(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
シートの横に設けられ、アームレストパッドを前記シートの幅方向に展開させる第一軸を中心とする回動と、前記シートの幅方向に沿った第二軸を中心とする回動とを可能に前記アームレストパッドを支持するアームレストにおいて、
前記アームレストパッドと、
前記アームレストパッドを、前記第一軸を中心に回動可能に支持する第一の支持ブラケットと、
前記第一の支持ブラケットを、前記第二軸を中心に回動可能に支持する第二の支持ブラケットと、
を備え、
前記アームレストパッドと前記第一の支持ブラケットとを連結する締結部材を前記アームレストパッドの外側に配置し、
前記アームレストパッドには前記第一軸のネジ軸を挿通する筒状体が内蔵され、
前記ネジ軸には、当該ネジ軸を中心に位置決めするためのカラーが設けられており、
前記締結部材は、前記アームレストパッドから外部に延出された前記ネジ軸を締結することを特徴とするアームレスト。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0020】
本実施形態では、アームレスト10を備える乗物用のシート100を例示する。
なお、以下の説明では、シート100に座った人間から見て前後左右上下となる方向をシート100における前後左右上下として説明する。なお、前後方向と左右方向と上下方向とは互いに直交するものとする。
【0021】
[シート]
図1はシート100の斜視図である。なお、この図では、シートのカバー及びカバー内の樹脂やウレタンの図示を省略し、専らシートフレームのみを図示している。
シート100は、図示のように、シートバックフレーム120と、シートバックフレーム120の下部の左右にそれぞれ配置された左右一対のクッションサイドフレーム130,130と、左右一対のクッションサイドフレーム130,130を連結する前後のパイプフレーム141,142と、クッションサイドフレーム130,130の下側に設けられたベースフレーム150と、クッションサイドフレーム130,130に対してシートバックフレーム120を傾動させる可動部としてのリクライニング機構160と、ベースフレーム150に対してクッションサイドフレーム130,130を前後に移動させる可動部としてのスライド機構170と、シート100の横(側面)に設けられ、アームレストパッド20の二軸回動により収納位置と使用位置とを切り替え可能なアームレスト10とを備えている。
なお、上記各フレーム120,130,141,142,150は、主に防錆性の金属(例えば、ステンレススチール)から形成されている。
【0022】
シートバックフレーム120は左右に一対のバックサイドフレーム121,121を備え、上部にこれらバックサイドフレーム121,121を連結するパイプ状の上部フレーム122を備えている。
【0023】
また、シートバックフレーム120の下端部には一対のクッションサイドフレーム130,130の後端部に連結する支軸123が設けられている。この支軸123は左右方向に沿って取り付けられており、各クッションサイドフレーム130,130に対して、シートバックフレーム120の上端部側が前後に移動する方向にシートバックフレーム120を回動可能としている。
【0024】
さらに、上部フレーム122の左右両側の上下に沿った二本の支柱部分の間には、左右方向に凹凸形状が連続するワイヤーフレーム124とSバネ125とが架設されている。
また、二つのバックサイドフレーム121,121の間にもSバネ126が架設されている。
【0025】
リクライニング機構160は、支軸123に設けられ、リクライニングモーター(図示略)によりシートバックフレーム120に回動動作の付与を行う。
【0026】
左右一対のクッションサイドフレーム130,130は、パイプフレーム141,142によって前後の端部同士を連結され、前側のパイプフレーム141と後側のパイプフレーム142との間には複数のSバネ131が架設されている。
【0027】
ベースフレーム150は左右両側に前後方向(厳密には幾分前斜め上に傾斜している)に沿った長尺のスライドレール151,151と、各スライドレール151,151の前端部と後端部とをそれぞれシートの組み付け位置に固定するための脚部152,153とを備えており、一対のクッションサイドフレーム130,130を前後移動可能に支持している。
【0028】
スライド機構170は、ベースフレーム150の左右のスライドレール151,151によって前後移動可能な一対のクッションサイドフレーム130,130に対して前後の移動力を付与するスライドモーター(図示略)を備えている。
【0029】
[アームレストの概略]
図2〜
図4はそれぞれ異なる方向から見たアームレスト10の斜視図である。なお、いずれの図も後述するアームレストパッド20の表皮カバー27及びその内部の樹脂26の図示を省略している。
アームレスト10は、略平板状のアームレストパッド20と、アームレストパッド20を、第一軸P1を中心に回動可能に支持する第一の支持ブラケット40と、第一の支持ブラケット40を、第二軸P2を中心に回動可能に支持する第二の支持ブラケット60とを備えている。
【0030】
上記第二の支持ブラケット60は、左右方向に平行な第二軸P2を中心に第一の支持ブラケット40をおよそ90°の範囲で回動可能とすることにより、第一の支持ブラケット40及びアームレストパッド20の前端部が上方を向いた起立状態と前方を向いた水平状態とに切り替えることができる。
上記第一の支持ブラケット40は、アームレストパッド20の水平状態において前後方向に平行となる第一軸P1を中心にアームレストパッド20をおよそ90°の範囲で回動可能とすることにより、アームレストパッド20の側端部が上方を向いた起立状態と右方を向いた水平状態とに切り替えることができる。
