(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書に記述された様々な実施形態では、電子装置はコンテンツと他の情報を提示するディスプレイを含む。いくつかの例では、電子装置は、タッチ入力を検知するためのディスプレイの頂上に層になったタッチ・センサ・コンポーネントと、ディスプレイを照らすフロントライトまたはバックライトのコンポーネント、及び/または、防眩性、反射防止性、耐指紋付着性、耐クラック性などを含むことができる被覆層コンポーネントなどのディスプレイに関連した1つまたは複数のコンポーネントを含むことができる。本明細書に記述された様々な実施形態は、ディスプレイ用のこれらのコンポーネント及び本明細書に記述された他の特徴を含む電子装置を組み立てる技術も含む。
【0007】
実施形態は、エレクトロウェッティングディスプレイを製造するための装置および技術を記述する。例えば、バッチ製造環境では、ディスプレイ素子(例えば、ピクセルまたはサブピクセル)のアレイを含む数個のディスプレイ装置を透明であってよい単一の基板上に形成することができる。流体ディスペンサは、ディスプレイ装置を含む基板上に第一流体(例えば、油などの不透明または有色の液体)と第二流体(例えば、電解液または他の導電性液体であると考えてよい)を分注する。第一流体と第二流体は互いに非相溶であってよい。流体ディスペンサは個々のディスプレイ素子に第一流体を分注する。流体ディスペンサは、分注された第一流体及び個々のディスプレイ素子を被覆するように第二流体を分注する。分注された第一及び第二の流体の基板全体にわたる厚さと体積の均一性が望まれる。ディスプレイ素子の矩形または長方形のピクセル・アレイを満たす場合、流体ディスペンサはアレイに関して斜めの(例えば、非直交の)角度となる場合がある。全体として、この角度はアレイのディスプレイ素子内の第一流体の均一性を改善することができるが、流体ディスペンサの角度の付いた配向から生じる望ましくない副次的影響が均一性を減少させる傾向になる場合がある。流体分注の際に、角度の付いた配向は、流体ディスペンサの移動方向の横断方向に流れる比較的小量の第一(及び第二の)流体に導く。かかる横断流の下流のディスプレイ素子での第一流体の体積の増加によって、望ましくないことに、これらのディスプレイ素子は、上流に位置するディスプレイ素子と比較してわずかに充填レベルが高くなる。
【0008】
いくつかの実施形態では、かかる不均一の緩和を助けるために、基板上に形成されたアレイのディスプレイ素子のピクセル壁は、基板全体にわたって分注された第一及び第二の流体の流れと分配に影響するように高さを変えてよい。例えば、下記に詳細に記述されるように、流体の流れに直角のピクセル壁の盛り上がった部分は、盛り上がったピクセル壁のない場合と比較して、基板全体にわたって分注された第一及び第二の流体の厚さの均一性を増大させる分注された第一及び第二の流体のチャネリングに寄与することができる。分注された第一及び第二の流体のかかるチャネリングは、分注プロセスの際に発生する。
【0009】
流体ディスペンサは、第一流体を分注する第一スリットおよび第二流体を分注する第二スリットを含むことができる。本明細書では、かかる流体ディスペンサは、「二重スリット」流体ディスペンサ、または、単に「流体ディスペンサ」と呼ばれる。しかし、流体ディスペンサは、「多重スリット」流体ディスペンサであってよく、2つを超えるスリットを含む(例えば、1つまたは複数のスリットを各流体に使用してよい。)。
【0010】
エレクトロウェッティングディスプレイ装置などのディスプレイ装置は、アクティブ・マトリクス・アドレス方式によって操作されるように構成されたディスプレイ素子(例えば、ピクセルまたはサブピクセル)を一般的に含む、透過型、反射型、または半透過型のディスプレイになり得る。例えば、エレクトロウェッティング素子の行と列は、複数のソース・ラインとゲート・ライン上の電圧レベルをコントロールすることによって操作される。この方法では、ディスプレイ装置は、光を透過させ、反射し、または遮断するために特別なディスプレイ素子を選択することにより、画像を生成することができる。ディスプレイ素子は、各ディスプレイ素子に含まれたトランジスタ(例えば、スイッチとして使用)に電気的に接続されるソース・ラインおよびゲート・ラインの行と列によってアドレス(例えば、選択)される。トランジスタは各ディスプレイ素子のエリアの比較的小さな割合を占め、光がディスプレイ素子を効率的に通り抜ける(またはディスプレイ素子から反射する)ことを可能にする。本明細書では、ディスプレイ素子は、別段の定めがない限り、エレクトロウェッティングディスプレイ装置のピクセルまたはサブピクセルを含んでよい。かかるピクセルまたはサブピクセルは、素子を通して光の透過または反射の量を直接コントロールするのに個々に操作可能な、ディスプレイの最小の光透過素子となり得る。例えば、ある実装形態では、ディスプレイ素子は、赤のサブピクセル、緑のサブピクセル及び青のサブピクセルを含むピクセルでよい。他の実装形態では、ディスプレイ素子は最小のコンポーネント、例えば、どんなサブピクセルも含まないピクセルでよい。
【0011】
エレクトロウェッティングディスプレイは、ピクセル、及び/または、基板と天板などの2つのサポート板間に位置したサブピクセルを含むディスプレイ素子のアレイを含む。例えば、基板は、サポート板間の少なくとも1つの電極、エレクトロウェッティングオイル、電解液およびピクセル壁を含むディスプレイ素子を、天板と協動して収容するサポート板でよい。サポート板は、ガラス、プラスチック(例えば、PMMAまたは他のアクリル樹脂などのような透明な熱可塑性プラスチック)、または、その他の透明な材料を含んでよく、例えば、剛性または可撓性の材料で作製してよい。
【0012】
個々のピクセルは、例えば、フォトレジスト材料から、作製されたピクセル壁によって囲まれる。ピクセル壁は、個々のピクセル内で、非導電性の不透明なまたは有色の油などの第一流体を少なくとも保持する。支持板間に形成された穴は、第一流体(例えば、ピクセル壁によって保持)と、導電性または極性の、水または塩化カリウム溶液などの塩溶液でよい第二流体(例えば電解液)とで満たされる。第二流体は透明でよいが、有色または、光吸収性のものでよい。第二流体は第一流体と非相溶である。
【0013】
ディスプレイ素子に加えて、スペーサと端部シールも2つの透明なサポート板間に位置することができる。以下に、実施形態の例が、ガラスサポート板を含む透明基板またはサポート板を含むものとして記述される。しかし、サポート板は、プラスチック、ガラス、石英、半導体等などの数種の透明なアモルファス材料のうちのいずれかを含むことができる。また、請求する主題はこの点で制限されない。本明細書で素子または材料が「透明」として記述されているのは、それに入射する光の比較的大きな割合を透過させることができることを意味する。例えば、透明基板または層はその表面に入る光の70%または80%以上を透過させることができるが、請求する主題はこの点で制限されない。
【0014】
第一サポート板をそれを覆う第二サポート板に接続し、第一サポート板と第二サポート板との間に間隔を設けるスペーサと端部シールは、エレクトロウェッティングディスプレイの機械的完全性に寄与する。端部シールは、例えば、エレクトロウェッティングディスプレイ装置素子アレイの周囲に沿って配設され、第一サポート板と被覆する第二サポート板との間に流体(例えば、第一及び第二の)を保持することに寄与することができる。スペーサは、エレクトロウェッティングディスプレイ内の光のスループットを妨害しないように透明であることが望ましい。スペーサの透明度は、スペーサ材料の屈折率に少なくとも部分的に依存し、この屈折率は、周囲の媒体の屈折率に類似しているか同一であるべきである。スペーサはまた、周りの媒体に化学的に不活性であることが望ましい。
【0015】
様々な実施形態では、ディスプレイ装置のディスプレイ素子は、なかんずく、電極層と、アクティブマトリクス方式アドレシングを使用してエレクトロウェッティング素子を選択するか外すように切り替えられる薄膜トランジスタ(TFT)とを含む。TFTは、活性な半導体層ならびに誘電体層の薄膜と、例えば、ガラスまたは他の数種の透明な材料のいずれかでよいサポート基板(非導電性)の上の金属コンタクトとを含む特別なタイプの電界効果トランジスタである。
【0016】
