(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
なお、以下の
図2、
図5、
図6、
図7、
図8、
図10においては、煩雑となるのを避けるために、孔部12a4と支持部12b2の一部を省略している。
図1は、本実施の形態に係る吸着ステージ12および貼合装置100を例示するための模式図である。
図2は、吸着ステージ12を例示するための模式図である。
図3は、第1の載置部12aを例示するための模式平面図である。
図4は、第2の載置部12bを例示するための模式平面図である。
【0010】
図1に示すように、貼合装置100には、処理容器11、吸着ステージ12、基板支持部13、押圧部14、排気部15、および制御部16が設けられている。
処理容器11は、箱状を呈し、気密構造となっている。
処理容器11の側壁には、基板W1(第1の基板の一例に相当する)や基板W2(第2の基板の一例に相当する)などの搬入搬出を行うための開口部11aが設けられている。また、開口部11aを気密に開閉可能な開閉扉11bが設けられている。
【0011】
吸着ステージ12は、台座17を介して処理容器11の内部の底面に設けられている。 なお、台座17は、必ずしも必要ではなく、必要に応じて適宜設けるようにすることができる。
図2〜
図4に示すように、吸着ステージ12には第1の載置部12aおよび第2の載置部12bが設けられている。第1の載置部12aは、第2の載置部12bの上に着脱自在に設けられていてもよいし、固定されていてもよい。
【0012】
第1の載置部12aは、本体部12a1(第1の本体部の一例に相当する)、壁部12a2(第1の壁部の一例に相当する)、壁部12a3(第2の壁部の一例に相当する)、および孔部12a4を有する。
図2などに示したように、第1の載置部12aは、別個の要素である本体部12a1、壁部12a2、および壁部12a3が接合されたものとすることができる。
また、第1の載置部12aは、本体部12a1、壁部12a2、および壁部12a3が、一体的に成形されたものとすることもできる。
本体部12a1は、平面形状が円形を呈する板状体とすることができる。
なお、平面形状が円形を呈する本体部12a1を例示したが、本体部12a1の平面形状は載置される基板W1の形状などに応じて適宜変更することができる。例えば、本体部12a1は、平面形状が矩形を呈するものであってもよい。
【0013】
壁部12a2は、本体部12a1の基板W1が載置される側の端面12a1aに設けられている。壁部12a2は、環状を呈し、本体部12a1の外縁を囲んでいる。
壁部12a3は、本体部12a1の端面12a1aとは反対側の端面12a1bに設けられている。壁部12a3は、環状を呈し、本体部12a1の外縁を囲んでいる。
なお、第1の載置部12aの載置面は、壁部12a2、および後述する複数の支持部12b2のそれぞれの頂面を含む面である。
【0014】
孔部12a4は、本体部12a1を厚み方向に貫通している。孔部12a4は、複数設けられている。隣接する孔部12a4同士の間の寸法は、等しくなっている。すなわち、複数の孔部12a4は、等間隔に設けられている。孔部12a4には後述する支持部12b2が挿入される。孔部12a4の内壁と、支持部12b2の側壁との間には、僅かな隙間が設けられている。そのため、支持部12b2は孔部12a4に沿って移動できるようになっている。また、孔部12a4の内壁と、支持部12b2の側壁との間の隙間を介して、基板W1と本体部12a1との間の空間を排気できるようになっている。
【0015】
支持部12b2の間隔、すなわち孔部12a4の間隔を広くしすぎると、基板W1を吸着した際に基板W1が局部的に撓むおそれがある。孔部12a4の間隔は、実験やシミュレーションを行うことで適宜設定することができる。
複数の孔部12a4の配置は、例えば、同心円状、千鳥状などとすることができる。
【0016】
第2の載置部12bは、本体部12b1(第2の本体部の一例に相当する)、支持部12b2、および孔部12b3を有する。
本体部12b1は、平面形状が円形を呈する板状体とすることができる。