【0031】
なお、アームレストパッド20の前端部が前方を向き且つ側端部が右方を向いて平板面が略水平となった状態がアームレスト10の使用位置であり、アームレストパッド20の前端部が上方を向き且つ側端部が後方を向いて平板面が略垂直となった状態がアームレスト10の収納位置を示す。
また、アームレスト10における以下の説明において、アームレスト10の各構成について前後左右上下のいずれかの部位、位置、方向、向き等を説明する場合には、アームレスト10が使用位置の姿勢であることを前提とするものとする。
【0032】
[アームレストパッド]
図5はアームレスト10の使用位置において、第一軸P1を含む垂直な平面に沿った断面によりアームレストパッド20を断面視した断面図である。
図2及び
図5に示すように、アームレストパッド20は、第一軸P1が中心となるように据えられた円筒状の筒状体21と、筒状体21の外周面から第一軸P1を中心とする半径方向外側に張り出されたフレームワイヤ22と、筒状体21に挿入されたネジ軸としての長尺のボルト23と、筒状体21の後端部に固定装備され、第一の支持ブラケット40に対向するプレート部24と、プレート部24に固定支持されると共に第一軸P1に沿って第一の支持ブラケット40側に向かって延出された突起部25と、アームレストパッド20の外形全体を形作る樹脂26と、樹脂26の表面を被覆する表皮カバー27とを備えている。
【0033】
筒状体21は、
図5に示すように、いずれも第一軸P1が中心となるように同心に配置された内筒211と外筒212とを有する二重管構造であり、相互間は固定されている。
また、内筒211の前端部は外筒212の前端部よりも後方内側に位置している。
そして、内筒211の前端部側からその内側にボルト23が挿入されている。
【0034】
ボルト23は、
図5に示すように、外筒212の外径と等しい頭部231と、段部を介して頭部231に隣接する第一挿入部232と、段部を介して第一挿入部232隣接する第二挿入部233と、円錐面を介して第二挿入部233に隣接する長尺の軸部234と、軸部234の挿入側の先端部に形成されたネジ部235とを備えている。
【0035】
ボルト23の頭部231の外径は外筒212の外径とほぼ等しく、第一挿入部232の外径は外筒212の内径とほぼ等しい。従って、第一挿入部232は、頭部231が当接する位置まで外筒212の前端部に挿入することができる。この状態で、頭部231の外周面と外筒212の前端部の外周面とが連接する。そして、その境界位置で溶接により筒状体21に対してボルト23が固着されている。筒状体21及びフレームワイヤ22は、アームレストパッド20の外形を形作る樹脂26に埋設され、アームレストパッド20の展開時には、筒状体21と樹脂26とが一体となって回動する。ボルト23は、筒状体21に固着されることにより、アームレストパッド20内において回転不能な状態で固定される。
【0036】
また、ボルト23の第二挿入部233の外径は内筒211の前端部側の内径よりも小さく、第二挿入部233及び軸部234は内筒211の前端部の内側に遊挿されている。そして、内筒211の内周面と第二挿入部233の外周面との間には、フランジ付きのカラー213が介挿されている。このカラー213は、その外径が内筒211の前端部の内径に略一致し、その内径が第二挿入部233の外径に略一致しており、ボルト23の前端部を、当該ボルト23の中心が筒状体21の中心(第一軸P1)に一致するように保持している。
【0037】
また、外筒212の後端部には、第一の支持ブラケット40からアームレストパッド20側に向かって延出された円筒状のボス41が遊挿されている。
このボス41の外周面と外筒212の内周面との間には、フランジ付きのカラー214が介挿されている。このカラー214は、その外径が外筒212の内径に略一致し、その内径がボス41の外径に略一致しており、外筒212の後端部において、外筒212とボス41とを互いに同心となるように保持している。
【0038】
一方、筒状体21の内筒211は、後端部が縮径しており、その外径はボス41の内径に略一致すると共に当該ボス41に挿入されている。ボス41は、その後端部が第一の支持ブラケット40におけるアームレストパッド20とは反対側に突出している。そして、内筒211の後端部はボス41の後端部からわずかに後方に突出すると共に僅かに拡径して抜け止めが形成されている。
さらに、内筒211の後端部の内径はボルト23の軸部234の外径よりも大きく、当該軸部234が遊挿されている。つまり、ボルト23の後端部(挿入方向の先端部)は内筒211を介してボス41に挿入されている。
そして、内筒211の後端部の内周面と軸部234の外周面との間には、フランジ付きのカラー215が介挿されている。このカラー215は、その外径が内筒211の後端部の内径に略一致し、その内径が軸部234の外径に略一致しており、ボルト23の後端部において、ボルト23の中心が内筒211の中心(第一軸P1)に一致するようにボルト23を保持している。
【0039】
また、ボルト23のネジ部235は、その外周面に雄ネジが形成されている。そして、ボルト23は、ネジ部235がボス41及び内筒211の後端部から後方に突出する位置まで挿入され、ボス41及びカラー215の内径よりも外径が大きなワッシャー216を介して、ネジ部235が締結部材としてのナット217に締結されている。
ナット217は、カラー215との間でワッシャー216を挟み込んだ状態で締結される。このため、ワッシャー216がナット217の滑りを抑え、ナット217の緩みの発生を効果的に低減することができる。
【0040】
また、ボルト23のネジ部235は第一の支持ブラケット40に対してアームレストパッド20とは反対側(後方)まで延びているので、ナット217も第一の支持ブラケット40におけるアームレストパッド20とは反対側(後方)に位置している。
