【実施例】
【0157】
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
【0158】
[溶解性の評価]
合成した化合物の溶解性の評価は次の方法で行った。
【0159】
約2−3mgの化合物を精秤し、設定した溶質濃度(0.5wt%、0.3wt%、0.2wt%、0.1wt%、0.05wt%、または0.03wt%)になるように各溶媒を加え、所定の温度で30分撹拌した後、溶質(合成した化合物)が完全に溶解しているか否かを外観目視で評価し、溶解性の評価結果とした。溶媒にはクロロホルム(沸点61℃)、トルエン(沸点111℃)、キシレン(沸点144℃)、メシチレン(沸点165℃)、クロロベンゼン(沸点130℃)、パラクロロトルエン(沸点162℃)、オルトジクロロベンゼン(沸点181℃)を用いた。
【0160】
[有機TFTの作製・評価]
以下の実施例では、特に各項に記載のない限り、下記の有機TFTの作製手順に従い、シリコン基板上にボトムゲート−トップコンタクト素子を作製し、評価を行った。
【0161】
(有機TFTの作製手順)
スピンコート法による有機半導体層の作製を経る場合、
(TFT基板の作製)−(スピンコート法による有機半導体層の作製)−(ソース電極およびドレイン電極の作製)
または、
(TFT基板の作製)−(TFTの基板の表面修飾)−(スピンコート法による有機半導体層の作製)−(ソース電極およびドレイン電極の作製)
の手順で有機TFTを作製した。
【0162】
ドロップキャスト法による有機半導体層の作製を経る場合、
(TFT基板の作製)−(ドロップキャスト法による有機半導体層の作製)−(ソース電極およびドレイン電極の作製)
または、
(TFT基板の作製)−(TFTの基板の表面修飾)−(ドロップキャスト法による有機半導体層の作製)−(ソース電極およびドレイン電極の作製)
の手順で有機TFTを作製した。
【0163】
真空蒸着法による有機半導体層の作製を経る場合、
(TFT基板の作製)−(真空蒸着法による有機半導体層の作製)−(ソース電極およびドレイン電極の作製)
または、
(TFT基板の作製)−(TFTの基板の表面修飾)−(真空蒸着法による有機半導体層の作製)−(ソース電極およびドレイン電極の作製)
の手順で有機TFTを作製した。
【0164】
また、以下の実施例において、ボトムゲート−ボトムコンタクト素子を作製する場合は、
ドロップキャスト法による有機半導体層の作製を経る場合、
(TFT基板の作製)−(ソース電極およびドレイン電極の作製)−(ドロップキャスト法による有機半導体層の作製)
または、
(TFT基板の作製)−(TFTの基板の表面修飾)−(ソース電極およびドレイン電極の作製)−(ドロップキャスト法による有機半導体層の作製)
の手順でボトムゲート−ボトムコンタクト型有機TFTを作製した。
【0165】
(TFT基板の作製)
有機TFTの基板として、表面に膜厚200nmの熱酸化シリコンを形成した市販のシリコンウェハを用いた。シリコンウェハは低抵抗のものとし、有機TFTのゲート電極としても機能させた。また、酸化シリコン膜をゲート絶縁膜として用いた。上記シリコンウェハは、過酸化水素水と硫酸の混合液で洗浄し、次工程で使用する直前にUVオゾン処理により表面を清浄して用いた。このように処理した基板を以降「ベア基板」と表記する。
【0166】
(TFTの基板の表面修飾)
「ベア基板」を市販のヘキサメチルジシラザンに浸漬して12時間以上静置し、基板表面を修飾した。このように処理した基板を以降「HMDS修飾基板」と表記する。
【0167】
「ベア基板」に、市販のポリスチレンを0.5wt%でキシレンに溶解した溶液をスピンコートし、次いで150℃で1時間加熱して、基板表面におよそ20nmのポリスチレン薄膜を作製した。このように処理した基板を以降「PS基板」と表記する。
【0168】
「ベア基板」に、市販のポリビニルフェノールとメラミンから調製したプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを溶媒とする、ポリビニルフェノールとメラミンの混合溶液をスピンコートし、次いで180℃で1時間加熱して、基板表面におよそ20nmのポリビニルフェノール−メラミン薄膜を作製した。このように処理した基板を以降「PVP基板」と表記する。
【0169】
「ベア基板」に、ダウエレクトロニックマテリアルズから市販されているCYCLOTENE
TM溶液をスピンコートし、次いで逐次的に150℃6分、210℃40分、300℃1時間の条件で加熱して、基板表面におよそ20nmのジビニルテトラメチルシロキサンベンゾシクロブテン樹脂薄膜を作製した。このように処理した基板を以降「CYC基板」と表記する。
【0170】
(スピンコート法による有機半導体層の作製)
合成した化合物(有機半導体化合物)を用いて、各項に記載の溶媒、溶質濃度の溶液(有機半導体インク)を作成し、その半導体インクを用いてスピンコート法により各項に記載の基板上に、膜厚約20〜50nmの有機半導体層を形成した。その後必要に応じて、各項に記載の条件で、熱アニールを施した。スピンコートと熱アニールは、特に各項に記載がない限り、窒素雰囲気下で実施した。
【0171】
(ドロップキャスト法による有機半導体層の作製)
「PVP基板」上に、市販のテフロン(R)AF1600Xを1wt%でフロリナート
TMFC−43に溶解した溶液を用いて、次工程での半導体インクを受容する隔壁パターンを描画し、100℃で30分加熱して、隔壁を作製した。
【0172】
合成した化合物(有機半導体化合物)を用いて、各項に記載の溶媒、溶質濃度の溶液(有機半導体インク)を作成し、その半導体インクを、上記工程で作製した隔壁内部に滴下し、60℃で乾燥させて有機半導体層を形成した。隔壁作製と有機半導体層の形成は、特に各項に記載がない限り、大気下で実施した。その後必要に応じて、各項に記載の条件で、窒素雰囲気下で熱アニールを施した。
【0173】
(真空蒸着法による有機半導体層の作製)
合成した化合物(有機半導体化合物)を用いて、各項に記載の基板上に、真空蒸着法により膜厚約50nmの有機半導体層を形成した。有機半導体層形成時の蒸着装置チャンバ内は圧力2×10
−5〜6×10
−4Paとし、有機半導体化合物を坩堝に入れ、坩堝周囲に巻いたフィラメントにより加熱し、蒸着を行った。蒸着速度は0.2±0.1Å毎秒とした。
【0174】
(ソース電極およびドレイン電極の作製)
上記有機半導体層上に、金属マスクを用いて金を真空蒸着法で製膜することにより、ソース電極とドレイン電極を形成した。有機TFTのチャネル幅およびチャネル長はそれぞれ1000μmおよび70μmとした。また、電極層膜厚は約50nmとした。
【0175】
(電界効果移動度の評価)
電界効果移動度(μ)は、KEITHLEY社の半導体特性評価システム4200−SCS型を用いて、作製した有機TFTの伝達特性を測定した結果から求めた。
【0176】
電界効果移動度(μ)は、ドレイン電流I
dを表わす下式(式A)を用いて算出することができる。
I
d=(W/2L)μC
i(V
g−V
t)
2 … (式A)
ここで、LおよびWはチャネル長およびチャネル幅である。また、C
iは絶縁層の単位面積当たりの容量である。V
gはゲート電圧であり、V
tはしきい値電圧である。上記伝達特性測定から、あるゲート電圧時におけるしきい値電圧とドレイン電流の値が示されるので、電界効果移動度を求めることができる。
【0177】
<実施例1>
[化合物(C1)(前記式(3)の化合物;4,8−ビス[5−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール)の合成]
(工程1−1:化合物(C1a)の合成)
【0178】
【化23】
【0179】
攪拌装置を備えた容量300mLのガラス製反応容器に、1−ブロモ−3−(トリフルオロメトキシ)ベンゼンを14.0g(58mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)を4.1g(5.8mmol)、2−(トリブチルスズ)チオフェン28.2g(76mmol)及び無水トルエン140mLを加え、内温約100℃で4時間反応させた。反応終了後、溶媒を濃縮し、ヘキサン400mLを加え、シリカゲル:炭酸カリウム=90:10(重量%)を通じてろ過した。ろ液を濃縮し、濃縮物を減圧蒸留し、無色液体17.3gを得た。蒸留物8.0gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、無色液体として化合物(C1a)を5.0g得た。
【0180】
化合物(C1a)の物性値は以下の通りであった。なお、以下、特に断りがない場合、測定は室温(25℃)で行った。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));7.07−7.11(m、1H)、7.10−7.16(m、1H)、7.29−7.35(m、2H)、7.35−7.42(m、1H)、7.42−7.47(m、1H)、7.50−7.55(m、1H)
【0181】
(工程1−2:化合物(C1b)の合成)
【0182】
【化24】
【0183】
攪拌装置を備えた容量100mLのガラス製反応容器に、化合物(C1a)を5.0g(20.5mmol)及び、無水テトラヒドロフラン50mLを加え、内温−60℃以下を保ちながら、1.6mol/Lのn−ブチルリチウムヘキサン溶液を16.6mL(27mmol)加え、同温度で30分撹拌したのち、同温度でトリブチルスズクロリド9.0g(27mmol)を加えて、室温まで昇温し、1夜撹拌した。THF−水混液を加えて反応停止したのち、溶媒を留去した。濃縮物にヘキサンを加え、シリカゲル:炭酸カリウム=90:10(重量%)を通じてろ過した。ろ液を濃縮し、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、淡黄色液体として化合物(C1b)を10.0g得た。
【0184】
化合物(C1b)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.86−0.95(m、9H)、1.03−1.24(m、6H)、1.26−1.42(m、6H)、1.48−1.72(m、6H)、7.06−7.12(m、1H)、7.10−7.20(m、1H)、7.33−7.41(m、1H)、7.42−7.48(m、2H)、7.51−7.58(m、1H)
【0185】
(工程1−3:化合物(C1)の合成)
【0186】
【化25】
【0187】
攪拌装置を備えた容量100mLのガラス製反応容器に、化合物(C1b)を8.5g(16mmol)、Organic Lett.,Vol.12,No.15,p.3340(2010)に記載の方法を参照して合成したジブロモベンゾビスチアジアゾール(化合物(951))1.4g(4.0mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)を0.84g(1.2mmol)及び無水トルエン50mLを加え、内温約100℃で6時間反応させた。反応液を濾過して粗体2.1gを得た。粗体の一部を昇華精製し、緑色固体として化合物(C1)を0.25g得た。
【0188】
化合物(C1)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;1,2−ジクロロベンゼン−d
4:140℃;δ(ppm));7.01−7.12(m、2H)、7.22−7.34(m、2H)、7.41−7.49(m、2H)、7.55−7.66(m、4H)、8.97−9.06(m、2H)
TOF−HRMS(ASAP−);677.9750(M−);Calcd.677.9747
化合物(C1)の溶解性を評価したところ、100℃で0.1wt%の化合物(C1)がトルエンに完全に溶解した。また、0.1wt%の化合物(C1)がメシチレンには80℃で完全に溶解した。また、0.3wt%の化合物(C1)がメシチレンには130℃で完全に溶解した。
【0189】
<実施例2>
[化合物(C2)(前記式(2)の化合物;4,8−ビス[5−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール)の合成]
【0190】
【化26】
【0191】
1−ブロモ−3−(トリフルオロメトキシ)ベンゼンの代わりに1−ヨード−3−(トリフルオロメチル)ベンゼンを用いた以外は、実施例1と同様にして化合物(C2)を得た。
【0192】
化合物(C2a)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));7.10−7.12(m、1H)、7.33−7.38(m、2H)、7.47−7.54(m、2H)、7.76−7.78(m、1H)、7.84(brs、1H)
【0193】
化合物(C2b)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.86−0.95(m、9H)、1.03−1.24(m、6H)、1.26−1.42(m、6H)、1.48−1.72(m、6H)、7.15−7.16(m、1H)、7.46−7.48(m、3H)、7.77−7.79(m、1H)、7.85(brs、1H)
【0194】
化合物(C2)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;1,2−ジクロロベンゼン−d
4:100℃;δ(ppm));7.57−7.61(m、2H)、7.66−7.68(m、2H)、7.71−7.72(m、2H)、8.05−8.07(m、2H)、8.25(brs、2H)、9.28−9.29(m、2H)
化合物(C2)の25℃での溶解性を評価したところ、25℃で0.03wt%の化合物(C2)がトルエンに完全に溶解し、また、メシチレンにも完全に溶解した。また、100℃で0.1wt%の化合物(C2)がトルエンに完全に溶解した。また、0.1wt%の化合物(C2)がメシチレン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンのいずれにも80℃で完全に溶解した。また、0.3wt%の化合物(C2)がクロロベンゼンにも100℃で完全に溶解した。また、0.5wt%の化合物(C2)がオルトジクロロベンゼンにも100℃で完全に溶解した。
【0195】
<比較例1>
[化合物(RC1)(4,8−ビス[5−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール)の合成]
(工程R1−1:化合物(RC1a)の合成)
【0196】
【化27】
【0197】
温度計と攪拌装置を備えた容量1Lのガラス製反応容器に、塩化パラジウムトリフェニルホスフィン3.0g(4.3mmol)、フッ化カリウム10g(174mmol)、4−(トリフルオロメトキシ)ヨードベンゼン25g(86.8mmol)、2−ブロモチオフェン17g(104.2mmol)、硝酸銀14.2g(86.8mmol)及び無水ジメチルスルホキシド500mLを加え、凍結脱気を2回行った。アルゴン雰囲気下100℃で5時間加熱後、室温まで冷却してセライトで無機物をろ別除去し、真空ポンプで溶媒を留去した。得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、薄黄色固体として化合物(RC1a)を16.7g得た。
【0198】
化合物(RC1a)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(300MHz;CDCl
3;δ(ppm));7.01−7.04(m、2H)、7.20−7.24(m、2H)、7.49−7.54(m、2H)
CI−MS;324(M+1)
【0199】
(工程R1−2:化合物(RC1b)の合成)
【0200】
【化28】
【0201】
温度計と攪拌装置を備えた容量500mLのガラス製反応容器に、化合物(RC1a)を15g(46.4mmol)及び無水テトラヒドロフラン300mLを加え、−65℃に冷却した。内温を−65℃に保ちながら、t−ブチルリチウムのテトラヒドロフラン溶液33.6mL(53.4mmol)を滴下後、30分攪拌し、その後トリブチルスズクロリド15.7mL(58mmol)を滴下した。1時間同温度で攪拌後、室温で1時間反応させ、中性アルミナで反応液をろ過した。溶媒を留去後、カラムクロマトグラフィー(C8修飾シリカゲル)で精製し、黄色液体として化合物(RC1b)を18.8g得た。
【0202】
化合物(RC1b)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(300MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.88−0.93(m、9H)、1.10−1.16(m、6H)、1.29−1.42(m、6H)、1.51−1.64(m、6H)、7.13−7.14(m、1H)、7.18−7.22(m、2H)、7.39−7.40(m、1H)、7.61−7.64(m、2H)
CI−MS;535(M+2)
【0203】
(工程R1−3:化合物(RC1c)の合成)
【0204】
【化29】
【0205】
温度計と攪拌装置を備えた容量200mLのガラス製反応容器に、Chem.Pharm.Bull.,28,1909(1980)に記載の方法を参照して合成した化合物(952)を2.95g(7.7mmol)、化合物(RC1b)を9.0g(16.9mmol)、ビストリフェニルホスフィンパラジウムジクロリドを1.08g(1.54mmol)及び無水テトラヒドロフラン80mLを加え、凍結脱気を2回繰り返した後、5時間還流させた。もう一度同量、同操作で反応後、2回分の反応液を併せ、飽和フッ化カリウム水溶液100mLを加えた後、30分攪拌した。そして、クロロホルム700mLで2回抽出後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、赤い固体として化合物(RC1c)を13.5g得た。
【0206】
化合物(RC1c)の物性値は以下の通りであった。
EI−MS;710(M+)
【0207】
(工程R1−4:化合物(RC1d)の合成)
【0208】
【化30】
【0209】
温度計と攪拌装置を備えた容量200mLのガラス製反応容器に、化合物(RC1c)を13g(18.3mmol)、鉄粉末12.3g(220mmol)及び酢酸130mLを加え、室温から100℃に昇温し、100℃で1.5時間反応させた。室温に冷却後、無機物をろ別し、溶媒を留去した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、茶色固体として化合物(RC1d)を5.7g得た。
【0210】
化合物(RC1d)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(300MHz;CDCl
3;δ(ppm));4.49(brs、2H)、7.23−7.27(m、2H)、7.36−7.38(m、2H)、7.42−7.43(m、2H)、7.65−7.71(m、2H)
EI−MS;650(M+)
【0211】
(工程R1−5:化合物(RC1)の合成)
【0212】
【化31】
【0213】
温度計と攪拌装置を備えた容量200mLのガラス製反応容器に、化合物(RC1d)を5g(7.7mmol)及び無水ピリジン100mLを加え、80℃に加熱した。そして、N−チオニルアニリン1.85mL(16.1mmol)を滴下し、次いでトリメチルシリルクロリド9.7mL(76.8mmol)を1分かけて滴下し、8時間反応させた。溶媒を留去し、得られた固体にメタノール150mLを加えて15分還流洗浄をした後、生成した固体を取得した。メタノール150mLによる還流洗浄を更に2回繰り返し、暗緑色の固体として2.93gの化合物(RC1)の粗体を得た。粗体をクロロホルムによる加熱洗浄、トルエンからの再結晶、次いで昇華により精製し、化合物(RC1)の精製体を得た。
【0214】
化合物(RC1)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;DMSO−d
6、180℃);δ(ppm))7.60−7.62(m、4H)、7.91(brs、2H)、8.06−8.13(m、4H)、9.18(brs、2H)
CI−MS;678(M+)
化合物(RC1)の100℃での溶解性を評価したところ、0.03wt%の化合物(RC1)がトルエン、メシチレン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンのいずれにも完全には溶解しなかった。
【0215】
<比較例2>
[化合物(RC2)(4,8−ビス[5−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール:FPTBBT)の合成]
【0216】
【化32】
【0217】
1−ブロモ−3−(トリフルオロメトキシ)ベンゼンの代わりに1−ヨード−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンを用いた以外は、実施例1と同様にして化合物(RC2)を得た。
【0218】
化合物(RC2a)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));7.10−7.12(m、1H)、7.35−7.36(m、1H)、7.38−7.40(m、1H)、7.61−7.64(m、2H)、7.69−7.72(m、2H)
【0219】
化合物(RC2b)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.86−0.95(m、9H)、1.03−1.24(m、6H)、1.26−1.42(m、6H)、1.48−1.72(m、6H)、7.16−7.17(m、1H)、7.49−7.51(m、1H)、7.59−7.63(m、2H)、7.70−7.72(m、2H)
【0220】
化合物(RC2)の物性値は以下の通りであった。
FAB−MS(−);646
化合物(RC2)の100℃での溶解性を評価したところ、0.03wt%の化合物(RC2)がトルエン、メシチレン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンのいずれにも完全には溶解しなかった。
【0221】
<参考例1>
[化合物(RR1)(4,8−ビス[5−(2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール)の合成]
【0222】
【化33】
【0223】
1−ブロモ−3−(トリフルオロメトキシ)ベンゼンの代わりに1−ブロモ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンゼンを用いた以外は、実施例1と同様にして化合物(RR1)を得た。
【0224】
化合物(RR1a)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));7.09−7.14(m、1H)、7.27−7.37(m、3H)、7.37−7.41(m、1H)、7.41−7.44(m、1H)、7.63−7.70(m、1H)
【0225】
化合物(RR1b)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.86−0.94(m、9H)、1.02−1.24(m、6H)、1.26−1.42(m、6H)、1.48−1.72(m、6H)、7.12−7.22(m、1H)、7.24−7.36(m、3H)、7.52−7.57(m、1H)、7.66−7.73(m、1H)
【0226】
化合物(RR1)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;1,2−ジクロロベンゼン−d
4:140℃;δ(ppm));7.14−7.24(m、4H、)、7.25−7.33(m、2H)、7.57−7.64(m、2H)、7.71−7.79(m、2H)、8.99−9.05(m、2H)
TOF−HRMS(ASAP+);678.9822(M+1);Calcd.678.9826
化合物(RR1)の溶解性を評価したところ、80℃で0.1wt%の化合物(RR1)がトルエン、メシチレンのいずれにも完全に溶解した。ベンゼン環上のチエニレン基に対してオルト位を置換基で置換することによっても、溶媒への溶解性が向上する。
【0227】
<参考例2>
[化合物(RR2)(4,8−ビス[5−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール)の合成]
【0228】
【化34】
【0229】
1−ブロモ−3−(トリフルオロメトキシ)ベンゼンの代わりに1−ヨード−2−(トリフルオロメチル)ベンゼンを用いた以外は、実施例1と同様にして化合物(RR2)を得た。
【0230】
化合物(RR2a)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));7.04−7.11(m、1H)、7.11−7.16(m、1H)、7.35−7.42(m、1H)、7.42−7.61(m、3H)、7.72−7.80(m、1H)
【0231】
化合物(RR2b)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm)); 0.83−0.98(m、15H)、1.23−1.42(m、6H)、1.42−1.68(m、6H)、7.11−7.12(m、1H)、7.19−7.27(m、1H)、7.40−7.54(m、3H)、7.74−7.75(m、1H)
【0232】
化合物(RR2)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));7.38−7.39(m、2H)、7.53−7.55(m、2H)、7.63−7.65(m、2H)、7.70−7.72(m、2H)、7.82−7.84(m、2H)、9.07−9.08(m、2H)
化合物(RR2)の25℃での溶解性を評価したところ、25℃で0.1wt%の化合物(RR2)がトルエン、メシチレン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンのいずれにも完全に溶解した。ベンゼン環上のチエニレン基に対してオルト位を置換基で置換することによっても、溶媒への溶解性が向上する。
【0233】
<参考例P−3>
[化合物(C3)(4,8−ビス[5−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール)の合成]
(工程3−1:化合物(C3a)の合成)
【0234】
【化35】
【0235】
攪拌装置を備えた容量250mLのガラス製反応容器に、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸を2.84g(11.0mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)を1.15g(1.0mmol)、炭酸ナトリウムを4.24g(400mmol)、2−ブロモチオフェンを968μl(10.0mmol)及び無水トルエン70mLと無水エタノール35mLを加え、内温約80℃で16時間反応させた。反応終了後、溶媒を濃縮し残滓に水150mLを加え、ジエチルエーテル300mLで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧留去した。得られた反応粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製することで、白色固体として化合物(C3a)を2.9g得た。
【0236】
化合物(C3a)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));7.16−7.18(m、1H)、7.45−7.46(m、1H)、7.48−7.49(m、1H)、7.79(brs、1H)、8.05(brs、2H)
【0237】
(工程3−2:化合物(C3)の合成)
【0238】
【化36】
【0239】
化合物(C1a)の代わりに化合物(C3a)を用いた以外は、実施例1の工程1−2から1−3と同様にして化合物(C3)を得た。
【0240】
化合物(C3b)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.89−0.93(m、9H)、1.15−1.19(m、6H)、1.33−1.39(m、6H)、1.58−1.62(m、6H)、7.19−7.25(m、1H)、7.57−7.59(m、1H)、7.75(brs、1H)、8.05(brs、2H)
【0241】
化合物(C3)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;1,2−ジクロロベンゼン−d
4:100℃);7.76−7.77(m、2H)、7.98(s、2H)、8.39(s、4H)、9.31−9.32(m、2H)
化合物(C3)の溶解性を評価したところ、130℃で0.1wt%の化合物(C3)がメシチレンに完全に溶解し、また、クロロベンゼンにも完全に溶解した。また、0.1wt%の化合物(C3)がオルトジクロロベンゼンには100℃で完全に溶解した。
【0242】
<実施例4>
[化合物(C4)(前記式(15)の化合物;4,8−ビス[5−(3−(1,1−ジフルオロウンデシル)フェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール)の合成]
(工程4−1:化合物(C4a)の合成)
【0243】
【化37】
【0244】
温度計と攪拌装置を備えた容量300mLのガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、1,3−ジブロモベンゼン5.0g(21.2mmol)、テトラヒドロフラン50mLを加えた後に、内温を−78℃に冷却した。撹拌しながら内温を−78℃に保って1.6mol/Lのn−ブチルリチウムヘキサン溶液14.6mL(23.3mmol)を加えて1時間撹拌した。ウンデカナール4.33g(25.4mmol)をテトラヒドロフラン20mLに溶解した溶液を調整し、上記反応溶液に−78℃でゆっくりと加えて、徐々に室温に昇温させながら終夜撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後に、反応溶液を濃縮し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水洗、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、黄色液体として、化合物(C4a)を7.23g得た。
【0245】
化合物(C4a)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.86−0.89(m、3H)、1.25(br、18H)、4.62−4.65(m、1H)、7.19−7.53(m、4H)
CI−MS;328(M+1)
【0246】
(工程4−2:化合物(C4b)の合成)
【0247】
【化38】
【0248】
温度計と攪拌装置を備えた容量1000mLのガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、化合物(C4a)66.53g(203mmol)、ジクロロメタン400mLを加え、反応溶液を氷浴で0〜10℃に冷却した。ジアザビシクロウンデセン(DBU)34g(223.3mmol)をジクロロメタン34mLで希釈した溶液を加え、さらにN−t―ブチルフェニルスルフェンアミド5.52g(30.45mmol)をジクロロメタン20mLで希釈した溶液を加えた。N−クロロスクシンイミド(NCS)30g(224.7mmol)をジクロロメタン300mLで希釈した溶液を、30分かけて滴下した後に、同温で1時間撹拌した。反応溶液をチオ硫酸ナトリウム35.5gと水100mLの溶液に緩やかに注ぎ込み、30分間撹拌した。反応混合物を水層と有機層に分け、有機層は水で洗浄した後に無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、目的物粗体を黒色液体として83.94g得た。粗体を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、青〜緑色液体として化合物(C4b)を14.5g得た。
【0249】
化合物(C4b)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.86−0.90(m、3H)、1.27−1.39(m、14H)、1.65−1.76(m、2H)、2.90−2.94(m、2H)、7.32−7.36(m、1H)、7.66−7.72(m、1H)、7.86−7.88(m、1H)、8.07−8.08(m、1H)
EI−MS;326(M)
CI−MS;327(M+1)
【0250】
(工程4−3:化合物(C4c)の合成)
【0251】
【化39】
【0252】
攪拌装置を備えた容量200mLのテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)製反応容器に、アルゴン雰囲気下、化合物(C4b)を14.5g(44.6mmol)、ビス(2−メトキシエチル)アミノサルファートトリフルオリド39.5g(179mmol)(和光純薬工業株式会社製、商品名Deoxo−Fluor
(R))及び無水クロロホルム145mLを加えて均一溶液とした後、内温約50℃で35時間反応させた。室温まで冷却したのち、氷冷した飽和炭酸水素ナトリウム水溶液500mLに反応液を加えて反応停止し、クロロホルム500mLで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、得られた反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、無色液体として化合物(C4c)を8.43g得た。
【0253】
化合物(C4c)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.86−0.89(m、3H)、1.24−1.50(m、16H)、2.02−2.14(m、2H),7.27−7.31(m、1H)、7.38−7.40(m、1H)、7.54−7.56(m、1H)、7.61(s、1H)
CI-MS;348(M+1)
【0254】
(工程4−4:化合物(C4)の合成)
【0255】
【化40】
【0256】
1−ブロモ−3−(トリフルオロメトキシ)ベンゼンの代わりに化合物(C4c)を用いた以外は、実施例1と同様にして化合物(C4)を得た。
【0257】
化合物(C4d)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.85−0.89(m、3H)、1.24−1.48(m、16H)、2.07−2.19(m、2H)、7.08−7.11(m、1H)、7.30−7.44(m、4H)、7.64−7.69(m、2H)
EI-MS:350(M+)
【0258】
化合物(C4e)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.85−0.95(m、12H)、1.05−1.49(m、30H),1.51−1.70(m、4H)、2.07−2.19(m、2H)、7.12−7.18(m、1H)、7.32−7.47(m、3H)、7.65−7.69(m、2H)
CI-MS;639(M+)
【0259】
化合物(C4)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;1,2−ジクロロベンゼン−d
4:140℃;δ(ppm));0.81−0.82(m、3H)、1.23−1.31(m、14H)、1.50−1.55(m、2H)、2.13−2.24(m、2H)、7.34−7.41(m、2H)、7.48−7.49(m、1H)、7.74−7.76(m、1H)、7.97(s、1H)、9.00−9.01(m、1H)
TOFMS(posi);891(M+)
化合物(C4)の25℃での溶解性を評価したところ、25℃で0.03wt%の化合物(C4)がトルエン、メシチレン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンのいずれにも完全に溶解した。また、60℃で0.1wt%の化合物(C4)がトルエン、メシチレン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンのいずれにも完全に溶解した。また、60℃で0.5wt%の化合物(C4)がクロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンのいずれにも完全に溶解した。また、100℃で0.5wt%の化合物(C4)がトルエン、メシチレンのいずれにも完全に溶解した。
【0260】
<比較例3>
[化合物(RC3)(4,8−ビス[5−(4−(1,1−ジフルオロウンデシル)フェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール)の合成]
(工程R3−1:化合物(RC3a)の合成)
【0261】
【化41】
【0262】
温度計と攪拌装置を備えた容量200mLのガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、塩化アルミニウム40g(255mmol)、二硫化炭素90mLを加えた後に、撹拌しながら内温を−5〜5℃に保って4−ヨードベンゼン45g(221mmol)、次いでウンデカノイルクロリド59g(290mmol)を緩やかに滴下し、室温まで昇温させながら一晩反応させた。反応終了後、得られた反応液を、氷冷した1mol/L塩酸200mLに加えた後、酢酸エチルで抽出し、有機層を水、次いで食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた反応混合物を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、白色固体として化合物(RC3a)を22.4g得た。
【0263】
化合物(RC3a)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.86−0.90(m、3H)、1.26−1.75(m、16H)、2.89−2.93(m、2H)、7.64−7.68(m、2H)、7.80−7.84(m、2H)
CI−MS;373(M+1)