本体部12b1は、第1の載置部12aの本体部12a1と対峙している。
なお、本体部12b1の平面形状は円形に限定されるわけではない。この場合、本体部12b1の平面形状は、本体部12a1の平面形状と同じとすることができる。
【0017】
支持部12b2は、柱状を呈し、本体部12b1の一方の端面側から突出している。
支持部12b2は、孔部12a4に挿入されている。
なお、本実施の形態における吸着ステージ12においては、支持部12b2と孔部12a4の数は同じとなっている。
図2に示すように、支持部12b2は、円柱状を呈するものとすることができる。なお、支持部12b2は、角柱状を呈するものであってもよい。ただし、支持部12b2の断面形状を円形とすれば、孔部12a4の加工を容易とすることができる。
また、支持部12b2の基板W1が載置される側の端部は、先端になるに従い断面積が小さくなるようにすることができる。
【0018】
この様にすれば、基板W1との接触面積を減らすことができる。その結果、基板W1の汚れの発生やパーティクルの発生などを抑制することができる。
また、支持部12b2の頂面の面積を小さくすることができるので、基板W1の載置面である支持部12b2の頂面にパーティクルが付着する確率を減らすことができる。そのため、パーティクルによる吸着性性能の低下を抑制することができる。
【0019】
複数の支持部12b2の高さ寸法(本体部12b1から頂面までの寸法)は、貼り合わせの際の基板W1の形状に応じて適宜変更することができる。
例えば、
図2に示す様に、貼り合わせの際の基板W1の形状を平坦な形状とする場合には、複数の支持部12b2の高さ寸法を同じにし、且つ、支持部12b2の端面12a1aからの突出寸法を壁部12a2の高さ寸法と同じにする。
また、例えば、貼り合わせの際の基板W1の形状を中央部が基板W2の方向に突出した形状とする場合には、中央部側に配置される支持部12b2の高さ寸法を周縁部側に配置される支持部12b2の高さ寸法より高くする。
【0020】
この様に、複数の支持部12b2の本体部12b1からの突出寸法を異なるものとすることができる。
すなわち、複数の支持部12b2の高さ寸法を適宜変更することで、貼り合わせの際の基板W1の形状を任意の形状とすることができる。
そのため、基板W1が所望の形状でない場合であっても任意の形状に矯正することができるので、基板W2と歪みなく貼り合わせることができる。
【0021】
また、第1の載置部12aおよび第2の載置部12bを有する吸着ステージ12とすることで、基板W1の形状に対する対応性を向上させることができる。
例えば、基板W1の形状に応じて、適正な高さ寸法を有し、且つ適正な配置がされた支持部12b2を有する第2の載置部12bを選定することで、基板W1の種々の形状に対応することができる。
【0022】
また、第1の載置部12aおよび第2の載置部12bを有する吸着ステージ12とすることで、メンテナンス性を向上させることができる。
例えば、第1の載置部12aに設けられた要素、または第2の載置部12bに設けられた要素のいずれかが破損した場合には、破損した側を交換することで修理を完了させることができる。
また、基板W1を任意の形状とすることで、基板W2の貼り合わせの際の接合開始位置を任意の位置とすることができる。例えば、平面視における押圧部の位置に合わせて基板W2を突出させるように変形することで、基板W1への押圧力を小さくすることができるので、基板W1の歪みを小さくすることができる。
【0023】
孔部12b3は、本体部12b1を厚み方向に貫通している。孔部12b3の第1の載置部12a側とは反対側の開口には、配管15cを介して排気部15が接続されている。すなわち、孔部12b3は、排気用の接続孔とすることができる。
【0024】
基板W1が吸着ステージ12に載置された際には、基板W1の外縁近傍が吸着ステージ12から突出するようになっている。
この場合、基板W1の吸着ステージ12から突出した部分を押し上げる図示しないリフトピンなどを設けることができる。
【0025】
