特許第6427146号(P6427146)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6427146
(24)【登録日】2018年11月2日
(45)【発行日】2018年11月21日
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/42 20060101AFI20181112BHJP
   H01R 13/71 20060101ALI20181112BHJP
【FI】
   H01R13/42 F
   H01R13/71
【請求項の数】1
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-149198(P2016-149198)
(22)【出願日】2016年7月29日
(65)【公開番号】特開2018-18733(P2018-18733A)
(43)【公開日】2018年2月1日
【審査請求日】2017年10月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】関野 哲也
(72)【発明者】
【氏名】小林 浩
(72)【発明者】
【氏名】美才治 健
【審査官】 板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−293938(JP,A)
【文献】 特開2006−073332(JP,A)
【文献】 特開2010−073531(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/56−72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1端子を収容した第1ハウジングと、前記第1端子に接続可能な複数の第2端子を収容して前記第1ハウジングに嵌合可能な第2ハウジングと、前記第1ハウジングに収容され隣り合う前記第1端子とそれぞれ接触した接触片を有する短絡端子と、前記第2ハウジングに設けられ前記接触片を変位させて前記第1端子と前記接触片との接触を解除する解除部とを備えたコネクタであって、
前記接触片は、前記第1端子と接触可能に設けられた接点部と、この接点部より前記第2ハウジング側に位置され前記解除部と摺動可能に設けられた摺動部とを有し、
前記接点部は、前記摺動部が前記解除部と摺動して前記接触片が変位されたときに、前記解除部から離間して配置され
前記解除部には、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとが嵌合した状態で、前記接点部と前記第1端子との間に配置される絶縁部が設けられていることを特徴とするコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに関する。詳細には、ハウジングに収容された複数の端子間を接続する短絡端子を有するコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コネクタとしては、複数の第1端子としての雌端子を収容した第1ハウジングと、雌端子に接続可能な複数の第2端子としての雄端子を収容して第1ハウジングに嵌合可能な第2ハウジングと、第1ハウジングに収容され隣り合う雌端子とそれぞれ接触した接触片を有する短絡端子と、第2ハウジングに設けられ接触片を変位させて雌端子と接触片との接触を解除する解除部としての解除片とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このコネクタでは、例えば、第1ハウジングに収容された複数の雌端子のうち隣り合う2つの雌端子がエアバックの作動を制御するエアバック回路に接続されている。
【0004】
この隣り合う2つの雌端子は、第1ハウジングと第2ハウジングとが嵌合されていない状態で、第1ハウジングに収容された短絡端子の接触片と接触することにより、短絡端子を介して接続されている。
【0005】
このように第1ハウジングと第2ハウジングとが嵌合していない状態で、短絡端子を介して2つの雌端子同士を接続することにより、2つの雌端子間に電位差を生じることがなく、エアバックの誤爆を防止している。
【0006】
この2つの雌端子と短絡端子との接続は、第1ハウジングと第2ハウジングとを嵌合することにより、第2ハウジングの解除片によって短絡端子の接触片が変位されて雌端子と接触片との接触が解除され、2つの雌端子と短絡端子との接続が解除される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−73268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記特許文献1のようなコネクタでは、第2ハウジングの解除部によって短絡端子の接触片を変位させるときに、接触片に設けられた第1端子と接触可能な接点部が解除部と摺動することによって接触片を変位させている。
【0009】
しかしながら、上記特許文献1のコネクタのように、接触片の接点部と解除部とを摺動させてしまうと、接点部に変形が生じたり、解除部に付着した絶縁物が接点部に付着する恐れがあった。
【0010】
