特許第6426809号(P6426809)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6426809送信装置、送信装置の制御方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6426809
(24)【登録日】2018年11月2日
(45)【発行日】2018年11月21日
(54)【発明の名称】送信装置、送信装置の制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20181112BHJP
   G10K 15/02 20060101ALI20181112BHJP
【FI】
   G06F13/00 540A
   G10K15/02
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-180098(P2017-180098)
(22)【出願日】2017年9月20日
(62)【分割の表示】特願2013-214772(P2013-214772)の分割
【原出願日】2013年10月15日
(65)【公開番号】特開2018-32408(P2018-32408A)
(43)【公開日】2018年3月1日
【審査請求日】2017年9月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】315017409
【氏名又は名称】Pioneer DJ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】小張 淳
【審査官】 安藤 一道
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−013286(JP,A)
【文献】 特開2009−267463(JP,A)
【文献】 特開2002−108908(JP,A)
【文献】 特開2007−011452(JP,A)
【文献】 特開2006−267763(JP,A)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信装置であって、
第1のユーザー操作に従って撮影画像を取得する画像撮影部と、
前記第1のユーザー操作に従って前記送信装置が存在する施設内への楽曲の放音と同期して配信サーバーが配信した前記楽曲の楽曲識別情報を取得する楽曲情報取得部と、
第2のユーザー操作に従って前記撮影画像および前記撮影画像に付加された前記楽曲識別情報を受信装置に送信する送信部と
を備えた送信装置。
【請求項2】
前記施設の選択によって得られた施設情報を前記配信サーバーに送信する手段をさらに備え、
前記楽曲情報取得部は、前記配信サーバーが前記施設情報に基づいて配信した前記楽曲識別情報を取得する、請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
前記施設を選択するためのユーザー操作を受け付ける手段をさらに備える、請求項2に記載の送信装置。
【請求項4】
前記施設内でチェックイン処理を行うことによって前記施設を選択する手段をさらに備える、請求項2に記載の送信装置。
【請求項5】
送信装置の制御方法であって、
第1のユーザー操作に従って撮影画像を取得するステップと、
前記第1のユーザー操作に従って前記送信装置が存在する施設内への楽曲の放音と同期して配信サーバーが配信した前記楽曲の楽曲識別情報を取得するステップと、
第2のユーザー操作に従って前記撮影画像および前記撮影画像に付加された前記楽曲識別情報を受信装置に送信するステップと
を含む、送信装置の制御方法。
【請求項6】
コンピューターを送信装置として機能させるためのプログラムであって、
第1のユーザー操作に従って撮影画像を取得する機能と、
前記第1のユーザー操作に従って前記送信装置が存在する施設内への楽曲の放音と同期して配信サーバーが配信した前記楽曲の楽曲識別情報を取得する機能と、
第2のユーザー操作に従って前記撮影画像および前記撮影画像に付加された前記楽曲識別情報を受信装置に送信する機能と
