特許第6427114号(P6427114)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6427114ヘルスケア環境内に位置する医療デバイスに薬剤ライブラリデータを提供するシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6427114
(24)【登録日】2018年11月2日
(45)【発行日】2018年11月21日
(54)【発明の名称】ヘルスケア環境内に位置する医療デバイスに薬剤ライブラリデータを提供するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20181112BHJP
   A61M 5/142 20060101ALI20181112BHJP
   A61G 12/00 20060101ALI20181112BHJP
【FI】
   G06Q50/24
   A61M5/142
   A61G12/00 Z
【請求項の数】11
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2015-559477(P2015-559477)
(86)(22)【出願日】2014年2月24日
(65)【公表番号】特表2016-516229(P2016-516229A)
(43)【公表日】2016年6月2日
(86)【国際出願番号】EP2014053549
(87)【国際公開番号】WO2014131729
(87)【国際公開日】20140904
【審査請求日】2017年2月23日
(31)【優先権主張番号】61/769,958
(32)【優先日】2013年2月27日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13305225.8
(32)【優先日】2013年2月27日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】511241734
【氏名又は名称】フレゼニウス ヴィアル エスアーエス
【氏名又は名称原語表記】Fresenius Vial SAS
(74)【代理人】
【識別番号】100122471
【弁理士】
【氏名又は名称】籾井 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ, アラスター
【審査官】 加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−507176(JP,A)
【文献】 特表2007−526024(JP,A)
【文献】 特表2009−531146(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 − 80/00
A61G 12/00
A61M 5/142
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘルスケア環境(3)内に位置する医療デバイス(31、32)に薬剤ライブラリデータ又は構成データを提供するシステムであって、
前記ヘルスケア環境(3)のローカルネットワーク(33)と、
患者に薬剤を投与するための少なくとも1つの医療デバイス(31、32)であって、前記ヘルスケア環境(3)内に位置し、前記ローカルネットワーク(33)に接続される、少なくとも1つの医療デバイスと、
を備え、
公衆通信ネットワーク(2)を介して前記ヘルスケア環境(3)の前記ローカルネットワーク(33)に接続され、前記公衆通信ネットワーク(2)を介して前記少なくとも1つの医療デバイス(31、32)に前記薬剤ライブラリデータを提供するように構成される、薬剤ライブラリサーバー(1)を備え、
前記公衆通信ネットワーク(2)はインターネットであり、前記薬剤ライブラリサーバー(1)は、通信デバイス(40、41)のウェブクライアント(400、410)と通信するように構成されたウェブサーバー(10)を保持し、
前記薬剤ライブラリサーバー(1)は、前記少なくとも1つの通信デバイス(40、41)にデバイス発見ツール(411)を提供するように構成され、該デバイス発見ツール(411)は、前記ヘルスケア環境(3)内に設置された前記少なくとも1つの医療デバイス(31、32)に関する情報を収集するように動作可能であり、
前記通信デバイス(40、41)は、特定のヘルスケア環境(3)内において、デバイス発見ツール(41)が、前記ヘルスケア環境(3)内に設置されている医療デバイス(31、32)に関する情報を収集するとともに、該情報を前記薬剤ライブラリサーバー(1)にアップロードするように動作可能であり、
前記デバイス発見ツール(411)は、前記医療デバイスとしてのラック(31)上に設置された前記医療デバイスとしての輸液ポンプ(32)に関する情報を抽出し、前記デバイス発見ツール(411)は、前記情報を前記薬剤ライブラリサーバー(1)にアップロードするように動作可能であり、
該薬剤ライブラリサーバー(1)は、前記情報を解析し、該情報を該薬剤ライブラリサーバー(1)上に記憶された前記ラック(31)の位置特定データに関連付けるように動作可能である、
ヘルスケア環境内に位置する医療デバイスに薬剤ライブラリデータ又は構成データを提供するシステム。
【請求項2】
前記システムは、ユーザーが、前記少なくとも1つの通信デバイス(40、41)によって、前記公衆通信ネットワーク(2)を介して前記薬剤ライブラリサーバー(1)にアクセスし、それによって、
薬剤ライブラリ(123)を作成及び共有し、なお、該薬剤ライブラリ(123)は前記少なくとも1つの医療デバイス(31、32)によって患者に投与される薬剤に関するデータを含み、及び/又は、
構成(122)を作成及び共有し、なお、該構成(122)は前記少なくとも1つの医療デバイス(31、32)の運用規則を規定し、及び/又は、
治療エリア(124)を作成及び共有し、なお、該治療エリア(124)は該構成(122)及び該薬剤ライブラリ(123)の組み合わせに対応し、前記ヘルスケア環境(3)内のサブエリアに割り当てられ、及び/又は、
データセット(125)を作成及び共有し、なお、該データセット(125)は治療エリア(124)のグループを表す、
ことを可能にするように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記デバイス発見ツール(411)は、前記ヘルスケア環境(3)の前記ローカルネットワーク(33)を、該ローカルネットワークに接続された医療デバイス(31、32)を求めて探索することを特徴とする、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの医療デバイス(31、32)の位置特定データに基づいて、該少なくとも1つの医療デバイス(31、32)に治療エリア(124)が割り当てられることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記デバイス発見ツール(411)によって取得される前記少なくとも1つの医療デバイス(31、32)の位置特定データに基づいて、該少なくとも1つの医療デバイス(31、32)を識別するバーコード(8)が生成され、該少なくとも1つの医療デバイス(31、32)に取り付けられることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記ヘルスケア環境(3)内に位置する通信デバイス(41)は、前記少なくとも1つの医療デバイス(31、32)の通信インターフェース(310)にアクセスするために、該少なくとも1つの医療デバイス(31、32)に取り付けられた、該少なくとも1つの医療デバイス(31、32)を識別するバーコード(8)をスキャンするように動作可能であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの医療デバイス(31、32)上に前記薬剤ライブラリデータをインストールするために、該薬剤ライブラリデータは前記薬剤ライブラリサーバー(1)から少なくとも1つの通信デバイス(40、41)にダウンロードされ、該少なくとも1つの通信デバイス(40、41)から前記少なくとも1つの医療デバイス(31、32)に転送されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記薬剤ライブラリデータを前記少なくとも1つの通信デバイス(40、41)から前記少なくとも1つの医療デバイス(31、32)に転送するために、前記少なくとも1つの医療デバイス(31、32)のバーコード(8)が、前記少なくとも1つの通信デバイス(40、41)によってスキャンされ、前記少なくとも1つの医療デバイス(31、32)の通信インターフェース(310)がアクセスされ、前記薬剤ライブラリデータが前記少なくとも1つの医療デバイス(31、32)に転送される、請求項に記載のシステム。
【請求項9】
