(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記タンクが、少なくとも1つの噴出リザーバと、少なくとも1つのリムリザーバとを含み、前記噴出リザーバは、噴出充填弁および前記少なくとも1つの噴出水洗弁組立体を備え、前記リムリザーバは、前記少なくとも1つのリム水洗弁組立体を備える、請求項4に記載のサイフォン式水洗トイレ便器組立体。
前記少なくとも1つの噴出チャネルが、前記便器の外部表面の下側部分周りを少なくとも部分的に延びるように配置される、請求項1に記載のサイフォン式水洗トイレ便器組立体。
前記便器の前記水だめ領域が、前記便器の前記内部表面によって画定され入口端部および出口端部を有する噴出トラップを有し、前記噴出トラップの前記入口端部は、流体を前記噴出出口ポートおよび前記内部便器領域から受け入れ、前記噴出トラップの前記出口端部は、前記トラップウェイへの前記入口と流体連通し、前記噴出トラップはシール深さを有する、請求項1に記載のサイフォン式水洗トイレ便器組立体。
前記噴出出口ポートの表面が、前記噴出トラップ内にあり、前記水だめ領域を長手方向に貫通して測定した、前記トラップウェイへの前記入口の上側表面の下方のシール深さで配置される、請求項12に記載のサイフォン式水洗トイレ便器組立体。
前記リム水洗弁組立体が、前記リム水洗弁入口から前記リム水洗弁出口まで延びるリム水洗弁本体と、リム水洗弁カバーとを有する、請求項1に記載のサイフォン式水洗トイレ便器組立体。
前記逆流防止機構が、押さえリンク機構、フックおよびキャッチ機構、ポペット機構、ならびに逆止弁のうちの1つまたは複数である、請求項19に記載のサイフォン式水洗トイレ便器組立体。
前記噴出水洗弁組立体が、前記噴出水洗弁入口から前記噴出水洗弁出口まで延びる噴出水洗弁本体と、噴出水洗弁カバーとを備える、請求項1に記載のサイフォン式水洗トイレ便器組立体。
前記噴出水洗弁カバーが、さらに、ヒンジ式アームおよび/またはフロートをその上に有する鎖の取り付けのための少なくとも1つのグロメットを備える、請求項23に記載のサイフォン式水洗トイレ便器組立体。
前記トイレ便器組立体が、さらに、流体を流体の供給源から受け入れるように構成されたタンクであって、少なくとも1つの充填弁を有する、タンクを備え、前記方法が、さらに、前記少なくとも1つの充填弁を用いて前記タンクを充填することと、流体を前記タンクから前記少なくとも1つの噴出水洗弁組立体および前記少なくとも1つのリム水洗弁組立体を通って前記便器に提供することとを含む、請求項26に記載のサイフォン式水洗トイレ便器組立体に呼び水する方法。
前記少なくとも1つのリムリザーバが、さらに、リム充填弁を含み、前記方法が、さらに、前記少なくとも1つのリムリザーバを前記リム充填弁を用いて充填することを含む、請求項30に記載のサイフォン式水洗トイレ便器組立体に呼び水する方法。
前記方法が、さらに、前記少なくとも1つの噴出リザーバ内の流体のレベルを、水洗サイクルの完了後、前記タンクの前記少なくとも1つの充填弁からの噴出水洗弁組立体入口の上方に維持することを含む、請求項30に記載のサイフォン式水洗トイレ便器組立体に呼び水する方法。
さらに、(e)流体の流れを、前記水だめ内の流体のレベルが、前記噴出出口ポートの上方になるまで継続することを含む、請求項36に記載のサイフォン式水洗トイレ便器組立体に呼び水する方法。
ステップ(c)が、さらに、前記水洗サイクル中、前記少なくとも1つのリム弁を通して流体を提供することを含む、請求項36に記載のサイフォン式水洗トイレ便器組立体に呼び水する方法。
【背景技術】
【0003】
人の排せつ物などの排せつ物を除去するためのトイレが、よく知られている。重力式トイレは、一般に、2つの主要部分、すなわちタンクおよび便器を有する。タンクおよび便器は、一緒に結合されて(一般的には2部分からなるトイレと称される)トイレシステムを形成する別個の部分になることができ、または1つの(通常は1部分からなるトイレと称される)一体型ユニットになるように組み合わせることができる。
【0004】
通常、便器の後部上に配置されるタンクは、便器から下水道までの排せつ物の水洗作用を開始すると共に便器を新鮮な水で充填するために使用される水を収容する。ユーザは、トイレを流すことを望むとき、タンクの内側で可動式鎖またはレバーに連結された、タンクの外側の水洗レバーを押し下げる。水洗レバーが押し下げられたとき、これは、タンクの内側の鎖またはレバーを移動させ、この鎖またはレバーは、水洗弁を持ち上げ開くように作用して、水をタンクから便器に流れ込ませ、それによってトイレ水洗を開始する。
【0005】
水洗サイクルにおいて果たさなければならない3つの一般的な目的が存在する。第1は、固体および他の排せつ物の排水路への除去である。第2は、便器の表面に堆積されたまたは付着されたあらゆる固体または液体の排せつ物を除去するために便器を洗浄することであり、第3は、比較的きれいな水が、使用と使用の間に便器内に残るように便器内の水洗前水量を入れ替えることである。第2の要求事項、便器の洗浄は、通常、トイレ便器の上側周囲周りを延びる中空リムによって達成される。水洗水の一部またはすべては、このリムチャネルを通るように方向付けられ、その中に配置された開口を流れ抜けて、水を便器の全体表面上に分散させ、必要とされる洗浄を果たす。第3の必要事項は、便器をきれいな水で再充填し、下水内ガスの逆流に対するシール深さを復活させ、これを次の使用および水洗に使用できるようにすることである。
【0006】
重力式トレイは、2つの一般的な種類、すなわち洗い落し式およびサイフォン式に分類され得る。洗い落し式トイレでは、トイレの便器内の水レベルは、常に比較的一定のままである。水洗サイクルが開始されたとき、水はタンクから流れ、便器内に溢出する。これは、水レベルのすばやい上昇を引き起こし、余分な水は、トラップウェイの堰上に溢出して、これと一緒に液体および固体の排せつ物を運ぶ。水洗サイクルの最後には、便器内の水レベルは、堰の高さによって決定された均衡レベルに自然に戻る。
【0007】
サイフォン式トイレでは、トラップウェイおよび他の水圧チャネルは、便器に水が加えられたときにトラップウェイ内でサイフォンが開始されるように設計される。サイフォン管自体は、水をトイレ便器から汚水道に引き出す逆U字形状管である。水洗サイクルが開始されたとき、水は、便器に流れ込み、これが下水道への出口を出得るより速くトラップウェイ内の堰上に溢出する。最終的には、十分な空気が、トラップウェイの下方脚部から除去されてサイフォンが開始され、サイフォンは、次いで、残りの水を便器の外に引っ張る。サイフォンが破れたときの便器内の水レベルは、結果的には、堰のレベルのかなり下方にあり、サイフォン水洗サイクルの最後にトレイの便器を再充填して元の水レベルおよび下水内ガスの逆流に対する保護「シール」を再確立するために、別個の機構が設けられる必要がある。
【0008】
サイフォン式および洗い落し式トイレは、固有の利点および欠点を有する。サイフォン式トイレは、サイフォンを開始するために空気のほとんどがトラップウェイの下方脚部から除去されなければならないという要求事項により、より小さいトラップウェイを有する傾向があり、その結果、詰まりが生じ得る。洗い落し式トイレは、大きいトラップウェイで機能することができるが、一般的には、ほとんどの国における配管規則によって要求される100:1希釈レベル(すなわち、便器内の水洗前水量の99%が、水洗サイクル中に便器から除去され、新鮮な水で置き換えられなければならない)を達成するために便器内の水洗前水の量をより少なくすることを必要とする。この少ない水洗前量は、小さい「ウォータースポット」として現れる。便器内の水洗前水のウォータースポット、または表面領域は、トイレの清潔性を維持する上で重要な役割を果たす。大きいウォータースポットは、排せつ物が、トイレのセラミック表面と接触する前に水と接触するという可能性を増大させる。これは、排出物がセラミック表面に付着することを低減させ、それによってトイレを水洗サイクルによって自己清掃させることをより容易にする。小さいウォータースポットを備えた洗い落し式トイレは、したがって、使用後に便器の自己清掃を必要とすることが多い。
【0009】
サイフォン式トイレは、便器内のより多い水洗前水量およびより大きいウォータースポットで機能することができるという利点を有する。これは、サイフォン作用が、水洗サイクルの最後に水洗前水量のほとんどを便器から引っ張るために可能である。タンクが再充填するとき、再充填水の一部分は、便器内に方向付けられて、水洗前水量をその元のレベルに戻すことができる。このようにして、多くの配管規則によって要求される100:1希釈レベルは、便器内の水の開始量が、タンクから出される水洗水に比べてかなり多い場合でも達成される。北アメリカ市場では、サイフォン式トイレは、幅広く一般に受け入れられており、現在では、トイレの標準的な受け入れられる形態としてみなされている。ヨーロッパ市場では、洗い落し式が、依然としてより受け入れられており、人気があり、一方でいずれのバージョンもアジア市場では一般的である。
【0010】
重力式サイフォン式トイレは、水洗作用を達成するために使用される水圧チャネルの設計に応じて、さらに3つの一般的な種類に分類され得る。これらの種類は、:非噴出式、リム噴出式、および直接噴出式である。
【0011】
非噴出式便器では、水洗水のすべては、タンクを出て便器入口領域に入り、主マニフォールドを流れ抜けてリムチャネルに入る。水は、リムの下に配置された一連の穴を介して便器の周囲周りに分散される。穴の一部は、より多くの水が便器内に流れることを可能にするためにサイズをより大きくするように設計され得る。下方脚部内の十分な空気を変位させ、サイフォンを開始するのに十分なすばやさでトラップウェイの堰上に水を溢出させるために、比較的高い流量が必要とされる。非噴出式便器は、通常、便器の洗浄および水洗前水の交換に関して十分良好なパフォーマンスを有するが、大量除去に関するパフォーマンスは比較的劣る。トラップウェイへの水の供給は不十分であり、乱流であり、それによってトラップウェイの下方脚部を十分に充填し、強力なサイフォンを開始することをより困難にする。その結果、非噴出式トイレのトラップウェイは、通常直径がより小さく、水の流れを妨げるように設計された曲がり部および狭窄部を含む。より小さいサイズ、曲がり部および狭窄部無しでは、強力なサイフォンは、達成されない。残念なことに、より小さいサイズ、曲がり部および狭窄部の結果、大量の排せつ物除去に関してパフォーマンスは劣り、頻繁に詰まり、エンドユーザにとって極めて不満足な状態を生じさせる。
【0012】
トイレの設計者および技術者は、「サイフォン噴出部」を組み込むことによってサイフォン式トイレの大量の排せつ物除去を改良した。リム噴出式トイレ便器では、水洗水は、タンクを出て、トイレ入口領域を流れ抜け、主マニフォールドを流れ抜けてリムチャネルに入る。水の一部分は、リムの下に配置された一連の穴を介して便器の周囲周りに分散される。水の残りの部分は、リムの正面に配置された噴出チャネルを流れ抜ける。この噴出チャネルは、リムチャネルを、便器の水だめ内に配置された噴出開口部に連結する。噴出開口部は、水の強い流れをトラップウェイの開口部に直接的に送るようにサイズ設定され配置される。水が噴出開口部を流れ抜けたとき、これは、非噴出式便器内で達成され得るよりも効率的かつすばやくトラップウェイを充填するように働く。トラップウェイへのこのより勢いのあるすばやい水の流れは、トイレをより大きいトラップウェイ直径ならびにより少ない曲がり部および狭窄部を備えて設計することを可能にし、これは、非噴出式便器に比べ、大量の排せつ物除去におけるパフォーマンスを改良する。より少ない量の水がリム噴出式トイレのリムから流出するが、便器洗浄機能は、リムチャネルを流れ抜ける水が、タンクからの水の上流側の流れによって加圧されるため、一般に受け入れられるものである。これは、水が、より高いエネルギーでリム穴を出て、便器を洗浄するより効果的な仕事を行うことを可能にする。
【0013】
リム噴出式便器は、一般に、非噴出式より優れているが、水がリムを通って噴出開口部まで進行しなければならない長い通路が、利用可能なエネルギーを消散させ、無駄にする。直接噴出式便器は、この概念における改良を行い、排せつ物の大量除去に関してより優れたパフォーマンスをもたらすことができる。直接噴出式便器では、水洗水は、タンクを出て、便器入口を流れ抜け、主マニフォールドを流れ抜ける。この時点で、水は、2つの部分、すなわちリム入口ポートを流れ抜けてリムチャネルに至る、所望の便器洗浄を達成するという主な目的を有する部分と、噴出入口ポートを流れ抜け、主マニフォールドをトイレ便器の水だめ内の噴出開口部に連結する「直接噴出チャネル」に至る部分とに分かれる。直接噴出チャネルは、さまざまな形態をとることができ、時に、トイレの1つの側部周りで一方向のものであり、または二重供給のものであり、この場合、対称的なチャネルが、両側を進行して下り、マニフォールドを噴出開口部に連結する。リム噴出式便器と同様に、噴出開口部は、水の強い流れをトラップウェイの開口部に直接的に送るようにサイズ設定され配置される。水が噴出開口部を流れ抜けたとき、これは、非噴出式便器またはリム噴出式便器内で達成され得るよりも効率的かつすばやくトラップウェイを充填するように働く。トラップウェイへのこのより勢いのある、すばやい水の流れは、トイレをさらにより大きいトラップウェイ直径ならびに最小限の曲がり部および狭窄部を備えて設計することを可能にし、これは、非噴出式便器およびリム噴出式便器に比べ、大量の排せつ物除去におけるパフォーマンスを改良する。
【0014】
直接供給式噴出便器は、現在、排せつ物の大量除去に関して現況技術の大部分を占めるが、トイレパフォーマンスにおける改良に関する主要分野が依然として存在する。政府当局は、都市用水ユーザが使用する水の量を自らが低減することを継続的に要求している。近年における焦点の多くは、トイレ水洗作用の作動によって必要とされる水需要を低減することである。この点を例示するために、各水洗においてトイレ内で使用される水の量が、政府当局によって、7ガロン/1水洗(1950年代以前)から5.5ガロン/1水洗(1960年代の終わり)、3.5ガロン/1水洗(1980年代)まで除々に低減されてきている。1995年のエネルギー政策法は、現在、米国内で販売されるトイレが、1.6ガロン/1水洗(6リットル/1水洗)量の水しか使用できないことを命じている。最近、水使用量を1.28ガロン/1水洗までさらに低下させることを要求する法規が、カリフォルニア州において通された。特許文献に現在説明され、市販されている1.6ガロン/1水洗トイレは、こうしたより低いレベルの水消費量に追い込まれたときサイフォンを一貫して行う能力を失う。したがって、製造者トラップウェイは、トラップ直径を低減することが余儀なくされ、また引き続き余儀なくされることになり、改良された技術およびトイレ設計の開発無しではパフォーマンスを犠牲にする。