をコンピューターに実現させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置、送信装置の制御方法、およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の受信装置として、通信ネットワークシステムに適用された携帯端末が知られている(特許文献1参照)。この携帯端末は、他の携帯端末から送信されたフォトメールを受信し、フォトメールに添付された写真の画像データをLCD表示器に表示させるものである。このように、メール機能により写真(撮影画像)のやり取り(送受信)を行い、受信側の携帯端末で写真を閲覧可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−91880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この種の携帯端末において、撮影画像に楽曲の音声データを付加してこれをやり取りし、受信側の携帯端末で、撮影画像を表示しつつ、付加された音声データを再生することが考えられた。例えば、撮影画像に、撮影現場で流れている楽曲の音声データを付加し、これをやり取りする。そして、受信側の携帯端末では、撮影画像を表示しつつ、当該音声データを再生する。これによって、受信側のユーザーは、撮影画像を閲覧しつつ、撮影現場で流れていた楽曲を認識することができるので、撮影画像におけるライブ感を向上させることができる。
しかしながら、このような構成では、撮影画像と共に音声データをやり取りするため、データ伝送量が多くなってしまい、撮影画像のやり取りに遅延や不備が生じてしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、少ないデータ伝送量で、撮影画像におけるライブ感を向上させることができる送信装置、送信装置の制御方法、およびプログラムを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある観点によれば、送信装置が提供される。送信装置は、第1のユーザー操作に従って撮影画像を取得する画像撮影部と、第1のユーザー操作に従って送信装置が存在する施設内への楽曲の放音と同期して配信サーバーが配信した楽曲の楽曲識別情報を取得する楽曲情報取得部と、第2のユーザー操作に従って撮影画像および撮影画像に付加された楽曲識別情報を受信装置に送信する送信部とを備える。
【0007】
上記の送信装置は、施設の選択によって得られた施設情報を配信サーバーに送信する手段をさらに備え、楽曲情報取得部は、配信サーバーが施設情報に基づいて配信した楽曲識別情報を取得してもよい。
【0008】
上記の送信装置は、施設を選択するためのユーザー操作を受け付ける手段をさらに備えてもよい。
【0009】
上記の送信装置は、施設内でチェックイン処理を行うことによって施設を選択する手段をさらに備えてもよい。
【0012】
本発明の他の観点によれば、第1のユーザー操作に従って撮影画像を取得するステップと、第1のユーザー操作に従って送信装置が存在する施設内への楽曲の放音と同期して配信サーバーが配信した楽曲の楽曲識別情報を取得するステップと、第2のユーザー操作に従って撮影画像および撮影画像に付加された楽曲識別情報を受信装置に送信するステップとを含む、送信装置の制御方法が提供される。
【0014】
本発明の他の観点によれば、コンピューターを送信装置として機能させるためのプログラムが提供される。このプログラムは、第1のユーザー操作に従って撮影画像を取得する機能と、第1のユーザー操作に従って送信装置が存在する施設内への楽曲の放音と同期して配信サーバーが配信した楽曲の楽曲識別情報を取得する機能と、第2のユーザー操作に従って撮影画像および撮影画像に付加された楽曲識別情報を受信装置に送信する機能とをコンピューターに実現させる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態に係る楽曲提示システムを示したシステム構成図である。
図2】携帯端末の構成を示したブロック図である。
図3】送信側携帯端末および受信側携帯端末の機能構成を示した機能ブロック図である。
