラーゼと結合するのに重要な役割を行う残基が存在することを示している。
【0084】
<実施例1−4:選別されたリピボディの抗原決定部位の確認>
【0085】
前記実施例1−3で確保したTaq DNAポリメラーゼに結合するリピボディの抗原決定部位を確認した。これは、抗原決定部位に応じてリピボディがTaq DNAポリメラーゼの活性を阻害できるか否かを判断することができるからである。
【0086】
このような背景下、前記実施例1−3で確保したクローンr−G6に対して上述した通りELISAを行った。結果は、
図2に記載されている。その結果、クローンr−G6は、BSAには結合しないが、Taq DNAポリメラーゼには特異的に結合することを確認した。またTaq DNAポリメラーゼをコートしたプレートで水溶性Taq DNAポリメラーゼ(soluble Taq;sTaq)を添加した結果、ELISAの信号が減少することを介して再度水溶液上でも選別されたリピボディがTaq DNAポリメラーゼに効果的に結合することを確認した。最後に、Taq DNAポリメラーゼに結合して活性を阻害すると知られている抗体(JumpStart Antibody,Sigma Aldrich)と競争的ELISAを行った結果、クローンr−G6が該当抗体によって結合信号が減少すると確認されたため、クローンr−G6の抗原決定部位が従来の抗体と類似することを示しており、Taqポリメラーゼ活性阻害に効果的に使用できる可能性があることを示す。
【0087】
(実施例2:モジュール基盤突然変異方法を利用したリピボディの結合力がより向上したTaq DNAポリメラーゼ選別)
【0088】
引き続き結合力をより向上させるために、先行特許(大韓民国登録特許第1,356,076号)に記載された通りモジュール基盤親和力増大方法を利用してより高い水準の親和力を有するポリペプチドを選別した。
【0089】
実施例1−3の結果で、Taq DNAポリメラーゼに特異的に結合することが確認されたクローンであるr−G6のTaq DNAポリメラーゼに対する解離定数は134.4nMであるが、より効果的にTaq DNAポリメラーゼの活性を十分に抑制できるポリペプチドを選別しようと追加的なライブラリーを構築した。
【0090】
具体的に、最初のモジュール基盤親和力増大のためのライブラリーは、LRRV1モジュールに位置した67、69、71、72番合計四つのアミノ酸残基に突然変異を誘発して(
図3)、合計5回のパニング過程を経て結合力が増大した三種類のクローン(配列番号4〜6)を確保して、等温熱量測定装置を利用して解離定数を測定した結果、三種類のクローン共にTaq DNAポリメラーゼに対する結合力が増大したことを確認した。
【0091】
一方、さらに向上した結合力を示す突然変異体を開発するために、前記クローンのうち結合力が最も高いクローンr−G6E1を基本ポリペプチドとしてLRR1モジュールに位置する45、47、48、49番に該当する四つの残基に突然変異させた後(
図3)、同様のパニング過程を経て七種類のクローン(配列番号7〜13)を選別して、等温熱量測定装置を利用して解離定数を測定した結果、六種類のクローンがTaq DNAポリメラーゼに対して結合力が増大したことを確認して(
図3)、クローンr−G6E1H8がTaq DNAポリメラーゼに対して10.3nMの最も高い結合力を示すことを確認した。
【0092】
このような結果から本発明者等は、Taq DNAポリメラーゼに結合力を有するリピボディを成功的に確保して、これはTaq DNAポリメラーゼに特異的な結合力を有するポリペプチドであることを確認した。
【0093】
(実施例3:選別されたリピボディのTaq DNAポリメラーゼに対する結合特異度の確認)
【0094】
前記実施例を介して選別されたリピボディがTaq DNAポリメラーゼにだけ特異的に結合するか否かをphage−ELISA手法を使用して確認した。実験方法は、実施例1−3と同様に進めて、リピボディが結合しない対照群タンパク質はmOrange蛍光タンパク質(Clontech)、Lysozyme(Sigma aldrich)、His−tag antibody(Santa Cruz)、BSA(GenDEPOT)を使用した。該当結果は、
図4に示されていて選別されたリピボディr−G6E1H8が対照群と比較してTaq DNAポリメラーゼにだけ特異的に結合することを確認することができた。
【0095】
(実施例4:選別されたリピボディの変性温度(melting temperature)の確認)