【0015】
いくつかの発明は、直接噴出式概念の最適化を通して、サイフォン式トイレのパフォーマンスを改良することを目的としてきた。たとえば、米国特許第5,918,325号明細書では、サイフォン式トイレのパフォーマンスは、トラップウェイの形状を改良することによって改良される。米国特許第6,715,162号明細書では、パフォーマンスは、半曲状の入口を備えた水洗弁、および便器内への水の非対称流を用いて改良される。
【0016】
米国特許第8,316,475B2号明細書は、加圧式リムおよび直接供給式噴出の構成を実証し、この構成は、現在の環境的水使用標準を満たす低量の水を使用することに対して、増強された洗い出しおよび適切なサイフォンを可能にする。
【0017】
米国特許出願公開第2012/0198610A1号明細書もまた、主マニフォールド内の制御要素によって達成された高パフォーマンストイレを示し、この制御要素は、タンク入口からトイレマニフォールドに入る水洗水の流れをリムの入口ポート内および直接供給式噴出部の入口ポート内に分割する。米国特許第2,122,834号明細書は、サイフォン作用を終結させ、システム内への逆流を防止するために空気をトイレ水洗サイクル内に導入するための空気マニフォールドおよび水圧マニフォールドを備えたトイレを示している。他の発明は、トイレタンクを別個のセクションに分割することによってリムと噴出部との間のパフォーマンスに対処することを試みている。米国特許第1,939,118号明細書を参照されたい。
【0018】
水洗量が、約6.0リットルを下回って押し出されたとき、トイレの内部チャネル内の乱流および流れ制限の最小化は、最重要視するものとなる。流れに対する乱流および制限を最小化する上で最も重要な要素の1つは、水洗サイクルを開始する前のリムおよび噴出チャネルを占有する空気を管理することである。空気が、水洗水が押し寄せる前にシステムから逃げることができない場合、空気は、チャネル内の空間を占有し、流れを制限し続ける。米国特許第5,918,325号明細書は、噴出チャネルを備えたトイレを説明し、この噴出チャネルは、空気排出手段、つまり噴出チャネルをリムに連結する通路を含み、空気を水洗中に噴出チャネルからリム内に逃がすことを可能にする。米国特許出願公開第2012/0198610A1号明細書は、同様に、空気および/または水が噴出チャネルとリムチャネルの間を通ることを可能にする下流側連通ポートを備えたトイレを開示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
サイフォン式トイレパフォーマンスをさらに改良し、特に噴出チャネル(複数可)を占有する水洗前空気を管理する必要性が、当技術分野には残っている。また、詰まりを抑え、水洗パフォーマンスを犠牲にすることなく水洗作用中に著しく改良された洗浄を可能にすることによって、従来技術のトイレにおいて上記で留意した欠点を改良するトイレの必要性も、当技術分野において存在する。そのようなトイレはまた、低い水消費量に対する十分なサイフォンを多様なトラップウェイ外形に合わせてもたらしながら、節水基準および政府ガイドラインにも依然として適合しなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の範囲内に含まれるものは、サイフォン式水洗トイレ便器組立体であって、噴出水洗弁入口および噴出水洗弁出口を有する少なくとも1つの噴出水洗弁組立体であって、流体を噴出水洗弁出口から閉じられた噴出流体通路に送るように構成される、噴出水洗弁組立体と、リム弁入口およびリム弁出口を有する少なくとも1つのリム弁であって、流体をリム弁の出口からリム入口ポートまで送るように構成される、リム弁と、内部便器領域を画定する内部表面を有する便器であって、(a)水を便器の上側周囲領域に導入するための少なくとも1つのリム入口ポートと、(b)少なくとも1つの噴出チャネルを画定する噴出部であって、噴出水洗弁の出口と流体連通する入口ポートと、便器の下側部分内に配置され流体を便器の水だめ領域に排出するように構成された噴出出口ポートとを備え、水だめ領域は、堰を有するトラップウェイへの入口と流体連通し、閉じられた噴出流体通路は噴出チャネルを備える、噴出部とを備える、便器とを備え、噴出水洗弁が、トラップウェイの堰の上方に配置され、噴出チャネルを備える閉じられた噴出流体通路が、噴出水洗弁の出口から噴出部の出口まで延び、呼び水された後、閉じられた噴出流体通路は、流体で呼び水されたままであり、空気が、水洗サイクルの作動前および完了後に閉じられた噴出流体通路に入るのを防止するのを助けることができる、サイフォン式水洗トイレ便器組立体である。
【0022】
トイレ便器組立体は、1つの実施形態では、リムマニフォールドをさらに備えることができ、この場合、リムマニフォールドは、流体をリム水洗弁組立体の出口から受け入れるためのリムマニフォールド入口開口部と、流体をリム入口ポートに送るためのリムマニフォールド出口開口部とを有する。そのような実施形態では、便器はまた、便器の上側周囲周りを少なくとも部分的に延びるリムを備えることもでき、リムは、リム入口ポートから便器の上側周囲周りに延び便器の内部領域と流体連通する少なくとも1つのリム出口ポートを有する、リムチャネルを画定し、この場合、リム入口ポートは、リムマニフォールド出口開口部と流体連通する。
【0023】
組立体の別の実施形態では、便器は、リム棚部を備えるリムを有することができ、このリム棚部は、便器の上側周囲領域内の便器の内部表面に沿ってリム入口ポートから少なくとも部分的に便器周りを横断方向に延び、それにより、流体は、リム棚部に沿って進行し、リム入口ポートから変位した少なくとも1つの場所内で便器の内部空間に入ることができる。
【0024】
組立体はまた、流体を流体供給源から受け入れるように構成されたタンクを含むこともでき、タンクは、少なくとも1つの充填弁を含む。タンクは、少なくとも1つの噴出リザーバと、少なくとも1つのリムリザーバとを含むことができ、噴出リザーバは、噴出充填弁および少なくも1つの噴出水洗弁組立体を備え、リムリザーバは、少なくとも1つのリム弁を備える。そのような実施形態では、リムリザーバは、さらに、リム充填弁を備えることができ、このリム弁は、リム水洗弁組立体であり、リム水洗弁組立体は、オーバーフロー管を備える。
【0025】
水だめ領域内のトイレ便器の内部壁の少なくとも一部分はまた、噴出出口ポートからトラップウェイの入口に向かって上方向に傾斜するように構成されてもよい。
【0026】
トイレ組立体は、好ましくは、約6.0リットル以下、より好ましくは約4.8リットル以下、一部の実施形態では約2.0リットル以下の水洗量で作動することができる。
【0027】
少なくとも1つの噴出チャネルはまた、便器の外部表面の下側部分周りを少なくとも部分的に延びるように配置されるように構成されてもよい。
【0028】
1つの実施形態における便器の水だめ領域は、便器の内部表面によって画定され入口端部および出口端部を有する噴出トラップを有し、噴出トラップの入口端部は、流体を噴出出口ポートおよび便器の内部領域から受け入れ、噴出トラップの出口端部は、トラップウェイへの入口と流体連通し、噴出トラップはシール深さを有する。噴出出口ポートの表面は、噴出トラップ内にあることができ、水だめ領域を長手方向に貫通して測定した、トラップウェイへの入口の上側表面の下方のシール深さで配置され得る。噴出トラップシール深さは、約1cmから約15cm、好ましくは約2cmから約12cmでよく、さらに、約3cmから約9cmでよい。
【0029】
組立体の1つの実施形態におけるリム弁は、リム水洗弁入口からリム水洗弁出口に延びるリム水洗弁本体と、フラッパカバーなどのリム水洗弁カバーとを有するリム水洗弁組立体でよい。
【0030】
少なくとも1つの噴出チャネルはまた、便器の下方を少なくとも部分的に通るように配置されてもよい。1つの実施形態における噴出水洗弁組立体は、噴出水洗弁入口から噴出水洗弁出口まで延びる噴出水洗弁本体と、水洗弁カバーとを備え、この場合、噴出水洗弁はまた、逆流防止機構も備える。
【0031】
噴出水洗弁組立体または任意選択のリム水洗弁組立体上の本明細書の水洗弁カバーは、少なくとも部分的に可撓性であり、開いたときに上方向に剥がれることができるように形成され得る。
【0032】
逆流防止機構が設けられる場合、これは、押さえリンク機構、フックおよびキャッチ機構、ポペット機構、ならびに逆止弁のうちの1つまたは複数でよい。
【0033】
噴出水洗弁組立体はまた、噴出水洗弁入口から噴出水洗弁出口まで延びる噴出水洗弁本体と、水洗弁カバーとを備えることもできる。そのような実施形態では、水洗弁カバーは、少なくとも部分的に可撓性であり、開いたときに上方向に剥がれることができるように形成され得る。噴出水洗弁カバーはまた、さらに、ヒンジ式アームおよび/またはフロートをその上に有する鎖の取り付けのための少なくとも1つのグロメットを備えることもできる。少なくとも部分的に可撓性であるカバーを有するそのような実施形態では、組立体はまた、逆流防止機構を備えることもできる。
【0034】
また、本発明の範囲内にあるのは、サイフォン式水洗トイレ組立体を呼び水された状態に維持する方法であって、(a)トイレ便器組立体を提供することであって、トイレ便器組立体が、噴出水洗弁入口および噴出水洗弁出口を有する少なくとも1つの噴出水洗弁組立体であって、流体を噴出水洗弁出口から閉じられた噴出流体通路に送るように構成される、噴出水洗弁組立体と、リム弁入口およびリム弁出口を有する少なくとも1つのリム弁であって、流体をリム弁の出口からリム入口ポートに送るように構成される、リム弁と、内部便器領域を画定する内部表面を有する便器であって、(i)水を便器の上側周囲領域に導入するための少なくとも1つのリム入口ポートと、(ii)少なくとも1つの噴出チャネルを画定する噴出部であって、噴出水洗弁の出口と流体連通する入口ポートと、便器の下側部分内に配置され流体を便器の水だめ領域に排出するように構成された噴出出口ポートとを有し、水だめ領域が、堰を有するトラップウェイへの入口と流体連通し、閉じられた噴出流体通路は噴出チャネルを備える、噴出部とを備える、便器とを備え、噴出水洗弁が、トラップウェイの堰の上方に配置され、噴出チャネルを備える閉じられた噴出流体通路が、噴出水洗弁出口から噴出部の出口ポートまで延び、呼び水された後、閉じられた噴出流体通路は、流体で呼び水されたままであり、空気が、水洗サイクルの作動前および完了後に閉じられた噴出流体通路に入ることを防止するのを助けることができる、提供することと、(b)水洗サイクルを作動させることと、(c)流体を少なくとも1つの噴出水洗弁組立体および少なくとも1つのリム弁を通して提供することと、(d)水洗サイクルの完了後、閉じられた噴出流体通路を呼び水された状態に維持することとを含む、サイフォン式水洗トイレ組立体を呼び水された状態に維持する方法である。好ましい実施形態では、流れは、水だめ内のレベルが噴出出口ポートの上方になるまで継続される。
【0035】
上記で留意した方法では、トイレ便器組立体は、さらに、リムマニフォールドを備えることができ、リムマニフォールドは、流体をリム弁の出口から受け入れるように構成されたリムマニフォールド入口開口部と、流体をリム入口ポートに送るためのリムマニフォールド出口開口部とを有し、便器は、便器の上側周囲周りにリムを備え、リムは、リム入口ポートから少なくとも部分的に便器の上側周囲周りを延び便器の内部領域と流体連通する少なくとも1つのリム出口ポートを有する、リムチャネルを画定し、リム入口ポートは、リムチャネルおよびリムマニフォールド出口開口部と流体連通し、方法は、さらに、流体をリム弁の出口からリムマニフォールド入口、リムマニフォールド出口、リム入口ポート、リムチャネルおよび少なくとも1つのリムチャネル出口ポートを通ってトイレ便器の内部領域内に導入することを含む。
【0036】
方法の一実施形態では、リムはまた、リム棚部を備えることができ、このリム棚部は、便器の上側周囲領域内の便器の内部表面に沿ってリム入口ポートから少なくとも部分的に便器の内部表面周りを横断方向に延び、方法は、さらに、流体を、これがリム棚部に沿って進行し、リム入口ポートから変位した少なくとも1つの場所内で便器の内部空間に入るように、リム棚部入口ポートから導入することを含むことができる。
【0037】
本方法におけるトイレ便器組立体は、さらに、流体を流体の供給源から受け入れるように構成されたタンクであって、少なくとも1つの充填弁を有する、タンクを備えることができ、方法はさらに、少なくとも1つの充填弁を用いてタンクを充填することと、流体をタンクから少なくとも1つの噴出水洗弁組立体および少なくとも1つのリム弁を通って便器に提供することとを含む。タンクは、少なくとも1つの噴出ザーバと、少なくとも1つのリムリザーバとを含むことができ、噴出リザーバは、噴出充填弁を備え、少なくとも1つの噴出水洗弁組立体は流体を噴出入口ポートに送るように構成され、リムリザーバは、少なくとも1つのリム弁を備え、流体を少なくとも1つのリム弁を通ってリム入口ポートに送るように構成され、方法は、さらに、少なくとも1つの噴出リザーバを、水洗サイクルを作動させる前に少なくとも1つの充填弁からの流体で充填することを含む。少なくとも1つのリムリザーバは、さらに、リム充填弁を含むことができ、方法は、さらに、少なくとも1つのリムリザーバをリム充填弁を用いて充填することを含む。
【0038】
方法はまた、少なくとも1つの噴出リザーバ内の流体のレベルを、水洗サイクルの完了後、タンクの少なくとも1つの充填弁から噴出水洗弁組立体入口の上方に維持することを含むこともできる。
【0039】
方法の別の実施形態では、噴出トラップ内では、噴出出口ポートの上側表面は、水だめ領域を長手方向に貫通して測定した、トラップウェイへの入口の上側表面の下方のシール深さで配置されるように構成されてよく、方法は、さらに、このシール深さを維持して、閉じられた噴出流体通路が、水洗サイクルの作動前および完了後に噴出水洗弁組立体からの流体で呼び水されることを容易にすることを含むことができる。
