特許第6427076号(P6427076)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6427076貯液装置およびその貯液装置を備えた熱源装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6427076
(24)【登録日】2018年11月2日
(45)【発行日】2018年11月21日
(54)【発明の名称】貯液装置およびその貯液装置を備えた熱源装置
(51)【国際特許分類】
   F24H 9/00 20060101AFI20181112BHJP
   F24H 1/18 20060101ALI20181112BHJP
   F24H 9/20 20060101ALI20181112BHJP
【FI】
   F24H9/00 E
   F24H1/18 A
   F24H9/20 E
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-137773(P2015-137773)
(22)【出願日】2015年7月9日
(65)【公開番号】特開2017-20701(P2017-20701A)
(43)【公開日】2017年1月26日
【審査請求日】2018年2月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000129231
【氏名又は名称】株式会社ガスター
(74)【代理人】
【識別番号】100093894
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 清
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 寿久
(72)【発明者】
【氏名】澤中 裕介
(72)【発明者】
【氏名】寺嶋 正和
(72)【発明者】
【氏名】今井 文人
(72)【発明者】
【氏名】玉井 由
【審査官】 豊島 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−10805(JP,A)
【文献】 特開2010−185711(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 9/00
F24H 1/00 − 4/06
F24H 9/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を貯留する貯液槽と、該貯液槽の外側において該貯液槽の上端側と下端側とを連通接続するループ管路とを有し、該ループ管路は前記貯液槽の上端側から下端側にかけて上下方向に立設された立設部位を有して該立設部位が前記貯液槽の側壁と間隔を介して又は近接して並設されており、前記ループ管路の前記立設部位には上下方向に互いに間隔を介して複数の温度検出手段が配設され、該温度検出手段はそれぞれ該温度検出手段の配設高さに対応する前記貯液槽内液位における貯液槽内の液体温度を検出する貯液槽内液体温度検出手段と成していることを特徴とする貯液装置。
【請求項2】
貯液槽は該貯液槽内の液体を加熱する加熱手段に熱的に接続されており、前記貯液槽内に貯留されている液体を該貯液槽の上端側から導出して液体供給先側に導く液体導出通路が前記貯液槽の上端側に接続されており、該液体導出通路と前記貯液槽の下端側とを連通させる連通通路を有し、前記液体導出通路の前記貯液槽との接続部から前記連通通路との接続部までを通り該連通通路を介して前記貯液槽の下端側に至る通路によって立設部位に複数の温度検出手段が互いに間隔を介して配設されたループ管路が形成されていることを特徴とする請求項1記載の貯液装置。
【請求項3】
液体導出通路を通して貯液槽内の液体が導出されたときに、該液体導出終了時から前記液体導出通路内の液体の液位毎の温度が貯液槽内の液体の液位毎の温度に対応する温度になるまでにかかる時間情報を求める液温安定化情報検出手段を有することを特徴とする請求項2記載の貯液装置。
【請求項4】
貯液槽は液体としての湯水を貯留する貯湯槽であることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載の貯液装置。
