(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6426861
(24)【登録日】2018年11月2日
(45)【発行日】2018年11月21日
(54)【発明の名称】撮像装置及びこの撮像装置を有する端末
(51)【国際特許分類】
H04N 5/225 20060101AFI20181112BHJP
G02B 7/02 20060101ALI20181112BHJP
G03B 17/56 20060101ALI20181112BHJP
G02B 7/04 20060101ALI20181112BHJP
【FI】
H04N5/225 100
G02B7/02 C
G03B17/56 H
G02B7/04 E
G03B17/56 B
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-567696(P2017-567696)
(86)(22)【出願日】2016年5月17日
(65)【公表番号】特表2018-523159(P2018-523159A)
(43)【公表日】2018年8月16日
(86)【国際出願番号】CN2016082322
(87)【国際公開番号】WO2017000689
(87)【国際公開日】20170105
【審査請求日】2017年12月27日
(31)【優先権主張番号】201510381176.0
(32)【優先日】2015年6月30日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514223337
【氏名又は名称】広東欧珀移動通信有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】韋 怡
【審査官】
▲徳▼田 賢二
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−034124(JP,A)
【文献】
特開2005−026284(JP,A)
【文献】
特開2015−001620(JP,A)
【文献】
特開2005−284212(JP,A)
【文献】
特開2005−311758(JP,A)
【文献】
特開2005−210417(JP,A)
【文献】
特開2004−320206(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/225
G02B 7/02
G02B 7/04
G03B 17/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置であって、
カメラと、
前記カメラを取り付けるための取付部材と、
前記取付部材が回動接続される支持部材とを備え、
前記取付部材の回動軸は前記カメラの軸方向と直交し、前記取付部材には磁性体が設けられ、前記磁性体は前記取付部材の回動軸の側に位置し、前記磁性体の磁極方向は前記カメラの軸方向と平行し、
前記支持部材には電磁石が設けられ、前記電磁石の軸方向は前記取付部材の回動軸と直交し、前記磁性体は前記電磁石の軸方向の一端に位置し、
前記支持部材には、前記支持部材を前記取付部材に対して位置固定するための位置決め機構が設けられ、
前記位置決め機構は弾性片を含み、前記弾性片は、前記電磁石に対して前記取付部材の回動軸から離れ、前記弾性片の一端は前記支持部材に固定され、他端にはバンプが設けられ、前記取付部材には溝が設けられ、前記バンプは前記溝内に当接する、ことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記電磁石は2つあり、2つの前記電磁石はそれぞれ前記取付部材の回動軸の両側に配置され、それに対応して、前記磁性体も2つあり、それぞれ2つの前記電磁石に対応して配置され、
前記電磁石の一つと対応する前記磁性体とが互いに吸引するとき、前記電磁石の他の1つと対応する前記磁性体とは互いに反発する、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記取付部材は筒状であり、その内部には前記カメラを取り付けるための取付キャビティが形成され、前記取付部材の外壁にはフランジが設けられ、前記磁性体は前記フランジに設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記支持部材は環形であり、前記取付部材に外装される、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