【0040】
さらに、本明細書において本発明に含まれるものは、サイフォン式水洗トイレ便器組立体であって、流体を直接供給式噴出部に送るように構成された少なくとも1つの噴出水洗弁組立体、および流体をリムに送るように構成された少なくとも1つのリム弁と、リムマニフォールドであって、流体をリム弁から受け入れるように構成されたリムマニフォールド入口開口部と、流体をリム入口ポートに送るためのリムマニフォールド出口開口部とを有する、リムマニフォールドと、内部便器領域を画定する内部表面を有する便器であって、(a)便器の上側周囲周りに設けられリムチャネルを画定するリムであって、リムチャネルが、リムマニフォールド出口開口部と流体連通する入口ポートと、便器の内部領域と流体連通する少なくとも1つのリム出口ポートとを有する、リムと、(b)少なくとも1つの噴出チャネルを画定する噴出部であって、流体を噴出水洗弁組立体から受け入れるために噴出水洗弁組立体と流体連通する入口ポートと、流体を便器の底部分内の水だめ領域に排出するように構成された噴出出口ポートとを有し、水だめ領域は、トラップウェイの入口と流体連通する、噴出部とを有し、(c)便器の水だめ領域は、便器の内部壁によって画定され入口端部および出口端部を有する噴出トラップを有し、噴出トラップの入口端部は、流体を噴出出口ポートおよび便器の内部から受け入れ、噴出トラップの出口端部は、トラップウェイへの入口と連通する、便器とを備え、噴出トラップは、水洗サイクルの作動前および完了後、噴出チャネルおよび噴出マニフォールドを、噴出水洗弁組立体からの流体で呼び水された状態に維持するのに十分なシール深さを有し、それによって空気が、水洗サイクルの作動前および完了後に閉じられた噴出流体通路に入ることを防止するのを助ける、サイフォン式水洗トイレ便器組立体である。
【0041】
本発明は、さらに、サイフォン式水洗トイレ便器組立体であって、流体を直接供給式噴出部に送るように構成された少なくとも1つの噴出水洗弁組立体と、流体を便器の上側周囲部分内のリム入口ポートに送るように構成された少なくとも1つのリム弁とを備え、便器は、便器の内部領域を画定する内部表面を有し、(a)便器の上側周囲周りの上側周囲部分は、流体をリム入口ポートから少なくとも部分的に便器の上側周囲部分周りに、そして水だめ領域に入るように方向付け、便器は、(b)少なくとも1つの噴出チャネルを画定する噴出部であって、噴出水洗弁組立体の出口と流体連通する入口ポートと、流体を水だめ領域に排出するように構成された便器の下側部分内の噴出出口ポートとを有し、水だめ領域は、トラップウェイの入口と流体連通する、噴出部とを有し、(c)便器の底部分内の水だめ領域が、便器の内部表面によって画定され入口端部および出口端部を有する噴出トラップを有し、噴出トラップの入口端部は、流体を噴出出口ポートおよび便器の内部から受け入れ、噴出トラップの出口端部は、トラップウェイへの入口と連通し、噴出トラップは、水洗サイクルの作動前および完了後、噴出チャネルおよび噴出マニフォールドを、噴出水洗弁組立体からの流体で呼び水された状態に維持するのに十分なシール深さを有するように構成され、それによって空気が、水洗サイクルの作動前および完了後に閉じられた噴出流体通路に入ることを防止するのを助ける、サイフォン式水洗トイレ便器組立体を含む。
【0042】
本発明は、さらに、サイフォン式水洗トイレ便器組立体を、呼び水された状態に維持する方法であって、(a)トイレ便器組立体を提供することであって、トイレ便器組立体が、噴出水洗弁入口および噴出水洗弁出口を有する少なくとも1つの噴出水洗弁組立体であって、流体を噴出水洗弁出口から閉じられた噴出流体通路に送るように構成される、噴出水洗弁組立体と、弁入口およびリム弁出口を有する少なくとも1つのリム弁であって、流体をリム弁の出口からリム入口ポートに送るように構成される、リム弁と、内部便器領域を画定する内部表面を有する便器であって、(i)リム入口ポートが、(A)便器の上側周囲周りに設けられたリムであって、リム入口ポートから便器の上側周囲周りに延びるリムチャネルを画定し、便器の内部領域と流体連通する少なくとも1つのリム出口ポートを有する、リム、または(B)便器の上側周囲領域内の便器の内部表面に沿って、リム入口から少なくとも部分的に便器周りを横断方向に延びるリム棚部のうちの1つに水を導入するように構成され、便器は、(ii)少なくとも1つの噴出チャネルを画定する噴出部であって、噴出水洗弁組立体の出口と流体連通する入口ポートと、便器の下側部分内に配置され流体を便器の水だめ領域に排出するように構成された噴出出口ポートとを有し、水だめ領域は、堰を有するトラップウェイへの入口と流体連通し、閉じられた噴出流体通路は噴出チャネルを備える、噴出部を備える、便器とを備え、噴出洗浄弁は、トラップウェイの堰の上方に配置され、噴出チャネルを備える閉じられた噴出流体通路は、噴出水洗弁の出口から噴出部の出口まで延び、それにより、呼び水された後、閉じられた噴出流体通路は、流体で呼び水されたままになって、空気が水洗サイクルの作動前および完了後に閉じられた噴出流体通路に入ることを防止するのを助けることができる、提供することと、(b)水洗サイクルを作動させることと、(c)流体を少なくとも1つの噴出水洗弁組立体を通して、空気が噴出出口に入らないようにし、かつトラップウェイ内でサイフォンを発生させるのに十分な流量で提供することと、(d)噴出チャネルを通る流体の流量を、サイフォンが破れるまで約1秒から約5秒の間低下させることとを含む、方法を含む。
【0043】
呼び水する方法はまた、水洗サイクル中、流体を少なくとも1つのリム弁を通して提供することをさらに含むステップ(c)を含むこともできる。方法は、さらに、水だめが流体で充填されるまで空気が噴出出口ポートに入らないようにするのに十分な流量を噴出水洗弁組立体出口を通して提供することによって、設置するときに、便器に最初に呼び水することを含むこともできる。
【0044】
本発明はまた、サイフォン式水洗トイレ便器において使用するための水洗弁も含み、この場合、水洗弁は、水洗弁入口から水洗弁出口まで延びる水洗弁本体と、水洗弁入口上を延びるように構成されたフラッパカバーとを有し、水洗弁は、さらに、逆流防止機構を備える。逆流防止機構は、押さえリンク機構、フックおよびキャッチ機構、ポペット機構、および逆止弁のうちの1つまたは複数でよい。水洗弁はまた、少なくとも部分的に可撓性であり、開いたときに上方向に剥がれることができる水洗弁カバーを備えることもできる。水洗弁カバーはまた、カバーを持ち上げることを助けるヒンジ式アームと、フロートを有する鎖の取り付けのための少なくとも1つのグロメットとをさらに備えることもできる。
【0045】
また、本発明の範囲内にあるのは、サイフォン式水洗トイレ便器組立体において使用するための水洗弁であって、水洗弁入口から水洗弁出口まで延びる水洗弁本体と、水洗弁入口上を延びるように構成されたフラッパカバーとを備える、サイフォン式水洗トイレ便器組立体において使用するための水洗弁であり、フラッパカバーは、少なくとも部分的に可撓性であり、開いたときに上方向に剥がれることができる。この実施形態では、水洗弁は、さらに、上記および本明細書の他所で説明する逆流防止機構を備えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0047】
前述の概要および本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明は、付属の図を併用して読み取ることにより、より良好に理解される。本発明を例示する目的で、現在好ましい実施形態が図に示される。しかし、本発明は、図示する正確な配置および手段に限定されないことを理解されたい。
【0048】
本明細書では、「内側」および「外側」、「上側」および「下側」、「前方向」および「後方向」、「前部」および「後部」、「左」および「右」、「上方向」および「下方向」などの言語ならびに類似の意味の言語は、図示するトイレ組立体の配向に関して添付の図を参照して本発明の好ましい実施形態を理解するのを助けるよう意図されており、本発明の範囲に限定する、または本発明の範囲を図に示す好ましい実施形態に限定するようには意図されていない。本明細書の実施形態、10、1010、110、210、310および410などの各々は、同じ参照番号を使用して、本明細書において説明し図に示す本発明の類似の特徴を指し示し、それにより、そうではないという言語で特定の特徴の代替の構成を説明することがないときは、当業者は、本開示およびこれに添付された図に基づいて、1つのそのような特徴の説明が、類似の特徴を説明する別の実施形態でも適用可能であることを理解するであろう。
【0049】
本発明では、便器組立体内に導入された流体流を切り離し、それによって噴出水洗弁およびリム水洗弁などのリム弁からの異なる流体量を、好ましくは別個の閉じられた噴出流体路を通して送ることによって、噴出チャネルを含む呼び水された閉じられた流体通路を維持するように作動することができるサイフォン式水洗トイレ組立体が、提供される。これは、空気充填された噴出チャネルと共に作動し、乱流および流れ制限を最小限に抑えるために空気を排除しなければならない標準的な重力式水洗サイフォン式トイレと比較して、より強いパフォーマンスを提供する。
【0050】
本発明のトイレ便器組立体は、便器の外側のトイレ組立体内に噴出チャネル(複数可)を含む、閉じられた噴出流体路を有する。噴出チャネル(複数可)は、便器成形の外形に応じて、さまざまな構成および延長領域、追加のポートまたは側部チャネルなどを有することができ、閉じられた噴出流体路が、流体を噴出弁出口から噴出入口ポート内に、そして噴出チャネル内を通って噴出出口ポートまで受け入れる限り、任意選択の噴出マニフォールドを含む。閉じられた噴出流体路は、噴出チャネルを、永久的に呼び水された状態に維持し、実質的には、これを切り離し、それによって空気が噴出チャネル内に入ることを防止するのを助ける。これは、(1)噴出チャネルをリム流れまたは大気開放の他の通路から切り離すことにより、(2)タンク内の水レベルが水洗弁の開口部のレベルまで降下する前に噴出チャネル水洗弁を閉じることにより、(3)空気流が噴出チャネル(複数可)および他のあらゆる噴出路、領域、または使用される場合任意選択の噴出マニフォールドに入ることを防止することを助け、1つの実施形態ではこれは、空気が噴出チャネル出口に入ることを遮るのを助けるために水だめ領域内の噴出トラップ内にシール深さを確立することを含むことによって、かつ/または(4)噴出トラップ内の水レベルが、空気を逆に進行させ噴出チャネル内に入り得るレベルまで降下しないことを確実にするように組立体を構成し作動させることによって果たされる。
【0051】
通常、リムへの流体量対噴出部への流体量の比もまた、トイレパフォーマンスに影響を与える。一般的な従来技術のサイフォン噴出式トイレでは、新鮮な水の約70%が、噴出部に動力供給し、サイフォンを開始するのに必要とされ、残り約30%だけを、リムを通して便器を洗浄するために残す。本明細書の呼び水型トイレでは、サイフォンを開始するために水はかなり少なくてよく、それによってより多くの水を便器を清掃するのに使用することを可能にする。本出願人は、便器清掃における著しい改良のために、約50%を超える新鮮な水が、リムに方向付けられ得ることを決定した。好ましい実施形態では、約60%を超え、かつ約70%を超える水が、リムに方向付けられ得る。
【0052】
上記で留意した要素に加えて、水だめ領域内の水の十分なシール深さを維持し、および/または水だめから噴出チャネル内への空気の逆流を防止するための別の方法は、サイフォンを破った後、水が噴出チャネルを通りそこからより遅く流れることを維持することである。たとえば、堰まで充填された便器(すなわち余分な水がサイフォンに寄与するために存在する)では、およそ約54mmの直径のトラップウェイ内でサイフォンを開始し、維持するには、約950ml/sを上回る噴出部からの容積流量を必要とする。これは、7.47cm
2の噴出出口ポート領域上の127cm/sの線形流量となる。より大きいトラップウェイサイズは、サイフォンを開始し、維持するためにより高い流量を必要とし、より小さいトラップウェイは、より小さい値を必要とすることになる。噴出部からの流量が、約950ml/sを下回って低減されるとき、サイフォンは破れる。約950ml/sを下回るが、約175ml/sを上回る噴出部からの容積流量(すなわち、噴出出口ポートの7.47cm
2領域を通る23.4cm/sの線形流量)を維持することで、空気が閉じられた噴出チャネルに入ることが防止される。便器がトラップウェイの堰のレベルまで完全に充填されたとき、噴出部からの流れは、噴出チャネルの上部がトラップウェイの堰の下方に位置する限り、呼び水を失うことなく停止され得る。
【0053】
噴出水洗弁およびリム水洗弁のためのそのような水洗弁作動を制御することは、数多くの方法で行われ得る。1つの方法は、参照によって関連する部分が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2009/0313750号明細書および米国特許第6,823,535号明細書に開示されるように電磁弁を使用することによるものである。この弁制御方法はまた、単なる機械的方法、たとえばこれもまた関連する部分が参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第6,704,945号明細書に開示されたもののような二重入口水洗弁に対する改変などによって果たされ得る。あるいは、本明細書に示すような直列の2つの水洗弁の最適なパフォーマンスに合わせて釣り合いがとられる水洗作動バーが、使用されてよい。
【0054】
