特許第6426445号(P6426445)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6426445
(24)【登録日】2018年11月2日
(45)【発行日】2018年11月21日
(54)【発明の名称】空気入りタイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 11/03 20060101AFI20181112BHJP
   B60C 11/13 20060101ALI20181112BHJP
【FI】
   B60C11/03 300E
   B60C11/13 A
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-233821(P2014-233821)
(22)【出願日】2014年11月18日
(65)【公開番号】特開2016-97713(P2016-97713A)
(43)【公開日】2016年5月30日
【審査請求日】2017年7月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】東洋ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 剛史
【審査官】 河島 拓未
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−166757(JP,A)
【文献】 特表2011−507754(JP,A)
【文献】 特開2009−029255(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 1/00−19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレッド部に、タイヤ周方向に連続して環状に延びる複数の主溝と、これら主溝に交差してタイヤ幅方向に延びる複数の横溝とで複数のブロックを形成してなる空気入りタイヤであって、
前記ブロックは、前記トレッド部を平面視したとき、互いに平行な1組の長辺と、互いに平行な1組の短辺とで囲まれた平行四辺形の4隅を切除することにより、対角位置に位置する2組の角部を形成されたセンターブロックであり、
前記2組の角部のうち、1組の角部は、接地により弾性変形した際、他の部分に比べて変形量が大きい第1突出部であり、
前記第1突出部は、前記横溝を構成する側面に第1突起を有する、空気入りタイヤ。
【請求項2】
トレッド部に、タイヤ周方向に連続して環状に延びる複数の主溝と、これら主溝に交差してタイヤ幅方向に延びる複数の横溝とで複数のブロックを形成してなる空気入りタイヤであって、
前記ブロックは、前記トレッド部を平面視したとき、略矩形状のメディエイトブロックであり、
前記メディエイトブロックは、接地により弾性変形した際、他の部分に比べて変形量が大きくなる対角位置の1組の角部に第2突出部を形成され、
前記第2突出部は、前記横溝を構成する側面に第2突起を有する、空気入りタイヤ。
【請求項3】
前記第1突起又は前記第2突起は、下端が横溝の溝底よりも上方側に位置し、上端が前記横溝の溝底から深さ寸法の1/2以上の範囲に位置することを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項4】
前記第1突起又は前記第2突起は、前記横溝の深さ寸法に対する割合R1が30%≦R1≦80%を満足するように前記ブロックの側面での突出範囲が設定されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
【請求項5】
前記第1突起又は前記第2突起は、前記ブロックの側面からの突出方向に向かって徐々に幅寸法が小さくなることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
【請求項6】
前記第1突起又は前記第2突起は、前記ブロックの側面からの最大突出位置での前記横溝の幅寸法に対する前記第1突起又は前記第2突起の突出寸法の割合R2が20%≦R2≦60%を満足することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気入りタイヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、空気入りタイヤとして、トレッドセンター部の幅方向溝の少なくとも一方の溝壁に突起を形成したものが公知である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、前記突起は、耐石噛み性能、すなわち路面の小石等が溝部に噛み込んでしまうことを防止可能な性能として有効なものでしかない。このようなタイヤで泥濘地等を走行すると、溝部に泥等が侵入して詰まる恐れがある。この場合、タイヤのトラクション性能が悪化したり、コーナリングで横滑りを生じたりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−148678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、排泥性に優れた機能を発揮することのできる空気入りタイヤを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記課題を解決するための手段として、
