特許第6427217号(P6427217)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6427217野菜洗浄装置及びこれを用いた野菜洗浄システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6427217
(24)【登録日】2018年11月2日
(45)【発行日】2018年11月21日
(54)【発明の名称】野菜洗浄装置及びこれを用いた野菜洗浄システム
(51)【国際特許分類】
   A23N 12/02 20060101AFI20181112BHJP
【FI】
   A23N12/02 Q
【請求項の数】17
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-75528(P2017-75528)
(22)【出願日】2017年4月5日
(65)【公開番号】特開2017-192380(P2017-192380A)
(43)【公開日】2017年10月26日
【審査請求日】2017年4月5日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0049575
(32)【優先日】2016年4月22日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(73)【特許権者】
【識別番号】517121227
【氏名又は名称】株式会社イシダマニュファクチャリングコリア
【氏名又は名称原語表記】Ishida Manufacturing Korea Co.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】増田 一郎
(72)【発明者】
【氏名】ハ・ジェソン
(72)【発明者】
【氏名】コ・ジョンウォン
【審査官】 西尾 元宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−070371(JP,A)
【文献】 特開平02−203739(JP,A)
【文献】 特開平09−028364(JP,A)
【文献】 特開2004−307405(JP,A)
【文献】 特開2000−074565(JP,A)
【文献】 特開昭63−305976(JP,A)
【文献】 特開2005−341926(JP,A)
【文献】 特開2003−180317(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23N 12/02
12/06
A01N 25/02
F26B 17/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容部が形成されており、前記収容部に洗浄液が収容される貯蔵槽、
前記貯蔵槽内の下部に配置され、前記貯蔵槽に収容された洗浄液に第1水流を発生させるスクリュー、及び
前記貯蔵槽内の前記スクリューの上側方に設置され、洗浄液を噴射して第2水流を発生させる複数の洗浄液噴射ノズル、
を備え
前記スクリューは、水平方向に延びる駆動軸と、前記駆動軸の回転によって回転するスクリュー羽根とを有しており、
前記第1水流は、洗浄液が上下に流動して形成される水流であり、
前記第2水流は、洗浄液が左側方向または右側方向に流動して形成される水流である、
ことを特徴とする、野菜洗浄装置。
【請求項2】
前記第1水流は、全体的に洗浄液が上下に流動する流れを有する水流である、
ことを特徴とする、請求項1に記載の野菜洗浄装置。
【請求項3】
前記洗浄液は、炭酸を含む電解次亜水(電解次亜塩素酸ナトリウム、NaClO)である、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の野菜洗浄装置。
【請求項4】
電解次亜水を発生させる電解次亜水発生器、
炭酸ガスと水を混合して炭酸水を生成する炭酸水生成器、及び
前記電解次亜水発生器で発生した電解次亜水と、前記炭酸水生成器で生成された炭酸水とを混合して、洗浄液を生成する洗浄液生成器、
をさらに備え、
前記洗浄液生成器で生成された洗浄液は、洗浄液供給管を通じて前記貯蔵槽に供給される、
ことを特徴とする、請求項3に記載の野菜洗浄装置。
【請求項5】
前記スクリューは、
駆動軸、
前記駆動軸の周囲に沿って形成された、少なくとも一つの時計方向に回転する第1スクリュー羽根、及び