いくつかの実施形態では、TFTは、ガラス(または他の透明なものの)基板またはエレクトロウェッティングディスプレイ装置の天板上に形成される。例えば、TFTは、例えば、ディスプレイ素子に隣接している基板の側と反対側のガラス基板の上面に配設してよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、本明細書に記述されるようなディスプレイ装置は、1または複数のプロセッサと1または複数のコンピュータ・メモリ(それらは、例えば、制御盤上に存在してもよい)とを含むシステムの一部分を含むことができる。ディスプレイ・ソフトウェアは1または複数のメモリに格納することができ、外部ソース(例えば、周囲の室内光)から受け取られたか、または、ディスプレイ装置の導光部からアウトカップリングされた光を調節する1または複数のプロセッサで操作可能になることができる。例えば、ディスプレイ・ソフトウェアは、画像またはビデオ・データを表示する電子信号に少なくとも部分的に基づいて、エレクトロウェッティングディスプレイの個々のピクセルの光学的性質を調節するプロセッサによって実行可能なコードを含むことができる。このコードは、プロセッサにエレクトロウェッティングディスプレイの層の上または層内で電気信号(例えば、電圧、電流、電場など)をコントロールすることにより、ピクセルの光学的性質を調節されるようにすることができる。
【0018】
図1は、いくつかの実施形態による、数個のエレクトロウェッティング素子100を示すエレクトロウェッティングディスプレイ装置の一部の断面図である。電極層102は基板104(例えば、ガラス基板)上に形成される。いくつかの実装形態では、誘電体バリヤ層(図示せず)は、やはり基板104上に形成された疎水層106から電極層102を少なくとも部分的に分離することができる。いくつかの実装形態では、疎水層106は、ウィルミントン、デラウェアに本拠のある、デュポンによって製造されたAF1600などのフッ素重合体を含むことができまる。また、疎水層106は、例えば、隣接した材料の湿潤性に影響する数種の撥水性材料のいずれかでよい。ピクセル壁108は、パターン形成されたエレクトロウェッティング素子グリッドを疎水層106上に形成する。ピクセル壁108は、エポキシ系のネガ・フォトレジストSU−8などのフォトレジスト材料を含んでよい。パターン形成されたエレクトロウェッティング素子グリッドはエレクトロウェッティング素子のアレイを形成する行と列を含む。例えば、エレクトロウェッティング素子は、約50〜500ミクロンの範囲の幅と長さを有することができる。
【0019】
例えば、約1〜10ミクロンの範囲の厚さ(例えば深さ)を有することができる第一流体110は、疎水層106を覆う。第一流体110はパターン形成されたエレクトロウェッティング素子グリッドのピクセル壁108によって分割される。外縁112はピクセル壁108と同じ材料を含むことができる。電解液などの第二流体114は、第一流体110とパターン形成されたエレクトロウェッティング素子グリッドのピクセル壁108とを覆う。電解液は、導電性または極性のものになることができる。例えば、電解液は、とりわけ、塩化カリウム水などの、水または塩溶液であってよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、エレクトロウェッティングディスプレイ装置は、「通常の高さの」ピクセル壁108より高い盛り上がったピクセル壁116を含んでよい。例えば、盛り上がったピクセル壁116は、ピクセル壁108と比較してさらに上側に第二流体114内に延在することができる。これらの比較的高いピクセル壁を記述する別の方法として、盛り上がったピクセル壁116は、ピクセル壁108と比較して基板104からさらに延在することができる。
【0021】
天板118は第二流体114を覆い、端部シール120は、第二流体114をエレクトロウェッティング素子アレイの上に保持する。天板116は、ディスプレイ素子100のアレイの全体にわたって点在する端部シール118とスペーサ122によって支持することができる。基板及び天板は、例えば、ガラスまたはポリマで作製してよく、剛いかまたは柔軟でよい。いくつかの実装形態では、盛り上がったピクセル壁116は、天板118まで延在し、したがって、スペーサ122の高さと同一または類似した高ささを有してもよい。例えば、いくつかの又は全てのスペーサー122は領域の少なくとも一部上に配置させ得る。そこでは、ピクセル壁108又は116は交差する。クレームの主題はこの点について限定されていない。かかる実装形態では、スペーサ122と盛り上がったピクセル壁116の両方は、天板118をサポートすることによりエレクトロウェッティングディスプレイ装置の機械的完全性に寄与することができる。
【0022】
電圧、とりわけ、第二流体114と個々のエレクトロウェッティング素子の電極102との間に印加される電圧Vは、個々のエレクトロウェッティング素子の透過率または反射率をコントロールすることができる。
【0023】
ディスプレイ装置にはエレクトロウェッティングディスプレイ装置によって形成された画像を視認することができる視認側124と裏面側126がある。天板118は視認側124に面し、基板104は裏面側126に面する。代替実施形態では、エレクトロウェッティングディスプレイ装置は裏面側126から見ることができる。エレクトロウェッティングディスプレイ装置は、反射型、透過型、または半透過型でよい。エレクトロウェッティングディスプレイ装置は、画像がセグメントから構成される分割されたディスプレイ・タイプでよい。セグメントは、同時または別々に切り替えることができる。各セグメントは、1個のエレクトロウェッティング素子100、または、互いに隣接または離れることができる数個のエレクトロウェッティング素子100を含む。1つのセグメントに含まれるエレクトロウェッティング素子100は、例えば、同時に切り替えることができる。また、エレクトロウェッティングディスプレイ装置は、2〜3例を挙げると、アクティブ・マトリクス方式で駆動されるディスプレイ・タイプまたはパッシブ・マトリクス方式で駆動されるディスプレイでよい。
【0024】
第二流体114は第一流体110と非相溶である。本明細書では、複数の物質が本質的に溶液を形成しない場合は、これらの物質は互いに非相溶である。第二流体114は、導電性または極性を有し、例えば、水、または水とエチルアルコールの混合物内の塩化カリウム溶液などの塩溶液でよい。第二流体114は、好ましくは、透明であるが、有色であっても、または、光吸収性であってもよい。第一流体110は非導電性であり、例えば、ヘキサデカンまたは(シリコーン)油などのアルカンでよい。疎水層106は、エレクトロウェッティング性の表面積を生成するように基板104上に配置される。第一流体110は第二流体114より疎水層106の表面に対してより高い湿潤性を有するので、疎水性は、第一流体110を基板104に優先的に付着させる。湿潤性は、固体の表面に対する流体の相対的な親和性に関係する。湿潤性は、親和性が増大するにつれて増大し、流体と固体との間に形成される接触角によって測定することができ、関心のある流体の内部で測定することができる。例えば、かかる接触角は、90°を越える比較的非湿潤性から0°での完全な湿潤性まで増大することができる。この場合には、流体は、固体の表面で膜を形成する傾向がある。
【0025】
第一流体110は、光学スペクトルの少なくとも一部を吸収する。第一流体110は、光学スペクトルの一部には透過性となることができ、カラー・フィルタを形成する。例えばこの目的のために、ピグメント粒子または染料を追加することによって流体に色をつけることができる。あるいは、第一流体110は、黒(例えば、光学スペクトルのほぼすべての部分を吸収する)または反射性のものでよい。疎水層106は、透明であってよく、または反射性のものであってもよい。反射性の層は、全可視スペクトルを反射して、層を白く見せる、またはその一部に色を付けることができる。
【0026】
電圧がエレクトロウェッティング素子100の両端間に印加される時、エレクトロウェッティング素子100は活性状態になる。静電気力が第二流体114を電極層102の方に移動させ、それによって、第一流体110が疎水層106のエリアから疎水層106囲むピクセル壁108まではじかれて小滴様の形になる。このアクションは、エレクトロウェッティング素子100の疎水層106の表面から第一流体110の覆いを取り除く。エレクトロウェッティング素子100の両端間の電圧がゼロの不活性信号レベルまたはゼロに近い値に戻った時は、エレクトロウェッティング素子100は不活性状態に戻り、その場合、第一流体110が流れて戻り疎水層106を覆う。このように、第一流体110は、各エレクトロウェッティング素子100内に電気的に制御可能な光学スイッチを形成する。もちろん、エレクトロウェッティングディスプレイ装置のかかる詳細は単なる例に過ぎず、請求する主題はこの点に限定されない。
【0027】
図2は、いくつかの実施形態による、二重スリット流体ディスペンサ200の側面図を示す。流体ディスペンサ200は1つまたは複数のディスプレイ素子アレイ(
図2に示さず)を含む基板206上に第一流体202(例えば不透明な油)及び第二流体204(例えば電解液)を分注するように構成される。例えば、かかる基板、の一部は
