【実施例】
【0038】
[0032]下記は本発明の例であり、限定するようには解釈されない。
[0033]実施例1〜21:
[0034]下表2に示す幾つかの金属についてASTM−F1110サンドイッチ腐食試験にしたがって上表1に開示する1233zdから構成される溶媒組成物を試験することによって、本溶媒組成物及び洗浄方法の、アルミニウム合金をその有利な特性の少なくとも幾つかに悪影響を与えることなく処理する能力を明らかにし、結果を示す。ASTM−F1110にしたがって、複数の金属パネルを、パネルの間に試験材料で飽和した濾紙を配して一緒にサンドイッチした。サンドイッチしたパネルを、暖かい大気空気と暖かい高湿度空気との間に7日間巡回配置した。次に試験片を検査して、試薬水によって引き起こされたものよりもより激しい腐食が試験材料に曝した表面の上で起こったかどうかを求めた。この試験法は、乾燥粒状材料の溶液又は液体材料に関して用いることができる。
【0039】
[0035]
【0040】
【表2-1】
【0041】
【表2-2】
【0042】
[0036]実施例22〜42:
[0037]下表3に示す幾つかの金属についてASTM−F483浸漬腐食試験にしたがって上表1に開示するその組み合わせにしたがって1233zdから構成した溶媒組成物を試験することによって、本溶媒組成物及び洗浄方法の、種々の材料をその有利な特性の少なくとも幾つかに悪影響を与えることなく処理する能力を明らかにし、結果は示す。ASTM−F483によって規定される試験にしたがって、試験する金属/合金を溶媒中に完全に沈めた。次に、合金を溶媒から取り出し、重量損失に関してチェックし、腐食に関して視認検査した。
【0043】
[0038]
[0039]
【0044】
【表3-1】
【0045】
【表3-2】
【0046】
[0040]実施例43〜63:
[0041]ASTM−F945(チタンの応力腐食)にしたがって上表1に開示するその組み合わせにしたがって1233zdから構成した溶媒組成物を試験することによって、本溶媒組成物及び洗浄方法の、チタンをその有利な特性の少なくとも幾つかに悪影響を与えることなく処理する能力を明らかにし、結果を下表4に示す。ASTM−F945の試験法にしたがって、チタンシートに応力をかけて溶媒に曝した。チタンシートを乾燥した後、ASTM−F945に記載される手順にしたがって亀裂に関して検査した。
【0047】
[0042]
【0048】
【表4-1】
【0049】
【表4-2】
【0050】
[0043]実施例64〜84:
[0044]ここに示すように汚染されている表5に示すアルミニウム合金のそれぞれの試験片を与えることによって、航空機エンジン及び/又は航空機の他の部分に関する部品の製造及び/又は補修及び/又はメンテナンスにおいて用いられる金属部品の上に見られる通常の汚染量の切削油を有効に除去する、本溶媒組成物及び洗浄方法の幾つかの態様の能力を明らかにした。上表1に開示する1233zdから構成される溶媒組成物のそれぞれを試験片に噴霧することによって、汚染されている試験片をそれぞれの組成物と接触させ、下表5に報告する結果が達成された。
【0051】
[0045]
【0052】
【表5-1】
【0053】
【表5-2】
【0054】
[0046]実施例85〜105:
[0047]ここに示すように汚染されている表6に示す金属及び金属合金のそれぞれの試験片を与えることによって、航空機エンジン及び/又は航空機の他の部分に関する部品の製造及び/又は補修及び/又はメンテナンスにおいて用いられる金属部品の上に見られる通常の汚染量の切削油を有効に除去する、本溶媒組成物及び洗浄方法の幾つかの態様の能力を明らかにした。上表1に開示する1233zdから構成される溶媒組成物のそれぞれを試験片に噴霧することによって、汚染されている試験片をそれぞれの組成物と接触させ、下表6に報告する結果が達成された。
【0055】
[0048]
【0056】
【表6-1】
【0057】
【表6-2】
【0058】
[0049]実施例106〜126:
[0050]ここに示すように汚染されている表7に示すアルミニウム合金のそれぞれの試験片を与えることによって、航空機エンジン及び/又は航空機の他の部分に関する部品の製造及び/又は補修及び/又はメンテナンスにおいて用いられる金属部品の上に見られる通常の汚染量の切削油を有効に除去する、本溶媒組成物及び洗浄方法の幾つかの態様の能力を明らかにした。上表1に開示する1233zdから構成される溶媒組成物のそれぞれを試験片に含侵させることによって、汚染されている試験片をそれぞれの組成物と接触させ、下表7に報告する結果が達成された。
【0059】
[0051]
【0060】
【表7-1】
【0061】
【表7-2】
【0062】
[0052]実施例127〜147:
[0053]ここに示すように汚染されている表8に示す金属及び金属合金のそれぞれの試験片を与えることによって、航空機エンジン及び/又は航空機の他の部分に関する部品の製造及び/又は補修及び/又はメンテナンスにおいて用いられる金属部品の上に見られる通常の汚染量の切削油を有効に除去する、本溶媒組成物及び洗浄方法の幾つかの態様の能力を明らかにした。上表1に開示する1233zdから構成される溶媒組成物のそれぞれの中に試験片に浸漬することによって、汚染されている試験片をそれぞれの組成物と接触させ、下表8に報告する結果が達成された。
【0063】
[0054]
【0064】
【表8-1】
【0065】
【表8-2】
【0066】
[0055]実施例148:
洗浄組成物が、共溶媒として2.5重量%のメタノール、及び97.5重量%の表1に記載する1233zd組成物のそれぞれを含んでいた他は、実施例1〜148のそれぞれを繰り返した。全てのASTM試験及び溶媒洗浄試験の結果は許容できるものであった。
【0067】
[0056]実施例150:
洗浄組成物が、共溶媒として5重量%のメタノール、及び95重量%の表1に記載する1233zd組成物のそれぞれを含んでいた他は、実施例1〜148のそれぞれを繰り返した。全てのASTM試験及び溶媒洗浄試験の結果は許容できるものであった。
【0068】
[0057]実施例151:
洗浄組成物が、共溶媒として7.5重量%のメタノール、及び92.5重量%の表1に記載する1233zd組成物のそれぞれを含んでいた他は、実施例1〜148のそれぞれを繰り返した。全てのASTM試験及び溶媒洗浄試験の結果は許容できるものであった。
【0069】
[0058]実施例152:
洗浄組成物が、共溶媒として10重量%のメタノール、及び90重量%の表1に記載する1233zd組成物のそれぞれを含んでいた他は、実施例1〜148のそれぞれを繰り返した。全てのASTM試験及び溶媒洗浄試験の結果は許容できるものであった。
【0070】
[0059]実施例153:
洗浄組成物が、共溶媒として2.5重量%のエタノール、及び97.5重量%の表1に記載する1233zd組成物のそれぞれを含んでいた他は、実施例1〜148のそれぞれを繰り返した。全てのASTM試験及び溶媒洗浄試験の結果は許容できるものであった。
【0071】
[0060]実施例154:
[0060]洗浄組成物が、共溶媒として5重量%のエタノール、及び95重量%の表1に記載する1233zd組成物のそれぞれを含んでいた他は、実施例1〜148のそれぞれを繰り返した。全てのASTM試験及び溶媒洗浄試験の結果は許容できるものであった。
【0072】
[0061]実施例155:
[0062]洗浄組成物が、共溶媒として7.5重量%のエタノール、及び92.5重量%の表1に記載する1233zd組成物のそれぞれを含んでいた他は、実施例1〜148のそれぞれを繰り返した。全てのASTM試験及び溶媒洗浄試験の結果は許容できるものであった。
【0073】
[0063]実施例156:
[0064]洗浄組成物が、共溶媒として10重量%のエタノール、及び90重量%の表1に記載する1233zd組成物のそれぞれを含んでいた他は、実施例1〜148のそれぞれを繰り返した。全てのASTM試験及び溶媒洗浄試験の結果は許容できるものであった。
【0074】
[0065]実施例157:
[0066]RMAフラックスを用いて組み立てた、その露出表面上に金を含む構成部品を有する電子基板を用いて電子部品に関する洗浄試験を行った。次に、基板を表1に示す組成物のそれぞれの中に10分間完全に浸漬した。次に基板を取り出し、25倍の倍率で視認検査した。金接点の視認される腐食、又はアセンブリの層間剥離はなかった。