図4】(a)は、実施形態における撮影画像の表示画面を示した図であり、(b)は、楽曲購入サイトの表示画面を示した図である。(c)は、変形例における撮影画像の表示画面を示した図である。
図5】楽曲提示システムによる楽曲提示動作を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照し、本発明の一実施形態に係る受信装置、受信装置の制御方法およびプログラムについて説明する。本実施形態では、本発明の受信装置となる携帯端末を備えた楽曲提示システムを例示する。この楽曲提示システムは、複数の携帯端末間で撮影画像をやり取りするシステムであり、受信側の携帯端末で撮影画像を表示する際、その撮影現場(撮影環境)で流れていた楽曲を提示するシステムである。本楽曲提示システムは、楽曲の音声データそのものをやり取りしないことで、データ転送量を軽減する構成を有している。
【0018】
図1に示すように、楽曲提示システム1は、複数の携帯端末2と、撮影現場となる各施設Aに設けられた施設側システム3と、により構成されている。複数の携帯端末2は、インターネットや携帯電話網等の通信ネットワークNWを介して相互に通信可能に構成されている。一方、各施設側システム3は、各施設A内にある携帯端末2と通信可能に構成されている。なお、各施設Aとしては、遊戯施設、クラブやショッピングモール等、なにかしらの楽曲を流している施設を想定している。すなわち、少なくともBGM(Back Ground Music)として楽曲を流している施設や、DJ(Disc Jockey)プレイ等の音響パフォーマンスとして楽曲を流している施設を含む。
【0019】
施設側システム3は、楽曲を再生する音声再生装置11と、楽曲の楽曲識別情報を配信する配信サーバー12(ローカルサーバー)とを有している。音声再生装置11は、例えば、パーソナルコンピューター、アンプおよびスピーカーにより構成されており、楽曲を再生してスピーカーから楽曲を放音する。これによって、施設A内に楽曲を流している。
【0020】
配信サーバー12は、施設A内への楽曲の放音と同期して、施設A内の携帯端末2に対し、楽曲の楽曲識別情報(楽曲を識別するための情報)を配信する。具体的には、WiFi(登録商標)通信等の無線LAN通信により、施設A内の携帯端末2に、放音している楽曲の楽曲識別情報を配信する。ここでは、楽曲識別情報として、楽曲のメタデータ(少なくともタイトルTおよびアーティスト名を含む)と、楽曲の楽曲購入サイトSのURL(Uniform Resource Locator)とを配信する。
【0021】
図2に示すように、各携帯端末2は、スマートフォン等で構成されており、通信インターフェース21と、液晶ディスプレイ22と、タッチパネル23と、撮像カメラ24と、スピーカー25と、メモリー26と、これらを制御する制御機構27と、を備えている。
【0022】
通信インターフェース21は、通信ネットワークNWを介して他の携帯端末2とデータの送受信を行うと共に、配信サーバー12から配信された楽曲識別情報を取得する。
【0023】
液晶ディスプレイ22は、ユーザーに対し各種情報を表示するものであり、撮影画像Gや各種画面を表示する。タッチパネル23は、液晶ディスプレイ22に重畳して配設され、液晶ディスプレイ22の画面上で、各種ユーザー操作を行うための操作デバイスである。
【0024】
撮像カメラ24は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Device)などのイメージセンサーから成るカメラで構成されており、静止画像および動画像を撮像(撮影)可能である。
【0025】
スピーカー25は、各種音声を出力(放音)するものであり、楽曲の音声出力を可能とする。メモリー26は、撮影画像Gを含む各種データを書換え可能に記憶する不揮発性記憶媒体である。
【0026】
制御機構27は、CPU(Central Processing Unit)31、ROM(Read Only Memory)32およびRAM(Random Access Memory)33から成る。CPU31は、中央処理装置であり、各種演算処理を行う。ROM32は、CPU31が各種演算処理を行うための制御プログラムを記憶し、RAM33は、CPU31が各種演算処理を行う際のワークエリアとして用いられる。携帯端末2は、制御機構27により、メモリー26に記憶された所定のプログラムを実行することで、撮影画像Gを撮影して送信する送信装置、および撮影画像Gを受信して表示する受信装置として機能する。