前記駆動軸の周囲に沿って形成された、少なくとも一つの反時計方向に回転する第2スクリュー羽根、
を有する、
ことを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の野菜洗浄装置。
【請求項6】
前記第1スクリュー羽根と前記第2スクリュー羽根は、前記駆動軸に沿って交互に配置される、
ことを特徴とする、請求項5に記載の野菜洗浄装置。
【請求項7】
前記洗浄液噴射ノズルは、前記洗浄液が一方向に噴射されるように形成され、
前記それぞれの洗浄液噴射ノズルによって噴射された洗浄液が全体的に一方向に回転する流れを生じさせるように、前記複数の洗浄液噴射ノズルが配置される、
ことを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の野菜洗浄装置。
【請求項8】
前記貯蔵槽内の前記スクリューの上方に位置し、内部に野菜が収容され、前記洗浄液が内部において流動可能になるように洗浄液流動孔が形成されている、洗浄かご、
をさらに備え、
前記洗浄かごは、洗浄された野菜が前記洗浄かごの回動によって前記貯蔵槽の外部に排出されるように、設置される、
ことを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の野菜洗浄装置。
【請求項9】
前記洗浄かごは、水平断面の形状が四角形以上の多角形である、
ことを特徴とする、請求項8に記載の野菜洗浄装置。
【請求項10】
前記洗浄かごは、水平断面の形状が八角形である、
ことを特徴とする、請求項9に記載の野菜洗浄装置。
【請求項11】
前記貯蔵槽の一側面には、上部に、オーバーフロー(overflow)した洗浄液が排水される排水溝が形成され、中央部に、洗浄液が排水される第1排水口が形成されており、
前記貯蔵槽の底面には、洗浄液が排水される第2排水口が形成されており、
前記排水溝には、洗浄液の上を浮遊する相対的に軽い異物が排出され、
前記第1排水口には、洗浄液内部に存在する異物が排出され、
前記第2排水口には、洗浄液の下に沈んだ相対的に重い異物が排出される、
ことを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の野菜洗浄装置。
【請求項12】
前記排水溝、前記第1排水口及び前記第2排水口の後段には、それぞれ、異物を濾過する第1ストレーナ、第2ストレーナ及び第3ストレーナが形成されている、
ことを特徴とする、請求項11に記載の野菜洗浄装置。
【請求項13】
前記貯蔵槽の一方の側に設置され、前記排水溝、前記第1排水口及び前記第2排水口を通じて排水される洗浄液が収容される、排水槽、
をさらに備える、
ことを特徴とする、請求項11に記載の野菜洗浄装置。
【請求項14】
前記排水槽の底面には、循環排水口が形成されており、
前記循環排水口と連結されて前記排水槽に収容された洗浄液をポンピングするサニタリーポンプ(sanitary pump)、及び
前記サニタリーポンプによってポンピングされた洗浄液を前記複数の洗浄液噴射ノズルに分配する洗浄液分配器、
をさらに備え、
前記複数の洗浄液噴射ノズルは、前記洗浄液分配器を通じて分配された洗浄液を噴射する、
ことを特徴とする、請求項13に記載の野菜洗浄装置。
【請求項15】
前記排水槽には、洗浄液を外部に排出する洗浄液排出口が形成されており、
前記洗浄液排出口を通じて外部に排出される洗浄液の流量は、前記貯蔵槽に供給される洗浄液の流量と同一である、
ことを特徴とする、請求項13に記載の野菜洗浄装置。
【請求項16】
前記野菜は、既設定された大きさにスライシングされた野菜である、
ことを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の野菜洗浄装置。
【請求項17】
野菜を既設定された大きさにスライシングする野菜スライシング装置、及び
前記スライシングされた野菜を洗浄する請求項16に記載の野菜洗浄装置、
を含むことを特徴とする、野菜洗浄システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、野菜洗浄装置及びこれを用いた野菜洗浄システムに関し、より詳細には、一定の大きさにスライシングされた野菜を洗浄する洗浄装置及びこれを用いた野菜洗浄システムに関する。
【背景技術】
【0002】