図1に示すように、基板支持部13には、支持爪13a、移動部13b、および基部13cが設けられている。
支持爪13aは、基板W2の周縁部を支持する。そして、支持爪13aに基板W2を支持させることで、吸着ステージ12に載置された基板W1と対峙する所定の位置に基板W2が支持されるようになっている。
【0026】
移動部13bは、基板W2を支持する位置と、基板W2の外方向に退避した位置との間で支持爪13aを移動させる。移動部13bは、例えば、サーボモータやパルスモータなどの制御モータを有するものとすることができる。
基部13cは、柱状を呈し、処理容器11の内部の底面に設けられている。基部13cの端部近傍には、支持爪13a、移動部13bが設けられている。なお、支持爪13a、移動部13b毎に基部13cが設けられる場合を例示したがこれに限定されるわけではない。例えば、1つの基部13cに複数の支持爪13a、移動部13bが設けられるようにすることもできる。
【0027】
また、基板支持部13の配設数には特に限定はないが、基板W2の周縁の3箇所以上に均等に割り付けられるようにすることが好ましい。その様にすれば基板W2の支持状態を安定させることができる。
【0028】
押圧部14には、移動部14a、移動軸14b、およびパッド14cが設けられている。
押圧部14は、本体部12a1の端面12a1aと対峙する位置に設けられている。また、押圧部14は、支持爪13aに支持された基板W2の略中央部をパッド14cにより押圧することができる位置に設けられている。
押圧部14は、支持爪13aに支持された基板W2の略中央部をパッド14cで押圧することにより基板W2を撓ませて、基板W1の貼り合わせ面の一部と基板W2の貼り合わせ面の一部とを接触させる。なお、基板W1、基板W2の貼り合わせ面とは、互いを対峙させたときに対向する基板W1、基板W2のそれぞれの面を指す。
【0029】
移動部14aは、処理容器11の外部に設けられている。移動部14aは、サーボモータやパルスモータなどの制御モータを有するものとすることができる。また、圧力制御された流体により駆動されるもの(例えば、エアシリンダなど)などを有するものとすることもできる。
移動軸14bは、処理容器11の壁面を貫通するようにして設けられ、一方の端部側が移動部14aと接続されている。また、他方の端部側にはパッド14cが取り付けられている。
【0030】
パッド14cの先端部分は、略半球状を呈し、その基部は円柱状を呈している。パッド14cは、軟質の弾性体から形成され、押圧時に接触部分を点接触から面接触へと変化させることができるようになっている。そのため、押圧点(接合開始位置)における応力を緩和させることができるので、基板W2の損傷を抑制することができる。また、ボイドの発生、割れや欠けの発生、擦り傷の発生、スリップなどによる位置ずれの発生などを抑制することもできる。パッド14cは、例えば、シリコンゴムやフッ素ゴムなどの軟質樹脂により形成することができる。この場合、パッド14cをシリコンゴムあるいはフッ素ゴムから形成すれば、基板W2が汚染されることを抑制することができる。
【0031】
なお、押圧部14は必ずしも必要ではなく、必要に応じて設けるようにすればよい。
例えば、基板W2を押圧することなく基板W2の自重により、基板W1と基板W2との貼り合わせを行うようにすることもできる。
また、凸状の基板W1とすることで、基板W1と基板W2とを接触させるようにすることもできる。
また、接合開始位置は必ずしも基板W1の中央である必要はなく、例えば、基板W1の周端部であってもよい。
また、載置部12の内部に押圧部12と同様の押圧部を設け、基板W1の裏面を基板W2の方向に向けて押圧することで、基板W1を凸状に変形させて基板W1と基板W2とを接触させるようにすることもできる。
【0032】
排気部15には、排気ポンプ15a、制御弁15b、および配管15cが設けられている。
排気ポンプ15aは、例えば、ドライポンプなどとすることができる。
制御弁15bの一端は排気ポンプ15aに接続され、制御弁15bの他端は配管15cを介して孔部12b3に接続されている。