【請求項5】
貯液槽は樹脂製のタンクにより形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の貯液装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の貯液装置と、該貯液装置の貯液槽から該貯液槽に接続された液体導出通路を通って導出される液体を加熱可能な補助熱源装置とが共通のケース内に配設されており、該ケースに設けられた扉を開けたときに該扉が開かれた面に前記貯液装置のループ管路の立設部位が露出する配置と成していることを特徴とする貯液装置を備えた熱源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を貯留する貯液槽を備えた貯液装置および貯液装置を備えた熱源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図5には、熱源装置の一例が模式的な側面図により示されている。この熱源装置3は、液体を貯留する貯液槽としての貯湯槽(貯湯タンク)1と、補助熱源装置7と、発熱体2と、これらを接続する通路とを有しており、同図において、通路を示す部位は、通路を流れる液体(ここでは水であり、湯または湯水と称することもある)の流通方向の矢印により示されている。
【0003】
同図に示されるように、貯湯タンク1には、貯湯タンク1の外部に配置された発熱体2が水供給通路12と熱回収通路13とを介して接続されており、発熱体2は、貯湯タンク1内に貯留されている液体としての水を加熱する加熱手段として機能する。発熱体2としては、例えば発電装置や太陽熱を集熱する集熱器を備えた太陽熱温水ユニットやヒートポンプユニット等が適用される。
【0004】
貯湯タンク1の下部側には、給水供給源(図示せず)からの水を貯湯タンク1に供給する給水通路11と前記水供給通路12とが接続されており、前記水供給通路12は、貯湯タンク1の下部側から発熱体2に水を供給する通路である。また、貯湯タンク1の上部側には、湯の通路14と前記熱回収通路13とが接続されており、熱回収通路13は、発熱体2により加熱された湯を貯湯タンク1側に送って該貯湯タンク1の上部側から該貯湯タンク1に導入する通路である。
【0005】
発熱体2を発電装置により形成した場合は、貯湯タンク1から水供給通路12を通して冷却用の例えば50℃以下(好ましくは45℃以下)の水を発熱体2(発電装置)に供給し、発電装置の排熱により水を加熱して熱回収用通路13から貯湯タンク1に導入して貯湯タンク1に貯湯することが行われる。なお、発電装置は、例えば固体高分子形燃料電池(PEFC)や固体酸化物形燃料電池(SOFC)等の燃料電池(FC)や、ガスエンジン等により形成されるものであり、燃料電池は、水の電気分解の逆反応で、都市ガス等の燃料から取り出された水素と空気中の酸素とを反応させて発電する発電装置である。
【0006】
前記湯の通路14は、貯湯タンク1の上部側から給湯先に湯を供給するための通路であり、貯湯タンク1内に貯留されている液体としての水を貯湯タンク1の上端側から導出して液体供給先側に導く液体導出通路として機能する。湯の通路14には、混合弁15を介し、給水通路11から分岐した分岐通路17と湯水流通通路16とが接続されている。湯水流通通路16にはバーナ等(同図には図示せず)を備えた給湯器等の補助熱源装置7が接続されており、補助熱源装置7と貯湯タンク1とが同じケース8内に収容されて、貯湯ニットが形成されている。なお、図5における符号10は補助熱源装置7のフロントカバーを示す。
【0007】
貯湯タンク1は、例えばステンレス等により形成されており、貯湯タンク1には、貯湯タンク1内の湯水温を検出する温度検出手段としてのサーミスタ6が、例えば貯湯タンク1の側壁の外側に互いに上下方向に間隔を介して複数(ここでは4個)設けられている。例えばサーミスタ6同士の間隔は等間隔とされ、サーミスタ6は貯湯タンク1の側壁外側に貼り付けて設けられる。
【0008】