さらに、以下により詳細に論じるように、システムパフォーマンスは、「引き剥がし」弁カバーを提供して噴出部の自動呼び水作用を容易にすることによって増強され得る。カバーは、噴出フラッパを開くのに必要とされる始動力を低減するように作用する。噴出チャネル(複数可)が呼び水される本発明では、フラッパの上方および下方両方の水の重量により、従来のフラッパ弁よりも2倍を超える力が必要とされる。カバーを剥がして開くことにより、シールは破れ、一部の水が到来し、一方で空気は、カバーがより容易に開放するように後退する。加えて、最初の呼び水作用中、弁が閉じられているとき、噴出部は空気で満杯になり、フラッパが突然開く場合、新鮮な水があまりにもすばやく突入し、噴出チャネル(複数可)内の空気は、トイレおよびその噴出チャネル(複数可)の外形に応じて十分に排出されずに捕捉されるようになり得る。さらに、本明細書の実施形態は、呼び水され閉じられた噴出路を提供するため、トイレが水の突入を必要とするとき、さらに本明細書の以下で説明するような任意選択の逆流防止装置が、噴出水洗弁に提供され得る。
【0055】
水だめ領域内の十分な水洗後深さおよび/または水が噴出出口ポートを通って閉じられた噴出流体通路に入るのを停止させることはまた、サイフォンが破れている間、リム無しトイレではリム棚部に、またはより従来のトイレ設計ではリムチャネルを通って水が流れることを維持することにより、達成され得る。本明細書において説明するトイレシステムは、リムおよび噴出部への流れを制御するための別個のチャネルおよび弁機構を含むため、システムは、サイフォンが破れている間、リム入口ポートを通る流れを継続するように設計され得る。リム入口ポートへの水の流れは、好ましくは、水だめ領域内の水のレベルを噴出出口ポートの高さの上方に維持するのに十分であるが、サイフォンをトラップウェイ内で維持するには不十分なものである。このようにして、付加された安全策が、噴出チャネルが空気を有さないように維持するために提供され、水だめ領域内のシール深さの依存を低減させることができる。噴出部およびリムを通る流れはまた、水だめ領域内に十分な水洗後深さを維持するために一緒に利用され得ることに留意されたい。
【0056】
本発明が従来技術に対する改良を提供する関連する分野は、6.0リットルを下回る、好ましくは4.8リットルを下回る水洗量を伴う高い効率性のサイフォン式トイレにある。本明細書において説明する本発明のトイレ便器組立体の実施形態は、低減された使用水量で優れた便器の清潔性をもたらしながら、シングル水洗トイレまたはデュアル水洗トイレの組立体において約6.0リットル/1水洗以下、好ましくは約4.8リットル/1水洗以下を有する現代のトイレと一致した詰まりに対する抵抗性を維持することができる。サイフォンを開始するために噴出チャネルを通るのは、かなり少ない水だけでよいため、本明細書の呼び水型トイレ組立体の実施形態は、水洗毎に約4.8リットル以下で機能することができ、好ましくは水洗毎に約3.0またはそれを下回っておよび水洗毎に約2.0リットルの少なさで機能することができる極めて高い効率性のトイレの生産を可能にする。
【0057】
さらに、本発明が従来技術に対する改良を提供する第2の関連する分野は、より大きいトラップウェイを備えたサイフォン式トイレにある。トラップウェイのサイズを変更することにより、水消費量およびトイレパフォーマンスは、著しく影響される。本発明では、トイレ便器組立体は、さまざまなトラップウェイのサイズおよび容積のサイフォン式トイレ内で呼び水されたままでいることができ、その理由は、流れに対する乱流および制限の低減が、好ましい実施形態では呼び水された噴出マニフォールドおよび呼び水された噴出チャネルを含む、閉じられた噴出流体通路によって達成されるためであり、それによってトイレ便器組立体が優れた水洗作用および洗浄能力を維持することを可能にする。
【0058】
本発明のトイレシステムの最大限可能なパフォーマンスを達成するために、閉じられた流体噴出路は、「呼び水され」なければならず、すなわち、これは、水で充填され、空気を殆どまたは全く含んではならない。閉じられた流体噴出路および噴出チャネルが、トイレの最初の設置後または大きな修理または保全作業の後の場合のように十分な量の空気を含むとき、閉じられた噴出チャネルは、システムの全可能パフォーマンスが達成される前に呼び水されなければならない。呼び水作用を起こすために、2つの基本的要求事項が満たされなければならず、すなわち(1)水が、閉じられた噴出チャネルを出るよりも速く閉じられた流体噴出路内に流れ込むことが可能にされなければならず、また、(2)噴出チャネルおよび閉じられた噴出流体路内に含まれる空気は、閉じられた噴出チャネル内への水の流れを通して、これと共に、またはこれに対して逃げる経路が設けられなければならない。
【0059】
閉じられた噴出チャネルに呼び水をする、「手動呼び水作用」と称され得る最も簡単な方法は、リム弁を閉じたままにし、噴出出口ポート(複数可)からの流れを遮りまたは部分的に遮りながら、本明細書において説明する噴出水洗弁組立体を開くことである。噴出水洗弁は、気泡が、チャネルからタンク内に逃げてもはや見えなくなるまで開いた状態で保たれなければならず、この見えなくなった時点で、噴出水洗弁は閉じられ、噴出出口ポートの遮りは解除され得る。タンクに再充填するとき、システムは、このとき、完全に呼び水され、最大限可能なパフォーマンスでの使用に向けて待機しなければならない。好ましい実施形態では、システムは、設置後または(保全作業、補修など)他の予期せぬ理由のための呼び水の損失後、最初のいくつかの水洗にわたって自動呼び水するように設計される。自動呼び水するために、ここでも同じ2つの要求事項が満たされなければならないが、システム固有になされる。自動呼び水システムを確実にすることは、大きくは、噴出水洗弁、噴出チャネルを含む閉じられた流体噴出路、および噴出出口ポートの外形および設計に応じたものになる。以下でより詳細に論じるように、噴出水洗弁は、好ましくは、高流量が閉じられた噴出チャネルに入ることを可能にし、流れ速度を増大させる(参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第8,266,723号明細書に説明されるものなどの)半曲状の水洗弁が、使用され得る。ほとんどの閉じられた噴出チャネル設計では、噴出チャネル内に混入した空気の最後の部分は、噴出水洗弁のフラッパ(または他の開放機構)のすぐ下方の空間まで上昇する可能性がある。したがって、弁設計はまた、この残りの空気が逃げるのを容易にしなければならない。以下で論じるように、引き剥がすことができるフラッパなどの除々に開く弁は、水の流れを弁の一方側に拘束し、この流れ周りの空気が逃げることを容易にすることができる。水洗弁の喉部内の特定のパターンまたはリブも同様に、空気がこうして逃げることを容易にすることができる。
【0060】
図1〜15、17〜19および29〜34は、全般的に本明細書では組立体10として参照されるトイレ便器組立体の第1の実施形態を示す。組立体10は、噴出水洗弁入口71および噴出水洗弁出口13を有する少なくとも1つの噴出水洗弁組立体70を含む。噴出水洗弁本体21は、入り口71と出口13の間の延び、内部流路を画定する。噴出水洗弁組立体は、多様な構成を有することができ、当技術分野で知られているまたは今後開発されるいずれの適切な水洗弁組立体でもよい。好ましくは、これは、そのような弁およびフロートを有するカバーの使用の説明のために、ならびに本明細書の以下で説明し
図35〜68に示す噴出水洗弁のさまざまな実施形態に関して関連部分が参照によって本明細書に組み込まれる、同時係属中の出願第14/038,748号明細書に説明されるものに類似するように構成される。
図1〜2および7〜11に示すように、噴出水洗弁組立体70は、噴出水洗弁組立体を通る流れを制御するために、リム水洗弁組立体80(ここではリム弁は、本明細書では組立体80に関して説明される)より短い弁高さプロファイルを有する。リム水洗弁組立体80および噴出水洗弁組立体70の各々は、好ましくは、鎖119または他のリンク機構を介してフロート117が取り付けられたカバー115を有する。同時係属中の出願第14/038,748号に説明されるように、そのような特徴は、特定の水洗弁設計において高度なパフォーマンスおよび浮力の制御をもたらすことを助ける。しかし、本発明の原理に基づいて作動する他の水洗弁組立体が、使用され、改良された水洗作用能力をもたらすことができることを理解されたい。
【0061】
噴出水洗弁組立体70は、流体をその噴出水洗弁出口13から閉じられた噴出流体通路1に送る。閉じられた噴出流体通路1は、少なくとも1つの噴出チャネル(複数可)を含む。本明細書に示すように、単一の噴出路が使用されてよく(たとえば組立体10の二重噴出路の1つの脚部だけを強調する
図3に示す矢印を参照)または複数のチャネルでもよい。この実施形態に示すように、2つのそのようなチャネル38が提供され、1つの入口から出発して1つの出口において接合し、この間チャネルの各々は、
図3Aに示す流路によって示すように便器周りのその下面上を流れる。噴出マニフォールドが、任意選択で設けられてよい。
【0062】
少なくとも1つのリム弁が、使用される。リム水洗弁は、電磁弁、インライン弁、電子弁を含む多様な弁でよく、または水が、電子的に制御される弁によって入口管から提供されるだけでよい。本明細書に示すように、リム水洗弁組立体80は、
図1〜2、7〜8および12〜14に示すように設けられる。各々のリム弁組立体は、リム水洗弁入口83およびリム水洗弁出口81、ならびに入口83から出口81まで延びるリム水洗弁本体31を有する。リム水洗弁80または任意の他の適切なリム弁は、これが、流体をリム弁の出口から本明細書ではリム入口ポート28としても知られているリム入口に送るように構成される限り、上記で留意したようないずれの適切な水洗弁組立体またはリム弁でもよい。
図示する実施形態では、リム32は、流体が、リム入口ポート28を通って便器30内に導入され、便器30の内部表面36内に形成される輪郭または外形特徴(複数可)に沿って進行するということから「リム無し」設計のものである。すなわち、輪郭は、1つまたは複数の棚部(複数可)27でよく、または便器30の上側周囲部分33に沿って形成された類似の特徴でよい。図示するように、棚部は、
図29〜34に最適に示すように便器の陶磁器内に埋め込まれる。本明細書ではリム棚部27としても参照される棚部(複数可)は、便器30の上側周囲部分33内の便器30の内側表面39に沿ってリム入口ポート28から少なくとも部分的に便器周りを、また、
図30〜34に最適に示すように、便器30の内部表面36の埋め込まれた輪郭内にほぼ横断方向に延びる。トイレ便器30は、さまざまな形状および構成のものでよく、トイレ便座の蓋および/または蓋ヒンジ組立体を有することができる。そのような蓋は任意選択であるので、図には示されず、当技術分野では数多くのそのような蓋および組立体が知られており、それにより、知られているまたは今後開発されるいずれの適切な蓋も、本発明と共に使用され得る。
図3に示すような実施形態では、棚部27は、内部表面全体周りのほとんどを延びてから終端し、清掃のための渦流効果を誘発することができる。リム棚部設計はまた、リム無し特徴を説明することに関して関連部分が参照によって本明細書に組み込まれる、同時係属中の米国特許出願公開第2013/0219605A1号明細書に説明されるように、また
図28の代替の「リム無し」実施形態410に示すように、複数のリム棚部および複数のリム入口を収容することもできる。英国特許出願第2431937A号明細書に示されるような類似の設計またはそのような設計のあらゆる将来的バリエーションも同様に使用されてよく、この場合、便器は、従来の中空リムを有さずに形成され、水は、上側周囲部分内の便器の輪郭付けられた内部表面周りに方向付けられ、この内部表面は、便器の表面の輪郭部内に図示するように棚または類似の外形特徴を形成し、この特徴は、流体が、便器周りの少なくとも部分的通路周りを進んで、リム入口から横断方向に変位した場所において便器の内部に入ることを可能にする。また、従来の上側リムによって画定されたリムチャネルに供給するリム入口ポートを有し洗い出し水を便器の内部領域内に導入するための1つまたは複数のリム出口ポートを有する標準的なリムチャネルもまた、本明細書に説明する実施形態において使用されてよいことも理解されたい(
図16および実施形態110を参照)。そのようなリムは、加圧式でも加圧式でなくてもよく、実施形態110に関して以下でさらに詳細に説明するようなさまざまな特徴を有することができる。実施形態110のリム特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、
図1〜13または
図28に示すリム無しバージョンに組み込まれてよい。
【0063】
上記で留意したような組立体10では、棚部17は埋め込まれてよい。
図30〜34に示すように、棚部27は、トイレ便器の内部表面から輪郭部内に横断方向に測定した、比較的一定の、好ましくは一定の深さdと、棚部27から棚部上方の上側表面47まで長手方向に測定した高さhとを有する輪郭内にある。棚部幅sは、リム出口ポートからリム流路に沿って変化する。輪郭部は、内方向に延びる部分43と、棚部に沿って延びる棚部27上方の上側表面47とを有し、但し、棚部は、サイズを変更して、輪郭が、
図30に見られるように、棚幅s
1と、リム入口ポートからの流体の強力な流れを収容するためにその深さより幾分大きい高さh
1とを有する領域内により深い棚をもたらし、便器の後部と前部の間のほぼ中間の位置では適度な大きさの棚部サイズを維持し(
図31を参照)、このときリムの流れは、
図32に示すように、便器の前部に向かって棚部に沿って継続する(s
2およびs
3を参照)。深さdは、比較的一定であるが、高さhは、棚部の幅が低減するとき(たとえばs
2およびs
3を参照)便器の前部に向かって伸張し始める(高さh
2およびh
3を参照)。好ましくは本明細書の1つの実施形態の深さは、約10mmから約30mmの間に留まる。高さは、流れ始めのところで約35mmから約50mm、便器の後部と前部の中間点のところで約35mmから約50mm、および便器の前部のところで約40mmから約55mmに変化する。棚部幅は、sによって示され、この場合sは、棚部の埋め込み縁のところの第1の曲率半径rから棚部が下方向に傾く第2の曲率半径Rまでの接線に沿ってとられた横断測定値である。棚部は、第1の半径からの接線との角度αのところにある。この実施形態における角度αは、変化し、図示するように、棚部が
図30〜34において通路に沿って進むにつれてそれぞれ7°、5°、7°、22°および31°である。角度が増大するにつれて、半径は拡大し、棚部幅sは、棚部が終端するとき下方向の傾斜面寄りに消失する。
【0064】
流れが、便器の前部から
図34の便器の後部に向かって進行する中間点にある便器の反対側まで