前記薬剤ライブラリデータを前記少なくとも1つの医療デバイス(31、32)にインストールするために、該薬剤ライブラリデータが前記薬剤ライブラリサーバー(1)から、前記ヘルスケア環境(3)の前記ローカルネットワーク(33)内に位置する内部配信サーバーにダウンロードされ、該内部配信サーバーから前記少なくとも1つの医療デバイス(31、32)に転送される、請求項1〜のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記薬剤ライブラリサーバー(1)は、XMLフォーマット又はJSON/BSONフォーマットで前記薬剤ライブラリデータを出力するように構成される、請求項1〜のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
ヘルスケア環境(3)内に位置する医療デバイス(31、32)に薬剤ライブラリデータを提供する方法であって、
患者に薬剤を投与するための少なくとも1つの医療デバイス(31、32)に前記薬剤ライブラリデータをインストールすることであって、前記少なくとも1つの医療デバイス(31、32)は、前記ヘルスケア環境(3)内に位置し、該ヘルスケア環境(3)のローカルネットワーク(33)に接続されることを含み、
前記薬剤ライブラリデータを、公衆通信ネットワーク(2)を介して前記ヘルスケア環境(3)の前記ローカルネットワーク(3)に接続された薬剤ライブラリサーバー(1)によって前記少なくとも1つの医療デバイス(31、32)に提供することを含み、
前記薬剤ライブラリサーバー(1)は、前記少なくとも1つの通信デバイス(40、41)にデバイス発見ツール(411)を提供するように構成され、該デバイス発見ツール(411)は、前記ヘルスケア環境(3)内に設置された前記少なくとも1つの医療デバイス(31、32)に関する情報を収集するように動作し、
前記通信デバイス(40、41)は、特定のヘルスケア環境(3)内において、デバイス発見ツール(41)が、前記ヘルスケア環境(3)内に設置されている医療デバイス(31、32)に関する情報を収集するとともに、該情報を前記薬剤ライブラリサーバー(1)にアップロードするように動作し、
前記デバイス発見ツール(411)は、前記医療デバイスとしてのラック(31)上に設置された前記医療デバイスとしての輸液ポンプ(32)に関する情報を抽出し、前記デバイス発見ツール(411)は、前記情報を前記薬剤ライブラリサーバー(1)にアップロードするように動作することを特徴とする、
ヘルスケア環境内に位置する医療デバイスに薬剤ライブラリデータを提供する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載の、ヘルスケア環境内に位置する医療デバイスに薬剤ライブラリデータを提供するシステムと、薬剤ライブラリデータを提供する方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のシステムは、ヘルスケア環境のローカルネットワークと、患者に薬剤を投与するための少なくとも1つの医療デバイスとを備える。この少なくとも1つの医療デバイスはヘルスケア環境内に位置し、ローカルネットワークに接続される。
【0003】
通常、輸液ポンプ等の、患者に薬剤を投与するための医療デバイスは、ヘルスケア環境、例えば病院施設内の様々なロケーションに設置される。そのような医療デバイスは、例えば、病院の病棟(治療ユニット)の様々な部屋又は手術室内に位置する場合がある。最近では、そのような医療デバイスは、ヘルスケア環境内に位置するサーバーにおいてホスティングされる病院管理システムと通信するためにローカルネットワークに接続される。例えば、ローカルネットワークへの通信リンクとしての役割を果たすラック上に輸液ポンプのグループを設置して、輸液ポンプがラックを介してローカルネットワークに接続され、ヘルスケア環境内、例えば病院内のサーバー上の病院管理システムと、ローカルネットワーク、例えばローカルエリアネットワーク(LAN)又は無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)を介して通信するように動作可能であるようにすることができる。
【0004】
患者に薬剤を投与するためのこの種の医療デバイスの動作を制御するために、いわゆる薬剤ライブラリがそのような医療デバイス上に設置される。薬剤ライブラリは、薬剤、薬剤の成分、適合性の規則及び投与規則等を特徴付ける薬剤ライブラリデータを含む。薬剤ライブラリは、例えば薬剤のリストを含むことができ、このリストにおいて、各薬剤は、例えば輸液デバイスによる投与の境界値を規定するパラメーターと関連付けられる。そのような境界値は、例えば、特定の薬剤の投与の最小投薬量及び最大投薬量、薬剤の投与の最小速度及び最大速度、投与の最小時間及び最大時間等に関係することができる。さらに、そのような境界値は、患者の年齢、体重及び性別に依拠する場合があり、このため、患者に固有である場合がある。
【0005】
そのような薬剤ライブラリを用いることによって、特定の薬剤を患者に投与するための輸液ポンプ等の医療デバイスの動作は、医療デバイスが、薬剤ライブラリによって課される境界内でのみ看護師によって操作することができるように制御される。これにより、看護師は、患者に薬剤を投与するために、医療デバイスに対し薬剤を識別し、この際、医療デバイスは、その医療デバイスにインストールされた薬剤ライブラリからそれぞれの規則及び境界値を自動的にロードする。
【0006】
現在、そのような薬剤ライブラリは、ヘルスケア環境内、例えば病院内にローカルでインストールされる。そのような薬剤ライブラリは、例えば、病院内のパーソナルコンピューター(PC)又はサーバー上のソフトウェアとしてインストールされ、このPC又はサーバーから、薬剤ライブラリを病院の様々な病棟に位置する医療デバイスにインストールするために、そのような医療デバイスに配信することができる。
【0007】
現在用いられているシステムでは、ヘルスケア環境内で薬剤ライブラリソフトウェアを配信すること、特に、ヘルスケア環境全体にわたって薬剤ライブラリソフトウェアを最新に保つことは煩雑である。これは、ヘルスケア環境内、例えば特定の病院内で薬剤ライブラリの複数の変形版が用いられることへとつながる場合があり、一貫性がない可能性があるデータを用いて薬剤ライブラリの多重参照が行われる可能性に起因して、安全性に危険が及ぼされる。
【0008】
さらに、現時点で、異なるヘルスケア環境間、例えば異なる病院間で薬剤ライブラリを容易に共有することは不可能である。この点に関して、異なる病院(病院事業者等の共通ヘルスケアグループに属する可能性がある)間の薬剤ライブラリの共有は、薬剤パラメーター化の大部分が病院間で共通であり、患者のデモグラフィック(特に、患者の年齢、体重及び性別)によって定型化されるので、有利であり得る。このため、現在のシステムは、薬剤のパラメーター化の標準化のためのハードルを課す。
【0009】
特許文献1は、医療デバイスに関連付けられた薬剤管理ユニットを備える薬剤管理システムを開示している。薬剤管理ユニットは、第1の入力手段からの薬剤注文情報を、第2の入力手段からの機械可読払出情報と比較して、第1の入力手段からの情報が第2の入力手段からの情報と一致する場合にのみ薬剤注文を医療デバイスにダウンロードするように設定される。薬剤管理ユニットは、ユーザーが薬剤ライブラリ全体及び個々の薬剤ライブラリの値をインポート、エクスポート及び編集して、病院のプリファレンスに従って薬剤ライブラリを制御及びカスタマイズすることを可能にする薬剤ライブラリエディターも備える。
【0010】
特許文献2から、ユーザーデバイスと連動して医療デバイスとインタラクトするコンピューター実施方法が既知である。この方法において、認定された医療アプリケーションがユーザーデバイスにおいて受信され、セキュアなメモリセグメントに記憶される。医療デバイスにおいて認可された医療アプリケーションを実行するために、ユーザーデバイスから医療デバイスまで通信リンクが確立される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第2005/036447号
【特許文献2】国際公開第2010/132617号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、特定のヘルスケア環境内の医療デバイス間及び異なるヘルスケア環境にわたる使用及び配信のために、薬剤ライブラリデータを容易に作成、編集及び共有することを可能にする、ヘルスケア環境内に位置する医療デバイスに薬剤ライブラリデータを提供するシステム及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的は、請求項1に記載の特徴を含むシステムによって達成される。
【0014】
したがって、公衆通信ネットワークを介してヘルスケア環境のローカルネットワークに接続され、公衆通信ネットワークを介して少なくとも1つの医療デバイスに薬剤ライブラリデータを提供するように構成される薬剤ライブラリサーバーが提供される。
【0015】