【0027】
次に図3の機能ブロック図を参照して、楽曲提示動作にかかる携帯端末2の各機能について説明する。ここでは、楽曲提示動作において、送信装置として機能する携帯端末2を送信側携帯端末2aとし、受信装置として機能する携帯端末2を受信側携帯端末2bとして説明する。なお、本実施形態では、各携帯端末2が、送信側携帯端末2aとしても、受信側携帯端末2bとしても機能し得るものを想定しており、楽曲提示動作によって、各携帯端末2が、送信側携帯端末2aとなるか、受信側携帯端末2bとなるかは適宜変化する。
【0028】
図3に示すように、送信側携帯端末2aは、画像撮影部41と、楽曲情報取得部42と、画像記憶部43と、画像送信部44と、を備えている。画像撮影部41は、撮像カメラ24を主要部とし、施設A内で静止画像(写真)を撮影して、撮影画像Gを取得する。楽曲情報取得部42は、通信インターフェース21を主要部とし、専用アプリケーションにより、配信サーバー12によって配信されている楽曲識別情報を取得する。
【0029】
画像記憶部43は、メモリー26を主要部とし、撮影して得られた撮影画像Gを記憶すると共に、対応する楽曲識別情報を、撮影画像Gに付加して記憶する。すなわち、画像記憶部43は、各撮影画像Gに対し、撮影時に配信されている楽曲識別情報を関連付けて記憶する。
【0030】
画像送信部44は、通信インターフェース21を主要部とし、撮影画像G、および撮影画像Gに付加された楽曲識別情報を受信側携帯端末2bに送信する。画像送信部44は、メール機能、もしくはSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)により、撮影画像Gおよび楽曲識別情報を送信する。すなわち、撮影画像Gおよび楽曲識別情報をアップロードサーバーにアップロードし、受信側携帯端末2bにこれをダウンロードさせることで、これらを送信する構成であっても良い。
【0031】
受信側携帯端末2bは、画像受信部(受信部)51と、画像表示部52と、楽曲有無判定部53と、購入サイト表示部54と、楽曲再生部55と、を備えている。なお、請求項にいう「動作部」は、画像表示部52、購入サイト表示部54および楽曲再生部55により構成されている。
【0032】
画像受信部51は、通信インターフェース21を主要部とし、撮影画像Gおよび楽曲識別情報を受信する。すなわち、画像受信部51は、送信側携帯端末2aから送信された、撮影画像G、および撮影画像Gに付加された楽曲識別情報を受信する。画像受信部51は、画像送信部44と同様、メール機能、もしくはSNSにより、撮影画像Gおよび楽曲識別情報を受信する。すなわち、送信側携帯端末2aがアップロードサーバーにアップロードした撮影画像Gおよび楽曲識別情報を、ダウンロードすることで、これらを受信する構成であっても良い。
【0033】
画像表示部52は、液晶ディスプレイ22を主要部とし、撮影画像Gを表示すると共に、楽曲識別情報に基づく楽曲のタイトルTを、撮影画像Gに重畳して表示する(図4(a)参照)。すなわち、楽曲識別情報のメタデータに含まれるタイトルTを抽出し、当該タイトルTを撮影画像Gの下部に重畳した合成画像を生成して、これを表示する。なお、図4(a)に示すように、タイトルTに加え、撮影画像Gへのタップ操作が再生操作であることを示す再生マークMを、撮影画像Gに重畳して表示する。
【0034】
楽曲有無判定部53は、制御機構27を主要部とし、楽曲識別情報に基づく楽曲を、受信側携帯端末2bのユーザーが保有しているか否か(購入済みであるか否か)を判定する。すなわち、楽曲有無判定部53は、楽曲識別情報のメタデータに基づいて、メモリー26内を検索し、対象楽曲の音声データがメモリー26に記憶されているか否かを判定する。
【0035】