このため、アームレストパッド20を第一の支持ブラケット40に組み付ける際には、ナット217の締結状態を視覚的に容易に確認することが可能である。
【0041】
フレームワイヤ22は、
図2及び
図3に示すように、その一端部と他端部とが筒状体21の外周面における前端部近傍と後端部近傍とに溶接で固着されている。このフレームワイヤ22は、平面視で概ね矩形に形成されており、角部が丸みを帯びると共にその一角が第一の支持ブラケット40と干渉しないように、大きく内側に凹んだ形状となっている。
【0042】
樹脂26は、
図3及び
図5に示すように、フレームワイヤ22の全体及び後端部を除いた筒状体21のほぼ全体を内包するように平面視矩形の略平板状に形成されている。この樹脂26の外形は、左右方向から見て前方に向かうにつれて徐々に厚みが薄くなるように略楔状に形成されている。従って、アームレストパッド20の上面は、使用状態において水平よりも前端部が幾分下降する方向に傾斜している。また、樹脂26の前端部と後端部とは、それぞれ左右方向を軸とする周面形状となっている。
樹脂26の表面は、外部に突出する筒状体21の後端部を除いて、全て表皮カバー27に被覆されている。この表皮カバー27は、革、合成皮革、布などシート状の素材であれば特に限定されない。
【0043】
プレート部24は、
図5に示すように、第一軸P1に垂直な平板であり、その中央部に設けられた円孔に筒状体21の外筒212の後端部が挿入されている。このプレート部24は、外筒212の後端部を圧挿させて固定する固定具241により筒状体21の後端部に固定装備されている。また、プレート部24は、樹脂26の後端部近傍に埋設されている。
【0044】
また、プレート部24は、
図4に示すように、当該プレート部24を貫通する棒状の突起部25を溶接により固着支持している。この突起部25はその後端部がプレート部24から真っ直ぐに後方に延びて第一の支持ブラケット40に設けられたストッパー部材46に挿入されている。また、突起部25の前端部は上方に屈曲して外筒212の外周面上に溶接により固着されている。
【0045】
[第一の支持ブラケット:全体構成]
第一の支持ブラケット40は、
図2〜
図4に示すように、平面視L字状に屈曲したブラケット本体42と、ブラケット本体42のL字状の内側となる二面側に設けられたカバー体43と、ブラケット本体42に固定支持されたボス41,44と、ブラケット本体42及びカバー体43を補強する二つの連結補強部材45,45と、ブラケット本体42に設けられると共にアームレストパッド20の回動範囲を規制するストッパー部材46と、ストッパー部材46における突起部25が当接する当接部としての下端部においてストッパー部材46を突起部25の逆側から支える補強支持部材47とを備えている。
【0046】
[第一の支持ブラケット:第一壁部]
図2に示すように、ブラケット本体42は、屈曲部を挟んで、アームレストパッド20に対向して当該アームレストパッド20を支持する第一壁部421と、第二の支持ブラケット60に対向して当該第二の支持ブラケット60と連結される第二壁部422とを有している。
第一壁部421は、略矩形であって前述した第一軸P1に対して垂直であり、その中心にボス41を貫通させた状態で溶接により固着支持している。
また、第一壁部421は、その左端部に第二壁部422が位置し、右端部はその外縁形状が外側に膨出した円弧状となっている。そして、第一壁部421の右端部近傍にはその外縁に沿うように円弧状の開口部423が形成されており、当該開口部423にはストッパー部材46が嵌合装備されている。この円弧の開口部423は、第一軸P1を中心とする円弧に沿って形成されており、その両端部は半円弧状に丸みを帯びている。そして、ストッパー部材46は、第一壁部421における第二壁部422とは逆側の端部に位置すると共に、第二壁部422とストッパー部材46との間にボス41が位置している。
【0047】
[第一の支持ブラケット:ストッパー部材]
図6は第一軸P1を含む水平な断面に沿ったストッパー部材46周辺の断面図、
図7はストッパー部材46を後方から見た背面図である。
図6及び
図7に示すように、上記開口部423に装備されたストッパー部材46は、可撓性を有する筒状の樹脂からなり、開口部423に挿入されると、当該開口部423に倣った形状で保持される。ストッパー部材46の外周面には、上下の端部とその中間部に合計六つの四角い凸状の爪部461が突設されており、開口部423に対して後方から前方に向かって挿入すると、各爪部461が第一壁部421に当接して適切な位置で止めることができる。即ち、各爪部461により、ストッパー部材46の取り付け作業の際に、開口部423に対する押し込み過ぎや押し込み不足等の発生を効果的に低減すると共に押し込み量に大きな注意を払うことなく作業することができ、作業負担の軽減を図ることが可能となる。なお、爪部461の個数及び配置は任意に変更可能である。
【0048】
筒状のストッパー部材46の内側には、アームレストパッド20から後方に延出された突起部25の後端部が挿入されている。突起部25は筒状体21のプレート部24に固定支持されているので、アームレストパッド20の回動と共に第一軸P1回りに周回移動する。従って、ストッパー部材46の円弧形状に沿ってその内部を移動する。
【0049】
アームレストパッド20は第一軸P1を中心に90°の範囲で回動して使用位置と収納位置とが切り替えられ、ストッパー部材46はアームレストパッド20の回動範囲を上記二位置の間に規制する。
即ち、
図7のストッパー部材46の内側上端部に突起部25が当接した状態でアームレストパッド20は収納位置にあり、ストッパー部材46の内側下端部に突起部25が当接した状態でアームレストパッド20は使用位置にある。