多様な野菜は、広く食用される食品の一つであり、かかる野菜を食用するためには、まず土のような異物や虫、農薬成分などをきれいに洗浄しなければならない。特に、新鮮な野菜は、加熱せずに生で食用する場合が多いため、洗浄が重要である。最近、野菜を一定の大きさにスライシングして食べやすく販売する場合が増加しているが、このように一定の大きさにスライシングされている野菜を洗浄する装置及びシステムが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする技術的課題は、スライシングされた野菜をきれいに洗浄することができる野菜洗浄装置及び野菜洗浄システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記の技術的課題を解決するための、本発明による野菜洗浄装置の一実施例は収容部が形成されており、前記収容部に洗浄液が収容される貯蔵槽、前記貯蔵槽内の下部に配置され、前記貯蔵槽に収容された洗浄液に第1水流を発生させるスクリュー、及び前記貯蔵槽内の前記スクリューの上側方に設置され、洗浄液を噴射して第2水流を発生させる複数の洗浄液噴射ノズル、を備える。
【0005】
本発明による野菜洗浄装置の一実施例において、前記第1水流は洗浄液が上下に流動して形成される水流であり、前記第2水流は洗浄液が左側方向または右側方向に流動して形成される水流であってもよい。
【0006】
本発明による野菜洗浄装置の一実施例において、前記洗浄液は炭酸を含む電解次亜水(電解次亜塩素酸ナトリウム、NaClO)であってもよい。
【0007】
本発明による野菜洗浄装置の一実施例において、電解次亜水を発生させる電解次亜水発生器、炭酸ガスと水を混合して炭酸水を生成する炭酸水生成器、及び前記電解次亜水発生器で発生した電解次亜水と、前記炭酸水生成器で生成された炭酸水を混合して洗浄液を生成する洗浄液生成器、をさらに備え、前記洗浄液生成器で生成された洗浄液は洗浄液供給管を通じて前記貯蔵槽に供給されてもよい。
【0008】
本発明による野菜洗浄装置の一実施例において、前記スクリューは、駆動軸、前記駆動軸の周囲に沿って形成された少なくとも一つの時計方向に回転する第1スクリュー羽根、及び前記駆動軸の周囲に沿って形成された少なくとも一つの反時計方向に回転する第2スクリュー羽根を備えてもよい。
【0009】
本発明による野菜洗浄装置の一実施例において、第1スクリュー羽根と第2スクリュー羽根は、前記駆動軸の周囲に沿って交互に配置されてもよい。
【0010】
本発明による野菜洗浄装置の一実施例において、前記洗浄液噴射ノズルは、前記洗浄液が一方向に噴射されるように形成され、前記それぞれの洗浄液噴射ノズルによって噴射された洗浄液が一方向に回転する流れを有するように、前記複数の洗浄液噴射ノズルが配置されてもよい。
【0011】
本発明による野菜洗浄装置の一実施例において、前記貯蔵槽内の前記スクリューの上方に位置し、内部に野菜が収容され、前記洗浄液が内部に流動可能になるように洗浄液流動孔が形成されている洗浄かごをさらに備え、前記洗浄かごは洗浄された野菜が前記洗浄かごの回動によって前記貯蔵槽の外部に排出されるように設置されてもよい。
【0012】
本発明による野菜洗浄装置の一実施例において、前記洗浄かごは、水平断面の形状が四角形以上の多角形であってもよい。
【0013】
本発明による野菜洗浄装置の一実施例において、前記洗浄かごは、水平断面の形状が八角形であってもよい。
【0014】
本発明による野菜洗浄装置の一実施例において、前記貯蔵槽の一側面には、上部にオーバーフロー(overflow)した洗浄液が排水される排水溝と、中央部分に洗浄液が排水される第1排水口が形成されており、前記貯蔵槽の底面には、洗浄液が排水される第2排水口が形成されており、前記排水溝には洗浄液の上を浮遊する相対的に軽い異物が排出され、前記第1排水口には洗浄液内部に存在する異物が排出され、前記第2排水口には洗浄液の下に沈んだ相対的に重い異物が排出されてもよい。
【0015】
本発明による野菜洗浄装置の一実施例において、前記排水溝、前記第1排水口及び前記排水口の後段には、それぞれ、異物を濾過する第1ストレーナ、第2ストレーナ及び第3ストレーナが形成されてもよい。
【0016】
本発明による野菜洗浄装置の一実施例において、前記貯蔵槽の一側に設置され、前記排水溝、前記第1排水口及び前記第2排水口を通じて排水される洗浄液が収容される排水槽、をさらに備えてもよい。
【0017】