なお、貯湯タンク1には上下方向に温度の層が形成されるものであり、貯湯タンク1の上部側の層(高温層)には(図の線Bの上部、参照)、発熱体2により加熱された高温Ta(例えば80℃)の湯が貯湯される(図の斜線部分、参照)。また、貯湯タンク1の下部側の層(低温層)には、貯湯タンク1内に給水される給水温度と同じ温度Tc(例えば15℃)の水が貯水され、この低温層と高温層との間に、温度Taから温度Tcまでの急な温度勾配を持つ層(温度中間層)が形成される。図5の破線Bは、高温層と温度中間層との境界を示しており、破線Bの上側の水(湯)が実質的に給湯に利用される温度層である。
【0009】
このような貯湯タンク1内の湯水の水位(液位)に応じた温度がサーミスタ6によって検出され、それにより、例えば図の線Bに示されているような、高温層と温度中間層との境界が大旨把握できる。そして、破線Bの上側に貯留された実質的に給湯に利用される温度層の水(湯)の量を把握することにより、貯湯タンク1内の蓄熱量を知ることができる。なお、サーミスタ6により検出される検出温度に基づいて、貯湯タンク1内の湯水の水質を確認したり、サーミスタ6により検出される検出温度を出湯温度制御のために用いたりすることも行われている。
【0010】
この熱源装置3においては、貯湯タンク1から湯の通路14を通して導出される湯水の温度が給湯設定温度よりも低いときには(つまり、最上部に設けられたサーミスタ6の検出温度が給湯設定温度よりも低いときには)、その湯水を補助熱源装置7によって加熱(追い加熱)し、給湯設定温度の湯を給湯通路18から給湯先に供給できるようにすることが行われる。
【0011】
一方、貯湯タンク1内の湯水温が給湯設定温度以上の時には補助熱源装置7による湯水の加熱は行われず、湯の通路14を通して導出される例えば80℃といった高温の湯と給水供給源から分岐通路17を通して導出される水とが必要に応じて混合弁15の制御より混合され、湯水流通通路16と補助熱源装置7内の給湯回路とを通して非加熱のまま給湯先に供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特許第4369278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、熱源装置3の配設スペースを小型化したいといった要望があり、例えば家屋の裏側などに熱源装置3を配置する場合に、熱源装置3のケース8の平面形状が細長い長方形状等の矩形状となるように形成したいといった要望が多くある。
【0014】
また、図5に示したような貯湯タンク1を備えた熱源装置3において、給湯器等の補助熱源装置7には例えば定期的にメンテナンスを行ったり、支障が生じた場合に必要となる修理を行ったりするために、作業者がメンテナンス等を行うことができるようにするための扉等をケース8に設ける必要がある一方で、貯湯タンク1は単なる容器であるために修理等が必要となることは滅多にない。
【0015】
そこで、例えば図6の平面図に示されるように、平面形状が長方形状のケース8内に、補助熱源装置7と貯湯タンク1とを配置し、図のD方向の長さ(短辺方向の長さ)を短くして、例えば扉9をケース8の一端側の短辺側に設けることが考えられる。
【0016】
このようにすると、扉9の開閉に伴うスペースを考慮しても、熱源装置の図のD方向のスペースを広くする必要はないために、例えば家屋の裏側等に熱源装置を配設しやすく、かつ、扉9を開けたときに、その扉9を開けた面に補助熱源装置7のフロントカバー10の面が露出するように配置することができ、補助熱源装置7の修理やメンテナンスを適宜行うことができる。また、修理等の頻度が少ない貯湯タンク1を扉9側から見て奥側に設けることにより、適切な配置構成とすることができる。
【0017】
しかしながら、貯湯タンク1に設けられているサーミスタ6は、貯湯タンク1そのものに比べてメンテナンスや修理等が必要となることが多く、図6に示されるような配置にすると、サーミスタ6の修理やメンテナンスができなくなってしまうといった問題が生じる。
【0018】
そこで、図6の破線矢印Tで示す方向から開閉可能な扉を設けることも考えられるが、そうすると、扉9を手前側に開くためのスペースも必要になり、熱源装置3の配設スペースの省スペース化を達成できないといった問題が生じることになるし、扉を2つ設ける分だけケース8の構成が複雑になってコストアップにつながるといった問題も生じる。