トレッド部に、タイヤ周方向に連続して環状に延びる複数の主溝と、これら主溝に交差してタイヤ幅方向に延びる複数の横溝とで複数のブロックを形成してなる空気入りタイヤであって、
前記ブロックは、前記トレッド部を平面視したとき、互いに平行な1組の長辺と、互いに平行な1組の短辺とで囲まれた平行四辺形の4隅を切除することにより、対角位置に位置する2組の角部を形成されたセンターブロックであり、
前記2組の角部のうち、1組の角部は、接地により弾性変形した際、他の部分に比べて変形量が大きい第1突出部であり、
前記第1突出部は、前記横溝を構成する側面に第1突起を有する、空気入りタイヤを提供する。
また、本発明は、前記課題を解決するための手段として、
トレッド部に、タイヤ周方向に連続して環状に延びる複数の主溝と、これら主溝に交差してタイヤ幅方向に延びる複数の横溝とで複数のブロックを形成してなる空気入りタイヤであって、
前記ブロックは、前記トレッド部を平面視したとき、略矩形状のメディエイトブロックであり、
前記メディエイトブロックは、接地により弾性変形した際、他の部分に比べて変形量が大きくなる対角位置の1組の角部に第2突出部を形成され、
前記第2突出部は、前記横溝を構成する側面に第2突起を有する、空気入りタイヤを提供する。
【0007】
この構成により、接地したブロックは弾性変形するが、その角部領域で特に大きく形状変化する。角部領域には突起が形成されており、その弾性変形に従って大きく位置を移動させる。このため、たとえ泥濘地を走行して横溝内に泥等が侵入したとしても、突起によって効果的に掻き出される。つまり、排泥性に優れている。
【0008】
前記第1突起又は前記第2突起は、下端が横溝の溝底よりも上方側に位置し、上端が前記横溝の溝底から深さ寸法の1/2以上の範囲に位置するのが好ましい。
【0009】
この構成により、第1突起又は第2突起の下端部分がブロックの弾性変形を妨げにくくなり、ブロックの弾性変形に伴う第1突起又は第2突起の変位が抑制されにくい。また第1突起又は第2突起の上端を横溝内の上方側にまで位置させることで、排泥性を高めることができる。
【0010】
前記第1突起又は前記第2突起は、前記横溝の深さ寸法に対する割合R1が30%≦R1≦80%を満足するように前記ブロックの側面での突出範囲が設定されるのが好ましい。
【0011】
この構成により、ブロックの弾性変形に伴う第1突起又は第2突起の変位によりもたらされる移動可能な容量をさらに大きくすることができ、より一層、排泥性を高めることが可能となる。
【0012】
前記第1突起又は前記第2突起は、前記ブロックの側面からの突出方向に向かって徐々に幅寸法が小さくなるのが好ましい。
【0013】
この構成により、排泥時に第1突起自身又は第2突起自身に力が作用しても、クラック等が発生しにくく、長期に亘って良好な排泥性を維持することができる。
【0014】
前記第1突起又は前記第2突起は、前記ブロックの側面からの最大突出位置での前記横溝の幅寸法に対する前記第1突起又は前記第2突起の突出寸法の割合R2が20%≦R2≦60%を満足するのが好ましい。
【0015】
この構成により、ブロックの弾性変形に伴う第1突起又は第2突起の変位量を排泥に適した範囲とすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ブロックの横溝を構成する側面であって、しかも角部領域に突起を形成するようにしたので、接地によるブロックの弾性変形により突起の変位量を大きくすることができる。このため、排泥性に優れ、横溝内に泥等が侵入したとしても突起によって効果的に排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態に係るトレッド部の部分展開図である。
図2図1のセンターブロックの拡大図である。
図3図1のメディエイトブロックの拡大図である。
図4図1のセンターブロック及びメディエイトブロックの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る実施形態を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。また、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは相違している。
【0021】
図1は、本実施形態に係るトレッド部1の部分展開図である。トレッド部1には、タイヤ周方向に連続して環状に延びる複数本の主溝2と、これら主溝2に交差してタイヤ幅方向に延びる複数本の横溝3とが形成されている。ここでは、主溝2はジグザグ状で、タイヤ幅方向に所定間隔で4本(一方の第1溝2a及び第2溝2bのみ図示、他の2本は図示略)が形成されている。また横溝3は、タイヤ幅方向に延びる直線に対して傾斜して設けられている。そして、主溝2と横溝3とで複数のブロック4が形成されている。
【0022】
ブロック4は、タイヤ幅方向の中心でタイヤ周方向に配置されるセンターブロック5と、その両側に配置されるメディエイトブロック6(一方は図示略)と、さらにその外側方に配置されるサイドブロック7(一方は図示略)とで構成されている。
【0023】