本発明による野菜洗浄装置の一実施例において、前記排水槽の底面には循環排水口が形成されており、前記循環排水口と連結されて前記排水槽に収容された洗浄液をポンピングするサニタリーポンプ(sanitary pump)、及び前記サニタリーポンプによってポンピングされた洗浄液を前記複数の洗浄液噴射ノズルに分配する洗浄液分配器、をさらに備え、前記複数の洗浄液噴射ノズルは前記洗浄液分配器を通じて分配された洗浄液を噴射してもよい。
【0018】
本発明による野菜洗浄装置の一実施例において、前記排水槽には洗浄液を外部に排出する洗浄液排出口が形成されており、前記洗浄液排出口を通じて外部に排出される洗浄液の流量は前記貯蔵槽に供給される洗浄液の流量と同一であってもよい。
【0019】
本発明による野菜洗浄装置の一実施例において、前記野菜は、既設定された大きさにスライシングされた野菜であってもよい。
【0020】
前記の技術的課題を解決するための、本発明による野菜洗浄システムの一実施例は、野菜を既設定された大きさにスライシングする野菜スライシング装置、及び前記スライシングされた野菜を洗浄する野菜洗浄装置を備えてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、スクリューを用いて発生させる上下方向の水流と、洗浄液噴射ノズルを通じて発生する左右方向の水流によって多様な流れの水流が形成され、これによって野菜が互いにぶつかりながら洗浄液の洗浄力が極大化する。
【0022】
また、本発明による野菜洗浄装置の一実施例では、炭酸を含む電解次亜水を洗浄液として用いて洗浄するので、野菜に残存する残留農薬除去、野菜殺菌及び野菜の多様な屈曲に付着している異物や虫除去効果が向上する。
【0023】
また、本発明による野菜洗浄装置の一実施例では、貯蔵槽内部の水流は上下/左右方向の水流に限定されず、スクリューと洗浄液噴射ノズルを用いて多様な形態の水流を具現することもできる。
【0024】
また、本発明による野菜洗浄装置の一実施例では、洗浄が終了すると自動で洗浄かごが回動して洗浄された野菜が外部に排出されるので生産性が増加し、貯蔵槽から排水された洗浄液を循環させて用いるので、費用が節減する効果がある。
【0025】
また、本発明による野菜洗浄装置の一実施例は、特にスライシングされた野菜を洗浄することに関し、その効果が優れている。スライシングされた野菜は軽くて洗浄かごの底面や側面に付着するようになるが、本発明による野菜洗浄装置の一実施例は、スクリューと洗浄液噴射ノズルを用いて上下/左右方向の多様な水流を生成させるので、スライシングされた野菜も洗浄かごの内部で流動して洗浄効果が極大化する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明による野菜洗浄装置の一実施例を概略的に示した図面である。
図2】本発明による野菜洗浄装置に備えられた洗浄液噴射ノズルの一実施例を概略的に示した図面である。
図3a】本発明による野菜洗浄装置に備えられた洗浄かごの一例を概略的に示した図面である。
図3b】本発明による野菜洗浄装置に備えられた洗浄かごの他の一例を概略的に示した図面である。
図4】本発明による野菜洗浄装置に備えられた洗浄かごの動作を概略的に示した図面である。
図5】本発明による野菜洗浄システムの一実施例を概略的に示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。本発明の実施例は、当該技術分野で通常の知識を有する者に本発明をさらに完全に説明するために提供されるものであり、下記実施例は、様々な他の形態に変形することができ、本発明の範囲が下記実施例に限定されるものではない。むしろ、これらの実施例は、本開示をさらに忠実かつ完全にさせ、当業者に本発明の思想を完全に伝達するために提供されるものである。
【0028】
図面において、例えば、製造技術及び/または公差(tolerance)によって、図示された形状の変形が予想され得る。したがって、本発明の実施例は、本明細書に図示された領域の特定形状に制限されるものと解釈されてはならず、例えば、製造上引き起こされる形状の変化を含まなければならない。同一の符号は、始終同一の要素を意味する。さらに、図面における多様な要素と領域は、概略的に示されたものである。したがって、本発明は、添付した図面に示された相対的な大きさや間隔によって制限されない。
【0029】
図1は、本発明による野菜洗浄装置の一実施例を、概略的に示した図面である。
【0030】