【0019】
また、近年は、軽量化や低価格化のために、樹脂製の貯湯タンク1が適用されるようになったが、樹脂は熱伝導率が小さいために、樹脂製の貯湯タンク1においては、ステンレス製の貯湯タンク1の場合のように、貯湯タンク1の側壁の外側にサーミスタ6を貼り付けても、貯湯タンク1内の湯水温を正確に検出することができない。
【0020】
そこで、サーミスタ6を貯湯タンク1内に設けることも考えられているが、その場合には、貯湯タンク1内に設けたサーミスタ6により検出される検出温度を貯湯タンク1の外部で把握できるようにする必要があり、信号線等を設けることになるため、信号線を貫通させる貫通部等のシールを保つための高価な部材が必要となり、問題である。
【0021】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、貯湯槽等の貯液槽内の液体の温度を液位毎に的確に検出することができて貯液槽内の液体を熱源等として利用しやすい貯液装置と、その貯液装置を備えて省スペースで配置できて安価な熱源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は上記目的を達成するために、次の構成をもって課題を解決する手段としている。すなわち、第1の発明の貯液装置は、液体を貯留する貯液槽と、該貯液槽の外側において該貯液槽の上端側と下端側とを連通接続するループ管路とを有し、該ループ管路は前記貯液槽の上端側から下端側にかけて上下方向に立設された立設部位を有して該立設部位が前記貯液槽の側壁と間隔を介して又は近接して並設されており、前記ループ管路の前記立設部位には上下方向に互いに間隔を介して複数の温度検出手段が配設され、該温度検出手段はそれぞれ該温度検出手段の配設高さに対応する前記貯液槽内液位における貯液槽内の液体温度を検出する貯液槽内液体温度検出手段と成している構成をもって課題を解決する手段としている。
【0023】
また、第2の発明の貯液装置は、前記第1の発明の構成に加え、前記貯液槽は該貯液槽内の液体を加熱する加熱手段に熱的に接続されており、前記貯液槽内に貯留されている液体を該貯液槽の上端側から導出して液体供給先側に導く液体導出通路が前記貯液槽の上端側に接続されており、該液体導出通路と前記貯液槽の下端側とを連通させる連通通路を有し、前記液体導出通路の前記貯液槽との接続部から前記連通通路との接続部までを通り該連通通路を介して前記貯液槽の下端側に至る通路によって立設部位に複数の温度検出手段が互いに間隔を介して配設されたループ管路が形成されていることを特徴とする。
【0024】
さらに、第3の発明の貯液装置は、前記第2の発明の構成に加え、前記液体導出通路を通して貯液槽内の液体が導出されたときに、該液体導出終了時から前記液体導出通路内の液体の液位毎の温度が貯液槽内の液体の液位毎の温度に対応する温度になるまでにかかる時間情報を求める液温安定化情報検出手段を有することを特徴とする。
【0025】
さらに、第4の発明は、前記第1または第2または第3の発明の構成に加え、前記貯液槽は液体としての湯水を貯留する貯湯槽であることを特徴とする。
【0026】
さらに、第5の発明は、前記第1乃至第4のいずれか一つの発明の構成に加え、前記貯液槽は樹脂製のタンクにより形成されていることを特徴とする。
【0027】
さらに、第6の発明の熱源装置は、前記第1乃至第5のいずれか一つの発明の貯液装置と、該貯液装置の貯液槽から該貯液槽に接続された液体導出通路を通って導出される液体を加熱可能な補助熱源装置とが共通のケース内に配設されており、該ケースに設けられた扉を開けたときに該扉が開かれた面に前記貯液装置のループ管路の立設部位が露出する配置と成している構成をもって課題を解決する手段としている。
【発明の効果】
【0028】