図1に示した基板104と同一でもよく、または類似していてもよい。いくつかの実装形態では、第一流体202及び第二流体204は、それぞれ、
図1に示した第一流体110及び第二流体114と同一でもよく、または類似していてもよい。流体ディスペンサ200は、第一流体202を分注するための第一スリット208及び第二流体204を分注するための第二スリット210を含んでよい。いくつかの実装形態では、第一流体は、第一リザーバ212に一時的に収容され、第二流体は、第二リザーバ214に一時的に収容されてよい。第一スリット208と第二スリット210との間の距離は、例えば、数ミリメートルのオーダであるが、請求する主題はこの点に制限されない。第一スリット208及び第二スリット210の長さ(例えば、
図2のページの内外で測定されたような)は、単にいくつかの例を挙げるために数センチメートルから約40センチメートルまで変動してよい。特に、スリットの長さは流体ディスペンサ200が第一及び第二の流体を上に分注する基板の幅を少なくともおおよそ跨ぐのに十分なものである。
【0028】
流体ディスペンサ200は、基板上に形成されたディスプレイ素子アレイに第一及び第二の流体を載置する製造プロセスの際に、下地基板206に対する一方向216に移動する。流体ディスペンサ200は、それぞれのピクセル壁によって第一流体を保持するディスプレイ素子アレイの個々のディスプレイ素子に第一流体202を分注する。流体ディスペンサ200は第一流体および個々のディスプレイ素子を覆うように第二流体204を分注する。
【0029】
図3は、いくつかの実施形態による、ディスプレイ素子アレイ302が上に形成された基板300の透視図を示す。図面には4つディスプレイ素子のアレイ302(例えば、4つが一緒にバッチ処理される)のどんな数でも可能である。例えば、4つのディスプレイ素子アレイ302は、4台のディスプレイ装置になるように後で個々の部分に切断されるであろう。これらの個々の4つの部分は、基板300の部分と、第一及び第二の流体と、4つのディスプレイ素子アレイ302の各々を覆う天板の部分とを含むであろう。したがって、個々のディスプレイ素子アレイ302の下地となる基板300の部分は、後で個々のディスプレイ装置(例えば、
図1に示された104などの基板として)永久的な部分になるであろう。ディスプレイ素子アレイ302は、ディスプレイ素子304の行と列の存在を示すために
図3で2〜3の直交ラインで描かれているように、比較的多数(例えば、千または億)の個々のディスプレイ素子304(例えば、ピクセルまたはサブピクセル)を含む。
【0030】
例えば、
図2に示された200などの、二重スリット流体ディスペンサは、
図3に指定された位置「A」と「B」との間のどこにでも基板300の上に載置されてよい。かかる二重スリット流体ディスペンサは基板300とディスプレイ素子アレイ302上に第一流体と第二流体を分注するように構成される。特に、二重スリット流体ディスペンサは、自身が基板300(及びディスプレイ素子アレイ302)の上を移動するにつれて第一及び第二の流体を分注する。
【0031】
いくつかの実施形態では、二重スリット流体ディスペンサは、ディスプレイ素子アレイ302の行と列に対して回転した位置に配向され得る。例えば、二重スリット流体ディスペンサは、ディスプレイ素子アレイ302の行(または列)に対する角度306の境界を定めることができる。角度306は、約5°〜約30°でよいが、請求する主題はこの点で制限されない。ディスプレイ素子アレイ302に対して斜めの角度をなす二重スリット流体ディスペンサは、それを使用して充填するプロセスの後で個々のディスプレイ素子304内の第一流体の分布の均一性を改善させることができる。かかる斜めの配向は、第一流体がディスプレイ素子の1つの行から次の行内に流れる時、比較的滑らかな流体フローの遷移を可能にする。
【0032】
図4は、二重スリットの流体ディスペンサが第一流体及び第二流体を分注しながら基板300を通過した後の基板300の透視図を示す。アレイ302の個々のディスプレイ素子304は、少なくとも部分的に第一流体で満たされる。第一流体は、自身が少なくとも部分的かつ平等にディスプレイ素子を満たすように、二重スリットの流体ディスペンサによって比較的一様に分注される。第二流体は、続いて、第二流体パドル402を形成して、部分的に満たされたディスプレイ素子アレイ(少なくとも部分的に第一流体で満たされた)及び基板300の実質的な部分を覆う。
【0033】
図4に描かれた状況の後で、基板300及びその上に形成されたディスプレイ素子アレイ302は、
図1に示される118などの天板によって覆われてもよい。たとえ、ピクセル壁の高さが不均一でも、かかる天板は、例えば、少なくとも最大のピクセル壁の高さまで延在することができる
図1に示した122などのスペーサによってサポートすることができる。生じる構造は、過剰な流体(例えば、特に電解液などの第二流体)を絞り出し、かつ天板をディスプレイ素子アレイ302上にラミネートさせるローラ内に載置してよい。また、このラミネーション・プロセスは、天板があらかじめ基板300上に形成された端部シール及びスペーサ(例えば、
図1に示された端部シール120及びスペーサ122)などの構造にサポートされるように天板を基板300の方に押しつける。その結果、第一流体は個々のディスプレイ素子304内に実質的に保持される一方、第二流体は基板及び天板と協働する端部シールによってディスプレイ素子アレイ302内に保持される。ラミネーション・プロセスに続いて、個々のディスプレイ素子アレイ302及び個々のディスプレイ素子アレイ302にラミネートされた天板は、例えば、ディスプレイ素子アレイの外縁またはその近くで切断して分割することができる。
【0034】
図5及び
図6は、いくつかの実施形態によるディスプレイ素子アレイ502が上に形成された基板500の側面図及び平面図をそれぞれ示す。また、第一及び第二の流体に分注する第一スリット506及び第二スリット508をエリア510に含む二重スリット流体ディスペンサ504を示す。この構成は、
図3、
図4に示した構成と同一であるかまたは類似している。ディスプレイ素子アレイ502は比較的多数の個々のディスプレイ素子512を含む。個々のディスプレイ素子アレイ502の下地になる基板500の部分は、後でディスプレイ装置の(例えば、
図1に示された104などの基板として)永久的部分になるであろう。例えば、
図2に示された200と同一であるかまたは類似している二重スリット流体ディスペンサ504は、初期には、基板500とディスプレイ素子アレイ502に第一及び第二の流体を分注するのに備えて基板500の上に載置される。二重スリット流体ディスペンサ504は、以下に説明するように、ディスプレイ素子アレイ502の行と列に対して斜めの角度(例えば、非直交角)に配向される。二重スリット流体ディスペンサ504は、矢印514に示されるように移動を開始されると、スリット506から第一流体及びスリット508から第二流体を基板500とディスプレイ素子アレイ502上に分注する。
【0035】
図6は直角の基準軸「X」及び「Y」を含む。例えば、X軸はディスプレイ素子512の行と平行で、二重スリット流体ディスペンサ504の移動方向514を表わす。Y軸はディスプレイ素子512の列と平行で、かかる移動方向に直交する方向を表わす。具体的には、二重スリット流体ディスペンサ504は、自身がX軸に沿って基板500(及び、ディスプレイ素子アレイ502)の上を移動するときに、第一及び第二の流体を分注する。しかし、スリット506、508は、ディスプレイ素子が第一流体で満たされるようにX軸から傾斜した角度にある。上記で説明したように、かかる角度は、ディスプレイ素子の均一充填をもたらすことができる。しかし、二重スリット流体ディスペンサ504は、角度を付けられることによって、正味の流体フローを基板500全体にわたって横方向に導くことができる。例えば、矢印516によって示されるように、かかる正味のフローは第一及び第二のスリット506、508とほぼ平行でよい。望ましくないことに、かかる正味の横方向の流体フローは、第一流体によるディスプレイ素子の不均一な充填につながり得る。例えば、基板502の下側領域(例えば、Y軸方向内)に向かうディスプレイ素子512は、基板の上側領域(例えば、負のY軸方向内)のディスプレイ素子と比べて第一流体をより多く受け取ることができる。
【0036】
上述したように、充填プロセスの後のディスプレイ素子内の第一流体の均一性は、製造上の重要な局面である。したがって、以下に記述された実施形態では、ディスプレイ素子512のピクセル壁は、流体フローをY軸に沿った方向からX軸に沿った方向(二重スリット流体ディスペンサ504の移動方向と同じ)に変えるように構成される。X方角でのかかる流体フローは、Y方角での横方向流体フローを減らすのに役立つ。例えば、Y方角に流れる流体は、盛り上がったピクセル壁に遭遇し、その後X方向に向かってそれることができる。横方向の流体フローの減少は、ディスプレイ素子512の充填均一性を改善することができる。