図1を参照すると、本発明による野菜洗浄装置の一実施例100は、貯蔵槽110、排水槽120、洗浄かご130、洗浄かご回動モータ135、電解次亜水発生器140、炭酸水生成器142、洗浄液生成器145、スクリュー150、スクリュー駆動モータ155、洗浄液噴射ノズル160、サニタリーポンプ162、洗浄液分配器165、を備える。
【0031】
貯蔵槽110には、上側が開放された収容部111が形成されており、収容部111には、洗浄液が収容される。洗浄液は、野菜洗浄のためのものであり、洗浄液生成器145で生成されて洗浄液供給管112を通じて貯蔵槽110に供給される。洗浄液生成器145で生成された洗浄液は、5〜10℃の温度で貯蔵槽110に供給されてもよく、供給される洗浄液の流量は、10L/min程度であってもよい。
【0032】
洗浄液生成器145では、電解次亜水発生器140で発生した電解次亜水(電解次亜塩素酸ナトリウム、NaClO)と、炭酸水生成器142で生成された炭酸水とを混合し、炭酸を含む電解次亜水洗浄液を生成する。電解次亜水発生器140は、電解次亜水を発生させる機器である。電解次亜水は薄い食塩水を電気分解して得ることができ、本実施例の電解次亜水発生器140は、電解次亜水を発生させさえすれば多様な形態の機器を用いることができる。電解次亜水は、野菜を殺菌したり、残留農薬を除去したりすることに効果がある。炭酸水生成器142は、二酸化炭素(CO)と水とを混合して炭酸水を生成する機器であり、本実施例の炭酸水生成器142は、炭酸水を発生させさえすれば多様な形態の機器を用いることができる。炭酸水は、野菜の折れ曲がった部分に浸透して異物や虫を除去する効果がある。したがって、炭酸を含む電解次亜水を野菜洗浄液として使用することは、野菜に残存する残留農薬を除去し、野菜を殺菌し、野菜の多様な屈曲に付着している異物や虫を除去するなど、野菜を洗浄することに非常に適している。
【0033】
スクリュー150は、貯蔵槽110内の下部に配置され、貯蔵槽110に収容された洗浄液に第1水流を発生させる。スクリュー150によって発生し得る第1水流は、洗浄液が上下に流動する水流であり、渦流(vortex)形態であってもよい。スクリュー150は、駆動軸151と、スクリュー羽根152、153とを備える。駆動軸151は、スクリュー駆動モータ155と連結され、スクリュー駆動モータ155によって回転運動をする。スクリュー羽根152、153は、駆動軸151の周囲に沿って形成される。スクリュー駆動モータ155の駆動によって、駆動軸151が回転することより、スクリュー羽根152、153が回転するようになり、スクリュー羽根152、153の回転によって、貯蔵槽110に収容された洗浄液に渦流が発生するようになる。かかる方法で発生する第1水流は、全体的に洗浄液が上下に流動する流れを有する水流であり、かかる水流は、洗浄液の洗浄力をより高めるようになる。スクリュー羽根152、153は、その形状によって時計方向に回転する第1スクリュー羽根152と、反時計方向に回転する第2スクリュー羽根153とに区分される。第1スクリュー羽根152と第2スクリュー羽根153は、駆動軸151の周囲に沿って交互に配置されてもよい。時計方向に回転する第1スクリュー羽根152と、反時計方向に回転する第2スクリュー羽根153とが、交互に配置されて共に回転すると、第1水流がより多様な形態となって洗浄液の洗浄力が向上する。
【0034】
洗浄液噴射ノズル160は、貯蔵槽110内に位置し、スクリュー150の上側方に配置される。洗浄液噴射ノズル160は、洗浄液を噴射して貯蔵槽110内に第2水流を発生させる。この時、洗浄液噴射ノズル160によって発生する第2水流は、洗浄液が左右に流動する水流であってもよい。洗浄液噴射ノズル160は、ベンチュリノズル(venturi nozzle)を用いることができ、これを通じて加圧された洗浄液をより強く噴射させる。洗浄液噴射ノズル160の位置及び洗浄液の噴射方向を、図2に示す。図2に示すように、本実施例の洗浄液噴射ノズル160は、貯蔵槽110内に4個配置され、各洗浄液噴射ノズル160は、正方形形状の断面を有する貯蔵槽110のコーナーに配置されてもよい。それぞれの洗浄液噴射ノズル160は、洗浄液を一方向に噴射し、それぞれの洗浄液噴射ノズル160から噴射された洗浄液によって発生する第2水流が一方向に回転する流れを有するように洗浄液が噴射される。