図33に示すように続くにつれて、深さdは一定のままであるが、高さは、
図33の中間点ではさらに約45mmから約60mmまで伸張して便器の後部に至り、ここではこれは、約50mmから約65mmである。高さが伸張するとき(h
4およびh
5)、棚部27は、曲線まで低減し、最終的に終端する。
【0065】
便器組立体はまた、噴出チャネル38などの、少なくとも1つの噴出チャネルを画定する噴出部20も含む。噴出部20は、噴出水洗弁70の出口13と流体連通する入口ポート18と、便器30の下側または底部分内39に配置された噴出出口ポート42とを有する。噴出出口ポートは、流体を便器30の水だめ領域40に排出するように可変の断面形状およびサイズで構成され得る。閉じられた噴出流体路が維持される限り、追加の任意選択の領域または通路が設けられてよく、これらは、空間が呼び水され、いずれの穴または出口も、噴出トラップシール深さに対する影響を回避するために水だめ内の水線の下方にあるという条件のもと、所望であれば複数の噴出出口、または便器内に空間を提供するために複数の追加の通路または開口部を含む。追加の噴出出口は、好ましくは主出口の下方にある。
図3Cから3Gに最適に見られるように、チャネル38の周りの便器外形によって作り出された空間を含む内部噴出部の形状は、チャネル自体より大きく、入口18と出口13の間を延びる。噴出部形状は、
図3Cから3Gの上部平面図、底部斜視図、右側面図、後面図および左側面図それぞれに示される。形状または共有領域は、噴出部20の内部空間が使用時に呼び水されたままでいるという条件のもと、変えることができる。
【0066】
水だめ領域40は、堰45を有するトラップウェイ44への入口49と流体連通する。閉じられた噴出流体通路1は、噴出チャネル(複数可)38を含む。噴出水洗弁70は、好ましくは、トラップウェイの堰45上方のレベルLに配置される。閉じられた噴出流体通路1は、好ましくは、噴出水洗弁70の出口13から噴出部20の出口ポート42まで延びる。組立体が呼び水された後、閉じられた噴出流体通路1は、空気が、水洗サイクルの作動前および完了後に閉じられた噴出流体通路に入らないようにするために流体で呼び水されたままになることができる。
【0067】
閉じられた噴出流体通路は、空間または領域を入口と噴出通路の間に挿入し、噴出マニフォールド入口開口部および出口(図示せず)を通した流体連通をもたらすことによって噴出マニフォールド(図示せず)を含むことができる。トイレ便器組立体は、リムマニフォールド(図示せず)を有することができる。いずれのそのようなリムマニフォールドはまた、リム水洗弁組立体80の出口81端部と連通し、流体をリム水洗弁組立体80の出口81から受け入れるためのリムマニフォールド入口開口部と、流れをリム入口に送る出口とを有さなければならない。そのようなリムおよび噴出マニフォールドは、
図16の実施形態において説明される。本明細書の実施形態10では、リム32は、リム無し棚部である(そうではあるが、リムチャネルを備えた従来のリムも使用されてよい)。棚部は、便器周りを少なくとも部分的に延びる。
【0068】
組立体は、好ましくは、都市用水、タンク水、井戸水などでよい流体の供給源(SF)と流体連通するタンク60を含み、それにより、設置されたとき、組立体が設置され、タンク60は、タンクを通って充填弁内に流体の流れを受け入れることができる。タンクは、好ましくは、少なくとも1つの充填弁66を有する。充填弁は、これが、十分な水の供給をもたらしてタンク内に所望量を維持し、本開示に説明する機能を果たす限り、市販されているまたは今後開発されるいずれの適切な充填弁でもよい。タンク60は、
図1から13に示すように、リム弁および噴出水洗弁の両方の組立体を保持する1つの大きい開放容器でよい。タンクはまた、実施形態1010に関して以下で説明するように改変されて、少なくとも1つの噴出リザーバおよび少なくとも1つのリムリザーバを有することができる。分割されたリザーバが設けられる場合、噴出リザーバは、少なくとも1つの噴出水洗弁組立体70と共に充填弁または噴出充填弁を含むことができ、リムリザーバは、少なくとも1つのリム水洗弁組立体およびタンクまたはリム充填弁を含むことができる。所望の場合、そのようなリムリザーバは、さらに、リム水洗弁組立体80上にオーバーフロー管91を収容することができる。
【0069】
図1〜13のトイレ便器組立体は、本明細書の他の実施形態のように、約6.0リットル以下、好ましくは約4.8リットル以下、さらにより好ましくは約2.0リットル以下の水洗量において作動することができる。
【0070】
便器の水だめ領域40は、好ましくは、便器30の下側部分39内の便器30の内部表面36によって画定される噴出トラップ41を有する。噴出トラップ41は、入口端部46および出口端部50を有する。噴出トラップの入口端部46は、流体を噴出出口ポート42および便器30の下側部分39内の内部領域37から受け入れ、噴出トラップ41の出口端部50は、トラップウェイ44への入口49を含み、ここに流れる。噴出トラップは、本明細書の以下でさらに説明するようにシール深さを有する。たとえば
図1〜13および29〜34に示す実施形態10に示すシール深さ、噴出路、および深さxの測定に関して以下で説明するすべての変形形態はまた、
図16の実施形態110にも容易に組み込まれ、作動可能である。
【0071】
組立体10などのサイフォン式水洗トイレ組立体を呼び水された状態に維持するために、最初のステップは、本明細書の上記で、および110、1010、210、310および410などを含む本明細書の他のさまざまな実施形態に関して説明するような特徴を有するトイレ便器組立体を提供することであり、特にこの場合、噴出チャネル38を中に有する閉じられた噴出流体通路1は、噴出水洗弁70の出口13から噴出部20の出口42まで延び、それにより、呼び水された後、閉じられた噴出流体通路は、空気が、水洗サイクルの作動前および完了後に閉じられた噴出流体通路に入らないようにするために流体で呼び水されたままになることができる。水洗サイクルは、水洗ハンドルHなどの任意の適切な作動装置によって作動される。1つの実施形態では、陶磁器外部およびハンドルHは、抗菌表面をもたらす材料から形成され、またはこの材料を中に含む。ハンドルなどの水洗作動装置によって水洗サイクルを開始した後、ハンドルは、水洗始動バー75と作動連結する(脱着可能でも脱着可能でなくてもよい)部分を有する。
【0072】
弁は、同時に(これは、水洗ハンドルの標準的な作動バーを用いて行われてよい)いずれも開くことができる作動装置を有することができ、または釣り合い方法を提供する
図15のものなどの水洗作動ハンドルによって、それぞれの水洗弁カバーの重量に基づいて、持ち上げのタイミングの変更および/または調整を有することができる。
図15に最適に示すように、ハンドルHは、回転可能な移動リンク機構RLを有するピボット棒Pと作動連結している。いずれのヒンジ、ピン連結、ワッシャまたは他の回転連結器が使用されてもよい。水洗始動バー75は、リンク機構RLによるピボット棒Pとの可動式の連結のための釣り合い点BPを有する。(回転可能なリンク機構RLと同じものでよい)類似の可動式のかつ回転可能なリンク機構RL’は、ピボット棒およびそのリンク機構RLを釣り合い点BPにおいて水洗始動バー75に連結する。釣り合い点は、ハンドルHが水洗サイクルを作動させるために押し下げられたとき、各弁の開放の時間を詳細におよび機械的に調整するように水洗弁と共に作動する設計によって選択される。ハンドルHが押し下げられたとき、ピボット棒およびリンク機構RLは、リンク機構RLを有する端部において上方向に押し上げられる。これは、次いで、始動バー75を引っ張り上げる。可変の釣り合い点に合わせたリンク機構を提供するために複数の穴を有するバー75を設けることが可能であり、それにより、バーは1つしか製造する必要はないが、多様な弁カバーの重量および水洗タイミングパターンに対して使用することができる。
【0073】
水洗サイクルが作動されるとき、流体は、少なくとも1つの噴出水洗弁組立体および少なくとも1つのリム弁を通って、ここではリム水洗弁組立体80を通って提供される。閉じられた噴出流体通路の構成は、そのようなものであり、水洗サイクルのタイミングは、水洗サイクルの完了後に閉じられた噴出流体通路を呼び水された状態に維持するように最適化される。
【0074】
本明細書の方法の1つの実施形態では、水洗サイクルを作動させた後、始動バーは、空気が噴出出口に入らないようにし、トラップウェイ内でサイフォンを発生させるのに十分な流量で、少なくとも1つの噴出水洗弁組立体を通して流体を提供するように作動する。流量は、次いで、噴出チャネル内で約1秒から約5秒の間、サイフォンが破れるまで低下され、この流量は、少なくとも噴出出口ポートが覆われるまで維持される。
【0075】
流体はまた、好ましくは、水洗サイクル中、少なくとも1つのリム水洗弁組立体を通して提供される。最初に設置されたとき、トイレは、空気が噴出出口ポートに入らないようにするのに十分な流量を、上記で説明したように水だめが流体で充填されるまで、噴出水洗弁組立体出口を通して提供することによる最初の呼び水作用を必要とし得る。これらのステップを実施するための関連する流量は、本明細書の他所で概説される。トイレ組立体は、上記で説明したように自動呼び水作用のものになることができ、トイレが噴出チャネルに空気を持たせる状態になったとき、空気のすべてまたはほぼすべてが、噴出チャネルから放出されるようになることが好ましい。良好な作動を依然としてもたらしながら、いくらかの少量の空気、好ましくは本明細書に示す実施形態10などの実施形態では約100mlほどまでの空気が、閉じられた噴出流体通路に入ることができるが、受け入れられるパフォーマンスは、空気のさらなる量、但し、好ましくはパフォーマンスの降下を避けるために約500ml以下を含むことができることが、全般的なパフォーマンスに関して受け入れられる。詳細な量は、便器外形によって変わり得る。
【0076】
トイレは通常、たとえば、トイレが、上記で留意したように最初に設置されたとき、呼び水された状態にあるが、他の状況、たとえば配管工事または保全作業がそのような状況を引き起こす可能性もある。ユーザは、当然ながら、設置するときに、トイレ組立体に呼び水するように手動介入してよく、または構成されたように、トイレは、ユーザの手動介入無しでトイレの最初のいくつかの水洗の1回または複数回にわたって自動呼び水することができる。
【0077】
本明細書の
図1〜13および29〜34に示すように、トイレは、事実上、約3回の水洗という少なさですべての空気を排除することができるが、これより多いまたは少ない回数が、個々のトイレ外形に応じて必要とされ得る。自動呼び水を完了するために、2つの条件が満たされなければならず、すなわち、(1)噴出水洗弁を通る流体の流量は、空気を変位させるのに十分なエネルギーをもたらすために噴出出口ポートを出る流体の流量より多くなる必要があり、(2)空気には、出口からまたは噴出水洗弁組立体を通って上方に逃げるルートが設けられなければならない。これは、噴出チャネルおよび/または噴出出口ポート外形および/または断面積の改変を通して、ならびに/または水洗弁の改変によって果たされてパフォーマンスを増強させることができる。したがって、噴出チャネルを通って閉じられた噴出流体通路に入る高エネルギーおよび高速の流れをもたらすことができる噴出水洗弁を使用することが好ましい。適切な弁は、米国特許第8,266,733号明細書および同時係属中の米国特許非仮出願第14/038,748号明細書に説明されており、これら文献はいずれも、流線形の弁本体構成を有し、半曲状の入口および/または重みのあるカバーを有する弁の教示に関して参照によって本明細書に組み込まれる。他の適切な水洗弁が、市販されており、同じ水洗弁が使用され得る以下に説明するトイレ組立体の他の実施形態に関して本明細書の他所で説明されている。(たとえば、以下で説明するように剥がし能力からより良好な空気放出を提供する、本明細書の
図35〜68も参照)。除々にカバーを持ち上げることに加えて、星パターンの内部リブもまた、以下でさらに論じるように排気の速度に影響を与えることができる。
【0078】
図16および20、21および22は、本明細書において説明するトイレ便器組立体の追加の実施形態を示す。本明細書では全体的に110として参照される
図16のトイレ便器組立体は、水洗水などの流体を、直接供給式噴出部などの噴出部120に送るように構成された少なくとも1つの噴出水洗弁組立体170と、流体をリム132に送るように構成された少なくとも1つのリム水洗弁組立体180とを有する。
図21を参照すると、トイレ便器組立体110はまた、流体を噴出水洗弁組立体170の出口113から受け入れるように構成された噴出マニフォールド入口開口部114と、流体を噴出入口ポート118に送るための噴出マニフォールド出口開口部116とを有する噴出マニフォールド112も有する。トイレ便器組立体110は、さらに、流体をリム水洗弁組立体180から受け入れるように構成されたリムマニフォールド入口開口部124と、流体をリム入口ポート128に送るための噴出マニフォールド出口開口部126とを有する噴出マニフォールド122を含む。
【0079】
組立体110は、さらに、リム132を有する便器130を含み、リム132は、便器130の外側周囲部分133の周りに設けられる。1つの実施形態では、リム132は、図示するようにリムチャネル134を画定することができる。リム入口ポート128は、リムチャネル134と流体連通し、それにより、リムチャネル134もまた、リム入口ポート128を通してリムマニフォールド出口開口部126と流体連通し、また、少なくとも1つのリム出口ポート129とも流体連通する。本明細書では、流体連通状態は、組立体の1つの要素が、別の要素からの流れに対して開くように構造的に配置されることを意味する。リム出口ポート(複数可)は、便器130の内部領域137と流体連通し、この場合、内部領域137は、便器130の内部表面136によって画定される。この組立体の他の部分は、実施形態10の部分に類似する。
【0080】