フレキシブル回路基板を更に含み、前記取付部材には、カメラを接続するための金属板バネが設けられ、前記フレキシブル回路基板の一端は、前記金属板バネに電気的に接続される、ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記フレキシブル回路基板は、前記取付部材の閉鎖端の中心位置に接続される、ことを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記支持部材には、端末メイン基板を接続するための電気コネクタが設けられ、前記フレキシブル回路基板と前記電磁石はいずれも前記電気コネクタに電気的に接続される、ことを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記支持部材に固定接続される保護筒を更に含み、前記取付部材は前記保護筒内に設けられて、前記保護筒と回動接続される、ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項9】
端末であって、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の撮像装置を備える、ことを特徴とする端末。
【請求項10】
前記端末はメイン基板をさらに備え、前記メイン基板は前記電磁石に電気的に接続されており、前記電磁石と前記磁性体を互いに吸引又は反発させることによって、前記取付部材を回動させるために、前記電磁石の磁極方向を制御することに用いられる、ことを特徴とする請求項9に記載の端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮像分野に関し、特に撮像装置及びこの撮像装置を有する端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、端末機器におけるカメラは、一般に市販されている既存のカメラである。これらのカメラは、撮影の視野角が限られているため、広角撮影を実現することができない。端末を使用する際に、同じ画像内により多くの画面内容を含むために、広角撮影が必要となることがよくある。従来技術において、一般的に、カメラは端末に直接装着され、その撮影角度はカメラのファームウエアにより決定され、広角撮影を実現することが難しい。従って、既存のカメラの撮影視野角を広げることができる装置が必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、カメラの撮影視野角を広げることができる撮像装置及び端末を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した課題を解決するために、一態様では、本発明の実施例は撮像装置を提供する。この撮像装置は、カメラを取り付けるための取付部材と、支持部材と、保護筒とを備え、
前記取付部材は前記支持部材に回動接続され、前記取付部材の回動軸は前記カメラの軸方向と直交し、前記取付部材には磁性体が設けられ、前記磁性体の前記取付部材の回動軸が位置する側で、前記磁性体の磁極方向は前記カメラの軸方向と平行し、
前記支持部材には電磁石が設けられ、前記電磁石の軸方向は前記取付部材の回動軸と直交し、前記磁性体は前記電磁石の軸方向の一端に位置し、
前記保護筒は前記支持部材に固定接続され、前記取付部材は前記保護筒内に設けられ、前記保護筒と前記取付部材との間には回動機構が設けられる。
【0005】
本発明の撮像装置において、本発明の前記電磁石は2つあり、2つの前記電磁石はそれぞれ前記取付部材の回動軸の両側に配置され、2つの電磁石はいずれも前記制御装置に電気的に接続され、それに対応して、前記磁性体も2つあり、それぞれ2つの前記電磁石に対応して配置され、
前記電磁石の一つと対応する前記磁性体とが互いに吸引するとき、前記電磁石の他の1つと対応する前記磁性体とは互いに反発する。
【0006】
本発明の撮像装置において、前記取付部材は筒状であり、その内部には前記カメラを取り付けるための取付キャビティが形成され、前記取付部材の外壁にはフランジが設けられ、前記磁性体は前記フランジに設けられる。
【0007】