【0033】
制御部16は、貼合装置100に設けられた各要素の動作を制御する。
制御部16は、例えば、以下のような制御を行うことができる。
制御部16は、制御弁15bを制御して、基板W1の吸着と吸着の解除とを切り替える。
なお、本明細書における「吸着の解除」は、吸着の停止(排気の停止)のみならず、外気の導入をも含む。
制御部16は、排気ポンプ15aの起動と停止を制御する。
制御部16は、移動部13bを制御して、支持爪13aの位置を制御する。
制御部16は、移動部14aを制御して、パッド14cの位置を制御する。
制御部16は、開閉扉11bの開閉動作を制御する。
【0034】
次に、他の実施形態に係る吸着ステージについて例示をする。
図5は、他の実施形態に係る吸着ステージ22を例示するための模式図である。
図5に示すように、吸着ステージ22の構成要素は、前述した吸着ステージ12の構成要素と同様とすることができる。
ただし、前述した吸着ステージ12の場合には、孔部12a4の数と支持部12b2の数が同じとなっていた。つまり、すべての孔部12a4に支持部12b2が挿入されていた。
これに対して、本実施の形態に係る吸着ステージ22の場合には、孔部12a4の数が支持部12b2の数より多くなっている。つまり、支持部12b2が挿入されていない孔部12a4がある。
【0035】
この様に、基板W1の厚み寸法や形状などによっては、支持部12b2の数を間引くこともできる。
支持部12b2の数を間引くことができれば、コストダウンを図ることができる。また、支持部12b2が挿入されていない孔部12a4を通気孔として用いることができる。
なお、間引かれる支持部12b2の数や位置などは、基板W1の厚み寸法や形状などに応じて適宜変更することができる。
【0036】
図6は、他の実施形態に係る吸着ステージ32を例示するための模式図である。
図6に示すように、吸着ステージ32には、第1の載置部12a、第2の載置部12b、および、変形部18が設けられている。
すなわち、吸着ステージ32は、前述した吸着ステージ12に変形部18をさらに設けた場合である。
【0037】
変形部18は、貼り合わせの際の基板W1の形状に応じて、第2の載置部12bの本体部12b1の形状を変形させる。
すなわち、前述した吸着ステージ12の場合には、貼り合わせの際の基板W1の形状に応じて、複数の支持部12b2の高さ寸法を変更していた。
これに対して、吸着ステージ32の場合には、貼り合わせの際の基板W1の形状に応じて、第2の載置部12bの本体部12b1の形状を変形させ、複数の支持部12b2の頂面の位置を変化させるようにしている。
この様にすれば、複数の支持部12b2の高さ寸法を一定としても、基板W1の種々の形状に対応することができる。すなわち、汎用性を向上させることができる。
この場合、第2の載置部12bの本体部12b1は、加圧されることで変形し、加圧が終われば元の形状に戻ることができ、かつ、貼り合わせに影響しない程度にパーティクルを発生しないものであればよい。例えば、本体部12b1は、ゴムや樹脂などの可撓性材料から形成されたものや、薄い金属板などであればよい。
【0038】
変形部18には、駆動部18aおよび押圧部18bが設けられている。
駆動部18aは、例えば、サーボモータやパルスモータなどの制御モータを有し、押圧部18bの頂面の位置を変化させる。
押圧部18bは、例えば、柱状を呈し、頂面が第2の載置部12bの本体部12b1に接触している。押圧部18bの頂面側とは反対側の端部は、駆動部18aと接続されている。
制御部16は、駆動部18aを制御して複数の支持部12b2のそれぞれの頂面の位置を制御する。
【0039】
変形部18の数や配置は、吸着ステージ32の大きさや基板W1の形状などに応じて適宜変更することができる。
この場合、
図6に示すように、複数の支持部12b2のそれぞれの下に変形部18を設けるようにすることができる。この様にすれば、貼り合わせの際の基板W1の形状に対する制御性を向上させることができる。
【0040】
図7(a)、(b)は、他の実施形態に係る吸着ステージ42を例示するための模式図である。
