特許第6427049号(P6427049)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6427049
(24)【登録日】2018年11月2日
(45)【発行日】2018年11月21日
(54)【発明の名称】ピーク電力発現予測装置および予測方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20120101AFI20181112BHJP
   H02J 3/00 20060101ALI20181112BHJP
【FI】
   G06Q50/06
   H02J3/00 130
   H02J3/00 170
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-61963(P2015-61963)
(22)【出願日】2015年3月25日
(65)【公開番号】特開2016-181195(P2016-181195A)
(43)【公開日】2016年10月13日
【審査請求日】2017年3月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】高橋 哲也
(72)【発明者】
【氏名】小柳 隆
【審査官】 青柳 光代
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−328907(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/121515(WO,A1)
【文献】 特開2015−023668(JP,A)
【文献】 特開2013−158730(JP,A)
【文献】 特開2011−254582(JP,A)
【文献】 特開2009−225550(JP,A)
【文献】 特開2009−204195(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
G16H 10/00 − 80/00
H02J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
CPUと記憶装置とを備えたコンピュータからなるピーク電力発現予測装置であって、
前記記憶装置に格納されたプログラムに従って前記CPUは、
予測対象の建物の電力使用情報と気象情報と建物利用情報とを取得するデータ取得手段と、
このデータ取得手段が取得した情報に基づいて、年初に前記建物の1日毎の電力使用量を予測する年間予測と、月初に1日毎の前記電力使用量を予測する月間予測と、1日の始めに翌日の前記電力使用量を予測する前日予測と、1日の始めに当日の前記電力使用量を予測する当日予測とをそれぞれ実施する予測手段と、
当日分の予測結果については前記当日予測の予測結果を選択し、翌日分の予測結果については前記前日予測の予測結果を選択し、明後日以降の当月の日毎の予測結果については前記月間予測の予測結果を選択し、来月以降の日毎の予測結果については前記年間予測の予測結果を選択して、これら選択した日毎の予測結果が示す電力使用量が予め定義されたピーク電力発現しきい値を超える日を、ピーク電力発現可能性が高い日と判定するデータ評価手段と
指定された評価期間のピーク電力発現可能性の予測結果を提示するデータ提示手段として機能することを特徴とするピーク電力発現予測装置。
【請求項2】
請求項1記載のピーク電力発現予測装置において、
前記データ評価手段は、前記当日予測で当日の時間毎の前記電力使用量を予測できる場合に、当日分の予測結果として選択した前記当日予測の時間毎の予測結果が示す電力使用量が前記ピーク電力発現しきい値を超える時間を、ピーク電力発現可能性が高い時間と判定することを特徴とするピーク電力発現予測装置。
【請求項3】
予測対象の建物の電力使用情報と気象情報と建物利用情報とを取得するデータ取得ステップと、
このデータ取得ステップで取得した情報に基づいて、年初に前記建物の1日毎の電力使用量を予測する年間予測と、月初に1日毎の前記電力使用量を予測する月間予測と、1日の始めに翌日の前記電力使用量を予測する前日予測と、1日の始めに当日の前記電力使用量を予測する当日予測とをそれぞれ実施する予測ステップと、