本発明は、薬剤ライブラリデータを提供するためのウェブベースのサービスを提供するという着想に基づく。本明細書における薬剤ライブラリデータは、インターネット等の公衆通信ネットワーク内に位置する薬剤ライブラリサーバー上に含まれ、記憶される。ウェブベースのサービスによって、ユーザーが薬剤ライブラリをオンラインで作成し、特定のヘルスケア環境内の及び様々なヘルスケア環境にわたる医療デバイス間で薬剤ライブラリデータを容易に共有することが可能になる。さらに、アメリカ国立医学図書館等の外部データベースからの情報等の外部情報を作成し、共有し、医療デバイスにマッピングすることが可能になる。そのようなウェブベースのサービスによって、ヘルスケア環境内の及び幾つかのヘルスケア環境にわたる薬剤ライブラリを容易に管理することができ、薬剤ライブラリデータの容易な配信及び更新が可能になる。
【0016】
本文との関連で、薬剤ライブラリは薬剤のリストとして理解され、このリストにおいて、薬剤のそれぞれが特定の薬剤を患者に投与するための運用上の境界を規定するパラメーターに関連付けられる。そのようなパラメーターは、患者のデモグラフィック、例えば、患者の年齢、体重又は性別に依拠することができる。
【0017】
さらに、本文との関連で、ローカルネットワークは、非公衆通信ネットワーク(イントラネットとも呼ばれる)として理解されるものとする。この点において、ローカルネットワークはインターネット等の公衆通信ネットワークと区別される。
【0018】
ヘルスケア環境は、例えば病院等のヘルスケア機関とすることができる。病院は通常、それぞれ複数の病室を有する或る特定の数の病棟を有する。一方、ヘルスケア環境は、例えば共通ローカルネットワーク(イントラネット)を用いて単一病院事業者によって運用される単一のヘルスケアグループに属する幾つかの病院のグループでもあり得る。
【0019】
ヘルスケア環境内で、患者に薬剤を投与するための様々な医療デバイスが存在し得る。医療デバイスは、例えば、シリンジポンプ又は容積ポンプ等の輸液ポンプとすることができる。医療デバイスは、単一の製造者からのものである場合もあるし、様々な製造者からのものである場合もある。
【0020】
医療デバイスは、1つ又は複数の輸液ポンプを接続することができるラックとして構成することもできる。この場合、ラックは、輸液ポンプを保持し、ヘルスケア環境の病院管理システムとの通信のために輸液ポンプをローカルネットワークに接続するための通信リンクとしての役割を果たす。この場合、ラック及び輸液ポンプの双方が医療デバイスを形成し、この医療デバイスに薬剤ライブラリデータをインストールすることができる。(薬剤ライブラリデータは、例えば、ラックに接続された輸液ポンプへの配信のためにラックにインストールすることができる)。
【0021】
システムは、ウェブベースのサービスを提供することによって、薬剤ライブラリの容易な作成、編集及び共有を可能にする。本明細書におけるシステムは、公衆通信ネットワーク、例えばインターネットを介して薬剤ライブラリサーバーと通信するためのウェブクライアントを含む1つ又は複数の通信デバイスを備えることができる。通信デバイスは、パーソナルコンピューター(PC)、ノートブックコンピューター、携帯情報端末(PDA)、移動電話、又はインターネットへの接続を可能にする任意の他のデバイスによって構成することができる。そのような通信デバイスを介して、ユーザーは薬剤ライブラリサーバーに接続して、薬剤ライブラリを作成し、薬剤ライブラリデータを編集し、作成された薬剤ライブラリの共有を管理することができる。
【0022】
特に、システムは、通信デバイスによって、ユーザーが公衆通信ネットワークを介して薬剤ライブラリサーバーにアクセスして、
薬剤ライブラリを作成及び共有し、
構成を作成及び共有し、なお、本明細書における構成は医療デバイスの運用規則を規定し、
治療エリアを作成及び共有し、なお、治療エリアは構成及び薬剤ライブラリの組み合わせに対応し、ヘルスケア環境(例えば、病院)内のサブエリア(例えば、病棟)に割り当てられ、及び/又は、
データセットを作成及び共有し、なお、データセットは治療エリアのグループを表し、このため病院等のヘルスケア環境の構造をマッピングする、
ことを可能にするように構成される。
【0023】
ユーザーは更に、例えば、事前に規定された協働メカニズムによって作成されたデータを病院環境の外部に公開することも可能にされ得る。
【0024】
ユーザーは、公衆通信ネットワーク、例えばインターネットを介して薬剤ライブラリサーバーにアクセスすることによって、ヘルスケア環境内で用いられる薬剤ライブラリを管理し、薬剤ライブラリの配信及び共有特性を管理することができる。本明細書におけるユーザーは、インターネットを介して自身の個人設定を編集し、様々なユーザー、治療ユニット、病院施設、又はヘルスケアグループ間の薬剤ライブラリデータの共有を可能にするように協働設定を編集し、病院の病棟等のサブエリアに関係する治療ユニットを規定することによって特定の病院内での薬剤ライブラリの配信を規定し、又は病院の薬剤ライブラリ構造全体若しくは更には病院のグループをマッピングする完全なデータセットを作成することを可能にされ得る。本明細書におけるユーザーは、薬剤ライブラリデータに加えて、輸液ポンプ等の医療デバイスに関係する構成データも設定することができる。そのような構成データは、いわゆる構成に含まれ、例えば、医療デバイスの表示エリアをカスタマイズするか又は特定のセキュリティ特徴のパラメーターを規定する、医療デバイスのための運用規則を設定する。
【0025】
薬剤ライブラリサーバーは、公衆通信ネットワーク内、したがって、パブリックドメイン、例えばインターネットドメイン内に位置する。対照的に、医療デバイスはローカルネットワーク内に位置し、このため、特定のヘルスケア環境に限定される非公衆プライベートドメイン内にある。このため、(パブリックドメイン内の)薬剤ライブラリサーバーは、ローカルネットワークの非公衆環境内に位置する医療デバイスと自由に通信することができず、このため、それ自体では、例えば特定のヘルスケア環境内の医療デバイスの位置特定に関して情報を容易に得ることができない。一方、薬剤ライブラリデータ及び同様に他の例えば構成データを医療デバイスに転送するには、例えば医療デバイスのネットワークアドレス(例えばいわゆるIPアドレス)によって医療デバイスを識別するために、ローカルネットワークのいずれの場所に医療デバイスが位置するかを知らなくてはならない。このために、薬剤ライブラリサーバーは、(例えばアセット追跡システム又はローカルサービス配信ポイントデバイステーブルから)特定のヘルスケア環境内に設置されている医療デバイスに関する情報を収集するためにそのヘルスケア環境内の通信デバイスによって実行されるデバイス発見ツールを提供することができる。デバイス発見ツールは、通信デバイスにダウンロードするために薬剤ライブラリサーバー上に提供することができる。一方、通信デバイスが、基本となるソフトウェアをダウンロードすることなく、薬剤ライブラリサーバー上にインストールされたデバイス発見ツールを実行することを可能にされることも考えられる。次に、特定のヘルスケア環境内で通信デバイス上のデバイス発見ツールを実行することによって、特定のヘルスケア環境内に設置されている医療デバイスに関する情報を収集することができ、そのような情報を薬剤ライブラリサーバーにアップロードし、薬剤ライブラリサーバーがヘルスケア環境のローカルネットワーク内の医療デバイスに関する位置特定情報を得るようにすることができる。
【0026】
デバイス発見ツールは、特定のヘルスケア環境に接続された医療デバイスの、ネットワーク内におけるそれぞれのアドレスを識別するために(このためそれらのネットワークアドレスを得るために)、それらの医療デバイスについてその特定のヘルスケア環境のローカルネットワークをスキャンするように動作可能とすることができる。デバイス発見ツールは更に、例えば輸液ポンプを保持するラックのログファイルから、ラックに現在設置されているか又は以前に設置されていた輸液ポンプに関する情報を抽出するように動作可能とすることができる。ログファイルから、デバイス発見ツールは例えば、特定の輸液ポンプが特定のラックに接続されていたか又は特定のラックから切り離されていたときを認識することができる。代替の方法は、選択された治療エリアの使用のマーカーを記録するポンプ内部の履歴ファイルを用いることである。この際、そのような情報を薬剤ライブラリサーバーにアップロードし、情報を解析し、その情報を薬剤ライブラリサーバー上に記憶されているラックの位置特定データに関連付けることによって、治療ユニット又は病院施設内の輸液ポンプの移動を追跡することができる。ラックの位置特定データは、例えば、病院施設内の治療ユニット内のいずれの病棟のいずれの部屋にラックが設置されているかを識別することができ、それによって、輸液ポンプがどの時点でラックに接続されていたかがわかっているとき、そのようなロケーションにおいてどの時点で輸液ポンプが用いられていたかを導出することができる。
【0027】