【0050】
なお、このアームレスト10では、アームレストパッド20における第一の支持ブラケット40に対する対向面に突起部25を設け、第一の支持ブラケット40におけるアームレストパッド20に対する対向面にストッパー部材46を設けているが、アームレストパッド20側にストッパー部材46を配置し、第一の支持ブラケット40側に突起部25を配置しても良い。
【0051】
[第一の支持ブラケット:補強支持部材]
図8は補強支持部材47を後方から見た背面図である。
図2及び
図8に示すように、補強支持部材47は長尺な平板であり、その長手方向が左右方向に沿った状態で第一壁部421の後面であってボス41の下方に固着装備されている。
補強支持部材47の右端部の端面は、ストッパー部材46の一端部(下端部)の外周面上に当接する支持部471である。この支持部471が当接するストッパー部材46の端部は、アームレストパッド20が使用位置のときに突起部25が位置する端部である。
【0052】
ストッパー部材46の下端部において外側に凸となる半円弧状の外周面に密接するように、支持部471の後方から見た形状は半円弧状に凹状となっている。そして、突起部25がストッパー部材46の下端部においてその内周面に当接する際に、第一壁部421の板厚と補強支持部材47の板厚とに基づく広い面積で突起部25の逆側からストッパー部材46を支える。仮に、補強支持部材47が存在しない場合には、ストッパー部材46は、第一壁部421の板厚のみに基づく狭い面積で支えられることになり、突起部25がストッパー部材46の一端部に当接した時に加圧力が第一壁部421の板厚のみに基づく狭い面積に集中して樹脂製のストッパー部材46が潰れたり破損を生じたりするおそれが生じるが、補強支持部材47の存在により加圧力を分散してストッパー部材46の破損を抑制し、保護することが可能となる。
【0053】
また、補強支持部材47は、前述したように、ストッパー部材46におけるアームレストパッド20の使用位置側の端部を支持している。アームレストパッド20の収納位置から使用位置への回動は、起立状態から倒れるように行われるので、突起部25はアームレストパッド20の重量に基づく慣性力も加わった状態でストッパー部材46の下端部に当接することになり、ストッパー部材46の保護は収納位置側の端部に比べて特に必要となる。従って、補強支持部材47はストッパー部材46の使用位置側の端部を支持している。但し、ストッパー部材46の収納位置側の端部にも補強支持部材47を設けてもよいことは言うまでもない。
【0054】
補強支持部材47は、第一壁部421の後面に対して二つの溶接ポイントW1,W2で溶接されている。
図2に示すように、二つの溶接ポイントW1,W2はそれぞれ補強支持部材47の一端部近傍と他端部近傍とに位置し、これら二つの溶接ポイントW1,W2は補強支持部材47の長手方向(左右方向)についてボス41を挟んだ配置となっている。
また、一方の溶接ポイントW1は、
図8に示すように、突起部25の移動軌跡となる円弧の、ストッパー部材46の下端部における接線の延長線上に位置している。つまり、補強支持部材47の溶接ポイントW1は、ストッパー部材46に対する当接部としての下端部に対して突起部25が当接する際の押圧方向Fの延長線上となる位置にある。
これにより、突起部25がストッパー部材46の下端部に繰り返し当接しても、補強支持部材47は第一壁部421に対して強固に保持され、耐久性を向上させることができる。
【0055】
補強支持部材47の左端部には、
図2に示すように、半長円状の切り欠き472と円形の開口部473とが形成されている。切り欠き472と円形の開口部473は、それぞれ、第一壁部421に設けられた二つの円形の開口部424,425に位置が合致するように補強支持部材47を第一壁部421に配置してから溶接することで、補強支持部材47を第一壁部421の正しい位置に正しい向きで取り付けることができる。
【0056】
なお、切り欠き472と円形の開口部473の二つにより補強支持部材47の位置決めを行う構成を例示したが、これに限らず、より多くの切り欠き又は開口部を設けてもよい。また、複数の切り欠きのみ又は複数の開口部のみにより補強支持部材47の位置決めを行う構成としてもよい。
【0057】
なお、
図9に示すように、補強支持部材47は、所定の中心線Cを基準とする対称形状としてもよい。このように対称形状とすることより、補強支持部材47の組み付けの際に部材の表裏を確認する必要がなくなり、組み付け作業の負担軽減,作業効率の向上を図ることが可能となる。なお、補強支持部材47の支持部471は対称形状となる様にストッパー部材46に対して取り付ける向きを変更し、切り欠き472と円形の開口部473は中心線C上となるように、第一壁部421側の開口部424,425の位置を変更することが望ましい。
【0058】
また、
図9の場合には、補強支持部材47の長手方向に沿った中心線Cを基準とする対称形状を例示したが、これに限らず短手方向を基準とする対称形状としてもよい。その場合には、補強支持部材47の長手方向の両端部にそれぞれ支持部471を設け、切り欠き472と円形の開口部473に替えて、長手方向の中心に対称に配置した位置決めのための二つの開口部を設けることが望ましい。
【0059】
[第一の支持ブラケット:第二壁部]
第二壁部422は、
図2に示すように、第一壁部421に対して後方に垂直に屈曲形成された半長円状の板状体である。第二壁部422の後端部が円弧状に形成され、当該円弧と同心となるように円筒状のボス44が右方に突出するように一体的に形成されている。このボス44には、第一の支持ブラケット40を第二の支持ブラケット60に連結するためのボルト62が挿通される。