当日分の予測結果については前記当日予測の予測結果を選択し、翌日分の予測結果については前記前日予測の予測結果を選択し、明後日以降の当月の日毎の予測結果については前記月間予測の予測結果を選択し、来月以降の日毎の予測結果については前記年間予測の予測結果を選択して、これら選択した日毎の予測結果が示す電力使用量が予め定義されたピーク電力発現しきい値を超える日を、ピーク電力発現可能性が高い日と判定するデータ評価ステップと
指定された評価期間のピーク電力発現可能性の予測結果を提示するデータ提示ステップとを、記憶装置に記憶されたプログラムに従ってCPUに実行させることを特徴とするピーク電力発現予測方法。
【請求項4】
請求項記載のピーク電力発現予測方法において、
前記データ評価ステップは、前記当日予測で当日の時間毎の前記電力使用量を予測できる場合に、当日分の予測結果として選択した前記当日予測の時間毎の予測結果が示す電力使用量が前記ピーク電力発現しきい値を超える時間を、ピーク電力発現可能性が高い時間と判定するステップを含むことを特徴とするピーク電力発現予測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピーク電力が発現する可能性を予測するピーク電力発現予測装置および予測方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
オフィスビル等において、電力料金を抑制する方法としては、電力使用量を減らす方法の他に、最大需要電力(ピーク電力)を下げ、基本料金にあたる契約電力を抑制する方法がある。ピーク電力を抑制するためには、ピーク電力が発現する時間帯の電力消費を抑制する必要がある。オフィスビル等におけるピーク電力は、夏季や冬季に空調負荷が大きく増加することが原因である場合が多い。
【0003】
ピーク電力を抑制する対策としては、空調設備を前倒し運転して電力消費の平準化を図る方法や、室内温度設定を緩和して空調負荷を減らす方法などがあるが、電力使用量が増加したり、室内環境が悪化したりするリスクが伴う。
したがって、そのリスクを最小限に抑えるために、電力使用量を予測し、ピーク電力が発現する可能性が高いときだけ対策を実施することが望ましい。
【0004】
従来、電力使用量を予測する技術としては、例えば特許文献1、特許文献2に開示された技術が知られている。特許文献1に開示された技術は、予め用意された気温と電力使用量との関係を用いて、予測対象日の気温予測情報から当日の電力使用量を予測するものである。特許文献2に開示された技術は、予測される電力使用量を算出する複数の予測手段毎に、過去の実績電力使用量と過去の予測電力使用量との誤差を取得し、誤差の時間推移に基づいて1または複数の予測手段を選択し、実績電力使用量の履歴データと選択した1または複数の予測手段とを用いて、電力使用量を予測するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014−75851号公報
【特許文献2】特開2014−164393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の予測手法では、気象予報情報を使うことが多く、前日もしくは当日にならないと電力使用量の予測値が分からない場合が多い。
専任の設備管理員がいないビルなどでは、前日や当日になって電力使用量の予測値を得ても対策を打つことは困難である。また、専任者がいたとしても、毎日対策の要不要を確認するのは非常に手間がかかるという課題があった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、ピーク電力を抑制する対策を、従来よりも早期の段階から行ない易くするピーク電力発現予測装置および予測方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、CPUと記憶装置とを備えたコンピュータからなるピーク電力発現予測装置であって、前記記憶装置に格納されたプログラムに従って前記CPUは、予測対象の建物の電力使用情報と気象情報と建物利用情報とを取得するデータ取得手段と、このデータ取得手段が取得した情報に基づいて、年初に前記建物の1日毎の電力使用量を予測する年間予測と、月初に1日毎の前記電力使用量を予測する月間予測と、1日の始めに翌日の前記電力使用量を予測する前日予測と、1日の始めに当日の前記電力使用量を予測する当日予測とをそれぞれ実施する予測手段と、当日分の予測結果については前記当日予測の予測結果を選択し、翌日分の予測結果については前記前日予測の予測結果を選択し、明後日以降の当月の日毎の予測結果については前記月間予測の予測結果を選択し、来月以降の日毎の予測結果については前記年間予測の予測結果を選択して、これら選択した日毎の予測結果が示す電力使用量が予め定義されたピーク電力発現しきい値を超える日を、ピーク電力発現可能性が高い日と判定するデータ評価手段と、指定された評価期間のピーク電力発現可能性の予測結果を提示するデータ提示手段として機能することを特徴とするものである。