デバイス発見ツールの実行又はアセット追跡システムから医療デバイスの位置特定が既知である場合、医療デバイスの既知の位置特定に基づいて、治療エリアを医療デバイスに自動的に割り当てることも可能になる。この点に関する治療エリアは、病院施設の治療ユニットに関係することができ、薬剤ライブラリ及び構成の或る特定の組み合わせに関連付けられる。したがって、予め規定された治療エリアを医療デバイスの位置特定に依拠してその医療デバイスに自動的に割り当てることによって、医療デバイスは、その治療エリアに関連付けられた治療ユニット内に設置され用いられると、特定の薬剤ライブラリを用いるようにされる。
【0028】
さらに、デバイス発見ツールによって、メンテナンス追跡、ソフトウェアステータス及びエラーログの追跡も行い、医療デバイスの使用に関する統計データを提供することができる。
【0029】
さらに、デバイス発見ツールによって得られる医療デバイスの位置特定データに基づいて、少なくとも1つの一意の識別データを含む、医療デバイスを識別するバーコードを生成し、印刷し、医療デバイスに取り付けることができる。バーコード生成のために、QRコード(登録商標)API(API:アプリケーションプログラミングインターフェース)としても知られる、いわゆるQRコード(登録商標)を作成するオンラインツールを用いることができる。バーコード内に含まれる情報は、(例えば、一意の識別子及びリアルタイムのロケーション追跡サービスとのやりとりを用いて、例えばベッド番号、病室番号、病棟名、治療ユニット名及び病院施設名を得ることによって)ヘルスケア環境内の医療デバイスのロケーション及びローカルネットワーク内の識別情報(例えばIPアドレスを提供する)を識別する役割を果たすことができる。発見ツールによって、医療デバイスを識別及び位置特定するためのバーコードを、用いることが容易な形式で作成し、印刷し、医療デバイスに取り付けることができ、それによって、薬剤が医療デバイスによって投与されるときに、例えば看護師によって、医療デバイス、例えば輸液ポンプの識別を容易に行うことができる。
【0030】
医療デバイスを識別する(及び、上記で述べた方式で又は任意の他の既知の方式で生成される)バーコードを用いて、医療デバイスへの薬剤ライブラリデータの転送を容易にすることもできる。このために、スマートデバイス(スマートフォン等)等の通信デバイス、又はヘルスケア環境内に位置し、ローカルネットワークに接続される別の携帯用デバイスは、医療デバイスを識別するために医療デバイスに取り付けられたバーコードをスキャンするように動作可能とすることができる。バーコードによって、医療デバイスの通信インターフェース(例えば、ウェブインターフェース)を介して医療デバイスにデータを転送するために、そのような通信インターフェースへの通信リンクを確立することができる。
【0031】
このために、第1のステップにおいて、薬剤ライブラリデータは、例えば薬剤ライブラリサーバーから通信デバイスにダウンロードすることができる。第2のステップにおいて、通信デバイスは、薬剤ライブラリデータがインストールされることになる医療デバイスのバーコードを読み取り、このバーコードにより、通信デバイスは医療デバイスの通信インターフェース(例えば、ウェブインターフェース)に誘導される。次に、通信インターフェースを介して、薬剤ライブラリデータが医療デバイスに転送され、このようにして医療デバイス上にインストールされる。
【0032】
薬剤ライブラリサーバーから特定の医療デバイスに薬剤ライブラリデータを直接インストールすることも考えられる。一方、通信デバイス及び医療デバイスのウェブインターフェースを介した迂回を用いることによって、医療デバイスが患者に薬剤を投与する動作を行う間、医療デバイスのソフトウェア更新が行われないことを確実にすることができる。
【0033】
代替的な手法では、通信デバイスと、薬剤ライブラリデータを医療デバイスに転送するためのウェブインターフェースとを用いるのではなく、ヘルスケア環境のローカルネットワーク内に位置する内部配信サーバーを用いることができる。例えば、内部配信サーバーは、ローカルネットワーク内の医療デバイスに関係する新たな薬剤ライブラリデータが利用可能であるときはいつでも、薬剤ライブラリサーバーからのメッセージを受信することができる。次に、そのような新たなデータは、薬剤ライブラリサーバーから内部配信サーバーにダウンロードされる。内部配信サーバーは、追跡可能性及びデータのロギングの目的で以前のデータをアーカイブするように構成することができる。配信サーバーは、ヘルスケア環境のローカルネットワーク内に位置する全ての医療デバイスのリストを含む。輸液ポンプ等の医療デバイスがローカルネットワークに接続するときはいつでも、内部配信サーバーは自身のリストに対して医療デバイスを検証し、医療デバイスにインストールされた薬剤ライブラリデータのバージョン及び新たなデータとの適合性をチェックし、新たなデータが適合する場合、その新たな薬剤ライブラリデータを医療デバイスに転送する。
【0034】
さらに、内部配信サーバーは、内部配信サーバー上に実装されるウェブサーバーを含むことができる。ウェブサーバーは、1つ又は複数の医療デバイスに関するトランザクションのステータスに関する情報を通信及び中継し、それによって例えば、医療デバイス上に現在インストールされている薬剤ライブラリデータのバージョンを、ウェブサーバーを介してチェックすることができる。
【0035】
薬剤ライブラリデータがラックに接続された複数の輸液ポンプに転送される場合、上記で概述した手順を用いて、まず薬剤ライブラリデータをラックに転送することができる。次に、ラックは、薬剤ライブラリデータをラックに接続された輸液ポンプに別個のステップで、場合によっては通信デバイスによって促されて配信し、取り付けられた輸液ポンプへの薬剤ライブラリデータの配信が、通信デバイスからの明示的な命令時にのみ実行されるようにすることができる。
【0036】
薬剤ライブラリサーバーは、有利には、自身の薬剤ライブラリデータを共通のXML又はJSON/BSONフォーマット(XML:拡張可能マークアップ言語、JSON:JavaScript(登録商標)オブジェクト表記法、BSON:バイナリJSON)において出力することができるか、又は代替的にはセキュアな独自仕様のデータフォーマットで出力することができる。広く知られた一般的なフォーマットで薬剤ライブラリデータを出力することによって、この種の薬剤ライブラリサーバーは、或る特定の製造者によるインストールの特定のプリファレンス及び設定と無関係に読み取り可能な出力を提供することにより、様々な製造者の医療デバイスと接続して用いることができる。医療デバイスは、データの完全性をチェックし、独自の運用規則組に対しコンテンツを検証することを担当する。
【0037】
上記の目的はまた、ヘルスケア環境内に位置する医療デバイスに薬剤ライブラリデータを提供する方法によって達成される。本方法は、患者に薬剤を投与するための少なくとも1つの医療デバイスに薬剤ライブラリデータをインストールするステップを含む。少なくとも1つの医療デバイスは、ヘルスケア環境内に位置し、このヘルスケア環境のローカルネットワークに接続される。そのような方法において、薬剤ライブラリデータは、公衆通信ネットワークを介してヘルスケア環境のローカルネットワークに接続された薬剤ライブラリサーバーよって少なくとも1つの医療デバイスに提供される。
【0038】
本発明によるシステムに関して上記で説明した利点及び有利な実施形態は、上記の方法にも等しく適用可能であり、この点に関して、上記の説明が参照されるものとする。
【0039】
本発明の基礎をなす着想を、図面に示す実施形態を参照して以下により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】医療デバイスに薬剤ライブラリデータを提供するシステムの概略図である。
図2】システムの薬剤ライブラリサーバーの概略図である。
図3】薬剤ライブラリデータを提供するために、ウェブベースのサービス内でユーザープロファイルを作成する機能の概略図である。
図4】ユーザーアカウントの概略図である。
図5】薬剤ライブラリデータを提供するための、ウェブベースのサービス内での協働設定の概略図である。
図6】薬剤ライブラリデータを提供するための、ウェブベースのサービス内での薬剤ライブラリ作成の概略図である。
図7】薬剤ライブラリデータを提供するための、ウェブベースのサービス内での構成作成の概略図である。
図8】薬剤ライブラリデータを提供するための、ウェブベースのサービス内での治療エリア作成の概略図である。
図9】薬剤ライブラリデータを提供するための、ウェブベースのサービス内でのデータセット組成の概略図である。
図10】薬剤ライブラリデータを提供するための、ウェブベースのサービス内でのデータセット作成の概略図である。
図11】薬剤ライブラリデータを提供するために、ウェブベースのサービスと接続して用いられるデバイス発見ツールの機能の概略図である。
図12】ローカルネットワークにおいて医療デバイスを割り当てるデバイス発見ツールの機能の概略図である。
図13】薬剤ライブラリデータを提供するための、ウェブベースのサービス内の医療デバイス及び医療デバイスの分類の概略図である。
図14】医療デバイスを識別するための、その医療デバイスにアタッチされるバーコードの生成を容易にするデバイス発見ツールの機能の概略図である。