【0264】
(工程R3−2:化合物(RC3b)の合成)
【0265】
【化42】
【0266】
化合物(C4b)の代わりに化合物(RC3a)を用いた以外は、実施例4の工程4−3と同様にして化合物(RC3b)を得た。
【0267】
化合物(RC3b)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.86−0.89(m、3H)、1.24−1.46(m、16H)、2.01−2.13(m、2H)、7.18−7.20(m、2H)、7.74−7.77(m、2H)
EI−MS;394(M+)
【0268】
(工程R3−3:化合物(RC3)の合成)
【0269】
【化43】
【0270】
1−ブロモ−3−(トリフルオロメトキシ)ベンゼンの代わりに化合物(RC3b)を用いた以外は、実施例1と同様にして化合物(RC3)を得た。
【0271】
化合物(RC3c)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.85−0.91(m、3H)、1.24−1.44(m、16H)、2.06−2.18(m、2H)、7.08−7.10(m、1H)、7.30−7.35(m、2H)、7.45−7.47(m、2H)、7.63−7.65(m、2H)
EI−MS;350(M+);
【0272】
化合物(RC3d)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.84−0.94(m、12H)、1.02−1.21(m、6H)、1.21−1.72(m、28H)、2.02−2.22(m、2H)、7.11−7.19(m、1H)、7.40−7.50(m、3H)、7.62−7.69(m、2H)
【0273】
化合物(RC3)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;1,2−ジクロロベンゼン−d
4:140℃;δ(ppm));0.78−0.90(m、6H)、1.18−1.40(m、28H)、1.46−1.60(m、4H)、2.05−2.30(m、4H)、7.44−7.58(m、6H)、7.70−7.84(m、4H)、9.00−9.07(m、2H)
TOF−HRMS(ASAP+);891.3223(M+1);Calcd.891.3246
化合物(RC3)の60℃での溶解性を評価したところ、0.03wt%の化合物(RC3)がトルエン、メシチレン、クロロベンゼンのいずれにも完全には溶解しなかった。
【0274】
<実施例5>
[化合物(C5)(前記式(9)の化合物;4,8−ビス[5−(3−シアノフェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール)の合成]
(工程5−1:化合物(C5a)の合成)
【0275】
【化44】
【0276】
3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸の代わりに3−シアノフェニルボロン酸を用いた以外は、参考例P−3の工程3−1と同様にして化合物(C5a)を得た。
【0277】
化合物(C5a)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));7.12−7.14(m、1H)、7.38−7.40(m、2H)、7.47−7.52(m、1H)、7.55−7.58(m、1H)、7.83−7.85(m、1H)、7.89−7.91(m、1H)
【0278】
(工程5−2:化合物(C5b)の合成)
【0279】
【化45】
【0280】
攪拌装置を備えた容量50mLのガラス製反応容器に、化合物(C5a)を926mg(5.0mmol)及び、無水テトラヒドロフラン15mLを加え、内温−75℃を保ちながら1.1mol/Lのリチウムジイソプロピルアミド(LDA)ヘキサン−テトラヒドロフラン溶液を5.0mL加え、同温度で1時間攪拌した後、同温度でトリブチルスズクロリド1.5mL(5.5mmol)を加えて室温まで昇温し1時間攪拌した。メタノールを加え反応停止した後、溶媒を留去した。得られた反応粗生成物にヘキサンを加え,アミノ基修飾シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーによって精製することで、無色液体として化合物(C5b)を2.1g得た。
【0281】
化合物(C5b)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.89−0.93(m、9H)、1.13−1.17(m、6H)、1.31−1.40(m、6H)、1.56−1.62(m、6H)、7.18−7.19(m、1H)、7.46−7.54(m、3H)、7.84−7.86(m、1H)、7.90−7.91(m、1H)
【0282】
(工程5−3:化合物(C5)の合成)
【0283】
【化46】
化合物(C1b)の代わりに化合物(C5b)を用いた以外は、実施例1の工程1−3と同様にして化合物(C5)を得た。
【0284】
化合物(C5)の物性値は以下の通りであった。
FAB−MS(M/Z):560(M+H)
+【0285】
<比較例4>
[化合物(RC4)(4,8−ビス[5−(4−シアノフェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール)の合成]
【0286】
【化47】
【0287】
3−シアノフェニルボロン酸の代わりに4−シアノフェニルボロン酸を用いた以外は、実施例5と同様にして化合物(RC4)を得た。
【0288】
化合物(RC4a)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));7.13−7.15(m、1H)、7.42−7.44(m、1H)、7.45−7.47(m、1H)、7.65−7.74(m、4H)
【0289】
化合物(RC4b)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.89−0.92(m、9H)、1.13−1.18(m、6H)、1.31−1.40(m、6H)、1.55−1.63(m、6H)、7.17−7.23(m、1H)、7.55−7.57(m、1H)、7.63−7.66(m、2H)、7.71−7.74(m、2H)
【0290】
化合物(RC4)の物性値は以下の通りであった。
FAB−MS(M/Z):560(M+H)
+【0291】
<参考例3>
[化合物(RR3)(4,8−ビス[5−(2−シアノフェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール)の合成]
(工程RR3−1:化合物(RR3a)の合成)
【0292】
【化48】
【0293】
攪拌装置を備えた容量30mLのガラス製反応容器に、2−チオフェンボロン酸を385mg(3.0mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)を346mg(0.3mmol)、炭酸ナトリウムを848mg(8.8mmol)、1−ブロモ−2−シアノベンゼンを400mg(2.2mmol)及び無水トルエン14mLと無水エタノール7mLを加え、内温約80℃で39時間反応させた。反応終了後、水20mLを加え、ジエチルエーテル60mLで抽出し、有機層は硫酸マグネシウムで乾燥させ、その後溶媒を減圧留去した。得られた反応粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製することで、白色固体として化合物(RR3a)を290mg得た。
【0294】
化合物(RR3a)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));7.14−7.20(m、1H)、7.35−7.42(m、3H)、7.42−7.47(m、1H)、7.55−7.67(m、1H)、7.70−7.76(m、1H)
【0295】
(工程RR3−2:化合物(RR3)の合成)
【0296】
【化49】
【0297】
化合物(C5a)の代わりに化合物(RR3a)を用いた以外は、実施例5の工程5−2から5−3と同様にして化合物(RR3)を得た。
【0298】
化合物(RR3b)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.82−0.98(m、9H)、1.03−1.26(m、6H)、1.26−1.42(m、6H)、1.47−1.71(m、6H)、7.17−7.25(m、1H)、7.30−7.37(m、1H)、7.53−7.76(m、3H)、7.76−7.82(m、1H)
【0299】
化合物(RR3)の物性値は以下の通りであった。
FD−MS(M/Z);560(M),280(M/2)
【0300】
<実施例6>
[化合物(C6)(前記式(4)の化合物;4,8−ビス[5−(3−((トリフルオロメチル)チオ)フェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール)の合成]
(工程6−1:化合物(C6a)の合成)
【0301】
【化50】
【0302】
攪拌装置を備えた容量300mLのガラス製反応容器に、3−ブロモトリフルオロメチルチオベンゼンを10.0g(39mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)を2.7g(3.9mmol)、2−(トリブチルスズ)チオフェン18.9g(51mmol)及び無水トルエン100mLを加え、内温約100℃で4時間反応させた。反応終了後、溶媒を濃縮し、ヘキサン300mLを加え、シリカゲル:炭酸カリウム=90:10(重量%)を通じてろ過した。ろ液を濃縮し、濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、無色液体として化合物(C6a)を8.8g得た。
【0303】
化合物(C6a)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));7.06−7.14(m、1H)、7.30−7.38(m、2H)、7.40−7.46(m、1H)、7.52−7.58(m、1H)、7.68−7.74(m、1H)、7.86−7.92(m、1H)
DI−MS(EI);260(M+)
【0304】
(工程6−2:化合物(C6b)の合成)
【0305】
【化51】
【0306】
攪拌装置を備えた容量300mLのガラス製反応容器に、化合物(C6a)を8.25g(31.7mmol)及び、無水テトラヒドロフラン80mLを加え、内温−25℃〜―10℃を保ちながら、N−ブロモスクシンイミド(NBS)5.25g(29.5mmol)をテトラヒドロフラン80mLに加えた溶液を滴下した。更に、N−ブロモスクシンイミド2.26g(12.7mmol)をテトラヒドロフラン20mLに加えた溶液を滴下した。2時間反応した後、ヘキサン300mLと水300mLを加え、分液した。水層をヘキサンで抽出したのち、合わせたヘキサン層を水で洗浄した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、淡黄色固体として化合物(C6b)を9.3g得た。
【0307】
化合物(C6b)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));7.03−7.07(m、1H)、7.07−7.11(m、1H)、7.39−7.46(m、1H)、7.54−7.63(m、2H)、7.76−7.82(m、1H)
DI−MS(EI);338(M+)、340(M+2)
【0308】
(工程6−3:化合物(C6c)の合成)
【0309】
【化52】
【0310】
攪拌装置を備えた容量100mLのガラス製反応容器に、化合物(C6b)を7.0g(26.7mmol)、ビス(トリブチルスズ)62.4g(107.6mmol)、トリエチルアミン5.44g(53.8mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)6.22g(5.4mmol)及び、無水トルエン140mLを加え、88℃、4時間反応した。反応混合物を減圧濃縮したのち、濃縮物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、無色液体として化合物(C6c)を3.6g得た。
【0311】
化合物(C6c)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.86−0.96(m、9H)、1.04−1.24(m、6H)、1.30−1.42(m、6H)、1.46−1.72(m、6H)、7.10−7.20(m、1H)、7.36−7.44(m、1H)、7.44−7.49(m、1H)、7.49−7.56(m、1H)、7.68−7.76(m、1H)、7.86−7.94(m、1H)
【0312】
(工程6−4:化合物(C6)の合成)
【0313】
【化53】
【0314】
化合物(C1b)の代わりに化合物(C6c)を用いた以外は、実施例1の工程1−3と同様にして化合物(C6)を得た。
【0315】
化合物(C6)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;1,2−ジクロロベンゼン−d
4:140℃;δ(ppm));7.50−7.65(m、1H)、7.65−7.85(m、2H)、7.95−8.10(m、1H)、8.31(s、1H)、9.20−9.35(m、1H)
TOF−HRMS(ASAP+);710.9364(M+1);Calcd.710.9369
化合物(C6)の溶解性を評価したところ、80℃で0.1wt%の化合物(C6)がトルエン、メシチレン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンのいずれにも完全に溶解した。また、130℃で0.3wt%の化合物(C6)がメシチレンにも完全に溶解した。また、130℃で0.5wt%の化合物(C6)がクロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンいずれにも完全に溶解した。
【0316】
<比較例5>
[化合物(RC5)(4,8−ビス[5−(4−((トリフルオロメチル)チオ)フェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール)の合成]
【0317】
【化54】
【0318】
3−ブロモトリフルオロメチルチオベンゼンの代わりに4−ブロモトリフルオロメチルチオベンゼンを用いた以外は、実施例6と同様にして化合物(RC5)を得た。
【0319】
化合物(RC5a)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));7.07−7.12(m、1H)、7.31−7.35(m、1H)、7.35−7.39(m、1H)、7.59−7.68(br、4H)
DI−MS(EI);260(M+)
【0320】
化合物(RC5b)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));7.03−7.07(m、1H)、7.09−7.13(m、1H)、7.50−7.57(m、2H)、7.61−7.68(m、2H)
DI−MS(EI);338(M+)、340(M+2)
【0321】
化合物(RC5c)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.87−0.95(m、9H)、1.04−1.24(m、6H)、1.28−1.44(m、6H)、1.45−1.72(m、6H)、7.10−7.20(m、1H)、7.44−7.52(m、1H)、7.58−7.70(m、4H)
【0322】
化合物(RC5)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;1,2−ジクロロベンゼン−d
4:140℃;δ(ppm));7.72−7.80(m、1H)、7.80−7.92(m、2H)、7.92−8.04(m、2H)、9.20−9.40(m、1H)
TOF−HRMS(ASAP+);710.9359(M+1);Calcd.710.9369
化合物(RC5)の100℃での溶解性を評価したところ、0.03wt%の化合物(RC5)がトルエン、メシチレン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンのいずれにも完全には溶解しなかった。
【0323】
<実施例7>
[化合物(C7)(前記式(105)の化合物;4,8−ビス[5−(3−シアノ−4−ヘキシルフェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール)の合成]
(工程7−1:化合物(C7a)の合成)
【0324】
【化55】
【0325】
攪拌装置を備えた容量300mLのガラス製反応容器に、5−ブロモ−2−ヨード−ベンゾニトリルを7.2g(23.4mmol)、無水テトラヒドロフラン70mLを加え均一溶液としたところに、ジイソプロピルアミン14mL、ヨウ化銅(I)0.45g(2.34mmol),ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)を1.64g(2.34mmol)及び1−ヘキシン1.92g(23.4mmol)を加え、内温25〜35℃で1時間反応後、1−ヘキシン0.19g(2.3mmol)を加え1.5時間そのまま反応させた。反応溶液を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、淡黄色液体として化合物(C7a)を5.9g得た。
【0326】
化合物(C7a)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3:室温;δ(ppm));0.94−0.97(m、3H)、1.46−1.67(m、4H),2.46−2.50(m、2H)、7.33−7.35(m、1H)、7.61−7.63(m、1H)、7.72−7.73(m、1H)
CI−MS:262(M+1)
【0327】
(工程7−2:化合物(C7b)の合成)
【0328】
【化56】
【0329】
攪拌装置を備えた容量500mLのガラス製反応容器に、化合物(C7a)を4.9g(18.7mmol)、54%含水3%白金-硫黄/炭素を2.51g及び無水テトラヒドロフラン150mLを加えて、水素雰囲気下、内温20〜30℃で26時間反応させた。反応液をろ過し、ろ液を濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、淡褐色液体として化合物(C7b)を3.0g得た。
【0330】
化合物(C7b)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3:室温;δ(ppm));0.84−0.90(m、3H)、1.26−1.43(m、6H)、1.60−1.68(m、2H)、2.75−2.81(m、2H)、7.15−7.20(m、1H)、7.59−7.63(m、1H)、7.71−7.72(m、1H)
CI−MS;266(M+1)
【0331】
(工程7−3:化合物(C7c)の合成)
【0332】
【化57】
【0333】
攪拌装置を備えた容量200mLのガラス製反応容器に、化合物(C7b)を3.1g(11.5mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)を0.9g(1.2mmol),2−(トリブチルスズ)チオフェン5.59g(14.9mmol)及びトルエン111mLを加え、内温約100℃で6時間反応させた。反応終了後、ヘキサン100mLを加えて炭酸カリウム−シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製後、逆相カラムクロマトグラフィー次いでシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、黄色オイルとして化合物(C7c)を1.46g得た。
【0334】
化合物(C7c)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3:室温;δ(ppm));0.87−0.94(m、3H)、1.28−1.41(m、6H),1.61−1.72(m、2H),2.81−2.86(m、2H)、7.08−7.11(m、1H)、7.30−7.33(m、3H),7.69−7.72(m、1H),7.81−7.82(m、1H)
EI−MS:269(M+)
【0335】
(工程7−4:化合物(C7d)の合成)
【0336】
【化58】
【0337】
攪拌装置を備えた容量100mLのガラス製反応容器に、化合物(C7c)を0.26g(1.0mmol)及び、無水テトラヒドロフラン5mLを加え、内温−55℃以下を保ちながら、、−55℃以下に冷却した0.1mol/lのリチウムジイソプロピルアミド(LDA)ヘキサン溶液11mL(1.1mmol)加え、同温度で60分撹拌したのち、同温度でトリブチルスズクロリド0.36g(1.1mmol)を加えて、室温まで昇温し、終夜撹拌した。エタノールを加えて反応停止したのち、溶媒を留去した。アミン修飾シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、淡黄色液体として化合物(C7d)の粗体(A)を0.34g得た。
【0338】
上記反応を、化合物(C7c)を1.22g(4.43mmol)、室温の0.1mol/Lのリチウムジイソプロピルアミドヘキサン溶液を加えた以外は同様に実施し、淡黄色液体として化合物(C7d)の粗体(B)を1.98g得た。
【0339】
化合物(C7d)の粗体(A)と化合物(C7d)の粗体(B)をあわせて、逆相シリカゲルクロマトグラフィーを行い、薄黄色液体として化合物(C7d)を1.84g得た。
【0340】
化合物(C7d)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3:室温;δ(ppm));0.87−0.93(m、3H)、1.05−1.71(m、35H)、2.81−2.85(m、2H)、7.11−7.18(m、1H)、7.27−7.30(m、1H)、7.41−7.43(m、1H)、7.71−7.73(m、1H)、7.82−7.83(m、1H)
EI−MS;559(M+1)
【0341】
(工程7−5:化合物(C7)の合成)
【0342】
【化59】
【0343】
化合物(C1b)の代わりに化合物(C7d)を用いた以外は、実施例1の工程1−3と同様にして化合物(C7)を得た。
【0344】
化合物(C7)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3:室温;δ(ppm));0.90−0.94(m、3H)、1.33−1.45(m、6H),1.64−1.71(m、2H)、2.77−2.81(m、2H)、7.28−7.31(m、2H)、7.72−7.81(m、2H)、8.67−8.69(m、1H)
TOF−MS(ASAP-posi);729(M+)
化合物(C7)の溶解性を評価したところ、25℃で0.1wt%の化合物(C7)がクロロベンゼンに完全に溶解した。また、60℃で0.1wt%の化合物(C7)がトルエン、メシチレン、オルトジクロロベンゼンのいずれにも完全に溶解した。また、60℃で0.5t%の化合物(C7)がクロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンのいずれにも完全に溶解した。また、80℃で0.5wt%の化合物(C7)がメシチレンにも完全に溶解した。また、100℃で0.5wt%の化合物(C7)がトルエンにも完全に溶解した。
【0345】
<実施例8>
[化合物(C8)(前記式(133)の化合物;4,8−ビス[5−(4−シアノ−3−ヘキシルフェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール)の合成]
(工程8−1:化合物(C8a)の合成)
【0346】
【化60】
【0347】
温度計と攪拌装置を備えた容量500mLのガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、4−ブロモベンゾニトリル14.15g(77.7mmol)、1,2−ジクロロエタン300mL、N―ヨードスクシンイミド(NIS)26.24g(116.6mmol)、酢酸パラジウム1.75g(7.8mmol)、パラトルエンスルホン酸一水和物7.40g(38.9mmol)、を加えて70℃で4時間撹拌しながら反応させた。さらにN―ヨードスクシンイミド8.75g(38.9mmol)、酢酸パラジウム0.88g(3.9mmol)を加えて70℃で2時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却し、セライトでろ過して濃縮した。酢酸エチルと水を加えて抽出し、有機層を水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた反応混合物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、黄〜白色固体として化合物(C8a)を15.29g得た。
【0348】
化合物(C8a)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));7.45−7.47(m、1H)、7.60−7.62(m、1H)、8.10−8.12(m、1H)
EI−MS;307(M)
CI−MS;308(M+1)
【0349】
(工程8−2:化合物(C8)の合成)
【0350】
【化61】
【0351】
4−ブロモ−1−ヨード−2−ベンゾニトリルの代わりに化合物(C8a)を用いた以外は、実施例7と同様にして化合物(C8)を得た。
【0352】
化合物(C8b)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.94−0.98(m、3H)、1.44−1.67(m、4H)、2.48−2.51(m、2H)、7.44−7.52(m、2H)、7.64−7.65(m、1H)
EI−MS;262(M)
CI−MS;262(M)
【0353】
化合物(C8c)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.73−0.94(m、3H)、1.26−1.42(m、6H)、1.58−1.70(m、2H)、2.78−2.82(m、2H)、7.41−7.51(m、3H)
EI−MS;266(M)
CI−MS;266(M)
【0354】
化合物(C8d)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.88−0.91(m、3H)、1.27−1.45(m、6H)、1.67−1.74(m、2H)、2.83−2.87(m、2H)、7.11−7.60(m、6H)
EI−MS;269(M)
CI−MS;270(M+1)
【0355】
化合物(C8e)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.88−1.74(m、38H)、2.83−2.87(m、2H)、7.14−7.58(m、5H)
EI−MS;559(M)
CI−MS;560(M+1)
【0356】
化合物(C8)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.91−0.94(m、3H)、1.36−1.48(m、6H)、1.72−1.80(m、2H)、2.89−2.92(m、2H)、7.58−7.68(m、4H)、9.02−9.03(m、1H)
TOF−HRMS(ASAP+);729.1954(M+1);Calcd.729.1963
化合物(C8)の25℃での溶解性を評価したところ、25℃で0.03wt%の化合物(C8)がクロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンのいずれにも完全に溶解した。また、130℃で0.1wt%の化合物(C8)がメシチレンに完全に溶解した。また、0.1wt%の化合物(C8)がクロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンのいずれにも80℃で完全に溶解した。また、0.3wt%の化合物(C8)がメシチレンにも130℃で完全に溶解した。また、0.3wt%の化合物(C8)がクロロベンゼンにも80℃で完全に溶解した。また、0.5wt%の化合物(C8)がオルトジクロロベンゼンにも80℃で完全に溶解した。
【0357】
さらに、化合物(C8)の溶解性を評価したところ、60℃で0.05wt%の化合物(C8)がクロロホルムに完全に溶解した。また、80℃で0.2wt%の化合物(C8)がクロロホルムに完全に溶解した。また、80℃で0.3wt%の化合物(C8)がクロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンのいずれにも完全に溶解した。100℃で0.3wt%の化合物(C8)がパラクロロトルエンに完全に溶解した。
【0358】
<実施例9>
[化合物(C9)(前記式(87)の化合物;4,8−ビス[5−(4−ヘキシル−3−(トリフルオロメチル)フェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール)の合成]
(工程9−1:化合物(C9c)の合成)
【0359】
【化62】
【0360】
4−ブロモ−1−ヨード−2−ベンゾニトリルの代わりに4−ブロモ−1−ヨード−2−トリフルオロメチルベンゼンを用いた以外は、実施例7の工程7−1から7−3と同様にして化合物(C9c)を得た。
【0361】
化合物(C9a)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.93−0.96(m、3H)、1.40−1.63(m、4H)、2.41−2.44(m、2H)、7.36−7.75(m、3H)
EI−MS;304(M)
CI−MS;304(M)
【0362】
化合物(C9b)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.84−0.93(m、3H)、1.26−1.48(m、6H)、1.54−1.65(m、2H)2.69−2.73(m、2H)、7.19−7.73(m、3H)
EI−MS;310(M+1)
CI−MS;310(M+1)
【0363】
化合物(C9c)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.87−0.93(m、3H)、1.24−1.49(m、6H)、1.51−1.68(m、2H)2.75−2.78(m、2H)、7.08−7.82(m、6H)
EI−MS;312(M)
CI−MS;313(M+1)
【0364】
(工程9−2:化合物(C9)の合成)
【0365】
【化63】
【0366】
化合物(C1a)の代わりに化合物(C9c)を用いた以外は、実施例1の工程1−2から1−3と同様にして化合物(C9)を得た。
【0367】
化合物(C9d)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.80−1.00(m、12H)、1.02−1.24(m、6H)、1.24−1.45(m、12H)、1.45−1.74(m、8H)、2.66−2.84(m、2H)、7.08−7.19(m、1H)、7.22−7.33(m、1H)、7.36−7.46(m、1H)、7.60−7.71(m、1H)、7.80−7.89(m、1H)
【0368】
化合物(C9)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;1,2−ジクロロベンゼン−d
4:140℃;δ(ppm));1.04−1.26(m、6H)、1.44−1.80(m、12H)、1.84−2.06(m、4H)、2.96−3.20(m、4H)、7.52−7.64(m、2H)、7.66−7.80(m、2H)、7.96−8.12(m、2H)、8.24−8.38(S、2H)、9.19−9.34(m、2H)
TOF−HRMS(ASAP+);815.1798(M+1);Calcd.815.1805
化合物(C9)の25℃での溶解性を評価したところ、25℃で0.03wt%の化合物(C9)がトルエン、メシチレン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンのいずれにも完全に溶解した。また、60℃で0.1wt%の化合物(C9)がトルエン、メシチレン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンのいずれにも完全に溶解した。また、80℃で0.5wt%の化合物(C9)がトルエン、メシチレンのいずれにも完全に溶解した。また、60℃で0.5wt%の化合物(C9)がクロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンのいずれにも完全に溶解した。
【0369】
<実施例10>
[化合物(C10)(前記式(115)の化合物;4,8−ビス[5−(3−ヘキシル−4−(トリフルオロメチル)フェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール)の合成]
【0370】
【化64】
【0371】
4−ブロモ−1−ヨード−2−トリフルオロメチルベンゼンの代わりに4−ブロモ−2−ヨード−1−トリフルオロメチルベンゼンを用いた以外は、実施例9と同様にして化合物(C10)を得た。
【0372】
化合物(C10a)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.93−0.97(m、3H)、1.43−1.53(m、2H)、1.55−1.64(m、2H)、2.43−2.46(m、2H)、7.44−7.49(m、2H)、7.67(s、1H)
EI−MS;306(M+1)
【0373】
化合物(C10b)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.85−0.95(m、3H)、1.22−1.43(m、6H),1.56−1.62(m、2H)、2.71−2.74(m、2H),7.39−7.48(m、3H)
EI−MS;310(M+1)
【0374】
化合物(C10c)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.86−0.95(m、3H)、1.27−1.46(m、6H)、1.61−1.69(m、2H)、2.76−2.80(m、2H)、7.09−7.13(m、1H)、7.32−7.38(m、2H)、7.47−7.60(m、3H)
EI−MS;312(M+)
【0375】
化合物(C10d)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.88−0.93(m、12H)、1.05−1.29(m、6H),1.31−1.77(m、20H)、2.76−2.80(m、2H),7.13−7.19(m、1H)、7.48−7.68(m、4H)
CI−MS;603(M+2)
【0376】
化合物(C10)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;1,2−ジクロロベンゼン−d
4;140℃;δ(ppm));0.87−0.89(m、3H)、1.32−1.42(m、6H)、1.68−1.76(m、2H)、2.84−2.88(m、2H)、7.52−7.53(m、1H)、7.58(s、2H),7.75(s、1H)、9.00−9.01(m、1H)
TOFMS(posi);815(M+1)
化合物(C10)の25℃での溶解性を評価したところ、25℃で0.03wt%の化合物(C10)がトルエン、メシチレン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンのいずれにも完全に溶解した。また、80℃で0.1wt%の化合物(C10)がトルエン、メシチレンのいずれにも完全に溶解した。また、60℃で0.1wt%の化合物(C10)がクロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンのいずれにも完全に溶解した。また、80℃で0.3wt%の化合物(C10)がトルエン、メシチレン、クロロベンゼンのいずれにも完全に溶解した。また、100℃で0.5wt%の化合物(C10)がオルトジクロロベンゼンのいずれにも完全に溶解した。
【0377】
<実施例11>
[化合物(C11)(前記式(93)の化合物;4,8−ビス[5−(4−ヘキシル−3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール)の合成]
【0378】
【化65】
【0379】
4−ブロモ−1−ヨード−2−トリフルオロメチルベンゼンの代わりに4−ブロモ−1−ヨード−2−トリフルオロメトキシベンゼンを用いた以外は、実施例9と同様にして化合物(C11)を得た。
【0380】
化合物(C11a)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.91−0.98(m、3H)、1.41−1.66(m、4H)、2.38−2.48(m、2H)、7.28−7.33(m、1H)、7.33−7.38(m、1H)、7.38−7.43(m、1H)
DI−MS(EI);320(M+)、322(M+2)
【0381】
化合物(C11b)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.80−0.96(m、3H)、1.20−1.40(m、6H)、1.48−1.64(m、2H)、2.53−2.67(m、2H)、7.07−7.17(m、1H)、7.29−7.41(m、2H)
DI−MS(EI);324(M+)、326(M+2)
【0382】
化合物(C11c)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.81−0.98(m、3H)、1.21−1.44(m、6H)、1.52−1.69(m、2H)、2.60−2.72(m、2H)、7.03−7.11(m、1H)、7.21−7.32(m、3H)、7.39−7.47(m、2H)
DI−MS(EI);328(M+)
【0383】