購入サイト表示部54は、液晶ディスプレイ22を主要部とし、楽曲識別情報に基づく楽曲購入サイトSを表示する(図4(b)参照)。すなわち、購入サイト表示部54は、楽曲有無判定部53により、楽曲識別情報に基づく楽曲を、ユーザーが保有していないと判定された場合に、楽曲識別情報の楽曲購入サイトSのURLに基づいて、ウェブ上の楽曲購入サイトSを表示する。
【0036】
楽曲再生部55は、スピーカー25を主要部とし、楽曲識別情報に基づく楽曲を再生(音声出力)する。すなわち、楽曲再生部55は、楽曲有無判定部53により、楽曲識別情報に基づく楽曲を、ユーザーが保有していると判定された場合に、検索したその対象楽曲の音声データに基づいて、当該楽曲を再生する。
【0037】
ここで図5を参照して、楽曲提示システム1による楽曲提示動作について説明する。図5に示すように、まず、送信側携帯端末2aは、ユーザー操作(撮影操作)に従って、画像撮影部41により静止画像を撮影し、撮影画像Gを取得する(S1)。撮影画像Gを取得したら、楽曲情報取得部42により、配信サーバー12から配信されている楽曲識別情報を取得する(最新情報を取得)(S2)。このように、撮影操作に起因して、撮影画像Gおよび楽曲識別情報が取得される。そして、取得した撮影画像Gおよび楽曲識別情報を画像記憶部43に記憶(記録)する(S3)。このとき、取得した撮影画像Gに、取得した楽曲識別情報を付加して記憶する。
【0038】
次に、送信側携帯端末2aは、ユーザー操作(送信操作)に従って、画像送信部44により撮影画像Gおよび楽曲識別情報を送信する(S4)。すなわち、画像記憶部43に記憶された撮影画像Gおよび楽曲識別情報を、受信側携帯端末2bに送信する。
【0039】
これに対し、受信側携帯端末2bは、画像受信部51により、送信側携帯端末2aから送信された撮影画像Gおよび楽曲識別情報を受信する(S5:受信ステップ)。撮影画像Gおよび楽曲識別情報を受信したら、ユーザー操作(表示操作)に従って、画像表示部52により、受信した撮影画像Gを表示すると共に、受信した楽曲識別情報に基づく楽曲のタイトルTを撮影画像Gに重畳して表示する(S6)。その後、撮影画像Gを表示した状態で、撮影画像Gへのタップ操作の待ち状態に移行する(S7)。上記したように、この撮影画像Gへのタップ操作が、ユーザーによる楽曲の再生操作となっている。
【0040】
そして、ユーザーにより撮影画像Gへのタップ操作を行われたら(S7:Yes)、楽曲有無判定部53により、受信した楽曲識別情報に基づく楽曲を、ユーザーが保有しているか否かを判定する(S8)。楽曲有無判定部53により、当該楽曲をユーザーが保有していないと判定された場合(S8:No)には、楽曲の再生をキャンセルし、購入サイト表示部54により、当該楽曲の楽曲購入サイトSを表示する(S9)。
【0041】
一方、楽曲有無判定部53により、当該楽曲をユーザーが保有していると判定された場合(S8:Yes)には、楽曲再生部55により、当該楽曲を再生する(S10)。これにより本楽曲提示動作を終了する。このように、本楽曲提示動作では、撮影画像Gを表示しつつ、楽曲識別情報に基づく楽曲の提示動作として、楽曲識別情報に基づく楽曲のタイトルTを表示し、楽曲識別情報に基づく楽曲購入サイトSを表示し、または、楽曲識別情報に基づく楽曲を再生する(動作ステップ)。
【0042】
以上のような構成によれば、撮影画像Gを表示しつつ、表示している撮影画像Gに関連付けられた楽曲を表示または音声出力で提示することで、撮影画像Gにおけるライブ感を向上させることができる。そして、楽曲の音声データそのものではなく、楽曲の楽曲識別情報をやり取りすることで、データ伝送量を少なくすることができる。よって、楽曲の提示までの流れを快適且つスムーズに実行することができる。さらに言えば、楽曲の音声データそのものをやり取りしないことで、楽曲の音声データの送受信に伴う著作権上の問題を排除することができる。
【0043】
また、楽曲の提示動作として、撮影画像G上に、楽曲識別情報に基づく楽曲のタイトルTを表示する動作を行うことにより、視覚のみで楽曲を認識することができる。
【0044】
さらに、楽曲の提示動作として、楽曲識別情報に基づく楽曲購入サイトSを表示する動作を行うことにより、ユーザーの購買意欲を喚起させることができる。
【0045】