また、第二壁部422の円弧状の外縁部と上下の外縁部及び第一壁部421の上下の外縁部には、第一壁部421と第二壁部422のそれぞれに垂直となるように立ち上げられた外周壁部426が形成されている。第一壁部421と第二壁部422と外周壁部426とは、一枚の金属板に対する圧延、折曲加工により一体的に形成されている。
この外周壁部426により、ブラケット本体42は第一壁部421と第二壁部422の撓みを低減し、構造上の強度を向上させることができる。
【0060】
[第一の支持ブラケット:カバー体]
カバー体43は、
図3及び
図4に示すように、アームレストパッド20とは逆側においてブラケット本体42の第一壁部421に対向する第一壁部431と、第二の支持ブラケット60とは逆側においてブラケット本体42の第二壁部422に対向する第二壁部432と、第一壁部431と第二壁部432との間でこれら双方に対して45°傾斜した傾斜壁部433と、第一壁部431と第二壁部432と傾斜壁部433の外縁に沿ってブラケット本体42側に立ち上げられた外周壁部434とから主に構成され、これらは一枚の金属板に対する圧延、折曲加工により一体的に形成されている。
カバー体43の外周壁部434は、ブラケット本体42の外周壁部426に対して外側から摺接し、外周壁部434と外周壁部426の境界の随所において溶接が行われてブラケット本体42とカバー体43とが相互に固着されている。
【0061】
第一壁部431は上下幅がブラケット本体42の第一壁部421よりも僅かに広く、全体的に略矩形である。そして、第一壁部431には、ブラケット本体42の第一壁部421側に凹んだ凹部435が形成され、凹部435の周囲の折曲部により第一壁部431の剛性の強化が図られている。
また、第一壁部431のほぼ中央部には、ボス41及びボルト23を締結するナット217をアームレストパッド20とは反対側に露出させるように開口が形成されている。
【0062】
また、ブラケット本体42の第一壁部421とカバー体43の第一壁部431とにより、
図6に示すように、二重壁構造が形成されており、ストッパー部材46や突起部25はカバー体43の第一壁部431によって外部から遮蔽されている。このため、ストッパー部材46を外部から保護すると共に突起部25が外部から干渉されず、アームレストパッド20の良好な回動を確保することができる。
なお、カバー体43の第一壁部431におけるストッパー部材46後方の対向位置には開口436が穿設されており、カバー体43の外部からストッパー部材46の内側に突起部25が適正に挿入されているかを視覚的に確認可能となっている。
【0063】
第二壁部432は上下幅がブラケット本体42の第二壁部422よりも僅かに広く、全体的に略半円形である。そして、第二壁部432のほぼ中央部には、第一の支持ブラケット40を第二の支持ブラケット60に連結するボルト62を第二の支持ブラケット60とは反対側に露出させるように開口が形成されている。
また、ブラケット本体42の第二壁部422とカバー体43の第二壁部432とにより、二重壁構造が形成されている。
そして、ブラケット本体42の第二壁部422とカバー体43の第二壁部432との間にはこれらに挟まれるように円筒状のボス44が溶接により取り付けられている(
図10参照)。
【0064】
傾斜壁部433は、第一壁部431と第二壁部432との間で双方に対して45°傾斜した方向に真っ直ぐ延びた状態で第一壁部431と第二壁部432とを連結している。このため、ブラケット本体42とカバー体43の第一壁部421,431と第二壁部422,432とが接離する方向に撓むことを効果的に抑制し、飛躍的な剛性の向上を図ることができる。
【0065】
また、カバー体43は、上記構成により、ブラケット本体42との協働により二重壁構造を形成すると共に互いの外周壁部426,434が固着されているので、第一壁部421,431と第二壁部422,432とが接離する方向の撓みを含む第一の支持ブラケット40全体の構成を飛躍的に高めることが可能である。
【0066】
[第一の支持ブラケット:連結補強部材]
図3及び
図4に示すように、二本の連結補強部材45,45は、いずれも、カバー体43の第一壁部431と第二壁部432との間で双方に45°傾斜した方向に真っ直ぐ延びた状態で第一壁部431と第二壁部432とを連結する長尺平板である。各連結補強部材45,45は、第一壁部431と第二壁部432との間で、それぞれの平板面が水平となる状態で両端部が溶接により固着されており、その中間部には平板面を凹ませた凹部が形成され、剛性が強化されている。
【0067】
また、二本の連結補強部材45,45は、上下方向についてボルト23を挟んだ配置となっている。
さらに、二本の連結補強部材45,45は、第二壁部432側の端部が連結部451により連結され、全体的に一体化されている。この連結部451は第二壁部432に平行な平板であり、当該第二壁部432に密着するように配置されている。
また、連結部451には、
図4に示すように、二つの位置決め用の切り欠き452,452が形成されている。各切り欠き452,452は、それぞれカバー体43の第二壁部432に設けられた円形の開口に位置を合わせることで二本の連結補強部材45,45の位置及び向きの適正化を図ることができるようになっている。なお、切り欠きに限らず、開口としてもよい。
【0068】
連結補強部材45,45は、第一壁部431と第二壁部432との間で双方に45°傾斜した方向に真っ直ぐ延びた状態で第一壁部431と第二壁部432とを連結している。このため、ブラケット本体42とカバー体43の第一壁部421,431と第二壁部422,432とが接離する方向に撓むことを効果的に抑制し、飛躍的な剛性の向上を図ることができる。
また、連結補強部材45,45は、連結部451により一体的に連結されているので、連結補強部材45,45と連結部451との間の撓みが低減するように剛性を高めることが可能である。さらに、連結部451により第二壁部432との連結強度を高めることが可能である。