化合物(C11d)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.84−0.96(m、12H)、1.12−1.24(m、6H)、1.24−1.44(m、12H)、1.44−1.72(m、8H)、2.57−2.73(m、2H)、7.08−7.18(m、1H)、7.19−7.27(m、1H)、7.36−7.42(m、1H)、7.42−7.49(m、2H)
【0384】
化合物(C11)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;1,2−ジクロロベンゼン−d
4:140℃;δ(ppm));1.11−1.24(m、6H)、1.44−1.78(m、12H)、1.81−2.05(m、4H)、2.87−3.08(m、4H)、7.43−7.58(m、2H)、7.62−7.78(m、2H)、7.78−7.90(m、2H)、7.90−8.00(m、2H)、9.20−9.35(m、2H)
TOF−HRMS(ASAP+);847.1688(M+1);Calcd.847.1704
化合物(C11)の溶解性を評価したところ、60℃で0.1wt%の化合物(C11)がトルエン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンのいずれにも完全に溶解した。また、0.1wt%の化合物(C11)がメシチレンには80℃で完全に溶解した。また、80℃で0.5wt%の化合物(C11)がトルエン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンのいずれにも完全に溶解した。また、0.5wt%の化合物(C11)がメシチレンには100℃で完全に溶解した。
【0385】
<実施例12>
[化合物(C12)(前記式(121)の化合物;4,8−ビス[5−(3−ヘキシル−4−(トリフルオロメチル)フェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール)の合成]
【0386】
【化66】
【0387】
4−ブロモ−1−ヨード−2−トリフルオロメチルベンゼンの代わりに4−ブロモ−2−ヨード−1−トリフルオロメトキシベンゼンを用いた以外は、実施例9と同様にして化合物(C12)を得た。
【0388】
化合物(C12a)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.90−0.99(m、3H)、1.37−1.69(m、4H)、2.37−2.50(m、2H)、7.04−7.14(m、1H)、7.35−7.43(m、1H)、7.55−7.61(m、1H)
DI−MS(EI);320(M+)、322(M+2)
【0389】
化合物(C12b)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.80−0.98(m、3H)、1.20−1.45(m、6H)、1.48−1.67(m、2H)、2.54−2.69(m、2H)、7.02−7.13(m、1H)、7.28−7.36(m、2H)、7.36−7.44(m、1H)
DI−MS(EI);324(M+)、326(M+2)
【0390】
化合物(C12c)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.82−0.96(m、3H)、1.19−1.48(m、6H)、1.53−1.72(m、2H)、2.59−2.75(m、2H)、7.03−7.11(m、1H)、7.16−7.24(m、1H)、7.24−7.32(m、2H)、7.39−7.45(m、1H)、7.45−7.50(m、1H)
DI−MS(EI);328(M+)
【0391】
化合物(C12d)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.80−1.00(m、12H)、1.02−1.23(m、6H)、1.23−1.45(m、12H)、1.46−1.74(m、8H)、2.59−2.76(m、2H)、7.09−7.23(m、2H)、7.34−7.41(m、1H)、7.41−7.46(m、1H)、7.46−7.51(m、1H)
【0392】
化合物(C12)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;1,2−ジクロロベンゼン−d
4:140℃;δ(ppm));1.03−1.25(m、6H)、1.45−1.77(m、12H)、1.87−2.05(m、4H)、2.91−3.10(m、4H)、7.44−7.52(m、2H)、7.67−7.77(m、2H)、7.77−7.88(m、2H)、7.93−8.02(m、2H)、9.22−9.35(m、2H)
TOF−HRMS(ASAP+);847.1692(M+1);Calcd.847.1704
化合物(C12)の溶解性を評価したところ、60℃で0.1wt%の化合物(C12)がクロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンのいずれにも完全に溶解した。また、80℃で0.1wt%の化合物(C12)がトルエン、メシチレンのいずれにも完全に溶解した。また、80℃で0.3wt%の化合物(C12)がトルエンにも完全に溶解した。また、130℃で0.5wt%の化合物(C12)がメシチレンにも完全に溶解した。また、80℃で0.5wt%の化合物(C12)がクロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンにも完全に溶解した。
【0393】
<実施例13>
[化合物(C13)(前記式(133)の化合物;4,8−ビス[5−(4−シアノ−3−ヘプチルフェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール)の合成]
【0394】
(工程13−1:化合物(C13)の合成)
【0395】
【化67】
【0396】
1−ヘキシンの代わりに1−ヘプチンを用いた以外は、実施例8と同様にして化合物(C13)を得た。
【0397】
化合物(C13a)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.91−0.95(m、3H)、1.30−1.50(m、4H)、1.62−1.69(m、2H)、2.47−2.50(m、2H)、7.44−7.52(m、2H)、7.64−7.65(m、1H)
CI−MS;278(M+3)、276(M+1)
【0398】
化合物(C13b)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.87−0.90(m、3H)、1.22−1.41(m、8H)、1.62−1.70(m、2H)、2.78−2.82(m、2H)、7.41−7.49(m、3H)
CI−MS;282(M+3)、280(M+1)
【0399】
化合物(C13c)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.87−0.90(m、3H)、1.28−1.44(m、8H)、1.67−1.74(m、2H)、2.83−2.87(m、2H)、7.11−7.60(m、6H)
CI−MS;284(M+1)
【0400】
化合物(C13d)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.88−1.74(m、40H)、2.82−2.86(m、2H)、7.14−7.59(m、5H)
EI−MS;572(M)
CI−MS;572(M)
【0401】
化合物(C13)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.89−0.93(m、6H)、1.31−1.53(m、16H)、1.72−1.80(m、4H)、2.88−2.92(m、4H)、7.58−7.68(m、8H)、9.02−9.03(m、2H)
TOF−HRMS(ASAP+);757.2261(M+1);Calcd.757.2276
化合物(C13)の溶解性を評価したところ、25℃で0.2wt%の化合物(C13)がクロロホルムに完全に溶解した。また、80℃で0.3wt%の化合物(C13)がオルトジクロロベンゼン、クロロベンゼン、パラクロロトルエンのいずれにも完全に溶解した。
【0402】
<実施例14>
[化合物(C14)(前記式(133)の化合物;4,8−ビス[5−(4−シアノ−3−オクチルフェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール)の合成]
【0403】
(工程14−1:化合物(C14)の合成)
【0404】
【化68】
【0405】
1−ヘキシンの代わりに1−オクチンを用いた以外は、実施例8と同様にして化合物(C14)を得た。
【0406】
化合物(C14a)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.88−0.94(m、3H)、1.24−1.68(m、8H)、2.47−2.50(m、2H)、7.44−7.52(m、2H)、7.64−7.65(m、1H)
CI−MS;293(M+3)、290(M+1)
【0407】
化合物(C14b)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.87−0.90(m、3H)、1.27−1.37(m、10H)、1.62−1.68(m、2H)、2.78−2.82(m、2H)、7.43−7.49(m、3H)
EI−MS;294(M+1)、292(M−1)
【0408】
化合物(C14c)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.86−0.90(m、3H)、1.36−1.44(m、10H)、1.67−1.74(m、2H)、2.83−2.87(m、2H)、7.11−7.15(m、1H)、7.38−7.61(m、5H)
EI−MS;297(M)
【0409】
化合物(C14d)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.86−0.93(m、12H)、1.12−1.72(m、30H)、2.82−2.86(m、2H)、7.16−7.17(m、1H)、7.50−7.56(m、4H)
CI−MS;588(M+1)
【0410】
化合物(C14)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;1,2−ジクロロベンゼン−d
4;140℃;δ(ppm));0.83−0.85(m、6H)、1.26−1.41(m、20H)、1.73−1.79(m、4H)、2.85−2.89(m、4H)、7.45−7.56(m、6H)、7.66−7.70(m、2H)、9.02−9.04(m、2H)
TOF−HRMS(ASAP+);785.2578(M+1);Calcd.785.2589
化合物(C14)の溶解性を評価したところ、25℃で0.1wt%の化合物(C14)がクロロホルムに完全に溶解した。また、60℃で0.2wt%の化合物(C14)がクロロホルムに完全に溶解した。また、60℃で0.3wt%の化合物(C14)がオルトジクロロベンゼンに完全に溶解した。また、80℃で0.3wt%の化合物(C14)がクロロベンゼンに完全に溶解した。また、100℃で0.3wt%の化合物(C14)がパラクロロトルエンに完全に溶解した。
【0411】
<実施例15>
[化合物(C15)(前記式(133)の化合物;4,8−ビス[5−(4−シアノ−3−ノニルフェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール)の合成]
【0412】
(工程15−1:化合物(C15)の合成)
【0413】
【化69】
【0414】
1−ヘキシンの代わりに1−ノニンを用いた以外は、実施例8と同様にして化合物(C15)を得た。
【0415】
化合物(C15a)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.88−0.91(m、3H)、1.43−1.68(m、10H)、2.47−2.50(m、2H)、7.44−7.52(m、2H)、7.64−7.65(m、1H)
CI−MS;306(M+3)、304(M+1)
【0416】
化合物(C15b)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.86−0.90(m、3H)、1.27−1.69(m、14H)、2.78−2.82(m、2H)、7.41−7.51(m、3H)
CI−MS;310(M+3)、308(M+1)
【0417】
化合物(C15c)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.85−0.89(m、3H)、1.27−1.44(m、12H)、1.67−1.74(m、2H)、2.83−2.87(m、2H)、7.11−7.13(m、1H)、7.38−7.61(m、5H)
EI−MS;311(M)
【0418】
化合物(C15d)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.86−0.93(m、3H)、1.12−1.72(m、41H)、2.82−2.86(m、2H)、7.17−7.18(m、1H)、7.50−7.58(m、4H)
EI−MS;601(M)
【0419】
化合物(C15)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;1,2−ジクロロベンゼン−d
4;140℃;δ(ppm));0.82−0.84(m、6H)、1.25−1.42(m、24H)、1.71−1.78(m、4H)、2.84−2.88(m、4H)、7.44−7.55(m、6H)、7.69(s,2H)、9.01−9.02(m、2H)
TOF−HRMS(ASAP+);813.2891(M+1);Calcd.813.2902
化合物(C15)の溶解性を評価したところ、25℃で0.1wt%の化合物(C15)がクロロホルムに完全に溶解した。また、60℃で0.2wt%の化合物(C15)がクロロホルムに完全に溶解した。また、60℃で0.3wt%の化合物(C15)がクロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンのいずれにも完全に溶解した。また、80℃で0.3wt%の化合物(C15)がパラクロロトルエンに完全に溶解した。
【0420】
<実施例16>
[化合物(C16)(前記式(133)の化合物;4,8−ビス[5−(4−シアノ−3−デシルフェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール)の合成]
【0421】
(工程16−1:化合物(C16)の合成)
【0422】
【化70】
【0423】
1−ヘキシンの代わりに1−デシンを用いた以外は、実施例8と同様にして化合物(C16)を得た。
【0424】
化合物(C16a)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.82−0.95(m、3H)、1.18−1.39(m、8H)、1.39−1.54(m、2H)、1.58−1.72(m、2H)、2.43−2.54(m、2H)、7.41−7.47(m、1H)、7.47−7.53(m、1H)、7.62−7.68(m、1H)
CI−MS;318(M+1)、320(M+3)
【0425】
化合物(C16b)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.82−0.94(m、3H)、1.15−1.47(m、14H)、1.59−1.73(m、2H)、2.72−2.87(m、2H)、7.40−7.44(m、1H)、7.44−7.48(m、1H)、7.48−7.51(m、1H)
CI−MS;322(M+1)、324(M+3)
【0426】
化合物(C16c)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.80−0.96(m、3H)、1.14−1.50(m、14H)、1.62−1.79(m、2H)、2.77−2.94(m、2H)、7.06−7.18(m、1H)、7.35−7.40(m、1H)、7.40−7.44(m、1H)、7.46−7.55(m、2H)、7.56−7.64(m、1H)
EI−MS;325(M)
CI−MS;326(M+1)
【0427】
化合物(C16d)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.82−0.98(m、12H)、1.02−1.46(m、26H)、1.46−1.78(m、8H)、2.74−2.94(m、2H)、7.12−7.22(m、1H)、7.47−7.55(m、3H)、7.55−7.60(m、1H)
EI−MS;615(M)
CI−MS;616(M+1)
【0428】
化合物(C16)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;1,2−ジクロロベンゼン−d
4:140℃;δ(ppm));0.75−0.95(m、6H)、1.15−1.55(m、28H)、1.68−1.84(m、4H)、2.80−2.95(m、4H)、7.42−7.50(m、2H)、7.50−7.61(m、4H)、7.66−7.76(m、2H)、8.98−9.09(m、2H)
TOF−HRMS(ASAP+);841.3203(M+1);Calcd.841.3215
化合物(C16)の溶解性を評価したところ、60℃で0.2wt%の化合物(C16)がクロロホルムに完全に溶解した。また、80℃で0.3wt%の化合物(C16)がオルトジクロロベンゼン、クロロベンゼン、パラクロロトルエンに対しいずれも完全に溶解した。
【0429】
<実施例17>
[化合物(C17)(前記式(133)の化合物;4,8−ビス[5−(4−シアノ−3−ドデシルフェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール)の合成]
【0430】
(工程17−1:化合物(C17)の合成)
【0431】
【化71】
【0432】
1−ヘキシンの代わりに1−ドデシンを用いた以外は、実施例8と同様にして化合物(C17)を得た。
【0433】
化合物(C17a)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.86−0.90(m、3H)、1.43−1.68(m、16H)、2.46−2.50(m、2H)、7.44−7.52(m、2H)、7.64−7.65(m、1H)
CI−MS;348(M+3)、346(M+1)
【0434】
化合物(C17b)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.86−0.90(m、3H)、1.26−1.41(m、18H)、1.56−1.69(m、2H)、2.78−2.82(m、2H)、7.41−7.52(m、3H)
CI−MS;352(M+3)、350(M+1)
【0435】
化合物(C17c)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.86−0.89(m、3H)、1.26−1.45(m、18H)、1.66−1.74(m、2H)、2.83−2.87(m、2H)、7.11−7.61(m、6H)
EI−MS;353(M)
CI−MS;354(M+1)
【0436】
化合物(C17d)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.86−1.74(m、50H)、2.82−2.86(m、2H)、7.14−7.59(m、5H)
EI−MS;642(M)
CI−MS;642(M)
【0437】
化合物(C17)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;1,2−ジクロロベンゼン−d
4,140℃;δ(ppm));0.82−0.84(m、6H)、1.26−1.42(m、36H)、1.73−1.78(m、4H)、2.86−2.90(m、4H)、7.41−7.71(m、8H)、9.04−9.05(m、2H)
TOF−HRMS(ASAP+);897.3823(M+1);Calcd.897.3841
化合物(C17)の溶解性を評価したところ、60℃で0.2wt%の化合物(C17)がクロロホルムに完全に溶解した。また、60℃で0.3wt%の化合物(C17)がオルトジクロロベンゼンに完全に溶解した。また、80℃で0.3wt%の化合物(C17)がクロロベンゼン、パラクロロトルエンのいずれにも完全に溶解した。また、100℃で0.3wt%の化合物(C17)がキシレンのいずれにも完全に溶解した。
【0438】
<実施例18>
[化合物(C18)(前記式(133)の化合物;4,8−ビス[5−(4−シアノ−3−テトラデシルフェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール)の合成]
【0439】
(工程18−1:化合物(C18)の合成)
【0440】
【化72】
【0441】
1−ヘキシンの代わりに1−テトラデシンを用いた以外は、実施例8と同様にして化合物(C18)を得た。
【0442】
化合物(C18b)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.75−0.99(m、3H)、1.10−1.39(m、16H)、1.39−1.54(m、2H)、1.57−1.72(m、2H)、2.36−2.60(m、2H)、7.41−7.47(m、1H)、7.47−7.53(m、1H)、7.61−7.69(m、1H)
CI−MS;374(M+1)
【0443】
化合物(C18c)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.78−0.98(m、3H)、1.06−1.50(m、22H)、1.58−1.75(m、2H)、2.71−2.88(m、2H)、7.39−7.44(m、1H)、7.44−7.47(m、1H)、7.47−7.51(m、1H)
EI−MS;377(M)
CI−MS;378(M+1)
【0444】
化合物(C18d)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.75−1.00(m、3H)、1.04−1.54(m、22H)、1.58−1.82(m、2H)、2.72−2.98(m、2H)、7.04−7.18(m、1H)、7.33−7.45(m、2H)、7.45−7.56(m、2H)、7.56−7.65(m、1H)
EI−MS;381(M)
CI−MS;382(M+1)
【0445】
化合物(C18e)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.81−0.99(m、12H)、1.03−1.46(m、34H)、1.47−1.78(m、8H)、2.75−2.93(m、2H)、7.11−7.22(m、1H)、7.46−7.55(m、3H)、7.55−7.62(m、1H)
EI−MS;671(M)
CI−MS;672(M+1)
【0446】
化合物(C18)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;1,2−ジクロロベンゼン−d
4,140℃;δ(ppm));0.70−0.98(m、6H)、1.20−1.56(m、44H)、1.60−1.90(m、4H)、2.72−3.04(m、4H)、7.36−7.64(m、6H)、7.64−7.80(br、2H)、8.85−9.25(br、2H)
TOF−HRMS(ASAP+);953.4460(M+1);Calcd.953.4467
化合物(C18)の溶解性を評価したところ、60℃で0.2wt%の化合物(C18)がクロロホルムに完全に溶解した。また、80℃で0.3wt%の化合物(C18)がオルトジクロロベンゼン、1−メチルナフタレンに完全に溶解した。また、0.3wt%の化合物(C18)がクロロベンゼン、100℃で完全に溶解した。
【0447】
<実施例19>
[化合物(C19)(前記式(133)の化合物;4,8−ビス[5−(4−シアノ−3−デキサデシルフェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール))の合成]
【0448】
(工程19−1:化合物(C19)の合成)
【0449】
【化73】
【0450】
1−ヘキシンの代わりに1−ヘキサデシンを用いた以外は、実施例8と同様にして化合物(C19)を得た。
【0451】
化合物(C19b)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.86−0.90(m、3H)、1.26−1.30(m、20H)、1.45−1.49(m、2H)、1.62−1.66(m、2H)、2.46−2.50(m、2H)、7.44−7.50(m、2H)、7.64−7.65(m、1H)
CI−MS;402(M+1)
【0452】
化合物(C19c)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.86−0.90(m、3H)、1.26−1.39(m、26H)、1.64−1.67(m、2H)、2.78−2.82(m、2H)、7.41−7.50(m、3H)
CI−MS;406(M+1)
【0453】
化合物(C19d)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.86−0.89(m、3H)、1.25−1.41(m、26H)、1.68−1.72(m、2H)、2.83−2.87(m、2H)、7.11−7.13(m、1H)、7.38−7.41(m、2H)、7.49−7.52(m、2H)、7.58−7.60(m、1H)
CI−MS;410(M+1)
【0454】
化合物(C19e)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.86−0.93(m、12H)、1.05−1.40(m、38H)、1.50−1.70(m、8H)、2.82−2.86(m、2H)、7.14−7.20(m、1H)、7.50−7.58(m、4H)
CI−MS;700(M+1)
【0455】
化合物(C19)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3,55℃;δ(ppm));0.85−0.89(m、6H)、1.25−1.49(m、52H)、1.73−1.81(m、4H)、2.89−2,93(m、4H)、7.58−7.69(m、、8H)、9.04−9.05(m、2H)
TOF−HRMS(ASAP+);1009.5072(M+1);Calcd.1009.5093
化合物(C19)の溶解性を評価したところ、25℃で0.3wt%の化合物(C19)が1−メチルナフタレンに完全に溶解した。また、60℃で0.2wt%の化合物(C19)がクロロホルムに完全に溶解した。また、0.3wt%の化合物(C19)がクロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンのいずれにも80℃で完全に溶解した。
【0456】
<実施例20>
[化合物(C20)(前記式(133)の化合物;4,8−ビス[5−(4−シアノ−3−オクタデシルフェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール))の合成]
【0457】
(工程20−1:化合物(C20)の合成)
【0458】
【化74】
【0459】
1−ヘキシンの代わりに1−オクタデシンを用いた以外は、実施例8と同様にして化合物(C20)を得た。
【0460】
化合物(C20b)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.86−0.90(m、3H)、1.25−1.68(m、28H)、2.41−2.50(m、2H)、7.44−7.52(m、2H)、7.64−7.65(m、1H)
CI−MS;430(M+1)、432(M+3)
【0461】
化合物(C20c)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.86−0.90(m、3H)、1.25−1.69(m、32H)、2.78−2.86(m、2H)、7.41−7.51(m、3H)
CI−MS;434(M+1)、436(M+3)
【0462】
化合物(C20d)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.86−0.92(m、3H)、1.25−1.70(m、32H)、2.83−2.87(m、2H)、7.11−7.61(m、6H)
EI−MS;437(M)
CI−MS;438(M+1)
【0463】
化合物(C20e)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.88−1.70(m、62H)、2.82−2.86(m、2H)、7.16−7.59(m、5H)
EI−MS;727(M)
CI−MS;727(M)
【0464】
化合物(C20)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;1,2−ジクロロベンゼン―d4、140℃;δ(ppm));0.84(m、3H)、1.29−1.76(m、30H)、1.76(m、2H)、2.87(m、2H)、7.41−7.72(m、4H)、9.07(m、1H)
TOF−HRMS(ASAP+);1065.5709(M+1);Calcd.1065.5719
化合物(C20)の溶解性を評価したところ、60℃で0.1wt%の化合物(C20)がクロロホルムに完全に溶解した。また、80℃で0.3wt%の化合物(C20)がオルトジクロロベンゼンに完全に溶解した。また、0.3wt%の化合物(C20)がクロロベンゼン、1−メチルナフタレンのいずれにも100℃で完全に溶解した。
【0465】
<実施例21>
[化合物(C21)(前記式(133)の化合物;4,8−ビス[5−(4−シアノ−3−(3−メチルヘキシル)フェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール))の合成]
【0466】
(工程21−1:化合物(C21)の合成)
【0467】
【化75】
【0468】
1−ヘキシンの代わりに3−メチル−1−ヘキシンを用いた以外は、実施例8と同様にして化合物(C21)を得た。
【0469】
化合物(C21b)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.93−0.97(m、3H)、1.28−1.30(m、6H)、1.46−1.63(m、4H)、2.71−2.76(m、1H)、7.44−7.50(m、2H)、7.65−7.66(m、1H)
CI−MS;276(M+1)
【0470】
化合物(C21c)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.89−0.91(m、3H)、0.96−0.97(m、3H)、1.14−1.68(m、7H)、2.74−2.87(m、2H)、7.41−7.50(m、3H)
CI−MS;280(M+1)
【0471】
化合物(C21d)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.88−0.92(m、3H)、0.98−0.99(m、3H)、1.15−1.71(m、7H)、2.78−2.93(m、2H)、7.11−7.13(m、1H)、7.38−7.41(m、2H)、7.48−7.52(m、2H)、7.58−7.60(m、1H)
CI−MS;284(M+1)
【0472】
化合物(C21e)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.87−0.93(m、12H)、0.98−0.99(m、3H)、1.05−1.73(m、25H)、2.77−2.92(m、2H)、7.14−7.20(m、1H)、7.49−7.58(m、4H)
CI−MS;574(M+1)
【0473】
化合物(C21)の物性値は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz;1,2−ジクロロベンゼン−d
4,140℃;δ(ppm));0.86−0.97(m、12H)、1.17−1.79(m、14H)、2.85−2.91(m、4H)、7.46−7.57(m、6H)、7.71(brs、2H)、9.03−9.04(m、2H)
TOF−HRMS(ASAP+);757.2261(M+1);Calcd.757.2276
化合物(C21)の溶解性を評価したところ、60℃で0.2wt%の化合物(C21)がクロロホルムに完全に溶解した。また、80℃で0.3wt%の化合物(C21)がクロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン、1−メチルナフタレンのいずれにも完全に溶解した。
【0474】
<参考例P−22>
[化合物(C22);4,8−ビス[5−(4−シアノ−3,5−ジヘキシルフェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール))の合成]
【0475】
(工程22−1:化合物(C22)の合成)
【0476】
【化76】
【0477】
4−ブロモ−2−ヨードベンゾニトリルの代わりに4−ブロモ−2,6−ジヨードベンゾニトリルを用いた以外は、実施例8と同様にして化合物(C22)を得た。
【0478】
化合物(C22b)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.86−0.97(m、3H)、1.45−1.66(m、4H)、2.48−2.50(m、2H)、7.51(s、1H)
CI−MS;342(M+1)、344(M+3)
【0479】
化合物(C22c)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.87−0.97(m、3H)、1.26−1.69(m、8H)、2.77−2.82(m、2H)、7.29(s、1H)
CI−MS;350(M+1)、352(M+3)
【0480】
化合物(C22d)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.88−0.91(m、6H)、1.26−1.73(m、16H)、2.82−2.86(m、4H)、7.11−7.40(m、5H)
EI−MS;353(M)
CI−MS;354(M+1)
【0481】
化合物(C22e)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.88−1.73(m、49H)、2.82−2.86(m、4H)、7.16−7.50(m、4H)
EI−MS;643(M)
CI−MS;644(M+1)
【0482】
化合物(C22)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.94(m、3H)、1.35−1.48(m、6H)、1.72−1.79(m、2H)、2.89−2.92(m、2H)、7.58(s、2H)、7.63(m、1H)、9.10(m、1H)
TOF−HRMS(ASAP+);897.3832(M+1);Calcd.897.3841
化合物(C22)の溶解性を評価したところ、室温(25℃)で0.3wt%の化合物(C22)がトルエンに完全に溶解した。また、室温(25℃)で0.1wt%の化合物(C22)がクロロホルム、オルトジクロロベンゼン、1−メチルナフタレンのいずれにも完全に溶解した。
【0483】
<参考例4>
[化合物(RR4)(4,8−ビス[5−(4−シアノ−3−オクチルオキシフェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール))の合成]
【0484】
(工程RR4−1:化合物(RR4)の合成)
【0485】
【化77】
【0486】
温度計と攪拌装置を備えた容量500mLのガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、2−シアノ−5−ブロモ−1−ベンゼンフェノール10.65g(53.8mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド300mL、炭酸カリウム8.65g(62.6mmol)、1−ブロモオクタン12.66g(65.6mmol)、ヨウ化カリウム0.84g(5.1mmol)を加えた後に、内温を70℃に加熱した。撹拌しながら内温を70℃で1時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却した後に、ろ過してろ液にエーテルで抽出した。抽出液を水洗、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、黄色固体として、化合物(RR4c)を14.09g得た。
【0487】
化合物(RR4c)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.87−0.91(m、3H)、1.29−1.49(m、10H)、1.82−1.89(m、2H)、4.04−4.07(m、2H)、7.11−7.41(m、3H)
CI−MS;310(M+1)、312(M+3)
【0488】
化合物(C8c)の代わりに化合物(RR4c)を用いた以外は、実施例8と同様にして化合物(RR4)を得た。
【0489】
化合物(RR4d)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.87−0.91(m、3H)、1.27−1.54(m、10H)、1.85−1.90(m、2H)、4.11−4.15(m、2H)、7.11−7.55(m、6H)
EI−MS;313(M)
CI−MS;314(M+1)
【0490】
化合物(RR4e)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.87−1.8(m、42H)、4.11−4.15(m、2H)、7.13−7.52(m、5H)
CI−MS;604(M+1)
【0491】