【0037】
二重スリットの流体ディスペンサ504は、ディスプレイ素子アレイ502の盛り上がっていないピクセル壁(
図1に示されたピクセル壁108など)の約150ミクロン上になる高さ520で基板500とディスプレイ素子アレイ502を横切ることができる。
図1の116などの盛り上がったピクセル壁は、二重スリット流体ディスペンサ504から50〜250ミクロン未満であってよい。
【0038】
図7は、いくつかの実施形態による、盛り上がったピクセル壁と二重スリット流体ディスペンサ702を有するディスプレイ素子アレイの一部700の平面図を示す。二重スリット流体ディスペンサ702は、少なくとも1つの盛り上がったピクセル壁708を有するディスプレイ素子706と盛り上がっていないピクセル壁712を有するディスプレイ素子710とを含む1つまたは複数のディスプレイ素子アレイを含む基板704上に第一流体(例えば不透明な油)と第二流体(例えば電解液)とを分注するように構成される。いくつかの実装形態では、盛り上がったピクセル壁708と盛り上がっていないピクセル壁712は、例えば、単一の沈積/マスキング・プロセスによって形成することができるフォトレジスト材料のなどの同一材料を含んでよい。基板704の部分は、
図1に示された基板104と同一であるかまたは類似していてよい。流体ディスペンサ702は、第一流体を分注するための第一スリット714と第二流体を分注するための第二スリット716を含んでよい。第一スリット714と第二スリット716との間の距離は、例えば、約1〜5ミリメートルの範囲でよい。第一スリット714と第二スリット716の長さ(例えば、
図7の頁の内外で測定されたとき)は、いくつかの例を挙げると、数センチメートルから約40センチメートルまでの範囲でよい。具体的には、スリットの長さは、流体ディスペンサ702が第一及び第二流体を上に分注する基板の幅を少なくともほぼ跨ぐのに十分なものである。
【0039】
基板704上に形成されたディスプレイ素子アレイ内に第一及び第二の流体を載置する製造プロセス中に、流体ディスペンサ702は下地基板に対してある方向718に移動する。この方向は、図面に示すX軸と平行であるが、流体ディスペンサ702はX軸に対して斜めの角度に配向されている。X軸とY軸は、アレイ内のディスプレイ素子の行と列のアラインメントを表わす。流体ディスペンサ702は、ディスプレイ素子アレイの個々のディスプレイ素子706、710に第一流体を分注する。流体ディスペンサ702は、第一流体及び少なくとも部分的に満たされた個々のディスプレイ素子を覆うように第二流体を分注する。
【0040】
上述のように、斜めの角度で配向されている流体ディスペンサ702に少なくとも部分的に起因して、第一及び第二の流体の正味のフローは、矢印720で少なくとも略示された横方向に展開する。この横方向の流体フローは、第一及び第二の流体の分布をY軸方向に増大させる。例えば、ディスプレイ素子722は、ピクセル724の充填深さと比較してより深く第一流体で満たされることができる。流体ディスペンサ702の斜めの配向に一部起因して生じる第一及び第二の流体の不均一分布を緩和するために、ディスプレイ素子アレイのピクセル壁の一部は、ピクセル壁の他の部分より高い。より高いピクセル壁は流体フローの方向を変えることができる。例えば、矢印726は、最初はY軸に平行に流れているが盛り上がったピクセル壁728によってX軸の方に方向を変えられる流体フローを表す。流体フローを一方向から別方向(例えば、Y軸に沿ったフローからX軸に沿ったフロー)に変える、かかる作用は、斜めの角度に配向された流体ディスペンサ702から分注された流体の不均一分布を緩和するのに役立つことができる。
【0041】
例えば、ディスプレイ素子706は盛り上がったピクセル壁708を含み、他方、ディスプレイ素子710は盛り上がったピクセル壁を含まず、その代り、ディスプレイ素子710は盛り上がったピクセル壁708の高さより低い「通常の高さ」のピクセル壁712で囲まれる。いくつかの実装形態では、盛り上がったピクセル壁708は高さ約4ミクロンのピクセル壁712の約2倍の高さであり得る。他の実装形態では、盛り上がったピクセル壁708は、ピクセル壁712の約1.5倍〜約4.0倍の範囲で基板704からさらに延在することができる。さらに別の実装形態では、例えば、盛り上がったピクセル壁708は、
図1に示した122などのスペーサと同じ距離、基板704から延在することができる。
【0042】
図7に示される実施形態では、盛り上ったピクセル壁708が、アレイの行の他の全ての隣接するディスプレイ素子の対が盛り上ったピクセル壁を共有するようにディスプレイ素子アレイの全体にわたって分布される。例えば、ディスプレイ素子706、730の対は盛り上ったピクセル壁708を共有する。これに対して、ディスプレイ素子710、732の対は盛り上っていない(たとえば、「通常の高さ」の)ピクセル壁712を共有する。盛り上ったピクセル壁のかかる分布は、いくつかの可能性のある分布の一例に過ぎない。盛り上ったピクセル壁の載置または分布は、基板704上に形成されたディスプレイ素子の特徴及び構造に対する第一及び/または第二の流体の流体力学に少なくとも部分的に基づいて決定することができる。流体力学は、2〜3例を挙げると、粘性、湿潤性、基板に対する第一及び/または第二流体の分注速度と分注角度、ならびに、基板上に形成された構造に少なくとも部分的に依存する場合がある。
【0043】
図8は、いくつかの実施形態による、盛り上がったピクセル壁と二重スリット流体ディスペンサ802とを有するディスプレイ素子アレイの部分800の平面図を示す。部分800は、例えば、盛り上がったピクセル壁が異なる分布を含むこと以外は、
図7に示されたディスプレイ素子アレイの部分700に類似している。
【0044】
二重スリット流体ディスペンサ802は、第一流体(例えば不透明な油)と第二流体(例えば電解液)を、少なくとも1つの盛り上がったピクセル壁808を有するディスプレイ素子806を含んだ1つまたは複数のディスプレイ素子アレイを含む基板804に分注するように構成される。例えば、かかる基板の一部分は
図1に示した基板104と同一であるか、またはそれに類似している。流体ディスペンサ802は、第一流体を分注するための第一スリット810と第二流体を分注するための第二スリット812を含んでよい。第一スリット810と第二スリット812との間の距離は、例えば、約1〜約5ミリメートルの範囲でよい。第一スリット810と第二スリット812の長さ(例えば、
図7の頁の内外で測定されたとき)は、いくつかの例を挙げると、数センチメートルから約40センチメートルまでの範囲でよい。具体的には、スリットの長さは、流体ディスペンサ802が第一及び第二流体を上に分注する基板の幅を少なくともほぼ跨ぐのに十分なものでよい。
【0045】
流体ディスペンサ802は、基板804上に形成されたディスプレイ素子アレイ内に第一及び第二の流体を載置する製造プロセス中に、下地基板に対してある方向814に移動する。この方向は、図面で示されるX軸に平行であるが、流体ディスペンサ802はX軸に対して斜めの角度に配向される。X軸とY軸は、アレイ内のディスプレイ素子の行と列のアラインメントを表わす。流体ディスペンサ802は、ディスプレイ素子アレイの個々のディスプレイ素子806に第一流体を分注する。流体ディスペンサ802は、第一流体及び少なくとも部分的に満たされた個々のディスプレイ素子を覆うように第二流体を分注する。
【0046】
上述のように、斜めの角度で配向されている流体ディスペンサ802に少なくとも部分的に起因して、第一及び第二流体の正味のフローは、矢印816で少なくとも略示された横方向に展開する。この横方向の流体フローは、第一及び第二の流体の分布をY軸方向に増大させる。例えば、ディスプレイ素子818は、ピクセル820の充填深さと比較してより深く第一流体で満たされることができる。流体ディスペンサ802の斜めの配向に一部起因して生じる第一及び第二流体の不均一分布を緩和するために、ディスプレイ素子アレイのピクセル壁の一部は、ピクセル壁の他の部分より高い。より高いピクセル壁は流体フローの方向を変えることができる。例えば、矢印822は、最初はY軸に平行に流れているが流体フロー822にほぼ直角になる盛り上がったピクセル壁808によってX軸に向きを変えられる流体フローを表す。流体フローを一方向から別方向(例えば、Y軸に沿ったフローからX軸に沿ったフロー)に変える、かかる作用は、斜めの角度に配向された流体ディスペンサ802から分注された流体の不均一分布を緩和するのに役立つことができる。
