特許第6427085号(P6427085)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6427085
(24)【登録日】2018年11月2日
(45)【発行日】2018年11月21日
(54)【発明の名称】画像表示装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 35/00 20060101AFI20181112BHJP
   G02B 27/01 20060101ALI20181112BHJP
【FI】
   B60K35/00 A
   G02B27/01
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-206615(P2015-206615)
(22)【出願日】2015年10月20日
(65)【公開番号】特開2017-77791(P2017-77791A)
(43)【公開日】2017年4月27日
【審査請求日】2017年12月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプス電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(74)【代理人】
【識別番号】100085453
【弁理士】
【氏名又は名称】野▲崎▼ 照夫
(74)【代理人】
【識別番号】100135183
【弁理士】
【氏名又は名称】大窪 克之
(72)【発明者】
【氏名】川井 清幸
(72)【発明者】
【氏名】大西 道久
(72)【発明者】
【氏名】清水 満
【審査官】 松永 謙一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−034919(JP,A)
【文献】 特開2005−309355(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0176851(US,A1)
【文献】 特表2016−504624(JP,A)
【文献】 特開2015−011217(JP,A)
【文献】 特開2013−083675(JP,A)
【文献】 特開2013−214008(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 35/00
G02B 27/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の中間像及び第2の中間像を生成する中間像生成部と、
第1のスクリーンと、
第2のスクリーンと、
前記第1の中間像を前記第1のスクリーンに結像し、前記第2の中間像を前記第2のスクリーンに結像する結像レンズと、
前記中間像生成部と前記結像レンズとの間に設けられ、前記第2の中間像の光線が通過する平行平板プリズムと、
を有し、
前記結像レンズと前記第1のスクリーンとの間の第1の距離と、前記結像レンズと前記第2のスクリーンとの間の第2の距離が異なる、
画像表示装置。
【請求項2】
前記中間像生成部に平行光を照射する光源をさらに備え、
前記中間像生成部は、入射する平行光を基に前記中間像生成部から前記第1の中間像及び前記第2の中間像を形成する光線を出射する、
請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記平行平板プリズムは、前記中間像生成部のうちの前記第2の中間像の位置を、前記結像レンズに対して覆うように配置される、
請求項1又は請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記平行平板プリズムは、
前記第2の中間像の光線の入射面と出射面がいずれも平面であり、
前記入射面と前記出射面が平行である、
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記第1のスクリーンは、前記結像レンズから出射された前記第1の中間像の光線を拡散光として出射する拡散板であり、前記第2のスクリーンは、前記結像レンズから出射された前記第2の中間像の光線を拡散光として出射する拡散板である、
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記中間像生成部は、書き込み情報によって前記平行光の成分の空間分布を変調することにより、前記平行光から前記第1の中間像及び前記第2の中間像を生成する、
請求項2〜請求項5のいずれかに記載の画像表示装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドアップディスプレイ装置などの表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車用のヘッドアップディスプレイは、ダッシュボード側からフロントウィンドウのシールドガラスに向けて映像を投影し、運転者の視界の前方に虚像として各種の情報を表示させるものであり、近年、様々なタイプの製品が実用化されている。一般的なヘッドアップディスプレイでは、デフューザ(拡散板)などのスクリーンに結像された中間像を投影光学系(拡大ミラーなど)によってフロントウィンドウのガラス(フロントガラス)に投影する。従って、投影光学系の位置が固定されている場合でも、中間像が結像されるスクリーンの位置を変えることによって、運転者に見える虚像の前後方向の位置を変えることができる。