化合物(RR4)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;1,2−ジクロロベンゼン−d4;δ(ppm));0.86(m、3H)、1.27(m、8H)、1.47(m、2H)、1.78(m、2H)、4.10(m、2H)、7.30−7.54(m、4H)、9.05(m、1H)
TOF−HRMS(ASAP−);816.2405(M−1);Calcd.816.2409
<実施例23>
[化合物(C23)(前記式(133)の化合物;4,8−ビス[5−(4−シアノ−3−(2−(4’−ペンチル−[1,1’−ビ(シクロヘキサン)]−4−イル)エチル)フェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール))の合成]
【0492】
(工程23−1:化合物(C23)の合成)
【0493】
【化78】
【0494】
温度計と攪拌装置を備えた容量500mLのガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、2−ヨード−4−ブロモベンゾニトリル9.2g(29.8mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド200mL、4−ペンチル−4’−ビニル−1,1’−ビ(シクロヘキサン)7.9g(30.0mmol)、酢酸パラジウム0.54g(2.41mmol)、炭酸水素ナトリウム6.30g(59.4mmol)、4−ペンチル−4’−ビニル−1,1’−ビシクロヘキサン12.13gを加えた後に、内温を80℃に加熱した。撹拌しながら内温を80℃で8時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却した後に、トルエンで抽出した。抽出液を水洗、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、カラム精製して、白色固体として、化合物(C23b)を4.81g得た。
【0495】
化合物(C23b)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.83−2.15(m、31H)、6.34−6.65(m、2H)、7.37−7.76(m、3H)
CI−MS;442(M+1)、444(M+3)
【0496】
化合物(C8b)の代わりに化合物(C23b)を用いた以外は、実施例8と同様にして化合物(C23)を得た。
【0497】
化合物(C23c)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.83−1.85(m、33H)、2.78−2.82(m、2H)、7.40−7.48(m、3H)
CI−MS;444(M+1)、446(M+3)
【0498】
化合物(C23d)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.85−1.88(m、33H)、2.84−2.88(m、2H)、7.11−7.60(m、6H)
EI−MS;447(M)
CI−MS;448(M+1)
【0499】
化合物(C23e)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.87−1.76(m、60H)、2.83−2.87(m、2H)、7.16−7.58(m、4H)
EI−MS;737(M)
CI−MS;738(M+1)
【0500】
化合物(C23)の物性値は以下の通りであった。
FD−MS;1085(Calcd.1085)
<実施例24>
[化合物(C24)(前記式(115)の化合物;4,8−ビス[5−(3−オクチル−4−(トリフルオロメチル)フェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール))の合成]
【0501】
(工程24−1:化合物(C24)の合成)
【0502】
【化79】
【0503】
攪拌装置を備えた容量250Lのガラス製反応容器に、炭酸ナトリウム7.2g(68.0mmol)、2−チオフェンボロン酸2.6g(20.4mmol)、4−ブロモ−2−クロロベンゾトリフルオライド2.5mL(17.0mmol)、トルエン102mL、エタノール51mL、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム2.0g(1.7mmol)を加え、80℃で16時間反応させた。反応物に水を加え塩化メチレンで抽出した後、硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を減圧留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し白色固体として化合物(C24c)を4.4g得た。
【0504】
化合物(C24c)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CD
2Cl
2;δ(ppm));7.13−7.17(m、1H)、7.43−7.46(m、2H)、7.60−7.62(m、1H)、7.70(d、1H)、7.78(d、1H)
EI−MS;262(M)
【0505】
攪拌装置を備えた容量250Lのガラス製反応容器に、化合物(C24c)1.8g(7.0mmol)、オクチルボロン酸1.7g(10.5mmol)、リン酸カリウム3.7g(17.5mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル574.7mg(1.4mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム320.5mg(0.35mmol)、トルエン21mL、エタノール51mLを加え、80℃で16時間反応させた。反応物に水を加えジエチルエーテルで抽出した後、硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を減圧留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し無色液体として化合物(C24d)を2.3g得た。
【0506】
化合物(C24d)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CD
2Cl
2;δ(ppm));0.88(t、3H)、1.28−1.46(m、10H)、1.61−1.69(m、2H)、2.77−2.81(m、2H)、7.11−7.14(m、1H)、7.37−7.38(m、1H)、7.42−7.43(m、1H)、7.51−7.53(m、1H)、7.58−7.62(m、2H)
EI−MS;340(M)
【0507】
攪拌装置を備えた容量50mlのガラス製反応容器に、化合物(C24d)を1.0g(3.0mmol)及び、無水テトラヒドロフラン18mlを加え、内温−73℃を保ちながら1.6規定のノルマルブチルリチウム−ヘキサン溶液を2.1ml加え、同温度で1時間攪拌した後、同温度でトリブチルスズクロリド0.9ml(3.3mmol)を加えて室温まで昇温し1時間攪拌した。メタノールを加えクエンチした後、溶媒を留去した。得られた反応粗生成物にヘキサンを加えシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)によって精製することにより、無色液体として化合物(C24e)を1.9g得た。
【0508】
化合物(C24e)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CD
2Cl
2;δ(ppm));0.87−0.93(m、12H)、1.13−1.17(m、4H)、1.29−1.46(m、14H)、1.56−1.69(m、12H)、2.76−2.80(m、2H)、7.18(d、1H)、7.51−7.57(m、2H)、7.58−7.60(m、2H)
FD−MS;629(M)
【0509】
攪拌装置を備えた容量30mLのガラス製反応容器に、化合物(C24e)を1.8g(2.8mmol)、ジブロモベンゾビスチアジアゾール246.4mg(0.7mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)を147.4mg(0.2mmol)及び無水トルエン10.5mLを加え、内温約100℃で6時間反応させた。反応液を濃縮しヘキサンを加え沈殿物を濾取することにより粗体2.1gを得た。得られた粗体をソックスレー抽出(トルエン)し抽出液を−26℃まで冷却、再結晶することを繰り返すことにより、暗緑色粉末として化合物(C24)を259.7mg得た。
【0510】
化合物(C24)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;C
6D
4Cl
2;δ(ppm));1.07−1.10(m、6H)、1.48−1.67(m、20H)、1.90−1.98(m、4H)、3.06−3.10(m、4H)、7.80−7.85(m、6H)、8.00(s、2H)、9.30(d、2H)
FD−MS;871(M)
化合物(C24)の溶解性を評価したところ、60℃で0.2wt%の化合物(C24)がクロロホルムに完全に溶解した。また、60℃で0.3wt%の化合物(C24)がオルトジクロロベンゼン、トルエン、メシチレン、1−メチルナフタレンに完全に溶解した。
【0511】
<実施例25>
[化合物(C25)(前記式(87)の化合物;4,8−ビス[5−(4−オクチル−3−(トリフルオロメチル)フェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール))の合成]
【0512】
(工程25−1:化合物(C25)の合成)
【0513】
【化80】
【0514】
4−ブロモ−2−クロロベンゾトリフルオライドの代わりに5−ブロモ−2−クロロベンゾトリフルオライドを用いた以外は、実施例24と同様にして化合物(C25)を得た。
【0515】
化合物(C25c)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CD
2Cl
2;δ(ppm));7.11−7.14(m、1H)、7.38−7.40(m、2H)、7.53(d、1H)、7.71−7.74(m、1H)、7.92(d、1H)
EI−MS;262(M)
【0516】
化合物(C25d)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CD
2Cl
2;δ(ppm));0.89(t、3H)、1.27−1.44(m、10H)、1.59−1.66(m、2H)、2.75−2.79(m、2H)、7.08−7.14(m、1H)、7.32−7.41(m、3H)、7.69−7.72(m、1H)、7.83(d、1H)
EI−MS;340(M)
【0517】
化合物(C25e)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CD
2Cl
2;δ(ppm));0.91−0.94(m、12H)、1.12−1.17(m、4H)、1.25−1.40(m、18H)、1.56−1.66(m、8H)、2.74−2.78(m、2H)、7.16(d、1H)、7.35(d、1H)、7.45−7.46(m、1H)、7.70−7.72(m、1H)、7.83(d、1H)
FD−MS;629(M)
【0518】
化合物(C25)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;C
6D
4Cl
2;δ(ppm));1.08−1.11(m、6H)、1.49−1.66(m、20H)、1.86−1.94(m、4H)、3.03−3.07(m、4H)、7.54(d、2H)、7.72(d、2H)、8.01−8.03(m、2H)、8.28(s、2H)、9.28(d、2H)
FD−MS;871(M)
化合物(C25)の溶解性を評価したところ、60℃で0.2wt%の化合物(C25)がクロロホルムに完全に溶解した。また、60℃で0.3wt%の化合物(C25)がオルトジクロロベンゼン、トルエン、メシチレン、1−メチルナフタレンに完全に溶解した。
【0519】
<実施例26>
[化合物(C26)(前記式(106)の化合物;4,8−ビス[5−(3−シアノ−4−オクチルフェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール))の合成]
【0520】
(工程26−1:化合物(C26)の合成)
【0521】
【化81】
【0522】
4−ブロモ−2−クロロベンゾトリフルオライドの代わりに5−ブロモ−2−クロロベンゾニトリルを用いた以外は、実施例24の化合物(C24c)、化合物(C24d)の合成と同様にして化合物(C26c)、化合物(C26d)を得た。
【0523】
化合物(C26c)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CD
2Cl
2;δ(ppm));7.12−7.18(m、1H)、7.38−7.42(m、2H)、7.53(d、1H)、7.76−7.79(m、1H)、7.92(d、1H)
EI−MS;219(M)
【0524】
化合物(C26d)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CD
2Cl
2;δ(ppm));0.89(t、3H)、1.28−1.43(m、10H)、1.64−1.72(m、2H)、2.81−2.85(m、2H)、7.10−7.12(m、1H)、7.34−7.36(m、3H)、7.73−7.75(m、1H)、7.84(d、1H)
EI−MS;297(M)
【0525】
攪拌装置を備えた容量30mLのガラス製反応容器に、化合物(C26d)を892.4mg(3.0mmol)及び、無水テトラヒドロフラン9mlを加え、内温−74℃を保ちながら1.1規定のリチウムジイソプロピルアミドヘキサン−テトラヒドロフラン溶液を3.0ml加え、同温度で1時間攪拌した後、同温度でトリブチルスズクロリド0.9ml(3.3mmol)を加えて室温まで昇温し1時間攪拌した。メタノールを加えクエンチした後、溶媒を留去した。得られた反応粗生成物にヘキサンを加えシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:1容量比)によって精製することにより、無色液体として化合物(C26e)を1.7g得た。
【0526】
化合物(C26e)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CD
2Cl
2;δ(ppm));0.86−0.92(m、12H)、1.12−1.17(m、4H)、1.28−1.40(m、18H)、1.55−1.69(m、8H)、2.80−2.84(m、2H)、7.16(d、1H)、7.33(d、1H)、7.44−7.46(m、1H)、7.73−7.75(m、1H)、7.84(d、1H)
FD−MS;586(M)
【0527】
化合物(C24e)の代わりに化合物(C26e)を用いた以外は、実施例24の化合物(C24)の合成と同様にして化合物(C26)を得た。
【0528】
化合物(C26)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;C
6D
4Cl
2;δ(ppm));1.07−1.10(m、6H)、1.47−1.64(m、20H)、1.89−1.96(m、4H)、3.03−3.07(m、4H)、7.47(d、2H)、7.67(d、2H)、7.99−8.01(m、2H)、8.13(d、2H)、9.28(d、2H)
FD−MS;784(M)
化合物(C26)の溶解性を評価したところ、室温(25℃)で0.2wt%の化合物(C26)がクロロホルムに完全に溶解した。また、60℃で0.3wt%の化合物(C26)がオルトジクロロベンゼン、1−メチルナフタレンに完全に溶解した。また、80℃で0.3wt%の化合物(C26)がトルエン、メシチレンに完全に溶解した。
【0529】
<実施例27>
[化合物(C27)(前記式(115)の化合物;4,8−ビス[5−(3−ドデシル−4−(トリフルオロメチル)フェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール))の合成]
【0530】
(工程27−1:化合物(C27)の合成)
【0531】
【化82】
【0532】
オクチルボロン酸の代わりにドデシルボロン酸を用いた以外は、実施例24と同様にして化合物(C27)を得た。
【0533】
化合物(C27d)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CD
2Cl
2;δ(ppm));0.88(t、3H)、1.27−1.45(m、18H)、1.61−1.69(m、2H)、2.77−2.81(m、2H)、7.11−7.14(m、1H)、7.37−7.39(m、1H)、7.42−7.43(m、1H)、7.51−7.53(m、1H)、7.58−7.62(m、2H)
EI−MS;396(M)
【0534】
化合物(C27e)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CD
2Cl
2;δ(ppm));0.86−0.93(m、12H)、1.13−1.17(m、4H)、1.27−1.42(m、26H)、1.56−1.69(m、8H)、2.76−2.80(m、2H)、7.18(d、1H)、7.51−7.53(m、2H)、7.58−7.60(m、2H)
FD−MS;685(M)
【0535】
化合物(C27)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;C
6D
4Cl
2;δ(ppm));1.06−1.09(m、6H)、1.48−1.67(m、36H)、1.91−1.99(m、4H)、3.07−3.11(m、4H)、7.80−7.85(m、6H)、8.01(br、2H)、9.30(d、2H)
FD−MS;983(M)
化合物(C27)の溶解性を評価したところ、60℃で0.1wt%の化合物(C27)がクロロホルムに完全に溶解した。また、60℃で0.3wt%の化合物(C27)がオルトジクロロベンゼン、トルエン、メシチレン、1−メチルナフタレンに完全に溶解した。
【0536】
<実施例28>
[化合物(C28)(前記式(87)の化合物;4,8−ビス[5−(4−ドデシル−3−(トリフルオロメチル)フェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール))の合成]
【0537】
(工程28−1:化合物(C28)の合成)
【0538】
【化83】
【0539】
オクチルボロン酸の代わりにドデシルボロン酸を用いた以外は、実施例25と同様にして化合物(C28)を得た。
【0540】
化合物(C28d)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CD
2Cl
2;δ(ppm));0.88(t、3H)、1.27−1.42(m、18H)、1.56−1.66(m、2H)、2.75−2.79(m、2H)、7.09−7.11(m、1H)、7.32−7.38(m、3H)、7.69−7.72(m、1H)、7.83(d、1H)
EI−MS;396(M)
【0541】
化合物(C28e)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CD
2Cl
2;δ(ppm));0.86−0.94(m、12H)、1.12−1.16(m、4H)、1.27−1.40(m、26H)、1.56−1.66(m、8H)、2.74−2.78(m、2H)、7.16(d、1H)、7.35(d、1H)、7.45−7.47(m、1H)、7.70−7.72(m、1H)、7.83(d、1H)
FD−MS;685(M)
【0542】
化合物(C28)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;C
6D
4Cl
2;δ(ppm));1.07−1.10(m、6H)、1.49−1.67(m、36H)、1.88−1.95(m、4H)、3.04−3.07(m、4H)、7.55(d、2H)、7.72(d、2H)、8.03(d、2H)、8.29(s、2H)、9.29(d、2H)
FD−MS;983(M)
化合物(C28)の溶解性を評価したところ、80℃で0.1wt%の化合物(C28)がクロロホルムに完全に溶解した。また、80℃で0.3wt%の化合物(C28)がオルトジクロロベンゼンに溶解した。また、100℃で0.3wt%の化合物(C28)がトルエン、メシチレン、1−メチルナフタレンに完全に溶解した。
【0543】
<実施例29>
[化合物(C29)(前記式(133)の化合物;4,8−ビス[5−(4−シアノ−3−(2−メチルヘキシル)フェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール))の合成]
【0544】
(工程29−1:化合物(C29)の合成)
【0545】
【化84】
【0546】
4−ブロモ−2−クロロベンゾトリフルオライドの代わりに4−ブロモ−2−クロロベンゾニトリルを用いた以外は、実施例24と同様にして化合物(C29c)を得た。
【0547】
化合物(C29c)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CD
2Cl
2;δ(ppm));7.14−7.17(m、1H)、7.46−7.48(m、2H)、7.60−7.62(m、1H)、7.66−7.69(m、1H)、7.77(d、1H)
EI−MS;219(M)
【0548】
攪拌装置を備えた容量50mLのガラス製反応容器に、2−エチルヘキシルマグネシウムブロマイド17.4mL(17.4mmol:濃度1.0M/ジエチルエーテル溶液)を入れ0℃に冷却し、塩化亜鉛(II)15.8mL(17.4mmol:濃度1.1M/ジエチルエーテル溶液)を加え、同温度で1時間攪拌した後、溶媒を留去しテトラヒドロフラン35mLを加え2−エチルヘキシル亜鉛クロライド溶液とした。攪拌装置を備えた容量100mLのガラス製反応容器にトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム531.1mg(0.58mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル952.4mg(2.3mmol)、テトラヒドロフラン23mLを加え、室温で15分間攪拌し、化合物(C29c)2.6g(11.6mmol)を加えた後、0℃に冷却し先に調整した2−エチルヘキシル亜鉛クロライド溶液を加えた後、50℃で3時間反応させた。メタノールを加えクエンチした後、溶媒を留去し飽和塩化アンモニウム水溶液を加えジエチルエーテルで抽出、硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を減圧留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=95:5)で精製し白色固体として化合物(C29d)を3.1g得た。
【0549】
化合物(C29d)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CD
2Cl
2;δ(ppm));0.86−0.93(m、6H)、1.26−1.41(m、8H)、1.71−1.77(m、1H)、2.78(d、2H)、7.13−7.15(m、1H)、7.41−7.45(m、2H)、7.52−7.54(m、2H)、7.60−7.62(m、1H)
EI−MS;297(M)
【0550】
攪拌装置を備えた容量100mLのガラス製反応容器に、化合物(C29d)を3.5g(11.8mmol)及び、無水テトラヒドロフラン35mLを加え、内温−75℃を保ちながら1.1Mのリチウムジイソプロピルアミドヘキサン−テトラヒドロフラン溶液を11.9mL加え、同温度で1時間攪拌した後、同温度でトリブチルスズクロリド3.5mL(13.0mmol)を加えて室温まで昇温し1時間攪拌した。メタノールを加えクエンチした後、溶媒を留去した。得られた反応粗生成物にヘキサンを加えシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:1容量%)によって精製することにより、薄黄色液体として化合物(C29e)を4.6g得た。
【0551】
化合物(C29e)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CD
2Cl
2;δ(ppm));0.86−0.93(m、15H)、1.11−1.41(m、22H)、1.56−1.65(m、5H)、2.78(d、2H)、7.19(d、1H)、7.52−7.55(m、3H)、7.58−7.60(m、1H)
FD−MS;586(M)
【0552】
攪拌装置を備えた容量50mLのガラス製反応容器に、化合物(C29e)を4.6g(7.8mmol)、ジブロモベンゾビスチアジアゾール683.8mg(1.9mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)を408.5mg(0.58mmol)及び無水トルエン30mLを加え、内温約100℃で7時間反応させた。反応液を濃縮しヘキサンを加え沈殿物を濾取することにより粗体1.96gを得た。得られた粗体をソックスレー抽出(クロロホルム)し抽出液を−26℃まで冷却、再結晶することを繰り返すことにより、濃緑色粉末として化合物(C29)を307.1mg得た。
【0553】
化合物(C29)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;C
6D
4Cl
2;δ(ppm));1.08−1.15(m、12H)、1.49−1.64(m、16H)、2.03−2.08(m、2H)、3.04(d、4H)、7.70(d、2H)、7.78−7.81(m、4H)、7.94(d、2H)、9.29(d、2H)
FD−MS;785(M)
【0554】
化合物(C29)の溶解性を評価したところ、60℃で0.1wt%の化合物(C29)がクロロホルムに、0.3wt%の化合物(C29)が1−メチルナフタレンに完全に溶解した。
【0555】
<実施例30>
[化合物(C30)(前記式(115)の化合物;4,8−ビス[5−(3−(2−メチルヘキシル)−4−(トリフルオロメチル)フェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール))の合成]
【0556】
(工程30−1:化合物(C30)の合成)
【0557】
【化85】
【0558】
攪拌装置を備えた容量100mLのガラス製反応容器に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム457.9mg(0.5mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル821.1mg(2.0mmol)、テトラヒドロフラン20mLを加え、室温で15分間攪拌し、化合物(C24c)2.6g(10.0mmol)を加えた後、0℃に冷却し2−エチルヘキシルマグネシウムブロマイド30mL(15.0mmol:濃度0.5M/テトラヒドロフラン溶液)を加えた後、室温で4時間反応させた。メタノールを加えクエンチした後、溶媒を留去し飽和塩化アンモニウム水溶液を加えジエチルエーテルで抽出、硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を減圧留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し薄黄色液体として化合物(C30d)を2.7g得た。
【0559】
化合物(C30d)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CD
2Cl
2;δ(ppm));0.85−0.93(m、6H)、1.25−1.41(m、8H)、1.71−1.74(m、1H)、2.74−2.76(m、2H)、7.12−7.15(m、1H)、7.37−7.46(m、2H)、7.52−7.65(m、3H)
EI−MS;340(M)
【0560】
攪拌装置を備えた容量100mLのガラス製反応容器に、化合物(C30d)を1.7g(5.0mmol)及び、無水テトラヒドロフラン30mLを加え、内温−74℃を保ちながら1.6Mのノルマルブチルリチウム−ヘキサン溶液を3.4mL加え、同温度で1時間攪拌した後、同温度でトリブチルスズクロリド1.5mL(5.5mmol)を加えて室温まで昇温し1時間攪拌した。メタノールを加えクエンチした後、溶媒を留去した。得られた反応粗生成物にヘキサンを加えシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)によって精製することにより、薄黄色液体として化合物(C30e)を3.1g得た。
【0561】
化合物(C30e)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CD
2Cl
2;δ(ppm));0.80−0.93(m、15H)、1.11−1.64(m、27H)、2.74(d、2H)7.18(d、1H)、7.51−7.54(m、2H)、7.57(s、1H)、7.60(d、1H)
FD−MS;629(M)
【0562】
攪拌装置を備えた容量50mLのガラス製反応容器に、化合物(C30e)を3.0g(4.8mmol)、ジブロモベンゾビスチアジアゾール422.4mg(1.2mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)を252.7mg(0.36mmol)及び無水トルエン18mLを加え、内温約100℃で7時間反応させた。反応液を濃縮しヘキサンを加え沈殿物を濾取することにより粗体733.8mgを得た。得られた粗体をソックスレー抽出(トルエン及びクロロホルム)し抽出液を−26℃まで冷却、再結晶することを繰り返すことにより、暗緑色粉末として化合物(C30)を242.3mg得た。
【0563】
化合物(C30)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;C
6D
4Cl
2;δ(ppm));1.08−1.14(m、12H)、1.49−1.66(m、16H)、2.03−2.08(m、2H)、3.01−3.09(m、4H)、7.80−7.84(m、6H)、8.01(s、2H)、9.30(d、2H)
FD−MS;870(M)
【0564】
化合物(C30)の溶解性を評価したところ、60℃で0.2wt%の化合物(C30)がクロロホルムに完全に溶解した。また、60℃で0.3wt%の化合物(C30)が1−メチルナフタレンに完全に溶解した。また、80℃で0.3wt%の化合物(C30)がトルエン、メシチレン、オルトジクロロベンゼンに完全に溶解した。
【0565】
<実施例31>
[化合物(C31)(前記式(87)の化合物;4,8−ビス[5−(4−(2−メチルヘキシル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール))の合成]
【0566】
(工程31−1:化合物(C31)の合成)
【0567】
【化86】
【0568】
攪拌装置を備えた容量100mLのガラス製反応容器に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム320.5mg(0.35mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル574.7mg(1.4mmol)、テトラヒドロフラン15mLを加え、室温で15分間攪拌し、化合物(C25c)1.8g(7.0mmol)を加えた後、0℃に冷却し2−エチルヘキシルマグネシウムブロマイド10.5mL(10.50mmol:濃度0.5M/テトラヒドロフラン溶液)を加えた後、室温で19時間反応させた。メタノールを加えクエンチした後、溶媒を留去し飽和塩化アンモニウム水溶液を加えジエチルエーテルで抽出、硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を減圧留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し薄黄色液体として化合物(C31d)を2.1g得た。
【0569】
化合物(C31d)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CD
2Cl
2;δ(ppm));0.85−0.93(m、6H)、1.25−1.40(m、8H)、1.68−1.72(m、1H)、2.71−2.74(m、2H)、7.09−7.12(m、1H)、7.32−7.37(m、3H)、7.69−7.71(m、1H)、7.85(d、1H)
EI−MS;340(M)
【0570】
攪拌装置を備えた容量100mLのガラス製反応容器に、化合物(C31d)を2.1g(6.2mmol)及び、無水テトラヒドロフラン37mLを加え、内温−73℃を保ちながら1.6Mのノルマルブチルリチウム−ヘキサン溶液を4.2mL加え、同温度で1時間攪拌した後、同温度でトリブチルスズクロリド1.8mL(6.8mmol)を加えて室温まで昇温し1時間攪拌した。メタノールを加えクエンチした後、溶媒を留去した。得られた反応粗生成物にヘキサンを加えシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)によって精製することにより、薄黄色液体として化合物(C31e)を3.4g得た。
【0571】
化合物(C31e)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CD
2Cl
2;δ(ppm));0.85−0.92(m、15H)、1.13−1.40(m、23H)、1.56−1.64(m、4H)、2.71(d、2H)7.16(d、1H)、7.34(d、1H)、7.46−7.47(m、1H)、7.69−7.72(m、1H)、7.85(d、1H)
FD−MS;630(M)
【0572】
攪拌装置を備えた容量50mLのガラス製反応容器に、化合物(C34e)を3.4g(5.4mmol)、ジブロモベンゾビスチアジアゾール475.2mg(1.4mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)を287.8mg(0.41mmol)及び無水トルエン20mLを加え、内温約100℃で7時間反応させた。反応液を濃縮しヘキサンを加え沈殿物を濾取することにより粗体659.8mgを得た。得られた粗体をソックスレー抽出(クロロホルム)し抽出液を−26℃まで冷却、再結晶することを繰り返すことにより、暗緑色固体として化合物(C31)を149.9mg得た。
【0573】
化合物(C31)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;C
6D
4Cl
2;δ(ppm));1.07−1.13(m、12H)、1.48−1.63(m、16H)、1.97−2.03(m、2H)、3.00−3.02(m、4H)、7.56(d、2H)、7.72(d、2H)、8.02−8.04(m、2H)、8.31(d、2H)、9.28(d、2H)
FD−MS;870(M)
【0574】
化合物(C31)の溶解性を評価したところ、室温で0.2wt%の化合物(C31)がクロロホルムに完全に溶解した。また、室温で0.3wt%の化合物(C31)がトルエン、メシチレン、オルトジクロロベンゼン、1−メチルナフタレンに完全に溶解した。
【0575】
<比較例6>
[化合物(RC6)(4,8−ビス[4−ヘキシル−5−(3−(2−メチルヘキシル)−4−(トリフルオロメチル)フェニル)チオフェン−2−イル]ベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール))の合成]
【0576】
(工程R6−1:化合物(RC6)の合成)
【0577】
【化87】
【0578】
不活性ガス雰囲気下、攪拌装置を備えた容量300mLのガラス製反応容器に、4−ブロモ−シアノベンゼンを6.0g(33mmol)、3−ヘキシル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)チオフェンを9.70g(33mmol)、炭酸カリウム5.46g(39.6mmol)及び無水ジメチルホルムアミド80mLを加え、凍結脱気した。テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)を0.57g(0.5mmol)加え、内温約90℃で4時間反応させた。反応終了後、ヘキサン200mL、水500mLを加え、抽出を行った。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、白色固体として化合物(RC6d)を7.4g得た。
【0579】
化合物(RC6d)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.76−0.96(m、3H)、1.12−1.42(m、6H)、1.48−1.72(m、2H)、2.56−2.75(m、2H)、6.96−7.06(m、H)、7.28−7.35(m、H)、7.48−7.58(m、H)、7.64−7.74(m、H)
EI−MS;269(M)
CI−MS;270(M+1)
【0580】
化合物(C8d)の代わりに化合物(RC6d)を用いた以外は、実施例8と同様にして化合物(RC6)を得た。
【0581】
化合物(RC6e)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;CDCl
3;δ(ppm));0.78−1.00(m、12H)、1.00−1.22(m、6H)、1.22−1.44(m、12H)、1.44−1.76(m、8H)、2.55−2.80(m、2H)、6.95−7.10(m、H)、7.46−7.60(m、2H)、7.60−7.74(m、2H)
EI−MS;559(M)
CI−MS;560(M+1)
【0582】
化合物(RC6)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz;1,2−ジクロロベンゼン−d
4,140℃;δ(ppm));0.72−0.98(m、6H)、1.12−1.58(m、12H)、1.64−1.96(m、4H)、2.66−3.02(m、4H)、7.46−7.59(m、4H)、7.59−7.74(m、4H)、8.95−9.15(br、2H)