図7(a)、(b)に示すように、吸着ステージ42には、第1の載置部12a、第2の載置部12b、および、変形部28が設けられている。
変形部28には、エアバッグ28a、ガス供給部28b、ガス制御部28c、および配管28dが設けられている。
【0041】
エアバッグ28aは、袋状を呈し、ゴムや樹脂などの可撓性材料から形成することができる。
ガス供給部28bは、エアバッグ28aの内部にガスを供給する。ガスの種類には特に限定がなく、例えば、空気や窒素ガスなどとすることができる。
ガス制御部28cは、エアバッグ28aへのガスの供給、エアバッグ28aへのガスの供給の停止、エアバッグ28aからのガスの排出を制御する。ガス制御部28cは、例えば、三方弁などとすることができる。
配管28dは、ガス供給部28bとガス制御部28c、およびエアバッグ28aとガス制御部28cを接続している。
制御部16は、ガス制御部28cおよびガス供給部28bを制御して、エアバッグ28aの膨張と収縮を制御する。
【0042】
エアバッグ28aの内部にガスが供給され、エアバッグ28aが膨らむと、第2の載置部12bの本体部12b1がエアバッグ28aにより押圧されて変形する。
エアバッグ28aが膨らんだ際の形状は、貼り合わせの際の基板W1の形状に応じたものとなっている。
例えば、貼り合わせの際の基板W1の形状が凸状の場合には、
図7(a)に示す様に、エアバッグ28aの本体部12b1との接触面の形状が、凸状の基板W1の形状と同様となるようになっている。
例えば、貼り合わせの際の基板W1の形状が平坦な形状の場合には、
図7(b)に示す様に、エアバッグ28aの本体部12b1との接触面の形状が、平坦な形状となるようになっている。
【0043】
すなわち、エアバッグ28aが膨らんだ際の形状を適宜選定することで、基板W1の種々の形状に対応することができる。
また、エアバッグ28aの内部に所定の温度に加熱されたガスを供給することもできる。
エアバッグ28aの内部に所定の温度に加熱されたガスを供給すれば、貼り合わせの際に基板W1の温度を制御することができるので、熱歪みの低減を図ることができる。
この場合、ガス供給部28bや配管28dなどに設けられた図示しないヒータにより、エアバッグ28aの内部に供給されるガスを加熱することができる。
【0044】
図8は、他の実施形態に係る吸着ステージ52を例示するための模式図である。
図9は、第1の載置部52aを例示するための模式平面図である。
図8および
図9に示すように、吸着ステージ52には、第1の載置部52aおよび第2の載置部52bが設けられている。
第1の載置部52aは、本体部12a1、壁部12a2、壁部12a3、孔部12a4、壁部52a2(第3の壁部の一例に相当する)、および壁部52a3(第4の壁部の一例に相当する)を有する。
すなわち、第1の載置部52aは、前述した第1の載置部12aに、さらに壁部52a2および壁部52a3を設けた場合である。
壁部52a2は、環状を呈し、壁部12a2の内側に設けられている。
壁部52a3は、環状を呈し、壁部12a3の内側に設けられている。
【0045】
第2の載置部52bは、本体部12b1、支持部12b2、孔部12b3、および孔部52b3を有する。
すなわち、第2の載置部52bは、前述した第2の載置部12bに、さらに孔部52b3を設けた場合である。
この場合、孔部12b3には配管15cを介して制御弁15bが接続されている。制御弁15bには排気ポンプ15aが接続されている。
また、孔部52b3には配管15c1を介して制御弁15b1が接続されている。制御弁15b1には排気ポンプ15aが接続されている。
なお、制御弁15b1は、制御弁15bと同様とすることができる。配管15cは、配管15c1と同様とすることができる。
なお、本実施の形態に係る吸着ステージ52の場合には、孔部12a4の数と支持部12b2の数が同じとなっている。つまり、すべての孔部12a4に支持部12b2が挿入されている。
【0046】