またさらに、楽曲の提示動作として、楽曲識別情報に基づく楽曲を音声出力する動作を行うことで、音声によって撮影画像Gにおけるライブ感を向上させることができる。
【0046】
また、送信側携帯端末2aが、配信サーバー12により楽曲の放音と同期して配信された楽曲識別情報を取得することで、撮影現場(撮影環境)で実際に流れていた楽曲の楽曲識別情報を撮影画像Gに付加することができる。よって、受信側のユーザーは、撮影画像Gを閲覧しつつ、撮影現場で実際に流れていた楽曲を認識することができる。ゆえに、撮影画像Gにおけるライブ感をさらに向上させることができる。
【0047】
なお、本実施形態においては、撮影画像G上にタイトルTを表示する構成であったが、撮影画像G上に、メタデータにおけるタイトルT以外の情報(楽曲のアーティスト名やジャンル等)を表示する構成であっても良い。また、メタデータに、楽曲の歌詞の一部または全部を含め、当該歌詞の一部または全部を、撮影画像G上に表示する構成であっても良い。さらに、これらタイトルT等の表示について、表示/非表示の設定を可能とする構成であっても良い。
【0048】
また、本実施形態においては、対象楽曲をユーザーが保有していない場合に、楽曲購入サイトSを表示したが、対象楽曲をユーザーが保有しているか否かにかかわらず、楽曲購入サイトSを表示する構成であっても良い。また、撮影画像Gがタップ操作された時に、楽曲購入サイトSを表示する構成であったが、撮影画像Gの表示と同時に、楽曲購入サイトSを表示する構成であっても良い。さらに、楽曲購入サイトSの表示に代えて、楽曲を一定時間の試聴をすることができる構成であっても良い。
【0049】
さらに、本実施形態においては、撮影画像Gがタップ操作された時に、対象楽曲を音声出力する構成であったが、撮影画像Gの表示と同時に、対象楽曲を音声出力する構成であっても良い。
【0050】
またさらに、本実施形態においては、配信サーバー12として、施設A毎に設けられたローカルサーバーを用い、当該配信サーバー12が、無線LAN通信により楽曲識別情報を配信する構成であったが、配信サーバー12として、インターネットサーバーを用い、当該配信サーバー12が、インターネットを介して楽曲識別情報を配信する構成であっても良い。かかる場合、複数の施設Aにおける楽曲識別情報の配信を、単一の配信サーバー12で行うことも可能である。
【0051】
なお、複数の施設Aにおける楽曲識別情報の配信を、単一の配信サーバー12(インターネットサーバー)で行う場合、配信サーバー12は、携帯端末2に楽曲識別情報を配信するのに、その携帯端末2がどの施設Aに存在するかという情報(以下、施設情報)を把握する必要がある。ここでは、携帯端末2側で、自身が存在する施設Aを選択し、選択によって得られた施設情報を配信サーバー12に送信する。そして、これを配信サーバー12が受信することで、配信サーバー12が施設情報を把握する。かかる構成において、携帯端末2側での施設Aの選択方法は、手動選択と自動選択とが想定される。手動選択による選択方法としては、例えば、インターネット上のWebサイトで施設Aのリストを表示し、ユーザー操作により、当該リスト内から施設Aを選択する方法が考えられる。また、当該Webサイト上で地図を表示し、ユーザー操作により、当該地図上で施設Aの位置を指定することで、施設Aを選択する方法が考えられる。
【0052】
一方、自動選択による選択方法では、施設A内でチェックイン処理を行い、施設Aを自動選択する。例えば、携帯端末2に搭載されたGPSによって、自身が存在する施設Aを特定し、施設Aを自動選択(自動設定)する方法が考えられる。また、携帯端末2に搭載されたコード認証機能により、施設A内に設けられたQRコード等をコード認証(施設識別情報の取得)することで、自身が存在する施設Aを特定し、施設Aを自動選択する方法が考えられる。さらに、携帯端末2に搭載されたFeliCaやNFC(いずれも登録商標)等の非接触式近接センサーにより、施設A内に設けられた読取装置(リーダー/ライター)から施設識別情報を取得して、自身が存在する施設Aを特定し、施設Aを自動選択する方法が考えられる。またさらに、特定のWifiやBluetooth(いずれも登録商標)等の無線LANにより配信される施設識別情報を受信して、自身が存在する施設Aを特定し、施設Aを自動選択する方法が考えられる。また、forsquare(登録商標)等のSNSにおけるチェックインサービスを利用して、自身が存在する施設Aを特定し、施設Aを自動選択する方法が考えられる。