【0069】
[第二の支持ブラケット]
図10はアームレスト10の使用状態において、第二軸P2を含む鉛直上下方に沿った断面により第一の支持ブラケット40及び第二の支持ブラケット60を断面視した断面図である。
図10に示すように、第二の支持ブラケット60は、複数の脚部611により右側のバックサイドフレーム121の右側面に溶接で固着された内部中空のケーシング61と、第一の支持ブラケット40と第二の支持ブラケット60とを連結する長尺のボルト62と、ボス44における第二の支持ブラケット60とは逆側に挿入されたボルト62の抜け止め63と、抜け止め63とボルト62の頭部との間に介挿されるワッシャー64と、アームレストパッド20を上方に回動させる方向に押圧するねじりコイルバネ65と、ケーシング61内でコイルバネ65の一端部を保持するバネ座66と、ケーシング61内でコイルバネ65に押圧されるバネ受け67とを備えている。
【0070】
ケーシング61は、一端部が閉塞され、他端部が開放された筒状の容器であり、閉塞側の端面612が第一の支持ブラケット40に向けられ、開放側の端部からは複数の脚部611がバックサイドフレーム121の右側面に向かって延出されている。
ケーシング61の閉塞側の端面612の中央は広く開口し、ボルト62が遊挿されている。
【0071】
ボルト62は、一端部が頭部であり、中間が軸部、他端部の先端外周には雄ネジが形成されたネジ部となっている。そして、ボルト62は、第一の支持ブラケット40のボス44に対して第二の支持ブラケット60とは反対側(左側)から軸部及びネジ部が挿入され、第一の支持ブラケット40を貫通してケーシング61の開口に遊挿されている。
【0072】
抜け止め63は、ボルト62の頭部の周囲を囲繞する円筒状の大径部と、ボス44の内側に挿入される小径部と、大径部と小径部とを連接するフランジ部とを備えている。ボルト62は軸部が小径部に遊挿され、頭部はワッシャー64を介してフランジ部に当接している。
【0073】
ケーシング61内において、その端面612の内面にバネ座66が溶接によって固着されている。このバネ座66は、その中央部に開口部が形成され、当該開口部から右方に向かって立ち上げられた円筒部661を有している。
この円筒部661はねじりコイルバネ65のコイル部分に挿入され、かかる状態でバネ座66はねじりコイルバネ65の一端部を固定保持している。
【0074】
ねじりコイルバネ65の他端部には皿状のバネ受け67が配置されている。このバネ受け67は、中心にボルト62の軸部が挿入される貫通穴が形成されており、バネ受け67におけるねじりコイルバネ65の逆側(右側)においてボルト62の軸部にナット68が締結されている。
即ち、ボルト62は、その頭部からネジ部のナット68までの間にワッシャー64、抜け止め63、第一の支持ブラケット40、ケーシング61の端面612、バネ座66、ねじりコイルバネ65、バネ受け67を挟んだ状態でナット68が締結介在させた状態としている。また、ボルト62は、その中心が第二軸P2と同一線上となるように配置されている。
【0075】
さらに、ねじりコイルバネ65の他端部はバネ受け67に連結され、当該バネ受け67からボルト62を通じて第一の支持ブラケット40に対して、ねじりコイルバネ65によって上方へ回動する方向に押圧力が付与されている。
なお、ねじりコイルバネ65の押圧力は、第一の支持ブラケット40及びアームレストパッド20を上方に跳ね上げるほどの力ではなく、第一の支持ブラケット40及びアームレストパッド20を前方に倒す際に抵抗力を付与して、その傾動動作を緩慢に行わせる程度の力である。つまり、ねじりコイルバネ65は、第一の支持ブラケット40及びアームレストパッド20の回動時のダンパーとして機能するものである。
【0076】
また、バネ受け67は、バネ座66に設けられた図示しないストッパーに当接して、アームレスト10の収納位置における第二の支持ブラケット60に対する第一の支持ブラケット40の第二軸P2回りの回動位置からアームレスト10の使用位置における第二の支持ブラケット60に対する第一の支持ブラケット40の第二軸P2回りの回動位置までの範囲内に回動が規制される。
【0077】
[アームレストの動作]
アームレスト10は、アームレストパッド20が立設し、さらに後方に位置するアームレスト10における収納位置にある状態から、第二の支持ブラケット60に対して第二軸P2回りに第一の支持ブラケット40が前方に90°回動すると共に、アームレストパッド20が第一の支持ブラケット40に対して第一軸P1回りに右に90°回動することによってアームレストパッド20が展開され、アームレスト10における使用位置の状態に切り替えられる。
また、アームレスト10における使用位置にある状態において、アームレストパッド20が展開された状態から第一の支持ブラケット40に対して第一軸P1回りに左に90°回動することによってアームレストパッド20が立設され、第二の支持ブラケット60に対して第二軸P2回りに第一の支持ブラケット40が後方に90°回動することにより後方に持ち上げられ、アームレスト10における収納位置の状態に切り替えられる。
【0078】
[発明の実施形態の作用効果]
アームレスト10では、アームレストパッド20と第一の支持ブラケットとを連結する締結部材としてのナット217をアームレストパッド20の外側、即ち、第一の支持ブラケット40におけるアームレストパッド20とは逆側に配置している。
このため、ナット217がアームレストパッド20の内部に埋設されることなく外部から観察可能であることから、アームレスト10の組み付けの際に、外部から容易にナット217の締結状態を視認することが可能となる。
【0079】