すなわち、吸着ステージ52においては、壁部12a2と壁部52a2の間に位置する領域52g(第1の領域の一例に相当する)と、壁部52a2の内側に位置する領域52h(第2の領域の一例に相当する)とに区画されている。
そして、基板W1の外縁側の吸着および中央部側の吸着を別々に制御することができるようになっている。
制御部16は、制御弁15b、制御弁15b1および排気ポンプ15aを制御して、領域52gと領域52hにおける基板W1の吸着と吸着の解除とを制御する。
【0047】
また、平面視における領域52gの面積と、領域52hの面積とが同じとなっている。 平面視における領域52gの面積と、領域52hの面積を同じにすれば、それぞれの領域において発生する単位面積当たりの吸着力を同じにすることができる。
または、領域52gにおける孔部52b3を介した吸引量と、領域52hにおける孔部12b3を介した吸引量を同じにすれば、それぞれの領域において発生する単位面積あたりの吸着力を同じにすることができる。すなわち、領域52gと領域52hにおけるそれぞれの吸引量を同じにすればよい。その結果、それぞれの領域において歪みのない吸着を行うことができる。
なお、壁部12a2の内側に壁部52a2を設け、壁部12a3の内側に壁部52a3を設ける場合を例示したが、壁部52a2および壁部52a3のそれぞれの内側にさらに壁部を設けることもできる。
【0048】
ここで、基板W1には反りなどの変形がある。そのため、単に、基板W1を吸着させても基板W1全体を第1の載置部52aに密着させるのは困難である。例えば、反りなどの変形がある基板W1を1回の吸着動作で吸着させると、局所的に第1の載置部52aと密着していない部分、すなわち変形している部分が残るおそれがある。変形している部分が残ると、基板W1と基板W2の貼り合わせの位置精度が悪くなるおそれがある。
【0049】
本実施の形態に係る吸着ステージ52とすれば、以下のようにして第1の載置部52aに基板W1を吸着させることができる。
まず、領域52gおよび領域52hのいずれか一方における基板W1の吸着を行い、領域52gおよび領域52hのいずれか他方における基板W1の吸着を解除する。
例えば、領域52gおける基板W1の吸着を行い、領域52hにおける基板W1の吸着を解除する。
あるいは、領域52hおける基板W1の吸着を行い、領域52gにおける基板W1の吸着を解除する。
続いて、前述のものとは逆の動作を行う。
すなわち、吸着を行っていた領域の吸着を解除し、吸着を解除していた領域の吸着を行う。
【0050】
この様にすれば、反りなどの変形がある基板W1であっても、第1の載置部52aの載置面の形状に倣わすことができる。すなわち、反りなどの変形がある基板W1を意図した形状(第1の載置部52aの載置面の形状)に矯正することができる。そのため、基板W1と基板W2の貼り合わせの位置精度を向上させることができる。
なお、第1の載置部52aの載置面は、壁部12a2、壁部52a2、および複数の支持部12b2のそれぞれの頂面を含む面である。
また、この吸着と吸着の解除を複数回繰り返すこともできる。
この様にすれば、反りなどの変形が大きい基板W1や厚みの厚い基板W1であっても、第1の載置部52aの載置面の形状に倣わすことができる。
また、吸着と吸着の解除の繰り返し回数は適宜変更することができる。
なお、吸着と解除をそれぞれ1回ずつ交互に行うのではなく、吸着と解除をそれぞれ複数回ずつ交互に行うようにしてもよい。
【0051】
図10は、他の実施形態に係る吸着ステージ62を例示するための模式図である。
図10に示すように、吸着ステージ62の構成要素は、前述した吸着ステージ52の構成要素と同様とすることができる。
ただし、前述した吸着ステージ52の場合には、孔部12a4の数と支持部12b2の数が同じとなっていた。つまり、すべての孔部12a4に支持部12b2が挿入されていた。
これに対して、本実施の形態に係る吸着ステージ62の場合には、孔部12a4の数が支持部12b2の数より多くなっている。つまり、支持部12b2が挿入されていない孔部12a4がある。
【0052】
この様に、基板W1の厚み寸法や形状などによっては、支持部12b2の数を間引くこともできる。