図15】バーコードの例を示す図である。
図16】薬剤ライブラリデータを医療デバイスに転送するための概略シーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1は、ヘルスケア環境3内に位置する医療デバイス31、32に薬剤ライブラリデータを提供するシステムの概略図を示す。
【0042】
この点に関するヘルスケア環境3は、例えば病院とすることができる。病院は、様々な外来、科、病棟(治療ユニット)及び手術施設等を有するように編成することができる。病院全体にわたって、患者に薬剤を投与する役割を果たす複数の医療デバイス31、32を分散させることができる。そのような医療デバイスは、ラック31に接続された輸液ポンプ32とすることができる。ラック31は、一方では輸液ポンプ32のための機械的担体としての役割を果たし、他方では輸液ポンプ32と病院ローカルネットワーク33との間の通信を容易にする通信リンクとしての役割を果たす。ラック31及びローカルネットワーク33(例えばローカルエリアネットワーク(LAN)として設定される)を介して、輸液ポンプ32を病院管理システムに接続し、このため、病院ローカルネットワーク33内の輸液ポンプ32の集中型管理を可能にすることができる。
【0043】
図1に示すシステムは、薬剤ライブラリデータを医療デバイス31、32に提供するためのウェブベースのサービスを提供する。薬剤ライブラリは、従来から知られているように、患者に薬剤を投与するための医療デバイス31、32に規則を設ける役割を果たす。特に、輸液デバイス32との関連における薬剤ライブラリは、各薬剤が、その特定の薬剤を患者に投与するための輸液デバイス32の境界値を規定し、特徴付け、課すパラメーターに関連付けられる、薬剤のリストを含む。例えば、そのような境界値は、薬剤の投薬量、投与速度及び投与時間に関係することができ、異なる薬剤について、また異なるタイプの患者について、例えば患者の年齢、体重及び性別に依拠して、変動することができる。
【0044】
薬剤ライブラリは、医療デバイス31、32、特に輸液ポンプ32上にインストールされ、輸液ポンプ32の動作中、薬剤ライブラリによって或る特定の薬剤について設定されたパラメーターが適用されるようにする。例えば、看護師は、或る特定の薬剤について適用された薬剤ライブラリによって規定される投与速度の範囲外の投薬速度を選択することができない。或る特定の薬剤が患者に投与される場合、看護師は、薬剤ライブラリによって規定される境界内でのみ投与パラメーターを選択することができる。
【0045】
通常、薬剤ライブラリは、ヘルスケア環境3内、例えば病院管理システム内のコンピューター上にローカルにインストールされ、医療デバイス31、32にローカルに配信される。これによって、異なる医療デバイス31、32上に薬剤ライブラリの複製の変形版をインストールさせることなくヘルスケア環境3全体にわたって新たな薬剤ライブラリ又は更新された薬剤ライブラリを配信することが煩雑になる。
【0046】
この問題は、薬剤ライブラリデータを提供するためのウェブベースのサービスを提供することによって、薬剤ライブラリサーバー1がパブリックドメイン内に設けられるという点で克服される。薬剤ライブラリサーバー1は、公衆通信ネットワーク2、例えばインターネットを介してヘルスケア環境3内の通信インターフェース30、例えば、ルーターに接続することもできるし、ローカル通信ネットワーク33に直接接続することもできる。公衆通信ネットワーク2に接続する場合、薬剤ライブラリサーバー1は、病院ネットワーク機器(例えば、ヘルスケア環境3内のルーター等の通信インターフェース30)を通じて医療デバイス31、32又は配信サーバー34とインタラクトすることができる。ローカルネットワーク33に直接接続する場合、薬剤ライブラリサーバー1は、医療デバイス31、32又は配信サーバー34と直接インタラクトすることができる。双方の場合に、薬剤ライブラリサーバー1は、公衆通信ネットワーク2を通じて外部サービス5とインタラクトすることができる。薬剤ライブラリサーバー1は、ウェブサーバー10と、通信インターフェース(ウェブインターフェースコンポーネントインターフェース)11と、データベースコンポーネントインターフェース12とをホスティングする。
【0047】
薬剤ライブラリサーバー1は、ウェブサーバー10を介して、例えば、PDA又は携帯用コンピューター等の携帯用デバイスとして構築された通信デバイス40、41におけるウェブクライアント400、410にデータを提供する。
【0048】
ウェブインターフェースコンポーネントインターフェース11は、例えば、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)によって、(内部又は外部の)配信サーバー34とのインタラクションのための及び/又は直接医療デバイス31、32へのインターフェースを提供する。ウェブインターフェースコンポーネントインターフェース11は、薬剤ライブラリサーバー1に関するデータの作成点であるホスティングされるサービス上に存在する。薬剤ライブラリサーバー1から医療デバイス31、32までのデータエクスポートルートは、VPN接続を介してヘルスケア環境3内のローカル配信点までであるか、又はデータを、スマートデバイス、PC若しくはラップトップ等の通信デバイス40、41にダウンロードし、その後、内部的に通信デバイス40、41から1つ又は複数の医療デバイス31、32に転送することができる。ローカルヘルスケア環境3内のウェブインターフェースルートは、配信サーバー34から治療エリアサーバー、ラック(支柱)31又は輸液デバイス(ポンプ)32までとすることができる。これは全て、病院等のインフラストラクチャ、及びそのIT能力に依存する。
【0049】
データベースコンポーネントインターフェース12は、薬剤ライブラリデータと、ウェブベースのサービス内で提供される医療デバイス31、32に関係する他のデータとを含むデータベースへのアクセスを提供する。
【0050】
薬剤ライブラリサーバー1によって提供されるウェブベースのサービスは、特定の製造者又は普遍的に様々な製造者の医療デバイス31、32、特に輸液デバイスをサポートする役割を果たす。本明細書における薬剤ライブラリサーバー1は、製品の知識及び展開、クライアント管理及びアカウント、製品サービス、並びに販売を組み合わせるデータベースコンポーネントを運用する。薬剤ライブラリサーバー1は、管理されたクライアント空間内でオンラインの薬剤ライブラリの作成、アップロード、ダウンロード及び/又は管理を可能にする。クライアント空間は、病院全体、特定のサービス又は個々のユーザーに関係することができる。ウェブベースのサービスは、ウェブクライアント400、411を介して薬剤ライブラリサーバー1にアクセスすることができる移動デバイス、スマートデバイス、PC又はラップトップコンピューター等の任意の通信デバイス40、41への薬剤ライブラリのインポート又はエクスポートを可能にする。薬剤ライブラリサーバー1は、ダウンロードに利用可能な特定のツールを更に含むことができ、そのようなツールは医療デバイス31、32の管理を容易にする。
【0051】
ウェブベースのサービスによって、サービス中心型のアーキテクチャが提供される。サービスは、ソフトウェアコンポーネントの容易なアップグレード及び展開を可能にする。薬剤ライブラリサーバー1は、クライアントアカウント、コンタクト、ステータス報告及び管理を集中型で保持する。これによって、病院等のローカルヘルスケア環境ドメインにおけるインストールが回避される。集中型サービスによって、集中型の製品制御及びライセンス供与も可能になり、サービス運用者がターゲットマーケティングを行い、使用統計を取得し、的を絞った利用サービスを提供することも可能になる。薬剤ライブラリサーバー1によって、標準化された方法で薬剤ライブラリを容易に作成してオンラインで共有することができる。薬剤ライブラリの作成のためにテンプレートを利用可能とすることができる。ウェブベースのサービスによって、特定のヘルスケア環境3内の、更には幾つかのヘルスケア環境3にわたる薬剤ライブラリを最新状態に維持するための配信及びアップグレードが大幅に容易になる。
【0052】
図2は、薬剤ライブラリサーバー1の概略図を示す。既に示したように、薬剤ライブラリサーバー1は、ウェブサーバー10と、ウェブインターフェースコンポーネントインターフェース11と、データベースコンポーネントインターフェース12とを保持する。ウェブサーバー10を介して、薬剤ライブラリサーバー1は、公衆通信ネットワーク2、例えばインターネットへの接続を有する通信デバイス40、41、例えば任意の移動デバイスのウェブクライアント400、410と通信する。ユーザーは、ウェブサーバー10を介して、ウェブインターフェースコンポーネントインターフェース11及びデータベースコンポーネントインターフェース12にアクセスすることができる。
【0053】