【0003】
特許文献1に記載されるヘッドアップディスプレイでは、3つの表示板にそれぞれ中間像が表示され、バックライト光源の光が上方の表示板に到達して出射光がコンバイナに入射するような構成となっている。表示板はコンバイナからの距離が異なるため、表示板の中間像に対応する3つの虚像は、運転者から見て前後方向の位置が異なるように見える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−168230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数の虚像をそれぞれ異なる位置に表示させる場合、各虚像に対応する中間像のコンバイナへの距離をそれぞれ変えなければならないため、特許文献1の場合では、中間像を表示する表示板の位置をそれぞれ変えるために、各中間像用に表示板を3つそれぞれ用意している。複数の液晶表示装置を用意しなければならないことから、高コストになるとともに、液晶表示装置の位置をそれぞれ最適な位置に配置しなければならないことから、組み立ても煩雑になるという問題があった。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、前後位置の異なる複数の虚像を表示することができる画像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像表示装置は、第1の中間像及び第2の中間像を生成する中間像生成部と、第1のスクリーンと、第2のスクリーンと、前記第1の中間像を前記第1のスクリーンに結像し、前記第2の中間像を前記第2のスクリーンに結像する結像レンズと、前記中間像生成部と前記結像レンズとの間に設けられ、前記第2の中間像の光線が通過する平行平板プリズムと、を有し、前記結像レンズと前記第1のスクリーンとの間の第1の距離と、前記結像レンズと前記第2のスクリーンとの間の第2の距離が異なる。
【0008】
この構成によれば、第1の中間像及び第2の中間像等の複数の中間像を生成し、結像レンズからの位置がそれぞれ異なる第1のスクリーン及び第2のスクリーンに結像させることで、像を見る者にとって前後位置が異なる虚像を表示する場合でも、第2の中間像の仮想的な前後位置を、平行平板プリズムを用いることで調節することができる。したがって、複数の中間像に対して別々の表示装置を用意しなくてもよくなり、コストの上昇を低減できる。
【0009】
好適には、前記中間像生成部に平行光を照射する光源をさらに備え、前記中間像生成部は、入射する平行光を基に前記中間像生成部から前記第1の中間像及び前記第2の中間像を形成する光線を出射する。
【0010】
この構成によれば、中間生成部が光の透過により画像を表示する構成の場合にも、光源により第1の中間像及び第2の中間像を形成することができる。これらの構成と平行平板プリズムを組み合わせることにより、像を見る者にとって前後位置が異なる虚像を表示する構成を低コストで提供することができる。
【0011】
好適には、前記平行平板プリズムは、前記中間像生成部のうちの前記第2の中間像の位置を、前記結像レンズに対して覆うように配置される。
【0012】
この構成によれば、第2の中間像の光線が出射された後、平行平板プリズムを通過させることができるので、平行平板プリズムを通過した第2の中間像の光線の側からの第2の中間像の仮想的な位置が、平行平板プリズムの側に移動し、結像レンズによる結像位置を遠くにすることができる。それにより、像を見る者にとって前後位置が異なる虚像を表示する構成を低コストで提供することができる。
【0013】
好適には、前記平行平板プリズムは、前記第2の中間像の光線の入射面と出射面がいずれも平面であり、前記入射面と前記出射面が平行である。
【0014】
この構成によれば、第2の中間像の光線が平行平板プリズムに入射する前と出射した後でいずれも方向を保たせるとともに、屈折による迂回を生じさせることで第2の中間像の仮想的な位置を、平行平板プリズムの側に移動し、結像レンズによる結像位置を遠くにすることができる。それにより、像を見る者にとって前後位置が異なる虚像を表示する構成を低コストで提供することができる。
【0015】
好適には、前記第1のスクリーンは、前記結像レンズから出射された前記第1の中間像の光線を拡散光として出射する拡散板であり、前記第2のスクリーンは、前記結像レンズから出射された前記第2の中間像の光線を拡散光として出射する拡散板である。
【0016】
この構成によれば、結像レンズから出射された光線を拡散光として出射することにより、結像位置の異なる複数の画像も含めて、像を見る者にとって前後位置が異なる虚像を表示する構成を低コストで提供することができる。