【0047】
図8に示す実装形態例では、ディスプレイ素子806は盛り上がったピクセル壁808と盛り上がったピクセル壁808の高さより低い「通常の高さ」のピクセル壁824とを含む。いくつかの実装形態では、盛り上がったピクセル壁808は、高さが約4ミクロンのピクセル壁824の約2倍の高さになり得る。
【0048】
盛り上ったピクセル壁808は、隣接するディスプレイ素子をアレイの行と列に間仕切る他のすべてのピクセル壁が盛り上ったピクセル壁を含むようにディスプレイ素子アレイの全体にわたって分布される。盛り上ったピクセル壁のかかる分布は、いくつかの可能性のある分布の一例に過ぎない。上述したように、盛り上ったピクセル壁の載置または分布は、基板804上に形成されたディスプレイ素子の特徴及び構造に対する第一及び/または第二の流体の流体力学に少なくとも部分的に基づいて決定することができる。
【0049】
図9は、いくつかの実施形態による、盛り上がったピクセル壁と二重スリット流体ディスペンサ902とを有するディスプレイ素子アレイの部分900の平面図を示す。部分900は、例えば、盛り上がったピクセル壁が異なる分布を含むこと以外は、
図7に示されたディスプレイ素子アレイの部分700に類似している。
【0050】
二重スリット流体ディスペンサ902は、少なくとも1つの盛り上がったピクセル壁908を有するディスプレイ素子906を含んだ1つまたは複数のディスプレイ素子アレイを含む基板904上に第一流体及び第二流体を分注するように構成される。流体ディスペンサ902は、第一流体を分注するための第一スリット910と第二流体を分注するための第二スリット912を含んでよい。
【0051】
基板904上に形成されたディスプレイ素子アレイ内に第一及び第二の流体を載置する製造プロセス中に、流体ディスペンサ902は下地基板に対してある方向914に移動する。この方向は、図面で示されるX軸に平行であるが、流体ディスペンサ902はX軸に対して斜めの角度に配向される。X軸とY軸は、アレイ内のディスプレイ素子の行と列のアラインメントを表わす。流体ディスペンサ902は、ディスプレイ素子アレイの個々のディスプレイ素子906に第一流体を分注する。流体ディスペンサ902は第一流体及び少なくとも部分的に満たされた個々のディスプレイ素子を覆うように第二流体を分注する。
【0052】
上述のように、斜めの角度で配向されている流体ディスペンサ902に少なくとも部分的に起因して、第一及び第二流体の正味のフローは、矢印916で少なくとも略示された横方向に展開する。この横方向の流体フローは、第一及び第二の流体の分布をY軸方向に増大させる。例えば、ディスプレイ素子918は、ピクセル920の充填深さと比較してより深く第一流体で満たされることができる。流体ディスペンサ902の斜めの配向に一部起因して生じる第一及び第二流体の不均一分布を緩和するために、ディスプレイ素子アレイのピクセル壁の一部は、ピクセル壁の他の部分より高い。より高いピクセル壁は流体フローの方向を変えることができる。例えば、矢印922は、最初はY軸に流れているが流体フロー922にほぼ直角になる盛り上がったピクセル壁908によってX軸に向きを変えられる流体フローを表す。流体フローを一方向から別方向(例えば、Y軸に沿ったフローからX軸に沿ったフロー)に変えるかかる作用は、斜めの角度に配向された流体ディスペンサ902から分注された流体の不均一分布を緩和するのに役立つことができる。
【0053】
図9に示す実装形態例では、ディスプレイ素子906は盛り上がったピクセル壁908と盛り上がったピクセル壁908の高さより低い「通常の高さ」のピクセル壁924とを含む。いくつかの実装形態では、盛り上がったピクセル壁908は、高さ約4ミクロンのピクセル壁924の約2倍の高さになり得る。
【0054】
盛り上ったピクセル壁908は、アレイのピクセル壁の他のすべての行が盛り上ったピクセル壁を含むようにディスプレイ素子アレイの全体にわたって分布される。盛り上ったピクセル壁のかかる分布は、いくつかの可能性のある分布の一例に過ぎない。上述したように、盛り上ったピクセル壁の載置または分布は、基板904上に形成されたディスプレイ素子の特徴及び構造に対する第一及び/または第二の流体の流体力学に少なくとも部分的に基づいて決定することができる。
【0055】
図10は、いくつかの実施形態による、盛り上がったピクセル壁と二重スリット流体ディスペンサ1002とを有するディスプレイ素子アレイの部分1000の平面図を示す。部分1000は、例えば、「L」字形状の盛り上がったピクセル壁を含むこと以外は、
図7に示されたディスプレイ素子アレイの部分700に類似している。
【0056】
二重スリット流体ディスペンサ1002は、少なくとも1つの盛り上がったピクセル壁1008を有するディスプレイ素子1006を含んだ1つまたは複数のディスプレイ素子アレイを含む基板1004に第一流体と第二流体を分注するように構成される。流体ディスペンサ1002は、第一流体を分注するための第一スリット1010と第二流体を分注するための第二スリット1012を含んでよい。
【0057】
基板1004上に形成されたディスプレイ素子アレイ内に第一及び第二の流体を載置する製造プロセス中に、流体ディスペンサ1002は下地基板に対してある方向1014に移動する。この方向は、図面で示されるX軸に平行であるが、流体ディスペンサ1002はX軸に対して斜めの角度に配向される。X軸とY軸は、アレイ内のディスプレイ素子の行と列のアラインメントを表わす。流体ディスペンサ1002は、ディスプレイ素子アレイの個々のディスプレイ素子1006に第一流体を分注する。流体ディスペンサ1002は第一流体及び少なくとも部分的に満たされた個々のディスプレイ素子を覆うように第二流体を分注する。
【0058】
上述のように、斜めの角度で配向されている流体ディスペンサ1002に少なくとも部分的に起因して、第一及び第二流体の正味のフローは、矢印1016で少なくとも略示された横方向に展開する。この横方向の流体フローは、第一及び第二の流体の分布をY軸方向に増大させる。例えば、ディスプレイ素子1018は、ピクセル1020の充填深さと比較してより深く第一流体で満たされることができる。流体ディスペンサ1002の斜めの配向に一部起因して生じる第一及び第二の流体の不均一分布を緩和するために、ディスプレイ素子のアレイのピクセル壁の一部は、ピクセル壁の他の部分より高い。より高いピクセル壁は流体フローの方向を変えることができる。例えば、矢印1022は、最初はY軸に平行に流れているが流体フロー1022にほぼ直角になる盛り上がったピクセル壁1008によってX軸に向きを変えられる流体フローを表す。流体フローを一方向から別方向(例えば、Y軸に沿ったフローからX軸に沿ったフロー)に変えるかかる作用は、斜めの角度に配向された流体ディスペンサ1002から分注された流体の不均一分布を緩和するのに役立つことができる。
【0059】
図10に示す実装形態例では、ディスプレイ素子1006は盛り上がったピクセル壁1008と盛り上がったピクセル壁1008の高さより低い「通常の高さ」のピクセル壁1024とを含む。いくつかの実装形態では、盛り上がったピクセル壁1008は、高さ約4ミクロンのピクセル壁1024の約2倍の高さになり得る。他の実装形態では盛り上がったピクセル壁は高さを変えることができる。例えば、X方向(例えば行に沿った)の盛り上がったピクセル壁の部分1026は、Y方向(例えば列に沿った)の盛り上がったピクセル壁の部分1028と比較して異なる盛り上がり高さを有することができる。
【0060】
盛り上がったピクセル壁1008は、数個の構成のうちの任意の構成で分布することができる。上述したように、盛り上がったピクセル壁の載置または分布は、基板1004上に形成されたディスプレイ素子の特徴及び構造に対する第一及び/または第二の流体の流体力学に少なくとも部分的に基づいて決定することができる。
【0061】
図11は、様々な実施形態による、エレクトロウェッティングディスプレイ装置の製造プロセスのフローチャートである。例えば、ディスプレイ装置は
図1で示したディスプレイ装置と同一であるか、または類似していてもよい。ブロック1102では、流体ディスペンサを用いて1つまたは複数のディスプレイ素子アレイを含む基板(透明でよい)上に第一流体及び第二の流体を分注する。例えば、かかる二重スリット流体ディスペンサは
図2に示された200に類似してよい。二重スリット流体ディスペンサでよい流体ディスペンサは、不透明な油などの第一流体及び電解液などの第二流体を分注することができる。流体ディスペンサは、ディスプレイ素子アレイの行と列に対して斜めの角度で第一流体と第二流体を分注することができる。
【0062】