本発明の撮像装置において、前記支持部材は環形であり、前記取付部材に外装される。
【0008】
本発明の撮像装置において、前記支持部材には、前記支持部材を前記取付部材に対して位置固定するための位置決め機構が設けられる。
【0009】
本発明の撮像装置において、前記位置決め機構は弾性片であり、前記弾性片は、前記電磁石に対して前記取付部材の回動軸から離れ、前記弾性片の一端は前記支持部材に固定され、他端にはバンプが設けられ、前記取付部材には溝が設けられ、前記バンプは前記溝内に当接する。
【0010】
本発明に係る撮像装置において、前記取付部材には、カメラを接続するための金属板バネが設けられる。前記取付部材には、フレキシブル回路基板がさらに設けられ、前記フレキシブル回路基板の一端は、前記金属板バネに電気的に接続される。
【0011】
本発明の撮像装置において、前記フレキシブル回路基板は、前記取付部材の閉鎖端の中心位置に接続される。
【0012】
本発明の撮像装置において、前記支持部材には、端末メイン基板を接続するための電気コネクタが設けられ、前記フレキシブル回路基板と前記電磁石はいずれも前記電気コネクタに電気的に接続される。
【0013】
本発明の実施例はならなる撮像装置を提供する。この撮像装置は、カメラを取り付けるための取付部材と、支持部材とを備える。
前記取付部材は前記支持部材に回動接続され、前記取付部材の回動軸は前記カメラの軸方向と直交し、前記取付部材には磁性体が設けられ、前記磁性体の前記取付部材の回動軸が位置する側で、前記磁性体の磁極方向は前記カメラの軸方向と平行し、
前記支持部材には電磁石が設けられ、前記電磁石の軸方向は前記取付部材の回動軸と直交し、前記磁性体は前記電磁石の軸方向の一端に位置する。
【0014】
本発明の撮像装置において、本発明の前記電磁石は2つあり、2つの前記電磁石はそれぞれ前記取付部材の回動軸の両側に配置され、2つの電磁石はいずれも前記制御装置に電気的に接続され、それに対応して、前記磁性体も2つあり、それぞれ2つの前記電磁石に対応して配置され、
前記電磁石の一つと対応する前記磁性体とが互いに吸引するとき、前記電磁石の他の1つと対応する前記磁性体とは互いに反発する。
【0015】
本発明の撮像装置において、前記取付部材は筒状であり、その内部には前記カメラを取り付けるための取付キャビティが形成され、前記取付部材の外壁にはフランジが設けられ、前記磁性体は前記フランジに設けられる。
【0016】
本発明の撮像装置において、前記支持部材は環形であり、前記取付部材に外装される。
【0017】
本発明の撮像装置において、前記支持部材には、前記支持部材を前記取付部材に対して位置固定するための位置決め機構が設けられる。
【0018】
本発明の撮像装置において、前記位置決め機構は弾性片であり、前記弾性片は、前記電磁石に対して前記取付部材の回動軸から離れ、前記弾性片の一端は前記支持部材に固定され、他端にはバンプが設けられ、前記取付部材には溝が設けられ、前記バンプは前記溝内に当接する。
【0019】
本発明に係る撮像装置において、前記取付部材には、カメラを接続するための金属板バネが設けられる。前記取付部材には、フレキシブル回路基板がさらに設けられ、前記フレキシブル回路基板の一端は、前記金属板バネに電気的に接続される。
【0020】
本発明の撮像装置において、前記フレキシブル回路基板は、前記取付部材の閉鎖端の中心位置に接続される。
【0021】
本発明の撮像装置において、前記支持部材には、端末メイン基板を接続するための電気コネクタが設けられ、前記フレキシブル回路基板と前記電磁石はいずれも前記電気コネクタに電気的に接続される。
【0022】
別の態様では、本発明は端末をさらに提供する。この端末は、カメラと前記撮像装置とを備え、前記カメラは前記撮像装置の取付部材内に固定して取り付けられる。
【0023】
本発明の端末において、前記端末はメイン基板をさらに備え、前記メイン基板は前記電磁石に電気的に接続され、前記電磁石の磁極方向を制御して、前記電磁石と前記磁性体を互いに吸引又は反発させることによって、前記取付部材を回動させることに用いられる。
【発明の効果】
【0024】