本発明の貯液装置は、液体を貯留する貯液槽に、その外側において該貯液槽の上端側と下端側とを連通接続するループ管路が設けられており、該ループ管路は前記貯液槽の上端側から下端側にかけて上下方向に立設された立設部位を有して該立設部位が前記貯液槽の側壁と間隔を介して又は近接して並設されているので、サイフォンの原理(パスカルの原理を用いて説明されるサイフォンの原理)によって、ループ管路の立設部位内に滞留する液体の液位と貯液槽内に貯留されている液体の液位とが対応する構成となる。
【0029】
本発明においては、前記ループ管路の前記立設部位に、その上下方向に互いに間隔を介して複数の温度検出手段を配設することによって、該温度検出手段はそれぞれ該温度検出手段の配設高さに対応する前記貯液槽内液位における貯液槽内の液体温度を検出する貯液槽内液体温度検出手段と成しているため、前記ループ管路の立設部位に設けた温度検出手段の検出温度を把握することにより、貯湯槽内の液体温度を温度検出手段の配設位置に対応する液位毎に把握することができる。
【0030】
そのため、例えば貯液槽を樹脂製にしても、貯液槽内の液体の液位毎の温度を適宜検出できるので、従来のように貯液槽の内側に貯液槽内液体温度検出手段を設ける構成とする必要はなく、そのような貯液槽内液体温度検出手段の配置により生じる問題を解決できる。そして、前記ループ管路の立設部位に設けた温度検出手段を貯液槽内液体温度検出手段として、その検出温度を様々に利用することができる。
【0031】
また、貯液槽を、該貯液槽内の液体を加熱する加熱手段に熱的に接続することにより、加熱手段によって貯液槽内の液体を適宜加熱でき、貯液槽内に貯留されている液体を、該貯液槽の上端側から導出して液体供給先側に導く液体導出通路を前記貯液槽の上端側に接続することにより、前記のように適宜加熱された貯液槽内の液体を、液体導出通路を通して適宜導出し、利用することができる。
【0032】
そして、液体導出通路と貯液槽の下端側とを連通させる連通通路を設け、前記液体導出通路の前記貯液槽との接続部から前記連通通路との接続部までを通り該連通通路を介して前記貯液槽の下端側に至る通路によって、立設部位に複数の温度検出手段が互いに間隔を介して配設されたループ管路を形成することにより、もともと必要な液体導出通路をループ管路の一部として兼用できる。そのため、その分だけ装置構成の簡略化を図ることができ、装置コストの低コスト化を図ることができる。
【0033】
なお、液体導出通路を通して貯液槽内の液体が導出されるときには、液体導出通路内が貯液槽から導出される液体によって満たされるので、この液体の導出中および導出直後には、ループ管路の立設部位に設けられている温度検出手段によって、該温度検出手段の配設高さに対応する前記貯液槽内液位における貯液槽内の液体温度を検出することができなくなる。
【0034】
そこで、液体導出終了時から前記液体導出通路内の液体の液位毎の温度が貯液槽内の液体の液位毎の温度に対応する温度になるまでにかかる時間情報を求める液温安定化情報検出手段を設け、この液温安定化情報検出手段により求めた時間情報に基づき、温度検出手段により温度検出を行うようにすれば、貯液槽内の液体の液位毎の温度を適切に検出することができる。
【0035】
さらに、貯液槽を液体としての湯水を貯留する貯湯槽とすることによって、該貯湯槽に貯留する湯水を利用して給湯可能な給湯装置や熱源装置を形成でき、貯液装置を様々な用途に利用することができる。
【0036】
さらに、貯液槽を樹脂製のタンクにより形成することにより、貯液槽の軽量化や低価格化が可能となり、また、前記の如く、本発明では、貯液槽を樹脂製としても貯液槽内の液体の温度を液位毎に検出できるので、貯液槽を樹脂製とした場合における従来の課題も解決できる。
【0037】
さらに、本発明の熱源装置によれば、本発明の貯液装置を適用し、その貯液装置の貯液槽から液体導出通路を通って導出される液体を加熱可能な補助熱源装置を貯液装置と共通のケース内に配設し、該ケースに設けられた扉を開けたときに該扉が開かれた面に前記貯液装置のループ管路の立設部位が露出する配置とすることにより、以下の効果を奏することができる。
【0038】
つまり、例えばケースを長方形状に形成すれば、例えば家屋の裏側などに熱源装置を配置する場合の利用者の要望に応じて熱源装置の配置をしやすくできるが、従来のように貯液槽の側壁外側に貯液槽内温度検出手段を設ける構成においては、メンテナンス頻度の高い補助熱源装置をケースの扉に近い側に設けて扉から遠い側に貯液槽を設けると、貯液槽内温度検出手段のメンテナンス等ができなくなってしまうといった問題があった。それに対し、本発明の熱源装置によれば、以下のように、その問題を回避できる。