TOF−HRMS(ASAP+);729.1954(M+1);Calcd.729.1963
【0583】
<実施例E−1>
実施例1で得られた化合物(C1)を用いて、「PS基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0584】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C1)をメシチレンに0.3wt%となるように加え、130℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PS基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0585】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0586】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PS基板」上の化合物(C1)の有機TFTでは、1.3×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0587】
<実施例E−2>
実施例1で得られた化合物(C1)を用いて、「PVP基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0588】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C1)をメシチレンに0.3wt%となるように加え、130℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を180℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0589】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。得られた伝達特性を
図5に示す。
図5の横軸はゲート電圧(V)、縦軸はドレイン電流(A)である。
【0590】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C1)の有機TFTでは、6.1×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0591】
<実施例E−3>
実施例1で得られた化合物(C1)を用いて、「CYC基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0592】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C1)をメシチレンに0.3wt%となるように加え、130℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「CYC基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「CYC基板」を210℃で1分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0593】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0594】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「CYC基板」上の化合物(C1)の有機TFTでは、1.6×10
0cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0595】
<実施例E−4>
実施例1で得られた化合物(C1)を用いて、「HMDS基板」上に真空蒸着法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0596】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0597】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「HMDS修飾基板」上の化合物(C1)の有機TFTでは、5.6×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0598】
さらに、この有機TFTを7日間大気下に放置した後、再びドレイン電圧を100Vとして電気特性を評価した。その結果、4.8×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0599】
また、この有機TFTをさらに7日間、計14日間大気下に放置した後、ドレイン電圧を100Vとして電気特性を評価した。その結果、4.9×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0600】
また、この有機TFTをさらに14日間、計28日間大気下に放置した後、ドレイン電圧を100Vとして電気特性を評価した。その結果、4.8×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0601】
また、この有機TFTをさらに32日間、計60日間大気下に放置した後、ドレイン電圧を100Vとして電気特性を評価した。その結果、4.8×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0602】
また、この有機TFTをさらに29日間、計89日間大気下に放置した後、ドレイン電圧を100Vとして電気特性を評価した。その結果、4.7×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0603】
また、この有機TFTをさらに29日間、計118日間大気下に放置した後、ドレイン電圧を100Vとして電気特性を評価した。その結果、6.3×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0604】
<実施例E−5>
実施例1で得られた化合物(C1)を用いて、「PS基板」上に真空蒸着法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0605】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0606】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PS基板」上の化合物(C1)の有機TFTでは、5.3×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0607】
さらに、この有機TFTを7日間大気下に放置した後、再びドレイン電圧を100Vとして電気特性を評価した。その結果、4.1×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0608】
また、この有機TFTをさらに7日間、計14日間大気下に放置した後、ドレイン電圧を100Vとして電気特性を評価した。その結果、4.1×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0609】
また、この有機TFTをさらに14日間、計28日間大気下に放置した後、ドレイン電圧を100Vとして電気特性を評価した。その結果、4.1×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0610】
また、この有機TFTをさらに32日間、計60日間大気下に放置した後、ドレイン電圧を100Vとして電気特性を評価した。その結果、4.1×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0611】
また、この有機TFTをさらに29日間、計89日間大気下に放置した後、ドレイン電圧を100Vとして電気特性を評価した。その結果、4.2×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0612】
また、この有機TFTをさらに29日間、計118日間大気下に放置した後、ドレイン電圧を100Vとして電気特性を評価した。その結果、4.2×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0613】
<実施例E−6>
実施例1で得られた化合物(C1)を用いて、下記の手順に従い、ガラス基板上にボトムゲート−トップコンタクト素子(有機TFT)を作製し、評価を行った。
【0614】
(素子の作製)
ガラス基板上に金属マスクを用いて、アルミニウムを真空蒸着法で約30nmの厚さで製膜して、ゲート電極を形成した。ゲート電極を形成したガラス基板上に、市販のポリビニルフェノールとメラミンをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解して調製した溶液をスピンコートし、次いで150℃で1時間加熱して、基板表面に約210nmの膜厚のポリビニルフェノール−メラミン薄膜を作製した。
【0615】
このポリビニルフェノール−メラミン薄膜上に、市販のテフロン(R)AF1600Xを1wt%でフロリナート
TMFC−43に溶解した溶液を用いて、次工程での半導体インクを受容する隔壁パターンを描画し、100℃で30分加熱して、隔壁を作製した。
【0616】
実施例1で得られた化合物(C1)をサリチル酸メチルに0.2wt%となるように加え、100℃で加熱し調製した有機半導体インクを、上記工程で作製した隔壁内部に滴下し、80℃で乾燥させて有機半導体層を形成した。有機半導体層上に金属マスクを用いて金を真空蒸着法で製膜することにより、ソース電極とドレイン電極を形成し、有機TFTを作製した。チャネル幅およびチャネル長はそれぞれ1500μmおよび50μmとした。また、電極層膜厚は約50nmとした。
【0617】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が40Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0618】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、この化合物(C1)の有機TFTでは、6.3×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0619】
<実施例E−7>
実施例1で得られた化合物(C1)を用いて、下記の手順に従い、ガラス基板上にボトムゲート−ボトムコンタクト素子(有機TFT)を作製し、評価を行った。
【0620】
(素子の作製)
ガラス基板上に金属マスクを用いて、アルミニウムを真空蒸着法で約30nmの厚さで製膜して、ゲート電極を形成した。ゲート電極を形成したガラス基板上に、市販のポリビニルフェノールとメラミンをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解して調製した溶液をスピンコートし、次いで150℃で1時間加熱して、基板表面に約210nmの膜厚のポリビニルフェノール−メラミン薄膜を作製した。
【0621】
このポリビニルフェノール−メラミン薄膜上に、金属マスクを用いて金を真空蒸着法で製膜することにより、ソース電極とドレイン電極を形成した。チャネル幅およびチャネル長はそれぞれ1000μmおよび35μmとした。また、電極膜厚は約50nmとした。 このポリビニルフェノール−メラミン薄膜上に、市販のテフロン(R)AF1600Xを1wt%でフロリナート
TMFC−43に溶解した溶液を用いて、次工程での半導体インクを受容する隔壁パターンを描画し、100℃で30分加熱して、隔壁を作製した。
【0622】
実施例1で得られた化合物(C1)をサリチル酸メチルに0.2wt%となるように加え、100℃で加熱し作成した有機半導体インクを、上記工程で作製した隔壁内部に滴下し、80℃で乾燥させて有機半導体層を形成し、有機TFTを作製した。
【0623】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が40Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0624】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、この化合物(C1)の有機TFTでは、1.0×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0625】
<比較例E−1>
比較例1で得られた化合物(RC1)を用いて、「PS基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0626】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(RC1)をメシチレンに0.3wt%となるように加え、130℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PS基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。
【0627】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0628】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PS基板」上の化合物(RC1)の有機TFTでは、7.0×10
−4cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0629】
<比較例E−2>
比較例1で得られた化合物(RC1)を用いて、「PVP基板」上にスピンコート法によりTFT素子の作製及び評価を行った。
【0630】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(RC1)をメシチレンに0.3wt%となるように加え、130℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を180℃で35分間加熱した。
【0631】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはトランジスタ特性を示さなかった。
【0632】
<比較例E−3>
比較例1で得られた化合物(RC1)を用いて、「HMDS基板」上に真空蒸着法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0633】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0634】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「HMDS修飾基板」上の化合物(RC1)の有機TFTでは、5.8×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0635】
<比較例E−4>
比較例1で得られた化合物(RC1)を用いて、「PS基板」上に真空蒸着法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0636】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0637】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PS基板」上の化合物(RC1)の有機TFTでは、1.2×10
0cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0638】
<参考例E-1>
参考例1で得られた化合物(RR1)を用いて、「PS基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0639】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(RR1)をメシチレンに0.3wt%となるように加え、130℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PS基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。
【0640】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0641】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PS基板」上の化合物(RR1)の有機TFTでは、6.2×10
−5cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0642】
<参考例E-2>
参考例1で得られた化合物(RR1)を用いて、「PVP基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0643】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(RR1)をメシチレンに0.3wt%となるように加え、130℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を180℃で35分間加熱した。
【0644】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはトランジスタ特性を示さなかった。
【0645】
<参考例E-3>
参考例1で得られた化合物(RR1)を用いて、「HMDS基板」上に真空蒸着法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0646】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0647】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「HMDS修飾基板」上の化合物(RR1)の有機TFTでは、6.4×10
−2cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0648】
<参考例E-4>
参考例1で得られた化合物(RR1)を用いて、「PS基板」上に真空蒸着法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0649】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0650】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PS基板」上の化合物(RR1)の有機TFTでは、1.7×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0651】
<実施例E−8>
実施例2で得られた化合物(C2)を用いて、「PS基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0652】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C2)をクロロベンゼンに0.3wt%となるように加え、130℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PS基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0653】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0654】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PS基板」上の化合物(C2)の有機TFTでは、2.9×10
−2cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0655】
<実施例E−9>
実施例2で得られた化合物(C2)を用いて、「PVP基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0656】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C2)をクロロベンゼンに0.3wt%となるように加え、130℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を120℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0657】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。得られた伝達特性を
図6に示す。
図6の横軸はゲート電圧(V)、縦軸はドレイン電流(A)である。
【0658】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C2)の有機TFTでは、3.4×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0659】
<実施例E−10>
実施例2で得られた化合物(C2)を用いて、「CYC基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0660】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C2)をクロロベンゼンに0.3wt%となるように加え、130℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「CYC基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「CYC基板」を150℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0661】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0662】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「CYC基板」上の化合物(C2)の有機TFTでは、4.5×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0663】
<実施例E−11>
実施例2で得られた化合物(C2)を用いて、「HMDS基板」上に真空蒸着法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0664】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0665】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「HMDS修飾基板」上の化合物(C2)の有機TFTでは、3.9×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0666】
<実施例E−12>
実施例2で得られた化合物(C2)を用いて、「PS基板」上に真空蒸着法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0667】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0668】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PS基板」上の化合物(C2)の有機TFTでは、1.4×10
−2cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0669】
<参考例P−E−13>
参考例P−3で得られた化合物(C3)を用いて、「HMDS基板」上に真空蒸着法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0670】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0671】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「HMDS修飾基板」上の化合物(C3)の有機TFTでは、1.8×10
−4cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0672】
<参考例P−E−14>
参考例P−3で得られた化合物(C3)を用いて、「PS基板」上に真空蒸着法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0673】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0674】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PS基板」上の化合物(C3)の有機TFTでは、5.2×10
−4cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0675】
<比較例E−5>
比較例2で得られた化合物(RC2)を用いて、スピンコート法によりTFT素子を作製しようと、化合物(RC2)をメシチレンに0.3wt%となるように加え、130℃で加熱したが全量は溶解せず、均一な溶液にはならなかった。
【0676】
<比較例E−6>
比較例2で得られた化合物(RC2)を用いて、「HMDS基板」上に真空蒸着法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0677】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0678】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「HMDS修飾基板」上の化合物(RC2)の有機TFTでは、3.9×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0679】
<比較例E−7>
比較例2で得られた化合物(RC2)を用いて、「PS基板」上に真空蒸着法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0680】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0681】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PS基板」上の化合物(RC2)の有機TFTでは、4.1×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0682】
<参考例E-5>
参考例2で得られた化合物(RR2)を用いて、「PS基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0683】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(RR2)をメシチレンに0.3wt%となるように加え、60℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PS基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。
【0684】
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはトランジスタ特性を示さなかった。
【0685】
<参考例E-6>
参考例2で得られた化合物(RR2)を用いて、「PVP基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0686】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(RR2)をメシチレンに0.3wt%となるように加え、60℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を120℃で35分間加熱した。
【0687】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0688】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(RR2)の有機TFTでは、5.1×10
−2cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0689】
<参考例E-7>
参考例2で得られた化合物(RR2)を用いて、「HMDS基板」上に真空蒸着法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0690】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0691】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「HMDS修飾基板」上の化合物(RR2)の有機TFTでは、3.8×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0692】
<参考例E-8>
参考例2で得られた化合物(RR2)を用いて、「PS基板」上に真空蒸着法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0693】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0694】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PS基板」上の化合物(RR2)の有機TFTでは3.1×10
−2cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0695】
<実施例E−15>
実施例6で得られた化合物(C6)を用いて、「PS基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0696】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C6)をメシチレンに0.3wt%となるように加え、130℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PS基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0697】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0698】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PS基板」上の化合物(C6)の有機TFTでは、2.1×10
−2cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0699】
<実施例E−16>
実施例6で得られた化合物(C6)を用いて、「PVP基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0700】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C6)をメシチレンに0.3wt%となるように加え、130℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を120℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0701】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。得られた伝達特性を
図7に示す。
図7の横軸はゲート電圧(V)、縦軸はドレイン電流(A)である。
【0702】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C6)の有機TFTでは、3.9×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0703】
<実施例E−17>
実施例6で得られた化合物(C6)を用いて、「CYC基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0704】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C6)をメシチレンに0.3wt%となるように加え、130℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「CYC基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0705】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0706】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「CYC基板」上の化合物(C6)の有機TFTでは、4.2×10
−2cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0707】
<実施例E−18>
実施例6で得られた化合物(C6)を用いて、「HMDS基板」上に真空蒸着法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0708】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0709】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「HMDS修飾基板」上の化合物(C6)の有機TFTでは、4.0×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0710】
<実施例E−19>
実施例6で得られた化合物(C6)を用いて、「PS基板」上に真空蒸着法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0711】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0712】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PS基板」上の化合物(C6)の有機TFTでは、9.3×10
−2cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0713】
<比較例E−8>
比較例5で得られた化合物(RC5)を用いて、スピンコート法によりTFT素子を作製しようと、化合物(RC5)をメシチレンに0.3wt%となるように加え、130℃で加熱したが全量は溶解せず、均一な溶液にはならなかった。
【0714】
<比較例E−9>
比較例5で得られた化合物(RC5)を用いて、「HMDS基板」上に真空蒸着法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0715】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0716】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「HMDS修飾基板」上の化合物(RC5)の有機TFTでは、3.9×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0717】
<比較例E−10>
比較例5で得られた化合物(RC5)を用いて、「PS基板」上に真空蒸着法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0718】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0719】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PS基板」上の化合物(RC5)の有機TFTでは、7.1×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0720】
<実施例E−20>
実施例4で得られた化合物(C4)を用いて、「PS基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0721】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C4)を1,2−ジクロロベンゼンに0.3wt%となるように加え、130℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PS基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PS基板」を180℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0722】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0723】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PS基板」上の化合物(C4)の有機TFTでは、3.8×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0724】
<実施例E−21>