【0017】
好適には、前記中間像生成部は、書き込み情報によって前記平行光の成分の空間分布を変調することにより、前記平行光から前記第1の中間像及び前記第2の中間像を生成する。
【0018】
この構成によれば、空間分布の変調により中間像を生成することができるので、像を見る者にとって前後位置が異なる虚像の元となる中間像を低コストで提供することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、前後位置の異なる複数の虚像を表示することができる画像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施の形態に係る画像表示装置の構成を説明する図である。
図2】本発明の実施の形態に係るプリズムによる光の屈折と結像位置の関係を説明する図である。
図3】本発明の実施の形態に係る虚像を投射する光学系を説明する図である。
図4】本発明の実施の形態に係る画像表示のための構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像表示装置の構成を説明する図である。光源100は、平行光又はほぼ平行となる光を照射する平行光源であり、レーザ光源110及びコリメータレンズ120を備える。レーザ光源110は、インコヒーレントな光源からスペシャルフィルタを通して空間コヒーレンシを高めた光を照射する。コリメータレンズ120は、レーザ光源110からの光を屈折により平行光とすることで、光源100から平行光を照射する。それにより、光源100は、中間像生成部200に平行光を2次元的に照射する。
【0022】
中間像生成部200は、光源100から照射された平行光を受光する。中間像生成部200は、入射する平行光を基に第1の中間像203及び第2の中間像204を形成する光線を出射する。中間像生成部200は、2次元空間光変調器(SLM、Spatial Light Modulator)であり、入射してきた2次元のインコヒーレントな光を2次元のコヒーレント光に変換することにより、光情報を並列に表示する表示デバイスである。中間像生成部200は、書き込み情報によって平行光の成分の空間分布を変調することにより、平行光から第1の中間像203及び第2の中間像204を生成する。
【0023】
空間光変調器(SLM)は、「光変調素子」と呼ばれる微小素子を2次元的に複数並べたものであり、光源100からの光の振幅、位相、偏光などの空間的な分布を電気的に制御することにより、光を変化(変調)させる。言い換えると、空間的・時間的に振幅変調、位相変調、または偏光を変調するために使用される。空間光変調器は透過型(LC)又は反射型(LCOS)液晶マイクロディスプレイ等があり、本実施の形態では透過型を用いるものとして説明するが、DMD、LCOS等の反射型SLMにも同様に適用することができる。空間光変調器における液晶は、光学的及び電気的な不均一度を基に使用される。
【0024】
また、空間光変調器の代わりにEL(Electro Luminescence)ディスプレイを用いてもよい。ELディスプレイとは、電圧をかけると発光する物質を利用し、発光体をガラス基板に蒸着し、基板にかける電圧を制御して表示を行うディスプレイである。ELの場合は、EL自体が発光するものであるから、光源100は不要となる。また空間光変調器がそれ自体発光機能を有するものであれば、この場合も光源100は不要となる。
【0025】
空間光変調器としての中間像生成部200は、2次元または1次元の読み出し光の位相・偏波面・振幅・強度・伝播方向の分布を、書き込み情報によって変調させる。中間像生成部200は、アドレス部と光変調部から構成される。中間像生成部200は、書き込み情報により光変調部の光学的特性を変化させ、その変化に応じて読み出し光が変調され、書き込み情報を反映した出力光を得ることができる表示デバイスである。中間像生成部200は、情報を光学系により直接書き込む光アドレス型と、電気信号により書き込む電気アドレス型に分けられ、アドレス部と光変調部の材料によって細分される。
【0026】
中間像生成部200は、第1の領域と第2の領域に分かれ、第1の領域に第1の中間像203を表示し、第2の領域に中間像204を表示する。中間像生成部200のうち上半分が第1の領域であり、下半分が第2の領域であるものとして示すが、領域の分割は半分ずつにする必要はなく、分割比率は必要に応じた大きさとする。第1の中間像203に基づく虚像は手前に、第2の中間像204に基づく虚像は遠くに表示されるので、より多くの情報を表示したい位置に応じて第1の領域と第2の領域の分割比率を設定する。
【0027】
結像レンズ210は、中間像生成部200で生成された中間像を直接的又は間接的に受光し、投影画像として射出する投影レンズである。結像レンズ210は両凸正レンズであり、結像レンズ210に入射した第1の中間像203及び第2の中間像204の光をそれぞれ拡大して射出する。その結果、結像レンズ210は、第1の中間像203を第1のスクリーン230に結像し、第2の中間像204を第2のスクリーン240に結像する。