【0096】
前記実施例を介して選別されたリピボディの熱安定性を確認するために、変性温度測定実験を行った。J−815 CD spectrometer(Jasco,Japan)を利用して222nmでのmolarellipticityを30〜80℃にわたって測定した。測定結果を基にThermal denaturationanalysis program(Jasco,Japan)を利用して変性温度を計算した。該当結果は、
図5に示されていて各々r−G6は、59.9℃、r−G6E1は、65.4℃、r−G6E1H8は、62℃の変性温度を有することを確認した。したがって、このような結果は、PCR反応過程で温度が増加する場合、リピボディ自らのタンパク質変性によってTaq DNAポリメラーゼとの結合が解除されて、Taq DNAポリメラーゼは正確な伸長温度で合成を開始することができるようになることを示している。
【0097】
(実施例5:本願に係るリピボディのTaq DNAポリメラーゼの活性阻害の確認)
【0098】
引き続き前記実施例で選別されたリピボディが実際Taq DNAポリメラーゼの活性阻害をするか否かを次の通り分析した。先ず200ngのTaq DNAポリメラーゼとリピボディr−G6、r−G6E1、r−G6E1H8を様々な量(0.05、0.2、1、5μg)で混合して4℃で15分間静置してTaq DNAポリメラーゼ−リピボディ複合体を形成した。このTaq DNAポリメラーゼ−リピボディ複合体を50μlの反応液に1nmolのdNTP、12.15pmolの[
3H]dTTP(0.1Ci/mmol)、2mg/mlのactivated calf thymus DNAが含まれるように混合した。この混合液を37℃で30分間反応させた後、11X stop buffer(110mM EDTA、2.2% SDS)を1Xで混合して反応を中止させた。最終的にTaq DNAポリメラーゼによって生成された放射性DNAの量を液体シンチレーションカウンターで測定することによってリピボディによるTaq DNAポリメラーゼの抑制効率を計算した。
【0099】
該当結果は
図6に表示されていてTaq DNAポリメラーゼとの結合力が高い順にTaq DNAポリメラーゼの活性抑制力も高いことを確認することができて、これは本願で開発されたポリペプチドがTaq DNAポリメラーゼの活性抑制を行ってHot start PCRに効果的に使用できることを示している。
【0100】
(実施例6:本願に係るリピボディを利用したHot start PCR実行)
【0101】
<実施例6−1:Taq DNAポリメラーゼに結合するリピボディを利用したblock PCR実行>
【0102】
実施例1−3〜2−1の方法を介して選別されたリピボディ形態のポリペプチドを利用したHot start PCR効果をblock PCRで特異度及び敏感度を向上させることができるか否かを確認した。これのためにTaq DNAポリメラーゼと選別された各リピボディポリペプチドを1:10の割合で混合した後、反応バッファー(10mM Tris−HCl(pH8.3)、20mM KCl、1.5mM MgCl
2、0.2mM dNTP)に添加して20μlのリアルタイム定量PCR混合溶液を製作した。ヒトcDNAを鋳型にしてGAPDH部位をforward primer;5’−CAACGAATTTGGCTACAGCA−3',reverse primer;5’−AGGGGTCTACATGGCAACTG−3’を使用して増幅した。反応条件は95℃で1分間反応した後、95℃で10秒間変性、60℃で15秒間ハイブリダイゼーション、72℃で20秒間合成の三段階を1サイクルにして合計45サイクルを繰り返した。増幅産物は、アガロースゲル電気泳動後EtBrで染色して確認した。
【0103】
該当結果は、
図8に表示されていて、鋳型の量が1pgと大変少ない場合、上手く増幅されないGAPDHターゲットバンドがリピボディr−G6E1H8を使用してHot start PCRを行う場合、抗体を使用した場合と匹敵するように効果的に増幅されることが確認された。特に、鋳型を全く入れない場合、抗体を使用した場合には非特異増幅バンドが一部現れるのを確認したが、本願に係るリピボディを使用した場合、全く増幅が起きず、これは本願に係るリピボディの優秀なHot start PCR効果を示している。
【0104】
このような結果は、本願に係るリピボディはHot start PCRでTaq DNAポリメラーゼを効果的に抑制して、または変性温度以上では効果的に分離して非常に特異的な増幅反応に使用できることを示している。