また、アームレストパッド20から外部に延出されたネジ軸としてのボルト23を締結する締結部材をナット217としているので、アームレストパッド20の内部に埋設されないようにその外側である第一の支持ブラケット40側に配置する場合に、スペースを容易に確保することが可能となる。そして、これに伴い、第一の支持ブラケット40の小型化を図ることが可能となる。
【0080】
また、アームレスト10のアームレストパッド20は、ネジ軸としてのボルト23を第一軸P1と同心となるように設けているので、アームレストパッド20と第一の支持ブラケット40とを連結するボルト23をアームレストパッド20の回転軸としても利用することができ、部品点数の低減を図ることが可能となる。
【0081】
また、アームレスト10の第一の支持ブラケット40は、ネジ軸としてのボルト23の先端部を挿入するボス41を第一の支持ブラケット40のブラケット本体42に固定装備したので、平板で支持する場合に比べてボルト23をぐらつきなどが生じないように安定的に支持することが可能となり、アームレストパッド20の良好な回動動作を実現することが可能となる。
【0082】
また、アームレスト10のアームレストパッド20は、アームレストパッド20にネジ軸としてのボルト23を挿通する筒状体21を内蔵し、ボルト23の両端部に、当該ボルト23を中心に位置決めするためのカラー213,215を配置したので、アームレストパッド20の回転中心を所望の位置に合わせることが容易となり、回転ぶれ等を抑制し、アームレストパッド20の良好な回動動作を実現することが可能となる。
【0083】
また、アームレスト10のアームレストパッド20は、ボルト23の先端部とナット217との間にワッシャー216を介在させているので、ナット217を締結するとワッシャー216が回り止めとなり、緩みを防止することが可能となる。
また、ボルト23とナット217の間の傷の発生を防ぎ、部材の保護を図ることが可能となる。
【0084】
また、アームレスト10は、アームレストパッド20の第一の支持ブラケット40側の対向面に設けられた突起部25と、第一の支持ブラケット40のアームレストパッド20側の対向面に設けられ、突起部25の当接によりアームレストパッド20の回動範囲を規制するストッパー部材46と、ストッパー部材46に対して突起部25が当接する下端部においてストッパー部材46を突起部25の逆側となる外側から支える補強支持部材47とを備えている。
このため、突起部25の当接によるストッパー部材46への加圧力をブラケット本体42の第一壁部421だけでなく、補強支持部材47にも分散させることができ、ストッパー部材46の破損を回避し、効果的に保護することが可能となる。
【0085】
また、アームレスト10の第一の支持ブラケット40は、補強支持部材47が位置決め用の切り欠き472と開口部473とを有するので、補強支持部材47をストッパー部材46に対する取付位置に容易に位置合わせすることが可能となり、組み付け作業を容易且つ迅速に行うことが可能となる。
さらに、補強支持部材47を適正な位置に合わせることができるので、ストッパー部材46をより効果的に保護することが可能となる。
【0086】
また、アームレスト10の第一の支持ブラケット40は、補強支持部材47を板状とし、表裏反転しても同一形状の対称形としたので、表裏の確認を行わずにブラケット本体42に補強支持部材47の取り付けができるようになり、組み付け作業の容易化、迅速化を図ることが可能となる。
【0087】
また、アームレスト10の第一の支持ブラケット40は、補強支持部材47は、ストッパー部材46の当接部である突起部25が当接する一端部の外形に倣う形状の支持部471を有するので、補強支持部材47の支持部471が広い面積でストッパー部材46を支持することができ、より効果的にストッパー部材46の破損回避による保護を図ることが可能となる。
【0088】
また、アームレスト10の補強支持部材47は、ストッパー部材46における突起部25が当接する当接部としての一端部に対して突起部25が当接する際の押圧方向の延長線上となる溶接ポイントW1で固着されているので、突起部25の当接による押圧力を補強支持部材47が受けた場合でも強固に取り付け状態を維持することができ、補強支持部材47の剥離や脱落の発生を低減し、機構の長寿命化、保守性や信頼性の向上を図ることが可能となる。
【0089】
また、アームレスト10の第一の支持ブラケット40がブラケット本体42とカバー体43とにより二重壁構造を形成するので、アームレストパッド20の収納位置と使用位置との間での回動による応力に対して第一の支持ブラケット40の変形量を低減し、ぐらつきの少ない安定した回動動作を行うことが可能となる。
さらに、ストッパー部材46は二重壁の一方の第一壁部431の内側に設けられているので、当該ストッパー部材46やストッパー部材46内で移動する突起部25が外部の物体と干渉することを効果的に低減することができ、ストッパー部材46や突起部25を保護すると共に突起部25の良好な動作を維持することが可能となる。
【0090】
また、アームレスト10の補強支持部材47は、当該補強支持部材47の長手方向について第一軸P1を挟んだ二箇所の溶接ポイントW1,W2で第一の支持ブラケット40のブラケット本体42に固着されているので、二箇所の溶接ポイントW1,W2を第一軸P1を中心とする同一の円周上に近い位置に配置することができる。従って、突起部25がストッパー部材46に当接する際に生じる、第一軸P1を中心とする円周の接線方向にへの押圧力に対して補強支持部材47は、上記二箇所の溶接ポイントW1,W2により強固に取り付け状態を維持することができ、補強支持部材47の剥離や脱落の発生を低減し、機構の長寿命化、保守性や信頼性の向上を図ることが可能となる。
【0091】