また、本発明のピーク電力発現予測装置において、前記データ評価手段は、前記当日予測で当日の時間毎の前記電力使用量を予測できる場合に、当日分の予測結果として選択した前記当日予測の時間毎の予測結果が示す電力使用量が前記ピーク電力発現しきい値を超える時間を、ピーク電力発現可能性が高い時間と判定することを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明のピーク電力発現予測方法は、予測対象の建物の電力使用情報と気象情報と建物利用情報とを取得するデータ取得ステップと、このデータ取得ステップで取得した情報に基づいて、年初に前記建物の1日毎の電力使用量を予測する年間予測と、月初に1日毎の前記電力使用量を予測する月間予測と、1日の始めに翌日の前記電力使用量を予測する前日予測と、1日の始めに当日の前記電力使用量を予測する当日予測とをそれぞれ実施する予測ステップと、当日分の予測結果については前記当日予測の予測結果を選択し、翌日分の予測結果については前記前日予測の予測結果を選択し、明後日以降の当月の日毎の予測結果については前記月間予測の予測結果を選択し、来月以降の日毎の予測結果については前記年間予測の予測結果を選択して、これら選択した日毎の予測結果が示す電力使用量が予め定義されたピーク電力発現しきい値を超える日を、ピーク電力発現可能性が高い日と判定するデータ評価ステップと、指定された評価期間のピーク電力発現可能性の予測結果を提示するデータ提示ステップとを、記憶装置に記憶されたプログラムに従ってCPUに実行させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、予測対象期間が異なるそれぞれの予測方法で予測対象の建物の電力使用量を、予測対象期間に応じた時点で予測し、予測対象期間が異なる予測結果のうち、各日にとって最も短期の予測結果を日毎に選択し、選択した予測結果と所定のピーク電力発現しきい値とを基に、日毎または時間毎のピーク電力発現可能性を予測するので、ピーク電力を抑制する対策を、従来よりも早期の段階から行ない易くすることができる。また、本発明では、各予測対象期間に応じた予測結果を組み合わせることで、長期的な予測結果を提示しつつ、ユーザが予測結果を要求した当日に近づくにつれてより精度の高い予測結果をユーザに提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態に係るピーク電力発現予測装置の構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施の形態に係るピーク電力発現予測装置の動作を説明するフローチャートである。
図3】本発明の実施の形態におけるピーク電力発現可能性の予測結果の提示例を示す図である。
図4】本発明の実施の形態におけるピーク電力発現可能性の予測結果の別の提示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[発明の原理]
ピーク電力対策における電力量予測は、例えば1時間毎の予測値自体の正確さを向上することが重視されてきた。
一方、発明者は、ピーク電力対策を行なうためには、仮に電力量予測の正確さが不十分でも、なるべく事前に予測情報が得られることが重要であることに着眼した。その場合、建物運用情報は中長期で予定されることが多いので、特に有効に利用できる。例えば休日や連休のような、建物自体の熱容量に影響するような情報は、空調負荷に関連する。また、年間レベルでの長期的な休日予定情報を取得して利用することも可能である。
【0013】
そして、例えば年初の概略的年間予測(長期予測)、月初の概略的月間予測(中期予測)、前日の中レベル信頼性の予測(短期予測)、当日の高レベル信頼性の予測(リアルタイム予測)というように段階分けし、利用可能な気象情報や建物運用情報の確度に応じた予測情報を提示することで、ピーク電力を抑制する対策を行ないやすくなることに想到した。
【0014】