実施例4で得られた化合物(C4)を用いて、「PVP基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0725】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C4)をメシチレンに0.5wt%となるように加え、130℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0726】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0727】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C4)の有機TFTでは、2.7×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0728】
<実施例E−22>
実施例4で得られた化合物(C4)を用いて、「CYC基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0729】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C4)をメシチレンに0.5wt%となるように加え、130℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「CYC基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0730】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0731】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「CYC基板」上の化合物(C4)の有機TFTでは、2.7×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0732】
<比較例E−11>
比較例3で得られた化合物(RC3)を用いて、「PS基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0733】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(RC3)を1,2−ジクロロベンゼンに0.3wt%となるように加え、130℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PS基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PS基板」を180℃で35分間加熱した。
【0734】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0735】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PS基板」上の化合物(RC3)の有機TFTでは、1.0×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0736】
<比較例E−12>
比較例3で得られた化合物(RC3)を用いて、「PVP基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0737】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(RC3)を1,2−ジクロロベンゼンに0.3wt%となるように加え、130℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。
【0738】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0739】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(RC3)の有機TFTでは、6.0×10
−2cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0740】
<実施例E−23>
実施例7で得られた化合物(C7)を用いて、「PS基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0741】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C7)をクロロホルムに0.3wt%となるように加え、60℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PS基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PS基板」を150℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0742】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0743】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PS基板」上の化合物(C7)の有機TFTでは、1.0×10
−3cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0744】
<実施例E−24>
実施例7で得られた化合物(C7)を用いて、「PVP基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0745】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C7)をクロロホルムに0.3wt%となるように加え、60℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を150℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0746】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0747】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C7)の有機TFTでは、2.5×10
−3cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0748】
<実施例E−25>
実施例7で得られた化合物(C7)を用いて、「CYC基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0749】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C7)をクロロホルムに0.3wt%となるように加え、60℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「CYC基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「CYC基板」を150℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0750】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0751】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「CYC基板」上の化合物(C7)の有機TFTでは、9.0×10
−4cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0752】
<実施例E−26>
実施例7で得られた化合物(C7)を用いて、「PVP基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0753】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C7)をクロロホルムに0.3wt%となるように加え、60℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を180℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0754】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0755】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C7)の有機TFTでは、7.3×10
−3cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0756】
<実施例E−27>
実施例8で得られた化合物(C8)を用いて、「PS基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0757】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C8)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、60℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PS基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PS基板」を120℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0758】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0759】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PS基板」上の化合物(C8)の有機TFTでは、2.7×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0760】
<実施例E−28>
実施例8で得られた化合物(C8)を用いて、「PVP基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0761】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C8)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、60℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を180℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0762】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。得られた伝達特性を
図8に示す。
図8の横軸はゲート電圧(V)、縦軸はドレイン電流(A)である。
【0763】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C8)の有機TFTでは、7.3×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0764】
<実施例E−29>
実施例8で得られた化合物(C8)を用いて、「CYC基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0765】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C8)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、60℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「CYC基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「CYC基板」を150℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0766】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0767】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「CYC基板」上の化合物(C8)の有機TFTでは、4.3×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0768】
<実施例E−30>
実施例8で得られた化合物(C8)を用いて、「CYC基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0769】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C8)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、60℃で加熱し作成した有機半導体インクの0.18mLを「CYC基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「CYC基板」を240℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0770】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0771】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「CYC基板」上の化合物(C8)の有機TFTでは、2.0×10
0cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0772】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が20Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0773】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「CYC基板」上の化合物(C8)の有機TFTでは、4.6×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0774】
<実施例E−31>
実施例8で得られた化合物(C8)を用いて、「ベア基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0775】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C8)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、60℃で加熱し作成した有機半導体インクの0.18mLを「ベア基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0776】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0777】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「ベア基板」上の化合物(C8)の有機TFTでは、4.9×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0778】
<実施例E−32>
実施例8で得られた化合物(C8)を用いて、「ベア基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0779】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C8)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、60℃で加熱し作成した有機半導体インクの0.18mLを「ベア基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「ベア基板」を240℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0780】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0781】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「ベア基板」上の化合物(C8)の有機TFTでは、7.1×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0782】
<実施例E−33>
実施例9で得られた化合物(C9)を用いて、「PS基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0783】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C9)をキシレンに0.3wt%となるように加え、70℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PS基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0784】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0785】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PS基板」上の化合物(C9)の有機TFTでは、5.1×10
−3cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0786】
<実施例E−34>
実施例9で得られた化合物(C9)を用いて、「PVP基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0787】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C9)をキシレンに0.3wt%となるように加え、70℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を180℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0788】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0789】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C9)の有機TFTでは、4.8×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0790】
<実施例E−35>
実施例9で得られた化合物(C9)を用いて、「CYC基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0791】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C9)をキシレンに0.3wt%となるように加え、70℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「CYC基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0792】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0793】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「CYC基板」上の化合物(C9)の有機TFTでは、3.1×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0794】
<実施例E−36>
実施例9で得られた化合物(C9)を用いて、「ベア基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0795】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C9)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、70℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「ベア基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「ベア基板」を150℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0796】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0797】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「ベア基板」上の化合物(C9)の有機TFTでは、5.7×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0798】
<実施例E−37>
実施例9で得られた化合物(C9)を用いて、「PVP基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0799】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C9)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、70℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を180℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0800】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0801】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C9)の有機TFTでは、8.9×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0802】
<実施例E−38>
実施例10で得られた化合物(C10)を用いて、「PS基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0803】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C10)をキシレンに0.3wt%となるように加え、90℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PS基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PS基板」を150℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0804】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0805】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PS基板」上の化合物(C10)の有機TFTでは、1.9×10
−2cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0806】
<実施例E−39>
実施例10で得られた化合物(C10)を用いて、「PVP基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0807】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C10)をキシレンに0.3wt%となるように加え、90℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を120℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0808】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0809】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C10)の有機TFTでは、3.4×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0810】
<実施例E−40>
実施例10で得られた化合物(C10)を用いて、「CYC基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0811】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C10)をキシレンに0.3wt%となるように加え、90℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「CYC基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0812】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0813】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「CYC基板」上の化合物(C10)の有機TFTでは、6.0×10
−2cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0814】
<実施例E−41>
実施例10で得られた化合物(C10)を用いて、「ベア基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0815】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C10)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、70℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「ベア基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「ベア基板」を150℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0816】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0817】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「ベア基板」上の化合物(C10)の有機TFTでは、1.4×10
0cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0818】
<実施例E−42>
実施例10で得られた化合物(C10)を用いて、「PVP基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0819】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C10)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、70℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を180℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0820】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0821】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C10)の有機TFTでは、4.4×10
0cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0822】
<実施例E−43>
実施例11で得られた化合物(C11)を用いて、「PS基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0823】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C11)をトルエンに0.3wt%となるように加え、100℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PS基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PS基板」を150℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0824】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0825】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PS基板」上の化合物(C11)の有機TFTでは、8.5×10
−3cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0826】
<実施例E−44>
実施例11で得られた化合物(C11)を用いて、「PVP基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0827】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C11)をトルエンに0.3wt%となるように加え、100℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を180℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0828】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0829】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C11)の有機TFTでは、8.1×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0830】
<実施例E−45>
実施例11で得られた化合物(C11)を用いて、「CYC基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0831】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C11)をトルエンに0.3wt%となるように加え、100℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「CYC基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0832】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0833】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「CYC基板」上の化合物(C11)の有機TFTでは、4.0×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0834】
<実施例E−46>
実施例12で得られた化合物(C12)を用いて、「PS基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0835】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C12)をトルエンに0.3wt%となるように加え、100℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PS基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PS基板」を150℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0836】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0837】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PS基板」上の化合物(C12)の有機TFTでは、3.5×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0838】
<実施例E−47>
実施例12で得られた化合物(C12)を用いて、「PVP基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0839】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C12)をトルエンに0.3wt%となるように加え、100℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を180℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0840】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0841】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C12)の有機TFTでは、2.5×10
0cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0842】
<実施例E−48>
実施例12で得られた化合物(C12)を用いて、「CYC基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0843】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C12)をトルエンに0.3wt%となるように加え、100℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「CYC基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0844】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0845】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「CYC基板」上の化合物(C12)の有機TFTでは、6.9×10
−2cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0846】
<実施例E−49>
実施例13で得られた化合物(C13)を用いて、「ベア基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0847】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C13)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、室温で作成した有機半導体インクの0.18mLを「ベア基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「ベア基板」を240℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0848】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0849】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「ベア基板」上の化合物(C13)の有機TFTでは、7.9×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0850】
<実施例E−50>
実施例13で得られた化合物(C13)を用いて、「PVP基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0851】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C13)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、室温で作成した有機半導体インクの0.18mLを「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を180℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0852】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が90Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0853】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C13)の有機TFTでは、6.8×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0854】
<実施例E−51>
実施例13で得られた化合物(C13)を用いて、「CYC基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0855】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C13)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、室温で作成した有機半導体インクの0.18mLを「CYC基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「CYC基板」を240℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0856】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0857】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「CYC基板」上の化合物(C13)の有機TFTでは、1.4×10
0cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0858】
<実施例E−52>
実施例14で得られた化合物(C14)を用いて、「ベア基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0859】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C14)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、室温で作成した有機半導体インクの0.18mLを「ベア基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「ベア基板」を180℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0860】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0861】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「ベア基板」上の化合物(C14)の有機TFTでは、8.5×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0862】
<実施例E−53>
実施例14で得られた化合物(C14)を用いて、「PVP基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0863】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C14)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、室温で作成した有機半導体インクの0.18mLを「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を180℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0864】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が80Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0865】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C14)の有機TFTでは、1.0×10
0cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0866】
<実施例E−54>
実施例14で得られた化合物(C14)を用いて、「CYC基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0867】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C14)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、室温で作成した有機半導体インクの0.18mLを「CYC基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「CYC基板」を240℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0868】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0869】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「CYC基板」上の化合物(C14)の有機TFTでは、2.0×10
0cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0870】
<実施例E−55>
実施例14で得られた化合物(C14)を用いて、大気下「ベア基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0871】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C14)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、室温で作成した有機半導体インクの0.18mLを大気下で、「ベア基板」上に滴下し1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「ベア基板」を大気下で180℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0872】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0873】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「ベア基板」上の化合物(C14)の有機TFTでは、6.5×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0874】
<実施例E−56>
実施例14で得られた化合物(C14)を用いて、大気下「PVP基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0875】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C14)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、室温で作成した有機半導体インクの0.18mLを大気下で、「PVP基板」上に滴下し1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を大気下で180℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0876】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0877】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C14)の有機TFTでは、6.9×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0878】
<実施例E−57>
実施例15で得られた化合物(C15)を用いて、「ベア基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0879】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C15)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、室温で作成した有機半導体インクの0.18mLを「ベア基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「ベア基板」を180℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0880】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0881】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「ベア基板」上の化合物(C15)の有機TFTでは、1.5×10
0cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0882】
<実施例E−58>
実施例15で得られた化合物(C15)を用いて、「PVP基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0883】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C15)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、室温で作成した有機半導体インクの0.18mLを「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を180℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0884】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0885】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C15)の有機TFTでは、1.3×10
0cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0886】
<実施例E−59>
実施例15で得られた化合物(C15)を用いて、「CYC基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0887】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C15)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、室温で作成した有機半導体インクの0.18mLを「CYC基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「CYC基板」を240℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0888】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0889】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「CYC基板」上の化合物(C15)の有機TFTでは、1.1×10
0cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0890】
<実施例E−60>
実施例16で得られた化合物(C16)を用いて、「ベア基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0891】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C16)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、60℃で加熱し作成した有機半導体インクの0.18mLを「ベア基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「ベア基板」を180℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0892】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0893】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「ベア基板」上の化合物(C16)の有機TFTでは、1.4×10
0cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0894】
<実施例E−61>
実施例16で得られた化合物(C16)を用いて、「PVP基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0895】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C16)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、60℃で加熱し作成した有機半導体インクの0.18mLを「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を180℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0896】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0897】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C16)の有機TFTでは、1.3×10
0cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0898】
<実施例E−62>
実施例16で得られた化合物(C16)を用いて、「CYC基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0899】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C16)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、60℃で加熱し作成した有機半導体インクの0.18mLを「CYC基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「CYC基板」を240℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0900】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0901】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「CYC基板」上の化合物(C16)の有機TFTでは、2.4×10
0cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0902】
<実施例E−63>
実施例17で得られた化合物(C17)を用いて、「ベア基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0903】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C17)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、60℃で加熱し作成した有機半導体インクの0.18mLを「ベア基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「ベア基板」を180℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0904】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0905】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「ベア基板」上の化合物(C17)の有機TFTでは、2.3×10
0cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0906】
<実施例E−64>
実施例17で得られた化合物(C17)を用いて、「PVP基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0907】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C17)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、60℃で加熱し作成した有機半導体インクの0.18mLを「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を180℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0908】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。得られた伝達特性を
図9に示す。
図9の横軸はゲート電圧(V)、縦軸はドレイン電流(A)である。
【0909】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C17)の有機TFTでは、3.1×10
0cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0910】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が50Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。得られた伝達特性を
図10に示す。
図10の横軸はゲート電圧(V)、縦軸はドレイン電流(A)である。
【0911】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C17)の有機TFTでは、1.1×10
0cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0912】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が20Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0913】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C17)の有機TFTでは、8.8×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0914】
<実施例E−65>
実施例17で得られた化合物(C17)を用いて、「CYC基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0915】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C17)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、60℃で加熱し作成した有機半導体インクの0.18mLを「CYC基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「CYC基板」を240℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0916】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0917】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「CYC基板」上の化合物(C17)の有機TFTでは、3.1×10
0cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0918】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が50Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0919】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「CYC基板」上の化合物(C17)の有機TFTでは、2.2×10
0cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0920】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が20Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0921】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「CYC基板」上の化合物(C17)の有機TFTでは、1.1×10
0cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0922】
<実施例E−66>
実施例18で得られた化合物(C18)を用いて、「ベア基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0923】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C18)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、70℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「ベア基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「ベア基板」を120℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0924】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が50Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0925】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「ベア基板」上の化合物(C18)の有機TFTでは、1.5×10
0cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0926】
<実施例E−67>
実施例18で得られた化合物(C18)を用いて、「PVP基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0927】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C18)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、70℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を180℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0928】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が30Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0929】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C18)の有機TFTでは、2.1×10
0cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0930】
<実施例E−68>
実施例19で得られた化合物(C19)を用いて、「ベア基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0931】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C19)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、70℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「ベア基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「ベア基板」を180℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0932】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が60Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0933】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「ベア基板」上の化合物(C19)の有機TFTでは、2.2×10
0cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0934】
<実施例E−69>
実施例19で得られた化合物(C19)を用いて、「PVP基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0935】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C19)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、70℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を120℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0936】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が60Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0937】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C19)の有機TFTでは、2.9×10
0cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0938】
<実施例E−70>
実施例20で得られた化合物(C20)を用いて、「ベア基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0939】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C20)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、70℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「ベア基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「ベア基板」を120℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0940】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が80Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0941】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「ベア基板」上の化合物(C20)の有機TFTでは、2.3×10
0cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0942】
<実施例E−71>
実施例20で得られた化合物(C20)を用いて、「PVP基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0943】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C20)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、70℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を180℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0944】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が40Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0945】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C20)の有機TFTでは、3.0×10
0cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0946】
<実施例E−72>
実施例21で得られた化合物(C21)を用いて、「ベア基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0947】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C21)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、室温で作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「ベア基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「ベア基板」を120℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0948】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0949】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「ベア基板」上の化合物(C21)の有機TFTでは、6.1×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0950】
<実施例E−73>
実施例21で得られた化合物(C21)を用いて、「PVP基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0951】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C21)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、室温で作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を120℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0952】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0953】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C21)の有機TFTでは、8.0×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0954】
<参考例P−E−74>
参考例P−22で得られた化合物(C22)を用いて、「ベア基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0955】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C22)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、室温で作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「ベア基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「ベア基板」を120℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0956】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはトランジスタ特性を示さなかった。
【0957】
<参考例P−E−75>
参考例P−22で得られた化合物(C22)を用いて、「PVP基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0958】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C22)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、室温で作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を120℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0959】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはトランジスタ特性を示さなかった。
【0960】
<実施例E−76>
実施例24で得られた化合物(C24)を用いて、「ベア基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0961】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C24)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、70℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「ベア基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「ベア基板」を180℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0962】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0963】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「ベア基板」上の化合物(C24)の有機TFTでは、7.3×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0964】
<実施例E−77>
実施例24で得られた化合物(C24)を用いて、「PVP基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0965】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C24)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、70℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を150℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0966】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0967】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C24)の有機TFTでは、8.5×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0968】
<実施例E−78>
実施例25で得られた化合物(C25)を用いて、「ベア基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0969】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C25)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、70℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「ベア基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「ベア基板」を180℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0970】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0971】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「ベア基板」上の化合物(C25)の有機TFTでは、4.4×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0972】
<実施例E−79>
実施例25で得られた化合物(C25)を用いて、「PVP基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0973】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C25)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、70℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を180℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0974】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0975】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C25)の有機TFTでは、1.1×10
0cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0976】
<実施例E−80>