実施形態10に関すれば、便器組立体は、上記で説明したように少なくとも1つの噴出チャネル(複数可)38の構成を有し画定する直接供給式噴出部20を含む(そのような噴出チャネルはまた、実施形態110にも設けられ得る)。チャネル(複数可)は、噴出入口ポート18と噴出出口ポート42との間を延びる。少なくとも1つの噴出チャネル38は、噴出水洗弁の出口開口部16と流体連通する入口ポート18を有する。噴出部はまた、流体を噴出チャネル38から水だめ領域40に排出するように構成された噴出出口ポート42も有する。水だめ領域は、トラップウェイ44、またはトイレ便器30を排水するための他のトイレ出口導管と流体連通する。
【0081】
(水洗水などの)流体供給源は、便器が、多くの工業用または市販用トイレのように壁内の配管水入口に直接的に連結されたインラインのフラッシュマスタータイプの弁から来るように設置されたときに使用され得る。組立体は、任意選択で、
図19および21に示すようにタンク60を含むことができる。好まししくは、タンク60は、噴出水洗弁組立体70を受け入れ少なくとも1つの噴出水洗弁組立体70の出口13からの流体が閉じられた噴出流体通路1および噴出チャネル(複数可)13に入ることを可能にするための少なくとも1つの開口部62と、リム水洗弁組立体80を受け入れ、リム水洗弁組立体30の出口81からの流体が、リム出口ポート28に至るまたはリムマニフォールド入口開口部を介して任意の任意選択のリムマニフォールドに至るリム通路に入ることを可能にするための少なくとも1つの第2の開口部64とを提供する。
【0082】
タンク60はまた、少なくとも1つの充填弁66、また任意選択で、好ましくはリム水洗弁に関連付けられる、上記の実施形態において示すオーバフロー管91などのオーバフロー管を含まなければならない。タンク60は、噴出水洗弁およびリム水洗弁の両方を
図19に示すように1つの領域内に収容する1つの開放リザーバとして形成されてよく、あるいは
図20の実施形態1010において示すように2つの別個のリザーバとして構築されてもよい。オーバーフロー管は、空気が閉じられた噴出流体通路1に入るいかなる機会も解消するために、噴出水洗弁を通る噴出水洗流体JFの流れではなく、(当技術分野で知られているまたは今後開発される弁本体にいずれの方法によっても関連付けられる)リム水洗弁から出たリム水洗流体RFの流れから作動されなければならない。リム通路は、本発明の性質が、リム通路内のオーバーフロー管との連結によって影響されない場合、空気に対して開いたままでよい。
【0083】
噴出水洗弁70およびリム洗浄弁80の組立体は、たとえばFluidmaster502水洗弁などの、当技術分野で知られているまたは今後開発されるさまざまな設計を含む、いずれの標準的な市販の水洗弁およびフラッパ設計も組み込むことができる。リム弁はまた、電気的、機械的またはコンピュータによって作動されてもよい。好ましくは、トイレ便器組立体10は、水洗水などの流体を、噴出部20に送るように構成された少なくとも1つの噴出水洗弁組立体70と、流体をリム出口ポートに送るように別個に構成された少なくとも1つのリム水洗弁組立体80とを有する。本発明において使用するための水洗弁組立体は、別個の流体の流れをリムおよび噴出部に送る、またはより好ましくは、少なくとも1つの噴出水洗弁組立体70および少なくとも1つのリム水洗弁組立体80が独立した流体流れを送るように配置される、マスタ水洗弁になるように構成されてよく、また、実施形態10および水洗弁70、80に関して上記で説明したものなどの当技術分野で知られているまたは今後開発されるいずれの適切な水洗弁でもよい。
【0084】
少なくとも1つの噴出水洗弁組立体70および少なくとも1つのリム水洗弁組立体80はまた、それぞれ二重水洗弁組立体になることもできる。本明細書の実施形態において好まれ得る当技術分野に知られている水洗弁組立体の例が、参照によって関連部分が本明細書に組み込まれる米国特許第8,266,733B2号明細書に見出され得る。2つの弁は、同時に開閉可能であり、または、パフォーマンスをさらに最適化するために水洗中異なるタイミングで開閉可能である。よりきれいな水洗後水を用いてよりきれいな便器を達成するために、噴出水洗弁を開く前にリム水洗弁を開くことが望ましい。6.0リットル/1水洗の好ましい実施形態では、リム水洗弁は、水洗サイクルの開始直後に開かれ、サイクルに入って約0.1秒から約5秒で閉じられ、一方で噴出水洗弁は、サイクルに入って約1秒から約5秒で開いて、約1.2秒から約10秒で閉じられる。
【0085】
3リットル/1水洗を備えた極めて低量の水洗トイレに関しては、リム水洗弁は、水洗サイクルの開始直後に開かれ、サイクルに入って約1秒から約3秒で閉じられ、一方で噴出水洗弁は、サイクルに入って約0.1秒から約3秒で開いて、約1.2秒から約3秒で閉じられる。本明細書の実施形態では、54mm直径トラップウェイでは、完全に呼び水された閉じられた噴出チャネルから流れる約1リットルの量しか、サイフォンを開始するのに必要でなく、本発明を、便器洗い出しの所望の効果性およびこの機能に方向付けられる水の量に応じて、2リットルまたはそれ以下の量で作動する水洗トイレに適用することができる。
【0086】
二重水洗トイレ組立体の別の実施形態は、水洗サイクル開始直後にリム水洗弁とする二重水洗弁を開き、それによって次いで、噴出水洗弁(単一または二重水洗)を起動させてリム二重水洗弁の後に開かせる。サイフォン前に洗浄するためにリムに送られた水の量は、約1リットル/1水洗から約5リットル/1水洗であり、好ましくは、約2リットルから約4リットル/1水洗であり、サイフォンを確立するために噴出水洗弁を通って送られる水の量は、約1リットル/1水洗から約5リットル/1水洗である。
【0087】
トイレ便器組立体110などの実施形態では、少なくとも1つの水洗弁組立体から便器組立体110内に導入された流体流れを分離し、異なる流体量を噴出部120およびリム132に送るための別個のマニフォールド。これは、流体が1つのトイレ入口を通って便器に入り、開いた単一のマニフォールドに流れ込み、次いで無制御でまたは重力制御されて下方向に噴出部120およびリム132に流れ込む従来のトイレ設計とは区別される。そのような従来技術の設計では、リムまたは直接噴出部への流体流れの量および性質は、制御することが難しく、通常、重力および流れ推進力によりリムよりも噴出部の方が優勢になる。しかし、噴出部120への流体の流れおよびリム132への流体の流れを切り離すことにより、流体流れは、制御され、噴出部およびリムは、所望の流れ量を受け入れる。加えて、これは、呼び水された噴出チャネル138および好ましくは呼び水された噴出マニフォールド112を含む閉じられた噴出流体路101を維持することを可能にする。
【0088】
いずれの任意選択の噴出マニフォールド112も、好ましくは、陶磁器またはトイレ便器の他の製造材料内に事前成形され、積み重ねられた位置で配置され、および/またはリムマニフォールドに並列に並べられる。マニフォールドは、並列に並べられてよいが、完全に同じレベルでなくてよい。噴出マニフォールド112は、流体を噴出入口ポート118に送るための噴出マニフォールド出口開口部116を有することができる。リムマニフォールド122は、リム水洗弁組立体180から、可変の量、たとえば約0.1リットルから約5.5リットルの流体、好ましくは約0.5リットルから約4.5リットルの流体を受け入れるように構成されたリムマニフォールド入口開口部124を含むことができる。リムマニフォールド122はまた、流体をリム入口ポート128に送るためのリムマニフォールド出口開口部126も有する。噴出部120を通る流体の流れは、噴出チャネル(複数可)138を直下して進行し、噴出出口ポート142から出て、リムチャネル134を通り抜ける水が入るのとは異なる時間で水だめ領域140に入り、これらの流れの一方は、他方の前に停止することができるが、水洗サイクルの少なくとも一部分の間、流れは好ましくは同時に発生する。これらの流量は、水だめ領域140を空にする前にトイレ便器130の内部表面137の清掃を最大限にするように選択される。
【0089】
別の実施形態では、リムチャネル134は、通常の住居用または商業用の配管ラインからのライン圧力によって直接的に動力供給され得る。リムへの流れの開閉は、トイレ充填弁として現在使用されているものに類似する機械的パイロット弁によって制御可能であり、または電磁弁によって電気的に制御可能である。
【0090】
便器30、130などの本明細書の便器は、可変の構成を有することができるが、ほとんどの便器は、便器の上部から横断方向に見て、略円形または縦長長円または楕円形状になるように事前成形される。本明細書において説明し示す実施形態では、便器30は、略楕円形状を有する。便器130は、その上側周囲周りに設けられ、リムチャネル134を画定するリム132を有する。リムチャネルは、(マニフォールドとリムチャネルとの間の、リムチャネル断面がより均一になる移行点に)、リムマニフォールド出口開口部126と流体連通する入口ポート128と、便器組立体110の内部領域136と流体連通する、少なくとも1つのリム出口ポート129、好ましくは複数のそのような出口とを有する。便器130は、さらに、噴出部120を有し、噴出部120は、噴出チャネル(複数可)が、好ましくは、噴出出口ポート142が便器130の下側部分139内に位置するように便器130の外部表面135に沿ってまたは便器の壁内を通るように設けられる。
トイレ10などの本明細書のさまざまな実施形態では、噴出部20は、流体を水だめ領域40に、次いでトラップウェイ44への入口に、そして下水出口と連結することができるトイレ出口Oに排出するように構成された噴出出口ポート42を有する少なくとも1つの噴出チャネル38を画定する。
【0091】
図16の実施形態では、水洗水の一部は、リムチャネル134を通るように方向付けられ、チャネル134と便器130の内部領域との間に液体連通をもたらす、リム132内に配置された開口部129を通って流れ、それによって水を便器30の表面全体にわたって分散させ、これは、水洗サイクル中便器を洗浄するように働く。リムチャネル134を流れ抜ける水はまた、本明細書の一部の実施形態では、リム出口ポート129を出たときにまたは上記で説明したような外部流体源から加圧されてもよい。出口ポートのサイズ、トイレ外形および流量に応じて、加圧は、便器を洗浄するとともにサイフォンに寄与するために強力に加圧された水のストリ−ムを引き起こすことができる。別個の噴出弁組立体170からの水洗水の残りは、噴出部120に方向付けられる。
【0092】
本明細書の噴出部20、120および少なくとも1つの噴出チャネル(複数可)38、138は、トラップウェイ入口44,144により勢いのある、すばやい水洗水の流れを提供し、トイレをさらにより大きいトラップウェイ直径を備えて設計することも可能にするが、作動に影響を与え得る曲がり部および狭窄部を最小限にし、非噴出式および/またはリム噴出式便器に比べて大量排せつ除去におけるパフォーマンスを改良するよう注意が払われなければならない。
少なくとも1つの噴出チャネル38は、トイレ便器30の外部表面の周りを通るようにトイレ便器組立体10の内部内に延びるように設計されるが、便器30の内部領域壁36のほぼ下または真下のトイレ便器組立体本体10内に画定された空間内に少なくとも部分的に入るようにも配置される。可変サイズの複数の噴出チャネルが使用されてよく、たとえば、便器30の両側の2つの対称的なチャネルが、流体の「二重供給された」流れを噴出部20に送る。
【0093】
噴出出口ポート42は、流体を噴出チャネル38から、トラップウェイ44と流体連通する水だめ領域40に排出するように構成される。噴出出口ポート42は、好ましくは、
図23に示すように、本明細書の1つの実施形態では、噴出チャネル38の内径を長手方向にわたって測定して約1.0cmから約10cm、好ましくは約1cmから約6cm、より好ましくは約1cmから約4cmの高さH
jopを有する。高さH
jopに関係なく、噴出出口ポートの断面積は、約2cm
2から約20cm
2、より好ましくは約4cm
2から約12cm
2、最も好ましくは約5cm
2および8cm
2の面積で維持されなければならない。本明細書の1つの実施形態では、上側表面54のところまたは最も上側の地点における噴出出口ポート42の高さH
jopは、好ましくは、図示するようにトラップウェイ44への入口49の上側表面56の下方のシール深さxに配置され、水だめ領域40を長手方向に貫通して測定される。シール深さxは、好ましくは、空気が出口ポート42を通って噴出チャネル38に進むことを防止するのを助けるために、約1cmから約15cm、より好ましくは約2cmから約12cm、最も好ましくは約3cmから約9cmである。この距離はまた、好ましくは、水洗サイクルの作動前および完了後に、噴出チャネル38内の破れを回避し、トイレ便器組立体10の噴出チャネル38内で噴出水洗弁組立体70または他の水洗弁からの流体で呼び水された状態を維持するために、水をため領域40内の流体の最小レベルと等しくまたはこれを下回らなければならない。
【0094】
上記で論じたように、呼び水された噴出チャネル38、すなわち閉じられた噴出流体路1を維持することで、流れに対する乱流および抵抗が大きく低減され、トイレパフォーマンスが改良され、より低量の水がサイフォンを開始するために使用することが可能にされる。噴出チャネル38内の空気は、水洗水の流れを阻み、噴出部20の流れを制限する。さらに、空気は、パージされない場合、噴出出口ポート42から押し出され、トラップウェイ44内に入る可能性があり、これは、トラップサイフォンを遅らせ、便器30の流体および排せつ物の除去に影響を与え得る。
110などのリムチャネル実施形態における便器の清掃機能を改良するために、リムが水洗サイクル中に加圧されるようにトイレ組立体を設計することもまた好ましい選択肢である。リムチャネル134の加圧は、好ましくは、相対断面積を関係(I)
A
rm>A
rip>A
rop<6cm
2 (I)
として維持することによって達成され、式中、A
rmは、リムマニフォールド122の長手方向断面積であり、A
ripは、リム入口ポート28の断面積であり、A
ropは、少なくとも1つのリム出口ポート29の総断面積である。好ましくは、噴出マニフォールド112の断面積A
jmは、約20cm
2から約65cm
2であり、リムマニフォールド122の断面積A
rmは、約12cm
2から約50cm
2である。噴出マニフォールド12の断面積A
jmは、噴出水洗弁入口開口部162の中心から下流側約7.5cmの距離で測定される。同様に、リムマニフォールド122の断面積A