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態では、ピーク電力発現予測の段階的提示として、年間予測、月間予測、前日予測、当日予測の、4段階に分けて予測する場合について説明する。
【0015】
[インプット情報の設定]
各段階の予測に用いるインプット情報は異なる情報を用いる。各段階で異なる情報を用いる理由は、予測時点で入手可能なインプット情報が異なるためであり、数カ月先の遠い未来の電力使用量を予測する場合は、不確定要素を多く含むインプット情報を使用するしかなく、予測精度もインプット情報の精度に比例して低くなる。一方、明日などの直近の電力使用量を予測する場合は、不確定要素の少ないインプット情報を用意できるため、予測精度も上がってくる。以下に各段階で用いるインプット情報例を記す。
【0016】
(A)年間予測の場合は、平年の年間の電力使用実績と、平年の年間の気象情報(例えば過去数年の外気温度の日毎の平均値)と、予測対象年(本年)の長期的気象予測情報と、予測対象年の年間の建物利用予定情報(年間行事予定情報、あるいは年間行事予定情報に基づいて算出した空調運転面積など)を利用する。
【0017】
(B)月間予測の場合は、予測対象月(本月)と同じ月の平年の電力使用実績と、予測対象月の平年との差異に関する電力使用情報と、予測対象月と同じ月の平年の気象情報(例えば過去数年の当該月の外気温度の日毎の平均値)と、予測対象月の平年との差異に関する気象予測情報と、予測対象月の月間の建物利用予定情報(月間行事予定情報や会議室利用予定情報、あるいはこれらの予定情報に基づいて算出した空調運転面積など)を利用する。なお、予測対象月の平年との差異に関する電力使用情報とは、例えば空調設備の増減などに伴う、平年に対する電力使用量の増減分などを示す情報のことである。また、予測対象月の平年との差異に関する気象予測情報とは、例えば暑夏、冷夏、暖冬、寒冬などの予報に伴う、平年に対する外気温度の上下動分などを示す情報のことである。
【0018】
(C)前日予測の場合は、予測対象日(予測演算実施日の翌日)と同じ曜日の前週の電力使用実績と、予測演算実施日(本日であり、予測対象日の前日)の気象情報と、予測対象日の気象予測情報(例えば外気温度)と、予測対象日の建物利用予定情報(会議室利用予定情報や出席数予定情報、あるいはこれらの予定情報に基づいて算出した空調運転面積など)を利用する。
【0019】
(D)当日予測の場合は、予測対象日(本日であり、予測演算実施日)と同じ曜日の前週の電力使用実績と、前日の電力使用実績と、予測対象日の予測演算実施時点の気象情報(例えば外気温度)と、予測演算実施時点よりも規定時間先の気象予測情報(例えば外気温度)と、予測対象日の建物利用情報(会議室利用状況情報や出席者数情報、あるいはこれらの予定情報に基づいて算出した空調運転面積など)を利用する。
【0020】
[予測方法]
電力使用量の予測方法については、本実施の形態では特に特定しない。任意の予測方法を用いることとする。また、各段階で同じ予測方法を使ってもよいし、段階毎に異なる予測方法を使ってもよい。本発明に適用可能な予測の技術としては、事例ベース推論がある(特許第2632117号公報、特許第3168529号公報参照)。事例ベース推論技術は、過去に経験した事例を蓄積して事例ベースを生成し、新事例の条件が入力された場合にはこれと最も類似した既存事例を事例ベースから検索すると共に、検索した既存事例を適当に修正して新事例の結論を推論するというものである。また、新事例を学習して事例ベースを更新するようになっている。
【0021】
[予測の実施タイミングと実施範囲]
年間予測の場合は、年初に予測を実施し、1年分の予測結果を出力する。月間予測の場合は、月初に予測を実施し、1ヶ月分の予測結果を出力する。前日予測の場合は、前日に予測を実施し、1日分の予測結果を出力する。当日予測の場合は、当日の朝に予測を実施し、当日分の予測結果を出力する。
【0022】
[情報提示方法]
各段階で予測した結果のうち、最も短期の予測結果を優先して提示する。例えば、ユーザが3月10日に予測結果を要求したとすると、3月10日分の予測結果については当日予測の予測結果を提示し、3月11日分の予測結果については前日予測の予測結果を提示し、3月12日以降の3月各日分の予測結果については月間予測の予測結果を提示し、4月1日以降の各日分の予測結果については年間予測の予測結果を提示する。このように各段階の予測結果を組み合わせて情報を提示することで、長期的な予測結果を提示しつつ、当日に近づくにつれてより精度の高い予測結果を提示することも可能となる。