支持部12b2の数を間引くことができれば、コストダウンを図ることができる。また、支持部12b2が挿入されていない孔部12a4を通気孔として用いることができる。
なお、間引かれる支持部12b2の数や位置などは、基板W1の厚み寸法や形状などに応じて適宜変更することができる。
【0053】
次に、貼合装置100の作用とともに、吸着ステージ12、22、32、42、52、62の作用および本実施の形態に係る貼合方法について例示をする。
まず、図示しない搬送装置により、基板W1を開口部11aから処理容器11の内部に搬入する。なお、開閉扉11bは図示しない駆動部により開かれている。
処理容器11の内部に搬入された基板W1は、第1の載置部12a、52aの上に載置される。
【0054】
次に、排気部15を動作させて、基板W1を吸着ステージ12、22、32、42、52、62に吸着させる。
なお、吸着ステージ32の場合には、変形部18を動作させて、基板W1の形状が所望の形状となるようにする。
吸着ステージ42の場合には、変形部28を動作させて、基板W1の形状が所望の形状となるようにする。
例えば、基板W1を支持する複数の支持部12b2の頂面の位置を変化させて、基板W1の形状を変化させる。
なお、吸着ステージ42の場合には、エアバッグ28aを膨らませることで基板W1を支持する複数の支持部12b2の頂面の位置を変化させる。
【0055】
また、吸着ステージ52、62の場合には、前述したようにして基板W1の吸着と吸着の解除を所定の領域毎に交互に行う。
例えば、吸着ステージ52に設けられた領域52gにおけるW1基板の吸着を行う際には、領域52gに隣接する領域52hにおける基板W1の吸着を解除する。
また、領域52gおよび領域52hにおける、基板W1の吸着と基板W1の吸着の解除とをそれぞれ交互に行う。
また、領域52gおよび領域52hにおける基板W1の吸着と基板W1の吸着の解除とをそれぞれ交互に複数回行い、その後、領域52gおよび領域52hにおいて基板W1を吸着保持する。
【0056】
次に、図示しない搬送装置により、基板W2を開口部11aから処理容器11の内部に搬入する。
そして、基板W2を支持爪13aの上に載置する。
次に、基板W1と基板W2とを貼り合わせる。
まず、開閉扉11bが閉じられ処理容器11が密閉される。
次に、支持爪13aに支持された基板W2の略中央部をパッド14cで押圧することにより基板W2を撓ませて、基板W1の貼り合わせ面の一部と基板W2の貼り合わせ面の一部とを接触させる。
【0057】
この際、貼り合わせの進行とともに支持爪13aを退避方向に徐々に移動させる。
基板W1の貼り合わせ面と基板W2の貼り合わせ面とが接触する部分(貼り合わされた部分)が中央部から周縁部に向けて拡大して行く。
そして、基板W2の周縁部が支持爪13aから外れると基板W1の貼り合わせ面と基板W2の貼り合わせ面とが全面において接触することになる。すなわち、基板W1と基板W2とが貼り合わされて貼合基板が形成される。
また、貼り合わせ進行時において、基板W1と基板W2の全面が貼り合わされるまで基板W1を吸着ステージ12、22、32、42、52、62に全面吸着してもよい。また、貼り合わせの進行にしたがって、基板W1の一部(例えば基板W1の周縁部)の吸着を解除してもよい。
【0058】
次に、パッド14cを上昇させる。
形成された貼合基板は、図示しない搬送装置により処理容器11の外部に搬出される。 以後、必要に応じて前述の手順を繰り返すことで基板W1と基板W2の貼り合わせを連続的に行うことができる。
【0059】
以上、実施の形態について例示をした。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。
前述の実施の形態に関して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
例えば、貼合装置100や吸着ステージ12〜62が備える各要素の形状、寸法、材質、配置、数などは、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。