また、アームレスト10の第一の支持ブラケット40は、ブラケット本体42がアームレストパッド20と連結される第一壁部421と第二の支持ブラケット60と連結される第二壁部422とが直角に屈曲した状態で一体化されているので、第一壁部421と第二壁部422とが別部材である場合に比べて、一定の連結強度を維持しつつ連結するための部材等の部品点数を低減することができ、製造コスト低減及び生産性の向上を図ることが可能となる。
【0092】
また、アームレスト10の第一の支持ブラケット40が、カバー体43の第一壁部431と第二壁部432とを連結する連結補強部材45,45を有するので、アームレストパッド20の収納位置と使用位置との間での回動による応力に対して第一の支持ブラケット40の変形量を低減し、安定的な回動動作を行うことが可能となる。
【0093】
また、アームレスト10の第一の支持ブラケット40では、連結補強部材45,45を直線状として、カバー体43の第一壁部431と第二壁部432との内側においてその両端部をそれぞれ連結したので、連結補強部材45,45に撓みが生じにくく、アームレストパッド20の収納位置と使用位置との間での回動による応力に対して第一の支持ブラケット40の変形量をさらに低減し、さらなる安定的な回動動作を行うことが可能となる。
【0094】
また、アームレスト10の第一の支持ブラケット40では、連結補強部材45,45がネジ軸であるボルト23を挟んでその両側に連結補強部材45,45をそれぞれ設けたので、アームレストパッド20から伝わる応力による変形をその両側からバランス良く抑えることができ、第一の支持ブラケット40の変形量をさらに低減し、さらなる安定的な回動動作を行うことが可能となる。
【0095】
また、アームレスト10の第一の支持ブラケット40では、連結補強部材45,45同士が連結部451により一体的に連結されているので、各連結補強部材45,45の連結部側の倒れ方向の変形が抑制され、これにより、アームレストパッド20の収納位置と使用位置との間での回動による応力に対して第一の支持ブラケット40の変形量をさらに低減し、さらなる安定的な回動動作を行うことが可能となる。
【0096】
また、アームレスト10では、アームレストパッド20における第一の支持ブラケット40に対する対向面に突起部25を設け、第一の支持ブラケット40におけるアームレストパッド20に対する対向面にストッパー部材46を設けたので、組み付けにおいて、突起部25が適正にストッパー部材46に係合しているかを第一の支持ブラケット40側から容易に確認することが可能となる。
【0097】
また、アームレスト10の第一の支持ブラケット40では、ストッパー部材46が、収納位置から使用位置までの範囲内にアームレストパッド20の回動動作を規制するので、アームレストパッド20の回動動作を収納位置と使用位置とで容易に停止させることができ、収納位置と使用位置との間での切替作業を簡易且つ良好に行うことが可能となる。
【0098】
また、アームレスト10の第一の支持ブラケット40では、ブラケット本体42の第一壁部421と第二壁部422とが直角に屈曲した状態で一体化されており、ストッパー部材46は、第一壁部421における第二壁部422とは逆側の端部に設けられているので、第一壁部421と第二壁部422との連結部の強度を高く維持することができ、アームレストパッド20の収納位置と使用位置との間での回動による応力に対してブラケット本体42の変形量を低減し、安定的な回動動作を行うことが可能となる。
【0099】
また、アームレスト10の第一の支持ブラケット40では、ボス41を第一の支持ブラケット40のブラケット本体42の第一壁部421における第二壁部422とストッパー部材46との間となる位置に設けたので、ストッパー部材46に阻害されることなくボス44を第二壁部422の近傍に配置することができ、アームレストパッド20の収納位置と使用位置との間での回動による応力に対して第一の支持ブラケット40の変形量を低減し、安定的な回動動作を行うことが可能となる。
【0100】
また、アームレスト10の第一の支持ブラケット40では、カバー体43に、突起部25を視認可能な開口436を設けたので、二重壁構造によってカバー体43の第一壁部431にストッパー部材46が遮蔽された状態でも、ストッパー部材46に対する突起部25の係合状態を容易に確認することが可能となる。
【0101】
また、アームレスト10の第一の支持ブラケット40では、ストッパー部材46を樹脂で形成したので、金属で形成した場合に比べて、内部を突起部25が摺動したり当接したりした場合の騒音の発生を低減し、アームレストパッド20の回動時の静音化を図ることが可能となる。
【0102】
また、アームレスト10のアームレストパッド20に第一軸P1を中心に回動する筒状体21を内蔵し、当該筒状体21には第一の支持ブラケット40に対向するプレート部24を固定装備し、突起部25をプレート部24に支持させたので、例えば、アームレストパッド20の表面材料に樹脂のような柔軟なものを使用した場合でも、突起部25はプレート部24に強固に支持され、突起部25とストッパー部材46とによるアームレストパッド20の回動動作の規制を良好に行うことが可能となる。
【0103】
また、アームレスト10の第一の支持ブラケット40では、ストッパー部材46がブラケット本体42に設けられた開口部423に挿入装備され、ストッパー部材46の外周には、当該ストッパー部材46の挿入方向の位置を決める爪部461が設けられているので、開口部423に対してストッパー部材46を挿入すると、爪部461が開口部423の周囲に当接して適切な位置で止めることができる。このため、爪部461により、ストッパー部材46を適正な押し込み量で取り付けることができると共に押し込み量に大きな注意を払うことなく作業することができ、作業負担の軽減を図ることが可能となる。