ブロック1104では、透明基板からピクセル壁の第二の部分より実質的にさらに延在するディスプレイ素子アレイのピクセル壁の第一の部分は、第一流体及び第二流体のフローを流体ディスペンサの移動方向に向けさせるのに用いられる。ブロック1106では、アレイのディスプレイ素子は、第一流体で少なくとも部分的に満たされる。個々のディスプレイ素子のピクセル壁は、個々のディスプレイ素子に第一流体を保持する。ブロック1108では、ディスプレイ素子と第一流体は、少なくとも部分的に第二流体で覆われる。プロセス1100の後に続いて、天板を基板及びディスプレイ素子アレイの上に載置しラミネートしてよい。得られた構造は、個々のディスプレイ装置に間仕切ることができる。
【0063】
図12は、上記で論じたディスプレイ装置のうちの任意のものを組み込むことができる電子装置1200の例を示す。電子装置1200はディスプレイを含む電子装置のいずれかのタイプを含み得る。例えば、装置1200は、モバイルの電子装置(例えば、電子書籍リーダ、タブレット・コンピューティング装置、ラップトップ・コンピュータ、スマートフォン、他の多機能の通信装置、携帯情報端末、ウェアラブル・コンピューティング装置、自動車用ディスプレイなど)でよい。あるいは、装置1200は、非移動式電子装置(例えば、コンピュータ・ディスプレイ、テレビなど)でもよい。そのうえ、
図12は電子装置1200のコンポーネントの数例を示すが、装置1200は、オペレーティング・システム、システム・バス、入/出力コンポーネント等などの他の従来のコンポーネントをさらに含んでよいことを理解すべきである。さらに、テレビまたはコンピュータ・モニタの場合などの他の例では、電子装置1200は、単に示されたコンポーネントのサブセットを含むだけの場合もある。
【0064】
電子装置1200の特定の実装形態にかかわらず、装置1200はディスプレイ1202及び対応するディスプレイ制御装置1204を含む。ディスプレイ1202は、電子ペーパー・ディスプレイ、反射型または透過型のLCDディスプレイ等などのいくつかの事例で反射型または透過型のディスプレイを表わす場合がある。電子ペーパー・ディスプレイは、紙の上の通常のインクの外観を大部分模倣するディスプレイ技術のアレイを表わす。従来のバックライト・ディスプレイとは対照的に、電子ペーパー・ディスプレイは、一般に、通常の紙がするように光を反射する。そのうえ、電子ペーパー・ディスプレイは、しばしば、双安定であり、これは、これらのディスプレイが、ほんの僅かの電力が供給されるかまたは電力が供給されない場合ですら、テキストまたは他のレンダリングされた画像を保持することができることを意味する。本明細書で記述された実装形態で使用することができるディスプレイ1202のいくつかの例には、光干渉変調器ディスプレイ、コレステリック・ディスプレイ、電子泳動ディスプレイ、電気流体ピクセル・ディスプレイ、エレクトロウェッティングディスプレイ、フォトニック・インク・ディスプレイ、ジリコン・ディスプレイなどの双安定性のLCDディスプレイ、微小電気機械システム(MEMS)ディスプレイが含まれる。他の実装形態では、または他のタイプの装置1200については、ディスプレイ1202は、流体結晶ディスプレイ、プラズマ・ディスプレイ、発光ダイオード・ディスプレイ、有機発光ダイオード・ディスプレイ等などのアクティブ・ディスプレイでよい。したがって、本明細書での実装形態は、いかなる特別なディスプレイ技術にも限定されない。
【0065】
ある実装形態では、ディスプレイは、印加電圧を使用して表面に対する流体の表面張力を変えるエレクトロウェッティングディスプレイを含む。例えば、かかるエレクトロウェッティングディスプレイは、
図1に示すピクセル・アレイ100を含んでよいが、請求する主題はこの点に制限されない。疎水性表面に電圧を印加することによって、表面が第二流体よりも湿潤性が高くなるように、この表面の湿潤性を変更することができる。エレクトロウェッティングディスプレイの一例として、電圧がディスプレイの個々のピクセルに加えられる場合に、表面張力の変更は、有色の油膜を収縮させることによって光スイッチとして働く。電圧が印加されない場合は、有色の油はピクセル内に連続的な膜を形成し、この色はディスプレイのユーザが視認することができる。他方で、電圧がピクセルに印加される場合は、有色の油が置き換えられて、ピクセルが透明になる。ディスプレイの複数のピクセルが独立して活性化される場合、ディスプレイはカラーまたは白黒の画像を提示することができる。ピクセルは、透過型、反射型、透過/反射型(透過反射型)ディスプレイの基礎を形成することができる。さらに、小さな桁のピクセル寸法を使用している一方で、ピクセルは、速いスイッチング速度(例えば、数ミリセカンドの桁)に応答することができる。したがって、本明細書のエレクトロウェッティングディスプレイは、ビデオコンテンツを表示することなどの用途に適することができる。
【0066】
もちろん、異なる数例が挙げられているが、本明細書で記述した反射型ディスプレイが、例が上記で提供された電子ペーパー技術または反射型ディスプレイ技術の任意の他のタイプを含んでよいことを理解すべきである。その上、上で記述した例のいくつかは、黒、白のレンダリング及びグレー諧調を変えることに関して論じられているが、記述された技術はカラー・ピクセルのレンダリングが可能な反射型ディスプレイにも等しくあてはまることを理解すべきである。このように、用語「白」、「グレー」及び「黒」は、カラー・ディスプレイを使用する実装形態で色の程度を変えることを指すことができる。例えば、ピクセルが赤いカラー・フィルタを含んでいる場合、ピクセルの「グレー」の値はピンクの色合いに対応する一方で、ピクセルの「黒」の値はカラー・フィルタの最も暗い赤に対応することができる。さらに、本明細書のいくつかの例は反射型ディスプレイの環境で記述されているが、他の例では、ディスプレイ1202は、例を上述したバックライト・ディスプレイを表わしてよい。
【0067】
ディスプレイ1202を含むのに加えて、
図12は、装置1200のいくつかの例がタッチセンサ・コンポーネント1206及びタッチ・コントローラ1208を含むことができることを示す。いくつかの事例では、少なくとも1つのタッチ・センサ・コンポーネント1206がディスプレイ1202と併存するか、またはディスプレイ1202上にスタックされてタッチ敏感性ディスプレイ(例えば、電子ペーパー・タッチ敏感性ディスプレイ)を形成する。したがって、ディスプレイ1202は、タッチ入力を許容すること及びタッチ入力に応答または対応してコンテンツをレンダリングすることの両方ができるようになることができる。数個の例として、タッチ・センサ・コンポーネント1206は、容量性タッチ・センサ、力感知型抵抗(FSR)、補間性力感知型抵抗(IFSR)、または、他の任意のタイプのタッチ・センサを含むことができる。いくつかの事例では、タッチ・センサ・コンポーネント1206は、タッチを検出すること、ならびに、これらのタッチの圧力または力の量を決定することができる。
【0068】
図12は、電子装置1200が、1つまたは複数のプロセッサ1210及び1つまたは複数のコンピュータ可読媒体1212、ならびに、ディスプレイ1202を照らすためのフロント・ライト・コンポーネント1214(バックライト・ディスプレイの場合は、代わりに、バックライト・コンポーネントでよい)、カバー・ガラスまたはカバー・シートなどのカバー層コンポーネント1216、1つまたは複数のコミュニケーション・インタフェース1218、及び1つまたは複数の電源1220を含むことができることを示す。コミュニケーション・インタフェース1218は、セルラー・ネットワーク、ラジオ、WiFiネットワーク、ショート・レンジ・ネットワーク(例えばブルートゥース(登録商標))、赤外線(IR)等などの様々なネットワークへの有線接続及び無線接続の両方をサポートするかことができる。
【0069】
電子装置1200の構成に依存して、コンピュータ可読媒体1212(及び至る所で記述された他のコンピュータ可読媒体)は、コンピュータ記憶装置媒体の例であり、揮発性メモリ及び不揮発性メモリを含むことができる。したがって、コンピュータ可読媒体1212は、限定はされないが、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュ・メモリ、または他のメモリ技術、またはコンピュータ可読の指示、プログラム、アプリケーション、メディア・アイテム、及び/または、電子装置1200によってアクセスすることができるデータを格納するのに使用することができるいずれか他の媒体を含むことができる。
【0070】