このような場合、第1ハウジングと第2ハウジングとの嵌合を解除し、接点部と第1端子とを接触させると、接点部と第1端子とが正常に接触しなかったり、接点部と第1端子との間に絶縁物が介在してしまい、短絡端子による電気的性能が低下する恐れがあった。
【0011】
そこで、この発明は、短絡端子による電気的性能を保持することができるコネクタの提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1記載の発明は、複数の第1端子を収容した第1ハウジングと、前記第1端子に接続可能な複数の第2端子を収容して前記第1ハウジングに嵌合可能な第2ハウジングと、前記第1ハウジングに収容され隣り合う前記第1端子とそれぞれ接触した接触片を有する短絡端子と、前記第2ハウジングに設けられ前記接触片を変位させて前記第1端子と前記接触片との接触を解除する解除部とを備えたコネクタであって、前記接触片は、前記第1端子と接触可能に設けられた接点部と、この接点部より前記第2ハウジング側に位置され前記解除部と摺動可能に設けられた摺動部とを有し、前記接点部は、前記摺動部が前記解除部と摺動して前記接触片が変位されたときに、前記解除部から離間して配置され、前記解除部には、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとが嵌合した状態で、前記接点部と前記第1端子との間に配置される絶縁部が設けられていることを特徴とする。
【0013】
このコネクタでは、接触片が、第1端子と接触可能に設けられた接点部と、この接点部より第1ハウジングと第2ハウジングとの嵌合方向前側に位置され解除部と摺動可能に設けられた摺動部とを有するので、第1ハウジングと第2ハウジングとが嵌合するときに、摺動部が解除部と摺動し、接点部が解除部と摺動することがなく、接点部の解除部との摺動による変形を防止することができる。
【0014】
この接点部は、摺動部が解除部と摺動して接触片が変位されたときに、解除部から離間して配置されているので、第1ハウジングと第2ハウジングとが嵌合した状態で、接点部が解除部に接触することがなく、解除部に付着した絶縁物が接点部に付着することを防止することができる。
【0015】
従って、このようなコネクタでは、第1ハウジングと第2ハウジングとの嵌合を解除した状態で、接点部と第1端子とを正常に接触させ、接点部と第1端子との間に絶縁物が介在することがなく、短絡端子による電気的性能を保持することができる。
【0017】
このコネクタでは、解除部に、第1ハウジングと第2ハウジングとが嵌合した状態で、接点部と第1端子との間に配置される絶縁部が設けられているので、接点部と第1端子との間の絶縁性を向上することができ、短絡端子と第1端子との導通を防止することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、短絡端子による電気的性能を保持することができるコネクタを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施の形態に係るコネクタの断面図である。
図2】本発明の実施の形態に係るコネクタの第1ハウジングの分解斜視図である。
図3】本発明の実施の形態に係るコネクタの第1ハウジングの断面図である。
図4】本発明の実施の形態に係るコネクタの第2ハウジングの分解斜視図である。
図5】本発明の実施の形態に係るコネクタの第2ハウジングの斜視図である。
図6図5の要部拡大図である。
図7】本発明の実施の形態に係るコネクタの第2ハウジングの断面図である。
図8】(a)は本発明の実施の形態に係るコネクタの短絡端子の平面図である。(b)は本発明の実施の形態に係るコネクタの短絡端子の側面図である。
図9】本発明の実施の形態に係るコネクタの第1ハウジングと第2ハウジングとが嵌合するときの要部拡大断面図である。
図10】本発明の実施の形態に係るコネクタの第1ハウジングと第2ハウジングとが嵌合したときの要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1図10を用いて本発明の実施の形態に係るコネクタについて説明する。
【0021】
本実施の形態に係るコネクタ1は、複数の第1端子3を収容した第1ハウジング5と、第1端子3に接続可能な複数の第2端子7を収容して第1ハウジング5に嵌合可能な第2ハウジング9と、第1ハウジング5に収容され隣り合う第1端子3,3とそれぞれ接触した接触片11,11を有する短絡端子13と、第2ハウジング9に設けられ接触片11を変位させて第1端子3と接触片11との接触を解除する解除部15とを備えている。
【0022】
また、接触片11は、第1端子3と接触可能に設けられた接点部17と、この接点部17より第1ハウジング5と第2ハウジング9との嵌合方向前側に位置され解除部15と摺動可能に設けられた摺動部19とを有する。
【0023】
そして、接点部17は、摺動部19が解除部15と摺動して接触片11が変位されたときに、解除部15から離間して配置されている。
【0024】
また、解除部15には、第1ハウジング5と第2ハウジング9とが嵌合した状態で、接点部17と第1端子3との間に配置される絶縁部21が設けられている。
【0025】