【0023】
図1は本実施の形態に係るピーク電力発現予測装置の構成を示すブロック図である。ピーク電力発現予測装置は、予測対象の建物の電力使用情報と気象情報と建物利用情報とを取得するデータ取得手段であるデータ入出力部1と、データ入出力部1が取得した情報に基づいて、予測対象期間が異なるそれぞれの予測方法で予測対象の建物の電力使用量を、予測対象期間に応じた時点で予測する予測部2と、予測対象期間が異なる予測結果のうち、各日にとって最も短期の予測結果を日毎に選択し、選択した予測結果と所定のピーク電力発現しきい値とを基に、日毎または時間毎のピーク電力発現可能性を予測するデータ評価部3と、データ評価部3から受け取った各日の予測結果を記録するデータ記録部4と、指定された評価期間のピーク電力発現可能性の予測結果を提示するデータ提示部5と、ピーク電力発現可能性の予測に使用するパラメータを予め記憶する評価定義ファイル記憶部6と、予測結果を記憶するデータベース7とを備えている。
【0024】
予測部2は、年間予測を行う年間予測部20と、月間予測を行う月間予測部21と、前日予測を行う前日予測部22と、当日予測を行う当日予測部23とから構成される。
【0025】
以下、図2のフローチャートを用いて本実施の形態のピーク電力発現予測装置の動作を説明する。
最初に、データ入出力部1は、各段階の予測に応じたインプット情報を取得して、予測部2へ渡す(図2ステップS1)。
【0026】
データ入出力部1は、年初に年間予測を実施する場合、平年の年間の電力使用実績と、予測対象年(本年)の年間の建物利用予定情報とを予測対象の建物のビル監視装置(不図示)から取得し、平年の年間の気象情報をビル監視装置または気象予測システム(不図示)から取得し、予測対象年の長期的気象予測情報を気象予測システムから取得すればよい。
【0027】
また、データ入出力部1は、月初に月間予測を実施する場合、予測対象月(本月)と同じ月の平年の電力使用実績と、予測対象月の平年との差異に関する電力使用情報と、予測対象月の月間の建物利用予定情報とを予測対象の建物のビル監視装置から取得し、予測対象月と同じ月の平年の気象情報をビル監視装置または気象予測システムから取得し、予測対象月の平年との差異に関する気象予測情報を気象予測システムから取得すればよい。
【0028】
また、データ入出力部1は、予測対象日の前日に前日予測を実施する場合、予測対象日と同じ曜日の前週の電力使用実績と、予測対象日の建物利用予定情報とを予測対象の建物のビル監視装置から取得し、予測演算実施日(予測対象日の前日)の気象情報をビル監視装置または気象予測システムから取得し、予測対象日の気象予測情報を気象予測システムから取得すればよい。
【0029】
また、データ入出力部1は、当日予測を実施する場合、本日と同じ曜日の前週の電力使用実績と、前日の電力使用実績と、本日の建物利用情報とを予測対象の建物のビル監視装置から取得し、本日の予測演算実施時点の気象情報をビル監視装置または気象予測システムから取得し、予測演算実施時点よりも規定時間先の気象予測情報を気象予測システムから取得すればよい。
【0030】
次に、予測部2は、予測対象の建物の電力使用量を予測して、予測結果をデータ入出力部1へ渡す(図2ステップS1)。年間予測部20は、年初に年間予測を実施する場合、予測対象年(本年)の1日毎の電力使用量を予測する。月間予測部21は、月初に月間予測を実施する場合、予測対象月(本月)の1日毎の電力使用量を予測する。前日予測部22は、1日の始めに前日予測を実施する場合、予測対象日(翌日)の電力使用量を予測する。当日予測部23は、1日の始めに当日予測を実施する場合、本日の1時間毎の電力使用量を予測する。
【0031】
続いて、データ評価部3は、予測部2による各段階の予測結果をデータ入出力部1から受け取り、最長の予測期間(本実施の形態では1年間)中の各日にとって最も短期の予測結果を日毎に選択し、選択した予測結果と所定のピーク電力(建物の最大需要電力)発現しきい値とを基に、日毎または時間毎のピーク電力発現可能性を予測する(図2ステップS3)。
【0032】
データ評価部3は、本日が例えば1月7日である場合、1月7日分の予測結果については当日予測の予測結果を最も短期(最も予測精度が高い)のものとし、1月8日分の予測結果については前日予測の予測結果を最も短期のものとし、1月9日以降の1月各日分の予測結果については月間予測の予測結果を最も短期のものとし、2月1日以降の各日分の予測結果については年間予測の予測結果を最も短期のものとする。