コンピュータ可読媒体1212は、プロセッサ1210上で実行可能な任意の数の機能コンポーネント、並びに、コンテンツ・アイテム1222及びアプリケーション1224を格納するのに使用することができる。したがって、コンピュータ可読媒体1212は、オペレーティング・システムと、イー・ブック、オーディオ書籍、歌、ビデオ、静止画像等、などの1つまたは複数のコンテンツ・アイテム1222を格納するストレージ・データベースとを含むことができる。電子装置1200のコンピュータ可読媒体1212は、装置1200上のコンテンツ・アイテムをレンダリングする1つまたは複数のコンテンツ提示アプリケーションも格納することができる。これらのコンテンツ提示アプリケーションは、コンテンツ・アイテム1222に応じて様々なアプリケーション1224として実装することができる。例えば、コンテンツ提示アプリケーションは、テキスト電子書籍を読むための電子書籍リーダ・アプリケーション、オーディオ書籍または歌を再生するためのオーディオ・プレイヤ、ビデオを再生するためのビデオ・プレイヤ、等であってよい。
【0071】
いくつかの例では、電子装置1200は、カバー(
図12に図示せず)と結合して電子装置1200のディスプレイ(及び、ディスプレイ・スタックまたはディスプレイ・アセンブリ内の他のコンポーネント)を保護することができる。一例では、装置1200の後部を覆う後部フラップと、ディスプレイ1202及びスタック内の他の部分を覆う前部フラップとを含むことができる。装置1200及び/またはカバーは、センサ(例えばホール効果センサ)を含んで、カバーが開かれた場合(前部フラップがディスプレイ及び他のコンポーネントの上にない場合)に、それを検知することができる。センサは、カバーが開けられたときにフロント・ライト・コンポーネント1214に信号を送信し、フロント・ライト・コンポーネント1214がそれに応答してディスプレイ1202を照らすことができる。カバーが閉じられると、その間に、フロント・ライト・コンポーネント1214はカバーが閉じられたことを示す信号を受信し、照明を消すことができる。
【0072】
さらに、フロント・ライト・コンポーネント1214によって放射される光量を変えることができる。例えば、ユーザがカバーを開くと、フロント・ライトからの光は、徐々に増加してフル照明になることができる。いくつかの事例では、装置1200は周辺光センサ(
図12には示さず)を含み、フロント・ライト・コンポーネント1214の照明量は、周辺光センサによって検知された周辺光量に少なくとも部分的に基づくことができる。例えば、フロント・ライト・コンポーネント1214は、周辺光センサが暗い部屋でのように比較的少ない周辺光を検知する場合によりうす暗くなることができ;特定の範囲内で周辺光を検知する場合により明るくなり;そして、直射日光などの比較的大量の周辺光を検知する場合によりうす暗くなるかまたは消灯することができる。
【0073】
さらに、ディスプレイ1202の設定は、フロント・ライト・コンポーネント1214がオンかオフかに応じて変わり、かつ、フロント・ライト・コンポーネント1214によって提供される光量に基づいて変わることができる。例えば、電子装置1200は、光がオンのときに比較して、光がオフになったときにより大きなデフォルト・フォントまたはより大きなコントラストをもたらすことができる。いくつかの事例では、光がオンの場合に、電子装置1200は、光がオフの時のコントラスト比のある規定されたパーセント内にあるディスプレイのコントラスト比を維持する。
【0074】
上に記述されるように、タッチ・センサ・コンポーネント1206はディスプレイ1202の頂上にある容量型タッチ・センサを含むことができる。いくつかの例では、タッチ・センサ・コンポーネント1206はカバー層コンポーネント1216上に形成するか、またはコンポーネント1216と一体にすることができる。他の例では、タッチ・センサ・コンポーネント1206は、ディスプレイ・アセンブリのスタック内の別個のコンポーネントでよい。フロント・ライト・コンポーネント1214は、タッチ・センサ・コンポーネント1206の頂上または下に存在してよい。いくつかの事例では、タッチ・センサ・コンポーネント1206またはフロント・ライト・コンポーネント1214のいずれかが、ディスプレイ1202の保護シート1226の上面に結合される。一例としては、フロント・ライト・コンポーネント1214は、導光シート及び光源(
図12に示さず)を含むことができる。導光シートは、基板(例えば、PMMAまたは他のアクリル樹脂などの透明な熱可塑性プラスチック)、ラッカ層、及び、光源からの光をディスプレイ1202に向けて伝搬させてディスプレイ1202を照らす働きをするラッカーの層内に形成された複数の回折素子を含むことができる。
【0075】
カバー層コンポーネント1216は、電子装置1200に入射する周辺光の閃光または反射のうちの少なくとも一方を低下させる働きをする外部層を有した透明基板またはシートを含んでよい。いくつかの事例では、カバー層コンポーネント1216は、耐擦傷性の化学結合UV硬化表面コーティングを生じるベースのポリエステルまたはポリカーボネートを含んだハード・コートのポリエステル膜及び/またはポリカーボネート膜を含むことができる。いくつかの事例では、膜は、生じる膜が予め定められた閾値より大きな硬度(例えば、少なくとも3Hの鉛筆に耐える硬度)を含むように添加剤で製造することができる。かかる耐擦傷性がなければ、装置はより容易にひっかき傷が付けられ、ユーザは反射型ディスプレイの上面に分散される光からひっかき傷を知覚することができる。いくつかの例では、保護シート1226は、外側表面に類似のUV硬化ハード・コーティングを含んでよい。カバー層コンポーネント1216は、別のコンポーネントまたはディスプレイ1202の保護シート1226に結合することができる。いくつかの事例では、カバー層コンポーネント1216は、電子装置1200に入射するUV光からスタックの下側のコンポーネントを保護するためのUVフィルタ、UV吸収染料などを含んでもよい。さらに他の例では、カバー層コンポーネント1216は、閃光防止及び/または反射防止コーティングを有する1枚の高強度ガラスを含んでよい。
【0076】
ディスプレイ1202は、画像表示コンポーネント1228を覆う保護シート1226を含む。例えば、ディスプレイ1202は、その上部または画像視認側の外側表面として保護シート1226を有するように予め組み立ててよい。したがって、保護シート1226は画像表示コンポーネント1228と一体でよく、それを覆ってよい。保護シート1226は、ユーザがディスプレイ1202の画像表示コンポーネント1228上に提示された画像を保護シート1226を通して視認することができるように光学的に透明でよい。
【0077】
いくつかの例では、保護シート1226は、厚さが25〜200マイクロメートルの範囲の透明なポリマ膜でよい。いくつかの例では、保護シートは、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリエチレンナフタレート(PEN)などの透明なポリエステル、またはポリカーボネートまたはアクリル樹脂などの他の適切な透明なポリマ膜またはシートでよい。いくつかの例では、保護シート1226の外側表面は、上に記述されたハード・コーティングなどのコーティングを含んでよい。例えば、ハード・コーティングは、ディスプレイ1202の画像を表示するコンポーネント1228を含む保護シート1226のアセンブリの前または後の保護シート1226の外側表面に適用してよい。いくつかの例では、ハード・コーティングは、保護シート1226上にハード・コーティングを硬化させるためなどの光開始剤または他の反応性の化学種をその組成に含んでよい。さらに、いくつかの例では、保護シート1226はUV光吸収性染料で染色してよく、または他のUV吸収処理で処理してもよい。例えば、保護シートは、カットオフまたは閾値波長未満のUV光が保護シート1226によって少なくとも部分的に吸収されて、それによって、画像表示コンポーネント1228をUV光から保護するような特定のUVカットオフを有するように処理してよい。
【0078】
本明細書のいくつかの実装形態によれば、1つまたは複数の上記で論じたコンポーネントは、光学的に透明な流動性接着剤(LOCA)を使用して、ディスプレイ1202に結合させてよい。例えば、フロント・ライト・コンポーネント1214の導光部分がディスプレイ1202に結合されることになっていると仮定されたい。導光部は、保護シート1226の外側または上側の表面にLOCAを載置することにより、ディスプレイ1202に結合してよい。LOCAが保護シートの周囲の角及び/または保護シートの周囲の少なくとも1つの部分に到着する時に、LOCAのUV硬化を、角及び/または周囲の部分で行なってよい。その後、残りのLOCAがUV硬化され、フロント・ライト・コンポーネント1214をLOCAに結合してよい。これらの技術では、角及び/または周囲を最初に硬化することによって、残りのLOCAのバリアを形成し、さらに、LOCA層内にエアギャップが形成されるのを防ぎ、それによって、フロント・ライト・コンポーネント1214の性能が向上する。他の実装形態では、LOCAは、保護シート1226の中心近くに載置され、LOCAの上にフロント・ライト・コンポーネント1214を載置することによって保護シート1226の上面の周囲に向かって外向きに押圧される。その後、LOCAはフロント・ライト・コンポーネント1214を介してUV光を向けることによって硬化させてよい。上記で論じたように、また、以下に追加的に論じるように、保護シートの表面処理などの様々な技術をLOCA及び/または保護シート1226の変色を防ぐために使用してよい。