rmは、リム水洗弁入口開口部164の中心から下流側約7.5cmの距離で測定される。水チャネルの好ましい外形をこれらのパラメータ内に維持し、別の形ではパフォーマンスに影響を与える狭窄部または曲がり部を回避することにより、供給源からまたはタンク内で得られる重力水頭によって得られる潜在的エネルギーを最大限にするトイレ便器組立体110が可能にされ、これはより低減された水量が水洗サイクルに使用されるときに極めて重要になる。加えて、水チャネルの外形をこれらのパラメータ内に維持し、噴出部またはトラップ内の狭窄部および過度に小さい通路を回避することにより、直接供給式噴出トイレ内のリムおよび噴出チャネルの好ましい加圧が可能にされ、大量の除去および便器の清掃の両方におけるパフォーマンスが最大限にされる。好ましくは、所望の設計に応じて可変サイズのものでよい複数のリム出口ポートが存在するため、リム出口ポートの領域は、各々のそのような出口ポートの個々の領域のすべての合計であるよう意図される。同様に、複数の噴出流チャネル118または複数の噴出出口/入口ポートが使用される場合、噴出チャネル118または任意の複数のポート142は、噴出チャネルまたは噴出ポートそれぞれの面積の合計となる。さらに、リムにおける加圧の利点を達成するために、噴出チャネルは、加圧式リムのサイフォン式トイレ設計におけるリムおよび噴出チャネルのサイズ設定ならびにトイレ外形に関して関連する部分が組み込まれた、米国特許第8,316,475号明細書に説明されるように、加圧式リムと共に機能するとき、詰まりおよびパフォーマンスの劣化を回避するために、過度に小さく作製されない、または狭窄されないことが好ましい。
【0095】
実施形態10におけるトイレ便器30の水だめ領域40は、水をリム、噴出チャネル38から収集し、水および排せつ物を流して排出する。水だめ領域40は、便器30の底部分39内に位置し、便器30の内部表面36によって、またトラップ入口端部46からトラップ出口端部50まで長手方向に延びることによって噴出部20用のトラップ41を画定し、この場合、入口端部46は、流体を噴出出口ポート42から受け入れるための開口部48を有する。トラップ出口端部50は、流体が便器を出てトラップウェイ44への入口に至るための開口部52を有する。噴出トラップ41は、
図22、24、および27に示すようにシール深さx、すなわち、トラップウェイ44への入口の上側表面54上の最も上部の地点と噴出出口ポート42の上側表面54上の最も上部の地点との間の距離を有する。
【0096】
噴出トラップのシール深さxは、好ましくは、水だめ領域40内でサイフォンを維持するために、約1cmから約15cm、より好ましくは2cmから約12cm、最も好ましくは3cmから約9cmの距離を維持するように測定される。噴出トラップシール深さxが、十分な大きさであるとき、これは、噴出トラップ41内の水のレベルが、噴出チャネル38のシールが破られる深さを下回って引っ張られ得る前にトラップウェイがサイフォンを破ることを確実にするのを助ける水だめ領域40内の流体の緩和レベルを確立し、それによって空気が噴出チャネル38内に進むことを防止し、噴出チャネル38を完全に呼び水された状態に維持する。逆を言えば、一部の実施形態では、噴出トラップシール深さxは、0に等しくまたは0を下回ることができ(トラップの上方にあるとき)、噴出水洗弁組立体70を通る流れの速度を調整することによって噴出チャネル38および通路1内で呼び水された状態を依然として維持することができる。
【0097】
水だめ領域40内では、内部表面36の少なくとも一部分は、傾斜した部分58であり、傾斜した部分58は、噴出出口ポート42からトラップ入口に向かって上方向に傾斜されてよく、それによって噴出チャネル38のシール深さxを増大させ、水洗サイクル中、またはその後に空気が噴出チャネル38に入る可能性を低減させる。シール深さxは、さらに、水だめ床において噴出出口ポート42まで上昇する前に水だめの床部の下方に一時的に沈む噴出チャネル38を形成することによって延長され得る。シール深さxはまた、噴出出口ポート42の直径を低減することによって増大され得る。好ましくは、噴出出口ポート42の高さH
jopは、円形、卵形、または長方形の出口を形成するように低減されてよく、これは、噴出チャネル38のシール深さxを増大させながら十分な断面積および噴出部20を通る流れを維持することを助ける。
【0098】
図20は、本明細書では全体的に組立体1010として参照される代替の実施形態を示すが、以下で説明するような別個のリザーバを備えたタンク1060の特徴以外は、他のあらゆる点において同じであり、類似の参照番号がその中の類似の要素を指し示す。タンク1060は、少なくとも1つの噴出リザーバ1068および少なくとも1つのリムリザーバ1072を含むことができ、噴出リザーバ1068は、噴出充填弁1090と、流体を噴出マニフォールド入口開口部1062に送るように構成されるような、組立体10におけるものと同じでよい少なくとも1つの噴出水洗弁組立体とを含むことができ、リムリザーバ1072は、リム充填弁1092と、流体をリムマニフォールド入口開口部1064に送るように構成された、組立体110におけるものと同じでよい少なくとも1つのリム水洗弁組立体とを有することができる。これは、1つの充填弁の使用を可能にする、タンク1060の部分的横断分割部分でよく、またはタンク分割部分は、タンクを複数のリザーバになるように事前成形鋳造する永久的なものでよい。オーバーフロー管が、任意選択で噴出リザーバ1068およびリムリザーバ1072の両方に存在する場合、オーバーフロー管は、噴出水洗流体の流れJF’からではなくリム水洗流体の流れRF’から作動される必要がある。
【0099】
図23および24は、本明細書では全体的に組立体210として参照される別の実施形態を示す。以下で説明するように水だめ領域の傾斜した壁が、
上方向の傾斜で、またはトラップウェイ244の入口に向かって先細にされる位置で構成される特徴以外は、他のあらゆる点において実施形態
10と同じである。
図23および24に示すような水だめ壁258は、水だめ領域240の周りに延び、これを封入するように設計される。噴出出口ポート242は、噴出チャネル238からの流体JF’’が便器水だめ領域240内に入り、それによって少なくとも1つのリム出口ポート(図示せず)を通ってリムからトイレ便器内に入った流体と合流するように配置される。噴出流体流JF’’およびリム流体流RF’’は、この地点で(存在する場合排せつ物および他の流体と)合流し、次いで、便器内部表面236に沿って水だめ壁の上方を略下方向に一緒に流れ、水だめ領域240に入りトラップウェイ入口244に入り、下水排水路を通って排除される。壁258の少なくとも一部分は、所望の場合上方向に傾斜されてチャネル噴出チャネル238のシール深さxを増大させ、このシール深さxは、空気が水洗サイクル中または水洗サイクル後に噴出チャネル238に入ることを防止するのを助ける。シール深さxが十分な大きさであるとき、これは、噴出トラップ241内の水のレベルが、噴出チャネル238のシールが破れる深さを下回って引っ張られ得る前に、トラップウェイ244がサイフォンを破ることを確実にするのを助けることによって、水だめ領域240内の流体の緩和レベルを確立し、それによって空気が噴出チャネル238内に進むことを防止し、噴出マニフォールド212を完全に呼び水された状態に維持する。
【0100】
図25〜27は、本明細書では全体的に組立体310として参照される、
図16〜24のものとは異なる実施形態を示す。少なくとも1つの噴出チャネル338が以下で説明するように便器水だめ領域340の下方にある特徴以外は、実施形態
10と同じである。少なくとも1つの噴出チャネル338は、内部領域壁336および便器330の後部において水だめ領域壁の後方に位置するようにトイレ便器組立体310の内部内を延びるように設計されるが、便器330の内部領域壁336および水だめ領域壁358のほぼ下のトイレ便器組立体本体310内に画定された空間内に少なくとも部分的に入るように配置される。水だめ領域340の下または下方を通る少なくとも1つの噴出チャネル338は、水だめ領域壁358内で終端し、それによって噴出出口ポート342をトラップウェイ344への入口の真向かいに配置する。この構造の利点は、その設計が全噴出流体JF’’’の能力を維持することが重力的に可能であり、また噴出チャネル内の流体のレベルが、本質的には、水洗サイクルの作動前および作動後の両方において便器内の流体または水洗水のレベルの下にあるため、少なくとも1つの噴出チャネル338が、より容易に呼び水されたままとなり、したがって、噴出チャネル338内の空気を解消することである。水だめの床部の下方の噴出チャネル338の経路付けは、さらに、噴出チャネル338のシール深さxを、
図25および24に描写するような傾いた水だめ床部の実施形態によって果たされ得るものを超えて増大させ、噴出トラップ341内の水のレベルが、噴出チャネル338のシールが破れるシール深さxを下回って引っ張られ得る前に、トラップウェイがサイフォンを破るとういより大きな保証を提供し、それによって空気が噴出チャネル338内に進むことを防止し、噴出マニフォールド312を完全に呼び水された状態に維持する。
【0101】
図28は、本明細書では全体的に組立体410として参照される、
図16〜27のものとは異なる実施形態を示す。以下で説明するように、便器430の上側周囲周りの上側周囲部分433の特徴以外は、他のあらゆる点において同じである。リム432は、便器430の上側周囲の内側周りに配置された上側周囲部分433を有し、それにより、リムマニフォールドからの流体RF’’’’は、排せつ物を水だめ領域440内に洗い流すために便器内に入り、噴出チャネル438からトイレ便器に入り噴出出口ポート
442を通って排除された流体と合流する。噴出流体流JF’’’’よびリム流体流RF’’’’’は、この地点で(および存在する場合、排せつ物および他の流体と)合流し、次いで、便器内部表面436に沿って水だめ壁458の上方を略下方向に一緒に流れ、水だめ領域440に入りトラップウェイ入口444に入り、下水排水路を通って排除される。シール深さxが、十分な大きさであるとき、これは、噴出トラップ441内の水のレベルが、噴出チャネル438のシールが破れる深さを下回って引っ張られ得る前に、トラップウェイがサイフォンを破ることを確実にするのを助ける水だめ領域440内の流体の緩和レベルを確立することを助け、それによって空気が噴出チャネル438内に進むことを防止し、噴出マニフォールドを完全に呼び水された状態に維持する。
【0102】
別の実施形態では、実施形態のリム無しバージョンが
図28に描写され、流体の流れは、リム入口ポートから、上側周囲部分433上で2つの反対方向に分散器の後方およびリム棚部の周りに入り、便器の内部表面の周りを少なくとも部分的に進み、それによって清掃作用を形成する。好ましい実施形態では、上側周囲部分433は、水洗水が、便器430の周囲周りを流れるときにこれを下方向に誘導するように形成され得る。この実施形態は、
図1〜13の組立体に類似するが、異なるリム棚部設計を有する。
【0103】
本発明の好ましい方法の一実施形態では、本明細書で説明したものなどのトイレ便器組立体10を製造などによって提供した後、噴出部は、水洗サイクルの作動前および作動後に少なくとも1つの噴出水洗弁組立体70からの流体JFで呼び水される。本明細書の方法は、組立体10、1010、110、210、および310、410等を含む本明細書の実施形態のいずれにおいても実施され得るが、便宜上、方法の例示的な実施形態が、
図1〜13に具体化された組立体10を参照して説明される。代替の実施形態における類似の部分もまた、他の実施形態を用いて本発明を実施する場合に使用されてよい。
【0104】
噴出マニフォールド12、噴出入口ポート18、および少なくとも1つの噴出チャネル38を水洗サイクルの作動前に呼び水することは、トレイ便器組立体10を設置表面に設置するときに、噴出弁水洗組立体70のフラッパまたはカバーを開き、(水洗水などの)流体を噴出入口ポート18および少なくとも1つの噴出チャネル38内に流すことを可能にすることによって行われる。この呼び水は、水洗サイクルの最初の始動によって自動的に行われる。リム水洗弁80および噴出水洗弁70が閉じたとき、水は、噴出チャネル38および噴出マニフォールド12内に維持され、大気圧が便器10内の水の表面に及ぼす力によって所定場所に保持される。最初の水洗後、なんらかの空気ポケットが、少なくとも1つの噴出チャネル38または噴出マニフォールド12内に残る場合、これらは、その後の水洗のときに押し出されて完全に呼び水されたシステムをもたらす。
【0105】
本明細書の実施形態のトイレ便器組立体の最初の呼び水後、ユーザは水洗サイクルを作動させる。標準的な従来技術のトイレ便器組立体では、本明細書において説明するものなどの水洗弁組立体およびオーバーフロー管が、使用するために設けられる。水洗弁組立体およびバルブに連結された水洗弁カバーはいずれも、枢動アームに連結される。枢動アームは、水洗弁カバーの上部に取り付けられ、また、水洗ハンドルおよびレバーなどの任意の標準的な弁作動装置の作動によって弁カバーを下降させ上昇させるために使用され得る鎖への取り付けのためのリンクを含む。使用においては、水洗弁カバーの枢動アームは、オーバーフロー管から突起する標準的な連結を用いてオーバーフロー管に取り付けられ、水洗弁組立体の入口開口部上を開閉する。
【0106】
水洗サイクルが、本発明において開始されまたは作動されているとき、水洗弁カバーは、リム水洗弁組立体および噴出水洗弁組立体の両方を開き、流体が、少なくとも1つの噴出水洗弁組立体70を通り抜けて噴出部およびリムに入ることを可能にする。これらは、同時にまたは当技術分野で知られているようなまたは今後開発される時間遅延システムを通して開いてよく、それによって上記で留意した水洗始動バー75を用いるなどによってトイレ便器組立体10を通る最適な流量を可能にする。
【0107】
水洗サイクルの作動に続き、また水洗サイクルの完了後、噴出入口ポート18および少なくとも1つの噴出チャネル38は、(1)噴出水洗弁に供給するリザーバ内の水の深さを、噴出水洗弁70が閉じられる前に噴出水洗弁70への入口71のレベルまで降下させず、(2)噴出チャネル38のシールが、水洗サイクル中または水洗サイクル後に破られない限り、呼び水された状態のままである。これらの状態の両方が満たされる場合、噴出チャネル38および噴出マニフォールド12を含む閉じられた噴出流体路1は、完全に呼び水されたままであり、次の水洗サイクルに向けて待機する。