実施例26で得られた化合物(C26)を用いて、「ベア基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0977】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C26)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、室温で作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「ベア基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「ベア基板」を180℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0978】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0979】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「ベア基板」上の化合物(C26)の有機TFTでは、2.5×10
−3cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0980】
<実施例E−81>
実施例26で得られた化合物(C26)を用いて、「PVP基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0981】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C26)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、室温で作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を180℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0982】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0983】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C26)の有機TFTでは、5.1×10
−3cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0984】
<実施例E−82>
実施例27で得られた化合物(C27)を用いて、「ベア基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0985】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C27)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、60℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「ベア基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「ベア基板」を180℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0986】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0987】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「ベア基板」上の化合物(C27)の有機TFTでは、1.1×10
0cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0988】
<実施例E−83>
実施例27で得られた化合物(C27)を用いて、「PVP基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0989】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C27)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、60℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を150℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0990】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0991】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C27)の有機TFTでは、1.9×10
0cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0992】
<実施例E−84>
実施例28で得られた化合物(C28)を用いて、「ベア基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0993】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C28)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、70℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「ベア基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「ベア基板」を180℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0994】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0995】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「ベア基板」上の化合物(C28)の有機TFTでは、8.0×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【0996】
<実施例E−85>
実施例28で得られた化合物(C28)を用いて、「PVP基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【0997】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C28)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、70℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を180℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【0998】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【0999】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C28)の有機TFTでは、1.7×10
0cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【1000】
<実施例E−86>
実施例29で得られた化合物(C29)を用いて、「ベア基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【1001】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C29)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、60℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「ベア基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「ベア基板」を180℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【1002】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【1003】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「ベア基板」上の化合物(C29)の有機TFTでは、2.0×10
0cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【1004】
<実施例E−87>
実施例29で得られた化合物(C29)を用いて、「PVP基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【1005】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C29)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、60℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を180℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【1006】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【1007】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C29)の有機TFTでは、1.8×10
0cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【1008】
<実施例E−88>
実施例30で得られた化合物(C30)を用いて、「ベア基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【1009】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C30)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、60℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「ベア基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「ベア基板」を180℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【1010】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【1011】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「ベア基板」上の化合物(C30)の有機TFTでは、8.9×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【1012】
<実施例E−89>
実施例30で得られた化合物(C30)を用いて、「PVP基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【1013】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C30)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、60℃で加熱し作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を180℃で35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【1014】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【1015】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C30)の有機TFTでは、1.7×10
0cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【1016】
<実施例E−90>
実施例31で得られた化合物(C31)を用いて、「ベア基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【1017】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C31)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、室温で作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「ベア基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【1018】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【1019】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「ベア基板」上の化合物(C31)の有機TFTでは、5.1×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【1020】
<実施例E−91>
実施例31で得られた化合物(C31)を用いて、「PVP基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【1021】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C31)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、室温で作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を150℃でで35分間加熱した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【1022】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【1023】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C31)の有機TFTでは、4.7×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【1024】
<比較例E−13>
比較例6で得られた化合物(RC6)を用いて、「ベア基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【1025】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(RC6)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、室温で作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「ベア基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【1026】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはトランジスタ特性を示さなかった。
【1027】
<比較例E−14>
比較例6で得られた化合物(RC6)を用いて、「PVP基板」上にスピンコート法によりTFT素子を作製し、評価を行った。
【1028】
(有機半導体層の作製条件)
化合物(RC6)をクロロホルムに0.1wt%となるように加え、室温で作成した溶液(有機半導体インク)の0.18mLを「PVP基板」上に滴下し、1000rpmで30秒間スピンコートを行い、膜厚約20nmの有機半導体層を形成した。膜の外観を目視で観察したところ、均一な膜を形成し、良好に製膜できていることを確認した。
【1029】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはトランジスタ特性を示さなかった。
【1030】
<実施例E−92>
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C1)を1,2−ジクロロベンゼンに0.1wt%となるように加え、130℃で加熱し、有機半導体インクを作成した。「PVP基板」上に作製した隔壁内部に、有機半導体インクを窒素雰囲気下、130℃でドロップキャストし80℃で乾燥させて有機半導体層を形成した。
【1031】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【1032】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C1)の有機TFTでは、2.0×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【1033】
<実施例E−93>
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C8)を1,2−ジクロロベンゼンに0.03wt%となるように加え、130℃で加熱し、有機半導体インクを作成した。「PVP基板」上に作製した隔壁内部に、有機半導体インクを窒素雰囲気下、100℃でドロップキャストし有機半導体層を形成した。
【1034】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が100Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【1035】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C8)の有機TFTでは、7.3×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【1036】
<実施例E−94>
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C17)をテトラリンに0.03wt%となるように加え、100℃で加熱し、有機半導体インクを作成した。「PVP基板」上に作製した隔壁内部にドロップキャストし有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を100℃で35分加熱した。
【1037】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が50Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【1038】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C17)の有機TFTでは、2.7×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【1039】
<実施例E−95>
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C17)をシクロヘキシルベンゼンに0.01wt%となるように加え、100℃で加熱し、有機半導体インクを作成した。「PVP基板」上に作製した隔壁内部にドロップキャストし有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を100℃で35分加熱した。
【1040】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が50Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【1041】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C17)の有機TFTでは、1.6×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【1042】
<実施例E−96>
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C17)を1−メチルナフタレンに0.03wt%となるように加え、100℃で加熱し、有機半導体インクを作成した。「PVP基板」上に作製した隔壁内部にドロップキャストし有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を100℃で35分加熱した。
【1043】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が50Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【1044】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C17)の有機TFTでは、6.0×10
−2cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【1045】
<実施例E−97>
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C17)をクロロベンゼンに0.03wt%となるように加え、100℃で加熱し、有機半導体インクを作成した。「PVP基板」上に作製した隔壁内部にドロップキャストし有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を100℃で35分加熱した。
【1046】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が50Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【1047】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C17)の有機TFTでは、3.1×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【1048】
<実施例E−98>
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C17)を安息香酸メチルに0.03wt%となるように加え、100℃で加熱し、有機半導体インクを作成した。「PVP基板」上に作製した隔壁内部にドロップキャストし有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を100℃で35分加熱した。
【1049】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が50Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【1050】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C17)の有機TFTでは、3.8×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【1051】
<実施例E−99>
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C17)をシクロヘキシルベンゼン:1−メチルナフタレン=1:0.3の混合溶媒に0.01wt%となるように加え、100℃で加熱し、有機半導体インクを作成した。「PVP基板」上に作製した隔壁内部にドロップキャストし有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を100℃で35分加熱した。
【1052】
(有機TFTの評価)
作製した有機TFTを、ドレイン電圧が50Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【1053】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C17)の有機TFTでは、1.8×10
−1cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【1054】
<実施例E−100>
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C17)を1−メチルナフタレンに0.1wt%となるように加え、120℃で加熱し、有機半導体インクを作成した。ボトムゲート−ボトムコンタクト型の有機TFTを作製する目的で、ソース電極とドレイン電極を備えた「PVP基板」上に作製した隔壁内部に上記有機半導体インクをドロップキャストし有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を150℃で35分加熱した。
【1055】
(有機TFTの評価)
作製したボトムゲート−ボトムコンタクト型の有機TFTを、ドレイン電圧が50Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【1056】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C17)の有機TFTでは、1.6×10
−2cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【1057】
<実施例E−101>
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C17)を1−メチルナフタレン:サリチル酸メチル=1:1の混合溶媒に0.1wt%となるように加え、120℃で加熱し、有機半導体インクを作成した。ボトムゲート−ボトムコンタクト型の有機TFTを作製する目的で、ソース電極とドレイン電極を備えた「PVP基板」上に作製した隔壁内部に上記有機半導体インクをドロップキャストし有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を150℃で35分加熱した。
【1058】
(有機TFTの評価)
作製したボトムゲート−ボトムコンタクト型の有機TFTを、ドレイン電圧が50Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【1059】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C17)の有機TFTでは、2.6×10
−2cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【1060】
<実施例E−102>
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C17)を0.2wt%となるように1−メチルナフタレンに加え、120℃で加熱し作成した化合物(C17)溶液(1)と、オクタデカンチオールを200μmol/Lとなるように1−メチルナフタレンに加え、作成したオクタデカンチオール溶液(2)を、(1):(2)=1:1で混合し、有機半導体インクを作成した。ボトムゲート−ボトムコンタクト型の有機TFTを作製する目的で、ソース電極とドレイン電極を備えた「PVP基板」上に作製した隔壁内部に、上記有機半導体インクをドロップキャストし有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を150℃で35分加熱した。
【1061】
(有機TFTの評価)
作製したボトムゲート−ボトムコンタクト型の有機TFTを、ドレイン電圧が50Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【1062】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C17)の有機TFTでは、2.8×10
−2cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【1063】
<実施例E−103>
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C17)を0.2wt%となるように1−メチルナフタレンに加え、120℃で加熱し作成した化合物(C17)溶液(1)と、ヘキサンチオールを200μmol/Lとなるように1−メチルナフタレンに加え、作成したヘキサンチオール溶液(2)を、(1):(2)=1:1で混合し、有機半導体インクを作成した。ボトムゲート−ボトムコンタクト型の有機TFTを作製する目的で、ソース電極とドレイン電極を備えた「PVP基板」上に作製した隔壁内部に、上記有機半導体インクをドロップキャストし有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を150℃で35分加熱した。
【1064】
(有機TFTの評価)
作製したボトムゲート−ボトムコンタクト型の有機TFTを、ドレイン電圧が50Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【1065】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C17)の有機TFTでは、3.3×10
−2cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【1066】
<実施例E−104>
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C17)を0.2wt%となるように1−メチルナフタレンに加え、120℃で加熱し作成した化合物(C17)溶液(1)と、4−メチルベンゼンチオールを20μmol/Lとなるように1−メチルナフタレンに加え、作成した4−メチルベンゼンチオール溶液(2)を、(1):(2)=1:1で混合し、有機半導体インクを作成した。ボトムゲート−ボトムコンタクト型の有機TFTを作製する目的で、ソース電極とドレイン電極を備えた「PVP基板」上に作製した隔壁内部に、上記有機半導体インクをドロップキャストし有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を150℃で35分加熱した。
【1067】
(有機TFTの評価)
作製したボトムゲート−ボトムコンタクト型の有機TFTを、ドレイン電圧が50Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【1068】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C17)の有機TFTでは、3.2×10
−2cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【1069】
<実施例E−105>
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C17)を1−メチルナフタレンに0.06wt%となるように加え、120℃で加熱し、有機半導体インクを作成した。ボトムゲート−ボトムコンタクト型の有機TFTを作製する目的で、ソース電極とドレイン電極を備えた「PVP基板」上に作製した隔壁内部に上記有機半導体インクをドロップキャストし有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を150℃で35分加熱した。
【1070】
(有機TFTの評価)
作製したボトムゲート−ボトムコンタクト型の有機TFTを、ドレイン電圧が50Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【1071】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C17)の有機TFTでは、5.1×10
−3cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【1072】
<実施例E−106>
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C17)を0.12wt%となるように1−メチルナフタレンに加え、120℃で加熱し作成した化合物(C17)溶液(1)と、ドデカノールを200μmol/Lとなるように1−メチルナフタレンに加え、作成したドデカノール溶液(2)を、(1):(2)=1:1で混合し、有機半導体インクを作成した。ボトムゲート−ボトムコンタクト型の有機TFTを作製する目的で、ソース電極とドレイン電極を備えた「PVP基板」上に作製した隔壁内部に、上記有機半導体インクををドロップキャストし有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を150℃で35分加熱した。
【1073】
(有機TFTの評価)
作製したボトムゲート−ボトムコンタクト型の有機TFTを、ドレイン電圧が50Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【1074】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C17)の有機TFTでは、2.8×10
−2cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【1075】
<実施例E−107>
(有機半導体層の作製条件)
化合物(C17)を0.12wt%となるように1−メチルナフタレンに加え、120℃で加熱し作成した化合物(C17)溶液(1)と、ドデシルアミンを20μmol/Lとなるように1−メチルナフタレンに加え、作成したドデシルアミン溶液(2)を、(1):(2)=1:1で混合し、有機半導体インクを作成した。ボトムゲート−ボトムコンタクト型の有機TFTを作製する目的で、ソース電極とドレイン電極を備えた「PVP基板」上に作製した隔壁内部に、上記有機半導体インクをドロップキャストし有機半導体層を形成した。その後、有機半導体層を形成した「PVP基板」を150℃で35分加熱した。
【1076】
(有機TFTの評価)
作製したボトムゲート−ボトムコンタクト型の有機TFTを、ドレイン電圧が50Vの条件で伝達特性を測定したところ、この有機TFTはn型の半導体特性を示した。
【1077】
上記(式A)を用いて電界効果移動度(μ)を計算した結果、「PVP基板」上の化合物(C17)の有機TFTでは、3.0×10
−2cm
2/Vsの電界効果移動度が得られることが分かった。
【1078】
<実施例I−1>
(インバータ回路の作製)
(平坦化層)
20mm×25mmの青板ガラス上に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを溶媒とする、ポリビニルフェノールとメラミンの混合溶液をスピンコートし、次いで150℃で1時間加熱して、基板表面に平坦化層として、およそ240nmのポリビニルフェノール−メラミン薄膜を作製した。
【1079】
(ゲート電極)
次に作製したポリビニルフェノール−メラミン薄膜を、酸素プラズマ処理を100ワット、酸素流量30sccm、60秒行った後、インクジェット装置を用いて銀ナノ粒子を印刷し、140℃で30分焼成してゲート電極を作製した。
【1080】
(ゲート絶縁膜)
ゲート電極の上にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを溶媒とする、ポリビニルフェノールとメラミンの混合溶液をスピンコートし、次いで150℃で1時間加熱して、ゲート絶縁膜として、およそ800nmのポリビニルフェノール−メラミン薄膜を作製した。
【1081】
(ソース電極とドレイン電極)
作製したポリビニルフェノール−メラミン薄膜の上にインクジェット装置を用いて銀ナノ粒子を印刷し、120℃で30分焼成してソース電極とドレイン電極を作製した。p型、n型の両方の素子のチャネル幅およびチャネル長はそれぞれ1040μmおよび50μmとした。
【1082】
(隔壁)
市販のテフロン(R)AF1600Xを1wt%でフロリナート
TMFC−43に溶解した溶液を用いて、次工程での半導体インクを受容する隔壁パターンを描画し、100℃で30分加熱して、隔壁を作製した。
【1083】
(PFBT処理)
市販の2,3,4,5,6−ペンタフルオロチオフェノールを2−プロパノールに溶解して30mmol/Lに調製した溶液に隔壁まで作製した基板を5分浸漬させたあと、窒素気流下で乾燥させてソース電極とドレイン電極を表面処理した。
【1084】
(p型半導体の塗布)
2,8−ジフルオロ−5,11−ビス(トリエチルシリルエチニル)アントラジチオフェンをメシチレンに0.5wt%となるように加え、作製したp型半導体インクを、上記工程で作製した隔壁内部に滴下し、次いで室温で乾燥させて、p型半導体層を形成した。
【1085】
(n型半導体の塗布)
化合物(C17)を1−メチルナフタレンに0.1wt%となるように加え、120℃で30分加熱し、作製したn型半導体インクを上記工程で作成した隔壁内部に滴下し、次いで室温で乾燥させて、n型半導体層を形成した。
【1086】
(熱アニール)
p型半導体層、n型半導体層を形成した基板を窒素下で120℃30分加熱し、
図11に示すようなインバータ回路を作製した。
【1087】
(インバータ回路の評価)
駆動電圧40Vの条件で、出力特性を測定した結果、この回路はインバータ特性を示した。ΔVin=0.2Vとして、このインバータ回路のゲイン(ΔVout/ΔVinで定義される)を計算すると、7.9の最大ゲインが得られた。よって、化合物(C17)はインバータ回路のn型半導体部として良好に機能することが分かった。
【1088】
以上の結果から、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は、初期および118日間放置後でも、高い電界効果移動度を示すことが分かった。すなわち、本発明のベンゾビス(チアジアゾール)誘導体は、高い電界効果移動度とともに、大気中でも安定である特性を兼ね備えることが示された。