本発明による撮像装置及び端末によれば、電磁石のコイルの電流方向を変更することによって、電磁石の磁極を変更することができ、電磁石と磁性体を吸引と反発の間で切り替えることができる。取付部材が支持部材に回動接続されるため、電磁石と磁石の間の相互作用力により取付部材の回動を実現することができる。取付部材はカメラを回動させることができるので、カメラは異なる角度の画像を得ることができ、カメラの撮影視野角を広げ、広角効果を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の実施例あるいは従来技術の技術的手段を更に詳細に説明するため、下記では実施例あるいは従来技術の説明に必要な図面を用いて簡単に説明する。当然のことながら、下記の説明における図面は本発明のいくつかの実施例のみであり、当該分野の当業者にとって、創造的労働を果たさない前提で、これらの図面に基づいて更に他の図面を得ることができる。
【
図1】
図1は、本発明の好ましい実施例による撮像装置の軸方向断面図である。
【
図2】
図2は、カメラを別の角度に回動させた後の
図1中の撮像装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施例に係る添付図面を参照しながら、本発明の実施例に係る技術的解決手段を明確かつ詳細に説明する。
【0027】
図1及び
図2に示されるように、本発明の好ましい実施例は端末を提供する。この端末は、携帯電話機、PDA、タブレットコンピュータなどの機器であってもよい。端末は、カメラ200、撮像装置100及びメイン基板300を備える。カメラ200は、撮像装置100に取り付けられ、撮像装置100を介してその端末のメイン基板300に電気的に接続することができる。撮像装置100は、カメラ200を取り付けるための取付部材1と支持部材2とを備える。
【0028】
取付部材1は支持部材2に回動接続され、取付部材1の回動軸はカメラ200の軸方向と直交し、取付部材1には磁性体3a、3bが設けられ、磁性体の取付部材1の回動軸が位置する側において、磁性体3a、3bの磁極方向はカメラ200の軸方向と平行する。支持部材2には電磁石4a、4bが設けられ、電磁石4a、4bの軸方向は取付部材1の回動軸と直交し、磁性体3a、3bは電磁石4a、4bの軸方向の一端に位置する。電磁石4a、4bのコイルの電流方向を変更することによって、電磁石4a、4bの磁極を変更することができ、電磁石と磁性体を吸引と反発の間で切り替えることができる。取付部材1が支持部材2に回動接続されるため、電磁石と磁石の間の相互作用力により取付部材1の回動を実現することができる。取付部材1はカメラ200を回動させることができるので、カメラ200は異なる角度の画像を得ることができ、カメラ200の撮影視野角を広げ、広角効果を実現することができる。複数の方向の画像を合成処理することによって、広視野角の写真を得ることができる。市販されている既存の普通視野角のカメラ200を本発明の撮像装置100と合わせることによって、広角効果を実現することができる。
【0029】
さらに、電磁石は2つ(4aと4b)ある。2つの電磁石4a、4bはそれぞれ取付部材1の回動軸の両側に配置される。2つの電磁石4a、4bはいずれも制御装置に電気的に接続される。それに対応して、磁性体も2つ(3aと3b)あり、それぞれ2つの電磁石4a、4bに対応して配置される。一方の電磁石4aと対応する磁性体3aとが互いに吸引すると、他方の電磁石4bと対応する磁性体3bとが反発する。2つの電磁石4a、4bと2つの磁性体3a、3bとの協働により、取付部材1の回動軸の2つの位置からそれぞれ作用力を提供することによって、作用力の程度を向上させることができ、角度を速やかに変化させるように取付部材1の回動を容易にする。ここで、別の実施形態では、1つのみの電磁石4aと1つのみの磁性体3aとの協働によりにより、取付部材1の回動を実現することもできる。
【0030】