ウェブインターフェースコンポーネントインターフェース11は、ウェブインターフェースコンポーネント110及びダウンロード可能なツール111等のリソースを含むファイルシステムへのアクセスを提供する。ダウンロード可能なツールは、例えば、デバイス制御アプリケーション112(いわゆるapp)又はデバイス位置特定ツール113とすることができる。
【0054】
データベースコンポーネントインターフェース12は、病院グループ120a、病院120b及び/又は病棟(治療ユニット)120c、構成122、薬剤ライブラリ123、治療エリア124、データセット125及びデバイスプロファイル126に関連付けられたクライアントプロファイル121に関するデータを含む様々なデータベースへのアクセスを提供する。
【0055】
さらに、薬剤ライブラリサーバー1は、通信デバイス40、41へのダウンロードのために提供される製造者ツール13を含むことができる。そのようなツールは中でも、例えば、ヘルスケア環境3内の医療デバイス31、32の位置特定を容易にするデバイス発見ツールとすることができ、その詳細については以下でより詳細に説明する。
【0056】
ウェブベースのサービスは、外部システム50(特定のデバイス製造者に対し外部)によって提供されるサービス、又は特定のデバイス製造者のサービス(製造者サービス51)等の外部サービス5とインタラクトし、その外部サービス5を利用することもできる。外部サービス5によって、ユーザーは、(例えば、アメリカ国立医学図書館等の他のデータベースからの)外部情報を医療デバイス31、32にマッピングすることができる。アメリカ国立医学図書館としての外部サービス50を、薬剤ライブラリサーバー1又は内部配信サーバー34によって用いて、データを自動的に又は手動でインポートし、そのデータを、配信可能かつ医療デバイス31、32によって理解可能なデータセットに変換することができる。製造者サービス51を、薬剤ライブラリサーバー1又は内部配信サーバー34によって用いて、配信可能かつ医療デバイス31、32によって理解可能なデータセットを自動的に又は手動でインポートすることができる。双方の場合に、ユーザーは、薬剤ライブラリサーバー1又は内部配信サーバー34とインタラクトして、データセットをインポート、変更及びエクスポートすることができる。
【0057】
続いて、図3図16に従って、ウェブベースのサービス内でのプロファイル及びデータの作成、共有及び転送についてより詳細に説明する。
【0058】
図3に示すように、ユーザー6は、薬剤ライブラリサーバー1によって提供されるウェブベースのサービス内で、ユーザープロファイルを作成及び更新し(A1)、サービスプロファイルを作成及び更新し(A2)、病院プロファイルを作成及び更新する(A3)ことができる。そのようなプロファイルは、個々のユーザー(A1)、治療ユニット(A2)又は病院全体(A3)又は病院運営機構に関係する。ユーザープロファイル内で、例えば、氏名、電子メールアドレス、位置、サービス及び病院を指定することができる。治療ユニットプロファイル内で、特定の治療ユニットに属する様々なユーザーを指定することができる(A2)。ユーザーがサービスプロファイルに加えられると、そのユーザーのユーザープロファイルが、場合によってはユーザー及び治療ユニットのプライバシー制御設定に応じて、治療ユニットの他のユーザーに対し公開される。病院プロファイルは、例えば、病院に属する様々な治療ユニット及び/又はユーザーを指定することができる(A3)。病院プロファイル内で指定される治療ユニットは、互いに公開されている。
【0059】
薬剤ライブラリサーバー1にアクセスするとき、ユーザー6は自由にプロファイルを作成し、又はプロファイルに関係するデータを変更することができる。このために、ユーザー6は、ユーザー名及びパスワードを用いることによって薬剤ライブラリサーバー1にアクセスすることができる。任意の通信デバイス40、41、例えばPDA(スマートデバイス)又は別の移動デバイスによって、本明細書におけるユーザー6は、公衆通信ネットワーク2、例えばインターネットにアクセスを有するならば、任意の場所から薬剤ライブラリサーバー1にアクセスすることができる。
【0060】
図4に示すように、特定のユーザー6に関係するユーザーアカウント(B1)は、ユーザープリファレンス(B3)と、ユーザー名、電子メールアドレス又は特定のヘルスケア環境3内のユーザーの位置等のユーザーの詳細(B4)と、機関(institution)(米国では「施設(facility)」と呼ばれる)(B2)とに関するデータを含むことができる。本明細書における機関は、その機関の名称と、治療ユニットのリストと、その機関に属するユーザーと、その機関の住所と、その機関に関連付けられるユーザーアカウントのリストによって規定することができる。
【0061】
ユーザーアカウント(B1)は、いわゆる協働者(C1)のリストを更に含むことができる。図5に概略的に示すように、ユーザー6は、ユーザー(C6)、治療ユニット(C5)、機関(C4)又はヘルスケアグループ全体(C3)等の協働エンティティを指定することができる。例えば、そのような協働設定を用いて、全ての協働エンティティが、例えば薬剤ライブラリの更新が利用可能になると、全ての協働エンティティにわたって薬剤ライブラリを容易に最新に維持することができるように自動的に通知されるという点で、協働者間でデータを容易に共有することができる。ユーザーアカウント(C6)は、例えば、治療ユニット(C5)、機関(C4)及び/又はヘルスケアグループ全体(C3)と協働するように設定することができ、ヘルスケアグループ(C3)は、互いに協働する幾つかの病院を含むことができる。また、製造者との協働を規定することができる(C2)。本明細書における製造者は、事前に作成された薬剤ライブラリの役割を規定することができる。製造者を協働者のリストに加えることによって、製造者から生じる新たに作成された薬剤ライブラリ又は薬剤ライブラリの更新を、協働エンティティにわたって配信することができる。
【0062】
これに関して、ユーザーアカウント6は、そのユーザーがデータを共有する能力に影響を与えることができる様々なレベルの階層に所属することができる。例えば、幾つかの病院を含むヘルスケアグループの主任薬剤師は、「ヘルスケアグループ」タイプのプロファイルに所属することができ、このため、特定のヘルスケアグループに属する全ての病院施設にデータを公開することを可能にされ得る。特定の病院の病院薬剤師は、「病院」タイプのプロファイルを有する場合があり、ヘルスケアグループ内の全ての病院にデータを公開することはできないが、特定の病院内にのみ公開することができる。病院薬剤師は、例えば、主任薬剤師によって公開されたデータを取得し、このデータを特定の施設の設定に適合させることができる。このメカニズムを治療ユニット及び病棟レベルまで掘り下げて、「治療ユニット」タイプのプロファイルに関連付けられたユーザーが、特定の治療ユニットのみにわたってデータを公開することを許可されるようにする。
【0063】
図6に示すように、ユーザー6は、薬剤ライブラリを作成することもできるし(D1)、薬剤ライブラリを共有することもできるし(D2)、薬剤ライブラリを購入することもできるし(D3)、薬剤ライブラリをダウンロードすることもできる(D4)。さらに、ユーザー6は、外部情報、例えば、薬剤の他の製造者又は提供者から入手可能な、例えば適合性、シリンジ及び希釈に関する情報を、薬剤ライブラリにマッピングするために外部サービス5(図1及び図2を参照)に接続することができる。
【0064】
ユーザー6は、完全に新しい薬剤ライブラリを作成することもできるし、既存の薬剤ライブラリを他のユーザーと共有することもできる。さらに、ユーザーは、外部の薬剤ライブラリ作成者から薬剤ライブラリを購入することができる(D3)。薬剤ライブラリを作成又は編集するために、ユーザー6は、自身のユーザー名及びパスワードを用いて薬剤ライブラリサーバー1にアクセスし、自身のクライアント空間に誘導され、このクライアント空間において、ユーザーが関連付けられている薬剤ライブラリを表示される。ユーザーは、クライアント空間内で、薬剤ライブラリを作成、編集、管理、購入及び共有することを許可される。
【0065】
薬剤ライブラリは、医療デバイス上にインストールされ、患者に薬剤を投与するのを容易にする。このために、インストーラー7は、薬剤ライブラリサーバー1から薬剤ライブラリをダウンロードして、薬剤ライブラリデータを医療デバイス31、32に転送することができる。インストーラー7は、薬剤ライブラリを作成するユーザー(作成者)6と異なる場合がある。特に、インストーラー7は、自身が編集を許可されていない他のユーザー6の薬剤ライブラリをダウンロードすることを許可される場合がある。
【0066】
医療デバイス31、32への薬剤ライブラリデータの転送をどのように達成することができるかを、以下により詳細に説明する。
【0067】
ユーザー6は、いわゆる構成を更に作成することができる。本明細書における構成は、医療デバイス31、32に適用される1組の規則である。構成において規定されるパラメーターは、例えば、それぞれの医療デバイス31、32の表示エリアをカスタマイズする役割を果たすこともできるし、そのような医療デバイス31、32のセキュリティ特徴のための設定を規定することもできる。