【0039】
すなわち、本発明の熱源装置において、例えばケースの長方形状の短辺側に扉を設けて長辺側に扉を設けないようにすると、熱源装置の配設に要するスペースを細長いスペースとすることができるので、例えば家屋の裏側などにおける熱源装置の配設スペースに熱源装置を配設でき、かつ、この構成において、補助熱源装置をケースの扉側に配置すれば、補助熱源装置のメンテナンスや修理を容易に行える。そして、メンテナンス等が殆ど必要ない貯液槽は扉側から見て補助熱源装置よりも奥側に配置すれば適切な配置構成をとれる。
【0040】
また、本発明においても、貯液槽内の液体の温度を検出する手段はメンテナンスを必要とすることがあるが、ループ管路の立設部位を、扉を開けたときに該扉が開かれた面に露出する位置に設けることにより、ループ管路の立設部位に設けられている温度検出手段のメンテナンスや修理を容易にできる(従来のように貯液槽の側壁に貯液槽内温度検出手段を設けた場合と異なり、貯液槽内温度検出手段として機能する温度検出手段のメンテナンスができなくなってしまうことはない)。そのため、本発明の熱源装置は、配置がしやすく、かつ、メンテナンスや修理も行いやすい熱源装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本発明に係る貯液装置を用いた熱源装置の一実施例の模式的なシステム構成図である。
図2図1に示す実施例の熱源装置に設けられているループ管路を説明するための模式的なシステム構成図である。
図3】実施例の熱源装置における熱回収動作を説明するための模式的なシステム図である。
図4】本発明に係る貯液装置の他の実施例を説明するための模式図である。
図5】貯湯槽を備えた貯液装置を用いた熱源装置の従来例を示す模式図である。
図6図5に示す熱源装置の問題点を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、本実施例の説明において、これまでの説明の例と同一構成要素には同一符号を付し、その重複説明は省略または簡略化する。
【実施例】
【0043】
図1図3には、本発明に係る貯液装置の一実施例を備えた熱源装置のシステム構成が模式的に示されている。これらの図に示されている熱源装置3は、図5に示した従来例と同様に、発熱体2と貯湯タンク1と補助熱源装置7を有しており、貯湯タンク1と補助熱源装置7とは同一のケース8に収容されているが、図1図3はシステム図であるので、貯湯タンク1と補助熱源装置7と離れた位置に配置された図により示されている。
【0044】
また、図1図3においては、図5で示した従来例の熱源装置において記載されていた通路に加え、排水通路26,28、オーバーフロー配管29、バイパス通路30が示されており、必要に応じ、排水通路26,28を通しての排水やオーバーフロー配管29を通しての水の導出、バイパス通路30を通しての水の循環等が適宜行われるが、このような構成および動作については周知であるので、その詳細説明は省略する。
【0045】
補助熱源装置7には、図示されていない給湯回路が設けられており、この給湯回路の給湯通路18を通った湯が台所や浴室等の適宜の給湯先に導出される構成を有している。図1図3においては、給湯先の例として浴室においてシャワー出湯される例がシャワーヘッド120の図を用いて模式的に示されている。
【0046】
なお、給湯回路には給湯熱交換器が設けられ、貯湯タンク1から湯の通路14を通って導出された後に湯水流通通路16を通って補助熱源装置7に導入される湯水を、必要に応じて給湯熱交換器によって加熱して給湯できるように構成されている。また、補助熱源装置7には、往管24と戻り管23を有する追い焚き循環路25を介して浴槽27が接続されている。
【0047】