【0075】
[0067]実施例158:
[0068]洗浄組成物が、共溶媒として5重量%のメタノール、及び95重量%の表1に記載する1233zd組成物のそれぞれを含んでいた他は、実施例157を繰り返した。全ての溶媒洗浄試験の結果は許容できるものであった。
【0076】
[0069]実施例159:
[0070]洗浄組成物が、共溶媒として10重量%のメタノール、及び90重量%の表1に記載する1233zd組成物のそれぞれを含んでいた他は、実施例157を繰り返した。全ての溶媒洗浄試験の結果は許容できるものであった。
【0077】
[0071]実施例160:
[0072]洗浄組成物が、共溶媒として5重量%のエタノール、及び95重量%の表1に記載する1233zd組成物のそれぞれを含んでいた他は、実施例157を繰り返した。全ての溶媒洗浄試験の結果は許容できるものであった。
【0078】
[0073]実施例161:
[0074]洗浄組成物が、共溶媒として10重量%のエタノール、及び95重量%の表1に記載する1233zd組成物のそれぞれを含んでいた他は、実施例157を繰り返した。全ての溶媒洗浄試験の結果は許容できるものであった。
【0079】
[0075]実施例162:
[0076]RMAフラックスを用いて組み立てた、その露出表面上に金を含む構成部品を有する電子基板を用いて電子部品に関する洗浄試験を行った。次に、基板を、4重量%のメタノール及び96重量%のトランス−1233zdの混合物で示される組成物のそれぞれの中に10分間完全に浸漬した。次に基板を取り出し、25倍の倍率で視認検査した。金接点の視認される腐食、又はアセンブリの層間剥離はなかった。
【0080】
[0077]かくして本発明の少数の特定の態様を記載したが、種々の変更、修正、及び改良は当業者が容易に想到するであろう。かかる変更、修正、及び改良は、この開示によって明らかとなるように、本明細書には明白に示していないが本記載の一部であると意図され、本発明の精神及び範囲内であると意図される。したがって、上記の記載は例示のみの目的であり、限定するものではない。本発明は特許請求の範囲及びそれに対する均等物において規定されているようにのみ限定される。
本発明は以下の態様を含む。
[1]
(a)少なくとも約50重量%の1233zdを含む溶媒組成物を与え;
(b)チタン及びチタン合金;亜鉛及び亜鉛合金;タングステン及びタングステン合金;銅及び銅合金;インコネル−Ni合金;銀及び銀合金;カドミウム及びカドミウム合金;ステンレススチール;金及び金合金;並びに銀及び銀合金;から選択される金属又は金属合金を含む航空機において用いる金属部品を、かかる溶媒組成物と接触させる;
ことを含む、航空機において用いる金属部品を洗浄する方法。
[2]
接触工程がかかる溶媒組成物をかかる金属部品に噴霧することを含む、[1]に記載の方法。
[3]
接触工程がかかる金属部品をかかる溶媒組成物中に浸漬することを含む、[1]に記載の方法。
[4]
金属部品が接触工程の前に切削油で汚染されている、[1]に記載の方法。
[5]
金属部品が接触工程の後に切削油を実質的に含まない、[4]に記載の方法。
[6]
溶媒組成物がエタノール又はメタノールの少なくとも1つを更に含む、[2]に記載の方法。
[7]
エタノール及び/又はメタノールが、組成物の約1〜約10重量%の量で組成物中に存在する、[6]に記載の方法。
[8]
金属部品が、アルミニウム、炭化タングステン、銀ロウ合金、及び440Cステンレススチールから選択される金属又は金属合金を含む、[1]に記載の方法。
[9]
金属部品がカドミウムメッキした構成材又は部品を含む、[1]に記載の方法。
[10]
チタン及びチタン合金;亜鉛及び亜鉛合金;タングステン及びタングステン合金;銅及び銅合金;インコネル−Ni合金;銀及び銀合金;カドミウム及びカドミウム合金;ステンレススチール;金及び金合金;並びに銀及び銀合金;から選択される金属及び金属合金を含む金属部品を、少なくとも約50重量%の1233zdを含む溶媒組成物と接触させることを含む工程によって航空機エンジンの金属部品を洗浄することを含む、金属部品を含む航空機エンジンを補修又はメンテナンスする方法。