例えば、図2に示すように、貯蔵槽110の上側から見た時、洗浄液噴射ノズル160から噴射された洗浄液が反時計方向に回転する流れを有するように洗浄液が噴射されてもよい。また、貯蔵槽110のコーナーにそれぞれ位置した洗浄液噴射ノズル160の洗浄液噴射方向が、貯蔵槽110の側面から一定の角度を有するように、それぞれの洗浄液噴射ノズル160が配置されてもよい。洗浄液噴射ノズル160が、図2に示すように配置されて洗浄液が噴射されると、全体的に貯蔵槽110の下面と平行して一方向に回転する流れを有する水流が発生して、洗浄液の洗浄力が向上する。さらに、スクリュー150による上下方向の第1水流と、洗浄液噴射ノズル160による左右方向の第2水流とが、共に発生して組み合わされると、さらに多様な形態の水流が形成され、洗浄液の洗浄力はさらに倍増する。また、第1水流と第2水流とは、それぞれ上下方向の水流と左右方向の水流とに限定されず、多様な形態と方向に流動する水流であってもよい。そして、かかる多様な形態と方向に流動する第1水流と第2水流との組み合わせは、スクリュー150と洗浄液噴射ノズル160とを通じて具現することができる。図2には、洗浄液噴射ノズル160が4個配置された形態が図示されているが、洗浄液噴射ノズル160の個数はこれに限定されず、多様な個数の洗浄液噴射ノズル160を用いてもよい。
【0035】
洗浄対象になる野菜は、洗浄かご130に入れられ、洗浄かご130は、洗浄時に貯蔵槽110内のスクリュー150の上部に位置する。本実施例に用いられる洗浄かご130は、様々な形態に形成されてもよい。かかる洗浄かご130の例を、図3a及び図3bに示した。
【0036】
図3aに示された洗浄かご130aは、正方形形状の底面131aと、底面131aから延長形成された4個の側面132aとからなり、内部に野菜が収容される。底面131aと4個の側面132aとは、一体形成されてもよく、金属材質からなってもよい。洗浄かご130aの底面131aと平行な断面は、上側に向かうほど、断面の大きさが増加する。そして、洗浄時に、洗浄かご130a内部に洗浄液が流動されるように、洗浄かご130aには、洗浄液流動孔133aが形成される。洗浄液流動孔133aは、洗浄かご130aに入っている野菜は通過せずに洗浄液のみが流動されるように、小さな大きさを有する。洗浄液流動孔133aは、洗浄液が洗浄かご130a内部に好適に流動されるように、打孔形態の孔が底面131aと4個の側面132aの全面とに複数形成される。
【0037】
しかし、図3aに示された洗浄かご130aの底面131aのように四角形状からなると、洗浄かご130aのコーナー部分137aへの洗浄液の流れが円滑でなくなるため、洗浄液の流れを円滑にして洗浄の効果を大きくするためには、洗浄かご130の水平な断面の形状が四角形以上の多角形形状であることが好ましく、八角形形状であることがさらに好ましい。洗浄かご130の水平な断面の形状が八角形形状であるものを、図3bに示した。
【0038】
図3bに示す洗浄かご130bは、八角形形状の底面131bと底面131bから延長形成された8個の側面132bとからなり、内部に野菜が収容される。底面131bと8個の側面132bとは、一体形成されてもよく、金属材質からなってもよい。洗浄かご130bの底面131bと平行な断面は、上側に向かうほど、断面の大きさが増加する。そして、洗浄時に、洗浄かご130b内部に洗浄液が流動されるように、洗浄かご130bには、洗浄液流動孔133bが形成される。洗浄液流動孔133bは、洗浄かご130bに入っている野菜は通過せずに洗浄液のみが流動されるように、小さな大きさを有する。洗浄液流動孔133は、図3aに示されたような打孔形態であってもよいが、これよりさらに大きな形態であってもよく、図3bでは、底面131bには打孔形態で、側面132bはメッシュ(mesh)形態の洗浄液流動孔133bを有する洗浄かご130bを示した。このように、側面132bにメッシュ形態の洗浄液流動孔133bが形成されていれば、洗浄液が洗浄かご130b内部にさらに好適に流動される。そして、洗浄液流動孔133bは、底面131bの全面と8個の側面132bの下部には形成されているが、8個の側面132bの上部には形成されないこともある。
【0039】