図1図10に示すように、複数の第1端子3は、それぞれタブ状の接続部を有する雄型端子からなり、エアバックの作動を制御するエアバック回路に接続された複数の電線23の端末部にそれぞれ電気的に接続されている。
【0026】
この複数の第1端子3は、第1ハウジング5に形成された開口から第1ハウジング5に挿入され、第1ハウジング5内に収容される。
【0027】
第1ハウジング5は、合成樹脂などの絶縁性材料からなり、第1端子3を挿入させる開口と反対側に内部に第2ハウジング9を嵌合可能な第1嵌合部25が設けられ、この第1嵌合部25の底部側に第1端子3を収容する複数の第1端子収容室27が設けられている。
【0028】
この第1ハウジング5の複数の第1端子収容室27内には、それぞれ第1端子3を係止する第1係止ランス29が撓み可能に設けられ、この複数の第1端子収容室27に連通された孔部に第1スペーサ31を挿入することにより複数の第1端子3が二重係止される。
【0029】
このような第1ハウジング5内に収容された複数の第1端子3は、第1ハウジング5の第1嵌合部25に第2ハウジング9が嵌合することにより、第2ハウジング9に収容された複数の第2端子7に接続される。
【0030】
複数の第2端子7は、それぞれ第1端子3のタブ状の接続部を挿入可能な箱状の接続部を有する雌型端子からなり、電源や機器などに接続された複数の電線33の端末部にそれぞれ電気的に接続されている。
【0031】
この複数の第2端子7は、第2ハウジング9に形成された開口から第2ハウジング9に挿入され、第2ハウジング9内に収容される。
【0032】
第2ハウジング9は、合成樹脂などの絶縁性材料からなり、第2端子7を挿入させる開口と反対側に第1ハウジング5の第1嵌合部25内に挿入可能な第2嵌合部35が設けられ、この第2嵌合部35の内部に第2端子7を収容する複数の第2端子収容室37が設けられている。
【0033】
この第2ハウジング9の複数の第2端子収容室37内には、それぞれ第2端子7を係止する第2係止ランス39が撓み可能に設けられ、この複数の第2端子収容室37に連通された孔部に第2スペーサ41を挿入することにより複数の第2端子7が二重係止される。
【0034】
ここで、第2ハウジング9の電線33の引出部側の外周には、第2ハウジング9に撓み可能な係止部43を介して仮係止位置(図7参照)にキャップハウジング45が組付けられている。
【0035】
このキャップハウジング45は、第1ハウジング5と第2ハウジング9とが半嵌合である場合、仮係止位置から移行することができず、第1ハウジング5と第2ハウジング9とが嵌合した場合、係止部43の係止位置が移行し、本係止位置(図1参照)に移行する。
【0036】
このようなキャップハウジング43の仮係止位置と本係止位置との移行により、第1ハウジング5と第2ハウジング9との嵌合状態を検知することができる。
【0037】
このような第2ハウジング9は、第2嵌合部35が第1ハウジング5の第1嵌合部25と嵌合することにより、第1ハウジング5に収容された第1端子3と第2ハウジング9に収容された第2端子7とが電気的に接続される。
【0038】
ここで、メンテナンスなどによって、第1ハウジング5と第2ハウジング9との嵌合を解除した状態では、エアバック回路に接続された第1ハウジング5に収容された複数の第1端子3の間に、静電気などによって電位差が生じるとエアバックが誤爆する恐れがあった。
【0039】
そこで、複数の第1端子3の間に電位差を生じなくさせるために、複数の第1端子3のうち隣り合う2つの第1端子3,3を電気的に接続する複数の短絡端子13が第1ハウジング5に収容されている。
【0040】
複数の短絡端子13は、それぞれプレス加工や折り曲げ加工を施された1枚の導電性材料からなり、端部に弾性変形可能な2つの接触片11,11を有している。
【0041】
この接触片11は、上下方向に弾性変形可能に設けられ、自由端側に、第1ハウジング5内に収容された状態で第1端子3に向けて突出された接点部17が設けられている。
【0042】
この接点部17は、隣り合う2つの第1端子3,3の外周面に接触片11の所定の付勢力によって接触され、隣り合う2つの第1端子3,3が短絡端子13を介して電気的に接続された状態となる。
【0043】
このように短絡端子13を介して2つの第1端子3,3の間を電気的に接続することにより、2つの第1端子3,3の間に電位差が生じることがなく、エアバックの誤爆を防止することができる。
【0044】
このような接点部17より第1ハウジング5と第2ハウジング9との嵌合方向前側である接触片11の自由端には、第1端子3側に向けて突出された摺動部19が設けられている。
【0045】
この摺動部19は、第1ハウジング5と第2ハウジング9とが嵌合するときに、第2ハウジング9に設けられた解除部15と摺動して接触片11を変位させ、第1ハウジング5と第2ハウジング9とが嵌合した状態で、解除部15との当接が保持されて接触片11の変位が保持され、接点部17と第1端子3との接触を解除させる。
【0046】
解除部15は、第2ハウジング9の第1ハウジング5との嵌合方向前側に配置されると共に、第2ハウジング9が第1ハウジング5と嵌合するときに第1ハウジング5に収容された複数の短絡端子13の接触片11の摺動部19と当接可能な位置に配置され、第2ハウジング9と連続する一部材で複数形成されている。