【0068】
ユーザー6は、構成テンプレートを取得することもできるし(E1)、構成を作成することもできるし(E2)、構成を共有することもできるし(E3)、構成をダウンロードすることもできる(E4)。本明細書におけるテンプレートは、薬剤ライブラリサーバー1上に収容されるウェブベースのサービスのナレッジベースを用いて作成者に利用可能にされるべきである。医療デバイス31、32、例えば輸液ポンプ32は、例えばこの関連において、製品タイプ及びソフトウェアバージョンによって記述される。本明細書における、製品番号又はシリアル番号等の一意の識別子に基づく製造データは、正しいカスタム化テンプレートを取得するために、ユーザー6によって参照可能とすることができる。構成は、医療デバイス31、32上に構成データをインストールするためにインストーラー7によってダウンロードすることができる。
【0069】
図8に示すように、ユーザー6は、いわゆる治療エリアを更に作成することもできるし(F1)、治療エリアを除去することもできるし(F2)、治療エリアを公開することもできるし(F3)、治療エリアをダウンロードすることもできる(F4)。本明細書における治療エリアは、構成及び薬剤ライブラリの組み合わせであり、ヘルスケア環境3のサブエリア、例えば病院の病棟に関係することができる。治療エリアによって、例えば、構成及び薬剤ライブラリの特定の組み合わせを、特定のサブエリア、例えば特定の病棟内に配置される医療デバイス31、32に関連付けることが可能であり、それによって、そのようなサブエリア内に位置する全ての医療デバイス31、32が同じ構成及び薬剤ライブラリ設定を適用する。
【0070】
様々な治療エリアは、ヘルスケア環境3全体、例えば病院全体の構造を表すデータセットを形成するように更にグループ化することができる。データセットの組成を図9に示す。この特定の例では、病院レベルにおいて、最大19個の治療エリアが属することができる(G2)1つのデータセットが存在する(G1)。本明細書における治療エリアは病棟レベルを表し、病院の様々な病棟又は科に関係する(G2)。デバイスレベルにおいて、1つの薬剤ライブラリ(G3)及び1つの構成(G4)が各治療エリアに関連付けられる。薬剤ライブラリは、薬剤に関するデータ(G5)と、その薬剤の投与のパラメーター(G6)とを含む。
【0071】
図9に示すように、病院施設レベルにおいて、病院全体の構造をマッピングする1つのデータセット(G1)のみが存在する場合があるが、ユーザーは複数のデータセットを作成、編集及び共有することができる。図10に示すように、ユーザー6は、データセットを作成することもできるし(H1)、データセットを除去することもできるし(H2)、データセットを公開することもできるし(H3)、データセットをダウンロードすることもできる(H4)。さらに、ユーザー(作成者)6と異なるインストーラー7が、データセットをヘルスケア環境3内にインストールするために、そのデータセットを編集可能でない状態でダウンロードすることができる。
【0072】
ウェブベースのサービスは、ヘルスケア環境ドメインの外部で動作する。したがって、ウェブベースのサービスは、病院等の特定のヘルスケア環境3内の医療デバイス31、32の設置に関する情報を収集するのを容易にする、ダウンロードのためのツールをユーザーに提供する。特に、ユーザー6は、図11に示すように、特定のヘルスケア環境3内の医療デバイス31、32の位置特定を可能にするデータを収集する役割を果たすデバイス発見ツールをダウンロードすることができる(I1)。図11に示すように、ユーザー6は、ヘルスケア環境3内でデバイス発見ツールを実行した後、デバイス発見データを薬剤ライブラリサーバー1に更にアップロードすることができ(I2)、デバイス発見データを見直すことができ(I3)、医療デバイス31、32をサービスに割り当てることができる(I4)。
【0073】
デバイス発見ツールは、特定のヘルスケア環境3内の通信デバイス41(図1を参照)上にダウンロードされた後、実行される。本明細書におけるデバイス発見ツールを用いて、輸液ポンプ32のための通信バックボーンとしての役割を果たすラック31を求めてヘルスケア環境3のローカルネットワーク33を検索することができ、ラック31のログファイルからデータを抽出して、ラック31に現在接続されているか又は以前に接続されていた輸液ポンプ32に関するデータを取得することができる。これに関して、ラック31への輸液ポンプ32の各接続は、ラック31のログファイル内に輸液ポンプ32のシリアル番号/製品番号を含むメッセージのログをとることができる。このデータをデバイス発見ツールによって抽出して、ヘルスケア環境3内の輸液ポンプ32の使用に関する情報を提供することができる。ログファイルから抽出されるデータは、ウェブインターフェースパラメーター設定によって以前に設定された、ラック31内に記憶される位置特定データと組み合わせることができる。次に、ネットワーク33上の全てのラック31にわたって抽出された結果データが、更なる解析のために、薬剤ライブラリサーバー1、特に、薬剤ライブラリサーバー1におけるユーザーのクライアント空間にアップロードされる。
【0074】
図12に示すように、ユーザー6は、例えばヘルスケア環境3内の配信サーバー34(図1を参照)上にインストールされたデバイス発見ツールとの関連で、医療デバイス31、32を列挙するデバイスリストを構成することができ(J1)、デバイススキャンを実行することができ(J2)、結果ファイルを解析及び検証することができ(J3)、結果ファイルを薬剤ライブラリサーバー1にアップロードすることができる(J4)。
【0075】
デバイス発見ツールによって、位置特定情報を、医療デバイス31、32と、治療ユニット又は病院内のそれらの医療デバイスの移動とに関連付けることができる。この情報を用いて、例えば、サービスに割り当てられた全ての医療デバイス31、32及びそれらの移動範囲を列挙することによって、病院の構造をマッピングすることができる。
【0076】
さらに、ヘルスケア環境3内の特定の医療デバイス31、32のロケーションに依拠して、その特定の医療デバイス31、32に治療エリアを自動的に割り当てることができる。例えば、治療ユニット内の病棟内の特定の病室内のラック31に取り付けられた輸液ポンプ32は、このロケーションにマッピングされた特定の治療エリアを自動的にプロンプトすることができる。
【0077】
図13に示すように、医療デバイス31、32をカテゴリ分けすることができる。本明細書における最上位カテゴリは全てのデバイス(K1)である。次に、そのようなデバイスは、輸液デバイス(K2)、及びラック31に取り付けられた輸液デバイス32のための通信リンクとしての役割を果たすラック31等の通信デバイス(K5)としてカテゴリ分けすることができる。輸液デバイス(K2)は、シリンジポンプ(K3)及び容積ポンプ(K4)に更にカテゴリ分けすることができる。特定の製造者の特定の輸液デバイス製品に関係する更なるサブカテゴリが存在する場合がある。デバイスデータは、薬剤ライブラリサーバー1のデータベースコンポーネントインターフェース12を介してアクセスすることができる。特に医療デバイス31、32は、デバイスプロファイルデータベース126(図2を参照)において指定することができ、デバイスタイプ、バージョン、シリアル番号、製造日、製品ID及びソフトウェアバージョンに関するデータを含むことができる。さらに、ヘルスケア環境3内の医療デバイス31、32の位置特定に関するデータは、病院施設名、治療ユニット名、病棟名、病室名、ベッド名又はベッド番号及び在庫番号に関するデータを含むデバイス位置特定データベースに記憶され、このようにして病院内の医療デバイス31、32の正確なロケーションを指定する。
【0078】
デバイスマネージャー又は在庫マネージャーを用いて、バーコードを医療デバイス31、32に取り付けるために、静的バーコードを生成するか又は(外部ツールを用いて生成された)静的バーコードを記録することができる。デバイスマネージャーは、例えば、病院ローカルネットワーク33(例えば、ローカルエリアネットワーク)に接続された医療デバイス31、32を自動的に記録するデバイス発見ツールを更に備える。デバイス発見ツールを用いて、医療デバイス31、32に取り付けられるバーコードを生成することもできる。この点に関するバーコードは、ラック31又は輸液ポンプ32に属することができ、ラック31又は輸液ポンプ32に関連付けられたウェブインターフェースへのリンクを確立する役割を果たすことができる。そのようなバーコードは、例えば、ラック31若しくは輸液ポンプ32に直接リンクされたバーコードリーダー、スマートバーコドリーダ、又は、PDA(スマートデバイス)若しくは別の移動デバイス等の通信デバイス40、41によってスキャンすることができる、いわゆるQRコード(登録商標)として提供することができる。バーコードは、例えば、それぞれの医療デバイス31、32と関連付けられたウェブインターフェースへの通信リンクを確立することを可能にする、ホスト名、MACアドレス又は静的IPアドレス等の一意の識別子を含むことができる。
【0079】