【0033】
そして、データ評価部3は、本年の各日について選択した予測結果の電力使用量をピーク電力発現しきい値と比較し、日毎の電力使用量がピーク電力発現しきい値を超える日を、ピーク電力発現可能性が高い日と判定する。ピーク電力発現しきい値は、評価定義ファイル記憶部6に記憶されている評価定義ファイルで予め定義されている。
【0034】
なお、当日予測部23で用いる当日予測の予測手法が時間毎の電力使用量を予測できる手法であれば、本日の時間毎にピーク電力発現可能性を予測することが可能である。この場合、データ評価部3は、当日予測の予測結果で得られた時間毎の電力使用量がピーク電力発現しきい値を超える時間を、ピーク電力発現可能性が高い時間と判定する。
データ評価部3は、予測部2の予測結果と自身の予測結果とをデータ記録部4へ渡す。
【0035】
データ記録部4は、データ評価部3から受け取った各日の予測結果をデータベース7へ記録する(図2ステップS4)。
データ提示部5は、ピーク電力発現予測装置のユーザの操作に応じて、ユーザが指定した評価期間のピーク電力発現可能性の予測結果をデータベース7から取得して提示(表示)する(図2ステップS5)。
【0036】
図3はピーク電力発現可能性の予測結果の提示例を示す図である。図3の例は、1月と2月を評価期間として、1月7日時点の予測結果を画面100にカレンダー形式で表示したものである。カレンダーの各マス目中の左上の数字が日にちを表している。また、マス目中のエクスクラメーション・マーク(!)は、その日がピーク電力発現可能性が高い日であり、ピーク電力を抑制する対策を実施すべき日であることを表している。マス目中のハイフン(−)は、その日がピーク電力発現可能性の低い日であることを表している。マス目中に印が無い日は、その日が稼動日(予測対象日)ではなく、予測自体が行われていないことを表している。
【0037】
本日1月7日分の予測結果については当日予測の電力使用量の予測結果を基にピーク電力発現可能性が予測されており、ピーク電力発現可能性が高いことが示されている。1月8日分の予測結果については前日予測の電力使用量の予測結果を基にピーク電力発現可能性が予測されており、ピーク電力発現可能性が高いことが示されている。
【0038】
1月9日以降の1月各日分の予測結果については月間予測の電力使用量の予測結果を基にピーク電力発現可能性が予測されており、1月14日、15日、27日のピーク電力発現可能性が高いことが示されている。2月1日以降の各日分の予測結果については年間予測の電力使用量の予測結果を基にピーク電力発現可能性が予測されており、2月3日、10日、12日、17日のピーク電力発現可能性が高いことが示されている。
なお、本日以前の過ぎた日については、表示色を変えることにより(例えばグレーアウト)、評価対象から外れていることを明示するようにしてもよい。
【0039】
図4はピーク電力発現可能性の予測結果の別の提示例を示す図である。図4の例は、本日1月7日を評価期間として、1月7日の各時間の予測結果を画面100に棒グラフ形式で表示したものである。すなわち、当日予測の電力使用量の予測結果を基に時間毎のピーク電力発現可能性を予測した結果を表している。図4中のPthはピーク電力発現しきい値である。図4の例では、9時から11時と13時にピーク電力が発現する可能性が高いことを示している。
【0040】
なお、本実施の形態で説明したピーク電力発現予測装置は、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置及びインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。CPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って本実施の形態で説明した処理を実行する。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、電力抑制のための技術に適用することができる。
【符号の説明】
【0042】
1…データ入出力部、2…予測部、3…データ評価部、4…データ記録部、5…データ提示部、6…評価定義ファイル記憶部、7…データベース、20…年間予測部、21…月間予測部、22…前日予測部、23…当日予測部。
図1
図2
図3
図4