【0028】
第1のスクリーン230は第1の中間像203を結像させるための面であり、第2のスクリーン240は、第2の中間像204を結像させるための面であり、それぞれ例えばスペックル雑音を低減するための拡散板(ディフューザ)を用いて構成される。つまり、第1のスクリーン230は、結像レンズ210から出射された第1の中間像203の光線を拡散光として出射する拡散板であり、第2のスクリーン240は、結像レンズ210から出射された第2の中間像204の光線を拡散光として出射する拡散板である。
【0029】
第2のスクリーン240は、第1のスクリーン230に比べて反射面21から離れた場所に位置するとともに、第1のスクリーン230に比べて投影光学系400の近くに位置する。つまり、結像レンズ210と第1のスクリーン230との間の第1の距離と、結像レンズ210と第2のスクリーン240との間の第2の距離が異なる。第1の距離は、結像レンズ210において第1の中間像203が通過する位置から、第1の中間像203の光が第1のスクリーン230に到達するまでの距離とし、第2の距離は、結像レンズ210において第2の中間像204が通過する位置から、第2の中間像204が第2のスクリーン240に到達するまでの距離とする。なお、開始点は光線の通過位置に関わらず共通としてもよく、例えば結像レンズ210から起算し、第1のスクリーン230及び第2のスクリーン240までの各距離としてもよい。終点についても第1のスクリーン230及び第2のスクリーン240の各中心位置としてもよい。いずれにしても、第1の距離と第2の距離が異なるように、第1のスクリーン230及び第2のスクリーン240が配置される。
【0030】
平行平板プリズム300は、中間像生成部200と前記結像レンズ210との間に設けられ、第2の中間像204の光線が通過する。平行平板プリズム300は、中間像生成部200のうちの第2の中間像204の位置を、結像レンズ210に対して覆うように配置される。平行平板プリズム300は、第2の中間像204の光線の入射面と出射面がいずれも平面であり、入射面と出射面が平行である。本実施の形態では、平行平板プリズム300を結像レンズ210の入射側に配置した場合の例を説明するが、平行平板プリズム300を結像レンズ210の出射側に配置してもよい。
【0031】
第2の中間像204の本来のオブジェクトの位置は、中間像生成部200上であるが、平行平板プリズム300を挿入することにより、見かけ上のオブジェクトの位置は、仮想位置305に移動する。見かけ上のオブジェクトの位置が仮想位置305に移動することにより、仮想位置305からの結像レンズ210までの距離は、中間像生成部200上からよりも短くなるので、倍率が大きくなり、結像位置も遠くになる。このプリズムと結像位置の関係を図3を参照することにより説明する。
【0032】
図2は、本発明の実施の形態に係るプリズムによる光の屈折と結像位置の関係を説明する図である。図3では、第2の中間像204と結像レンズ210の間に挿入される平行平板プリズム300を拡大して示す。平行平板プリズム300は、厚みtであり、1以上の屈折率nを持つ。点Oから角度θ1を形成する光は、平行平板プリズム300に入射した後A,Bを通り、平行平板プリズム300から角度θ1で射出される。OAに平行な線をO’Bとすると、Oからの出射光OAが見かけ上O’からの出射光O’Bになる。中間像生成部200上にあるオブジェクトの位置Oは、見かけ上、仮想位置305上にあるO’に移動することになる。出射位置の短縮距離はOO’=Δz=t(1−1/n)で表される。
【0033】
中間像生成部200の下側半分である第2の領域にある、中間像204のは平行平板プリズム4によって、中間像生成部200からΔzだけ結像レンズ寄りに近い位置に現れる。この位置が仮想位置305である。結像レンズ210のオブジェクト側の距離がt=0のときと較べて短くなるため、倍率が大きくなり結像位置も遠くになる。t=0のときと較べると、t≠0のとき倍率が大きくなり結像レンズから遠い位置に結像する。
【0034】
結像位置にある第1のスクリーン230は、第2のスクリーン240よりも投影光学系に対し近い位置となり、第2の中間像204は、運転者前方のより近い距離に虚像が投影される。したがって、平行平板プリズムの屈折率nと厚さtを適当に設定する事で虚像の投影距離を設定することができる。他の中間像生成部200上の領域に関して平行平板プリズムのn,tを各々設定すれば、各々の適当な投影距離に虚像が表示される。
【0035】
図3は、本発明の実施の形態に係る虚像を投射する光学系を説明する図である。第1のスクリーン230に結像された第1の中間像203と、第2のスクリーン240に結像された第2の中間像204の光は、第1のスクリーン230及び第2のスクリーン240でそれぞれ反射又は透過された後、投影光学系400に到達する。
【0036】