本実施例において、貯湯タンク1は樹脂製のタンクにより形成され、貯湯タンク1の側壁には従来例で設けられていたサーミスタ6は設けられていない。そして、本実施例の最も特徴的な構成は、図2の実線で示されるような、貯湯タンク1の外側において該貯湯タンク1の上端側と下端側とを連通接続するループ管路の立設部位4に、貯湯タンク1内の液位(水位)における貯湯タンク1内の液体(湯水)温度を検出する貯液槽内液体温度検出手段として機能するサーミスタ5が設けられていることである。
【0048】
具体的には、本実施例においては、貯湯タンク1内に貯留されている湯水を貯湯タンク1の上端側から導出して液体供給先(給湯先)側に導く湯の通路14と給水通路11の一部と分岐通路17とを有する通路(言い換えれば、給水通路11の一部と分岐通路17とが、湯の通路14と貯湯タンク1の下端側とを連通させる連通通路として機能し、湯の通路14の貯湯タンク1との接続部から前記連通通路との接続部までを通り、該連通通路を介して貯湯タンク1の下端側に至る通路)によって、貯湯タンク1の外側において該貯湯タンク1の上端側と下端側とを連通接続するループ管路が形成されている。
【0049】
そして、このループ管路において、貯湯タンク1の上端側から下端側にかけて上下方向に立設された立設部位4が形成され、この立設部位4が貯湯タンク1の側壁と間隔を介して並設され、ループ管路の立設部位4に、温度検出手段としてのサーミスタ5が上下方向に互いに間隔を介して複数配設されている。これらのサーミスタ5はそれぞれ、各サーミスタ5の配設高さに対応する貯湯タンク1内液位における貯湯タンク1内の液体温度を検出する貯液槽内液体温度検出手段と成しており、これらのサーミスタ5が配設された立設部位4は、ケース8に設けられた扉9を開けたときに、この扉9が開かれた面に露出する配置と成している。
【0050】
また、本実施例の熱源装置3には、図示されていない制御装置が設けられており、この制御装置には、湯の通路14を通して貯湯タンク1の液体としての水が導出されたときに、該液体導出終了時から前記液体導出通路内の液体の液位毎の温度が貯湯タンク1内の液体の液位毎の温度に対応する温度になるまでにかかる時間情報を求める液温安定化情報検出手段が設けられている。
【0051】
液温安定化情報検出手段は、液体導出終了時から前記液体導出通路内の液体の液位毎の温度が貯湯タンク1内の液体の液位毎の温度に対応する温度になるまでにかかる時間情報を、例えば湯の通路14を通しての給湯時に湯の通路14を通る湯の温度と外気温等に基づいて求めるものである。この湯の温度と外気温と前記時間情報との関連データが液温安定化情報検出手段に予め与えられており、液温安定化情報検出手段は、この関連データと前記湯の温度と外気温に基づいて、液体導出終了時から前記液体導出通路内の液体の液位毎の温度が貯湯タンク1内の液体の液位毎の温度に対応する温度になるまでにかかる時間情報を求める。なお、液温安定化情報検出手段による時間情報検出方法は特に限定されるものでなく適宜設定されるものである。
【0052】
本実施例は、以上のような、ループ管路の立設部位4へのサーミスタ5の配設構成と該サーミスタ5による温度検出構成、立設部位4のケース8内における配設構成と、前記制御装置に液温安定化情報検出手段を設けたことを特徴的な構成としており、制御装置には、熱源装置3を用いての給湯動作や浴槽27への注湯動作、風呂の追い焚き動作等の適宜の動作制御を行う構成も設けられている。例えば補助熱源装置7に導入される湯(水)の加熱および非加熱の選択や加熱時における制御等も前記制御装置により行われる。
【0053】
これらの制御方法については周知であるのでその詳細説明は省略するが、制御装置には,台所や浴室、居間等の適宜の場所に設けられたリモコン装置(図示せず)が信号接続されており、そのリモコン装置の操作によって定められる給湯設定温度の湯が給湯可能なように適宜の制御が行われる。
【0054】
なお、図1図3において、符号19,20,21,35,36,38,は電磁弁、符号22は三方弁、符号43,44は逆止弁、符号31,61はフィルタ、符号39は流量センサ、符号40,41,42はサーミスタ、符号50,51,52,53,54,55は接続口、符号32,33,37,56はバルブをそれぞれ示すものであり、図3には、貯湯タンク1内の湯水の加熱時において水が通過する通路部位に斜線が記され、図1には、貯湯タンク1からの給湯時において水が通過する通路部位に斜線が記されている。