【0108】
本発明は、次に、以下の非限定的な実施例に関して説明される。
<実施例>
表1は、3つの異なるトイレを用いて完了された20回の水洗からのデータをまとめている。本発明は、
図1〜13および29〜34の本明細書に示す実施形態に基づいて試験された。試験された従来のトイレは、サイフォンの所望の水圧パフォーマンスを達成するために水洗水の79〜82%が噴出部に方向付けられることを必要とした。本発明によって作製されたトイレは、噴出部に方向付けられる水洗水の30%未満を使用して本質的に同等の水圧パフォーマンスをもたらし、それによって水の残りの部分を使用して便器清掃を著しく改良することを可能にした。
【0110】
本明細書のさまざまな実施形態10、110、1010、210、310、410などはそれぞれ、本明細書の噴出水洗弁における変形形態から利点を得ることができる。任意選択および独自の特徴が、さまざまな実施形態の作動を改良するために上記で留意した噴出水洗弁設計に提供され得る。使用時、トイレが詰まる場合、または何らかの他の理由のために、トイレがさまざま配管理由のために水の突入を必要とする場合、詰まりを放出するだけでなく、噴出通路を上り、一定の呼び水された閉じられた状態にある噴出弁を通る逆流を防止することが重要である。逆流は、従来のトイレは大気開放されているためこれらにおける懸念事項ではない。呼び水される本発明では、これは、水の重量および噴出チャネル内の既存する水柱によって問題となる。本明細書の噴出水洗弁を、逆流に抵抗するように改変する1つの方法は、逆流防止装置を噴出水洗弁に設けることによるものである。そのような装置が、次に、本明細書の噴出水洗弁70に別の形で類似する噴出水洗弁に関して説明される。
【0111】
上記で論じた水洗弁設計は、水の突入のときに起こり得る水の逆流に対して非常に効果的であるが、一部の実施形態では、追加のレベルの保護が望まれ得る。意図的に呼び水を破る、すなわち空気を閉じられた噴出チャネルに入れてこれを大気開放することにより、逆流の可能性は大きく低減される。
【0112】
図35〜38は、フラッパカバー573と、押さえリンク機構構成を有する逆流防止機構574とを有する、本明細書では噴出水洗弁570して参照される噴出水洗弁の一実施形態を示す。カバー573は、組立体10内の弁70のカバー15と同じでよい。図示するように、カバー573には、押さえリンク機構を取り付けるための第1の前部リンク機構装着体593が嵌合される。逆流防止機構574内のリンク機構組立体は、カバー573の持ち上げを可能にするために(
図15におけるものなどの)作動装置機構と鎖Cが連結する取り付け点Pを有する第1の前部リンク機構アーム575を含む。そのような鎖は、上記で説明したようなフロートを含むことができる。
【0113】
第1のリンク機構アームは、ピン578などのヒンジピンによって第2のリンク機構アーム576に連結されるが、他のヒンジコネクタ、ピン、一体丁番、成形ピン、リベットまたは類似の機構が使用されてよい。同様に、リンク機構アーム576は、類似のヒンジコネクタによって第3のリンク機構アーム577に連結され、第3のリンク機構アーム577はまた、後部ヒンジ装着体579に枢動式に装着される。使用において、フラッパが持ち上げられた場合、逆流防止装置の押さえリンク機構が持ち上がり、図示するように自由に曲がり、それによって完全に開かれたときに第1および第2のリンク機構アーム間に約180°未満の角度を形成する。
【0114】
閉じられたとき、逆流防止装置は、第1および第2のリンク機構アームが、それらの接合領域Rにおいて、これらが地点Pにおいて鎖C上に作用しないままであるより硬直する位置でより整列されるように、リンク機構アームを配置することによって、流れがフラッパカバー573上に押し戻ることを防止する(弁を閉位置で示す
図37および38)。
【0115】
逆流防止機構674が可動式の浮力ポペットハット694である噴出水洗弁の別の実施形態670。
図39〜43は、閉位置にある弁670を示し、この場合、ポペットハット694は、弁670の出口613の領域にシール式に押さえ付けられる。閉じられた弁上の水洗水の上方向の重量が、水が弁の内部に入ることを防止する。逆流は、弁が閉じられたとき、上記で説明したようなポペットハットおよび呼び水された閉じられた噴出路内からの圧力によって噴出水洗弁の底部に入ることはできない。(浮力性ではなく)固体のポペットハットが使用される場合、作動のためにはより大きい力が必要となり、ばねまたは他の引っ張り機構が、ハットをガイドに連結するために使用され得る。
【0116】
図45〜48に示すように、噴出水洗弁670は、開いたとき、カバー673の持ち上げによって(弁70に関して上記で説明したような鎖または他の水洗作動装置などによって)すべての流れが弁本体を通ることを可能にする。カバー673が持ち上げられたとき、水洗水は、事前に呼び水された弁に入り、連続する下方向の流れが、ポペットハット694を押し出す。ポペットハット694は、好ましくは、出口613において弁とシール式に係合するために部分的にエラストマー製またはポリマー製である。ポペットハット694は、(
図45に最適に示すように)柱695上にあり、断面設計においてリブ付けされてよい(または単に円形の柱でよい)。
【0117】
柱は、これがポペットハット694に連結する反対側に上端部699を有し、上端部699は、フランジ6100を有するように構成される。フランジは、弁本体内の、リブ付けされた構造的に支持される構成の真下の中央に配置されたポペット柱ガイドリング699に対する停止部として作用する。
図45に最適に示すように、中央ハブ697から外方向に延びるリブ696の「星」構成が、示される。開口部698は、ハブを通って延びて、弁が閉位置にあるときに、ポペット柱が上方向に容易に通り抜けることを可能にする(
図43を参照)。開くとき、柱は、流れ圧力下で、フランジ6100が、完全に伸張された位置においてガイドリング699に接触するまで下方向に進み、それにより、ポペットハット694は不必要に流れを妨げない。
【0118】
逆流防止噴出水洗弁770の別の実施形態が、
図49〜56に示される。この実施形態では、逆流防止機構774はフック7101である。フック7101は、以下で説明するように他の実施形態における他のカバーとは異なる噴出水洗弁770のカバー7102の前端部上に嵌合される。フック7101は、噴出弁本体の外側に配置されたキャッチ7104と接触する延長フックアーム7103を有する。フックアーム7103は、これとキャッチ7104の向かい合う表面7105との間にいくらかの空隙gを有さなければならないが、この空隙は、逆流に対する緊密な閉鎖をもたらすためにできるだけ小さくしなければならないが、弁が開かれたときにフックが容易に通り抜けることができず、キャッチ7104の周りで回るほど小さくてはならず、好ましくは、空隙は、約1mmから約5mmである。
【0119】
逆流防止機構774以外の噴出水洗弁770の独自の特徴は、カバー7102である。カバーは、単なる持ち上げ式フラッパカバーではなく、「剥がし取られる」カバーである。この設計は、噴出弁がカバーの前部から縁に沿ってカバーの後部に向かって開くことを可能にする。この構造は、可撓性であるまたは部分的に可撓性であるように形成される。(可撓性シリコーンまたは塩化ポリビニルなど)のエラストマーまたは他の可撓性ポリマーまたは配管使用に受け入れられ格付けされた他の類似の材料が、可撓性部分に適合され得る。剥がすことによって、弁カバーを上方向に弁カバー7102の前部7106の縁7105に沿って項部7107に向かってよりゆっくりと剥がす能力は、カバーの上方および下方に水が存在するときに始動力を低減させるために有益である。出願者は、可撓性または半可撓性のカバーを使用して縁に沿って剥がすことを可能にすることは、噴出水洗弁および閉じられた噴出路に対して良好な自動呼び水態様を達成するのに有益であることを発見した。標準的なディスクシールを備えたハードカバーなどの剛性のフラッパカバーは、自動呼び水においてより多くの困難性をもたらし得る。剥がしてゆっくりと開くことにより、弁770は、捕捉された空気のすべてが逃げることを可能にする。カバー7102の少なくとも約50%が、カバーの後部7107に向かって半分戻ったカバーの前部7106においては可撓性であることが好ましい。カバーの後部半分は、可撓性である必要はない。
【0120】
剥がし機構を作動させ、フック逆流防止機構を持ち上げるために、第1の鎖C1は、弁が開かれているときにトイレの水洗作動機構と共に作動してフック7101を持ち上げ、持ち上げられた後、カバーの前部7106は剥がれ上方向に持ち上がる。これが持ち上がるとき、(実施形態570に関して上記で留意したような任意の適切なヒンジ/ヒンジ連結材料を用いて形成され得る)ヒンジ式アーム7108は、上方向に曲げられる。ヒンジ式アーム7108は、ヒンジ装着体7109を用いて(金属製、ポリマー製、またはエラストマー製でよい)任意選択のカバープレート7110に装着されて、カバー7102の前部7106を上方向に剥がすのを助ける。いずれの適切な水洗作動装置も、鎖C1、C2に連結するために使用および/または改変され得る。C1がカバーの前部を上方向に持ち上げ、端部7105において剥がし取った後、カバーの後部分は持ち上げられる。上記で説明したようにフロートをその上に有することができる別個の第2の鎖C2が、設けられる。
【0121】
弁770の内部はまた、好ましくは、弁の本体を、開口部798がそこから延びる中央ハブ797にリンクさせるリブ796から形成された構造を用いた「星」構成も有する。流れは、容易にリブ構造を通り抜けることができるが、この構造は、弁の本体にわたって径方向に延びることにより、弁にかかる水洗流体の重量を支持することを助ける。フラッパは、開くのに必要とする力の2倍を有し、そのため支持体は、作動を助け、さらに、図示するように成形されたバッフルまたはリブを用いて空気が逃げるのを容易にする設計である。リブの数は、リブが多すぎるまたはリブが大き過ぎる、または不便なやり方で成形される場合、流れに影響を与え得る。
【0122】
図64〜68は、弁770の同じ実施形態であるが、任意選択のオーバーフロー管791がその上に組み込まれている状態である。オーバーフロー管791は、噴出弁を通る逆流に対する別の逆止弁として多様な標準的な弁Vの任意のものをその中に組み込むための、空気が入り逃げることを可能にし得る上側ハウジング769を含む。弁は、手動で開位置に回されて呼び水を破り、逆流無しに水の突入を可能にすることができる。呼び水を破ることはまた、保全作業または補修前などの他の状況でも望ましくなり得る。ボール弁、ディスク弁などのいずれの適切な弁も、その中に組み込まれてよい。弁Vは、
図67の部分断面図に概略的に示される。ハウジング769は、任意選択であり、他の直接連結弁が使用されてよい。弁は、次いで、ユーザによって手動で作用位置にリセットされ、トイレは、呼び水された状態に戻ることができる。好ましくは、弁は、逆止弁を組み込むことができ、この逆止弁は、正常な水洗サイクル中に遭遇するものを超える正圧が、閉じられた噴出チャネル内で遭遇されるときに自動的に開き、開いたままになり、空気がチャネルに入り、呼び水を破ることを可能にする。この逆止弁は、次いで、ユーザによって手動で作用位置にリセットされ、トイレは、呼び水された状態に戻ることができる。最も好ましくは、逆止弁は、ユーザ側の手動介入を必要とせずに、約5秒から約60秒遅れて閉位置に戻る。これは、たとえば、液体減衰されたヒンジを備えたフラッパタイプ弁によって電気機械的にまたは機械的に果たされ得る。
【0123】
図58および59は、同一の部分を指す同じ参照番号をその中に有する、噴出水洗弁770のものと同一の実施形態870を示すが、水洗弁870では、支持構造の星構成が、弁770において示した4個ではなく8個のリブを有することが異なる。そのようなリブの数および変形形態が、弁を通る流れを不必要に阻害することなく構造支持体の可変の角度をもたらすように改変することができ、空気の排除を最大限にし容易にするように改変され得ることが、当業者によって理解されなければならない。
【0124】
図60〜63は、弁570のものと類似の押さえリンク機構構成である逆流防止機構974を有する水洗弁970の実施形態を示すが、実施形態970が、単一の下方向の第3のリンク機構アームの代わりに、下方向に延びるにつれて幅が大きくなるブリッジ式構造9111を含むことが異なる。ブリッジ式構造9111は、第3のリンク機構アームとして作用するが、ヒンジ式アーム9108に向かう下方向の抵抗を分割する。そのようなヒンジ式アーム9108は、ヒンジ装着体9109のところに取り付けられ、カバー9102に、実施形態770および870のような上方向に剥がれる能力をもたらす。逆流防止機構974の前部分は、実施形態570のものに類似する第1および第2のヒンジ付きリンク機構アーム975、976を含む。第2のリンク機構アームは、標準的なヒンジ連結によってブリッジ式構造9111の上部にリンクされ、ブリッジ式構造9111は、次いで、ヒンジ構造9112によってヒンジ式アーム9108の後部と係合する。第1のリンク機構アームは、ヒンジ装着体993によってカバー9102の前部9106に連結される。鎖(図示せず)は、実施形態570において説明したように地点Pに取り付けられてカバー9102の前部を持ち上げることができるが、実施形態570とは異なり、カバー9102は、実施形態710におけるカバー7102のように可撓性であり、そのために上方向に剥がされ得る。さらに追加の鎖が、実施形態710のように使用されて、実施形態710において鎖C2に対して示されるように、グロメット9113または類似の構造の位置においてカバー9102の後部半分を上昇させることができる。
【0125】
上記で説明した実施形態に対して、その広範な本発明の概念から逸脱することなく変更を加えることができることが当業者によって理解されるであろう。したがって、本発明は、開示した特定の実施形態に限定されず、付属の特許請求の範囲によって規定される本発明の趣旨および範囲内の改変形態を対象とするよう意図されることが理解される。