洗浄かご130は、洗浄が終わると洗浄された野菜が洗浄かご130の回動によって貯蔵槽110の外部に排出されるように設置される。洗浄かご130の回動動作を、図4に示す。図4を参照すると、洗浄かご130は、一方向に長く伸びている形状の回動棒134と結合される。回動棒134は、洗浄かご130の側面132のうち一つの上面角と平行に配置され、貯蔵槽110の上側方に貯蔵槽110に対して固定されるように設置される。回動棒134は、洗浄かご回動モータ135と連結され、洗浄かご回動モータ135の駆動によって回動棒134が回転する。洗浄かご回動モータ135は、洗浄かご130が150゜以上回動するように回動棒134を回転させる。洗浄が終了して、洗浄かご回動モータ135が回動棒134を回転させると、洗浄かご130は、回動棒134を中心に回動し、洗浄かご130は、貯蔵槽110の外部に出ることができるようになる。洗浄かご130が150゜程度回動すると、洗浄かご130の開放されている上側が底に向かうようになり、これによって洗浄かご130に入っている洗浄された野菜137が外部に排出される。かかる方法により、洗浄終了後に洗浄された野菜137を簡便に野菜洗浄装置100の外部に排出することができる。
【0040】
排水槽120は、貯蔵槽110の一方の側に配置され、内部に収容空間が形成されるように設置され、貯蔵槽110で使用された洗浄液が排水されて収容される。貯蔵槽110に収容された洗浄液が排水槽110に排水されることができるように、貯蔵槽110には、排水溝113、第1排水口115、第2排水口117が形成されている。排水溝113は、排水槽120と当接している貯蔵槽110の一方の側面上部に形成され、貯蔵槽110に収容される洗浄液のうちオーバーフロー(overflow)した洗浄液が、排水溝113を通じて排水槽120に排水される。洗浄液が排水溝113を通じて排水槽120に排水される時、洗浄液の上を浮遊する相対的に軽い異物が共に排出される。
【0041】
排水溝113の後段には、第1ストレーナ(strainer)114が形成されており、排水溝113を通じて排出された異物を濾過する。第1ストレーナ114の入口部分は、四角形断面の形状に形成されてもよく、オーバーフローした異物が好適に除去されるように350mm×40mm程度の大きさを有するように形成されてもよいが、この大きさは実施例によって変化してもよい。
【0042】
第1排水口115は、排水槽120と当接している貯蔵槽110の一方の側面中央部に形成され、貯蔵槽110に収容される洗浄液を排水させる。洗浄液が第1排水口115を通じて排水槽120に排水される時、洗浄液内に存在する異物が共に排出される。そして、第1排水口115の後段には、第2ストレーナ116が形成されており、第1排水口115を通じて排出された異物を濾過する。第2ストレーナ116の入口部分と出口部分は、四角形断面の形状に形成されてもよく、異物が好適に除去されるように入口部分は250mm×60mm程度の大きさを有するように形成されてもよく、出口部分は60mm×25mm程度の大きさを有するように形成されてもよいが、入口と出口の大きさは実施例によって変化してもよい。
【0043】
第2排水口117は、貯蔵槽110の底面に形成され、貯蔵槽110の下部と排水槽120を連通させ、貯蔵槽110に収容される洗浄液を排水させる。洗浄液が第2排水口117を通じて排水槽120に排水される時、洗浄液の下に沈んだ相対的に重い異物が共に排出される。そして、第2排水口117の後段には、第3ストレーナ118が形成されており、第2排水口117を通じて排出された異物を濾過する。
【0044】
このように、貯蔵槽110に形成されている排水溝113、第1排水口115及び第2排水口117を通じて、洗浄された洗浄液が排水槽120に円滑に排水され得、排出される時に、洗浄液に含まれた異物は第1ストレーナ114、第2ストレーナ116及び第3ストレーナ118を通じて濾過される。これを通じて、排水槽120には、異物が除去された洗浄液が収容されるようになる。
【0045】
排水槽120に収容された洗浄液は、循環して再び貯蔵槽110に供給される。このために、排水槽120の底面には、循環排水口122が形成されている。そして、排水槽120の下部に配置されたサニタリーポンプ(sanitary pump)162は、循環排水口122と連結され、排水槽120に収容された洗浄液をポンピングする。サニタリーポンプ162と循環排水口122との間には、洗浄液を浄水するためのフィルタ163が設置される。サニタリーポンプ162によってポンピングされた洗浄液は、洗浄液分配器165を通じて洗浄液噴射ノズル160に分配される。本実施例では、洗浄液噴射ノズル160が4個設置されているので、洗浄液分配器165は、サニタリーポンプ162でポンピングされた洗浄液を、4個の洗浄液噴射ノズル160に分配する。上述したように、洗浄液噴射ノズル160の個数は4個に限定されず、実施例によって多様な個数を用いてもよく、サニタリーポンプ162は、洗浄液噴射ノズル160の個数に応じて、すべての洗浄液噴射ノズル160に洗浄液を分配する。かかる循環方式を通じて、貯蔵槽110から排水槽120に排水された洗浄液のうち一部は、再び貯蔵槽110に供給されて野菜洗浄に用いられる。