図2に示すように、センターブロック5は、トレッド部1を平面視したとき、互いに平行な1組の長辺8と、互いに平行な1組の短辺9とで囲まれた平行四辺形の4隅を切除した形状に形成されている。対角位置に位置する2組の角部のうち、一方の1組の角部には、各角部を構成する短辺9に平行な第1切除辺10と、長辺8に平行な直線よりも傾斜した第2切除辺11とが形成されている(以下、元の平行四辺形の形状から第1切除辺10及び第2切除辺11まで切除した領域を第1切除部12と記載する。)。また他方の1組の角部は、ジグザグ状の3辺(第3切除辺13、第4切除辺14及び第5切除辺15)が得られるように切除されている(以下、元の平行四辺形の形状からこれら3辺まで切除された領域を第2切除部16と記載する。)。
【0024】
センターブロック5には、第1切除部12と第2切除部16とで、対角位置に位置する1組の第1突出部17が形成されている。すなわち、第2切除辺11、短辺9、第3切除辺13、第4切除辺14、及び、第5切除辺15によって他の部分よりも幅狭となった第1突出部17が形成されている。
【0025】
図4に示すように、センターブロック5の側面18は、主溝2及び横溝3の溝底に向かうに従って徐々に溝内へと突出する傾斜面で構成されている。側面18の上端部分は、センターブロック5の表面から滑らかに側面18に至るように断面円弧の凸状に形成されている。また側面18の下端部分は、側面18から滑らかに溝底に至るように断面円弧の凹状に形成されている。センターブロック5の側面18には、第1突起19が形成されている。
【0026】
図2に示すように、第1突起19は、センターブロック5の角部(第1突出部17)を構成する側面18のうち、横溝3を構成する側面18の角部領域に形成されている。ここに、角部領域とは、センターブロック5が接地により弾性変形した際、他の部分に比べて変形量が大きくなる部位である第1突出部17を構成する側面18を意味する。具体的には、第1突起19が、第1突出部17の第3切除辺13及び第4切除辺14の境界部分に対応する領域、つまり第3切除辺13と第4切除辺14に対応する側面18の両方に跨がって形成されている。このように、第1突起19を変形量の大きな第1突出部17に形成しているため、第1突起19の変位量を大きくすることができる。
【0027】
第1突起19の下端は、横溝3の溝底よりも上方側に位置する。このため、センターブロック5が接地して弾性変形する際、第1突起19がその変形の妨げになることがない。また、この下端から上方側の所定領域(下端部)は側面18に対して滑らかに連続するように断面円弧の凹状(R形状)の湾曲面で構成されている。そして、下端部の曲率半径Rは、センターブロック5が接地して弾性変形した際に応力が集中してクラックが発生しないように設定されている。
【0028】
一方、第1突起19の上端は、横溝3の溝底から溝深さの1/2の位置を超えて上方側に位置している。このため、センターブロック5の弾性変形により第1突起19の変位量が十分なものとなる。また、第1突起19の上端から下方側の所定領域(上端部)は、下端部と同様に、側面18に対して滑らかに連続するように断面円弧の凹状(R形状)の湾曲面で構成されている。
【0029】
このように、第1突起19は上端位置及び下端位置を設定されているので、センターブロック5の弾性変形に伴って十分に変位し、横溝3内に泥等が詰まったとしても確実に排除することができる。
【0030】
また、第1突起19の上下方向の長さhは、横溝3の溝深さWに対する割合R1(=h/W)が30%≦R1≦80%を満足するように設定されている。第1突起19の長さが30%未満であれば、センターブロック5の弾性変形に伴う第1突起19の変位領域が狭く、十分な排泥性を発揮することができない。一方、第1突起19の長さが80%を超えてしまうと、下端位置と溝底との間に十分な距離を確保できない。このため、第1突起19の下端部に形成する湾曲面のR寸法が小さくなり、センターブロック5が弾性変形する際に応力集中してクラックが発生する恐れがある。
【0031】
また第1突起19の幅寸法は、両側面18から突出するに従って徐々に狭くなるように形成されている。第1突起19は、最も突出した最大突出位置での幅寸法が次のように設定されている。すなわち、ブロック4の側面18からの最大突出位置に於ける横溝3の幅寸法wに対する第1突起19の突出寸法pの割合R2(=p/w)が20%≦R2≦60%を満足するように設定されている。第1突起19の突出割合が20%未満であれば、第1突起19の変位量が不十分となり、所望の排泥性を得ることができない。一方、第1突起19の突出割合が60%を超えてしまうと、横溝3内が第1突起19で塞がってしまい、やはり所望の排泥性を得ることができない。
【0032】
センターブロック5の表面中央部には第1閉鎖溝20が形成されている。第1閉鎖溝20は、センターブロック5の両長辺8に平行な中心線上に延びる第1溝21と、両短辺9に平行な中心線上に延びる第2溝22とで構成されている。第1溝21は第2溝22に比べて長く、両者は同一幅で同一深さに形成されている。また、第1溝21と第2溝22とは互いに中央部で直交し、各溝の中心線の交点はセンターブロック5の重心位置と一致している。さらに、第1溝21と第2溝22の両端部は、センターブロック5の側面18に開口しないように表面内で終端(閉鎖)している。これにより、第1閉鎖溝20の各位置からセンターブロック5の外縁までの間に十分な距離が確保されている。また第1溝21は、両端部分が第1切除部12と第2切除部16とによって形成された第1突出部17の形状に合わせて屈曲している。