【0047】
この解除部15は、第1ハウジング5側に、第1ハウジング5側から第2ハウジング9側に向けて上り傾斜となる傾斜面を有しており、この傾斜面は、短絡端子13の2つの接触片11,11の摺動部19,19と当接可能な幅を有している。
【0048】
このような解除部15は、第1ハウジング5と第2ハウジング9とが嵌合するときに、傾斜面の下端が短絡端子13の接触片11の摺動部19と当接し、第1ハウジング5と第2ハウジング9との嵌合が進むと、摺動部19が傾斜面に沿って摺動し、接触片11が上方に向けて変位される。
【0049】
この解除部15による接触片11の変位により、接触片11の接点部17と第1端子3との接触が解除され、隣り合う第1端子3,3の間の電気的な接続が解除され、第1ハウジング5と第2ハウジング9とが嵌合すると、第1端子3と第2端子7とが電気的に接続される。
【0050】
この第1ハウジング5と第2ハウジング9との嵌合状態、すなわち第1端子3と第2端子7とが電気的に接続された状態では、接触片11の摺動部19が、解除部15の傾斜面の上端側に設けられた平面に当接されて接触片11の変位された状態が保持され、接点部17と第1端子3とが接触することがなく、短絡端子13と第1端子3とが電気的に接続されることがない。
【0051】
このような接触片11の摺動部19と解除部15との摺動及び当接による接触片11の変位において、接点部17は、第1端子3との接触が解除された状態から第1端子3と第2端子7とが接続されるまでの間に、解除部15と摺動及び当接しないように、解除部15から離間して配置されている。
【0052】
このように接点部17を配置することにより、解除部15との摺動による接点部17の変形を防止することができ、第1ハウジング5と第2ハウジング9との嵌合を解除した状態で、接点部17と第1端子3とを正常に接触させることができ、短絡端子13と第1端子3との接続信頼性を保持することができる。
【0053】
加えて、解除部15に絶縁物が付着していても、接点部17と解除部15とが摺動及び当接することがないので、接点部17に絶縁物が付着することがなく、接点部17と第1端子3との間に絶縁物が介在することを防止でき、短絡端子13と第1端子3との接続信頼性を保持することができる。
【0054】
ここで、解除部15には、傾斜面の下端から第1ハウジング5側に向けて第2ハウジング9と連続する一部材で絶縁部21が延設されている。
【0055】
この絶縁部21は、第1ハウジング5と第2ハウジング9とが嵌合した状態で、接点部17と離間しつつ、接点部17と第1端子3との間に配置される。
【0056】
このように第1ハウジング5と第2ハウジング9とが嵌合した状態で、接点部17と第1端子3との間に絶縁部21を配置させることにより、接点部17と第1端子3との間の絶縁性を向上することができ、短絡端子13と第1端子3との導通を防止することができる。
【0057】
このようなコネクタ1では、接触片11が、第1端子3と接触可能に設けられた接点部17と、この接点部17より第1ハウジング5と第2ハウジング9との嵌合方向前側に位置され解除部15と摺動可能に設けられた摺動部19とを有するので、第1ハウジング5と第2ハウジング9とが嵌合するときに、摺動部19が解除部15と摺動し、接点部17が解除部15と摺動することがなく、接点部17の解除部15との摺動による変形を防止することができる。
【0058】
この接点部17は、摺動部19が解除部15と摺動して接触片11が変位されたときに、解除部15から離間して配置されているので、第1ハウジング5と第2ハウジング9とが嵌合した状態で、接点部17が解除部15に接触することがなく、解除部15に付着した絶縁物が接点部17に付着することを防止することができる。
【0059】
従って、このようなコネクタ1では、第1ハウジング5と第2ハウジング9との嵌合を解除した状態で、接点部17と第1端子3とを正常に接触させ、接点部17と第1端子3との間に絶縁物が介在することがなく、短絡端子13による電気的性能を保持することができる。
【0060】
また、解除部15には、第1ハウジング5と第2ハウジング9とが嵌合した状態で、接点部17と第1端子3との間に配置される絶縁部21が設けられているので、接点部17と第1端子3との間の絶縁性を向上することができ、短絡端子13と第1端子3との導通を防止することができる。
【0061】
なお、本発明の実施の形態に係るコネクタでは、摺動部が接触片の自由端を突出させて設けられているが、これに限らず、例えば、接触片の自由端に耐摩耗性などを有する摺動部材を一体に設けて摺動部としてもよい。
【0062】
この場合には、摺動部と解除部との摺動による接触片の変形を防止することができ、接触片の弾性変形力を保持し、短絡端子と第1端子との接続信頼性を保持することができる。
【符号の説明】
【0063】
1…コネクタ
3…第1端子
5…第1ハウジング
7…第2端子
9…第2ハウジング
11…接触片
13…短絡端子
15…解除部
17…接点部
19…摺動部
21…絶縁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10