【0079】
図12は、電子装置1200が追加の特徴また機能性を有することができる2〜3のコンポーネントの例を示す。例えば、装置1200はさらに、例えば、磁気ディスク、光ディスクまたはテープなどの追加のデータ格納装置(取り外し可能な、及び/または、取り外しできない)を含んでよい。追加のデータ格納媒体(
図2に示した制御盤124などの制御盤に存在してよい)は、コンピュータ読取り可能な指示、データ構造、プログラム・モジュールまたは他のデータなどの情報を格納するための任意の方法または技術で実装される揮発性及び不揮発性で、かつ、取り外し可能な及び/または取り外しできない媒体を含んでよい。加えて、いくつかの実装形態では、装置1200内に存在するとして記述された機能性のうちのいくらかまたはすべてが装置1200から遠隔に存在していてもよい。これらの実装形態では、装置1200は、この機能性と通信し、それを利用するためにコミュニケーション・インタフェース1218を利用してよい。
【0080】
主題が構造の特徴及び/または方法論の行為に特有の用語で記述されたが、添付の請求項に規定される主題は記述された特定の特徴及び行為に必ずしも限定されないことを理解すべきである。むしろ、特定の特徴および行為は、請求項を実装する例示的形態として開示される。
【0081】
当業者なら、上記の記述に事実上無制限な数の変形形態が可能であり、例及び添付の図面は実装形態の1つまたは複数の単なる例に過ぎないことを理解するであろう。
【0082】
様々な他の修正を加えることができ、請求した主題から逸脱することなく均等物を置換できることは当業者によって理解されるであろう。その上、本明細書で記述された中心概念から逸脱することなく請求した主題の教示に対して特別な状況を適用するために多くの修正を加えることができる。したがって、請求した主題は開示された特別な実施形態に限定されることはないが、かかる請求した主題は、添付の請求項及びその均等物の範囲に当てはまるすべての実施形態を含むこともできることが意図されている。
【0083】
上記の詳細記述では、数多くの具体的な詳細が説明されて、請求した主題についての完全な理解を提供する。しかし、請求した主題がこれらの具体的な詳細なしで実行できることは当業者によって理解されるであろう。他の事例では、当業者によって理解されるはずの方法、装置、またはシステムは、請求した主題を不明瞭にしないように詳細には記述されていない。
【0084】
この明細書全体にわたって「一実施形態」または「ある実施形態」への言及は、特別な実施形態に関して記述された特別な特徴、構造または特性を請求した主題の少なくとも1つの実施形態に含まれ得ることを意味することができる。したがって、この明細書の様々な場所で出現するフレーズ「一実施形態では」、または「ある実施形態」は、必ずしも、記述された同一の実施形態または任意の特別な実施形態を指す意図はない。さらに、記述された特別な特徴、構造または特性を様々な方法で1つまたは複数の実施形態で組み合わせることができることを理解すべきである。もちろん、一般に、これらおよび他の論点は使用の特別な背景に応じて変わり得る。したがって、これらの用語を記述または使用する特別な背景は、その背景に対して導かれる推論に関する有用なガイダンスを提供することができる。
【0085】
(条項)
1. 1つまたは複数のピクセル・アレイが上に形成されたガラス基板を含むディスプレイ装置であって、
前記ピクセル・アレイが
前記ピクセル・アレイの個々のピクセルを間仕切り、少なくとも部分的に第一流体を保持するピクセル壁と、
前記ピクセル壁及び前記第一流体を覆う第二流体と、
を含み、
前記ピクセル壁の第一部分が前記ピクセル壁の第二部分の上に延在し、第一方向に整列されて前記第二流体のフローを第二方向に向ける、
前記ディスプレイ装置。
【0086】
2.前記ピクセル・アレイが前記ピクセル壁の前記第一部分の上に延在するスペーサをさらに含む、条項1に記載のディスプレイ装置。
【0087】
3.(i)前記スペーサ及び(ii)前記ピクセル壁の前記第一部分が前記ガラス基板からほぼ同じ距離延在する、条項2に記載のディスプレイ装置。
【0088】
4.透明基板上に形成されたディスプレイ素子のアレイを含むディスプレイ装置であって、
前記ディスプレイ素子のアレイが
第一流体と、
前記ディスプレイ素子の間で共有される第二流体と、
(i)前記ディスプレイ素子を互いに間仕切り、(ii)前記ディスプレイ素子のそれぞれに前記第一流体を少なくとも部分的に保持するピクセル壁と、
を含み、
前記ピクセル壁の第一部分が、(i)前記ピクセル壁の第二部分より前記透明基板からさらに実質的に延在し、(ii)前記第二流体内に延在する、
前記ディスプレイ装置。
【0089】
5.前記ピクセル壁の前記第一部分が第一材料を含み、前記ピクセル壁の前記第二部分が前記第一材料と同じ第二材料を含む、条項4に記載のディスプレイ装置。
【0090】
6.前記第一材料がフォトレジスト材料を含む、条項5に記載のディスプレイ装置。
【0091】
7.前記ピクセル壁の前記第一部分が前記基板上の第一方向に整列して前記第二流体のフローを第二方向に向ける、条項4に記載のディスプレイ装置。
【0092】
8.前記ピクセル壁の前記第一部分より前記透明基板から実質的にさらに延在するスペーサをさらに含む、条項4に記載のディスプレイ装置。
【0093】
9.(i)前記透明基板上に形成された前記ディスプレイ素子のアレイを少なくとも部分的に覆う透明な天板と、(ii)端部シールと、(iii)前記スペーサと、をさらに含む、条項8に記載のディスプレイ装置。
【0094】
10.前記透明基板から第一の距離延在するスペーサをさらに含み、前記ピクセル壁の前記第一部分が前記透明基板から第二の距離延在し、前記第一の距離は前記第二の距離とほぼ同じである、条項4に記載のディスプレイ装置。
【0095】
11.前記第一流体が非導電性の油であり、前記第二流体が導電性の溶液または極性の溶液である、条項4に記載のディスプレイ装置。
【0096】
12.前記ピクセル壁の前記第一部分が前記透明基板から第一の距離延在し、前記ピクセル壁の前記第二部分が前記透明基板から第二の距離延在し、前記第二の距離が前記第一の距離よりも約1.5〜約4.0倍長い、条項4に記載のディスプレイ装置。
【0097】
13.前記ディスプレイ素子がエレクトロウェッティングディスプレイ素子を含む、条項4に記載のディスプレイ装置。
【0098】
14.前記ピクセル壁の前記第一部分のそれぞれの最長寸法が前記透明基板と平行であり、前記ディスプレイ素子の行と同じ向きに整列される、条項4に記載のディスプレイ装置。
【0099】
15.電子ディスプレイ装置を製造する方法であって、
第一流体及び第二流体を透明基板上に分注しつつ、前記透明基板に対して流体ディスペンサを第一方向に移動させることと、
第一流体及び第二流体を前記透明基板上に分注することと、
前記第二流体のフローを前記第一方向に向けるようにディスプレイ素子のアレイのピクセル壁の第一部分を位置決めすることと、
を含み、
前記透明基板は1つまたは複数の前記ディスプレイ素子のアレイを含み、
前記ピクセル壁の前記第一部分が、前記ピクセル壁の第二部分より前記透明基板からさらに実質的に延在する、
前記電子ディスプレイ装置を製造する方法。
【0100】
16.前記ディスプレイ素子を前記第一流体で少なくとも部分的に満たすことと、前記ディスプレイ素子及び前記第一流体を前記第二流体で少なくとも部分的に覆うことと、をさらに含む、条項15に記載の方法。
【0101】
17.(i)前記透明基板、(ii)前記第一流体、(iii)前記第二流体、及び(iv)前記ピクセル壁を透明な天板で覆うことをさらに含む、条項15に記載の方法。
【0102】
18.前記ディスプレイ素子の前記1つまたは複数のアレイが前記ディスプレイ素子の複数のアレイを含み、前記方法が、
前記透明基板を切断して前記ディスプレイ素子の前記複数のアレイを互いに分離させること
をさらに含む、条項15に記載の方法。
【0103】
19.前記ピクセル壁の前記第一部分及び前記ピクセル壁の前記第二部分がフォトレジスト材料を含む、条項15に記載の方法。
【0104】
20.前記ディスプレイ素子がエレクトロウェッティングディスプレイ素子を含む、条項15に記載の方法。