【0105】
<実施例6−2:Taq DNAポリメラーゼに結合するリピボディを利用したリアルタイムPCR実行>
【0106】
実施例1−3〜2−1の方法を介して選別されたリピボディ形態のポリペプチドを利用してリアルタイムPCRでHot start効果を発揮して特異度及び敏感度を向上させることができるか否かを確認した。実験方法は実施例6−1と同様に増幅産物をリアルタイムで分析するために、SYBR green I dye(Invitrogen)を最終濃度0.5Xで添加した。鋳型DNAとしてはヒトcDNAを(a)では100pg、(b)では10pg、(c)では1pgを使用し、(d)では鋳型DNAを入れなかった。
図9は、本願で選別されたクローンのHot start PCR効果をreal time PCRで確認した結果で、十分な量の鋳型DNAをいれた場合、Hot start PCR実現方式に関係なくいずれも目的としたmelting peak(85℃)を示す増幅産物が検出されたが、1pg以下の少ない量の鋳型DNAをいれた場合、結合力が多少低いリピボディを使用したかリピボディを使用しなかったTaq DNAポリメラーゼの場合、非特異増幅産物(melting peak;75℃付近検出)が現れるのを確認することができた。これらの中でもリピボディr−G6E1H8を使用した場合、最も特異度が高いことが分かった。
【0107】
<実施例6−3:リピボディHot start PCRの再活性化所要時間の測定>
【0108】
最終選別されたリピボディr−G6E1H8を利用してreal time PCRでHot start効果を発揮するために必要とする最初活性化時間の長さを測定した。基本的な実験方法は実施例6−1と同様であるが増幅産物をリアルタイムで分析するために、TaqManprobe方式のrealtime PCRを行った。ヒトcDNAを鋳型にしてβ−Actin部位をforward primer;5’−CCTGGCACCCAGCACAAT−3’、reverseprimer;5’−GCTGATCCACATCTGCTGGAA−3’、TaqMan probe;5’−FAM−ATCAAGATCATTGCTCCTCCTGAGCGC−TAMAMA−3’を使用して増幅して最初活性化時間を0.5、1、2、5、10、15分と多様に設定してPCRを行った。対照群では化学的処理を介して製作されたTaq DNAポリメラーゼ(エンジノミックス、大韓民国)と抗体(JumpStart Antibody,Sigma Aldrich)を混合したTaq DNAポリメラーゼを使用した。該当実験結果は
図7に示されていて、リピボディを使用した場合、抗体を使用した場合のように95℃で0.5分以内にいずれも再活性化がよく起きてHot start PCRに効果的に使用できることが分かる。
【0109】
(実施例7:リピボディdimerのTaq DNAポリメラーゼの活性阻害の確認)
【0110】
リピボディを連続的に連結した形態、すなわちdimerで製作する場合にもTaq DNAポリメラーゼの活性を効果的に阻害できるか否かを確認するために次の通り分析した。これのために選別されたr−G6E1H8遺伝子を三つのグリシンアミノ酸をリンカーとして使用して連続的に配置してr−G6E1H8 homodimerを製作した。該当タンパク質を大腸菌に導入してタンパク質で発現した後、カラムクロマトグラフィー手法を介して純粋分離/精製した。このように得られたリピボディdimerと既に選別されたr−G6E1H8を使用して実施例5の方法を介してTaq DNAポリメラーゼの活性抑制力を測定した。
【0111】
該当結果は、
図10に表示されている。同量(1μg)のリピボディーmonomerとdimerを使用した時、各々、monomerは90%、dimerは94%の抑制効率を示すのを確認することができた。これにより、リピボディをmonomerだけでなくdimer形態で製作してもTaq DNAポリメラーゼの活性を略同じかより高い効率で抑制することができることが分かった。
【0112】
以上、本発明内容の特定の部分を詳細に記述したところ、当業界の通常の知識を有する者にとってこのような具体的な技術は単に好ましい実施様態であるのみであり、これによって本発明の範囲が制限されない点は明白であろう。したがって、本発明の実質的な範囲は添付された請求項とそれらの等価物によって定義されることが言える。