投影光学系400は、第1のスクリーン230及び第2のスクリーン240に結像される第1の中間像203及び第2の中間像204に応じた画像を投影する。投影光学系400は凹型の反射ミラーであり、フロントガラス等の投影面410に第1の中間像203及び第2の中間像204の光を入射する。投影面410はコンバイナであり、運転者から見て投影面410の反対側に虚像430、440を投影する。投影光学系400から近い位置にあるスクリーン230の中間像は、運転者から近い位置に見える虚像430となり、投影光学系400から遠い位置にあるスクリーン240の中間像は、運転者から遠い位置に見える虚像440となる。
【0037】
図4は、本発明の実施の形態に係る画像表示のための構成を説明する図である。上述の通り、中間像生成部200に第1の中間像203及び第2の中間像204を表示するが、この中間像生成部200と、これに光を照射する光源100は、表示制御回路500によって制御される。表示制御回路500は、表示装置の全体的な動作の制御を行う装置であり、例えば記憶部に格納されるプログラムに基づいてCPU等のプロセッサにより処理を実行するコンピュータから構成される。表示制御回路500は、中間像生成部200において所望となる第1の中間像203及び第2の中間像204が得られるように、中間像生成部200の変調制御による各色の光強度の制御と、光源100から出射される光線の走査の制御を行う。表示制御回路500により表示制御を行う画像は、ナビゲーション装置510から入力される。例えば、車速は手前側に表示し、右左折の指示矢印のようなナビゲーション情報は奥側に表示するように表示制御回路500に入力する。
【0038】
以上のように構成することにより、第1の中間像203及び第2の中間像204等の複数の中間像を生成し、結像レンズ210からの位置がそれぞれ異なる第1のスクリーン230及び第2のスクリーン240に結像させることで、像を見る者にとって前後位置が異なる虚像を表示する場合でも、第2の中間像204の前後位置を、平行平板プリズム300を用いることで調節することができる。
【0039】
つまり平行平面プリズム300を配置することにより、見かけ上のオブジェクト位置が光の進行方向に移動するため、結像点をずらすことができ、鮮明な画像を表示することができる。それぞれの中間像生成部200を結像レンズまでの距離を等距離の位置に配置すればよいので、中間像生成部200の調整が簡易である。また、複数の中間像に対して別々の表示装置を用意しなくてもよくなり、コストの上昇を低減することができる。
【0040】
また、虚像の位置によって光学系の配置を調節するのは煩雑であり、複数の表示装置を用いた場合に、その度に各表示装置の位置関係を光学系全体のバランスを考慮しながら正確に調整するのは難しい問題があったが、本実施の形態では、結像レンズ210から見た中間像の位置が見かけ上、Δz=t(1−1/n)結像レンズに近づき、結像点(共役点)の倍率が大きくなる。したがって、平行平板プリズム300の屈折率nと厚さtを適当に設定する事で虚像の投影距離を設定することができ、各々の適当な投影距離に虚像を表示することができる。このとき、結像点(共役点)に第1のスクリーン230及び第2のスクリーン240を設置する。厚さt=0のときに較べて、t≠0のとき結像倍率が大きくなるので、t=0と較べて近い距離に虚像が投影される。そして、1枚のSLMの領域を分割することで、各々に適当なt、nの平行平板プリズム300を設置し、領域毎に異なる距離に虚像を投影できる。
【0041】
本発明は上述した実施形態には限定されない。すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。本発明について上記実施形態を参照しつつ説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、改良の目的または本発明の思想の範囲内において改良または変更が可能である。
【0042】
例えば、上述した実施形態では、第2の中間像204に対応する光路上にのみ平行平板プリズム300を配置した場合を例示したが、請求項1の発明の概念を超えない範囲で、第1の中間像203に対応する光路上にも平行平板プリズムを配置してもよい。
また、上述した実施形態では、運転者から遠近2か所に見える虚像を表示する場合を例示したが、スクリーンを3つ以上にすることで、遠近3か所以上の位置に虚像を表示してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
以上のように、本発明に係る表示装置は、車両用のヘッドアップディスプレイ装置に有用であり、複数の表示位置に異なる画像を表示することに適している。
【符号の説明】
【0044】
100…光源
110…レーザ光源
120…コリメータレンズ
200…中間像生成部
203…第1の中間像
204…第2の中間像
210…結像レンズ
230…第1のスクリーン
240…第2のスクリーン
300…平行平板プリズム
305…仮想位置
400…投影光学系
410…投影面
430、440…虚像
500…表示制御回路
510…ナビゲーション装置
図1
図2
図3
図4