【0046】
貯蔵槽110から排水槽120に排水された洗浄液は、すべて循環されるのではなく、一部は上述した循環方式を通じて貯蔵槽110に供給され、一部は排水槽120に形成されている洗浄液排出口125を通じて外部に排出される。貯蔵槽110には野菜洗浄のために常に一定量の洗浄液が収容されていなければならないので、洗浄液排出口125を通じて外部に排出される洗浄液分が、洗浄液供給管112を通じて貯蔵槽110に洗浄液が供給される。すなわち、洗浄液供給管112を通じて供給される洗浄液の流量と、洗浄液排出口125を通じて外部に排出される洗浄液の流量とは、同一であることが好ましい。例えば、洗浄液排出口125を通じて外部に排水される洗浄液の流量が10L/minであれば、10L/min流量の洗浄液が洗浄液供給管112を通じて供給されるように制御される。そして、排水槽120の内部には、洗浄液排出口125と連結された洗浄液排出管127が形成されており、洗浄液排出管127は、排水槽120がオーバーフローすることを防止する。そして、排水槽120の下部には、水を排水するドレイン129が形成されている。
【0047】
上述した本実施例による野菜洗浄装置100は、炭酸を含む電解次亜水を洗浄液として用いて洗浄するので、野菜に残存する残留農薬除去、野菜殺菌及び野菜の多様な屈曲に付着している異物と虫の除去効果が向上する。また、スクリュー150を用いて発生する上下方向の第1水流と、洗浄液噴射ノズル160を用いて発生する左右方向の第2水流との組み合わせによって、多様な流れの水流が形成され、これによって洗浄液の洗浄力が極大化する。そして、洗浄が終了すると、自動で洗浄かご130が回動して洗浄された野菜が外部に排出されるので、生産性が増加し、貯蔵槽110から排水された洗浄液を循環させて用いるので、費用が節減する効果がある。本実施例による野菜洗浄装置100は、特にスライシングされた野菜を洗浄することに関し、その効果が優れている。スライシングされた野菜は、軽いため、洗浄かご130の底面131や側面132に付着するようになるが、本実施例による野菜洗浄装置100は、スクリュー150と洗浄液噴射ノズル160を用いて上下/左右方向の多様な水流を生成させるので、スライシングされた野菜も洗浄かご130の内部で流動して、野菜が互いにこすられたり、ぶつかったりしながら洗浄効果が極大化する。
【0048】
図5は、本発明による野菜洗浄システムの一実施例を概略的に示した図面である。
【0049】
図5を参照すると、本発明による野菜洗浄システムの一実施例200は、野菜スライシング装置210及び野菜洗浄装置220を備える。
【0050】
野菜スライシング装置210は、野菜を予め設定された大きさにスライシングする装置であり、野菜を一定の大きさにスライシングする機能さえあれば多様な形態の装置を用いてもよい。
【0051】
野菜洗浄装置220は、野菜スライシング装置210を通じてスライシングされた野菜を供給され、スライシングされた野菜を洗浄する装置であり、図1に示して説明した野菜洗浄装置100を用いてもよく、詳細な説明は省略する。
【0052】
本実施例における野菜洗浄システム200の野菜洗浄装置220を通じて洗浄された野菜は、自動で外部に排出され、排出された野菜の搭載及び運搬システムと野菜の分類及び包装システムと連結されてもよい。
【0053】
以上、本発明の実施例に対して図示して説明したが、本発明は上述した特定の実施例に限定されず、請求の範囲で請求する本発明の要旨を遺脱することなく当該発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば何人も多様な変形実施が可能であることは勿論、そのような変更は請求の範囲の記載の範囲内に含まれる。
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5