図14に示すように、ユーザー6は、デバイス発見ツールによって、例えばデバイススキャンが行われた後、特定の医療デバイス31、32の位置特定を操作し保存することができる(L1)。医療デバイス31、32を、その医療デバイスの関連付けられたウェブインターフェースにリンクする、ホスト名又は静的IPアドレス等の一意の識別子を含む医療デバイス31、32の位置特定が設定されると、バーコードを生成し(L2)、保存及び印刷し(L3)、それぞれの医療デバイス31、32に取り付ける(L4)ことができる。
【0080】
そのようなバーコード8の例が図15に示される。この特定の例のバーコード8は、静的IPアドレス、病院名、病棟名、病室番号、ベッド番号及び在庫IDの形態の一意の識別子を含む、右側に示すデータを符号化する。携帯用デバイス(例えば、移動電話、PDA、タブレットPC等)等の通信デバイス40、41によるバーコード8のスキャンにより、携帯用デバイスのディスプレイ上に、バーコード8内に含まれる情報が表示される。次に、携帯用デバイスが病院ローカルネットワーク33上にあるならば、(携帯用デバイスがタッチスクリーンを含む場合)携帯用デバイスのディスプレイをタップすることによって、ユーザー6はそれぞれの医療デバイス31、32のウェブインターフェースに進む。
【0081】
バーコード8は、医療デバイス31、32の画面上にも直接表示することができる。この場合、バーコード8は静的又は動的とすることができる。静的バーコードの場合、バーコード値は、デバイスマネージャーに従って医療デバイス31、32における特定のツールによって設定される。静的バーコードの場合、デバイスマネージャーは、医療デバイス31、32を識別する一意の識別子(例えばシリアル番号又はMACアドレス)及び関連するバーコードを用いて情報を記憶する。動的バーコードの場合、バーコード8は、医療デバイス31、32によって直接(例えば、一意の識別子及びタイムスタンプを用いることによって、又は乱数発生器によって)、又は配信サーバー34によって生成することができる。後者の場合、配信サーバー34は、関連付けられたバーコード8において、医療デバイス31、32の一意の識別子の追跡を担当する。
【0082】
医療デバイス31、32のウェブインターフェースにアクセスすることによって、医療デバイス31、32の設定を編集することができる。さらに、ウェブインターフェースにアクセスすることによって、医療デバイス31、32にデータをインストールするために、配信サーバー34から取得した薬剤ライブラリデータを医療デバイス31、32に転送することができる。
【0083】
このために、第1のステップにおいて、場合によっては、新たに公開されたデータセット、治療エリア、薬剤ライブラリ又は構成の通知の後に、ユーザー6によって携帯用デバイス等の通信デバイス40、41に或る特定の薬剤ライブラリがダウンロードされる。ユーザー6は、通信デバイス40、41にデータをダウンロードすると、このデータを、図16に示すようなシーケンスを用いて医療デバイス31、32に転送する。ここで、まず、ユーザー6はデータの転送先の医療デバイス31、32上のバーコード8、この特定の例では、ラック31上のバーコード8をスキャンする(ステップS1)。バーコード8のスキャン時に、ユーザー6はラック31のウェブインターフェースに誘導され(ステップS2)、ウェブインターフェースによって、データをラック31に転送する(ステップS3)。データがラック31上に設置されたウェブサーバー等の通信インターフェース310を介してラック31に転送されると(ステップS4)、ユーザー6は、通信インターフェース310を介してそれぞれのコマンドを入力することによって、ラック31に取り付けられた輸液デバイス32へのデータの配信を開始することができる。通信インターフェース310は次に、それに応じてラック31に通知する(ステップS5、S6及びS7)。
【0084】
このシーケンスを用いることによって、輸液ポンプ32が薬剤を患者に点滴している最中に、薬剤ライブラリデータが輸液ポンプ32に転送されないことを確実にすることができる。このために、ユーザー6はまず、自身の通信デバイス40、41にインストールされるデータをダウンロードし、次にこのデータを、ラック31を介してそれぞれの輸液デバイス32に転送する。
【0085】
一方、携帯用デバイス、例えばPDA又は移動電話等の別個の通信デバイス40、41を介して迂回することなく、薬剤ライブラリサーバー1から医療デバイス31、32にデータを直接転送することも可能である。
【0086】
代替的に、例えば、図1に示すような内部配信サーバー34がヘルスケア環境3内に位置することができ、ローカルネットワーク33に接続することができる。内部配信サーバー34は、新たな薬剤ライブラリデータ、例えば新たに公開されたデータセット、治療エリア、薬剤ライブラリ又は構成等が薬剤ライブラリサーバー1において利用可能なときはいつでも、薬剤ライブラリサーバー1から薬剤ライブラリデータをダウンロードする役割を果たす。
【0087】
内部配信サーバー34は、ヘルスケア環境3内に位置するラック31及び輸液デバイス32等の全ての医療デバイス31、32のリストを含む。輸液デバイス32等の医療デバイスがローカルネットワーク33に接続されるときはいつでも、内部配信サーバー34はデバイスの以前に記憶されたリストに対し医療デバイスを検証し、医療デバイス31、32上に現在インストールされているデータのバージョン、及び新たに公開されたデータとの医療デバイスの適合性をチェックする。新たに公開されたデータが医療デバイス31、32と適合する場合、内部配信サーバー34は、医療デバイス31、32がローカルネットワーク30に接続されると医療デバイス31、32にデータを転送し、トランザクションのログをとる。
【0088】
内部配信サーバー34の使用は、医療デバイス31、32へのデータの移動を、通信デバイス40、41を伴う追加のステップを必要とすることなく自動で行うことができるという利点を有する。プロセスはユーザーにトランスペアレントであり、最小限のユーザーインタラクションを含む。
【0089】
さらに、内部配信サーバー34は、内部配信サーバー34上にインストールされたウェブサーバーを備えることができる。ウェブサーバーは、特定の医療デバイス31、32に関係するトランザクションのステータスに関する情報を通信及び中継するように構成することができる。ウェブサーバーは、ヘルスケア環境3内に設置された医療デバイス31、32の明確に規定されたリストを必要とし、例えば、医療デバイス31、32上に現在インストールされている薬剤ライブラリのバージョンをユーザーに通信することを可能にされる。
【0090】
本発明の着想は、上記で説明された実施形態に限定されない。
【0091】
パブリックドメイン内、例えばインターネット上に位置する上記で説明した種類の薬剤ライブラリサーバーを介して提供されるウェブベースのサービスによって、特定のヘルスケア環境、例えば病院内で、更には別個のヘルスケア環境間、例えば異なる病院間で薬剤ライブラリデータを容易に配信及び共有することが可能になる。
【0092】
XML又はJSON/BSONフォーマット等の標準化されたフォーマットにおいて薬剤ライブラリデータを出力することによって、ウェブベースのサービスは様々な製造者の医療デバイスとともに機能することができる。
【0093】
データは、例えば、スマートポンプ/静脈内投薬(IV medication)のためのいわゆるHL7/IHE表現及びHIBCバーコード化規格から既知であるような、薬剤のパラメーター化の既存の定義を用いてパラメーター化することができる。
【符号の説明】
【0094】
1 薬剤ライブラリサーバー
10 ウェブサーバー
11 通信インターフェース(ウェブインターフェースコンポーネントインターフェース)
110 ウェブインターフェースコンポーネント
111 ダウンロード可能なツール
112 デバイス制御
113 デバイス位置特定
12 データベースコンポーネントインターフェース
120a 病院グループ
120b 病院
120c 病棟
121 クライアントプロファイル
122 構成
123 薬剤ライブラリ
124 治療エリア
125 データセット
126 デバイスプロファイル
13 製造者ツール
2 公衆通信ネットワーク
3 ヘルスケア環境
30 インターフェース
31 医療デバイス(ラック)
310 通信インターフェース(ウェブサーバー)
32 医療デバイス(輸液ポンプ)
33 ローカルネットワーク
34 内部配信サーバー
40 通信デバイス(携帯用デバイス)
400 ウェブクライアント
41 通信デバイス(外部デバイス)
410 ウェブクライアント
411 デバイス発見ツール
5 外部サービス
50 外部システム
51 製造者サービス
6 ユーザー
7 インストーラー
8 バーコード
81 情報
A1〜3、B1〜3、C1〜6、D1〜4、E1〜4、F1〜4、G1〜6、H1〜4、I1〜4、J1〜4、K1〜5、L1〜4 特徴
S1〜S7 ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16