取付部材1は筒状であり、その内部にはカメラ200を取り付けるための取付キャビティが形成され、取付部材1の外壁にはフランジ11a、11bが設けられ、磁性体3a、3bはフランジ11a、11bに設けられる。磁性体3a、3bは取付部材1の外周に設けられ、カメラ200の軸方向における取付部材1のサイズを小さくすることができ、撮像装置100の小型化に有利であり、端末に取り付けられた後カメラ200の軸方向のサイズを増加することがなく、端末の厚さを低減することができる。フランジは1aと1bの2つあり、磁性体3a、3bの取付固定を容易にするために、それぞれカメラ200の軸方向に対して対称に配置される。さらに、フランジ11a、11bにはそれぞれ取付溝(図示せず)が設けられる。磁性体3a、3bとフランジ11a、11bの嵌合接続を容易にすると同時に、磁性体3a、3bを強固にかつ確実に固定して、脱落しにくいようにするために、磁性体3a、3bはフランジ11a、11bの取付溝内に嵌設される。ここで、別の実施形態では、取付部材1は板状であってもよい。カメラ200は締め具を介して取付部材1の一方の板面に直接固定され、磁性体3a、3bは取付部材1の他方の板面に固定されてもよい。
【0031】
さらに、支持部材2は環形であり、取付部材1に外装し、カメラ200の軸方向における撮像装置100全体のサイズをさらに小さくすることができ、同時に、支持部材2と取付部材1の回動機構の配置に利用することができる。本実施例において、取付部材1には回動軸12が固定される。支持部材2の内側壁には回動孔(図示せず)が設けられ、回動軸12は回動孔に回動接続されることによって、取付部材1と支持部材2の回動接続を実現する。ここで、別の実施形態では、回動軸12は支持部材2に固定され、回動孔は取付部材1に開設することもできる。又は、さらに別の実施形態では、回動軸12は2つあり、それぞれ支持部材2に固定される。取付部材1の回動孔は2つあり、両回動孔は、カメラ200の軸方向と直交する方向に沿って配置される。両回動軸12はそれぞれ両回動孔内に回動するように設けられる。それによって、取付部材1と支持部材2との回動接続は実現される。
【0032】
支持部材2には、支持部材2を取付部材1に対して位置固定するための位置決め機構が設けられる。本実施例において、位置決め機構は弾性片5であることが好ましい。位置決め機構により、電磁石4a、4bと磁性体3a、3bの両者間の磁力作用が完了した後、支持部材2と取付部材1の位置を相対固定することができ、電磁石4a、4bの電源をオフにした後取付部材1が自ら支持部材2に対して回動することを回避して、カメラ200が自ら振動して摩耗を生じることを回避する。本実施例において、位置決め機構は2つあり、それぞれ取付部材1の回動軸の両側に配置され、それぞれ取付部材1を2つの位置に決めることができる。取付部材1が第1位置にある場合、電磁石4a、4bの1つと対応する磁性体3a、3bとは互いに吸引し、電磁石4a、4bの他方の1つと対応する磁性体3a、3bとは互いに反発する。取付部材1が第2位置にある場合、電磁石4a、4bの他方の1つと対応する磁石とは互いに吸引し、電磁石4a、4bの1つと対応する磁石とは互いに反発する。
【0033】
好ましくは、位置決め機構は弾性片5であり、弾性片5は、電磁石4a、4bに対して取付部材1の回動軸から離れている。弾性片5の一端は支持部材2に固定され、他端にはバンプ51が設けられる。取付部材1には溝10が設けられ、バンプ51は溝10内に当接する。弾性片5の弾力を用いることによって、バンプ51は溝10内に緊密に当接することができ、取付部材1の回動力を受けると、バンプ51は溝10から出入りしやすい。弾性片5の構造が簡単であり、加工製造が容易である。弾性片5と支持部材2との組立及び接続を容易にするために、弾性片5の一端を支持部材2に嵌入することができる。弾性片5の他端では、バンプ51の形成を容易にするために、プレスによってバンプ51を形成することができる。さらに、バンプ51が溝10から出入りすることを容易にするために、バンプ51の表面は円弧形であり、溝10の溝壁は弧状凹部である。ここで、他の実施形態において、弾性片5は取付部材1に固定接続されてもよく、それに対応して、溝10は支持部材2に設けられる。別の実施形態において、取付部材1には位置決め溝10が設けられ、位置決め機構は圧縮バネ及び位置決めブロックを備える。圧縮バネの軸方向は取付部材1の回動軸と直交し、その両端はそれぞれ支持部材2と位置決めブロックに当接する。位置決めブロックと位置決め溝10とは協働して位置決めを実現する。圧縮バネの弾力により位置決めブロックは位置決め溝10から出入りすることができる。
【0034】