【0055】
図3に示されるように、貯湯タンク1内の湯水の加熱は、貯湯タンク1の下部側から水供給通路12を通して発熱体2に送られる水を、発熱体2の排熱により加熱して熱回収用通路13から貯湯タンク1に導入して行われ、貯湯タンク1に貯湯することにより行われ、一方、貯湯タンク1からの給湯は、図1に示されるように、湯の通路14を通って導出される湯と、給水通路11、分岐通路17を通る水とが混合弁15の制御によって適宜混合されて導出される。
【0056】
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものでなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲において様々な態様を採り得る。例えば、前記実施例では、貯湯タンク1と補助熱源装置7とは同一のケース8に収容されていたが、貯湯タンク1と補助熱源装置7とは同一のケース8に収容されているとは限らず、個別に配置されてもよい。
【0057】
また、前記実施例では、図2の実線で示したように、湯の通路14と給水通路11の一部と分岐通路17を有するループ管路を形成し、このループ管路の立設部位4にサーミスタ5を設ける構成としたが、例えば図4(a)に示されるように、湯の通路14等とは別に、貯湯タンク1等の貯液槽内の液位毎の温度を検出するために専用のループ管路を設け、この立設部位4に複数のサーミスタ5を互いに間隔を介して設けて貯液槽内温度検出手段として機能させるようにしてもよいし、立設部位4は貯湯タンク1に近接させて設けてもよい。
【0058】
なお、図4は模式図であるために、ループ管路の太さについての設計事項を考慮せずに示しており、ループ管路の太さは細く示されているが、図4(a)に示されるような構成においては、Aの液位とAの液位を同じにするためには、図4(b)、(c)、(d)にそれぞれ示されるように湯水等の液体が流れることができるように、管路70の太さを形成する必要がある。特に、図4(d)は管路70内を液体が対向する流れが生じるので、その分だけ配管太さが必要となり、図4(a)に示されるような構成を構築する際には、管路70の配管太さも考慮して貯液装置を形成することが重要となる。なお、図4(a)において、符号60は断熱材を示す。
【0059】
さらに、貯湯タンク1等の貯液槽は樹脂製のタンクにより形成するとは限らず、従来と同様にステンレス製としてもよいし、それ以外の材料により形成してもよい。また、湯水以外の液体を貯留する貯液槽を設けて貯液装置や熱源装置を形成してもよい。
【0060】
さらに、発熱体2は必ずしも発電装置とするとは限らず、従来例で述べたように、例えば太陽熱を集熱する集熱器を備えた太陽熱温水ユニットやヒートポンプユニット等を発熱体2として適用することもできる。ただし、発熱体2を発電装置により形成すると、発電装置により発電した電力を利用者の電力負荷装置に供給することにより、電力利用もできるため、より一層利便性と省エネ性とを備えた熱源装置を実現することができる。
【0061】
さらに、本発明は、貯湯タンク(貯湯槽)1等の貯液槽と、その外部に設けられるループ管路を有し、ループ管路の立設部位4に互いに間隔を介して複数のサーミスタ5を配置し、貯液槽内温度検出手段として機能させるようにすればよく、貯液装置のシステム構成や貯液装置を備えた熱源装置のシステム構成の詳細は特に限定されるものでなく、適宜設定されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明の貯液装置および熱源装置は、貯液槽内の液体の液位毎の温度を的確に検出することができて貯液槽内の液体を熱源等として利用しやすいので、例えば家庭用の貯液装置や熱源装置として利用できる。
【符号の説明】
【0063】
1 貯湯タンク
2 発熱体
3 熱源装置
4 立設部位
5 サーミスタ
11 給水通路
12 水供給通路
13 熱回収通路
14 湯の通路
15 三方弁
16 湯水流通通路
17 分岐通路
70 管路
図1
図2
図3
図4
図5
図6