【0053】
なお、上記実施形態においては言及していないが、配信サーバー12が、施設A内への楽曲の放音と同期して、施設A内の携帯端末に対し楽曲識別情報を配信する際、音声再生装置11が、どの楽曲を放音(再生)しているかという情報を特定し、随時その情報を更新する必要がある。これについては以下の方法を用いて行う。すなわち、音声再生装置11と配信サーバー12とは、ルーター等を介してネットワーク接続されており、音声再生装置11は、再生している楽曲の楽曲識別情報(ここではメタデータのみ)を、リアルタイムで配信サーバー12に送信する。そして、配信サーバー12は、音声再生装置11からの楽曲識別情報を受信することで、どの楽曲を放音しているかという情報を特定する。なお、当該構成は、前述した「複数の施設Aにおける楽曲識別情報の配信を、単一の配信サーバー12(インターネットサーバー)で行う」場合にも適用される。また、施設A毎に設けられた配信サーバー12を用いる場合には、配信サーバー12が、対応する1施設で流れている楽曲のみ管理する。一方、複数の施設Aで単一の配信サーバー12を共用する場合には、配信サーバー12が、複数の施設Aで流れている楽曲を同時に管理する。
【0054】
なお、本実施形態においては、撮影画像Gに、楽曲のタイトルTを重畳して表示する構成であったが、これに加え、図4(c)に示すように、撮影画像Gに、撮影現場のロケーション情報R(撮影現場となった施設Aの施設名)を重畳して表示する構成であっても良い。かかる場合、送信側携帯端末2aで、当該ロケーション情報を取得すると共に、撮影画像Gおよび楽曲識別情報に加えて、ロケーション情報Rを送信する。これに対し、受信側携帯端末2bで、これらを受信し、撮影画像Gを表示すると共に、撮影画像Gに重畳してタイトルTおよびロケーション情報Rを表示する。
【0055】
また、本実施形態においては、受信側携帯端末2bで、撮影画像Gに楽曲識別情報を重畳させた合成画像を生成し、これを表示する構成であったが、送信側携帯端末2aで、当該合成画像を生成する構成であっても良い。かかる場合、合成画像の状態で、撮影画像Gおよび楽曲識別情報をやり取り(送受信)する構成となる。かかる構成によれば、データ伝送量をより少なくすることができる。
【0056】
さらに、本実施形態においては、撮影画像Gと共に楽曲識別情報をやり取りし、撮影画像Gを表示しつつ、撮影画像Gに関連付けられた楽曲を提示する構成であったが、撮影画像Gと共にSE(Sound Effect)識別情報をやり取りし、撮影画像Gを表示しつつ、撮影画像Gに関連付けられたSEを提示(主に音声出力)する構成であっても良い。例えば、撮影現場(撮影環境)で聞こえる音に合わせたSEがあった場合に、送信側携帯端末2aは、そのSEのSE識別情報を、撮影画像Gと共に受信側携帯端末2bに送信する。そして、受信側携帯端末2bで、撮影画像Gを表示しつつ、SE識別情報に基づくSEを再生(音声出力)する。かかる構成によれば、楽曲が流れていない撮影現場で撮影した撮影画像Gにおいても、ライブ感を向上させることができる。なお、楽曲が流れているか否かを判定し、楽曲が流れていると判定された場合には、楽曲識別情報のやり取りおよび楽曲の提示を行い、楽曲が流れていないと判定された場合には、SE識別情報のやり取りおよびSEの提示を行う構成であっても良い。
【0057】
またさらに、楽曲識別情報に代えて、MIDIデータ等の楽曲の演奏データをやり取りする構成であっても良い。かかる場合、受信側携帯端末2bは、撮影画像Gと共に、撮影画像Gに付加された演奏データを受信し、当該撮影画像Gを表示しつつ、当該演奏データに基づいて楽曲を再生する。
【符号の説明】
【0058】
2a:送信側携帯端末、2b:受信側携帯端末、51:画像受信部、52:画像表示部、54:購入サイト表示部、55:楽曲再生部、G:撮影画像、S:楽曲購入サイト、T:タイトル
図1
図2
図3
図4
図5