取付部材1には、カメラ200を接続するための金属板バネ13が設けられる。取付部材1にはフレキシブル回路基板14がさらに設けられ、フレキシブル回路基板14の一端は、金属板バネ13に電気的に接続される。金属板バネ13によりカメラ200の金属接点と接触して、カメラ200との電気的接続を実現することができる。カメラ200を取付部材1内に取り付けることによって、カメラ200の固定及び電気的接続を実現することができる。フレキシブル回路基板14は可撓性により、電気的接続に影響を与えることなく、取付部材1とともに回動することができる。
【0035】
取付部材1へのカメラ200の取り付け及び固定を容易にするために、取付部材1の前記支持部材2に向く一端は閉鎖され、他端は解放される。金属板バネ13及びフレキシブル回路基板14はいずれも取付部材1の閉鎖端に設けられて、カメラ200との接続を容易にする。さらに、フレキシブル回路基板14は取付部材1の閉鎖端の中心位置に接続されてもよい。その位置での回動の程度は小さく、フレキシブル回路基板14の動作幅を小さくして、フレキシブル回路基板14の使用寿命を延長することができる。
【0036】
支持部材2には、端末メイン基板300を接続するための電気コネクタ21が設けられ、フレキシブル回路基板14と電磁石4a、4bはいずれも電気コネクタ21に電気的に接続される。電気コネクタ21を介して、撮像装置100の全ての電気的接続構造を電気コネクタ21に集中することができる。電気コネクタ21とメイン基板300を接続することによって、撮像装置100とメイン基板300を接続することができる。撮像装置100の取り付け及びメンテナンスを容易にするために、電気コネクタ21は、メイン基板300にプラグ接続され、又は着脱可能な他の式で固定接続されてもよい。
【0037】
メイン基板300は、電磁石4a、4bに電気的に接続されており、電磁石4a、4bと磁性体3a、3bを互いに吸引又は反発させることによって、取付部材1を回動させるために、電磁石4a、4bの磁極方向を制御することに用いられる。2つの位置の画像を取得し、さらに、メイン基板300により画像を合成し、最終的により大きい視野角の画像を形成し、広角効果を実現するために、メイン基板300を介して取付部材1及びカメラ200に対する回動制御を実現することができる。
【0038】
撮像装置100は保護筒6をさらに備えてもよい。保護筒6は支持部材2に固定接続され、取付部材1は保護筒6内に設けられる。保護筒6を使用することによって、取付部材1の回動が他の部品からの干渉を受けないように取付部材1を保護することができる。同時に、保護筒6と取付部材1との間に回動機構を設けて二者を回動接続することができる。保護筒6が支持部材2に固定接続されるため、保護筒6により取付部材1と支持部材2との間の回動接続を実現することができ、支持部材2と取付部材1との間に回動機構を設ける必要がない。
【0039】
本発明による撮像装置100によれば、市販されている既存のカメラ200を端末機器に取り付けることができる。カメラ200は取付部材1に取り付けられる。撮影中、メイン基板300により電磁石4a、4bを制御して磁性を発生させることができ、電磁石4a、4bと磁性体3a、3bとの間の吸引と反発を用いて、取付板及びカメラ200を回動させることができる。カメラ200は異なる角度の画像を取得して、視野角を広げる効果を実現することができる。得られた複数の角度の画像は、端末のソフトウェアによって後処理され、広角写真を合成することができる。撮像装置100は、構造が簡単であり、加工製造が容易であり、端末の内部空間が増加しすぎない。
【0040】
上述した実施形態において、一方の電磁石4aと対応する磁性体3aとが互いに吸引する場合、他方の電磁石4bと対応する磁性体3bとは互いに反発し、且つ位置決め機構により取付部材1及びカメラ200の位置を決める。この位置でカメラ200の軸方向と機器の外面とは鋭角を呈する。ここで、位置決め機構をさらに設け、カメラ200の位置を、その軸方向の機器と直交する外表面に決めることができ、電磁石4a、4bを通る電流の大きさを設定して取付部材1の回動角度を制御し、取付部材1がその位置に回動したとき、位置決め機構により位置決めされる。この位置によって、広角撮影の必要がない場合、普通視野角の画面を取得して、ユーザにさらに多くの選択肢を提供することができる。
【0041】
上記の実施形態は、その技術的解決手段の保護範囲を限定するものではない。上記の実施形態の趣旨及び原理内で行われる全ての修正、同等置換、改善などは、いずれもその技術的解決手段の保護範囲に含まれるべきである。