【0033】
図3に示すように、メディエイトブロック6は略矩形状で、その半分は、第1辺23、第2辺24、第3辺25、第4辺26、第5辺27、第6辺28及び第7辺29で構成され、残り半分は、重心位置を中心とする点対称の位置に形成されている。対角位置の1組の角部には第2突出部30が形成されている。第2突出部30は、第2辺24から第6辺28で構成されている。図1に示すように、第2辺24と第3辺25は、前記センターブロック5の第1切除辺10と第2切除辺11にそれぞれ平行である。メディエイトブロック6の中央部には第2閉鎖溝31が形成されている。第2閉鎖溝31は、第1辺23に沿って中心線上に配置され、両端は第2突出部30の突出方向に向かってそれぞれ屈曲している。
【0034】
図4に示すように、メディエイトブロック6の側面18は、前記センターブロック5と同様に、主溝2及び横溝3の溝底に向かうに従って徐々に溝内へと突出する傾斜面で構成されている。側面18の上端部分は、メディエイトブロック6の表面から滑らかに側面18に至るように断面円弧の凸状に形成されている。また側面18の下端部分は、側面18から滑らかに溝底に至るように断面円弧の凹状に形成されている。メディエイトブロック6の側面18には、第2突起32が形成されている。
【0035】
すなわち、第2突起32は、メディエイトブロック6の対角位置に形成される第2突出部30の第4辺26にそれぞれ形成されている。各第2突起32は、横溝3を介して隣接して配置される各メディエイトブロック6の第6辺側に向かってそれぞれ突出している。また各第2突起32は、前記第1突起19と同様にして、下端位置、上端位置、上下方向の長さ、幅寸法、側面18からの突出寸法等が決められている。
【0036】
主溝2には、その溝底の中心線上に複数の突部33が形成されている。センターブロック5とメディエイトブロック6の間の第1主溝5aには溝幅のほぼ半分の幅寸法を有する第1突部34が形成されている。第1突部34は、第1主溝5aの直線部分に形成される直線状のものと、屈曲部分に形成される折れ曲がった形状のものとがある。またメディエイトブロック6とサイドブロック7との間の第2主溝5bには溝幅のほぼ1/10の幅寸法を有する第2突部35が形成されている。第2突部35は全て直線状のもので構成されている。これら突部33は、走行中に主溝2内に石等の異物が侵入した場合、溝底に至って傷付けるのを防止したり、主溝2から排出したりする役割を果たす。
【0037】
次に、前記構成の空気入りタイヤの動作について説明する。
【0038】
前記構成の空気入りタイヤを装着し、泥濘地等の悪路を走行する場合、泥等が主溝2や横溝3に侵入する。主溝2はタイヤ周方向に延びており、泥等は外部へと排出されやすい。一方、横溝3はタイヤ幅方向に延びており、そのままでは侵入した泥等が外部には排出されにくい。センターブロック5及びメディエイトブロック6は接地した際、弾性変形して形状を変化させる。センターブロック5及びメディエイトブロック6では、最も変形量の大きな第1突出部17及び第2突出部30に第1突起19及び第2突起32がそれぞれ設けられている。このため、第1突起19及び第2突起32の変位量を十分に大きくすることができる。したがって、横溝3内に泥等が侵入したとしても、変位量の大きな第1突起19及び第2突起32によって確実に排出することができる。
【0039】
なお、本発明は、前記実施形態に記載された構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
前記実施形態では、センターブロック5の第1突出部17の一部を構成する第3切除辺13に対応する側面18と第4切除辺14に対応する側面18に跨がって第1突起19を形成するようにしたが、第3切除辺13に対応する側面18のみ、あるいは、第4切除辺14に対応する側面18のみに設けるようにしてもよい。またメディエイトブロック6の第2突出部30の一部を構成する第4辺26に対応する側面18に第2突起32を形成するようにしたが、第5辺27に対応する側面18に形成するようにしてもよい。また、ブロック4の形状は前述のものには限られない。したがって、突起は、横溝3を構成する側面18であって、ブロック4の角部領域に形成するのであれば、ブロック4は採用可能ないずれの形状であっても構わない。
【符号の説明】
【0040】
1…トレッド部
2…主溝
3…横溝
4…ブロック
5…センターブロック
6…メディエイトブロック
7…サイドブロック
8…長辺
9…短辺
10…第1切除辺
11…第2切除辺
12…第1切除部
13…第3切除辺
14…第4切除辺
15…第5切除辺
16…第2切除部
17…第1突出部
18…側面
19…第1突起
20…第1閉鎖溝
21…第1溝
22…第2溝
23…第1辺
24…第2辺
25…第3辺
26…第4辺
27…第5辺
28…第6辺
29…第7辺
30…第2突出部
31…第2閉鎖溝
32…第2突起
33…突部
34…第1突部
35…第2突部
図1
図2
図3
図4